説明

基礎の施工方法

【課題】施工性を確保しつつ断熱性能の劣化を抑制することができる基礎の施工方法を提供する。
【解決手段】鉄筋コンクリート造の基礎スラブ10と、基礎スラブ10上に形成される鋼材基礎2と、鋼材基礎2を包囲する基礎断熱体40とを備え、基礎断熱体40は、基礎スラブ10よりも僅かに背高なスラブ断熱部43と、スラブ断熱部43に連結されて鋼材基礎2の外側面を覆う鋼材断熱部44とを備えている基礎の施工方法であって、基礎スラブ10の配筋後に、基礎スラブ10の上面に対応する位置から上方に鋼材基礎2を組み上げていき、鋼材基礎2の組み上げの前又は後に基礎スラブ10の鉄筋を包囲してスラブ断熱部43を立設し、少なくともスラブ断熱部43の上端部近傍までコンクリートを打設して基礎スラブ10を形成し、その後、スラブ断熱部43上に載置しつつ鋼材断熱部44を鋼材基礎2に沿って立設させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物の上部構造を支持する基礎の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の上部構造を支持する基礎として、鉄筋コンクリート製の基礎梁を備える布基礎が知られているが、かかる布基礎は、地業、配筋、型枠、アンカーセット等の施工に関して作業に手間がかかり、これらに要する手間を改善することが現場から要望されている。かかる要望に応えるべく、基礎梁として鉄骨材を採用する構成が知られており、例えば特許文献1には、H型鋼の下部を基礎スラブに埋設させることで当該H型鋼を基礎梁とした基礎構造が開示されている。あるいは、特許文献2には、アンカー部材を介して基礎スラブにH型鋼を固定した基礎構造が開示されている。また、これらの基礎構造においては、風雨に晒されることによるH型鋼の腐食等に考慮する必要があり、その対応として、H型鋼の外側面に化粧カバーが設けられている。
【0003】
ところで、基礎構造により包囲される1階床下空間を室内に準じる温熱性能を付与すべく、鉄筋コンクリート製の布基礎に断熱性能を付与した構成が知られており、かかる断熱性能を上述の如き鋼材基礎を備えた基礎構造にも適用することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−262586号公報
【特許文献2】特開2003−268782号公報
【特許文献3】特開2004−107974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2の鋼材基礎の下方の基礎スラブの側面から特許文献3の断熱材を立ち上げることが考えられるが、かかる構成においては、基礎スラブ打設前に断熱材を立ち上げると、コンクリート打設のコンクリートからの荷重による断熱材の移動や揺動を防止すべく型枠は断熱材と同程度のせいを有するものを要する必要が生じ、コンクリートの打設高さに対して型枠の高さが過大となる問題があった。のみならず、当該コンクリート打設に前後して鋼材基礎を組み上げる場合には、当該鋼材基礎の組み上げにこれら断熱材や型枠が邪魔となるのみならず、当該鋼材基礎等が断熱材にぶつかり、これによって施工の段階で早くも断熱材が損傷を受けてしまうという問題がある。また、基礎スラブのコンクリートを打設し、鋼材基礎を組み上げた後に断熱材を取り付ける施工手順にあっては、断熱材と基礎スラブの間に隙間が生じ、当該隙間によって断熱性能が低下してしまう問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、施工性を確保しつつ断熱性能の劣化を抑制することができる基礎の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決すべく、本発明の具体的構成は、
鉄筋コンクリート造の基礎スラブと、該基礎スラブ上に形成される鋼材基礎と、該鋼材基礎を包囲する基礎断熱体と、を備え、
該基礎断熱体は、基礎スラブよりも僅かに背高なスラブ断熱部と、該スラブ断熱部に連結されて前記鋼材基礎の外側面を覆う鋼材断熱部とを備えている基礎の施工方法であって、
前記基礎スラブの配筋後に、当該基礎スラブの上面に対応する位置から上方に前記鋼材基礎を組み上げていき、該鋼材基礎の組上げの前又は後に前記基礎スラブの鉄筋を包囲してスラブ断熱部を立設し、
前記スラブ断熱部の上端部近傍までコンクリートを打設して基礎スラブを形成し、その後、
前記スラブ断熱部に当接させつつ前記鋼材基礎の外側面に前記鋼材断熱部を取り付ける
ことを特徴としている。
これによれば、基礎スラブのコンクリート打設前にスラブ断熱部を設置することができ、基礎スラブとスラブ断熱部との間の隙間をなくしてこれらを密着させることができるものとなっている。また、当該スラブ断熱部は、基礎スラブの打設高さよりも僅かに背高に形成されているので、基礎スラブ打設時の型枠も当該スラブ断熱部と同程度の高さで済ませることができる。このため、型枠が作業中の作業者の移動や他の部材や道具の移動を妨げることもなく、基礎スラブ打設についての施工性の向上を図ることができる。
【0008】
