説明

基板外観検査装置用の基板反転機構および該基板反転機構を備えた基板反転搬送手段

【課題】種々の被検査基板を簡単な機構のもとで定置・反転させることができるほか、設置面の省スペース化を実現できる基板外観検査装置用の基板反転機構および該基板反転機構を備えた基板反転搬送手段の提供。
【解決手段】基台13と、該基台13上に配置される回転駆動部23と、該回転駆動部23がその回転軸25に備える回転体26に連結されて該回転体26の回転方向へと被検査基板Pを反転可能に位置固定する一対の基板保持部33,33とを備えて装置本体11側に配置される基板反転機構12と、該基板反転機構12における一方の基板保持部33側に配置される往路側搬送部42と、他方の基板保持部33側に配置される復路側搬送部53とを備えて前置本体11側に配置される基板搬送機構53とを組み合わせることで、Uターンさせるように被検査基板Pを反転搬送させることができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査基板の表裏両面のキズ、汚れ、異物等の欠陥を検査カメラを用いて最終的に外観検査する際に好適に用いることができるほか、同時に設置スペースの狭くすることもできる基板外観検査装置用の基板反転機構および該基板反転機構を備えた基板反転搬送手段に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
プリント基板からなる被検査基板の外観上の適否を最終的に検査する外観検査手法には、人間が目視確認する検査手法のほか、例えば特許文献1に開示されている「プリント基板の穴充填部欠陥検査システム」などのような被検査基板外観検査用撮像ユニットを用いる検査手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−124306号公報
【0004】
そして、特許文献1に開示されているような被検査基板外観検査用撮像ユニットを備える基板外観検査装置は、例えばスルーホールに充填材料が充填されたプリント基板を被検査基板とし、該被検査基板の穴充填部に形成される凹部の深さを高精度に検出して、欠陥の有無を高精度に判定できるようにしようとするものであった。
【0005】
この場合、基板外観検査装置が備える基板搬送機構を介して検査位置を通過するように搬送される被検査基板は、検査位置にてライン状照射体からのライン状の照射光を受け、その反射光を検査カメラによりライン状に撮像した上で欠陥の有無が判定されることになる。
【0006】
一方、被検査基板の一方の面と他方の面との両面を外観検査する必要がある場合には、搬送しながら一方の面の検査を終えた後にその搬送を停止させた上で、前記被検査基板を搬送方向に向けて180度回転させることで、反転して表出させられた他方の面に対し同方向に搬送しながら検査を行うようにした基板反転搬送機構を備える基板外観検査装置も従来からあった。
【0007】
この場合における基板反転搬送機構は、搬送方向での上流側に配置された固定側ベルト部と可動側ベルト部とからなる第1無端送ベルトと、該第1無端送ベルトとの間に回転軸を介在させてその下流側に配置された固定側ベルト部と可動側ベルト部とからなる第2無端搬送ベルトとのほか、それぞれの可動側ベルト部の内側に配置された固定側ガイド部と、それぞれの可動側ベルト部の内側に配置された可動側ガイド部とからなる各一対の基板ガイドを前記回転軸に回転可能に連結することで構成されていた。
【0008】
そして、第1無端送ベルトが位置する上流側での一方の面の検査を終えた被検査基板は、上流側に位置する一対の基板ガイドに保持させた状態で回転軸を180度回転させることにより下流側に位置する第2無端搬送ベルト側へと反転させ、該第2無端搬送ベルトに被検査基板を載せ替えて下流側の検査位置へと送り出すことができるようになている。なお、下流側に位置していた他方の一対の基板ガイドは、同時に180度回転して上流側の第1無端送ベルト側に位置移動して次の被検査基板を搬送できるように待機することになる。
【0009】
つまり、従来からある上記基板反転搬送機構によれば、被検査基板を同じ搬送方向に搬送しながら、その両面を検査することができることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来からある上記基板反転搬送機構による場合には、一対の基板ガイドに保持させた際に被検査基板を位置固定できるチャック機構を備えていないため、被検査基板を回転させる際に若干ながらも動くことがあり、第2無端搬送ベルト側に被検査基板を載せ替えた際に微小ではあるが位置ずれが生じてしまうという不都合があった。
【0011】
また、上記基板反転搬送機構が備える各一対の基板ガイドは、そのいずれもが固定側ガイド部と可動側ガイド部とで構成されているので、被検査基板のサイズに合わせて可動側ガイド部を移動させる必要があることから、回転軸への取り付け構造がそれだけ複雑化してしまう不具合もあった。
