説明

変換器および測定装置

【課題】変換器における信号配線間のクロストーク等を低減する。
【解決手段】音波を電気信号に変換する変換器であって、検出面で検出した音波を電気信号にそれぞれ変換する複数の圧電素子を有する圧電部と、圧電部が固定される多層基板とを備え、多層基板は、複数の圧電素子に対応して設けられ、それぞれ対応する圧電素子が出力する電気信号を伝送する複数の信号配線と、複数の信号配線の少なくとも一部を電磁的にシールドするシールド部とを有し、圧電部は、複数の圧電素子が固定される多層基板の面と、複数の圧電素子の検出面とが、傾きを有するように多層基板に固定される変換器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換器および測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体等の測定対象に超音波を照射して、測定対象から反射された超音波を検出することで、測定対象の内部構造等を示す画像を生成する超音波検査が知られている。超音波検査においては、検出した超音波を複数の圧電素子で電気信号に変換する変換器を有する(例えば、特許文献1から3参照)。
特許文献1 特開2002−101496号公報
特許文献2 特開2004−112326号公報
特許文献3 特開2002−142294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
他に、測定対象からの超音波により測定対象を測定する手法として、測定対象に所定周波数の光を照射する光音響法が知られている。光音響法では、光の照射により測定対象に周期的な温度変化を生じさせて、測定対象の歪により生じる超音波を検出する。光音響法においても、検出した超音波を電気信号に変換する変換器を用いる。
【0004】
しかし、光音響法で測定対象から出力される超音波の強度は、超音波検査で測定対象が反射する超音波の強度よりもはるかに小さい。例えば、光音響法で検出される超音波の強度は、超音波検査で検出される超音波の強度の100分の1程度である。このため、光音響法における変換器では、電気信号間のクロストーク、電気信号のロス、外部からのノイズ等を低減しなければならない。
【0005】
従来の変換器として、圧電素子からの電気信号を、フィルム配線でケーブルに伝送するものがある。また、従来の変換器として、圧電素子からの電気信号を、圧電素子のバッキング部材に設けたビア配線で伝送するものがある。しかし、フィルム配線およびバッキング部材におけるビア配線では、伝送路のシールドおよびインピーダンス制御を行うことが困難であり、フィルム配線部分で信号のクロストーク等が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、音波を電気信号に変換する変換器であって、検出面で検出した音波を電気信号にそれぞれ変換する複数の圧電素子を有する圧電部と、圧電部が固定される多層基板とを備え、多層基板は、複数の圧電素子に対応して設けられ、それぞれ対応する圧電素子が出力する電気信号を伝送する複数の信号配線と、複数の信号配線の少なくとも一部を電磁的にシールドするシールド部とを有し、圧電部は、複数の圧電素子が固定される多層基板の面と、複数の圧電素子の検出面とが、傾きを有するように多層基板に固定される変換器を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様においては、測定対象を測定する測定装置であって、測定対象に、予め定められた周期で強度を変調させた光を照射する光源と、光の照射に応じて測定対象から出力される音波を、電気信号に変換する第1の態様の変換器と、変換器が変換した電気信号に応じた画像を生成する画像生成部とを備える測定装置を提供する。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】測定対象200を測定する測定装置100の構成例を示す。
【図2】変換器10の外観例を示す。
【図3A】圧電部20が、多層基板40に固定された状態を示す。
【図3B】圧電部20が、多層基板40から分離した状態を示す。
【図4】多層基板40の断面の一例を示す。
【図5】配線層50の一例を示す。
【図6】多層基板40の構造例を示す。
【図7】圧電部20の他の構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、測定対象200を測定する測定装置100の構成例を示す。測定対象200は、例えば生体物質である。測定装置100は、光音響法により、測定対象200の内部構造等を測定する。測定装置100は、測定対象200に光を照射したときに、測定対象200から出力される超音波等の音波を検出することで、測定対象200の内部構造等を測定する。
