説明

基板乾燥装置及び基板乾燥方法

【課題】 紫外線により水分を分解、除去する基板乾燥装置において、紫外線による水の分解作用により基板表面の水を除去できると共に、その後においても水分の付着を防止することができ、基板表面の吸着水を完全に除去することができる基板乾燥装置を提供すること。
【解決手段】 エキシマランプ及び基板を搬送する基板搬送装置を有し、基板の搬入出部を除いて略密閉された基板処理空間と、基板処理空間に向けて不活性ガスを供給するガス供給手段と、不活性ガスを回収するガス排出手段とを備え、ガス供給手段を上流側又は下流側に、ガス排出手段を下流側又は上流側に設け、不活性ガスを基板搬送方向と同方向、若しくは、基板搬送方向と反対方向に流過させる。また、ガス供給手段により不活性ガスを基板処理空間に向けて供給し、基板搬送経路の上流側と下流側に不活性ガスを回収するガス排出手段を備えた構造としてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの各種被処理基板に対して処理を行う基板乾燥装置および基板乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の製造工程、例えば、カラーフィルタの製造工程等においては、ガラスなどの透明基板上に微細な薄膜パターンが繰り返し形成される。このような処理工程においては、基板表面にパーティクルや油脂、前工程での残査などが付着していると、ピンホールの原因となり、製造工程の生産性、歩留まりを低下させるのみならず、次工程の膜の密着力を著しく低下させるため、通常、処理の開始前、及び処理中、更には処理後に繰り返し基板の洗浄が行われる。
そしてこのような基板洗浄においては、洗浄後に純水により基板表面に付着した洗浄液がすすぎ落とされる。すすぎ実施後は、乾燥工程により基板乾燥を実施している。
【0003】
乾燥方法としては基板及び基板表面に形成された膜の性質により、種々方法が実施されている。具体的には、(1)高圧のエアーが吹き出した上下2本の狭いスリットの間を通過させて水切りを行うエアナイフ乾燥や、(2)基板を高速で回転させ遠心力により表面の水切りを実施するスピンドライ乾燥、(3)純水中から一定のゆっくりした速度で垂直方向に基板を引き上げ表面の水を取り除く引き上げ乾燥、(4)減圧下の乾燥室内に基板を設置し水の蒸発速度を高めて水を取り除く真空乾燥、(5)基板を加熱処理することにより水の脱水を行う加熱乾燥、(6)加熱した清浄空気を基板に吹き付けて水を蒸発させる熱風乾燥などがあり、基板及び表面に形成された薄膜に応じて適切な方法が選択されて実施される。
【0004】
しかしながら、基板乾燥に広く実施されているエアナイフや、スピンドライ乾燥、引き上げ乾燥による水分除去作業においては、基板表面上における水滴を除去するものであり、基板表面に吸着した水を分子レベルで除去することはできない。
【0005】
また、真空乾燥においては、減圧にされたチャンバ内においては基板表面の水分が十分除去されるものの、その後、生産ラインに戻すために湿度が調整されたクリーンルーム内に搬出すると、たちまち水分吸着が生じてしまう。これと同様のことが、基板を加熱処理する場合や熱風乾燥処理においても生じ、すなわち、基板を比較的高温(120℃)に加熱して乾燥させるこれらの処理においては、冷却される段階でクリーンルーム内に存在する水分の吸着が生じる。
【0006】
このように、いずれの乾燥方法を用いても、吸着水を完全に除去することが困難であったり、吸着水を除去できたとしてもその後に新たに基板表面に水分が付着したりするため、次なる基板処理にかかる段階において基板表面の水分を完全に取り除くことは困難である。
【0007】
好ましくは、基板の温度を高温に上げることなく吸着水を完全除去し、即座に次なる基板処理工程に移行可能な乾燥処理を施すことが理想的とされる。
このような要請を実現するものとして、特許文献1には、基板に紫外線を照射して基板表面に残存する吸着水を分解、除去する基板の乾燥方法及び乾燥装置が開示されている。
【0008】
図11は上記公報に記載の基板乾燥装置を模式的に示す図である。
基板80は表面に付着している液膜及び液滴が除去された一次的に乾燥されたものであり、搬送コンベア81によって乾燥チャンバ82内に導かれる。この乾燥チャンバ82内は、窒素ガス供給管83から窒素ガスが供給されることによって不活性ガス雰囲気とされていると共に、紫外線を放射する放電ランプ84を装着したランプハウス85が設けられており、基板80がランプハウス85の直下を通過すると表面における吸着水等の水分が放電ランプ84から照射される紫外光の作用で分解する。この結果、基板80の表面、つまり被処理面をほぼ完全に乾燥した状態とすることができる。なお、同図において符号86は排気管、87は圧力室である。
【0009】
このように、基板に対して熱を作用させずに水分を実質的に完全に除去することができ、コンベア搬送を継続して行えるため、基板への水分付着を極力回避することができる点で、優位であると考えられる。
【特許文献1】特開2004−031581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この基板乾燥装置においては次のような問題がある。
不活性乾燥雰囲気内で紫外線を照射して水を分解するものの、分解して生じたHラジカルとOHラジカルは、乾燥チャンバ内部に残留、浮遊した状態であるため、ラジカルとOHラジカルの再結合が生じ、基板表面に付着することがある。この結果、基板は新たに水が付着した状態となってチャンバから搬出されるため、所期の乾燥性能を発揮できないという問題がある。
