外形トラック一体型駆動装置
エスカレータシステム10の駆動装置を組み立てる方法が、エスカレータシステム10の幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材28に、エスカレータの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセット18を固定するステップを含む。駆動部材は、この駆動部材が1つまたは複数のトラックセット18に作用的に接続されるように1つまたは複数の支持部材28に固定される。1つまたは複数のトラックセット18、1つまたは複数の支持部材28および駆動部材は、ユニットとしてエスカレータシステム10へ設置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータ、トラベレータおよび動く傾斜路等に関し、特に、エスカレータ、トラベレータおよび動く傾斜路等の組立および設置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータシステム等は、一般に、エスカレータや動く傾斜路の場合のように、経路が2つの高さの間にあろうと、または動く歩道の場合のように、経路が平面、例えば、床に沿ったものであろうと、望ましい経路に沿って複数のパレットを案内する数個のトラックおよびトラック保持部を備えている。さらに、このシステムは、一般に、トラックに沿ってパレットを駆動する主駆動部と、システム内に含まれた手すりを駆動する手すり駆動部とを備えている。これらの構成要素および多くの他の構成要素は、例えば、エスカレータの上部乗り場および下部乗り場の支持構造体を形成するトラスまたは鋼製プレート構造体へと設置される。一般の組立においては、トラックおよび駆動部等は、トラスへと個別に設置され、溶接や他の方法によってトラスに固定される。この組立方法は、大きな労力を要するとともに時間の浪費となるものであり、部品を組み立てるためのトラス構造体へのアクセスは、トラスのせいで制限されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの特徴では、エスカレータシステムの駆動装置を組み立てる方法が、エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材に、エスカレータの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを固定するステップを含む。駆動部材は、この駆動部材が1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されるように1つまたは複数の支持部材に固定される。1つまたは複数のトラックセット、1つまたは複数の支持部材および駆動部材は、ユニットとしてエスカレータシステムへ設置される。
【0004】
本発明の他の特徴では、エスカレータ駆動システムが、エスカレータシステムの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを備えている。駆動部材が、1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されている。1つまたは複数の支持部材が、エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる。また、1つまたは複数の支持部材は、1つまたは複数のトラックセット、1つまたは複数の支持部材および駆動部材がユニットとしてエスカレータシステムへ設置可能となるように、1つまたは複数のトラックセットおよび/または駆動部材に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】エスカレータシステムの実施例の概略図である。
【図2】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの実施例の概略図である。
【図3】エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリの実施例の概略図である。
【図4】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの他の実施例の概略図である。
【図5】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの図4の実施例の側面図である。
【図6】エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリの実施例の他の概略図である。
【図7】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの概略図である。
【図8】エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリの実施例の概略図である。
【図9】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの他の実施例の概略図である。
【図10】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの実施例の側面図である。
【図11】エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリの実施例の他の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1には、エスカレータアッセンブリシステム10が概略的に示されている。エスカレータシステム10が、本明細書において図示されて説明されているが、本発明が同様の装置、例えば、動く傾斜路およびトラベレータに適用可能であることを理解されたい。エスカレータシステム10は、通路の両端部を画定する下部乗り場アッセンブリ12および上部乗り場アッセンブリ14を備えており、複数のパレット16が、この通路にわたって駆動する。
【0007】
