説明

増殖性疾患を治療するためのサパシタビンの使用

本発明の一態様は、増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む。本発明の別の態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を治療する医薬の調製における、サパシタビン又はその代謝産物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−N4−パルミトイルシトシン又はその代謝産物、別名サパシタビン(sapacitabine)の治療的使用及び投薬計画に関する。
【背景技術】
【0002】
ヌクレオシド類似体は、抗腫瘍細胞傷害剤の主要な群である。例えば、増殖性障害の治療におけるピリミジンヌクレオシドの治療的使用は、当技術分野でよく実証されている。ピリミジン系の市販の抗腫瘍剤には、5−フルオロウラシル(Duschinsky, R., et al., J. Am. Chem. Soc., 79, 4559 (1957))、テガフール(Hiller, SA., et al., Dokl. Akad. Nauk USSR, 176, 332 (1967))、UFT(Fujii, S., et al., Gann, 69, 763 (1978))、カルモフール(Hoshi, A., et al., Gann, 67, 725 (1976))、ドキシフルリジン(Cook, A. F., et al., J. Med. Chem., 22, 1330 (1979))、シタラビン(Evance, J. S., et al., Proc. Soc. Exp. Bio. Med., 106. 350 (1961))、アンシタビン(Hoshi, A., et al., Gann, 63, 353, (1972))及びエノシタビン(Aoshima, M., et al., Cancer Res., 36, 2726 (1976))が含まれる。シタラビン(ara-C)及びフルダラビンは、白血病に対する2つの最も活性な薬剤であり、ゲムシタビン及び5−フルオロウラシルは、広範囲の充実性腫瘍に対して活性である。
【0003】
現在臨床使用可能なヌクレオシド類似体は、それ自体は活性でないプロドラッグである。細胞に入ると、これらのヌクレオシド類似体はヌクレオシドキナーゼによってリン酸化され、リン酸化された代謝産物はDNAに組み込まれ、DNA合成の休止又は終結を引き起こす。薬剤誘導性細胞死の程度と細胞DNAに組み込まれた類似体分子の量との間の密接な相関関係は、DNAへのこれらの分子の組込みが重要な細胞傷害事象であることを強く示唆する(Azuma A et al; 2'-C-cyano-2-deoxy-β-D-arabino-pentafuranosyl cytosine: a novel anticancer nucleoside analog that causes both DNA strand breaks and G2 arrest; Molecular Pharmacology, 59 (4), 725-731, 2001)。
【0004】
ヌクレオシド類似体の臨床上の有効性は、ヌクレオシドキナーゼの基質特異性、腫瘍組織におけるキナーゼの発現レベル、及び不活性化酵素による代謝的除去の速度を含む、複数の因子によって影響されるようである(Azuma A et al;同書;Matsuda A and Sasak T, Antitumour activity of sugar-modified cytosine nucleosides; Cancer Science. 95 (2), 105-111, 2004)。改善された生化学的性状を有する合理的に設計されたヌクレオシド類似体は、より有効な抗腫瘍剤である可能性がある。
【0005】
2’−C−シアノ−2’−デオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシルシトシン(CNDAC、2'-C-Cyano-2'-deoxy-β-D-arabino-pentafuranosylcytosine)は、デオキシシチジンの合理的に設計された類似体である。それは、連結によって修復することができない一本鎖DNA切断を引き起こす。この種のDNA損傷は、組込み部位でDNA合成を終了又は停止させるara-C及びゲムシタビンなどの他のヌクレオシド類似体に起因するものと異なる(Azuma A et al;同書)。ara-C又はゲムシタビンで見られるS期ブロックと異なり、この特異な鎖切断作用は、G2期で細胞周期停止を誘導するCNDACの能力の基礎であるようである。薬剤発見段階で、CNDACの多くの誘導体を合成し、CNDACより強い抗腫瘍活性を求めて調査した。例えば、欧州特許第536936号明細書(Sankyo社)は、価値ある抗腫瘍活性を示すことが示された、1−β−D−アラビノフラノシルシトシンの様々な2’−シアノ−2’−デオキシ−誘導体を開示している。欧州特許第536936号明細書で開示されている1つの特定の化合物は、2’−シアノ−2’−デオキシ−N−パルミトイル−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(本明細書で以下「サパシタビン」又は「CYC682」又は「CS−682」と称す)である。サパシタビンは、前臨床研究でのその広範囲の抗腫瘍活性のために、臨床開発のために選択された。
【0006】
サパシタビン、別名1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−N−パルミトイルシトシン(Hanaoka, K., et al, Int. J. Cancer, 1999:82:226-236;Donehower R, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2000: abstract 764;Burch, PA, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2001: abstract 364)は、経口投与されるCNDACの新規2’−デオキシシチジン代謝拮抗プロドラッグである
【0007】
【化1】

【0008】
サパシタビンは、充実性腫瘍での前臨床データに基づくその経口的生物学的利用率、並びにゲムシタビン(主な市販ヌクレオシド類似体)及び5−FU(広く使われている代謝拮抗薬剤)から改善されたその活性から、いくつかの研究の焦点であった。近年では、サパシタビンが結腸癌のモデルで強い抗癌活性を示すことを、試験担当医が報告した。同じモデルにおいて、生存期間を増加させ、さらに、肝臓への結腸癌転移の広がりを阻止する点から、サパシタビンはゲムシタビン又は5−FUより優れていることが見出された(Wu M, et al, Cancer Research, 2003:63:2477-2482)。現在まで、様々な癌を有する患者からの第一相データは、サパシタビンがヒトで良好な耐容性を示し、骨髄抑制が用量制限毒性であることを示唆する。
【0009】
経口投与の後、サパシタビンは腸管、血漿及び肝臓中で、アミダーゼ及びエステラーゼによってCNDACに変換される。CNDACは、CNDAC三リン酸(CNDACTP)の形成の律速段階であると考えられるデオキシシチジンキナーゼによって、CNDAC一リン酸に変換され得る。CNDACTPはサパシタビンの活性代謝産物であり、以下の機構を通してその細胞毒性効果を発揮する:a)DNAポリメラーゼの強力な阻害、b)DNA鎖への組込みによるDNA鎖伸長の停止、及びc)DNAへのその組込みの後のCNDACの3’−ジエステル結合におけるDNA鎖の切断。この後者の機構は、他のヌクレオシド類似体によって示されない、新規の効果であると考えられる。CNDACリン酸は、シチジンデアミナーゼ及び5’−ヌクレオチダーゼによって分解することができる。しかし、ara-Cと比較して、CNDACはシチジンデアミナーゼの弱い基質である。
【0010】
その代謝産物の抗腫瘍活性に加えて、親薬剤サパシタビン自体は、デオキシシチジンキナーゼを欠くものを含む、様々な癌細胞系に対して細胞傷害性である。これは、サパシタビンのインビボ抗腫瘍活性が、親薬剤並びにその活性代謝産物CNDACの両方によって媒介される可能性を示唆する。サパシタビンの細胞内薬理は、現在調査中である。
【0011】
サパシタビン及びその活性代謝産物CNDACは、様々な臓器のヒト腫瘍細胞に対して、広範囲の活性を示した。ヒトの腫瘍異種移植モデルでは、サパシタビンは様々な腫瘍に対して活性であり、腫瘍退縮が認められた胃、乳房、肺、結腸直腸及び肝臓の腫瘍異種移植に対して特に有効であった。サパシタビンはara-C耐性腫瘍細胞系に部分交差耐性を示したが、それは、マイトマイシンC、ビンクリスチン、5−FU又はシスプラチンに耐性であるP388白血病細胞系に対してインビボで活性であった。マウスP388白血病モデル及び低分化胃腺癌のヒト異種移植では、サパシタビンは5’−DFUR及びゲムシタビンよりもずっと強力な抗腫瘍活性を示した。
【0012】
齧歯動物での単回投与毒性試験、並びにマウス及びイヌでの最高3カ月の期間の反復投与試験が完了した。サパシタビンは急速に増殖する細胞に対する直接的毒作用を有し、それは細胞傷害薬剤の既知の副作用と一貫している。主要な毒性は造血性、胃腸性及び精巣性である。毒性は、単回投与と反復投与との間、並びに種間で類似しているようである。
【0013】
要約すると、合理的に設計されたヌクレオシド類似体のサパシタビンは、他のヌクレオシド類似体よりも有効な抗腫瘍剤であり得る。その経口投与経路は、他のヌクレオシド類似体によって必要とされる静脈内投与経路と比較して、患者により便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第536936号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Duschinsky, R., et al., J. Am. Chem. Soc., 79, 4559 (1957)
【非特許文献2】Hiller, SA., et al., Dokl. Akad. Nauk USSR, 176, 332 (1967)
【非特許文献3】Fujii, S., et al., Gann, 69, 763 (1978)
【非特許文献4】Hoshi, A., et al., Gann, 67, 725 (1976)
【非特許文献5】Cook, A. F., et al., J. Med. Chem., 22, 1330 (1979)
【非特許文献6】Evance, J. S., et al., Proc. Soc. Exp. Bio. Med., 106. 350 (1961)
【非特許文献7】Hoshi, A., et al., Gann, 63, 353, (1972)
【非特許文献8】Aoshima, M., et al., Cancer Res., 36, 2726 (1976)
【非特許文献9】Azuma A et al; 2'-C-cyano-2-deoxy-β-D-arabino-pentafuranosyl cytosine: a novel anticancer nucleoside analog that causes both DNA strand breaks and G2 arrest; Molecular Pharmacology, 59 (4), 725-731, 2001
【非特許文献10】Matsuda A and Sasak T, Antitumour activity of sugar-modified cytosine nucleosides; Cancer Science. 95 (2), 105-111, 2004
【非特許文献11】Hanaoka, K., et al, Int. J. Cancer, 1999:82:226-236
【非特許文献12】Donehower R, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2000: abstract 764
【非特許文献13】Burch, PA, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2001: abstract 364
【非特許文献14】Wu M, et al, Cancer Research, 2003:63:2477-2482
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、サパシタビンの新しい治療的適用を提供することが目的であり、さらに、新しい治療的適用及び既存の治療的適用の治療におけるサパシタビンの改善された投薬計画を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様は、増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む。
