説明

塗膜形成方法

【課題】チッピングプライマー塗膜の形成が不要であり、優れた耐チッピング性と良好な外観を有する塗膜が得られる塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】被塗物上に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、扁平顔料を含有する第1の塗料、及び当該第1の塗料に比して高濃度の扁平顔料を含有する第2の塗料を、切り替えて塗膜を形成するか、又は、両者の混合比率を制御して塗膜を形成する塗膜形成工程を含み、前記塗膜形成工程では、前記被塗物の表面上の中で、チッピングが生じ易いチッピング部位を塗装する際には、他の部位の表面に形成される塗膜中の扁平顔料の含有率に比して高い扁平顔料の含有率を有する塗膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜形成方法に関する。詳しくは、チッピングプライマー塗膜の形成が不要な塗膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車車体の外板に塗装される複層塗膜では、自動車の走行時に小石等が衝突することにより、塗膜全体に亀裂が生じたり、塗膜全体が剥離したりする現象が生ずる。この現象は、チッピングと呼ばれ、亀裂部位や剥離部位における錆の発生原因となるため、回避する必要がある。従って、自動車車体の外板に塗装される複層塗膜においては、優れた耐チッピング性が求められている。
【0003】
耐チッピング性を付与する手法としては、チッピングを受け易い部位に対してチッピングプライマーを塗装する手法が一般的である。具体的には、下塗り塗装した被塗物のチッピングを受け易い部位に対して、チッピングプライマーを塗装した後、被塗物全体に中塗り塗装、上塗り塗装を順次施すことが一般的に行われている。
【0004】
ところが、チッピングが発生し易い部位に対してチッピングプライマーを塗装する従来の手法では、チッピングプライマーを余分に塗装しなければならず、材料コストが嵩んでいた。また、チッピングプライマー塗膜の形成が必要であるため、工程が煩雑となるうえ、ブース長さの延長による空調エネルギーの増加といったランニングコストの増加を招いていた。
【0005】
そこで、中塗り塗膜中に扁平形状の顔料を含有させ、複層塗膜の耐チッピング性を向上させることにより、チッピングプライマー塗膜の形成を不要とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、扁平形状の顔料であるタルクをシランカップリング剤により表面処理し、塗料中に良好に分散させた中塗り塗料を用いることにより、優れた耐チッピング性を有する複層塗膜が得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−253211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、耐チッピング性が付与された中塗り塗料が、チッピングが発生し易い部位のみならず被塗物全体に塗装されることとなる。このため、耐チッピング性を付与するために配合されたタルクやシランカップリング剤の材料コストが嵩むうえ、扁平顔料のタルクを多量に含有することに起因する中塗り塗膜表面の平滑性の低下により、塗膜表面の外観が不良となる問題があった。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、チッピングプライマー塗膜の形成が不要であり、優れた耐チッピング性と良好な外観を有する塗膜が得られる塗膜形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、被塗物(例えば、後述の自動車車体1の外板)上に塗膜(例えば、後述の中塗り塗膜13)を形成する塗膜形成方法であって、扁平顔料を含有する第1の塗料、及び当該第1の塗料に比して高濃度の扁平顔料を含有する第2の塗料を、切り替えて塗膜を形成するか、又は、両者の混合比率を制御して塗膜を形成する塗膜形成工程を含み、前記塗膜形成工程では、前記被塗物の表面上の中で、チッピングが生じ易いチッピング部位(例えば、後述のチッピング部3)を塗装する際には、他の部位(例えば、後述の一般部2)の表面に形成される塗膜中の扁平顔料の含有率に比して高い扁平顔料の含有率を有する塗膜を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る塗膜形成方法によれば、扁平顔料の含有率の異なる2種の塗料を切り替えるか、又は両者の混合比率を変化させることができるため、扁平顔料の含有率を変化させながら被塗物を塗装することができる。具体的には、被塗物の表面上の中で、チッピングが生じ易く耐チッピング性が求められるチッピング部位を塗装する際には、他の部位の表面に形成する塗膜中の扁平顔料の含有率に比して、高い扁平顔料の含有率を有する塗膜を形成することができる。
