説明

増粘毛髪染色剤及び脱色組成物

本発明は、少なくとも1つの酸化剤と、特定の三成分系を含む特定のゲルネットワーク増粘剤系と、多糖及びポリオールと、を含む毛髪染色又は毛髪脱色組成物に関する。本組成物は、驚くべきことに、ライトニング及び色をもたらし、製造が容易であり、並びに毛根への組成物の付着を改善する、毛髪染色剤及び脱色組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪染色及び毛髪脱色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン性繊維、特にヒトの毛髪の色を染毛料の塗布により永続的に変えることは周知である。消費者に所望の毛髪の色及び色の強度を提供するために、非常に複雑な化学的プロセスが利用される。永続的な毛髪染色製剤は、典型的には酸化毛髪染料前駆体を含み、これは毛小皮を通して毛髪中及び毛皮質中に拡散することができ、そこで次に互いに適した酸化剤と反応して最終的な染料分子を形成することができる。結果として得られるこれらの分子の大きさがより大きいため、それらは水及び/又は洗剤によるその後の洗浄中に毛髪から外へ容易に拡散できないことから、消費者の所望する色の永続性が達成される。この反応は典型的には、アルカリ化剤の存在下及び酸化剤の存在下の、pH約10の過激な環境において起こる。その上、消費者はこのプロセスを、所望の毛髪の色及び色相及び色の強度を維持するために、並びに新たな発毛の被覆を包含する毛髪の連続的で均一な被覆を確実にするために定期的に繰り返す。
【0003】
このような製品の製造者はまた、多数の制約内で機能することも要求されている。これらの製品は消費者の皮膚に直接接触して置かれるため、偶発的に(例えば)目に入ったり、又は口に入ったりする可能性が存在する。これの事態は染色プロセス中に起こり得る。そのため、製剤は、厳格な安全要件を満たさなければならず、いかなるアレルギー反応も生じさせてはならない。これらの要件を満たすことに加えて、製品はまた、視覚的及び嗅覚的にも消費者を満足させなければならない。特に、製品はまた、消費者の衣類、特に毛髪の流れに沿った皮膚又は他の物体を、不用意に染色することなく、消費者によって製品を容易に毛髪に塗布させ、所望の効果を提供することを確実にするために、特定の物理的パラメータを満たす必要もある。
【0004】
製造者はまた、毛髪染色を行う消費者に、広い範囲の、結果として得られる様々な色を提供することも要求される。ある消費者は、毛髪の自然な色の強化だけを望む場合もあり、一方、他の消費者は、白髪を隠すこと又は毛髪の色を異なる自然に見える毛髪の色に若しくは「人工的に」見える毛髪の色に完全に変えることを望む場合もある。結果として製造者は、消費者の具体的な要求の範囲に対処するために、様々な色及び色相の20を超える異なる製剤類を提供する場合がある。これらの製剤類は、個々に処方される必要があり、そして典型的には、異なる染料化合物類の混合物を含有する複雑な処方である。結果としてこのような製品範囲の製造は、費用が高く複雑になる可能性がある。
【0005】
また一方、商業的毛髪染色製品は長年の間利用されてきたという事実にもかかわらず、その製品はなお消費者に関係する多くの欠陥を示している。
【0006】
典型的には、永続的毛髪染料製品は、アルカリ、典型的にはアンモニア供給源を含有する。これは、毛髪を膨張させて、染料前駆体分子の毛髪中への侵入を可能にする目的に役立ち、そして典型的には過酸化水素である酸化剤のライトニング効果をも改善する。しかしながら、アンモニアは揮発性でもあり、そしてそれに付随する臭気は、かかる製品を用いる消費者にとって、特にこれらの染毛料製品類が鼻の領域に近接して用いられるときには極めて不快である。それ故、消費者が要求する明るさの程度及び色を提供するが、感知可能なアンモニア臭を低減又は除去した酸化的毛髪染色及び/又は脱色組成物を提供することが極めて望ましい。
【0007】
実際、現行の毛髪染色製品類の別の欠陥領域は、所要の毛髪ライトニング効果を達成する毛髪染色製品を提供することである。ライトニングの所要のレベルを達成することは、消費者に要求される色相の全ての範囲、特に金髪の色相及び白髪の被覆を提供するために特に重要である。かかる製品は、所要のライトニング効果を達成するために、それらが通常、高濃度の酸化剤及びアンモニアの使用を必要とすることから、製造者に特別な難題を課す。しかしながら、本明細書における上述のようなこれらの製品中の高濃度のアンモニアの存在に関連する問題に加えて、これらの高濃度のアンモニア及び/又は酸化剤の存在はまた、毛髪の状態に影響を及ぼし、そして頭皮に軽い皮膚刺激を生じさせる場合がある。特に、毛髪表面の親水性が染色プロセス中に増加し、これが染色中及び直後、その後の洗浄中及び次の染料塗布までの整髪サイクル中の毛髪の感覚認知及びその全体的な扱いやすさを変化させる。そのため、不必要な毛髪損傷を伴わずに所要のライトニング及び/又は色を達成する、酸化毛髪染色及び/又は脱色組成物を提供することもまた極めて望ましい。
【0008】
更に、皮膚、衣類又は浴室又はサロン表面上に滴下することなく毛髪に容易に塗布できる製品を提供するために、毛髪染色製品は、塗布される組成物が特定の必要とされる粘性を有するようにデザインされなければならない。これは、混合時に増粘されるいわゆる薄−薄型液体製剤として、又は少なくとも1つの成分(染料組成物若しくは酸化組成物のいずれか、好ましくは染料組成物)が増粘した製剤(混合時に、組成物全体を増粘する)として提供されるいわゆる薄−薄型液体製剤として、染料組成物及び酸化組成物を提供することによって実現される。これらの増粘した染色組成物又は酸化組成物、あるいは好ましくは両方の組成物に対して、所望の粘度を提供するゲルネットワーク系の使用により達成することができる。更に、クリームのような手ざわり、コンディショナーのような感覚及び外観、滑らかなすすぎ及び改善された毛髪感覚という追加的利益も提供するようなゲルネットワークは、極めて望ましい。このような増粘したゲルネットワーク系は、国際公開第2007/102119号、欧州特許第1878469号及び同第1832273号に記載されている。これらの組成物は、1Pas〜8Pasの範囲である小売用途に典型的な粘度範囲を有する。
【0009】
プロフェッショナル向けヘアサロン市場では、毛髪染色プロフェッショナルは、典型的には、小売市場におけるように、染料及び酸化組成物若しくはキットの、予め決まった組み合わせを使用しない。その代わりに、ヘアサロンのプロフェッショナルは、市販の染料と酸化組成物の任意の組み合わせを使用することができる。プロフェッショナル市場では、入手可能な酸化組成物は、典型的には、様々な粘度で提供される。結果として、酸化組成物と組み合わされる染料組成物は、酸化剤の出発組成物の粘度からは独立して、酸化組成物を必要とされる粘度に確実に増粘できるように配合される必要がある。
【0010】
加えて、プロフェッショナルサロンでは、混合染料及び酸化組成物は、典型的には、小売市場に提供される混合組成物よりもはるかに粘度が高く、典型的には9〜16Pasの範囲である。これにより、ヘアサロンのプロフェッショナルは、顧客に所望の結果を提供するために、様々な技術を使用して組成物を塗布できるようになる。典型的には、これは、ブラシ又はボウル技術を用いてもたらされる。小売用途に典型的な用途を有する組成物は、毛髪染色のプロフェッショナルには許容可能ではないと考えられる。
【0011】
しかしながら、このようなゲルネットワーク系を含む特定のプロフェッショナル用増粘組成物は、毛髪への塗布後に、毛根から毛髪ストランドの長さに沿って亀裂する傾向を示すことが判明している。結果として、毛根は、必ずしも、所望の結果をもたらすために必要とされる量の組成物を塗布されない。通常の毛髪染色剤使用者にとっては特に、毛根でのびたバージンヘアを被覆することは満足の行く仕上がりに不可欠であり、この問題は、完全な被覆を確実なものとするために、ヘアサロンのプロフェッショナルが毛根を持続的にチェックして組成物を再塗布する必要なく解決する必要がある。有効な毛根付着性の欠如というこの問題は、過酸化水素及び炭酸塩酸化系を含む組成物では更に悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/102119号
【特許文献2】欧州特許第1878469号
【特許文献3】欧州特許第1832273号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、消費者に、特にヘアサロンのプロフェッショナルに、必要とされるライトニング、色付着に加えて、ヘアサロンのプロフェッショナルにより活用でき、かつ毛髪上への組成物の塗布中又は滴用後に毛根から生じるいかなる亀裂も示さないような、必要とされるレオロジー及び粘度を有する染毛剤製品を提供することが望ましい。
【0014】
ここで驚くべきことに、本明細書に定義されるように、少なくとも1つの酸化剤と、特定の三成分系を含む特定のゲルネットワーク増粘剤系と、多糖及びポリオールと、を含む酸化毛髪染色組成物は、必要とされる粘度及びイオン強度を有し、優れた毛根付着を呈しながら様々なプロフェッショナル向け毛髪染色用途を達成すべく使用できることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、酸化剤と、ゲルネットワーク増粘系と、を含む、毛髪染色及び毛髪脱色組成物に関し、ゲルネットワーク増粘系は、
i)C14〜30アルキルホスフェート、C14〜C30アルキルエーテルホスフェート又はこれらの混合物から選択される第一アニオン性界面活性剤成分と、
ii)C14〜C30脂肪族アルコールから選択される第二成分と、
iii)ポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから選択される第三非イオン性界面活性剤成分と、を含み、
ここで、前記組成物は、前記第一界面活性剤成分を少なくとも1%、前記第一界面活性剤成分と前記第二成分と前記第三成分の和を少なくとも3%含み、
上記組成物は、多糖を少なくとも0.05%、並びに、プロピレングリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール及びこれらの混合物から選択されるポリオールを少なくとも3%更に含み、上記組成物は、0.75モル/kg未満のイオン強度と、9Pas〜16Pasの粘度と、を有する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、本発明の組成物を約2〜60分にわたって毛髪に塗布する工程と、続いて上記組成物を毛髪からすすぐ工程と、を含む、毛髪の処理方法に関する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、毛髪への、好ましくは毛根への本組成物の付着を改善するための、本発明の組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書は、本発明を詳しく指摘し明確に請求する特許請求の範囲でまとめられるが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0019】
本明細書で使用するとき、扱われる用語「毛髪」は、「生きている」、すなわち、生体上にあるものであり得、又は、「生きていない」、すなわち、かつら、ヘアピース又は他の非生体ケラチン性繊維の凝集体であり得る。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、ウール、毛皮及び他のケラチン含有繊維は、本発明による組成物に好適な基材である。
【0020】
