説明

塩水リサイクルシステム、およびそれを利用する塩分リサイクル方法

【課題】 食品加工場で発生する野菜微小片などの不純物が混在した排塩水であっても短時間で経済的に、所望の塩分濃度に調整された浄化塩水に再生し、同食品加工場内で再利用可能とする新たな排水浄化技術を提供する。
【解決手段】 食品加工場7から回収した塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能であり、回収した排塩水に含まれる不要成分を沈殿除去可能な固液分離槽2、排塩水に含まれる残存不要成分を除去可能で、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置3、および、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場7に供給可能な貯留槽4からなるものとしてなる塩水リサイクルシステム1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品工場などの排水処理技術に関するものであり、特に塩分を多量に含む排水を再生処理する技術分野は勿論のこと、その浄化設備や装置、器具類などを提供、販売、設置および使用する分野から、それら施設に必要となる資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
漬け物工場では、生鮮な野菜が入荷すると、鮮度を失わない中に付着している異物や埃などを除去し、直ちに食塩や塩水に漬けて一定の温度管理の下、野菜の育成状況などに応じて微妙な調整を行いながら下漬け処理を行ってから、掛け流しの流水や高圧流水など各種の洗浄機械を順次用いるなどして漬け物表面のアクや塩分などを丹念に洗浄した上、所望の塩分濃度に調整された調味液と調合して袋に充填、密封包装し、冷却するという工程を辿って生産するのが一般的であり、前記下漬け処理後の洗浄で発生した排塩水は、殆どの工場で微生物の食物連鎖の原理を使った活性汚泥法による排水処理施設を利用して放流水質に浄化するようにしている。
【0003】
しかしながら、活性汚泥細菌の多くは塩化物イオン濃度が5%以下でしか生存できないため、漬物工場などから排出される塩分濃度6%を超えるような排水原液は、活性汚泥細菌の生育を阻害する虞があるため、長期的に安定して浄化処理する能力が得られないという欠点があり、こうした問題のある活性汚泥法を活かすためには、大量の井戸水や水道水を利用した排水処理施設で希釈を行う必要があるものの、この希釈水に要するコストが莫大であるため、漬け物などといった調味液を使う食品工場では、これらのために多大な経費を要するものとなっており、このように厄介者となっている塩化物イオンの除去には、イオン交換法やキレート吸着材を用いた浄化法などもあるにはあるが処理速度が遅い上、塩分が高濃度の排水では樹脂の洗浄や交換頻度が高くて経済的にも不利なことから、これまでのところ、漬け物類の食品工場の多くは、塩化物イオンに対する適切な処置ができないまま、原水中の塩化物イオンは余剰汚泥に取り込まれるか、放流水中に含まれたまま河川などに流出してしまうことになっていた。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、攪拌槽に吸着材を投入してBOD(Biochemical O7ygen Demand:生物化学的酸素要求量)、COD(Chemical O7ygen Demand:化学的酸素要求量)を矯正した後、その廃液を蒸溜濃縮してから、分離槽のフィルターで塩分を除去した上、これら濃縮液と蒸溜水とによって食品用素材とするよう濃度調整可能としたものや、同特許文献1(2)に見られるような、近年の汚染された海水を、一対の電極が設けられた配管中に通過させて電子リッチ状態とした上、活性炭水路に通過させ、(汚染)海水からミネラル類残存・殺菌・浄化海水を製造し、汚染成分が除去されて副作用を起こさないリンゲル液、生理食塩水や同機能液、ミネラル不足にならない調味料などの製造を可能とする技術などが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような廃液再生装置は、漬け物加工で発生した廃液から不純物を除去し、BOD,CODを適正に制御し、臭気を吸着除去した後、蒸溜濃縮塩基分離、酸度調整するものとなっているが、浄化の過程で複雑な配管路で接続された多段階に渡る多数の沈殿槽を必要とする上、蒸溜濃縮タンクを加温して蒸溜する工程で多大な燃料または電力を消費してしまい、さらに蒸留後の冷却工程にも相当の時間を要するから、大規模な浄化施設と多大な経費や長い処理時間とを覚悟しなければならないという欠点があり、また、後者特許文献1(2)の海水の浄化利用技術などは、直流電圧を印加した電極間に海水を通過させて細菌やウィルスを含む生物体を死滅させた上、その下流がわに配した活性炭に殺菌後の有機化合物を含む汚染物質を吸着して除去するようにしていて、基本的に清浄な海水を浄化することを目的としたものであって、漬け物工場から排出された塩水のように、野菜微小片などを含むような排水をそのまま浄化するようにしたものとはなっておらず、これら用の浄化性能を適切且つ長期間に渡って維持することができないという欠点を有するものであった。
