説明

塵芥収集車における雨水の排水構造

【課題】 塵芥収容箱の後部に設けた塵芥投入箱の上部に、その内部を点検するための点検口を設け、この点検口をトップカバーで開閉するようにした塵芥収集車において、トップカバー上を流れる雨水が塵芥投入箱内に溜まらないようにして塵芥の積載重量の低下を防止する。
【解決手段】 塵芥投入箱3の上面に開口した点検口28を開閉するトップカバー40の閉成時に、該カバー40の下端縁は、塵芥投入箱3の上部に固定される後部スチフナ31上に支持され、後部スチフナ31には雨樋を兼ねる溝31dが形成され、トップカバー40上を流れる雨水は、溝31dに導かれて塵芥投入箱3の外部に排水される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車、特に、車体フレームに搭載される塵芥収容箱の後部に設けられる塵芥投入箱に、点検口を開閉するカバーを設けた塵芥収集車における雨水の排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥収集車において、塵芥収容箱の後部に接続される塵芥投入箱の後面の塵芥投入口の上方部分を覆う位置にルーフカバーを開閉可能に設け、このルーフカバーを開放して、その下側に配設された灯具類の点検を行なうようにしたものは公知である(後記特許文献1)参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−285316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記特許文献1のものでは、ルーフカバーは、塵芥投入箱の後面の開口を開閉できるように、その後面に取り付けられるので、その開口とルーフカバーとの間に多少の隙間が形成されるのを避けられず、そのため、雨天時には、雨水がその隙間を通って塵芥投入箱内に溜り、塵芥投入箱内に収集した塵芥内に雨水が混入しその雨水分だけ塵芥の積載重量が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、塵芥投入箱の後面に開口した点検口を覆うカバー上を流れる雨水を、塵芥投入箱の外に積極的に排水できるようにし、その雨水が塵芥投入箱内に溜まることを防止して、塵芥収集車の塵芥積載重量が低下することがないようにした、新規な塵芥収集車における雨水の排水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、車体フレーム上に搭載される塵芥収容箱と、塵芥収容箱の後部に設けられる塵芥投入箱と、塵芥投入箱内に設けられて該箱内に投入された塵芥を塵芥収容箱内に積み込む塵芥積込装置を備え、前記塵芥投入箱の上面に、その内部を点検するための点検口を開口すると共に、この点検口を開閉し得るカバーを設けた塵芥収集車において、
前記点検口を覆う前記カバーの端縁は、塵芥投入箱の上部に固定されるスチフナ上に支持され、該スチフナには雨樋を兼ねる溝が形成され、前記カバー上を流れる雨水は、前記スチフナの溝に導かれて塵芥投入箱の外部に排水されることを特徴としている。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項2の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、
前記塵芥投入箱のサイドパネルは補強部材により補強されており、該補強部材は、前記スチフナの溝内を流れる雨水を、塵芥投入箱の外部に導くための誘導路に兼用されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、塵芥投入箱の点検口を覆うカバー上を流れる雨水が塵芥投入箱内に侵入して溜まるのを防止することができ、特に、前記カバーを支持するスチフナを雨樋に兼用できるため、雨水を外部に導くための部材を特設することがなく、積載重量の低下しない塵芥収集車を安価に提供することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、塵芥投入箱のサイドパネルを補強する補強部材を雨水の誘導路に兼用できるので、部品点数を低減して塵芥収集車の一層のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】雨水の排水構造を備えた塵芥収集車の側面図
【図2】図1の2矢視の塵芥投入箱の一部破断拡大平面図
【図3】図2の3−3線に沿う一部破断断面図
【図4】図3の4矢視の塵芥投入箱の一部破断後面図
