説明

塗布容器

【課題】多数本の刷毛の先端側を密集させることが容易となり、毛先面の全域にわたって均等に内容物を保持させることができるとともに、部品点数が削減されて組立工程が簡素化された塗布容器を提供すること。
【解決手段】塗布容器1は、容器本体2と、その口部3に装着され天壁部4に注出孔5が形成された有頂筒状の塗布具6とを備え、前記天壁部4の外面には、多数本の刷毛21が立設されるとともに、天壁部4および多数本の刷毛21は、合成樹脂材料で一体に形成され、多数本の刷毛21のうちの少なくとも一部における天壁部4との連結部は、注出孔5側に向けて張り出した張出部23とされ、一の刷毛21の張出部23の張り出し量は、該一の刷毛21よりも注出孔5側に位置する他の刷毛21の張出部23の張り出し量よりも大きく、前記少なくとも一部は、それぞれの張出部23の熱収縮によって基端側から先端側に向かうに従い漸次注出孔5側に向けて傾斜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を被塗布面に塗布する塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の塗布容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に装着され内容物を被塗布面に塗布する塗布具と、を備える構成が知られている。前記塗布具は、上面に多数本の刷毛が立設された平坦な円板と、凹曲面状の上壁を有する基体と、を備え、前記円板が、基体に装着されて前記上壁に沿って湾曲されることで、多数本の刷毛が注出孔側に向けて傾斜されている。これにより、多数本の刷毛の先端側の密度が高められ、これらの刷毛がなす毛先面の全域にわたって均等に内容物が保持可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3420044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の塗布容器では、円板を基体に装着する際に、これらの円板および基体それぞれの中心軸を一致させることが困難で、組立工程が煩雑となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、多数本の刷毛の先端側を密集させることが容易となり、毛先面の全域にわたって均等に内容物を保持させることができるとともに、部品点数が削減されて組立工程が簡素化された塗布容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布容器は、内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に装着されるとともに天壁部に注出孔が形成され内容物を被塗布面に塗布可能な有頂筒状の塗布具と、を備える塗布容器であって、前記塗布具の天壁部の外面には、多数本の刷毛が注出孔をその径方向の外側から囲うように立設されるとともに、これらの天壁部および多数本の刷毛は、合成樹脂材料で一体に形成され、前記多数本の刷毛のうちの少なくとも一部における前記天壁部との連結部は、注出孔側に向けて張り出した張出部とされ、一の刷毛における張出部の張り出し量は、該一の刷毛よりも注出孔側に位置する他の刷毛における張出部の張り出し量よりも大きくなっており、前記多数本の刷毛のうちの少なくとも一部は、それぞれの張出部の熱収縮によって、基端側から先端側に向かうに従い漸次、注出孔側に向けて傾斜していることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、多数本の刷毛が、それぞれの張出部の熱収縮によって、基端側から先端側に向かうに従い漸次、注出孔側に向けて傾斜しているので、多数本の刷毛の先端側を基端側に比べて注出孔側に密集させて、多数本の刷毛の先端側の密度を高めることができる。
しかも、一の刷毛における張出部の張り出し量が、該一の刷毛よりも注出孔側に位置する他の刷毛における張出部の張り出し量よりも大きくなっているので、注出孔から離れた位置の刷毛ほど、その張出部の熱収縮量が大きくなり、注出孔側に向けて大きく傾斜することとなる。したがって、多数本の刷毛の先端側を注出孔側により一層密集させることが可能になり、多数本の刷毛の先端側の密度をより一層高めることができる。
さらに、塗布具の天壁部および多数本の刷毛が合成樹脂材料で一体に形成され、前記張出部の熱収縮によって刷毛が前述のように傾斜しているので、例えば複数の部品を組付けることで刷毛を傾斜させる構成と比べて、容易に形成することができる。したがって、多数本の刷毛の先端側を密集させて毛先面の全域にわたって均等に内容物を保持させることができるとともに、組立工程の簡素化を図ることができる。
なお熱収縮とは、成形金型のキャビティ内から取り出された後の冷却過程で生じる収縮である。
【0008】
また、前記多数本の刷毛は、注出孔の軸回りに互いに間隔をあけて配置された複数本の刷毛からなる刷毛列が、注出孔の径方向に間隔をあけて複数列配列されるように配置され、一の刷毛列における各刷毛の張出部の張り出し量は、互いに同等となっていても良い。
【0009】
この場合、一の刷毛列における各刷毛の張出部の張り出し量が、互いに同等となっているので、各刷毛の前記径方向の内側に向けた傾斜量を刷毛列ごとに同等にすることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功される。
