説明

変性ポリマーを用いて光沢を改質する方法および関連する製品およびその使用

本発明はプラスチック材料の光沢を変調する方法、およびそれらから製造された製品、例えば自動車産業における物品、例えば自動車の内装、並びにそのための特定の添加物の使用、および関連する発明の実施態様に関する。該変調は、変性ポリマーを艶消剤として、物品のためのポリマー基材として使用されるポリマー組成物に添加することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(化学的に)変性されたポリマーを光沢変調剤としてポリマー製品中で用いる使用および相応する方法および工程、並びに得られる製品に関する。
【0002】
要するに、本発明は、以下により詳細に説明される変性ポリマーをポリマー組成物に添加することを含む、ポリマー組成物の光沢を変調、特に低減させる方法、その製造方法、および相応するポリマー組成物、並びにそのポリマー組成物から製造された製品も提供する。本発明によって形成された低光沢ポリマー組成物は、艶消し表面仕上げされたポリマーの使用が有利である用途、例えばいくつかの自動車(内装)用途などに適している。
【0003】
物品、例えば自動車内装部品についてのポリマー、特にPP(ポリ(プロピレン))およびTPO(熱可塑性ポリ(オレフィン))の技術的および環境的な利点は、自動車市場において長年認識されている。この用途のために最も商業的なTPO材料は、充分な引掻耐性を提供し、且つ、最終的な部品の均質な(低)光沢を維持するために、それらをラッカーまたは塗料または他のコーティングで被覆しなければならないという欠点を有している。
【0004】
PPに基づく先進的な材料は、主な利点、例えば低密度、好都合な加工性、および良好なコスト/性能バランスのために、自動車内装および外装部品用に普及し続けている。最終的な顧客(特に車の購入者)は、品質の要求を増し続けている。(特に車の)製造者は、改善された表面特性、例えば引掻耐性、スタイルの調和、新規の色および高価な外見、並びに良好な安全特性、例えば光の反射の乱れを避けることを通じて、それらの要求に合わせようとしている。
【0005】
内装用途のために最も高い水準の興味は、インストルメントパネル構造、コンソール、他の内装装備品、インストルメントパネル、例えばドアパネルの表皮、さらにシート部品、ハンドル、荷台の裏張り、エンジン室の部品またはその種のものにおいて見られる。相応する材料の他の分野においても、例えば、良好な機械的強度および好ましい光学特性、例えば低光沢を必要としている、機械のハウジング、器具、消費者または電子素子、屋外用車両、および素子、または任意の他の部品または(例えば繊維または膜)物品のために興味深い。
【0006】
低光沢および改善された引掻耐性の必要性が未実現のままである主なポリマー基材は、タルク充填PPコポリマーまたはPPベースのTPE(表皮)などの基材である。それらの材料の組成が広い範囲で変化することがあるので、低光沢および引掻耐性が、使用される樹脂、エラストマーおよびタルクの種類および含有率、安定剤および共添加剤、並びに顔料および他の充填剤に依存することは明らかである。さらには、加工条件および表面模様(きめ)が重要な役割を演じる。
【0007】
それらの新規材料は、いかなるコーティングも用いないで使用され、且つ、ポジ型(表皮形成の間にきめがつけられる)およびネガ型(金型工具内にきめがつけられる)の両方の形成工程のために使用できることが意図されている。
【0008】
低光沢を実現するために、追加的な充填剤材料が使用されている。しかしながら多くの用途において、それらの種類の充填剤は得られる物品の機械的な強度を損なう傾向がある一方、均質な仕上がりを一貫して提供もしない。低光沢は、射出成形器具上での適切な表面模様の使用によって達成することもできる。しかしながら、非常に低い光沢を製造の時間にわたって維持することは、頻繁な表面洗浄/再模様付けを必要とし、それは費用がかかり、労働力を要することがある。
【0009】
相応する製品の表面を改質するためにコーティングが使用される一方、原則的に、バルク材料自体を表面で曝露させるほうが望ましいことがあり、なぜなら、その際、引掻きが表面の外観の劣化を意味するとは限らず(同じ材料がまだ表面にある)、その後、製造におけるより少ない工程を(例えば、さらに1つまたはそれより多くのさらなる層、例えば接着剤またはその種のものを必要とし得る膜、例えばコーティングのための乾燥工程、およびその種のものを加えることなく)使用することが可能であるからである。
【0010】
従って、追加的なコーティングまたは表面処理の必要なく、上述の製品の製造を可能にするさらなるポリマー組成物を見つけ出す必要がある。特に望ましいのは、低光沢特性を有する一方、他の重要な特性、例えば引掻耐性および機械的特性、例えば引張係数、破断時引っ張り応力、破断時引張歪、および衝撃耐性を維持することを可能にする組成物である。
【0011】
特に、自動車用途において使用される低光沢を有する改善された引掻耐性ポリマー、特にTPOについての必要性がよく知られている。自動車内装用途のために最も高い水準の興味は、インストルメントパネル構造、コンソール、他の内装装備品、インストルメントパネル自体、およびドアパネル表皮において見られる。
【0012】
自動車内装の低光沢表面は、特に2つの理由のために必要とされる:
a) 安全性、例えばダッシュボードからフロントガラスへのより低い反射、
b) デザイン性および審美性: 低光沢表面はより高い品質およびより高価な部品として感知される。
【0013】
低光沢および改善された引掻き耐性の必要性が未実現のままである主なポリマー基材(物品のためのベース材料を意味する)は、タルク充填PPコポリマーまたはPPベースのTPE(表皮)などの基材である。それらの材料の組成が広い範囲で変化するので、低光沢および引掻耐性が、使用される樹脂、エラストマーおよびタルクの種類および含有率、安定剤および共添加剤、並びに顔料および他の充填剤に依存することは明らかである。さらには、加工条件および表面模様(きめ)が重要な役割を演じる。
【0014】
それらの新規材料は、(少なくとも好ましくは)いかなるコーティングも用いないで使用され、且つ、ポジ型(表皮形成の間にきめをつけられる)およびネガ型(金型工具内にきめをつけられる)の両方の形成工程のために使用できることが意図されている。
【0015】
今、驚くべきことに、特定の変性ポリマー、特に(少なくとも部分的に)エステル化した形態の、カルボキシル基(−COOH)をそれらの主鎖内に有するポリマー、または不飽和カルボン酸、それらのエステル、および/またはビニル芳香族化合物と主鎖ポリマーとの反応によって得られるグラフトポリマーの、ポリマー組成物(特にPPまたはTPO)への添加が、所望の光沢特性を達成することを可能にする一方、他の重要な特性、例えば先程述べたものを実質的に保持するか、またはさらには改善することが見出された。
【0016】
従って、本発明は第一の態様において、ポリマー組成物の光沢を変調、特に低減する方法を提供する。本発明によって形成された低光沢ポリマー組成物は、艶消し表面仕上げされたポリマーの使用が有利である用途、例えばいくつかの自動車(内装)用途などに適している。
【0017】
本発明によって形成されたポリマー組成物は、改善された(特に低い)光沢特性、および良好またはさらには改善された物理特性を示す。
【0018】
一般に、低光沢組成物は、ポリプロピレン組成物と本発明による(化学的に)変性されたポリマーとの溶融混合によって形成される。
【0019】
充填剤、例えばタルクおよび珪灰石および他の加工添加剤を本発明による組成物中に含ませてもよい。ポリマー分野における他の通例の添加剤も同様に存在してよい。
【0020】
従って本発明は、特に、ポリマー物品(物品の用語はここで、平坦な製品、例えば膜または表皮、または三次元の製品を含む)の光沢を変調、特に低減(低下)させるための、および/または低光沢ポリマー物品を製造するための方法または工程であって、バルクの出発ポリマー混合物に、上記および以下でより詳細に定義される変性ポリマーを(特に溶融混合によって)添加し、光沢を変調、特に(他の点では同一であるがしかしメラミン誘導体を添加していない混合物と比べて)低減(低下)させ、その後、物品を造形することを含む、方法または工程、または上記または以下でより詳細に定義される通り、変性ポリマーを添加剤として、前記ポリマー物品の造形のために使用される混合物にそれを添加することによってポリマー物品の光沢を低減させるために用いる使用を含む。好ましくは、前記の変性ポリマーのない(しかし他の点では同一の)組成物と比較して光沢を低下させることに効果的な量の変性物を添加する。
