説明

基板検査装置

【課題】 大型の基板に対しても、均一に照明でき、外観検査を効率良く行えるような基板検査装置を安価に提供することである。
【解決手段】 基板検査装置1は、基板Wを保持しつつ回動する基板ホルダ6を備えている。さらに、基板ホルダ6を起き上がらせた状態で、基板ホルダ6のホルダ本体7の背面7c側には、バックライト投光装置20が設けられている。バックライト投光装置20は、基板ホルダ6の近傍に平行に配置される散乱板21と、散乱板21から離間して検査装置本体2の背面側に支持された投光機22とから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の背面側から投光しながら外観の検査を行うために用いられる基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板は、その製造工程においてマクロ検査が行われている。マクロ検査とは、ガラス基板の外観を観察者が目視で検査するもので、基板を保持する基板ホルダを所定の傾斜角度に設定し、ガラス基板の表面側から照明して、観察者が前方から目視で検査するマクロ検査装置が知られている。
【0003】
ここで、この種のマクロ検査装置には、基板を後方から照明するバックライト投光装置が設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。このバックライト投光装置は、基板ホルダと干渉しないような位置に離れて設けられており、白色面光源である蛍光灯が用いられている。バックライト投光装置の投光面は、検査する基板の大きさに対して十分な面積を有している。バックライト照明によるマクロ検査は、基板ホルダを垂直に立てた状態で蛍光灯を点灯させ、基板の背面から照明すると、目視によりガラス基板の欠陥の有無等を調べることができる。
なお、近年では、LCDの大型化に伴って、基板が大型化し、これに併せてマクロ検査装置も大型化されている。
【特許文献1】特開平11−94752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなマクロ検査装置では、装置自体が大型化するにつれて、バックライト投光装置が観察者から遠くに離れるので、照明光の光量が不足すると共に、バックライト投光装置が大型化することにより、マクロ検査装置のレイアウトや、製造が困難になり、製造コストが高くなるという問題が生じる。従来のバックライト投光装置は、多数の蛍光灯を等間隔に配置したもので、寿命が近付くと各蛍光灯の照明にばらつきが生じて均一に照明することができなくなる。さらに、全ての蛍光灯を取り替える場合には、蛍光灯の数量が多いため、取り替えに時間を要するという問題があった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大型の基板に対しても、均一に照明することができ、外観検査を効率良く行えるような基板検査装置を安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する本発明は、基板に光を照射して観察者が外観検査を行うために用いられる基板検査装置であって、前記基板の表面を前記観察者に向けて配置したときに、前記基板の背面側に配置される投光機と、前記投光機から前記基板に発散光を照射する際に、この光を散乱させつつ透過させる散乱部材とを設けたことを特徴とする基板検査装置とした。
この基板検査装置は、投光機から照射される発散光が基板に至る手前で散乱部材によって散乱されつつ散乱部材を透過し、基板に照射される。散乱部材によって散乱されることによって、基板に照射される光は、均一な光となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、基板の背面から光を照射して外観検査を行うにあたり、投光機からの発散光を散乱部材で散乱しつつ基板に照射させるようにしたので、大きな基板であっても均一に光を照射することができる。したがって、外観検査を確実に、かつ効率良く行うことができる。また、基板が大型化した場合には、散乱部材を大きくすれば良く、投光機を大型化する必要がないので、低コスト化を図ることができる。さらに、投光機を小型化できるので、メンテナンス性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に本実施の形態における基板検査装置の概略構成を示す側面図を示す。
基板検査装置1は、外形が略長方形の枠体であって、床面に設置される検査装置本体2を有し、検査装置本体2の上部には、基板表面に光を投射するためのマクロ照明装置3が設置されている。マクロ照明装置3は、光源3Aとしてメタルハライドランプと、ナトリウムランプとを備え、さらに光源3Aからの光を検査装置本体2内のガラス基板Wに向けて偏向するミラー3Bが配設されている。このミラー3Bの下方には、光源3Aからの発散光を収束光させるフレネルレンズ4と、このフレネルレンズ4を通過したマクロ照明光に対して透明な状態と、マクロ照明光を散乱させる不透明な状態とに切り替え可能な液晶フィルタ(液晶散乱板)5が配置されている。