【0018】
先行技術のサパシタビン投薬計画は、長期間、例えば、21日周期内の7又は14日連続で活性剤を投与することを一般に含む。有利には、現在請求される投薬計画は、治療に付随する有害副作用を最小にしつつ、薬剤効率を最大にする。より短い期間患者にサパシタビンを投与し、その後休止期間を設けることは、サパシタビンのより高い投与量を患者に投与することを可能にし、ある有害副作用を軽減することが示された。
【0019】
本発明の第2の態様は、増殖性障害を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画に従って対象に投与することを含む方法に関し、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む。
【0020】
本発明の第3の態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL、cutaneous T-cell lymphoma)を治療する医薬の調製における、サパシタビン又はその代謝産物の使用に関する。
【0021】
本発明の第4の態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に罹患している対象を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法に関する。
【0022】
本発明の第5の態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に用いる医薬組成物であって、サパシタビン又はその代謝産物、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0023】
本発明の第6の態様は、高齢対象者のAMLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与すること、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間を含む。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記のように、本発明は、様々な増殖性障害を治療するための医薬の調製における、サパシタビン、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容される塩の使用に、特に、改善された投薬計画に関する。
【0025】
本発明の一態様は、増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む。
【0026】
有利には、現在請求される投薬計画は、治療に付随する有害副作用、例えば免疫抑制を最小にしつつ、薬剤効率を最大にする。詳細には、本研究は、比較的短い期間患者にサパシタビンを投与し、続いて休止期間を設けることが、有害副作用の軽減を助け、より高い投与量のサパシタビンの投与を可能にすることを示唆する。
【0027】
好ましい一実施形態では、治療周期は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与すること、その後
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない1週間の休止期間を含む。
【0028】
好ましい一実施形態では、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき2〜6日間ずつ連続して投与することを含む。
【0029】
好ましい一実施形態では、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき2〜5日間ずつ連続して投与することを含む。
【0030】
非常に好ましい一実施形態では、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき5日間ずつ連続して投与することを含む。
【0031】
別の非常に好ましい実施形態では、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき4日間ずつ連続して投与することを含む。
【0032】
さらに別の非常に好ましい実施形態では、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与することを含む。
【0033】
有利には、3日のような短い投薬期間を用いることは、治療に付随する有害副作用を同時に軽減しつつ、より高い投与量のサパシタビンを患者に投与することを可能にする。
【0034】
好ましい一実施形態では、サパシタビン又はその代謝産物は、1日2回投与される。
【0035】
より好ましい実施形態では、サパシタビン又はその代謝産物は、約12時間ごとに1日2回投与される。
【0036】
さらにより好ましい実施形態では、サパシタビン又はその代謝産物は、ほぼ同等の投与量で1日2回投与される。
【0037】
好ましい一実施形態では、投薬計画は、少なくとも2つの治療周期を含む。
【0038】
好ましい一実施形態では、周期は、周期間に時間のずれなしに連続して次々に繰り返され、即ち、次の周期の1日目は前の周期の21日目の直後に開始される。
【0039】
別の好ましい実施形態では、周期は、逐次周期の間に時間のずれが設けられて逐次的に繰り返され、即ち、前の周期の21日目と次の周期の1日目との間に遅延時間がある。好ましくは、遅延時間は、治療関連のいかなる毒性も解消するために十分である。好ましい一実施形態では、周期は、1〜21日、より好ましくは1〜14日、さらにより好ましくは1〜7日の期間によって分断される。
【0040】
好ましくは、投薬計画は、治療に対する患者の耐容性及び応答によって決定される2つから無数の治療周期を含む。
【0041】
より好ましくは、投薬計画は、少なくとも3つの治療周期を含む。
【0042】
好ましい一実施形態では、投薬計画は2〜50個の治療周期、より好ましくは2〜30個、さらにより好ましくは2〜20周期、さらにより好ましくは2〜15周期を含む。
【0043】
非常に好ましい一実施形態では、投薬計画は2〜10個の治療周期を含む。
【0044】
さらにより好ましくは、投薬計画は2〜6個の治療周期を含む。
【0045】
好ましい一実施形態では、1日当たりの総投与量は、約25〜約600mgのサパシタビン、より好ましくは約25〜約225mg、さらにより好ましくは約50〜約125mgのサパシタビンである。
【0046】
好ましい一実施形態では、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は約25〜約600mgのサパシタビンを含む。
【0047】
より好ましい実施形態では、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は約25〜約225mgのサパシタビンを含む。
【0048】
より好ましくは、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は約50〜約125mgのサパシタビンを含む。
【0049】
特に好ましい一実施形態では、医薬は、約20、25、60、75、100、150、150、200、300、400又は450mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で、1日2回投与される。
【0050】
好ましい一実施形態では、1日当たりの総投与量は、もう1つの単位投与量で構成される。複数の単位投与量が投与される場合、単位投与量は同じであっても異なってもよい。
【0051】
別の特に好ましい実施形態では、医薬は、約200mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で、1日2回投与される。
【0052】
別の特に好ましい実施形態では、医薬は、約100mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で、1日2回投与される。
【0053】
別の特に好ましい実施形態では、医薬は、約50mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で、1日2回投与される。
【0054】
本発明の好ましい一実施形態では、治療周期は、
(i)第1週の1〜n日目にサパシタビンの治療有効量を投与し、nは2〜6の整数であり;
(7−n)日間前記投与を中止し;
第2週の1〜n日目にサパシタビンの治療有効量を投与し、nは2〜6の整数であり;
(7−n)日間前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない1週間の休止期間とを含む。
【0055】
サパシタビン及び関係のある抗癌剤のための先行技術の従来の投薬計画に反して、現在請求されている投薬計画は、短い投薬期間(例えば2〜6日)にサパシタビンを投与し、それぞれに続いてサパシタビンのない期間(例えば、1〜5日)を設けることを含む。これらの投薬期間/サパシタビンのない期間に続いて、次に、より長い休止期間(例えば1週間)を設けた後、好ましくは周期を2回以上反復する。
【0056】
有利には、各治療周期の中で短い休止期間でサパシタビンの投薬期間を分断すること(即ち、短い休止期間によって分断される2〜6日の2つの期間)は、薬剤を最大強度で、及び可能な限り少ない毒性で、短い期間枠内に投与することを可能にする。
【0057】
非常に好ましい一実施形態では、サパシタビンは、少なくとも1つの21日の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む。
【0058】
別の特に好ましい実施形態では、サパシタビンは、少なくとも1つの21日の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)治療周期の1〜5日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の6〜7日目に前記投与を中止し;
治療周期の8〜12日目にサパシタビンの治療有効量を投し;
治療周期の13〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む。
【0059】
本発明の別の実施形態は、CTCLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビンは少なくとも1つの21日の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む。
【0060】
好ましい一実施形態では、サパシタビンは50〜300mgの単位投与剤形で1日2回、より好ましくは100〜300mgの単位投与剤形で1日2回、さらにより好ましくは250〜300mgの単位投与剤形で1日2回投与される。
【0061】
非常に好ましい一実施形態では、サパシタビンは100mg又は200mgの単位投与剤形で1日2回、より好ましくは200mgで投与される。或いは、サパシタビンは50mgの単位投与剤形で1日2回投与される。
【0062】
本発明の別の実施形態は、CTCLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビンは少なくとも1つの21日の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)治療周期の1〜5日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の6〜7日目に前記投与を中止し;
治療周期の8〜12日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の13〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む。
【0063】
好ましくは、この実施形態のために、サパシタビンは50〜200mgの単位投与剤形で1日2回、又は50〜125mgの単位投与剤形で1日2回投与される。より好ましくは、サパシタビンは50mg又は100mgの単位投与剤形で1日2回、さらにより好ましくは100mgの単位投与剤形で1日2回投与される。
【0064】
本発明の別の実施形態は、白血病を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビンは少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む。
【0065】
好ましくは、この実施形態のために、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は約375〜約475mgのサパシタビンを含む。
【0066】