【0021】
好ましくは、製造されるべきポリマー物品の生産条件は、上記および以下により詳細に定義される変性ポリマーの添加が、特にかかる変性ポリマーの量および/または種類を変調し、選択された工程条件と組み合わせて、変性ポリマーがない以外の点では同一の組成物を有する物品と比較した光沢の低下をみちびくように選択される。
【0022】
本明細書において、光沢を「変調する」の用語が使用される際、これは、光沢を所望の値に適合できること、即ち、原理的に光沢を増大させることも可能であることを意味することも意図されている。ここに記載される全ての本発明の実施態様の1つの実施態様において、その用語は特に、光沢を「低減する」(低下させる)ことについて使用される。
【0023】
本発明による熱可塑性樹脂組成物を、公知の方法、例えば熱造形、押出、繊維状基材の加工、シート造形、または特に成形、例えば押出成形、真空成形、プロファイル成形、発泡成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、回転成形、 、またはその種のものによって、様々な物品に造形できる。
【0024】
本発明は、上記および以下により詳細に定義される変性ポリマーを、変調のために光沢減少剤として、ポリマー物品の造形のために使用される混合物に該変性ポリマーを添加することによる使用にも関する。
【0025】
一般に、本開示内の、発明1、2またはそれより上、全てまでの各実施態様について、より一般的な用語を、本発明のさらに有利な実施態様をもたらすために上記または下記のより特定の定義によって置き換えることができる。
【0026】
不定冠詞"a"または"an"が使用される場合、これは"少なくとも1つ"、例えば"1つまたはそれより多く"を含むことが意図されている。
【0027】
本発明によって形成されたポリマー組成物は、改善された低光沢特性および改善された物理的特性を示す。
【0028】
一般的に、低光沢組成物は、適宜、ポリマー基材、例えばポリプロピレン組成物と、本発明に包含される添加剤としての(化学的に)変性されたポリマーとの溶融混合によって形成される。
【0029】
充填剤、例えばタルクおよび珪灰石および他の加工添加剤を本発明による組成物中に含ませてもよい。
【0030】
本発明は、特に市販の変性ポリマーに関する。それらの製品は、本発明によれば有用であり、且つ、表面変性剤、特に低光沢添加剤としてPP/TPOポリマー組成物および自動車用途のための製品中で使用されると記載される。
【0031】
本発明による変性ポリマーは好ましくは、カルボキシル基(−COOH)をその主鎖内に有する(少なくとも部分的に)エステル化された形態のポリマー(少なくともエステル化前)、および不飽和カルボン酸、それらのエステルおよび/またはビニル芳香族化合物と、主鎖ポリマーとの反応によって得られるグラフトポリマー、または2つまたはそれより多くのそれらの変性ポリマーの混合物からなる群から選択される。
【0032】
少なくとも部分的にエステル化された形態のポリマーの場合、本発明による変性ポリマーのために適切な主鎖(ポリマー基材)は特に、スチレンまたはスチレン誘導体、例えばC1〜C6−アルキルで置換されたスチレン、アルファ置換されたスチレンのいずれか、例えばアルファ−メチルスチレン、または芳香環上で置換されたもの、例えばビニルトルエン、またはかかるスチレンおよび/または置換スチレンの混合物、特にスチレンと、マレイン酸、またはC1〜C3−モノアルキルまたはジアルキル置換された、および/またはアリール(例えばC6〜C12−アリール)置換されたマレイン酸、例えば2−メチルマレイン酸、2−エチルマレイン酸、2−フェニルマレイン酸、および2,3−ジメチルマレイン酸との共重合体である(該反応は好ましくは反応性のそれらの酸誘導体、例えば無水物を用いて行われる)。少なくとも部分的なエステル化のために、(必要であればさらなる加水分解後)そのように得られた主鎖をその後、それらのカルボキシルの少なくとも一部で、少なくともより多くのアルコール、例えばsec−ブチルアルコール、例えばsec−ブチルアルコールまたは誘導体、または種々のアルキル(例えばC1〜C20)、アリール(例えばC6〜C12)、シクロアルキル(例えばC3〜C10)、アリールアルキル(例えば先程定義されたアリールおよびアルキルを有する)またはアルキルアリール(先程定義されたアリールおよびアルキルを有する)モノアルコール、例えば3−シクロヘキシル−1−プロパノール、シクロヘキシルメタノール、フェニルエチルアルコール、メチルシクロヘキサノール、および2−エチル−1−ヘキサノールから選択されるアルコール単独で、または次に第二のより少ないアルコール、例えばメタノール、エタノールまたはn−プロパノールでエステル化する。それらの変性ポリマーの製造のためのエステル化は好ましくはUS5773518号内に記載される方法またはその方法と類似した方法に従い、それはこのためにここで参照をもって開示されるものとする。この種の本発明による使用のために特に好ましい変性ポリマーは、商標Scripset 550(またはScripset 540も)で公知であり、且つ、好ましくは以下の例において定義される。
【0033】
本発明による変性ポリマーとして有用なグラフトポリマーは、好ましくは、ポリエン、例えばモノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、例えば高結晶性ポリプロピレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びに、シクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(随意に架橋されている)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度且つ高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン (MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、VLDPEおよびULDPE、または2つまたはそれより多くの先程述べたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンと、ポリイソブチレンとの混合物、ポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPEまたはPP/LDPE)または種々の種類のポリエチレン(例えばLDPE/HDPE)の混合物、モノオレフィンおよびジオレフィン同士の、または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキサンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、およびそれらと一酸化炭素とのコポリマー、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのポリマー; およびかかるコポリマー同士の、または上記の他のポリマーとの混合物、例えばポリ(プロピレン/エチレン−プロピレン)コポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LLDPE/EVA)またはその種のもの; またはスチレン重合単独に基づくポリマー、例えばポリ(スチレン)(PS)、例えばシンジオタクチックポリ(スチレン)(sPS)、またはHIPS(耐衝撃性ポリ(スチレン)); またはスチレン含有ポリマー、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー)、SAN(スチレン−アクリロニトリルコポリマー)、またはASA(アクリロニトリル−アクリレートエラストマー−スチレンコポリマー、さらにアクリロニトリル−スチレン−アクリレート)、またはポリオレフィンエラストマーを含む、それらの2つまたはそれより多くの混合物、例えばエチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー(EPDM)、エチレンとより高級なアルファ−オレフィンとのコポリマー(例えばエチレン−オクテンコポリマー)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、水素化スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、水素化スチレン−イソプレンコポリマーおよびその種のもの(TPOの定義について以下も参照のこと)の群から選択される主鎖を有する。