【図5】図2の5矢視の塵芥投入箱の斜視図
【図6】図2の6−6線に沿う拡大断面図
【図7】図2の7−7線に沿う拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0012】
図1において、塵芥収集車Vの車体フレームF上には塵芥収容箱1が搭載されており、この塵芥収容箱1の後面には、その全面にわたり後端開口1aが開口され、その後端開口1aの周囲は、補強部材2により補強される。塵芥収容箱1の後端開口1aには、塵芥を投入可能な塵芥投入口3aを後端に有する塵芥投入箱3が設けられる。この塵芥投入箱3の後面上部には、後に詳述する、本発明にかかる雨水の排水構造が備えられる。
【0013】
塵芥投入箱3は、その上端部が塵芥収容箱1の後端上部に上下方向に回動可能に軸支4されている。塵芥収容箱1と塵芥投入箱3の上部間には、昇降シリンダC1がピン連結5,6されており、この昇降シリンダC1の伸縮作動により、塵芥投入箱3を軸支4部回りに上下方向に回動させることで、該塵芥投入箱3が、図1、鎖線で示すように塵芥収容箱1の後端開口1aを開放する排出位置(開放位置)と、図1、実線で示すように該後端開口1aを閉じる積込位置(閉じ位置)との間を随時に移動可能である。
【0014】
塵芥投入箱3内には、該投入箱3が前記積込位置にあるときに該投入箱3内の投入塵芥を塵芥収容箱1内に強制的に押込む積込行程を実行可能な塵芥積込装置Pが設けられる。この塵芥積込装置Pの構造は従来公知のもので、塵芥収容箱1の後端開口1aに臨む位置で塵芥投入箱3に設けた案内フレーム11に沿って昇降可能に支持される昇降体10と、その昇降体10を強制昇降させる伸縮シリンダC2と、昇降体10の下部に回動可能に軸支13される圧縮板12と、この圧縮板12を強制回動させる押込シリンダC3とを備える。
【0015】
しかして、圧縮板12を後方位置に保持した状態で昇降体10を上昇位置から下降位置まで下降させることにより行なわれる一次圧縮作用と、昇降体10を下降位置に保持した状態で行なう圧縮板12の後方位置から前方位置への前方回動により行なわれる二次圧縮作用と、圧縮板12を前方位置に保持した状態で昇降体10を下降位置から上昇位置まで上昇させることにより行なわれる押込作用とで、塵芥投入箱3内の投入塵芥が塵芥収容箱1内に強制的に押し込まれる。
【0016】
また、塵芥収容箱1内には、積込位置(閉じ位置)にある塵芥投入箱3に対して進退可能な通称ディスチャージプレートと呼ばれる排出板Dが配設されており、塵芥投入箱3が前記排出位置にあるときに排出板Dを塵芥収容箱1内で後退させることで、塵芥収容箱1内の収容塵芥をその後端開口1aより強制的に排出可能となっている。
【0017】
排出板Dは、塵芥収容箱1の内部空間の横幅ほぼ一杯に亘る排出板本体Dmと、その本体Dm背面に一体的に連結される支持枠Dsとで構成される。そして、排出板Dと塵芥収容箱1との間には、該排出板Dを起立姿勢で前後摺動可能に案内支持するガイド機構Gが設けられ、そのガイド機構Gは、支持枠Dsの左右両側下部に設けた転動輪又はスライダGaと、塵芥収容箱1の左右両内側面に設けた案内レールGbとで構成される。
【0018】
排出板Dの背面と塵芥収容箱1との間には、該排出板Dを塵芥投入箱3に対し進退駆動する一段または多段式(即ちテレスコピック型)の油圧式の排出シリンダC4が連結される。その排出シリンダC4は、塵芥収容箱1の底壁fにほぼ沿ってその前後方向に延びるように配置されている。
【0019】
しかして、排出シリンダC4の伸縮作動によれば、排出板Dを塵芥収容箱1内の最前進位置と、塵芥収容箱1の後端開口1aより後方に若干オーバハングした最後退位置との間を往復動可能である。また積込行程の開始位置となる所定後退位置Drが、最後退位置よりも前方で、塵芥収容箱1の後端開口1a、またはその近傍に設定される。
【0020】
塵芥収集車Vには、車載の昇降シリンダC1、伸縮シリンダC2、押込みシリンダC3および排出シリンダC4を作動させるための油圧回路(図示せず)が設けられ、その油圧回路に作動油を供給する油圧ポンプは、車載のエンジンに動力取出装置(PTO)を介して任意に断接可能に連結駆動できるようになっている。
【0021】
なお、油圧回路は従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。
【0022】
つぎに、図1〜7を参照して、本発明にかかる雨水の排水構造について説明する。
【0023】
