説明

報知装置

【課題】表示面に情報を表示する報知装置の周りに居る人にその表示面を正対させて情報を視認しやすい機会を与えることを可能とし、且つその機会においてその情報の内容を表示以外の方法によっても伝えられるようにすること。
【解決手段】報知部10は、静電型スピーカ12と、表示部13とを備えている。表示部13は、文字、絵、写真などで何らかの情報を表した画像が表示されており、この画像が商品やサービスの広告として機能する。静電型スピーカ12から発せられた音は、表示部13の表示面に対して垂直な方向に指向性を有している。静電型スピーカ12から、表示部13に表示された画像に関連する音、例えば広告対象となる商品等の内容を説明する音が発せられると、その音は表示部13を通り抜けて、その表示部13を見ている人に認識される。この音も商品やサービスの広告として機能することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広告、標識、目印等のように、何らかの情報を表示する情報表示面を備えたものには、その情報表示面に加えられた力を利用して人の注意を喚起するものがある。特許文献1には、風の力を利用して、広告塔の情報表示面に相当する部位を回転させる技術が開示されている。特許文献2には、のぼりの支柱の上側先端部に、宣伝文や絵の入った複数の羽根(つまり情報表示面)を持った風車を取付けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−330139号公報
【特許文献2】特開2006−195398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に記載の技術は、情報表示面の回転速度によっては、そこに表示されている情報を人が視認し難くなることがある。また、情報表示面は回転するので、人の視認し難い位置で止まったような場合には、人が情報表示面の存在に気付かないことがある。
【0005】
本発明は、表示面に情報を表示する報知装置の周りに居る人にその表示面を正対させて情報を視認しやすい機会を与えることを可能とし、且つその機会においてその情報の内容を表示以外の方法によっても伝えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため本発明は、音を通す材料で形成され、情報を表示する表示面及びその裏面を有する表示部と、前記表示部の前記裏面側の位置であって、前記表示面に対して垂直な方向から見たときに当該表示面に重なる位置に設けられた放音面を備え、前記放音面から前記表示面に向かう方向であって、前記表示面に対して垂直な方向に指向性を有し音声信号に応じた音を当該放音面から発する静電型スピーカと、前記表示部及び前記静電型スピーカを支持し、前記表示面と前記放音面とが重ねられた状態を保ちつつ、前記表示部及び前記静電型スピーカの姿勢または位置を変更可能にした機構とを有することを特徴とする報知装置を提供する。
【0007】
本発明においては、前記表示部及び前記静電型スピーカの前記姿勢または前記位置の前記機構による変更量が閾値以上になったことを検知する検知部と、前記表示部及び前記静電型スピーカの前記姿勢または前記位置の変更量が閾値以上になったことを前記検知部が検知した場合に、前記静電型スピーカに前記音声信号を供給する供給手段とを有してもよい。
【0008】
また、本発明においては、重ねられた状態の前記表示部及び前記静電型スピーカの組を複数有し、前記供給手段は、各々の前記静電型スピーカに対応する音声データを記憶し、各々の前記静電型スピーカに対し、当該静電型スピーカに対応する音声データを読み出して当該音声データに応じた音声信号を供給してもよい。
【0009】
更に、本発明においては、前記機構は、支柱を備え、当該支柱を中心にして前記表示部及び前記静電型スピーカが回転可能となるよう、当該表示部及び当該静電型スピーカを支持してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示面に情報を表示する報知装置の周りに居る人にその表示面を正対させて情報を視認しやすい機会を与えることを可能とし、且つその機会においてその情報の内容を表示以外の方法によっても伝えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る報知装置1の外観を示した正面図である。
【図2】同実施形態に係る制御ユニットのハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】同実施形態に係る静電型スピーカの構造を示す図である。
【図4】同実施形態に係る静電型スピーカ及び信号処理部の電気的構成を示した回路図である。
【図5】同実施形態に係る制御部の処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る報知装置の外観を示した斜視図である。
【図7】同実施形態に係る報知部の構造を示す図である。
【図8】同実施形態に係る音声管理テーブルの一例を示した図である。
【図9】変形例に係る報知装置の外観を示した斜視図である。
【図10】変形例に係る報知装置の外観を示した斜視図である。
【図11】変形例に係る報知装置の外観を示した斜視図である。
【図12】変形例に係る制御ユニットのハードウェア構成を示したブロック図である。
【図13】変形例に係る報知装置の外観を示した正面図及び平面図である。
【図14】変形例に係る報知装置の外観を示した正面図及び平面図である。
【図15】変形例に係る報知装置の外観を示した斜視図及び分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、本発明に係る報知装置をのぼり旗に適用した例で説明する。
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る報知装置1の外観を示した正面図である。
報知装置1は、情報を報知する報知部10と、この報知部10の姿勢及び位置を変更可能な状態で支持する機構である支持部20と、支持部20が固定されて地面や床に置かれる台座部30とを備えている。
【0013】
(報知部10の構成)
報知部10は、正面方向から見て上下方向に長い長方形のシート状部材である。報知部10の4隅のうちのいずれかの隅(ここでは図の左上隅)を含む短手方向の辺(以下、短辺という)及び長手方向の辺(以下、長辺という)には、複数のループ状の吊り紐11が所定の間隔をあけて設けられている。報知部10は、放音手段としての静電型スピーカ12と、表示手段としての表示部13とを備えている。静電型スピーカ12は、柔軟性を有する材料で構成されており、音声信号が入力されると、その音声信号に応じた音を発生する。静電型スピーカ12はいわゆる平面スピーカであるので、この静電型スピーカ12から発せられる音波は指向性を有する平面波となる。表示部13は、例えば織られた布や不織布など、音の通り抜けが可能で柔軟性を有する材料で構成されたシート状の部材である。この表示部13は2枚あり、それぞれの表面(表示面)には、文字、絵、写真などで何らかの情報を表した画像が印刷などの方法によって表示されており、この画像が商品やサービスの広告として機能する。各表示部13の裏面には何も表示されていない。それぞれの表示部13は、シート状の静電型スピーカ12の一方の面と他方の面とを覆うように、且つ、これらの各面にそれぞれの表示部13の裏面が接するようにして重ねられている。つまり、表示面に対して垂直な方向から見たときにその表示面に重なる位置に、静電型スピーカ12の放音面が位置している。よって、静電型スピーカ12から発せられた音は、放音面から表示面に向かう方向であって、表示部13の表示面に対して垂直な方向に指向性を有している。静電型スピーカ12から、表示部13に表示された画像に関連する音、例えば広告対象となる商品等の内容を説明する音が発せられると、その音は表示部13を通り抜けて、その表示部13を見ている人に認識される。この音も商品やサービスの広告として機能することになる。なお、図1においては、説明の都合上、表示部13の一部が省略されており、静電型スピーカ12の一部が表示部13に覆われずに露出しているが、実際には静電型スピーカ12のすべてが表示部13に覆われている。