特に記述されない限り、全ての百分率は、総組成物の重量によるものである。処理中に1種を超える組成物が用いられるとき、考慮すべき総重量は、特に指示がない限り、毛髪に同時に塗布する全ての組成物の総重量(すなわち「頭上に」にある重量)である。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全てのモル濃度は、総組成物の重量によるものであり、組成物1キログラム中の成分のモル数、すなわち、「モル/kg」として提示される。処理中に1種を超える組成物が用いられるとき、考慮すべき総重量は、特に指示がない限り、毛髪に同時に塗布する全ての組成物の総重量(すなわち「頭上に」にある重量)である。
【0021】
酸化剤
本発明による組成物は、酸化剤の少なくとも1つの供給源を含み、又はこれを含む組成物と組み合わせて使用される。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義するとき、「水溶性」は、標準状態で少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの上記酸化剤を1リットルの脱イオン水に溶解できることを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(漂白)にとって有益であり、並びに毛幹中での酸化染料前駆体の酸化(酸化染色)を促進する。
【0022】
本発明において、当該技術分野において既知のいかなる酸化剤が用いられてもよい。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生成できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、並びに無機過水和物塩の漂白化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩類は、一水和物、四水和物などとして組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物類、並びに/又はペルオキシダーゼ類も用いてもよい。所望であれば、2つ以上のこうした酸化剤の混合物を用いることができる。酸化剤は、水溶液中に提供されてもよいし、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。過酸化水素、過炭酸塩(酸化剤と炭酸塩イオン及び/又はアンモニウムイオンとの両方の供給源を提供するために用いられ得る)、過硫酸塩及びこれらの組み合わせが、本発明による組成物における使用に好適である。
【0023】
本発明によると、組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の酸化剤を含む。
【0024】
ゲルネットワーク増粘剤
本発明によると、毛髪染色及び脱色組成物は、ゲルネットワーク増粘系よりなる。本発明のゲルネットワーク増粘剤系は、典型的には、染料組成物中に提供され、続いて酸化組成物と混合される。本発明のゲルネットワーク増粘剤系は、三成分系を含む増粘系として定義される。この系は、C14〜C30アルキルホスフェート、C14〜C30アルキルエーテルホスフェート及び/又はこれらの混合物から選択される第一アニオン性界面活性剤成分と、C14〜C30脂肪族アルコールから選択される第二成分と、ポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから選択される第三非イオン性界面活性剤成分と、を含む。
【0025】
当業者は、ゲルネットワーク増粘系が、網状ラメラ二重膜及び/又は小胞及びしばしば結晶の複雑な構造を通常有していることを理解するであろう。これらの系は通常、クリーム状の外観と手ざわりを有し、したがって特に望ましい。
【0026】
特に、本発明のゲルネットワーク系は、過酸化水素供給源を含む酸化組成物との、染色組成物の容易で効率的な混合を可能にする。更に、ゲルネットワーク系は、顕色剤組成物そのもの及び組成物の混合前の粘度とは無関係に、所望する混合時粘度レベルを送達する。後者の性質は、例えばヘアサロンでの業務用プロフェッショナル向けヘアカラー用途において特に有用であり、様々な顕色剤組成物、及び又は粘度を利用する柔軟性を付与することが、特に望ましい場合が多い。
【0027】
理論に束縛されるものではないが、本発明において記載されるゲルネットワーク増粘剤系成分は、ゲルネットワークラメラ二層において適切な幾何学的構成を有し、二層が脱膨潤するのを防ぎ、それゆえに粘度損失に抵抗する、と考えられる。本発明の非イオン性界面活性剤は、染料組成物中のより高いイオン強度に起因して膨張をより抑制し、安定性がイオン性界面活性剤により提供され、一方で、酸化組成物による希釈後、イオンの濃度は低減され、これにより非イオン性界面活性剤は再膨張して、必要とされる追加の増粘を提供する、と更に考えられる。
【0028】
ゲルネットワーク増粘剤系の第一界面活性剤成分は、C14〜C30、好ましくはC14〜C18アルキルホスフェート、C14〜C30、好ましくはC14〜C18アルキルエーテルホスフェート、及び/又はこれらの混合物から選択される。好ましくはアルキルエーテルホスフェートは、平均1〜20個、好ましくは1〜10個、並びに最も好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有する。本発明によると、組成物は、組成物の少なくとも1重量%の上記第一界面活性剤成分、好ましくは約1重量%〜3重量%、より好ましくは約1.2重量%〜2重量%の上記第一界面活性剤成分を含む。第一界面活性剤成分は、ゲルネットワークの形成を補助し、過剰な粘度を防止するために特に上方値にて所望のレオロジー範囲の維持を補助すべく上方値にて特に有用である。
【0029】
本発明によると、本発明のゲルネットワーク系は、第二成分として直鎖又は分枝鎖C14〜C30脂肪族アルコール及び/あるいはこれらの混合物を含む。最も好ましくは、第二成分は、セチル、ステアリル、セトステアリル又はベヘニルアルコール、あるいはこれらの混合物から選択される。本発明によると、組成物は、上記組成物の約2%〜8%、好ましくは約4%〜約6%の上記脂肪族アルコールを含み得る。典型的には、第二成分は、染料組成物又は酸化組成物、あるいはこれらの両方の中に含まれ得、好ましくは、第二成分は、両方の組成物中に含まれる。第二成分は、ゲルネットワーク系の安定化を補助し、また、過剰な粘度を防止するために特に上方値にて所望のレオロジー範囲の維持を補助する。
【0030】
ゲルネットワーク増粘剤系の第三界面活性剤成分は、好ましくは少なくとも約25個、好ましくは約50〜200個、最も好ましくは約100〜200個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシド鎖を1本以上含むポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから選択される非イオン性界面活性剤である。好適な界面活性剤としては、セテアレス−25、ステアレス−100、ステアレス−150、ステアレス−200及びこれらの混合物が挙げられる。第三界面活性剤成分は、ゲルネットワーク系の共乳化剤及び安定剤として作用する。更に、理論に束縛されるものではないが、第三界面活性剤は、軟らかく滑らかな組成物の形成を補助する。本発明によると、組成物は、上記組成物の約0.1%〜5%、好ましくは約0.5%〜1%の上記第三界面活性剤成分を含み得る。
【0031】
上記特定のタイプの界面活性剤及び成分の各々の界面活性剤及び/又は成分を1つ以上、本発明のゲルネットワーク中で使用してもよい。本発明の組成物は、上記第一界面活性剤成分と上記第二成分と上記第三界面活性剤成分とを総量で、組成物の少なくとも約3重量%、好ましくは少なくとも約4重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%含む。
【0032】
多糖
本発明は、多糖を更に含む。本明細書での使用に好適な多糖は、グルカン、改質及び未改質でんぷん(例えば、穀物(例:小麦、とうもろこし又は米))、野菜(例:エンドウマメ(yellow pea))及び塊茎(ジャガイモ又はキャッサバ(cassaya))に由来するもの、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース及びこれらの誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アルギン酸及びアルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグリカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガッチガム、カラヤガム、キャロブガム、ガラクトマンナン、例えば、グアーガム、並びにこれらの非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、並びにバイオ多糖、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、サクシノグリカン並びにこれらの混合物から選択される。
【0033】
例えば、好適な多糖は、「Encyclopedia of Chemical Technology」,Kirk−Othmer,Third Edition,1982,volume 3,pp.896〜900及びvolume 15,pp.439〜458、「Polymers in Nature」by E.A.MacGregor and C.T.Greenwood,published by John Wiley & Sons,Chapter 6,pp.240〜328,1980、並びに「Industrial Gums−Polysaccharides and their Derivatives」(Roy L.Whistler ed.,Second Edition,Academic Press Inc.)に記載されている。
【0034】
多糖は好ましくはバイオ多糖であり、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン又はサクシノグリカン、例えば、Kelco社から名称Keltrol(登録商標)Tで販売されている物質及びRhodia Chimie社から名称Rheozan(登録商標)で販売されている物質、並びにこれらの混合物から選択される多糖が特に好ましい。キサンタンガム及びサクシノグリカン並びにこれらの混合物がより好ましく、最も好ましくはキサンタンガムである。本発明による組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%の上記多糖、好ましくは約0.05重量%〜0.125重量%の上記多糖を含む。
【0035】
理論に束縛されるものではないが、多糖は、可塑剤及び粘着促進剤として作用し、特に上記濃度にて毛根付着の改善を補助すると考えられる。
【0036】
ポリオール
本発明の組成物は、少なくとも約3重量%、好ましくは約3.5重量%、最も好ましくは少なくとも約4重量%、更により好ましくは少なくとも約4.5重量%のポリオールを更に含む。好適なポリオールは、プロピレングリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、上記ポリオールは、プロピレングリコールである。
【0037】
理論に束縛されるものではないが、選択されたポリオールを所定の範囲内で利用すると、所望されるように粘度値を調製することが可能になり、一方で、潤滑剤としても作用して、組成物をより滑らかにし、軟らかくし、したがって手ざわりを改善し、これにより毛根付着を補助すると考えられる。
【0038】
イオン強度