また、鋼材断熱部は、基礎スラブの施工の完了後、鋼材基礎を組み上げた後の適宜のタイミングで取り付けることができるので、当該鋼材断熱部が鋼材基礎についての施工の妨げになることもない。また、上記施工方法によれば、鋼材断熱部が鋼材基礎の組み上げに先立って立ち上がった状態で放置されることもないので、当該鋼材断熱部が施工中の他の部材や工具、作業者にぶつかることによる損傷が防止されることはもちろん、鋼材断熱部が太陽光による紫外線に晒される状態も可及的抑制することができるので、当該紫外線照射による鋼材断熱部の劣化も著しく低減する或いは防止することができる。
【0009】
(2)かかる点に鑑み、本発明の他の具体的構成は、
鉄筋コンクリート造の基礎スラブと、該基礎スラブ上に形成される鋼材基礎と、該鋼材基礎を包囲する基礎断熱体と、を備え、
該基礎断熱体は、基礎スラブよりも僅かに背高なスラブ断熱部と、該スラブ断熱部に連結されて前記鋼材基礎の外側面を覆う鋼材断熱部とを備えている基礎の施工方法であって、
前記基礎スラブの配筋後に前記基礎スラブの鉄筋を包囲してスラブ断熱部を立設し、
前記スラブ断熱部の上端部近傍までコンクリートを打設して基礎スラブを形成し、
該基礎スラブ形成後に、当該基礎スラブの上面に前記鋼材基礎を組み上げ、その後、
前記スラブ断熱部に当接させつつ前記鋼材基礎の外側面に前記鋼材断熱部を設置する
ことを特徴とする。
このように、鋼材基礎の組み上げ後に鋼材基礎部を設置することで、当該鋼材基礎部が鋼材基礎の外側面を覆う一方、該鋼材基礎部の裏面に対向して鋼材基礎が立ち上がることとなるので、当該裏面は鋼材基礎のかげに隠れることができ、これによって、少なくとも鋼材基礎部の内面の露出は可及的低減され、当該内面の紫外線劣化は抑制されることとなるのである。
【0010】
(3)また、前記鋼材断熱部は、前記スラブ断熱部上に載置される仕上げ断熱部と、該仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しい厚さを有する平板状の下地断熱部とを備え、
前記鋼材断熱部の設置は、
前記下地断熱部を鋼材基礎とスラブ断熱部との間に立設させ、その後、
前記仕上げ断熱部を下地断熱部に立て掛けた状態で前記スラブ断熱部の上端部に載置する
ことが好ましい。
これによれば、仕上げ断熱部は、当該下地断熱部とスラブ断熱部に同時に当接させることで容易に位置を定めることができ、きわめて容易にこれら断熱部材を設置することができるものとなっている。
【0011】
(4)また、前記スラブ断熱部と鋼材基礎との間の間隔は、前記仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しく、
前記下地断熱部は、前記スラブ断熱部の上端部と前記鋼材基礎の間に嵌め込まれた状態でこれらの間に立設される
ことが好ましい。
これによれば、下地断熱部の下端部を鋼材基礎とスラブ断熱部の間に嵌め込むこと当該下地断熱部を容易に鋼材基礎に沿って立ち上がらせることができ、下地断熱部の設置が用意となってさらに施工性を向上させることができる。
【0012】
(5)また、前記鋼材断熱部は、前記スラブ断熱部上に載置される仕上げ断熱部と、該仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しい長さを有して当該仕上げ断熱部の裏面に突設されるブロック状のスペーサとを備え、
前記鋼材断熱部の設置は、前記スペーサの先端部を鋼材基礎に当接させること前記仕上げ断熱材の位置決めがなされることが好ましい。
これによれば、スペーサを鋼材基礎に当設させるだけで仕上げ断熱部の鋼材基礎からの距離が正確に維持されるため、スペーサを鋼材基礎に当設させることで仕上げ断熱部の下端部をスラブ断熱部の上端部に対向させることができるのみならず、当該スペーサを介して鋼材基礎に仕上げ断熱部を支持させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基礎の施工方法によれば、施工性を確保しつつ断熱性能の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る基礎の施工方法により形成される基礎の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】火打を介して水平ブレースが設置された部分の梁の構造例を示す平面図である。
【図3】梁を設置する工程を示す斜視図である。
【図4】水平ブレースを設置する工程を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(d)は基礎断熱体を組み上げていく手順を示す図である。
【図6】梁に建物の部材を設置する工程を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る基礎の施工方法により形成される基礎の第2実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は第2実施形態の基礎の施工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る基礎の施工方法により形成される基礎及び基礎の施工方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1〜図6に本発明の第1実施形態を示す。図1に示す如く、本実施形態の基礎構造は、鉄筋コンクリート造の支持体として形成される基礎スラブ10と、該基礎スラブ10の上部にて組み上げられた鋼材基礎2と、該基礎スラブ10及び鋼材基礎2を屋外側より覆う基礎断熱体40とを備えている。