【0008】
基板Wは、光に対して透明なシートや、平板からなり、例えば、FPD用のマザーガラス基板に用いられるもので、不図示の搬送装置から、図1中に実線で示すような水平に配置された基板ホルダ6上に搬入されるようになっている。
基板ホルダ6は、基板Wの周縁部を支える矩形枠状のホルダ本体7からなる。ホルダ本体7の上面7aには、基板Wの位置決めをするための基準ピン8と、基板Wを基準ピン8に当接して位置決めすべく基板Wに押し当てられる位置決めピン9と、基板Wを位置決めした後にガラス基板Wの周縁部を吸着保持する吸着機構(不図示)とが、規則的に複数配設されている。なお、基板Wは、ホルダ本体7の前面7b側を基準として位置決めされるようになっている。さらに、ホルダ本体7の前面7bの両側には、回動軸が取り付けられ、この回動軸は、ホルダ本体7を幅方向で挟むように配設される一対の支持部11に回転自在に支持されている。支持部11には、回動軸を回転駆動させるモータ10が設けられており、回動軸を中心として、基板ホルダ6を図1中に実線で示す水平位置から、破線で示すように垂直に近い傾斜角度(図示例では約80度)まで回動させることができるようになっている。
【0009】
また、検査装置本体2において、観察者に望む前面には、図1に破線で示すように垂直に近い状態まで起き上がらせた基板ホルダ6に吸着保持された基板Wの外観検査をできるように、開口部12が形成されている。
なお、開口部12の下縁には、基板ホルダ6の姿勢などを制御する際に、観察者の操作を受け付ける操作部15が設けられている。
【0010】
ここで、この基板検査装置1では、基板ホルダ6をほぼ垂直に起き上がらせた状態で、ホルダ本体7の背面7c側と対向する位置に、バックライト投光装置20が設置されている。バックライト投光装置20は、ホルダ本体7の背面7c側に取り付けられた散乱板21と、散乱板21から所定距離だけ後方に設置された投光機22とから構成されている。散乱板21は、例えば、すりガラスや、アクリル板など、光を散乱させつつ透過させることができる材料から製造されており、基板Wの略全体(ホルダ本体7の開口部)を覆う大きさを有している。投光機22は、ランプハウス23内に、例えば、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、LED(発光ダイオード)など、離れた位置からでも十分な光量が確保できる光源が収容されている。光源としては、発散光を照射するような点光源が好ましい。ランプハウス23は、支持部材24に回動自在に支持され、支持部材24は検査装置本体2に固定されている。
【0011】
この実施の形態の作用について説明する。
まず、水平な位置に設定されているホルダ本体7上に搬送装置により基板Wを載置し、この基板Wを基準ピン8などで位置決め吸着保持した後、操作部15のジョイスティックを操作して基板ホルダ6をマクロ照明装置3によるマクロ観察に適した傾斜角度(例えば、45〜60度)に回動させる。この状態で、基板W表面の検査を行う際には、上部のマクロ照明装置3からの光をフレネルレンズ4、及び液晶フィルタ5を通して投射し、目視で検査する。次に、基板Wのバックライト検査を行う際には、操作部15のジョイスティックを操作して基板ホルダ6をほぼ垂直に近い位置まで回動させる。図2に示すように、投光機22からの光は、散乱板21によって散乱されつつ散乱板21を透過し、ホルダ本体7を通り、略均一な光となって基板Wを背面から照らす。そして、観察者は、このバックライト照明光に照らされた基板Wの外観を目視で検査し、欠陥等の有無を調べる。そして、検査が終了したら、図1に示すように、基板ホルダ6を水平位置まで戻してから、基板Wを搬出する。なお、ホルダ本体7には、バックライト照明光で基板Wのパターン領域を照すのに十分な開口面積を有しているものとする。
【0012】
この実施の形態によれば、ホルダ本体7の裏面側に散乱板21を配置し、この散乱板21に点光源からの照明光を投光することで、基板Wに対して均一なバックライト照明をすることができるので、基板Wが大型化した場合でも従来のように蛍光灯を多数配置した大型の面光源に比べて非常に小さい点光源を実現でき、装置レイアウトの自由度が大きくなる。さらに、投光機22を小型化でき、コストダウンも図れる。このようなバックライト投光装置20では、基板Wがさらに大型化した場合でも、散乱板21を大きくするだけで足り、投光機22の投光距離や、投光レンズによって拡散角度を変えるだけですむ。
【0013】
なお、支持部材24に回動自在に取り付けられたランプハウス23を基板ホルダ6の傾き角度に連動して回動させるようにしても良い。この場合の基板ホルダ6の傾斜角度と、投光機22の傾斜角度とは、不図示の制御装置で制御する。
また、バックライト投光装置20に、反射ミラーを設け、投光機22を回動させずに、基板ホルダ6の傾き角度に合わせて反射ミラーを回動させるようにしても良い。
