説明

壁材ユニットの施工構造および施工方法

【課題】簡単な構成で手間および時間を必要とせず、かつ、壁体の所望の位置に脱着可能な壁材ユニットの施工構造および施工方法を提供する。
【解決手段】壁体11に壁材ユニット51を位置決めして取り付ける施工構造において、複数の位置決め用貫通孔22を有し、かつ、壁体11の所望の位置に取り付けられた位置決め用型紙21と、位置決め用貫通孔22を介して壁体11に位置決めされ、かつ、固定された係合具31と、裏面に設けた係合孔54を係合具31に脱着可能に係合し、壁体11に装着された壁材ユニット51と、からなる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音パネルなど壁材ユニットを壁体に固定するための壁材ユニットの施工構造および施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁体に壁材ユニットを固定するため、種々の施工構造および施工方法が提案されている。例えば、特許文献1においては、壁面に両面粘着テープを貼着し、この両面粘着テープにシート片を介して化粧板を貼り付けた後、シート片の外側からシール材を充填する施工構造が提案されている。
【0003】
しかし、前記施工構造では、一旦、壁体に化粧板を固定すると、取り外すことができないという問題があった。また、両面粘着テープで壁面に化粧板を仮固定した後、シール材を充填するので、壁面に化粧板を固定するのに手間および時間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−333864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で手間および時間を必要とせず、かつ、壁体の所望の位置に脱着可能な壁材ユニットの施工構造および施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る壁材ユニットの施工構造は、
壁体に壁材ユニットを位置決めして取り付ける施工構造において、
複数の位置決め用貫通孔を有し、かつ、前記壁体の所望の位置に取り付けられた位置決め用型紙と、
前記位置決め用貫通孔を介して前記壁体に位置決めされ、かつ、固定された係合具と、
裏面に設けた係合孔を前記係合具に脱着可能に係合し、前記壁体に装着された壁材ユニットと、
からなるものである。
【0007】
上記構造により、位置決め用型紙を介して壁材ユニットを壁体に簡単に位置決めできるだけでなく、係合具を介して壁材ユニットを壁体に簡単に固定できる。このため、現場施工における作業性が向上する。特に、係合具と係合孔との係合を解除することにより、壁体から壁材ユニットを簡単に取り外すこともできる。
【0008】
壁体に壁材ユニットを位置決めして取り付ける施工構造において、
前記壁体の所望の位置に取り付けられた位置決め用型紙の複数の位置決め用貫通孔を介して前記壁体に位置決めされ、かつ、固定された係合具と、
裏面に設けた係合孔を前記係合具に脱着可能に係合し、前記壁体に装着された壁材ユニットと、
からなることが好ましい。
【0009】
上記構造により、係合具を壁体に位置決めし、かつ、固定した後、壁体から位置決め用型紙を取り外すことにより、壁材ユニットを壁体に取り付けた状態で、壁体と壁材ユニットとの間の隙間から位置決め用型紙を視認できず、外観を綺麗に保つことができる。
【0010】
前記位置決め用型紙と前記壁材ユニットとが、同一外形寸法の方形からなり、前記位置決め用型紙と前記壁材ユニットとを合致させることにより、前記位置決め用貫通孔の底辺と前記係合孔の底辺とが一致することが好ましい。
本実施形態により、壁材ユニットを位置決め用型紙に合致させると、前記位置決め用貫通孔の底辺と前記係合孔の底辺とが一致するので、位置決めが簡単になり、現場施工が容易になる。
【0011】
前記位置決め用型紙の表面に、前記壁材ユニットの外形に合致する位置決め用表示部を設けることが好ましい。
本実施形態により、壁材ユニットを位置決め用型紙の位置決め用表示部の形状に合致させるだけで、壁体に壁材ユニットを簡単に位置決めして取り付けることができる。
【0012】
前記係合具が、前記壁体に対向する長方形形状の基板と、前記基板の上縁中央から上方に向かって延びる上部突起と、前記基板の下縁から湾曲し上方に向かって延びる弾性腕部とを有し、
前記壁材ユニットが、前記壁材ユニットの枠を構成する支持材からなり、前記支持材が前記係合具の上部突起と当接する前記係合孔を有すると共に、前記係合具の基板と弾性腕部とに挟持されることが好ましい。
【0013】
基板と弾性腕部との間で、壁材ユニットの支持材を挟持するので、壁材ユニットに外力が作用してもガタツキやズレを防止できる。また、弾性腕部が上方に延びることで、壁材ユニットに外力が作用し上方に押し上げられても支持材が簡単に弾性腕部から外れるのを防止できる。そして、位置決め用型紙により係合具を位置決めするので、壁体への壁材ユニットの取り付け精度を向上し、かつ、簡単な構成で手間をかけずに壁材ユニットを所望の位置に取り付けることができる。
