説明

基材コーティングのための組成物及び方法

本発明は、組成物、組成物を組み込む方法、及びこの方法により製造され、香料を放出し、続いて体液による臭気を、デンプン封入アコード(SEA)及びキャリアの組み込みにより最小限にすることができる、例えば、基材、生理用品、おむつ、パンティライナー、ペーパータオル、ティッシュ、腋窩シールドなどの物品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、組成物を組み込む方法、及びこの方法により製造され、香料を放出し、続いて体液から生じる臭気を、デンプン封入アコード(SEA)及びキャリアの組み込みにより最小限にすることができる物品(例えば、基材、生理用品、おむつ、パンティライナー、トレーニングパンツ、成人失禁用下着など)に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において既知である多種多様な流体吸収性構造体が、血液、尿、経血などのような体液を吸収し、これらは衛生的であり、そして使用中快適である。この種の使い捨て製品は、一般に流体透過性トップシート材料、流体吸収性コア、及び流体不透過性バックシート材料を含む。そのような物品の様々な形状、大きさ及び厚さが、その使用をより快適で、便利にするような試みにおいて探求されてきた。
【0003】
吸収性製品における臭気の抑制が長年にわたって研究されてきた。多くの体液が不快な臭気を有するか、又は空気及び/又は細菌と長期間接触するとそのような臭気を発生する。消費者は、典型的には、悪臭を利用しておむつ、生理用品などの交換の必要性を決める。悪臭は、また、排泄しつけ法に不可欠な構成要素でもある。
【0004】
交換の必要性を示す1つの要因として身体の悪臭に頼ることに対する1つの代替案は、「匂い信号」(“scent signal”)の使用である。「匂い信号」は、消費者に吸収性製品を取り外すとまではいかなくても、少なくとも調べる必要性を知らせる肯定的な香料の匂いである。典型的には、匂い信号は、汗、尿、経血などの体液と接触した時に発せられる。
【0005】
吸収性製品に組み込まれ匂い信号を発生するのに好適である1つ材料は、デンプン封入アコード又はSEAである。SEAは、セルに安定して保持されている香料を含有する、水溶性セル状マトリックスを含む固体粒子である。SEAが水分、尿などのような水と接触すると、それにより水溶性セル状マトリックスが少なくとも部分的に溶解し、香料を放出させ、それにより匂い信号を発生させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、SEAを吸収性製品に組み込んで匂い信号を提供することは有利であるが、これらの製造に関連して数多くの問題がある。典型的には、これらの問題は、吸収性製品へ組み込まれるような基材の製造方法に組み込むことが安定、安価及び容易な形態でSEAを依然として提供しながら、SEAの水分への暴露を予防又は最小限にし、SEAが塵を発生する可能性を減少する及び/又は取り除くことに関する。SEAを基材に組み込むことに関する別の問題は、正確性の問題であり、すなわち商業的方法に要求されるあらゆる妥当な程度の正確性で基材にSEAを送達できることが困難であり、費用がかかることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、物質の組成物であって、
(a)デンプン封入アコードと、
(b)約100〜約10,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、
(c)水の組成物の約0〜約10重量%を含み、
(b)と(a)の重量比が約1:1以上である組成物を提供する。
【0008】
本発明の第2の態様は、組成物を基材に送達する方法であって、
(a)コーティング組成物が、
(i)デンプン封入アコードと、
(ii)キャリアとを含み、
キャリアとデンプン封入アコードの重量比が1:1以上である前記コーティング組成物を提供することと、
(b)コーティング組成物の有効量を基材に送達し、付着させること、を含む方法を提供する。
【0009】
本明細書全体にわたって提示されるあらゆる限界が、場合によってはさらに低い又はさらに高いあらゆる限界を、こうしたさらに低い又はさらに高い限界が本明細書に明確に記載されているかのように包含するということを、理解すべきである。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲は、そのような広い範囲内に入るあらゆるさらに狭い範囲を、こうしたさらに狭い範囲が全て本明細書に明確に記載されたかのように包含する。
【0010】
引用される全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれ、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。特に指定しない限り、全ての百分率、比率、及び割合は重量基準であり、全ての温度は摂氏温度(℃)である。全ての測定値は、特に指定しない限りSI単位によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付の図面と関連してなされた本発明の説明を参照することにより、本発明の上述及び他の特徴及び目的、並びにそれらを達成する方法がより明白になり、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「含む」とは、多様な構成要素、成分、又は工程を、本発明の実施において共同して使用できることを意味する。それ故に、用語「含む」は、制約がなく、より限定的な用語「から実質的に成る」及び「から成る」を包含する。他の用語は、本明細書でさらに詳細に考察されて、定義される。
【0013】
本発明の方法は、本明細書で記載されるコーティング組成物の有効量を本明細書で記載される基材に提供する工程、送達する工程及び付着させる工程を含む。
【0014】
(a)コーティング組成物
本発明のコーティング組成物は、2つの必須成分、デンプン封入アコード又はSEAと、キャリアとを有する。これらの2つの構成成分は、キャリアとSEAの重量比が1:1以上で存在する。本発明の1つの任意の実施形態では、コーティング組成物は、水をコーティング組成物の約0重量%〜約10重量%、より好ましくは、約0重量%〜約5重量%含む。本発明の1つの極めて好ましい実施形態では、コーティング組成物は実質的に水を含まず、微量の水しか含有しない。この低水分含有量は、また、生産損失の減少により製造コストを減少しながら、SEAに追加的な安定性を提供し、SEAの寿命を延ばす。
【0015】
