説明

塩酸ナルトレキソン組成物

【課題】塩酸ナルトレキソンの組成物およびその安定化方法を提供する。
【解決手段】例えば、不活性のコア、第1の層、第2の層および第3の層を含む医薬組成物であって、第1の層はコアと第2の層の間にあり、第2の層は第1の層と第3の層の間にあり、第1の層は塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を含み、第2の層は第1の疎水性物質を含み、そして、第3の層は第2の疎水性物質を含み、不活性のコア1個以上が剤型中に(即ち、第1、第2、および第3の層とともに)包含されることにより与えられる塩酸ナルトレキソン総量20mg以下の組成物。安定化剤は、例えば有機酸、カルボン酸、アミノ酸の塩(例えばシステイン、L−システイン、塩酸システイン、塩酸グリシンまたは2塩酸シスチン)、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸およびその誘導体、等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を含む医薬組成物、およびその製造および
使用の方法に関する。本出願は本明細書に参考として援用される2002年3月14日出
願の米国仮特許出願60/364,521号の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
ナルトレキソンはオピオイド拮抗剤である。ナルトレキソンの化合物および合成方法は
米国特許3,332,950号に記載されている。長期にわたり十分な量でモルヒネ、ヘ
ロインまたは他のオピオイドと同時投与した場合、ナルトレキソンはオピオイドへの身体
的依存性の発生率を低減し得る。
【0003】
国際公開公報第01/58451号は放出可能な形態のオピオイドアゴニストおよび剤
型が未損傷で投与される場合には実質的に放出されない封鎖されたオピオイド拮抗剤を含
む経口剤型を開示している。
【0004】
欧州特許0880352号はビスロキソンへのナロキソンの2量化を防止するナロキソ
ンの安定化方法を記載している。
【0005】
ナルトレキソンの薬理学的および薬物学的な性質は複数の動物実験および臨床試験にお
いて評価されている(例えばGonzalez J P,ら.Naltrexone:A review of i
ts Pharmacodynamic and Pharamcokineic Properties and Therapeutic Efficacy in the
Management of Opioid Dependence. Drugs 1988; 35:192-213参照)。経口投与の後、ナ
ルトレキソンは急速(1時間以内)に吸収され、経口バイオアベイラビリティは5〜40
%の範囲である。ナルトレキソンの蛋白結合は約21%であり、単回投与後の分布体積は
16.1L/kgである。
【0006】
塩酸ナルトレキソンはアルコール依存症の治療のため、および、外因性投与オピオイド
のブロックのために、錠剤で市販(Revia(登録商標),DuPont)されている
(例えばRevia, Physician’s Desk Reference. 51st ed., Montvale, NJ;「Medic
al Economics」 1997, 51:957-959参照)。Revia50mgは24時間まで25mg
のIV投与ヘロインの薬理学的作用をブロックするとされている。
【0007】
許容できる医薬組成物のための条件の1つは、それが、組成物の製造と患者による使用
の間の時間に渡って活性成分の実質的な分解を示さない程度に安定でなければならない点
である。例えば多くの薬剤が加水分解を起こすことがわかっており、これは薬剤の分解の
最も共通する経路の1つである。加水分解は例えば光、酸化およびpHにより影響を受け
る場合がある。
【0008】
塩酸ナルトレキソンはおそらくは熱、光および/または酸素により、保存中に分解する
場合があることがわかっている。このような分解は塩酸ナルトレキソンが大量投与された
場合よりも少量で投与された場合に塩酸ナルトレキソンの薬効により大きく影響すると考
えられる。
【0009】
塩酸ナルトレキソンの分解を抑制し、その安定性を維持する20mg未満の量の塩酸ナ
ルトレキソン組成物が当該分野で必要とされている。
【0010】
本明細書において引用する全ての文書は、前述したものも含めて、全ての目的のために
その全体が参考として本明細書に援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は塩酸ナルトレキソンの組成物およびその安定化方法を提供することであ
る。
【0012】
本発明の特定の実施形態の目的は塩酸ナルトレキソンおよび製薬上許容しうる安定化剤
を含む医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の特定の実施形態の目的は塩酸ナルトレキソンを含む医薬組成物であって、組成
物が塩酸ナルトレキソンの製造、保存および分注の間に十分な安定性を有するものを提供
することである。
【0014】
本発明の特定の実施形態の目的は塩酸ナルトレキソンを含む組成物および塩酸ナルトレ
キソンの分解生成物の形成を抑制する方法を提供することである。
【0015】
これらの目的および他の目的は塩酸ナルトレキソン20mg以下および安定化剤を含む
医薬組成物に部分的に関する本発明により達成される。特定の実施形態においては塩酸ナ
ルトレキソンの量は0.001mg超および20mg未満であるか、または、その量は0
.01mg長および20mg未満である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
特定の実施形態においては、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および塩酸ナル
トレキソンの分解生成物の形成を抑制する安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0017】
特定の実施形態においては、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および安定化剤
を含む医薬組成物であって、組成物が40±2℃および相対湿度75±5%における1ヶ
月の保存の後に未分解形態の該塩酸ナルトレキソン少なくとも約90%、好ましくは少な
くとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、最も好ましくは少なくとも約99
%を保持しているものに関する。
【0018】
特定の実施形態においては、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および安定化剤
を含む医薬組成物であって、組成物が40±2℃および相対湿度75±5%における3ヶ
月、好ましくは6ヶ月の保存の後に未分解形態の該塩酸ナルトレキソン少なくとも約90
%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、最も好ましく
は少なくとも約99%を保持しているものに関する。
【0019】
特定の実施形態においては、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および安定化剤
を含む医薬組成物であって、組成物が40±2℃および相対湿度75±5%における9ヶ
月、好ましくは12ヶ月、より好ましくは18ヶ月の保存の後に未分解形態の該塩酸ナル
トレキソン少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なく
とも約98%、最も好ましくは少なくとも約99%を保持しているものに関する。
【0020】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および塩酸ナルト
レキソンの分解を抑制する安定化剤を含む医薬組成物であって、安定化剤がBHTではな
いものに関する。
【0021】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および塩酸ナルト
レキソンの分解を抑制する安定化剤を含む医薬組成物であって、安定化剤と組み合わせた
塩酸ナルトレキソンが製薬上許容しうる不活性のビーズ複数上に配置されるものに関する

