説明

塵芥収集車

【課題】 積込装置の負荷が増大したときの騒音を抑制することができる塵芥収集車を提供する。
【解決手段】 電動モータを駆動源として油圧ポンプにより発生させた油圧により動作させる積込装置において、負荷が増大してその作動圧が所定値を超えると、制御装置により電動モータの回転数を低減する。これにより油圧ポンプの吐出量が低下するので、負荷増大時の油圧ポンプ及び積込装置の作動音増大が抑制され、騒音は抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみや粗大ごみ等の塵芥を効率よく積み込む機能を備えた塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥収集車は、車両後部の塵芥投入箱に投入された塵芥を塵芥収容箱に積み込むための積込装置を備えている。例えば特許文献1に記載された従来の塵芥収集車では、バッテリにより電動モータを駆動して、この電動モータに接続された油圧ポンプにより油圧を生じさせ、この油圧により積込装置を動作させる。バッテリは、走行時にエンジンによって駆動される発電機の出力電圧により充電されている。また、塵芥積込時は、バッテリからの電力供給のみで積込装置を動作させる。
【0003】
【特許文献1】実開昭55−164203号公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の塵芥収集車では、例えば塵芥圧縮や積込の行程終期に積込装置の負荷が増大すると、油圧ポンプや積込装置の作動音が大きくなり、騒音となる。特に、早朝、閑静な住宅地等で塵芥の積込みを行う場合には、このような作動音の大きさが問題となる。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、積込装置の負荷が増大したときの騒音を抑制することができる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の塵芥収集車は、塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱に連接して設けられた塵芥投入箱と、電動モータと、前記電動モータにより駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプの油圧により、前記塵芥投入箱に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込む動作を行う積込装置と、前記積込装置にかかる負荷の程度を表す負荷相当量を検出する負荷検出手段と、前記電動モータの回転数制御を行い、前記負荷検出手段によって検出された負荷相当量が所定値を超えると前記電動モータの回転数を低減する制御装置とを備えたものである。
上記のように構成された塵芥収集車において、積込装置にかかる負荷が増大してその負荷相当量が所定値を超えると、制御装置は電動モータの回転数を低減する。これにより油圧ポンプの吐出量が低下し、負荷増大時の油圧ポンプ及び積込装置の作動音増大が抑制される。
【0006】
また、上記塵芥収集車において、複数段に設定された所定値から所望の値を選択する切換手段を設けてもよい。
この場合、切換手段によって所望の値を選択することにより、油圧ポンプの吐出量を低下させるべき負荷相当量(作動圧)を選択して、1台の塵芥収集車で複数モードの積込作業を行わせ、塵芥収集車の使用状況に適した騒音抑制を行うことができる。
【0007】
また、上記塵芥収集車において、負荷相当量とは作動圧であり、制御装置は所定値を超えた作動圧の上昇に応じて、油圧ポンプの出力を一定に保つように電動モータの回転数を漸減させるものであってもよい。
この場合、油圧ポンプは吐出量を漸減させながら出力を一定に保つ。従って、出力急変による積込装置の衝撃音を防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の塵芥収集車によれば、積込装置にかかる負荷が増大してその負荷相当量が所定値を超えると、制御装置は電動モータの回転数を低減する。これにより油圧ポンプの吐出量が低下するので、負荷増大時の油圧ポンプ及び積込装置の作動音増大が抑制され、騒音を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態によるプレス式塵芥収集車の後部を示す側断面図である。図において、この塵芥収集車1は、塵芥収容箱2と、その後部に連接する塵芥投入箱3とを備えている。塵芥投入箱3の後方には、塵芥が投入される投入口3aを、上下にスライドして開閉する蓋3bが設けられている。また、塵芥投入箱3の前方下部には、塵芥を塵芥収容箱2に積み込むための開口部3dが設けられている。
【0010】