特に好ましい一実施形態では、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は各治療周期に伴い徐々に増加する。
【0067】
より好ましくは、医薬は単位投与剤形で投与され、単位投与量は約375mgを含み、各治療周期に伴い50mgの増加量で最大1200mgまで増加する。
【0068】
有利には、上記の投薬計画は、治療に付随する有害副作用、例えば免疫抑制を最小にしつつ、薬剤効率を最大にする。ほとんどの患者は基礎疾患の結果として免疫障害を有するので、免疫抑制は多くのCTCL患者に起こる重大な副作用である。さらに、これらの患者の既存の免疫不全状態、薬剤治療の結果生じ得るさらなる免疫抑制及び皮膚病変の存在のため、患者は重度の日和見感染のリスクが増加する。本研究は、サパシタビンを患者に短期間投与することが、そのような有害免疫抑制副作用の軽減を助けることを示唆する。
【0069】
本発明のさらに別の実施形態は、増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間に約2〜約6日間投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間、又は治療関連の毒性が解消されるまでの休止期間のいずれか長い方を含む。
【0070】
好ましくは、この実施形態のために、休止期間は約7〜約14日間、より好ましくは約7日間である。
【0071】
本発明のさらなる態様は、増殖性障害を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画に従って対象に投与することを含む方法に関し、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む。
【0072】
本発明のさらに別の態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に罹患している対象を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法に関する。
【0073】
本発明のさらなる態様は、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に用いる医薬組成物であって、サパシタビン又はその代謝産物、及び薬学的に許容される担体を含む組成物に関する。
【0074】
好ましくは、前記医薬組成物は、希釈剤及び/又は賦形剤をさらに含む。適する薬学的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤は、下記において見出し「医薬組成物」の下で記載される。
【0075】
部品キット
本発明の別の態様は、以下を含む部品キットに関する。
(i)サパシタビン又はその代謝産物を、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体と混合して含む医薬;
(ii)前記医薬を少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画に従って投与するための説明書を含むキットであって、前記治療周期は、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含むキット。
【0076】
上で示した投薬計画の好ましい態様は、本発明のこの実施形態に同様に適用される。
【0077】
製剤
好ましくは、本発明の投薬計画で用いられる医薬は、経口投与のためのものである。
【0078】
好ましい一実施形態では、医薬は、粒状粉末充填カプセルの形態である。好ましくは、医薬は、(i)カプセル、並びに(ii)サパシタビン、及び固体賦形剤、希釈剤及び/又は担体を含むコアを含む。適する薬学的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤は、下記において見出し「医薬組成物」の下で記載される。
【0079】
好ましくは、この実施形態のために、サパシタビンは非晶質の形態である。
【0080】
好ましくは、カプセルはゼラチンカプセルである。
【0081】
より好ましくは、この実施形態のために、コアはサパシタビン、乳糖、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸カルシウムの粒状混合物を含む。
【0082】
代わりの好ましい実施形態では、医薬は、液体充填製剤形態である。
【0083】
好ましくは、医薬は、(i)カプセル、並びに(ii)サパシタビン及び液体担体を含むコアを含む。サパシタビンの液体充填製剤は、国際出願PCT/GB2006/004927(国際公開第2007/072061号パンフレット;Cyclacel Limited社)でさらに詳細に記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0084】
有利には、液体充填製剤は改善された安定性を示し、粉末充填製剤の4℃と比較して室温で保存することができる。さらに、予備調査では、液体充填製剤が血流への活性剤の同等の吸収を可能にし、ヒトへの投薬の場合には、類似した薬力学的効果を示すことが示されている。最後に、液体充填製剤を調製する方法は、混合が起こるとすべての充填工程が液体の取扱いを含み、広範な封じ込めの必要がないので、粉末形態の細胞傷害活性剤の取扱いをそれが最小にするという点で、製造上の利点を有する。
【0085】
好ましくは、液体充填製剤のために、サパシタビンは結晶性である。より好ましくは、サパシタビンはB型結晶のサパシタビンである。
【0086】
適するカプセル物質は当分野の技術者には知られ、例えば、経口投与による活性剤の送達を可能にする所望の物理的特性を有する任意の重合物質(天然又は合成の重合体又は共重合体)が含まれる。
【0087】
例として、適するカプセルには、水溶性セルロース誘導体、ゲル化剤及び共ゲル化剤から調製されるものが含まれる(例えば、米国特許第5,431,917号明細書を参照)。他の例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び酢酸フタル酸セルロース重合体のアンモニウム塩から調製されるカプセル、又は、ゼラチン並びにメタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルの共重合体のアンモニウム塩から調製されるカプセルが含まれる。
【0088】
さらなる例には、1又は複数のポリエーテル含有化合物、及び、必要に応じて、1又は複数の他の共重合性単量体の存在下での少なくとも1つのビニルエステルの重合によって得られる重合体が含まれる(例えば、米国特許第6,783,770号明細書を参照)。
【0089】
他の適するカプセル物質には、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で少なくとも1つの重合可能なビニル単量体を重合又は共重合することによって得られる、重合体又は共重合体が含まれる(例えば、米国特許第20050186268号明細書を参照)。従来のカプセルと異なり、この型の硬質カプセルは液体又は半液体のコアに適合する。
【0090】
好ましくは、カプセルは硬質カプセルであるが、軟質カプセルを用いることもできる。
【0091】
好ましくは、この実施形態のために、カプセルはゼラチンカプセルである。ゼラチンカプセルは、従来の技術を用いて調製することができる(例えば、The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, Ed. Lachman L. et al, Third Edition, Lea & Febiger, 1986, Philadelphia, pp. 398-412を参照)。
【0092】
好ましくは、カプセルはゼラチンバンドによって密封される。
【0093】
好ましい一実施形態では、カプセルは、1若しくは複数の乳白剤及び/又は1若しくは複数の色素を含む。
【0094】
好ましくは、色素及び/又は乳白剤は、それぞれ約0.1〜約10重量%の量で存在する。
【0095】
適する色素には、例えば、二酸化チタン、レーキ色素(例えばFS&Cアルミニウムレーキ又はD&Cレーキ)、酸化鉄顔料、天然の着色剤、合成オキシドなど、又は藍色、カルミン、キノリンイエロー、オレンジイエローS、クルクルミン(curcurmin)、リボフラビン及びコチニールから選択される染料が含まれる。
【0096】
特に好ましい乳白剤は、二酸化チタンである。より好ましくは、二酸化チタンは約2%の量で存在する。
【0097】
さらに、カプセル物質は、他の添加剤を含むこともできる。これらには、吸収材、酸、アジュバント、固結防止剤、滑走剤、タッキング防止剤、消泡剤、抗凝固物質、抗菌物質、抗酸化剤、消炎剤、アストリンゼン、殺菌剤、塩基、結合剤、キレート化剤、隔離剤、凝固剤、コーティング剤、着色剤、染料、顔料、適合剤、錯化剤、軟化剤、結晶成長調節剤、変性剤、デシカント、乾燥剤、脱水剤、希釈剤、分散剤、緩和剤、乳化剤、封入剤、酵素、充填剤、増量剤、香りマスキング剤、フレーバー剤、芳香剤、ゲル化剤、硬化剤、補強剤、湿潤剤、滑沢剤、モイスチャライザー、緩衝剤、pH調整剤、可塑剤、無痛化薬、緩和剤、緩染剤、展着剤、安定剤、懸濁剤、甘味料、崩壊剤、増粘剤、粘稠度調節剤、界面活性剤、乳白剤、重合体、防腐剤、抗ゲル化剤、流動調整剤、UV吸収剤、強張剤及び粘度調整剤が含まれるが、それらに限定されるものではない。任意の特定の群並びに1又は複数の異なる添加剤の群からの1又は複数の添加剤が、組成物中に存在することができる。具体的な添加剤の例は、当技術分野においては公知である。好ましい添加剤には、界面活性剤及び重合体が含まれる。
【0098】
好ましくは、実質的にすべての活性剤は、液体担体に懸濁される。しかし、場合によっては、活性剤は、液体担体中に部分的に可溶化されてもよいし、部分的に懸濁されてもよい。
【0099】
特に好ましい一実施形態では、活性剤は、液体担体に懸濁される。
【0100】
別の実施形態では、活性剤は、液体担体に部分的に又は完全に溶解される。
【0101】
特に好ましい一実施形態では、液体担体は、中鎖トリグリセリド油である。
【0102】
非常に好ましい一実施形態では、中鎖トリグリセリドは、分画ヤシ油又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである。市販のMyglyol 812Nが、特に好ましい。
【0103】
室温では、Myglyol 812N(別名MCT、DAC、中性オレウム、CTFA、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(カプリル酸:C、カプリン酸:C10))は、低粘度の液体脂質油である。通常、MCTの脂肪酸組成はC8脂肪酸(50〜65%)が支配的であり、C10(30〜45%)、C12(最大5%)及びC(最大3%)が続く。この油は、より長い脂肪酸鎖を有する脂質よりも生物分解性であることが知られている。皮膚及び粘膜への毒性が存在しないために、MCTは、それが浸透及び延展を高める皮膚製品に適用される。MCTは、経口製剤で滑沢剤及び薬剤溶媒としても、また、非経口製剤で溶液強化剤としても広く使われている。
【0104】
代わりの実施形態では、液体担体は、ポリグリコール化されたグリセリド、例えば、Gelucire(登録商標)を含む。
【0105】
Gelucire組成物は、性質が両親媒性であり、様々な物理的特性のものが利用可能である、不活性、半固体のワックス状の物質である。それらは性質が界面活性であり、水性媒体に分散又は溶解してミセル、顕微鏡的小球又は小胞を形成する。それらは、それらの融点/HLB値によって同定される。融点は摂氏温度で表され、HLB(親水性親油性バランス、Hydrophile-Lipophile Balance)は0から約20まで広がる数的尺度である。より低いHLB値はより親油性で疎水性の物質を表し、より高い値はより親水性で疎油性の物質を表す。水又は油性物質に対する化合物の親和性を判定し、そのHLB値を実験的に割り当てる。融点及び/又はHLB値の所望の特性を達成するために、Gelucire賦形剤の1つ又は異なる等級の混合物を選択することができる。
【0106】
本発明に用いられる好ましいGelucireには、Gaftefosse社製のGelucire(登録商標)44/14、53/10、50/13、42/12及び35/10が含まれる。
【0107】
Gelucire 50/13組成物は、天然油とポリエチレングリコール(PEG、polyethylene glycol)とのアルコーリシス反応によって調製される、ポリグリコール化グリセリドである。それらは長鎖(C12−C18)脂肪酸のグリセリドのモノエステル、ジエステル及び/又はトリエステル、並びに長鎖(C12−C18)脂肪酸のPEG(モノ−及び/又はジ−)エステルの混合物であり、遊離のPEGを含むことができる。Gelucire組成物は、本明細書で一般に、グリセロールの脂肪酸エステル及びPEGエステル、又はポリグリコール化グリセリドとして記載される。
