説明

塗布装置

液体、ペースト、またはゲルの形態の物質を塗布するための塗布装置が、少なくとも一部分が可撓である容器(2)、を備え、容器(2)が、断面がアーチ形であって、内部に1つ以上の第1の開口(14)が形成されている塗布部を含む。1つ以上の第2の開口(22)が形成された弾性バルブ膜(18)が、前記塗布部へと接続され、前記塗布部に重なって位置している。前記第1の開口(14)は、前記第2の開口(22)からずらされている。通常は前記バルブ膜(18)が前記塗布部に係合し、したがって通常は前記第1の開口(14)が前記バルブ膜(18)によって閉じられているが、前記容器の前記可撓な部分へと圧力を加えることで、前記容器の圧力が上昇し、結果として前記バルブ膜(18)が自身の弾性に逆らって前記塗布部から離れるように押される。前記第2の開口(22)は、前記バルブ膜(18)が前記塗布部に係合しているときは閉じられているが、前記バルブ膜(18)が前記塗布部から押し離されるときに開かれるスリットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、ペースト、またはゲルの形態の物質を表面(特に、人体)へと塗布するための塗布装置に関し、特にデオドラント塗布装置、すなわち自然の体臭を抑制または隠蔽する目的でデオドラント組成物または芳香性組成物を人間の皮膚へと塗布するための装置に関する。さらに具体的には、本発明は、少なくとも一部分が可撓であり、断面がアーチ形であって、内部に1つ以上の第1の開口が形成されている塗布部を含む容器と、前記塗布部へと接続され、前記塗布部に重なって位置しており、1つ以上の第2の開口が形成されている弾性バルブ膜と、を備え、前記第1の開口が、前記第2の開口からずらされており、通常は前記バルブ膜が前記塗布部に係合し、したがって通常は前記第1の開口が前記バルブ膜によって閉じられているが、前記容器の前記可撓な部分へと圧力を加えることで、前記容器内の圧力が上昇し、結果として前記バルブ膜が自身の弾性に逆らって前記塗布部から離れるように押される形式の塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3つの基本的な形式のデオドラント塗布装置が公知であり、幅広く使用されている。第1はスティック式であり、デオドラント組成物を含浸させたろう質の担体材料のスティックが、一端を露出させた状態でチューブの内側に収容されている。スティックを皮膚にこすりつけることで、少量の担体材料、したがってデオドラント組成物が、皮膚へと塗布される。しかしながら、デオドラント組成物は、比較的揮発性であって、徐々にろう質の担体材料から気化してしまうため、このようなスティック式のデオドラントは、時間とともに効果が失われていく。第2の公知の形式のデオドラント塗布装置は、いわゆるローラボール式であり、デオドラント組成物が液体の形態で容器に収容され、容器の上端が、球形の塗布ボールを回転可能に収容する、部分的に球形の座を提供している。容器を逆さまにし、塗布ボールを皮膚に接触させて転がすと、ボールが座において回転し、デオドラント組成物の薄い層が、容器の内部からボールの表面に接している皮膚へと運ばれる。この塗布装置における問題は、塗布ボールおよび座の製造にかなりのコストが必要な点にある。第3の公知の種類のデオドラント塗布装置は、加圧エアゾール式である。デオドラント組成物が、高圧ガスとともにエアゾール缶に収容され、必要に応じて皮膚へと噴霧される。しかしながら、デオドラント組成物のかなりの部分が塗布時に大気中へと必然的に失われてしまうほか、エアゾール缶の製造が高価につき、さらにはエアゾール缶の使用が、環境上の理由でますます望ましくないものと考えられるようになってきている。
【0003】
最初の段落で述べた形式である第4の形式の塗布装置が、米国特許第5,743,441号(Baudin)から知られている。この形式の塗布装置には、2つの問題が存在する。第1に、送出される物質が膜の開口において固化しがちであり、膜の開口を塞いで、それに続くリザーバ内の物質の送出を妨げがちである。第2に、ユーザがリザーバに力を作用させ、リザーバを変形させてリザーバ内の圧力を高めることによって、リザーバからいくらかの物質を吐出させた後で、リザーバへの力が緩められると、膜が再び塗布部に接するように移動する。その結果、送出された物質の体積を置換すべく空気が容器内へと通過することができる経路が、存在しなくなってしまう。したがって、リザーバが大気圧を下回った圧力のままになり、つまり、変形した形状のままとなる。このことは、審美的な理由および、後の物質の送出がより困難になるという理由の両方で望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点を克服し、特に安価かつ簡単に製造でき、液体、ペースト、またはゲルの形態の物質を喪失または劣化を生じることなく長期にわたって保存することができる塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、上述した形式の塗布装置が、前記第2の開口がスリットであり、そのようなスリットが、前記バルブ膜が前記塗布部に係合しているときは閉じられており、前記バルブ膜が前記塗布部から押し離されるときに開かれることを特徴とする。
