変換アダプタ
【課題】周辺機器に対する電源供給の要否を自動的に判断し、周辺機器に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタを兼用することができる。
【解決手段】USBインターフェースを有したPC11と、RS232Cインターフェースを有した周辺機器12とを接続して相互に通信を行う変換アダプタ13であって、周辺機器12の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器12には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器12には電源を供給しすることを特徴とする。
【解決手段】USBインターフェースを有したPC11と、RS232Cインターフェースを有した周辺機器12とを接続して相互に通信を行う変換アダプタ13であって、周辺機器12の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器12には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器12には電源を供給しすることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC(パーソナルコンピュータ)のUSBインターフェースと、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やプログラマブル表示器(以下、表示器と称する)等のRS232Cインターフェースとを接続して通信を行うための変換アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図14に示すように、USBインターフェースを備えたPC61と、RS232Cインターフェースを備えたPLCや表示器62とを、変換アダプタ63を介して接続し、相互に通信を行っている。
【0003】
PLCは、自動組付機等の各種ターゲットシステムを制御する産業用制御装置であり、表示器は、PLCの稼動状況や作業指示等の管理のためのモニタや、各種設定値を入力する端末としての機能を備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PLCは電源を有しており、表示器は電源を有していない。このため、PCとPLCを接続する場合は、PCからPLCに電源を供給せず、PCと表示器を接続する場合は、PCから表示器に電源を供給している。もし、PCとPLCを接続する場合に、PCからPLCに電源を供給すると、PLC自身の電源との競合が起こり、駆動電圧が低い機器が破損してしまうという不都合が生じる。
【0005】
このため、従来は、PCとPLCとの変換アダプタには電源を供給しないタイプを用い、PCと表示器との変換アダプタには電源供給タイプを用いている。しかし、このような変換アダプタの使い分けは煩雑であり、間違いも生じるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の変換アダプタは、USBインターフェースを有したPCと、RS232Cインターフェースを有した周辺機器とを接続して相互に通信を行うものであって、前記周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給することを特徴とする。
【0007】
本発明の変換アダプタによると、周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給するので、周辺機器に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタを兼用することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、周辺機器に対する電源供給の要否を自動的に判断し、周辺機器に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタを兼用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における変換アダプタについて説明する。
【0010】
(周辺機器が未接続状態)
図1はPCと周辺機器と変換アダプタの関係を示す概略構成図、図2は変換アダプタのブロック図、図3はCPLDのブロック図、図4は変換アダプタのRS232Cコネクタの詳細図、図5は周辺機器が未接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャートである。
【0011】
図1において、11はUSBインターフェースを備えたPC、12はRS232Cインターフェースを備えたPLCや表示器等の周辺機器、13はPC11と周辺機器12とを接続して相互に通信を行うための変換アダプタである。
【0012】
図2において、21はCPLD(コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス)、22はUSBコネクタ、23はRS232Cコネクタ、24はCPLD21とUSBコネクタ22の間に設けられたUSB変換部、25はCPLD21とRS232Cコネクタ23の間に設けられたラインドライバ/レシーバ部、26は第1電源供給部、27は第2電源供給部、28はOSC(発振回路部)である。
【0013】
USBコネクタ22は、5vの電源端子、接地端子、一対の信号端子D+,D−にて構成されている。
【0014】
第1電源供給部26は、「駆動1」の駆動信号に基づき、PC11からの電源を周辺機器12に供給する。
【0015】
第2電源供給部27は、「駆動2」の駆動信号に基づき、PC11からの電源を周辺機器12に供給する。
【0016】