【0011】
なお、上述の従来技術に係る基板乾燥装置においては、水分を含む不活性ガスの排出のために排気管(86)が設けられているが、このようにチャンバ内にガスを充満する構造では、雰囲気中のガスから水分を含むガスのみを選択的に排出することは不可能である。
また、特許文献1には排気管(86)の代わりに搬入出口に設けられた圧力室(87)を減圧状態として圧力室(87)の排気管から排気を促す構造とすることも可能であると記載されている。しかしながらその場合も水分を含む不活性ガスを選択的に排出することはできない。
従って、この従来技術にかかる装置ではチャンバ内部の充填ガスを入れ換えるほか再結合により発生した水を除去することはできず、チャンバ内に水が停滞することは避けらない。
【0012】
また更には、乾燥装置の筐体はコンベア部分のみならずランプハウス部全体をも覆う構造であり、室内全体に供給、使用される不活性ガスの量は膨大なものとなる。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、紫外線により水分を分解、除去する基板乾燥装置において、紫外線による水の分解作用により基板表面の水を除去できると共に、その後においても水分の付着を防止することができ、基板表面の吸着水を完全に除去することができる基板乾燥装置を提供することを目的とする。
また、更なる目的は、紫外線により水分を分解、除去する基板乾燥方法において、紫外線による水の分解作用により基板表面の水を除去できると共に、その後においても水分の付着を防止することができ、基板表面の吸着水を完全に除去することができる基板乾燥方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明による基板乾燥装置は、エキシマランプ及び基板を搬送する基板搬送装置を有し、基板の搬入出部を除いて略密閉された基板処理空間と、
前記基板搬送経路の上流側又は下流側に設けられ、基板処理空間に向けて不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記基板搬送経路の下流側又は上流側に設けられ、前記不活性ガスを回収するガス排出手段とを備え、
前記不活性ガスを基板搬送方向と同方向、若しくは、基板搬送方向と反対方向に流過することを特徴とする。
また、エキシマランプと該エキシマランプに対向して具備された基板搬送装置とを有し、基板の搬入出部を除いて略密閉された基板処理空間と、
エキシマランプの後方において該エキシマランプに向けて開口し、基板処理空間に向けて不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記基板被処理面側において基板搬送経路の上流側及び下流側に設けられた前記不活性ガスを回収するガス排出手段とを備えてなることを特徴とする基板乾燥装置。
また、前記基板乾燥装置においては、エキシマランプに隣接して赤外線放射ランプが具備されており、
前記ガス供給手段不活性ガスがエキシマランプと赤外線放射ランプの間を通過して基板処理空間に流過するのがよい。
また、前記基板乾燥装置におけるエキシマランプにおいては、
少なくとも一部が紫外線を透過させる誘電体材料から構成され、内部に放電ガスが封入された放電容器と、この放電容器の外面に配置された第一の電極と、該第一の電極と少なくとも1枚の誘電体を介し、放電容器の内部もしくは外部に配置された第二の電極とを具えて構成されてなり、
基板処理空間に露出した第一の電極及び第二の電極の表面には耐酸化性の保護膜が形成されているか、若しくは、エキシマランプの全体が紫外線透過性を有する保護管により覆われているのがよい。
また、前記基板乾燥装置においては、基板を加熱する基板加熱手段を有するのがよい。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明による基板乾燥方法は、搬送される基板表面の水分をエキシマランプからの紫外線を照射して分解除去する基板乾燥方法において、
紫外線光透過性の不活性ガスをエキシマランプの周囲を通過させて基板表面に向けて供給し、前記不活性ガスを、基板が搬送される上流及び/又は下流より排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(1) 紫外線光透過性の乾燥不活性ガス(N,Ar,Xe,Ne等)をエキシマランプ光源と基板で構成される基板処理空間に供給し、該エキシマランプの紫外線を照射して基板面の水分を分解除去することに加えて、搬送経路における上流側から下流側の方向又は下流側から上流側の方向に、不活性ガスが一方向に流れるため、水分子が分解して生成されたHラジカルとOHラジカルとが基板と平行に移動して速やかに排出されるようになるので、HラジカルとOHラジカルの再結合が仮に生じた場合でも、水が基板表面に再付着する以前に排出され、基板表面の乾燥状態を維持することができる。
(2) 不活性ガスをエキシマランプ後方より供給することにより、基板とランプ間の処理空間を効率良く、実質乾燥雰囲気にできると共に、乾燥不活性ガス(N2,Ar,Xe,Ne等)がエキシマランプの発生する熱で加温されるため、不活性ガスの含有湿度能力が高まり、水分が再付着しにくい環境にして乾燥効率を向上させることができる。
