説明

塩基性ペプチド及びその複合型抗細菌−抗真菌剤としての使用

本発明は、微生物混合感染の処置に用いるペプチドおよびそのペプチド変異体であって、前記ペプチドのアミノ配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである、ペプチドおよびそのペプチド変異体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物混合感染に関連している疾患または状態の処置におけるペプチドおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの感染性疾患および障害は、多因子性であり、いくつかの異なる微生物に引き起こされうる、または関連しうる。
【0003】
死後に観察された熱傷創の25%には真菌が住みついていると報告されている。他の皮膚創傷もまた、しばしば、微生物混合感染と関連している。熱傷創/局所創傷感染は、その後、深部組織および血流を冒し、重篤な合併症へと導く可能性がある。ほとんどすべての真菌性熱傷部感染症は、細菌感染症と混合している;まれな症例では、カンジダ属菌種(Candida spp)感染症単独が報告されている。火傷から回収される主な真菌は、アスペルギルス属菌種(Aspergillus spp)およびカンジダ属菌種である。創傷に感染する最もよく見られる細菌は、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus))、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、大腸菌(エシェリキア・コリ(Escherichia coli))、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロコッカス属菌種(Enterococcus spp)、エンテロバクター属菌種(Enterobacter spp)、アシネトバクター属菌種(Acinetobacter spp)、クレブシエラ属菌種(Klebsiella spp)、およびA群β溶血性連鎖球菌である。
【0004】
嚢胞性線維症(CF)は、最も一般的には、細菌感染、特に、緑膿菌およびセパシア菌(ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia))群と関連している。細菌感染に加えて、Aフミガーツス(A fumigatus)、Cアルビカンス(C albicans)、セドスポリウム・アピオスペルマム(Scedosporium apiospermum)、およびニューモシスチス・ジロベシ(Pneumocystis jirovecii)などの呼吸器真菌感染の共存が、CF患者に比較的よく見られる。
【0005】
爪囲炎は、爪郭の炎症を指す。慢性爪囲炎の炎症は、いくつかの異なる微生物によって引き起こされる。しばしば、酵母および細菌の混合物、特にカンジダ属菌種およびグラム陰性細菌が存在する。炎症は、結果として、積み重なるデブリを生じ、より多くの感染を助長する。それは、主に、酪農家、漁師、バーテンダー、および主婦などの絶えず手が濡れている人々に発症する。血行不良の者において、特に冬の季節の間、発症する可能性がより高く、治るのがより難しい。それはまた、湿疹合併症でもありうる。
【0006】
微生物性角膜炎は、角膜の感染症であり、最も一般的には、コンタクトレンズ使用と関連しており、発展途上国でよく見られる。最も多い微生物性角膜炎は細菌性であるが、8%までの症例は、細菌および真菌の混合感染によって引き起こされうる。
【0007】
感染性乳腺炎は、感染物質によって引き起こされる乳房の炎症である。感染性乳腺炎は、通常、黄色ブドウ球菌によって引き起こされ、授乳期の母親(および雌牛)に最もよく見られる。乳腺炎はまた、酵母(特に、カンジダ属菌種)によっても引き起こされうるが、症例によっては、細菌/酵母混合感染によって引き起こされうる。
それゆえに、本明細書に記載されたものなどの混合感染性疾患および状態を処置するのに効果的である改善された治療法の必要性がある。
【0008】
ざ瘡は、皮脂腺からの油の過剰分泌と相まって皮膚細胞(ケラチノサイト)の過剰増殖によって引き起こされる皮膚の非常によく見られる炎症性疾患である(Gollnick、2003)。皮脂は、閉塞した毛包の下で停滞するようになり、それが、以下の3つの群によって示された共生皮膚微生物の無制御増殖にとって理想的な条件を与える:黄色ブドウ球菌を含むグラム陽性球菌;プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(アクネ菌)などの嫌気性ジフテロイド;およびマラセジア・フルフール(Malassezia furfur)(癜風菌)を含む親油性酵母(Bukhartら、1999)。それらの微生物の中で、P.アクネスだけが、ざ瘡の病変形成に役割を果たすように思われる(Bukhartら、1999)。さらに、P.アクネスは炎症反応と関連しており、ヒト皮膚細胞において炎症反応促進性経路を上方制御することが示された(Basalら、2004;Nagyら、2005;Nagyら、2006;Trivediら、2006)。それにもかかわらず、微生物混合感染は、ざ瘡病変によく見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ざ瘡の軽度から中等度の症例は、一般には、局所治療で処置され、全身性薬物療法および局所治療と全身治療の併用は通常、より重度の症例に適用される。