【0017】
本実施形態において上部構造として例示する建物Aは、305mmの平面モジュールを有する梁勝ち工法による2階建ての鉄骨造の工業化住宅である。ただし、これはあくまで好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
【0018】
建物Aにおいては、基礎スラブ10及び鋼材基礎2からなる基礎躯体構造上に設けられており、該鋼材基礎2上に立設固定された柱(以下、1階柱ともいう)50(図6参照)と、該1階柱50の上端を連結するように配置された2階梁と、該2階梁上に配置された2階柱と、R階大梁と、隣接する2本の柱50間に設置された耐力要素等51の部材とが、直交する基準線(X方向基準線、Y方向基準線)の中からそれぞれ複数選択された(モジュールの整数倍の間隔となるように設定された)通りに対応して配置されて基本架構が構成されている。さらに、建物Aにおいては、小梁が適宜架け渡され、各階梁で支持されるALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)からなる床パネルにより各階床が構成され、外周部梁を利用してALC等からなる外壁パネルや開口パネルが取り付けられて外壁が構成されている。
【0019】
図1に示す如く、本実施形態の支持体たる基礎スラブ10は、全面的にベタ基礎形式となっている。該基礎スラブ10においては、上記各通りに対応する所定の幅の範囲について地反力に対し耐力を発揮しうる基礎梁とみなして配筋量が算定されている(図3、図4参照)。基礎スラブ10のうち、これ以外の領域については、地反力を受ける4辺固定のスラブとみなして配筋量が決定されている。
【0020】
なお、本実施形態ではベタ基礎形式の基礎スラブ10を例示しているが、このようなベタ基礎形式に限定されることはなく、例えば、通りに沿って地耐力に応じた所望の幅を有するフーチング形式とする構成も採用可能である。
【0021】
また、基礎スラブ10は、上端面を地盤面より高くして形成されており、これによって基礎断熱体40よりも屋内側となる建物Aの1階床下空間への水の進入が抑制されるものとなる。
【0022】
鋼材基礎2は、基礎スラブ10の上端面に設置される鋼製の束20と、該束20に支持される鋼製の梁30と、これら梁30間に架設される鋼製の水平ブレース31とを備えている。
【0023】
束20は、基礎スラブ10の上面に載置されており、梁30を支持する。基礎スラブ10には、予めアンカーボルト11が埋設されており、該アンカーボルト11の上端部に束20がナット等によって接合固定されている。該束20は、建物Aの柱(1階柱)50から伝達される荷重を基礎スラブ10に効率よく伝達する役割を有し、少なくとも大梁30上(通り上)に立設される1階柱50の直下に設置され、ジョイントボックス21または1階大梁30の中間部の下フランジのボルト穴を用いて接合され、1階大梁30を支持する。
【0024】
また、束20は、アンカーボルト11の上端部に接合される下フランジ20bと、例えばジョイントボックス21が接合される上フランジ20aと、これら両フランジ20a,20bを結合する横断面が例えば十字ないしクロス形状のウェブ20cとで構成されている。
【0025】
該束20は、図3に示す如く、建物Aの外周部(すなわち外壁寄りの部分)と内周部(すなわち建物Aの内部寄りの部分)とに適宜配置される。これらのうち、外周部(外通り)に配置される束20は、建物外側においては上フランジ20aと下フランジ20bの端縁位置が一致し、建物内側においては下フランジ20bが上フランジ20aよりも建物内側に向け延伸しており、延伸側のウェブ20cが上フランジ20aの端縁から下フランジ20bの端縁にかけて末広がり状に形成された形状(オフセット形状)となっている。また、建物Aの入隅部および出隅部においては、外壁に沿った2方向について、下フランジ20bが上フランジ20aよりも延伸し、延伸側のウェブ20cが上フランジ20aの端縁から下フランジ20bの端縁にかけて末広がり状に形成されている束20を採用されている。
【0026】
このようなオフセット形状の束20を用いることにより、基礎スラブ10のより広い範囲に荷重が分散して伝達され、該基礎構造にて構造計算上の基礎梁とみなせる幅が大きくとれるものとなっている。
【0027】
梁30は、例えばH形鋼(I形鋼と呼ばれるような形鋼を含む)からなり、長手方向の両端には、先端部をL字としてボルト穴を開設したガセットプレート34が溶接により接合されている(図2、図3等参照)。
【0028】
