説明

塗料用組成物

【課題】より優れた帯電防止技術を提供することにより、より好ましい帯電防止膜を備えた物品を提供するために用いられる塗料用組成物を提供する。
【解決手段】分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を有する重合体を含む塗料用組成物であり、不飽和カルボン酸エステルが下記式(1)で表される塗料用組成物


[式中、R1は、C2〜C8のアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基またはC6〜C13のアリール基であり、R2は、水素原子またはメチル基であり、nは、1〜3の数であり、OAは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、またはオキシブチレン基である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料用組成物に関する。特に、本発明は、(メタ)アクリル系重合体を含む帯電防止性塗料用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料に要求される性能評価の一つとして塗膜時の美的意匠および塗膜外観が挙げられる。しかしながら、従来の技術では、低温乾燥時(冬期)、または高温高湿時(梅雨期〜夏期)に塗装した場合、塗膜にチヂミ(塗膜表面がちりめん模様となる現象)が生じ、美麗な塗膜外観が得られ難いという欠点があった。また、重合体エマルションからなる塗料用組成物では重合体合成時に重合体エマルションの重合安定性が悪い場合、未反応で残存する単量体が塗膜にムラやまだら、透けといった欠陥を引き起こし、均一な膜厚に塗装することは困難であり、かような場合には、一般的に塗膜性能、光沢、塗膜の平滑性、被塗物への付着性、耐薬品性あるいは耐候性などが極めて悪いものであった。以上の観点から、従来の技術は、塗膜外観に関する欠陥について、細心の考慮が払われているとは言いがたいものであった。
【0003】
上記の欠点を改善する手段の一つとして、一般的に重合安定性に優れ、低臭性、低気泡性および帯電防止性も有する(メタ)アクリル系重合組成物が塗料用組成物として用いられている。しかしながら、それでも上記の欠点の改善が不十分な場合には、(メタ)アクリル系重合組成物塗料に帯電防止機能を付与する手法がとられている。帯電防止機能を付与する手法としては、界面活性剤からなる帯電防止剤を物品の表面に塗布する手法(例えば、特許文献1)やカーボンブラックを混入した組成物を利用する手法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−13350号公報
【特許文献2】特開2005−186550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の帯電防止剤を用いた組成物の帯電防止効果は一時的なものであり、早期に低下する。また、特許文献2に記載のカーボンブラックを混入した組成物は、その作業工程が煩雑であり、物品の表面が汚れるという難点を有している。
【0006】
また、界面活性剤への帯電防止剤の練り込みやコーティングは透明性の低下や着色といった問題を抱えている。その際、練り込みによるフィルム物性の低下は、表面のインキ密着不足、またコストアップなどの問題を引き起こすことが懸念されている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、より優れた帯電防止技術を提供することにより、より好ましい帯電防止膜を備えた物品を提供するために用いられる塗料用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者などは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、(ポリ)オキシアルキレン鎖を分子内に含むメタクリル酸エステルを、反応性単量体として用いた重合体組成物を含む塗料用組成物が、塗装後に帯電防止の効果に優れた塗膜物性を有していることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を有する重合体を含む塗料用組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、(ポリ)オキシアルキレン鎖を分子内に含む不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を有する重合体を含む塗料用組成物を用いることで、優れた帯電防止効果を有する塗膜が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を有する重合体を含む塗料用組成物を提供する。
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、下記好ましい実施形態に制限されない。
【0013】
本発明の塗料用組成物に使用される重合体は、分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を含むものであれば特に制限されないが、少なくとも下記式(1)で表される(ポリ)オキシアルキレン鎖((OA))を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を含む重合体であることが好ましい。
【0014】
【化1】

【0015】
上記式(1)において、RはC2〜C8のアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、またはC6〜C13のアリール基を表わす。ここで、C2〜C8のアルキル基は、炭素原子数2〜8の直鎖または分岐のアルキル基である。具体的には、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基または2−エチルヘキシル基、などの直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。これらのうち、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基がより好ましい。また、C3〜C8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、2−あるいは3−メチルシクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基またはシクロオクチル基、などのシクロアルキル基が挙げられる。さらにまた、C6〜C13のアリール基としては、フェニル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基およびビフェニリル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。これらのうち、n−ブチル基が特に好ましい。