【0034】
それらの主鎖は不飽和カルボン酸、例えば不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またはシアノアクリル酸、または不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸またはC1〜C3−モノ−またはジ置換された、またはアリール(例えばC6〜C12−アリール)置換されたマレイン酸、例えば2−メチルマレイン酸、2−エチルマレイン酸、2−フェニルマレイン酸、または2,3−ジメチルマレイン酸、フマル酸、またはそれらの反応性の前駆体の形態、例えば無水物とグラフトされ(従って、変性され)、ここで、該グラフトは1つ以上のそれらのモノマーを用いて行われてもよい。該グラフトを、上記のモノ−またはジカルボン酸のエステル、例えばC1〜C12−アルコール、例えばメタノールまたはエタノールとのエステルを用いて、またはビニル芳香族化合物、特にポリスチレンまたはスチレン含有ポリマーについて先述の段落内で定義されたスチレンまたはスチレン誘導体を用いて行うこともできる。不飽和カルボン酸(全体にわたって、不飽和炭酸の用語と同義的に使用される)からなる群から選択される2つまたはそれより多くのモノマー、それらのエステル、およびビニル芳香族化合物とのグラフトも、本発明の範疇に含まれる。
【0035】
特に好ましくは、実施例2内の表3に示される変性されたグラフトポリマーである(Sconaの製品)。
【0036】
製造方法は、例えば、且つ好ましくは、WO2004/048426号および/またはWO02/093157号内に記載される方法、またはその方法に類似した方法、即ち、固相合成による方法に従うことができる。従って、これら2つの文献はそこに記載される製造方法のためにここで参照をもって開示されるものとする。しかしながら、当該技術分野における他の公知の方法、例えば溶融または溶剤法も可能である。
【0037】
グラフトに使用されるモノマーは、エポキシおよびフルオロ置換基がない。
【0038】
本発明による物品の形成のために使用される組成物は、好ましくは、ここに記載される変性ポリマーを、0.2〜40質量%、より好ましくは約0.5から約30質量%、または好ましくは約25質量%、さらにより好ましくは約1〜約18質量%、例えば約2〜約10質量%の量(質量)で含む。
【0039】
変性ポリマー粒子のサイズは、例えば、約0.1〜約100μm、例えば約0.2μm〜約50μm、例えば約0.5μm〜約30μmの範囲であってよい(例えば電子顕微鏡によって測定された平均サイズ−好ましくは、サイズ分布は50(質量)%より多く、より好ましくは75(質量)%より多くの粒子が平均値の±50%の範囲内である)。
【0040】
「約」が使用される場合、これは、「約」の後に示される数値のわずかなばらつき(しばしば、技術的な実行において不可避である)の可能性があること、例えば、示された数値の±10%、例えば±3%の範囲が可能であることを意味することを意図している。
【0041】
「光沢を低下させることに効果的な量の変性ポリマーが添加される」が意味される場合、これは特に、変性ポリマー誘導体を添加しない以外の点では同一の組成の物品と比較して、例えば(実施例内に示される方法を使用して)2%またはそれより多く、例えば5%またはそれより多く、例えば10〜99%だけ光沢を下げるために、得られる物品の光沢の低減をもたらす量を含むことが意味される。
【0042】
さらに、本発明による方法における工程条件または使用を、光沢の低減が可能ではない条件と比較して光沢を低減させるように修正してよい。パラメータの中で、例えば溶融温度、所望の製品を造形する装置内(例えば成形、押出、ノズルまたはその種のもののための鋳型)への材料の移動速度、成形のための鋳型を充填するための温度(特に導入前の金型の温度)、装置形成のための温度、固体製品の加工温度、およびその種のものを変調することができる。当業者は、実施例内の明証にも基づき、適宜、適切な工程条件を1つまたは非常に限定的な数の実験によって考案できる。例えば、成形による物品の造形の場合、さらなる実験が必要とされる場合、少なくとも開始点として、造形の温度を約20〜約60℃の範囲内、例えば20〜30℃の範囲内で選択でき、射出温度を好ましくは200〜280℃の範囲内、例えば200〜230℃の範囲内で選択でき、且つ、実施例内に示される機器の条件下での射出速度を好ましくは5mm/秒〜120mm/秒、例えば約10〜約100mm/秒の範囲内で選択できる。
【0043】
本発明による低光沢製品のために有用な組成物のためのベース材料(ポリマー基材)を、溶融混合に適切な任意の種類のポリマーまたはポリマー混合物から選択できる。可能なポリマーの中で、以下のものが例証的に述べられる: スチレン含有ポリマー、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー)、SAN(スチレン−アクリロニトリルコポリマー)、ASA(アクリロニトリル−アクリレートエラストマー−スチレンコポリマー、また、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート)、ポリエステル、例えば、ジカルボン酸およびジアルコールから、および/またはヒドロキシカルボン酸または相応するラクトンとから誘導されるもの、例えばPBT(ポリ(ブチレンテレフタレート)、PET(ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、コポリエーテルエステルまたはUPES(不飽和ポリエステル)、PA(ポリアミド、例えばジアミンおよびジカルボン酸から、および/またはアミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、66/6、6/66、ポリアミド11、ポリアミド12、部分的に芳香族の(コ)ポリアミド、例えば芳香族ジアミンおよびアジピン酸に基づくポリアミド、アルキレンジアミンおよびイソ−および/またはテレフタル酸およびそれらのコポリアミドから調製されるポリアミド、コポリエーテルアミド、コポリエステルアミドおよびその種のもの)、TPU(ウレタンベースの熱可塑性エラストマー)、PS(ポリ(スチレン))、HIPS(耐衝撃性ポリ(スチレン))、PC(ポリカーボネート)、例えばポリ(芳香族カーボネート)またはポリ(脂肪族カーボネート)、例えばコモノマーとして、ビスフェノールAおよび"炭酸"単位または他のビスフェノールおよび/または二炭酸単位に基づくもの、PC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブレンド)、ABS/PBT(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン/ポリ(ブチレンテレフタレート)ブレンド)、PVC(ポリ塩化ビニル)); PVC/ABS(ポリ塩化ビニル)/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー)、PVC/ASA(ポリ塩化ビニル)/アクリロニトリル(acrylonbitrile)−スチレン−アクリレート)、PVC/アクリレート(アクリレート−変性PVC)およびイオノマー((少なくとも部分的に)イオン化された共重合体および電気的に中性のモノマー)。
【0044】