今までのところ、ざ瘡に対して用いられる最も一般的な治療は、抗生物質および化学(例えば、抗炎症性)物質、またはその2つの併用に基づいている。しかしながら、P.アクネス臨床分離株における抗生物質耐性は上昇し続けているという証拠が増加しており、将来、ざ瘡の処置のために抗生物質を使用することが危ぶまれている(Coatesら、2002;Ochsendorf、2006)。さらに、抗生物質は、ざ瘡に関連した真菌生物に対して効果はないであろう。なおさらに、特定の非抗生物質ざ瘡治療は、いくつかの非常に重篤な(例えば、精神的)副作用を伴う。それゆえに、安全性および広域スペクトルの抗微生物効果にかなりの重点を置いた、代替の抗ざ瘡治療法の開発の非常に緊急の臨床的および経済的必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、アルギニンまたはリジンのホモポリマーが殺細菌性および殺真菌性の両方があり、したがって、真菌と細菌の混合に関連した疾患または状態の処置において効果が高いという知見に一部、基づいている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、細菌および真菌の感染症の複合作用型処置に用いるペプチドであって、前記ペプチドのアミノ配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである、ペプチドを提供する。
本発明の好ましい態様において、前記配列のアミノ酸は塩基性アミノ酸である。
好ましいペプチドにおいて、塩基性アミノ酸は、リジン、アルギニン、およびヒスチジン、特にリジンおよびアルギニンから選択される。さらに好ましくは、塩基性アミノ酸はアルギニンである。
【0012】
本明細書に用いられる場合、「実質的に」とは、そのように修飾された特性からの許容ばらつきを示すことを意図した関係修飾語句である。具体的には、「前記アミノ酸配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである」とは、配列におけるアミノ酸の全部か、または高い割合のいずれかが同一であることを意味する。「高い割合」とは、1つまたは2つの置換が配列に生じてもよいことを企図する。
【0013】
好ましい態様において、本発明は、薬物として用いる、下記式(I)によるアミノ酸配列を含むペプチドまたはそのペプチド変異体を提供する:
(X) (I)
(式中、Xは塩基性アミノ酸である。)
本発明のペプチドにおいて、Xはアルギニンであってもよい。
本発明のペプチドにおいて、Xはリジンであってもよい。
本発明のペプチドにおいて、Xはヒスチジンであってもよい。
【0014】
本発明の好ましい態様において、ペプチドは、5〜15個の塩基性アミノ酸の配列を含む。
好ましい態様において、本発明のペプチドは、9〜15個、例えば10〜15個、または10〜13個の塩基性アミノ酸の配列を含み、前記のアミノ酸配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである。さらに好ましくは、本発明のペプチドは、9〜13個、例えば11〜13個の塩基性アミノ酸の配列を含み、前記配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである。
【0015】
好ましい態様において、本発明は、薬物として用いる、下記式(II)によるアミノ酸配列を含むペプチドまたはそのペプチド変異体を提供する:
(X) (II)
(式中、Xはアミノ酸アルギニンまたはリジンであり、nは5から15の間の整数である。)。
本発明の好ましいペプチドにおいて、Xはアルギニンである。
本発明の好ましいペプチドにおいて、Xはリジンである。
【0016】
本発明のペプチドにおいて、nは、9から15の間、例えば、9、10、11、12、13、14、または15であってもよい。本発明の好ましいペプチドにおいて、nは、9から14の間、例えば、10から14の間である。好ましくは、nは例えば11から14の間である。
本発明の別の好ましいペプチドにおいて、nは、9から12の間の整数、例えば、9、10、または11である。さらに好ましくは、nは11である。
【0017】
式(I)のペプチドにおいて、XはD−アミノ酸であってもL−アミノ酸であってもよい。
好ましい態様において、本発明は、式(I)によるアミノ酸からなる線状ペプチドを提供する。
本発明はまた、ペプチド模倣体、ならびに非排他的に、リン酸化、グリコシル化、スルホニル化、および/または水酸化を含む天然(例えば、翻訳後修飾)または化学的のいずれかで修飾されたものを含む、上記アミノ酸の既知の異性体(構造、立体、立体配座、および立体配置)および構造類似体を含む。
【0018】
加えて、ペプチドのアミノ酸配列は、L型よりむしろD型を利用する置換を含む、ペプチドにおける少なくとも1個のアミノ酸残基が別のアミノ酸残基、例えば、塩基性または非塩基性残基の代わりになっている置換を含むペプチド変異体であって、対応する非変異体ペプチドの生物活性の一部(典型的には、少なくとも10%)または全部を保持する、ペプチド変異体を生じるように改変することができる。このように、本発明は、式(I)の1個または複数のリジン残基またはアルギニン残基が1個または複数の異なる(例えば、ヒスチジン)残基によって置換されているペプチド変異体を提供する。
【0019】