図3において、31は識別信号照合部、32は状態遷移回路部、33はタイミングパルス生成部、34は出力制御部、35,35はフィルタである。
【0017】
図4において、RS232Cコネクタ23は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0018】
信号TxDは、PC11から周辺機器12へのデータの送信を表し、信号RxDは、PC11の周辺機器12からのデータの受信を表している。
【0019】
図5において、「駆動1」は、出力制御部34から出力される駆動信号を表しており、約1.3s置きに約0.4s間出力される。「駆動1」による駆動信号に基づき、第1電源供給部26を介して電源端子(#2)から約1.3s置きに約0.4s間、常に電源を出し続ける(間欠給電)。「検出1」は、電源端子(#2)の電圧の検出信号を表している。この場合、約1.3s置きに約0.4s間の検出信号が得られる。「駆動2」は、出力制御部34から出力される駆動信号を表しており、「検出2」は、電源端子(#5)の電圧の検出信号を表している。周辺機器が未接続状態では、「駆動2」ならびに「検出2」は共に"L"となっている。
【0020】
(表示器が接続状態)
図6はPCと表示器と変換アダプタの関係を示す概略構成図、図7は表示器のRS232Cコネクタの詳細図、図8は表示器が接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート、図9は図8のタイミングチャートにおける「駆動2」の駆動信号の部分拡大図である。
【0021】
図7において、表示器12のRS232Cコネクタ41は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0022】
図8において、時刻aにて、PC11に接続した変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23に、表示器12のRS232Cコネクタ41が接続される。表示器12からRS232Cコネクタ23の信号端子RxD(#3)に識別信号51が送信されてくる。識別信号51は、"H"が約1.2ms、"L"が約1.2msで、3個の"H"からなる。識別信号51を識別信号照合部31にて照合し、表示器12が接続された旨の認識信号を状態遷移回路部32へ出力する。状態遷移回路部32からの出力により、出力制御部34は「駆動1」の駆動信号と「駆動2」の駆動信号を"H"にし、第1電源供給部26と第2電源供給部27を介して、RS232Cコネクタ23の電源端子(#2)(#5)より電源を表示器12に供給する。ここで、「駆動1」の駆動信号だけでなく「駆動2」の駆動信号も"H"にして両方の電源端子(#2)(#5)より表示器12へ電源を供給するのは、RS232C接続用のモジュラーケーブルの線径が細いため、「駆動1」からの電源供給では電圧降下が大きいからである。すなわち、対象とする表示器12が接続されたことが認識されたならば、表示器12が本格的に起動する前に2本の線で電圧供給を行い、電圧降下を軽減させる。
【0023】
なお、図8の「駆動2」における信号52(図9に拡大図を示す)は、対象の表示器12が外されたかどうかを定期的に確認するためのものである。この変換アダプタ13は対象の表示器12に接続した後、PLCに接続する可能性があるため、表示器12が接続され続けているのか外されたのかを、定期的に「駆動2」を"L"にすることにより検出する必要がある。対象の表示器12が外されていれば、図7の電源端子(#5)と(#2)の接続がなくなるため、「検出2」は"L"となる。このことで、対象の表示器12が外されたことを検出する(図8の時刻b直後に当たる)。
【0024】
時刻bにて、表示器12のRS232Cコネクタ41と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続が解除される。「検出2」の検出信号が"L"となることで、状態遷移回路部32は表示器12の接続が解除された旨を認識する。状態遷移回路部32からの出力により、出力制御部34は「駆動1」の駆動信号を約1.3s置きに約0.4sの間欠給電に戻し、「駆動2」の駆動信号を"L"に戻す。なお、表示器12が外れると「検出2」の検出信号が"L"となるのは以下の理由による。「駆動1」からの電源供給は、図4のRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)から図7のRS232Cコネクタ41の電源端子(#5)へ行われ、「駆動2」からの電源供給は、図4の電源端子(#5)から図7の電源端子(#2)へ行われる。対象の表示器12が接続されている場合は図7の電源端子(#5)と図7の電源端子(#2)は接続されているので、信号52が"L"になっても「検出2」は"H"となるが(図4の電源端子(#2)->図7の電源端子(#5)->図7の電源端子(#2)->図4の電源端子(#5)の経路が成立)、対象の表示器12が外された場合は図7の電源端子(#5)と図7の電源端子(#2)の経路がなく、図4の電源端子(#2)から図4の電源端子(#5)への経路が成立せず、「検出2」は"L"となる。
【0025】
(PLCが接続状態)
図10はPCとPLCと変換アダプタの関係を示す概略構成図、図11はPLCのRS232Cコネクタの詳細図、図12,13はPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャートである。
【0026】
図11において、PLC12のRS232Cコネクタ42は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0027】
