説明

基板処理装置用薬液混合装置

【目的】 外来要因の影響を受けることなく簡素な構造で薬液を安定供給する。
【構成】 薬液混合装置は、基板処理装置の基板洗浄槽12に薬液と純水とを混合して供給する装置である。この装置は、純水供給管18と、薬液貯溜容器22A 〜22D と、薬液供給配管40と、耐食レギュレータ34が配置された窒素ガス配管39とを備えている。純水供給管18は、基板洗浄槽12に接続され、純水が通過する。薬液貯溜容器22A 〜22D は、薬液を貯溜する密閉式の容器である。薬液供給配管40の先端には、薬液貯溜容器22A 〜22D から純水供給管18へと薬液を導く薬液導入弁20A 〜20D が配置されている。窒素ガス配管39は、薬液貯溜容器22A 〜22D から薬液供給配管40へ薬液を圧送するため、薬液貯溜容器22A 〜22D 内を耐食レギュレータ34によって調整された圧力の窒素ガスで加圧する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液混合装置、特に、基板処理装置の基板処理槽に薬液と純水を混合して供給する基板処理装置の薬液混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板や液晶用ガラス基板等の薄板状の被処理基板(以下、単に基板と記す)を表面処理する場合には、基板を処理槽内に浸漬して処理する浸漬型の基板処理装置が一般に用いられる。この種の従来装置としては、たとえば実開平4−99269号に示された装置がある。
【0003】この装置は、基板の表面処理を行うための基板処理槽と、処理液を基板処理槽内へ供給する処理液供給部とから構成されている。処理液供給部には、処理液供給管と薬液貯溜容器とが設けられ、この処理液供給管と薬液貯溜容器との間には薬液導入弁が設けられている。さらに薬液導入弁より上流側に一定量の薬液が導入されるようにポンプが設けられている。このポンプによって薬液を圧送し、薬液導入弁上流側で循環させておくことにより、薬液導入弁が開かれた際に、所望量の薬液を即座に処理液供給管に導入できる。このため、所望濃度の薬液を即座に基板処理槽内に供給できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、薬液を圧送するために各薬液貯溜容器に対応して複数の圧送用ポンプが必要になる。一般に、基板処理装置はクリーンルーム内に設置されるが、複数の圧送用ポンプを基板処理装置内に設けると大きなスペースが必要になり、基板処理装置を大きくしなければならない。また、ポンプは可動部を有しているので、発塵によって基板処理用薬液が汚染されるおそれがある。
【0005】これらの2つの要因を抑えるために、本出願人はすでに、アスピレータを用いた薬液混合装置を提案している。この薬液混合装置は、純水供給路と、純水供給路中に配置され、純水の流通によって減圧空間を形成するアスピレータ部と、一端がアスピレータ部に開口し、薬液が通過する薬液供給路と、薬液供給路のアスピレータ開口部に配置された薬液導入弁とを備えている。この薬液混合装置では、純水供給路を介して基板処理装置に純水が供給される。この純水の供給により、アスピレータ部において減圧空間が形成される。この減圧空間が薬液供給路に連結されているので、薬液導入弁を開くと、減圧空間に純水の流通量に応じた薬液が吸いだされる。
【0006】しかし、アスピレータを用いると、薬液や純水の配管条件、薬液や純水の圧力変動等の外来要因により、その薬液導入量が影響を受けやすい。また、アスピレータ構造を形成するために、その部分の構造が複雑になる。本発明の目的は、発塵による薬液汚染を抑えながら、外来要因の影響を受けることなく簡素な構造で薬液を安定供給することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薬液混合装置は、基板処理装置の基板処理槽に薬液と純水とを混合して供給する装置であって、液供給路と耐圧密閉槽と薬液搬送部と加圧手段とを備えている。液供給路は、基板処理槽に接続され、純水が通過するものである。耐圧密閉槽は、薬液を貯溜するものである。薬液搬送部は、耐圧密閉槽から液供給路へと薬液を導く薬液搬送路と薬液搬送路に設けられた薬液導入弁とを有している。加圧手段は、耐圧密閉槽から薬液搬送路へ薬液を圧送するため、耐圧密閉槽内を加圧するものである。
【0008】