【0014】
前記係合具が、両端が半円に形成された長方形形状の基板と、この基板の中央に水平方向に突設された弾性腕部と、からなり、
前記壁材ユニットに固定される係合受け具が、略菱形の基板と、長軸に沿って延在し、かつ、基板の中央に形成された略長方形形状の係合孔と、からなり、前記係合具の弾性腕部が前記係合受け具の係合孔に圧入されて弾性係合することが好ましい。
【0015】
上記構造により、係合具の弾性腕部が係合受け具の係合孔を支持するので、壁体に衝撃を受けても係合受け具と壁材ユニットとが容易に壁体から落下するのを防止できる。また、係合具と係合受け具とを係合するだけで、壁材ユニットを簡単に壁体に取り付けることができる。
【0016】
前記係合具が、下方に向けて延在し、かつ、外方に向かって湾曲してから真っ直ぐに延びる弾性爪を有し、
前記壁材ユニットに固定される係合受け具が、略菱形の基板と、長軸に沿って延びる、基板の中央に形成された略長方形形状の係合孔と、からなり、前記係合具の弾性爪が前記係合受け具の係合孔を挿通して係合することが好ましい。
【0017】
係合具の弾性爪が係合受け具の係合孔を支持するので、壁体に衝撃を受けても係合受け具と壁材ユニットとが容易に壁体から落下するのを防止できる。また、係合具と係合受け具とを係合するだけで、壁材ユニットを簡単に壁体に取り付けることができる。
【0018】
前記壁材ユニットが、前記支持材の外周縁部を被覆し、かつ、前記壁体に向かって突出する弾性材を備えることが好ましい。
本実施形態によれば、壁材ユニットを壁体に取り付けることにより、弾性材が弾性変形して壁体に密着するため、壁体と壁材ユニットとの間の隙間を塞ぎ、外観を美麗に保つことができる。
【0019】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定するものである。
【0020】
上記方法により、位置決め用型紙を介して壁材ユニットを壁体に簡単に位置決めできるだけでなく、係合具を介して壁材ユニットを壁体に簡単に固定できる。このため、現場施工における作業性が向上する。特に、係合具と係合孔との係合を解除することにより、壁体から壁材ユニットを簡単に取り外すこともできる。
【0021】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
前記位置決め用型紙を前記壁体から取り外し、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することが好ましい。
係合具を壁体に固定した後、位置決め用型紙を壁体から取り外すので、壁材ユニットを壁体に取り付けた状態で、壁体と壁材ユニットとの間の隙間から位置決め用型紙を視認できず、外観を綺麗に保つことができる。
【0022】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に、前記位置決め用貫通孔の底辺と対向する底辺を備えた係合孔を有する壁材ユニットを、前記位置決め用型紙に合致させることにより、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することが好ましい。
本実施形態によれば、壁材ユニットを位置決め用型紙に合致させると、位置決め用貫通孔の底辺と係合孔の底辺とが一致するので、位置決めが簡単になり、現場施工が容易になる。
【0023】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記位置決め用型紙の表面に設けた前記壁材ユニットの外形に合致する位置決め用表示部に合致させることにより、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することが好ましい。
本実施形態により、壁材ユニットを位置決め用型紙の位置決め用表示部の形状に合致させるだけで、壁体に壁材ユニットを簡単に位置決めして取り付けることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、位置決め用型紙を介して壁材ユニットを壁体に簡単に位置決めできるだけでなく、係合具を介して壁材ユニットを壁体に簡単に固定できる。このため、現場施工における作業性が向上する。特に、係合具と係合孔との係合を解除することにより、壁体から壁材ユニットを簡単に取り外すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る壁材ユニットを使用した施工構造の第1実施形態を示す分解側面図である。
【図2】図2Aは図1で示した位置決め用型紙の正面図、図2Bは図2Aの変形例を示す正面図である。
【図3】図3Aは図1で示した係合具の正面図、図3Bは図3Aの側面図である。
【図4】図4Aは図3の係合具を壁体に取り付けるピン孔部材の正面図、図4Bは図4Aの側面図である。
【図5】図5Aは図1で示した吸音パネルの平面図、図5Bは図5Aの正面図、図5Cは図5Aの背面図である。