【0014】
(支持部20の構成)
支持部20は、第1支持部21、第2支持部22、回転部23及び回転検出部24を備えている。第1支持部21は、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円筒状の部材である。この第1支持部21は、報知部10の長辺よりも長く、この報知部10の長辺に設けられた吊り紐11に挿入される。第1支持部21の下端は台座部30に固定されており、また、その上端には、回転可能な部位を有する回転部23が設けられている。第2支持部22は、第1支持部21と同様に、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円筒状の部材である。第2支持部22は、報知部10の短辺よりも僅かに長く、この報知部10の短辺に設けられた吊り紐11に挿入される。この第2支持部22の一方の端部221は、回転部23の回転可能な部位に設けられた孔に挿入され、ねじなどの固定手段により回転部23に固定されている。このように、第2支持部22の長手方向が、第1支持部21の長手方向に対して所定の角度(本実施形態では90度)を成すような状態になっており、これら第1支持部21及び第2支持部22によって報知部10が支持されている。第2支持部22が第1支持部21の上端に設けられた回転部23を中心に回転可能であるから、報知部10は第1支持部21を中心軸にして回転可能である。従って、この報知装置1に対して或る方向から風が吹いてきた場合には、その風の力により第2支持部22及び報知部10が回転して、第2支持部22の端部221が風上に位置し、端部222が風下に位置する。つまり、表示部13の表示面と静電型スピーカ12の放音面とが重ねられた状態を保ちつつ、風向きに応じて表示部13及び静電型スピーカ12の第1支持部21に対する位置と、表示部13の表示面及び静電型スピーカ12の放音面の向き(つまり姿勢)が変更することになる。このとき、報知部10自身が風を受けたことによって大きく変形してしまうと、自身が受けた風力を第2支持部22に伝達することができない。報知部10は、一定の風力では大きく変形しないような強度、つまり、自身が受けた風力を第2支持部22に伝達して報知部10が回転し得る程度の強度を持つ必要がある。回転検出部24は、例えばロータリーポテンショメータやロータリーエンコーダであり、回転部23が所定の角度だけ回転する度に、所定の角度だけ回転したことを示す信号(以下、回転信号と称する)を出力する。回転検出部24は、例えば、第1支持部21の内部など、回転部23の回転を検知可能な場所に設けられている。
【0015】
(台座部30の構成)
台座部30は、例えば合成樹脂や金属などで形成された円盤状の部材である。台座部30の上面のほぼ中心の位置に孔が設けられており、この孔に第1支持部21の下端が挿入される。これにより第1支持部21は台座部30に固定される。台座部30の内部には、報知装置1の電気的な制御を行う制御ユニット33が設けられている。制御ユニット33と回転検出部24とは、台座部30及び第1支持部21のそれぞれに設けられた孔に通された配線で電気的に接続されている。また、制御ユニット33と静電型スピーカ12とは、台座部30の上面及び第1支持部21の下端のそれぞれに設けられた孔に通され、且つ報知部10の短辺に設けられた吊り紐11に這わされた配線により電気的に接続されている。なお、この配線は、第1支持部21の内部で回転体に対して同心円状に配置された環状の電路とブラシを介して電力や信号を伝達するための機構(例えばスリップリング)に接続されているため、報知部10の回転を妨げる可能性が小さい。なお、制御ユニット33と静電型スピーカ12とを電気的に接続する手段は、スリップリングに限らず、報知部10の回転を妨げる可能性が小さい構造であればよい。
【0016】
(制御ユニット33のハードウェア構成)
次に、図2のブロック図を参照しながら、制御ユニット33のハードウェア構成について説明する。制御ユニット33は、制御部331及び信号処理部332を備えており、回転検出部24、静電型スピーカ12及び電源部333に電気的に接続されている。電源部333は、図示せぬ電源コードによって商用電源に接続されており、報知装置1への電力供給を制御する。信号処理部332は、制御部331から出力された音声信号を増幅するなどの信号処理を行ってから静電型スピーカ12に出力する。制御部331は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを備えている。ROMには、表示部13に表示された画像に関連する音を表す音声データや、CPUが実行するプログラム、さらには後述する閾値などが記憶されている。制御部331は、CPUによってROMからプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより、報知装置1の各部を制御する。例えば制御部331は、回転検出部24から出力された回転信号を所定の期間毎にカウントすることで、単位時間当たりに回転部23が回転した角度を算出する。そして、制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が閾値以上か否かを検知する。つまり、制御部331は、報知部10の姿勢の変更量が閾値以上になったことを検知する検知部として機能する。そして、制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が閾値以上であることが検知された場合には、音声データを読み出し、この音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力する一方、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が閾値未満の場合には、音声信号を信号処理部332に出力しない。信号処理部332に出力された音声信号は静電型スピーカ12に供給される。つまり、制御部331及び信号処理部332は、報知部10の姿勢の変更量が閾値以上になったことが検知された場合に、静電型スピーカに音声信号を供給する供給手段として機能する。
【0017】
このように、或る時間内に風向きが或る大きさ以上変わったときのみ、静電型スピーカ12から音が発せられることになる。風向きの変化の状況に関わらず、常時、音を発していると、報知装置1の近辺に居る人が煩わしいと感じることも考えられるが、上記のように風向きが変わったときのみ音を発するようにすれば、このような煩わしさが抑えられる。さらに、静電型スピーカ12から発せられる音波は、その静電型スピーカ12の放音面に垂直な方向に指向性を有する平面波であるから、その音が届くような位置に居る人は、静電型スピーカ12の放音面、つまり表示部13の表示面に正対することになる。人と表示部13とがこのような位置関係にあるときには、人にとって表示面を視認しやすくなる。つまり、人は、報知装置1から音が発せられたことに気づいて、その音の発生方向を見たとき、表示部13の表示面が自身に正対しているから画像を視認しやすくなる。従って、報知装置1の構成を備えていない場合と比較して、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0018】
(静電型スピーカ12について)
ここで、静電型スピーカ12について説明する。図3は、静電型スピーカ12の構造を示す図である。静電型スピーカ12は、振動体121と、弾性部材122U,122Lと、電極123U,123Lとを備えている。なお、弾性部材122U,122Lの構成は同じであり、電極123U,123Lの構成は同じである。このため、各部材について両者を区別する必要がない場合においては「U」及び「L」の記載を省略する。
【0019】
(静電型スピーカ12の各部の構成)
まず、静電型スピーカ12を構成する各部について説明する。
振動体121は、例えばPET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)やPP(polypropylene:ポリプロピレン)などの絶縁性及び柔軟性を有する合成樹脂のフィルムを基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜を形成したシート状の構成となっている。振動体121の形状は、正面方向から見て上下方向に長い長方形である。