本明細書に用いられる場合、用語「ペプチド」とは、大まかに言えば、ペプチド結合によって連結した複数のアミノ酸残基を意味する。それは、ポリペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質と交換可能に用いられ、同じ意味をもつ。
本発明のペプチドは、一般的に、合成ペプチドである。ペプチドは、単離され、精製されたペプチドまたはその変異体であってもよく、インビトロで、例えば、固相ペプチド合成法により、酵素触媒ペプチド合成により、または組換えDNAテクノロジーを用いて、合成することができる。
【0020】
本発明のペプチドは、例えば、遊離酸、遊離塩基、エステルおよび他のプロドラッグ、塩、ならびに互変異性体などの異なる形で存在することができ、本発明は、ペプチドのすべての変異型を含む。このように、本発明は、ペプチドの塩またはプロドラッグを含む。
【0021】
本発明のペプチドは、薬学的に許容される塩の形で投与されてもよい。したがって、本発明は、本発明のペプチドの薬学的に許容される塩であって、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を生成することによって修飾されている塩を含み、例としては、通常の非毒性塩、または、例えば無機酸もしくは有機酸または無機塩基もしくは有機塩基から形成される四級アンモニウム塩がある。そのような酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。塩基性塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルタミンなどの有機塩基との塩、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩、その他が挙げられる。また、塩基性窒素含有基は、塩化、臭化、およびヨウ化メチル、塩化、臭化、およびヨウ化エチル、塩化、臭化、およびヨウ化プロピル、ならびに塩化、臭化、およびヨウ化ブチルなどのハロゲン化低級アルキル;ジメチル、ジエチル、ジブチルのような硫酸ジアルキル;および硫酸ジアミル、ならびに塩化、臭化、およびヨウ化デシル、塩化、臭化、およびヨウ化ラウリル、塩化、臭化、およびヨウ化ミリスチル、ならびに塩化、臭化、およびヨウ化ステアリルなどの長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジルおよび臭化フェネチルのようなハロゲン化アラルキルなどのような作用物質で四級化されてもよい。
【0022】
本発明のペプチドまたはペプチド変異体のカルボキシル基の塩は、例えば、金属水酸化物塩基、例えば、水酸化ナトリウム;例えば、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウムなどの金属炭酸塩もしくは重炭酸塩;または、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩基などの所望の塩基の1つまたは複数の等価物とペプチドを接触させることによる通常の方法で調製することができる。
【0023】
投与および製剤
本発明のさらなる態様は、薬学的有効量の本発明の1つまたは複数のペプチドを含む医薬組成物を提供する。
組成物はまた、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む。句「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしの、妥当な利益/リスク比に見合った、人間、または場合によっては、動物の組織との接触に用いるのに適している、化合物、材料、組成物、および/または剤形に言及するために本明細書で用いられる。
【0024】
所望の効果を達成するために、ペプチド、その変異体、またはそれらの組合せを、例えば、少なくとも約0.01mg/kg体重から約500〜750mg/kg体重まで、少なくとも約0.01mg/kg体重から約300〜500mg/kg体重まで、少なくとも約0.1mg/kg体重から約100〜300mg/kg体重まで、または少なくとも約1mg/kg体重から約50〜100mg/kg体重まで、または少なくとも約1mg/kg体重から約20mg/kg体重までの単一用量または分割用量として投与されてもよいが、他の用量が有益な結果をもたらす場合がある。
組成物を調製するために、ペプチドは、合成され、または別な方法で獲得され、必要または要望に応じて精製され、その後、凍結乾燥および安定化される。その後、ペプチドは、適切な濃度に調整することができ、他の作用物質と組み合わせてもよい。
【0025】
このように、本発明の治療用ペプチドを含む1つまたは複数の適切な単位剤形を、経口、局所、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、および腹腔内)、膣、直腸、皮膚、経皮、胸内、肺内、および鼻腔内(呼吸)経路を含む様々な経路によって投与することができる。治療用ペプチドをまた、脂質製剤に、または徐放用に製剤化してもよい(例えば、マイクロカプセル化を用いて。WO94/07529および米国特許第4,962,091号を参照)。適切な場合、製剤を、便利には、別々の単位剤形で提供してもよく、薬学的分野に周知の方法のいずれによっても調製することができる。そのような方法は、液体担体、固体マトリックス、半固体担体、微粉化した固体担体、またはそれらの組合せと治療剤を混合する段階、およびその後、必要に応じて、生成物を所望の送達系へ導入する、または形づくる段階を含んでもよい。
【0026】