これにより、従来、耐チッピング性が求められるチッピング部位については、塗装を施す前に必要であったチッピングプライマー塗膜の形成が不要となり、塗装材料コストを削減できる。また、チッピングプライマー塗膜の形成が不要であるため、工程が簡略化できるうえ、ブース長さの短縮により空調エネルギーを低減でき、ランニングコストを削減できる。
【0011】
また、チッピング部位以外の他の部位については、チッピング部位に比して扁平顔料の含有率の低い塗膜を形成するため、多量の扁平顔料を含有することに起因する塗膜表面の外観不良を回避できる。
【0012】
また、本発明に係る塗膜形成方法では、扁平顔料としてタルクを用いることが好ましい。これにより、チッピング部について、より耐チッピング性に優れた塗膜を形成できる。
【0013】
また、本発明に係る塗膜形成方法では、第1の塗料及び第2の塗料として、2液型の中塗り塗料を用いることが好ましい。この2液型の中塗り塗料は、従来の1液型の中塗り塗料に比して、昇温過程における塗膜粘度の変動が大きく、塗膜表面のフロー性が良好であるため、第1の塗料と第2の塗料との混合がより促進されるとともに、塗膜表面が平滑化される。また、硬化過程で塗膜粘度が急上昇するため、上塗りのクリア塗膜との混層を抑制できる。さらには、従来の1液型の中塗り塗料のように、硬化過程で生じる低分子量の脱離成分(イソシアネートブロック剤等)の揮散が無いため、塗膜の体積収縮により生じる外観不良を回避できる。従って、本発明によれば、より良好な外観を有する塗膜を形成できる。
【0014】
また、本発明に係る塗膜形成方法では、塗膜形成工程で用いる塗装ガンとして、複数種類の塗料を混合する機能を有する回転霧化式塗装ガン(例えば、後述のベルガン31)を用いることが好ましい。このような回転霧化式塗装ガンによれば、第1の塗料と第2の塗料を十分に混合することができ、上述の効果がより確実に奏される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、チッピングプライマー塗膜の形成が不要であり、優れた耐チッピング性と良好な外観を有する塗膜が得られる塗膜形成方法を提供できる。また、チッピングプライマー塗装用の設備を不要として、塗装工場の設備投資費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動車車体の外板におけるチッピング部を示す図である。
【図2】第1実施形態で用いる塗装機の概略構成図である。
【図3】塗料が混合されるメカニズムを説明するための図である。
【図4】ベルガンの先端部分の部分断面図である。
【図5】自動車車体の外板に塗装される複層塗膜の構成を示す図であり、(A)が本発明の一実施形態に係る塗膜形成方法を適用した複層塗膜の断面図であり、(B)が従来の複層塗膜の断面図である。
【図6】第1実施形態に係る中塗り塗装工程のフローを示す図である。
【図7】従来の中塗り塗装工程のフローを示す図である。
【図8】第2実施形態で用いる塗装機の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成、動作、及び効果については、その説明を省略する。
【0018】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法は、被塗物上に塗膜を形成する塗膜形成工程を含む。
【0019】
[被塗物]
本実施形態で用いられる被塗物としては、例えば、二輪車及び四輪車の外板部品に用いられる金属素材等が挙げられる。これらの素材は、脱脂処理や化成処理等の前処理(表面処理)が施された後、防錆性の向上や中塗り塗膜の付着性向上のために、カチオン電着塗装やアニオン電着塗装等の下塗り塗膜が形成されたものである。中でも、カチオン電着塗装が施された自動車車体の外板が特に好ましく用いられる。
【0020】
[塗膜形成工程]
本実施形態の塗膜形成工程は、塗料を塗装ガンに供給する供給工程と、塗装ガンから塗料を噴射して塗装する塗装工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
【0021】
(供給工程)
本実施形態の供給工程では、扁平顔料を含有する第1の塗料と、当該第1の塗料に比して高濃度で当該扁平顔料を含有する第2の塗料とを、塗装ガンに供給する。本実施形態の供給工程は、後段で詳述する塗装機30に備えられた塗料供給装置41で実行される。
【0022】
本実施形態で用いる第1の塗料及び第2の塗料としては、それぞれ、従来公知の1液型の中塗り塗料に扁平顔料を配合したものが用いられる(以下、第1中塗り塗料、第2中塗り塗料という)。
具体的には、塗膜形成樹脂、着色顔料、体質顔料、及び溶剤の他、必要に応じてその他の添加剤等を配合してなる従来の中塗り塗料に、後述する扁平顔料を配合したものを用いることができる。好ましくは、VOC削減の観点から、水性の中塗り塗料に扁平顔料を配合したものが用いられる。
