堅牢化した無線周波数認識タグ
無線周波数認識（ＲＦＩＤ）トランスポンダタグが、機械的に堅牢な金属製のタグハウジングに収納され且つ電気的に接続され、前記タグハウジングには、ハーフターンアンテナ等の無線周波数アンテナを画定する長穴が加工され、該長穴がエポキシフィリングでシールされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、無線周波数認識（ＲＦＩＤ）装置に関し、詳しくは、ＲＦＩＤリーダーデバイスで読み取り可能なＲＦＩＤトランスポンダタグに関する。当該ＲＦＩＤトランスポンダタグは、機械的に堅牢で且つ導電性のタグハウジングにして、当該ＲＦＩＤトランスポンダタグ用の無線周波数アンテナをも画定する形状及び構成を有するタグハウジングに収納され且つ電気的に接続される。
【背景技術】
【０００２】
ＲＦＩＤタグはＲＦＩＤリーダーを起動させる認識トークンまたはキーとして使用され、一般に、無線周波数アンテナに接続した無線周波数トランスポンダモジュールからなる。無線周波数アンテナはワイヤコイルまたは１つ以上の印刷回路ループから構成され得る。代表的には、無線周波数トランスポンダモジュール及び無線周波数アンテナは耐久性の点からプラスチックカード等のプラスチックに封入される。プラスチック封入した既存のＲＦＩＤタグは通常のオフィスにおける出入り口、エレベーター、車庫ゲートを作動させる場合の耐久性は有るが、工業及び住宅用途の場合、それらタグが手荒く扱われ、衝撃を受け、機械的に損耗する度合いが遙かに高い特定用途、例えば、兵士が身に着ける個人タグ等の軍事用途ではその耐久性は十分とは言えない。過酷な環境への適合性がより高く、より頑丈なＲＦＩＤタグに対する需要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
過酷な環境により適した、一層頑丈なＲＦＩＤタグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
堅牢化したＲＦＩＤタグであって、ハーフターン型アンテナ等の無線周波数アンテナを画定するスリットまたは長穴を形成した金属製のタグハウジングと、該タグハウジング内で前記無線周波数アンテナに作動上連結したＲＦＩＤトランスポンダ回路と、を有するＲＦＩＤタグが提供される。ＲＦＩＤトランスポンダ回路と無線周波数アンテナとを作動上相互連結するアンテナ整合回路を設け得る。タグハウジングは、スチール、アルミニュームあるいはその他の、機械的強度を有し且つ少なくとも部分的に導電性の、金属、金属合金、または非金属材料またはそれら材料の組み合わせ、金属及び非金属材料、を含む材料製であり得る。
【０００５】
１実施例において、金属製のタグハウジングは、機械的及び電気的に相互に連結され、間部分にＲＦＩＤトランスポンダを収納する２つのハウジング部分を含む。金属製の両ハウジング部分は、例えば、アンテナを画定する長穴をその何れにも形成し得、両ハウジング部分をその各縁部に沿ってクリンプして機械的且つ電気的に連結させ得る。エポキシ等の電気絶縁材料を各長穴に配置し、当該長穴からのタグハウジング内への異物侵入を防止し得る。
【発明の効果】
【０００６】
過酷な環境により適した、一層頑丈なＲＦＩＤタグが提供される。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】図１は、本発明に従う堅牢化したＲＦＩＤタグの代表的な電気的ブロックダイヤグラム図である。
【図２】図２は、本発明に従う代表的な堅牢化したＲＦＩＤタグの主コンポーネントを示す分解斜視図である。
【図３】図３は、図２のタグのＲＦＩＤトランスポンダモジュールの拡大図である。
【図４】図４は、図２の構成下に組み立てた場合における、下方のハウジング部分のリップ部が上方ハウジング部分上にクリンプする状況を、またＲＦＩＤトランスポンダ回路位置を仮想線で示した斜視図である。
【図５】図５は、ＲＦＩＤモジュールが各ハウジング部分間に捕捉される状況を、また、弾性のコネクタが上方ハウジング部分の内面と接触し、当該ハウジング部分の画定するアンテナにＲＦＩＤモジュールを相互連結させる状況を示す、図４を線５−５で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