本発明の治療用ペプチドを経口投与用に調製する場合、一般的に、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とそれらを組み合わせて、製剤または単位剤形を形成する。経口投与について、ペプチドは、粉末、粒剤、溶液、懸濁液、乳濁液として存在してもよい。
本発明の治療用ペプチドを含む製剤を、通常の賦形剤、希釈剤、または担体と共に製剤化し、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、粉末、エアロゾルなどへ形成することができる。
【0027】
本発明の治療用ペプチドをまた、簡便な経口投与用のエリキシル剤もしくは溶液として、または、例えば筋肉内、皮下、腹腔内、または静脈内経路による、非経口投与に適切な溶液として、製剤化することができる。本発明の治療用ペプチドの製剤はまた、水性または無水性の溶液または分散液の形、あるいは乳濁液または懸濁液または軟膏の形をとることができる。
治療用ペプチドを、非経口投与(例えば、注入、例えば、ボーラス注入または持続点滴による)用に製剤化してもよく、アンプル、充填済み型注射器、小容量注入容器における、または複数回用量容器における単位剤形として提供してもよい。
【0028】
これらの製剤は、当技術分野において周知である、薬学的に許容される担体、媒体、および補助剤を含むことができる。例えば、水に加えて、アセトン、酢酸、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、「Dowanol」という名前で販売されている製品などのグリコールエーテル、ポリグリコールおよびポリエチレングルコール、短鎖酸のC〜Cアルキルエステル、乳酸エチルまたは乳酸イソプロピル、「Miglyol」という名前で市販されている製品などの脂肪酸トリグリセリド、イソプロピルミトリセート、動物油、鉱油、および植物油、ならびにポリシロキサンなどの溶媒から選択された、生理学的視点から許容される1つまたは複数の有機溶媒を用いて溶液を調製することは可能である。
【0029】
好ましい投与経路は局所である。局所投与について、標的領域、例えば、爪および皮膚への直接適用として当技術分野で公知であるように、ペプチドを製剤化してもよい。主として局所適用として調整された形は、例えば、ラッカー、クリーム、乳液、ゲル、粉末、分散液またはマイクロエマルジョン、多かれ少なかれ濃縮されたローション、含浸パッド、軟膏またはスティック、エアロゾル製剤(例えば、スプレーまたは泡)、石けん、洗浄剤、ローション型または固形石けんの形をとる。この目的のための他の通常の形としては、創傷包帯、絆創膏または他のポリマー被覆剤、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゼリー、スプレー、およびエアロゾルが挙げられる。このように、本発明の治療用ペプチドは、皮膚投与用のパッチまたは包帯を介して送達することができる。
【0030】
本発明のペプチドを、例えば、ある種の経皮的送達装置を介して、経皮的に投与することが可能な場合がある。そのような装置は、例えば経口薬または静脈内投与薬と比較して、長期間の処置を可能にする場合があるため、特に抗生物質化合物の投与にとって、有利である。経皮的送達装置の例としては、例えば、患者の皮膚を通してペプチドを放出するのに適応した、パッチ、包帯、絆創膏、または硬膏を挙げることができる。当業者は、化合物または物質を経皮的に送達するのに用いることができる材料および技術を熟知していると考えられ、例示的な経皮的送達装置は、GB2185187、US3249109、US3598122、US4144317、US4262003、およびUS4307717によって提供されている。例として、本発明のペプチドについては、それを経皮的送達系に用いるのに適しているようにするために、非水性ポリマー担体などのある種のマトリックスまたは基質と組み合わせてもよい。ペプチド/マトリックスまたは基質混合物は、織物または編み物、非織物、比較的目の粗いメッシュ生地を用いて患者の身体の特定領域に一時的に付着することができるパッチ、絆創膏、硬膏などを作製することによって、さらに増強することができる。このように、患者の皮膚と接触している間、経皮的送達装置は、必要に応じて、感染部位へ直接に、または皮膚を通して、化合物または物質を放出する。
【0031】
本発明のペプチドはまた、細菌による汚染を低減および/または除去するために、例えば表面に用いる、滅菌補助剤または洗浄補助剤として用いてもよい。例えば、本発明のペプチドを、滅菌剤または洗浄剤として用いる前に適切な賦形剤または溶液に添加または希釈してもよい。例示的な賦形剤は、上に記載されている。そのような滅菌溶液または洗浄溶液を、例えば、家具、床、例えば、特殊な病院用機器および/または手術用機器を含む機器を除染するために用いてもよい。さらなる実施形態において、本発明のペプチドを、身体の部分、特に例えば、手における細菌汚染を除去および/または低減するために用いてもよい。ペプチドを、水性または非水性溶液として希釈(水性、非水性、または有機溶媒に溶解)してもよく、それを身体部分、例えば、手に適用してもよい。
【0032】
本発明のペプチドはまた、気道に投与することができる。したがって、本発明はまた、本発明の方法に用いるエアロゾル製剤および剤形を提供する。一般的に、そのような剤形は、特定の感染症、徴候、または疾患の臨床症状を処置または予防するのに効果的な量の本発明の作用物質の少なくとも1つを含む。本発明の方法に従って処置されている感染症、徴候、または疾患の1つまたは複数の症状のいかなる統計学的に有意な減衰も、本発明の範囲内におけるそのような感染症、徴候、または疾患の処置であるとみなされる。
