説明

塩及びレジスト組成物

【課題】優れた解像度及びラインエッジラフネスを有するパターンを形成することができるレジスト組成物の酸発生剤として有用な塩を提供する。
【解決手段】式(I)で表される塩。[Wは炭素数3〜36の飽和炭化水素環を表し、該飽和炭化水素環に含まれる水素原子は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素環に含まれる−CH−は−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。Lは単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。R1及びR2はフッ素原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。R及びRはフッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。Zは有機カチオンを表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩及びレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物は、酸発生剤を含有する。
特許文献1には、酸発生剤用の塩として、式(X1)で表される塩を含むレジスト組成物が記載されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−224008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の塩では、該塩を含むレジスト組成物を用いて、得られるパターンの解像度及びラインエッジラフネスについて必ずしも満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 式(I)で表される塩。

[式(I)中、Wは、炭素数3〜36の飽和炭化水素環を表し、該飽和炭化水素環に含まれる水素原子は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、有機カチオンを表す。]
【0006】
〔2〕 式(II)で表される〔1〕記載の塩。

[式(II)中、L、R、R、R、R及びZは、上記と同じ意味を表す。]
【0007】
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載の塩を含む酸発生剤。
【0008】
〔4〕 〔3〕記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸との作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
【0009】
〔5〕 さらに塩基性化合物を含む〔4〕記載のレジスト組成物。
【0010】
〔6〕 (1)〔4〕又は〔5〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の塩によれば、該塩を含むレジスト組成物を用いて、優れた解像度及びラインエッジラフネスを有するパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〈塩〉
本発明の塩は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合がある)である。

[式(I)中、Wは、炭素数3〜36の飽和炭化水素環を表し、該飽和炭化水素環に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、有機カチオンを表す。]
【0013】
ここで、飽和炭化水素環としては、単環式又は多環式のいずれでもよい。例えば、シクロアルカン環(例えば、シクロペンタン環、シクロへキサン環、メチルシクロヘキサン環、ジメチルシクロへキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環)などの単環式の飽和炭化水素環が挙げられる。縮合した芳香環を水素化して得られる環(例えば、ヒドロナフタレン環)、橋かけ環(例えば、アダマンタン環、ノルボルナン環、メチルノルボルナン環)などの多環式の飽和炭化水素環が挙げられる。さらに下記のような、橋かけ環(例えばノルボルナン環)と単環(例えばシクロヘプタン環、シクロヘキサン環)又は多環(例えば、デカヒドロナフタレン環)とが縮合した基又は橋かけ環同士が縮合した基;これらが組み合わせられた環(メチルシクロヘキサン環、ジメチルシクロへキサン環、メチルノルボルネン環)等が挙げられる。
【0014】

【0015】
飽和炭化水素環に含まれる−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わった環としては、以下の環が挙げられる。

【0016】
飽和環状炭化水素環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0017】
としては、式(w1−1)で表される環、式(w1−2)で表される環又は式(w1−3)で表される環が好ましく、式(w1−1)で表される環がより好ましい。

【0018】
2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の飽和環状炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルキレン基;
直鎖状アルキレンに、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルキレン;
シクロブタン−1,3−ジイル基、1,3−シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基シレン基、シクロオクタン−1,5−ジイル基、等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の飽和環状炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、1,5−アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
【0019】
前記の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−6)が挙げられる。
なお、式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(I)に合わせて記載しており、左側でC(R)(R)−と結合し、右側で環Wと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
【0020】

【0021】
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15のアルカンジイル基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。
b4は、炭素数1〜13のアルカンジイル基を表す。
b5は、炭素数1〜15のアルカンジイル基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15のアルキレン基を表す。
b8は、炭素数1〜14のアルカンジイル基を表す。
b9は、炭素数1〜11のアルカンジイル基を表す。
b10は、炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。
【0022】
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0023】
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0024】
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0025】
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0026】
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0027】
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0028】
1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)が挙げられる。中でも、式(b1−1)で表される2価の基が好ましく、Lb2が単結合又は−CH−である式(b1−1)で表される2価の基がより好ましい。
なお、Lに含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
【0029】
ペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
【0030】
及びRは、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
【0031】
式(I)で表される塩としては、例えば、以下の式(II)〜式(IV)で表される塩が挙げられる。中でも、式(II)で表される塩が好ましい。

[式(II)〜式(IV)中、R〜R及びLは、上記と同じ意味を表す。]
【0032】
なかでも、式(b1−1)、式(b1−2)で表される2価の基を有するものが好ましく、例えば、以下の塩が挙げられる。