【図6】図6Aは吸音パネルを係合具に嵌め込んだ最初の状態を示す正面図、図6Bは壁体に係合具を取り付けた状態を示す側面図と係合具に装着する前の吸音パネルの断面図、である。
【図7】図7Aは吸音パネルを係合具に装着し位置決めした状態を示す正面図、図7Bは図7AのB−B線断面図である。
【図8】本発明に係る壁材ユニットを使用した施工構造の実施形態を示す正面図である。
【図9】図8の変形例を示す正面図である。
【図10】図8の更なる変形例を示す正面図である。
【図11】図8の更なる変形例を示す正面図である。
【図12】図8の更なる変形例を示す正面図である。
【図13】図13Aは図2に示す位置決め用型紙の第2実施形態を示す正面図、図13Bは図13Aの変形例を示す正面図である。
【図14】図14Aは図3に示す係合具の第2実施形態の中で壁体に固定する係合具の正面図、図14Bは図14Aの側面図である。
【図15】図15Aは係合受け具の上面図、図15Bは図15AのB−B線断面図、図15Cは図15AのC−C線断面図である。
【図16】図16Aは図5で示した吸音パネルの第2実施形態を示す側面図、図16Bは図16Aの正面図、図16Cは図16Aの背面図である。
【図17】図17Aは壁体に図14の係合具を取り付けた状態を示す側面図と係合具に装着する前の図15の係合受け具と図16の吸音パネルの断面図、図17Bは図17Aの吸音パネルを壁体に取り付けた状態を示す図17Aの側面図と断面図である。
【図18】図18Aは図2に示す位置決め用型紙の第3実施形態を示す正面図、図18Bは図18Aの変形例を示す正面図である。
【図19】図19Aは第3実施形態に係る係合具の正面図、図19Bは図19Aの側面図、図19Cは係合具にピン孔部材を取り付けた図19AのC−C線側面図である。
【図20】図20Aは図5で示した吸音パネルの第3実施形態を示す平面図、図20Bは図20Aの正面図、図20Cは図20Aの背面図である。
【図21】図21Aは壁体に図19の係合具を取り付けた状態を示す側面図と係合具に装着する前の図20の吸音パネルと係合受け具の断面図、図21Bは図21Aの吸音パネルを係合具に装着した状態を示す図21Aの側面図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の第1実施形態を図1から図7に従って説明する。
本発明の第1実施形態に係る施工構造は図1に示すように、壁体11に取り付けられる位置決め用型紙21と、この位置決め用型紙21を介して壁体11に取り付けられる係合具31と、この係合具31に脱着可能に係合し、前記壁体11に取り付けられる壁材ユニットである吸音パネル51とで構成されている。
【0027】
位置決め用型紙21は、図2Aに示すように、例えば、正方形形状の厚さ0.3mmの厚紙からなる。前記位置決め用型紙21には左右対称に一対の凸状の位置決め用貫通孔22が形成されている。この位置決め用貫通孔22は、下側に位置する長方形形状の下側孔23と、上側に位置し、かつ、下側孔23よりも小さな上側孔24とからなる。この下側孔23は後述する係合具31の基板32の外形寸法と一致するように形成され、前記上側孔24は後述する係合具31の上部突起35の外形寸法と一致するように形成されている。ただし、位置決め用型紙21の厚さは0.3mmに限定されず、0.3mmよりも薄くてもよく、厚くてもよい。また、位置決め用貫通孔22は2つに限定されず、図2Bに示すように、隅部にそれぞれ設けておいてもよい。
【0028】
係合具31は図3Aおよび図3Bに示すように、長方形形状の基板32と、この基板32の上部中央に設けられた円形孔33と、この円形孔33の近傍に設けられた補助孔34と、基板32の上縁中央から上方に向かって延びる上部突起35と、基板32の下縁から湾曲し、かつ、上方に向かって延びる一対の弾性腕部36とを備えている。そして、係合具31は樹脂により一体成形されている。なお、図3B中、矢印Xの方向を奥側、矢印Xの反対方向を手前側とよぶ。このため、係合具31を壁体11に固定する場合には、壁体11に対して奥側に向けて移動させる。
【0029】
基板32の一対の弾性腕部36の間には、手前側に向かって立ち上がるように第1リブ37aが鉛直方向に突設していると共に、基板32の下辺縁部に第2リブ37bが前記弾性腕部36に向かって突設している。これら第1,第2リブ37a,37bを設けることで、係合具31の強度が向上する。
【0030】
円形孔33の周りには基板32から手前側に向かって円環状周壁33aが突設しており、この円環状周壁33aを取り囲むように3辺からなる立壁33bが形成されている。円環状周壁33aの内側には、後述するピン孔部材41が装着される。
【0031】
補助孔34は、円形孔33から水平方向に所定の間隔を隔てて設けられており、基板32の手前側から奥側に向かって径が小さくなるすり鉢形状である。ただし、補助孔34は、係合具31を壁体11に取り付けたときに、係合具31が円形孔33を中心として回動しないように防止できればよく、特に配置位置は限定されない。
【0032】