【0006】
このように、本発明による塗布装置は、使用時に、流動可能な形態の組成物(典型的には、デオドラント組成物)を収容する。容器の内部が、容器の塗布部に形成された複数の開口を介して大気に連通することができる。伸縮または弾性材料からなるバルブ膜が、容器へと接続され、塗布部を覆うように位置しており、バルブ膜には、複数のスリットが形成されている。前記開口は、これらのスリットからずらされている。バルブ膜が、通常は塗布部の表面に係合しており、したがって通常は前記開口を閉鎖または密封している。したがって、望まれないデオドラント組成物の大気への放出およびデオドラント組成物の気化が防止される。しかしながら、容器が逆さまにされ、容器の可撓な部分へと圧力が加えられると、容器の内部の圧力が上昇する。この圧力の上昇がバルブ膜の下面に作用し、バルブ膜が、前記開口を通ってバルブ膜へと作用する圧力の作用によって、塗布部から離れるように動かされる。これにより、塗布部の表面と対向するバルブ膜の表面との間に小さなすき間が形成される。その結果、デオドラント組成物が、高くなった圧力の作用のもとでこのすき間へと流入し、このすき間からバルブ膜の下面へと圧力を加えて、スリットの周囲の膜を変形させ、スリットを広げてスリットを通って大気へと流れる。塗布部を皮膚に接触させることで、デオドラント組成物の層が皮膚へと塗布される。容器の可撓な部分へと加えられた圧力が取り除かれると、容器内の圧力がおそらくは大気圧未満の値へと低下し、塗布部とバルブ膜との間のすき間のデオドラント組成物が、容器へと吸い戻される。次いで、バルブ膜が、低下した圧力の作用および自身の固有の弾性の作用のもとで、再び塗布部に接触した状態へと復帰する。スリットが、バルブ膜の弾性の作用のもとで完全に閉じ、前記開口が、バルブ膜が塗布部に係合することによって再び閉じられ、結果として容器の内部が大気に対して再び密封される。バルブ膜が塗布部に接するときにスリットが完全に閉じられるという事実によって、デオドラントまたは他の流動性の物質が、スリット内に残ることがあり得ない。したがって、流動性の物質がバルブ膜の開口に残り、後に硬化してこれらの開口を塞ぐ恐れがなくなる。
【0007】
前記塗布部に、バルブ膜が収容される凹所が設けられ、この凹所の深さは、バルブ膜の厚さに実質的に等しいことが好ましい。これにより、塗布部が、平滑な連続面を提供することができる。
バルブ膜を、任意の所望のやり方で容器へと接続することができるが、この接続が、バルブ膜のうちの前記開口を通常は封じている部位の可動性を可能にするために、バルブ膜の外周端、または少なくとも外周端の近傍に位置すべきであることを、理解できるであろう。好ましい実施形態においては、前記塗布部およびバルブ膜の外周端が、バルブ膜を容器へと接続する互いに噛み合う凹所および突起からなる手段を有している。
バルブ膜の下面、すなわちバルブ膜のうちの塗布部の表面へと向いた方の表面は、平滑であってもよいが、前記開口の封止の完全性を高めるために、複数の隆起を有することが好ましく、これらの隆起のサイズおよび配置が前記開口のサイズおよび配置に対応することで、前記開口の各々がそれぞれの隆起によって通常は封じられ、あるいは塞がれることが好ましい。
容器が2つの部分からなる形式であって、可撓な材料からなる本体を備え、前記塗布部を提供する実質的に剛な材料からなるキャップが、前記本体へと接続されることが好ましい。キャップは、任意の所望の方法で本体へと接続することが可能であるが、本体へとはめ込みによって接続されるのが好ましい。
【0008】