図12において、時刻cにて、PC11に接続した変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23に、PLC12のRS232Cコネクタ42が接続される。なお、PLC12の電源はオフとなっている。PLC12が接続されているので、図4のRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)の電源がPLC12の内部回路を通って電源端子(#5)に戻ってくる。これを「検出2」の検出信号にて検出し、状態遷移回路部32は2回目の立下り53で、PLC12が接続されていることを認識する。2回目の立下りで検出するのは、1回目では時刻cが間欠給電パルスの途中であって検出できないかもしれないため、2回目で検出することで確実に判断するためである。なお、図8の表示器の接続ではRxD(#3)に識別信号51が送信されてくることで接続を判断しているが、PLCではそのような信号でなく電源端子(#5)の電圧で接続を判断するのは、対象の表示器以外は識別信号を出力する機能がないためであり、電源端子(#5)に電圧が戻ってくるかによって、対象の表示器以外の何か、この場合にはPLCが接続されたことを認識する。また、PLC12が接続されていることを認識した後は、
「駆動1」の駆動信号を、約1.3s置きに約0.4sの間欠給電から、約1.7s置きに約20msの間欠給電に変更する。これは、対象の表示器以外の機器が接続されたことを認識した場合は、不要な電圧を接続された機器へ供給するべきではなく、本来は「駆動1」の動作を完全に止めるべきであるが、完全に止めてしまうと「検出2」へ電圧が発生しないので、機器が接続中なのか外れたのかの検出ができなくなってしまう。よって、対象の表示器以外の機器が接続された場合は、パルス幅をできるだけ絞ってその機器が接続中であるかどうかの検出を行えるようにしている。なお、機器無接続状態でのパルス幅は、対象の表示器が接続された場合、電源を印加してから信号51を出力するまでに0.25s〜0.3s必要なことから、0.4sに設定している。
【0028】
時刻dにて、PLC12の電源をオンにする。「検出1」「検出2」の検出信号にてRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)(#5)に加わるPLC12自身の電源が検出される。このように、「駆動1」「駆動2」の駆動信号が出力されていないとき、「検出1」「検出2」の検出信号にて電圧が検出されると、「駆動1」「駆動2」の駆動信号を完全に"L"とする。
【0029】
図13において、時刻eにて、PLC12の電源をオフにする。「検出1」「検出2」の検出信号にて電源端子(#2)(#5)における電圧が検出されなくなることで、PLC12の電源がオフになったか、またはPLC12のRS232Cコネクタ42と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続が解除されたものと認識する。「駆動1」は、約1.3s置きに約0.4sの間欠給電を再開し、これを「検出2」の検出信号にて検出し、状態遷移回路部32は2回目の立下り54で、PLC12が接続されていることを認識する。
【0030】
時刻fにて、PLC12のRS232Cコネクタ42と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続を解除する。「検出2」の検出信号が検出されなくなることで、PLC12が外れたことを認識する。
【0031】
このように構成された変換アダプタ13によると、周辺機器12の電源の有無を認識し、電源を有するPLC12には電源を供給せず(図12,13参照)、電源を有しない表示器12には電源を供給しするので(図8参照)、周辺機器12に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタ13を兼用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、PCとPLCやプログラマブル表示器とを接続する変換アダプタとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態におけるPCと周辺機器と変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図2】本発明の実施の形態における変換アダプタのブロック図
【図3】本発明の実施の形態におけるCPLDのブロック図
【図4】本発明の実施の形態における変換アダプタのRS232Cコネクタの詳細図
【図5】本発明の実施の形態における周辺機器が未接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図6】本発明の実施の形態におけるPCと表示器と変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図7】本発明の実施の形態における表示器のRS232Cコネクタの詳細図
【図8】本発明の実施の形態における表示器が接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図9】図8のタイミングチャートにおける「駆動2」の駆動信号の部分拡大図
【図10】本発明の実施の形態におけるPCとPLCと変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図11】本発明の実施の形態におけるPLCのRS232Cコネクタの詳細図
【図12】本発明の実施の形態におけるPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図13】本発明の実施の形態におけるPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図14】従来例の概略構成図
【符号の説明】