次に、塵芥投入箱3内に設けられている積込装置50について説明する。まず、塵芥投入箱3の左右の側壁3cには斜め上下に延びるガイドレール4が設けられており、スライダ5に取り付けられた左右一対二組のローラ6は、このガイドレール4内を斜め上下に移動することができる。スライダ5は、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。また、スライダ5の下端部には、ピン7を介して押込板8が回動自在に取り付けられている。押込板8もまた、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。
【0011】
一方、プッシュシリンダ9のシリンダ側端部はピン10により側壁3cに取り付けられており、ピストン側端部はピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。他方、プレスシリンダ12のシリンダ側端部はピン13により押込板8に接続されており、ピストン側端部は上記ピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。スライダ5は押込板8と共に、プッシュシリンダ9の伸長動作により斜めに上昇し、収縮動作により斜めに下降する。これによりスライダ5は、後述する一次圧縮及び押込に対応した往復動が可能である。また、押込板8は、プレスシリンダ12の伸長動作によりピン7を中心として時計回り方向に回動し、収縮動作により反時計回り方向に回動する。これにより押込板8は、後述する反転及び二次圧縮に対応した往復回動が可能である。
【0012】
図2の(a)は、図1から積込装置50の主要部である押込板8、プッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12のみを抜き出した動作説明図である(但し、図面を見易くするためプッシュシリンダ9の位置を少しずらしている。)。押込板8は、(a)に示す位置を原位置として、プレスシリンダ12が収縮動作することにより「反転」の行程を行い、(b)に示す状態となる。次に押込板8は、プッシュシリンダ9が収縮動作することにより「一次圧縮」の行程を行い、(d)に示す状態となる。続いて押込板8は、プレスシリンダ12が伸長動作することにより「二次圧縮」の行程を行い、(c)に示す状態となる。最後に押込板8は、プッシュシリンダ9が伸長動作することにより「押込」の行程を行い、(a)に示す状態に戻る。このようにしてプッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12が交互に動作することにより、押込板8は、1サイクルの行程動作(反転、一次圧縮、二次圧縮、押込)を行う。押込板8の先端部8aは、図示のように、動作軌跡が4点を結ぶ閉じた形状を描く。
【0013】
上記プッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12の近傍には、それらの伸縮動作が伸長端及び収縮端に達したことをそれぞれ検知する近接スイッチ(14,15,16,17)が設けられている。第1近接スイッチ14は、プッシュシリンダ9の動作が伸長端に達したことを検知する。第2近接スイッチ15は、プレスシリンダ12に取り付けられたドグ12aを検知することにより、その動作が収縮端に達したことを検知する。第3近接スイッチ16は、プッシュシリンダ9の動作が収縮端に達したことを検知する。そして、第4近接スイッチ17は、プレスシリンダ12の動作が伸長端に達したことを検知する。なお、第1近接スイッチ14及び第3近接スイッチ16は塵芥投入箱3に対して固定的に取り付けられているが、第2近接スイッチ15及び第4近接スイッチ17はスライダ5側に取り付けられており、プッシュシリンダ9の伸縮動作に伴って移動する。
【0014】
図3は、上記プッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12に関する油圧回路図である。当該油圧回路は、タンク21、油圧ポンプ22、背圧弁23、プッシュシリンダ用電磁弁24、プレスシリンダ用電磁弁25、リリーフ弁26,27、減圧弁28、逆止弁29〜32、フィルタ33,34、及び圧力センサ51を図示のように接続して構成されている。押込板8が原位置(図2の(a))に停止しているとき、各シリンダ9,12は伸長状態にあり、各電磁弁24,25は中立位置にある。プレスシリンダ用電磁弁25のソレノイド25sが励磁されると「反転」、ソレノイド25eが励磁されると「二次圧縮」、プッシュシリンダ用電磁弁24のソレノイド24sが励磁されると「一次圧縮」、ソレノイド24eが励磁されると「押込」、の各動作が行われる。圧力センサ51は、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧を常時検出し、その検出出力を後述のコントローラ(19)に提供する。なお、塵芥投入箱3を上方に回動させて塵芥収容箱2を開くためのスイングシリンダや、塵芥収容箱2に収容された塵芥を押し出すディスチャージシリンダ等も、上記油圧回路に接続されているが、説明を省略する。
【0015】
