説明

増幅特性情報を有する電力増幅装置及びその方法とそれを用いた前置歪みシステム及びその方法

【課題】電力増幅装置の前置歪みシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】アナログ入力信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル変換部510と、電力増幅装置からの増幅特性情報を前置歪み計算部に伝達するための通信制御部550と、上記通信制御部からの増幅特性情報と上記アナログ−ディジタル変換部からの入力信号に基づいて上記増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するための上記前置歪み計算部560と、上記前置歪み計算部からの逆増幅特性情報に従って上記アナログ−ディジタル変換部からのディジタル入力信号を前置歪みさせるための前置歪み部520と、上記前置歪み部からのディジタル入力信号をアナログ信号に変換するためのディジタル−アナログ変換部530と、上記ディジタル−アナログ変換部からの信号を電力増幅して出力し、上記通信制御部に上記増幅特性情報を伝達するための上記電力増幅装置540と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅特性情報を有する電力増幅装置及びその方法とそれを用いた前置歪みシステム及びその方法に関し、より詳しくは事前に電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置の内部の格納装置に格納して、ディジタル前置歪みシステムにおける上記格納された増幅特性情報に基づいて電力増幅装置の非線形性を補償することによって、電力増幅装置の出力信号に対して線形特性を保証し、ディジタル前置歪みシステムの設備の簡素化及び費用低減のための増幅特性情報を有する電力増幅装置及びその方法とそれを用いた前置歪みシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力増幅装置は、内部の非線形的な素子(例:トランジスタ等)の影響により大きさの大きい信号の入力を受けるようになる場合、非線形的な歪み特性を有する信号を出力するようになる。現在のディジタル通信において電力増幅装置の非線形的な歪み特性は隣接チャンネル間の干渉(adjacent channel interference)の結果をもたらすようになって通信システムに大きい問題となっている。
【0003】
このような非線形的な歪み特性を減らすためにバックオフ(Back off)、フィードバック(Feedback)、フィードフォワード(FeedForward)、及び前置歪み(Predistortion)等、種々の方法が使われてきた。特に、前置歪み方法は設備の複雑度及び費用が低く、ディジタル方式の具現により、一層精密に非線形的な歪み特性を補償することができる。
【0004】
一般に、前置歪み方法は電力増幅装置の非線形的な歪み特性を用いて電力増幅装置の前端で電力増幅装置の非線形的な歪み特性と反対になる特性により入力信号を歪ませて電力増幅装置に伝達することによって、電力増幅装置の出力を線形化する方法である。
【0005】
図1は、一般的な前置歪みシステムの一実施形態の構成図である。
【0006】
図1に示すように、前置歪み計算部105は、第1アナログ−ディジタル変換部100でディジタル信号に変換された入力信号と電力増幅装置103からカップリング部104及び減衰部107を経て第2アナログ−ディジタル変換部106でディジタル信号に変換された出力信号の入力を受けて電力増幅装置103の非線形的な歪み特性(AM/AM、AM/PM)の逆を計算する。
【0007】
これをより詳細に説明すると、上記カップリング部104は電力増幅装置103から出力される出力信号を一部カップリング(Coupling)して減衰部106に伝達する。
【0008】
すると、上記減衰部107は上記カップリング部104から伝達を受けた電力増幅された出力信号を減衰させて第2アナログ−ディジタル変換部105に伝達する。
【0009】
すると、上記第2アナログ−ディジタル変換部106は、上記減衰部107から伝達を受けた減衰されたアナログ出力信号をディジタル出力信号に変換して上記前置歪み計算部105に伝達する。
【0010】
上記前置歪み計算部105で計算された電力増幅装置103の非線形的な歪み特性(AM/AM、AM/PM)の逆は適応アルゴリズムやその他のアルゴリズムを用いて歪み情報(Mapping table、Coefficients)を得るようになり、このように獲得された歪み情報は前置歪み部101に伝えられる。
【0011】
すると、前置歪み部101は上記前置歪み計算部105から伝達を受けた歪み情報を用いて順覧表(LUT:Look Up Table)方式または多項式(Polynomial)方式などを用いて上記第1アナログ−ディジタル変換部100からの入力信号を前置歪みさせる。
【0012】
上記前置歪み部101で歪みされたディジタル入力信号はディジタル−アナログ変換部102でアナログ入力信号に変換されて電力増幅装置103に伝えられる。