図１〜図５には本発明に従う堅牢化したＲＦＩＤタグ３０が例示される。図１にはＲＦＩＤタグ３０の電気回路がブロックダイヤグラム図で表され、アンテナ整合回路３４及びアンテナコネクタ５８を介して無線周波数アンテナ３６に接続したＲＦＩＤトランスポンダ回路３２を含んでいる。
【０００９】
図２には、堅牢化したＲＦＩＤタグ３０の主たる物理的コンポーネントが分解状態で示される。ＲＦＩＤタグ３０は、上方ハウジング部分４２及び下方ハウジング部分４４の２つのハウジング部分を含むタグハウジング４０を有する。２つのハウジング部分４２、４４は例示実施例では平坦なプレートであり、一方のプレートがその縁部に沿って伸延する隆起リップ４６を有する。
ハウジング部分４２、４４の間で且つ隆起リップ４６の内部には電気絶縁用のスペーサプレート４８が収納される。スペーサプレート４８はＲＦＩＤトランスポンダモジュール５０を担持し、当該ＲＦＩＤトランスポンダモジュール５０はＲＦＩＤトランスポンダ回路３２及びアンテナ整合回路３４を含む。
【００１０】
現在好ましい実施例では、下方及び上方の各ハウジング部分４２、４４は金属製、例えば、スチール、アルミニュームあるいはその他の、当該用途の目的上の十分な導電性を有し、機械的強度のある金属または合金製である。絶縁用のスペーサ４８はＡＢＳ（アクリロニトリルブタジエンスチレン）、ＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）、ナイロン、セラミックまたは、電気的及び機械的に安定な電気的絶縁体であり得る。
【００１１】
図３に示すように、トランスポンダモジュール５０は基材５２を有し、該基材上には電気的及び電子的コンポーネントが実装され、これらコンポーネントが相互にＲＦＩＤトランスポンダ回路３２及びアンテナ整合回路３４を構成する。トランスポンダ回路３２は集積回路ダイ５４であり、他方、アンテナ整合回路３４は、代表的には表面実装コンデンサであるところの整合回路部品５６からなる。アンテナ整合回路３４の出力は基材５２に実装した一対の弾性コネクタ５８への接合部で終端する。前記接合部は基材５２上の導電トレースあるいはその他好適手段によるものであり得る。
【００１２】
上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４には、無線周波数アンテナ３６を画定するスリットが形成される。例示実施例では各ハウジング部分のスリットは、各ハウジング部分の長手方向ディメンションに沿って部分的に伸延し且つ各ハウジング部分の一端位置で開放し、かくして各ハウジング部分４２、４４を等しい２つのローブ６２に分割してアンテナ３６を形成する中央長穴６０により形成される。
【００１３】
図４及び図５に示すタグ３０の組み立て状態において、上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は例えば、下方ハウジング部分の隆起リップ４６を上方ハウジング部分４４を覆って機械的にクリンプさせることで相互に電気的且つ機械的に連結される。図４では矢印で示すクリンプ部６８は、各ハウジング部分４２、４４の相互にクリンプされた各縁部に沿って伸延する電気的接合部を確立すると共に、２つのハウジング部分間を機械的に強力に連結する。上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４を機械的に連結し且つ電気的に接続する、中でも溶接または半田付け等のその他方法を使用できる。上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は、相当する各長穴６０が相互に整列する、即ち、各長穴６０の各開放端６０ａがタグハウジング４０の同じ側の端部上に位置付けられる状態下に重ねられ、かくして、組み立て状態のタグハウジングの厚さ方向を通して伸延する重なった各長穴６０と、長穴を有する電気的に接続された２つのハウジング部分４２、４４、即ちタグハウジングとは、単一の無線周波数アンテナ３６として作動する。各長穴６０がアンテナ整合回路３４を介して駆動されるハーフターン無線周波数アンテナ３６を画定するため、タグハウジング４０もまた、当該ハウジングに格納したＲＦＩＤトランスポンダ回路３２用のアンテナ３６となる。かくして、タグハウジング４０はＲＦＩＤトランスポンダ回路３２を機械的に収納及び保護し、且つＲＦＩＤトランスポンダ回路３２と好適なＲＦＩＤタグリーダーユニットとの間のＲＦＩＤ無線周波数信号を送受信する２つの機能を提供する。