【0108】
Gelucire組成物の大きなファミリーは、約33℃〜約64℃、最も一般には約35℃〜約55℃の広範囲の融点、並びに約1〜約14、最も一般には約7〜約14の様々なHLB値によって特徴づけられる。例えば、Gelucire 50/13は、約50℃の融点及び約13のHLB値をGelucireのこの等級に指定する。Gelucire又はGelucire組成物の混合物の融点/HLB値の適当な選択は、特定の機能、例えば即時放出、持続的放出などのために必要とされる送達特性を提供する。固体Gelucire組成物の多くの低い融点は、それらのそれぞれの融点より上の約0℃〜約50℃の温度でそれらに薬剤活性成分を組み込み、その後溶解物(溶液及び/又は分散液)を硬質のゼラチンカプセルに充填する手段を提供する。溶解物は、室温に冷却するとカプセル内で固化する。
【0109】
本発明の非常に好ましい一実施形態では、液体担体はGelucire 44/14を含む。この担体は、グリセロールと長鎖脂肪酸のPEG1500エステルとの混合物である、半固体の賦形剤である。接尾辞44及び14は、それぞれその融点及び親水性/親油性バランス(HLB)を指す。Gelucire 44/14は市販され(CAS 121548-04-7)、PEG32ラウリン酸グリセロールとしても知られる。
【0110】
Gelucire 44/14及びMiglyol 812Nは、単独で、或いは1又は複数の他の共担体又は添加剤と組み合わせて用いることもできる。好ましい一実施形態では、Miglyol 812Nは、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil 200)と併用される。好ましくは、Miglyol 812Nはコロイド状二酸化ケイ素と最高2%の組合せで用いられる。
【0111】
有利には、Myglyol 812N及びGelucire 44/14を含む両製剤は、他の製剤より優れた安定性を示す。Myglyol 812Nは、そのより好ましい粘性から、液体担体として特に好ましい。
【0112】
本発明の一実施形態では、コアは、追加の成分、例えば、1又は複数の植物油、特に落花生油若しくはゴマ油、或いは他の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤若しくは担体をさらに含むことができる。コアは、1又は複数の可溶化剤、1又は複数の界面活性剤及び/或いは1又は複数の共界面活性剤を含むこともできる。好ましい可溶化剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルである。好ましい界面活性剤には、カプリロカプロイルマクロゴルグリセリド又はポリオキシエチレンヒマシ油誘導体が含まれる。特に好ましいポリオキシエチレンヒマシ油誘導体は、ポリオキシル(40)硬化ヒマシ油又はポリオキシル(35)硬化ヒマシ油である。好ましい共界面活性剤は、ポリエチレングリコール400である。好ましい粘度付与剤は、ポリビニルピロリドンである。特に好ましい粘度付与剤は、ポビドン(PVP K−30)である。
【0113】
追加成分の他の例には、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、Aerosil 200)、Gelucire 44/11、PEG4005、Polyoxamers 188及び124、Lipoid PPL、Captex 200並びにLabrafilが含まれる。
【0114】
好ましくは、液体担体の量は、1重量部のサパシタビンと比較して2〜50重量部である。
【0115】
より好ましくは、液体担体の量は、1重量部のサパシタビンと比較して2〜10重量部である。
【0116】
さらにより好ましくは、液体担体の量は、1重量部のサパシタビンと比較して2〜5重量部である。
【0117】
さらにより好ましくは、液体担体の量は、約1重量部のサパシタビンと比較して約3重量部である。
【0118】
非常に好ましい一実施形態では、コアは25w/w%の活性剤及び75w/wの液体担体を含む。
【0119】
非常に好ましい一実施形態では、コアは、結晶性サパシタビン及び液体担体から本質的になる。
【0120】
より好ましい実施形態では、コアは、サパシタビン及び液体担体だけからなり、即ち、他の成分は存在しない。
【0121】
活性剤
サパシタビンは欧州特許第536936号明細書(Sankyo社、日本特許第2569251号明細書と同等)で最初に開示され、優れた抗腫瘍活性を有することが証明された。
【0122】
その後、様々な結晶形態のサパシタビンが開示されている(例えば、欧州特許第1364959号明細書;Sankyo社名義の国際公開第02/64609号パンフレットに由来するヨーロッパ出願を参照)。これらの結晶形態は、望ましい薬物動態プロフィールを保持しつつ、改善された保存安定性及び取扱い易さを示す。
【0123】
本発明の特に好ましい一実施形態では、活性剤は結晶性で、B型のサパシタビンを含む。
【0124】
特に好ましい一実施形態では、活性剤は、B型のサパシタビンから本質的になる。
【0125】
特に好ましい一実施形態では、活性剤はB型のサパシタビンからなる。B型のサパシタビンは、欧州特許第1364959号明細書の教示に従って調製することができる。サパシタビン自体は、欧州特許第536936号明細書の教示に従って調製される。
【0126】
要約すると、2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンモノヒドロクロリドを、イオン交換樹脂(CHCOO型)に通して、2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンを形成する。この化合物をその後1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサンと反応させて、2’−シアノ−2’−デオキシ−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンを形成し、それを次にパルミチン酸と反応させて、2’−シアノ−2’−デオキシ−N−パルミトイル−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンを形成する。最終段階は、所望の生成物、2’−シアノ−2’−デオキシ−N−パルミトイル−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(サパシタビン)を形成するために、フッ化テトラブチルアンモニウムを用いる脱保護を含む。
【0127】
或いは、サパシタビンは、2’−シアン−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンを、無水パルミチン酸と反応させることによって調製することができる。
【0128】
B型サパシタビンは、約2.5容量%の水を含むメチルアセテートをサパシタビンに加え、約55℃に加熱して透明な溶液を調製することによって調製される。その後、溶液を特定の条件下で冷却し、板状結晶を溶液から析出させる。さらに攪拌した後に、分離した結晶をろ過によって収集し、2.5容量%の水を含むメチルアセテートで洗浄して所望の結晶Bを提供する。
【0129】
増殖性障害
本発明の投薬計画は、様々な異なる増殖性障害の治療に適する。好ましくは、治療が必要な対象は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。
【0130】
好ましい一実施形態では、増殖性障害は癌又は白血病である。
【0131】
好ましくは、癌は固形腫瘍又はリンパ腫である。
【0132】
好ましい一実施形態では、癌は肺癌である。
【0133】
肺癌(気管支癌)は、2つの広いカテゴリー、即ち、小細胞肺癌(SCLC、small cell lung cancer)及び非小細胞肺癌(NSCLC、non-small cell lung cancer)に分割することができる。これらの2つの型の癌の相違は、顕微鏡で観察したときの腫瘍細胞の外観に基づく。
【0134】
SCLCは、診断された肺癌の20%を占め、大部分は核で満たされた小細胞を特徴とする(そこから名前が由来する)。それは、「燕麦細胞」癌と呼ばれることもある。SCLCは癌の最も攻撃的な型であり、体の他の部分に速やかに転移する。しばしば、癌が体全体に広がった後にだけ、SCLCと診断される。一般に、SCLCは、ほとんどの場合喫煙に起因する。
【0135】
NSCLCは、類表皮若しくは扁平上皮癌、腺癌及び大細胞癌を含む、関係ある肺癌の群に細分化することができる。扁平上皮肺癌はすべての肺癌症例の約30%を占め、肺及び気管支の内層中の貯蔵細胞(それは、損傷を受けた上皮細胞を置換する役割を担う)から発達する。その結果、この癌はしばしば胸部の中央から最初に発生する。扁平上皮肺癌はしばしば成長が遅く、封じ込められた腫瘍から侵襲性の癌に進行するのに数年を要することがある。10〜20%の症例では、癌は肺の中で空洞化する。転移すると、それはしばしば骨、肝臓、副腎、小腸及び脳に広がる。
【0136】
腺癌は肺癌の最も一般的な形態であり、すべての肺癌症例の30〜40%を占める。腺癌は肺の外側の部分に生じ、粘液産生細胞から発達する。この癌の過程は大きく異なるが、しばしば徐々に進行し、患者はほとんど又はまったく症状を呈しない。しかし場合によっては、それは極めて攻撃的になり、急速に致死的になることがある。それが転移する症例の50%では、それは脳だけに広がる。副腎癌腫が広がる他の場所には、肝臓、副腎及び骨が含まれる。
【0137】
大細胞癌の発生は、腺癌又は扁平上皮癌のそれよりも頻度が低く、肺癌症例の10〜20%を占める。この癌は、性質が退生である大きな細胞で構成され、気管支にしばしば生じる。大細胞癌は肺の周辺部で発達し、胸膜(plura)まで広がることができる。
【0138】
現在では、肺癌は、手術、放射線療法又は化学療法によって治療することができる。化学療法は、単独で、又は他の治療選択肢と組み合わせて投与することができる。一般的なNSCLC薬剤及び処方計画には、Camptosar(登録商標)(イリノテカン;CPT−11)、カンプトセシン、Paraplatin(登録商標)(カルボプラチン)、Platinol(登録商標)(シスプラチン)、エピルビシン、Gemzar(登録商標)(ゲムシタビン)、Navelbine(登録商標)(ビノレルビン)、オキサリプラチン、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)及びTaxotere(登録商標)(ドセタキソール)(NSCLC治療−化学療法、肺癌オンライン)が含まれる。しかし、化学療法は治癒的でない。この治療の他の欠点には、毒性、正常な組織への第三者損傷、及び薬剤耐性が含まれる(W. Wang et al, Cancer Sci., 2005, 96(10), 706)。さらに、ビノレルビンなどの既知の治療の一部では、生存期間への恩恵がほとんどないことが研究からわかっている(M. A. Socinski et al, Clin. Adv. Hematol. Oncol., 2003, 1(1), 33)。トロキサシタビンのような新規活性剤でさえも、3週間ごとに30分間静脈内投与された10mg/mの用量では、NSCLCにほとんど活性がないことが示されている(S. F. Dent et al, Lung, 2005, 183(4), 265)。
【0139】
本発明の特に好ましい一実施形態では、癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0140】
別の好ましい実施形態では、増殖性障害は血液の悪性腫瘍、例えば、進行した白血病又は骨髄異形成症候群(MDS、myelodysplastic syndromes)である。他の例には、急性骨髄性白血病(AML、acute myelogenous leukemia)、急性リンパ球性白血病(ALL、acute lymphocytic leukemia)又は慢性リンパ球性白血病(CLL、chronic lymphocytic leukemia)が含まれる。
【0141】
皮膚白血病を有するAML患者については、有利には、現在請求されている投薬計画は、皮膚で白血病浸潤のかなりの縮小をもたらす。
【0142】
非常に好ましい一実施形態では、増殖性障害はAMLである。好ましくは、AMLはそれ以前に未処置であるか、最初の再発性急性骨髄性白血病である。
【0143】
さらに好ましくは、医薬は、60才以上の対象のAMLを治療するためのものである。
【0144】
さらにより好ましくは、医薬は、65才以上の対象のAMLを治療するためのものである。
【0145】
さらにより好ましくは、医薬は、70才以上の対象のAMLを治療するためのものである。
