説明

変位センサ

【課題】実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能な変位センサを提供する。
【解決手段】設定された設定項目(フィードバック回数及び分割条件)に基づいて対象物Wの測定を行い、二次元CCD14からの受光信号に基づいて対象物Wの測定値信号を出力する制御部16と、測定手段から測定値信号が出力される出力周期を設定するための出力周期設定部22とを備える。そして、制御部16は、設定項目に基づいて制御部16にて対象物Wの測定を行う際の測定時間を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的手段を用いる変位センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の変位センサとして、測定する対象物の変位や表面形状等を三角測量の原理を用いて測定するものが知られている。この種の変位センサでは、投光部から光を対象物に照射させて、その対象物からの反射光をイメージセンサ等の受光部にて受光し、その受光信号から得られる測定値信号を出力して対象物までの距離や対象物の変位や表面形状等の測定を行うものである(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような変位センサでは、測定結果に応じた出力信号が所定の周期(出力周期)で出力され、ユーザは出力周期で出力される出力信号を受けて何らかの制御を行う。そのため、ユーザ側では出力周期を把握しておかないと出力信号を正しく利用できない虞があった。そこで、ユーザが出力周期を選択し、その選択した出力周期で出力信号を出力可能な変位センサが考えられている。このような変位センサでは、選択可能な複数の出力周期はいずれも1回の測定に最低限必要な時間(測定時間)より長い周期に設定されており、ユーザによって或る出力周期が選択されると、その選択された出力周期に応じたウェイティング時間が測定時間に加算され、それにより、選択された出力周期で出力信号が出力されるようになっている。
【0004】
また、従来の変位センサにおいて、投光部の投光量が一定であったとしても、例えば対象物の測定部位毎での表面状態や材質等が変化することに起因する反射率の変化により受光部での受光量が大きく変動してしまい、適切な測定がなされない虞があった。そこで、受光部の受光に基づいて投光部の投光量や受光部の増幅率等をフィードバック調整し、対象物に対しても適切な測定が行われるように構成されているものがある。このような構成では、投光部の投光量や受光部の増幅率等の適切な調整がなされた後での測定の結果が出力信号として出力されるようになっている。
【0005】
また、従来の変位センサにおいて、帯状の光を対象物に照射、又は光を走査して照射する投光手段と、互いに直交する第1の方向及び第2の方向に行列状に配置された複数の画素を有する受光面を備え、対象物からの反射光を受光してその受光量に応じた受光信号を出力する二次元受光手段とを備えるものがある。このような二次元の変位センサでは、複数の画素の第2の方向に沿った複数の走査線毎に受光信号を読み取り、該受光信号に基づいて得られる受光波形の受光中心位置(ピーク位置又は重心位置)を検出する処理を走査線毎に行うことで受光像を得ることができ、その受光像から対象物の変位や対象物までの距離や表面形状等を測定するようになっている。この二次元の変位センサでは、測定時間を短縮させるべく、読み取る走査線Lを選択可能とした構成を備えたものがあり、その読み取る走査線Lに関する分割条件を予め設定することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−50711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、上記したような分割条件が設定可能な変位センサでは、分割条件によっては実際に必要な測定時間がユーザが選択した出力周期よりも長くなってしまう状況が生じ、この場合、ユーザが選択した出力周期で出力信号が出力されないといった問題が生じてしまう。また、近年の変位センサでは、上記した分割条件等の、実際に必要とされる測定時間に関わるパラメータが、ユーザ側で設定できるように複数用意されているものがあり、そのような変位センサでは、ユーザがそのパラメータの設定項目から実際に必要とされる測定時間を推測することが極めて困難となる。そのため、ユーザが出力周期を実際に必要とされる測定時間よりも短くならないようにおよその推測で設定することが困難となり、この点においてなお改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能な変位センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、対象物に光を照射する投光手段と、その照射に基づく前記対象物からの反射光を受光し受光信号を得る受光手段と、測定に関わる設定項目を設定するための設定手段と、前記設定手段で設定された設定項目に基づいて前記対象物の測定を行い、前記受光手段からの受光信号に基づいて前記対象物の測定値信号を出力する測定手段と、前記測定手段から測定値信号が出力される出力周期を可変するための出力周期可変手段とを備える変位センサであって、前記設定手段は、前記測定手段にて前記対象物の測定を行う際の測定時間に影響を及ぼす前記設定項目を設定変更可能とされており、前記設定手段で設定された設定項目に基づいて前記測定手段にて前記対象物の測定を行う際の前記測定時間を計測する測定時間計測手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明では、測定時間計測手段にて計測された測定時間に基づいて出力周期を設定可能であるため、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の変位センサにおいて、前記設定項目を複数項目に亘って設定変更可能とされていることを特徴とする。