またエキシマランプが配置された空間に赤外線放射ランプを配置して乾燥不活性ガスを補助的に加温することにより、装置稼動直後から不活性ガスの含有湿度能力を高めることができ、上記効果を確実に得ることができるようになる。
(3) エキシマランプにおける電極に耐酸化性を有する保護膜が形成されるか、若しくはエキシマランプの全体が保護管の内部に配置されることで、水が分解して生成されたHラジカルとOHラジカルによって電極が腐食されることなく、高い信頼性を得ることができる。
(4) 赤外線放射ランプや温風加熱装置等の基板加熱手段により基板を温めることで、基板表面の吸着水が気化し易くなり、紫外線による分解乾燥が更に促進されると共に、処理空間内に浮遊する水分子の基板への再付着も抑制できる。
【0017】
(5) また、本発明の基板乾燥方法によれば、乾燥不活性ガス(N,Ar,Xe,Ne等)をエキシマランプが洗われるように流し、該ランプの発生する熱で乾燥不活性ガスを加温することによって、不活性ガスの含有湿度能力を高め、水分が再付着しにくい環境にして乾燥効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、この発明の1実施形態に係る基板乾燥装置構成を図解的に示す断面図、図2は図1中のガス供給手段を説明するための(a)L−L矢視断面図、(b)斜視図である。この基板乾燥装置10は、例えば、液晶表示装置用ガラス基板などの基板Wが、所定の湿式洗浄工程、すすぎ工程及び液切り工程を経たのちに適用される、基板を乾燥させるための装置である。すなわち、この装置の前段階においては、基板Wの表面に純水を供給して基板Wをすすぐための水洗処理装置(不図示)と、この水洗処理装置による水洗処理後の基板Wの上下面の水分を液切りする液切り乾燥装置(50)がこの順に直列に配置されたものとなっている。なお、液切り乾燥装置(50)においては、好ましくは同じ搬送装置を用いて基板Wを出し入れできるエアナイフ51乾燥による機構を具備したものが好適する。
【0019】
本発明による基板乾燥装装置10は、図1に示されているように、エキシマランプ20と、基板Wを搬送する搬送装置11の一部を覆う筐体12と、筐体12内部の処理空間Sに乾燥不活性ガスを供給するガス供給手段としてのガス供給装置13と、筐体12内部を排気する排気装置(不図示)が接続されたガス排気手段としての排気ダクト14を備えている。なお乾燥不活性ガスとは、例えばガスボンベから直接供給される不活性ガスや公知の乾燥剤やシリカゲル等を介して供給される乾燥化処理した不活性ガスであり、本明細書においては簡単に「不活性ガス」ともいう。
【0020】
筐体12は、ランプハウス部120と底部121とを基本的に具備し、ランプハウス部120の内部にエキシマランプ20が配置される。ランプハウス部120にはその上部にガス供給用の開口120aが形成されており、エキシマランプ20からの紫外線透過性を高めるために不活性ガス(例えば窒素ガス(N))がパージされる。なおここで供給される不活性ガスは処理空間S内に流過させることを目的としたものではなく、ランプハウス部120が不活性ガスでパージされた後はガス供給用の開口120aを閉鎖状態としても構わない。
【0021】
一方の底部121には、搬送装置の下に流れたガス等を補助的に排出する排気口121aが設けられている。この排気口121aよりの排気は、基板Wの下方に流れ込んだHラジカルやOHラジカル(或いは、これらが分解若しくは結合した分子や他のラジカル)を補助的に排出するためのものであり、処理空間S内に形成されるガスの流れに影響を与えるものではない。
【0022】
基板Wを搬送する搬送装置11は、同図のような搬送ローラによるものや、その他の搬送コンベア等の機構によるものも可能で、予めラインに形成されている装置を採用できる。なお本実施形態においては、基板Wは紙面の左方向から右方向(矢印Aの方向)に搬送される。
【0023】
紫外線源であるエキシマランプ20は、例えば5本具備されており、互いに平行に同一平面上に並べて配置されている。
【0024】
図3は、エキシマランプ20の一例を示す(a)管軸方向断面図、(b)M−M断面図である。放電容器21は少なくとも一部が紫外線を透過させる誘電体材料から構成されており、例えば石英ガラスよりなる。本例において放電容器21は、比較的管の径が大きい外側管22と、この外側管22内においてその管軸に沿って配置された、当該外側管22の内径より小さい外径を有する円筒状の内側管23とを有し、外側管22と内側管23とが両端部において溶融接合されてなる二重管構造を備えている。そして、外側管22の内周面と内側管23の外周面との間に気密に閉塞された環状の放電空間Hが形成されている。
【0025】
外側管22にはその外周面に密接して、例えば金網などの導電性材料よりなる網状の第一の電極24が設けられており、他方、内側管23には、その内周面に密接して、例えばアルミニウムよりなり、パイプ状あるいは断面において一部に切り欠きを有する概略C字状(樋状)の第二の電極25が設けられている。そして、第一および第二の電極24,25は、例えば高周波電源よりなる電源装置26に接続されている。
【0026】
放電空間H内には、第一の電極24と第二の電極25との間で生ずるエキシマ放電によってエキシマ分子を形成する、例えばXe,ArCl,KrCl,KrBr,ArF,ArBr,Fなどの放電用ガスが充填されている。なお図3において符号27は放電容器21にガスを封入する際使用した排気管の残部である。
【0027】