【0034】
11 PC
12 周辺機器
13 変換アダプタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC(パーソナルコンピュータ)のUSBインターフェースと、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やプログラマブル表示器(以下、表示器と称する)等のRS232Cインターフェースとを接続して通信を行うための変換アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図14に示すように、USBインターフェースを備えたPC61と、RS232Cインターフェースを備えたPLCや表示器62とを、変換アダプタ63を介して接続し、相互に通信を行っている。
【0003】
PLCは、自動組付機等の各種ターゲットシステムを制御する産業用制御装置であり、表示器は、PLCの稼動状況や作業指示等の管理のためのモニタや、各種設定値を入力する端末としての機能を備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PLCは電源を有しており、表示器は電源を有していない。このため、PCとPLCを接続する場合は、PCからPLCに電源を供給せず、PCと表示器を接続する場合は、PCから表示器に電源を供給している。もし、PCとPLCを接続する場合に、PCからPLCに電源を供給すると、PLC自身の電源との競合が起こり、駆動電圧が低い機器が破損してしまうという不都合が生じる。
【0005】
このため、従来は、PCとPLCとの変換アダプタには電源を供給しないタイプを用い、PCと表示器との変換アダプタには電源供給タイプを用いている。しかし、このような変換アダプタの使い分けは煩雑であり、間違いも生じるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の変換アダプタは、USBインターフェースを有したPCと、RS232Cインターフェースを有した周辺機器とを接続して相互に通信を行うものであって、前記周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給することを特徴とする。
【0007】
本発明の変換アダプタによると、周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給するので、周辺機器に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタを兼用することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、周辺機器に対する電源供給の要否を自動的に判断し、周辺機器に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタを兼用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における変換アダプタについて説明する。
【0010】
(周辺機器が未接続状態)
図1はPCと周辺機器と変換アダプタの関係を示す概略構成図、図2は変換アダプタのブロック図、図3はCPLDのブロック図、図4は変換アダプタのRS232Cコネクタの詳細図、図5は周辺機器が未接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャートである。
【0011】
図1において、11はUSBインターフェースを備えたPC、12はRS232Cインターフェースを備えたPLCや表示器等の周辺機器、13はPC11と周辺機器12とを接続して相互に通信を行うための変換アダプタである。
【0012】
図2において、21はCPLD(コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス)、22はUSBコネクタ、23はRS232Cコネクタ、24はCPLD21とUSBコネクタ22の間に設けられたUSB変換部、25はCPLD21とRS232Cコネクタ23の間に設けられたラインドライバ/レシーバ部、26は第1電源供給部、27は第2電源供給部、28はOSC(発振回路部)である。
【0013】
USBコネクタ22は、5vの電源端子、接地端子、一対の信号端子D+,D−にて構成されている。
【0014】
第1電源供給部26は、「駆動1」の駆動信号に基づき、PC11からの電源を周辺機器12に供給する。
【0015】
第2電源供給部27は、「駆動2」の駆動信号に基づき、PC11からの電源を周辺機器12に供給する。
【0016】
図3において、31は識別信号照合部、32は状態遷移回路部、33はタイミングパルス生成部、34は出力制御部、35,35はフィルタである。
【0017】
図4において、RS232Cコネクタ23は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0018】
信号TxDは、PC11から周辺機器12へのデータの送信を表し、信号RxDは、PC11の周辺機器12からのデータの受信を表している。
【0019】
図5において、「駆動1」は、出力制御部34から出力される駆動信号を表しており、約1.3s置きに約0.4s間出力される。「駆動1」による駆動信号に基づき、第1電源供給部26を介して電源端子(#2)から約1.3s置きに約0.4s間、常に電源を出し続ける(間欠給電)。「検出1」は、電源端子(#2)の電圧の検出信号を表している。この場合、約1.3s置きに約0.4s間の検出信号が得られる。「駆動2」は、出力制御部34から出力される駆動信号を表しており、「検出2」は、電源端子(#5)の電圧の検出信号を表している。周辺機器が未接続状態では、「駆動2」ならびに「検出2」は共に"L"となっている。