【0020】
弾性部材122は、例えば不織布であって空気及び音の通過が可能となっている。弾性部材122は、弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る。各弾性部材122の形状は、振動体121と同様に、正面方向から見て上下方向に長い長方形である。
【0021】
電極123は、例えばPETまたはPPなどの絶縁性及び柔軟性を有する合成樹脂のフィルムを基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜を形成した構成となっている。各電極123の形状は、振動体121と同様に、正面方向から見て上下方向に長い長方形である。この電極123は、表面から裏面に貫通する貫通孔(図示略)を複数有しており、この孔を通じて音の通り抜けが可能となっている。
【0022】
(静電型スピーカ12の構造)
次に、静電型スピーカ12の構造について説明する。振動体121は、弾性部材122Uと弾性部材122Lとの間に配置されている。振動体121の各縁からそれぞれ内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されており、この接着作用により振動体121が弾性部材122Uと弾性部材122Lとに固着されている。振動体121の接着剤が塗布されていない部分は、弾性部材122Uと弾性部材122Lに固着されていない。電極123Uの各縁からそれぞれ内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されており、この接着作用により電極123Uが弾性部材122Uに固着されている。電極123Uの接着剤が塗布されていない部分は、弾性部材122Uに固着されていない。同様に、電極123Lの各縁からそれぞれ内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されており、この接着作用により電極123Lが弾性部材122Lに固着されている。電極123Lの接着剤が塗布されていない部分は、弾性部材122Lに固着されていない。電極123Uの導電膜のある側が弾性部材122Uに接しており、電極123Lの導電膜のある側が弾性部材122Lに接している。
【0023】
(静電型スピーカ12の電気的構成)
次に、静電型スピーカ12の電気的な構成について説明する。
図4は、静電型スピーカ12及び信号処理部332の電気的構成を示した回路図である。静電型スピーカ12には、信号処理部332が接続されている。信号処理部332は、変圧器336と、アンプ334と、バイアス電源335とを備えている。アンプ334は、入力側の端子に入力された音声信号を増幅して出力する。変圧器336の入力側の端子T1は、抵抗器R1を介してアンプ334に接続されている。変圧器336の入力側のもう一方の端子T2は、抵抗器R2を介してアンプ334に接続されている。変圧器336の出力側の端子T4は、電極123Uの導電性を有する部分に接続されている。変圧器336の出力側のもう一方の端子T5は、電極123Lの導電性を有する部分に接続されている。変圧器336の中点の端子T3は、信号処理部332の基準電位であるグランドGNDに抵抗器R3を介して接続されている。バイアス電源335の一端が抵抗器R4を介して振動体121に接続され、他端が信号処理部332の基準電位であるグランドGNDに接続される。このバイアス電源335は、振動体121に対して直流バイアスを与える。この構成において、アンプ334に入力された音声信号に応じた電圧が電極123に印加されることで、静電型スピーカ12は、プッシュプル型の静電型スピーカとして動作する。具体的には以下のとおりである。
【0024】
アンプ334に音声信号が入力されると、入力された音声信号に応じた電圧が変圧器336から電極123Uと電極123Lに印加される。そして、印加された電圧によって電極123Uと電極123Lとの間に電位差が生じると、電極123Uと電極123Lの間にある振動体121には、電極123Uと電極123Lのいずれかの側へ引き寄せられる方向に静電力が働く。例えば、アンプ334に音声信号が入力され、増幅された音声信号が変圧器336に供給されることで、電極123Uにプラスの電圧が印加され電極123Lにマイナスの電圧が印加されたとする。この場合、振動体121にはバイアス電源335によりプラスの電圧が印加されているため、振動体121は、プラスの電圧が印加されている電極123Uと反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極123Lに吸引されて電極123L側に変位する。また、アンプ334に音声信号が入力され、増幅された音声信号が変圧器336に供給されることで、電極123Uにマイナスの電圧が印加され、電極123Lにプラスの電圧が印加されたとする。この場合、振動体121は、プラスの電圧が印加されている電極123Lと反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極123Uに吸引されて電極123U側に変位する。
【0025】
このように、振動体121が音声信号に応じて電極123U側または電極123L側に変位し、その変位する方向が逐次変わることによって、振動体121が振動する。この振動の状態、具体的には周波数や振幅に応じた音波が振動体121から発生する。発生した音波は、弾性部材122、電極123及び表示部13を通過して報知部10の外部へと放射される。
【0026】
(動作)
次に実施形態の動作を説明する。
図5は、報知装置1の制御部331がROMに記憶されているプログラムを実行したときの処理の手順を示すフローチャートである。報知部10が風を受けて回転部23が所定の角度だけ回転する度に、回転検出部24は回転信号を出力する。制御部331は、回転検出部24から出力された回転信号を所定の単位期間毎にカウントすることで、単位時間当たりに回転部23が回転した角度を算出する(ステップS510)。次に、報知装置1の制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が、ROMに記憶されている閾値以上か否かを判定する(ステップS520)。制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が閾値未満の場合には(ステップS520;NO)、音声信号を信号処理部332に対して出力せずに、ステップS510の処理に戻る。一方、制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度が閾値以上の場合には(ステップS520;YES)、ROMから音声データを読み出し、この音声データに応じた音声信号を信号処理部332に対して出力する(ステップS530)。制御部331はこの音声信号の出力を一定期間継続する。信号処理部332は、入力された音声信号を増幅して静電型スピーカ12に出力する。そして、静電型スピーカ12は、音声信号に応じた音を発生させる。
【0027】
このように、第1実施形態では、表示部13の表示面に対して垂直な方向から見たときにその表示面に重なるような位置に静電型スピーカ12の放音面を設け、且つ、その静電型スピーカ12の放音面から表示面に向かう方向であって、表示面に対し垂直な方向に指向性を有する音を発するようにしている。人が報知装置1に対してどのような位置関係であったとしても、風向きによって報知部10の姿勢が変わるから、報知部10からその人に向かう直線方向と、静電型スピーカ12から発せられる音波が進行する方向とが一致するような場合がある。このとき、人は報知装置1から音が発せられたことに気づくことになる。特に静電型スピーカ12から発せられる音波は指向性のある平面波であるから、報知装置1から遠い位置に人が居たとしても、その人に音が届きやすい。そして、人がその音の発生方向を見たとき、表示部13の表示面が自身に正対していることになるから、そこに表示されている画像を視認しやすいし、また、その画像によってもたらされる情報の内容を理解しやすくなる。したがって、報知装置の周りに居る人にその表示面を正対させて情報を視認しやすい機会を与えることが可能となるし、且つその機会においてその情報の内容を表示以外の方法によっても伝えることが可能となる。例えば、画像を広告目的で利用する場合には、より大きな広告効果を期待することが可能となる。また、風向きが変わったとき、その後の一定期間のみ音を発するようにしているので、人にとって常時音が聞こえるというような煩わしさも抑えられる。