【0013】
それによって、上記前置歪み部101の前置歪み特性と上記電力増幅装置103の非線形的な歪み特性が互いに相殺されて、上記電力増幅装置103の出力信号は線形跡特性を有するようになる。
【0014】
上記のように動作する一般的な前置歪みシステムは必ず電力増幅装置の出力信号(フィードバック信号)を必要とするメカニズムである。
【0015】
したがって、前置歪みシステムの構成において、電力増幅装置の出力信号をカップリング(Coupling)し、カップリングされた出力信号を減衰させ、減衰された出力信号をディジタル信号に変換する等のような動作を遂行するための種々の複雑な設備(カップリング部、減衰部、第2アナログ−ディジタル変換部等)が必要であり、それに従う費用も追加的にかかる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述したように、上記のような従来技術は、必ず電力増幅装置の出力信号(フィードバック信号)を必要とするため、種々の複雑な設備が必要であり、それに従う費用も追加的にかかる問題点があり、本発明はこのような問題点を解決することをその目的とする。
【0017】
したがって、本発明は、事前に電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置の内部の格納装置に格納して、ディジタル前置歪みシステムで上記格納された増幅特性情報に基づいて電力増幅装置の非線形性を補償することで、電力増幅装置の出力信号に対して線形特性を保証し、ディジタル前置歪みシステムの設備の簡素化及び費用低減のための増幅特性情報を有する電力増幅装置及びその方法と、それを用いた前置歪みシステム及びその方法を提供することをその目的とする。
【0018】
本発明の目的は、前述した目的に制限されず、言及されていない本発明の他の目的及び長所は下記の説明により理解されることができ、本発明の実施形態により、一層明らかに知るようになる。また、本発明の目的及び長所は特許請求範囲に表した手段及びその組合により実現できることが容易に分かる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するための本発明の装置は、電力増幅装置であって、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するための第1アナログ−ディジタル変換部と、上記アナログ入力信号を電力増幅するための電力増幅部と、上記電力増幅部で増幅された信号を減衰させるための減衰部と、上記減衰部で減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換するための第2アナログ−ディジタル変換部と、上記第1アナログ−ディジタル変換部からの信号で上記電力増幅装置の入力特性を抽出し、上記第2アナログ−ディジタル変換部からの信号で上記電力増幅装置の出力特性を抽出して増幅特性情報を伝達するための特性抽出部と、上記特性抽出部から伝達を受けた増幅特性情報を格納するための電力増幅制御部と、を含む。
【0020】
一方、上記の目的を達成するための本発明の方法は、電力増幅装置具現方法において、アナログ入力信号をディジタル信号に変換する第1信号変換ステップと、上記アナログ入力信号を電力増幅し、上記電力増幅されたアナログ信号を減衰させ、上記減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換する第2信号変換ステップと、上記第1信号変換ステップで変換された信号から上記電力増幅装置の入力特性を抽出し、上記第2信号変換ステップで変換された信号から上記電力増幅装置の出力特性を抽出して増幅特性情報を検出するステップと、上記検出された増幅特性情報を格納する格納ステップと、を含む。
【0021】
一方、上記の目的を達成するための本発明のシステムは、前置歪みシステムにおいて、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル変換部と、電力増幅装置からの増幅特性情報を前置歪み計算部に伝達するための通信制御部と、上記通信制御部からの増幅特性情報と上記アナログ−ディジタル変換部からの入力信号に基づいて上記増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するための上記前置歪み計算部と、上記前置歪み計算部からの逆増幅特性情報に従って上記アナログ−ディジタル変換部からのディジタル入力信号を前置歪みさせるための前置歪み部と、上記前置歪み部からのディジタル入力信号をアナログ信号に変換するためのディジタル−アナログ変換部と、上記ディジタル−アナログ変換部からの信号を電力増幅して出力し、上記通信制御部に上記増幅特性情報を伝達するための上記電力増幅装置と、を含む。
【0022】