【0023】
塗膜形成樹脂としては、熱硬化性樹脂が用いられ、水酸基等の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の基体樹脂に、メラミン樹脂やブロックイソシアネート化合物等の架橋剤を配合したものが用いられる。これらのうち、ブロックイソシアネート化合物を架橋剤とする塗膜形成樹脂を配合した1液型の水性中塗り塗料が好ましく用いられる。
【0024】
扁平顔料としては、例えば、タルク、ノンリーフィング型アルミニウムフレーク、鱗片状雲母、板状酸化鉄、ガラスフレーク、チタンコートグラファイト、金属チタンフレーク等が挙げられる。中でも、タルクが好ましく用いられる。
なお、第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料として水性の中塗り塗料を用いる場合には、分散性向上の観点から、シランカップリング剤等で表面処理がなされたタルクを用いることがより好ましい。
【0025】
ここで、中塗り塗膜中に扁平顔料を含有させることにより、耐チッピング性が向上する理由について説明する。
チッピング部においてチッピング現象が生じた場合、塗膜に加えられたチッピングの伝播衝撃は、中塗り塗膜中に配合された扁平顔料に集中的に作用する。その結果、扁平顔料自身の破壊や、扁平顔料と樹脂間の層間剥離を起点とした破壊が発生し、中塗り塗膜内部でチッピングによる伝播衝撃が吸収される。このようにして、中塗り塗膜中に扁平顔料を配合して塗膜自身を脆弱化させ、破壊され易い性質を付与することにより、チッピングの衝撃エネルギーを中塗り塗膜中で効率的に消費でき、下塗り塗膜への衝撃伝播を抑制できる結果、優れた耐チッピング性が得られるのである。
【0026】
上記の第1中塗り塗料と第2中塗り塗料は、扁平顔料の含有濃度が異なる以外は、同一の組成であることが好ましい。即ち、塗膜形成樹脂、扁平顔料、着色顔料、体質顔料、溶剤等の各成分が同一である第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料とすることが好ましい。この場合には、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の相溶性が良好であり、両者がより均一に混合される。
【0027】
第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料は、いずれも、従来公知の製法により製造される。扁平顔料は、着色顔料や体質顔料と同様に塗料中に配合した後、顔料分散工程で十分に分散することにより、塗料中に安定して分散させることができる。
【0028】
本実施形態の供給工程では、第1中塗り塗料と、第2中塗り塗料とを、これらの供給比率を制御しながら塗装ガンに供給する。ここで、供給比率とは、第1中塗り塗料の供給量(本実施形態では供給容量、以下同様)と第2中塗り塗料の供給量との合計量に対する各中塗り塗料の供給比率を意味する。第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の供給比率は、被塗物の塗装部位に応じて、適宜設定される。
【0029】
第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の供給比率の制御について、図1を参照して説明する。
図1は、自動車車体1の外板におけるチッピング部3を示す図である。自動車車体1のチッピング部3は、自動車の走行時に跳ね上げられた小石等によって衝撃を受ける部分であり、他の一般部2に比して、高い耐チッピング性が要求される部分である。
【0030】
本実施形態では、自動車車体1の外板のチッピング部3を塗装する際には、後述するチッピング部3以外の一般部2に塗装する際に比して、第2中塗り塗料の供給比率を高くして塗装ガンに供給する。即ち、チッピング部3に対しては、扁平顔料の含有率を高くした中塗り塗膜を形成する。このとき、第1中塗り塗料の供給比率を0%、第2中塗り塗料の供給比率を100%として、第2中塗り塗料のみからなる中塗り塗料を塗装ガンに供給し、中塗り塗膜を形成してもよい。
【0031】
一方、チッピング部3以外の一般部2に塗装する際には、上述のチッピング部3を塗装する際に比して、第2中塗り塗料の供給比率を低くして塗装ガンに供給する。即ち、チッピング部3以外の一般部2に対しては、扁平顔料の含有率を低くした中塗り塗膜を形成する。このとき、第1中塗り塗料の供給比率を100%、第2中塗り塗料の供給比率を0%として、第1中塗り塗料のみからなる中塗り塗料を塗装ガンに供給し、中塗り塗膜を形成してもよい。
【0032】
また、チッピング部3と一般部2の境界部を塗装する際には、徐々に又は段階的に、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の供給比率を変化させてもよい。