本発明のコーティング組成物は、審美的構成成分、顔料などであるがこれらに限定されないような任意成分を含んでもよい。幾つかの例示的な任意成分が本明細書で記載されている。
【0016】
望ましくは、少なくとも有効量のコーティング組成物が物品に塗布される。有効量は、典型的には、消費者に、コーティング組成物が付着している基材が十分な水性流体(例えば、経血、尿など)又は水含有固体(例えば、糞便)に接触したことを合図するために、気が付くような匂い信号を提供する量である。本発明の1つの任意の実施形態では、基材が使い捨て吸収性物品の一部である場合、基材に存在するコーティング組成物の典型的な量は、基材当たり約0.001g〜約5g、好ましくは約0.005g〜約1g、より好ましくは約0.01g〜約0.5gである。
【0017】
(i)デンプン封入アコード(又はSEA)
本発明のコーティング組成物は、デンプン封入アコード又はSEAを含む。SEAは、セルに安定的に保持されている香料を含有する水溶性セル状マトリックスを含む固体粒子である。典型的にはSEAは、(i)香料をSEAの好ましくは約20重量%〜約60重量%、より好ましくは約20重量%〜約50重量%の範囲;(ii)主に多糖類及び/又はポリヒドロキシ化合物をSEAの好ましくは少なくとも20重量%から、より好ましくは約50重量%〜約80重量%;並びに(iii)任意に、湿潤剤、加工助剤、流動剤など及びこれらの組み合わせであるがこれらに限定されないような補助剤成分を約0%〜約5%の範囲で含む。
【0018】
SEAは主に多糖類及びポリヒドロキシ化合物を含む。多糖類は、好ましくは、天然ゴム類、例えば、アラビアゴム、デンプン誘導体、デキストリン化された加水分解デンプンなどのような非甘味のコロイド性で可溶性型の高級多糖類である。ポリヒドロキシ化合物は、好ましくは、アルコール類、植物性糖類、ラクトン類、モノエーテル類、及びアセタール類である。本発明で有用なSEAは、典型的には、多糖類とポリヒドロキシ化合物とを適正な割合で、必要であるか又は望ましければ添加された乳化剤と共に水相を形成し、水相に香料を乳化させ、塊が可塑性又は流動性である間に水分を除去する(例えば、エマルションの液滴をスプレー乾燥する)ことにより調製される。SEA及び方法の詳細は、例えば、米国特許第3,971,852号(ブレナー(Brennner)ら、1976年7月27日発行)に記載されている。
【0019】
本発明の1つの任意の実施形態では、最小限の非封入表面香料しか有さないことが望ましく、より好ましくはSEAの約1重量%未満である。
【0020】
本発明の別の任意の好ましい実施形態では、SEAは、好ましくは約0.5μm〜約1000μmの粒径及び約1μm〜約300μmの平均粒径、より好ましくは約1μm〜約500μmの粒径及び約1μm〜約100μmの平均粒径、さらにより好ましくは約1μm〜約100μmの粒径及び約10μm〜約50μmの平均粒径を有する。
【0021】
SEAは、例えば、ポラックス・フルータル・ワークス社(Polak’s Frutal Works,Inc.)(ニューヨーク州ミドルタウン(Middletown,N.Y.))製のIN−CAP(登録商標)として、及びエンカプスレイテッド・テクノロジー社(Encapsulated Technology,Inc.)(ニューヨーク州ナイアック(Nyack,N.Y.)製のオプチロック・システム(Optilok System)(登録商標)封入香料として、商業的に得ることができる。他の適切なSEAは、ハーマン・アンド・ライマー(Haarmann & Reimer)(米国ニュージャージー州テトロボロ(Teterboro,NJ USA))から入手可能である。
【0022】
本発明の香料成分及び組成物は、汎用品であり、当該技術分野において周知である。どのような香料構成成分又は香料の量を選択するかは、機能性及び審美的考慮に基づいている。本発明で有用な好ましい香料構成成分は、高揮発性及び中揮発性の香料成分、より好ましくは高揮発性で、低沸点の成分である。
【0023】
高揮発性で低沸点の香料成分は、典型的には約250℃以下の沸点を有する。これらの高揮発性香料成分は、一過性であり、放出されると直ちに消失する。多くの、より中程度の揮発性香料成分も直ちに消失する。中程度揮発性香料成分は、約250℃〜約300℃の沸点を有するものである。本明細書下記において、匂い特性、並びに沸点及び分子量のような物理的及び化学的特性と共に考察されている香料成分のうちの多くのものは、「香料及び風味薬品(芳香薬品)」(“Perfume and Flavor Chemicals (Aroma Chemicals)”)、ステファン・アークテンダー(Steffen Arctander)、自費出版、1969年で示されている。
【0024】
高揮発性で低沸点の香料成分は、アネトール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルホルメート、イソ−ボミル(bomyl)アセテート、カンフェン、シス−シトラール(ネラール)、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、パラ−シメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、ゲラニアール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルニトリル、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルプロピオネート、アントラニル酸メチル、α−メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルボニルアセテート、左旋回性−メチルアセテート、メントン、イソ−メントン、ミルセン、ミルセニルアセテート、ミルセノール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、テルピニルアセテート、及びバーテネックス(パラ−三級−ブチルシクロヘキシルアセテート)である。幾つかの天然油類は、また、高揮発性香料成分を高い割合で含有する。例えば、ラバンジンは、主要な構成成分として、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール油、及びシトロネロールを含有する。レモン油及びオレンジテルペン類は、両方ともd−リモネンを約95%含有する。
【0025】