【0012】
さらに、上記基板反転搬送機構は、同じ搬送方向に反転させるワンウエイ方式で設置されることから、その全体長もそれだけ長くななってしまい、省スペース化の要請への対応が困難になるという問題もあった。
【0013】
本発明は、従来技術にみられた上記課題に鑑み、サイズを異にする被検査基板であっても位置ずれさせない簡単な機構のもとで反転させることができるばかりでなく、機器設置面の省スペース化を図ることもできるようにした基板外観検査装置用の基板反転機構および該基板反転機構を備えた基板反転搬送手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、そのうちの第1の発明(基板反転機構)は、基板外観検査装置における装置本体側に設置される基台と、該基台上に配置される回転駆動部と、該回転駆動部がその回転軸に備える回転体に連結されて該回転体の回転方向へと被検査基板を反転可能に位置固定する一対の基板保持部とで構成され、一方の該基板保持部は、前記回転軸の軸方向での前記基台の一側面近傍に配置されて被検査基板の一側辺を支持する受け溝を備える基板支持ガイドと、前記一側辺との間の内角が直角となって搬送方向での先端側にて隣り合う前記被検査基板の他側辺側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアームとで形成し、他方の前記基板保持部は、前記回転軸の軸方向での前記基台の他側面近傍に配置されて被検査基板の前記一側辺を支持する受け溝を備える基板支持ガイドと、前記一側辺との間の内角が直角となって搬送方向での基端側にて隣り合う前記被検査基板の他側辺側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアームとで形成したことを最も主要な特徴とする。
【0015】
第2の発明(基板反転搬送手段)は、請求項1に記載の基板反転機構と、該基板反転機構における一方の前記基板保持部側に配置される往路側搬送部と、他方の前記基板保持部側に配置される復路側搬送部とを備えて前記装置本体側に固定配置される基板搬送機構とで構成され、前記往路側搬送部は、被検査基板の前記一側辺を基板支持ガイドの前記受け溝部に案内させつつ、開放状態にある前記チャックアームに被検査基板の前記他側辺を送り込んで挟持させるべく往路方向に搬送制御される一側搬送ベルトを具備させて形成し、前記復路側搬送部は、前記基板反転機構を介して反転された一方の前記基板保持手段により位置固定されている前記被検査基板が前記チャックアームを開放させた際に被検査基板の前記一側辺を基板支持ガイドの前記受け溝部に案内させつつ検査位置方向へと送り出すべく復路方向に搬送制御される他側搬送ベルトを具備させて形成したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、被検査基板は、その一側辺側を基板支持ガイドの受け溝に支持させた状態のもとで、チャックアーム相互間に他側辺側を正確に位置決めして挟持される結果、この状態のもとで被検査基板が反転するように回転駆動部を駆動制御して回転体を180度回転させることで、その横方向に所在する他方の基板保持部側とその位置を180度入れ替えることできる。つまり、第1の発明によれば、被検査基板は、その面サイズの大小に拘わらず対向辺側をフリー状態にして今回検査済み面を次回検査面側へと正確な位置関係をとって反転させることができるほか、部品点数もそれだけ少なくして構造の簡素化を実現することもできる。
【0017】
第2の発明によれば、一方の基板保持部を往路側搬送部に沿わせて配置し、他方の基板保持部を復路側搬送部に沿わせて配置することができるので、一側搬送ベルトと他側搬送ベルトとを並列配置することで、反転された今回検査済み分の被検査基板をUターンさせるようにして今回分の検査位置へと向けて搬送させることができる。したがって、従来からある基板反転搬送機構が同じ搬送方向に向けて反転させるワンウエイ方式で設置される場合とは異なり、その全体長もそれだけ短くして省スペース化の要請への対応を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の発明の一例を前方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図。
【図2】図1に示す第1の発明の一例を後方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図。