【0022】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および塩酸ナルト
レキソンの分解を抑制する水溶性安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0023】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下;、安定化剤、お
よび、キレート形成剤を含む医薬組成物であって、安定化剤およびキレート形成剤の少な
くとも1つが塩酸ナルトレキソンの分解を抑制するものに関する。
【0024】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン20mg以下および塩酸ナルト
レキソンの分解を抑制するキレート形成剤を含む医薬組成物に関する。
【0025】
特定の実施形態において、本発明は不活性のコア、第1の層および第2の層を含む医薬
組成物であって、第1の層はコアと第2の層の間にあり、第1の層は塩酸ナルトレキソン
および安定化剤を含み、そして、第2の層は疎水性物質を含み、不活性のコア1個以上が
剤型中に(即ち、第1および第2の層とともに)包含されることにより塩酸ナルトレキソ
ン総量20mg以下が与えられる上記組成物に関する。
【0026】
特定の実施形態において、本発明は不活性のコア、第1の層、第2の層および第3の層
を含む医薬組成物であって、第1の層はコアと第2の層の間にあり、第2の層は第1の層
と第3の層の間にあり、第1の層は塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を含み、第2の層
は第1の疎水性物質を含み、そして、第3の層は第2の疎水性物質を含み、不活性のコア
1個以上が剤型中に(即ち、第1、第2、および第3の層とともに)包含されることによ
り塩酸ナルトレキソン総量20mg以下が与えられる上記組成物に関する。
【0027】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソン、安定化剤および疎水性物質を
含むマトリックスを含む医薬組成物に関する。
【0028】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約10mg、塩酸ナルトレキソン
約5.0mg未満、および、安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0029】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約10mgを含む第1の成分、お
よび、(i)塩酸ナルトレキソン約5.0mg未満および(ii)安定化剤を含む第2の
成分を含む医薬組成物に関する。
【0030】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約20mg、塩酸ナルトレキソン
約5.0mg未満、および、安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0031】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約20mgを含む第1の成分、お
よび、(i)塩酸ナルトレキソン約5.0mg未満および(ii)安定化剤を含む第2の
成分を含む医薬組成物に関する。
【0032】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約40mg、塩酸ナルトレキソン
約5.0mg未満、および、安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0033】
特定の実施形態において、本発明は塩酸オキシコドン約40mgを含む第1の成分、お
よび、(i)塩酸ナルトレキソン約5.0mg未満および(ii)安定化剤を含む第2の
成分を含む医薬組成物に関する。
【0034】
特定の実施形態において、本発明は重酒石酸ヒドロコドン約5〜20mg、塩酸ナルト
レキソン約5.0mg未満および安定化剤を含む医薬組成物に関する。
【0035】
特定の実施形態において、本発明は重酒石酸ヒドロコドン約5〜20mgを含む第1の
成分、および、(i)塩酸ナルトレキソン約5.0mg未満および(ii)安定化剤を含
む第2の成分を含む医薬組成物に関する。
【0036】
本発明はまた本明細書に記載した医薬組成物の製造方法に関する。
【0037】
本発明はまた本明細書に記載した医薬組成物を患者に投与することを含む患者の治療方
法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
特定の実施形態において、塩酸ナルトレキソンを含む本発明の組成物は、大きく分解す
ることなく室温(例えば、薬局および薬剤キャビネット中で通常遭遇する湿度および温度
の条件下)において長時間にわたり保存することができる。
【0039】
本発明の特定の実施形態において、本発明の塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤はマト
リックス組成物に配合される。
【0040】
本発明の特定の実施形態において、本発明の塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤はビー
ズ組成物中に配合される。
【0041】
本発明の特定の実施形態において塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤の部分はマトリッ
クス内にあり、および/または、塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤の部分はコーティン
グされた1個以上のビーズ内にある。
【0042】
特定の実施形態において、安定化剤は水溶性安定化剤、水不溶性安定化剤またはこれら
の混合物である。
【0043】
特定の実施形態において、本発明の塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤は、例えば国際
公開公報第01/58451号に記載の通り封鎖され、後に未損傷のまま剤型が投与され
れば実質的に放出されない。
【0044】
本発明の組成物は、錠剤またはカプセルのような経口用の剤型を包含するが、これらに
限定されない。本発明の組成物は当業者の知る何れかの所望の製薬用賦形剤を含んでよい