中揮発性香料成分の例は、アミルシンナミックアルデヒド、イソアミルサリチラート、β−カリオフィレン、セドレン、ケイ皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、イソオイゲノール、フロールアセテート、ヘリオトロピン、3−シス−ヘキセニルサリチラート、ヘキシルサリチラート、リリアール(パラ−三級ブチル−α−メチルヒドロケイ皮酸アルデヒド)、γ−メチル(metyhyl)イオノン、ネロリドール、パチュリアルコール、フェニルヘキサノール、β−セリネン、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、トリエチルシトレート、バニリン、及びベラトルムアルデヒドである。シーダー材テルペン類は、主にα−セドレン、β−セドレン、及び他のC1524セスキテルペン類から構成されている。
【0026】
SEAの例は、約50%の香料装填及び約3μm〜約100μmの範囲の粒径を有する、ポラックス・フルータル・ワークス社(Polak’s Frutal Works,Inc.)から得られるIN−CAPマイクロカプセルのサンプルである。香料の主要な構成成分は、シトラール及びd−リモネンのような高揮発性構成成分である。
【0027】
典型的には、SEAは、有効量で、すなわちSEAとキャリアの有効な混合を提供するため、並びにコーティング組成物が基材に送達され、付着され得るために有効である量で、コーティング組成物に存在する。SEAは、コーティング組成物の好ましくは約0.01重量%〜約99重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約97重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約98重量%の濃度でコーティング組成物に存在することが好ましい。
【0028】
(ii)キャリア
本発明のコーティング組成物は、キャリアを含み、これは、香料を放出させるSEAと最小限の相互作用を持つか、又は好ましくは相互作用を持たないで、SEAを懸濁することができなければならない。キャリアは、コーティング組成物の好ましくは約0.01重量%〜約99重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約97重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約98重量%の濃度でコーティング組成物に存在することが好ましい。
【0029】
キャリアは液体であってよいか、又はプロセスが実施される温度で液体である固体であってもよい。
【0030】
1つの任意の実施形態では、キャリアはポリアルキレングリコール又はその混合物であり、例えば、好ましくは約200〜約20,000、より好ましくは約200〜約10,000、さらにより好ましくは約200〜約7,500、最も好ましくは約400〜約6000g/molの重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールである。他の好適なポリアルキレングリコール類の非限定例には下記が挙げられる:好ましくは約600〜約4,000g/molの重量平均分子量を有するポリプロピレングリコール類;好ましくは約1,000〜約10,000g/molの重量平均分子量を有するポリ(テトラメチレングリコール);約1,100g/molの重量平均分子量及び約0.15:1のEO/PO比を有するポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド又はEO/PO)グリコールのような混合ポリアルキレングリコール類;約3,440g/molの重量平均分子量、約0.33:1のEO/PO比を有するポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)グリコール;約2,920g/molの重量平均分子量、約0.8:1のEO/PO比を有するポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)グリコール;約13.333g/molの重量平均分子量、約3:1のEO/PO比を有するポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)グリコール;及び約8,750g/molの重量平均分子量、約5:1のEO/PO比を有するポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)グリコール;並びに混合ポリアルキレングリコールブロックコポリマー類、例えば、HO−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−[CHCHO]−H及び/又はHO−[CH(CH)CHO]−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−Hであり、ここで、yの合計は、約15〜約70の範囲であり、xの合計とyの合計との比率は、約1:10〜約11:10、より好ましくは約1:2〜約1:1である。これらの物質の市販の例には、BASF社(BASF Corporation)により製造され、それぞれ商品名プルロニック(Pluronic)(登録商標)及びプルロニックR(登録商標)界面活性剤で販売されている物質が挙げられる。
【0031】
他の適切なキャリアには、C〜C22、好ましくはC〜Cアルキル化ポリアルキレングリコール類[ポリ(アルキレングリコール)モノ−及びジアルキルエーテル類]、RO−(RO)−H及び/又はRO−(RO)−Rが挙げられ、Rは、それぞれメチル、エチル、プロピル、又はブチルであり、Rは、それぞれC〜Cアルキレン基であり、nは1〜約200の範囲であり、ポリアルキレングリコールの割合は好ましくは約50%を超える。特定の例は下記である:
RO−[CHCH(CH)O]−H、ここでRは、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり、そしてmは、1〜約200である;
RO−(CHCHO)−H、ここでRは、それぞれメチル、エチル、プロピル、又はブチル、好ましくはメチルであり、そしてnは、約2〜約200、好ましくは約15〜約150、より好ましくは約15〜約100である;及び/又はRO−(CHCHO)−R、ここでRは、それぞれメチル、エチル、プロピル、又はブチルであり、そしてnは、約2〜約200、好ましくは約15〜約150,より好ましくは約15〜約100である。
【0032】