【0016】
が上述したような基であれば、乳化重合を効率よく進行させ、反応器内部に付着する付着物および凝集物の生成を抑制・防止し、さらに得られる重合体エマルションの重合安定性および機械安定性を保持することができる。また、かような場合、小粒子径の重合体エマルションを生成できるとともに、耐水性、堅牢度および透明性を向上させることも可能である。
【0017】
また、上記式(1)中、Rは水素原子またはメチル基である。nは、式(1)中に存在するオキシアルキレン基の平均の個数を示し、1〜3の数である。nが3を超える場合には、乳化重合時の凝集物の生成量が増加し、生成した重合体エマルションの重合安定性や機械安定性が低下するおそれがあるなど好ましくない。
【0018】
OAは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、またはオキシブチレン基である(すなわち、Aは、エチレン基、トリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、またはテトラメチレン基、sec−ブチレン基またはtert−ブチレン基である)。好ましくは、OAは、オキシエチレン基またはオキシプロピレン基であり、より好ましくはオキシエチレン基である。このようなオキシアルキレン基であれば、製造コストを抑え、適度な親水性を付与し、乳化重合を効率よく進行し、反応器内部に付着する付着物および凝集物の生成を抑制・防止し、さらに得られる重合体エマルションの重合安定性および機械安定性を保持することができる。また、このOAの平均付加モル数nを変化させることで単量体の分散性、疎水性などをコントロールできるため、所望の特性や使用用途に応じてnの範囲を適宜決定するのがより好ましい。なお、上記式(1)中、OAが複数個存在する、すなわち、式(1)中のnが2以上である場合には、OAで定義されるオキシアルキレン基は、1種類のみで構成されていてもよいほか、2種類以上で構成されていてもよい。オキシアルキレン基が2種類以上で構成される場合には、2種類以上のオキシアルキレン基がランダムに配置されていてもよく、それぞれがブロックで配置されていてもよい。
【0019】
上記(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステルの製造方法は、特に制限されないが、一般的な公知のエステル合成法を利用することができる。例えば、不飽和カルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物とアルコールとの縮合反応などである。上記アルコールはグリコールエーテルまたはグリコールであり、グリコールを用いた場合は、グリコールエーテルを合成した後にエステル合成に用いることもでき、またはエステルを合成後に一般的なエーテル合成反応で末端のヒドロキシル基を保護して用いることもできる。
【0020】
本発明に係る重合体は、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を少なくとも含むものであればよい。したがって、本発明に係る重合体は、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルの単独重合体、または上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルおよび当該不飽和カルボン酸エステルと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
【0021】
ここで、本発明に係る重合体が上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルおよび当該不飽和カルボン酸エステルと共重合可能な他の単量体(本明細書では、単に「他の単量体」とも称する)との共重合体である場合の、使用できる他の単量体は、特に制限されないが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの上記カルボン酸の塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレ−ト、アセトニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレ−トアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール−1,4−(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルアミノスチレン、ニトロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのオレフィン;アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジエチルフマレートなどが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルが好ましく、(メタ)アクリル酸および芳香族ビニルがより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、p−メトキシスチレンがより好ましく、(メタ)アクリル酸、スチレンが特に好ましい。上記他の単量体は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。なお、本願の「(メタ)アクリル酸」との記載はアクリル酸またはメタクリル酸を、「(メタ)アクリレート」との記載はアクリレートまたはメタクリレートを示す。
【0022】