【0045】
「塩酸ナルトレキソン」という用語は塩酸ナルトレキソンの全ての形態、例えば水和さ
れた、または無水の形態を包含する意味を有する。
【0046】
不活性ビーズに関する「の周囲に配置される(disposed about)」とい
う用語は、ビーズの周囲に配置される物質が、物質とビーズとの間に中間層を有するか有
することなく、不活性ビーズの少なくとも部分を被覆することを意味する。
【0047】
全ての剤型の重要な特徴はその安定性に関連する。医薬品剤型の安定性は特定の容器お
よび環境中に保存された場合の、その物理的、化学的、微生物学的、治療的、薬学的およ
び毒性学的な特徴を維持することに関連する。
【0048】
本発明の特定の実施形態の別の局面において、未分解の塩酸ナルトレキソンの量は、薬
局および薬剤キャビネット中で通常遭遇する湿度および温度の条件下、例えば室温および
35〜60%湿度で1年間保存された後に、その表示強度の90%より高値、より好まし
くは表示強度の95%より高値である。即ち、塩酸ナルトレキソンを医薬品製剤中、例え
ば錠剤中に使用する場合に、室温(15〜25℃)および35〜60%湿度で1年間保存
された後に、塩酸ナルトレキソンの少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%を保
持している。
【0049】
特定の実施形態において、本発明は塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を含む医薬組成
物に関する。好ましくは、安定化剤の含有は、分解生成物の形成を抑制することにより塩
酸ナルトレキソンの分解を抑制する。本発明の目的のためには、塩酸ナルトレキソンの分
解生成物には、例えば10−ヒドロキシナルトレキソン;10−ケトナルトレキソン;2
,2’ビスナルトレキソン(シュードナルトレキソン);2,2’ビスナルトレキソンの
オキシド;2,2’ビスナルトレキソンのジオキシド;ナルトレキソンおよび10−ヒド
ロキシナルトレキソンのアルドール付加物;ナルトレキソンおよび10−ケトナルトレキ
ソンのアルドール付加物;ナルトレキソン−N−オキシド;10−ヒドロキシナルトレキ
ソン−N−オキシド;10−ケトナルトレキソン−N−オキシド;ナルトレキソンのセミ
キノン;ナルトレキソンのフリーラジカルパーオキシド;ナルトレキソンのアルドール付
加物;7,6位においてカップリングしたナルトレキソンのアルドール付加物;6,5位
においてカップリングしたナルトレキソンのアルドール付加物;ナルトレキソンのエーテ
ル連結付加物;ナルトレキソンおよび10−ヒドロキシナルトレキソンのエーテル連結付
加物;ナルトレキソンおよび10−ケトナルトレキソンのエーテル連結付加物;脱水素化
ナルトレキソン;ヒドロキシナルトレキソン;ケトナルトレキソン;これらの塩およびこ
れらの混合物等が包含されるが、これらに限定されない。
【0050】
本発明において使用される安定化剤は、例えば有機酸、カルボン酸、アミノ酸の塩(例
えばシステイン、L−システイン、塩酸システイン、塩酸グリシンまたは2塩酸シスチン
)、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸およびその誘導体、リンゴ酸、イソアスコ
ルビン酸、クエン酸、酒石酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、
リン酸水素カルシウム、二酸化イオウ、亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、トコフェ
ロール並びにその水溶性および脂溶性の誘導体、例えばトコフェルソランまたは酢酸トコ
フェロール、亜硫酸塩、重亜硫酸塩および亜硫酸水素塩、または、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属および他の金属、PHBエステル、没食子酸塩、ブチル化ヒドロキシアニソー
ル(BHA)またはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−
α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、t−ブチルヒドロキノン、ジ−t−アミルヒドロ
キノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシア
ニソール、ピロカテコール、ピロガロール、プロピル/ガレート、およびノルジヒドログ
アイアレティック酸、並びに低級脂肪酸、フルーツ酸、リン酸、ソルビン酸および安息香
酸、並びにそれらの塩、エステルおよび誘導体および異性体化合物、アスコルビルパルミ
テート、レシチン、モノおよびポリヒドロキシル化ベンゼン誘導体、エチレンジアミン4
酢酸およびその塩、シトラコン酸、コニデンドリン、ジエチルカーボネート、メチレンジ
オキシフェノール、ケファリン、β,β’−ジチオプロピオン酸、ビフェニルおよび他の
フェニル誘導体、製薬上許容しうるそれらの塩、およびそれらの混合物を包含するが、こ
れらに限定されない。特定の好ましい実施形態においては、安定化剤はBHTである。別
の好ましい実施形態においては、安定化剤はアスコルビン酸である。アスコルビン酸の全
てまたは部分は金属またはアンモニウムのアスコルビン酸塩、例えばナトリウム、カリウ
ムおよび/またはヨウ素のアスコルビン酸塩で置き換えることができる。アスコルビン酸
ナトリウムが好ましい。
【0051】
特定の実施形態においては、安定化剤は、有機酸、カルボン酸、アミノ酸の酸塩、メタ
重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸およびその誘導体、リンゴ酸、イソアスコルビン酸
、クエン酸、酒石酸、亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、トコフェロール、トコフェ
ロールの水溶性および脂溶性の誘導体、亜硫酸塩、重亜硫酸塩および亜硫酸水素塩、ブチ
ル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−
p−クレゾール、t−ブチルヒドロキノン、ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチ
ルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロカテコ
ール、ピロガロール、プロピル/ガレート、およびノルジヒドログアイアレティック酸、
リン酸、ソルビン酸、安息香酸、エステル、誘導体および異性体化合物、アスコルビルパ
ルミテート、これらの製薬上許容しうる塩、およびこれらの混合物よりなる群から選択さ
れる。
【0052】
一般的に、塩酸ナルトレキソンの分解を効果的に抑制する何れかの量が許容される。組
成物に含有される安定化剤の好ましい濃度は塩酸ナルトレキソン組成物の総重量の約0.
001〜約10重量%;約0.001〜約5重量%;約0.01〜約2重量%;または約
0.025〜約2重量%の範囲であることができる。本発明は安定化剤の複合物、特に上
記した安定化剤の複合物の使用も包含する。
【0053】
特定の実施形態において、安定化剤を溶液中に溶解または分散した後に安定化剤を塩酸
ナルトレキソンと混合する。その後、安定化剤の溶液または分散液のpHを調節して安定
化された塩酸ナルトレキソン組成物とすることが必要となり得る。特定の好ましい実施形
態においては、安定化剤の溶液または分散液のpHは約3〜約5、好ましくは約4に調節
する。
【0054】
多くの酸化および分解の反応を包含する多くの反応は溶液中に存在する金属イオンの痕
跡量により触媒される。多くの薬剤は金属イオンにより触媒される酸化および加水分解の
反応を介して分解される。従って金属イオンの存在はこれらの薬剤の分解を大きく加速す
る。従って、キレート形成剤もまた塩酸ナルトレキソンの分解を抑制する際に有用である