【0020】
(表示器が接続状態)
図6はPCと表示器と変換アダプタの関係を示す概略構成図、図7は表示器のRS232Cコネクタの詳細図、図8は表示器が接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート、図9は図8のタイミングチャートにおける「駆動2」の駆動信号の部分拡大図である。
【0021】
図7において、表示器12のRS232Cコネクタ41は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0022】
図8において、時刻aにて、PC11に接続した変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23に、表示器12のRS232Cコネクタ41が接続される。表示器12からRS232Cコネクタ23の信号端子RxD(#3)に識別信号51が送信されてくる。識別信号51は、"H"が約1.2ms、"L"が約1.2msで、3個の"H"からなる。識別信号51を識別信号照合部31にて照合し、表示器12が接続された旨の認識信号を状態遷移回路部32へ出力する。状態遷移回路部32からの出力により、出力制御部34は「駆動1」の駆動信号と「駆動2」の駆動信号を"H"にし、第1電源供給部26と第2電源供給部27を介して、RS232Cコネクタ23の電源端子(#2)(#5)より電源を表示器12に供給する。ここで、「駆動1」の駆動信号だけでなく「駆動2」の駆動信号も"H"にして両方の電源端子(#2)(#5)より表示器12へ電源を供給するのは、RS232C接続用のモジュラーケーブルの線径が細いため、「駆動1」からの電源供給では電圧降下が大きいからである。すなわち、対象とする表示器12が接続されたことが認識されたならば、表示器12が本格的に起動する前に2本の線で電圧供給を行い、電圧降下を軽減させる。
【0023】
なお、図8の「駆動2」における信号52(図9に拡大図を示す)は、対象の表示器12が外されたかどうかを定期的に確認するためのものである。この変換アダプタ13は対象の表示器12に接続した後、PLCに接続する可能性があるため、表示器12が接続され続けているのか外されたのかを、定期的に「駆動2」を"L"にすることにより検出する必要がある。対象の表示器12が外されていれば、図7の電源端子(#5)と(#2)の接続がなくなるため、「検出2」は"L"となる。このことで、対象の表示器12が外されたことを検出する(図8の時刻b直後に当たる)。
【0024】
時刻bにて、表示器12のRS232Cコネクタ41と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続が解除される。「検出2」の検出信号が"L"となることで、状態遷移回路部32は表示器12の接続が解除された旨を認識する。状態遷移回路部32からの出力により、出力制御部34は「駆動1」の駆動信号を約1.3s置きに約0.4sの間欠給電に戻し、「駆動2」の駆動信号を"L"に戻す。なお、表示器12が外れると「検出2」の検出信号が"L"となるのは以下の理由による。「駆動1」からの電源供給は、図4のRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)から図7のRS232Cコネクタ41の電源端子(#5)へ行われ、「駆動2」からの電源供給は、図4の電源端子(#5)から図7の電源端子(#2)へ行われる。対象の表示器12が接続されている場合は図7の電源端子(#5)と図7の電源端子(#2)は接続されているので、信号52が"L"になっても「検出2」は"H"となるが(図4の電源端子(#2)->図7の電源端子(#5)->図7の電源端子(#2)->図4の電源端子(#5)の経路が成立)、対象の表示器12が外された場合は図7の電源端子(#5)と図7の電源端子(#2)の経路がなく、図4の電源端子(#2)から図4の電源端子(#5)への経路が成立せず、「検出2」は"L"となる。
【0025】
(PLCが接続状態)
図10はPCとPLCと変換アダプタの関係を示す概略構成図、図11はPLCのRS232Cコネクタの詳細図、図12,13はPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャートである。
【0026】
図11において、PLC12のRS232Cコネクタ42は、接地端子(#1)、5vの電源端子(#2)、信号端子RxD(#3)、信号端子TxD(#4)、5vの電源端子(#5)、接地端子(#6)にて構成されている。
【0027】
図12において、時刻cにて、PC11に接続した変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23に、PLC12のRS232Cコネクタ42が接続される。なお、PLC12の電源はオフとなっている。PLC12が接続されているので、図4のRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)の電源がPLC12の内部回路を通って電源端子(#5)に戻ってくる。これを「検出2」の検出信号にて検出し、状態遷移回路部32は2回目の立下り53で、PLC12が接続されていることを認識する。2回目の立下りで検出するのは、1回目では時刻cが間欠給電パルスの途中であって検出できないかもしれないため、2回目で検出することで確実に判断するためである。なお、図8の表示器の接続ではRxD(#3)に識別信号51が送信されてくることで接続を判断しているが、PLCではそのような信号でなく電源端子(#5)の電圧で接続を判断するのは、対象の表示器以外は識別信号を出力する機能がないためであり、電源端子(#5)に電圧が戻ってくるかによって、対象の表示器以外の何か、この場合にはPLCが接続されたことを認識する。また、PLC12が接続されていることを認識した後は、