上述の第1の態様とは別個独立に使用することができ、あるいは上述の第1の態様に組み合わせることもできる本発明のさらなる態様によれば、上述した形式の塗布装置が、前記塗布部に穴が形成されており、前記膜が、前記穴に収容されて、前記穴と協働して容器の内部と連通する第1の空気通路を画定する突起を保持しており、前記膜および前記塗布部が、前記第1の空気通路と大気とに連通する第2の空気通路を協働して画定しており、前記突起が、弾性頭部部分を保持しており、該弾性頭部部分が、通常は前記塗布部の内表面に係合して、前記塗布部の内表面とシールを形成することで、前記第1の空気通路を封じているが、前記容器の内部が大気圧未満となるときには、前記第1の通路の大気圧の作用のもとで変形でき、前記塗布部との係合から離れるように動いて、前記容器の内部を大気へと接続することを特徴とする。塗布装置の内側の圧力が大気圧よりも高いとき、前記頭部部分が塗布部の内側へと押し付けられ、シールの有効性を高める。塗布装置の内側の圧力が大気圧よりも低いとき、頭部部分が塗布部の内側から離れるように変形させられ、シールが破れて空気が塗布装置へと進入できるようになる。このようにして、(各々の)通気栓が、一方向弁として機能し、塗布装置への空気の進入を許すが、塗布装置の外への物質の通過は阻止する。これにより、大気圧を下回る容器の内部の圧力を緩和でき、容器が当初の変形のない形状へと復帰できるようになる。
【0009】
このように、広げられた頭部部分を有する(各々の)突起と、突起を収容する塗布部の穴とが、関連のない2つの機能を果たす。すなわち、膜を所定の位置に保持するように機能するだけでなく、容器の中身の一部が送出された後に容器への空気の進入を可能にする逆止弁としても機能する。
本発明のさらなる特徴および詳細が、添付の図面を参照しつつあくまでも例として提示される1つの具体的な実施形態についての以下の詳細な説明から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるデオドラント塗布装置の正面図である。
【図2】図1の塗布装置の側面図であり、デオドラント組成物を塗布すべく圧迫されたときに容器の外形を示している。
【図3】図1および2の塗布装置の平面図であり、バルブ膜のスリットを示している。
【図4】バルブ膜を取り去った図1および2の塗布装置の平面図であり、開口および塗布部ならびにスリットの相対位置を示している。
【図5】キャップの容器との係合をさらに詳しく示している。
【図6】容器の内側の圧力によって物質がスリットを通って押し出されるときの膜および塗布部の一部分の拡大図である。
【図7】図6と同様の図であるが、膜のスリットが閉じられた状態で示されている。
【図8】膜をさらに詳しく示している。
【図9】通気栓および膜の外周端をさらに詳しく示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示した塗布装置は、本体2とキャップ4とで構成される容器を備えている。本体2は、ポリプロピレンなどの柔軟なプラスチック材料で製作され、水平断面においておおむね矩形の形状である。キャップ4は、例えばポリエチレンなどの硬いプラスチック材料である。キャップ4の下端の形状は、本体の上端の形状に一致しているが、キャップ4の上端はドーム状であり、すなわち縦断面においてアーチ形である。キャップは、薄い中空の殻で構成されており、下部の開放端の内表面に、環状の内向きの隆起部6が存在しており、隆起部6の上方に環状の凹所8が存在している。本体2の上部に、環状の水平方向の段差が存在しており、この段差から環状のフランジ10が直立している。フランジ10の外表面に、外向きの環状の隆起部12が形成されている。キャップが、環状の隆起部6を環状の隆起部12を超えて押し込むことによって本体へとはめ込まれ、キャップが本体に固定される。
【0012】
キャップ4のドーム状の部位の上面に、典型的には深さが1〜3mmである浅い凹所が形成されている。この凹所の領域が、容器の塗布部を構成する。凹所の底に、図4に見られるように、複数の小開口14が形成されている。凹所の底に、複数(この場合には、2つ)の穴16が形成されているが、その目的については後述する。キャップの凹所の中に、弾性材料(この場合には、エラストマ材料)からなるバルブ膜18が位置している。膜18の厚さは、凹所の深さにおおむね等しく、すなわちキャップの上面および膜が、滑らかな連続面をもたらすことができる。おおむねキノコ形の通気栓20を構成する2つの杭が、膜18の下面に一体に形成され、下方へと延びている。各々の杭が、下向きに断面積がわずかに増加している幹19を備え、穴16の直径よりも大きい直径を有する頭部21を終端としている。通気栓20の位置は、穴16の位置に対応している。膜18が容器へと接続されるとき、通気栓20が穴16に整列させられ、穴16へと押し込まれ、結果として通気栓20が頭部21によって穴に保持され、膜18を凹所内の所定の位置に保持する。
【0013】