【特許文献1】(1)特開平11−179342号公報 (2)特開2003−290772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種浄水技術などは、何れも多段階の沈殿槽や分離槽、蒸溜タンクおよび冷却タンクなど大規模な浄化施設を必要とするもので経済的負担が大きく、浄化処理に長時間を要するものであり、しかも排塩水をリサイクル利用しようとする場合に、蒸留などの処理を行った浄化水に対して、浄化の過程で一旦、分離した高塩分濃度の濃縮液を再度混合、調整しなければならず、勢い複雑な作業工程となってしまうという欠点があり、また、海水を浄化処理可能とした技術などは、それを漬け物工場の排水浄化に応用しようとすると、排水中の野菜微小片などの不純物を除去する技術を有しておらず、そのままでは利用できないという欠点があり、限られた工場敷地内に適切な大きさで設置可能であり、しかも野菜微小片などの粉粒状不純物を含む排塩水であっても、効率的かつ経済的に浄化処理でき、所望する塩分濃度の浄化塩水に調整可能とする技術については未だ存在しないという状況にある。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、食品加工場で発生する野菜微小片などの粉粒状不純物が混在した排塩水であっても、短時間で経済的に所望の塩分濃度に調整された浄化塩水に再生し、同食品加工場内で再利用可能とする新たな排水浄化技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の塩水リサイクルシステム、およびそれを利用する新規な塩分リサイクル方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の塩水リサイクルシステムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、および、該塩分リサイクル装置から供給されると共に、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとした構成を要旨とする塩水リサイクルシステムである。
【0009】
この基本的な構成からなる塩水リサイクルシステムを、より具体的なものとしてに示すと、食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、該塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水に適量の食塩を添加して塩分濃度を8〜12%に調整可能な塩分調整部、および、該塩分調整部を通じて供給された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとした構成からなる塩水リサイクルシステムとなる。
【0010】
表現を変えて示すと、食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、該塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水に紫外線を照射して殺菌可能なUV殺菌装置、および、該UV殺菌装置から供給されると共に、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとした構成からなる塩水リサイクルシステムということになる。
【0011】
(関連する発明)
上記した塩水リサイクルシステムに関連し、この発明には、それを利用する塩分リサイクル方法も包含している。
即ち、食品加工の工程で発生した塩分を多量に含む排塩水を衛生状態のまま固液分離槽に収容し、無機凝集剤を投入して不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去した後、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置に供給して、該排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンは通過して塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化した上、塩分濃度を8〜12%に調整して貯留槽に衛生的に貯留し、新たな食品加工の何れかの工程に当該浄化塩水を調味液としてリサイクルするようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法である。
【0012】