なお、なお、梁30には、通り上に配置されるいわゆる大梁(1階大梁)のみならず、建物Aの1階床を形成する床パネルを支持するために設置される大梁間に架け渡される小梁30’も含まれる(図3参照)。なお、小梁30’は大梁と他の小梁30’との間に架け渡される場合もある。
【0029】
また、図3に示す如く、梁30の上フランジ30aおよび下フランジ30bにはモジュール柱を接合するためのボルトを挿通するボルト穴30dがモジュールに基づくピッチで等間隔に穿設されている。ボルト穴30dは、平面視基準線の交点上に位置するよう穿設されている。また、ウェブ30cにも他の梁30を接合するためのボルトを挿通するボルト穴30dがモジュールに基づくピッチで等間隔に穿設されている。さらに、梁30のウェブ30cには所定の間隔で大径の穴(一例として、直径125mm)30eが穿設されている。
【0030】
図2や図3に示す如く、梁30の端部どうしを接合する場合、本実施形態ではジョイントボックス21を用いている。
【0031】
ジョイントボックス21は、平面視十字状のウェブ21cの上下端に正方形の上フランジ21aおよび下フランジ21bが溶接され構成されている。このジョイントボックス21に梁30を接合する場合は、梁30のガセットプレート34の2面を直交するウェブ21cの2面に当接させ、該ガセットプレート34の屈曲部のボルト穴及びこれに対応するジョイントボックス21のボルト穴にボルトを挿通してボルト接合する。
【0032】
図1や図4に示す如く、水平ブレース(補剛材)31は、1階の床構面に設置されて、コンクリート打設作業時等における梁30等の変形を抑制する。床構面に設置された水平ブレース31は、そのまま建物完成後の1階床の面内剛性を確保する部材となる。
【0033】
また、図2に示す如く、該水平ブレース31は梁30の上端付近にて火打35を介して取り付けられており、これによって、梁30等の変形抑止効果と、基礎形成時の作業性・床下利用性とをさらに向上させることが可能となっている。
【0034】
なお、ここで例示する水平ブレース31の他、火打梁(火打土台、火打金物)等を補剛材として用いることも可能である。
【0035】
図6に示す如く、柱50は、通りと通りに直行する基準線との交点に配置され、下端部がジョイントボックス21または大梁30の中間部の上フランジ30aのボルト穴30dを用いて接合される。
【0036】
また、耐力要素51は、所定の間隔(例示すれば、610mm、915mmなど)で配置された2本の柱50の内側面にボルト接合される。耐力要素51は例えば筋交い(クロスフレーム)等で構成される。
【0037】
図1に示す如く、基礎断熱体40は、建物Aの外壁の下端部に連続して設けられており、基礎スラブ10の端縁と、鋼材基礎2の外周部に位置することとなる梁30とを外気側から包囲している。
【0038】
本実施形態の場合、基礎断熱体40は、押出法発泡ポリスチレンフォームやフェノールフォーム等のプラスチック系断熱材からなる断熱部41と、該断熱部41の外側面に塗布される保護層42とを備えている。
【0039】
断熱部41は、基礎スラブ10よりも背高なスラブ断熱部43と、該スラブ断熱部43に連結されて鋼材基礎2の外側面を覆う鋼材断熱部44とを備えている。
【0040】
スラブ断熱部43は、基礎スラブ10の側面下端部から上端部を覆うと共に当該上端部よりも突出する高さを有する平板状に形成されている。
【0041】
鋼材断熱部44は、スラブ断熱部43に連結される仕上げ断熱部45と、該仕上げ断熱部45と鋼材基礎2の間の間隔に等しい厚さを有する平板状の下地断熱部46とを備えている。
【0042】
下地断熱部46は、基礎スラブ10の上面から鋼材基礎2の梁の上端面に至る高さを有している。また、仕上げ断熱部45の裏面と同一平面状に位置することとなる基礎スラブ10の端面から鋼材基礎2の外側面までの間隔に等しい厚さを有して形成されている。したがって、基礎スラブ10及び鋼材基礎2の組み上げ後、基礎スラブ10の上面に下地断熱部46の下面を当接させると共に、当該鋼材基礎2の梁に下地断熱部46を立て掛けるだけで、当該下地断熱部46が鋼材基礎2の外側面を覆うと共に、当該下地断熱部46の外側面と基礎スラブ10の側面とが同一平面状に位置するものとなる。また、下地断熱部46は、鋼材基礎2に沿って立設されることにより、当該鋼材基礎2の梁30の上下フランジ30a、30bによって上端部及び中途部が梁30の長手方向に亘って支持されることとなる。
【0043】
また、このように下地断熱部46が鋼材基礎2の梁30に沿って立設されることにより、当該下地断熱部30の裏面は、鋼材基礎2に覆われるものとなる。
【0044】
仕上げ断熱部45は、スラブ断熱部43と同じ厚さを有すると共に、当該スラブ断熱部43の上端面に載置された状態で上端面を鋼材基礎2の梁30の上フランジ30aと同じ位置となる高さを備える平板状に形成されている。また、当該仕上げ断熱部45の裏面は、下地断熱部46の側面に密着した状態で取り付けられており、これによって、仕上げ断熱部45は、全面に亘って下地断熱部46に支持されるものとなり、ひいては、当該下地断熱部46を介して鋼材基礎2の梁30に支持されるものとなっている。
【0045】