【0033】
上記の中でも、以下で表される塩が好ましい。

【0034】
としては、オニウムカチオン、例えば、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
【0035】
+は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される。
【0036】

【0037】
式(b2−1)〜式(b2−4)中、Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0038】
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7は互いに同一か相異なり、n2が2以上の整数である場合、複数のRb8は互いに同一か相異なる。
【0039】
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基を表す。
b11は、水素原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9〜Rb11の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b9とRb10と、及びRb11とRb12とは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環の−CH−は、−O−、−S−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
【0040】
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13は互いに同一か相異なり、p2が2以上の整数である場合、複数のRb14は互いに同一か相異なり、s2が2以上の整数である場合、複数のRb17は互いに同一か相異なり、u2が2以上の整数である場合、複数のRb18は互いに同一か相異なる。q2が2以上の整数である場合、複数のRb15は互いに同一か相異なり、r2が2以上の整数である場合、複数のRb16は互いに同一か相異なる。
【0041】
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0042】
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などのアルキル基が挙げられる。中でも、好ましい脂肪族炭化水素基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基である。
好ましい飽和環状炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、及びイソボルニル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基である。
置換基が芳香族炭化水素基である脂肪族炭化水素基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。
b9及びRb10が形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11及びRb12が形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
【0043】
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、式(b2−1−1)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)がさらに好ましい。
【0044】

【0045】
式(b2−1−1)中、Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18である。
前記脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
前記飽和環状炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。v2が2以上の整数である場合、複数のRb19は互いに同一か相異なり、w2が2以上の整数である場合、複数のRb20は互いに同一か相異なり、x2が2以上の整数である場合、複数のRb21は互いに同一か相異なる。
なかでも、Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましく、ヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
【0046】
カチオン(b2−1−1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0047】

【0048】
カチオン(b2−2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0049】
カチオン(b2−3)の具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0050】

【0051】
カチオン(b2−4)の具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0052】

【0053】

【0054】

【0055】
塩(I)は、上述のアニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができるが、以下で表される塩が好ましい。
【0056】
例えば、塩(I)としては、以下のものが挙げられる。

[式中、Rb19〜Rb21、v2〜x2は前記と同じ意味を表す。]
【0057】
さらに、以下の塩がより好ましい。

【0058】

【0059】
塩(I)は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。
例えば、式(b2−a)で表される化合物と式(b2−b)で表される塩とを反応させることにより、式(I)で表される塩を得ることができる。

式(b2−a)で表される化合物としては、ヘプタフルオロ酪酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物が好ましい。
式(b2−b)で表される塩としては、トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナートが好ましい。
【0060】
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する。塩(I)は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。また、本発明の酸発生剤は、さらに、塩(I)以外の公知の塩、塩(I)に含まれるカチオン及び公知のアニオンからなる塩並びに塩(I)に含まれるアニオン及び公知のカチオンからなる塩等を含んでいてもよい。
【0061】
〈樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある。〉
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂である。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造でき、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0062】
〈樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある。〉
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂である。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造でき、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0063】
〈酸に不安定な基を有するモノマー(a1)〉
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、−O−が三級炭素原子と結合した式(1)で表されるアルコキシカルボニル基が挙げられる。なお以下では、式(1)で表される基を「酸に不安定な基(1)」という場合がある。
【0064】

式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の飽和環状炭化水素基を表すか或いはRa1及びRa2は互いに結合して炭素数3〜20の環を形成する。*は結合手を表す(以下同じ)。
【0065】
脂肪族炭化水素基としては、例えばアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
飽和環状炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及び下記のような基等が挙げられる。

式(1)における飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは炭素数3〜16である。
【0066】
a1及びRa2が互いに結合して環を形成する場合、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)基としては、下記の基が挙げられる。環の炭素数は、好ましくは炭素数3〜12である。

【0067】
酸に不安定な基(1)としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
【0068】
酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
【0069】
酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、炭素数5〜20の飽和環状炭化水素基を有するものが好ましい。飽和環状炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)を重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。
【0070】
酸に不安定な基(1)と飽和環状炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、式(a1−1)で表されるモノマー及び式(a1−2)で表されるモノマーが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0071】

【0072】
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。
k1は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の飽和環状炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。]
【0073】
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数を表す)、より好ましくは−O−である。k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基としては、例えばアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数6以下である。飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
a6及びRa7の飽和環状炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。
【0074】

