説明

外国語教育システムおよび方法

【課題】 小学校教師が児童に対して外国語教育を支援するための手段と方法を与える。
【解決手段】 教師は、大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択する手段と、小テーマの内容に沿い、外国語で単語、文章などを発音させて、児童に反復発音させる手段と、小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、外国人指導助手は、小テーマの内容に沿い、教育過程に従って教師の指示によって外国語で単語、文章などを発音し、それを児童が反復発音させる手段と、小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、児童は、大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを受け付ける手段と、小テーマの内容に沿い、外国語で単語、文章などの発音に従って、反復発音する手段と、反復発音する手段に伴う教材をプリントアウトを受け付ける手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語教育システムおよび方法に関し、更に詳細には、外国人を助手とし、その外国人の発音に従って外国語会話を、児童の語学力レベルに応じて教育する外国語教育システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際社会に向かって外国語の習熟が叫ばれ、特に児童には早期の英語等語学教育が必要とされている。
しかし、小学校等にあっては英語教育が義務化されていないため、小学校教師が英語等の語学に習熟しているとは言い難く、必要とされる外国語教育に対し、その能力が不足している傾向にある。
そこで、多数の児童に対して、同時に英語等語学教育を可能とするシステムとしてパソコンを使用し、ネットワークに接続して管理的な手段に基づいた教育する方法が多数見られ、その一例として特許文献1に「サーバは予め行われたテスト結果に基づいてレベルに応じた学習課題を学習者が所持する携帯情報端末に配信し、該携帯情報端末は学習結果をサーバに送信し、サーバは学習結果を分析して次の学習課題を決定して配信する外国語学習システム」が公開されている。しかし、この種の提案は、教師の管理手段が主体になりがちで、本来あるべき学習、教育課題である、読む、聞く、書く、話すことについて児童への教育支援手段に成り得ないものである。
【特許文献1】特開2002−258729号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明は、上記実情に鑑みて考案されたもので、一定のシステムに従って小学校教師が児童に対して外国語教育をする際に、これを支援するための手段と方法を与えようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の外国語教育システムは、教師と外国人指導助手と児童が一堂に会する外国語教育システムであって、
上記教師は、(a)大テーマを選択する手段と、(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択する手段と、(c)該小テーマの内容に沿い、外国人指導助手に指示して教材を用い、外国語で単語、文章などを発音させて、児童に反復発音させる手段と、(d)反復発音させる手段に伴う教材を図示もしくはプリントアウトできる手段と、(e)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、
上記外国人指導助手は、(a)上記小テーマの内容に沿い、教育過程に従って上記教師の指示によって外国語で単語、文章などを発音し、それを児童が反復発音させる手段と、(b)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、
上記児童は、(a)上記大テーマを受け付ける手段と、(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを受け付ける手段と、(c)該小テーマの内容に沿い、外国人指導助手が指し示す教材を用い、外国語で単語、文章などの発音に従って、反復発音する手段と、(d)反復発音する手段に伴う教材を図示もしくはプリントアウトを受け付ける手段を備えることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の外国語教育方法は、教師と外国人指導助手と児童が一堂に会する外国語教育方法であって、
上記教師は、(a)大テーマを選択し、(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択し、
上記外国人指導助手は、(c)該教師の指示により、該小テーマの内容に沿い、外国語で単語、文章などを発音し、(d)教材を指し示し、
上記児童は、(e)上記外国人指導助手の発音に従って反復発音し、
上記教師、上記外国人指導助手は、(f)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択するシステムであるので、児童の語学力レベルに合わせて外国語のレッスンを受けることができる。外国人指導助手が該小テーマの内容に沿い、外国語で単語、文章などを発音するので、児童は反復発音でき、語学に堪能できる。一堂に会しているので、該小テーマの内容の不適切さをフィードバックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
そこで、この発明の実施の形態を、図1および表1〜表3に基づいて説明する。
図1は本発明の外国語会話学習教室全体の構成図である。この図は、HRT(教師)1、ALT(外国人指導助手)2、STUDENTS(児童)3が外国語会話学習教室4において一堂に会していることを示している。即ち、STUDENTS(児童)3が教室4において、HRT(教師)1の指示によりALT(外国人指導助手)2が外国語で単語、文章などを発音し、STUDENTS(児童)3がその発音を聞いて反復発音してレッスンを受ける構図である。
【0008】
この構図に従ってHRT(教師)1は、予め、(a)大テーマを選択する手段および(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択する手段としてそれぞれ(a)アクティビティ・テーマ一覧表および(b)指導テーマ別アクティビティ集を所有し、STUDENTS(児童)3の語学力レベルに合わせて外国語のレッスンを受けさせることができる。該アクティビティ・テーマ一覧表および該指導テーマ別アクティビティ集をそれぞれ表1、表2に示す。
【0009】
【表1】