本発明のペプチドを、併用療法として1つまたは複数の既知の抗微生物剤と共に提供してもよい。典型的には、本発明のペプチドを、感染症の処置の単剤療法として提供する。
【0033】
使用
本発明のペプチドは、異なる界または属からの少なくとも2つの異なる同定可能な微生物による感染、別名「微生物混合感染」に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態の処置または予防に有用でありうる。微生物は、細菌、真菌(酵母を含む)、ウイルス、または寄生生物であってよい。好ましくは、微生物は細菌および真菌である。疾患を引き起こす微生物は、絶対性病原体でも日和見病原体であってもよい。
好ましくは、本発明のペプチドは、細菌および真菌に起因する、または細菌および真菌によって引き起こされる感染症の同時的処置または予防に有用である。
【0034】
したがって、本発明のさらなる態様は、細菌および真菌に起因する、または細菌および真菌によって引き起こされる感染症を処置または軽減するための医薬の製造における、本発明によるペプチドまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
細菌は、グラム陽性細菌かまたはグラム陰性細菌のいずれであってもよい。細菌は、限定されるわけではないが、プロピオニバクテリア属菌種(Propionibacteria spp.)(例えば、プロピオニバクテリウム・アクネス)、バチルス属菌種(Bacillus spp)、スタフィロコッカス属菌種(例えば、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス))、シュードモナス属菌種(例えば、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーサ))、大腸菌(エシェリキア・コリ)、プロテウス・ミラビリス、エンテロコッカス属菌種、エンテロバクター属菌種、アシネトバクター属菌種、クレブシエラ属菌種、およびストレプトコッカス属菌種(Streptococcus spp.)(例えば、A群β溶血性連鎖球菌)から選択されてもよい。
細菌はプロピオニバクテリウム・アクネスであってもよい。
【0035】
真菌は、限定されるわけではないが、アブシディア属菌種(Absidia spp)(例えば、アブシディア・コリムビフェラ(Absidia corymbifera))、アスペルギルス属菌種(Aspergillus spp)(例えば、アスペルギルス・カンジダス(Aspergillus candidus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamarii)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・シドウィ(Aspergillus sydowii)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ウスツス(Aspergillus ustus)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、アスペルギルス・クラバツス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・グラウクス(Aspergillus glaucus)群、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae))、クリプトコッカス属菌種(Cryptococcus spp)(例えば、クリトコッカス・ネオフォルマンス変種ネオフォルマンス(Crytococcus neoformans var.neoformans)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス変種ガティ(Crytococcus neoformans var.gatii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス変種グルビ(Crytococcus neoformans var.grubii))、マラセジア属菌種(Malassezia spp)(例えば、マラセジア・フルフール(Malassezia furfur)、マラセジア・パチデルマティス(Malassezia pachydermatis)、マラセジア・グロボサ(Malassezia globosa)、マラセジア・オブツセ(Malassezia obtuse)、マラセジア・レストリクタ(Malassezia restricta)、マラセジア・スロオフィエ(Malassezia slooffiae)、マラセジア・シンポジアリス(Malassezia sympodialis))、カンジダ属菌種(Candida spp)(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・クルゼイ(Candida krusei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・ケフィル(Candida kefyr)、カンジダ・サケ(Candida