他の好適なキャリアには、約200〜約20,000g/molの重量平均分子量を有し、ポリアルコキシ部分の重量%が約50重量%〜約99重量%であるポリアルコキシル化物質が挙げられる。特定の例には、テトロニック(Tetronic)(登録商標)、テトロニックR(登録商標)、及びバルスタット(Varstat)66(登録商標)が挙げられる。テトロニック(登録商標)及びテトロニックR(登録商標)は、BASF社(BASF Corporation)により製造されたブロックコポリマー界面活性剤である。バルスタット66(登録商標)は、シレックス・ケミカル社(Sherex Chemical Company)により販売されている。
【0033】
本発明の1つの任意の実施形態では、キャリアは、プロセスが実施される温度で液体であるか又は溶融相である油(すなわちプロセスが実施される温度で液体である固体)であることができる。好適な油類には、鉱油、軽油、白色鉱油、ワセリン、流動石油、ペトロラタム、ペトロラタムゲル及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。キャリアとしての使用に好適な他の物質には、グリセリン/グリセロール/グリセリン(1,2,3−プロパントリオール)のようなポリオール類、パラフィンろう類、ステアリルアルコールなどであるがこれには限定されない脂肪族アルコール類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。
【0034】
1つの任意の実施形態では、キャリアは、ポリアルキレングリコール類、好ましくはポリエチレングリコール類、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、鉱油、鉱物油、ポリオール類、パラフィンろう類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0035】
本発明の1つの好ましい実施形態では、キャリアは、約100〜約10,000、より好ましくは約200〜約7,500g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールである。
【0036】
キャリアが可能性のあるキャリアの混合物を含むことも本発明の範囲内である。
【0037】
どのキャリアが使用されるかに関わりなく、SEAと適合性があり、それが付着する基材の意図される使用に適していなければならない。例えば、基材が乳児用おむつのトップシートに組み込まれる場合、キャリアは、おむつでの使用に適合性がある必要がある。
【0038】
(比率)
キャリアとSEAの重量比は、約1:1以上、好ましくは約1:1〜約10:1、さらにより好ましくは約1:1以上〜約5:1であってよい。驚くべきことに、この比率は、SEAのキャリア中での均一の懸濁を確実にするために重要であり、加えてコーティング組成物の加工性、基材への送達及び付着を改良することが判明した。
【0039】
この相対的な関係(すなわちキャリアとSEAの比率)は、加工が容易なコーティング組成物を提供し、基材への簡単な送達及び良好な付着を提供する。キャリアとSEAとの関係は、また、最適な量のSEAを基材へ有効に送達することを可能にし、それにより原材料の費用削減を生み出し、種々の加工工程におけるSEAの損失を少なくする。本発明のコーティング組成物は、また、加工性が高く、コーティング組成物においてSEAの基材への効果的で簡素な送達を可能にする。例えば、コーティング組成物は、容易に加工可能であるため、SEAは、基材への付着を正確に狙うことができる(例えば、コーティング組成物の付着は、単に基材の全体をコーティングするのではなく、基材の1つ以上の領域に容易に限定することができる)。SEAの付着標的化は、必要なSEAの量を削減することが可能であり、それによりさらにコストの削減となることを意味するため、このことは更なる費用削減である。
【0040】
(iii)任意成分
本発明で使用されるコーティング組成物は、任意に1つ以上の任意成分を含有してもよい。これらの成分の例には、限定はされないが下記が挙げられる:審美的構成成分、顔料、発色剤、着色剤、固化防止剤、消泡剤、防腐剤、染料、抗菌剤(例えば、クオタニウム−15、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、DMDMヒダントイン、サットサイド(Suttocide)A、IPBCなど)、酸化防止剤、蛍光剤、結合剤、燻蒸シリカ、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート化剤、化学薬品添加剤、溶媒(水以外)、化粧品用殺生物剤、変性剤、保湿剤、乳白剤、pH調製剤、加工助剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、結合剤、増粘剤、ヒドロコロイド類、ゼオライト類など。
【0041】
任意成分は、存在する場合、典型的には、コーティング組成物の約0.0001重量%〜約99.9重量%、好ましくは約0.001重量%〜約99重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約97重量%の濃度で組成物にそれぞれ使用される。
【0042】
(b)送達及び付着
図1は、本発明の1つの実施形態、すなわちコーティング組成物20を基材30に送達するプロセス10を説明する。本明細書で記載されているコーティング組成物20は、液体又はプロセス10が実施される温度で液体であるキャリアを含み、SAE粒子は、貯蔵タンク40に準備される。キャリア及びSEAは、予め適切な割合で一緒に混合されて貯蔵タンク40に送達されてよいか、あるいは貯蔵タンク40中で一緒に混合されてよい。図示されない代替的実施形態では、キャリア及びSEAは貯蔵タンク40の別々の区画に貯蔵され、貯蔵タンク40から分配される時に混合されてコーティング組成物20を形成する。貯蔵タンク40は、キャリアを液体に保持するため、又はコーティング組成物20を加熱若しくは予熱するために、コーティング組成物20又はその構成成分を所定の温度で維持するヒーターを任意に含んでもよい。好適な貯蔵タンクには、ノードソン社(Nordson Corporation)(米国ジョージア州ドーソンビル(Dawsonville,Georgia USA))から入手可能なDX溶融機(Melter)又はITWダイナテック・アメリカス(Dynatec AMERICAS)(米国テネシー州ヘンダーソンビル(Hendersonville,TN USA))から入手可能なダイナメルト(Dynamelt)Sが挙げられるが、それらには限定されない。
【0043】