これを換言すると、食品加工の工程で発生した塩分を多量に含む排塩水を衛生状態のまま固液分離槽に収容し、無機凝集剤を投入して不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去した後、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置に供給して、該排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンは通過して塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化した上、UV殺菌装置を通過させて該浄化塩水に紫外線を照射して殺菌した後、所定の塩分濃度に調整して貯留槽に衛生的に貯留し、新たな食品加工の何れかの工程に当該浄化塩水を調味液としてリサイクルするようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法と言える。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、この発明の塩水リサイクルシステムによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、従来型の浄化施設に比較して沈殿槽などの数を大幅に削減し、食品加工場などの工場敷地内に小規模な浄化施設として設置することができ、従前までであれば食品加工場から浄化処理した後に河川などに排出されていた排塩水を工場内で衛生状態のままに回収し、不要成分を沈殿、除去した上、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を通過させて残存エマルジョンや残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンを残した状態に浄化した浄化塩水を得ることが可能となり、しかも所定の塩分濃度に調整して一時的に貯留し、再び食品加工場にリサイクル供給可能とし、従前までのように多量の塩分を含んだままの浄化塩水として放流してしまうために大量の消費となっていた食塩の使用量を大幅に削減して食品加工業者がわの経済効果を高めることができるようになる上に、自然環境面では、食品加工場から放流される排水中の塩分量を、通常の河川水と略同等といえる0.4%以下に留めることに繋がり、塩分濃度の上昇による食品加工場周辺の河川水の汚染を確実に防止して周辺住民にとっても大いに歓迎されるものになるという秀れた特徴が得られるものである。
【0014】
加えて、浄化処理の過程で、排塩水が食品加工場から固液分離槽を経て塩分リサイクル装置を通過し、貯留槽へと供給される配管路の途中に、塩分調整部を設けたものの場合には、塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水に適量の食塩を添加して塩分濃度を8〜12%に調整可能であり、貯留槽から調味液管路を通じて食品加工場に供給される浄化塩水の塩分濃度を一定に保ち、従前まで不可欠であった食品加工の度毎に、食品工場内で水道水に食塩を加えて塩分濃度を調整するという煩雑な作業が一切不要となり、生産効率を各段に高めると共に、品質管理をより簡単且つ正確に行うことができるという効果を奏するものとなる。
【0015】
また、浄化処理の過程で、排塩水が食品加工場から固液分離槽を経て塩分リサイクル装置を通過し、貯留槽へと供給される配管路の途中にUV殺菌装置を設けたものの場合には、該塩分リサイクル装置から送出される浄化塩水に紫外線を照射して殺菌することが可能となり、排塩水が、同塩分リサイクル装置の精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を通過した後になお残存する細菌やウィルスを除去、不活化し、さらに高い消毒効果を得ることができる利点がある。
【0016】
そして、この発明の基本をなす前記何れか記載の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法によれば、従前までとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、食品加工の工程で発生した排塩水を、そのまま固液分離槽に収容して不要成分を沈殿除去した後、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有する塩分リサイクル装置に供給して残存エマルジョンや残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去してしまうと共に、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化した上、塩分濃度を8〜12%に調整して貯留槽に貯留するようにし、当該浄化塩水を新たな食品加工の何れかの工程に使用する調味液としてリサイクル利用可能とすることができ、従前までであれば、河川などに放流するために排塩水の塩分濃度を5%以下まで降下させるのに必要だった大量の希釈用水を大幅に削減または全く不要とし、自然環境の保全に貢献できることとなる上、食品加工に必要となる食塩の使用量を従前までの50%程度に抑制可能として経済的な工場運営を実現化できるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0017】