本実施形態に係るエキシマランプ20においては、処理空間Sに露出した電極、すなわち第一の電極24においては、耐酸化性を有する保護膜28が形成されている。保護膜28は、具体的にはSiO、Al、TiO等の酸化物またはこれらの複合物で、ゾルゲル法、CVD法などにより構成される膜が好適する。
このように耐酸化性の保護膜28を形成すると、第一の電極24の周囲に、基板の流れに巻き込まれたHラジカルやOHラジカルが浮遊した場合においても、電極24が酸化されることがなく、安定した放電を実現することができる。なお、第二の電極25においては、第一の電極24に比較してHラジカルやOHラジカルにさらされる確率が格段に低くなるので当該構成は必須ではないが、保護膜を形成するのがより好ましい。
【0028】
再び図1、図2を参照して基板処理装置10について説明する。同図のようにランプハウス部120の下部は開口しており、エキシマランプ20からの紫外線が放射される光出射口120Aが形成されている。この光出射口120Aに対面するよう基板Wが搬送装置11によって搬送される。搬送装置11に載置された基板Wが搬送経路の上流側より搬送されると、ランプハウス部120および底部121の間を通過して基板処理装置10内に搬入され、エキシマランプ20の直下を通過することになる。
【0029】
基板搬入口10Aには、ガス供給手段としての乾燥不活性ガス供給装置13が具備されており、基板Wの上流側より処理空間Sに向けて乾燥不活性ガスを供給する。図2に示すようにガス供給装置13は基板Wよりも広い範囲にガスの供給口が形成されており、基板Wの幅方向に一様に不活性ガスを供給する。このガス供給口においては例えば図2(b)に示すように小孔を多数形成したものであってもよいし、スリット状でもよい。
なお、ここでいう不活性ガスとは、実質的にエキシマ光の吸収を無視できる程度の乾燥ガスを意味する。例えば1%程度の酸素を含む乾燥窒素ガス(N)は、乾燥不活性ガスとしての機能を十分果たすものである。また、不活性ガスとしては、窒素ガスのほかに、アルゴン(Ar),キセノン(Xe),ネオン(Ne)等の希ガスを用いてもよい。
【0030】
他方、基板乾燥装置10における基板搬出口10Bにはガス排気手段となる排気ダクト14が配置されている。排気装置(不図示)より排気ダクト14を介して強制的にガスが排出されると、基板Wの搬入口10Aより導入された不活性ガスが処理空間Sの全域を基板Wの搬送方向と同方向(A方向)に流過し、排気ダクト14を介して回収される。
このように、ガスの供給手段(13)とガス排気手段(14)がそれぞれ基板Wの搬送方向Aにおける上流側と下流側に配置されることにより、ガスの流れが基板Wの搬送方向(A方向)と平行な一方向に制限されるようになる。
【0031】
以上のように構成された基板乾燥装置の動作について説明する。
まず、装置が駆動されると、ランプハウス部120内に不活性ガスがパージされる。しかる後、搬送路の上流側に設けられたガス供給装置13より、乾燥不活性ガスが供給され、これと同時に排気ダクト14を介して処理空間S内の排気が開始する。このとき、乾燥不活性ガスは、ガス供給手段(13)とガス排出手段(14)が、基板搬送路における上流側と下流側にそれぞれ配置されているため、基板Wの搬送方向Aと同じ方向に流過するようになる。そして、水切り後の基板Wが搬送装置11によってランプハウス部120の下に搬送されると、エキシマランプ20が点灯され、ランプ20から中心波長172nmの紫外線が基板Wの被処理面に照射される。基板W表面に残存する水分は、エキシマランプ20からの紫外線を吸収し、励起されることによってHラジカルとOHラジカルに分解されて揮発し、処理空間S中に浮遊すると、搬送路に沿って形成されたガス流によって運ばれて排気ダクト14から回収される。
このように、搬送される基板Wの表面に沿って流れる不活性ガス流によって、HラジカルとOHラジカルとが基板Wと平行に流れて、排気ダクト14から排気されるため、処理空間S内に停滞することがなく、Hラジカル及びOHラジカルの再結合による水分子の生成が生じ難く、基板W被処理面上に再度付着することが確実に抑制される。
【0032】
このように、第1の実施形態に係る基板乾燥装置によれば、エキシマランプからの紫外線が水分子に照射された結果生成されたHラジカル及びOHラジカルはいずれも、乾燥不活性ガスの流路が安定して形成されているため、ガスの流路の下流側にある排気ダクトへ運ばれて速やかに回収され、この結果、Hラジカル、OHラジカルが処理空間S内に滞留する時間を短縮できて、再結合の確率を低下させることができる。また、仮に両ラジカルが再結合して水分子が発生した場合でも、ガスの流れによって回収が速やかに行われるため、水分子が基板近傍に浮遊する時間を短くすることができ、基板表面に水分子が付着することを回避することができる。
従って基板表面の水を確実に除去することが可能となる。
【0033】
なお以上説明した第1の実施形態においては、適宜変更が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態においては、ガスの流れが基板搬送方向と同方向となるよう、搬送経路における上流側から乾燥不活性ガスを供給し、下流側から排気したが、乾燥不活性ガスの供給装置を下流側の基板搬出口に配置すると共に排気ダクトを上流側の基板搬入口に配置してガスの流れを基板搬送方向とは反対になるようにしてもよい。
また、エキシマランプの形態においても図3で示した形態のものに限定されることなく、適宜変更可能である。