塵芥投入箱3の後面には、その中間部から後端部にかけて塵芥を投入可能な、前記塵芥投入口3aが開口され、この塵芥投入口3aには、手動の鎧戸式のシャッター20が取り付けられており、このシャッター20は塵芥投入口3aの左右側壁に設けた左右のガイドレール21,21に沿って開閉されて、塵芥投入箱3の上部に収納される。そして、その開放時には塵芥投入口3aから塵芥投入箱3内に塵芥が投入され、前記塵芥押込装置Pにより塵芥収容箱1内へと押し込まれる。
【0024】
図2,4に示すように、塵芥投入箱3内の左右側面には、この塵芥投入箱3内を、その中央のホッパー22と、その左右の作動室23,23とに区画する左右サイドパネル24,24が設けられ、これらのサイドパネル24,24間に前記ホッパー22が画成されると共に左右サイドパネル24,24の外方にサイドカバー25,25が固着されてサイドパネル24,24とサイドカバー25,25間に作動室23,23が形成される。前記ホッパー22内には、前記塵芥押込装置Pの、伸縮シリンダC2、押込シリンダC3および圧縮板12などが収容され、また作動室23,23内に前記昇降シリンダC1などが収容される。
【0025】
図2〜7に示すように、塵芥投入箱3の塵芥投入口3aの上部を区画する上部フレーム26は、左右サイドパネル24,24間に横架固定されており、この上部フレーム26よりも上方の、塵芥投入箱3の左右サイドパネル24,24間は、外部に開口されており、この開口を、塵芥投入箱3の上部に前後に間隔をあけて設けられる、前部スチフナ30および後部スチフナ31が横切っている。前記上部フレーム26と後部スチフナ31との間には、作業灯Laを収容した断面凹状の支持フレーム27が固定されており、この支持フレーム27の開口上面は合成樹脂製の透明カバー29により覆われている。後部スチフナ31よりも前方(塵芥収容箱1側)の塵芥投入箱3の開口は、塵芥投入箱3の内部を点検するための点検口28とされている。この点検口28の、前部スチフナ30および後部スチフナ31間は、後述するトップカバー40により開閉可能に閉じられ、また、点検口28の、前部スチフナ30と塵芥投入箱3の基端フレーム32間は、後述する固定カバー41により開閉可能に閉じられる。
【0026】
前記トップカバー40は、その上端縁40aが前部スチフナ30の上面に複数のヒンジ部材42を介して開閉自在にヒンジ連結されおり、また、固定カバー41は、その上端縁41aおよび下端縁41bが、塵芥投入箱3の基部フレーム32および前部スチフナ30の上面に、それぞれボルト・ナット43…により開閉可能に固定される。
【0027】
図5,6に示すように、前部スチフナ30は、点検口28を横切って直状に形成されており、後部スチフナ31側に向かって開口する断面コ字状の主体部分30aの下縁に、せり上がりのフランジ部分30bを一体に屈曲形成して構成され、その内部に雨水の貯溜される、断面U字状の溝30cが、雨樋を兼ねるように形成されている。図6に示すように、トップカバー40の上端縁40aおよび固定カバー41の下端縁41bは、溝30cの鉛直方向に配置されている。前部スチフナ30の両端は、左右サイドパネル24,24の上部内面に水密に固定されている。前部スチフナ30の両端に対向する左右サイドパネル24,24の上部には、通水口34,34がそれぞれ開口されており、図5、矢印aに示すように、前部スチフナ30の溝30c内に溜まった雨水は、この通水口34を通してサイドパネル24,24の外に流出するようにされている。
【0028】
一方、図5、7に示すように、前記後部スチフナ31は、点検口28を横切って直状に形成されており、前部スチフナ30に向かって開口する断面L字状の主体部分31aの前、後端縁にフランジ部分31b,31cを外向きに一体に屈曲形成して構成されている。そして、この後部スチフナ31の底部に、雨水の貯溜される断面V字状の溝31dが雨樋に兼用されるように形成されている。図7に示すように、トップカバー40の下端縁40bは、溝31dの鉛直方向に配置されている。
【0029】
図4,5に示すように、後部スチフナ31および前記作業灯支持フレーム27の左右両端面と前記上部フレーム26の左右両端部間には、それらに跨がって縦板36,36が固定されており、これらの縦板36,36により、後部スチフナ31の溝31dの端縁が閉じられている。後部スチフナ31および作業灯支持フレーム27の両端面と、左右サイドパネル24,24との間には、前記伸縮シリンダC3の端部や該シリンダC3の油圧配管などが収容される空隙37,37が形成される。後部スチフナ31の左右端部の底面には、雨水誘導パイプ35,35の一端がそれぞれ連通接続されている。これらの雨水誘導パイプ35,35は、前記作業灯Laの支持フレーム27の下方より空隙37を跨ぎ、左右サイドパネル24,24上を通って、その他端が左右サイドパネル24,24の外に開口している。したがって、図5、矢印bに示すように、後部スチフナ31の溝31dに溜まった雨水は、雨水誘導パイプの35,35を通ってサイドパネル24,24の外に排水される。