【作用】本発明に係る薬液混合装置では、純水が液供給路を通過して基板処理槽に投入される。また耐圧密閉槽に貯溜された薬液は、薬液搬送路と薬液導入弁とを介して液供給路に供給される。この薬液の圧送は、耐圧密閉槽内を加圧手段が加圧することにより行われる。
【0009】ここでは、耐圧密閉槽の加圧により薬液を液供給路に供給しているので、薬液の導入量を純水の供給量に依存することなく決定できる。このため外来要因の変動による影響を受けることなく簡素な構造で安定して薬液を供給できる。また、ポンプが不要となるので発塵による薬液汚染を抑えることができる。
【0010】
【実施例】図1及び図2において、本発明の一実施例を採用した浸漬型基板洗浄装置1は、多数の基板を収容したキャリアCの搬入・搬出部2と、キャリアCからの基板Wの取り出しまたはキャリアCへの基板Wの装填を行う基板移載部3と、キャリアCを洗浄するためのキャリア洗浄器3aと、搬入・搬出部2と基板移載部3とキャリア洗浄器3aとの間でキャリアCを移載するキャリア移載ロボット4と、複数の基板を一括して洗浄する浸漬型基板洗浄処理部5と、基板の液切り及び乾燥を行うための基板乾燥部6と、基板移載部3でキャリアCから取り出した複数の基板を一括保持して基板洗浄処理部5及び基板乾燥部6に搬送する基板搬送ロボット7とから構成されている。
【0011】基板移載部3はキャリアCを載置する回転可能な2つのテーブル8を有している。テーブル8は、キャリアCを必要に応じて90°回転させる。テーブル8の中心には、矩形の開口が形成されており、この開口の下方には、キャリアCから基板Wを一括して取り出すとともに、キャリアCに基板Wを一括して装填するための昇降可能な基板受け部8aが配置されている。
【0012】キャリア移載ロボット4は、昇降及び回転自在でありかつ図1の矢印A方向に移動可能に構成されている。キャリア移載ロボット4は、搬入・搬出部2に搬入されてきたキャリアCをテーブル8上に移載し、基板洗浄中においてキャリア洗浄器3aとテーブル8との間でキャリアCを出し入れし、また洗浄済の基板Wを収容したキャリアCをテーブル8から搬入・搬出部2へ移載する。
【0013】基板搬送ロボット7は、移動部10内を矢印B方向に移動可能であり、基板移載部3の基板受け部8aから受け取った複数の基板Wを挟持する基板挟持アーム9を有している。このロボット7は、基板挟持アーム9で挟持した複数の基板Wを移動部10に沿って基板洗浄処理部5及び基板乾燥部6へ順次搬送する。基板洗浄処理部5は、オーバーフロー型のものであり、3つの基板洗浄槽12と、基板洗浄槽12に昇降自在に設けられた基板保持具11とを備えている。各洗浄槽12には、基板搬送ロボット7から受け取った複数の基板Wが基板保持具11で保持され浸漬される。
【0014】基板洗浄槽12は、石英ガラス製であり、側面視略V字状,平面視略矩形状に形成されている。基板洗浄槽12内は、洗浄液の均一な上昇流を形成して基板Wを表面処理するとともに、洗浄液を複数種の洗浄処理工程ごとに迅速に置換し得るオーバーフロー槽として構成されている。なお、基板洗浄槽12は石英ガラス製に限られず、たとえば、洗浄液として石英ガラスを払拭させてしまうフッ酸等を用いる場合には、4フッ化エチレン樹脂等の樹脂製材料で形成したものでもよい。
【0015】洗浄処理部5は、図3に示すように、各基板洗浄槽12へ下方より複数種の洗浄液を供給する洗浄液供給部13と、各基板洗浄槽12よりオーバーフローした洗浄液を排出する洗浄液排出部14とを有している。基板洗浄槽12の周囲には、洗浄液排出部14を構成するオーバーフロー液回収部15が設けられている。このオーバーフロー液回収部15には排液管16が接続され、排液管16には排液ドレイン17が接続されている。ここでは、オーバーフロー液回収部15でオーバーフローした洗浄液は、排液管16を介して排液ドレイン17へ排出される。
【0016】洗浄液供給部13は、各基板洗浄槽12の下部にそれぞれ連結された純水供給管18を備えている。純水供給管18には、基板洗浄槽12より上流側へ順に導入弁連結管19、流量計26及び制御弁27が配置されている。純水供給管18には、常温のまたは所定温度に加熱された純水DW が供給される。導入弁連結管19には、上流側(洗浄槽12と逆側)の端部から順に、純水供給弁23と、排液弁25と、複数の薬液導入弁20A 〜20D とが設けられている。各薬液導入弁20A 〜20D には、薬液QA 〜QD を供給するための薬液圧送部21が連結されている(薬液導入弁20A 用のみを図示)。この薬液導入弁20A 〜20D は選択的に開閉制御され、薬液圧送部21からの所定の薬液を純水供給管18に導入する。