【0055】
特定の実施形態においては、キレート形成剤は本発明の組成物中に包含される。特定の
実施形態において、キレート形成剤は本発明の安定化剤に加えて、またはその代わりに使
用してよい。本発明に従って使用するキレート形成剤は、例えばEDTA(エチレンジア
ミン4酢酸)、EDTAの塩、デスフェリオキサミンB、デフェロキサミン、ジチオカー
ブナトリウム、ペニシラミン、ペンテテートカルシウム、ペンテト酸のナトリウム塩、ス
クシマー、トリエンチン、ニトリロ3酢酸、トランスジアミノシクロヘキサン4酢酸(D
CTA)、2−(2−アミノ−2−オキソクチル)アミノエタンスルホン酸(BES)、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ビス(アミノエチル)グリコールエーテル−N,N,
N’,N’−4酢酸、N−2−アセトアミド−2−イミノジ酢酸(ADA)、N−ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸(HIMDA)、N,N−ビス−ヒドロキシエチルグリシン(ビ
シン)、N(トリスヒドロキシメチルメチル)グリシン(トリシン)、グリシルグリシン
、イミノジ酢酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、これら
の混合物およびこれらの塩を包含するが、これらに限定されない。好ましくは、キレート
形成剤は安定であり、広範な種類の金属イオンと強力な金属鎖体を形成する。更にまた、
キレート形成剤は完全に非毒性であり、そのキレート形成作用を除いて身体に対して薬理
学的作用を有さないことが望ましい。
【0056】
キレート形成剤は約0.001〜約10重量%;約0.001〜約5重量%;または約
0.025〜約2重量%の量で存在することができる。最も好ましくは、キレート形成剤
の濃度は塩酸ナルトレキソン組成物の総重量の約0.01〜約1重量%である。
【0057】
本発明はまた、(a)水溶液中で塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を複合化すること
;(b)場合によりキレート形成剤を添加すること;および、(c)工程(b)の形成物
を乾燥して固体またはゲルの医薬組成物を形成すること、を含む医薬組成物の製造方法も
提供する。好ましくは、塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤は剤型中に配合されるべき粒
子組成物として製造される。特定の実施形態においては、水溶液の代わりに、またはこれ
に加えて有機溶液を使用することができる。
【0058】
特定の実施形態において、塩酸ナルトレキソンを含む粒子組成物は顆粒として調製され
る。顆粒は医薬組成物の当業者のよく知る操作法の何れかにより形成してよい。例えば、
1つの好ましい方法においては、顆粒は塩酸ナルトレキソン、安定化剤および担体を水と
ともに湿式顆粒化することにより形成してよい。
【0059】
特定の実施形態において、塩酸ナルトレキソンを含む粒子組成物はビーズ、マイクロス
フェア、シード、ペレット、イオン交換樹脂ビーズ、および他のマルチ粒子状の系のよう
なコーティングされた物質として調製する。好ましくは、塩酸ナルトレキソンおよび安定
化剤でコーティングされた物質は、例えば、塩酸ナルトレキソンおよび安定化剤を水に溶
解し、次に溶液を基体、例えばヌパリエル30/35ビーズ上にウスター(Wuster
)インサートを使用して噴霧することにより調製する。場合により、別の成分を添加した
後にビーズをコーティングすることにより、ナルトレキソンのビーズへの結着を促進した
り、かつ/または、溶液の着色を行うなどする。例えば、着色料(例えばOpadry(
登録商標)、Colorcon,Inc.より入手できる市販品)を用いるか、用いるこ
となく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む生成物を溶液に添加し、そして溶液
を混合(例えば約1時間)した後にこれを基体に適用してよい。得られたコーティングさ
れた物質はその後、場合により、本明細書に記載するバリアー剤でオーバーコーティング
してよい。
【0060】
塩酸ナルトレキソンを含むスフェロイドもまた、例えばスフェロイド化剤を上記した顆
粒または基体組成物に添加することにより調製してよい。
【0061】
特定の実施形態において、塩酸ナルトレキソン組成物は更に拡散バリアーコーティング
を含むことができる。特定の実施形態においては、拡散バリアーコーティングは腸溶性コ
ーティングである。腸溶性コーティングにはセルロースアセテートフタレートまたはセル
ロースアセテートトリメラテートのようなアニオン系重合体が含まれる。市販のアニオン
系重合体の一例はオイドラギット(Eudragit)L30Dである。腸溶性コーティ
ングに包含できる他の任意の成分は本明細書に記載する可塑剤および接着防止剤または滑
沢剤、例えばタルク、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、セバシ
ン酸ジブチル、水酸化アンモニウム、オレイン酸、コロイド状シリカ、これらの混合物な
どである。特定の実施形態においては、拡散バリアーコーティングは塩酸ナルトレキソン
組成物に適用される場合がある別のコーティングを通過する塩酸ナルトレキソンの移行を
防止する。
【0062】
本明細書に記載した安定化された塩酸ナルトレキソン組成物を含む医薬組成物は何れか
の従来より使用されている手段により製造できる。例えば上記した安定化剤の1種以上を
塩酸ナルトレキソンに添加し、その後、賦形剤、潤滑剤および錠剤崩壊剤のような製薬用
補助剤を添加する。
【0063】
本発明の組成物が更に潤滑剤を含む特定の実施形態において、本発明において使用する
ための潤滑剤は例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン
酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸、オレイン酸カリウ
ム、カプリル酸、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびパルミチン酸マグネシウムを包含
する。本発明の医薬品および方法において使用される任意の潤滑剤は本発明の安定化剤と
適合する物質である。一般的に、潤滑剤は安定化剤成分または薬剤成分の何れかの機能を
大きく妨害する可能性のある基を含まない。
【0064】
一般的に潤滑剤の量は約0.1%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%である。
【0065】
特定の実施形態において、本発明の組成物は更に製薬上許容しうる担体を含む。本発明
の組成物中に使用できる担体はまた、安定化剤と適合性があり、組成物中のその機能を妨
害しないような物質でなければならない。一般的に、本発明において使用される担体は、
例えば、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、乳糖、マンニトール、これらの混合
物等である。経口剤型の製剤にために使用してよい製薬上許容しうる担体および賦形剤の
その他の例は、参考として本明細書に援用されるHandbook of Pharmaceutical Excipient
s, American Pharmaceutical Association (1986)に記載されている。
【0066】
特定の実施形態においては、本発明の組成物は更に制御放出コーティングを含み得る。
このような制御放出コーティングは、例えば以下に列挙するようなアルキルセルロース重
合体、アクリル系重合体またはこれらの混合物を含んでよい。
【0067】
アルキルセルロース重合体
セルロース性の物質および重合体、例えばアルキルセルロースは本発明のビーズをコー
ティングするために非常に適する疎水性物質を与える。例えば好ましいアルキルセルロー
ス重合体の一例はエチルセルロースであるが、他のセルロースおよび/またはアルキルセ
ルロース重合体も単独または組み合わせて本発明の疎水性コーティングの全体または部分
として容易に使用され得ることは当業者に理解される。
【0068】
エチルセルロースの市販の水性分散液の一例はAquacoat(登録商標)(FMC
Corp.,Philadelphia,Pennsylvania,USA)である
。Aquacoat(登録商標)はエチルセルロースを、水非混和性の有機溶媒に溶解し
、次にこれを界面活性剤および安定化剤の存在下で水中に乳化することにより調製する。
ホモゲナイズしてサブミクロンの液滴を生成した後、有機溶媒を真空下に蒸発させ、擬似
ラテックスを形成する。可塑剤は製造段階では擬似ラテックスに配合しない。即ち、これ
をコーティングとして使用する前に、Aquacoat(登録商標)を適当な可塑剤と緊
密に混合して使用することが必要となる。
【0069】
エチルセルロースの別の水性分散液はSurelease(登録商標)(Colorc
on,Inc.,West Point,Pennsylvania,USA)として市
販されている。この製品は製造工程中に分散液に可塑剤を配合することにより調製される
。重合体、可塑剤(セバシン酸ジブチル)および安定化剤(オレイン酸)のホットメルト
を均質混合物として調製し、これを次にアルカリ性溶液で希釈することにより基体に直接
適用できる水性分散液を得る。
【0070】
アクリル系重合体
本発明の別の好ましい実施形態においては、制御放出コーティングを含む疎水性物質は
、例えばアクリル酸とメタクリル酸の共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキ
シエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メ
タクリル酸)、メタクリル酸アクリルアミド共重合体、ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリメチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)共重合体、ポリアクリルアミド
、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(無水メタクリル酸)、およびグリシジ
ルメタクリレート共重合体を含むがこれらに限定されない製薬上許容しうるアクリル系重
合体である。
【0071】
特定の好ましい実施形態においては、アクリル系重合体はアンモニオメタクリレート共
重合体1種以上よりなる。アンモニオメタクリレート共重合体は当該分野でよく知られて
おり、第4アンモニウム基が低含量であるアクリル酸とメタクリル酸のエステルの完全重
合した共重合体としてNFXVII中に記載されている。
【0072】
所望の溶解特性を得るために、異なる物理的性質、例えば中性(メタ)アクリル酸エス
テルに対する第4アンモニウム基のモル比の異なるアンモニオメタクリレート共重合体2
種以上を配合する必要がある場合がある。
【0073】
特定のメタクリル酸エステル型重合体は本発明において使用してよいpH依存性コーテ
ィングの調製のために有用である。例えば、Rohm Tech,Incからオイドラギ
ット(登録商標)として市販されているメタクリル酸共重合体または重合体メタクリレー
トとしても知られている、ジエチルアミノエチルメタクリレートおよび他の中性メタクリ
ル酸エステルから合成された共重合体のファミリーが存在する。オイドラギット(登録商
標)には数種類が存在する。例えばオイドラギット(登録商標)Eは酸性媒体中で膨潤し
て溶解するメタクリル酸共重合体の例である。オイドラギット(登録商標)Lは約pH<
5.7では膨潤せず、pH>6で可溶性となるメタクリル酸共重合体である。オイドラギ
ット(登録商標)Sは約pH<6.5では膨潤せず、pH>7で可溶性となる。オイドラ
ギット(登録商標)RLおよびオイドラギット(登録商標)RSは水膨潤製であり、これ
らの重合体により吸収される水の量はpH依存性であるが、オイドラギット(登録商標)
RLおよびオイドラギット(登録商標)RSによりコーティングされた剤型はpH非依存
性である。
【0074】
コーティングが疎水性物質の水性分散液を含む本発明の実施形態においては、疎水性物
質の水性分散液中に可塑剤の有効量を含有させることは、除放性コーティングの物理的特
性を更に改善する。例えば、エチルセルロースは比較的高いガラス転移点を有し、そして
通常のコーティング条件下では可撓性の膜を形成しないため、エチルセルロースコーティ
ング含有除放性コーティングをコーティング材料として使用する前にこれに可塑剤を配合
することは好ましいことである。一般的に、コーティング溶液中に含有される可塑剤の量
は膜形成物質の濃度に基づくものであり、例えば最も頻繁には膜形成物質の約1〜約50
重量%の量である。しかしながら可塑剤の濃度は特定のコーティング溶液および適用方法
による慎重な実験の後に適切に決定することができるのみである。
【0075】
エチルセルロースのための適当な可塑剤の例は水不溶性可塑剤、例えばセバシン酸ジブ
チル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチルおよびトリアセチン
を包含するが、他の水不溶性可塑剤(例えばアセチル化モノグリセリド、フタレートエス
テル、ひまし油等)も使用してよい。クエン酸トリエチルが本発明のエチルセルロースの
水性分散液のための特に好ましい可塑剤である。
【0076】
本発明のアクリル系重合体のための適当な可塑剤の例は、例えばクエン酸エステル、例
えば、クエン酸トリエチルNF XVI、クエン酸トリブチル、フタル酸ジブチルおよび
おそらくは1,2−プロピレングリコールである。オイドラギット(登録商標)RL/R
Sラッカー溶液のようなアクリル系膜から形成された膜の弾性を増強するために適するこ
とがわかっている他の可塑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタ
ル酸ジエチル、ひまし油およびトリアセチンを包含する。クエン酸トリエチルが本発明の
エチルセルロースの水性分散液のための特に好ましい可塑剤である。
【0077】
上記成分のほかに、本発明の組成物は適量の他の物質、例えば製薬分野で従来から使用
されている顆粒化補助剤、着色料、フレーバー剤および滑沢剤も含有してよい。これらの
付加的な材料の量は所望の組成物に所望の作用を付与するために十分なものとする。
【0078】
一般的にその量は、薬剤および安定化剤に関して上記した量に適合するものとし、即ち
、それらは組成物の残余を構成するものとする。
【0079】
本発明により製造される医薬品製剤の最終形態は多様であり得る。即ち、錠剤、カプレ
ット、カプセル、サシェ剤等が挙げられる。錠剤、カプレットおよびカプセルが好ましい