また、固液分離槽から塩分リサイクル装置を経た浄化塩水に紫外線を照射するようにして殺菌した上、所定の塩分濃度に調整して貯留し、新たな食品加工の調味液としてリサイクル利用するようにでき、これら浄化塩水を一段と高い衛生状態に維持可能とすることができ、水道水をそのまま使用する場合より高い安全性を確保できるという大きな効果を期待できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
固液分離槽は、食品加工の工程中に発生する塩分を多量に含む排塩水を衛生状態のままに収容し、不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去し、次工程に向けて浄化塩水を供給可能とするものであり、食品加工場から導出するよう配管された集水管路に接続し、排塩水のみを衛生的に回収可能なものとしなければならず、水道水の浄化に準じた凝集剤を使用すべきであり、天然原料や食品添加物などからなり、より安全性の高い無機凝集剤を選択するのが望ましい。
【0019】
固液分離槽に接続した集水管路は、食品加工場で排出される排塩水のみを衛生的に回収可能とするものであり、食品加工場内で塩分濃度の高い排塩水が安定的に排出される箇所に配管されたものとしなければならず、排水口に加工食品の破片などの流入を防ぐ各種目皿やグレーチングなどを有するものとすべきであり、濾過用のネット類などを交換自在に装着可能なものとするのが望ましい。
【0020】
塩分リサイクル装置は、固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などといった微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンを残して浄化塩水とするものであり、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有するものとしなければならず、精密濾過膜は、液体を対象とする濾過膜の一種で、50ナノメートルないし10マイクロメートルの孔を有するMF膜(Microfiltlaion Membrane)であり、限外濾過膜は、液体を対象とする濾過膜の一種で、2ないし200ナノメートルの孔を有するUF膜(Ultrafiltration Membrane)であり、後述する実施例に示すように、先に精密濾過膜を通過した浄化塩水を、同精密濾過膜より孔径が微細に設定された限外濾過膜に通過させるよう濾過可能なものとするのが望ましい。
【0021】
貯留槽は、塩分リサイクル装置から供給されると共に、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、貯留した浄化塩水を食品加工場に向けてリサイクル供給可能とする機能を果たし、浄化塩水以外の浄水やそれ以外の異物などが流入しないよう厳しく管理されたものとしなければならず、食品加工場の排塩水の発生量に応じた規模の容量を確保したものとすべきであり、浄化塩水の貯留温度を一定に保つよう、冷却装置や保温装置などを有するものとすることができ、塩分濃度の測定の外、貯留槽内および調味液管路末端の適所、複数箇所夫々で水質検査が可能なものとするのが望ましく、また、各調味液管路は、食品加工場の作業性を高められる適所に設けたものとすることが可能であり、利用に適した水圧を加え、末端にバルブや蛇口を有するものとするのが望ましいと言える。
【0022】
塩分調整部は、塩分リサイクル装置から送出されて貯留槽に向かう浄化塩水に、適量の食塩を添加して所望の塩分濃度に調整可能とするものであり、適正な量の食塩を浄化塩水に対して均質に混合可能なものとしなければならず、塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水か、または、塩分調整部に流入した浄化塩水の塩分濃度の測定値に基づき、同浄化塩水量に応じて適量の食塩を投入、攪拌可能なものとすることができる外、塩分リサイクル装置から送出される浄化塩水の平均的塩分濃度を予め測定し、その平均塩分濃度に基づき、一定量の浄化塩水に対して所定量の食塩を投入可能なものとすることができ、人為的に投入操作可能な投入器具を有するものか、または作業者自ら食塩を投入するようにしたものや、自動的に浄化塩水の塩分濃度を測定し、必要量の食塩を自動的に投入可能な自動投入装置を組み込んでなるものなどとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、貯留槽に到達する浄化塩水の塩分濃度を8〜12%に調整可能として、食品加工に効率的に利用可能な調味液に調合可能なものとするのが望ましい。
【0023】
UV殺菌装置は、塩分リサイクル装置から送出されて貯留槽に向かう浄化塩水に、適切な量の紫外線を照射して殺菌可能とする機能を果たし、塩分リサイクル装置と貯留槽との間の適所に配した配管中か、または水槽内等の適所かの何れかに、10ないし400ナノメーター、望ましくは200ないし280ナノメーターの波長で発光可能な紫外線ランプを有するものとすべきであり、強度の強い紫外線を万遍なく充分に照射可能なものとするのが望ましく、塩分調整部の前後何れか一方か、または、双方に配したものとすることができる。
【0024】