上部突起35はL字断面であり、基板32の上縁中央部から手前側に向かって水平方向に延び、後述する吸音パネル51を上下方向に位置決めする位置決め面35aと、この位置決め面35aの手前側端部から上方に向かって延びる鉛直面35bと、から構成されている。
【0033】
弾性腕部36は、図3Bに示すように、基板32の下縁から断面視略J字形状に湾曲し、かつ、基板32との間に後述する吸音パネル51を挟持する挟持部36aと、基板32から離れるように上方に向かって延びるガイド用上端部36bと、を有している。基板32と挟持部36aとの間隔L1は、例えば2mmであり、基板32と弾性腕部36のガイド用上端部36bとの間隔は、後述する吸音パネル51の支持材53の厚さよりも広くなるように構成されている。
【0034】
ピン孔部材41は、図4に示すように、上部が円錐台形状に形成された円柱部42と、この円柱部42の底面から突出する断面円形の突出部43とを有する。ピン孔部材41には円柱部42のテーパ面から突出部43の底面まで貫通する3本のピン孔44が、それぞれ干渉しないように設けられ、石膏用ピン46(図6B参照)を挿通するようになっている。
【0035】
吸音パネル51は、図5Aから図5Cに示すように、正面視正方形形状の吸音材52と、この吸音材52を支持する支持材53とから構成されている。吸音材52は、音を吸収する特殊クロスからなり、表面に向かって起伏し、かつ、音を吸収する吸音部52aと、支持材53の外周縁部を覆い、かつ、支持材53よりも奥側に向かって突出している、例えば、発泡ウレタンなどの弾性材からなる被覆部52b(図6B参照)と、を一体化したものである。支持材53は吸音材52の裏側に設けられた正方形の板形状であり、その中央には左右対称に一対の係合孔54が形成されている。係合孔54は、下側に位置する略正方形形状の下側孔54aと、上側に位置する長方形形状の上側孔54bとからなる。支持材53の厚さL2は4mmである。
【0036】
次に、前述の構成部材の組立工程について説明する。
まず、壁体11の吸音パネル51を配置したい場所に位置決め用型紙21を必要枚数、取り付ける。この取り付けは、テープあるいは画鋲などを用いて行う。ついで、位置決め用型紙21の位置決め用貫通孔22に係合具31を嵌め込んで壁体11に位置決めする。このとき、位置決め用型紙21の下側孔23と係合具31の基板32とが一致している。そして、図6Bに示すように、係合具31の円形孔33にピン孔部材41を嵌め込み、ピン孔44にそれぞれ石膏用ピン46を挿通する。この石膏用ピン46をピン孔部材41を介し壁体11に打ち込むことにより、壁体11に係合具31を固定できる。また、補助孔34にも少なくとも1本の石膏用ピン46を差し込み、壁体11に打ち付ける。従って、石膏用ピン46で係合具31を壁体11に固定するので、壁体11の表面に傷が付くのを防止できる共に、壁体11に衝撃力が加わっても、係合具31と吸音パネル51とが壁体11から落下するのを防止できる。また、係合具31を石膏用ピン46を用いて円形孔33と補助孔34との2点で壁体11に固定するので、係合具31が円形孔33を中心として回動することがない。
【0037】
続いて、吸音パネル51を係合具31に取り付ける。具体的にはまず、図6に示すように、係合具31の正面から吸音パネル51に設けた下側孔54aの底辺と、係合具31の弾性腕部36の底辺とが合致するように、係合具31に向かって吸音パネル51を移動させる。これにより、下側孔54aが弾性腕部36と第1リブ37aを通過し、上側孔54bが上部突起35の鉛直面35bを通過することにより、支持材53が壁体11と位置決め用型紙21とに接近する。
そして、吸音パネル51を下方に移動させると、支持材53が基板32と弾性腕部36との間に上方から差し込まれ、挟持部36aに摺接する。そして、図7Bに示すように、上側孔54bの上端が位置決め面35aに当接するまで基板32と弾性腕部36との間を下方に移動させる。これにより、係合具31を介して壁体11に吸音パネル51を固定できる。
このとき、基板32と弾性腕部36のガイド用上端部36bとの間隔が、吸音パネル51の基板32の厚さより大きく開口しているため、支持材53が基板32と弾性腕部36との間に挿入し易くなっている。また、基板32と挟持部36aとの間で、吸音パネル51の支持材53を挟持するので、吸音パネル51に外力が作用しても、ガタツキやズレを防止できる。更に、弾性腕部36が上方に延びているで、吸音パネル51が外力で上方に押し上げられても、支持材53が弾性腕部36から外れるのを防止できる。そして、吸音材52の被覆部52bが支持材53の外周縁部を覆うと共に、弾性変形して壁体11に密着している。このため、吸音パネル51を壁体11に取り付けた状態で吸音パネル51と壁体11との間の隙間を塞ぎ、かつ、位置決め用型紙21が外部から見えず、外観を綺麗に保つことができる。
【0038】