【0014】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図3及び図4に概略を示すように、この実施の形態では、バックライト投光装置30が、基板ホルダ6の背面7cに配置されるスクリーン31と、スクリーン31を巻き取る巻取装置32と、投光機22とを備えている。スクリーン31は、白色等の散乱シート、例えば、半透明のビニールや、布から製造された散乱部材であり、ホルダ本体7の開口部7dを覆う大きさを有している。スクリーン31の下端部には、基板ホルダ6の背面7cに沿って移動するウェイト33が取り付けられており、スクリーン31の上端部は巻取装置32内の巻取軸35に巻き取られている。巻取装置32は、ホルダ本体7の後面7e側に固定されており、巻取軸35は、巻取装置32のケースに回転自在に支持されており、モータ(不図示)に連結されている。
【0015】
この実施の形態では、最初にスクリーン31を巻取装置32内に巻き取っておく。そして、基板Wをバックライト検査する際には、基板ホルダ6を略垂直に立てた状態でモータを回転させてスクリーン31を繰り出す。スクリーン31は、ウェイト33により基板ホルダ6に略沿って下りるので、投光機22から発散光を照射すると、発散光がスクリーン31で散乱されつつ透過し、基板Wが背面側から均一に照らされる。そして、検査が終了したら、モータを逆転させて、スクリーン31を巻き上げる。
【0016】
この実施の形態では、バックライト投光装置30を使用しない場合には、スクリーン31を巻き取ることができるので、図1に示すようなマクロ照明装置3を使用して目視検査を行う際に、スクリーン31が邪魔にならないので、落射による検査を確実に行うことができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、スクリーン31を巻取装置32から繰り出した際に、スクリーン31が基板ホルダ6に沿って配置されるように、基板ホルダ6の後面7eから前面7bに至る間に、ガイドを設け、このガイドに沿ってウェイト33が上げ下げされるようにしても良い。このようにすると、基板ホルダ6が垂直方向に対して大きく傾いている場合でも、スクリーン31と基板ホルダ6とを平行に配置することが可能になり、散乱光で均一に基板Wを照明することが可能になる。
【0017】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記の各実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図5に示すように、この実施の形態では、バックライト投光装置40が、投光機22と、散乱板21と、散乱板21を基板ホルダ6に対して挿脱させる移動機構41とを備えている。移動機構41は、例えば、散乱板21の幅方向の側部のそれぞれを摺動自在に支持するガイドレールと、ガイドレールに沿って散乱板21を移動させるように、散乱板21に取り付けられるローラ、及びモータと、モータの制御装置などから構成されている。この場合に、ガイドレールは、基板ホルダ6を起き上がらせたときに、基板ホルダ6の傾斜角度と平行に、かつ基板ホルダ6の背面7cに散乱板21が近接配置されるように配設される。ガイドレールの長さは、基板ホルダ6の前面7b近傍から、後面7eに相当する高さを越えてさらに延び、散乱板21を基板ホルダ6よりも上方に完全に退避させるのに十分な長さになっている。
【0018】
バックライト投光装置40を用いてマクロ観察を行う際には、最初に、散乱板21を基板ホルダ6よりも上側の待機位置に退避させておく。そして、基板Wが搬入されて、観察者が操作部15(図1参照)を操作し、基板ホルダ6を起き上がらせたら、散乱板21を下降させる。すなわち、不図示のセンサで基板ホルダ6が起き上がったことが確認された後に、移動機構41の制御装置がモータを駆動させる。その結果、散乱板21が、ガイドレールに沿って所定量だけ下降し、基板ホルダ6の背面7cに平行で、かつ近接した散乱位置に移動する。この状態で、投光機22からの光を散乱板21で散乱させつつ基板Wに照射し、マクロ観察を行う。マクロ観察が終了したら、再び移動機構41を駆動させて、散乱板21を基板ホルダ6の移動径路上から退避させた後に、基板ホルダ6を水平位置まで戻し、基板Wを搬出する。
【0019】
この実施の形態では、基板ホルダ6に対して散乱板21を独立して設けたので、基板ホルダ6を小型化、軽量化することができる。したがって、支持部11の負荷が低減される。さらに、基板ホルダ6の移動を速やかに行えるようになる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0020】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記の各実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図6に示すように、この実施の形態のバックライト投光装置50は、支持部11(図1参照)に回動自在に取り付けられた散乱板21と、投光機22と、回動機構51とから構成されている。回動機構51は、散乱板21の下端部に取り付けられた回動軸52を有し、回動軸52は、支持部11に回転自在に支持されている。また、回動軸52は、モータ53に接続されている。