図2には、下部乗り場アッセンブリ12の構成要素が示されている。下部乗り場アッセンブリ12は、(図1に示した)複数のパレット16を案内するように複数の個別の下部外形トラック20で形成された下部トラックセット18を備えている。単一の下部トラックセット18が図示され、下部乗り場アッセンブリ12の第1の側部22に配置されているが、多くの実施例においては、他の下部トラックセット18が下部乗り場アッセンブリ12の第2の側部24に配置される。しかし、他の下部トラックセット18は、図示を簡潔にするために、本明細書では示されていない。下部外形トラック20は、例えば、ボルトのような螺条の機械的締結具(図示せず)によって1つまたは複数の下部支持ブラケット28に固定されている。下部支持ブラケット28は、下部トラックセット18の双方が下部支持ブラケット28に固定され、互いに厳密に位置決めされるように、第1の側部22から第2の側部24へとまたがっている。図3を参照すると、下部乗り場アッセンブリ12は、複数のパレット16上の適切な引っ張りを維持するために、駆動部材、例えば、下部引張キャリッジ32をさらに備えている。下部引張キャリッジ32は、下部トラックセット18、下部支持ブラケット28および下部引張キャリッジ32が単一の一体化した下部乗り場アッセンブリ12を形成するように、下部トラックセット18に対し整列するとともに下部支持ブラケット28に固定されている。
【0008】
図4を参照すると、下部支持ブラケット28は、第1の下部フレーム34を形成するように配置され得る。第1の下部フレーム34は、下部乗り場アッセンブリ12において実質的に水平な面に配置されている。また、第1の下部フレーム34は、下部乗り場アッセンブリ12に固定され、かつ該下部乗り場アッセンブリ12を横切る2つの下部支持ブラケット28と、該2つの下部支持ブラケット28に固定され、かつこれらの下部支持ブラケット28の間に延びる2つの側部支持部36とを備えており、したがって、これらの構成要素は、第1の下部フレーム34を形成している。この構造体は、任意の適切な手段、例えば、溶接や螺条締結具によって共に固定され得る。図5を参照すると、下部乗り場アッセンブリ12は、2つの第2の下部フレーム38も備え得る。各第2の下部フレーム38は、実質的に垂直な面に位置決めされる。また、各第2の下部フレーム38は、溶接および螺条締結具等によって第2の下部フレーム38へと組み立てられる1つまたは複数の第2の下部フレーム部材40を備えている。第1の下部フレーム34は、第2の下部フレーム38の間に延びる。
【0009】
そして、図6に示したように、下部乗り場アッセンブリ12は、ユニットとして、下部トラスアッセンブリ42へと設置される。下部トラスアッセンブリ42は、下部乗り場アッセンブリ12の側部22,24に沿って延びる下部トラス部材44からなる列を備えている。モジュール式のユニットとして下部トラスアッセンブリ42に下部乗り場アッセンブリ12を組み立てることにより、下部トラスアッセンブリ42へ構成要素を直接にそれぞれ設置する従来の方法と比べて、下部乗り場アッセンブリの現場での組立時間が減少する。下部支持ブラケット28へ下部外形トラック20および下部引張キャリッジ32を取り付けるために、溶接よりもむしろボルトが用いられるので、下部外形トラック28の位置により調整性が向上し、これにより、エスカレータシステム10の性能を向上させることができる。
【0010】
図7に示したように、同様の組立方法が、上部乗り場アッセンブリ14に適用される。上部乗り場アッセンブリ14は、複数の個々の上部外形トラック48で形成される上部トラックセット46を備えている。上部外形トラック48は、例えば、ボルトのような螺条の機械的締結具によって1つまたは複数の上部支持ブラケット50に固定されている。上部支持ブラケット50は、上部トラックセット46の双方が上部支持ブラケット50に固定され、互いに厳密に位置決めされるように、第1の側部22から第2の側部24へとまたがっている。図8を参照すると、上部乗り場アッセンブリ14は、エスカレータ10を駆動する主駆動部52をさらに備えている。主駆動部52は、主駆動旋回部54によって上部トラックセット46に固定されている。さらに、ある実施例においては、手すり駆動部56が、上部乗り場アッセンブリ14の上部トラックセット46に固定されている。上部トラックセット46、主駆動部52および手すり駆動部56は、上部トラックセット46、上部支持ブラケット50、主駆動部52および手すり駆動部56が単一の一体化した上部乗り場アッセンブリ14を形成するように上部支持ブラケット50に固定されている。
【0011】
図9を参照すると、上部支持ブラケット50が、第1の上部フレーム58を形成するように配置され得る。第1の上部フレーム58は、上部乗り場アッセンブリ14において実質的に水平な平面に配置されている。第1の上部フレーム58は、上部乗り場アッセンブリ14を横切る2つの上部支持ブラケット50と、該2つの上部支持ブラケット50に固定され、かつこれらの上部支持ブラケット50の間に延びる2つ上部側面側支持部60とを備えており、したがって、これらの構成要素は、第1の上部フレーム58を形成している。この構造体は、任意の適切な手段、例えば、溶接や螺条締結具によって共に固定され得る。図10を参照すると、上部乗り場アッセンブリ14は、2つの第2の上部フレーム62を備え得る。各第2の上部フレーム62は、実質的に垂直な平面に位置決めされ得る。また、各第2の上部フレーム62は、溶接および螺条締結具等によって第2の上部フレーム62に組み立てられる1つまたは複数の第2の上部フレーム部材64を備えている。第2の上部フレーム62は、実質的に垂直方向に位置決めされており、第1の上部フレーム58(図10には図示せず)は、第2の上部フレーム62の間に延びる。
【0012】
ある実施例においては、手すり駆動プレート66が、第2の上部フレーム62をまたぐように設けられており、手すり駆動部56が、手すり駆動プレート66に固定される。ある実施例においては、手すり駆動プレート66の取付穴(図示せず)が、手すり駆動部56の位置決めの調整を許容するようにスロット状に形成されている。
【0013】
そして、図11に示したように、上部乗り場アッセンブリ14は、ユニットとして、上部トラスアッセンブリ68へ設置される。上部トラスアッセンブリ68は、上部乗り場アッセンブリ14の側部22,24に沿って延びる上部トラス部材70からなる列を備えている。モジュール式のユニットとして上部トラスアッセンブリ68に上部乗り場アッセンブリ14を組み立てることにより、上部トラスアッセンブリ68へ構成要素を直接にそれぞれ設置する従来の方法と比べて、上部乗り場アッセンブリ14の現場での組立時間が減少する。さらに、上部支持ブラケット50へ上部外形トラック48を設置するために、溶接よりもむしろボルトが用いられるので、上部外形トラック48の位置により調整性が向上し、これにより、エスカレータシステム10の性能を向上させることができる。
【0014】