【0012】
より具体的には、測定装置100は、測定対象200に所定の周波数の光を照射する。このとき、被測定物202が、当該光を選択的に吸収して、周期的に断熱膨張することで、超音波が発生する。超音波は、照射光に応じた周期を有する。被測定物202が生成した音波の位相、および、振幅等は、測定対象200における被測定物202の深さ、および、熱拡散率等の物性値に対応する。このため、光を複数の位置に照射して、照射位置ごとの音波を検出することで、被測定物の測定対象200の内部における位置および物性値を測定することができる。
【0013】
測定装置100は、変換器10、光源102、画像生成部106、制御部104、および、画像表示部108を備える。光源102は、測定対象200に、予め定められた周期でパルスを有するパルス光を測定対象200に照射する。
【0014】
変換器10は、光源102からの光の照射に応じて測定対象200から出力される音波を検出する。変換器10は、複数の圧電素子を有してよい。それぞれの圧電素子は、測定対象200の表面の異なる位置から出力される音波を電気信号に変換して、画像生成部106に出力する。
【0015】
画像生成部106は、変換器10から入力される電気信号を用いて、測定対象200の内部構造を示す画像を生成する。画像生成部106は、測定対象200のそれぞれの位置に対応する電気信号の位相、振幅等に基づいて、測定対象200の内部における物性値の分布を示す画像を生成してよい。
【0016】
制御部104は、光源102が照射する光の強度、周期および位相を制御する。制御部104は、光源102が照射した光の強度、周期および位相を、画像生成部106に通知してよい。画像生成部106は、制御部104から通知されるこれらの情報と、変換器10から入力される電気信号とに基づいて、画像を生成してよい。画像表示部108は、画像生成部106が生成した画像を表示する。
【0017】
図2は、変換器10の外観例を示す。図2の上図は、変換器10の正面図を示し、下図は変換器10の上面図を示す。変換器10は、測定対象200に対向して配置される正面部14を有する。正面部14には、圧電部20の音波検出面が露出する。圧電部20は、複数の圧電素子22を有する。
【0018】
また、変換器10は、把持部12を有する。把持部12は、使用者等により把持されてよい。なお、正面部14の幅は、複数の圧電部20の全幅と同等程度であってよい。把持部12の幅は、正面部14よりも大きくてよい。複数の圧電部20の全幅は小さいので、把持部12の幅を大きくすることで、使用者等が把持しやすくなる。
【0019】
変換器10は、圧電部20が出力する電気信号を、ケーブル44を介して画像生成部106に伝送する。変換器10の内部には、圧電部20が出力する電気信号を、ケーブル44に伝送する多層基板が設けられる。
【0020】
図3Aおよび図3Bは、変換器10の内部に設けられる圧電部20および多層基板40の構成例を示す。図3Aは、圧電部20が、多層基板40に固定された状態を示す。図3Bは、圧電部20が、多層基板40から分離した状態を示す。
【0021】
圧電部20は、複数の圧電素子22、背面部32、および、圧電側接続部34を有する。それぞれの圧電素子22は、それぞれの検出面24で検出した音波を電気信号に変換する。複数の圧電素子22は、所定の配列方向に沿って、直線状に順次隣接して設けられる。なお、隣接とは、2つの圧電素子22の間に、振動分離用の隔壁等が設けられる状態を含む。また、複数の圧電素子22は、それぞれの検出面24が同一平面内となるように、検出面24の高さがそろっていることが好ましい。圧電素子22が配列されるピッチは、例えば1mm以下である。
【0022】
背面部32は、それぞれの圧電素子22における検出面24の背面26側に設けられ、圧電素子22の背面26から放射される音波を吸収する。背面部32は、複数の圧電素子22に対して共通に設けられてよく、また、圧電素子22毎に独立して設けられてもよい。
【0023】
圧電側接続部34は、圧電部20において、多層基板40と対向する面に設けられる。本例の圧電側接続部34は、背面部32において、多層基板40と対向する面に設けられる。圧電側接続部34は、それぞれの圧電素子22と電気的に接続され、それぞれの圧電素子22が出力する電気信号を受け取る。
【0024】