【図3】第2の発明の一例を前方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、図1〜図3に示すように被検査基板Pを180度反転させることができる基板反転機構12と、一側面側に対する検査を終えた被検査基板Pを基板反転機構11側へと送り込んで反転させた後、被検査基板Pの他側面側を検査させるべく検査位置へと送り込むことができる基板搬送機構42とを図示しない基板外観検査装置における装置本体11側に配置して構成される基板外観検査装置のための基板反転機構12および該基板反転機構12を備える基板反転搬送手段に関するものである。
【0020】
図1は、本発明のうち、第1の発明である基板反転機構の一例を前方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図であり、図2は、後方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図である。これらの図によれば、基板反転機構12は、装置本体11側に固定配置される基台13と、該基台13上に配置される回転駆動部23と、該回転駆動部23がその回転軸25に備える回転体26に連結されて該回転体26の回転方向へと被検査基板Pを反転可能に位置固定する一対の基板保持部33,33とで構成されている。
【0021】
これらのうち、基台13は、装置本体11側に位置固定される一側支柱部14と、該一側支柱部14にその基端側が連結支持されている基台本体部15と、一側支柱部14との間に所要間隔をおいて装置本体11側に位置固定される他側支柱部16とを備えて形成されている。
【0022】
回転駆動部23は、基台13における基台本体部15上に配置されて駆動制御されるモータ24と、該モータ24の回転軸25の軸方向と直交する方向を面方向とした例えば円形などを呈する回転体26とを備えて形成されている。
【0023】
そして、回転駆動部23は、回転体26の回転中心位置から外方に突設された軸支部27を他側支柱部16に回転自在に軸支させることで、その全体が装置本体11側に位置固定されることになる。
【0024】
また、一対の基板保持部33,33のうち、図1では左側に位置する一方の基板保持部33は、回転軸25の軸方向での基台13の一側面近傍、図示例では基台本体部15の一側面15aである左側面近傍に配置されて図3に示す被検査基板Pの一側辺Lを支持する受け溝34aを備える基板支持ガイド34と、一側辺Lとの間の内角が直角となって搬送方向での先端側にて隣り合う被検査基板Pの他側辺L側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアーム35,35とを備えて形成されている。なお、基板支持ガイド34の受け溝34とチャックアーム35,35による挟持位置とは、同一の水平方向に位置している。
【0025】
また、図1では右側に位置する他方の基板保持部33は、回転軸25の軸方向での基台13の他側面近傍、図示例では基台本体部15の他側面15bである左側面近傍に配置されて図3に示す被検査基板Pの一側辺Lを支持する受け溝34aを備える基板支持ガイド34と、一側辺Lとの間の内角が直角となって搬送方向での基端側にて隣り合う被検査基板Pの他側辺L側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアーム35,35とを備えて形成されている。なお、この場合も基板支持ガイド34の受け溝34とチャックアーム35,35による挟持位置とは、同一の水平方向に位置している。
【0026】
この場合、チャックアーム35のそれぞれは、エアシリンダを備えて流路を開閉制御する駆動制御部36と、該駆動制御部36からの流体圧を受けて従動する一対の従動杆37,37と、各従動杆37と個別に連結されされた上下一対のアーム部38,38と、各アーム部38を例えば圧縮用コイルバネなどのように常に押し出し方向へと押圧付勢するバネ材38とを少なくとも備えて形成されている。
【0027】
図3は、本発明のうち、第2の発明である基板反転搬送手段の一例を前方斜め上方位置からみた状態で示す斜視図であり、上記基板反転機構12と、該基板反転機構12における一方の基板保持部33側に配置される往路側搬送部43と、他方の基板保持部33側に配置される復路側搬送部53とを備えて装置本体11側に固定配置される基板搬送機構42とが、基板反転機構12側の反転動作が基板搬送機構42側と干渉することのない位置関係のもとで配置することで構成されている。
【0028】
このうち、往路側搬送部43は、被検査基板Pの一側辺Lを一方の側の基板支持ガイド34の受け溝部34aに案内させつつ、開放状態にあるチャックアーム35に被検査基板Pの他側辺Lを送り込んで挟持させるべく往路方向に搬送制御される一側搬送ベルト44を具備させて形成されている。
【0029】