本実施形態によれば、位置決め用型紙21で係合具31を位置決めするので、壁体11に対する吸音パネル51の取り付け精度が向上すると共に、かつ、簡単な構成で手間をかけずに吸音パネル51を所望の位置に設けることができる。特に、吸音パネル51は家具の配置、リスニングポイント、オーディオの設置位置によって配設したい場所が異なる場合があり、吸音パネル51の配設場所を変えながら吸音効果があるポイントを探す場合もある。その際、手間をかけず、かつ、壁体11を傷めずに吸音パネル51の取付作業を繰り返すことにより、好適な場所に配設できる。また、吸音パネル51をピアノなど楽器の裏面に配設して調音することも可能である。
【0039】
上述した壁体11への吸音パネル51の取り付けを順次、繰り返すことで、例えば図8に示すように、吸音パネル51を隣接して鉛直に3つずつ並べ、これを水平方向に所定の間隔を隔てて2列に配設することができる。変形例として図9に示すように、4つの吸音パネル51を全体として菱形になるように配設してもよい。また、図10に示すように、鉛直方向に3つ、水平方向に3つの吸音パネル51を配設し、計9つの吸音パネル51が全体として正方形になるように配設してもよい。更に、図11に示すように、吸音パネル51の方向性を異ならせてもよい。そして、図12に示すように、4つの吸音パネル51を鉛直方向に千鳥状に配設してもよい。
【0040】
本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
前記実施形態では、係合具31を壁体11に固定するために石膏用ピン46を用いたが、石膏用ピンに代えて壁体11の素材に合わせて、ビスを用いてもよい。また、前記実施形態では吸音パネル51を壁体11に取り付けたが、吸音パネル51以外でも、ある程度重量物である収納、長押、調湿、不燃パネルを意匠に考慮しながら自在に配置できる。更に、前記実施形態では正方形の吸音パネル51を壁体11に取り付けたが、正方形に限定されず丸型や多角形であってもよく、寸法も特に限定されない。
また、前記実施形態では、位置決め用型紙21を壁体11に貼着したままの状態で係合具31および吸音パネル51を取り付けたが、位置決め用型紙21を壁体11から取り外した後、係合具31および吸音パネル51を取り付けてもよい。そして、前記実施形態では位置決め用型紙21に位置決め用貫通孔22を予め形成していたが、これに代えて、この位置決め用貫通孔22の外形と同じ形状に位置決め用型紙21にミシン目を入れると共に、ミシン目の内側にミシン目の形状に一致するように位置決め用型紙21の係合具31と対向する面に両面テープを貼り付けておいてもよい。この場合、位置決め用型紙21を壁体11に取り付けた後、位置決め用型紙21と前記両面テープとを介し係合具31を壁体11に仮止めする。これによれば、両手で治具を用いて係合具31に取り付けた石膏用ピン46を壁体11に打ち込むことができる。その後、位置決め用型紙21をミシン目に沿って切り取り、壁体11から取り外してもよい。
【0041】
更なる変形例として、位置決め用型紙21と壁材ユニット51とが、同一外形寸法の方形からなり、位置決め用型紙21と壁材ユニット51とを合致させることにより、位置決め用貫通孔22の底辺と係合孔54の底辺とが一致する構成を採用してもよい。これにより、壁材ユニット51を位置決め用型紙21に合致させることで簡単に位置決めできる。また、このとき、位置決め用貫通孔22の底辺と係合孔54の底辺とが一致するので、係合具31と壁材ユニット51の係合孔54とを簡単に一致させることができる。ただし、位置決め用型紙21と壁材ユニット51とを合致させた後、壁材ユニット51の支持材53を係合具31の基板32と弾性腕部36との間に挿入し、下方に落とし込むと、位置決め用型紙21の上側が露出する。この露出する部分と壁材ユニット51の裏側に隠れる部分との境にミシン目を入れ、露出する部分を切り取るようにすることで、一層、外観を美麗に保つことができる。
上記構成に代えて、位置決め用型紙21の表面に、壁材ユニット51の外形に合致する位置決め用表示部を設ける構成を採用してもよい。ここで、壁材ユニット51および位置決め用表示部の形状は、例えば、三角形形状や円形であってもよく、特に限定されない。これにより、壁材ユニット51を位置決め用表示部の形状に合致させるだけで、壁体11に簡単に位置決めして取り付けることができる。
【0042】
前記実施形態では、吸音パネル51を壁体11に取り付けるため本発明に係る施工構造および施工方法を使用したが、これに限定されない。例えば、住宅や店舗等の壁面を短時間で模様替えし、または喫煙室など汚れやすい箇所に設けたパネルを脱着する場合にも、本発明の施工構造および施工方法を用いることで簡単に行える。同様に、意匠的な目的から部分的に化粧壁としてのパネルを位置決め用型紙により壁体に設置できる。更に、居室、防音室に限らずトイレ、玄関、廊下、その他の未利用空間に棚を設置するのに使用できる。または、化粧材以外に、フックに吊し紐が露出する絵画、賞状などの飾り板も紐が露出することなく、位置決め用型紙により簡単に位置決めできる。そして、コルクボードや掲示板にも同様に使用でき、これらをオフィス、店舗、住宅などにおいて、模様替えの際にも同様に壁を傷つけ難く行える。また、パネルの取替え等を専門業者だけでなく、個人が行うことも可能となる。