【0028】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では報知装置1はひとつの報知部10を備えていたのに対し、第2実施形態に係る報知装置は複数の報知部10を備える。つまり、報知装置は、互いに重ねられた状態の表示部13及び静電型スピーカ12の組を複数有することになる。このため、第2実施形態では、報知部10,支持部20などの構成の他、静電型スピーカ12に音を発生させるときの処理の内容が第1実施形態と異なっているが、その他の構成及び動作は第1実施形態と同様である。以下の図の説明においては、第1実施形態と同じ構成であるものについては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0029】
図6は、本発明の第2実施形態に係る報知装置1aの外観を示した斜視図である。報知装置1aは、情報を報知する報知部10a−1,10a−2,10a−3と、報知部10a−1,10a−2,10a−3を支持する支持部20aと、支持部20aが固定されて地面や床に置かれる台座部30とを備えている。
【0030】
(報知部10a−1,10a−2,10a−3の構成)
報知部10a−1,10a−2,10a−3の構成はいずれも同じであるから、ここでは、報知部10a−1の構成についてのみ説明する。また、報知部10a−1,10a−2,10a−3の夫々を区別する必要がない場合には報知部10aと記す。また、報知部10aに備えられた各構成部品についても夫々を区別する必要が無い場合には、報知部10aと同様に符号の一部を省略する。図7は、報知部10a−1の構造を示す図である。同図に示すように、報知部10a−1は、放音手段としての静電型スピーカ12a−11,12a−12と、表示手段としての表示部13a−11,13a−12と、吸音手段としての吸音シート14aとを備えている。吸音シート14aは、静電型スピーカ12a−11と静電型スピーカ12a−12との間に配置されており、静電型スピーカ12a−11から発生した音と静電型スピーカ12a−12から発生した音の干渉を抑制する。表示部13a−11,13a−12の表面には、文字、絵、写真などの画像が表示されており(図示せず)、この画像が商品やサービスの広告として機能する。表示部13a−11は、静電型スピーカ12a−11の吸音シート14aに対向しない面を覆うようにして重ねられている。この構成において、静電型スピーカ12a−11から、表示部13a−11に表示された画像に関連する音が発せられると、その音は表示部13a−11を通り抜けて、その表示部13a−11を見ている人に認識される。また、表示部13a−12は、静電型スピーカ12a−12の吸音シート14aに対向しない面を覆うようにして重ねられている。この構成において、静電型スピーカ12a−12から、表示部13a−12に表示された画像に関連する音が発せられると、その音は表示部13a−12を通り抜けて、その表示部13a−12を見ている人に認識される。
【0031】
(支持部20aの構成)
図6の説明に戻る。支持部20aは、第1支持部21、第2支持部22a−1,22a−2,22a−3、回転部23a及び回転検出部24を備えている。第2支持部22a−1,22a−2,22a−3の構成は夫々同じである。第1支持部21は、報知部10a−1,10a−2,10a−3の長辺に設けられた吊り紐11に挿入される。第1支持部21の下端は台座部30に固定されており、また、その上端には、回転可能な部位を有する回転部23aが設けられている。第2支持部22a−1,22a−2,22a−3はいずれも、合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円筒状の部材である。第2支持部22a−1は報知部10a−1の短辺に設けられた吊り紐11に挿入され、第2支持部22a−2は報知部10a−2の短辺に設けられた吊り紐11に挿入され、第2支持部22a−3は報知部10a−3の短辺に設けられた吊り紐11に挿入される。第2支持部22a−1の一端、第2支持部22a−2の一端及び第2支持部22a−3の一端は、ねじなどの固定手段により回転部23aに固定される。上方からこの報知装置1aを見たとき、第2支持部22a−1,22a−2,22a−3のそれぞれの長手方向が所定の角度(本実施形態では120°)を成すような状態になっている。また、第2支持部22a−1,22a−2,22a−3の長手方向は、第1支持部21の長手方向に対して所定の角度(本実施形態では90度)を成すような状態になっている。報知部10a−1,10a−2,10a−3は、第2支持部22a−1及び第1支持部21,第2支持部22a−2及び第1支持部21,第2支持部22a−3及び第1支持部21にそれぞれ支持されている。
【0032】
前述したように、第2支持部22a−1,22a−2,22a−3が第1支持部21の上端に設けられた回転部23aを中心に回転可能であるから、報知部10a−1,10a−2,10a−3は第1支持部21の長手方向を中心軸として回転可能である。従って、この報知装置1aに対して或る方向から風が吹いてきた場合には、その風の力により第2支持部22a−1,22a−2,22a−3及び報知部10a−1,10a−2,10a−3が回転する。回転検出部24は、回転部23aが所定の角度だけ回転する度に回転信号を出力する。回転検出部24は、例えば、第1支持部21の内部など、回転部23aの回転を検知可能な場所に設けられている。
【0033】
(台座部30の構成)
台座部30は、例えば合成樹脂や金属などで形成された円盤状の部材である。台座部30の上面のほぼ中心の位置に孔が設けられており、この孔に第1支持部21の下端が挿入される。これにより第1支持部21は台座部30に固定される。台座部30の内部には、報知装置1aの電気的な制御を行う制御ユニット33aが設けられている。制御ユニット33aと回転検出部24とは、台座部30及び第1支持部21のそれぞれに設けられた孔に通された配線で電気的に接続されている。また、制御ユニット33aと報知部10aの静電型スピーカ12aは、台座部30の上面及び第1支持部21の下端のそれぞれに設けられた孔に通され、且つ報知部10aの短辺に設けられた吊り紐11に這わされた配線により電気的に接続されている。なお、この配線は、第1支持部21の内部でスリップリングに接続されているため、回転部23aの回転を妨げる可能性が小さい。したがって、報知部10aの回転も妨げられる可能性が小さい。なお、制御ユニット33aと報知部10aの静電型スピーカ12aとを電気的に接続する手段は、スリップリングに限らず、回転部23aの回転を妨げる可能性が小さい構造であればよい。
【0034】
(制御ユニット33aのハードウェア構成)
制御ユニット33aのハードウェア構成は、制御ユニット33のハードウェア構成と略同じであるから図2を参照して説明する。制御ユニット33aは、制御部331に代えて制御部331aを備え、さらに信号処理部332を備えている。制御ユニット33aは、電源部333、報知部10aの静電型スピーカ12a及び回転検出部24に接続されている。ここで、報知部10a−1には、静電型スピーカ12a−11,12a−12が備えられており、報知部10a−2には、静電型スピーカ12a−21,12a−22が備えられており、報知部10a−2には、静電型スピーカ12a−31,12a−32が備えられているものとする。制御部331と制御部331aとの違いはメモリに記憶されている内容である。制御部331aのメモリには、各表示部13aに表示された画像に関連する音を表す音声データやプログラム、閾値、及び音声管理テーブル3311が記憶されている。ここで、音声管理テーブル3311について説明する。