【0010】
また、前記天壁部の外面は、その外周縁側から注出孔側に向かうに従い漸次、上側に向けて傾斜していても良い。
【0011】
この場合、天壁部の外面が、その外周縁側から注出孔側に向かうに従い漸次、上側に向けて傾斜しているので、例えば天壁部の上面が傾斜していない場合に比べて、注出孔側に位置する刷毛の長さを短くすることができる。したがって、注出孔側に位置する刷毛の傾斜を安定させることが可能になり、多数本の刷毛の先端側の密度が高められた状態を安定して維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る塗布容器によれば、多数本の刷毛の先端側を密集させることが容易となり、毛先面の全域にわたって均等に内容物を保持させることができるとともに、部品点数が削減されて組立工程が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布容器における要部の縦断面図である。
【図2】図1に示す塗布容器を構成する塗布具の要部の縦断面図である。
【図3】図2に示す塗布具の上面図である。
【図4】図2および図3に示す塗布具の要部の拡大断面図である。
【図5】図1から図4に示す塗布容器の使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図5を参照し、本発明の一実施形態に係る塗布容器を説明する。
図1に示すように、塗布容器1は、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部3に装着されるとともに天壁部4に注出孔5が形成され内容物を被塗布面に塗布可能な有頂筒状の塗布具6と、塗布具6を覆うとともに口部3に装着されたオーバーキャップ7と、を備えている。
なお、容器本体2、塗布具6およびオーバーキャップ7それぞれの中心軸は共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿ってオーバーキャップ7側を上側、容器本体2側を下側といい、また容器軸Oに直交する方向を径方向といい、さらに容器軸Oを中心に周回する方向を周方向という。
【0015】
口部3の外周面には、雄ねじ部3aが形成されている。
オーバーキャップ7の周壁部8は、内周面に前記雄ねじ部3aに螺着される雌ねじ部9aが形成された下筒部9と、下端が下筒部9の上端と連結され下筒部9よりも小径の上筒部10と、を備えている。上筒部10は、その下端が口部3の上端よりも上側に位置しているとともに、下側から上側に向かうに従って漸次縮径している。
またオーバーキャップ7の天壁部11には、容器軸Oと同軸に配置された閉塞筒部12が下側に向けて延設されている。なお図示の例では、この閉塞筒部12の上端部内は中実とされている。
【0016】
塗布具6の周壁部13は、容器本体2の口部3内に液密状態で嵌合されている。この周壁部13の上端には、容器軸Oと同軸に配置され該周壁部13よりも大径の外筒部14の下端が連結されている。外筒部14の下端縁は、口部3の上端縁に当接し、外筒部14の上端縁は、オーバーキャップ7の上筒部10の下端縁に当接している。
【0017】
注出孔5は、塗布具6の天壁部4に容器軸Oと同軸に配置されている。本実施形態では、塗布具6の天壁部4は、容器軸Oと同軸に配置され上側に向けて延在する注出筒15を備えており、この注出筒15の内部が前記注出孔5となっている。
また図示の例では、注出筒15の内周面における容器軸O方向の中間部分には、縮径部16が突設されており、この縮径部16の下端部は、下側から上側に向かうに従って漸次縮径するテーパ状となっている。
【0018】
また注出筒15内には、注出孔5を開閉可能な弁部材17が配設されている。本実施形態では、弁部材17は、注出筒15内に挿通された棒状部材であり、注出筒15の縮径部16の上端部に着座および離反可能な上部弁体18と、注出筒15の縮径部16の下端部に着座および離反可能な下部弁体19と、これらの両弁体18、19を連結する連結部20と、を備えている。
【0019】
連結部20は、外径が注出筒15の縮径部16の内径よりも小さく、かつ容器軸O方向の大きさが縮径部16よりも大きくなっている。これにより、弁部材17は、注出筒15(塗布具6)に対して相対的に上下動可能となっている。なお、連結部20の外周面には、容器軸O方向に延在し縮径部16の内周面に摺接可能な縦リブが周方向に間隔をあけて複数配設されていても良い。
【0020】
そして弁部材17は、上部弁体18が縮径部16の上端部に着座することで注出孔5の上端開口部を閉塞している。なお図示の例では、上部弁体18の上端面は球面状に形成されており、この上端面にオーバーキャップ7の閉塞筒部12が当接することで、弁部材17の上下動が規制されている。また、下部弁体19が注出筒15の縮径部16の下端部に着座した状態で、上部弁体18の上端面は、後述する刷毛21の先端面21aよりも下方に位置する。
【0021】
また図2および図3に示すように、塗布具6の天壁部4の上面には、多数本の刷毛21が注出筒15(注出孔5)を径方向の外側から囲うように立設されている。
本実施形態では、多数本の刷毛21は、周方向に互いに間隔をあけて配置された複数本の刷毛21からなる刷毛列22が、径方向に間隔をあけて複数列配列されるように配置されている。図示の例では、各刷毛列22は、径方向に互いに等しい間隔をあけて配列されるとともに、各刷毛列22の複数本の刷毛21は、周方向に互いに等しい間隔をあけて配置されている。