図4は、積込装置50における積込制御装置20の構成を示すブロック図である。前述の第1〜第4近接スイッチ14〜17の出力は、CPU、メモリ、インタフェース回路等を含むコントローラ19に入力される。また、操作スイッチ18から、積込動作開始指令等の指令がコントローラ19に入力される。プッシュシリンダ用電磁弁24及びプレスシリンダ用電磁弁25は、コントローラ19によって励磁される。
【0016】
次に、上記油圧ポンプ22を駆動する塵芥収集車のシステム構成について、図5のブロック図を参照して説明する。図において、塵芥収集車のエンジン52には、発電機53が接続されている。発電機53の出力電圧は、整流器54を介してインバータ55(ゲート制御回路も含む。)に供給される。インバータ55には、油圧ポンプ22を駆動するための交流モータ(誘導電動機)56が接続されている。交流モータ56は回転数センサ57を備えており、その出力は前述のコントローラ19に入力される。また、圧力センサ51の出力及び切換スイッチ58の信号も、コントローラ19に入力される。当該コントローラ19及びインバータ55は、圧力センサ51の出力及び切換スイッチ58の信号に基づいて、回転数センサ57の出力をフィードバック信号として用いながら、交流モータ56の回転数制御を行うモータ制御装置59を構成している。
【0017】
上記切換スイッチ58は、図6に示すようなスイッチボックス60に、他のスイッチ、ランプ類と共に設けられている。スイッチボックス60は、例えば運転席(キャブ)に設けられる。この切換スイッチ58は、例えば「低出力」、「通常」、「高出力」の3ポジションに切換可能であり、いずれか1ポジションを選択可能である。
【0018】
次に、上記コントローラ19の動作について、図7のPQ線図を参照して説明する。図7において、横軸は圧力センサ51(図3,図5)によって検出される作動圧P[Pa]を表し、縦軸は油圧ポンプ22の吐出量Q[m/秒]を表す。なお、吐出量Qは油圧ポンプ22の回転数すなわち交流モータ56の回転数に比例する。PQ線図には、低出力モード、通常モード、高出力モードの3モードがあり、切換スイッチ58でいずれかのモードが選択されることにより、コントローラ19は、選択されたモードのPQ線図に従うように回転数制御を行う。
【0019】
図5において、塵芥の積込は、エンジン52をアイドリング状態として行われる。エンジン52により駆動される発電機53の出力電圧(交流)は整流器54により直流電圧に変換され、インバータ55に供給される。インバータ55への制御信号は、圧力センサ51、回転数センサ57及び切換スイッチ58の各出力に基づいて、コントローラ19から与えられる。ここで、切換スイッチ58により通常モードが選択されているとすると、コントローラ19は、図7の通常モードのPQ線図に従うように回転数制御を行う。
【0020】
具体的には、圧力センサ51から入力される信号によって表される作動圧をP[Pa]、回転数センサ57から入力される信号によって表される回転数N[rpm]を吐出量換算してQ[m/秒]とすると、P≦P2(10MPa)のとき、Q=Q1(0.83×10−3/秒(50リットル/分))とする。そして、作動圧PがP2を超えると、作動圧Pの増大に応じて吐出量(回転数)を漸減させる。この場合の「漸減」は、作動圧Pの増大に反比例して吐出量(回転数)を低下させることであり、これにより吐出量減少中の出力PQは一定値となる。
【0021】
すなわち、P=P2のときの出力はP2・Q1であり、図に示す数値より以下の値となる。これは、通常モードにおける最大出力でもある。
P2・Q1=10×10×0.83×10−3
=8.3×10[W]=8.3[kW]
従って、P2<PのときのQは、
Q=(8.3×10)/P ...(1)
と表され、モータ制御装置59は、この式(1)のQに相当する回転数Nで交流モータ56を回転させる。そして、作動圧PがP3(18MPa)に達するときの吐出量Q2は、式(1)より、
Q2=(8.3×10)/(18×10
=0.46×10−3[m/秒]=28[リットル/分]
となる。但し、作動圧PがP3(18MPa)に達すると、コントローラ19は交流モータ56を停止させる。
なお、上記の出力PQは、油圧ポンプ22の機械損失を無視すれば、交流モータ56の出力に相当する。
【0022】
このような制御により、塵芥の圧縮(一次圧縮、二次圧縮)や押込の行程途中(特に終期)においてプッシュシリンダ9やプレスシリンダ12の負荷が高まり、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧Pが10MPaを超えると交流モータ56の回転数が低下して吐出量が低下する。これにより、油圧ポンプ22や積込装置50の作動音増大が抑制され、騒音の発生を抑制することができる。
【0023】