この発明では、実際に必要とされる測定時間に影響を及ぼす設定項目が複数あるためにその測定時間が特に推測しづらい変位センサにおいて、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の変位センサにおいて、前記受光手段での受光量に基づいてフィードバック調整を行うフィードバック調整手段を備え、変更可能な前記設定項目には、前記フィードバック調整手段によるフィードバック調整の回数が含まれることを特徴とする。
【0013】
この発明では、フィードバック調整の回数を設定可能な変位センサにおいて、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位センサにおいて、 前記測定時間計測手段での計測結果を表示するための計測結果表示手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明では、実際に必要とされる測定時間(測定時間計測手段の計測結果)が計測結果表示手段に表示されるため、ユーザはその表示に基づき、実際に必要とされる測定時間よりも長い出力周期を設定することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変位センサにおいて、前記出力周期を設定するための出力周期設定手段を備え、前記出力周期設定手段では、前記出力周期の設定が、前記測定時間計測手段にて計測された前記測定時間以上にしか設定できないように構成されたことを特徴とする。
【0017】
この発明では、実際に必要とされる測定時間よりも長い出力周期をユーザが選択してしまう誤操作を防止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の変位センサにおいて、前記出力周期設定手段にて選択可能な前記出力周期を示すための選択項目表示手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明では、実際に必要とされる測定時間よりも長い出力周期をユーザが選択してしまう誤操作をより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0019】
従って、上記記載の発明によれば、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における変位センサの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】変位センサの一部を示す概略構成図である。
【図3】変位センサの一部を示す斜視図である。
【図4】制御部の制御態様を示すフローチャートである。
【図5】制御部の制御態様を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の変位センサ10は、レーザ光源11及び二次元CCD14を備えている。この変位センサ10は、レーザ光源11から出射された光を挿通板12のスリット12Aを通過させて線状にし、その線状の光を対象物Wの表面に照射させ、その対象物Wからの反射光を二次元CCD14の撮像面14A上にて受光する。このとき、撮像面14A上に形成される受光像(受光中心位置)は、変位センサ10と対象物の表面(被照射面)までの距離に応じて変化するため、対象物Wの表面の形状に応じて変化する。例えば対象物Wの表面が平坦である場合には、撮像面14A上に形成される受光像は上記スリット12Aの開口形状と同じ形状(例えば直線状)になる。また、その表面が基準面よりも変位している場合には、受光中心位置からオフセットした位置に受光像が現れる。このため、撮像面14A上に形成される受光像(受光中心位置)に基づいて対象物Wの変位や表面形状等を測定することができる。
【0022】
なお、本実施形態の対象物Wは、反射率が互いに異なる複数の部分を有し、反射率が不均一なものである。具体的には、対象物Wは、高反射率の材料(例えばアルミなどの金属)からなる部位WAと、低反射率の材料(例えば黒色樹脂)からなる部位WBとを有する。
【0023】
次に、変位センサ10の電気的構成を図1に従って説明する。
図1に示すように、変位センサ10は、レーザ光源11と、挿通板12と、レーザ駆動回路13と、二次元CCD14と、CCD駆動回路15と、当該変位センサ10全体を制御する制御部16と、データ処理部17と、メモリ18と、フィードバック回数設定部19と、表示部21と、出力周期設定部22とを備える。
【0024】
レーザ光源11は、制御部16によって駆動制御されるレーザ駆動回路13から供給される駆動電流に基づいて、レーザ光を対象物Wに投光(照射)する。この投光に基づく対象物Wからの反射光は、複数の画素を有する二次元CCD14の撮像面14A上に入射される。二次元CCD14は、撮像面14Aの各画素に入射(受光)された光を、その受光量に応じたレベルの電気信号(受光信号)に変換してCCD駆動回路15に出力する。このCCD駆動回路15は、撮像面14A上に形成される線状の受光像に沿った走査線L(図3参照)毎に上記受光信号を順次読み取り、その受光信号を制御部16に出力する。これにより、制御部16は、一次元の受光量分布に相当する時系列の受光信号(受光波形)を走査線L毎に得る。