【0021】
このバックライト投光装置50を用いてバックライト観察を行う場合は、最初に、散乱板21を基板ホルダ6の移動径路外の待機位置に退避させておく。基板ホルダ6を起き上がらせたら、回動機構51のモータ53を駆動させて、散乱板21を回動軸52回りに回動させ、散乱板21を基板ホルダ6の近傍で、かつ平行になる散乱位置まで移動させる。検査が終了したら、散乱板21を回動軸52回りに回動させて、待機位置に退避させた後に、基板ホルダ6を水平位置まで戻す。
【0022】
この実施の形態では、散乱板21を回動させることで、散乱板21が上方に突出することが防止されるので、基板検査装置1の小型化や、レイアウトの自由度を高めることができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0023】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、前記の各実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図7に示すように、バックライト投光装置60は、ホルダ本体7の背面7cに一体的に設けられた透過型液晶散乱板61と、その制御装置62と、投光機22とから構成されている。透過型液晶散乱板61は、基板ホルダ6のホルダ本体7と略同じ大きさを有し、基板ホルダ6に近接して、かつ平行に固定されている。このような透過型液晶散乱板61は、印加電圧をON、OFF制御することによって光に対して透明な透明状態から白濁した散乱状態に変化するものが用いられており、制御装置62によってコントロールされるようになっている。
【0024】
このバックライト投光装置60でバックライト観察を行う際には、基板Wを吸着保持させた状態で、基板ホルダ6を垂直に近い状態まで起き上がらせる。このとき透過型液晶散乱板61も一体となって起き上がる。次に、観察者の操作に基づいて制御装置62が透過型液晶散乱板61に電圧を印加して散乱状態に切り替える。これによって、投光機22からの発散光は、透過型液晶散乱板61によって散乱されつつ基板Wに照射される。観察が終了したら、投光機22の電源を切り、透過型液晶散乱板61への電力供給を停止する。
【0025】
この実施の形態によれば、制御装置62で透過型液晶散乱板61への通電状態を切り替えることによって散乱状態と、透明状態とを瞬時に切り替えることができるので、メカ的な駆動機構が不要になり、振動を抑制でき、かつ基板検査装置1の小型化が図れる。さらに、バックライト投光装置60によるマクロ検査と、上部のマクロ照明装置3(図1参照)からの落射によるマクロ検査との切り替えを速やかに行うことが可能になり、検査の効率化を図ることができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0026】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、前記の各実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図8に示すように、バックライト投光装置70は、散乱板21と、散乱板21を傾斜した状態で前後にスライドさせる移動機構71と、投光機22とから構成されている。移動機構71は、マクロ検査時の基板ホルダ6の傾斜角度と略等しい傾斜角度で散乱板21を支持する支持部72と、支持部72がスライドするガイドレール73とを備えている。
【0027】
このバックライト投光装置70でバックライト検査を行う際には、最初に支持部72を後方に移動させ、基板ホルダ6の移動径路上から散乱板21を退避させておく。基板ホルダ6を所定の傾斜角度まで起き上がらせたら、各支持部72を同期して前進させ、散乱板21をホルダ本体7の背面7cに対して平行になるように近接させる。この状態で投光機22から光を照射し、散乱板21で散乱させつつ基板Wを背面から照らす。検査が終了したら、支持部72が後退し、散乱板21を基板ホルダ6の移動径路から退避させる。
【0028】
この実施の形態では、バックライト投光装置70の構成要素のうち、軽量な散乱板21を水平移動させることで、基板Wの近傍に散乱板21を配置できるようにしたので、基板ホルダ6を回動させるために必要なスペースを有効利用して、装置の小型化を図ることができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0029】