【0080】
本発明の特定の実施形態においては、組成物はフィルムコーティングされている。例え
ば、顆粒をフィルムコーティングした後に塩酸ナルトレキソンの単位用量に分割する(例
えばゼラチンカプセル中に充填する)か、または、圧縮成型して錠剤としてよい。同様に
、本発明により調製した錠剤をフィルムコーティングしてよい。一般的に、フィルムコー
ティングは実質的に親水性重合体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、
そして組成物からの薬剤の放出に影響しない。好ましく使用されるフィルムコーティング
は平滑で良好な外観を有し、顔料や他のコーティング添加物を保持することができ、非毒
性、不活性で粘着性のない強力な連続フィルムを形成できる。
【0081】
本発明のナルトレキソン組成物を配合する錠剤またはカプセルは一般的に塩酸ナルトレ
キソン0.01mg〜20mg、好ましくは本明細書の記載に従って調製した塩酸ナルト
レキソンを0.06mg〜約10mg、最も好ましくは約0.1〜約4mg含有する。
【0082】
本発明の塩酸ナルトレキソン組成物は一般的に米国特許6,277,384号;米国特
許5,512,578号;5,472,943号;5,580,876号;または5,7
67,125号に記載される塩酸ナルトレキソンの代替となりえる。
【0083】
(実施例)
以下の実施例は本発明の種々の局面を説明するものである。これらは請求項を限定する
ものではない。
【実施例1】
【0084】
実施例1においては、表1Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.125
mg組成物を製造した。
(表1A)
【表1】