本発明によると、本組成物は、0.75モル/kg未満、好ましくは0.1〜0.75モル/kg未満、より好ましくは0.2〜0.6モル/kgの本明細書に定義されているようなイオン強度を有する。理論に束縛されるものではないが、イオン強度値はまた、組成物の得られる粘度及び毛根付着特性に影響すると考えられる。イオン強度は、染料、硫酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、酸化防止剤及び、EDDSなどのキレート剤といった、塩供給源により影響され得る。染料は、イオン強度に対して最大の影響を有する傾向があり、それゆえに、任意の特定の色合い提供するために添加される量は、粘度及び毛根付着問題を防止するようにイオン強度並びに染色の仕上がりの点で考慮する必要がある。
【0039】
組成物のイオン強度は、溶液中に存在する全イオンの濃度の関数であり、下式により決定される:
【0040】
【数1】

式中、mi=イオンiのモル濃度(M=mol・/Kg H2O)、zi=イオンの電荷数、並びに和は溶液の全イオンについて取られる。例えば、塩化ナトリウムなどの1:1電解質についてはイオン強度は濃度に等しいが、MgSO4についてはイオン強度は、4倍大きい。通常、多価イオンは、イオン強度に強く寄与する。
【0041】
例えば、0.050MのNa2SO4と0.020MのNaClの混合溶液のイオン強度は次のようになる:I=1/2((2×(+1)2×0.050)+(+1)2×0.020+(−2)2×0.050+(−1)2×0.020)=0.17M。
【0042】
粘度
本発明によると、本組成物は、9〜16Pas、好ましくは9〜15Pas、より好ましくは10〜14Pas、並びに最も好ましくは11〜13Pasの粘度を有する。粘度は、下記に定義される試験方法に従って決定される。コンディショナーのような特性を有し、過度に粘性ではない及びべたっとしていない組成物を提供するこの粘度範囲により、ヘアサロンのプロフェッショナルは、任意の特定の顧客により必要とされ得る、数多くの塗布技術のうちの1つを利用するために最大の柔軟性を有することができる。
【0043】
追加的な成分
本発明の組成物は、酸化染料前駆体、非酸化予備形成染料などの毛髪染色剤、炭酸イオン供給源、追加的な増粘剤及び/又はレオロジー改質剤、溶媒、ラジカルスカベンジャー、酵素、追加的な界面活性剤、コンディショニング剤、キャリア、酸化防止剤、安定剤、キレート剤、パーマ活性剤、香料、還元剤(チオ乳酸)、毛髪膨潤剤及び/又はポリマーが挙げられるが、これらに限定されない追加成分を更に含んでもよい。これら追加成分のいくつかについては、後で詳細に述べる。
【0044】
アルカリ化剤
本発明によると、本組成物は場合により、アルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン及び/又はアンモニアを含んでもよい。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオンの供給源をもたらすものである。いずれのアンモニウムイオン供給源も本明細書で用いるのに好適である。好ましい供給源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸アンモニウム及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいものは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム及びこれらの混合物である。本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオンを含んでもよい。好ましくは、存在する場合、アンモニウムイオンと炭酸イオンは組成物中に、3:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5の重量比で存在する。
【0045】
好ましくは、本発明の組成物は、約12〜約7.5、好ましくは約11〜約8.4、並びに最も好ましくは約10〜約8.5のpHを有する。
【0046】
本組成物のpHは、Mettler Toledo製MP220又はMP225 pH装置(実験室用標準pH電極を装着)を使用して決定できる。装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0047】
毛髪染料
本発明の毛髪染色組成物は、好ましくは、酸化染色組成物を含む毛髪染色組成物である。このような組成物は、毛髪に様々な毛髪色をもたらす酸化染料前駆体又は展開剤(一次中間体としても既知)を含む。これらの小さい分子は酸化剤により活性化され、更なる分子と反応してより大きい着色錯体を毛幹中に形成する。
【0048】
前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて用いることができ、1つ以上の前駆体を1つ以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色調整剤又は二次中間体としても知られる)は、一般に、活性化された前駆体類の存在下で色を形成できる無色の分子類であり、特定の色の効果を生成するため又は色を安定化させるために、他の前駆体又はカップラーと共に使用される。前駆体及びカップラーの選択は、所望の染色の色、色相及び強度により決定される。前駆体及びカップラーを、本明細書において、単一で又は組み合わせにより用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色相を有する染料を提供することができる。
【0049】
これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、Sagarin、「Cosmetic Science and Technology」、「Interscience,Special Edn.Vol.2」の308〜310ページに見出すことができる)。以下に述べる前駆体は、例示のためだけのものであり、本明細書の組成物及びプロセスを限定する目的でないことを理解すべきである。
【0050】
顕色剤
本明細書に記載の組成物での使用に好適な顕色剤としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、ベンゼン−1,4−ジアミン(p−フェニレンジアミンとして周知);2−クロロ−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−フェニル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(2−エトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン);(2,5−ジアミノ−フェニル)−メタノール;1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン;2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;N−(4−アミノフェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2,6−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−イソプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン;1−[(4−アミノフェニル)アミノ]−プロパン−2−オール;2−プロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン;1,3−ビス[(4−アミノフェニル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン−2−オール;N4,N4,2−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミン;2−メトキシ−ベンゼン−1,4−ジアミン;1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール;2,3−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド;2,6−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン;2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン;2−チエン−2−イルベンゼン−1,4−ジアミン;2−チエン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン;2−ピリジン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン;1,1’−ビフェニル−2,5−ジアミン;2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(アミノメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エタノール;N−[2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エチル]−アセトアミド;N,N−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ジプロピルベンゼン−1,4−ジアミン;2−[(4−アミノフェニル)(エチル)アミノ]エタノール;2−[(4−アミノ−3−メチル−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;N−(2−メトキシエチル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;3−[(4−アミノフェニル)アミノ]プロパン−1−オール;3−[(4−アミノフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール;N−{4−[(4−アミノフェニル)アミノ]ブチル}ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[2−(2−{2−[(2,5−ジアミノフェニル)−オキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]ベンゼン−1,4−ジアミン;1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;p−アミノフェノール誘導体、例えば:4−アミノ−フェノール(p−アミノフェノールとして周知);4−メチルアミノ−フェノール;4−アミノ−3−メチル−フェノール;4−アミノ−2−ヒドロキシメチル−フェノール;4−アミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン;4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール;5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸;1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール;4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェノール;4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール;4−アミノ−3−フルオロ−フェノール;4−アミノ−2−(アミノメチル)−フェノール;4−アミノ−2−フルオロ−フェノール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