【0075】
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0076】
式(a1−1)で表されるモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。中でも、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート及び2−イソプロピルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが好ましく、2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イルメタクリレート及び2−イソプロピルアダマンタン−2−イルメタクリレートがより好ましい。
【0077】

【0078】

【0079】

【0080】

【0081】

【0082】

【0083】

【0084】

【0085】

【0086】
式(a1−2)で表されるモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。中でも、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチルシクロヘキサン−1−イルメタクリレートがより好ましい。
【0087】

【0088】
樹脂における式(a1−1)で表されるモノマー又は式(a1−2)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%であり、さらに好ましくは30〜60モル%である。
【0089】
酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマーが挙げられる。式(a1−3)で表されるモノマーに由来する構造単位を有する樹脂は、嵩高い構造を有するので、レジストの解像度を向上させることができる。さらに式(a1−3)で表されるモノマーは、樹脂の主鎖に剛直なノルボルナン環を導入してレジストのドライエッチング耐性を向上させることができる。
【0090】

【0091】
[式(a1−3)中、Ra9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(−COORa13)を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の飽和環状炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
a10〜Ra12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の飽和環状炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して炭素数3〜20の環を形成し、該脂肪族炭化水素基及び該飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
【0092】
ここで、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
【0093】
a9のヒドロキシ基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
a13としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、又は2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
a10〜Ra12としては、例えば、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ヒドロキシシクロへキシル基、オキソシクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
a10、Ra11及びこれらが結合する炭素が形成する環としては、例えば、飽和環状炭化水素基が挙げられ、具体的には、シクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
【0094】
式(a1−3)で表されるモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0095】
樹脂が式(a1−3)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0096】
酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、式(a1−4)で表されるモノマーが挙げられる。

【0097】
[式(a1−4)中、R10は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上の整数である場合、複数のR11は同一であっても異なってもよい。
12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a2は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるに含まれる水素原子はハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a3は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、該飽和環状炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれるに含まれる水素原子はハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよい。]
【0098】
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基、ペルヨードメチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
【0099】
10及びR11のアルキル基としては、炭素数1〜4が好ましく、炭素数1又は2がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
11のアルコキシ基としては、炭素数1又は2がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
12及びR13の炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、イソボルニル基等が好ましい。
a2及びYa3が有していてもよい置換基としては、好ましくはヒドロキシ基である。
【0100】
式(a1−4)で表されるモノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】
樹脂が式(a1−4)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0108】
樹脂(A)は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)が酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。また、アダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位を、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)100モル%に対して15モル%以上とすることが好ましい。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
【0109】
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という)に由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
【0110】
〈ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)〉
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、あるいは、電子線又はEUV光などの高エネルギー線照射に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)を使用することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0111】
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー(a2−0)として、式(a2−0)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーが挙げられる。
【0112】

【0113】
[式(a2−0)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRは同一であっても異なってもよい。]
【0114】
におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0〜2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
【0115】
このようなフェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーに由来する構造単位を有する共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセチルオキシスチレン、及びスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0116】

【0117】

【0118】
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
【0119】
樹脂が式(a2−0)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜90モル%であり、好ましくは10〜85モル%であり、より好ましくは15〜80モル%である。
【0120】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとして、式(a2−1)で表されるモノマーが挙げられる。
【0121】

【0122】
式(a2−1)中、La3は、−O−又は−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
【0123】
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0124】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。中でも、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメタクリレートがさらに好ましい。
【0125】

【0126】

【0127】

【0128】

【0129】
樹脂が式(a2−1)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、通常3〜40モル%であり、好ましくは5〜35モル%であり、より好ましくは5〜30モル%であり、さらに好ましくは5〜15モル%である。
【0130】
〈ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)〉
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0131】
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0132】

【0133】
式(a3−1)〜式(a3−3)中、La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、互いに同一でも異なってもよい。
【0134】
式(a3−1)〜式(a3−3)では、La4〜La6としては、La3で説明したものが挙げられる。
a4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2d1−CO−O−であることが好ましく(前記d1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
【0135】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0136】

【0137】

【0138】

【0139】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)のうち、酸不安定モノマーとして働くものとして、例えば以下のものが挙げられる。
【0140】

【0141】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0142】

【0143】

【0144】

【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)のうち、酸不安定モノマーとして働くものとして、例えば以下のものが挙げられる。
【0150】

【0151】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−3)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有するモノマー(a3−3)のうち、酸不安定モノマーとして働くものとして、例えば以下のものが挙げられる。
【0157】

