説明

堅牢な対話式色編集

【課題】色成分が色空間変換後に明確となるときに色成分がキャッシュに格納される、色空間の間の変換方法を提供すること。
【解決手段】成分が変換後に不定となるとき、任意のデフォルト値を使用する代わりに、キャッシュに格納された値が使用される。得られる色編集システムは、ユーザの期待と合致し、不定の色成分に対して任意の値を使用することによって生じる不測の問題からユーザを保護する点で「堅牢」である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には画像編集の分野に関する。より詳細には、本発明は、第1の色空間から第2の色空間に変換するときに、明確な色成分を保持する色空間の間で変換するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像アプリケーションでは、様々な色空間内の色成分の値を反映する制御を使用して色が指定される。通常、得られる色は単一の標準色空間に基づいて記憶される。図1に、3つの例示的色空間であるRGBキューブ、HSBコーン、およびHLSダブルコーンを示す。他の色空間も存在し、それらは当業者に周知であるが、図1には示されていない。色エディタ制御は、色空間の間で色を変換することができ、ユーザは異なる色空間に基づいて標準色を編集することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
色空間の間での変換の副次的な影響は、入力色の値に応じて、個々の成分を元の空間では定義することができるが、対象となる色空間では不定である可能性があることである。例えば、RGB色空間で表される「黒」は(0、0、0)である。HSB色空間で表現される、これと同等の色は、明確な輝度成分を有するが、色相成分および彩度成分は不定である。
【0004】
この問題に対する単純な手法は、RGBからHSBに変換し、不定の色相成分および彩度成分について任意のデフォルト値を埋めることである。しかし、ユーザは、成分が不定であったとしても、保持されることが期待されるこれらの成分の値を、あらかじめ指定していることがある。図2に、この単純ではあるが堅牢ではない手法から生じる問題を示す。HSB色空間では、ユーザが彩度をゼロに低減するとき(ステップA)〜C)を参照)、あいまいな変換のために元の色相値が廃棄される。この不測の挙動は問題があり、不都合である。ユーザが彩度レベルをより高いレベルに移動するとき(ステップD)およびE)を参照)、色相は、ステップC)で色エディタによって指定された任意のレベルを保つ(この場合は0)からである。したがって、ステップA)およびE)では彩度だけが修正されるが、ステップCでは色相が変更され、ユーザはステップA)の元の色に戻すことができない。
【0005】
したがって、色空間変換後に色成分が明確に定義されるときの色成分の値を保持するシステムが求められている。成分が変換後に不定であるときは、単に任意のデフォルト値を選ぶ代わりに、保持した値を使用することができる。本発明はそのような解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、色空間変換後に色成分が明確に定義されるときに色成分がキャッシュに格納される、色空間の間で変換する方法を対象とする。成分が変換後に不定となるときは、任意のデフォルト値を使用する代わりに、キャッシュに格納された値を使用する。得られる色編集システムは、ユーザの期待と合致し、不定の色成分に対して任意の値を使用することによって生じる不測の問題からユーザを保護する点で「堅牢」である。
【0007】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照しながら進められる以下の例示的実施形態の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0008】
上記の概要ならびに以下の好ましい実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれることでより良く理解される。本発明を例示するために、本発明の例示的構成を図面に示す。しかし、本発明は開示される特定方法および手段に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的色空間の図である。
【図2】従来技術による色空間内の編集を示す図である。
【図3】本発明の諸態様を実施することのできる例示的コンピューティング環境を示すブロック図である。
【図4】本発明によるRGB色空間からHSB色空間に変換するプロセスを示す図である。
【図5】本発明によるHSB色空間からRGB色空間に変換するプロセスを示す図である。
【図6】本発明による色空間内の編集を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(例示的コンピューティング環境)
図3に、本発明を実施することのできる適切なコンピューティングシステム環境100の一例を示す。コンピューティングシステム環境100は、適切なコンピューティング環境の一例にすぎず、本発明の使用または機能の範囲に関して何らの制限を示唆するものではない。例示的動作環境100に図示する構成要素のうちのいずれか1つ、あるいはそれらの組合せに関して何らかの依存関係または要件をコンピューティング環境100が有するものと解釈すべきではない。
【0011】
本発明は、他の多数の汎用または専用コンピューティングシステム環境または構成で動作可能である。本発明と共に使用するのに適した周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例として、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス、プログラム可能家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ならびに上記のシステムまたは装置のいずれかを含む分散コンピューティング環境などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