下地断熱部46、スラブ断熱部43及び仕上げ断熱部45は、それぞれが梁30の長手方向に沿って敷き並べられ、これによって基礎断熱体40の断熱部41が形成されるが、当該下地断熱部46間の継目とスラブ断熱部43及び仕上げ断熱部45間の継目は互いにずれた位置に設けられており、仕上げ断熱部45の継目の奥方には下地断熱部46の外側面が位置することとなる。これにより、気密性の向上が図られている。
【0046】
同様に、スラブ断熱部43は、基礎スラブ10の上面よりも上方となる位置まで突出した状態で設けられているので、仕上げ断熱部45とスラブ断熱部43の継目の奥方には下地断熱部46の外側面が位置することとなり、当該継目であっても気密の向上が図られている。
【0047】
また、下地断熱部46は、仕上げ断熱部45の外側から差し込まれるピン47によって当該仕上げ断熱部45に固定されている。
【0048】
該ピン47は、樹脂等の非金属素材によって形成されている。また、ピン47は、軸部の一端に頭部を備えたものが一般的であるが、当該軸部のみによるものや頭部を軸部に比して著しく小さいものを採用しても構わない。これにより、ピン47を仕上げ断熱部45に押し込んでいくと、当該仕上げ断熱部45の表面にピン47がほとんど露出しないものとなり、これによって、当該ピン47が保護層42の形成の妨げになることを回避することができるものとなる。また、本実施形態のピン47には、軸部に多少の凹凸形状が形成されており、これによって仕上げ断熱部45との摩擦抵抗力を持たせ抜け難いものとなっている。
【0049】
これによって、下地断熱部46は、仕上げ断熱部45に連結されることとなり、梁30には接合されることはなく、単に当接のみすることとなる。
【0050】
保護層42は、屋外に露出することとなる断熱部41の表面を保護するものであって、本実施形態では、該断熱部41の表面たるスラブ断熱部43と鋼材断熱部44の仕上げ断熱部45の表面に全面に亘って樹脂モルタルを左官することで形成されている。また、断熱部41の表面たるスラブ断熱部43及び仕上げ断熱部45の外側面に樹脂モルタルを左官していくにつき、これら断熱部間の継目の部分に補強ネット等を設け、防水性や強度の向上を図る構成を採用することも可能である。また、該樹脂モルタルに換えて、タイルやサイディング等をスラブ断熱部43及び仕上げ断熱部45の外側面に表面材として貼着して保護層42を形成する構成を採用することも可能である。
【0051】
また、梁30の上端部には、建物Aの外壁の下端部を受ける受け金物53が屋外方向に張り出した状態で取り付けられている。当該受け金物53は、先端部が基礎断熱体40よりも僅かに屋外側となる位置に達しており、当該受け金物53によってこれら基礎断熱体40の上部は覆われることとなる。また、当該受け金物53の先端部は下方に向けて屈曲しており、当該先端部と基礎断熱体40との間にシール材54が挟装されている。また、当該受け金物53の先端部と外壁の下端部の間にもシール材が介装されている。
【0052】
続いて、上記基礎構造の施工手順について以下に説明する。
図3に示す如く、まず、地盤を根伐り(根切り)し、砕石17を敷きつめ転圧する。そして、根伐り底における束位置(束20が設置される位置)にPC板を設置する。PC板にアンカーボルト11の定着板を固定した後、該定着板にアンカーボルト11を固定する。
【0053】
続いて、鉄筋12を配筋する。本実施形態において鋼材基礎2の梁30を受ける基礎梁とみなしている部分(通りに沿った所定の幅の範囲)には、算定された配筋量に応じて鉄筋12が密に配筋される。
【0054】
その後、束20をアンカーボルト11に設置する。まず、アンカーボルト11に、束20を仮支持するための下部ナットをねじ入れ、束20のレベル(高さ)等を調整する。続いて、束20の下フランジ20bのボルト穴にアンカーボルト11を挿通し、更に上部ナットをねじ入れ、束20を固定する。
続いて、束20の上に梁30を載置し、ボルトおよびナットを用いて固定する。
【0055】
その後、図4に示す如く、1階床構面に水平ブレース31等の補剛材を取り付け、梁30の対角寸法を確認するなどして梁30位置の調整(ゆがみの補正)を行う。上述したように、構面の高い位置に水平ブレース31を設置することが好ましいが、梁30の上フランジ30aのレベルを越えると1階床を形成する床パネルの敷設の邪魔となるので工夫が必要である。例えば、仮の水平ブレースで梁30位置を調整した後に火打ち梁30等で固定する等の手順を採用してもよい。
【0056】
その後、図5(a)に示す如く、既に配筋を完了した鉄筋の周囲にスラブ断熱部43を起立させる。このとき、該スラブ断熱部43の裏面と鉄筋12との間の間隔lは、最外鉄筋12aのかぶり厚を充分に確保できる程度にあけておく。
【0057】
その後、スラブ断熱部43の外側に型枠を設置し、コンクリートを打設する。本実施形態では、束20の下端レベルに合わせてコンクリートを打設する。ここで、スラブ断熱部43の上端部は基礎スラブ10の上面よりも突出するものとなる(図5(b)参照)。その後、コンクリートを数日程度養生する。
【0058】