一方、上記の目的を達成するための本発明の他の方法は、前置歪み方法において、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するステップと、既に格納されている電力増幅装置の増幅特性情報の伝達を受けるステップと、上記伝達を受けた増幅特性情報と上記ディジタル信号に変換された入力信号に基づいて上記増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するステップと、上記ディジタル信号に変換された入力信号を上記計算された逆増幅特性情報に従って前置歪みさせるステップと、上記前置歪みされたディジタル入力信号をアナログ信号に変換するステップと、上記アナログ信号に変換された信号を電力増幅して出力し、上記増幅特性情報を伝達するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0023】
上記のような本発明は、事前に電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM、AM/PM特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置の内部の格納装置に格納して、ディジタル前置歪みシステムにおける上記格納された増幅特性情報に基づいて電力増幅装置の非線形性を補償することで、電力増幅装置の出力信号に対して線形特性を保証することができ、またディジタル前置歪みシステムの設備を簡素化することができ、それによって設備費用を低減することができる効果がある。
【0024】
即ち、本発明は事前に電力増幅装置の温度変化に従う入出力特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置の内部格納装置に格納して、前置歪み動作時、増幅特性情報を電力増幅装置の内部格納装置から読取って前置歪みを動作させることによって、既存の前置歪み動作時に必要とする電力増幅装置の出力信号をカップリングするカプラー(Coupler)、カップリングされた信号を減衰させる減衰器(Attenuator)、減衰された信号をディジタル変換するアナログ−ディジタル変換器(ADC:Analog to Digital Converter)などの複雑な設備をしなくて、簡単にディジタル前置歪みシステム(Digital Predistorter)を具現できるだけでなく、電力増幅装置の温度変化に従う非線形的歪み特性を補償することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一般的な前置歪みシステムの一実施形態の構成図である。
【図2】一般的な電力増幅装置の一実施形態の構成図である。
【図3】本発明に従う増幅特性情報を有する電力増幅装置の一実施形態の構成図である。
【図4】本発明に従う増幅特性情報を有する電力増幅装置の具現方法に対する一実施形態のフローチャートである。
【図5】本発明に従う電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪みシステムの一実施形態の構成図である。
【図6】本発明に従う電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪み方法に対する一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述した目的、特徴、及び長所は、添付された図面を参照して詳細に後述されている詳細な説明を通じてより明確になり、それによって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。また、本発明を説明するに当たって、本発明と関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすることができると判断される場合に、その詳細な説明を省略する。以下、添付の図面を参照して本発明に従う好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0027】
そして、明細書の全体で、どの部分が他の部分と“連結”されているとする時、これは“直接的に連結”されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで“電気的に連結”されている場合も含む。また、どの部分がどの構成要素を“包含”または“具備”するという時、これは特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外するのでなく、他の構成要素をさらに包含または具備することができることを意味する。
【0028】
図2は、一般的な電力増幅装置の一実施形態の構成図である。
【0029】
図2に示すように、一般的な電力増幅装置は、入力信号を増幅して信号を出力するための増幅部200、及び上記増幅部200の増幅動作を制御し監視し、データ格納機能を有する電力増幅制御部201を含む。
【0030】
ここで、上記電力増幅制御部201の機能をより詳細に説明すると、上記電力増幅制御部201は、増幅部200の口/出力信号監視、増幅部200のオン/オフ(on/off)制御、電源駆動、フラッシュメモリ(flash memory)を使用したデータ格納、増幅部200の温度監視などの機能を遂行する主制御装置(MCU:Main Control Unit)ということができる。