【0010】
ここで上記大テーマは、全部で40テーマが登録されており、STUDENTS(児童)3が低学年もしくは初心者の場合は例えば、挨拶の表現を覚えたり、アルファベットの正しい発音に慣れることを狙い、小学生の高学年もしくは能力に応じて、順に難易度の高いレベルの内容である、例えば自分達の町や市・県・国などを紹介する表現を習い、あるいは日本や外国のいろいろな行事を英語で楽しんで、地域社会との関わり方を英語で表現することを狙い、大テーマを選定する。
【0011】
次に、上記大テーマをより具体化する小テーマを設定する。その設定の際に、推奨学年/難易度を設けていることが大きな特徴である。即ち小学生の低学年と高学年では選ぶべき内容が難易度によって異なる筈である。そこで、その推奨学年/難易度によって小テーマを選択できる手段を備えている。これを指導テーマ別アクティビティ集として下表にその一例を示すが、下表の活動内容/ねらいの項が上記でいう小テーマを意味し、該小テーマと推奨学年/難易度が対比できるよう一覧化されている。
なお、当該指導テーマ別アクティビティ集は上記大テーマの40テーマに従ってその活動内容を更に詳細にアクティビティNo.で3〜14項目にて表し、その各項に応じた言語材料を具現化して、STUDENTS(児童)3と会話の練習になる単語や文章を表現している。
【0012】
【表2】

【0013】
しかしながら、上記指導テーマ別アクティビティ集を使用しての教育に関して、HRT(教師)1が英語等の語学に習熟しているとは言い難く、必要とされる外国語教育に対しその能力が不足している傾向にあるため、英語等に堪能な教師を必要とする。従って、HRT(教師)1の発音を援助する役割を担うのがALT(外国人指導助手)2で、HRT(教師)1の指示により外国語で単語、文章などを発音し、STUDENTS(児童)3がその発音を聞いて反復発音してレッスンを受けさせる手段を形成する。この手段を表3に示す。
【0014】
【表3】

【0015】
上記の表において、HRT(教師)1がこの過程の紹介を行い、ALT(外国人指導助手)2が教材・教具を使って英語で単語や文章を発音する。それをHRT(教師)1がSTUDENTS(児童)3と一緒に発音を反復する。次の段階でSTUDENTS(児童)3は彼らだけでALT(外国人指導助手)2に従って2〜3回同じ発音を繰り返す。更にALT(外国人指導助手)2は何人かのSTUDENTS(児童)3を指名して、受け答えを他のSTUDENTS(児童)3に見せ、反復発音してレッスンを行う。
このときに使用する教材・教具などは、パソコンで画像として表記したり、印刷物として対象物をプリントアウトして説明することができることを上記ACT.Sheetに教育手段を備えている。
【0016】
更に上表にNotes欄を設け、そこに上記小テーマの内容の不適切さをHRT(教師)1およびALT(外国人指導助手)2が記載し、今後の教育方法について気付いたことや反省をフィードバックさせ、当該小テーマの内容を改善させる手段を備えている。
【実施例】
【0017】
この発明の実施例を、上記実施の形態に基づいて製作した。その実施状況を図2および表4〜表6に基づいて説明する。
HRT(教師)1はアクティビティ・テーマ一覧表を手元に準備した。この表を表4に示す。この表より前回選定した大テーマを終わらせ、今回教育する小学生の学年もしくは能力を考慮し、大テーマとしてNo.14「家にあるもの」と決定した。その狙いは、家にあるものやいろいろな部屋の名前を覚えることとしている。
【0018】
【表4】