1つの好ましい例において、ポリマー基材はポリオレフィン(例えば高結晶性PP)、PC/ABS、ABS、ポリアミド、例えばPA−6、またはポリオレフィンゴムまたはTPE、または例えば実施例内に特に述べられるポリマーである。
【0045】
ポリオレフィンの例は以下である: モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、例えば高結晶性ポリプロピレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(随意に架橋している)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン (HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、VLDPEおよびULDPE、または先程述べたポリマーの2つまたはそれより多くの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPEまたはPP/LDPE)、または異なる種類のポリエチレン(例えばLDPE/HDPE)、モノオレフィンおよびジオレフィンのお互いの、または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキサンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、および一酸化炭素とのそれらのコポリマー、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのポリマー; およびかかるコポリマー同士の、または上記の他のポリマーとの混合物、例えばポリ(プロピレン/エチレン−プロピレン)コポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LLDPE/EVA)またはその種のもの。
【0046】
例えば、適切なポリオレフィンはWO2006/003127号(Ciba)内に記載される通りである。
【0047】
熱可塑性エラストマー(TPE)は、例えば、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)としても公知であるゴム変性ポリオレフィンを含む。それらは基本的に、ポリオレフィンとして上記で述べられたポリマーと、耐衝撃性改質剤、例えばエチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー(EPDM)、エチレンとより高級のアルファオレフィンとのコポリマー(例えばエチレン−オクテンコポリマー)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、水素化スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、水素化スチレン−イソプレンコポリマーおよびその種のものとのブレンドである。それらのブレンドは一般に、TPO(熱可塑性ポリオレフィン)として示される。例えば、適切なTPOは約10〜約90質量パーセントのプロピレンホモポリマー、コポリマーまたはターポリマー、および約90〜約10質量パーセントの、エチレンとC3〜C8−アルファオレフィンとの弾性コポリマーを有する。
【0048】
例えば、適切なTPOはUS6048942号(Montell)内に開示されている。
【0049】
ポリオレフィンおよびゴム変性ポリオレフィンは、単独で本組成物のポリマー基材になり得ない。ポリオレフィンと他のポリマーとのコポリマー、またはポリオレフィンと上記の他のポリマーとのブレンドは、ポリマー基材として除外されない。
【0050】
他の添加剤が、本発明に関するポリマー組成物中に存在できる。
【0051】
従って、本発明の該ポリマー組成物(ポリマー基材)は随意に、約0.01〜約5質量%、好ましくは約0.025〜約2質量%の、且つ特に約0.1〜約1質量%の様々なさらなる添加剤、例えば以下に列記される化合物、および随意に追加的に40%まで、例えば0〜35、例えば10〜25%の成核剤または充填剤(例えば滑石)、またはそれらの混合物を含有する:
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(oc−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、ノニルフェノール(側鎖内で直鎖または分岐鎖であってよい)、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデカ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデカ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデカ−1−イル)フェノール、またはそれらの2つまたはそれより多くの混合物。
【0052】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール−2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0053】
1.3. ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0054】
1.4. トコフェロール。
【0055】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル。
【0056】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,21−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)l、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート]、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0057】
1.7. ベンジル化合物、例えば3,3,3’,5−テトラ−tert−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル。
【0058】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート。
【0059】
1.10. 他のトリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0060】
1.11. ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0061】
1.12. アシルアミノフェノール。
【0062】
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコールとのエステル。
【0063】
1.14. β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコールとのエステル。
【0064】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコールとのエステル。
【0065】
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価のアルコールとのエステル。
【0066】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド。
【0067】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0068】
1.19. アミン系酸化防止剤。
【0069】
2. UV吸収剤および光安定剤