ゆえに、本発明に係る重合体は、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルの単独重合体、または、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位ならびに(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルからなる群より選択される少なくとも一種の単量体由来の構成単位を有する共重合体であることが好ましく、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルの単独重合体、または式(1)の不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位ならびに(メタ)アクリル酸および芳香族ビニルからなる群より選択される少なくとも一種の単量体由来の構成単位を有する共重合体であることがより好ましい。
【0023】
本発明に係る重合体が上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルと他の単量体との共重合体である場合の、重合体の組成は、特に制限されないが、上記帯電防止性の優れた性能を発揮できることが好ましい。具体的には、上記式(1)の不飽和カルボン酸エステルの含量が、単量体の全質量100質量部に対して、40〜99質量部で含まれるのが好ましく、40〜60質量部で含まれるのがより好ましい。
【0024】
前記不飽和カルボン酸エステルおよび必要であれば他の単量体の重合方法は、特に制限されないが、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、界面重合法などが用いられうる。例えば、アクリル酸エステルを重合するときは、一般的な乳化重合法に従い、乳化剤の存在下に、前記アクリル酸エステルまたは他の単量体を(共)重合することによるアクリル系樹脂の製造方法であってよい。一般的な乳化重合法は、例えば、前記成分を、水の中で予め乳化しておき、これを加熱攪拌下、重合開始剤とともに滴下する方法などである。
【0025】
前記乳化剤は、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤であり、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も用いることができる。前記カチオン性乳化剤は、例えば、ドデシルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウム塩または4級アンモニウム塩などであり、前記アニオン性乳化剤は、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;脂肪酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪族カルボン酸塩;ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩など);ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウムなどのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩など;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、モノアルキルスルホコハク酸ジナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸塩または硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素(不飽和)二重結合とを分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤などであり、前記ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルなどのポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物などのポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートなどのポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのソルビタン化合物などであり、前記両性乳化剤は、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどである。これらは、単独で用いても、適宜選択した2種以上を組み合わせて用いてもよい。乳化剤の添加量は、特に制限されないが、単量体の全質量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜15質量部、特に好ましくは2〜8質量部である。かような量の乳化剤存在下であれば、全重合体組成物を十分に乳化できる。
【0026】
乳化重合時に使用する重合開始剤としては、熱または還元性物質などによりラジカル分解してラジカル重合性不飽和単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などを使用できる。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイト、ベンゾイルパーオキサイド、o−メトキシベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、メチルプロパンイソ酪酸ジメチルなどのアゾ系化合物などが挙げられる。また、過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物などである。有機または無機過酸化物は、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤を形成してもよい。還元剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ロンガリットなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、適宜選択した2種以上を組み合わせて用いてもよく、過硫酸アンモニウムを用いるのが好ましい。重合開始剤の添加量は、特に制限されず、目的とする乳化重合物の所望の分子量に応じて適宜調整できる。重合開始剤の添加量は、単量体の全質量100質量部に対して、好ましくは0.1〜17質量部、より好ましくは0.7〜10.5質量部、特に好ましくは4.5〜5.5質量部である。このような量の重合開始剤存在下であれば、全重合体組成物を十分重合できる。