【0025】
制御部16は、CCD駆動回路15からの受光信号に基づいて、走査線L毎に受光中心位置を検出して対象物Wの表面形状を測定し、測定値信号を生成する。詳述すると、上記二次元CCD14の撮像面14Aにおける反射光の受光中心位置は変位センサ10から対象物Wの表面までの距離に応じて変化し、これに伴って上記受光中心位置に対応する受光波形の重心位置も変化する。そこで、制御部16は、走査線L毎に読み取られた受光信号に基づいて受光波形における重心位置を算出し、その算出した重心位置を走査線Lの受光中心位置として検出する。そして、制御部16は、上述の各走査線L上における受光中心位置を検出する処理を各走査線Lについてそれぞれ行う。これにより、対象物に対する受光像を得ることができ、光が照射された部位の表面形状や高低差(変位)等を測定することができる。さらに、制御部16は、当該変位センサ10と対象物Wとを相対的に移動させつつ同様の表面形状測定を各部位に対して行うことにより、対象物W全体の表面形状についても測定することが可能である。
【0026】
なお、データ処理部17は、有線又は無線により当該変位センサ10に接続される外部機器との間でデータの双方向通信が可能になっており、例えば制御部16にて生成した測定値信号を表示部21に出力してその測定結果の表示や、その測定結果に基づいたユーザによる外部機器の制御等が行われる。また、メモリ18は、制御部16の各種の処理動作を行う際の各種の情報等を保持するために用いられるものである。
【0027】
また、制御部16は、二次元CCD14からの受光信号に基づいて、レーザ光源11の投光量、二次元CCD14の露光時間や受光信号の増幅率等のフィードバック調整を行う機能を有している。即ち、対象物Wの測定部分が高反射率の部位WAから低反射率の部位WBにその反射率が急変する最初の測定等において、受光量レベルが過大となる場合があり、正確な測定結果が得られない虞がある。そこで、フィードバック調整を行う機能が備えられる。また、反射率が大きく異なる例えば部位WA,WBを連続して測定するような場合、そのフィードバック調整により正確な測定結果に近づくには複数回調整を行うことが望ましいことから、本実施形態ではフィードバック回数設定部19が備えられ、1出力周期におけるフィードバック調整の回数がユーザにて設定できるように構成されている。なお、このフィードバック調整の回数は、制御部16が測定結果に応じた測定値信号を出力する周期(出力周期)に影響を与えるパラメータの1つである。
【0028】
また、本実施形態の変位センサ10では、測定時間を短縮させるべく、読み取る走査線Lを選択可能とした構成となっており、読み取る走査線Lに関する分割条件(読み取る走査線Lの位置や個数等)も、上記フィードバック調整の回数と同様に出力周期に影響を与えるパラメータとなっている。
【0029】
次に、当該変位センサ10における制御部16の測定処理を図4及び図5に従って説明する。
図4に示すように、ステップS1において、ユーザの設定操作に基づきフィードバック調整の回数及び前記分割条件が設定される。その後、制御部16は、変位等の測定結果を出力するまでに必要な時間(測定時間)を測定するためのダミー測定を行う(ステップS2)。その後、ステップS3において、制御部16はダミー測定で測定した測定時間(以下、計測周期という)を表示部21にて表示させる。
【0030】
図5は、ダミー測定での制御部16の測定処理を示す。図5に示すように、ステップS11では、制御部16は、レーザ駆動回路13を通じて駆動電流をレーザ光源11に供給し、そのレーザ光源11からレーザ光を対象物Wに向けて照射させる。
【0031】
ステップS12では、その照射に基づく対象物Wからの反射光が二次元CCD14の撮像面14A上に受光され、その撮像面14A上に線状の受光像が形成される。このとき、前記分割条件に基づいて走査線Lの読み取りが行われる。制御部16は、CCD駆動回路15を介して二次元CCD14から受光信号が入力される。
【0032】
ステップS13では、ステップS1で読み取ったフィードバック調整回数がゼロより大きいかが判定される。フィードバック調整回数がゼロより大、即ちその設定回数分のフィードバック調整が行われていない場合は、ステップS14に進み、入力した受光信号に基づいて、次のレーザ光源11の投光態様や二次元CCD14の受光態様の調整のための係数が設定される(FB係数設定)。そして、ステップS15では、フィードバック調整回数の減算が行われ、ステップS11に戻る。
【0033】
つまり、ステップS11〜S6は、設定された回数分のフィードバック調整が行われるまでループし、設定回数分のフィードバック調整が行われると、ステップS13からステップS16に移行する。
【0034】
ステップS16では、制御部16は、所定回数のフィードバック調整が行われた後に入力された受光信号に基づいて変位等の測定のための算出を行い(変位算出)、ステップS17では、その算出結果を測定値信号として出力する。
【0035】