2.1. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、例えば米国特許番号第3004896号; 3055896号; 3072585号; 3074910号; 3189615号; 3218332号; 3230194号; 4127586号; 4226763号; 4275004号; 4278589号; 4315848号; 4347180号; 4383863号; 4675352号; 4681905号、4853471 号; 5268450号; 5278314号; 5280124号; 5319091 号; 5410071 号; 5436349号; 5516914号; 5554760号; 5563242号; 5574166号; 5607987号、5977219号および6166218号内に開示される、公知の市販のヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールおよびベンゾトリアゾール、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−sec−ブチル−5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス−α−クミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニル)−エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ドデシル化2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−t−オクチル−(6−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−オクチル−5−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル 3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−a−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールおよび5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール。
【0070】
2.2 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0071】
2.3 置換された、および置換されていない安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイルレソルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0072】
2.4. アクリレートおよびマロネート、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル、またはイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステルまたはブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン、Sanduvor(登録商標) PR25、ジメチル p−メトキシベンジリデンマロネート (CAS#7443−25−6)、およびSanduvor(登録商標) PR31、メチルピペリジン−4−イル) p−メトキシベンジリデンマロネート (CAS#147783−69−5)。
【0073】
2.5. ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオ−ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノール)]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体、または1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、追加的なリガンドを有するものまたは有さないもの。
【0074】
2.6. 立体障害アミン安定剤、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖または環式の縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖または環式の縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6’,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]lデカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサドデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合生成物(CAS登録番号[136504−96−6]); N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン]、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。立体障害アミンは、米国特許第5980783号内に記載される化合物の1つであってもよく、その関係する箇所はここで参照をもって開示されるものとし、それは、前記の米国特許第5980783号の第64〜72段落に列記されている、成分I−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i)、I−j)、I−k)またはI−l)、特に光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−C−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、l−f−1、1−g−1、1−g−2または1−k−1の化合物である。該立体障害アミンは、米国特許第6046304号および6297299号に記載される化合物の1つであってもよく、その明細書はここで参照をもって開示されるものとし、例えばその請求項10または38内、または実施例1〜12またはD1〜D5に記載される化合物である。
【0075】
2.7. N−原子上でヒドロキシ置換アルコキシ基によって置換された立体障害アミン、例えば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールからの炭素残基との反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、および2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジンなどの化合物。
【0076】
2.8. オキサミド。
【0077】
2.9. トリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン。例えば、公知の市販のトリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンおよび米国特許第3843371号; 4619956号; 4740542号; 5096489号; 5106891号; 5298067号; 5300414号; 5354794号; 5461151号; 5476937号; 5489503号; 5543518号; 5556973号; 5597854号; 5681955号; 5726309号; 5736597号; 5942626号; 5959008号; 5998116号; 6013704号; 6060543号; 6242598号および6,255,483号内に開示されるトリアジン、例えば、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、Cyasorb(登録商標) 1164,Cytec社、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロ−フェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニルイル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン (*はオクチルオキシ、ノニルオキシとデシルオキシ基との混合物を示す)、メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’および3:3’位において5:4:1の割合で架橋されたメチレン架橋ダイマー混合物、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンと4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンとの混合物、Tinuvin(登録商標) 400,Ciba Specialty Chemicals社、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンおよび4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン。