圧電側接続部34は、圧電素子22の近傍に設けられることが好ましい。圧電側接続部34は、背面部32の中央よりも、圧電素子22寄りに設けられてよい。また、圧電側接続部34は、圧電素子22の振動部分または電極部分に接して設けられてもよい。
【0025】
圧電素子22の電極部分と、圧電側接続部34とを接続する配線は、背面部32の外面に沿って形成されてよく、また、背面部32の内部に形成されてもよい。圧電素子22および圧電側接続部34を接続する配線の長さは、背面26と垂直方向における背面部32の厚みよりも小さい。このような構成により、圧電素子22から圧電側接続部34までの伝送経路を短くすることができる。
【0026】
多層基板40は、圧電部20と対向する面に、圧電側接続部34と接続する基板側接続部42を有する。多層基板40は、圧電素子22が出力する電気信号を、基板側接続部42を介して受け取り、ケーブル44に伝送する。
【0027】
圧電部20は、複数の圧電素子22が固定される多層基板40の面と、複数の圧電素子22の検出面24とが、傾きを有するように多層基板40に固定される。つまり、検出面24と、多層基板40の固定面とは平行でない。圧電部20は、検出面24と、多層基板40の固定面とが略垂直となるように固定されてよい。
【0028】
圧電側接続部34および基板側接続部42は、電極パッドであってよい。この場合、圧電側接続部34および基板側接続部42は、半田付けされてよい。また、圧電側接続部34および基板側接続部42は、コネクタであってもよい。この場合、圧電側接続部34および基板側接続部42が嵌合することで、圧電素子22の検出面24と略垂直な多層基板40の面に、圧電部20が固定される。これにより、圧電素子22の近傍に、多層基板40を配置することができる。
【0029】
また、圧電素子22の検出面24と平行な多層基板の面に、複数の圧電素子22を固定することも考えられるが、この場合、圧電素子22の検出面24と垂直な方向の振動が多層基板に伝わりやすく、複数の圧電素子22の間で振動が伝播してしまう。また、圧電素子22の電極を当該多層基板上の配線に接続しようとすると、背面部32を省略するか、または、背面部32を貫通する配線を設けなければならない。これに対し、本例の変換器10では、圧電素子22の検出面24は、多層基板40と傾きを有して配置されるので、検出面24の振動が多層基板40に伝播しにくい。また、背面部32を設けて、背面26からの音波を吸収することができる。
【0030】
図4は、多層基板40の断面の一例を示す。多層基板40は、信号配線が形成される配線層50と、接地パターンが形成される接地層48とを交互に有してよい。基板側接続部42の各端子は、ビア配線54を介して、いずれかの配線層50に設けられた信号配線に接続される。当該信号配線は、複数の圧電素子22に対応して設けられ、それぞれ対応する圧電素子22が出力する電気信号を、ケーブル44に伝送する。
【0031】
なお、互いに隣接する圧電素子22に対応する信号配線は、多層基板40の異なる層に設けられてよい。つまり、互いに隣接する圧電素子22に対応するビア配線54は、多層基板40の異なる層に接続されてよい。
【0032】
接地層48に設けられた接地パターンは、複数の信号配線の少なくとも一部を電磁的にシールドするシールド部として機能する。接地パターンは、接地層48の略全面に形成されてよく、隣接する配線層50に形成される信号配線と同様のパターンで形成されてもよい。接地パターンは、導電材料で形成される。接地パターンには、接地電位が与えられてよい。
【0033】
このような構成により、多層基板40における信号配線をシールドすることができる。また、圧電素子22を、多層基板40の近傍に配置できるので、シールドされていない伝送経路は短い。このため、圧電素子22が出力する電気信号のロス、クロストーク、外部ノイズ等を低減することができる。なお、一つの配線層50に、複数のビア配線54が接続されてよい。つまり、一つの配線層50に、複数の信号配線が形成されてよい。
【0034】
図5は、配線層50の一例を示す。本例の配線層50には、複数の信号配線52が形成される。それぞれの信号配線52は、ビア配線54、基板側接続部42、および、圧電側接続部34を介して、対応する圧電素子22の電極部分に接続される。それぞれの信号配線52は、対応する圧電素子22が出力する電気信号を、ケーブル44に伝送する。
【0035】
配線層50には、それぞれの信号配線52に平行して、接地配線55が形成される。接地配線55は、信号配線52の両側に設けられてよい。接地配線55は、複数の信号配線52の少なくとも一部を電磁的にシールドするシールド部として機能する。接地配線55には、接地電位が与えられてよい。