【0085】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHClおよびプラスドンC−30を水に溶解する。溶液をア
ビセルPH−102に添加し、その間、コリート(collete)ボウル中で混合する

2.乾燥:顆粒をグラット(グラット)GPCG15内に入れ、5%の混合レベルとなる
まで乾燥する。
3.ミリング:コーミル(コーミル)を通して乾燥顆粒をミリングする。
4.顆粒をアビセルPH−102、カーボシルおよびアクジゾルの第2の分量と混合する

5.ステアリン酸マグネシウムを用いて混合物に潤滑化する。
6.圧縮:ストークス(Stokes)RB2錠剤圧縮機を用いて潤滑化された混合物を
圧縮成型する。
【0086】
1年まで3ヶ月間隔にわたり温度25±2℃および相対湿度60±5%における実施例
1の組成物の安定性を調べ、表1Bに示す以下の結果を得た。
(表1B)
【表2】

【0087】
1年まで3ヶ月間隔で温度30±2℃および相対湿度60±5%における実施例1の組
成物の安定性を調べ、表1Cに示す以下の結果を得た。
(表1C)
【表3】

【0088】
6ヶ月の期間にわたり温度40±2℃および相対湿度75±5%における実施例1の組
成物の安定性を調べ、表1Dに示す以下の結果を得た。
(表1D)
【表4】

【0089】
1年まで3ヶ月間隔で温度25±2℃および相対湿度60±5%における実施例1の組
成物の安定性を調べ、表1Eに示す以下の結果を得た。
(表1E)
【表5】

【0090】
6ヶ月の期間にわたり温度40±2℃および相対湿度75±5%における実施例1の組
成物の安定性を調べ、表1Fに示す以下の結果を得た。
(表1F)
【表6】

【実施例2】
【0091】
実施例2においては、表2Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg
組成物を製造した。
(表2A)
【表7】

【0092】
方法
実施例1に記載したものと同様の方法を用いて実施例2のナルトレキソンHCl組成物
を製造した。
【0093】
1年まで3ヶ月間隔で温度25±2℃および相対湿度60±5%における実施例2の組
成物の安定性を調べ、表2Bに示す以下の結果を得た。
(表2B)
【表8】

【0094】
1年まで3ヶ月間隔で温度30±2℃および相対湿度60±5%における実施例2の組
成物の安定性を調べ、表2Cに示す以下の結果を得た。
(表2C)
【表9】

【0095】
6ヶ月の期間にわたり温度40±2℃および相対湿度75±5%における実施例1の組
成物の安定性を調べ、表2Dに示す以下の結果を得た。
(表2D)
【表10】

【実施例3】
【0096】
実施例3においては、表3Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg
組成物を製造した。
(表3A)
【表11】

【0097】
方法
実施例1に記載したものと同様の方法を用いて実施例3のナルトレキソンHCl組成物
を製造した。
【実施例4】
【0098】
実施例4においては、ステアリン酸マグネシウムの代わりにステアリン酸を用い、そし
て、表4Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg組成物を実施例3に
記載の通り製造した。
(表4A)
【表12】

【実施例5】
【0099】
実施例5においては、安定化剤としてチオ硫酸ナトリウムを添加し、そして、表5Aに
記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg組成物を実施例3に記載の通り製
造した。
(表5A)
【表13】

【実施例6】
【0100】
実施例6においては、安定化剤としてメタ重亜硫酸ナトリウムを添加し、そして、表6
Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg組成物を実施例3に記載の通
り製造した。
(表6A)
【表14】

【実施例7】
【0101】
実施例7においては、安定化剤としてコハク酸を添加し、そして、表7Aに記載した組
成を有するナルトレキソンHCl0.5mg組成物を実施例3に記載の通り製造した。
(表7A)
【表15】

【実施例8】
【0102】
実施例8においては、実施例3〜7を40℃75%相対湿度の保存条件下で2ヶ月間保
存した。
【表16】

【表17】

【0103】
結果によればメタ重亜硫酸ナトリウムの添加はナルトレキソン含量の維持において、特
定の他の組成の変更よりも有意により効果的であった。チオ硫酸ナトリウムが順位では次
に良好であり、その次がコハク酸であった。
【0104】
関連物質の生成もまた、重亜硫酸ナトリウムにより良好に低減できたが、チオ硫酸ナト
リウムおよびコハク酸と全く同様の性能ではなかった。
【0105】
潤滑剤をステアリン酸マグネシウムからステアリン酸に変更してもナルトレキソンアッ
セイ値は有意に増大せず、実際は関連物質をほぼ2倍に増加させた。
【実施例9】
【0106】
実施例9においては、表9Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl制御放出ビ
ーズを製造した。
(表9A)
【表18】

【0107】
ビーズ製造方法
1.ナルトレキソンHClおよびオパドライクリア(Opadry Clear)を水に
溶解する。薬剤溶液をウスターインサートを用いて流動層コーター中でノンパレイユビー
ズ上に噴霧する。
2.オイドラギットL30D、クエン酸トリエチルおよびグリセリルモノステアレートを
水に分散する。分散液を流動層コーター中で薬剤担持ビーズ上に噴霧する。
3.オイドラギットRS30D、クエン酸トリエチルおよびカーボシルを水に分散する。
分散液を流動層コーター中でビーズ上に噴霧する。
4.オパドライクリアを水に溶解する。溶液を流動層コーター中でビーズ上に噴霧する。
5.ビーズを24時間40℃で硬化する。
【0108】
2ヶ月の期間にわたり開放容器中における温度40℃および相対湿度75%での実施例
9の組成物の安定性を調べ、表9Bに示す以下の結果を得た。
(表9B)
【表19】

【実施例10】
【0109】
実施例10においては、更に安定化剤としてBHTを含有し、以下の表10Aに記載し
た組成を有するナルトレキソンHCl制御放出ビーズを実施例9に記載の通り製造した。
(表10A)
【表20】

【0110】
1ヶ月の期間にわたり開放容器中における温度40℃および相対湿度75%での実施例
10の組成物の安定性を調べ、表10Bに示す以下の結果を得た。
(表10B)
【表21】