その後、図5(c)に示す如く、鋼材基礎2の梁30の外側面に沿って下地断熱部46を立設していく。ここで、上記スラブ断熱部43の上端部は基礎スラブ10の上面よりも突出しているので、下地断熱部46の設置位置には、図5(b)に示す如くスラブ断熱部43と、基礎スラブ10と、鋼材基礎2によるガイド部Sが溝状に形成されることとなり、当該溝状のガイド部Sに下地断熱部46の下端部を嵌合させることにより、容易に当該下地断熱部46を設置することができるものとなる。また、当該溝状のガイド部Sに下地断熱部46の下端部が嵌った状態で当該下地断熱部46を梁30に立て掛けることにより、下地断熱部46の外側面が基礎スラブ10の側面と同一或いは略同一平面状に位置することとなる。
【0059】
次に、図5(d)に示す如く、スラブ断熱部43に仕上げ断熱部45を載置(当接)しつつ鋼材基礎部44を鋼材基礎2の外側に立設させ、断熱部41を組み上げていく。このとき、当該下地断熱部46の外側面は、端面、ひいてはスラブ断熱部43の裏面と同一或いは略平面状に位置しているので、仕上げ断熱部45をスラブ断熱部43の上端面に載置することにより、当該仕上げ断熱部45は同時に下地断熱部46に支持されることとなり、これによって、安定的に仕上げ断熱部45を設置していくことが可能となる。その後、当該仕上げ断熱部45の外側面側からピン47を挿入し、下地断熱部46を仕上げ断熱部45に留め付ける。一方、仕上げ断熱部45はスラブ断熱部43上に載せるだけで、これら仕上げ断熱部45とスラブ断熱部43とを互いに連結することはしない。これによって、仕上げ断熱部45の取り外しが容易となり、当該仕上げ断熱部45の交換等の補修が簡便となる。
【0060】
その後、断熱部41の表面たるスラブ断熱部43の表面と鋼材断熱部44の仕上げ断熱部45の表面に樹脂モルタルを左官して保護層42を形成して、これら地盤に接するスラブ断熱部43の表面と屋外に露出する仕上げ断熱部45の表面に強度を付与すると共に、これら断熱部間43、45の継目を埋める。これによって基礎断熱体40が形成されることとなる。
【0061】
以上の工程により基礎構造が完成し、その後、図6に示す如く、梁30上部に柱50や耐力要素51といった建物Aの各部を順次組み上げていくこととなる。
【0062】
本実施形態に基礎構造によれば、基礎スラブ10のコンクリート打設前にスラブ断熱部43を設置することができ、基礎スラブ10とスラブ断熱部43との間の隙間をなくしてこれらを密着させることができるものとなっている。また、当該スラブ断熱部43は、基礎スラブ10の打設高さよりも背高に形成されているので、基礎スラブ10打設時の型枠としては当該スラブ断熱部43と同程度の高さで済ませることができる。このため、型枠が作業中の作業者の移動や他の部材や道具の移動を妨げることもなく、基礎スラブ10打設についての施工性の向上を図ることができる。
【0063】
また、基礎断熱体40を形成する鋼材断熱部44は、基礎スラブ10の施工の完了後で鋼材基礎2に沿わせて設置していくことで敷き並べていくことができ、当該基礎断熱体40の組み上げも容易に行われるものとなる。鋼材断熱部44が鋼材基礎2の組み上げの後に組み上げられるので、当該鋼材断熱部44が鋼材基礎2についての施工の妨げになることもない。
【0064】
また、上記施工方法によれば、鋼材断熱部44が鋼材基礎2の組み上げに先立って立ち上がった状態で放置されず、鋼材基礎2に沿って立ち上がるので、鋼材断熱部44が安定した状態で立設されることはもちろん、鋼材断熱部44が鋼材基礎2によって保護される形となるため、当該鋼材断熱部44が施工中の他の部材や工具、作業者にぶつかることによる損傷も抑制される。また、このように鋼材基礎2によって鋼材断熱部44の裏面たる下地断熱部46の裏面が保護され、保護層42によって鋼材断熱部44の表面となる仕上げ断熱部45の表面保護されるため、該鋼材基礎2が太陽光による紫外線に晒される状態も可及的抑制され、当該紫外線照射による施工段階での鋼材断熱部44の劣化も抑えられるものとなる。
【0065】
また、基礎断熱体40は、それ自体が全面に亘って鋼材基礎2及び基礎スラブ10に支持されるため、部位によって耐衝撃性に著しく大きな差が生じることはなく、一様に衝撃に対して強度を発揮し、割れ等の損傷を可及的抑制して断熱性能が維持されるものとなる。もちろん、このように断熱部41が厚く形成されるため、床下空間の断熱気密性の向上も図られることとなる。
【0066】
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態の構成は、基礎断熱体40の鋼材断熱部44の構成及び施工手順の一部が上記第1実施形態と異なるが、他の構成は第1実施形態と同じであるので、異なる部分についてのみ説明することとし、第1実施形態と同じ構成については、当該第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図7に示す如く、本実施形態の基礎断熱体40の鋼材断熱部44は、スラブ断熱部43に連結される仕上げ断熱部45と、該仕上げ断熱部45と鋼材基礎2の間の間隔に等しい長さを有して当該仕上げ断熱部45の裏面に突設されるブロック状のスペーサ48とを備えている。