【0030】
図3〜5に示すように、前記通水口34,34および雨水誘導パイプ35,35の他端の下方において、左右サイドパネル24,24の外面には、その前後方向にチャンネル部材よりなる補強部材45,45が、それぞれ溶接されている。これらの補強部材45,45は、サイドパネル24,24の前部から後部に向かって屈曲傾斜しており、その上面は、前記通水口34,34および雨水誘導パイプ35,35の直下にあって雨水の誘導路45a,45aを形成しており、通水口34,34および雨水誘導パイプ35,35の他端より排水された雨水は、図5、矢印cに示すように、誘導路45a,45a上を流れて車両の後方へと誘導され、塵芥投入箱3の後部下端に開口したドレン(図示せず)より地面に落とすようにされている。
【0031】
なお、図4に鎖線で示すように、各補強部材45は、その上面の雨水の誘導路45aの外端縁に、その長手方向に沿って突起45bを突設するようにしてもよく、この突起45bは、誘導路45a上を流れる雨水が、作動室23内に落ちにくくされる。
【0032】
前部スチフナ30の上面に、複数のヒンジ部材42を介してヒンジ連結されるトップカバー40は、ヒンジ連結部回りに回動して前記点検口28を開閉でき、点検口28を開放して塵芥投入箱3内を点検できるようにされる。
【0033】
図3,4に示すように、後部スチフナ31の溝31d内には、閉じられたトップカバー40の自由端が受容される。後部スチフナ31の溝31d内面には、トップカバー40の下端縁(自由端)を受けるゴムクッション48が固定される。また、図7に示すように、後部スチフナ31の溝31d内面には、トップカバー40を閉じ位置にロックするためのロック機構49が設けられ、このロック機構49は、トップカバー40の自由端に設けたストライカ50と係合してトップカバー40を閉じ位置にロックする。また、ロック機構49のロック解除レバー51の解除操作によれば、そのロック状態が解除される。
【0034】
なお、ロック機構は従来公知のものなので、その詳細な説明を省略する。
【0035】
また、図3、鎖線に示すように、トップカバー40の自由端には、ストッパロッド52が起伏可能に連結されており、このストッパロッド52を起立することにより、トップカバー40を開放位置に保持し得る。
【0036】
前部スチフナ30よりも前方(塵芥収集箱1側)の点検口28は、その前部スチフナ30および基部フレーム32の上面にボルト・ナット43により固定される固定カバー41により覆われる。
【0037】
固定カバー41よりも前方の塵芥投入箱3の、塵芥収容箱1への軸支4部は、布製などの可撓性のヒンジカバー53により被覆され、このヒンジカバー53は、塵芥投入箱3の上面と塵芥収容箱1の上面間に跨がって設けられる。
【0038】
つぎに、この実施例の作用について説明する。
【0039】
トップカバー40および/または固定カバー41を開放することにより、点検口28から塵芥投入箱3内の機器類などの点検作業を行なうことができる。このとき、作業灯Laの点灯により塵芥投入箱3内の点検部が照射される。
【0040】
ところで、トップカバー40および/または固定カバー41により点検口28が閉じられているときに、固定カバー41上を流れる雨水は、図4,5、矢印aに示すように、前部スチフナ30の雨樋を兼ねる溝30c内に流れ落ちた後、通水口34,34を通ってサイドパネル24,24の外に流れて、補強部材45の誘導路45a上に滴下する。一方、トップカバー40上を流れる雨水は、図4,5,7、矢印bに示すように、後部スチフナ31の雨樋を兼ね溝31d内に流れ落ちた後、雨水誘導パイプ35,35を通って、左右サイドパネル24,24の外へ流れて、補強部材45の誘導路45a,45a上に滴下する。誘導路45a,45a上の雨水は、図5,矢印cに示すように、該誘導路45a,45a上を塵芥投入箱3の後方へと流れ、作動室23,23内に落ち、塵芥収集車Vの走行に伴い、作動室23,23に落下した雨水は、塵芥投入箱3の後部下端に開口したドレン(図示せず)を通って外部に排水される。