この発明の基本をなす塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法は、食品加工の過程で発生した排塩水を固液分離槽に収容して不要成分を沈殿除去した後、塩分リサイクル装置で残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンは通過して浄化塩水に浄化した上、8〜12%の塩分濃度に調整して貯留槽に衛生的に貯留し、新たな食品加工の何れかの工程に調味液としてリサイクル利用するものであるが、後述する実施例に示すように、塩分リサイクル装置から貯留槽に到達する途中段階でUV殺菌装置を通過させ、浄化塩水に紫外線を照射して殺菌するようにしたものとすることができる外、塩分調整部で塩分濃度を調整した後に、UV殺菌装置で紫外線殺菌を行うようにすることができ、さらにまた、塩分調整部で塩分濃度を調整する前後の夫々で、UV殺菌装置で紫外線殺菌を行うようにすることなどが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0025】
図1の塩水リサイクルシステムのブロック図に示す事例は、食品加工場7から回収した排塩水に含まれる不要成分を沈殿除去可能な固液分離槽2、排塩水に含まれる残存不要成分を除去可能で、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置3、および、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場7に供給可能な貯留槽4からなるものとした、この発明の塩水リサイクルシステムにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0026】
図1から明確に把握できるとおり、この発明の塩水リサイクルシステム1は、食品加工場である漬物工場7敷地内の適所に設置可能であり、該漬物工場7は、その工場建物71内に生鮮な野菜を入荷直後に、一定の温度管理の下で下漬け処理し、下漬け処理を終えた漬け物を洗浄処理可能とする各種設備を備えた下漬室72、および、該下漬室72で洗浄した漬け物を搬入して袋などの製品容器に所定量毎充填し、調味液を注入して密封包装可能とする各種設備を備えた製品室73を有しており、該下漬室72と製品室73とからは、夫々、殆ど塩分を含まない(塩分濃度が0.4%未満と低い)通常排水だけを排出する標準排水管76,76が、活性汚泥法による中規模槽または大規模槽の何れかからなる標準的浄化施設74(75)に接続され、浄化処理後の通常排水は、農業用水路77や河川などに放流するものとしてある。
【0027】
当該塩水リサイクルシステム1は、漬物工場7敷地内であって同工場建物71の屋外適所にSS除去槽21、およびそれに続く沈殿槽22からなる固液分離槽2を有し、該SS除去槽21に、工場建物71内の下漬室72で下漬け処理後の漬け物を水洗浄する工程で発生する、塩分を多量に含む排塩水だけを衛生的に回収可能に配管した集水管路23を接続し、該SS除去槽21は、適量の無機凝集剤を投入して排塩水中に含まれる不要成分である浮遊物質や懸濁物質を分離し、続く沈殿槽22で沈殿除去可能とするものであり、該固液分離槽2沈殿槽22からの接続管路24は、精密濾過膜および限外濾過膜を組み合わせてなる塩分リサイクル装置3に接続している。
【0028】
塩分リサイクル装置3からの浄化塩水用の送出管路31は、工場建物71内の適所に設置された貯留槽4に接続してあり、同送出管路31途中の貯留槽4寄りとなる適所には、浄化塩水の塩分濃度を自動的に計測して食塩の必要量を自動演算処理し、浄化塩水の塩分濃度を8〜12%に調整するよう、必要量の食塩を自動的に投入可能な食塩自動投入装置(図示せず)を組み込んだ塩分調整部5を配すると共に、同送出管路31途中の塩分リサイクル装置3寄りとなる適所には、流動する浄化塩水に波長200ないし280ナノメーターの紫外線を照射可能なUV殺菌装置6を設けたものとし、当該貯留槽4からは、下漬室72、製品室73の各所まで、末端に蛇口を有する調味液管路41,41を配管したものとしている。
【0029】
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の塩水リサイクルシステム1は、図1および図2の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法のフローチャートに示すように、この発明の塩分リサイクル方法に利用可能であり、漬物工場7の工場建物71下漬室72に搬入された新鮮な野菜を塩水に漬けて一定の温度管理の下、所定の期間に渡って下漬け処理を行った後、下漬けした野菜を掛け流しの流水や高圧流水などで洗浄することとなるが、その過程で発生する塩分を多量に含んだ排塩水は、野菜微小片などを除去するグレーチングや集塵ネットなどを装着した排水口から集水管路23を通じて固液分離槽2のSS除去槽21に流入し、同SS除去槽21は、無機凝集剤の投入によって排塩水中に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして分離し、それら不要成分の一部を沈殿させながら沈殿槽22へと送り込み、排塩水中の殆どの懸濁物質やエマルジョンなどを沈殿除去する(図2中のA)ものとなり、接続管路24を通じて塩分リサイクル装置3に供給される。