【００１４】
ＲＦＩＤタグ３０の組み立て状態において、スペーサプレート４８は下方のハウジング部分４２上で且つ隆起リップ４６の内側に配置される。基材５２は、接着剤等の好適手段によりスペーサプレート４８に固定される。上方ハウジング部分４２はスペーサプレート４８を覆い且つ下方ハウジング部分４４の隆起リップ４６の内側に配置される。２つのハウジング部分４２、４４はスペーサプレート４８をその間部分に配置して組み立てられ、かくして図５に示す如き３層の積層体を形成する。組み立て状態において、上方ハウジング部分４２の内面６４が２つの弾性コネクタ５０上に押圧され、かくして各コネクタ５０が、アンテナ整合回路３４の一方の出力側と、上方ハウジング部分４２の画定するアンテナの相当するローブ６２との間に電気的接続を確立する。弾性コネクタ５０は当該分野において既知のタイプの、市販入手可能なシリコーン弾性コネクタであり得る。
【００１５】
ＲＦＩＤタグ３０の組み立て状態において、大抵の用途上、長穴６０に非導電性の、しかし耐久性の材料、例えば、エポキシを充填してＲＦＩＤタグ３０の内部への水分や異物の侵入を防止することが望ましい。あるいは、上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４をスペーサプレート４８を間に挟んで積層する際に各長穴と整列し且つ充填する隆起縁部をスペーサプレート４８に一体形成し、かくして長穴を異物侵入に対して閉鎖しても良い。本発明の１形態において、ＲＦＩＤタグ３０をタグのユーザー自身が吊り下げたり身に付ける場合は、ネックチェーン、ブレスレット、キーチェーン、あるいはその他を通す穴７０をハウジング４０に貫通形成する。
【００１６】
ある実施例では、タグハウジング４０は幅０．５インチ（１．２５ｃｍ）あるいはそれ以上、長さ１．０インチ（２．５４ｃｍ）あるいはそれ以上、厚さ０．１インチ（０．２５ｃｍ）である。他の実施例ではタグハウジングは幅０．３〜２インチ（０．７６ｃｍ〜５ｃｍ）、長さ０．５〜３インチ（１．２５〜７．６２ｃｍ）、厚さ０．０５〜０．２５インチ（０．１２７〜０．６３５ｃｍ）である。例えばこれらディメンションの２倍あるいは３倍大きいタグディメンションが特定用途上好適であることが見い出された。
【００１７】
本発明の堅牢化したＲＦＩＤタグ３０は、１３．５６ＭＨｚのＲＦＩＤ無線周波数下に動作するＲＦＩＤモジュール及び回路用に好適である。しかしながら、アンテナ整合回路３４及びアンテナ３６の構成を適宜調節することで、その他周波数での動作に同様に適合可能である。アンテナ整合回路３４のデザイン及び構成はＲＦＩＤ分野において周知であるのでその詳細については省略する。
【００１８】
上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は、少なくともその一方が導電性であり、従って関連するＲＦＩＤ周波数で動作する無線周波数アンテナを画定する限りにおいて、金属以外の材料製であり得る。例えば、下方ハウジング部分４４を、機械的強度を有するが非導電性の、例えば硬質セラミック製とし得、上方ハウジング部分のみを金属製とし且つスリット、長穴あるいはその他の、アンテナを画定する形状部を加工し得る。アンテナ３６は図示されるハーフターンアンテナ以外の形態のものとし得、タグハウジングに適宜のスリット、長穴、カット加工あるいは形状付けすることで、１つあるいは２つのターンを持つあるいは螺旋形のアンテナをタグハウジング４０の内部、上部あるいはタグハウジング４０により画定させ得る。両ハウジング部分を非導電性であるがしかし機械的に堅牢な材料、例えば、硬質セラミック製とし得、金属製あるいはそうでなければ導電性の層をハウジング部分の一方あるいは両方の内部及びまたは外部に堆積または付着させてアンテナ３６を画定させ得る。