この場合、往路側搬送部43は、一方の基板保持部33を構成している基板支持ガイド34が備える受け溝34aに被検査基板Pの一側辺L側を支持させた状態のもとで無端搬送する例えば布ベルトなどのように摩擦係数の高い素材を用いて形成されている固定側ベルト部45と、被検査基板Pの対向辺L側を無端搬送する例えば布ベルトなどのように摩擦係数の高い素材を用いて形成されている可動側ベルト部46とからなる一側搬送ベルト44を備え、可動側ベルト部46側は、搬送される被検査基板Pの横幅との関係で定まる位置へと幅移動できるようにして配置されている。なお、固定側ベルト部45と可動側ベルト部46とは、その搬送面が基板支持ガイド34の受け溝34とチャックアーム35,35による挟持位置と同一の水平方向に位置するようにして配置されている。
【0030】
また、復路側搬送部53は、他方の基板保持部33を構成している基板支持ガイド34が備える受け溝34aに被検査基板Pの一側辺L側を支持させた状態のもとで無端搬送する例えば布ベルトなどのように摩擦係数の高い素材を用いて形成されている固定側ベルト部55と、被検査基板Pの対向辺L側を無端搬送する例えば布ベルトなどのように摩擦係数の高い素材を用いて形成されている可動側ベルト部56とからなる他側搬送ベルト54を備え、可動側ベルト部56側は、搬送される被検査基板Pの横幅との関係で定まる位置へと幅移動できるようにして配置されている。なお、この場合も固定側ベルト部55と可動側ベルト部56とは、その搬送面が基板支持ガイド34の受け溝34とチャックアーム35,35による挟持位置と同一の水平方向に位置するようにして配置されている。
【0031】
次に、上記構成からなる本発明のうち、第1の発明の作用効果を説明すれば、基板反転機構12における一方の基板保持部33は、被検査基板Pの一側辺L側を支持する受け溝34aを備える基板支持ガイド34と、一側辺Lとの間の内角が直角となって搬送方向での先端側にて隣り合う被検査基板Pの他側辺L側を開放可能に挟持する上下一対のチャックアーム35,35とを備えている。
【0032】
このため、被検査基板Pは、その一側辺L側を基板支持ガイド34の受け溝34aに支持させた状態のもとで、バネ材38の押圧力に抗して押し開かれているチャックアーム35,35相互間に他側辺L側を正確に位置決めしながら導入することができる。
【0033】
定置させた後は、駆動制御部36側の流体圧を解消させることにより、チャックアーム35,35もバネ材38の押圧力により相互を密接する方向へと付勢される結果、被検査基板Pもその他側辺L側が挟持されるようにして位置固定されることになる。
【0034】
一方の基板保持部33側に被検査基板Pを位置固定させた後は、該被検査基板Pが反転するように回転駆動部23を駆動制御して回転体26を図3に示す矢印方向に180度回転させることで、他方の基板保持部33側とその位置を180度入れ替えることできることになる。
【0035】
このようにして180度入れ替えられた他方の基板保持部33側に対しては、再び一方の基板保持部33側に被検査基板Pを位置固定させたと同様の処理をさせることで、新たな被検査基板Pを位置固定した上で、再び反転させることができ、以下、同様の処理を繰り返すことで、被検査基板Pを順に反転させることができることになる。
【0036】
このため、第1の発明によれば、被検査基板Pは、その一側辺L側を基板支持ガイド34の受け溝34aに支持させた状態のもとで、チャックアーム35,35相互間に他側辺L側を正確に位置決めして挟持される結果、この状態のもとで被検査基板Pが反転するように回転駆動部23を駆動制御して回転体26を180度回転させることで、その横方向に所在する他方の基板保持部33側とその位置を180度入れ替えることできる。
【0037】
つまり、第1の発明によれば、被検査基板Pは、その面サイズの大小に拘わらず対向辺L側をフリー状態にして今回検査済み面を次回検査面側へと正確な位置関係をとって反転させることができるほか、部品点数もそれだけ少なくして構造の簡素化を実現することもできる。
【0038】
次に、上記した動きを示す基板反転機構12と基板搬送機構42とを図3に示すように組み合わせた第2の発明である基板反転搬送手段の作用効果を説明すれば、まず、往路側搬送部43の一側搬送ベルト44における可動側ベルト部46を位置移動させて固定側ベルト部45との間の間隔を今回検査終了分の被検査基板Pの横幅に対応させておくほか、復路側搬送部53の他側搬送ベルト54における可動側ベルト部56も位置移動させて固定側ベルト部55との間の間隔を同様に今回検査分の被検査基板Pの横幅に対応させておく。
【0039】
往路側搬送部43の一側搬送ベルト44および復路側搬送部53の他側搬送ベルト54の間隔調整を終えた後は、往路側搬送部43に今回検査終了分の被検査基板Pが送り込まれて搬送される。
【0040】
往路側搬送部43を介して搬送される今回検査終了分の被検査基板Pは、やがて基板反転機構12を構成している一方の基板保持部33における基板支持ガイド34の受け溝34aにその一側辺L側が支持された状態のもとで、既に述べたように上下一対のチャックアーム35に他側辺L側が挟持される。