sake)、カンジダ・グイリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・デュブリニエンシス(Candida dubliniensis)、カンジダ・シフェリ(Candida ciferii)、カンジダ・ファマタ(Candida famata)、カンジダ・ラムビカ(Candida lambica)、カンジダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダ・ノルベゲンシス(Candida norvegensis)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、カンジダ・ビスワナティ(Candida viswanathii)、カンジダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides))、リゾムコール属菌種(Rhizomucor spp)(例えば、リゾムコール・プシルス(Rhizomucor pusillus)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)、リゾムコール・バリアビリス(Rhizomucor variabilis))、サッカロミセス属菌種(Saccharomyces spp)(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ボウラルディ(Saccharomyces boullardii))、ハンゼヌラ属菌種(Hansenula spp)、フザリウム属菌種(Fusarium spp)(例えば、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・クラミドスポルム(Fusarium chlamydosporum)、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・プロリフェラツム(Fusarium proliferatum))、ムコール属菌種(Mucor spp)(例えば、ムコール・アムフィビオルム(Mucor amphibiorum)、ムコール・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)、ムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis)、ムコール・インジクス(Mucor indicus)、ムコール・ラセモスス(Mucor racemosus)、ムコール・ラモシスシムス(Mucor ramosissimus))、トリコスポロン属菌種(Trichosporon spp)(例えば、トリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)、トリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum)、トリコスポロン・アステロイズ(Trichosporon asteroids)、トリコスポロン・オボイデス(Trichosporon ovoides)、トリコスポロン・イニキン(Trichosporon inikin)、トリコスポロン・アサヒ(Trichosporon asahii)、トリコスポロン・ムコイデス(Trichosporon mucoides))、ロドトルラ属菌種(Rhodotorula spp)(例えば、ロドトルラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロドトルラ・ミヌタ(Rhodotorula minuta)、ロドトルラ・ムシラギノサ(Rhodotorula mucilaginosa))、ピキア属菌種(Pichia spp)(例えば、ピキア・アノモラ(Pichia anomola)、ピキア・グイリエルモンディ(Pichia guilliermondii)、ピキア・ノルベゲンシス(Pichia norvegensis)、ピキア・オーメリ(Pichia ohmerii))、リゾプス属菌種(Rhizopus spp.)(例えば、リゾプス・アルヒズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・ミクロスポルス(Rhizopus microsporus))、ペニシリウム属菌種(Penicillium spp)(例えば、ペニシリウム・マルネフェイ(Penicillium maruneffei)、ペニシリウム・ベルコスム(Penicillium verrucosum))、およびブラストシゾミセス属菌種(Blastoshizomyces spp)(例えば、ブラストシゾミセス・カピタツス(Blastoshizomyces capitatus))からなる群より選択される真菌など、任意の真菌であってよい。
真菌は、マラセジア属菌種、例えば、マラセジア・フルフールであってもよい。
【0036】
本発明はさらに、細菌および真菌の感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態を処置または軽減するための医薬の製造における、本発明のペプチドまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。例えば、疾患または状態は、ざ瘡(尋常性ざ瘡)、爪囲炎、微生物性角膜炎、乳腺炎、局所創傷、火傷(日焼けおよび熱傷を含む)、細菌および/または真菌感染によって引き起こされる軽度の炎症状態、ならびに嚢胞性線維症からなる群より選択されてもよい。