一方、切換スイッチ58により低出力モードが選択されている場合は、P≦P1(5MPa)のとき、Q=Q1(0.83×10−3/秒(50リットル/分))とする。そして、作動圧PがP1を超えると、作動圧Pの増大に応じて吐出量(回転数)を漸減させる。この場合の「漸減」は、通常モードと同様に、作動圧Pの増大に反比例して吐出量(回転数)を低下させることであり、これにより吐出量減少中の出力PQは一定値となる。
【0024】
すなわち、P=P1のときの出力はP1・Q1であり、図に示す数値より以下の値となる。これは、低出力モードにおける最大出力でもある。
P1・Q1=5×10×0.83×10−3
=4.2×10[W]=4.2[kW]
従って、P1<PのときのQは、
Q=(4.2×10)/P ...(2)
と表され、モータ制御装置59は、この式(2)のQに相当する回転数Nで交流モータ56を回転させる。そして、作動圧PがP3(18MPa)に達するときの吐出量Q3は、式(2)より、
Q3=(4.2×10)/(18×10
=0.23×10−3[m/秒]=14[リットル/分]
となる。但し、作動圧PがP3(18MPa)に達すると、コントローラ19は交流モータ56を停止させる。
【0025】
このような制御により、塵芥の圧縮(一次圧縮、二次圧縮)や押込の行程途中においてプッシュシリンダ9やプレスシリンダ12の負荷が高まり、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧Pが5MPaを超えると交流モータ56の回転数が低下して吐出量が低下する。これにより、油圧ポンプ22は通常モードよりも低出力で「頭打ち」の状態となる。従って、油圧ポンプ22及び積込装置50の作動音増大が抑制され、騒音の発生を抑制することができる。
【0026】
他方、切換スイッチ58により高出力モードが選択されているとすると、作動圧PがP1,P2を超えても吐出量Q1及びそれに対応する回転数が維持され、最大出力P3・Q1は、図に示す数値より以下の値となる。
P3・Q1=18×10×0.83×10−3
=15×10[W]=15[kW]
また、作動圧PがP3(18MPa)に達すると、コントローラ19は交流モータ56を停止させる。
このような制御により、塵芥の圧縮(一次圧縮、二次圧縮)や押込の行程途中においてプッシュシリンダ9やプレスシリンダ12の負荷が高まり、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧Pが高まってもP3に達するまでは回転数及び吐出量が維持される。これにより、油圧ポンプ22及び積込装置50は、行程全体から見ると通常モードよりも高出力となり、迅速に積込みを行うことができる。但し、その代わりに、負荷が増大したときの作動音増大は避けられないこととなる。
【0027】
以上の各モードを使い分けることにより、積込の時、場所、塵芥種類等に応じた動作が選択できる。例えば、早朝や夜間における通常ごみ(生ごみ等)の積込みには低出力モードを選択して騒音抑制を優先した積込を行うことができる。昼間における通常ごみの積込には通常モードを選択してある程度の騒音抑制と能率確保とを両立させることができる。一方、工場地帯のような周囲の騒音が大きい場所での積込みの場合には、積込の作動音を気にしなくてもよいので、高出力モードを選択して、迅速な積込みを行うことができる。また、昼間における粗大ごみの積込みの場合にも、高出力モードを選択することにより、粗大ごみを確実に圧縮し、積み込むことができる。このようにして、切換スイッチ58により油圧ポンプ22の吐出量を低下させるべき負荷相当量(作動圧)を選択して、1台の塵芥収集車で複数モードの積込作業を行わせ、塵芥収集車の使用状況に適した騒音抑制を行うことができる。
【0028】
なお、PQ線図は、図8に示すものであってもよい。この場合、高出力モードは図7と同じであるが、通常モード及び低出力モードにおいての吐出量(回転数)の下げ方が異なる。すなわち、通常モードにおいて、作動圧PがP2を超えると、吐出量Qは一気にQ2まで低下し、以後、P3に達するまでQ2が維持される。また、低出力モードにおいて、作動圧PがP1を超えると、吐出量Qは一気にQ3まで低下し、以後、P3に達するまでQ3が維持される。このようなPQ線図に従って回転数制御を行っても、積込装置50の負荷増大による作動音の増大を抑制する作用効果が得られる。
但し、図8のPQ線図のように吐出量を急激に低下させると出力急変により積込装置50に衝撃音が発生する。これに対して、図7のPQ線図のように吐出量低下中の出力を一定に維持すると、衝撃音の発生を防止することができる。
【0029】
次に、油圧ポンプ22を駆動する塵芥収集車のシステム構成について、図5とは異なる他の実施形態について、図9のブロック図を参照して説明する。図9において、図5との違いは、圧力センサ51(図5)からコントローラ19に信号を取り込む代わりに、インバータ55の2次側電路に電流センサ62を設け、その出力信号としての交流モータ56の入力電流を、コントローラ19に取り込むようにした点である。積込装置50の作動圧は油圧ポンプ22の負荷となり、これは交流モータ56の機械的負荷である。また、交流モータ56の機械的負荷と入力電流とは所定の相関関係にある。従って、交流モータ56への入力電流を、積込装置50の負荷(作動圧)相当量として扱うことができる。そこで、作動圧P1,P2,P3にそれぞれ相当する入力電流が電流センサ62によって検出されたとき、例えば図7のPQ線図に従うように、コントローラ19により、交流モータ56の回転数制御を行うようにすればよい。