【0041】
このようにして一方の基板保持部33側に被検査基板Pを位置固定させた後は、該被検査基板Pが反転してその裏側が表出するように回転駆動部23を駆動制御して回転体26を図3に示す矢印方向に180度回転させる。
【0042】
反転してその裏側を表出させた被検査基板Pは、基板支持ガイド34の受け溝34aにその一側辺L側を支持させた状態のもとで、上下一対のチャックアーム35を押し開くことで挟持状態が解消されるに至る。
【0043】
このように反転された被検査基板Pに対する挟持状態を解消した後は、復路側搬送部53における他側搬送ベルト54を回転駆動させることで、反転された今回検査済み分の被検査基板PをUターンさせるようにして今回分の検査位置へと向けて搬送させることができることになる。
【0044】
このため、第2の発明によれば、基板反転機構12における一方の基板保持部33を往路側搬送部43に沿わせて配置し、他方の基板保持部33を復路側搬送部53に沿わせて配置することができるので、一側搬送ベルト44と他側搬送ベルト54とを並列配置することで、反転された今回検査済み分の被検査基板PをUターンさせるようにして今回分の検査位置へと向けて搬送させることができる。
【0045】
したがって、第2の発明によれば、従来からある基板反転搬送機構が同じ搬送方向に向けて反転させるワンウエイ方式で設置される場合とは異なり、その全体長もそれだけ短くして省スペース化の要請への対応を図ることができる。
【符号の説明】
【0046】
11 装置本体
12 基板反転機構
13 基台
14 一側支柱部
15 基台本体部
15a 一側面
15b 他側面
16 他側支持部
23 回転駆動部
24 モータ
25 回転軸
26 回転体
27 軸支部
33 基板保持部
34 基板支持ガイド
34a 受け溝
35 チャックアーム
36 駆動制御部
37 従動杆
38 バネ材
42 基板搬送機構
43 往路側搬送部
44 一側搬送ベルト
45 固定側ベルト部
46 可動側ベルト部
53 復路搬送部
54 一側搬送ベルト
55 固定側ベルト部
56 可動側ベルト部
P 被検査基板
一側辺
他側辺
対向辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板外観検査装置における装置本体側に設置される基台と、該基台上に配置される回転駆動部と、該回転駆動部がその回転軸に備える回転体に連結されて該回転体の回転方向へと被検査基板を反転可能に位置固定する一対の基板保持部とで構成され、
一方の前記基板保持部は、前記回転軸の軸方向での前記基台の一側面近傍に配置されて被検査基板の一側辺を支持する受け溝を備える基板支持ガイドと、前記一側辺との間の内角が直角となって搬送方向での先端側にて隣り合う前記被検査基板の他側辺側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアームとで形成し、
他方の前記基板保持部は、前記回転軸の軸方向での前記基台の他側面近傍に配置されて被検査基板の前記一側辺を支持する受け溝を備える基板支持ガイドと、前記一側辺との間の内角が直角となって搬送方向での基端側にて隣り合う前記被検査基板の他側辺側を流体圧を受けて開放可能に挟持するチャックアームとで形成したことを特徴とする基板反転機構。
【請求項2】
請求項1に記載の基板反転機構と、前記基板反転機構における一方の前記基板保持部側に配置される往路側搬送部と、他方の前記基板保持部側に配置される復路側搬送部とを備えて前記装置本体側に固定配置される基板搬送機構とで構成され、
前記往路側搬送部は、被検査基板の前記一側辺を基板支持ガイドの前記受け溝部に案内させつつ、開放状態にある前記チャックアームに被検査基板の前記他側辺を送り込んで挟持させるべく往路方向に搬送制御される一側搬送ベルトを具備させて形成し、
前記復路側搬送部は、前記基板反転機構を介して反転された一方の前記基板保持手段により位置固定されている前記被検査基板が前記チャックアームを開放させた際に被検査基板の前記一側辺を基板支持ガイドの前記受け溝部に案内させつつ検査位置方向へと送り出すべく復路方向に搬送制御される他側搬送ベルトを具備させて形成したことを特徴とする基板外観検査装置のための基板反転搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−179827(P2011−179827A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41403(P2010−41403)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】