次にコーティング組成物20は、貯蔵タンク40から供給タンク50に移される。この動作は、ポンピング、重力送りなどのようなあらゆる適切な従来の方法により達成されてよいが、ポンプの使用が好ましい。供給タンク50は、コーティング組成物が送達ホース60を介して供給タンク50から出る時、コーティング組成物が所望の温度であることを確実にする温度制御を有する。供給タンク50は、また、コーティング組成物20の均一及び一様の混合を確実にするために使用されることもある。送達ホース60は、好ましくは少なくとも断熱されている、より好ましくは、コーティング組成物20が所望のプロセス温度の状態を保つように断熱され、温度が調節されている。好適な供給タンクには、ノードソン社(Nordson Corporation)(米国ジョージア州ドーソンビル(Dawsonville,Georgia USA))から入手可能なDX溶融機(Melter)又はITWダイナテック・アメリカス(Dynatec AMERICAS)(米国テネシー州ヘンダーソンビル(Hendersonville,TN USA))から入手可能なダイナメルト(Dynamelt)Sが挙げられるが、それらには限定されない。適切な送達ホースには、ノードソン社(米国ジョージア州ドーソンビル)から入手可能なアドバンスト・テクノロジー(Advanced Technology)RTDホース又はITWダイナテック・アメリカス(米国テネシー州ヘンダーソンビルから入手可能なダイナフレックス・ホットメルト接着剤ホース(Dynaflex Hot Melt Adhesive Hose)が挙げられるが、それらには限定されない。
【0044】
コーティング組成物20が供給タンク50から送達ホース60を通ると、配置制御塗布機70に到達する。配置制御塗布機70は、また、好ましくは少なくとも断熱されている、より好ましくはコーティング組成物20が所望のプロセス温度の状態を保つように断熱され、温度が調節されている。配置制御塗布機70はコーティング組成物20を塗布機80に供給し、それは次にコーティング組成物20を基材30に送達する。
【0045】
塗布機80は、あらゆる好適な塗布機であってよく、特に、ビード押出成形機、スロットダイコーター、スプレーノズルなど及びこれらの組み合わせの1つ以上であるがそれらに限定されないような、加熱された液体を基材に塗布することに典型的に使用されるものであってよい。塗布機80は、これらの1つ以上を含んでよく、これらはウェブの幅に対して平行に配列されていてよいか又は直列に配列されていてよい。いずれの場合も、どのような塗布機が選択されても、液体、好ましくは、懸濁されている粒子を含有する加熱された液体を、移動しているかもしれない基材上に塗布できなければならない。本発明の1つの実施形態では、塗布機は、寸法、すなわち幅、長さ、周囲などを有し、これは、約200μm超、より好ましくは約400μm〜約1000μmである。
【0046】
好適なスロットダイコーターには、ノードソン社(Nordson Corporation)(米国ジョージア州ドーソンビル(Dawsonville,Georgia USA))から入手可能なEP11塗布機(Applicator)又はITWダイナテック・アメリカス(Dynatec AMERICAS)(米国テネシー州ヘンダーソンビル(Hendersonville,TN USA))から入手可能なMR1300スロットダイコーター(Slot Die Coater)が挙げられるが、それらには限定されない。好適なビードコーターには、ノードソン社(米国ジョージア州ドーソンビル)から入手可能なH203塗布機(Applicator)が挙げられるが、それらには限定されない。
【0047】
本発明の1つの任意の実施形態では、塗布機80は、ビードノズルである。ビードノズルは、好ましくは円形又は楕円形の断面形状を有する。典型的には塗布機80は、少なくとも1個、好ましくは1又は2個のノズルを含む。ビードノズルの断面形状の大きさは、SEA粒子の大きさ、初速、所望の流量などを含むがこれらに限定されない多くの要因に左右される。好ましい円形又は楕円形ビードノズルは、典型的には約200μmを超える、より好ましくは約400μm〜約1000μmの範囲の直径を有する。
【0048】
本発明の別の任意の実施形態では、塗布機80は、スロットダイコーターである。典型的には、塗布機80は、少なくとも1個、好ましくは1〜10個のスロットを含む。スロットダイコーターのスロットの大きさは、SEA粒子の大きさ、初速、所望の流量などを含むがこれらに限定されない多くの要因に左右される。典型的には、スロットは正方形又は長方形であり、約200μm以上の幅及び長さを有する。1つの好ましい実施形態では、スロットダイコーターの各スロットは、約200μm〜約250mmの長さ、約200μm〜約80mmの幅を有する長方形である。
【0049】
図1において、基材30は、縦方向90へ移動しているように示されているが、基材は、コーティング組成物20がその上に送達される時、塗布機80に対して静止していてもよく、すなわち基材30と塗布機80の両方が静止しているか、又は両方が同じ速度で移動している。塗布機80に対する基材30の速度は、基材、コーティング組成物、コーティング組成物20の初速、コーティング組成物20の基材30に対する衝撃速度、塗布機の種類など及びこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない多くの要因に左右される。1つの代替的な実施形態では、基材30は、塗布機80に対して1秒当たり約0〜約6mの速度で移動している。この実施形態は図1で説明されており、そこでは塗布機80が静止して、ローラー110が基材30を縦方向90へ移動する。
【0050】
コーティング組成物20が基材30に送達される速度は、基材、コーティング組成物、基材上で所望されるコーティング組成物の量(例えば、基材1平方メートル当たりのコーティング組成物のグラム数)、コーティング組成物20の初速、コーティング組成物20の基材30に対する衝撃速度、塗布機の種類など及びこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない多くの要因に左右される。
【0051】
本発明の1つの任意の実施形態では、コーティング組成物20は、1分当たりコーティング組成物約1〜約500gの速度で基材30に送達される。本発明の1つのより好ましい実施形態では、塗布機80がビード押出成形機である場合、コーティング組成物20は、1ノズル当たり、1分間にコーティング組成物約30〜約120gの速度で基材30に送達される。本発明の別のより好ましい実施形態では、塗布機80がスロットダイコーターである場合、コーティング組成物20は、1分当たりコーティング組成物約35〜約230gの速度で基材30に送達される。
【0052】
コーティング組成物20は、基材に連続的又は断続的のいずれかで送達されてよい。1つの任意の実施形態では、コーティング組成物20は、約0(すなわち連続送達)〜約50Hz、より好ましくは約0〜約20Hz、さらにより好ましくは約0〜約15Hzの頻度で基材30に送達される。