【００１９】
無線周波数トランスポンダ出力とアンテナとの間を電気的に接続するためのその他方法及び手段を、シリコーン弾性コネクタに加えてあるいは代えて使用し得る。例えば、中でも導電性エポキシを当該目的用に使用できる。
例示実施例では各ハウジング部分４２、４４は下方ハウジング部分４４の縁部に沿った隆起リップ４６を除き平坦あるいは平面的であり、全体的には角部を丸み付けした矩形であり、かくして組み立て状態では例えばネックチェーンで吊り下げ得且つ快適に装着し得る平坦な薄いタグである。しかしながら、本発明の堅牢化したＲＦＩＤタグ３０は図示されるハウジング部分４２、４４の特定形状及び構成に限定されるものではない。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【００２０】
３０ ＲＦＩＤタグ
３２ ＲＦＩＤトランスポンダ回路
３４ アンテナ整合回路
３６ ハーフターン無線周波数アンテナ
４０ タグハウジング
４２ 上方ハウジング部分
４４ 下方ハウジング部分
４６ 隆起リップ
４８ スペーサプレート
５０ ＲＦＩＤトランスポンダモジュール
５２ 基材
５４ 集積回路ダイ
５６ 整合回路部品
５８ アンテナコネクタ
６０ 中央長穴
６０ａ 開放端
６２ ローブ
６４ 内面
６８ クリンプ部
７０ 穴
【技術分野】
【０００１】
本発明は、無線周波数認識（ＲＦＩＤ）装置に関し、詳しくは、ＲＦＩＤリーダーデバイスで読み取り可能なＲＦＩＤトランスポンダタグに関する。当該ＲＦＩＤトランスポンダタグは、機械的に堅牢で且つ導電性のタグハウジングにして、当該ＲＦＩＤトランスポンダタグ用の無線周波数アンテナをも画定する形状及び構成を有するタグハウジングに収納され且つ電気的に接続される。
【背景技術】
【０００２】
ＲＦＩＤタグはＲＦＩＤリーダーを起動させる認識トークンまたはキーとして使用され、一般に、無線周波数アンテナに接続した無線周波数トランスポンダモジュールからなる。無線周波数アンテナはワイヤコイルまたは１つ以上の印刷回路ループから構成され得る。代表的には、無線周波数トランスポンダモジュール及び無線周波数アンテナは耐久性の点からプラスチックカード等のプラスチックに封入される。プラスチック封入した既存のＲＦＩＤタグは通常のオフィスにおける出入り口、エレベーター、車庫ゲートを作動させる場合の耐久性は有るが、工業及び住宅用途の場合、それらタグが手荒く扱われ、衝撃を受け、機械的に損耗する度合いが遙かに高い特定用途、例えば、兵士が身に着ける個人タグ等の軍事用途ではその耐久性は十分とは言えない。過酷な環境への適合性がより高く、より頑丈なＲＦＩＤタグに対する需要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
過酷な環境により適した、一層頑丈なＲＦＩＤタグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
堅牢化したＲＦＩＤタグであって、ハーフターン型アンテナ等の無線周波数アンテナを画定するスリットまたは長穴を形成した金属製のタグハウジングと、該タグハウジング内で前記無線周波数アンテナに作動上連結したＲＦＩＤトランスポンダ回路と、を有するＲＦＩＤタグが提供される。ＲＦＩＤトランスポンダ回路と無線周波数アンテナとを作動上相互連結するアンテナ整合回路を設け得る。タグハウジングは、スチール、アルミニュームあるいはその他の、機械的強度を有し且つ少なくとも部分的に導電性の、金属、金属合金、または非金属材料またはそれら材料の組み合わせ、金属及び非金属材料、を含む材料製であり得る。
【０００５】
１実施例において、金属製のタグハウジングは、機械的及び電気的に相互に連結され、間部分にＲＦＩＤトランスポンダを収納する２つのハウジング部分を含む。金属製の両ハウジング部分は、例えば、アンテナを画定する長穴をその何れにも形成し得、両ハウジング部分をその各縁部に沿ってクリンプして機械的且つ電気的に連結させ得る。エポキシ等の電気絶縁材料を各長穴に配置し、当該長穴からのタグハウジング内への異物侵入を防止し得る。
【発明の効果】
【０００６】