【0035】
図8は、音声管理テーブル3311の一例を示した図である。音声管理テーブル3311には、「静電型スピーカID」と「音声データID」とが対応付けられて記述されている。「静電型スピーカID」は、夫々の静電型スピーカ12aを識別するための情報である。「音声データID」は、夫々の静電型スピーカ12aに発生させる音を表す音声データを識別するための情報である。例えば、音声管理テーブル3311には、音声データID「A01」に、静電型スピーカID「12a−11」が対応付けられて記述されている。この場合、制御部331aは、音声データIDが「A01」の音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力することで、静電型スピーカIDが「12a−11」の静電型スピーカ12a−11に上記音声信号に応じた音を発生させる。つまり、制御部331aは、各静電型スピーカ12aに対して、静電型スピーカ12aに対応する音声データをメモリから読み出してその音声データに応じた音声信号、つまり、静電型スピーカ12aと組を成す表示部13aの表示内容に応じた音声信号を供給する。このように、制御部331aは、音声管理テーブル3311の内容に基づいて各静電型スピーカ12aに供給する音声信号を制御することで、各静電型スピーカ12aに同一の音を発生させたり、各静電型スピーカ12aに異なる音を発生させたりすることができる。
【0036】
制御部331aのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより報知装置1aの各部を制御する。具体的には、制御部331aは、第1実施形態と同様に、回転検出部24から出力された回転信号を所定の単位期間毎にカウントすることで、回転部23aが単位時間当たりに回転した角度を算出する。そして、制御部331aは、回転部23aが単位時間当たりに回転した角度が閾値以上の場合には、音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力する一方、回転部23aが単位時間当たりに回転した角度が閾値未満の場合には、音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力しない。つまり、報知装置1aは、風が吹いているときのみ、各静電型スピーカ12aに音を発生させることになる。
【0037】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに、表示部13aと静電型スピーカ12aは回転部23aを中心として回転可能に設けられているから、人は、或る表示部13aの表示面を視認するだけでなく、回転により次々と変化する音及び画像を視聴することができるという効果を奏する。従って、報知装置1aにおける広告に関する表示は、報知装置1のように複数の報知部10を備えていない場合と比較して、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0038】
[変形例]
上述した実施形態の内容を以下のように変形してもよい。以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施されてもよい。
【0039】
(変形例1)
上述した実施形態において、第2支持部22は、上面から見て直線の形状であったが、直線以外の形状であってもよい。図9は、この変形例1に係る報知装置1bの外観を示した斜視図である。同図に示すように、第2支持部22b−1,22b−2は、上面から見て弓状に湾曲した形状であり、反時計回りの方向を凸にして回転部23bに固定されている。報知部10−1,10−2は、第2支持部22b−1,22b−2に支持されることで、上面から見て弓状に湾曲した形状となる。このように、報知部10−1,10−2を弓状に湾曲した形状とすることで、報知部10−1,10−2は、風の力を逃がしやすい面と風の力を逃がしにくい面とを有することになり、第1支持部21を中心軸にして回転するときの回転方向を予測しやすくなる。また、風の力を逃がしにくい面の作用により、第1支持部21を中心軸にして回転しやすくもなるから、単位時間あたりに回転部23bが回転した角度も閾値以上となりやすい。つまり、静電型スピーカ12から音が発せられる機会も多くなる。従って、人は、音が発せられた報知装置1bに気づきやすくなり、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0040】
(変形例2)
上述した実施形態において、電源部333は、図示せぬ電源コードによって商用電源に接続されていたが、商用電源以外に接続されていてもよい。例えば、風の力を受けて回転するときの動力を電力に変換する発電手段(以降、風力発電部という)を報知装置に設け、電源部333がこの風力発電部に接続されていてもよい。図10は、変形例2に係る報知装置1cの外観を示した斜視図である。報知装置1cは、制御ユニット33が内部に設けられた台座部30と、台座部30に固定された支持部20と、支持部20によって支持された報知部10と、電気を発生させる風力発電部40とを備えている。支持部20は、第1支持部21、第2支持部22、回転部23及び回転検出部24を備えている。第1支持部21の下端は台座部30に固定されており、また、その上端には、回転部23及び風力発電部40が設けられている。風力発電部40は、風車41と、回転軸42と、発電機43とを備えている。風力発電部40は、風車41が受けた風の力で回転軸42をまわし、その回転運動を発電機43に伝えることで電力を発生させる。風力発電部40は、発生した電気を図示せぬ蓄電池に充電しておいてもよい。そして、電源部333は、図示せぬ電源コードによって風力発電部40に接続されており、報知装置1cへの電力供給を制御する。この変形例2によれば、報知装置1cは、自装置で消費する電力を自装置で発電することが可能であるから、商用電源に接続できないような場所にも設置することが可能となる。従って、報知装置1cを、商用電源の有無に因らずに、人などが多い場所に設置することが可能となり、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0041】
(変形例3)
上述した実施形態では、本発明をのぼり旗に適用した例で説明したが、本発明をのぼり旗以外に適用してもよい。
上述した実施形態において、報知装置1は、風の力により回転部23を回転させたが、回転部23を回転させる動力源はこれに限らない。報知装置は、例えばセンサなどの検知手段により人の存在を検知した際に、例えばモータなどの動力源により回転部を回転させてもよい。図11は、変形例に係る報知装置1dの外観を示した斜視図である。報知装置1dは、台座部30と、支持部20dと、報知部10d−1,10d−2,10d−3とを備えている。報知部10d−1,10d−2,10d−3の構成はいずれも同じであるから、夫々を区別する必要がない場合には報知部10dと記す。また、報知部10dに備えられた各構成部品についても夫々を区別する必要が無い場合には、報知部10dと同様に符号の一部を省略する。
【0042】
報知部10dは、放音手段としての静電型スピーカ12、表示手段としての表示部13、及び検知手段としての検知部15を備えている。検知部15は赤外線や超音波等を用いた人感センサであり、報知部10dに対向した位置に人が存在するか否かを検知し、人を検知したことを示す検知信号を出力する。例えば、検知部15−1は、報知部10d−1に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−2は、報知部10d−2に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−3は、報知部10d−3に対向した位置に人が存在するか否かを検知する。なお、検知部15は、図11に示した図において、報知部10dの表示面に設けられているが、これに限らず、報知部10dに対向した位置に人が存在するか否かを検知しえる場所であれば、何れの場所に設けられていてもよい。
【0043】