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、前記の各実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図9に示すように、バックライト投光装置80は、ホルダ本体7の背面7cに配置される散乱板21と、投光機22と、投光機22を移動させる移動機構81とから構成されている。散乱板21は、第2から第5の実施の形態のいずれかの散乱板21,31,61であっても良い。移動機構81は、例えば、投光機22を水平及び垂直方向に移動させる多関節アームロボットと、投光機22の位置を制御する制御装置とから構成されるが、それ以外の構成であっても良い。
【0030】
このバックライト投光装置80でバックライト観察を行う際には、移動機構81を駆動させ、投光機22を散乱板21に近付ける。投光機22を移動させる位置は、観察者がバックライト検査を行う領域であって、例えば、観察者が操作部15(図1参照)に入力したデータに基づいて決定される。散乱板21までの距離は、観察する領域を所定の光量で照らすことができるような距離で、予め定められている。他の領域を観察する際に、操作部15からの情報に基づいて移動機構81が投光機22を移動させる。検査が終了したら、投光機22を基板ホルダ6の移動径路上から退避させる。
【0031】
この実施の形態では、観察時に観察しようとする位置に合わせて投光機22を基板Wに近付けるようにしたので、単位面積あたりの光量を上げて検査をすることができるので、より精細な検査を行うことが可能になる。また、必要とされる小さい領域のみを照らせば足りるので、小さい投光機22を使用することができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態では、投光機22をホルダ本体7の背面7cに沿ってXY方向の二次元方向に走査するようにしたが、投光機22からの光を散乱板21上の所定の位置に集光させるレンズなどの光学系を設け、投光機22をXY方向に回動させてバックライト照明光をホルダ本体7の背面7cに配置された散乱板21上でXY方向に走査しても良い。
【0032】
なお、本発明は、前記の各実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、投光機22の傍にフィルタを配置し、特定の波長をカットするようにしても良い。従来のように蛍光灯からなる大型の光源を用いる場合に比べて、フィルタの設置や、フィルタの交換が容易で、観察中のフィルタの切り替えなどを容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態における基板検査装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】バックライト投光装置を用いたマクロ検査を説明する図である。
【図3】バックライト投光装置の斜視図である。
【図4】バックライト投光装置を用いたマクロ検査を説明する図である。
【図5】バックライト投光装置を示す側面図である。
【図6】バックライト投光装置を示す側面図である。
【図7】バックライト投光装置を示す側面図である。
【図8】バックライト投光装置を示す側面図である。
【図9】バックライト投光装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 基板検査装置
6 基板ホルダ
7 ホルダ本体
7c 背面
21 散乱板(散乱部材)
22 投光機
31 スクリーン(散乱部材)
61 液晶散乱板(散乱部材,液晶板)
W 基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に光を照射して観察者が外観検査を行うために用いられる基板検査装置であって、
前記基板の表面を前記観察者に向けて配置したときに、前記基板の背面側に配置される投光機と、前記投光機から前記基板に発散光を照射する際に、この光を散乱させつつ透過させる散乱部材とを設けたことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記散乱部材は、前記基板を吸着保持する基板ホルダの背面に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記散乱部材は、前記投光機から照射される光の光路に対して挿脱自在に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記散乱部材を巻き取る巻取装置を前記基板ホルダに設けたことを特徴とする請求項2に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記散乱部材は、透過型の液晶板からなり、前記散乱部材への電圧の印加を制御する制御装置をさらに設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−258697(P2006−258697A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78916(P2005−78916)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】