【0019】
更にHRT(教師)1は、上記アクティビティ・テーマ一覧表に対応する指導テーマ別アクティビティ集の14「家にあるもの」を選定した。このシートを表5に示す。
【0020】
【表5】

【0021】
上記具体的な指導テーマ別アクティビティ集の14「家にあるもの」のうち、本発明にて設けた大きな特徴である推奨学年/難易度を先ず確認し、今回のSTUDENTS(児童)3の学年と能力を勘案して全/AのアクティビティNo.14−1を選定した。
次の段階で、上記アクティビティNo.14−1の選定に基づき、次の表6にACT.SheetのACT.No.14−1を選定した。
【0022】
【表6】

【0023】
上表において、HRT(教師)1、ALT(外国人指導助手)2、STUDENTS(児童)3が教室4において一堂に会し、HRT(教師)1の指示によりALT(外国人指導助手)2が英語の単語や文章を発音し、最初にHRT(教師)1とSTUDENTS(児童)3が一緒に発音した後、STUDENTS(児童)3が一緒にもしくは単独で発音を反復練習する仕組みとなっている。
更に、上表においてALT(外国人指導助手)2は教材・教具として各種の絵シートPicture sheetを持参し、STUDENTS(児童)3の目に印象を与えながら発音教育を実施している。該絵シートPicture sheet(No14)を図2に示す。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、外国語会話を多くの小学生が同時に実際生活に同等な訓練が可能であり、且つ適宜の変更を加えるので教育方法の発展が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の外国語教室全体を示す構成図である。
【図2】図2は、Picture sheet(No14)を示す絵シートである。
【符号の説明】
【0026】
1 教師
2 外国人指導助手
3 児童
4 外国語会話学習教室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教師と外国人指導助手と児童が一堂に会する外国語教育システムであって、
上記教師は、
(a)大テーマを選択する手段と、
(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択する手段と、
(c)該小テーマの内容に沿い、外国人指導助手に指示して、外国語で単語、文章などを発音させて、児童に反復発音させる手段と、
(d)反復発音させる手段に伴う教材を図示もしくはプリントアウトできる手段と、
(e)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、
上記外国人指導助手は、
(a)上記小テーマの内容に沿い、教育過程に従って上記教師の指示によって外国語で単語、文章などを発音し、それを児童が反復発音させる手段と、
(b)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックさせる手段を備え、
上記児童は、
(a)上記大テーマを受け付ける手段と、
(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを受け付ける手段と、
(c)該小テーマの内容に沿い、外国人指導助手が指し示す教材を用い、外国語で単語、文章などの発音に従って、反復発音する手段と、
(d)反復発音する手段に伴う教材を図示もしくはプリントアウトを受け付ける手段を備える、
ことを特徴とする外国語教育システム。
【請求項2】
教師と外国人指導助手と児童が一堂に会する外国語教育方法であって、
上記教師は、
(a)大テーマを選択し、
(b)該大テーマに付表する推奨学年および難易度から小テーマを選択し、
上記外国人指導助手は、
(c)該教師の指示により、該小テーマの内容に沿い、外国語で単語、文章などを発音し、
(d)教材を指し示し、
上記児童は、
(e)上記外国人指導助手の発音に従って反復発音し、
上記教師、上記外国人指導助手は、
(f)該小テーマの内容の不適切さをフィードバックする、
ことを特徴とする外国語教育方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−176151(P2008−176151A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10794(P2007−10794)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(503179702)株式会社ジョイトーク (1)
【Fターム(参考)】