;o−フェニレンジアミン誘導体:例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びこの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば:2−アミノ−フェノール(o−アミノフェノールとして周知);2,4−ジアミノフェノール;2−アミノ−5−メチル−フェノール;2−アミノ−5−エチル−フェノール;2−アミノ−6−メチル−フェノール;N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド;並びに2−アミノ−4−メチル−フェノール;並びに複素環式誘導体、例えば:ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン(2,4,5,6−テトラアミノピリミジンとして周知);1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン;2−[(3−アミノ−6−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]エタノール;6−メトキシ−N2−メチル−ピリジン−2,3−ジアミン;2,5,6−トリアミノピリミジン−4(1H)−オン;ピリジン−2,5−ジアミン;1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(4−クロロベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−3,7−ジアミン;5,6,7−トリメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩;7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩;2,5,6,7−テトラメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩;5,7−ジ−tert−ブチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩;5,7−ジ−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩;2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン塩酸塩;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール;2,5−ジアミノフェニルエチルアルコール;並びにこれらの塩。
【0051】
追加的な顕色剤は、N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(2−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−ピリジン−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−チアゾール−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;4−ヒドロキシ−安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド;3’−フルオロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;2−プロペニル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2’−クロロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;4’−メトキシ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン塩酸塩;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール塩酸塩;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノフェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4,5−ジアミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル;3−メトキシ−1−プロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(2−アミノエチル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;8−メトキシ−1,2,4,5−テトラヒドロピラゾロ[5,1−d][1,3,5]オキサジアゼピン−9−アミン;1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−シクロヘキシル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;6−メトキシ−1−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール−7−アミン;2−メトキシ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−アミン;3−メトキシ−1−オクチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−メトキシ−1−ペンチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール−7−アミン;3−メトキシ−N5,N5−ジメチル−1−プロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−ヘキシル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−ブチル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−イソプロピル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−エチル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−メトキシ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−メトキシ−1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(4−エチルフェニル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−メトキシ−1−p−トリル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−シアノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−ブチル−3−シアノ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−シアノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−シアノ−1−ヘキシル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−ブチル−3−シアノ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−シアノ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−シアノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−シクロヘキシル−3−フルオロ−N5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−メチル−3−(トリフルオロメトキシ)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−フルオロ−1−オクチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−ヘキシル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−フルオロ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;3−クロロ−1−エチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(3−メトキシプロピル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−メチル−3−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;及びこれらの塩からなる群から選択される。
【0052】
一部の実施形態では、顕色剤としては、限定するものではないが:p−フェニレンジアミン誘導体、例えば2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;ベンゼン−1,4−ジアミン;1−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール;1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン;1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン;及びこれらの混合物;p−アミノフェノール誘導体、例えば4−アミノ−フェノール;4−メチルアミノ−フェノール;4−アミノ−3−メチル−フェノール;4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール;1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール;4−アミノ−2−アミノメチルフェノール;4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン;5−アミノサリチル酸及びこれらの塩;及びこれらの混合物;o−フェニレンジアミン誘導体、例えば3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば2−アミノ−フェノール;2−アミノ−5−メチル−フェノール;2−アミノ−6−メチル−フェノール;N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド;2−アミノ−4−メチル−フェノール;2−アミノ−5−エチル−フェノール;及びこれらの混合物;及び複素環式誘導体、例えばピリミジン−2,4,5,6−テトラミン;1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;これらの塩;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
特定の実施形態では、顕色剤としては:2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン;4−アミノ−フェノール;4−メチルアミノ−フェノール;4−アミノ−3−メチル−フェノール;2−アミノ−フェノール;2−アミノ−5−メチル−フェノール;2−アミノ−5−エチル−フェノール;2−アミノ−6−メチル−フェノール;1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;2,5−ジアミノトルエン;2,5−ジアミノフェニルエチルアルコール;これらの塩;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