本発明は、コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的コンテキストで説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。本発明はまた、通信ネットワークまたはその他のデータ伝送媒体を介して接続されるリモート処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含む、ローカルコンピュータ記憶媒体およびリモートコンピュータ記憶媒体のどちらにも配置することができる。
【0013】
図3を参照すると、本発明を実施する例示的システムは、コンピュータ110の形態の汎用コンピューティング装置を備える。コンピュータ110の構成要素には、処理装置120と、システムメモリ130と、システムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理装置120に連結するシステムバス121を備えることができるが、これらに限定されるものではない。システムバス121は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バスおよび様々なバスアーキテクチャのいずれかを用いるローカルバスを含む複数のタイプのバス構造のうちのいずれでもよい。例えば、そのようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ電子規格協会(VESA)ローカルバス、(メザニンバスとしても知られる)周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCI−Express)、およびシステム制御バス(SMBus)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
コンピュータ110は一般に、各種のコンピュータ可読媒体を備える。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ110によってアクセス可能な任意の利用可能媒体とすることができ、揮発性および不揮発性媒体、着脱可能および着脱不能媒体が含まれる。例えば、コンピュータ可読媒体として、コンピュータ記憶媒体と通信媒体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、あるいは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技法で実施される揮発性および不揮発性媒体、着脱可能および着脱不能媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光学ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶、または他の磁気記憶装置、あるいは、所望の情報を記憶するために使用できコンピュータ110によってアクセスできる他の任意の媒体が含まれるが、これらに限定されるものではない。通信媒体は、一般に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波や他の移送機構などの変調されたデータ信号として表現したものであり、任意の情報伝達媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号中の情報を符号化するような方式で設定または変更された特性の1つまたは複数を有する信号を意味する。例えば、通信媒体には、有線ネットワークや直接配線接続などの有線媒体と、音波、RF、赤外線およびその他の無線媒体などの無線媒体が含まれる。上記の媒体の任意の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0015】
システムメモリ130は、ROM131およびRAM132などの揮発性および/または不揮発性メモリの形態をとるコンピュータ記憶媒体を備える。起動時などにコンピュータ110内の要素間の情報転送を助ける基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)133は、一般にROM131に記憶される。RAM132は、一般に、処理装置120が直ちにアクセス可能であり、かつ/または現在処理装置120に基づいて動作しているデータおよび/またはプログラムモジュールを含む。例えば、図3には、オペレーティングシステム134、アプリケーションプログラム135、他のプログラムモジュール136、およびプログラムデータ137が示されているが、これらに限定されるものではない。
【0016】
コンピュータ110は、他の着脱可能/着脱不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体も備えることができる。図3には、着脱不能な不揮発性の磁気媒体に対して読み書きを行うハードディスクドライブ141、着脱可能な不揮発性の磁気ディスク152に対して読み書きを行う磁気ディスクドライブ151、およびCD−ROMや他の光学媒体などの着脱可能な不揮発性の光ディスク156に対して読み書きを行う光ディスクドライブ155が一例として示されている。例示的動作環境で使用することができる他の着脱可能/着脱不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体には、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタル多用途ディスク、デジタルビデオテープ、固体素子RAM、固体素子ROMなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。ハードディスクドライブ141は、一般に、インターフェース140などの着脱不能メモリインターフェースを介してシステムバス121に接続され、磁気ディスクドライブ151および光ディスクドライブ155は、一般に、インターフェース150などの着脱可能メモリインターフェースを介してシステムバス121に接続される。