【0078】
3. 金属不活性化剤。
【0079】
4. ホスフィットおよびホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) 4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル’−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5−テトラ−tert−ブチル−’1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル’)ホスフィット。
【0080】
5. ヒドロキシルアミン。
【0081】
6. ニトロン。
【0082】
7. アミンオキシド。
【0083】
8. ベンゾフラノンおよびインドリノン。
【0084】
9. チオ相乗剤。
【0085】
10. ペルオキシド捕捉剤。
【0086】
11. ポリアミド安定剤。
【0087】
12. 塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0088】
13. 成核剤、例えば、無機物質、例えば滑石、金属酸化物、例えば二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩または硫酸塩; 有機化合物、例えばモノカルボン酸またはポリカルボン酸およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム; ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。
【0089】
14. 充填剤および強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
【0090】
15. 分散剤、例えばポリエチレンオキシドワックスまたは鉱油。
【0091】
16. 他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、染料、蛍光増白剤、流動添加剤、触媒、流動調節剤、スリップ剤、架橋剤、架橋促進剤(crosslinking booster)、ハロゲン捕捉剤、煙抑制剤、防炎加工剤、例えばメラミンホスフェートまたはメラミンシアヌレート、帯電防止剤、透明剤、例えば置換された、および置換されていないビスベンジリデンソルビトール、ベンゾキサジノン UV吸収剤、例えば2,2’−p−フェニレン−ビス(3,1−ベンゾキサジン−4−オン)、Cyasorb(登録商標)3638 (CAS#18600−59−4)、および/または膨張剤。
【0092】
好ましいさらなる添加剤は、ヒンダードアミン光(特にUV)安定剤、ヒンダードフェノール、ホスフィット、ベンゾフラノン安定剤およびヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル−s−トリアジンまたはベンゾフェノン 紫外光吸収剤、充填剤または成核剤、例えば滑石およびカーボンブラック、および塩基性の補助安定剤、例えばステアリン酸カルシウム、さらには(より強い光沢低下効果を有する)メラミンホスフェートまたはメラミンシアヌレート、またはそれらの2つまたはそれより多くの混合物からなる群から選択される1つまたはそれより多くの添加剤である。
【0093】
本発明の他の実施態様は、ここで引掻耐性改善剤として定義される、1つまたはそれより多くの変性ポリマーの、ここで記載されるポリマー組成物製品中での使用である。
【0094】
本発明による組成物は、例えばパネル構造、コンソール、他の内装装備品、インストルメントパネル、例えばドアパネルの表皮、さらにはシート部品、ハンドル、荷台の裏張り、エンジン室の部品、またはその種のもののための自動車用途(望ましいが)のほかに、例えば機械のハウジング、電化製品、消費者または電子素子、屋外用車両および素子、または良好な機械的強度および好ましい光学的特性、例えば低光沢性が必要とされる他の部品のための他の潜在的な市場のために、または器具において、および梱包市場においても有用である。
【0095】
以下の実施例は、本発明を、その範疇を制限することなく説明する。ここで、パーセンテージは(%)で示され、これは明確に異なる指定をされない限り、(全ポリマー組成物に対する)質量パーセントを示す。
【0096】
以下の方法および技術が、製造された試験用試料の適用特性を試験および特徴付けするために使用される。
【0097】
ISO2813に従い、Zehntner ZGM 1120 trigloss光沢計(Zehntner GmbH Testing Instruments、ジサッハ、スイス)を使用して光沢は60°で測定され、追加的に20°または85°でも測定された。
【0098】
引掻耐性を、分光光度計Spectraflash SF 600 plus (Datacolor AG、ディートリコン、スイス)を用いて、色差(ΔL値)を測定することによって評価する。この測定は、引掻かれたポリマー表面と引掻かれていないポリマー表面との輝度の差に相当する。引掻きを、Scratch Hardness Tester 430 P (Erichsen GmbH & Co. KG, へーマー、ドイツ)を用いて、 GME 60280 (General Motors Europe Engineering Standard GME 60280、Issue 2、2004年6月による引掻耐性試験)と同様に直径1mmの金属チップ(球形の先端を有する円柱形の硬質金属のペン)を用い、且つ、10Nの負荷で室温にて行う。
【0099】
引張特性を、ISO527に従い、Zwick Z010 万能材料試験機 (Zwick GmbH & Co. KG, ウルム、ドイツ)を使用して、クロスヘッド速度100mm/分で測定する。各配合について少なくとも5つの試料を試験し、且つ、平均値を計算する。引張係数[MPa]、破断点引張応力[MPa]および破断点引張歪み[%]を報告する。
【0100】
曲げ特性をISO178に従って、ここでもまたZwickZ010 万能材料試験機を使用して測定する。各配合について少なくとも5つの試料を試験し、且つ、平均値を計算する。曲げ係数[MPa]および曲げ強度[MPa]を報告する。
【0101】
シャルピー衝撃エネルギーの測定を、ISO179/1eAに従い、Zwick 5113 振子型衝撃試験機(Zwick GmbH & Co. KG, ウルム、ドイツ)を使用して実施する。ハンマーの仕事は4Jである。衝撃試験に先立ち、半径0.25mmのノッチで試料に切れ込みをつける。
【0102】
実施例1: Scripset 550 (Hercules Inc.)を含有する、TPO(Borealis Daplen ED 012AE)を用いた射出成形プラーク(plaque)の加工
それらの表面特性および機械的特性を評価するために、以下の表1から導出される典型的な特性を有する、低分子量sec.ブチルエステルでエステル化されたスチレン/マレイン酸無水物コポリマー(Scripset 550、Hercules Incorporated、ウィルミントン、DE、米国)を、以下の手順に従い、TPO射出成形プラーク中に取り込む:
【表1】

【0103】