支持部20dは、第1支持部21、第2支持部22d−1,22d−2,22d−3、第3支持部26d、回転部23d及びモータ29を備えている。第1支持部21の下端は台座部30に固定されており、また、その上端には、回転部23d及びモータ29が設けられている。回転部23dは、モータ29から駆動力を与えられることにより、第1支持部21を中心軸にして回転する。なお、モータ29は、図11に示した図において、第1支持部21の上端に設けられているが、これに限らない。モータ29は、回転部23dに駆動力を与えることが可能な場所に設けられていれば、何れの場所に設けられていてもよい。第2支持部22d−1,22d−2,22d−3は、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円筒状の部材である。この第2支持部22d−1,22d−2,22d−3の一端は、回転部23dに挿入され、ねじなどの固定手段により回転部23dに固定されている。また、第2支持部22d−1,22d−2,22d−3の他端は、第3支持部26dに挿入され、ねじなどの固定手段により第3支持部26dに固定されている。第3支持部26dは、例えば合成樹脂や金属などで形成された円状の部材である。第3支持部26dの半径は、第2支持部22d−1,22d−2,22d−3の長手方向の長さと略同じである。第3支持部26dの円周は、各報知部10の短辺の長さの和と略同じである。また、第3支持部26dは、各報知部10の短辺に設けられた吊り紐11に挿入され、各報知部10を支持する。前述したように、モータ29から駆動力を与えられることで回転部23dが回転することで、各報知部10は第1支持部21を中心軸として回転可能である。
【0044】
(制御ユニット33dのハードウェア構成)
制御ユニット33dのハードウェア構成は、制御ユニット33のハードウェア構成と略同じであるから図12を参照して説明する。制御ユニット33dは、制御部331d、信号処理部332及びモータ駆動制御部55を備えており、電源部333、モータ29、検知部15及び各報知部10の静電型スピーカ12に接続されている。制御部331dのROMには、各報知部10の表示部13に表示された画像に関連する音を表す音声データやプログラム、さらには音声管理テーブルなどが記憶されている。制御部331dは、検知部15から検知信号を供給されると、ROMから音声データを読み出し、この音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力する。また、モータ駆動制御部55は、検知部15から検知信号を供給されると、駆動信号をモータ29に出力し、モータ29は、駆動信号に応じた駆動力を回転部23dに与える。つまり、報知装置1dは、検知部15が人の存在を検知している期間のみ、回転部23dを回転させ、更に静電型スピーカ12に音を発生させることになる。なお、報知装置1dは、検知部15が人の存在を検知している期間だけでなく、検知部15が人の存在を検知してから所定の期間、回転部23dを回転させ、更に静電型スピーカ12に音を発生させるようにしてもよい。
【0045】
このようにすれば、常時音が発せられるというような煩わしさが抑えられる。また、人は、報知装置1dから音が発せられたことに気づいて、その音の発生方向を見たとき、表示部13の表示面が自身に正対しているから画像を視認しやすくなる。さらに、人は、或る表示部13の表示面を視認するだけでなく、回転部23dの回転により次々と変化する音及び画像を視聴することになる。従って、報知装置1dの構成を備えていない場合と比較して、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0046】
なお、検知部15は人の話し声等の音声を収音するマイクロフォンでもよい。そして、制御部331dは、検知部15の出力に基づいて周知の音声認識技術により人の話し声を検知する音声識別処理手段として機能してもよい。この場合、制御部331dは、人の話し声を検知したことを示す検知信号をモータ駆動制御部55に出力する。モータ駆動制御部55は、制御部331dから検知信号を供給されると、駆動信号をモータ29に出力する。モータ29は、駆動信号に応じた駆動力を回転部23dに与える。つまり、報知装置1dは、制御部331dにより人の話し声が検知された期間のみ、回転部23dを回転させることになる。なお、報知装置1dは、制御部331dにより人の話し声が検知された期間だけでなく、制御部331dにより人の話し声が検知されてから所定の期間、回転部23dを回転させるようにしてもよい。
【0047】
(変形例4)
変形例3をさらに次のように変形してもよい。図13は、変形例4に係る報知装置1eの外観を示した正面図及び平面図である。報知装置1eは、支持部20eと、台座部30e1,30e2と、報知部10e−1〜5とを備えている。支持部20eは、支持ベルト25e、モータ29、駆動ロール27e及び従動ロール28eを備えている。従動ロール28eは、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円柱状の部材である。従動ロール28eは、その軸方向を中心にして回転可能に台座部30e2に設けられている。駆動ロール27eは、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円柱状の部材である。駆動ロール27eは、その軸方向を中心にして回転可能に台座部30e1に設けられている。また、駆動ロール27eは、モータ29から駆動力を与えられることにより、その軸方向を中心にして回転する。支持ベルト25eは、例えば、布や合成樹脂などの柔軟性を有する材料で構成され、駆動ロール27e及び従動ロール28eに掛け渡された無端状のベルトである。支持ベルト25eは、駆動ロール27eの回転により、駆動ロール27eと従動ロール28eに掛け渡された状態で回転する。
【0048】
報知部10e−1〜5は、支持ベルト25eの表面を覆うようにして配置されている。なお、報知部10e−1〜5の構成はいずれも同じであるから、夫々を区別する必要がない場合には報知部10eと記す。また、報知部10eに備えられた各構成部品についても夫々を区別する必要が無い場合には、報知部10eと同様に符号の一部を省略する。報知部10eは、放音手段としての静電型スピーカ12と、表示手段としての表示部13と、吸音手段としての吸音シート14と、検知手段としての検知部15をそれぞれ備えている。吸音シート14は、静電型スピーカ12と支持ベルト25eとの間に配置されており、静電型スピーカ12の支持ベルト25eに対向する面から発生した音を吸音する。表示部13の表面には、文字、絵、写真などの画像が表示されており(図示せず)、この画像が商品やサービスの広告として機能する。表示部13は、静電型スピーカ12の吸音シート14に対向しない面を覆っている。検知部15は、報知部10eに対向した位置に人が存在するか否かを検知し、人を検知したことを示す検知信号を出力する。例えば、検知部15−1は、報知部10e−1に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−2は、報知部10e−2に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−3は、報知部10e−3に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−4は、報知部10e−4に対向した位置に人が存在するか否かを検知し、検知部15−5は、報知部10e−5に対向した位置に人が存在するか否かを検知する。なお、検知部15は、図13に示した図において、報知部10eの表示面に設けられているが、これに限らず、報知部10eに対向した位置に人が存在するか否かを検知しえる場所であれば、何れの場所に設けられていてもよい。
【0049】
台座部30e1及び台座部30e2は、例えば合成樹脂や金属などで形成された円盤状の部材である。台座部30e1の内部には、駆動ロール27eに駆動力を与えるモータ29と、報知装置1eの各部を制御する制御ユニット33dとが設けられている。制御ユニット33dと報知部10e−1〜5の静電型スピーカ12とは、台座部30e1の上面及び駆動ロール27eの下端にそれぞれに設けられた孔に通され、且つ駆動ロール27eの上端から引きだされた配線により電気的に接続されている。なお、この配線は、駆動ロール27eの内部でスリップリングに接続されているため、報知部10eの回転を妨げる可能性が小さい。