過酷な環境により適した、一層頑丈なＲＦＩＤタグが提供される。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】図１は、本発明に従う堅牢化したＲＦＩＤタグの代表的な電気的ブロックダイヤグラム図である。
【図２】図２は、本発明に従う代表的な堅牢化したＲＦＩＤタグの主コンポーネントを示す分解斜視図である。
【図３】図３は、図２のタグのＲＦＩＤトランスポンダモジュールの拡大図である。
【図４】図４は、図２の構成下に組み立てた場合における、下方のハウジング部分のリップ部が上方ハウジング部分上にクリンプする状況を、またＲＦＩＤトランスポンダ回路位置を仮想線で示した斜視図である。
【図５】図５は、ＲＦＩＤモジュールが各ハウジング部分間に捕捉される状況を、また、弾性のコネクタが上方ハウジング部分の内面と接触し、当該ハウジング部分の画定するアンテナにＲＦＩＤモジュールを相互連結させる状況を示す、図４を線５−５で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
図１〜図５には本発明に従う堅牢化したＲＦＩＤタグ３０が例示される。図１にはＲＦＩＤタグ３０の電気回路がブロックダイヤグラム図で表され、アンテナ整合回路３４及びアンテナコネクタ５８を介して無線周波数アンテナ３６に接続したＲＦＩＤトランスポンダ回路３２を含んでいる。
【０００９】
図２には、堅牢化したＲＦＩＤタグ３０の主たる物理的コンポーネントが分解状態で示される。ＲＦＩＤタグ３０は、上方ハウジング部分４２及び下方ハウジング部分４４の２つのハウジング部分を含むタグハウジング４０を有する。２つのハウジング部分４２、４４は例示実施例では平坦なプレートであり、一方のプレートがその縁部に沿って伸延する隆起リップ４６を有する。
ハウジング部分４２、４４の間で且つ隆起リップ４６の内部には電気絶縁用のスペーサプレート４８が収納される。スペーサプレート４８はＲＦＩＤトランスポンダモジュール５０を担持し、当該ＲＦＩＤトランスポンダモジュール５０はＲＦＩＤトランスポンダ回路３２及びアンテナ整合回路３４を含む。
【００１０】
現在好ましい実施例では、下方及び上方の各ハウジング部分４２、４４は金属製、例えば、スチール、アルミニュームあるいはその他の、当該用途の目的上の十分な導電性を有し、機械的強度のある金属または合金製である。絶縁用のスペーサ４８はＡＢＳ（アクリロニトリルブタジエンスチレン）、ＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）、ナイロン、セラミックまたは、電気的及び機械的に安定な電気的絶縁体であり得る。
【００１１】
図３に示すように、トランスポンダモジュール５０は基材５２を有し、該基材上には電気的及び電子的コンポーネントが実装され、これらコンポーネントが相互にＲＦＩＤトランスポンダ回路３２及びアンテナ整合回路３４を構成する。トランスポンダ回路３２は集積回路ダイ５４であり、他方、アンテナ整合回路３４は、代表的には表面実装コンデンサであるところの整合回路部品５６からなる。アンテナ整合回路３４の出力は基材５２に実装した一対の弾性コネクタ５８への接合部で終端する。前記接合部は基材５２上の導電トレースあるいはその他好適手段によるものであり得る。
【００１２】
上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４には、無線周波数アンテナ３６を画定するスリットが形成される。例示実施例では各ハウジング部分のスリットは、各ハウジング部分の長手方向ディメンションに沿って部分的に伸延し且つ各ハウジング部分の一端位置で開放し、かくして各ハウジング部分４２、４４を等しい２つのローブ６２に分割してアンテナ３６を形成する中央長穴６０により形成される。
【００１３】