【0043】
図13から図17に本発明の第2実施形態である壁材ユニットの施工構造および施工方法について説明する。
本発明の第2実施形態に係る施工構造は図17に示すように、壁体11に取り付けられた位置決め用型紙21と、この位置決め用型紙21を介して壁体11に取り付けられた係合具61と、この係合具61に脱着可能に係合する係合受け具71と、この係合受け具71を介して前記壁体11に取り付けられた壁材ユニットである吸音パネル51とで構成されている。ただし、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図13に示すように、位置決め用型紙21の位置決め用貫通孔22は鉛直方向に延びる長孔形状であり、両端が半円に形成されている。
【0045】
図14に示す係合具61は、壁体11に、位置決め用型紙21を介して位置決めされて固定される。この係合具61は両端が半円に形成された長方形形状の基板62と、この基板62の中央に設けられた弾性腕部63と、基板62の両端に形成された一対の円形穴64と、を備えている。弾性腕部63は一対の弾性爪65からなり、この弾性爪65はそれぞれ基板62から図中矢印X方向と反対の手前側に水平方向に延びる支持部65aと、この支持部65aから延び外方に向かって膨らむ半円形状の湾曲部65bと、を有し、前記湾曲部65bの先端に端部65cが相互に近接するように形成されている。基板62の弾性爪65と円形孔64との間には、手前側に向かって突出する位置規制用リブ66が係合具61の長手方向と直交する方向に突設されている。
【0046】
係合受け具71は、後述する吸音パネル51の支持材53に予め取り付けられる。この係合受け具71は、図15Aに示す平面視が略菱形の基板72と、長軸に沿って延在し、かつ、基板72の中央に形成された略長方形形状の係合孔73と、係合孔73の縁に沿って図15A中、奥側に向かって延びる円筒部74(図15Bおよび図15C参照)と、基板72の長軸の両端に形成された円形の取付孔75とを備えている。
【0047】
図16に示す吸音パネル51の支持材53には、隅部に4つの吸音パネル側取付孔81が形成されており、この吸音パネル側取付孔81は、その中央が外方に向かって弓状に湾曲している湾曲部82を有する略長方形形状の孔である。また、吸音パネル側取付孔81の湾曲部82の両側にはビス孔83が形成されている。
【0048】
次に、前述の構成部材の組立工程について説明する。
まず、予め吸音パネル51の吸音パネル側取付孔81およびビス孔83に係合受け具71を装着する。具体的には、吸音パネル側取付孔81の湾曲部82の内側に係合受け具71の係合孔73が位置し、ビス孔83に係合受け具71の取付孔75が一致するように、支持材53に係合受け具71を位置決めする。そして、取付孔75からビス(図示せず)を差し込み、ビス孔83にビスを挿通することで支持材53に係合受け具71を装着しておく。
次に、壁体11の吸音パネル51を配置したい場所に位置決め用型紙21を必要枚数、取り付け、位置決め用型紙21の位置決め用貫通孔22に嵌め込むように係合具61を壁体11に位置決めする。
そして、図17Aに示すように、係合具61の円形孔64にピン孔部材41を嵌め込み、ピン孔44にそれぞれ石膏用ピン46を挿通する。この石膏用ピン46がピン孔部材41を介し壁体11に打ち込まれることで、壁体11に係合具61を固定できる。
【0049】
続いて、吸音パネル51を、係合受け具71を介し係合具61に取り付ける。具体的にはまず、係合具61の正面から弾性腕部63と、係合受け具71の係合孔73とが一致するように、係合具61に向かってX方向に吸音パネル51を移動させる。すると、係合孔73が弾性爪65の端部65cを通過し、湾曲部65bと摺接しつつ移動し位置規制用リブ66と係合受け具71の基板72とが当接し、図17Bに示すように係合受け具71の係合孔73が弾性爪65の支持部65aと係合して支持される。これにより、4カ所の係合具61と係合受け具71とを介して壁体11に吸音パネル51を固定できる。
本実施形態によれば、石膏用ピン46で係合具61を壁体11に固定するので、壁体11の表面に傷が付くのを防止できる。また、係合具61の弾性腕部63が係合受け具71の係合孔73を支持するので、壁体11に衝撃を受けても係合受け具71と吸音パネル51とが容易に壁体11から落下するのを防止できる。更に、係合具61を石膏用ピン46を用いて2カ所の円形孔64により壁体11に固定するので、係合具61が円形孔64の周りに回動することがない。ついで、上述した壁体11への吸音パネル51の取り付けを順次、繰り返すことで吸音パネル51を壁体11の所望の位置に簡単に配設できる。
【0050】