【0050】
次に、図12のブロック図を参照しながら、報知装置1eの制御について説明する。制御ユニット33dは、制御部331d、信号処理部332及びモータ駆動制御部55を備えており、電源部333、モータ29、検知部15及び各報知部10eの静電型スピーカ12に接続されている。制御部331dは、検知部15から検知信号を供給されると、ROMから音声データを読み出し、この音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力する。また、モータ駆動制御部55は、検知部15から検知信号を供給されると、駆動信号をモータ29に出力し、モータ29は、駆動信号に応じた駆動力を駆動ロール27eに与える。つまり、報知装置1eは、検知部15が人の存在を検知している期間のみ、駆動ロール27eを回転させ、更に静電型スピーカ12に音を発生させることになる。なお、報知装置1eは、検知部15が人の存在を検知している期間だけではなく、検知部15が人の存在を検知してから所定の期間、駆動ロール27を回転させ、更に静電型スピーカ12に音を発生させるようにしてもよい。
【0051】
このようにすれば、常時音が発せられるというような煩わしさが抑えられる。また、人は、報知装置1eから音が発せられたことに気づいて、その音の発生方向を見たとき、表示部13の表示面が自身に正対しているから画像を視認しやすくなる。さらに、人は、或る表示部13の表示面を視認するだけでなく、駆動ロール27eの回転により次々と変化する音及び画像を視聴することになる。従って、報知装置1eの構成を備えていない場合と比較して、より大きな広告効果を期待することが可能となる。
【0052】
(変形例5)
図14は、変形例5に係る報知装置1fの外観を示した正面図及び平面図である。報知装置1fは、台座部30fと、支持部20fと、報知部10f−1〜3とを備えている。なお、報知部10f−1〜3の構成は、報知部10eの構成と同じである。また、報知部10f−1〜3の構成はいずれも同じであるから、夫々を区別する必要がない場合には報知部10fと記す。また、報知部10fに備えられた各構成部品についても夫々を区別する必要が無い場合には、報知部10fと同様に符号の一部を省略する。
【0053】
台座部30fは、例えば合成樹脂や金属などで形成された直方体の部材である。そして、台座部30fの正面部分には、複数の検知部15が所定の間隔を空けて設けられている。検知部15は、報知部10dに対向した位置に人が存在するか否かを検知し、人を検知したことを示す検知信号を出力する。なお、検知部15は、図14に示した図において、台座部30fの正面部分に設けられているが、これに限らない。検知部15は、報知部10fに対向した位置に人が存在するか否かを検知しえる場所であれば、何れの場所に設けられていてもよい。
【0054】
支持部20fは、支持ベルト25f、モータ29、駆動ロール27f1及び駆動ロール27f2を備えている。駆動ロール27f1,27f2は、例えば合成樹脂や金属などで形成されたパイプなどの円柱状の部材である。駆動ロール27f1,27f2は、所定の間隔を空けて台座部30fに設けられている。また、駆動ロール27f1,27f2は、その軸方向を中心にして回転可能に台座部30fに設けられている。また、駆動ロール27f1,27f2は、モータ29から駆動力を与えられることにより、その軸方向を中心にして同じ方向に回転する。支持ベルト25fは、例えば、布や合成樹脂などの柔軟性を有する材料で構成されており、その表面を覆うようにして報知部10f−1,10f−2,10f−3が配置されている。支持ベルト25fは、正面方向から見て左右方向に長い長方形のシート状部材である。支持ベルト25fの長手方向の辺(以下、長辺という)は、駆動ロール27f1及び駆動ロール27f2が設けられた間隔よりも長く、支持ベルト25fの短手方向の辺(以下、短辺という)は、駆動ロール27f1,27f2の軸方向の長さよりも短い。また、支持ベルト25fの短辺の一方は駆動ロール27f1に固定され、支持ベルト25fの短辺の他方は駆動ロール27f2に固定されている。従って、支持ベルト25fの一部及び報知部10f−1〜3の一部は、駆動ロール27f1又は駆動ロール27f2に巻きつけられていることになる。図14においては、支持ベルト25fの一部及び報知部10f−3の一部が駆動ロール27f2に巻きつけられている。そして、駆動ロール27f1及び駆動ロール27f2が回転すると、駆動ロール27f2に巻きつけられている部分と、駆動ロール27f1に巻きつけられている部分とが変化することになる。
【0055】
台座部30fの内部には、駆動ロール27f1及び駆動ロール27f2に駆動力を与えるモータ29と、報知装置1fの各部を制御する制御ユニット33fとが設けられている。制御ユニット33fのハードウェア構成は、制御ユニット33dのハードウェア構成と略同じであるから図12を参照して説明する。制御ユニット33fは、制御部331f、信号処理部332及びモータ駆動制御部55fを備えており、電源部333、モータ29、検知部15及び静電型スピーカ12に接続されている。
【0056】
モータ駆動制御部55は、検知部15から検知信号を供給されると、駆動信号をモータ29に出力し、モータ29は、駆動信号に応じた駆動力を駆動ロール27f1及び駆動ロール27f2に与える。制御部331fは、支持ベルト25fが駆動ロール27f1に巻きついた状態であって、且つ支持ベルト25fが駆動ロール27f2に巻きついていない状態を基準として、駆動ロール27f1が回転した角度(以下、回転角度と称する)を、モータ駆動制御部55fが出力した駆動信号に基づいて算出する。制御部331fのROMには、回転角度に対応づけて、巻きついた支持ベルト25fに配置された報知部10f−1〜3の静電型スピーカ12を特定するための情報(位置情報)が記述されている。例えば、制御部331fのROMには、位置情報として、回転角度aに対応づけて報知部10f−3の静電型スピーカ12が巻きつけられた状態である旨、回転角度b(b>a)に対応づけて報知部10f−1,3の静電型スピーカ12が巻きつけられた状態である旨、回転角度c(b>c)に対応づけて報知部10f−1の静電型スピーカ12が巻きつけられた状態である旨が記述されている。制御部331fは、算出した回転角度に対応する位置情報をROMに記憶された情報から特定し、巻きつけられていない状態の静電型スピーカ12に対してのみ音声信号を出力するように制御する。この理由は、人から見ることができない表示内容に関する音を出力しても意味がないし、また、巻きつけられた状態の静電型スピーカ12から音を出力してしまうと、人にとって聞き取りづらい音となるからである。
【0057】
(変形例6)
図15は、変形例6に係る報知装置1gの外観を示した斜視図及び分解図である。報知装置1gは、壁などに固定される台座部30gと、台座部30gに固定された支持部20gと、検知部50g1〜3と、支持部20gによって支持された報知部10g−1〜6とを備えている。報知部10gは、放音手段としての静電型スピーカ12gと、表示手段としての表示部13gとを備えている。
【0058】
支持部20gは、例えば合成樹脂や金属などで形成され、正面方向から見て左右方向に長い長方形のシート状部材である。支持部20gは、所定の間隔で谷折りの折り目と山折りの折り目を繰り返し設けられた状態で台座部30gに固定される。ここでいう谷折りとは、図15(b)の正面方向からみて、折り目の線が内側になるように折ることであり、山折りとは、図15(b)の正面方向からみて、折り目の線が外側になるように折ることである。図15(b)に示したように支持部20gは、左側の辺から順に、谷折りの折り目T1、山折りの折り目Y1、谷折りの折り目T2、山折りの折り目Y2、谷折りの折り目T3が設けられている。報知部10gは、支持部20gの隣り合う谷折りの折り目と山折りの折り目との間に夫々配置される。具体的には、報知部10g−1は支持部20gの左側の辺と谷折りの折り目T1との間に配置され、報知部10g−2は支持部20gの谷折りの折り目T1と山折りの折り目Y1との間に配置され、報知部10g−3は支持部20gの山折りの折り目Y1と谷折りの折り目T2との間に配置され、報知部10g−4は支持部20gの谷折りの折り目T2と山折りの折り目Y2との間に配置され、報知部10g−5は支持部20gの山折りの折り目Y2と谷折りの折り目T3との間に配置され、報知部10g−6は支持部20gの谷折りの折り目T3と右側の辺との間に配置される。検知部50g1,50g2,50g3は、例えば、光を検知するセンサであり、支持部20gの谷折りの折り目T1、谷折りの折り目T2及び谷折りの折り目T3に設けられている。