【0036】
図6は、多層基板40の構造例を示す。本例の多層基板40は、圧電素子22の配列方向における幅W2が、隣接して配列される複数の圧電素子の全体の幅W1(図3B参照)よりも大きい領域56を有する。図2に示したように、変換器10は、幅の大きい把持部12を有するので、幅の大きい多層基板40の領域56を、把持部12の内部に設けることができる。
【0037】
領域56において、それぞれの信号配線52が設けられる配列方向のピッチP2は、圧電側接続部34において対応する端子のピッチP1よりも大きい。つまり、信号配線52のピッチは、圧電側接続部34の近傍におけるピッチP1よりも、ケーブル44の近傍におけるピッチP2のほうが大きくなる。このような構成により、信号配線52間のクロストークを低減することができる。
【0038】
また、領域56において、各信号配線52の間に、接地配線55を更に設けてもよい。なお、多層基板40は、四角形状であってよい。つまり、圧電側接続部34の近傍においても、多層基板40は、領域56と同一の幅W2を有してよい。この場合、変換器10の正面部14は、把持部12と同一の幅を有してよい。
【0039】
また、多層基板40には、信号処理部58が設けられてよい。信号処理部58は、信号配線52毎に設けられてよい。信号処理部58は、対応する信号配線52を伝送する電気信号を、異なる信号に変換して伝送する信号変換部として機能してよい。信号処理部58は、当該電気信号を、デジタル信号または差動信号に変換してよい。
【0040】
このような構成により、圧電素子22が出力した電気信号を、圧電素子22の近傍においてデジタル信号または差動信号に変換できる。つまり、ノイズの影響を受けやすい電気信号が伝送する区間を、圧電素子22から信号処理部58までの短い区間とすることができる。信号処理部58の後段において生じたノイズに対しては、電気信号をデジタル信号または差動信号に変換することで、受信側において信号成分を精度よく抽出することができる。
【0041】
また、信号処理部58は、対応する信号配線52を伝送する電気信号の振幅を増幅して伝送する振幅増幅部として機能してもよい。これにより、信号処理部58より後段の伝送経路で生じたノイズに対する、電気信号の信号成分の比が高くなり、精度よく信号を伝送することができる。また、信号処理部58が、圧電素子22の近傍に設けられるので、ノイズに弱い伝送区間を短くすることができる。
【0042】
このように、信号処理部58を、多層基板40に設けることで、ケーブル44における信号伝送精度を向上させることができる。それぞれの信号処理部58は、領域56に設けられてよい。領域56では、信号配線52間のピッチが大きいので、容易に信号処理部58を設けることができる。特に、光音響法で検出される音波の振幅は小さく、圧電素子22から、画像生成部106までの信号伝送経路におけるノイズ、減衰等の影響を受けやすいが、本例の変換器10を用いることで、信号伝送の精度、効率を向上させることができる。
【0043】
また、図6の例では、複数の圧電素子22を有する変換器10を例として説明したが、圧電素子22が一つであっても、変換器10は同様の構成を有してよい。この場合においても、多層基板40に信号処理部58を設けることで、信号伝送の精度を向上させることができる。また、信号処理部58の機能は、上述したような機能に限定されない。信号処理部58は、所定の周波数成分を通過させるフィルタ機能等を有してもよい。
【0044】
図7は、圧電部20の他の構成例を示す。本例の圧電部20において、複数の圧電素子22は、検出面24が2次元マトリクス構造となるように設けられる。2次元マトリクス構造とは、少なくとも2つの配列軸のそれぞれに沿って、圧電素子22が周期的に配列された構造を指す。本例の圧電素子22は、直交する2つの配列軸のそれぞれに沿って配列される。
【0045】
多層基板40は、2次元マトリクス構造の少なくとも2辺に設けられる。本例において、第1の多層基板40−1および第2の多層基板40−2は、2次元マトリクス構造の対向する2辺に設けられる。それぞれの圧電素子22は、複数の多層基板40のうち、最も近い多層基板40に電気的に接続されてよい。このような構成により、2次元マトリクス構造に設けられた圧電素子22と、多層基板40との間で電気信号が伝送する距離を小さくすることができる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0047】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0048】