カップラー
本明細書に記載の組成物での使用に好適なカップラーとしては、フェノール、レゾルシノール、ナフトール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン及び複素環式化合物並びにこれらの誘導体、例えば:2−アミノ−5−エチル−フェノール;ナフタレン−1,7−ジオール;ベンゼン−1,3−ジオール;4−クロロベンゼン−1,3−ジオール;ナフタレン−1−オール;2−メチル−ナフタレン−1−オール;ナフタレン−1,5−ジオール;ナフタレン−2,7−ジオール;ベンゼン−1,4−ジオール;2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール;7−アミノ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−スルホン酸;2−イソプロピル−5−メチルフェノール;1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1,5−ジオール;2−クロロ−ベンゼン−1,3−ジオール;4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−スルホン酸;ベンゼン−1,2,3−トリオール;ナフタレン−2,3−ジオール;5−ジクロロ−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール;4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール;2,3−ジヒドロキシ−[1,4]ナフトキノン;並びに1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;m−フェニレンジアミン、例えば:2,4−ジアミノフェノール;ベンゼン−1,3−ジアミン;2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール;2−[(3−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;2−メチル(mehyl)−ベンゼン−1,3−ジアミン;2−[[2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エチル]−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン;2−(2,4−ジアミノ−フェニル)−エタノール;2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール;4−(2−アミノ−エトキシ)−ベンゼン−1,3−ジアミン;(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−酢酸;2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール;4−エトキシ−6−メチル−ベンゼン−1,3−ジアミン;2−(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェノキシ)−エタノール;4,6−ジメトキシ−ベンゼン−1,3−ジアミン;2−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェニルアミノ]−エタノール;3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール;N−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]尿素;4−メトキシ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン;4−フルオロ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン;2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ジメトキシフェニル}−アミノ)エタノール;3−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プロパン−1,2−ジオール;2−[2−アミノ−4−(メチルアミノ)−フェノキシ]エタノール;2−[(5−アミノ−2−エトキシ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;2−[(3−アミノフェニル)アミノ]エタノール;2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;N−(2−アミノエチル)ベンゼン−1,3−ジアミン;4−{[(2,4−ジアミノ−フェニル)オキシ]メトキシ}−ベンゼン−1,3−ジアミン;1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;並びに2,4−ジメトキシベンゼン−1,3−ジアミン;m−アミノフェノール、例えば:3−アミノ−フェノール;2−(3−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルアミノ)−アセトアミド;2−(3−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−アセトアミド;5−アミノ−2−メチル−フェノール;3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール;5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール;5−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール;3−アミノ−2−メチル−フェノール;3−アミノ−2,6−ジメチル−フェノール;3−アミノ−2−クロロ−6−メチル−フェノール;5−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノール;2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−フェノール;5−アミノ−4−クロロ−2−メチル−フェノール;3−シクロペンチルアミノ−フェノール;5−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−2−メチルフェノール;5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール;3−(ジメチルアミノ)フェノール;3−(ジエチルアミノ)フェノール;5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノール;5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェノール;3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール;3−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェノール;3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール;5−アミノ−2−エチル−フェノール;5−アミノ−2−メトキシフェノール;5−[(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノ]−2−メチルフェノール;3−[(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール;3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メチルフェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−ベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;並びに複素環式誘導体、例えば:3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール;6−メトキシキノリン−8−アミン;4−メチルピリジン−2,6−ジオール;2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−オール;1,3−ベンゾジオキソール−5−オール;2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ)エタノール;3,4−ジメチルピリジン−2,6−ジオール;5−クロロピリジン−2,3−ジオール;2,6−ジメトキシピリジン−3,5−ジアミン;1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン;2−{[3,5−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]オキシ}−エタノール;1H−インドール−4−オール;5−アミノ−2,6−ジメトキシピリジン−3−オール;1H−インドール−5,6−ジオール;1H−インドール−7−オール;1H−インドール−5−オール;1H−インドール−6−オール;6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−オール;2−アミノピリジン−3−オール;ピリジン−2,6−ジアミン;3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]プロパン−1,2−ジオール;5−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]ペンタン−1,3−ジオール;インドリン−5,6−ジオール;3,5−ジメトキシピリジン−2,6−ジアミン;6−メトキシピリジン−2,3−ジアミン;3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−アミン;4−ヒドロキシ−N−メチルインドール;1H−5−メチルピラゾール−5−オン;1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン;2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール;2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール;6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール;2,6−ジヒドロキシピリジン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;5−メチルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール;5−メチル−6−クロロピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール;5−フェニルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール及びその付加塩;1H−2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールトシレート;7,8−ジシアノ−4−メチルイミダゾロ−[3,2−a]イミダゾール;2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン;2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン;並びに2−メチル−5−メトキシメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;並びに3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;これらの塩並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