【0034】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態を図4を参照して説明する。なお、本実施形態において、先に図1、図3で説明した構成と同じ構成については同符号で示して説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態との第一の相違点は、不活性ガスの流過方向が基板Wの搬送方向Aとは逆方向となっている点である。そして第二の相違点は、ランプハウス部120の光出射口120Aが紫外線透過性の窓15によって覆われた点である。エキシマランプ20からの紫外線はこの紫外線透過窓15を透過して出射する。
【0035】
ランプハウス部120の下部に取り付けられた紫外線透過窓15は例えば石英ガラスよりなり、ランプハウス部120の光出射口120Aに気密に装着されている。このランプハウス部120の内部に不活性ガスが導入され、充填された状態である。
このように紫外線透過窓15してエキシマランプ20と処理空間Sとの間を区画すると、基板W表面のHラジカル及びOHラジカルがエキシマランプ20の周囲に到達することができないため、エキシマランプ20に装着された電極などが酸化することなく、ランプを安定して点灯させることができる。すなわち、本実施形態によれば電極への耐酸化処理が不要となる。
【0036】
基板Wの搬送経路における下流側の基板搬出口10Bには乾燥不活性ガスの供給装置13が具備されており、一方、上流側の基板搬入口10Aには排気ダクト14が具備されている。そして、乾燥不活性ガスは基板Wの面に対して略平行であるものの基板Wの搬送経路とは逆方向に流過するようになっている。
【0037】
このような基板乾燥装置10の内部に、水切り後の基板W搬送し、同時にエキシマラン20プを点灯して当該ランプ20からの中心波長172nmの紫外線を基板Wの被処理面に照射すると、基板W表面に残存する水分はエキシマランプ20からの紫外線を吸収し、励起されることによってHラジカルとOHラジカルに分解されて揮発する。揮発したラジカル群は処理空間S中に浮遊すると、ここに乾燥不活性ガスの流れが形成されているため、ガスの流れに乗って排気ダクト14に向かって流れ、排出されるようになる。
とりわけ本実施形態によれば、排気ダクト14が基板Wの搬入口側に配置されているため、生成したラジカル群は処理空間120の下流側に流れることなく回収されるため、基板W表面にHOが再付着することが防止され、良好な乾燥状態を得ることができる。しかも、ランプハウス部120と処理空間Sとが紫外線透過窓15によって区画されているので、乾燥不活性ガスの流れが滞ることなく、排気ダクト14に向かって速やかに流れ、Hラジカル及びOHラジカルの回収を円滑に行うことができる。従って、両ラジカルの再結合が生じる以前に排気ダクト14より排出でき、被処理面上に水分が付着することが抑制される。
本実施形態のようにガスの流過方向を基板Wの搬送方向Aと反対方向に形成する場合には、基板Wによって不活性ガスの流れに若干の乱れが生じる可能性があるが、上記のように紫外線透過窓15があると、ガス流れの乱れを比較的小さく抑えることができて有効である。しかしながら、紫外線透過窓15に係る構成は必須ではなく、先に説明した第一の実施形態において不活性ガスの流過方向を基板Wの搬送方向と反対向きになるよう構成しても何ら支障ない。
【0038】
<第3の実施形態>
図5は本発明に係る第4の実施形態を説明する図である。なお同図において先に図1〜図4で説明した構成と同じ構成については同符号で示して詳細説明を省略する。
ランプハウス部120の内部にはエキシマランプ20が例えば5本具備されている。ランプハウス部120の上部には乾燥不活性ガスの供給口131が設けられており、不図示の乾燥不活性ガス供給装置からガスが供給される。なお、このガス供給口131は前記第1の実施形態で説明した開口(120a)と異なり、処理空間Sに所定のガス流を形成するためのものである。
【0039】
図5において、ランプハウス部120の両側部、具体的には基板Wの搬送経路における上流側の基板搬入口10Aと下流側の基板搬出口10Bにそれぞれ排気ダクト14A、14Bが具備されている。この排気ダクト14A,14Bには図示省略の排気装置が備え付けられており、処理空間S内部の排気を強制的に行って、ガス供給口131から供給された乾燥不活性ガスを吸引し、装置10の中央から両端の基板搬入出口10A,10Bに向かう流れを形成する。
更に、本実施形態においては、搬送ローラと搬送ローラの間に、処理空間Sとそれよりも下方の底部空間Sbとを分離する仕切り部材16が配置されている。このような仕切り部材16を配置することで、基板Wの非通過時においてもガスの流路を所期の状態にとどめておくことができる。
【0040】
同図中、実線の矢印で示すように、ガス供給口131から乾燥不活性ガスが供給されると、ガスはエキシマランプ20同士の間隙を流過して処理空間Sに到達し、基板Wの被処理面に衝突する。基板乾燥装置10の両側に設けられた排気ダクト14A,14Bにおいて強制排気されているため、ガスが吸引されて基板の搬送方向と同方向(A方向)の流れとその反対方向の流れに分かれたガス流が形成されるようになる。
【0041】
このような第3の実施形態によれば、処理空間Sに浮遊するHラジカル及びOHラジカルが、ランプハウス部120の中央部から端部に亘る、ランプハウス部120の全長の略半分の距離を移動した段階で回収されてしまうため、両ラジカルの再結合の確率がより低くなると共に、基板表面に再付着する確率も一層低くなる。従って、基板の乾燥効果を一段と高めることができる。