【0033】
(塗装工程)
本実施形態の塗装工程では、上記の供給工程で供給された第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料を、塗装ガンの先端部で混合し、噴射して塗装する。
本実施形態では、塗装ガンとして、複数種類の塗料を混合する機能を有する回転霧化式のベルガン31が用いられる。この回転霧化式のベルガン31を備える塗装機30は、塗装ロボットに取り付けられて、塗装が行われる。
【0034】
図2は、本実施形態で用いられるベルガン31を備える塗装機30の概略構成図である。図2に示すように、塗装機30は、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料とを、これらの供給比率を制御してベルガン31に供給する塗料供給装置41を備えている。
【0035】
塗料供給装置41は、第1中塗り塗料を貯留する第1貯留タンク42と、供給経路を通じて第1中塗り塗料をベルガン31へと圧送する図示しない第1ポンプと、第1中塗り塗料の供給を制御する第1バルブ44と、を備えている。
また、塗料供給装置41は、第2中塗り塗料を貯留する第2貯留タンク43と、供給経路を通じて第2中塗り塗料をベルガン31へと圧送する図示しない第2ポンプと、第2中塗り塗料の供給を制御する第2バルブ45と、を備えている。
上記第1ポンプ及び第2ポンプは、図示しない変速機を備えるギヤポンプである。
上述したように、この塗料供給装置41により、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の供給比率が制御される。
【0036】
次に、図3を参照して、ベルガン31から自動車車体1に向けて噴射される塗料、即ち第1中塗り塗料と第2中塗り塗料の混合メカニズムについて説明する。
先ず、第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料は、ベルガン31から噴射される際に、ベルガン31内で混合される(図3のS1)。
【0037】
ベルガン31内における各塗料の混合について、図4を参照してベルガン31の構成とともに詳しく説明する。
図4は、ベルガン31の先端部分の部分断面図である。
ベルガン31は、霧状の塗料を被塗物の自動車車体1に静電塗装するものであり、本体38と、この本体38に回転可能に設けられた回転霧化頭34を備えている。
本体38は、円筒形状であり、回転霧化頭34に塗料や溶剤を供給する供給管32と、コンプレッサから圧送された空気により回転霧化頭34を回転させる図示しないモータと、塗料を帯電させる図示しない高電圧発生装置と、を備えている。
【0038】
供給管32は、第1中塗り塗料、第2中塗り塗料、及び溶剤を吐出する。この供給管32は、2種類の塗料がそれぞれ流通する図示しない2つの塗料流通路と、回転霧化頭34に付着した塗料を洗浄するための溶剤が流通する図示しない溶剤流通路と、が形成されている。
この供給管32は、図示しないニードル弁が進退することにより開閉され、これにより、回転霧化頭34に各塗料及び溶剤を供給したり、供給を停止したりする。
また、供給管32の先端面には、第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料がそれぞれ吐出される2つの塗料吐出口と、これら2つの吐出口を環状に囲んで配置され溶剤を吐出する複数の溶剤吐出口が形成されている。
【0039】
回転霧化頭34は、供給管32の先端面を通る直線Rを回転軸として回転し、供給管32から吐出された各塗料及び溶剤を霧化して噴射する。
回転霧化頭34は、供給管32が内部に収容された円筒形状の回転部33と、この回転部33の先端に設けられ供給管32の先端面を囲んでかつ噴射方向に向かって拡開する拡開部35と、供給管32の先端面に対向し拡開部35の内壁面を塞ぐ略円盤状の閉塞部37と、を備えている。
【0040】
回転部33は、円筒形状の回転部本体331と、この回転部本体331の先端を塞ぐ略円盤状の先端部332と、を備えている。この回転部33には、拡開部35が螺合されている。また、先端部332の略中央には、貫通孔333が形成されている。
【0041】
供給管32は、回転部33に挿通されており、供給管32の先端は、先端部332の貫通孔333から露出している。また、先端部332の貫通孔333の周囲は凹んでおり、この凹んだ部分は、塗料が溜まる塗料溜まり部334となっている。
【0042】
拡開部35の内壁面及び閉塞部37により閉塞された空間は、塗料に遠心力を与えるための霧化室36である。拡開部35の内壁面のうち閉塞部37よりも先端側には、段差351が形成されている。
【0043】
閉塞部37の内側の表面(霧化室36側の表面)のうち供給管32に対向する位置には、略円錐形状の突起371が形成されている。