【0158】
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)の中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0159】
樹脂が式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、それぞれ通常5〜50モル%であり、好ましくは10〜45モル%であり、より好ましくは15〜40モル%である。樹脂がラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位を含む場合、その合計含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜60モル%であり、好ましくは15〜55モル%である。
【0160】
〈その他の酸安定モノマー(a4)〉
その他の酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸又は式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマーなどが挙げられる。
【0161】

式(a4−3)中、Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、シアノ基、カルボキシ基又はアルコキシカルボニル基(−COORa27)を表すか、或いはRa25及びRa26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成し、
a27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該飽和環状炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(即ちRa27は、三級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
【0162】
a25及びRa26のヒドロキシ基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
a27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6である。飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
a27としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0163】
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(a4−3)としては、例えば、2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0164】
樹脂がその他の酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全単位において、通常2〜40モル%であり、好ましくは3〜30モル%であり、より好ましくは5〜20モル%である。
【0165】
好ましい樹脂(A)は、少なくとも、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)を重合させた共重合体である。この好ましい共重合体において、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、より好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1)及びシクロへキシル基を有するモノマー(a1−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1))であり、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、好ましくはヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)であり、ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種である。樹脂(A)は、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造できる。
【0166】
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上、さらに好ましくは3,500以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは10,000以下)である。
樹脂(A)の含有量は、組成物の固形分中80質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
なお本明細書において「組成物中の固形分」とは、後述する溶剤(E)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0167】
〈塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含有することが好ましい。
塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%程度であることが好ましい。
【0168】
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物(例えば、アミン)である。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、一級アミン、二級アミン及び三級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香族環にアミノ基が結合したものや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C)として、式(C2)で表される芳香族アミン、特に式(C2−1)で表されるアニリンが挙げられる。
【0169】

式(C2)及び式(C2−1)中、Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
c5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基)、飽和環状炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。但し該脂肪族炭化水素基、該飽和環状炭化水素基又は該芳香族炭化水素基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
前記脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、前記飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数5〜10程度であり、前記芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6〜10程度である。
c7は、脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基)、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基(好ましくはシクロアルキル基)又は芳香族炭化水素基を表す。但し脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の水素原子は、上記と同様の置換基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。
c7の脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は、上記と同じであり、Rc7のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。
【0170】
芳香族アミン(C2)としては、例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンなどが挙げられる。
アニリン(C2−1)としては、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
中でもジイソプロピルアニリン(特に2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
【0171】
塩基性化合物(C)としては、式(C3)〜式(C11)で表される化合物が挙げられる。

式(C3)〜式(C11)中、Rc8は、上記Rc7で説明したいずれかの基を表す。
窒素原子と結合するRc9、Rc10、Rc11〜Rc14、Rc16〜Rc19及びRc22は、それぞれ独立に、Rc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
芳香族炭素と結合するRc20、Rc21、Rc23〜Rc28は、それぞれ独立に、Rc7で説明したいずれかの基を表す。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3のいずれかが2以上であるとき、それぞれ、複数のRc20〜Rc28のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
c15は、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基又はアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
c15の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜6程度であり、アルカノイル基は、好ましくは炭素数2〜6程度である。
c1及びLc2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、−CO−、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−、−S−、−S−S−又はこれらの組合せを表す。前記2価の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。
c3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【0172】
化合物(C3)としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
【0173】
化合物(C4)としては、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
【0174】
〈溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある〉
本発明のレジスト組成物は、溶剤(E)を、組成物中90質量%以上の量で含有していてもよい。溶剤(E)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(E)の含有量は、組成物中90質量%以上(好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上)、99.9質量%以下(好ましくは99質量%以下)である。
溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0175】
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などを挙げることができる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0176】
〈その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料などを利用できる。
【0177】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
【0178】
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
【0179】
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
【0180】
得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。また、露光機は、電子線や、プラズマから発生される極端紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。
【0181】
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
【0182】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適である。
【実施例】
【0183】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
以下の実施例において、化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1100型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0184】
実施例1:式(B−1)で表される塩の合成

【0185】
式(B−1−a)で表される塩2.00部及びヘプタフルオロ酪酸無水物8.00部を仕込み、120℃で15時間攪拌後、23℃まで冷却した。得られた反応物に、クロロホルム100部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液66部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水56部を仕込み23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。回収された有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B−1)で表される塩1.88部を得た。
【0186】
式(B−1)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 733.0
【0187】
実施例2:式(B−2)で表される塩の合成
【0188】