【0027】
また、重合体の分子量を調節するために連鎖移動剤の添加も可能である。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプタン系化合物、クロロホルム、四塩化炭素などの有機ハロゲン化物、スルフィドベンゼン、イソプロピルベンゼン、塩化第二鉄などが挙げられる。
【0028】
乳化重合の反応温度は、ラジカル重合が起こりうる温度であれば、特に制限はされないが、100℃以下が好ましく、より好ましくは70〜90℃であり、特に好ましくは75〜85℃である。以上のようにして乳化重合することによって、上記の(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステルが十分に乳化重合した乳化重合物を含む重合体エマルションが得られる。
【0029】
このようにして得られた乳化重合物は、分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を含む重合体であれば、その分子量は特に制限されない。好ましくは、本発明に係る上記重合体(乳化重合物)の質量平均分子量は、1000〜1000000であり、より好ましくは10000〜100000である。このような分子量の重合体であれば、十分な帯電防止性を付与できる。また、エマルションの安定性が維持されるため、重合安定性に優れ、重合後の凝集物の生成を抑制・防止でき、また、得られる重合体エマルションは十分な流動性を示す。このため、本発明に係る重合体を配合してなる塗料は、帯電防止剤を使用しなくとも、優れた帯電防止効果、結露防止効果、汚染防止効果などを発揮でき、また、優れた透明性や表面のインキ密着性を発揮し、着色などの性能の低下の少ない凹凸のない平滑な塗膜を形成できる。なお、本明細書における「質量平均分子量」は、下記測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略す)法により、ポリエチレングリコール換算で測定された値である。
【0030】
<GPCによる分子量の測定条件>
使用カラム:東ソー社製、HZ2000
溶離液:THF
打込み量:5μL
溶離液流速:0.35mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、ピークトップ分子量(Mp)68185
検量線次数:1次式
検出器:東ソー社製、HLC−8220GPC
解析ソフト:東ソー社製、マルチステーションGPC−8020
また、このようにして得られた乳化重合物は、粒子状、微粒子状、粉末状、不定形、柱状、角状など、いずれの形状で得られてもよいが、粒子状、微粒子状、粉末状が好ましく、粒子状、微粒子状がより好ましい。また、乳化重合物の大きさもまた特に制限されない。例えば、乳化重合物が粒子状、微粒子状である場合には、質量平均粒子径が、0.05〜1μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmであり、特に好ましくは0.1〜0.25μmある。なお、本明細書における「質量平均粒子径」は、重合体エマルションを希釈したサンプルをレーザー回折式粒度分析計にて測定を行った値であり、より具体的には下記実施例で測定された値である。
【0031】
本発明に係る上記重合体(乳化重合物)を含む水性エマルションの粘度は、特に制限されないが、上記したような分子量を有するような粘度であることが好ましい。上記水性エマルションの粘度は、具体的には、ブルックフィールド型(B型)回転粘度計により測定した25℃、60rpmおよび6rpmの条件での粘度が1000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは10〜200mPa・sである。なお、本明細書における「水性エマルションの粘度」は、より具体的には下記実施例で測定された値である。
【0032】
重合体の構成単位中の(ポリ)オキシアルキレン鎖はその親水性により空気中の水分を吸着して、物体が電荷を帯びるのを防止する。そのため、本発明によるように、重合体の構成単位中に親水性を有する(ポリ)オキシアルキレン鎖を塗料に使用することにより、塗料は、帯電防止剤を別途使用せずとも、優れた帯電防止効果を発揮する。また、帯電防止剤の練り込みを必要としないため、上記重合体を含む塗料で形成される塗膜は、凹凸のない平滑面となり、優れた透明性や表面のインキ密着性を発揮し、着色などの性能の低下を抑制・防止できる。また、上記したような重合体を乳化重合により得る場合には、エマルションの安定性が維持できるため、重合安定性に優れ、重合後の凝集物の生成を抑制・防止でき、また、得られる重合体エマルションは十分な流動性を示す。このため、上記重合体を含む塗料用組成物を用いて形成される塗膜は優れた光沢や平滑性を示し、チヂミ、ムラといった塗膜外観の欠陥を改善できる。なお、本発明は、上記メカニズムによって制限されない。
【0033】
本発明の塗料用組成物は、上記したような重合体を好ましくは乳化重合物(エマルション)の形態で配合されうる。ここで、エマルション中の重合体の固形分濃度は、特に制限されないが、エマルション100質量部に対して20〜80質量部が好ましく、さらに好ましくは40〜60質量部となるように調整する。
【0034】
本発明の塗料用組成物は、上記重合体に加えて、添加剤を本発明の作用効果に影響を与えない範囲で適量含んでもよい。この際使用できる添加剤は、特に制限されないが、所望の用途に応じて適宜選択できる。具体的には、通常塗料に用いられる顔料(二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、カーボン、弁柄、黄土、シアニンブルーなど)、成膜助剤、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、凍結防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤などが挙げられる。
【実施例】
【0035】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されない。