図４及び図５に示すタグ３０の組み立て状態において、上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は例えば、下方ハウジング部分の隆起リップ４６を上方ハウジング部分４４を覆って機械的にクリンプさせることで相互に電気的且つ機械的に連結される。図４では矢印で示すクリンプ部６８は、各ハウジング部分４２、４４の相互にクリンプされた各縁部に沿って伸延する電気的接合部を確立すると共に、２つのハウジング部分間を機械的に強力に連結する。上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４を機械的に連結し且つ電気的に接続する、中でも溶接または半田付け等のその他方法を使用できる。上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は、相当する各長穴６０が相互に整列する、即ち、各長穴６０の各開放端６０ａがタグハウジング４０の同じ側の端部上に位置付けられる状態下に重ねられ、かくして、組み立て状態のタグハウジングの厚さ方向を通して伸延する重なった各長穴６０と、長穴を有する電気的に接続された２つのハウジング部分４２、４４、即ちタグハウジングとは、単一の無線周波数アンテナ３６として作動する。各長穴６０がアンテナ整合回路３４を介して駆動されるハーフターン無線周波数アンテナ３６を画定するため、タグハウジング４０もまた、当該ハウジングに格納したＲＦＩＤトランスポンダ回路３２用のアンテナ３６となる。かくして、タグハウジング４０はＲＦＩＤトランスポンダ回路３２を機械的に収納及び保護し、且つＲＦＩＤトランスポンダ回路３２と好適なＲＦＩＤタグリーダーユニットとの間のＲＦＩＤ無線周波数信号を送受信する２つの機能を提供する。
【００１４】
ＲＦＩＤタグ３０の組み立て状態において、スペーサプレート４８は下方のハウジング部分４２上で且つ隆起リップ４６の内側に配置される。基材５２は、接着剤等の好適手段によりスペーサプレート４８に固定される。上方ハウジング部分４２はスペーサプレート４８を覆い且つ下方ハウジング部分４４の隆起リップ４６の内側に配置される。２つのハウジング部分４２、４４はスペーサプレート４８をその間部分に配置して組み立てられ、かくして図５に示す如き３層の積層体を形成する。組み立て状態において、上方ハウジング部分４２の内面６４が２つの弾性コネクタ５０上に押圧され、かくして各コネクタ５０が、アンテナ整合回路３４の一方の出力側と、上方ハウジング部分４２の画定するアンテナの相当するローブ６２との間に電気的接続を確立する。弾性コネクタ５０は当該分野において既知のタイプの、市販入手可能なシリコーン弾性コネクタであり得る。
【００１５】
ＲＦＩＤタグ３０の組み立て状態において、大抵の用途上、長穴６０に非導電性の、しかし耐久性の材料、例えば、エポキシを充填してＲＦＩＤタグ３０の内部への水分や異物の侵入を防止することが望ましい。あるいは、上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４をスペーサプレート４８を間に挟んで積層する際に各長穴と整列し且つ充填する隆起縁部をスペーサプレート４８に一体形成し、かくして長穴を異物侵入に対して閉鎖しても良い。本発明の１形態において、ＲＦＩＤタグ３０をタグのユーザー自身が吊り下げたり身に付ける場合は、ネックチェーン、ブレスレット、キーチェーン、あるいはその他を通す穴７０をハウジング４０に貫通形成する。
【００１６】
ある実施例では、タグハウジング４０は幅０．５インチ（１．２５ｃｍ）あるいはそれ以上、長さ１．０インチ（２．５４ｃｍ）あるいはそれ以上、厚さ０．１インチ（０．２５ｃｍ）である。他の実施例ではタグハウジングは幅０．３〜２インチ（０．７６ｃｍ〜５ｃｍ）、長さ０．５〜３インチ（１．２５〜７．６２ｃｍ）、厚さ０．０５〜０．２５インチ（０．１２７〜０．６３５ｃｍ）である。例えばこれらディメンションの２倍あるいは３倍大きいタグディメンションが特定用途上好適であることが見い出された。
【００１７】
本発明の堅牢化したＲＦＩＤタグ３０は、１３．５６ＭＨｚのＲＦＩＤ無線周波数下に動作するＲＦＩＤモジュール及び回路用に好適である。しかしながら、アンテナ整合回路３４及びアンテナ３６の構成を適宜調節することで、その他周波数での動作に同様に適合可能である。アンテナ整合回路３４のデザイン及び構成はＲＦＩＤ分野において周知であるのでその詳細については省略する。
【００１８】