「駆動1」の駆動信号を、約1.3s置きに約0.4sの間欠給電から、約1.7s置きに約20msの間欠給電に変更する。これは、対象の表示器以外の機器が接続されたことを認識した場合は、不要な電圧を接続された機器へ供給するべきではなく、本来は「駆動1」の動作を完全に止めるべきであるが、完全に止めてしまうと「検出2」へ電圧が発生しないので、機器が接続中なのか外れたのかの検出ができなくなってしまう。よって、対象の表示器以外の機器が接続された場合は、パルス幅をできるだけ絞ってその機器が接続中であるかどうかの検出を行えるようにしている。なお、機器無接続状態でのパルス幅は、対象の表示器が接続された場合、電源を印加してから信号51を出力するまでに0.25s〜0.3s必要なことから、0.4sに設定している。
【0028】
時刻dにて、PLC12の電源をオンにする。「検出1」「検出2」の検出信号にてRS232Cコネクタ23の電源端子(#2)(#5)に加わるPLC12自身の電源が検出される。このように、「駆動1」「駆動2」の駆動信号が出力されていないとき、「検出1」「検出2」の検出信号にて電圧が検出されると、「駆動1」「駆動2」の駆動信号を完全に"L"とする。
【0029】
図13において、時刻eにて、PLC12の電源をオフにする。「検出1」「検出2」の検出信号にて電源端子(#2)(#5)における電圧が検出されなくなることで、PLC12の電源がオフになったか、またはPLC12のRS232Cコネクタ42と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続が解除されたものと認識する。「駆動1」は、約1.3s置きに約0.4sの間欠給電を再開し、これを「検出2」の検出信号にて検出し、状態遷移回路部32は2回目の立下り54で、PLC12が接続されていることを認識する。
【0030】
時刻fにて、PLC12のRS232Cコネクタ42と、変換アダプタ13のRS232Cコネクタ23との接続を解除する。「検出2」の検出信号が検出されなくなることで、PLC12が外れたことを認識する。
【0031】
このように構成された変換アダプタ13によると、周辺機器12の電源の有無を認識し、電源を有するPLC12には電源を供給せず(図12,13参照)、電源を有しない表示器12には電源を供給しするので(図8参照)、周辺機器12に電源を供給する場合と、電源を供給しない場合とで、変換アダプタ13を兼用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、PCとPLCやプログラマブル表示器とを接続する変換アダプタとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態におけるPCと周辺機器と変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図2】本発明の実施の形態における変換アダプタのブロック図
【図3】本発明の実施の形態におけるCPLDのブロック図
【図4】本発明の実施の形態における変換アダプタのRS232Cコネクタの詳細図
【図5】本発明の実施の形態における周辺機器が未接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図6】本発明の実施の形態におけるPCと表示器と変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図7】本発明の実施の形態における表示器のRS232Cコネクタの詳細図
【図8】本発明の実施の形態における表示器が接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図9】図8のタイミングチャートにおける「駆動2」の駆動信号の部分拡大図
【図10】本発明の実施の形態におけるPCとPLCと変換アダプタの関係を示す概略構成図
【図11】本発明の実施の形態におけるPLCのRS232Cコネクタの詳細図
【図12】本発明の実施の形態におけるPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図13】本発明の実施の形態におけるPLCが接続状態でのRS232Cコネクタのタイミングチャート
【図14】従来例の概略構成図
【符号の説明】
【0034】
11 PC
12 周辺機器
13 変換アダプタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBインターフェースを有したPCと、RS232Cインターフェースを有した周辺機器とを接続して相互に通信を行う変換アダプタであって、
前記周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給することを特徴とする変換アダプタ。
【請求項1】
USBインターフェースを有したPCと、RS232Cインターフェースを有した周辺機器とを接続して相互に通信を行う変換アダプタであって、
前記周辺機器の電源の有無を認識し、電源を有する周辺機器には電源を供給せず、電源を有しない周辺機器には電源を供給することを特徴とする変換アダプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−249625(P2007−249625A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72353(P2006−72353)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】
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