【0036】
合成例1
攪拌機、原料投入口を備えた500mlフラスコに、イオン交換水86.53g、乳化剤(界面活性剤)としてニューコール707−SF(日本乳化剤株式会社製)13.33gを混合し、500rpm/minで攪拌しながら、10〜25℃に保持した。なお、上記ニューコール707−SF(日本乳化剤株式会社製)は、下記式で示されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNH塩であり、下記表1〜3では、N−707SFと称する。
【0037】
【化2】

【0038】
式中、Rは、多環フェニル基である。
【0039】
当該水溶液に、単量体としてメタクリル酸トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル付加物[CH=C(CH)COO(CHCHO)−n−C;BTG−MA]200.0gを5回に分けて仕込み、重合開始剤として10質量%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液を、単量体の全質量100質量部に対しAPSが5質量部となるように加えた。その後30分間攪拌して乳化物滴下液を得た。
【0040】
次に攪拌機、還流冷却機、原料投入口を備えた500mlセパラブルフラスコ内に、窒素雰囲気下でイオン交換水100g、および前記乳化物滴下液の1質量%、5質量%、または10質量%をそれぞれ仕込み、80℃に昇温して30分間初期重合を行った。なお、下記表1〜3中、初期重合における乳化物滴下液の添加量を「Seed添加量」と記載する。
【0041】
その後、残りの乳化物滴下液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間80℃で熟成した。得られた重合体エマルション(1)〜(3)を30℃以下に冷却し、100メッシュスクリーンで濾過し、エマルション中の凝集物を回収した。また、フラスコ内および攪拌羽に付着した凝集物も回収した。
【0042】
この重合体エマルション(1)〜(3)の質量平均粒子径は、それぞれ、0.190μm、0.152μmおよび0.135μmであった。
【0043】
合成例2
BTG−MA、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸を90:9:1の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0044】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%または5質量%をそれぞれ仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、重合体エマルション(4)、(5)を得た。
【0045】
この重合体エマルション(4)、(5)の質量平均粒子径は、それぞれ、0.241μmおよび0.148μmであった。
【0046】
合成例3
BTG−MA、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸を90:9:1の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0047】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、乳化剤(界面活性剤)としてニューコール2320−SN(日本乳化剤株式会社製)を使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、重合体エマルション(6)を得た。なお、上記ニューコール2320−SN(日本乳化剤株式会社製)は、下記式で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルNa塩であり、下記表1〜3では、N−2320SNと称する。
【0048】
【化3】

【0049】
式中、Rは、C12C13合成アルコール(C12の合成アルコールとC13の合成アルコールとの混合アルコールを意味する)由来の基である。
【0050】
この重合体エマルション(6)の質量平均粒子径は、0.204μmであった。
【0051】
合成例4
BTG−MA、メタクリル酸メチル、スチレンおよびアクリル酸を49:34:15:2の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0052】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%または5質量%をそれぞれ仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、重合体エマルション(7)、(8)を得た。
【0053】
この重合体エマルション(7)、(8)の質量平均粒子径は、それぞれ、0.187μmおよび0.150μmであった。
【0054】
比較合成例1
合成例1において、BTG−MAの代わりに、メタクリル酸n−ブチル(n−BMA)200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、比較重合体エマルション(1’)を得た。
【0055】
この比較重合体エマルション(1’)の質量平均粒子径は、0.224μmであった。
【0056】
比較合成例2
n−BMA、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸を90:9:1の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0057】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、比較重合体エマルション(2’)を得た。
【0058】
この比較重合体エマルション(2’)の質量平均粒子径は、0.262μmであった。
【0059】
比較合成例3