【0053】
塗布機80から基材30の距離120は、基材、コーティング組成物、基材上で所望されるコーティング組成物の量(例えば、基材1平方メートル当たりのコーティング組成物のグラム数)、コーティング組成物20の初速、コーティング組成物20の基材30に対する衝撃速度、塗布機の種類、コーティング組成物20の温度など及びこれらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない多くの要因に左右される。塗布機80から基材30の距離120は、約1mm〜約100mm、好ましくは約5mm〜約50mmであることが好ましい。
【0054】
図1において角度θは、垂直である、すなわち基材30に対して90°である基準線100に対する塗布機80の角度である。角度θは、基材、コーティング組成物、基材上で所望されるコーティング組成物の量(例えば、基材1平方メートル当たりのコーティング組成物のグラム数)、コーティング組成物20の初速、コーティング組成物20の基材30に対する衝撃速度、塗布機の種類など及びこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない多くの要因に左右される。典型的には、角度θは、約−60°〜約60°、より好ましくは約−45°〜約45°の範囲である。図2は、角度θが約−45°である1つの実施形態を説明する。図3は、角度θが約0°である1つの実施形態を説明する。最後に図4は、角度θが約45°である1つの実施形態を説明する。
【0055】
本発明の方法は、あらゆる好適な温度で実施されてよい。方法が実施される温度は、使用されるキャリア、使用されるSEA、使用される基材、コーティング組成物の所望の粘度、基材上で所望されるコーティング組成物の量(例えば、基材1平方メートル当たりのコーティング組成物のグラム数)、コーティング組成物20の初速、コーティング組成物20の基材30に対する衝撃速度、塗布機の種類など及びこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない多くの要因に左右される。本発明の1つの任意の実施形態では、プロセスはキャリアの融点を超える温度で実施される。本発明の別の実施形態では、プロセスは、周囲温度、典型的には約15℃〜約35℃で実施される。なお別の代替的実施例では、プロセスは、好ましくは約20℃〜約110℃、より好ましくは約30℃〜約110℃、さらにより好ましくは約55℃〜約105℃の温度範囲で実施される。
【0056】
(基材)
本発明の方法は、本明細書で記載されるコーティング組成物の有効量を基材に送達及び付着させる。本発明の1つの任意の実施形態では、基材は、不織布材料、フィルム、織布材料及びこれらの組み合わせから成る群から選択される基材は、また、材料の2つ以上の層を含む積層体を包含してもよい。
【0057】
不織布材料及び織布材料は、天然により作り出された繊維(天然繊維)、人間により作り出された繊維(合成又は人工)、又はこれらの組み合わせによる繊維を含んでよい。天然繊維の例には、羊毛、絹、毛皮、及び毛髪のような動物繊維、セルロース、綿、亜麻、リネン、及び麻のような植物繊維、並びにある種の天然に生じる鉱物繊維が挙げられるが、これらに限定されない。合成繊維は、天然繊維由来のものであることも又はないことも可能である。天然繊維由来の合成繊維の例には、レーヨン及びリオセルが挙げられるが、これらに限定されず、その両方が天然多糖類繊維であるセルロース由来である。天然繊維由来でない合成繊維は、他の天然資源又は鉱物資源に由来することができる。天然資源由来である合成繊維の例には、デンプンのような多糖類が挙げられるが、これらに限定されない。鉱物資源からの繊維の例には、石油由来のポリプロピレン及びポリエチレン繊維のようなポリオレフィン繊維、並びにガラス及びアスベストのようなシリケート繊維が挙げられるが、これらに限定されない。合成繊維は、可能な場合は、流体処理法(fluid handling processes)(例えば、樹脂若しくは溶液のような流体の押出成形、延伸、又は紡績)により、慣用的に形成される。合成繊維は、また、固体処理サイズ減少法(solid handling size reduction processes)(例えば、モノリス、フィルム、若しくは布地のような大きな物体の機械切断(chopping)若しくは裁断(cutting))により形成される。一般的な合成繊維には、ナイロン(ポリアミド)、アクリル(ポリアクリロニトリル)、アラミド(芳香族ポリアミド)、ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ブタジエン−スチレンブロックコポリマー類、天然ゴム、ラテックス、及びスパンデックス(ポリウレタン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
不織布材料は、典型的には、繊維をウェブの形態に作製した布地の一種である。不織ウェブは、バトラー(Butler)I、バトラ(Batra)SKら、不織布ハンドブック(Nonwovens Fabrics Handbook)、不織布産業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry)、1999年及びヴォーン(Vaughn)EA、不織布選集及び技術参考資料(Nonwoven Fabric Sampler and Technology Reference)、不織布産業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry)に記載されている。
【0059】
不織布ウェブは、繊維及びウェブがほぼ同時に形成される直接押出成形によって形成することができるか、又は明確に後の時点でウェブ内に配置できる予め形成された繊維によって形成することもできる。直接押出成形方法の例には、典型的には層を形成する、スパンボンド法、メルトブロー法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。「レイイング(“laying”)」の方法の例には、湿式レイイング(wetlaying)及び乾式レイイング(drylaying)が挙げられる。乾式レイイング(drylaying)方法の例には、典型的には層を形成するエアレイイング、カーディング、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。上記の方法を組み合わせると、慣用的にハイブリッド又は複合体と呼ばれる不織布が生成される。組み合わせの例には、典型的には層状である、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−カーディング(SC)、スパンボンド−エアレイド(SA)、メルトブローン−エアレイド(MA)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。直接押出成形を包含する組み合わせは、直接押出成形方法とほぼ同時点で(例えば、SA及びMAのスピンフォーム及びコフォーム)、又はそれに続く時点で組み合わせることができる。上記の例では、各方法によって1つ以上の個別の層を形成することができる。例えば、SMSは、三層の「sms」ウェブ、五層の「ssmms」ウェブ、又はこれらの妥当なあらゆる変形形態を意味することができ、小文字は個々の層を表し、大文字は類似の隣接層をまとめて表している。