【0030】
塩分リサイクル装置3に送り込まれた浄化塩水は、精密濾過膜および限外濾過膜を順次通過する過程で、浄化塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過して塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化し、それら精密濾過膜および限外濾過膜によって分離された微細不要成分は、産業廃棄物として適正に廃棄処理することとなり、また、塩分リサイクル装置3から送出管路31に送出された浄化塩水は、殆どの懸濁物質類や細菌類などが除去された(図2中のB)ものとなっている。
【0031】
該送出管路31を通じてUV殺菌装置6に供給された浄化塩水は、その紫外線ランプからの強い紫外線照射を受け、残存するウィルスや細菌類を略完全に除去(図2中のC)されたものとなり、さらに、塩分調整部5で浄化塩水の塩分濃度を自動的に測定し、適量の塩分を自動的に添加して同浄化塩水の塩分濃度を8〜12%に調整(図2中のD)した上、工場建物71内の貯留槽4に流入して一時的に貯蔵され、該貯留槽4内の浄化塩水は、常時10%前後の塩分濃度に保たれていて、調味液管路41,41を通じて下漬室72や製品室73に供給(図2中のE)されており、下漬室72および製品室73の図示しない各蛇口のバルブを操作して、いつでも塩分濃度10%前後の調味液として利用可能なものとしてあって、当該下漬室72では下漬け処理用の調味液として、また、製品室73では漬け物の袋詰めや樽詰め包装などに使用する調味液として、夫々利用することが可能となる。
また、前記工場建物71内の下漬室72や製品室73から排出されることになる塩分濃度0.4%未満の通常排水は、標準的浄化施設74(75)から標準排水管76を通じて適正に浄化されて農業用水路77や河川などに放流されることとなる。
【0032】
(実施例1の効果)
以上のような構成からなる実施例1の塩水リサイクルシステム1、およびそれを利用する塩分リサイクル方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1および図2中に示すように、塩分リサイクル装置3と貯留槽4とを繋ぐ送出管路31の途中に、浄化塩水の送水方向に沿ってUV殺菌装置6および塩分調整部5を順次配してあって、塩分リサイクル装置3を通過直後の最も塩分濃度の低い(光の透過率が高い)状態の浄化塩水がUV殺菌装置6に送り込まれることとなり、紫外線の透過率を高めて細菌類やウィルス類を最も効果的に死滅させることができ、その後に塩分調整部5で浄化塩水の塩分濃度を8〜12%に高めて調味液としての利用を可能とし、下漬室72や製品室73で使用されるまでの間は一時的に貯留槽4に貯留可能として送出管路31の上流がわに塩分調整部5を配し、下流がわにUV殺菌装置6を配した場合に比較し、添加直後で未溶解且つ粒状の食塩などが浄化塩水に対する紫外線の透過を阻害してしまうのを防止して、より確実な殺菌効果を果たして高い衛生状態を安定的に確保できるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0033】
加えて、漬物工場7内で発生する塩分濃度が0.4%未満と低い通常排水だけを、活性汚泥法による標準的浄化施設74(75)で標準的な浄化処理を施した後、農業用水路77や河川に放流するようにしてあることから、漬物工場7周辺の農業用水路77や河川に塩分濃度の高い排塩水が放流されることがなく、自然環境に優しい漬物工場7を実現化できるという特段の効果が得られるものである。
【0034】
(結 び)
叙述の如く、この発明の塩水リサイクルシステム、およびそれを利用する塩分リサイクル方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造および設置も容易で、従前からの各種浄水技術に比較して各段に小規模の浄化施設として設置可能であり、食品加工場などから排出される排塩水を、食品加工用の調味液などとしてそのまま再利用可能とする高度な衛生状態の浄化塩水に再生することができると共に、工場内の食塩消費量を大幅に削減して遙かに経済的なものとすることができる上、放流する排水の塩分濃度を、経済的負担を要さずして一般的河川の塩分濃度の水準にまで低減化させることこととになり、従前までは工場排水からの塩分濃度の低下させるために多大な経費と労力とを費やしていた漬け物加工業界およびそれの他の塩化ナトリウムを多量に利用する各種産業界はもとより、河川の水質や周辺環境などを管理する各河川管理団体や、工場周辺の農業用水を利用して稲作や園芸などを営む各種農家、および、工場周辺の自然環境や住環境の保全を望む近隣住民などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図面は、この発明の塩水リサイクルシステム、およびそれを利用する塩分リサイクル方法の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