アクリル酸エチルヘキシル(2−EHA)、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸を90:9:1の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0060】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、乳化剤(界面活性剤)としてニューコール2320−SN(日本乳化剤株式会社製)を使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、比較重合体エマルション(3’)を得た。
【0061】
この比較重合体エマルション(3’)の質量平均粒子径は、0.190μmであった。
【0062】
比較合成例4
n−BMA、メタクリル酸メチル、スチレンおよびアクリル酸を49:34:15:2の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0063】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、比較重合体エマルション(4’)を得た。
【0064】
この比較重合体エマルション(4’)の質量平均粒子径は、0.237μmであった。
【0065】
比較合成例5
アクリル酸n−ブチル(n−BA)、メタクリル酸メチル、スチレンおよびアクリル酸を49:34:15:2の質量比で混合し、単量体混合物を調製した。
【0066】
合成例1において、BTG−MAの代わりに、この単量体混合物200.0gを使用し、また、乳化物滴下液の1質量%を仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、比較重合体エマルション(5’)を得た。
【0067】
この比較重合体エマルション(5’)の質量平均粒子径は、0.209μmであった。
【0068】
実施例1〜8および比較例1〜5
上記合成例1〜3で得られた重合体エマルション(1)〜(8)および比較合成例1〜5で得られた比較重合体エマルション(1’)〜(5’)について、下記方法にしたがって、性能を評価し、その結果を下記表1〜3に示す。なお、下記表1〜3中、「−」は、測定をしていないことを表わす。
【0069】
<性能評価方法>
(1)重合安定性
回収した凝集物を110℃で2時間乾燥・秤量して凝集物量を求めた。使用した重合体の総質量(固形分)に対する凝集物の質量の割合(%)を、重合安定性(%)として表した。
【0070】
【数1】

【0071】
なお、この値が小さいほど、重合安定性に優れることを示す。
(2)重合体エマルション粒子の平均粒子径
得られた重合体エマルションを25%アンモニア水で中和し、pH6.5〜8.0とした。ベックマン・コールター社製光散乱回析タイプ粒度分布測定装置 LS230を用いて平均粒子径を測定した(単位μm)。
(3)粘度
25℃における重合体エマルションの中和前・後の粘度をB型回転粘度計(ロータNo.2)、60rpmおよび6rpmにて測定した(単位:mPa・s)。
(4)重合転化率
得られた重合体エマルションの不揮発分(固形分)より計算する。
【0072】
【数2】

【0073】
(5)光沢性試験
ガラス板に、重合体エマルションを厚さ3mmに製膜し、110℃で30秒乾燥させた。その膜の20°、60°における光沢度をホリバ社製1G−331により測定した。下記表中、光沢度が50以上のサンプルを「○」と、および50未満のサンプルを「×」と、それぞれ、表す。
(6)表面固有抵抗値
ガラス板に、重合体エマルションを厚さ3mmに製膜し、110℃で30秒乾燥させた。表面固有抵抗計を使用して、その膜の帯電性を測定した。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
上記表1〜3の結果から、本発明の重合体エマルション(1)〜(6)は、比較例の比較重合体エマルション(1’)〜(5’)に比べて、最大二桁大きい表面固有抵抗値を示し、帯電防止性に優れることが分かる。また、本発明の重合体エマルション(7)および(8)は、比較重合体エマルション(4’)に比べて、光沢性において優れる効果を示した。さらにまた、得られた塗膜は、耐水性、汚染防止性、耐摩耗性、低臭性、低気泡性に優れたものであった。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、別途帯電防止剤の添加工程がなく、帯電性および光沢性が要求される被塗物の塗装に好適に用いられ、さらに劣化しやすい部位の塗料として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位を有する重合体を含む塗料用組成物。
【請求項2】
前記不飽和カルボン酸エステルが、式(1)で表される不飽和カルボン酸エステルである、請求項1に記載の塗料用組成物;
【化1】

式中、Rは、C2〜C8のアルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基またはC6〜C13のアリール基であり、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは、1〜3の数であり、OAは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、またはオキシブチレン基である。
【請求項3】
前記重合体が、式(1)の不飽和カルボン酸エステルの単独重合体、または式(1)の不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位ならびに(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルからなる群より選択される少なくとも一種の単量体由来の構成単位を有する共重合体である、請求項2に記載の塗料用組成物。
【請求項4】
前記重合体が、式(1)の不飽和カルボン酸エステルの単独重合体、または式(1)の不飽和カルボン酸エステル由来の構成単位ならびに(メタ)アクリル酸および芳香族ビニルからなる群より選択される少なくとも一種の単量体由来の構成単位を有する共重合体である、請求項3に記載の塗料用組成物。

【公開番号】特開2011−219702(P2011−219702A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93447(P2010−93447)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(390014856)日本乳化剤株式会社 (26)
【Fターム(参考)】