【0017】導入弁連結管19の内部には、図4に示すように、上流側端から下流側(洗浄槽12側)端に直線状の流体通路24が形成されている。そして、下流端には洗浄槽12からの配管が接続される接続口24aが形成されており、中間部の内壁には4つの薬液導入弁20A 〜20D の2次側流路が流体の供給方向に沿って開口している。また、導入弁連結管19の側面には、薬液導入口20a〜20d(20dのみ図示)が形成されており、この薬液導入口20a〜20dに薬液圧送部21からの配管が接続されている。さらに、導入弁連結管19の上流端には、流体通路24に連通する純水供給ポート23aが形成されている。純水供給ポート23aには純水供給管18が連結されている。純水供給ポート23aの下流側に隣接して、流体通路24に連通する排液ポート25aが形成されている。この排液ポート25aには排液管16が接続されている。純水供給ポート23a及び排液ポート25aは、それぞれ純水供給弁23及び排液弁25により開閉されるようになっている。
【0018】さらに、導入弁連結管19には、図5に示すように、排液弁25の2次側流路と純水供給弁23の1次側流路とを結ぶ流路30が形成されており、この流路30には、配管中の死水(通路に液が滞留すること)を防止するためのドレイン弁29が配置されている。各薬液圧送部21は、1種類の薬液を貯溜するための薬液貯溜容器22A (22B 〜22D )を有している。薬液貯溜容器22A (22B 〜22D )は密閉型の容器であり、この容器22A には、窒素ガス配管39と薬液供給配管40とが接続されている。窒素ガス配管39は、容器22A の上部に開口し、薬液供給配管40は、容器22A の底部近傍まで達している。薬液貯溜容器22A には、窒素ガス配管39を介して窒素ガス源31から窒素ガスが供給される。薬液貯溜容器22A と窒素ガス源31との間の窒素ガス配管39には、上流側から順に窒素供給バルブ32、フィルタ33及び圧力調整用の耐食レギュレータ34が配置されている。ここで耐食レギュレータ34を用いたのは、薬液貯溜容器22A から腐食性の薬液のガスが逆流することがあるからである。
【0019】耐食レギュレータ34のパイロットポートには、電空レギュレータ35から圧力調整された空気が供給される。電空レギュレータ35は、電気信号により空気圧を制御する弁であり、そこには、空気圧源36から加圧された空気が供給される。電空レギュレータ35には、プログラマブルコントローラ37が接続されている。プログラマブルコントローラ37には、薬液供給配管40の圧力を検出する圧力センサ38からの圧力信号が与えられる。プログラマブルコントローラ37は、検出された圧力値に応じたフィードバック信号を電空レギュレータ35に与える。
【0020】薬液供給配管40は、各洗浄槽12の薬液導入弁20A に分岐している。薬液供給配管40の分岐部より上流側には、流量計41とフィルタ42とが配置されている。フィルタ42には、加圧ドレイン用のストップ弁44が接続されている。ストップ弁44はドレイン17に接続されている。また薬液貯溜容器22A には、リリーフ用の調整弁43も接続されている。
【0021】次に洗浄液供給部13の制御弁27について説明する。制御弁27は、純水DW を定流量・定圧に制御するためのものであり、図6に示すように、PVDF等の樹脂製の弁本体48と、弁本体48の上部に配置された弁カバー49と、弁本体48と弁カバー49との間に配置されたダイヤフラム50と、ダイヤフラム50に連動して弁本体48中を上下に移動可能な弁体51とを有している。
【0022】弁本体48の上部には、吐出側(2次側)の純水が導入される液圧導入室52が形成されている。また弁本体48の内部には、純水が流通する純水流路53が形成されている。純水流路53は、基端に導入口54が形成された導入流路55と、導入流路55の先端から上方に延びる弁体流路56と、弁体流路56の先端から図6の右方に延びる吐出流路57とから構成されている。弁体流路56には弁座72が形成されている。吐出流路57の先端には吐出口58が形成されている。吐出流路57と液圧導入室52との間には、これらを連通する連通孔59が形成されている。
【0023】弁体流路56の下方には空気室60が形成されている。空気室60には、弁体51に当接可能なピストン61が上下移動可能に配置されている。この空気室60は、カバー62により気密に封止されている。このカバー62には、空気導入口63が形成されている。また空気室60の上部には、弁本体48の側部に形成された空気導入口64に連通する空気孔65が開口している。