【0041】
これにより、塵芥投入箱3の点検口28を覆う、トップカバー40および固定カバー41上を流れる雨水が、塵芥投入箱3内に侵入して該箱3内に溜まることがなくなり、塵芥収集車の塵芥積載重量が低下することがない。
【0042】
また、塵芥投入箱3の補強部材である前部および後部スチフナ30,31の溝30c,31dを、固定カバー体41、トップカバー40上を流れる雨水を受ける雨樋に兼用できるため、別途に雨樋を特設することなく部品点数を低減して、積載重量の低下しない塵芥収集車を安価に提供することができる。さらに、雨樋として兼用するための前記溝30c31dは、前部および後部スチフナ30,31を、それらのたわみを防ぐために折り曲げ形成する際の折り曲げの向きをU字状またはV字状にしたのみであるため、前記前部および後部スチフナ30,31を安価に製造することができる。
【0043】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はそれら実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0044】
たとえば、前記実施例では、塵芥投入箱の上面に開口される点検口を、トップカバー40(ヒンジにより開閉)および固定カバー(ボルト・ナットにより開閉)により開閉するようにしているが、それらのいずれか一方で開閉するようにしてもよい。また、前記実施例では、前部スチフナの、雨樋を兼ねる溝の断面形状をチャンネル状に、また後部スチフナの、雨樋を兼ねる溝の形状を断面V字状に、それぞれ形成しているが、それらの溝の断面形状は、断面U字状、凹状その他の形状であってもよい。さらに、前記実施例では、塵芥収容箱に積み込んだ塵芥を、排出板の移動により排出する排出板式としているが、その塵芥を塵芥収容箱をダンプさせることにより排出するダンプ式にしてもよい。さらにまた、塵芥押込装置として、昇降体および圧縮板の協働で塵芥押込作用を発揮するものを採用ししているが、これに代えて、塵芥投入箱内に、回転板及び押込板と、それらを回動駆動するアクチュエータとを備え、その両板の協働により塵芥投入箱内の投入塵芥を塵芥収容箱内に強制的に押し込めるようにしたものにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 塵芥収容箱
1a 後端開口
3 塵芥投入箱
24 サイドパネル
28 点検口
30 スチフナ(前部スチフナ)
30c 溝
31 スチフナ(後部スチフナ)
31e 溝
40 トップカバー(カバー)
41 固定カバー(カバー)
45 補強部材
45a 誘導路
F 車体フレーム
P 塵芥押込装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(F)上に搭載される塵芥収容箱(1)と、塵芥収容箱(1)の後部に設けられる塵芥投入箱(3)と、塵芥投入箱(3)内に設けられて該箱(3)内に投入された塵芥を塵芥収容箱(1)内に積み込む塵芥積込装置(P)を備え、前記塵芥投入箱(3)の上面に、その内部を点検するための点検口(28)を開口すると共に、この点検口(28)を開閉し得るカバー(40;41)を設けた塵芥収集車において、
前記点検口(28)を覆う前記カバー(40;41)の端縁は、塵芥投入箱(3)の上部に固定されるスチフナ(30;31)上に支持され、該スチフナ(30;31)には雨樋を兼ねる溝(30c;31d)が形成され、前記カバー(40;41)上を流れる雨水は、前記スチフナ(30;31)の溝(30c;31d)に導かれて塵芥投入箱(3)の外部に排水されることを特徴とする、塵芥収集車における雨水の排水構造。
【請求項2】
前記塵芥投入箱(3)のサイドパネル(24)は、補強部材(45)により補強されており、該補強部材(45)は、前記スチフナ(30;31)の溝(30c;31d)内を流れる雨水を、塵芥投入箱(3)の外部に導くための誘導路(45a)に兼用されていることを特徴とする、前記請求項1記載の塵芥収集車における雨水の排水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−241074(P2011−241074A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116237(P2010−116237)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【Fターム(参考)】