【実施例11】
【0111】
実施例11においては、更に安定化剤としてアスコルビン酸ナトリウムおよびキレート
形成剤としてEDTAを含有し、以下の表11Aに記載した組成を有するナルトレキソン
HCl制御放出ビーズを実施例9に記載の通り製造した。
(表11A)
【表22】

1ヶ月の期間にわたり開放容器中における温度40℃および相対湿度75%での実施例
11の組成物の安定性を調べ、表11Bに示す以下の結果を得た。
(表11B)
【表23】

【実施例12】
【0112】
実施例12においては、更に安定化剤としてアスコルビン酸を含有し、以下の表12A
に記載した組成を有するナルトレキソンHCl制御放出ビーズを実施例9に記載の通り製
造した。
(表12A)
【表24】

1ヶ月の期間にわたり開放容器中における温度40℃および相対湿度75%での実施例
12の組成物の安定性を調べ、表12Bに示す以下の結果を得た。
(表12B)
【表25】

【実施例13】
【0113】
実施例13においては、更に安定化剤として没食子酸プロピルおよびキレート形成剤と
してEDTAを含有し、以下の表13Aに記載した組成を有するナルトレキソンHCl制
御放出ビーズを実施例9に記載の通り製造した。
(表13A)
【表26】

【0114】
1ヶ月の期間にわたり開放容器中における温度40℃および相対湿度75%での実施例
13の組成物の安定性を調べ、表13Bに示す以下の結果を得た。
(表13B)
【表27】

【実施例14】
【0115】
実施例14においては、表14Aに記載する組成を有するナルトレキソンHCl2.0
mg組成物を製造した。
(表14A)
【表28】

【0116】
方法
1.ミリング:スクリーニングミル(フィッツミル(Fitzmill))を用いてステ
アリルアルコールをミリングする。
2.ブレンディング:周囲温度で対流ミキサー(V−ブレンダー、インテンシファイアー
バー付属)を用いて全成分をブレンドする。
3.75〜100℃の温度に設定した加熱ビットを用いてブレンド物を直径約1mmの紐
状に押し出し、長さ約1mmの円筒状ペレットに切断する。
【0117】
安定性データ
製造終了時の総ナルトレキソン関連物質=2.07%。10−ケトナルトレキソン=N
D。
【実施例15】
【0118】
実施例15においては、表15Aに記載する組成を有するナルトレキソンHCl2.0
mg組成物を製造した。
(表15A)
【表29】

【0119】
方法
実施例16に記載したものと同様の方法を用いて実施例15のナルトレキソンHCl組
成物を製造した。
【0120】
安定性データ
製造終了時の総ナルトレキソン関連物質=0.18%。10−ケトナルトレキソン=N
D。
【実施例16】
【0121】
実施例16においては安定化剤としてBHTを含有する以下の表16Aに記載の組成を
有するナルトレキソンHCl2.0mg組成物を製造した。
(表16A)
【表30】

【0122】
方法
1.ミリング:スクリーニングミル(フィッツミル)を用いてステアリルアルコールをミ
リングする。
2.ミリング:乳鉢と乳棒を用いてブチルヒドロキシトルエンをミリングする。
3.ブレンディング:周囲温度で対流ミキサー(V−ブレンダー、インテンシファイアー
バー付属)を用いて全成分をブレンドする。
4.75〜100℃の温度に設定した加熱ビットを用いてブレンド物を直径約1mmの紐
状に押し出し、長さ約1mmの円筒状ペレットに切断する。
5.カプセル化:ペレットをハードゼラチンカプセルにカプセル化する。
【0123】
安定性データ
【表31】

【実施例17】
【0124】
実施例17においては安定化剤としてBHTを含有する以下の表17Aに記載の組成を
有するナルトレキソンHCl2.0mg組成物を製造した。
(表17A)
【表32】

【0125】
方法
実施例16に記載したものと同様の方法を用いて実施例17のナルトレキソンHCl組
成物を製造した。
【0126】
安定性データ
実施例17により製造した組成物につき、25℃/60%相対湿度および40℃/%R
Hの保存条件下でのナルトレキソンの安定性を調べ、表17Bに示す以下の結果を得た。
(表17B)
【表33】

【実施例18】
【0127】
実施例18においては、表18Aに記載する組成を有するナルトレキソンHCl1.0
mg、ヒドロコドン10.0mgの組成物を製造した。
(表18A)
【表34】

【0128】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、重酒石酸ヒドロコドンおよびポビドン(Povid
one)K30を水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースに添加し、その
間、高剪断顆粒化装置(コリート(Colette))中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:周囲条件下でほぼ平衡水分量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床
乾燥機(グラット(Glatt))中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル(CoMil))を用いて顆粒をミリング
する。
4.圧縮:ミリングされた顆粒をシングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティ(Manest
y)F3)を用いて圧縮成型する。
【0129】
安定性
実施例18により製造した組成物につき、50℃2週間、および、40℃/75%RH
1ヶ月の保存条件下でのナルトレキソンの安定性を調べ、表18Bに示す以下の結果を得
た。
(表18B)
【表35】

【実施例19】
【0130】
実施例19においては、安定化剤としてアスコルビン酸を含有する表19Aに記載する
組成を有するナルトレキソンHCl1.0mg、ヒドロコドン10.0mgの組成物を製
造した。
(表19A)
【表36】

【0131】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、重酒石酸ヒドロコドン、アスコルビン酸、およびポ
ビドンK30を水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースに添加し、その間
、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:6.1%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて顆粒をミリングする。
4.圧縮:ミリングされた顆粒をシングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて
圧縮成型する。
【0132】
安定性データ
実施例19により製造した組成物につき、50℃2週間、および、40℃/75%RH
1ヶ月の保存条件下でのナルトレキソンの安定性を調べ、実施例18の結果と比較した表
19Bに示す以下の結果を得た。
(表19B)
【表37】

【実施例20】
【0133】
実施例20においては、安定化剤としてアスコルビン酸を含有する表20Aに記載する
組成を有するナルトレキソンHCl0.5mg、ヒドロコドン5.0mgおよびアセトア
ミノフェン250mgの組成物を製造した。
(表20A)
【表38】