【0031】
図3は、本発明に従う増幅特性情報を有する電力増幅装置の一実施形態の構成図である。
【0032】
図3に示すように、本発明に従う増幅特性情報を有する電力増幅装置は、アナログ入力信号を電力増幅するための電力増幅部311、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するための第1アナログ−ディジタル変換部330、上記電力増幅部311で増幅された信号を減衰させるための減衰部320、上記減衰部320で減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換するための第2アナログ−ディジタル変換部350、上記第1アナログ−ディジタル変換部330からの信号で電力増幅装置の入力特性を抽出し、上記第2アナログ−ディジタル変換部350からの信号で電力増幅装置の出力特性を抽出して電力増幅装置310の電力増幅制御部312に増幅特性情報を伝達するための特性抽出部340、及び上記特性抽出部340から伝達を受けた増幅特性情報を格納するための電力増幅制御部312を含む。
【0033】
ここで、上記電力増幅制御部312は、上記特性抽出部340から伝達を受けた上記電力増幅装置310の入出力特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置310の温度に従って格納する。即ち、上記電力増幅制御部312は、電力増幅装置310の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を格納する。この際、温度変化に従う格納周期や方法(sampling、interpolation、その他)及び格納部(例:フラッシュメモリ)の容量などによってその具現例は種々の変形や変更が可能である。
【0034】
上記のように具現された電力増幅装置310は、増幅特性情報を内部格納部に有するようになる。このように、事前に増幅特性情報を格納している電力増幅装置310を用いて後述される図5の“電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪みシステム”を具現することができる。
【0035】
図4は、本発明に従う増幅特性情報を有する電力増幅装置の具現方法に対する一実施形態のフローチャートである。
【0036】
まず、第1アナログ−ディジタル変換部330がアナログ入力信号をディジタル信号に変換する(401)。
【0037】
そして、電力増幅部311が上記アナログ入力信号を電力増幅し(402)、減衰部320が上記電力増幅部311で増幅された信号を減衰させ(403)、第2アナログ−ディジタル変換部350が上記減衰部320で減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換する(404)。
【0038】
以後、特性抽出部340が上記第1アナログ−ディジタル変換部330からの信号で電力増幅装置の入力特性を抽出し、上記第2アナログ−ディジタル変換部350からの信号で電力増幅装置の出力特性を抽出して電力増幅装置310の電力増幅制御部312に増幅特性情報を伝達する(405)。
【0039】
すると、電力増幅制御部312が上記特性抽出部340から伝達を受けた増幅特性情報を格納する(406)。この際、上記電力増幅制御部312は、上記特性抽出部340から伝達を受けた上記電力増幅装置310の入出力特性情報(増幅特性情報)を電力増幅装置310の温度に従って格納する。即ち、上記電力増幅制御部312は、電力増幅装置310の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を格納する。
【0040】
図5は、本発明に従う電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪みシステムの一実施形態の構成図である。
【0041】
図5に示すように、本発明に従う電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪みシステムは、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル変換部510、電力増幅装置540の電力増幅制御部542から電力増幅装置540の増幅特性情報の伝達を受けて前置歪み計算部560に伝達するための通信制御部550、上記通信制御部550から伝達を受けた電力増幅装置540の増幅特性情報と上記アナログ−ディジタル変換部510でディジタル信号に変換された入力信号に基づいて電力増幅装置540の増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するための前置歪み計算部560、上記前置歪み計算部560からの逆増幅特性情報に従って上記アナログ−ディジタル変換部510からのディジタル入力信号を前置歪みさせるための前置歪み部520、上記前置歪み部520で前置歪みされたディジタル入力信号をアナログ信号に変換するためのディジタル−アナログ変換部530、及び上記ディジタル−アナログ変換部530からの前置歪みされた入力信号を電力増幅して出力信号に伝達し、上記通信制御部550に電力増幅装置540の増幅特性情報(入出力特性情報)を伝達するための電力増幅装置540を含む。