【0037】
処置される疾患または状態は、爪、皮膚、真皮、乳房、角膜、または肺、特に、皮膚、真皮、または肺についてであってもよい。
本発明による使用において、疾患または状態はざ瘡であってもよい。
本発明による使用において、疾患または状態は爪囲炎であってもよい。
本発明による使用において、疾患または状態は創傷であってもよい。
本発明による使用において、疾患または状態は潰瘍であってもよい。
本発明による使用において、疾患または状態は火傷であってもよい。
【0038】
本発明による使用において、疾患または状態は嚢胞性線維症であってもよい。
1つの実施形態において、本発明は、細菌および真菌の感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態を処置または軽減するための医薬の製造における、式(I)(式中、nは11から15の間、特に11から13の間の整数である)のペプチドまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0039】
本発明のペプチドは、細菌と真菌の両方による感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態の同時的処置に効果的である。したがって、本発明は、本発明によるペプチドまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、微生物混合感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態の処置、予防、または進行遅延のための方法を提供する。好ましくは、患者は、哺乳動物、特にヒトである。
【0040】
ペプチドまたはその薬学的に許容される塩の投与経路は、局所、経口、エアロゾル、皮内、筋肉内、または静脈内投与であってもよい。
本発明の好ましい方法において、ペプチドまたはその薬学的に許容される塩は、局所投与される。例えば、局所投与は、疾患または状態が皮膚または真皮についてのもの、例えば、ざ瘡、創傷、または火傷である場合、好ましい。
【0041】
投与経路が局所的である場合、ペプチドまたはペプチド、またはその薬学的に許容される塩を、非粘着性ガーゼ、絆創膏、綿棒、ワイプクロス、パッチ、マスク、保護剤、クレンザー、防腐剤、溶液、クリーム、ローション、軟膏、ゲルもしくは乳濁液、液体、ペースト、石けん、または粉末を用いて投与してもよい。
本発明の方法において、ペプチドまたはその薬学的に許容される塩は、吸入用または非経口投与用の製剤として意図される。
【0042】
このように、1つの実施形態において、本発明は、本発明によるペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含むエアロゾル製剤の治療有効量を患者に投与することを含む、微生物混合感染の処置、予防、または進行遅延のための方法を提供する。本発明はさらに、本発明によるペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含むエアロゾル製剤を含む吸入器を含め、エアロゾル製剤を提供する。例えば、投与様式としての吸入は、疾患または状態が肺についてのもの、例えば、嚢胞性線維症である場合、好ましい。
【0043】
本発明により処置可能な特定の疾患および状態の診断については、血液、組織、尿などから原因微生物を単離することによって、当業者が容易に決定することができる。
防御の程度は、本発明の化合物を含む、または含むと主張する偽または詐欺の製品を含み、それらが実際、そのような化合物を含むかどうかを問わず、かつ任意のそのような化合物が治療有効量で含まれているかどうかを問わない。
【0044】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と共に記載された特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または化学基は、本明細書に記載された任意の他の態様、実施形態、または実施例に、それらと矛盾しない限り、適用できると理解されるべきである。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は本発明を例示する。
実施例
材料および方法
ペプチド合成
すべてのペプチドについては、ペプチド供給業者、NeoMPS SA(Strasbourg、France)による契約によって固相合成で作製したか、またはSigma−Aldrich Chemical Company Ltd.(Poole、UK)から購入したかのいずれかであった。
カチオン性ペプチドの配列
分析されるペプチドの配列は表1および2に示されている。Acは、オリゴペプチドのC末端へのアセチル化修飾を表し、NHは、オリゴペプチドのN末端のアミド化を表す。
【0046】
ブロス希釈抗細菌薬感受性試験
ペプチドに対する関連細菌株の感受性を、Clinical Laboratory Standard Institute(CLSI;元NCCLS)認可標準を用いて測定した。細菌感受性を、「嫌気的に増殖する細菌の希釈抗微生物薬感受性試験についての方法;認可標準−第7版 M7−A7(Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Anaerobically;Approved Standard−Seventh Edition M7−A7)」を用いて試験した。