膜18の内部には、図3に見られるように、複数のスリット22が形成されている。膜18が所定の位置にあるとき、スリット22は、開口14から外れており、したがって、各々の開口14が、エラストマ材料によって覆われている。実際には、膜18上の通気栓20の間隔は、力が加えられていない状態にあるとき、穴16の間隔よりもわずかに小さく、すなわち膜が容器へと取り付けられるとき、膜を膜の弾性に逆らってわずかに引き伸ばすことが必要である。このことは、膜がわずかに引っ張られることを意味し、キャップがドーム状であるがゆえに、この引っ張りによって膜が凹所の表面にしっかりと接触した状態に保持され、開口14が膜によって確実に封じられることを意味する。
膜18は、滑らかな外表面を有している。さらに膜は、キャップの凹所の表面に係合する滑らかな内表面を有することができるが、この好ましい実施形態においては、複数の下向きの隆起24が、膜18の内表面に一体に設けられ、隆起24のサイズおよび配置が、開口14のサイズおよび配置に対応している。したがって、各々の開口14が、それぞれの隆起24と協働し、隆起24によって効果的に封じられる。
【0014】
各々の通気栓の幹19が、自身が収容される穴16の直径よりも幾分か小さい直径を有することで、気体の通路が定められている。各々の幹の長さは、キャップ4の上面の凹所の領域のキャップ4の厚さよりも、きわめてわずかに小さい。したがって、各々の通気栓の頭部21が、通常はキャップ4の下面に密に接触している。膜18の下面、または、この事例では塗布部4の上面に、気体の通路27が、各々の穴16に組み合わせて形成されており、通路27の一端が該当の穴16と連通し、通路27の他端が、膜18の自由端の球根状の部分29に形成された1つ以上のスロット28を介して大気に連通している。
【0015】
使用時、容器の本体2が、例えば液体デオドラント調合物で満たされ、次いでキャップ4が、実質的に下向きの力を加えることによって本体2へとはめ込みによって接続される。当然ながら、本体とキャップとの間に任意の適切な接続の形態を使用できることを、理解できるであろう。キャップの本体への装着前または装着後に、バルブ膜18が、キャップの上部の凹所に配置され、通気栓20によって所定の位置に固定される。膜18の張力と膜18に設けられた隆起24との協働、ならびに通気栓の頭部21とキャップの下面との間のシールによって、容器の密封が保証され、したがってデオドラント組成物の蒸発または大気による劣化がないように保証される。デオドラント組成物の塗布が望まれる場合には、容器を逆さまにし、容器の側壁へと圧力を加えることで、容器が図2に示されている方法で変形させられる。この変形の結果として、容器内の圧力が高くなり、この高くなった圧力が、開口14を通って膜18の下面に作用する。結果として、膜が、膜の弾性に逆らって、凹所の底からわずかに離れるように移動する。この膜の動きにより、膜と凹所の底との間に狭いすき間が形成され、このすき間へと、デオドラント組成物が容器内の高くなった圧力の作用のもとで流入する。膜の下面へと加わる圧力によって、スリット22の周囲において膜の局所的な変形が生じ、充分な圧力が作用したときにスリットが開かれる。その結果、デオドラント組成物が、膜のスリット22を通って流出でき、デオドラント組成物をユーザの皮膚へと塗布することができる。容器内の高くなった圧力が、通気栓の頭部21に作用して、キャップ4の下面との接触圧力を高め、穴16のシールの完全性を向上させる。充分なデオドラント組成物が塗布されると、容器の本体2への圧力が緩められる。この結果として、容器内の圧力が低下し、膜と凹所の底との間のすき間に位置するデオドラント組成物が、容器へと引き戻される。膜が、容器内の低くなった圧力の作用および/または自身の固有の弾性の作用のもとで、凹所の底に接する元の位置へと復帰する。その結果、凹所の底の開口14が再び封じられ、容器の内部が再び大気から密封される。膜の下方に作用する圧力が低下するとき、スリット22が、膜の弾性の作用のもとで閉じる。この作用により、余分な物質(通常であれば、その場で乾燥してスリットを詰まらせ、あるいは望ましくないものとしてユーザの目に触れてしまう)が追い出される。
【0016】
塗布装置の内部の圧力が大気圧よりも低いとき、通路27、28を介して大気に連通しているがゆえに大気圧にある穴16内の空気が、通気栓の頭部21に圧力を作用させ、頭部21を押してキャップの下面との接触から離す。その結果、空気が、塗布部の通路28を通って通気栓20へと流れ、通気栓20から該当の穴16を通って容器へと流れる。これが、容器の内部の圧力の大気圧との同化をもたらし、容器が自身の固有の弾性の作用のもとで元の形状へと復帰することを可能にする。
【0017】