【0042】
ここで、上記前置歪み計算部560は、ディジタル信号に変換された入力信号と事前に電力増幅装置540の電力増幅制御部542に格納されている電力増幅装置540の増幅特性情報(入出力特性情報)に基づいて適応アルゴリズム(例:RLS、LMS等)、その他のアルゴリズムなどを用いて逆増幅特性情報、即ち歪み情報(Mapping table、Coefficients)を得るようになる。
【0043】
上記ディジタル信号に変換された入力信号を、順覧表(LUT)、多項式(Polynomial)などの技術を適用して前置歪み部520で上記逆増幅特性情報(歪み情報)に従って前置歪みさせて電力増幅装置540の非線形的歪み特性を補償して線形化された出力を保証する。
【0044】
そして、電力増幅装置540は、上記ディジタル−アナログ変換部530からの前置歪みされた入力信号を電力増幅して出力するための電力増幅部541、及び既に格納されている電力増幅装置540の増幅特性情報(入出力特性情報)を上記通信制御部550に伝達するための電力増幅制御部542を含む。
【0045】
上記のような動作は、前置歪み動作において既存の前置歪み計算のための訓練モード(Training Mode)を必要としなくなる。
【0046】
そして、電力増幅装置540の温度変化に従う増幅特性情報を上記電力増幅制御部542から持ってきて上記前置歪み計算部560が電力増幅装置540の非線形歪み特性の逆を計算するので、電力増幅装置540の温度補償を適切にすることができ、適応アルゴリズムを使用する場合、速い収束を予想することができる。
【0047】
図6は、本発明に従う電力増幅装置のフィードバック信号を使用しない前置歪み方法に対する一実施形態のフローチャートである。
【0048】
まず、アナログ−ディジタル変換部510がアナログ入力信号をディジタル信号に変換する(601)。
【0049】
そして、通信制御部550が電力増幅装置540の電力増幅制御部542から電力増幅装置540の増幅特性情報の伝達を受けて前置歪み計算部560に伝達する(602)。
【0050】
すると、前置歪み計算部560が上記通信制御部550から伝達を受けた電力増幅装置540の増幅特性情報と上記アナログ−ディジタル変換部510でディジタル信号に変換された入力信号に基づいて電力増幅装置540の増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算する(603)。
【0051】
以後、前置歪み部520が上記前置歪み計算部560からの逆増幅特性情報に従って上記アナログ−ディジタル変換部510からのディジタル入力信号を前置歪みさせる(604)。
【0052】
以後、ディジタル−アナログ変換部530が上記前置歪み部520で前置歪みされたディジタル入力信号をアナログ信号に変換する(605)。
【0053】
以後、電力増幅装置540が上記ディジタル−アナログ変換部530からの前置歪みされた入力信号を電力増幅して出力信号に伝達し、上記通信制御部550に電力増幅装置540の増幅特性情報(入出力特性情報)を伝達する(606)。
【0054】
以上のように、本発明はたとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は上記の実施形態に限定されるのではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形、及び変更が可能である。
【0055】
したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されて定まってはならず、後述する特許請求範囲だけでなく、この特許請求範囲とその均等物により定まるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、無線通信システムなどに利用できる。
【符号の説明】
【0057】
510 アナログ−ディジタル変換部
520 前置歪み部
530 ディジタル−アナログ変換部
540 電力増幅装置
550 通信制御部
560 前置歪み計算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅装置であって、
アナログ入力信号をディジタル信号に変換するための第1アナログ−ディジタル変換部と、
前記アナログ入力信号を電力増幅するための電力増幅部と、
前記電力増幅部で増幅された信号を減衰させるための減衰部と、
前記減衰部で減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換するための第2アナログ−ディジタル変換部と、
前記第1アナログ−ディジタル変換部からの信号で前記電力増幅装置の入力特性を抽出し、前記第2アナログ−ディジタル変換部からの信号で前記電力増幅装置の出力特性を抽出して増幅特性情報を伝達するための特性抽出部と、