10・・・変換器、12・・・把持部、14・・・正面部、20・・・圧電部、22・・・圧電素子、24・・・検出面、26・・・背面、32・・・背面部、34・・・圧電側接続部、40・・・多層基板、42・・・基板側接続部、44・・・ケーブル、48・・・接地層、50・・・配線層、52・・・信号配線、54・・・ビア配線、55・・・接地配線、56・・・領域、58・・・信号処理部、100・・・測定装置、102・・・光源、104・・・制御部、106・・・画像生成部、108・・・画像表示部、200・・・測定対象、202・・・被測定物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波を電気信号に変換する変換器であって、
検出面で検出した前記音波を前記電気信号にそれぞれ変換する複数の圧電素子を有する圧電部と、
前記圧電部が固定される多層基板と
を備え、
前記多層基板は、
前記複数の圧電素子に対応して設けられ、それぞれ対応する圧電素子が出力する前記電気信号を伝送する複数の信号配線と、
前記複数の信号配線の少なくとも一部を電磁的にシールドするシールド部と
を有し、
前記圧電部は、前記複数の圧電素子が固定される前記多層基板の面と、前記複数の圧電素子の前記検出面とが、傾きを有するように前記多層基板に固定される変換器。
【請求項2】
前記圧電部は、前記多層基板と対向する面に、それぞれの前記圧電素子と電気的に接続された圧電側接続部を有し、
前記多層基板は、前記圧電部と対向する面に、それぞれの信号配線と電気的に接続され、前記圧電側接続部と接続する基板側接続部を有する
請求項1に記載の変換器。
【請求項3】
前記圧電部は、
それぞれの前記圧電素子における前記検出面の背面に設けられ、前記圧電素子の前記背面から放射される音波を吸収する背面部と
を有し、
前記圧電側接続部は、前記背面部において、前記多層基板と対向する面に設けられる
請求項2に記載の変換器。
【請求項4】
前記圧電側接続部は、前記背面部の中央よりも、前記圧電素子側に設けられる
請求項3に記載の変換器。
【請求項5】
前記多層基板において、前記複数の信号配線の少なくともいずれかの信号配線に対応して設けられ、対応する前記信号配線を伝送する前記電気信号を、異なる信号に変換して伝送する信号変換部を更に備える
請求項1から4のいずれかに記載の変換器。
【請求項6】
前記多層基板において、前記複数の信号配線の少なくともいずれかの信号配線に対応して設けられ、対応する前記信号配線を伝送する前記電気信号の振幅を増幅して伝送する振幅増幅部を更に備える
請求項1から5のいずれかに記載の変換器。
【請求項7】
前記複数の圧電素子の少なくとも一部は、直線状に順次隣接して設けられ、互いに隣接する前記圧電素子に対応する信号配線が、前記多層基板の異なる層に設けられる
請求項1から6のいずれか一項に記載の変換器。
【請求項8】
前記複数の圧電素子の少なくとも一部は、直線状に順次隣接して設けられ、
前記多層基板は、前記圧電素子が隣接して配列される配列方向における幅が、隣接して配列される複数の前記圧電素子の全体の幅よりも大きい領域を有し、
当該領域において、それぞれの前記信号配線が設けられる前記配列方向のピッチが、前記圧電側接続部における対応する端子のピッチよりも大きい
請求項2から4のいずれか一項に記載の変換器。
【請求項9】
前記複数の圧電素子は、2次元マトリクス構造に設けられ、
前記多層基板が、前記マトリクス構造の少なくとも2辺に設けられる
請求項1から8のいずれか一項に記載の変換器。
【請求項10】
前記圧電部は、前記複数の圧電素子の前記検出面と略垂直な、前記多層基板の面に固定される
請求項1から9のいずれか一項に記載の変換器。
【請求項11】
測定対象を測定する測定装置であって、
前記測定対象に、予め定められた周期で強度を変調させた光を照射する光源と、
光の照射に応じて前記測定対象から出力される前記音波を、前記電気信号に変換する請求項1から10のいずれか一項に記載の変換器と、
前記変換器が変換した前記電気信号に応じた画像を生成する画像生成部と
を備える測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−75555(P2012−75555A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221968(P2010−221968)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】