【0042】
なお本実施形態のように、基板Wの搬入出口10A,10Bの両方に排気ダクト14A,14Bが具備されると共に、常に吸引状態とされることで、外部雰囲気に対するエアカーテンが形成されるようになり、外部の気体の流入をほぼ完全に遮断することができる。従って、ランプハウス部120と外部とは搬入出口10A,10Bを介して連通しているものの、処理空間Sの不活性ガス濃度が低下することなく、従って、紫外線の透過率も良好に維持でき、安定した処理を行えるようになる。
【0043】
ここで、上記第3の実施形態に関し、ガスの流量について具体的数値例を示すと、ランプハウス部の内容積が0.0137〜0.0365m、エキシマランプの本数が3〜8本、光出射口の面積が2.35〜6.25mである場合、供給する乾燥不活性ガスは例えば、80〜150リットル/分である。
【0044】
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に底部に補助的なガス排出口を設け、不活性ガスの流れを妨げない程度に補助的にガス等を吸引できる機構を設けることも可能である。
【0045】
<第4の実施形態>
図6は本発明の第4の実施形態を説明する図である。なお、先に図1〜図5で説明した構成については同符号で示して詳細説明を省略する。
エキシマランプ20は例えば4本具備されおり、各エキシマランプ20の外表面上には半円筒状の反射ミラー20Rが処理空間Sに向かって配置されている。
また、各エキシマランプ20は紫外線透過性の保護管17の内部に収容されている。保護管17は、例えばエキシマランプ20の放電容器21の外径よりも内径が大きな石英ガラス製の円筒管よりなり、エキシマランプ20の放電容器21のほぼ全体が当該保護管17の内部に収容されることにより、処理空間Sで生成されたHラジカルやOHラジカルなどがエキシマランプ20の周囲に到達できないようになっている。このようなエキシマランプ20によれば、電極表面に耐酸化性の保護膜を形成せずとも電極が酸化されずに済み、その機能を維持することができる。
【0046】
本実施形態において、筐体12におけるランプハウス部120は、例えばアルミニウムよりなる構造体より構成されており、エキシマランプ20の配置個所に保護管の外径に適合した断面C状の長溝18が形成され、保護管17及びエキシマランプ20が不図示のホルダにより保持されている。
【0047】
ランプハウス部120の上部には乾燥不活性ガスの供給口131となる開口が形成されており、内部に大きく広がるバッファ空間132と連通している。かかるバッファ空間132は、ランプハウス部120における光出射口120Aのほぼ全体に及ぶ広さであり、流出孔133を長溝18に連通する構造となっている。
このような基板乾燥装置10によれば、乾燥不活性ガスは、供給口131より供給されるとバッファ空間132に一時的に滞留した後、流出孔133を経て長溝18に噴出する。その後、長溝18と保護管17との間隙を通過して、保護管17の両側から処理空間Sに導入されるようになる。
【0048】
基板の搬入口10Aと搬出口10Bにはそれぞれ排気ダクト14A,14Bが配置されており、当該ダクト14A,14Bに接続された排気装置(不図示)から上述の経路を通じて処理空間Sに吹き込まれた乾燥不活性ガスを吸引排気して処理空間Sにて生成されたHラジカル、OHラジカル等を回収する。
このように乾燥不活性ガスの流路を所望に形成して処理空間Sに送り込むことも可能である。
【0049】
とりわけ、本実施形態のように、エキシマランプの周囲に乾燥不活性ガスを流過させる場合には、エキシマランプが点灯時に300〜400℃の高温になるためガスが温められてガスの含水分率が増大する。この結果、不活性ガス雰囲気中に基板表面から離脱した水分子及び、紫外線照射により生成されたHラジカルとOHラジカルを多量に浮遊させることが可能となり、基板表面への水分子の再付着が抑制される。また、基板表面に温められた乾燥不活性ガスが吹き付けられるようになるので、基板表面に付着した水分の気化が促進されて、基板の乾燥処理を高効率に達成することができる。
【0050】
なお、基板の搬送やガスの流路、及びエキシマランプによる紫外線照射による作用については第3実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0051】
<第5の実施形態>
続いて、図7は、本発明の第5の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。なお、先に図1〜図6で説明した構成については同符号で示して詳細説明を省略する。
この実施形態が他の実施形態と相違する点はエキシマランプ20の形態であり、ここでは矩形箱状に成形された放電容器21を具備したものを使用している。
【0052】
まず、図8を参照してエキシマランプ構成を説明する。図8は、(a)このエキシマランプ20を拡大して示す一部破断線で示した透過斜視図、(b)(a)中N−Nで切断した説明用断面図である。放電容器21の材質は上述と同様、紫外線を透過する石英ガラスよりなり、放電容器21の内部には、キセノンガスが封入されている。放電容器21外表面における光取出し側の一面には紫外線の透過性を有する第一の電極24が形成され、この面と対向する外表面に第二の電極25が形成されている。