また、これらの天壁部4および多数本の刷毛21は、合成樹脂材料で一体に形成されている。本実施形態では、塗布具6は、天壁部4、多数本の刷毛21、周壁部13および外筒部14を含めた全体が、射出成形により一体に形成されている。
【0022】
図2に示すように、多数本の刷毛21における天壁部4との連結部は、径方向の内側に向けて張り出した張出部23となっている。また、一の刷毛列22における各刷毛21の張出部23の張り出し量は、互いに同等になっている。さらにまた、一の刷毛21における張出部23の張り出し量は、該一の刷毛21よりも径方向の内側に位置する他の刷毛21における張出部23の張り出し量よりも大きくなっている。
【0023】
図2および図4に示すように、張出部23の上面23aは、凹曲面状となっている。そして、一の刷毛列22における各刷毛21の張出部23は、上面23aの曲率半径が互いに同等となっていることで、張り出し量が互いに同等になっている。また、一の刷毛21における張出部23の上面23aの曲率半径は、該一の刷毛21よりも径方向の内側に位置する他の刷毛21における張出部23の上面23aの曲率半径よりも大きくなっている。これにより、前記一の刷毛21における張出部23の張り出し量は、前記他の刷毛21における張出部23の張り出し量よりも大きくなっている。
【0024】
そして本実施形態では、多数本の刷毛21は、それぞれの張出部23の熱収縮によって、基端側から先端側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて傾斜している。ここで、熱収縮とは、成形金型のキャビティ内から取り出された後の冷却過程で生じる収縮である。
なお図4に示すように、刷毛21の毛先面21aは、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下側に向かって傾斜している。また、熱収縮前の多数本の刷毛21は、容器軸O方向に沿って延在している(図4に示す2点鎖線参照)。
【0025】
また図2に示すように、塗布具6の天壁部4の上面は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、上側に向けて傾斜している。本実施形態では、天壁部4の上面における多数本の刷毛21の配設領域が前述のように傾斜している。図示の例では、この配設領域は、天壁部4の上面において、注出筒15よりも径方向の外側に位置する部分となっている。また、天壁部4の下面は、径方向の外側から内側に向かうに従って漸次上側に向けて傾斜しており、天壁部4は、容器軸O方向に開口する中空の円錐台状になっている。
【0026】
次に、以上のように構成された塗布容器1を用いて内容物を被塗布面に塗布する方法の一例について説明する。
まず、オーバーキャップ7を外す。
次いで、図5に示すように、塗布容器1を刷毛21の毛先面21aが下方に向く姿勢にした状態で、毛先面21aを被塗布面に当てながら塗布容器1を被塗布面に対して進退移動させることで、弁部材17を注出筒15内で容器軸O方向に進退移動させ注出孔5を開閉させる。これにより、注出孔5から内容物を注出するとともに、注出された内容物を多数本の刷毛21によって被塗布面に塗布することができる。なおこの際、多数本の刷毛21の先端側が径方向の内側に密集しているので、被塗布面が狭い場合であっても、内容物の塗布を円滑に行うことができる。
【0027】
内容物の塗布が終了した後、塗布容器1の姿勢を元に戻す。この際、弁部材17は、例えばその自重により下側に向けて移動させられ、上部弁体18が注出筒15の縮径部16の上端部に着座する。なおこの後、必要に応じてオーバーキャップ7を装着しても良い。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る塗布容器1によれば、多数本の刷毛21が、それぞれの張出部23の熱収縮によって、基端側から先端側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて傾斜しているので、多数本の刷毛21の先端側を基端側に比べて径方向の内側に密集させて、多数本の刷毛21の先端側の密度を高めることができる。
しかも、一の刷毛21における張出部23の張り出し量が、該一の刷毛21よりも径方向の内側に位置する他の刷毛21における張出部23の張り出し量よりも大きくなっているので、注出孔5から離れた位置の刷毛21ほど、その張出部23の熱収縮量が大きくなり、径方向の内側に向けて大きく傾斜することとなる。したがって、多数本の刷毛21の先端側を径方向の内側により一層密集させることが可能になり、多数本の刷毛21の先端側の密度をより一層高めることができる。
さらに、塗布具6の天壁部4および多数本の刷毛21が合成樹脂材料で一体に形成され、張出部23の熱収縮によって刷毛21が前述のように傾斜しているので、例えば複数の部品を組付けることで刷毛を傾斜させる構成と比べて、容易に形成することができる。したがって、多数本の刷毛21の先端側を密集させて毛先面21aの全域にわたって均等に内容物を保持させることができるとともに、組立工程の簡素化を図ることができる。
【0029】
また、一の刷毛列22における各刷毛21の張出部23の張り出し量が、互いに同等となっているので、各刷毛21の径方向の内側に向けた傾斜量を刷毛列22ごとに同等にすることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功される。