上述した特定の実施形態について、多数の変更が可能であることを、理解できるであろう。特に、キノコ形の通気栓と塗布装置の頭部と関連した穴とを備える一方向弁を、省略することが可能であり、あるいは膜へのスリットの形成とは別個独立に採用できること、ならびに採用される一方向弁の個数が別の個数でもよいことを、理解できるであろう。さらに、塗布装置が、主としてデオドラント組成物において使用されるように意図されているが、制汗用の組成物、ひげそり用ジェル、または薬用クリームなどといった他の物質を塗布するためにも使用できることを、理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、ペースト、またはゲルの形態の物質を塗布するための塗布装置であって、
少なくとも一部分が可撓であり、断面がアーチ形であって1つ以上の第1の開口が形成されている塗布部を含む容器と、
前記塗布部へと接続され、前記塗布部に重なって位置しており、1つ以上の第2の開口が形成されている弾性バルブ膜とを備え、
前記第1の開口が、前記第2の開口からずらされており、通常は前記バルブ膜が前記塗布部に係合し、したがって通常は前記第1の開口が前記バルブ膜によって閉じられているが、前記容器の前記可撓な部分へと圧力を加えることで、前記容器内の圧力が上昇し、結果として前記バルブ膜が自身の弾性に逆らって前記塗布部から離れるように押される塗布装置であり、
前記第2の開口が、前記バルブ膜が前記塗布部に係合しているときは閉じられており、前記バルブ膜が前記塗布部から実質的に押し離されるときに開かれるスリットであることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記塗布部の表面に、前記バルブ膜が収容される凹所が設けられており、該凹所の深さが、前記バルブ膜の厚さに実質的に等しい請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記塗布部および前記バルブ膜の外周端が、前記バルブ膜を前記容器へと接続する互いに噛み合う凹所および突起からなる手段を有している請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記バルブ膜のうちの前記塗布部へと向いた方の表面が、複数の隆起を有しており、該隆起のサイズおよび配置が、前記第1の開口のサイズおよび配置に対応していることで、前記第1の開口の各々が、それぞれの隆起によって通常は塞がれている請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記塗布部に、穴が形成されており、
前記膜が、前記穴に収容されて、前記穴と協働して前記容器の内部と連通する第1の空気通路を画定する突起を保持しており、
前記膜および前記塗布部が、前記第1の空気通路と大気とに連通する第2の空気通路を協働して画定しており、
前記突起が、弾性頭部部分を保持しており、該弾性頭部部分が、通常は前記塗布部の内表面に係合して、前記塗布部の内表面とシールを形成することで、前記第1の空気通路を封じているが、前記容器の内部が大気圧未満となるときには、前記第1の通路の大気圧の作用のもとで変形でき、前記塗布部との係合から離れるように動いて、前記容器の内部を大気へと接続する請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記膜が、複数の突起を有しており、各々の突起が、前記塗布部のそれぞれの穴に収容される請求項5に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−504116(P2011−504116A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530553(P2010−530553)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003652
【国際公開番号】WO2009/056819
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(506318632)カーボナイト コーポレーション (9)
【氏名又は名称原語表記】CARBONITE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】El Dorado Building, 2nd Floor, 52nd & Elvira Mendez Streets, P.O.Box 1358 WTC, Panama (PA)
【Fターム(参考)】