更に、これら第一と第二の電極の表面には、耐酸化性の保護膜28が形成されている。なお保護膜28としては、先にも述べたがSiO、Al、TiOまたはこれらの複合物等からなる膜が好適する。
【0053】
上記エキシマランプ20は、図7に示すように光透過性の第一の電極24が形成された一面を光出射口120Aに向けて配置される。
ランプハウス部120上部から乾燥不活性ガスが供給されると、エキシマランプ20とランプハウス部120、及びエキシマランプ20同士の間隙を通過して、基板W表面上を流過する。これと同時に、エキシマランプ20からの紫外線が基板W表面に照射されて、基板W表面に付着した水分をHラジカル及びOHラジカルに分解する。生成されたラジカル群は乾燥不活性ガスの流れに促されて排気ダクト14A,14Bから回収される。特に本実施形態のようにエキシマランプ20の光取り出し面が基板Wの被処理面に対してフラットに構成されている場合はガスの流れが安定化し易く、この結果ラジカル群の回収を円滑に行えるため好適である。
【0054】
以上のように、本発明に係る基板乾燥装置によれば、エキシマランプの形態を問わず確実に乾燥処理機能を発揮できる。
【0055】
<第6の実施形態>
続いて、図9は本発明の第6の実施形態を説明する図である。なお、先に図1〜図5で説明した構成については同符号で示して詳細説明を省略する。
ランプハウス部120の内部にはエキシマランプ20が5本配置されており、先に説明した第3の実施形態と同様に、ランプハウス部120上部中央に設けられた不活性ガス供給口131から乾燥不活性ガスが供給されて、基板搬入口10Aと搬出口10Bに配置された排気ダクト14A,14Bにより吸気される構成になっている。
【0056】
そして、基板Wの処理空間Sとは、基板Wに関して反対側の空間Sb(紙面において搬送装置よりも下方の空間)に、基板加熱手段としての赤外線放射ランプ30が例えば7本配置されている。赤外線放射ランプ30は、具体的にはハロゲンヒータランプが好適し、図示を省略するが、両端において気密シールされた直管状の石英ガラス製バルブを具備し、このバルブの内部に例えばタングステンよりなるフィラメントコイルがバルブの管軸に沿って伸びるよう配設され、例えばハロゲンガスおよび不活性ガスが充填された構成のものである。
【0057】
赤外線放射ランプ30は、基板Wの反処理面側から基板W本体を加熱するためのものであって、赤外線を基板表面に照射し、基板本体を温めることによって基板表面に付着した水分の気化を促す。
この結果、紫外線照射による水分子の分解による乾燥作用が格段に向上すると共に、基板本体が加温されるため、一度揮発した水分子が再度基板表面に付着し難くなり、紫外線照射による水分子の分解作用と相乗し、基板表面から確実に水分子を除去することができる。
【0058】
なおこの発明において、加熱は基板乾燥に直接寄与するものではなく、水の分解により発生したラジカルの遊離を促進させるためのアシスト的なものであり、基板の温度はせいぜい30℃〜50℃以下である。従って、従来技術に係る加熱乾燥や温風乾燥などとは異なり、装置搬出後、冷却される段階でクリーンルーム内に存在する水分の吸着が生じることがなく、良好な乾燥状態を維持することができる。
以上の第6の実施形態において、基板加熱手段は上述の赤外線放射ランプのほかにも適宜変更が可能であり、例えば温風を基板に向けて噴出する温風発生装置とすることも可能である。
【0059】
<第7の実施形態>
続いて図10は本願第7の実施形態を説明する説明用断面図である。なお、先に図1〜8で説明した構成については同符号で示し、詳細説明を省略する。
本実施形態においては上述した第6の実施形態に類似しており、ランプハウス部120の内部にはエキシマランプが5本配置されており、ランプハウス部120上部中央に設けられた不活性ガス供給口131から乾燥不活性ガスが供給される。そして、ランプハウス部120における基板の搬入口10Aと搬出口10Bにそれぞれ配置された排気ダクト14A,14Bより吸気される構成になっている。
【0060】
そして更に、本実施形態においては、ランプハウス部120の内部にエキシマランプ20とエキシマランプ20の間に赤外線放射ランプ30が具備されている。このような構成を具備することにより、ランプハウス部120上部から流入された乾燥不活性ガスがエキシマランプ20と赤外線放射ランプ30の間を通過して基板Wの被処理面に流過する。
赤外線放射ランプ30は、基板Wの被処理面及び当該赤外線放射ランプ30の周囲を流過する不活性ガスを加熱して、基板W表面に付着した水分の揮発を促すと共に、乾燥不活性ガスの温度を上げることによってガスの含水分率の増大を図る。これにより、基板Wの被処理面から水分の離脱が確実に行われると共に、浮遊した水分子やHラジカル及びOHラジカルは安定的に不活性ガス雰囲気中に保持され、処理空間Sにおいて基板W表面に水分子が再付着することが抑制される。
【0061】
この結果、第7の実施形態に係る基板乾燥装置10においては、紫外線照射による水分子の分解作用に加え、基板W本体が加温されると共に、乾燥不活性ガス中の含水分率が増大するため、水分子の基板表面への付着がより一層抑制され、確実に基板Wを乾燥させることができる。
【0062】