【0068】
仕上げ断熱部45は、スラブ断熱部43と同じ厚さを有すると共に、当該スラブ断熱部43の上端面に載置された状態で上端面を鋼材基礎2の梁30の上フランジ30aと同じ位置となる高さを備える平板状に形成されている。
【0069】
スペーサ48は、基礎断熱体40の断熱板41と同じ素材をブロック状に成形してなり、幅は、梁30のウェブ30cの屋外側側面から基礎スラブ10の側面までの距離と略等しい大きさに形成されている。
【0070】
また、該スペーサ48は、鋼材断熱部44の仕上げ断熱部45と鋼材基礎2の梁30との間に設けられており、当該仕上げ断熱部45の上端部と対向する位置にて仕上げ断熱部45の外側から差し込まれるピン47によって当該基礎断熱体40に固定されている。
【0071】
これによって、スペーサ48は、鋼材断熱部44の仕上げ断熱部45に連結されることとなり、当該スペーサ48の突出端部が梁30のウェブ30cに接合されることはなく、単に当接のみすることとなる。
【0072】
続いて、上記基礎構造の施工手順について以下に説明する。
地盤を根伐りし、砕石17を敷き詰めて転圧し、該根伐り底における束位置(束20が設置される位置)にPC板を設置し、該PC板にアンカーボルト11を定着し、その後、基礎スラブ10の鉄筋を配筋する工程までは、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
その後、図8(a)に示す如く、既に配筋を完了した鉄筋の周囲にスラブ断熱部43を起立させ、当該スラブ断熱部43の外側に型枠を立設する。そして、コンクリートを打設する。本実施形態では、スラブ断熱部43の上端縁のやや下方、アンカーボルト11の上端部を残した状態でコンクリートを打設する(図8(b)参照)。
【0074】
次に、図8(c)に示す如く、束20をアンカーボルト11に設置し、続いて、該束20の上に梁30を載置し、これらをボルトナットによって締結していく。
【0075】
その後、1階床構面に水平ブレース等の補剛材(図示省略)を取り付け、梁30の対角寸法を確認するなどして梁30位置の調整(ゆがみの補正)を行う。
【0076】
一方、上記手順に至る間に、仕上げ断熱部45の上端部にスペーサ48を取り付け、鋼材断熱部44を形成しておく。当該取付けは、仕上げ断熱部45の上端部の一側面にスペーサ48の一方の小口面を当接させ、この状態で当該仕上げ断熱部45の他側面からスペーサ48に向けてピン47を差し込んでいく。複数個所にピン47を差し入れていき、これによってスペーサ48を仕上げ断熱部45に固定する。
【0077】
その後、スラブ断熱部43に仕上げ断熱部45を載置(当接)しつつ鋼材基礎部44を鋼材基礎2の外側に立設させ、断熱部41を組み上げていく。このとき、スペーサ48の長さは、梁30のウェブ30cの側面から基礎スラブ10の端面までの長さ相当であるため、図8(c)に示す如く、鋼材断熱部44の下端部をスラブ断熱部43の下端部に設置し、スペーサ48の先端部を鋼材基礎2の梁のウェブに近接させる方向に鋼材断熱部44を揺動させることで、当該鋼材断熱部44の位置が精度良く定められるのみならず、鋼材断熱部44は、真っ直ぐに起立した状態でスラブ断熱部43の上端部に立ち上がるものとなる。また、このように設置していくことで、鋼材断熱部44がスペーサ48を介して鋼材基礎2の梁30にも支持されることとなり、鋼材断熱部44の立ち上げ状態が安定的に維持される。
【0078】
かかる鋼材断熱部44の組み上げにより、基礎断熱体40の断熱部41が基礎スラブ10及び鋼材基礎2の外側面に跨って立設されることとなる。その後、鋼材断熱部44及びスラブ断熱部43の表面に樹脂モルタル等を左官して保護層42を形成する等、残りの工程は上記第1実施形態と同様である。
【0079】
本実施形態によれば、スペーサ48を鋼材基礎2に当接させることで仕上げ断熱部45の鋼材基礎2からの距離が正確に維持される。また、仕上げ断熱部45の下端部をスラブ断熱部43の上端部に設置することで、スペーサ48の先端部は鋼材基礎2の梁のウェブに当接させることができ、鋼材断熱部44の位置調整がほとんど不要となる。また、当該設置工程に伴って鋼材断熱部44の支持状態が形成されるものとなる。これによって、作業者は手によって鋼材断熱部44を支持する必要が無く、スラブ断熱部43に仕上げ断熱部45を立ち上げていく作業をきわめて容易に行うことができるものとなっている。もちろん、当該鋼材断熱部44は鋼材基礎2に保護される形となるので、当該鋼材断熱部44が太陽光に曝されることを抑制し、当該鋼材断熱部44の施工時における紫外線劣化が充分に抑制されるものとなる。
【0080】
また、上記実施形態にあるように、本発明によれば、基礎断熱体40は上下に配置される基礎スラブ10と鋼材基礎2の両方に跨って構成される一方、これら基礎スラブ10と鋼材基礎2の組み上げに伴って徐々に組み上げていくことができ、施工性の自由度が向上するものとなるのである。
【0081】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、鋼材基礎2の組み上げ後、建物Aの柱51、耐震要素52、床パネルや外壁等を設置した後に、基礎断熱体40の鋼材断熱部44を設置する構成を採用することも可能である。