【0030】
なお、上記各実施形態では交流モータ56を用いたが、交流モータに限らず電動モータであれば使用可能であり、例えばブラシレス直流モータを用いて、コントローラ19に駆動されるインバータ55によって電圧・電流を変化させることにより、モータの回転数制御を行うことも可能である。
また、上記実施形態における積込装置はプレス式であるが、回転板式の積込装置であっても同様にモータの回転数制御を行って作動音の増大を抑制することができる。
また、図5及び図8に示すPQ線図における圧力設定はP1(5MPa),P2(10MPa),P3(18MPa)の3段階設定であるが、これは一例にすぎず、設定値や設定段数は必要に応じて選択することができる。
【0031】
なお、上記各実施形態において吐出量は交流モータの回転数に相当する量として扱い、回転数センサ57により吐出量相当の回転数を検出しているが、回転数センサに代えて油圧ポンプ22の吐出量を直接検出する流量センサを設け、その出力をフィードバック信号として用いながら、モータの回転数制御により所望の吐出量を得るように構成してもよい。
また、上記各実施形態ではエンジンを駆動して発電機から電源供給しているが、エンジンを止めてバッテリ(図示せず。)からモータ制御装置59に電源供給することも可能である。
【0032】
なお、上記各実施形態においては切換スイッチ58を用いたが、スイッチに限らず各種切換手段が使用可能である。例えば時間帯だけの切換であれば、24時間タイマを用いて自動的にモード切換を行うこともできる。
また、コントローラ19は、交流モータ56の回転数制御を行うための装置と、積込装置の制御を行う装置とで、別個に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例によるプレス式塵芥収集車の後部を示す側断面図である。
【図2】図1から積込装置の主要部である押込板、プッシュシリンダ及びプレスシリンダのみを抜き出した動作説明図である。
【図3】上記プッシュシリンダ及びプレスシリンダに関する油圧回路図である。
【図4】積込装置における積込制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】油圧ポンプを駆動する塵芥収集車のシステム構成についてのブロック図である。
【図6】スイッチボックスの正面図である。
【図7】制御特性を示すPQ線図である。
【図8】他のPQ線図である。
【図9】油圧ポンプを駆動する塵芥収集車の他のシステム構成についてのブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
22 油圧ポンプ
50 積込装置
51 圧力センサ(負荷検出手段)
56 交流モータ
58 切換スイッチ(切換手段)
59 モータ制御装置(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱と、
前記塵芥収容箱に連接して設けられた塵芥投入箱と、
電動モータと、
前記電動モータにより駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプの油圧により、前記塵芥投入箱に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込む動作を行う積込装置と、
前記積込装置にかかる負荷の程度を表す負荷相当量を検出する負荷検出手段と、
前記電動モータの回転数制御を行い、前記負荷検出手段によって検出された負荷相当量が所定値を超えると前記電動モータの回転数を低減する制御装置と
を備えたことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
複数段に設定された前記所定値から所望の値を選択する切換手段を設けた請求項1記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記負荷相当量とは作動圧であり、前記制御装置は前記所定値を超えた作動圧の上昇に応じて、前記油圧ポンプの出力を一定に保つように前記電動モータの回転数を漸減させる請求項1記載の塵芥収集車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−16193(P2006−16193A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198163(P2004−198163)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【Fターム(参考)】