なお、以上の第7の実施形態においては、赤外線放射ランプ30を常時点灯させておくことも可能であるが、エキシマランプ20自体が定常点灯時に300〜400℃という高温になるため、乾燥不活性ガス及び基板W表面に対する加熱効果が当該エキシマランプ30のみで得られる場合も考えられる。その場合は、エキシマランプ20の安定点灯に至るまでの間、赤外線放射ランプ30を点灯して不活性ガスを加熱するようにしてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について、第1〜第7の実施形態について説明したが、本発明に係る個々の構成については上記実施の形態に限定されず、種々変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明する基板乾燥装置構成を図解的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るガス供給手段を説明する(a)図1中のL−L矢視断面図、(b)透過斜視図である。
【図3】エキシマランプの一例を示す(a)管軸方向断面図、(b)M−M断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るエキシマランプを説明する(a)斜視図及び(b)N−N断面図で示す構成図である。
【図9】本発明の第6の実施形態を説明する基板乾燥装置構成の説明用断面図である。
【図10】本願第7の実施形態を説明する説明用断面図である。
【図11】従来技術に係る基板乾燥装置の説明用断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 基板乾燥装置
10A 基板搬入口
10B 基板搬出口
11 搬送装置
12 筐体
120 ランプハウス部
120a 開口
120A 光出射口
121 底部
121a 排気口
13 不活性ガス供給装置
131 不活性ガス供給口
132 バッファ空間
133 流出孔
14 排気ダクト
14A,14B 排気ダクト
15 紫外線透過窓
16 仕切り部材
17 保護管
18 長溝
20 エキシマランプ
20R 反射ミラー
21 放電容器
22 外側管
23 内側管
24 第一の電極
25 第二の電極
26 電源装置
27 排気管残部
28 保護膜
30 赤外線放射ランプ
H 放電空間
S 処理空間
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキシマランプ及び基板を搬送する基板搬送装置を有し、基板の搬入出部を除いて略密閉された基板処理空間と、
前記基板搬送経路の上流側又は下流側に設けられ、基板処理空間に向けて不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記基板搬送経路の下流側又は上流側に設けられ、前記不活性ガスを回収するガス排出手段とを備え、
前記不活性ガスを基板搬送方向と同方向、若しくは、基板搬送方向と反対方向に流過することを特徴とする基板乾燥装置。
【請求項2】
エキシマランプと該エキシマランプに対向して具備された基板搬送装置とを有し、基板の搬入出部を除いて略密閉された基板処理空間と、
エキシマランプの後方において該エキシマランプに向けて開口し、基板処理空間に向けて不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記基板被処理面側において基板搬送経路の上流側及び下流側に設けられた前記不活性ガスを回収するガス排出手段とを備えてなることを特徴とする基板乾燥装置。
【請求項3】
前記エキシマランプに隣接して赤外線放射ランプが具備されており、
前記ガス供給手段不活性ガスがエキシマランプと赤外線放射ランプの間を通過して基板処理空間に流過することを特徴とする請求項2記載の基板乾燥装置。
【請求項4】
前記エキシマランプは、
少なくとも一部が紫外線を透過させる誘電体材料から構成され、内部に放電ガスが封入された放電容器と、この放電容器の外面に配置された第一の電極と、該第一の電極と少なくとも1枚の誘電体を介し、放電容器の内部もしくは外部に配置された第二の電極とを具えて構成されてなり、
前記基板処理空間に露出した第一の電極及び第二の電極の表面には耐酸化性の保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板乾燥装置。
【請求項5】
前記エキシマランプは、
少なくとも一部が紫外線を透過させる誘電体材料から構成され、内部に放電ガスが封入された放電容器と、この放電容器の外面に配置された第一の電極と、該第一の電極と少なくとも1枚の誘電体を介し、放電容器の内部もしくは外部に配置された第二の電極とを具えて構成されてなり、
前記エキシマランプの全体が紫外線透過性を有する保護管により覆われていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板乾燥装置。
【請求項6】
基板を加熱する基板加熱手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板乾燥装置。
【請求項7】
搬送される基板表面の水分をエキシマランプからの紫外線を照射して分解除去する基板乾燥方法において、
紫外線光透過性の不活性ガスをエキシマランプの周囲を通過させて基板表面に向けて供給し、前記不活性ガスを、基板が搬送される上流及び/又は下流より排出することを特徴とする基板乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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