【0060】
本発明の1つの任意の実施形態では、基材は、また、使い捨てプルオン肌着及び他の吸収性物品で慣用的に使用されるものから、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプのような液体吸収性素材を含む層を含んでもよい。エアフェルトに加えて、又はそれに代わり基材に存在してもよい、他の好適な吸収性材料の例には、捲縮セルロース詰め綿;コフォームを含むメルトブローポリマー類;化学的に剛化されるか、修飾されるか、又は架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又はあらゆる同等の材料又は材料の組み合わせが挙げられる。
【0061】
本発明の1つの任意の実施形態は、基材を含む使い捨て吸着性物品を対象とする。使い捨て吸着性物品の非限定類には、おむつ、タンポン、女性用パッド、成人用失禁物品、トレーニングパンツ、プルアップおむつなどが挙げられる。基材は、使い捨て吸着性物品のいずれかの部分又は領域を含んでもよく、例えば、基材はおむつ若しくはパッドのトップシート又はその一部分であってもよい。好ましくは、基材が使い捨て吸着性物品に組み込まれている場合、それは水含有体外排泄物に接触する物品の一部分である。基材を含んでもよい使い捨て吸着性物品の構成要素の非限定例には、トップシート、バックシート、吸着性コア、獲得層、コアラップ(corewrap)、分配層などが挙げられる。本発明の基材であってもよい使い捨ておむつの構造、組立、処理及び多様な構成要素の追加的であるが非限定的な情報は、米国特許第3,860,003号(ビュエル(Buell);米国特許第5,151,092号(ビュエル);米国特許第5,221,274号(ビュエル);米国特許第5,554,145号(ロー(Roe)ら、1996年9月10日);米国特許第5,569,234号(ビュエルら);米国特許第5,580,411号(ニース(Nease)ら);米国特許第6,004,306号(ロブレス(Robles)ら);米国特許第5,938,648号(ラ・ブォン(LaVon)ら);米国特許第5,865,823号(クロー(Curro));米国特許第5,571,096号(ドブリン(Dobrin)ら);米国特許第5,518,801号(チャッペル(Chappell)ら);米国特許第4,573,986号(ミネトラ(Minetola)ら);米国特許第3,929,135号(トンプソン(Thompson));米国特許第4,463,045号(アール(Ahr)ら);米国特許第4,609,518号(クローら);米国特許第4,629,643号(クローら);米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら);米国特許第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら);米国特許第4,610,678号(ワイズマン(Weisman)ら);米国特許第4,673,402号(ワイズマンら);米国特許第4,888,231号(アングスタット(Angstadt);米国特許第5,342,338号(ロー);米国特許第5,260,345号(デ・マレ(DesMarais)ら);米国特許第5,026,364号(ロバートソン(Robertson);米国特許第3,848,594号(ビュエル);米国特許第4,846,815号(スクリップス(Scripps);米国特許第4,946,527号(バットレル(Battrell);米国特許第4,963,140号(ロバートソンら);米国特許第4,699,622号(トゥーサン(Toussant)ら);米国特許第5,591,152号(ビュエルら);米国特許第4,938,753号(ファン・ゴンペル(Van Gompel)ら);米国特許第5,669,897号(ラ・ヴォォンら);米国特許第4,808,178号(アジズ(Aziz)ら);米国特許第4,909,803号(アジズら);米国特許第4,695,278号(ローソン(Lawson));米国特許第4,795,454号(ドラゴー(Dragoo);米国特許第5,607,760号(ロー):米国特許第5,609,587(ロー);米国特許第5,635,191号(ローら);米国特許第5,643,588号(ローら);米国特許第5,968,025号(ローら);米国特許第4,515,595号(キエフィト(Kievit)ら);米国特許第5,330,458号(ビュエルら);米国特許第2,075,189号(ガリガン(Galligan));米国特許第3,025,199号(ハーウッド(Harwood));米国特許第4,107,364号及び同第4,209,563号(シスン(Sisson));米国特許第4,834,741号(サビー(Sabee));米国特許第5,190,563号(ヘロン(Herron));米国特許第5,234,423号(ヤング(Young)ら);米国特許第5,147,345号(ヤングら);米国特許第6,443,940号(アシュトン(Ashton)ら);米国特許第4,834,735号(アレマニー(Alemany)ら);米国特許第4,988,344号(ライジング(Reising)ら);米国特許第4,988,345号(ライジング);及びEP0797968A1(カート(Kurt)ら)、1997年10月1日発行)で見つけることができる。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
コーティング組成物は、4600g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを、ハーマン・アンド・ライマー(Haarmann & Reimer)(米国ニュージャージー州テトロボロ(Teterboro,NJ USA))から入手可能なセラフィム(Seraphim)F SEAと約1:1の比率で混合することにより調製される。
【0063】