一部の実施形態では、カップラーとしては、限定するものではないが:フェノール、レゾルシノール、及びナフトール誘導体、例えば2−アミノ−5−エチル−フェノール;ナフタレン−1,7−ジオール;ベンゼン−1,3−ジオール;4−クロロベンゼン−1,3−ジオール;ナフタレン−1−オール;2−メチル−ナフタレン−1−オール;ナフタレン−1,5−ジオール;ナフタレン−2,7−ジオール;ベンゼン−1,4−ジオール;2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール;及び2−イソプロピル−5−メチルフェノール;1,2,4−トリヒドロキシベンゼン;1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;及びこれらの混合物;m−フェニレンジアミン誘導体、例えばベンゼン−1,3−ジアミン;2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール;4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン;2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール;2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール;及び3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール;2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン;1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;及びこれらの混合物;m−アミノフェノール誘導体、例えば3−アミノフェノール;5−アミノ−2−メチル−フェノール;3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール;5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール;及び3−アミノ−2−メチル−フェノール;1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン;5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール;及びこれらの混合物;及び複素環式誘導体、例えば3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール;1,3−ベンゾジオキソール−5−オール;1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン;1H−インドール−4−オール;1H−インドール−5,6−ジオール;1H−インドール−7−オール;1H−インドール−5−オール;1H−インドール−6−オール;ピリジン−2,6−ジアミン;2−アミノピリジン−3−オール;4−ヒドロキシ−N−メチルインドール;1H−5−メチルピラゾール−5−オン;1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン;2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール;2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール;6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール;2,6−ジヒドロキシピリジン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン;3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;これらの塩;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
特定の実施形態では、カップラーとしては、2−アミノ−5−エチル−フェノール;ベンゼン−1,3−ジオール;4−クロロベンゼン−1,3−ジオール;4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール;2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール;2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノアニソール;2,4−ジアミノベンジルアルコール;2,4−ジアミノフェニルエチルアルコール;m−フェニレンジアミン;5−アミノ−2−メチル−フェノール;3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール;2,4−ジアミノフェノキシエタノール;4−アミノ−2−ヒドロキシフェノキシエタノール;1−ナフトール;2−メチル−ナフトール;3−アミノフェノール;3−アミノ−2−メチルフェノール;4−ヒドロキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン;4−アミノ−1,2−メチレンジオキシベンゼン;4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−1,2−メチレンジオキシベンゼン;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;2,4−ジアミノフェネトール;2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール;4−ヒドロキシインドール;3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,6−ジメトキシピリジン;及び3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン;ベンゼン−1,3−ジアミン;2−アミノピリジン−3−オール;1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン;これらの塩;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
加えて、一部の実施形態では、顕色剤及びカップラーとしては、5−メトキシメチル−2−アミノフェノール;5−エチル−2−アミノフェノール;5−フェニル−2−アミノフェノール;5−シアノエチル−2−アミノフェノール;これらの塩;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
上述した顕色剤及びカップラーの任意のものを組み合わせて、顕色剤とカップラーとの混合物を形成してもよい。本発明の毛髪染料組成物は、一般に染色組成物の約0.001重量%〜約10重量%の顕色剤及びカップラー染料を含有するであろう。例えば、天然のブロンドから明るい茶色の毛髪の色合いなどの低強度染色を提供する組成物は、通常、染色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、一部の実施形態では約0.1重量%〜約2重量%、特定の実施形態では約0.2重量%〜約1重量%の顕色剤及びカップラーを含む。茶色及び黒色などのより暗い色合いは、典型的には、約0.001重量%〜約10重量%、一部の実施形態では約0.05重量%〜約7重量%、特定の実施形態では約1重量%〜約5重量%の顕色剤及びカップラーを含む。顕色剤化合物は、一般に、カップラー化合物に対してほぼ等モル量で使用される。しかしながら、顕色剤化合物は、カップラー化合物よりも多いか又は少ない量で存在してもよい。
【0059】
直接染料
本発明の組成物はまた、染色を提供するのに、特に強度に関して十分な量で、相溶性の直接染料を含んでもよい。典型的には、そのような量は、染料組成物の約0.05重量%〜約4重量%の範囲であろう。好適な直接染料としては、限定するものではないが次のものが挙げられる:アシッドイエロー1;アシッドオレンジ3;ディスパースレッド17;ベーシックブラウン17;アシッドブラック52;アシッドブラック1;ディスパースバイオレット4;4−ニトロ−o−フェニレンジアミン;2−ニトロ−p−フェニレンジアミン;ピクラミン酸;HCレッドNo.13;1,4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−ニトロベンゼン;HCイエローNo.5;HCレッドNo.7;HCブルーNo.2;HCイエローNo.4;HCイエローNo.2;HCオレンジNo.1;HCレッドNo.1;2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン;HCレッドNo.3;4−アミノ−3−ニトロフェノール;2−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロアニソール;3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール;2−アミノ−3−ニトロフェノール;6−ニトロ−o−トルイジン;3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール;2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン;HCイエローNo.11;HCバイオレットNo.1;HCオレンジNo.2;HCオレンジNo.3;HCイエローNo.9;4−ニトロフェニルアミノエチル尿素;HCレッドNo.10;HCレッドNo.11;2−ヒドロキシエチルピクラミン酸;HCブルーNo.12;HCイエローNo.6;ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン;HCイエローNo.12;HCブルーNo.10;HCイエローNo.7;HCイエローNo.10;HCブルーNo.9;N−エチル−3−ニトロPABA;4−アミノ−2−ニトロフェニル−アミン−2’−カルボン酸;2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール;6−ニトロ−2,5−ピリジンジアミン;HCバイオレットNo.2;2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール;4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール;HCイエローNo.13;1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン;HCレッドNo.14;HCイエローNo.15;HCイエローNo.14;3−アミノ−6−メチルアミノ−2−ニトロピリジン;2