【0146】
好ましくは、AMLを治療するために、サパシタビンは1日当たりの総投与量で、375mg〜475mg、より好ましくは400mg〜450mg、さらにより好ましくは410〜440mg、さらにより好ましくは420〜430mg、さらにより好ましくは425mg投与される。好ましくは、サパシタビンは1日2回投与される。
【0147】
好ましくは、AMLの治療のために、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間に3日間連続して投与し、その後7日間の休止期間を設けることを含む。
【0148】
本発明の別の態様は、高齢対象者のAMLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用に関し、サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間とを含む。
【0149】
本明細書で用いるように、用語「高齢対象者」は、60才以上の患者を指す。より好ましくは、対象は65才以上、より好ましくは70才以上である。
【0150】
好ましくは、治療周期はサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与し、その後7日間の休止期間を設けることを含む。
【0151】
さらに好ましくは、サパシタビンは、21日間ごとに、2週間の間、1週間につき3日間ずつ連続して約400mg〜約425mgの投与量で1日2回投与される。より好ましくは、サパシタビンは、21日間ごとに、2週間の間、1週間につき3日間ずつ連続して約425mgの投与量で1日2回投与される。
【0152】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)
本発明の非常に好ましい一実施形態では、増殖性障害は皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である。
【0153】
有利には、サパシタビンによるCTCLの治療は、免疫抑制などの有害副作用を最小にしつつ、薬剤効率を最大にする。ほとんどの患者は基礎疾患の結果として免疫障害を有するので、免疫抑制は多くのCTCL患者に起こる重大な副作用である。さらに、これらの患者の既存の免疫不全状態、薬剤治療の結果生じ得るさらなる免疫抑制及び皮膚病変の存在のため、患者は重度の日和見感染のリスクが増加する。本研究は、サパシタビンを患者に投与することが、そのような有害免疫抑制副作用の軽減を助けることを示唆する。
【0154】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、発症時の皮膚への腫瘍T細胞リンパ球の局在化を特徴とする、リンパ球増殖性障害の群である。菌状息肉腫(MF、mycosis fungoides)及びセザリー症候群(SS、Sezary syndrome)が、これらの疾患の大部分を占める(Siegel RS et al, Primary cutaneous T-cell lymphoma: review and current concept. Clin Oncol 18: 2908-2925, 2000)。
【0155】
MF及びSSは、初期段階での鱗状のパッチ又はプラークから進行段階での全身性紅皮症及び腫瘍に至る皮膚徴候を有する、低レベルのリンパ腫である。外観を損なうことに加えて、腫瘍は潰瘍化して、再発性の感染及び慢性の痛みを引き起こすことがある。一部の患者は、絶え間ないそう痒、発熱及び悪寒も併発する(Duvic M et al, Quality-of-life improvements in cutaneous T-cell lymphoma patients treated with denileukin diftitox (ONTAK), Clin Lymphoma 2(4): 222-228, 2002)。治癒は一般に達成できず、治療の目標は皮膚病状の症状軽減及び改善である(Siegel RS et al, Primary cutaneous T-cell lymphoma: review and current concept, Clin Oncol 18: 2908-2925, 2000)。
【0156】
MF及びSSのために複数の治療選択肢がある。FDA承認の全身療法には、Targretin(登録商標)(ベキサロテン)、Zolinza(登録商標)(ボリノスタット)、Ontak(登録商標)(デニロイキンジフチトックス)及び光泳動が含まれる。これらの治療の有効性にもかかわらず、応答は通常忍容されず、かなりの治療関連の毒性がある。これらの疾患の治療を改善するために、新しい有効な薬剤及び投薬計画が必要である。
【0157】
ヌクレオシド類似体は、CTCLに活性を有するとみられる、抗腫瘍細胞傷害剤の主要な群である。デオキシシチジンの類似体であるゲムシタビンは、CTCLで60〜70%の奏効率を有すると報告された(Zinzani PL et al, Gemcitabine treatment in pretreated CTCL lymphoma: Experience in 44 patients; J of Clin Oncol 18: 2603-2606, 2000;Sallah S et al, Treatment of relapsing T-cell malignancies using gemcitabine; British J of Hematology 118: 185-187, 2001;Duvic M et al, Phase II evaluation of gemcitabine monotherapy for cutaneous T-cell lymphoma; Clin Lymphoma Myeloma 7 (1): 5 1-58, 2006)。サパシタビンは、特異な作用機構及び良好な経口的生物学的利用率を有する、デオキシシチジンの合理的に設計された類似体である。前臨床研究では、それは、広範囲の悪性腫瘍に対してかなりの活性を実証した。サパシタビンの主要な毒性は、1日当たりの総投与量及び投薬の連続日数長によって決定されるようである骨髄抑制であり、そのことは、MTDが注入の用量及び頻度に依存することが見出されたゲムシタビンに類似している(Duvic M et al, Phase II evaluation of gemcitabine monotherapy for cutaneous T-cell lymphoma. Clin Lymphoma Myeloma 7 (1): 51-58, 2006;Kaye SB, Current status of phase I and II trials. J of Clin Oncol 12: 1527-1531, 1994)。
【0158】
好ましい一実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫は進行した未処置の皮膚T細胞リンパ腫である。
【0159】
好ましい一実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫は前処置された皮膚T細胞リンパ腫である。
【0160】
非常に好ましい一実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫は菌状息肉腫(MF)である。
【0161】
非常に好ましい一実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫はセザリー症候群(SS)である。
【0162】
本発明の別の態様は、皮膚T細胞リンパ腫を治療するための医薬の調製における、サパシタビン、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0163】
好ましくは、サパシタビン又はその代謝産物は、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と併用投与される。適する担体、希釈剤及び賦形剤は、下記において見出し「医薬組成物」の下で詳述される。
【0164】
好ましくは、サパシタビン又はその代謝産物は、本発明の第1の態様の投薬計画に従って投与される。
【0165】
医薬組成物
ヒトの療法のためにサパシタビンを単独で投与することができるが、それは一般に、医薬用の担体、賦形剤又は希釈剤と混合されて投与される。
【0166】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、サパシタビン又はその代謝産物の、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体との併用投与に関する。
【0167】
本明細書で記載される医薬組成物の様々な異なる形態のためのそのような適する賦形剤の例は、"Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd Edition, (1994), Edited by A Wade and PJ Wellerで見ることができる。
【0168】
治療的使用のための許容される担体又は希釈剤は医薬分野で公知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。適する担体の例には、乳糖、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが含まれる。適する希釈剤の例には、エタノール、グリセロール及び水が含まれる。
【0169】
医薬用の担体、賦形剤又は希釈剤の選択は、目的の投与経路及び標準の製薬慣行に関して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤又は希釈剤として、又はそれに加えて、任意の適する結合剤、滑沢剤、懸濁剤、コーティング剤、可溶化剤を含むことができる。
【0170】
適する結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、天然の糖、例えばグルコース、無水乳糖、自由流動乳糖、β乳糖、トウモロコシ甘味料、天然及び合成ゴム、例えばアラビアゴム、トラガカントゴム又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース並びにポリエチレングリコールが含まれる。
【0171】
適する滑沢剤の例には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。医薬組成物では、防腐剤、安定剤、色素及び着香料でさえも提供することができる。防腐剤の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが含まれる。抗酸化剤及び懸濁剤を用いることもできる。
【0172】
塩/エステル
本発明の活性剤は、塩又はエステル、特に薬学的に許容される塩又はエステルの形態で存在することができる。
【0173】
本発明の活性剤の薬学的に許容される塩には、適するその酸付加又は塩基塩が含まれる。適する医薬用の塩のレビューは、Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19 (1977)で見ることができる。塩は、例えば、鉱酸などの強い無機の酸、例えば硫酸、リン酸若しくはハロゲン化水素酸;強い有機カルボン酸、例えば、非置換の又は置換された(例えば、ハロゲンで)酢酸などの1〜4個の炭素原子のアルカンカルボン酸;飽和又は不飽和のジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸若しくはテトラフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸若しくはクエン酸;アミノ酸、例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸;安息香酸;又は有機スルホン酸、例えばメタン−若しくはp−トルエンスルホン酸などの、非置換の又は置換された(例えば、ハロゲンで)(C−C)−アルキル−若しくはアリール−スルホン酸によって形成される。
【0174】
エステルは、エステル化される官能基によって、有機酸又はアルコール/水酸化物を用いて形成される。有機酸には、カルボン酸、例えば、非置換の又は置換された(例えば、ハロゲンで)酢酸などの1〜12個の炭素原子のアルカンカルボン酸;飽和又は不飽和のジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸若しくはテトラフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸若しくはクエン酸;アミノ酸、例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸;安息香酸;又は有機スルホン酸、例えばメタン−若しくはp−トルエンスルホン酸などの、非置換の又は置換された(例えば、ハロゲンで)(C−C)−アルキル−若しくはアリール−スルホン酸が含まれる。適する水酸化物には、無機の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムが含まれる。アルコールには、非置換でも又は、例えばハロゲンによって置換されてもよい1〜12個の炭素原子のアルカンアルコールが含まれる。