また、閉塞部37の周縁部分には、拡開部35の内壁面に沿って表裏面を貫通して、霧化室36の内部と外部とを連通する複数の周縁部貫通孔372が形成されている。
また、閉塞部37の中央部分には、表裏面を貫通する複数の中央部貫通孔373が形成されている。
【0044】
以上のような構成を備えるベルガン31は、塗装時において、先ず回転霧化頭34を回転させた状態で、塗料供給管から各塗料(第1中塗り塗料及び第2中塗り塗料)を霧化室36に吐出する。すると、この吐出された各塗料のほとんどは、図4中の実線で示すように、閉塞部37の突起371に到達して衝突する(図4のS1A)。この衝突の際に、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料が混合される。
【0045】
また、回転霧化頭34は高速で回転しているため、突起371に衝突した塗料には遠心力が作用し、各塗料は、回転霧化頭34の回転により混合されつつ、閉塞部37の内側の表面に沿って、閉塞部37の周縁部に向かって移動する。
閉塞部37の周縁部に到達した各塗料は、周縁部貫通孔372を通過して霧化室36の外部に移動し、さらに、拡開部35の内壁面に沿って、拡開部35の先端の外縁部に向かって移動する。このとき、各塗料は、層状となって拡開部35の内壁面に沿って移動して段差351に衝突し(図4のS1B)、その際の衝撃によりさらに混合が促進される。
以上のようにしてベルガン31内で混合された各塗料は、拡開部35の外縁部に接近するに従って、各塗料に作用する遠心力が大きくなるため、多数の微細な液滴に分離され、霧状となる。霧状となった各塗料は、拡開部35の外縁部から噴射される。
【0046】
図3に戻って、ベルガン31内で混合されて噴射された各塗料は、微粒子化されてより混合されるとともに、微粒子化された各塗料が被塗物の自動車車体1上に塗り重ねられることにより、さらに混合される(図3のS2)。
また、塗り重ねられた各塗料は、焼付け乾燥時にフローすることにより、さらに混合が促進される(図3のS3)。
以上により、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料は、十分に混合されて塗装が行われる。
【0047】
次に、本実施形態に係る塗膜形成方法の手順について、一般部2に第1中塗り塗料のみを塗装し、チッピング部3に第1中塗り塗料と第2中塗り塗料を混合したものを塗装する
場合を例に挙げて説明する。
先ず、自動車車体1の外板のうち、一般部2を塗装する際には、塗装機30に備えられた塗料供給装置41の第1バルブ44を開放し、第1ポンプの駆動により、第1貯留タンク42内に貯留されている第1中塗り塗料をベルガン31に供給する。このとき、第2バルブ45は遮断されており、第1中塗り塗料のみからなる中塗り塗料がベルガン31から噴射され、塗装が行われる。これにより、扁平顔料の含有率が低い中塗り塗膜が一般部2に形成される。
【0048】
次いで、チッピング部3を塗装する際には、塗料供給装置41の第2バルブ45を開放し、第2ポンプの駆動により、第2貯留タンク43内に貯留されている第2中塗り塗料をベルガン31に供給する。このとき、第1バルブ44は開放したままの状態とし、第1中塗り塗料を継続してベルガン31に供給する。即ち、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料とを、所定の供給比率でベルガン31に供給する。ベルガン31に供給された第1中塗り塗料と第2中塗り塗料は、ベルガン31内で混合された後に噴射され、塗装が行われる。これにより、扁平顔料の含有率が高く、優れた耐チッピング性を有する中塗り塗膜がチッピング部3に形成される。
以上の手順により、一般部2とチッピング部3との塗り分けが可能となっている。
【0049】
上述の手順により実行される本実施形態の塗膜形成方法は、自動車車体1の外板塗装として、中塗り塗装工程を必要とする塗装方法に適用できる。例えば、3コート1ベーク(3C1B)方式や、3コート2ベーク(3C2B)方式の複層塗膜形成方法における中塗り塗装工程に適用できる。好ましくは、3C1B方式の塗装方法に適用した場合であり、この場合には、中塗り塗装工程後に、第1フラッシュオフ工程、水性ベース塗装工程、第2フラッシュオフ工程、溶剤系クリア塗装工程、焼付工程が順次実行される。
また、さらに一段と商品性を向上させた4コート2ベーク(4C2B)方式や、5コート2ベーク(5C2B)方式の複層塗膜形成方法における中塗り塗装工程にも適用できる。
【0050】
図5(A)は、本実施形態に係る塗膜形成方法を3C1B方式の複層塗膜形成方法に適用したときに得られる複層塗膜10の断面図である。複層塗膜10は、自動車車体の外板を構成する鋼板11と、鋼板11上に形成された下塗り塗膜としてのカチオン電着塗膜12と、カチオン電着塗膜12上に形成された本実施形態の塗膜形成方法による中塗り塗膜13と、中塗り塗膜13上に形成された上塗りベース塗膜及び上塗りクリア塗膜からなる上塗り塗膜14とから構成されている。