【0134】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、重酒石酸ヒドロコドン、アスコルビン酸、およびポ
ビドンK30を水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースに添加し、その間
、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:6.1%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて顆粒をミリングする。
4.ブレンディング:ミリングされた顆粒をCompapLおよびステアリン酸マグネシ
ウムにブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて錠剤を圧縮成型する。
【0135】
安定性データ
実施例20により製造した組成物につき、50℃2週間、および、40℃/75%RH
1ヶ月の保存条件下でのナルトレキソンの安定性を調べ、表20Bに示す以下の結果を得
た。
(表20B)
【表39】

【実施例21】
【0136】
実施例21においては、安定化剤としてBHTを含有する表21Aに記載する組成を有
するナルトレキソンHCl1.0mg、ヒドロコドン10.0mgの組成物を製造した。
(表21A)
【表40】

【0137】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、ブチルヒドロキシトルエンおよびポビドンK30を
水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースおよび重酒石酸ヒドロコドンに添
加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:2.9%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて顆粒をミリングする。
4.圧縮:ミリングされた顆粒をシングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて
圧縮成型する。
【0138】
安定性データ
実施例21により製造した組成物につき、50℃2週間、および、40℃/75%RH
1ヶ月の保存条件下でのナルトレキソンの安定性を調べ、実施例18の結果と比較した表
19Bに示す結果を得た。
【表41】

【実施例22】
【0139】
実施例22においては、安定化剤としてアスコルビン酸を含有する表22Aに記載する
組成を有するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mgおよびアセ
トアミノフェン500mgの組成物を製造した。
(表22A)
【表42】

【0140】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、アスコルビン酸およびポビドンK30を水に溶解す
る。溶液を微結晶セルロースおよび重酒石酸ヒドロコドンに添加し、その間、高剪断顆粒
化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:4.6%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて顆粒をミリングする。
4.ブレンディング:ミリングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよびステア
リン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0141】
安定性データ
実施例22により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表22Bに示す以下の結果を得た。
(表22B)
【表43】

【実施例23】
【0142】
実施例23においては、安定化剤としてアスコルビン酸を含有する表23Aに記載する
組成を有するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mgおよびアセ
トアミノフェン500mgの組成物を製造した。
(表23A)
【表44】

【0143】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、アスコルビン酸、EDTAおよびポビドンK30を
水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースおよび重酒石酸ヒドロコドンに添
加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:4.6%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて顆粒をミリングする。
4.ブレンディング:ミリングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよびステア
リン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0144】
安定性データ
実施例23により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表23Bに示す以下の結果を得た。
(表23B)
【表45】

【実施例24】
【0145】
実施例24においては、安定化剤としてBHTを含有する表24Aに記載する組成を有
するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mgおよびアセトアミノ
フェン500mgの組成物を製造した。
(表24A)
【表46】

【0146】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、ブチルヒドロキシトルエンおよびポビドンK30を
水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースおよび重酒石酸ヒドロコドンに添
加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:4.3%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.スクリーニング:ハンドスクリーンを通して乾燥した顆粒をスクリーニングする。
4.ブレンディング:スクリーニングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよび
ステアリン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0147】
安定性データ
実施例24により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表24Bに示す以下の結果を得た。
(表24B)
【表47】

【実施例25】
【0148】
実施例25においては、安定化剤としのBHT、および、EDTAを含有する表25A
に記載する組成を有するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mg
およびアセトアミノフェン500mgの組成物を製造した。
(表25A)
【表48】

【0149】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、ブチルヒドロキシトルエン、EDTAおよびポビド
ンK30を水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロースおよび重酒石酸ヒドロ
コドンに添加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合する。
2.乾燥:3.6%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.スクリーニング:ハンドスクリーンを通して乾燥した顆粒をスクリーニングする。
4.ブレンディング:スクリーニングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよび
ステアリン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0150】
安定性データ
実施例25により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表25Bに示す以下の結果を得た。
(表25B)
【表49】

【実施例26】
【0151】
実施例26においては、安定化剤としてBHTを含有する表26Aに記載する組成を有
するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mgおよびアセトアミノ
フェン500mgの組成物を製造した。
(表26A)
【表50】

【0152】
方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、ブチルヒドロキシトルエンおよびポビドンK30を
水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロース、アセトアミノフェンおよび重酒
石酸ヒドロコドンに添加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲温度で混合
する。
2.乾燥:2.9%の水分含有量となるまで50℃〜75℃の導入口温度で流動床乾燥機
(グラット)中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて乾燥した顆粒をミリングする。
4.ブレンディング:ミリングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよびステア
リン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0153】
安定性データ
実施例26により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表26Bに示す以下の結果を得た。
(表26B)
【表51】

【実施例27】
【0154】
実施例27においては、安定化剤としてのBHT、およびEDTAを含有する表27A
に記載する組成を有するナルトレキソンHCl0.125mg、ヒドロコドン5.0mg
およびアセトアミノフェン500mgの組成物を製造した。
(表27A)
【表52】

方法
1.顆粒化:ナルトレキソンHCl、ブチルヒドロキシトルエン、EDTAおよびポビド
ンK30を水に溶解/分散する。溶液/分散液を微結晶セルロース、アセトアミノフェン
および重酒石酸ヒドロコドンに添加し、その間、高剪断顆粒化装置(コリート)中で周囲
温度で混合する。
2.乾燥:3.5%の水分含有量となるまで流動床乾燥機中で顆粒を乾燥する。
3.ミリング:スクリーニングミル(コーミル)を用いて乾燥した顆粒をミリングする。
4.ブレンディング:ミリングされた顆粒の一部をDCアセトアミノフェンおよびステア
リン酸マグネシウムとブレンドする。
5.圧縮:シングルパンチ錠剤圧縮機(マネスティF3)を用いて最終ブレンド物を圧縮
成型する。
【0155】
安定性データ
実施例30により製造した組成物につき、50℃2週間の保存条件下でのナルトレキソ
ンの安定性を調べ、表27Bに示す以下の結果を得た。
(表27B)
【表53】

【0156】
本発明の多くの他の変更が当業者には自明であり、これは添付した請求項の範囲内に含
まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
20mg以下の塩酸ナルトレキソンおよび該塩酸ナルトレキソンの分解生成物の少なくとも1種の形成を抑制する安定化剤を含む医薬組成物。

【公開番号】特開2009−143948(P2009−143948A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29529(P2009−29529)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2003−575921(P2003−575921)の分割
【原出願日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】