図18から図21に本発明の第3実施形態である壁材ユニットの施工構造および施工方法について説明する。本発明の第3実施形態に係る施工構造は図21に示すように、壁体11に取り付けられた位置決め用型紙21と、この位置決め用型紙21を介して壁体11に取り付けられた係合具91と、この係合具91に脱着可能に係合する係合受け具71と、この係合受け具71を介して前記壁体11に取り付けられた壁材ユニットである吸音パネル51とで構成されている。ただし、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、図18に示すように、位置決め用型紙21の位置決め用貫通孔22は上側に位置する円形の上側孔24と、下側に位置し上側孔24に連続する長方形形状の下側孔23と、から構成されている。
【0051】
係合具91は図19に示すように、同心円上に円形孔92を有する円形の取付部93と、この取付部93から下方に延び、X方向と反対の手前側に向かって湾曲してから真っ直ぐに延びる係止部94と、を有する。前記円形孔92の外周縁部に環状段部95が設けられており、この環状段部95にピン孔部材41の突出部43が嵌合する。
【0052】
図20に示す吸音パネル51の支持材53には、隅部に4つの吸音パネル側取付孔101が形成されており、この吸音パネル側取付孔101は、その下側に位置する円形の下側孔102と、この下側孔102に連続し上方に向かって延びる上側孔103と、を備えている。また、下側孔102の両側には円形のビス孔104が形成されている。
【0053】
次に、前述の構成部材の組立工程について説明する。
まず、予め吸音パネル51の吸音パネル側取付孔101およびビス孔104に係合受け具71を装着する。具体的には、吸音パネル側取付孔101の下側孔102の内側に係合受け具71の係合孔73が一致し、ビス孔104に係合受け具71の取付孔75が一致するように、支持材53に対し係合受け具71を位置決めする。そして、取付孔75からビス(図示せず)を差し込み、ビス孔104にビスを挿通することで支持材53に係合受け具71を装着しておく。
次に、壁体11の吸音パネル51を配置したい場所に位置決め用型紙21を必要枚数、取り付け、位置決め用型紙21の位置決め用貫通孔22に係合具91を嵌め込み、壁体11に位置決めする。
そして、図21Aに示すように、係合具91の環状段部95にピン孔部材41を嵌め込み、ピン孔44にそれぞれ石膏用ピン46を挿通する。この石膏用ピン46がピン孔部材41を介し壁体11に打ち込まれることで、壁体11に係合具91を固定できる。
【0054】
続いて、吸音パネル51を、係合受け具71を介し係合具91に取り付ける。具体的にはまず、係合具91の正面から弾性爪94と、係合受け具71の係合孔73とが一致するように、係合具91に向かってX方向に吸音パネル51を移動させる。すると、係合孔73が弾性爪94の端部を通過する。そして、吸音パネル51を下方側に移動させることにより、係合孔73と弾性爪94とが係合し、支持される(図21B参照)。これにより、4カ所の係合具91と係合受け具71とを介して壁体11に吸音パネル51を固定できる。
従って、石膏用ピン46により係合具91を壁体11に固定するので、壁体11の表面に傷が付くのを防止できる。また、係合具91の弾性爪94が係合受け具71の係合孔73を支持するので、壁体11に衝撃を受けても係合受け具71と吸音パネル51とが容易に壁体11から落下するのを防止できる。そして、上述した壁体11への吸音パネル51の取り付けを順次、繰り返すことで吸音パネル51を壁体11の所望の位置に簡単に配設できる。
【0055】
なお、前述した実施形態では、壁体11に取り付けた位置決め用型紙21を目視することにより、吸音パネル51の装着後の状況を事前に想像できる。また、前記実施形態では、吸音パネル51を壁体11に装着する前の位置決めの際に、吸音パネル51を位置決め用型紙21または位置決め用表示部に合致させたが、これに代えて、吸音パネル51を壁体11に装着した後に、吸音パネル51が位置決め用型紙21または位置決め用表示部に合致する構成としてもよい。これにより、吸音パネル51の装着後、壁体11の所望の位置に正確に位置決めできたことを確認できる。
【符号の説明】
【0056】
11 壁体
21 位置決め用型紙
22 位置決め用貫通孔
31 係合具
32 基板
33 円形孔
34 補助孔
35 上部突起
36 弾性腕部
36a 挟持部
36b ガイド用上端部
41 ピン孔部材(締結部材)
44 ピン孔
46 石膏用ピン(締結部材)
51 吸音パネル(壁材ユニット)
52 吸音材
53 支持材
54 係合孔
61 係合具
62 基板
63 弾性腕部
64 円形孔
71 係合受け具
72 基板
73 係合孔
74 円筒部
75 取付孔
81 吸音パネル側取付孔
82 湾曲部
83 ビス孔
92 円形孔
93 取付部
94 弾性爪
101 吸音パネル側取付孔
102 下側孔
103 上側孔
104 ビス孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体に壁材ユニットを位置決めして取り付ける施工構造において、
複数の位置決め用貫通孔を有し、かつ、前記壁体の所望の位置に取り付けられた位置決め用型紙と、