中塗り塗膜13は、チッピング部に形成された扁平顔料の含有率が高い中塗り塗膜13aと、チッピング部以外の一般部に形成された扁平顔料の含有率が低い中塗り塗膜13bとから構成されている。
これに対して、図5(B)は、従来のチッピングプライマー塗装及び中塗り塗装を3C1B方式の複層塗膜形成方法に適用したときに得られた複層塗膜20の断面図である。図5(B)に示すように、チッピング部にチッピングプライマー塗膜23が形成されており、上記の複層塗膜10とは塗膜構成が異なったものとなっている。
【0051】
以上、詳述したような本実施形態の塗膜形成方法によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る塗膜形成方法によれば、扁平顔料の含有率の異なる2種の塗料を切り替えるか、又は両者の混合比率を変化させることができるため、扁平顔料の含有率を変化させながら自動車車体1を塗装することができる。具体的には、自動車車体1の外板の表面上の中で、チッピングが生じ易く耐チッピング性が求められるチッピング部3を塗装する際には、一般部2の表面に形成する塗膜中の扁平顔料の含有率に比して、高い扁平顔料の含有率を有する塗膜を形成することができる。
これにより、従来、耐チッピング性が求められるチッピング部3については、塗装を施す前に必要であったチッピングプライマー塗膜の形成が不要となり、塗装材料コストを削減できる。
【0052】
また、本実施形態に係る塗膜形成方法を適用した中塗り塗装工程フローを示す図6と、従来のチッピングプライマー塗装工程(以下、「CP工程」という)及び中塗り塗装工程のフローを示す図7から明らかであるように、従来は、CP工程を経てから自動車車体1の内板、外板の順に中塗り塗装を実施していたところ、本実施形態によれば、CP工程を削減できるため、工程が簡略化できるうえ、ブース長さの短縮により空調エネルギーを低減でき、ランニングコストを削減できる。
【0053】
また、チッピング部3以外の一般部2については、チッピング部3に比して扁平顔料の含有率の低い塗膜を形成するため、多量の扁平顔料を含有することに起因する塗膜表面の外観不良を回避できる。
【0054】
また、本実施形態に係る塗膜形成方法では、扁平顔料としてタルクを用いることにより、チッピング部3について、より耐チッピング性に優れた塗膜を形成できる。
【0055】
また、本実施形態に係る塗膜形成方法では、塗膜形成工程で用いる塗装ガンとして、上述したような複数種類の塗料を混合する機能を有する回転霧化式のベルガン31を用いる。これにより、第1中塗り塗料と第2中塗り塗料を十分に混合することができ、上述の効果がより確実に奏される。
【0056】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法は、第1の塗料及び第2の塗料として、2液型の中塗り塗料を用いる点が第1実施形態と異なる。また、2液型の中塗り塗料を用いるため、用いる塗装機の構成が第1実施形態と異なる。
【0057】
第1実施形態では、第1の塗料及び第2の塗料として、イソシアネート化合物を架橋剤とする1液型の中塗り塗料を用いるが、本実施形態では、イソシアネート化合物を架橋剤とする2液型の中塗り塗料を用いる。
具体的には、水酸基等の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の基体樹脂を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤と、からなる2液型の中塗り塗料を用いる。
イソシアネート化合物としては、脂肪式、芳香族基含有脂肪族、又は芳香族の多官能イソシアネート化合物を用いることができ、好ましくは、ジイソシアネート又はそのイソシアヌレート(ジイソシアネートの三量体)が用いられる。
扁平顔料、着色顔料、体質顔料、溶剤等の他の成分は、第1実施形態と同様のものが用いられる。
【0058】
第1の塗料の主剤(以下、「第1塗料主剤」という)としては、第2の塗料の主剤(以下、「第2塗料主剤」という)に比して扁平顔料濃度の低い2液型中塗り塗料の主剤を用いる。また、第2の塗料の主剤としては、第1の塗料に比して扁平顔料濃度の高い2液型中塗り塗料の主剤を用いる。これら第1塗料主剤と第2塗料主剤は、扁平顔料の含有濃度が異なる以外は、同一の組成からなるものを用いることが相溶性の観点から好ましい。
また、第1の塗料の硬化剤と第2の塗料の硬化剤(以下、「硬化剤」という)としては、同一のものを用いる。このため、後述する本実施形態で用いる塗装機は、2つの主剤供給系と、1つの硬化剤供給系を備えている。
【0059】
次に、本実施形態で用いる塗装機について説明する。
図8は、本実施形態で用いる塗装機50の概略構成図である。