【0030】
また、天壁部4の上面が、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、上側に向けて傾斜しているので、例えば天壁部4の上面が傾斜していない場合に比べて、径方向の内側に位置する刷毛21の長さを短くすることができる。したがって、径方向の内側に位置する刷毛21の傾斜を安定させることが可能になり、多数本の刷毛21の先端側の密度が高められた状態を安定して維持することができる。
【0031】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、オーバーキャップ7および弁部材17を備えるものとしたが、これらはなくても良い。
【0032】
また、前記実施形態では、注出孔5は容器軸Oと同軸に配置されているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、注出孔5の中心軸と容器軸Oとが互いにずらされていても良い。さらに、前記実施形態では、注出筒15の内部が注出孔5とされているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、注出孔5は、注出筒15を備えていない天壁部4に形成された貫通孔であっても良い。さらに、注出孔5を複数の前記貫通孔によって構成してもよい。
【0033】
また、前記実施形態では、多数本の刷毛21の全てにおける天壁部4との連結部が、張出部23となっているものとしたが、これに限られるものではなく、多数本の刷毛21の少なくとも一部における天壁部4との連結部が、張出部23となっていれば良い。
また、前記実施形態では、多数本の刷毛21は、周方向に互いに間隔をあけて配置された複数本の刷毛21からなる刷毛列22が、径方向に間隔をあけて複数列配列されるように配置されているものとしたが、天壁部4の上面に多数本の刷毛21が注出孔5を径方向の外側から囲うように立設されていれば、このように配置されていなくても良い。
【0034】
また、前記実施形態では、張出部23の上面23aが凹曲面状となっているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、張出部23の上面23aが直線状に傾斜していても良い。この場合、例えば、前記上面23aの傾斜角度を一定とした状態で張出部23の肉厚を変えることで張り出し量を調整したり、前記傾斜角度を変えることで張り出し量を調整したりすることができる。
さらに、張出部23は、底面が刷毛21の下端縁を含む面に連結されるとともに、側面の一部が天壁部4の上面に連結された錐体であっても良い。
【0035】
また、前記実施形態では、天壁部4の上面は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次上側に向けて傾斜しているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば傾斜していなくても良い。
【0036】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 塗布容器
2 容器本体
3 口部
4 天壁部
5 注出孔
6 塗布具
21 刷毛
22 刷毛列
23 張出部
O 容器軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
該容器本体の口部に装着されるとともに天壁部に注出孔が形成され内容物を被塗布面に塗布可能な有頂筒状の塗布具と、を備える塗布容器であって、
前記塗布具の天壁部の外面には、多数本の刷毛が注出孔をその径方向の外側から囲うように立設されるとともに、これらの天壁部および多数本の刷毛は、合成樹脂材料で一体に形成され、
前記多数本の刷毛のうちの少なくとも一部における前記天壁部との連結部は、注出孔側に向けて張り出した張出部とされ、
一の刷毛における張出部の張り出し量は、該一の刷毛よりも注出孔側に位置する他の刷毛における張出部の張り出し量よりも大きくなっており、
前記多数本の刷毛のうちの少なくとも一部は、それぞれの張出部の熱収縮によって、基端側から先端側に向かうに従い漸次、注出孔側に向けて傾斜していることを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
請求項1記載の塗布容器であって、
前記多数本の刷毛は、注出孔の軸回りに互いに間隔をあけて配置された複数本の刷毛からなる刷毛列が、注出孔の径方向に間隔をあけて複数列配列されるように配置され、
一の刷毛列における各刷毛の張出部の張り出し量は、互いに同等となっていることを特徴とする塗布容器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の塗布容器であって、
前記天壁部の外面は、その外周縁側から注出孔側に向かうに従い漸次、上側に向けて傾斜していることを特徴とする塗布容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−31928(P2011−31928A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179360(P2009−179360)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】