【0024】弁カバー49は、下部に空気導入室66が形成されている。この空気導入室66は、ダイヤフラム50により液圧導入室52に対して気密に分離されている。空気導入室66には、空気導入口67が連通している。また空気導入室66には、上下に移動可能なピストン68が配置されている。ピストン68の下端には、大径のフランジ部69が形成されている。
【0025】弁体51は上部に、フランジ部69とともにダイヤフラム50を挟むフランジ部70を有している。これにより弁体51は、ダイヤフラム50に連動して上下動する。弁体51の下部は、上部に比べて径が大きくなっている。弁体51の上部と下部との間にはテーパ部71が形成されている。このテーパ部71は、弁本体48の弁体流路56に形成された弁座72に嵌合して、導入流路35と吐出流路37とを遮断可能である。なお、弁体51及び弁座72は、互いに嵌合する形状であれば任意の形状が採用できる。
【0026】また、弁体51の上下位置は、空気導入室66に導入された空気の圧力と、液圧導入室52に導入された2次側の純水の圧力との差圧により定まる。したがって、圧力調整時には、空気導入室66に所望の圧力を導入することにより、純水流路53における吐出流路57側の圧力が一定の圧力となるとともに、その流量が一定の流量となる。また、空気導入室66に低い圧力の空気を導入することにより、少量の純水を流すことができる。これにより、節水機能を実現できる。さらに、空気導入口63から高圧の空気を導入することにより、弁体51が上方に押し上げられ、純水流路53が遮断される。
【0027】次に耐食レギュレータ34について説明する。耐食レギュレータ34は、図7に示すように、PVDF等の樹脂製の弁本体81と、弁本体81の上部に配置された上カバー82と、弁本体81の下部に配置された下カバー83とを主に有している。弁本体81の上部には、ガス圧導入室86が形成されている。また弁本体81の内部には、窒素ガスが流通するガス流路84が形成されている。ガス流路84は、弁本体81の図7左側面に開口する入側ポート85に連なる入側流路87と、入側流路87の先端からガス圧導入室86に向かって上方に延びる弁体流路88と、ガス圧導入室86から下方に延び、90°折れ曲がって弁本体81の図7右側面に開口する出側流路89とから構成されている。出側流路89の先端には出側ポート90が形成されている。また、弁体流路88の途中にはテーパ状の弁座91が形成されている上カバー82の下面には、ガス圧導入室86に対向する空気圧導入室94が形成されている。空気圧導入室94は、上カバー82の右側面に開口するパイロットポート101に連通している。ガス圧導入室86と空気圧導入室94とは、弁本体81と上カバー82との間に配置されたダイヤフラム92により気密に分離されている。ダイヤフラム92にはピストン93が一体的に取り付けられており、ピストン93は、空気圧導入室94内を上下に移動可能である。ピストン93の上方には、上カバー82に排気ポート95が形成されている。
【0028】ピストン93の下部には、弁体流路88を上下に移動可能な弁体96が当接配置されている。弁体96は、下方にいくにつれて径が徐々に大きくなる拡径部102を中間に有しており、この拡径部102が弁座91に係合する。弁体96の下部には、上部が伸縮自在でありかつ下部が弁本体81と下カバー83とを封止するシール97が嵌め込まれている。シール97には、上下に移動するバネ受け99が嵌め込まれている。
【0029】下カバー83の上面にはバネ室98が形成されており、バネ室98内には、バネ受け99に当接するバネ100が圧縮状態で配置されている。この結果、弁体96は、バネ受け99、シール97を介して常にバネ100により上方に付勢されている。従って、耐食レギュレータ34は、バネ100の付勢力と、空気室94に導入される空気圧とのバランスにより上下に移動し、空気圧により調整された圧力の窒素ガスを薬液貯溜容器22A に供給可能である。
【0030】次に上述の実施例の動作について説明する。基板Wが収容されたキャリアCが搬入・搬出部2に載置されると、キャリア移載ロボット4がそれを受け取り、基板移載部3に載置する。キャリアCが基板移載部3に移載されると、基板受け部8aがキャリアCから基板Wを取り出し、基板搬送ロボット7に基板Wを渡す。基板搬送ロボット7は、洗浄処理部5のいずれか1つの基板洗浄槽12に基板Wを搬送する。洗浄処理が終了すると、浸漬されていた基板Wは基板搬送ロボット7により次の工程に運ばれる。