【0175】
鏡像異性体/互変異性体
本発明は、適宜、活性剤のすべての鏡像異性体及び互変異性体も含む。当業者ならば、光学的性質(1又は複数のキラル炭素原子)又は互変異性を有する化合物を認識する。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当技術分野で公知である方法によって単離/調製することができる。
【0176】
立体異性体及び幾何異性体
本発明の活性剤は異なる立体異性体及び/又は幾何異性体の形で存在することができ、例えば、それは1又は複数の不斉中心及び/又は幾何中心を有することができるので、2つ以上の立体異性形態及び/又は幾何学的形態で存在することができる。本発明は、剤のすべての個々の立体異性体及び幾何異性体、並びにそれらの混合物の使用を企図する。請求項で用いられる用語はこれらの形態を包含するが、但し、前記形態は適当な機能的活性を保持するものとする(必ずしも同じ程度にというわけではない)。
【0177】
本発明は、活性剤又はその薬学的に許容される塩のすべての適する同位体変形形態も含む。本発明の剤又はその薬学的に許容される塩の同位体変形形態は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが通常自然で見出される原子質量と異なる原子質量を有する原子によって置換されるものと定義される。剤及びその薬学的に許容される塩に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F及び36Clが含まれる。剤及びその薬学的に許容される塩のある同位体変形形態、例えば、H又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬剤及び/又は基質の組織分布の研究で有用である。トリチウム化された、即ちH、及び炭素14、即ち14C同位体は、それらの調製の容易さ及び検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、即ちHなどの同位体による置換は、より大きな代謝安定性から生じるある治療上の利点、例えば、インビボ半減期の延長又は投薬必要量の低減を提供することができ、したがって一部の状況では好ましいことがある。本発明の剤及びその薬学的に許容される塩の同位体変形形態は、適する試薬の適当な同位体変形形態を用いて、従来の手順によって調製することが一般にできる。
【0178】
溶媒和物
本発明は、本発明の活性剤の溶媒和物の形態も含む。請求項で用いられる用語は、これらの形態を包含する。
【0179】
多形
本発明は、活性剤の様々な結晶形態、多形形態及び(無)含水形態にさらに関する。医薬品産業界では、そのような化合物の合成的調製で用いられる精製及び又は単離の方法をわずかに変更することによって、溶媒からそのような形態のいずれかで化合物を単離することができることは確立されている。
【0180】
プロドラッグ
本発明は、プロドラッグの形態の本発明の活性剤をさらに含む。一般に、そのようなプロドラッグは、その修飾がヒト又は哺乳動物の対象に投与された後に復帰されるように、1又は複数の適当な基が修飾されている化合物である。そのような復帰は、そのような対象に自然に存在する酵素によって通常遂行されるが、インビボで復帰を遂行するために第2の剤をそのようなプロドラッグと一緒に投与することが可能である。そのような修飾の例には、エステル(例えば、上記のいずれか)が含まれ、そこでは、復帰はエステラーゼなどによって遂行される。他のそのような系は、当分野の技術者に公知であろう。
【0181】
投与
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、膣、非経口、筋肉内、腹腔内、動脈内、髄腔内、気管支内、皮下、皮内、静脈内、鼻内、口内又は舌下の投与経路のために応用することができる。
【0182】
経口投与のために、圧縮錠剤、ピル、錠剤、gellule、ドロップ及びカプセルが特に利用される。好ましくは、これらの組成物は、用量につき1〜2000mg、より好ましくは50〜1000mgの有効成分を含有する。
【0183】
投与の他の形態は、静脈内、動脈内、髄膜下、皮下、皮内、腹腔内又は筋内に注入することができる溶液又は乳剤を含み、それらは、滅菌溶液又は滅菌可能な溶液から調製される。本発明の医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、懸濁液、乳剤、ローション、軟膏、クリーム、ゲル、噴霧剤、溶液又は粉剤の形態であってもよい。
【0184】
経皮投与の代わりの手段は、皮膚パッチの使用によるものである。例えば、有効成分を、ポリエチレングリコールの水性乳剤又は流動パラフィンからなるクリームに組み込むことができる。有効成分は、必要とされるような安定剤及び防腐剤と一緒の白色ワックス又は白色軟質パラフィン基材からなる軟膏に、1〜10重量%の濃度で組み込むこともできる。
【0185】
注射形態は、用量につき10〜1000mg、好ましくは10〜500mgの有効成分を含むことができる。
【0186】
組成物は単位投与剤形で、即ち、単位用量を含む別々の部分、又は単位用量の多重ユニット若しくはサブユニットの形で製剤化することができる。
【0187】
特に好ましい実施形態では、本発明の組合せ又は医薬組成物は、静脈内に投与される。
【0188】
投与量
当分野の技術者は、対象に投与するために、本組成物の1つの適当な用量を、不要な実験なしで容易に決定することができる。一般には、医師が個々の患者に最適な実際の投与量を決定し、それは、活性剤の活性、その剤の代謝安定性及び活性の長さ、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬剤組合せ、特定の状態の重症度、並びに個別に受けている治療を含む様々な因子によって決まる。一般的に、投与薬量及びその頻度は、患者の一般的健康状態、並びに引き起こされる有害効果、特に造血系、肝臓系及び腎臓系に加えられる効果の程度に適合させる。本明細書で開示される投与量は、平均事例を例示している。より高いかより低い投与量の範囲が有益である個々の事例が当然あり得、それらは本発明の範囲内である。
【0189】
上に述べたように、好ましくは、サパシタビンは治療有効量で、好ましくは薬学的に許容される量の形で投与される。この量は、当分野の技術者によく知られている。
【0190】
組合せ
本発明の好ましい一実施形態では、サパシタビン又はその代謝産物は、1又は複数の他の抗増殖剤と組み合わせて投与される。そのような場合、本発明の化合物は、1又は複数の他の抗増殖剤と、連続して、同時に、又は逐次的に投与することができる。
【0191】
多くの薬剤は併用されるときにより有効であることは、当技術分野で公知である。詳細には、併用療法は、主要な毒性、作用機構及び耐性機構の重複を回避するために望ましい。さらに、ほとんどの薬剤は、それらの最大耐量で、そのような用量の間に最小限の時間的間隔を設けて投与することも望ましい。薬剤を組み合わせることの主な利点は、生化学相互作用を通してそれが相加的又は可能な相乗的効果を促進することができ、また、さもなければ単一の剤による初期治療に応答したであろう薬剤耐性の出現を減少させることができるということである。
【0192】
有益な組合せは、特定の障害の治療で有益なことが公知であるか疑われる剤と組み合わせた試験化合物の活性を試験することによって提案することができる。この方法は、剤の投与の順序、即ち送達の前、同時又は後かを決定するために用いることもできる。本発明は、以下の非限定的実施例でさらに例示される。
[実施例]
【実施例1】
【0193】
Sankyo社名義の欧州特許第536936号明細書及び欧州特許第1364959号明細書に記載されている方法に従って、B型のサパシタビンを調製した。
【0194】
カプセル調製
PCT/GB2006/004927(国際公開第2007/072061号パンフレット;Cyclacel社)に記載されている方法に従って、液体充填カプセルを調製した。
【0195】
薬剤は、25mg及び75mgの乳白色のゼラチンカプセルとして供給される。この製剤は、miglyol 812N中のサパシタビンB結晶形の液体充填カプセルを含む。カプセルは、低密度ポリエチレンねじ口、幼児安全栓を有する、高密度ポリエチレンボトル(1ビンにつき50カプセル)に充填される。より高い力価はサイズ1のカプセルに入るように製剤化され、より低い力価は、適宜、サイズ3のカプセルに入るように製剤化された。すべての材料は、薬局方品質である。製剤成分の概要を、下の表に示す。
【0196】
【表1】

【0197】
調製:医薬品適正製造基準(GMP、Good Manufacturing Practice)条件の下で、ゼラチンカプセルに上記の成分を充填する。
【0198】
保存及び安定性:カプセルは、安全で、出入りの制限された保管区域内で、光から保護されている密閉容器内で、室温(15〜25℃)で保存するべきである。両カプセル力価(25及び75mg)は、少なくとも24カ月間安定である。
【0199】
コア製剤は、活性剤をMiglyol 812Nと混合することによって調製される、単純な懸濁液である。Myglyol 812Nは分画ヤシ油としても知られ、Ph.Eurに記載され、GRASとして掲載されている。これらは、カプセルシェル及びバンディング材は別として、製剤で唯一の成分である。
【0200】
二酸化チタンUSP/Ph.Eur.2%(重量換算)及びゼラチンUSP/Ph.Eurを100%まで含む、白色のカプセルシェルを用いた。カプセルは、漏出を防止するために、本体及びキャップの連結部にバンドをした。バンド材料は、ゼラチンUSP/Ph.Eurを含む。
【0201】
両力価のカプセルは同じ混合物から製造され、用量は充填重量の差によって差を付けられる。カプセルを、以下の通りに調製する。
1.混合容器へサパシタビンを計り入れる。
2.正しい総量が加えられるまで、Miglyol 812Nを徐々に加える。
3.Silversonミキサーを用いて、高速で5〜8分間2つの成分を混合する。
4.試料を取り出して均一性をチェックする。
5.均一であるならば、吸引して混合液から脱気する。
6.Bosch 1500Lカプセル充填機をサイズ3交換部品でセットアップし、25mg用量のための所望の充填重量を与えるように充填ポンプを調節する。
7.平均12個のカプセルのための以下の目標値、即ち警告2.5%;作動3.5%;拒絶5.0%を用いて、25mgカプセルに充填する。個々のカプセルに対する限度は、7.5%である。
8.サイズ3交換部品をサイズ1交換部品に交換し、充填重量をリセットすることによって、75mgカプセルについて繰り返す。すべての他の条件は、同じである。
9.すべてのカプセルの充填が完了した後、透明ゼラチンを用いてカプセルにバンドをする。
【0202】
2つの力価のカプセルの充填重量は、それぞれ100mg及び300mgである。
【0203】
カプセルシェル及びバンディングのためのゼラチンは、以下の納入業者から得た:カプセル−Capsulgel Bornem, Rijksweg 11, B-2880 Bornem, Belgium;ゼラチン(カプセルバンディング用)−Stoess AG, Gammelsbacherstr.2, 8412 Eberbach, Germany。
【0204】
CTCLの治療
この試験のための試験集団は、2回の全身療法の後かそれに続いて、進行性、再発性又は持続的な疾患を有していた進行したCTCL(病期IBかそれ以上)を有する患者である。
【0205】
試験デザイン及び計画
本試験は、オープン表示の無作為化第II相試験である。適格患者を、上記の液体充填カプセル製剤を用いる高用量又は低用量投薬療法を受けるように、1:1に無作為化する:
高用量(A群):2週間の間、1週間につき100mg b.i.d.を3日間ずつ連続で投与し、続いて1週間の休止を設け;その後、2週間の間、1週間につき200mg b.i.d.を3日間ずつ連続で投与し、続いて1週間の休止を設けることに変更する
低用量(B群):2週間の間、1週間につき50mg b.i.d.を3日間ずつ連続で投与し、続いて1週間の休止を設け;その後、2週間の間、1週間につき100mg b.i.d.を3日間ずつ連続で投与し、続いて1週間の休止を設けることに変更する
【0206】
無作為化されたデザインは、2つの投薬計画が類似した患者集団で評価されることを確実にする。1つの治療周期は、3週間である。低用量の投薬計画を投与される患者は、彼らが低用量の投薬計画によく耐えるが、3周期の治療後に少なくとも部分的応答を達成しなかった場合、高用量の投薬計画に交差させることができる。