上方及び下方の各ハウジング部分４２、４４は、少なくともその一方が導電性であり、従って関連するＲＦＩＤ周波数で動作する無線周波数アンテナを画定する限りにおいて、金属以外の材料製であり得る。例えば、下方ハウジング部分４４を、機械的強度を有するが非導電性の、例えば硬質セラミック製とし得、上方ハウジング部分のみを金属製とし且つスリット、長穴あるいはその他の、アンテナを画定する形状部を加工し得る。アンテナ３６は図示されるハーフターンアンテナ以外の形態のものとし得、タグハウジングに適宜のスリット、長穴、カット加工あるいは形状付けすることで、１つあるいは２つのターンを持つあるいは螺旋形のアンテナをタグハウジング４０の内部、上部あるいはタグハウジング４０により画定させ得る。両ハウジング部分を非導電性であるがしかし機械的に堅牢な材料、例えば、硬質セラミック製とし得、金属製あるいはそうでなければ導電性の層をハウジング部分の一方あるいは両方の内部及びまたは外部に堆積または付着させてアンテナ３６を画定させ得る。
【００１９】
無線周波数トランスポンダ出力とアンテナとの間を電気的に接続するためのその他方法及び手段を、シリコーン弾性コネクタに加えてあるいは代えて使用し得る。例えば、中でも導電性エポキシを当該目的用に使用できる。
例示実施例では各ハウジング部分４２、４４は下方ハウジング部分４４の縁部に沿った隆起リップ４６を除き平坦あるいは平面的であり、全体的には角部を丸み付けした矩形であり、かくして組み立て状態では例えばネックチェーンで吊り下げ得且つ快適に装着し得る平坦な薄いタグである。しかしながら、本発明の堅牢化したＲＦＩＤタグ３０は図示されるハウジング部分４２、４４の特定形状及び構成に限定されるものではない。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【００２０】
３０ ＲＦＩＤタグ
３２ ＲＦＩＤトランスポンダ回路
３４ アンテナ整合回路
３６ ハーフターン無線周波数アンテナ
４０ タグハウジング
４２ 上方ハウジング部分
４４ 下方ハウジング部分
４６ 隆起リップ
４８ スペーサプレート
５０ ＲＦＩＤトランスポンダモジュール
５２ 基材
５４ 集積回路ダイ
５６ 整合回路部品
５８ アンテナコネクタ
６０ 中央長穴
６０ａ 開放端
６２ ローブ
６４ 内面
６８ クリンプ部
７０ 穴
【特許請求の範囲】
【請求項１】
金属製のタグハウジングを含むＲＦＩＤタグであって、
前記タグハウジングには、ハーフターンアンテナを画定する長穴を設け、前記タグハウジング内には該ハーフターンアンテナに作動上接続するＲＦＩＤトランスポンダ含むＲＦＩＤタグ。
【請求項２】
前記金属製のタグハウジングが、機械的及び電気的に相互連結され且つその間部分には前記ＲＦＩＤトランスポンダを収納する金属製の２つのハウジング部分を含む請求項１に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項３】
前記金属製の２つのハウジング部分の何れにも長穴を形成した請求項２に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項４】
前記金属製の２つのハウジング部分が相互に金属的にクリンプされる請求項２に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項５】
ＲＦＩＤタグであって、
少なくとも部分的に導電性材料製であるタグハウジングにして、該タグハウジングと一体の無線周波数アンテナを画定するよう形状付けし且つ構成したタグハウジングと、
該タグハウジングに収納したＲＦＩＤトランスポンダ回路と、
該ＲＦＩＤトランスポンダ及び前記アンテナを作動上相互連結する整合回路と、
を含むＲＦＩＤタグ。
【請求項６】
前記タグハウジングが、相互に電気的且つ機械的に連結した上方及び下方の各ハウジング部分を含み、各ハウジング部分には前記無線周波数アンテナを画定する長穴を切削形成した請求項５に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項７】
前記長穴内に充填した、タグハウジング内への異物侵入防止用の電気絶縁材料を更に含む請求項６に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項１】