【0082】
また、このように建物のAの柱51や耐震要素52、外壁の受け金物53等を先に鋼材基礎2に対して組み上げた後、基礎スラブ10のコンクリートを打設する構成を採用することも可能である。
また、鋼材断熱部44の下地断熱部46のみを先に鋼材基礎2に対して設置させておき、建物Aの施工等がある程度完成した後に仕上げ断熱部45を設置する構成を採用することも可能である。
【0083】
また、基礎スラブ10は、外側部のみを地盤面よりも高くし、中央部を地盤面よりも低くする構成や外側部から地盤面に向けて緩やかに水勾配を設ける構成を採用することも可能である。
【0084】
また、上述した実施形態では、束20を基礎スラブ10に固定する方法としてアンカーボルト11を利用したが、これに替え、埋め込み式のナットとボルトによって該束20を固定するように構成することもできる。このように構成した場合、ボルトを取りはずすことで束20の横方向の拘束をするものがなくなり、例えば増改築に伴って柱を移動、追加する際に、束20についても容易に撤去することができる。
【符号の説明】
【0085】
2 鋼材基礎
10 基礎スラブ(支持体)
11 アンカーボルト
12 鉄筋
13 コンクリート
20 束
30 梁30
31 水平ブレース
40 基礎断熱体
41 断熱部
42 保護層
43 スラブ断熱部
44 鋼材断熱部
45 仕上げ断熱部
46 下地断熱部
47 ピン
48 スペーサ
46 下地断熱部
50 柱
51 耐力要素
A 建物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリート造の基礎スラブと、該基礎スラブ上に形成される鋼材基礎と、該鋼材基礎を包囲する基礎断熱体と、を備え、
該基礎断熱体は、基礎スラブよりも僅かに背高なスラブ断熱部と、該スラブ断熱部に連結されて前記鋼材基礎の外側面を覆う鋼材断熱部とを備えている基礎の施工方法であって、
前記基礎スラブの配筋後に、当該基礎スラブの上面に対応する位置から上方に前記鋼材基礎を組み上げていき、該鋼材基礎の組上げの前又は後に前記基礎スラブの鉄筋を包囲してスラブ断熱部を立設し、
前記スラブ断熱部の上端部近傍までコンクリートを打設して基礎スラブを形成し、その後、
前記スラブ断熱部に当接させつつ前記鋼材基礎の外側面に前記鋼材断熱部を取り付ける
ことを特徴とする基礎の施工方法。
【請求項2】
鉄筋コンクリート造の基礎スラブと、該基礎スラブ上に形成される鋼材基礎と、該鋼材基礎を包囲する基礎断熱体と、を備え、
該基礎断熱体は、基礎スラブよりも僅かに背高なスラブ断熱部と、該スラブ断熱部に連結されて前記鋼材基礎の外側面を覆う鋼材断熱部とを備えている基礎の施工方法であって、
前記基礎スラブの配筋後に前記基礎スラブの鉄筋を包囲してスラブ断熱部を立設し、
前記スラブ断熱部の上端部近傍までコンクリートを打設して基礎スラブを形成し、
該基礎スラブ形成後に、当該基礎スラブの上面に前記鋼材基礎を組み上げ、その後、
前記スラブ断熱部に当接させつつ前記鋼材基礎の外側面に前記鋼材断熱部を設置する
ことを特徴とする基礎の施工方法。
【請求項3】
前記鋼材断熱部は、前記スラブ断熱部上に載置される仕上げ断熱部と、該仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しい厚さを有する平板状の下地断熱部とを備え、
前記鋼材断熱部の設置は、
前記下地断熱部を鋼材基礎とスラブ断熱部との間に立設させ、その後、
前記仕上げ断熱部を下地断熱部に立て掛けた状態で前記スラブ断熱部の上端部に載置する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基礎の施工方法。
【請求項4】
前記スラブ断熱部と鋼材基礎との間の間隔は、前記仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しく、
前記下地断熱部は、前記スラブ断熱部の上端部と前記鋼材基礎の間に嵌め込まれた状態でこれらの間に立設される
ことを特徴とする請求項3に記載の基礎の施工方法。
【請求項5】
前記鋼材断熱部は、前記スラブ断熱部上に載置される仕上げ断熱部と、該仕上げ断熱部と前記鋼材基礎の間の間隔に等しい長さを有して当該仕上げ断熱部の裏面に突設されるブロック状のスペーサとを備え、
前記鋼材断熱部の設置は、前記スペーサの先端部を鋼材基礎に当接させること前記仕上げ断熱材の位置決めがなされる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基礎の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−247011(P2011−247011A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122466(P2010−122466)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】