【0059】
制御ユニット33gは、制御部331g及び信号処理部332を備えており、電源部333、静電型スピーカ12g及び検知部50gに接続されている。制御部331gのROMには、音声データ、プログラム、閾値及び音声管理テーブルが記憶されている。制御部331gのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより報知装置1gの各部を制御する。例えば制御部331gは、検知部50g1から光を検知したことを示す検知信号が供給された場合には、音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力することで、検知部50g1と隣り合う静電型スピーカ12g−1及び静電型スピーカ12g−2に音声信号に応じた音を発生させる。また、制御部331gは、検知部50g2から検知信号が供給された場合には、検知部50g2と隣り合う静電型スピーカ12g−3及び静電型スピーカ12g−4に音声信号に応じた音を発生させる。また、制御部331gは、検知部50g3から検知信号が供給された場合には、検知部50g3と隣り合う静電型スピーカ12g−5及び静電型スピーカ12g−6に音声信号に応じた音を発生させる。一方、制御部331gは、検知部50gから検知信号が出力されていない場合には、音声信号を信号処理部332に出力しない。
【0060】
このように、検知部50gが光を検知した場合のみ、検知部50gと隣り合う静電型スピーカ12gから音を発するようにしているので、人にとって常時音が聞こえるというような煩わしさが抑えられる。また、この場合には、隣り合う静電型スピーカ12gが対向していないから、それぞれの静電型スピーカ12gから発せられる音が混ざることがない。従って、人にとって聞き取りづらい音が発せられることがない。
【0061】
(変形例7)
報知部10を支持する機構として様々な例を挙げたが、この機構は、表示部13及び静電型スピーカ12を支持し、さらに、これら表示部13の表示面及び静電型スピーカ12の放音面とが重ねられた状態を保ちつつ、表示部13及び静電型スピーカ12の姿勢または位置の少なくともいずれか一方を変更可能にするような機構であればよい。姿勢のみを変更可能にした機構とは、例えば図1で示した第1支持部21を報知部10の端部ではなく、中央部付近に設けることで実現し得る。つまり、報知部10は自身の中央部付近を中心にして自転するような場合であり、この場合には、報知部10の姿勢のみが風向きによって変わることになる。また、位置のみを変更可能にした機構とは、例えば報知部10を直線状のレール等に沿って往復移動させるような場合である。この場合、報知部10の姿勢、つまり報知部10の向きは変わらず、その位置のみが変わることになる。
【0062】
(変形例8)
上述した実施形態においては、2枚の電極と1枚の振動体とを備える所謂プッシュプル型の静電型スピーカを用いたが、1枚の電極と1枚の振動体とを備える所謂シングル型の静電型スピーカを用いてもよい。要は、音声信号に応じて変化する電場が形成され、帯電した振動体がこの電場から静電力をうけて変位し、その変位する方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体から発生する構成であればよい。
【0063】
(変形例9)
上述した実施形態においては、制御部331は、単位時間当たりに回転部23が回転した角度(以下、回転速度という)が閾値以上である場合に、音声データを読み出し、この音声データに応じた音声信号を信号処理部332に出力した。しかしながら、制御部331は、回転速度に限らず、回転部23が回転した角度が閾値以上である場合に、音声信号を信号処理部332に出力してもよい。この場合、報知部10の姿勢、つまり報知部10の向きが緩やかに変わるような場合においても、音声データに応じた音声信号が出力されることになる。なお、何れの場合においても、制御部331は、予め決められた時間、または、音声データを再生する時間が終了次第、音声データに応じた音声信号の出力を停止すればよい。
【0064】
(変形例10)
上述した実施形態においては、表示部13は、シート状の静電型スピーカ12の一方の面と他方の面とを覆うように、且つ、これらの各面にそれぞれの表示部13の裏面が接するようにして重ねられていた。しかしながら、表示部13と静電型スピーカ12とは、少なくともその一部が重なり合っていればよい。このような場合においても、静電型スピーカ12の放音面から表示部13の表示面に向かう方向であって、表示部13の表示面に対して垂直な方向に指向性を有し音声信号に応じた音を放音面から発することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…報知装置、10…報知部、11…吊り紐、12…静電型スピーカ、121…振動体、122…弾性部材、123…電極、13…表示部、14…吸音シート、20…支持部、21…第1支持部、22…第2支持部、23…回転部、24…回転検出部、26d…第3支持部、29…モータ、30…台座部、33…制御ユニット、331…制御部、3311…音声管理テーブル、332…信号処理部、333…電源部、40…風力発電部、41…風車、42…回転軸、43…発電機、55…モータ駆動制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音を通す材料で形成され、情報を表示する表示面及びその裏面を有する表示部と、
前記表示部の前記裏面側の位置であって、前記表示面に対して垂直な方向から見たときに当該表示面に重なる位置に設けられた放音面を備え、前記放音面から前記表示面に向かう方向であって、前記表示面に対して垂直な方向に指向性を有し音声信号に応じた音を当該放音面から発する静電型スピーカと、
前記表示部及び前記静電型スピーカを支持し、前記表示面と前記放音面とが重ねられた状態を保ちつつ、前記表示部及び前記静電型スピーカの姿勢または位置を変更可能にした機構と
を有することを特徴とする報知装置。
【請求項2】
前記表示部及び前記静電型スピーカの前記姿勢または前記位置の前記機構による変更量が閾値以上になったことを検知する検知部と、
前記表示部及び前記静電型スピーカの前記姿勢または前記位置の変更量が閾値以上になったことを前記検知部が検知した場合に、前記静電型スピーカに前記音声信号を供給する供給手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
重ねられた状態の前記表示部及び前記静電型スピーカの組を複数有し、
前記供給手段は、
各々の前記静電型スピーカに対応する音声データを記憶し、
各々の前記静電型スピーカに対し、当該静電型スピーカに対応する音声データを読み出して当該音声データに応じた音声信号を供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の報知装置。
【請求項4】
前記機構は、
支柱を備え、当該支柱を中心にして前記表示部及び前記静電型スピーカが回転可能となるよう、当該表示部及び当該静電型スピーカを支持する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−203034(P2012−203034A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64690(P2011−64690)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】