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン;ベーシックレッドNo.118;ベーシックオレンジNo.69;N−(2−ニトロ−4−アミノフェニル)−アリルアミン;4−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)(4−イミノ−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)メチル]−2−メチル−ベンゼンアミン−塩酸塩;2−[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;1−メチル−4−[(メチルフェニル−ヒドラゾノ)メチル]−ピリジニウムメチル硫酸塩;2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;ベーシックレッド22;ベーシックレッド76;ベーシックブラウン16;ベーシックイエロー57;7−(2’,4’−ジメチル−5’−スルホフェニルアゾ)−5−スルホ−8−ヒドロキシナフタレン;アシッドオレンジ7;アシッドレッド33;1−(3’−ニトロ−5’−スルホ−6’−オキソフェニルアゾ)−オキソ−ナフタレンクロム錯体;アシッドイエロー23;アシッドブルー9;ベーシックバイオレット14;ベーシックブルー7;ベーシックブルー26;モノ−及びジスルホン酸(主にジスルホン酸)とキノフタロン(quinophthlanone)又は2−キノリルインダンジオンとの混合物のナトリウム塩;ベーシックレッド2;ベーシックブルー99;ディスパースレッド15;アシッドバイオレット43;ディスパースバイオレット1;アシッドブルー62;ピグメントブルー15;アシッドブラック132;ベーシックイエロー29;ディスパースブラック9;1−(N−メチルモルホリニウム−プロピルアミノ)−4−ヒドロキシ−アントラキノンメチルサルフェート;HCブルーNo.8;HCレッドNo.8;HCグリーンNo.1;HCレッドNo.9;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン;アシッドブルー199;アシッドブルー25;アシッドレッド4;ヘナレッド;インディゴ;Cochenille;HCブルーNo.14;ディスパースブルー23;ディスパースブルー3;ディスパースブルー377;ベーシックレッド51;ベーシックオレンジ31;ベーシックイエロー87;及びこれらの混合物。好ましい直接染料としては、ディスパースブラック9、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー15、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、HCレッド3、ディスパースバイオレット1、HCブルー2、ディスパースブルー3、ディスパースブルー377、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
界面活性剤
本発明による組成物は、1つ以上の追加的な界面活性剤を、ゲルネットワーク増粘剤系で利用されるものに対して少なくとも約0.01%更に含んでもよい。本明細書での使用に好適な界面活性剤は、約8〜約30個の炭素原子の親油性鎖長を通常有し、アニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0061】
ポリマー
本発明の組成物は、所望により、少なくとも約0.01%のポリマーを更に含んでよい。このポリマーは、例えば、会合ポリマー、架橋アクリル酸ホモポリマー、並びに、(メタ)アクリル酸と(C1〜C6)アルキルアクリレートの架橋コポリマーから選択することができる。このポリマーはまた、下記のように、コンディショニング剤として働き得る。ポリマーは、一般に組成物の、約0.01重量%〜約20.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で用いられるであろう。
【0062】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含んでもよく、又はコンディショニング剤と組み合わせて用いてもよい。本明細書での使用に好適なコンディショニング剤は、シリコーン材料、アミノシリコーン、高分子樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性油及び油由来材料並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質としては、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。
【0063】
コンディショニング剤は、一般に組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の濃度で用いられるであろう。
【0064】
特に有用なコンディショニング材料は、カチオン性ポリマー及びシリコーンである。カチオン性ポリマータイプのコンディショナーは、化粧品組成物で処理したケラチン繊維の化粧品特性の少なくとも1つを改善するものとして当業者により既知のものから選択され得る。カチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の部分を形成するか又はポリマー主鎖に直接結合している側部置換基に含まれるかのいずれかであり得る、一級、二級、三級及び四級アミン基から選択される、少なくとも1個のアミン基の単位を含むものから選択することができる。
【0065】
シリコーンは、ポリアルキルシロキサン油、トリメチルシリル若しくはヒドロキシジメチルシロキサン末端基を含有する直鎖ポリジメチルシロキサン油、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサン油、シリコーン樹脂、一般構造において1個又は、同一若しくは異なる多数個の有機官能基がシロキサン鎖に直接結合している有機官能性シロキサンから選択することができる。上記有機官能基は、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、(過)フッ化基、チオール基、置換又は非置換アミノ基、カルボキシレート基、ヒドロキシル化基、アルコキシル化基、四級アンモニウム基、両性及びベタイン基から選択される。シリコーンは、純流体として、又は事前に形成されたエマルションの形態として、使用され得る。
【0066】
キレート剤
本発明によると、組成物はキレート剤を含んでよい。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、その非包括的なリストは、AE Martell & RM Smith,Critical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York & London(1974)及びAE Martell & RD Hancock,Metal Complexes in Aqueous Solution,Plenum Press,New York & London(1996)に見出すことができる。
【0067】
本明細書において用いるのに適したキレート剤の例としては、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、それらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0068】
キレート剤は、本発明の組成物中に安定剤及び/又は防腐剤として組み込まれてもよい。加えて、キレート剤は、毛髪繊維の損傷について効果を提供するので、それらは本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用されてもよいことが見出されてきている。本発明のキレート剤の濃度は、ジアミン−N,N’−ジポリ酸及びモノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸キレート剤(例えばEDDS)のような最も有効なキレート剤について、約0.1%、好ましくは少なくとも約0.25%超、より好ましくは約0.5%の低さであってもよい。有効性が低いキレート剤は、キレート剤の有効性によって、より好ましくは、組成物の少なくとも約1重量%、更により好ましくは約2重量%を超える濃度で用いられるであろう。
【0069】
溶媒
本発明のポリオール成分に加えて、本組成物は、水などの本組成物中での使用に好適な他の溶媒を更に含んでもよい。典型的には、本発明による組成物は、水性組成物として提供される。本発明の組成物は、典型的には、少なくとも約10重量%から、好ましくは少なくとも約20重量%から、より好ましくは約30重量%から、並びに最も好ましくは約50重量%からの水を含む。
【0070】
使用方法
本明細書に記載される使用方法の実施例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなくこれらについての種々の修正又は変更が当業者に提示されることが理解される。
【0071】
小売の酸化毛髪染料組成物は、通常、分離した容器と、酸化染料、前駆体、典型的には好適なキャリア中のアンモニアであるアルカリ化剤を含む染料成分(エマルションについては「染料クリーム」、又は、溶液については「染料液」とも呼ばれる)と、酸化剤(通常は過酸化水素)を含む過酸化水素成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」、又は、溶液については「過酸化水素液」とも呼ばれる)といった個々にパッケージ化された成分を含むキットで販売される。消費者は、染料成分と過酸化水素成分とを共に使用直前に混合し、それを毛髪上に塗布する。
【0072】
同様に、小売の漂白組成物もまた、典型的には2個又は3個の分離した容器の中に個々にパッケージ化された2つ又は3つの成分を含むキットとして通常販売される。第一成分はアンモニウムイオン供給源(例えば、アンモニア)を含み、第二成分は酸化剤を含み、第三(任意)成分は第二の酸化剤を含む。漂白組成物は、上記組成物を使用直前に混合することにより、得られる。
【0073】
プロフェッショナルのヘアサロン市場のために、毛髪染料組成物及び酸化組成物及び/又は漂白組成物は、典型的には、プロフェッショナルが好ましい組み合わせを選択できるように、個別に供給される。
【0074】
組み合わせた混合物を数分にわたって(確実に毛髪全部に均一に塗布させるために)作用させた後、酸化染料組成物を染色が生じるのに十分な量(通常、約2〜60分、典型的には約30〜45分)にわたって毛髪上にそのまま維持する。消費者又はサロンのプロフェッショナルは次に、毛髪を水で十分にすすぎ並びに/又はシャンプーし、乾燥させる。毛髪がその元々の色から所望の色に変化することが観察される。
【0075】
酸化染料組成物及び酸化脱色組成物中に存在するとき、任意のコンディショニング剤は、第三の容器内に提供され得る。後者の場合、全ての3つの組成物を使用直前に混合し共に塗布することができ、又は第三の容器中の内容物を、他の容器の混合の結果得られる酸化染料組成物又は酸化脱色組成物の直後に後処置として、(任意のすすぎ工程の後に)塗布することができる。
【0076】
本発明はまた、毛髪染色又は脱色方法が、少なくとも1つの酸化剤と、上記で定義したようなゲルネットワーク増粘系と、組成物が所与の粘度及びイオン強度を有するように使用される定義されているような多糖及びポリオールと、を含む組成物を塗布することを含む、実施形態を含む。
【0077】