【0047】
ブロス希釈抗真菌薬感受性試験
ペプチドに対する関連真菌株の感受性を、Clinical Laboratory Standard Institute(CLSI;元NCCLS)認可標準(Approved Standards)を用いて測定した。酵母感受性を、「酵母のブロス希釈抗真菌薬感受性試験についての基準方法;認可標準−第2版 M27−A(Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Yeasts; Approved Standard−Second Edition M27−A)」を用いて試験した。
【0048】
結果
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌および真菌の感染症の複合作用型処置に用いるペプチドであって、前記ペプチドのアミノ配列におけるアミノ酸の実質的に全部が同じである、ペプチド。
【請求項2】
前記配列のアミノ酸の実質的に全部が塩基性アミノ酸である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
塩基性アミノ酸がリジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される、請求項2に記載のペプチド。
【請求項4】
塩基性アミノ酸がリジンおよびアルギニンである、請求項2に記載のペプチド。
【請求項5】
薬物として用いる、下記の式(I)によるアミノ酸配列を含むペプチドまたはそのペプチド変異体:
(X) (I)
(式(I)中、Xは塩基性アミノ酸である。)。
【請求項6】
5〜15個の塩基性アミノ酸の配列を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項7】
Xがアルギニンである、請求項5または6に記載のペプチド。
【請求項8】
Xがリジンである、請求項5または6に記載のペプチド。
【請求項9】
Xがヒスチジンである、請求項5または6に記載のペプチド。
【請求項10】
微生物混合感染に関連している疾患または状態を処置するための医薬の製造における、請求項1から9のいずれか一項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項11】
感染が細菌および真菌に起因する、または細菌および真菌によって引き起こされる、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
細菌および真菌の感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態を処置または軽減するための医薬の製造における、請求項1から9のいずれか一項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
疾患または状態が、ざ瘡、爪囲炎、微生物性角膜炎、乳腺炎、局所創傷、火傷、細菌および/または真菌感染によって引き起こされる炎症状態、ならびに嚢胞性線維症からなる群より選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
疾患または状態がざ瘡である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
疾患または状態が爪囲炎である、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
疾患または状態が創傷である、請求項13に記載の使用。
【請求項17】
創傷が火傷である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
創傷が潰瘍である、請求項16に記載の使用。
【請求項19】
疾患または状態が嚢胞性線維症の可能性がある、請求項16に記載の使用。
【請求項20】
請求項1から9のいずれか一項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、細菌および真菌の感染に起因する、またはその感染によって引き起こされる疾患または状態の処置、予防、または進行遅延のための方法。
【請求項21】
ペプチドまたはその薬学的に許容される塩が局所投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ペプチドまたはその薬学的に許容される塩が吸入により投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から9のいずれか一項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含むエアロゾル製剤。

【公表番号】特表2010−517987(P2010−517987A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547749(P2009−547749)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000282
【国際公開番号】WO2008/093059
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(508066991)ノバビオティクス・リミテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】NOVABIOTICS LIMITED
【Fターム(参考)】