前記特性抽出部から伝達を受けた増幅特性情報を格納するための電力増幅制御部と、
を含むことを特徴とする、電力増幅装置。
【請求項2】
前記電力増幅制御部は、
前記特性抽出部から伝達を受けた前記電力増幅装置の入出力特性情報(増幅特性情報)を前記電力増幅装置の温度に従って格納することを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記電力増幅制御部は、
前記電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を格納することを特徴とする、請求項2に記載の電力増幅装置。
【請求項4】
電力増幅装置具現方法であって、
アナログ入力信号をディジタル信号に変換する第1信号変換ステップと、
前記アナログ入力信号を電力増幅し、前記電力増幅されたアナログ信号を減衰させ、前記減衰されたアナログ信号をディジタル信号に変換する第2信号変換ステップと、
前記第1信号変換ステップで変換された信号から前記電力増幅装置の入力特性を抽出し、前記第2信号変換ステップで変換された信号から前記電力増幅装置の出力特性を抽出して増幅特性情報を検出するステップと、
前記検出された増幅特性情報を格納する格納ステップと、
を含むことを特徴とする、電力増幅装置具現方法。
【請求項5】
前記格納ステップは、
前記検出された前記電力増幅装置の入出力特性情報(増幅特性情報)を前記電力増幅装置の温度に従って格納することを特徴とする、請求項4に記載の電力増幅装置具現方法。
【請求項6】
前記格納ステップは、
前記電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報(増幅特性情報)を格納することを特徴とする、請求項5に記載の電力増幅装置具現方法。
【請求項7】
前置歪みシステムであって、
アナログ入力信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル変換部と、
電力増幅装置からの増幅特性情報を前置歪み計算部に伝達するための通信制御部と、
前記通信制御部からの増幅特性情報と前記アナログ−ディジタル変換部からの入力信号に基づいて前記増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するための前記前置歪み計算部と、
前記前置歪み計算部からの逆増幅特性情報に従って前記アナログ−ディジタル変換部からのディジタル入力信号を前置歪みさせるための前置歪み部と、
前記前置歪み部からのディジタル入力信号をアナログ信号に変換するためのディジタル−アナログ変換部と、
前記ディジタル−アナログ変換部からの信号を電力増幅して出力し、前記通信制御部に前記増幅特性情報を伝達するための前記電力増幅装置と、
を含むことを特徴とする、前置歪みシステム。
【請求項8】
前記電力増幅装置は、
前記ディジタル−アナログ変換部からの前置歪みされた入力信号を電力増幅して出力するための電力増幅部と、
既に格納されている前記電力増幅装置の増幅特性情報(入出力特性情報)を前記通信制御部に伝達するための電力増幅制御部と、
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の前置歪みシステム。
【請求項9】
前記増幅特性情報は、
前記電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報であることを特徴とする、請求項8に記載の前置歪みシステム。
【請求項10】
前置歪み方法であって、
アナログ入力信号をディジタル信号に変換するステップと、
既に格納されている電力増幅装置の増幅特性情報の伝達を受けるステップと、
前記伝達を受けた増幅特性情報と前記ディジタル信号に変換された入力信号に基づいて前記増幅特性情報の逆増幅特性情報を計算するステップと、
前記ディジタル信号に変換された入力信号を前記計算された逆増幅特性情報に従って前置歪みさせるステップと、
前記前置歪みされたディジタル入力信号をアナログ信号に変換するステップと、
前記アナログ信号に変換された信号を電力増幅して出力し、前記増幅特性情報を伝達するステップと、
を含むことを特徴とする、前置歪み方法。
【請求項11】
前記増幅特性情報は、
前記電力増幅装置の温度変化に従う入出力信号のAM/AM(Amplitude Modulation/Amplitude Modulation)、AM/PM(Amplitude Modulation/Phase Modulation)特性情報であることを特徴とする、請求項10に記載の前置歪み方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−211684(P2011−211684A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284961(P2010−284961)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(507054331)エアポイント株式会社 (4)
【Fターム(参考)】