ダミー測定において、制御部16は、ステップS11においてレーザ光源11からレーザ光を投光させるべくレーザ駆動回路13に信号を出力してから、ステップS17において測定値信号を出力するまでの時間(測定時間)を計測し、ステップS3(図4参照)においてその測定時間を表示部21にて表示させるようになっている。
【0036】
その後、ユーザは、表示部21に表示された測定時間を確認し、その測定時間に基づき出力周期設定部22で出力周期を設定することが可能となっている。このとき、出力周期設定部22では、出力周期を測定時間以上の周期にしか設定できないようになっている。詳述すると、デフォルト状態で複数の出力周期の中から選択可能とされている場合、制御部16は、ダミー測定での測定時間と選択可能な5つの出力周期をそれぞれ比較して、測定時間よりも小さな選択肢(出力周期)を選択不能とし、例えばその選択可能な出力周期のみを表示部21に表示する。例えば、デフォルト状態で選択可能な出力周期が10(μs)、20(μs)、40(μs)、100(μs)、200(μs)の5つであり、ダミー測定での測定時間が50(μs)の場合、出力周期として100(μs)、200(μs)のみが選択可能となり、表示部21にはその2つの選択肢のみが表示されるようになっている。
【0037】
出力周期設定部22は、ユーザにて所定の出力周期が設定されると、設定された出力周期に応じた信号を制御部16に出力する。制御部16は、出力周期設定部22からの信号に基づき、ダミー測定ではない本測定においてその出力周期が出力周期設定部22にて設定された出力周期と等しくなるように制御する。
【0038】
本測定での制御部16の測定処理は、図5に示すダミー測定の処理と略同様である。この処理において、制御部16は、出力周期設定部22にて設定された出力周期がダミー測定での測定時間より大きい場合には、本測定の変位算出(ステップS16)の後に、設定された出力周期に応じたウェイティング時間だけ遅らせて測定値信号(出力信号)を出力し、これにより、本測定での出力周期が設定された出力周期と等しくなる。そして、制御部16は、本測定を設定された出力周期で繰り返し行うようになっている。
【0039】
このように、本実施形態の変位センサ10では、制御部16にて計測された測定時間に基づき、出力周期設定部22にて出力周期を設定可能であるため、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となっている。
【0040】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、設定された設定項目(フィードバック回数及び分割条件)に基づいて対象物Wの測定を行い、二次元CCD14からの受光信号に基づいて対象物Wの測定値信号を出力する制御部16と、測定手段から測定値信号が出力される出力周期を設定するための出力周期設定部22とを備える。そして、制御部16は、設定項目に基づいて対象物Wの測定を行う際の測定時間を計測する。これにより、制御部16にて計測された測定時間に基づいて出力周期を設定可能であるため、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0041】
(2)本実施形態では、測定時間に影響を及ぼす設定項目を、複数項目(フィードバック回数と分割条件の2つ)に亘って設定変更可能とされている。これにより、実際に必要とされる測定時間に影響を及ぼす設定項目が複数あるためにその測定時間が特に推測しづらい変位センサ10において、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0042】
(3)本実施形態の変位センサ10では、変更可能な前記設定項目には、フィードバック調整の回数が含まれており、そのような変位センサ10において、実際に必要とされる測定時間が設定された出力周期よりも長くなる状況を回避することが可能となる。
【0043】
(4)本実施形態では、ダミー測定での測定時間を表示するための表示部21を備える。これにより、実際に必要とされる測定時間(測定時間)が表示部21にて表示されるため、ユーザはその計測結果に基づき実際に必要とされる測定時間よりも長い周期で出力周期を設定することが可能となる。
【0044】
(5)出力周期を設定するための出力周期設定部22を備え、出力周期設定部22では、出力周期の設定が、制御部16にて計測された測定時間以上にしか設定できないように構成される。これにより、実際に必要とされる測定時間よりも長い出力周期をユーザが選択してしまう誤操作を防止できる。
【0045】
(6)出力周期設定部22にて選択可能な出力周期を示すための表示部21を備えるため、実際に必要とされる測定時間よりも長い出力周期をユーザが選択してしまう誤操作をより確実に防止できる。
【0046】
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、表示部21に表示された測定時間に基づきユーザが出力周期設定部22で出力周期を選択することとしたが、これに特に限定されるものではない。例えば、ユーザ選択ではなく制御部16にてダミー測定で測定時間よりも長くなるように出力周期を設定するように構成してもよい(自動選択)。このような構成によっても、実際に必要とされる測定時間(ダミー測定での測定時間)よりも長い周期で出力周期を設定することができる。
【0047】