【0207】
治療は、進行性の疾患;効力の欠如;受け入れがたい毒性;患者の同意の撤回;患者が離脱することが最大の利益であるとの試験担当医の判断;患者を不適格にするか、サパシタビンの継続治療を安全でないものにするか、又は定期追跡調査を不可能にする介入性疾患又は患者の状態の変化;試験医薬品又はプロトコルが要求する評価及び追跡調査の不履行;或いはスポンサーによる臨床試験の中止まで継続される。
【0208】
患者は、皮膚評価、リンパ節評価、写真、臨床検査及び適当な腫瘍画像化研究を含む検診で、定期的に観察される。治療後の追跡調査検診は、試験薬剤の最後の投薬から4週間以内に、又は、新しい癌治療の開始の前に行われる。
【0209】
第1の効力エンドポイントは、クリニックにおいて試験担当医によって修正重症度加重評価ツール(SWAT、severity-weighted assessment tool)で測定され、デジタル写真によって記録される、全体的皮膚疾患の応答率である。
【0210】
高齢患者のAMLの治療
この試験の試験集団は、それ以前に未処置であるか最初の再発の急性骨髄性白血病(AML、acute myeloid leukemia)を有する高齢患者である。本試験は、無作為化第II相試験である。
【0211】
適格患者は、AMLに対していかなる全身療法も受けていないか、又は、初期誘導、硬化及び/又は維持療法に対してCRを達成した後の最初の再発期にある、組織学的又は病理学的に確認されたAMLを有する70才以上の者である。患者は、2週間の間、1週間につき400mgのサパシタビンb.i.d.を3日間ずつ連続で投与され、続いて7日間の休止がある。
【0212】
治療は、臨床的に意味のある進行性疾患;効力の欠如、受け入れがたい毒性;患者の同意の撤回;患者が離脱することが最大の利益であるとの試験担当医の判断、患者を不適格にするか、サパシタビンの継続治療を安全でないものにするか、又は定期追跡調査を不可能にする介入性疾患又は患者の状態の変化;試験医薬品又はプロトコルが要求する評価及び追跡調査の不履行;或いはスポンサーによる臨床試験の中止まで継続される。
【0213】
患者は、検診、臨床検査及び適当な腫瘍画像化研究によって観察される。治療後の追跡調査検診は、試験薬剤の最後の投薬から4週間以内に、又は、新しい癌治療の開始の前に行われる。
【0214】
本発明の記載された態様の様々な改変及び変形形態は、本発明の範囲及び精神を逸脱せずに、当分野の技術者に明らかになる。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して記載したが、請求される本発明が、そのような特定の実施形態に不当に限定されるべきでないことを理解すべきである。実際、関連分野の技術者にとって明らかである記載された本発明の実行様式の様々な改変形態は、以下の請求項の範囲内であるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビン又はその代謝産物が少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む使用。
【請求項2】
治療周期が、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、続いて
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない1週間の休止期間を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき2〜6日間ずつ連続して投与することを含む、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき2〜5日間ずつ連続して投与することを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき4日間ずつ連続して投与することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき5日間ずつ連続して投与することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
サパシタビン又はその代謝産物が1日2回投与される、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
サパシタビン又はその代謝産物が約12時間ごとに1日2回投与される、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
サパシタビン又はその代謝産物がほぼ等量で1日2回投与される、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
投薬計画が少なくとも2回の治療周期を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
周期間に時間の遅滞なしに周期が連続して次々に繰り返される、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
周期が逐次的に繰り返され、逐次周期の間に時間の遅滞がある、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
投薬計画が2〜12回の治療周期を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量が約25〜約600mgのサパシタビンを含む、請求項1〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量が約25〜約225mgのサパシタビンを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量が約50〜約125mgのサパシタビンを含む、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
医薬が、約20、25、60、75、100、150、150、200、300、400又は450mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で1日2回投与される、請求項1〜17のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
医薬が、約200mgのサパシタビンを含む単位投与剤形で1日2回投与される、請求項1〜18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
治療周期が、
(i)第1週の1〜n日目にサパシタビンの治療有効量を投与し、nは2〜6の整数であり;
前記投与を(7−n)日間中止し;
第2週の1〜n日目にサパシタビンの治療有効量を投与し、nは2〜6の整数であり;
前記投与を(7−n)日間中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない1週間の休止期間とを含む、請求項1〜19のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
サパシタビンが、少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与することと;
前記治療周期の11〜14日目に前記投与を中止し;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
サパシタビンが、少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜5日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の6〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜12日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の13〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項23】
医薬が経口投与用である、請求項1〜22のいずれかに記載の使用。
【請求項24】
医薬が、(i)カプセル、並びに(ii)サパシタビン、及び固体賦形剤、希釈剤及び/又は担体を含むコアを含む、請求項1〜23のいずれかに記載の使用。
【請求項25】
カプセルがゼラチンカプセルである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
コアが、サパシタビン、乳糖、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸カルシウムの粒状混合物を含む、請求項24又は25に記載の使用。
【請求項27】
医薬が、(i)カプセル、並びに(ii)サパシタビン及び液体担体を含むコアを含む、請求項1〜23のいずれかに記載の使用。
【請求項28】
サパシタビンが結晶性である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
サパシタビンが、B型結晶のサパシタビンである、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
液体担体が、中鎖トリグリセリド油である、請求項27〜29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
中鎖トリグリセリド油が、分画ヤシ油又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
液体担体がGelucire 44/14である、請求項27〜31のいずれかに記載の使用。
【請求項33】
カプセルがゼラチンカプセルである、請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項34】
カプセルが硬質ゼラチンカプセルである、請求項27〜33のいずれかに記載の使用。
【請求項35】
カプセルが、1若しくは複数の乳白剤、及び/又は、1若しくは複数の色素を含む、請求項27〜34のいずれかに記載の使用。
【請求項36】
カプセルがゼラチンバンドによって密封されている、請求項27〜35のいずれかに記載の使用。
【請求項37】
コアが結晶性サパシタビン及び液体担体から本質的になる、請求項27〜36のいずれかに記載の使用。
【請求項38】
液体担体の量が、1重量部のサパシタビンに対して2〜50重量部である、請求項27〜37のいずれかに記載の使用。
【請求項39】
液体担体の量が、1重量部のサパシタビンに対して2〜10重量部である、請求項27〜38のいずれかに記載の使用。
【請求項40】
液体担体の量が、1重量部のサパシタビンに対して2〜5重量部である、請求項27〜39のいずれかに記載の使用。
【請求項41】
液体担体の量が、約1重量部のサパシタビンに対して約3重量部である、請求項27〜40のいずれかに記載の使用。
【請求項42】
増殖性障害が癌又は白血病である、請求項1〜41のいずれかに記載の使用。
【請求項43】
癌が固形腫瘍又はリンパ腫である、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
増殖性障害が、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)又は慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項42に記載の使用。
【請求項45】
癌が非小細胞肺癌(NSCLC)である、請求項42に記載の使用。
【請求項46】
増殖性障害が皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である、請求項43に記載の使用。
【請求項47】
皮膚T細胞リンパ腫が進行した未処置の皮膚T細胞リンパ腫である、請求項43に記載の使用。
【請求項48】
皮膚T細胞リンパ腫が前処置された皮膚T細胞リンパ腫である、請求項43に記載の使用。
【請求項49】
皮膚T細胞リンパ腫が菌状息肉腫(MF)である、請求項43に記載の使用。
【請求項50】
皮膚T細胞リンパ腫がセザリー症候群(SS)である、請求項43に記載の使用。
【請求項51】
増殖性障害がAMLである、請求項42に記載の使用。
【請求項52】
医薬が、60才以上の対象のAMLを治療するためのものである、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
医薬が、65才以上の対象のAMLを治療するためのものである、請求項51に記載の使用。
【請求項54】
医薬が、70才以上の対象のAMLを治療するためのものである、請求項51に記載の使用。