以上に記載されたキットは、当該技術分野において周知であり、各容器内の組成物は、標準的手法のいずれか1つを使用して製造でき、これらには、a)「水中油型」プロセス、b)「転相」プロセス、及びc)「1ポット」プロセスが挙げられる。例えば、「水中油」プロセスを使う場合、本発明の界面活性剤は、約90℃にて組成物の総水量のおよそ50%に添加され、15〜30分にわたってホモジナイズされ、次に室温に冷却され、これによりゲルネットワーク増粘剤プレミックスを形成し、このプレミックスを次に冷やしながら残量の水、他の追加の成分及び/又は酸化剤と混合し、これにより上記漂白又は染色キットの第一及び第二成分部分を形成する。
【0078】
本発明は、各種のパッケージ用及び小出し用器具にて利用してもよい。これら分配デバイスは、単独で又は互いに組み合わせて使用してもよい別個のデバイスの形態で実現することができる。典型的には、毛髪染色又は漂白組成物は、使用前に組成物をお互い分離して保存できるように、分離した単独又は複数の区画容器に収納される。組成物は、次に、混合手段によって一緒に混合され、次に塗布手段によって消費者の毛髪に塗布される。
【0079】
本発明のために使用できる最も一般的なパッケージデバイスは、ボトル、チューブ、エアゾール又はサッシェなどの容器に顕色剤を収容することと、染料ローションを顕色剤容器内の追加的な区画に、あるいは、例えば、二重サッシェ若しくはエアゾール系などの同一容器に又はボトル若しくはチューブ系などの異なるものであり得る別個の容器に別個に、収容することを伴う。
【0080】
消費者又はヘアサロンのプロフェッショナルは、酸化剤組成物と染料組成物とを任意の手段により混合し得る。これには、単純に混合用ボウルを使用して、その中へローションを分配し、好ましくは器具などの混合手段を用いて混合することが含まれる。あるいは、他のローションの容器内へローションの1つを追加して(典型的には、染料ローションが顕色剤ローションへ追加される)、次に手で振って混ぜるか、又は器具を使って混合してもよい。別の系は、単独の容器又は袋内の染料及び顕色剤ローションの分離隔室間にあるシールの穿孔又は変位と、続いて容器内又は別個及び/又は追加の容器内にて手動で混合することも含む。
【0081】
本明細書中にて上述したデバイスは、毛髪上への製品塗布を手助けするための、製品送達及び/又は塗布用具と組み合わせて使用することもできる。また、これらのデバイスは、容器又は櫛やブラシのような別個のアプリケーターデバイスの1つにノズルが取り付けられているという非常に単純な性質のものであってもよい。このような櫛及びブラシは、素早くむらのないカバレッジ又は根元/ヘアラインのタッチアップ又はハイライト又はストリークにするかどうかという特定の効果を得るために、用いることができる。あるいは、容器又は容器の1つに、櫛を取り付けてもよく、又は分配用ノズルの代わりに櫛を取り付けてもよく、製品は中空の櫛の歯及び櫛の歯に設けられた分配用開口部を通って分配される。櫛の歯は、製品塗布及び特に根元から先端への均一性を向上させるため、櫛の歯に沿った単一又は複数の開口部と共に提供されてもよい。製品の分配は、例えば、ボトルの層状剥離又は上述した任意のメカニズムによって容器に加えられた機械的圧力によって行うことができる。櫛は、例えば、塗布を容易にするために容器上に備えられてもよく、垂直に(いわゆるバーティコーム(verticomb))又は消費者にあらゆる領域にアクセスさせるような角度で配置されてもよい。全ての器具は、消費者に毛髪への塗布のための一連の異なった用具を提供できるように、互いに交換可能になるように設計されてもよい。
【0082】
塗布するための器具はまた、特定の効果、例えば、ハイライト化の補助を実現するための器具(例えば、ハイライト化用の櫛、ブラシ及び用具、並びにハイライト化用キャップなど)を含んでよい。
【0083】
追加の器具技術を、製品が毛髪内に浸透するのを補助するために使用することができる。このような技術の例としては、加熱器具、紫外線器具及び超音波器具が挙げられる。
【0084】
試験方法
粘度試験方法
TA Instrumentsにより製造されたAR500、AR1000又はAR2000タイプの応力レオメーター又は同様の装置で粘度測定を行う。6cmの平らなアクリル製のクロスハッチ平行板ジオメトリ(TA item 518600.901)とステンレス鋼クロスハッチ基板(TA item 570011.001)を使用する。標準的な製造業者手順の通りに、流れ測定のためにレオメーターを準備する。平行板ジオメトリ間隔を1000マイクロメートルに設定する。以下の条件で流れ手順をレオメーターにプログラムした:25℃にて2分にわたって連続応力傾斜面0.1〜300Pa、線状モードでの250測定点を含む。例えば、組成物の必要とされる部分をプロフェッショナルヘアスタイリストの混合ボウル内でプロフェッショナルヘアスタイリストのブラシを用いて混合して、均質に混合された稠度を確保するように、最終毛髪染色混合物を調製する(標準混合時間1分)。生成物を標準手順通りにジオメトリの中に装填し、測定を混合物調製後5分の時点で開始する。剪断応力対剪断速度曲線から10秒-1剪断速度における剪断応力値を得、得られた剪断応力を10で除算することにより対応する粘度を計算する。
【0085】
毛根付着試験方法
40gの組成物混合物を室温にて黒色のプラスチックボウルに配置する。組成物を撹拌し、次にブラシを用いてボウルの一方の側に押す。その直後に、組成物とボウル組成物(the composition and the bowl composition)との間の境界面を、訓練を積んだプロフェッショナルスタイリストにより観察し、毛根付着指数を下記のように組成物に割り当てる:
RA 0=亀裂なし
RA 1=短く弱い亀裂、3秒以内に形成
RA 2=短い亀裂、5秒以内に形成
RA 3=長い亀裂、10秒以内に形成
RA 4=非常に長い亀裂、15秒以内に形成、
RA 5=強く長いひび、15秒後も形成持続。
【実施例】
【0086】
以下の実施例は、本発明による毛髪染色又は漂白組成物を説明する。本明細書に記載された実施例及び実施形態は例示だけが目的であり、それを考慮した様々な修正又は変更が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に示唆されるであろうことが理解される。
【0087】
全てが同等なリフトレベルに毛髪を漂白する、以下の毛髪漂白組成物を調製する。
【0088】
実施例
【0089】
【表1】

【0090】
上記に説明した試験方法を用いて比較例及び実施例の組成物についての、粘度及び毛根付着を測定したが、結果は以下に与える。0及び1の毛根付着値は、許容可能であると考えられる。比較例1及び2は従来技術の代表例であり、多糖濃度が低く、貧弱な毛根付着を呈する。
【0091】
【表2】

【0092】
下記の配合実施例7〜10もまた、本発明の成分の単一の可変的な影響を示すために、調製された。
【0093】
【表3】

【0094】
実施例7は比較例であり、本発明を代表しない実施例8及び9は、満足の行く毛根付着を呈さないが、一方、本発明を代表する実施例10は毛根付着を呈する。この実施例の組成物7〜10のイオン強度は全て0.40mol/kgである。
【0095】
従来技術の比較例
欧州特許第1832273(A)号からの実施例1をその指示に従って調製し、顕色剤配合11及び12と混合した。得られた混合物のイオン強度及び粘度を上記試験方法に従って決定した。どちらの配合についてもイオン強度は0.95モル/kgであり、粘度はそれぞれ3.3Pas(実施例1 &顕色剤11)及び7.6Pas(実施例1 &顕色剤12)であった。このような配合は、それゆえに、小売用途に典型的であり、かつ毛根付着問題を呈さない粘度値を有する。
【0096】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤と、ゲルネットワーク増粘系と、を含む、毛髪染色又は毛髪脱色組成物であって、前記ゲルネットワーク増粘系は、
i)C14〜30アルキルホスフェート、C14〜C30アルキルエーテルホスフェート又はこれらの混合物から選択される第一界面活性剤成分と、
ii)C14〜C30脂肪族アルコールから選択される第二成分と、
iii)ポリオキシエチレンC8〜C30アルキルエーテルから選択される第三界面活性剤成分と、を含み、ここで、前記組成物は、前記第一界面活性剤成分を少なくとも1%、前記第一界面活性剤成分と前記第二成分と前記第三界面活性剤成分の和を少なくとも3%含み、前記組成物は、多糖を少なくとも0.05%、並びに、プロピレングリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール及びこれらの混合物から選択されるポリオールを少なくとも3%更に含み、前記組成物は、0.75モル/kg未満のイオン強度と、9Pas〜16Pasの粘度と、を有する、毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項2】
前記多糖が、キサンタンガム又はサクシノグリカン及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項3】
前記組成物が、0.05〜0.125%の前記多糖を含む、請求項1に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項4】
前記ポリオールが、プロピレングリコールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項5】
少なくとも3.5%、好ましくは少なくとも4%の前記ポリオールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項6】
前記イオン強度が、0.1〜0.75モル/kg、好ましくは0.2〜0.6モル/kgである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項7】
前記組成物が、1〜3%の前記第一界面活性剤成分と、2〜8%の前記第二成分と、0.1〜5%の前記第三界面活性剤成分と、を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項8】
前記組成物が、アルカリ化剤の少なくとも1つの供給源、好ましくはアンモニウムイオン又はアンモニアの供給源を更に含む、請求項1に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項9】
前記第三界面活性剤が、少なくとも25個の、好ましくは100〜200個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物。
【請求項10】
前記組成物が、少なくとも1つの酸化染料前駆体及び/又は少なくとも1つの予備形成染料を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の毛髪染色組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物を毛髪に塗布する工程と、前記組成物を前記毛髪上に2〜60分にわたって置いておく工程と、続いて前記組成物を前記毛髪からすすぐ工程と、を含む、毛髪の処理方法。
【請求項12】
毛髪、好ましくは毛根への前記組成物の付着を改善するための、請求項1に記載の毛髪染色又は毛髪脱色組成物の使用。

【公表番号】特表2013−505244(P2013−505244A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529856(P2012−529856)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/048839
【国際公開番号】WO2011/034868
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】