また、このような構成の場合には、制御部16にて自動で選択された出力周期を表示するための設定周期表示手段(例えば、表示部21を計測結果表示手段と兼用)を備えれば、制御部16にて自動で選択された出力周期をユーザが確認することができる。そのため、変位センサから出力される測定結果を基づく外部機器等の制御を好適に行うことが可能となる。
【0048】
・上記実施形態では、測定時間に影響を与えるパラメータをフィードバック回数及び分割条件の2つとしたが、これに特に限定されるものではなく、他の条件を加えてもよく、また、測定時間に影響を与えるパラメータを1つのみとしてもよい。
【0049】
・上記実施形態では、投光手段としてレーザ光源11を用いたが、他の投光手段を用いてもよい。また、挿通板12のスリット12Aを介して線状の光を生じさせたが、スポット光を生じる投光手段を対象物Wと相対移動させて線状の光を生じさせてもよい。また、線状の光以外で測定を行ってもよい。
【0050】
・上記実施形態では、撮像素子として二次元CCD14を用いたが、他の撮像素子に変更してもよい。例えば撮像素子として二次元CMOSを用いてもよい。また、これら撮像素子以外の受光素子を用いてもよい。
【0051】
・上記実施形態の制御部16での測定にかかる算出処理は一例であるため、他の算出処理を用いるものに適用してもよい。
・上記実施形態の処理フローは一例であるため、その構成を適宜変更してもよい。
【0052】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項1又2に記載の変位センサにおいて、前記出力周期可変手段は、前記測定時間計測手段にて計測された測定時間よりも長くなるように前記出力周期を設定することを特徴とする変位センサ。
【0053】
これにより、実際に必要とされる測定時間(測定時間計測手段での測定時間)よりも長い周期で出力周期を設定することができる。
(ロ) 前記付記(イ)に記載の変位センサにおいて、前記出力周期可変手段にて設定された出力周期を表示するための設定周期表示手段を備えたことを特徴とする変位センサ。
【0054】
この発明では、出力周期可変手段にて設定された出力周期をユーザが確認することができるため、変位センサから出力される測定結果を基づく外部機器等の制御を好適に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
10…変位センサ、11…レーザ光源(投光手段)、14…二次元CCD(受光手段)、16…制御部(測定手段、出力周期可変手段、測定時間計測手段、フィードバック調整手段)、19…設定手段としてのフィードバック回数設定部、21…表示部(計測結果表示手段、選択項目表示手段)、22…出力周期設定部(出力周期可変手段、出力周期設定手段)、W…対象物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に光を照射する投光手段と、
その照射に基づく前記対象物からの反射光を受光し受光信号を得る受光手段と、
測定に関わる設定項目を設定するための設定手段と、
前記設定手段で設定された設定項目に基づいて前記対象物の測定を行い、前記受光手段からの受光信号に基づいて前記対象物の測定値信号を出力する測定手段と、
前記測定手段から測定値信号が出力される出力周期を可変するための出力周期可変手段とを備える変位センサであって、
前記設定手段は、前記測定手段にて前記対象物の測定を行う際の測定時間に影響を及ぼす前記設定項目を設定変更可能とされており、
前記設定手段で設定された設定項目に基づいて前記測定手段にて前記対象物の測定を行う際の前記測定時間を計測する測定時間計測手段を備えたことを特徴とする変位センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の変位センサにおいて、
前記設定項目を複数項目に亘って設定変更可能とされていることを特徴とする変位センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の変位センサにおいて、
前記受光手段での受光量に基づいてフィードバック調整を行うフィードバック調整手段を備え、
変更可能な前記設定項目には、前記フィードバック調整手段によるフィードバック調整の回数が含まれることを特徴とする変位センサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位センサにおいて、
前記測定時間計測手段での計測結果を表示するための計測結果表示手段を備えたことを特徴とする変位センサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の変位センサにおいて、
前記出力周期を設定するための出力周期設定手段を備え、
前記出力周期設定手段では、前記出力周期の設定が、前記測定時間計測手段にて計測された前記測定時間以上にしか設定できないように構成されたことを特徴とする変位センサ。
【請求項6】
請求項5に記載の変位センサにおいて、
前記出力周期設定手段にて選択可能な前記出力周期を示すための選択項目表示手段を備えたことを特徴とする変位センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−215036(P2011−215036A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84484(P2010−84484)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】