粉末形態のDaplen ED012AE (Borealis AG、ウイーン、オーストリア)を、20%のタルク(Luzenac A−20; Rio Tinto、Luzenac Europe、トゥールーズ、フランス)、2.5%のカーボンブラックマスターバッチ、0.05%のステアリン酸カルシウム、0.05%のIRGANOX B215 (ホスフィット(トリス(2,4−ジ−(tert)−ブチル−フェニル)ホスフィットとヒンダードフェノール(テトラキス(メチレン−(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロシンナメート))メタンとの相乗抗酸化剤混合物、Ciba、バーゼル、スイス)、0.2%のTINUVIN 791 FB (厚形材における相乗性能のための高分子量および低分子量HALSのUV安定剤配合物、Ciba、バーゼル、スイス)、および5または10%のメラミンシアヌレートまたはメラミンポリホスフェートと共に混合し、表1に示される通りに添加する。
【0104】
該配合物を高速ミキサMixaco Lab CM 12 (Mixaco, Dr. Herfeld GmbH & Co. KG Maschinenfabrik、ノイエンラーデ、ドイツ)内で混合し、二軸スクリュー押出機、例えばBerstorff ZE 25×33D (KraussMaffei Berstorff GmbH、ハノーバー、ドイツ)内で220℃でペレットへとコンパウンドする。該ペレットをさらに、標準的な射出成形機、例えばEngel HL60 (Engel Austria GmbH、シュヴェルベルグ、オーストリア)を使用して、厚さ2mmを有するプラークに射出成形する。加工温度は約240℃である。
【0105】
得られる表面および機械的特性を表2に要約する。
【0106】
【表2】

【0107】
該添加剤を添加することによって、引掻耐性および機械的特性の実質的な変化なく、光沢が低減された。
【0108】
実施例2: Scona製品を含有する、TPO(Borealis Daplen ED012AE)を用いた射出成形プラークの加工
配合物を実施例1に記載の通りに調製する。
【0109】
結果を表3に示す。
【0110】
【表3】

【0111】
Scona(登録商標)製品は、KOMETRA GmbH、シュコパウ、ドイツから入手可能であり、且つ、以下の表4に示される特性を有している:
【表4】

F=反応器グレード
G=粒状
P=粉末
CMB=コンビマスターバッチ(combi master batch) (粒状)
MAH=マレイン酸無水物
AA=アクリル酸
EVA=エチレン酢酸ビニルコポリマー
MMA=メチルメタクリレート
POE=ポリオレフィンエラストマー。
【0112】
実施例3: Scripset 550とメラミンポリホスフェート(MELAPUR 200、Ciba、バーゼル、スイス)とを含有するTPO(Borealis Daplen ED 012AE)を用いた射出成形プラークの加工
配合物を実施例1に記載の通りに調製する。
【0113】
【表5】

【0114】
これは、本発明による変性ポリマーと一緒のメラミン誘導体の添加がより低い光沢をもたらすことを示す。
【0115】
実施例4: HCPP(Sabic PP CX02−81)を用いた射出成形プラークの加工
配合物を実施例1に記載の通りに調製するが、しかし、Borealis Daplen ED 012AEの代わりに高結晶性PP、Sabic PP CX02−81 (ポリプロピレンコポリマープラスチック、SABIC Deutschland GmbH & Co. KG、デュッセルドルフ、ドイツ)を使用し、且つ、タルクを配合物に添加しない。
【0116】
結果を以下の表6に示す。
【0117】
【表6】

【0118】
従って、光沢を低下させる異なるポリマー基材を見出すことができた。
【0119】
実施例5: PC/ABS(Dow Pulse A35−105)を用いた射出成形プラークの加工
配合物を実施例4に記載の通りに調製するが、しかし、Borealis Daplen ED 012AEの代わりに、PC/ABS、Dow Pulse A35−105 (Dow Automotive、Auburn Hills、ミシガン、米国)を使用する。
【0120】
結果を下記の表7に示す。
【0121】
【表7】

【0122】
実施例6: TPE(Kraiburg STP9363/33B 102)を用いた射出成形プラークの加工
配合物を実施例4に記載の通りに調製するが、しかし、Borealis Daplen ED 012AEの代わりに、TPE、Kraiburg STP9363/33B102 (Kraiburg TPE GmbH & Co. KG、ヴァルドクライブルグ、ドイツ)を使用する(熱可塑性エラストマー)。
【0123】
【表8】

【0124】
要約すると、実施例から、本発明によって有用な光沢低下剤(化学的に変性されたポリマー)は、種々の形態、例えば繊維、特定の厚さの物品、およびその種のもの、特に三次元物品(膜または繊維を形成していない)での、様々な異なる種類のポリマーおよびプラスチック材料の光沢を下げるための有用な代替品であることが導き出せる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー物品の光沢を変調するための、および/または低光沢ポリマー物品を製造するための方法であって、ポリマー基材とも称されるバルクの出発ポリマー混合物に、変性ポリマーを添加して光沢を低減させ、その後、物品を形成することを含む方法。
【請求項2】
変性ポリマー誘導体の添加が溶融混合による、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光沢の変調が、光沢の低減を意味する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
変性ポリマーが、少なくとも部分的にエステル化された形態の、主鎖内にカルボキシル基(−COOH)を有するポリマー、または不飽和カルボン酸、そのエステル、および/またはビニル芳香族化合物と、グラフトポリマーの主鎖ポリマーとの反応によって得られるグラフトポリマーを有する、またはそれらの2つまたはそれより多くの混合物である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
変性ポリマーが、全ポリマー混合物の0.2〜40質量%の量で存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記の変性ポリマーが添加されるポリマー基材が、スチレン含有ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ウレタンベース上の熱可塑性エラストマー、ポリ(スチレン)、耐衝撃性ポリ(スチレン)、ポリカーボネート、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブレンド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン/ポリ(ブチレンテレフタレート)ブレンド、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニル)/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリ(塩化ビニル)/アクリロニトリル−スチレン−アクリレート、アクリレート変性ポリ(塩化ビニル)、イオノマー、ポリオレフィンおよびポリオレフィンゴムまたはTPE、またはそれらのポリマーの2つまたはそれより多くの混合物からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ポリマー基材が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−アクリレートエラストマー−スチレンコポリマー、ポリ(ブチレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、コポリエーテルエステル、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド6/9、ポリアミド6/12、ポリアミド4/6、ポリアミド66/6、ポリアミド6/66、ポリアミド11、ポリアミド12、芳香族ジアミンおよびアジピン酸ベースのポリアミド、アルキレンジアミンおよびイソ−および/またはテレフタル酸から調製されるポリアミドおよびそれらのコポリアミド、コポリエーテルアミド、コポリエステルアミド、ウレタンベース上の熱可塑性エラストマー、ポリ(スチレン)、耐衝撃性ポリ(スチレン)、コモノマーとしてのビスフェノールAおよび「炭酸」単位または他のビスフェノールおよび/またはジカルボン酸単位に基づくポリカーボネート、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブレンド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン/ポリ(ブチレンテレフタレート)ブレンド、ポリ(塩化ビニル); ポリ(塩化ビニル)/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリ(塩化ビニル)/アクリロニトリル−スチレン−アクリレート、アクリレート−変性PVCおよびイオノマー、またはそれらのポリマー基材の2つまたはそれより多くの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポリマー基材が、ポリオレフィン、PC/ABS、ABS、ポリアミド、例えばPA−6、またはポリオレフィンゴムまたは熱可塑性エラストマー(TPE)である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ポリオレフィンが、モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、例えば高結晶性ポリプロピレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、シクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、随意に架橋したポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン、高密度高分子量ポリエチレン、高密度超高分子量ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、VLDPEおよびULDPE、または先程述べたポリマーの2つまたはそれより多くの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの、ポリエチレンとの混合物、または異なる種類のポリエチレンの混合物、モノオレフィンおよびジオレフィンのお互いの、または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレンおよびそれらと低密度ポリエチレンとの混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキサンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、および一酸化炭素とのそれらのコポリマー、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのコポリマー; およびかかるコポリマー同士の、または上記の他のポリマーとの混合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
TPEが、基本的に、ポリオレフィンとして請求項9に記載されたポリマーと耐衝撃性改質剤、例えばエチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー、エチレンとより高級のアルファ−オレフィンとのコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、水素化スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、水素化スチレン−イソプレンコポリマー、好ましくは約10〜約90質量%のプロピレンホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーを有するTPO、およびエチレンとC3〜C8−アルファ−オレフィンとの約90〜約10質量%の弾性コポリマーとのブレンドであるゴム変性ポリオレフィンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
変性ポリマーが、請求項4に記載の主鎖を有し、且つ、不飽和カルボン酸、例えば不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またはシアノアクリル酸、または不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸またはC1〜C3−モノ−またはジ置換された、またはアリール(例えばC6〜C12−アリール)置換されたマレイン酸、例えば2−メチルマレイン酸、2−エチルマレイン酸、2−フェニルマレイン酸、または2,3−ジメチルマレイン酸、フマル酸、またはそれらの反応性の前駆体の形態、例えば無水物とのグラフトによって変性され、該グラフトは1つより多くのそれらのモノマーを用いてもよい、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
さらに、1つまたはそれより多くのさらなる添加剤をポリマー組成物に添加し、前記の単数または複数の添加剤が、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、ホスフェート、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、アミンオキシド、ベンゾフラノン、インドリノン、チオ相乗剤、ペルオキシド捕捉剤、ポリアミド安定剤、塩基性共安定剤、成核剤、分散剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、染料、蛍光増白剤、流動添加剤、触媒、流動調節剤、スリップ剤、架橋剤、架橋促進剤、ハロゲン捕捉剤、煙抑制剤、防炎加工剤、帯電防止剤、透明剤および膨張剤からなる群から選択され、その際、組成物中での、成核剤の他の述べられた添加剤の相対的な量の合計は、全ポリマー組成物の約0.01〜約5質量%であり、且つ、成核剤の量はそれらの40%までであってよい、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
製造工程条件、およびメラミン誘導体の量および/または種類を、これを組み合わせて、変性ポリマーがないこと以外の点では同一の組成を有する物品と比較した光沢の低下をみちびくように選択し、特に、選択される工程条件が、溶融温度、所望の物品を造形する装置内への材料の移動速度、成形のための鋳型を充填するための温度、造形装置の温度、および固体の製品を加工する温度を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
変性ポリマーを、それを前記ポリマー物品の造形のために使用される混合物に添加することによって、好ましくは請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法を使用して、好ましくは前記のメラミン誘導体がない組成物と比較した光沢の低下において効果的な量の変性ポリマーを添加することによって、ポリマー物品の光沢を変調、特に低減させるための添加剤として用いる使用、またはポリマー物品を造形するために使用される混合物に変性ポリマーを添加することにより、メラミン誘導体を光沢減少剤として用いる使用。
【請求項15】
請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法によって製造されたポリマー物品。

【公表番号】特表2012−506927(P2012−506927A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533676(P2011−533676)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063765
【国際公開番号】WO2010/049319
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】