【0017】
上述した、図3に示すドライブおよびそれに関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの記憶保持をコンピュータ110に提供する。例えば、図3には、オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム145、他のプログラムモジュール146、およびプログラムデータ147を記憶するハードディスクドライブ141が示されている。これらのコンポーネントは、オペレーティングシステム134、アプリケーションプログラム135、他のプログラムモジュール136、およびプログラムデータ137と同じであっても異なってもよいことに留意されたい。図3ではそれらが少なくとも異なるコピーであることを示すために、オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム145、他のプログラムモジュール146、およびプログラムデータ147には異なる参照符号を付している。ユーザは、キーボード162、および、一般にはマウス、トラックボール、またはタッチパッドと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力装置を介してコンピュータ110にコマンドと情報を入力することができる。他の入力装置(図示せず)として、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナなどが挙げられる。これらおよび他の入力装置は、多くの場合、システムバスに連結されたユーザ入力インターフェース160を介して処理装置120に接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)など他のインターフェースおよびバス構造によって接続することもできる。モニタ191や他のタイプの表示装置も、ビデオインターフェース190などのインターフェースを介してシステムバス121に接続される。モニタに加えて、コンピュータは、スピーカ197やプリンタ196などの他の周辺出力装置も備えることができ、それらの装置は、出力周辺インターフェース195を介して接続することができる。
【0018】
コンピュータ110は、リモートコンピュータ180などの1つまたは複数のリモートコンピュータとの論理接続を使用するネットワーク環境で動作することができる。リモートコンピュータ180は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、あるいは他の共通ネットワークノードとすることができ、図3にはメモリ記憶装置181のみを示すが、一般に、コンピュータ110と関連して上述した多くの要素またはすべての要素を備える。示された論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)171およびワイドエリアネットワーク(WAN)173を含むが、他のネットワークを含むこともできる。このようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0019】
LANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ110は、ネットワークインターフェースあるいはアダプタ170を介してLAN171に接続される。WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ110は一般に、インターネットなどのWAN173を介して通信を確立するためのモデム172あるいは他の手法を備える。モデム172は、内蔵型でも外付け型でもよく、ユーザ入力インターフェース160あるいは他の適切な機構を介してシステムバス121に接続することができる。ネットワーク環境では、コンピュータ110に関連して示されたプログラムモジュール、またはその一部は、リモートメモリ記憶装置に記憶することができる。例えば、図3には、メモリ装置181に存在するリモートアプリケーションプログラム185が示されているが、これに限定されるものではない。図示したネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータ間に通信リンクを確立する他の手段も使用できることは理解されよう。
【0020】
(堅牢な対話式色編集の例示的実施形態)
本発明のプロセスは図4〜6を参照しながら説明される。一般に、パラメータは、
1.標準色空間
2.変換先の色空間(すなわち「ディスプレイ」色空間)
3.色変換プロセス
4.キャッシング機構
である。
【0021】
次に図4を参照すると、明確な色値を維持しながら、RGBからHSBに変換するプロセスが示されている。本明細書において、「明確な」とは、特定の色が色空間内の固有の色空間3成分値(すなわちH値、S値、およびB値)によって一義的に定義されることを意味する。ステップ200では、RGB成分値が入力される。ステップ202では、RGB値が無彩色であるかどうか判定される。RGB値が無彩色ではない場合、ステップ206で、周知の変換にしたがって色相値、輝度値、および彩度値が計算される。これは明確な色値であるので、ステップ208で新しいHSB値がキャッシュに格納される。ステップ218では、HSB成分値がユーザに返される。
【0022】
ステップ202でRGB値が無彩色であった場合、ステップ204で、色が黒(R=G=B=0)であるかどうか判定される。色が黒ではない場合、ステップ210で、キャッシュに格納された色相値が使用され、彩度がゼロに設定されて、輝度が計算される。ステップ212では、キャッシュに格納された彩度値がステップ210の結果に基づいて更新され、ステップ218では、HSB成分値が返される。ステップ204で色が黒である場合、ステップ214で、キャッシュに格納された色相値および彩度値が使用され、輝度がゼロに設定される。この条件のために、キャッシュに格納された値が更新されず(ステップ216)、ステップ218で、得られた色成分値が返される。