(実施例2)
コーティング組成物は、4600g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを、ハーマン・アンド・ライマー(米国ニュージャージー州テトロボロ)から入手可能なセラフィムB SEAと約5:1の比率で混合することにより調製される。
【0064】
(実施例3)
コーティング組成物は、4600g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを、ハーマン・アンド・ライマー(米国ニュージャージー州テトロボロ)から入手可能なヘブンセント(Heavenscent)SEAと約3:1の比率で混合することにより調製される。
【0065】
(実施例4)
コーティング組成物は、6000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを、ハーマン・アンド・ライマー(米国ニュージャージー州テトロボロ)から入手可能なヘブンセントSEAと約1:1の比率で混合することにより調製される。
【0066】
(実施例5)
コーティング組成物は、ペトロラタムを、ハーマン・アンド・ライマー(米国ニュージャージー州テトロボロ)から入手可能なヘブンセントSEAと約5:1の比率で混合することにより調製される。
【0067】
(実施例6)
おむつのトップシートに塗布された実施例1のコーティング組成物を含む使い捨て吸着性おむつである。このおむつのトップシートは、ファイバーウエブ・ノース・アメリカ社(Fiberweb North America,Inc.)(米国サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville,S.C.,U.S.A.))製のコード番号P−8として入手可能な、熱結合カードウエブである。
【0068】
(実施例7)
おむつの吸着性コアに塗布された実施例2のコーティング組成物を含む使い捨て吸着性おむつである。このおむつの吸収性コアは、約40%のエアフェルトと60%の吸収性ゲル材料との混合物を含む。
【0069】
(実施例8)
おむつの分配層に塗布された実施例3のコーティング組成物を含む使い捨て吸着性おむつである。この分配層は、エアレイドされた架橋セルロース繊維の混合物を含む。
【0070】
(実施例9)
使い捨て吸着性女性用パッドのトップシートに塗布された実施例1のコーティング組成物を含む使い捨て吸着性女性用パッドである。このパッドのトップシートは、有孔ポリエチレンフィルムである。
【0071】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載してきたが、様々なその他の変更及び修正を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことが可能であることは、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の方法での使用に好適な1つの可能な装置の透視図。
【図2】基準線100に対する塗布機80の角度θが約−45°である場合を説明している、図1の装置の一部分の透視図。
【図3】基準線100に対する塗布機80の角度θが約0°である場合を説明している、図1の装置の一部分の別の透視図。
【図4】基準線100に対する塗布機80の角度θが約45°である場合を説明している、図1の装置の一部分の別の透視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング組成物を基材に送達する方法であって、前記方法が、
a)前記コーティング組成物であって、
i)デンプン封入アコード及び、
ii)キャリア
を含み、
前記キャリアと前記デンプン封入アコードの重量比が1:1以上である前記コーティング組成物を提供することと、
b)前記組成物の有効量を前記基材に送達し、付着させること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法が前記キャリアの融点を超える温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリアが、ポリアルキレングリコール類、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、鉱油、ポリオール類、パラフィンろう類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記キャリアが、100〜10,000g/mol、より好ましくは200〜7,500g/molの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記デンプン封入アコードが、0.5μm〜1000μmの粒径及び1μm〜300μmの平均粒径、より好ましくは1μm〜500μmの粒径及び1μm〜100μmの平均粒径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティング組成物が、1分当たり1gから1分当たり500gまでの速度で前記基材に送達される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
0Hz〜50Hzの頻度を有する方法である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング組成物が、ビード塗布機、好ましくは200μmを超える直径を有するビード塗布機、スロットダイコーター、好ましくは幅及び長さがそれぞれ独立して200μmを超えるスロットを有するスロットダイコーター、スプレーノズル及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるデリバリーシステムにより前記基材に送達される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により調製される、基材。
【請求項10】
請求項9に記載の基材を含む、使い捨て吸着性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−525313(P2007−525313A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514987(P2006−514987)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016679
【国際公開番号】WO2004/108177
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】