金属製のタグハウジングを含むＲＦＩＤタグであって、
前記タグハウジングには、ハーフターンアンテナを画定する長穴を設け、前記タグハウジング内には該ハーフターンアンテナに作動上接続するＲＦＩＤトランスポンダ含むＲＦＩＤタグ。
【請求項２】
前記金属製のタグハウジングが、機械的及び電気的に相互連結され且つその間部分には前記ＲＦＩＤトランスポンダを収納する金属製の２つのハウジング部分を含む請求項１に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項３】
前記金属製の２つのハウジング部分の何れにも長穴を形成した請求項２に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項４】
前記金属製の２つのハウジング部分が相互に金属的にクリンプされる請求項２に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項５】
ＲＦＩＤタグであって、
少なくとも部分的に導電性材料製であるタグハウジングにして、該タグハウジングと一体の無線周波数アンテナを画定するよう形状付けし且つ構成したタグハウジングと、
該タグハウジングに収納したＲＦＩＤトランスポンダ回路と、
該ＲＦＩＤトランスポンダ及び前記アンテナを作動上相互連結する整合回路と、
を含むＲＦＩＤタグ。
【請求項６】
前記タグハウジングが、相互に電気的且つ機械的に連結した上方及び下方の各ハウジング部分を含み、各ハウジング部分には前記無線周波数アンテナを画定する長穴を切削形成した請求項５に記載のＲＦＩＤタグ。
【請求項７】
前記長穴内に充填した、タグハウジング内への異物侵入防止用の電気絶縁材料を更に含む請求項６に記載のＲＦＩＤタグ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公表番号】特表２０１３−５１９９３８（Ｐ２０１３−５１９９３８Ａ）
【公表日】平成２５年５月３０日（２０１３．５．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５５２８４７（Ｐ２０１２−５５２８４７）
【出願日】平成２２年２月１１日（２０１０．２．１１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０２３９３４
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０９９９７３
【国際公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【出願人】（５１２２１１２７９）サウンドクラフト インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ＳＯＵＮＤＣＲＡＦＴ，ＩＮＣ．
【住所又は居所原語表記】２０３０１ Ｎｏｒｄｈｏｆｆ Ｓｔｒｅｅｔ，Ｃｈａｔｓｗｏｔｈ，ＣＡ ９１３１１，Ｕ．Ｓ．Ａ．
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２５年５月３０日（２０１３．５．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年２月１１日（２０１０．２．１１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０２３９３４
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０９９９７３
【国際公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【出願人】（５１２２１１２７９）サウンドクラフト インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ＳＯＵＮＤＣＲＡＦＴ，ＩＮＣ．
【住所又は居所原語表記】２０３０１ Ｎｏｒｄｈｏｆｆ Ｓｔｒｅｅｔ，Ｃｈａｔｓｗｏｔｈ，ＣＡ ９１３１１，Ｕ．Ｓ．Ａ．
【Ｆターム（参考）】
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