【0023】
次に図5を参照すると、明確な色値を維持しながら、HSBからRGBに変換するプロセスが示されている。ステップ220では、HSB成分値が入力される。ステップ222では、彩度値がゼロであるかどうか判定される。彩度値がゼロである場合、ステップ234で、周知の変換にしたがって赤、緑、および青成分値が計算される。これは明確な色値であるので、ステップ236で新しいRGB値がキャッシュに格納される。ステップ238では、RGB成分値がユーザに返される。
【0024】
ステップ222で彩度値がゼロでなかった場合、ステップ224で輝度がゼロであるかどうか判定される。輝度がゼロである場合、ステップ230では、赤、緑、青成分値が計算される。ステップ232では、キャッシュに格納された色相値および彩度値は、ステップ220での入力値からのものである。次いで、ステップ238でRGB成分値が返される。ステップ224で輝度がゼロではない場合、ステップ226で赤、緑、および青成分値が計算される。しかし、この条件のために、キャッシュに格納された値が更新されず(ステップ228)、ステップ238で、得られたRGB成分値が返される。
【0025】
したがって、本発明は、色成分についての最新の明確な値をキャッシュに格納し、以下のときにそれらを使用する。
1.色成分が明確であった後に不定となるとき:任意のデフォルト値の代わりに、その不定の成分に対してキャッシュに格納された値を使用する。
2.色成分が不定であった後に明確となるとき:色変換が特異点から離れるとき、その成分に対してキャッシュに格納された値を使用する。
【0026】
複数のキャッシング機構が可能である。例えば、変換後色空間内の特異点に対するベクトルを記憶し、変換後の色が特異点から離れた後に成分を再構成するのに上記ベクトルを使用することができる。好ましい実装は、単に成分値をキャッシュに格納するものである。
【0027】
次に図6を参照すると、本発明を使用した色編集を示す、図2の色空間変換が示されている。図6は、堅牢な手法の結果として得られる本発明の改良を示す。HSB色空間では、ユーザが彩度をゼロに低減するとき(ステップA)〜C)を参照)、あいまいな変換のために元の色相値が廃棄される。しかし、本発明にしたがえば、色相についての明確な、キャッシュに格納された値が使用される。ユーザが彩度レベルをより高いレベルに移動するとき(ステップD)およびE)を参照)、キャッシュに格納された色相値が使用され、最終的には、ユーザはステップA)での元の色に戻すことができる。
【0028】
本発明は、RGBとHSBとの間(逆も同様である)の変換に関して、例示的な用語で説明されているが、異なる色空間からの他の変換も添付の特許請求の範囲によって企図されている。
【0029】
本発明は、様々な図の好ましい実施形態に関連して説明されているが、本発明から逸脱することなく本発明の同じ機能を実施するために、他の類似の実施形態を使用することもでき、または記載の実施形態に変更または追加を施し得ることを理解されたい。例えば、本願に記載の本発明を、有線または無線の任意のコンピューティング装置または環境に適用することができ、通信ネットワークを介して接続され、ネットワークを介して対話する任意の数のそのようなコンピューティング装置に適用できることを当業者は理解されよう。さらに、特に無線ネットワーク装置の数が増加し続けているので、ハンドヘルド装置オペレーティングシステムや他のアプリケーション特有のオペレーティングシステムを含む様々なコンピュータプラットフォームが企図されることを強調しておく。さらに、本発明を複数の処理チップまたは装置内に実装することができ、または複数の処理チップまたは装置にわたって実装することができ、複数の装置にわたる記憶保持を同様に実現することができる。したがって、本発明は何らかの単一の実施形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲による広さおよび範囲内で解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色空間から第2の色空間に変換する方法であって、
前記第1の色空間に関する第1の成分値を受け取るステップ、
前記第1の成分値が前記第1の色空間および前記第2の色空間の少なくとも一方の中の明確な成分値を示すかどうかを判定するために、前記第1の成分値を評価するステップ、
前記第2の色空間に関する第2の成分値を決定するために、前記第1の色空間から前記第2の色空間に変換するステップ、および、
前記明確な成分値をキャッシュ内に格納するステップ
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記明確な成分値として色相値、彩度値、および輝度値をキャッシュに格納するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の成分値は赤成分値、青成分値、および緑成分値であり、
前記赤値、青値、および緑値が等しいかどうか判定するステップ、
前記赤値、青値、および緑値が等しくない場合、前記赤値、青値、および緑値から前記色相値、彩度値、および輝度値を計算するステップ、および、
計算された色相値、彩度値、および輝度値で前記キャッシュを更新するステップ
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記赤値、青値、および緑値が等しい場合、
赤値、青値、緑値によって定義される色が黒であるかどうか判定するステップ、および、
黒でない場合、輝度値を計算し、計算された輝度値で前記キャッシュを更新し、黒である場合、輝度をゼロに設定し、前記キャッシュを更新しないステップ
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の成分値は色相値、彩度値、および輝度値であり、