【図1】漬物工場の全体配置を概念的に示すブロック図である。
【図2】塩分リサイクル方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 塩水リサイクルシステム
2 固液分離槽
21 同 SS除去槽
22 同 沈殿槽
23 同 集水管路
24 同 接続管路
3 塩分リサイクル装置
31 同 送出管路
4 貯留槽
41 同 調味液管路
5 塩分調整部
6 UV殺菌装置
7 漬物工場(食品加工場)
71 同 工場建物
72 同 下漬室
73 同 製品室
74 同 標準的浄化施設
75 同 標準的浄化施設
76 同 標準排水管
77 同 農業用水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、および、該塩分リサイクル装置から供給されると共に、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとしたことを特徴とする塩水リサイクルシステム。
【請求項2】
食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、該塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水に適量の食塩を添加して塩分濃度を8〜12%に調整可能な塩分調整部、および、該塩分調整部を通じて供給された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとしたことを特徴とする塩水リサイクルシステム。
【請求項3】
食品加工場から塩分を多量に含む排塩水のみを衛生的に回収可能な集水管路に接続し、回収した排塩水に含まれる不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去可能な固液分離槽、該固液分離槽から供給された排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去可能であると共に、塩化物イオンは通過可能な精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有し、塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化可能な塩分リサイクル装置、該塩分リサイクル装置から送出された浄化塩水に紫外線を照射して殺菌可能なUV殺菌装置、および、該UV殺菌装置から供給されると共に、所定の塩分濃度に調整された浄化塩水を衛生的に貯留可能であって、該浄化塩水を食品加工場に供給可能な調味液管路が接続された貯留槽からなるものとしたことを特徴とする塩水リサイクルシステム。
【請求項4】
食品加工の工程で発生した塩分を多量に含む排塩水を衛生状態のまま固液分離槽に収容し、無機凝集剤を投入して不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去した後、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置に供給して、該排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンは通過して塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化した上、塩分濃度を8〜12%に調整して貯留槽に衛生的に貯留し、新たな食品加工の何れかの工程に当該浄化塩水を調味液としてリサイクルするようにした、請求項1ないし3何れか一項記載の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法。
【請求項5】
食品加工の工程で発生した塩分を多量に含む排塩水を衛生状態のまま固液分離槽に収容し、無機凝集剤を投入して不要成分を懸濁物質やエマルジョンなどとして沈殿除去した後、精密濾過膜または限外濾過膜の中、少なくとも何れか一方を有した塩分リサイクル装置に供給して、該排塩水に含まれる残存エマルジョン、残存懸濁物質、大腸菌、ブドウ球菌などの微細不要成分を除去すると共に、塩化物イオンは通過して塩化物イオンを含む浄化塩水に浄化した上、UV殺菌装置を通過させて該浄化塩水に紫外線を照射して殺菌した後、所定の塩分濃度に調整して貯留槽に衛生的に貯留し、新たな食品加工の何れかの工程に当該浄化塩水を調味液としてリサイクルするようにした、請求項3記載の塩水リサイクルシステムを利用する塩分リサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−264349(P2010−264349A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116011(P2009−116011)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(509133285)株式会社オイコス (1)
【Fターム(参考)】