式(B−2−a)で表される塩1.00部及びヘプタフルオロ酪酸無水物4.00部を仕込み、120℃で9時間攪拌後、23℃まで冷却した。反応マスのMSを確認することにより、式(B−2−b)で表される塩を確認した。
【0189】
式(B−2−b)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 475.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 733.0
【0190】
得られた反応物に、クロロホルム50部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液41部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水25部を仕込み23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を7回行った。回収された有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル10部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル10部を加えて23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除いた後、濃縮することにより、式(B−2)で表される塩1.19部を得た。
【0191】
式(B−2)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 279.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 733.0
【0192】
実施例3:式(B−3)で表される塩の合成
【0193】

式(B−1−a)で表される塩2.00部及びペンタフルオロプロピオン酸無水物6.05部を仕込み、120℃で15時間攪拌後、23℃まで冷却した。得られた反応物に、クロロホルム100部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液66部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水50部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。回収された有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B−3)で表される塩1.46部を得た。
【0194】
式(B−3)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 633.0
【0195】
実施例4:式(B−4)で表される塩の合成
【0196】

式(B−1−a)で表される塩2.00部及びトリフルオロ酢酸無水物3.10部を仕込み、120℃で15時間攪拌後、23℃まで冷却した。得られた反応物に、クロロホルム100部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液66部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水50部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。回収された有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B−4)で表される塩0.78部を得た。
【0197】
式(B−4)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 533.0
【0198】
実施例5:式(B−5)で表される塩の合成
【0199】

式(B−5−a)で表される塩2.14部及びヘプタフルオロ酪酸無水物8.00部を仕込み、120℃で15時間攪拌後、23℃まで冷却した。得られた反応物に、クロロホルム100部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液66部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水50部を仕込み23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。回収された有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B−5)で表される塩1.88部を得た。
【0200】
式(B−5)で表される化合物の同定;
MS(ESI(+)Spectrum):M 305.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 733.0
【0201】
以下、使用したモノマーを下記に示す。

【0202】
合成例1:樹脂A1の合成
式(A)で表されるモノマー、式(E)で表されるモノマー、式(B)で表されるモノマー、式(C)で表されるモノマー及び式(D)で表されるモノマーを、モル比30:14:6:20:30の割合で仕込んだ。次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7.2×10である共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
【0203】

【0204】
合成例2:樹脂A2の合成
式(A)で表されるモノマー、式(B)で表されるモノマー及び式(C)で表されるモノマーを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(3:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8.0×10である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
【0205】

【0206】
表1に示すように、以下の各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
【0207】
【表1】

【0208】
<樹脂>
A1:合成例1で得られた樹脂A1
A2:合成例2で得られた樹脂A2
<酸発生剤>
B1:式(B−1)で表される塩

B2:式(B−2)で表される塩

B3:式(B−3)で表される塩

B4:式(B−4)で表される塩

B5:式(B−5)で表される塩

X1:式(X1)で表される塩

【0209】
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
【0210】
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。
次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物をプリベーク後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
【0211】
レジスト組成物塗布後、得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)した。このようにしてレジスト組成物の膜が形成されたシリコンウェハに、ArFエキシマレーザステッパー〔FPA5000−AS3;(株)キャノン製、NA=0.75、2/3Annular〕用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて、表1のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
【0212】
解像度評価:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光して形成されたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、85nmを解像しているものを○(なかでも、80nmを解像しているものを◎)、解像していないもの×とした。
【0213】
ラインエッジラフネス評価(LER):得られたレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの側壁の凹凸の振れ幅が8nm以下であるものを○、8nmを超えるものを×とした。
これらの結果を表2に示す。
【0214】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0215】
本発明の塩によれば、該塩を含むレジスト組成物を用いて、優れた解像度及びラインエッジラフネスを有するパターンを形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される塩。

[式(I)中、Wは、炭素数3〜36の飽和炭化水素環を表し、該飽和炭化水素環に含まれる水素原子は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素環に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、有機カチオンを表す。]
【請求項2】
式(II)で表される請求項1記載の塩。

[式(II)中、L、R、R、R、R及びZは、上記と同じ意味を表す。]
【請求項3】
請求項1又は2記載の塩を含む酸発生剤。
【請求項4】
請求項3記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸との作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
【請求項5】
さらに塩基性化合物を含む請求項4記載のレジスト組成物。
【請求項6】
(1)請求項4又は5記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。

【公開番号】特開2011−246444(P2011−246444A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85272(P2011−85272)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】