前記位置決め用貫通孔を介して前記壁体に位置決めされ、かつ、固定された係合具と、
裏面に設けた係合孔を前記係合具に脱着可能に係合し、前記壁体に装着された壁材ユニットと、
からなることを特徴とする壁材ユニットの施工構造。
【請求項2】
壁体に壁材ユニットを位置決めして取り付ける施工構造において、
前記壁体の所望の位置に取り付けられた位置決め用型紙の複数の位置決め用貫通孔を介して前記壁体に位置決めされ、かつ、固定された係合具と、
裏面に設けた係合孔を前記係合具に脱着可能に係合し、前記壁体に装着された壁材ユニットと、
からなることを特徴とする壁材ユニットの施工構造。
【請求項3】
前記位置決め用型紙と前記壁材ユニットとが、同一外形寸法の方形からなり、前記位置決め用型紙と前記壁材ユニットとを合致させることにより、前記位置決め用貫通孔の底辺と前記係合孔の底辺とが一致することを特徴とする請求項1に記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項4】
前記位置決め用型紙の表面に、前記壁材ユニットの外形に合致する位置決め用表示部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項5】
前記係合具が、前記壁体に対向する長方形形状の基板と、前記基板の上縁中央から上方に向かって延びる上部突起と、前記基板の下縁から湾曲し上方に向かって延びる弾性腕部とを有し、
前記壁材ユニットが、前記壁材ユニットの枠を構成する支持材からなり、前記支持材が前記係合具の上部突起と当接する前記係合孔を有すると共に、前記係合具の基板と弾性腕部とに挟持されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項6】
前記係合具が、両端が半円に形成された長方形形状の基板と、この基板の中央に水平方向に突設された弾性腕部と、からなり、
前記壁材ユニットに固定される係合受け具が、略菱形の基板と、長軸に沿って延在し、かつ、基板の中央に形成された略長方形形状の係合孔と、からなり、前記係合具の弾性腕部が前記係合受け具の係合孔に圧入されて弾性係合することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項7】
前記係合具が、下方に向けて延在し、かつ、外方に向かって湾曲してから真っ直ぐに延びる弾性爪を有し、
前記壁材ユニットに固定される係合受け具が、略菱形の基板と、長軸に沿って延びる、基板の中央に形成された略長方形形状の係合孔と、からなり、前記係合具の弾性爪が前記係合受け具の係合孔を挿通して係合することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項8】
前記壁材ユニットが、前記支持材の外周縁部を被覆し、かつ、前記壁体に向かって突出する弾性材を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の壁材ユニットの施工構造。
【請求項9】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することを特徴とする壁材ユニットの施工方法。
【請求項10】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
前記位置決め用型紙を前記壁体から取り外し、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することを特徴とする壁材ユニットの施工方法。
【請求項11】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に、前記位置決め用貫通孔の底辺と対向する底辺を備えた係合孔を有する壁材ユニットを、前記位置決め用型紙に合致させることにより、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することを特徴とする請求項9に記載の壁材ユニットの施工方法。
【請求項12】
壁材ユニットを壁体に位置決めして取り付ける施工方法において、
位置決め用貫通孔を有する位置決め用型紙を前記壁体の所望の位置に取り付け、
前記位置決め用型紙の位置決め用貫通孔に係合具を嵌合して位置決めすると共に、前記壁体に固定した後、
裏面に係合孔を有する壁材ユニットを、前記位置決め用型紙の表面に設けた前記壁材ユニットの外形に合致する位置決め用表示部に合致させることにより、前記係合孔と前記係合具とを係合させて壁体に固定することを特徴とする請求項9に記載の壁材ユニットの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−77480(P2012−77480A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221917(P2010−221917)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】