前記彩度がゼロであるかどうか判定するステップ、
前記彩度がゼロである場合、赤値、青値、および緑値を計算するステップ、および、
前記色相値で前記キャッシュを更新するステップ
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記彩度がゼロでない場合、
前記輝度値がゼロであるかどうか判定するステップ、および、
前記輝度値がゼロである場合、赤値、青値、および緑値、ならびに輝度値を計算し、前記色相値および彩度値で前記キャッシュを更新し、前記輝度値がゼロでない場合、前記キャッシュを更新しないステップ
をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の成分値または前記第2の成分値の一方が不定となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の成分値または前記第2の成分値の一方が不定であった後に明確となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1の色空間から第2の色空間に変換するコンピュータ実行可能命令が記憶されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
前記第1の色空間に関する第1の成分値を受け取ること、
前記第1の成分値が前記第1の色空間および前記第2の色空間の少なくとも一方の中の明確な成分値を示すかどうかを判定するために、前記第1の成分値を評価すること、
前記第2の色空間に関する第2の成分値を決定するために、前記第1の色空間から前記第2の色空間に変換すること、および、
前記明確な成分値をキャッシュ内に格納すること
を備えたことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記明確な成分値として色相値、彩度値、および輝度値をキャッシュに格納する命令をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第1の成分値は赤成分値、青成分値、および緑成分値であり、
前記赤値、青値、および緑値が等しいかどうか判定し、
前記赤値、青値、および緑値が等しくない場合、前記赤値、青値、および緑値から前記色相値、彩度値、および輝度値を計算し、および、
計算された色相値、彩度値、および輝度値で前記キャッシュを更新する
命令をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記赤値、青値、および緑値が等しい場合、
赤値、青値、緑値によって定義される色が黒であるかどうか判定し、および、
黒でない場合、輝度値を計算し、計算された輝度値で前記キャッシュを更新し、黒である場合、輝度をゼロに設定し、前記キャッシュを更新しない
命令をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第1の成分値は色相値、彩度値、および輝度値であり、
前記彩度がゼロであるかどうか判定し、
前記彩度がゼロである場合、赤値、青値、および緑値を計算し、および、
前記色相値で前記キャッシュを更新する
命令をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記彩度がゼロではない場合、
前記輝度値がゼロであるかどうか判定し、および、
前記輝度値がゼロである場合、赤値、青値、および緑値、ならびに輝度値を計算し、前記色相値および彩度値で前記キャッシュを更新し、前記輝度値がゼロでない場合、前記キャッシュを更新しない
命令をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1の成分値または前記第2の成分値の一方が不定となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用する命令をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記第1の成分値または前記第2の成分値の一方が不定であった後に明確となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用する命令をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
色空間の間で変換する方法であって、
標準色空間内の色を定義する第1の色成分を受け取るステップ、
前記第1の色成分を、対象となる色空間内における前記色を定義する第2の色成分に変換するステップ、および、
前記対象となる色空間内における最新の明確な色成分をキャッシュに格納するステップ
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記第2の色成分のうちの1つが不定となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の色成分のうちの1つが不定であった後に明確となるとき、前記キャッシュ内の前記明確な成分値のうちの1つを使用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の成分が特異点から離れるとき、前記明確な成分値のうちの1つを使用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−195972(P2012−195972A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155325(P2012−155325)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【分割の表示】特願2006−35608(P2006−35608)の分割
【原出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】