【請求項55】
サパシタビンが1日当たりの総投与量で375mg〜475mg投与される、請求項51〜54のいずれかに記載の使用。
【請求項56】
サパシタビンが1日当たりの総投与量で400mg〜450mg投与される、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
サパシタビンが425mgの用量で1日2回投与される、請求項51〜54のいずれかに記載の使用。
【請求項58】
治療周期が、サパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与し、その後7日間の休止期間を含む、請求項51〜54のいずれかに記載の使用。
【請求項59】
CTCLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビンは少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間、又は治療関連の毒性が解消されるまでの休止期間のいずれか長い方とを含む使用。
【請求項60】
サパシタビンが200mgの単位投与剤形で1日2回投与される、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
サパシタビンが100mgの単位投与剤形で1日2回投与される、請求項59に記載の使用。
【請求項62】
CTCLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビンは少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜5日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の6及び7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜12日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の13及び14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む使用。
【請求項63】
サパシタビンが50〜200mgの単位投与剤形で1日2回投与される、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
サパシタビンが100mgの単位投与剤形で1日2回投与される、請求項62に記載の使用。
【請求項65】
白血病を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビンが少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む使用。
【請求項66】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量は約375〜約475mgのサパシタビンを含む、請求項65に記載の使用。
【請求項67】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量は各治療周期に伴い徐々に増加する、請求項65に記載の使用。
【請求項68】
医薬が単位投与剤形で投与され、単位投与量が約375mgを含み、各治療周期に伴い50mgの増加量で最大1200mgまで増加する、請求項67に記載の使用。
【請求項69】
増殖性障害を治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビン又はその代謝産物は少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間とを含む使用。
【請求項70】
休止期間が約7〜約14日間である、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
休止期間が7日間である、請求項1〜70のいずれかに記載の使用。
【請求項72】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を治療する医薬の調製における、サパシタビン又はその代謝産物の使用。
【請求項73】
皮膚T細胞リンパ腫が進行した未処置の皮膚T細胞リンパ腫である、請求項72に記載の使用。
【請求項74】
皮膚T細胞リンパ腫が前処置された皮膚T細胞リンパ腫である、請求項72に記載の使用。
【請求項75】
皮膚T細胞リンパ腫が菌状息肉腫(MF)である、請求項72に記載の使用。
【請求項76】
皮膚T細胞リンパ腫がセザリー症候群(SS)である、請求項72に記載の使用。
【請求項77】
代謝産物がCNDACである、請求項1〜76のいずれかに記載の使用。
【請求項78】
サパシタビン又はその代謝産物が、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と併用投与される、請求項1〜77のいずれかに記載の使用。
【請求項79】
サパシタビン又はその代謝産物が、1又は複数の他の抗増殖剤と併用投与される、請求項1〜78のいずれかに記載の使用。
【請求項80】
サパシタビン又はその代謝産物が、請求項1〜68のいずれかに従って投与される、請求項69〜79のいずれかに記載の使用。
【請求項81】
増殖性障害を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画に従って対象に投与することを含み、前記治療周期がサパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含む方法。
【請求項82】
増殖性障害がAMLである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
対象が60才以上である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
対象が65才以上である、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
対象が70才以上である、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
サパシタビンが1日当たりの総投与量で375mg〜475mg投与される、請求項82〜85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
サパシタビンが1日当たりの総投与量で400mg〜450mg投与される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
サパシタビンが425mgの用量で1日2回投与される、請求項82〜87のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与し、その後7日間の休止期間を含む、請求項81〜88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に罹患している対象を治療する方法であって、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項91】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に用いる医薬組成物であって、サパシタビン又はその代謝産物、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項92】
希釈剤及び/又は賦形剤をさらに含む、請求項91に記載の医薬組成物。
【請求項93】
(i)サパシタビン又はその代謝産物を、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体と混合して含む医薬と;
(ii)前記医薬を少なくとも1つの治療周期を含む投薬計画に従って投与するための説明書とを含むキットであって、前記治療周期が、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含むキット。
【請求項94】
高齢患者のAMLを治療するための医薬の調製におけるサパシタビン又はその代謝産物の使用であって、前記サパシタビン又はその代謝産物が少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間とを含む使用。
【請求項95】
治療周期がサパシタビンの治療有効量を2週間、1週間につき3日間ずつ連続して投与し、その後7日間の休止期間を含む、請求項94に記載の使用。
【請求項96】
サパシタビンが2週間、425mgの投与量で1週間につき3日間ずつ連続して1日2回投与され、その後7日間の休止期間を含む、請求項94に記載の使用。
【請求項97】
増殖性障害を治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビン又はその代謝産物が少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を3週間のうち2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することを含むサパシタビン又はその代謝産物。
【請求項98】
CTCLを治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビンが少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間、又は治療関連の毒性が解消されるまでの休止期間のいずれか長い方とを含む、サパシタビン又はその代謝産物。
【請求項99】
CTCLを治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビンが少なくとも1回の21日の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜5日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の6及び7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜12日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の13及び14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む、サパシタビン又はその代謝産物。
【請求項100】
白血病を治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビンが少なくとも1回の21日間の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)前記治療周期の1〜3日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の4〜7日目に前記投与を中止し;
前記治療周期の8〜10日目にサパシタビンの治療有効量を投与し;
前記治療周期の11〜14日目に前記投与を中止することと;
(ii)サパシタビンが投与されない前記治療周期の15〜21日目の休止期間とを含む、サパシタビン又はその代謝産物。
【請求項101】
増殖性障害を治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビン又はその代謝産物が少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間とを含む、サパシタビン又はその代謝産物。
【請求項102】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のためのサパシタビン又はその代謝産物。
【請求項103】
高齢患者のAMLを治療するためのサパシタビン又はその代謝産物であって、前記サパシタビン又はその代謝産物が少なくとも1回の治療周期を含む投薬計画で投与され、前記治療周期が、
(i)サパシタビン又はその代謝産物の治療有効量を2週間、1週間につき約2〜約6日間ずつ投与することと、
(ii)サパシタビン及びその代謝産物が投与されない約5〜約15日間の休止期間とを含む、サパシタビン又はその代謝産物。

【公表番号】特表2010−525042(P2010−525042A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504828(P2010−504828)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001424
【国際公開番号】WO2008/132443
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(506138030)サイクラセル リミテッド (21)
【Fターム(参考)】