塗装機50は、回転霧化式のベルガン51と、ベルガン51に、第1塗料主剤、第2塗料主剤、硬化剤、及びベルガン51のカップや供給経路を洗浄するための溶剤を供給する塗料供給装置52と、を備えている。
【0060】
塗料供給装置52は、第1塗料主剤供給系、第2塗料主剤供給系、硬化剤供給系、及び溶剤供給系から構成されている。
第1塗料主剤供給系、第2塗料主剤供給系、及び硬化剤供給系は、それぞれ、第1塗料主剤、第2塗料主剤、又は硬化剤を貯留する第1塗料主剤貯留タンク511,第2塗料主剤貯留タンク512,硬化剤貯留タンク513と、塗装色の色替え等を行うカラーチェンジバルブ(以下、「CCV」という)521,522,523と、各供給経路を通じて第1塗料主剤、第2塗料主剤、又は硬化剤をベルガン51へと圧送するフラッシャブルギアポンプ(以下、「FGP」という)531,532,533と、第1塗料主剤、第2塗料主剤、又は硬化剤の供給を制御するトリガーバルブ561,562,563と、洗浄後の廃液を排出するためのドレンバルブ571,572,573と、を備えている。
また、溶剤供給系は、洗浄用の溶剤(シンナー)を貯留する溶剤貯留タンク514と、ベルガン51への溶剤の供給を制御するゲートバルブ564と、を備えている。
なお、硬化剤供給系及び溶剤供給系には、ベルガン51に供給される硬化剤又は溶剤の流量を測定するフローメータ(以下、「FM」という)553,554が設けられている。
【0061】
第1塗料主剤貯留タンク511及び第2塗料主剤貯留タンク512は、塗装色ごとに複数設けられる(図8では、簡略化のため1つのみとした)。硬化剤貯留タンク513は、いずれの塗装色の場合にも同一の硬化剤を用いる関係で1つのみが設けられている。また、溶剤貯留タンク514も1つのみが設けられている。
【0062】
CCV521,522は、従来公知のCCVであり、塗装色ごとに設けられた複数の第1塗料主剤貯留タンク511又は第2塗料主剤貯留タンク512に連結された供給路と、各供給路に設けられた複数のバルブと、を含んで構成されている。
なお、硬化剤供給系に設けられているCCV523は、色替えのためではなく、夜間における供給路内での硬化剤の固着防止対策として設けられている。
【0063】
FGP531,532,533は、それぞれ、ギヤポンプの回転数を調整する図示しない変速機と、モータ541,542,543と、を備える。所定の回転数に調整されたギヤポンプにより、第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤が所定の流量でベルガン51に供給される。例えば、第1塗料主剤及び第2塗料主剤の合計量が、硬化剤量の5倍量となるように、それぞれのギヤポンプを調整する。
また、FGP531,532,533は、洗浄機構付きのギヤポンプであり、色替えに伴う洗浄時間を短縮するためのバイパス流路が設けられている。
【0064】
ベルガン51は、第1実施形態で用いるベルガン31と比べて、供給管に設けられた流通路の数と、供給管の先端面に設けられた吐出口の数、配置等が異なる以外は、ベルガン31と同様の構成となっている。
具体的には、ベルガン51の供給管は、第1塗料主剤、第2塗料主剤、塗料硬化剤、及び溶剤を供給して吐出する。このため、ベルガン51の供給管には、2つの主剤流通路と、1つの硬化剤流通路と、1つの溶剤流通路と、が形成されている。
また、供給管の先端面には、第1塗料主剤及び第2塗料主剤がそれぞれ吐出される2つの主剤吐出口と、これら2つの主剤吐出口を環状に囲んで配置され硬化剤を吐出する複数の硬化剤吐出口と、この硬化剤吐出口を環状に囲んで配置され溶剤を吐出する複数の溶剤吐出口と、が形成されている。
【0065】
以上のような構成を備えるベルガン51は、塗装時において、供給管の先端面に設けられた各吐出口から、第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤を吐出した後、第1実施形態で用いるベルガン31と同様に動作する。これにより、第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤が十分に混合されて、塗装が行われる。
【0066】
次に、本実施形態に係る塗膜形成方法の手順について、一般部に第1塗料主剤と硬化剤とからなる中塗り塗料を塗装し、チッピング部に第2塗料主剤と硬化剤とからなる中塗り塗料を塗装し、一般部とチッピング部の境界部分に第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤からなる中塗り塗料を塗装する場合を例に挙げて説明する。
先ず、自動車車体の外板のうち、一般部を塗装する際には、塗料供給装置52の第1塗料主剤供給系に設けられているトリガーバルブ561を開放し、FGP531の駆動により、第1塗料主剤貯留タンク511内に貯留されている第1塗料主剤を所定量、ベルガン51に供給する。同時に、硬化剤供給系に設けられているトリガーバルブ563を開放し、FGP533の駆動により、硬化剤貯留タンク513に貯留されている硬化剤を所定量、ベルガン51に供給する。このとき、第1塗料主剤供給系に設けられているトリガーバルブ562は遮断する。