【0031】前記洗浄工程においては、基板洗浄槽12に基板洗浄液が充填されている。基板洗浄槽12に洗浄液を供給する際には以下の動作が行われる。なお、供給動作を開始する前に、制御弁27により供給される純水の流量及び圧力を調整する。また、電空レギュレータ35により空気圧源36からの空気圧を所定の圧力に調整し、その空気圧により耐食レギュレータ34を調整する。これにより、窒素ガス源31から供給されるガスが所定のガス圧に調整される。
【0032】このような状態で窒素供給弁32を開き、圧力調整された窒素ガスを薬液貯溜容器22A 内に導入する。窒素ガスが薬液貯溜容器22A に導入されると、その圧力により、容器22A 内の薬液が流量計41、フィルタ42を介して薬液導入弁20A に導入される。この薬液供給配管40内の圧力は、圧力センサ38により検出される。ここで、他系統の隣接のバルブの開閉により薬液供給配管40内の圧力が変動すると、圧力センサ38で検出した圧力と目標圧力との間に偏差が生じる。この偏差をプログラマブルコントローラ37が算出し、その偏差に応じた指令電圧を電空レギュレータ35に出力する。そして電空レギュレータ35で制御された圧力の空気がパイロット圧として耐食レギュレータ34に与えられ、耐食レギュレータ34の弁体96が上下に移動し、パイロット圧に応じた圧力の窒素ガスが容器22A に与えられる。この結果、窒素ガスの圧力が外来要因の変動に係わらず一定になり、容器22A から所定量の薬液が吐出される。
【0033】ここでは、純水が制御弁27により定量かつ定圧に制御され、薬液が耐食レギュレータ34及び電空レギュレータ35により定流量に制御されるので、薬液の導入圧力や純水の供給圧力が変化しても薬液及び純水を定流量に混合できる。このため外来要因による変動の影響を受けることなく所定の混合比の薬液を得ることができる。
【0034】また、導入弁連結部19に薬液導入弁と排液弁25と純水供給弁23とが一体化して配置されているので、配管スペースが小さくなる。また配管材料も少なくて済むので、配管費用が低減する。さらにメンテナンス部分が減少するので、メンテナンス費用も低減する。
〔他の実施例〕図8に示すように、導入弁連結管19において、流体通路24の上流端に排液ポート25a を形成してもよい。ここでは、薬液導入弁20A と排液ポート25a との間に純水供給ポート23aが形成されている。この構成では、排液時に流体通路24に滞留する液がさらに少なくなる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る薬液混合装置では、耐圧密閉槽を加圧することにより薬液搬送路を薬液を圧送しているので、発塵による薬液汚染を抑えながら、外来要因の変動による影響を受けることなく薬液を簡素な構造で安定して供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用された基板処理装置の斜視概略図。
【図2】その縦断面概略図。
【図3】その処理液供給部の配管回路図。
【図4】導入弁連結管の縦断面図。
【図5】その配管回路図。
【図6】制御弁の縦断面図。
【図7】耐食レギュレータの縦断面図。
【図8】他の実施例の図4に相当する図。
【符号の説明】
1 基板洗浄装置
12 基板洗浄槽
19 導入弁連結管
20A 〜20D 薬液導入弁
22A 〜22D 薬液貯溜容器
31 窒素ガス源
34 耐食レギュレータ
35 電空レギュレータ
37 プログラマブルコントローラ
38 圧力センサ
39 窒素ガス配管
40 薬液供給配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】基板処理装置の基板処理槽に薬液と純水とを混合して供給する基板処理装置の薬液混合装置であって、前記基板処理槽に接続され、前記純水が通過する液供給路と、前記薬液を貯溜する耐圧密閉槽と、前記耐圧密閉槽から前記液供給路へと薬液を導く薬液搬送路と前記薬液搬送路に設けられた薬液導入弁とを有する薬液搬送部と、前記耐圧密閉槽から前記薬液搬送路へ前記薬液を圧送するため、前記耐圧密閉槽内を加圧する加圧手段と、を備えた基板処理装置用薬液混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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