これにより、第1塗料主剤と硬化剤とからなる中塗り塗料がベルガン51から噴射されて塗装が行われ、扁平顔料の含有率が低い中塗り塗膜が一般部に形成される。
【0067】
一般部とチッピング部の境界部を塗装する際には、第1塗料主剤供給系のトリガーバルブ561、及び硬化剤供給系のトリガーバルブ563は開放したままの状態で、第2塗料主剤供給系に設けられているトリガーバルブ562を開放し、FGP532の駆動により、第2塗料主剤貯留タンク512内に貯留されている第2塗料主剤を所定量、ベルガン51に供給する。このとき、第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤の供給量は、FGP531,532,533により設定される。
これにより、第1塗料主剤、第2塗料主剤、及び硬化剤からなる中塗り塗料がベルガン51から噴射されて塗装が行われ、一般部に比して、扁平顔料の含有率が高い中塗り塗膜が境界部に形成される。
【0068】
次いで、チッピング部を塗装する際には、第1塗料主剤供給系のトリガーバルブ561のみを遮断し、第1塗料主剤の供給のみを停止する。即ち、第2塗料主剤と硬化剤をベルガン51に供給する。
これにより、第2塗料主剤と硬化剤とからなる中塗り塗料がベルガン51から噴射されて塗装が行われ、境界部に比して、扁平顔料の含有率がさらに高い中塗り塗膜がチッピング部に形成される。
以上の手順により、一般部、境界部、チッピング部の塗り分けが可能となっている。
【0069】
本実施形態によれば、上述した第1実施形態で奏される効果に加えて、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る塗膜形成方法によれば、第1の塗料及び第2の塗料として、2液型の中塗り塗料を用いるが、この2液型の中塗り塗料は、従来の1液型の中塗り塗料に比して、昇温過程における塗膜粘度の変動が大きく、塗膜表面のフロー性が良好であるため、第1の塗料と第2の塗料との混合がより促進されるとともに、塗膜表面が平滑化される。また、硬化過程で塗膜粘度が急上昇するため、上塗りのクリア塗膜との混層を抑制できる。さらには、従来の1液型の中塗り塗料のように、硬化過程で生じる低分子量の脱離成分(イソシアネートブロック剤等)の揮散が無いため、塗膜の体積収縮により生じる外観不良を回避できる。従って、本発明によれば、より良好な外観を有する塗膜を形成できる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…自動車車体(被塗物)
2…一般部(他の部位)
3…チッピング部(チッピング部位)
10…複層塗膜
13…中塗り塗膜
30,50…塗装機
31,51…ベルガン
41,52…塗料供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗物上に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
扁平顔料を含有する第1の塗料、及び当該第1の塗料に比して高濃度の扁平顔料を含有する第2の塗料を、切り替えて塗膜を形成するか、又は、両者の混合比率を制御して塗膜を形成する塗膜形成工程を含み、
前記塗膜形成工程では、前記被塗物の表面上の中で、チッピングが生じ易いチッピング部位を塗装する際には、他の部位の表面に形成される塗膜中の扁平顔料の含有率に比して高い扁平顔料の含有率を有する塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
【請求項2】
前記扁平顔料は、タルクであることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
【請求項3】
前記第1の塗料及び前記第2の塗料は、2液型の中塗り塗料であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗膜形成方法。
【請求項4】
前記塗膜形成工程で使用される塗装ガンは、複数種類の塗料を混合する機能を有する回転霧化式塗装ガンであることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の塗膜形成方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−50916(P2011−50916A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204407(P2009−204407)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】