限定された数の実施例のみと組み合わせて本発明を詳細に説明してきたが、本発明が上記の開示した実施例に限定されないことを容易に理解されたい。むしろ、本発明の真意および範囲に対応するが、本明細書において説明されていない、任意の数の変更、代案、代替物、または同等の構成を組み込むように本発明を修正することができる。さらに、本発明の種々の実施例を説明してきたが、本発明の特徴は、上記の実施例のいくつかのみを含み得る。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されるように理解すべきものではなく、付記の特許請求の範囲によって限定されるのみである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータ、トラベレータおよび動く傾斜路等に関し、特に、エスカレータ、トラベレータおよび動く傾斜路等の組立および設置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータシステム等は、一般に、エスカレータや動く傾斜路の場合のように、経路が2つの高さの間にあろうと、または動く歩道の場合のように、経路が平面、例えば、床に沿ったものであろうと、望ましい経路に沿って複数のパレットを案内する数個のトラックおよびトラック保持部を備えている。さらに、このシステムは、一般に、トラックに沿ってパレットを駆動する主駆動部と、システム内に含まれた手すりを駆動する手すり駆動部とを備えている。これらの構成要素および多くの他の構成要素は、例えば、エスカレータの上部乗り場および下部乗り場の支持構造体を形成するトラスまたは鋼製プレート構造体へと設置される。一般の組立においては、トラックおよび駆動部等は、トラスへと個別に設置され、溶接や他の方法によってトラスに固定される。この組立方法は、大きな労力を要するとともに時間の浪費となるものであり、部品を組み立てるためのトラス構造体へのアクセスは、トラスのせいで制限されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの特徴では、エスカレータシステムの駆動装置を組み立てる方法が、エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材に、エスカレータの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを固定するステップを含む。駆動部材は、この駆動部材が1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されるように1つまたは複数の支持部材に固定される。1つまたは複数のトラックセット、1つまたは複数の支持部材および駆動部材は、ユニットとしてエスカレータシステムへ設置される。
【0004】
本発明の他の特徴では、エスカレータ駆動システムが、エスカレータシステムの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを備えている。駆動部材が、1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されている。1つまたは複数の支持部材が、エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる。また、1つまたは複数の支持部材は、1つまたは複数のトラックセット、1つまたは複数の支持部材および駆動部材がユニットとしてエスカレータシステムへ設置可能となるように、1つまたは複数のトラックセットおよび/または駆動部材に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】エスカレータシステムの実施例の概略図である。
【図2】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの実施例の概略図である。
【図3】エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリの実施例の概略図である。
【図4】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの他の実施例の概略図である。
【図5】複数の下部支持ブラケットに取り付けられた下部トラックセットの図4の実施例の側面図である。
【図6】エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリの実施例の他の概略図である。
【図7】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの概略図である。
【図8】エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリの実施例の概略図である。
【図9】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの他の実施例の概略図である。
【図10】複数の上部支持ブラケットに取り付けられた上部トラックセットの実施例の側面図である。
【図11】エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリの実施例の他の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1には、エスカレータアッセンブリシステム10が概略的に示されている。エスカレータシステム10が、本明細書において図示されて説明されているが、本発明が同様の装置、例えば、動く傾斜路およびトラベレータに適用可能であることを理解されたい。エスカレータシステム10は、通路の両端部を画定する下部乗り場アッセンブリ12および上部乗り場アッセンブリ14を備えており、複数のパレット16が、この通路にわたって駆動する。
【0007】
図2には、下部乗り場アッセンブリ12の構成要素が示されている。下部乗り場アッセンブリ12は、(図1に示した)複数のパレット16を案内するように複数の個別の下部外形トラック20で形成された下部トラックセット18を備えている。単一の下部トラックセット18が図示され、下部乗り場アッセンブリ12の第1の側部22に配置されているが、多くの実施例においては、他の下部トラックセット18が下部乗り場アッセンブリ12の第2の側部24に配置される。しかし、他の下部トラックセット18は、図示を簡潔にするために、本明細書では示されていない。下部外形トラック20は、例えば、ボルトのような螺条の機械的締結具(図示せず)によって1つまたは複数の下部支持ブラケット28に固定されている。下部支持ブラケット28は、下部トラックセット18の双方が下部支持ブラケット28に固定され、互いに厳密に位置決めされるように、第1の側部22から第2の側部24へとまたがっている。図3を参照すると、下部乗り場アッセンブリ12は、複数のパレット16上の適切な引っ張りを維持するために、駆動部材、例えば、下部引張キャリッジ32をさらに備えている。下部引張キャリッジ32は、下部トラックセット18、下部支持ブラケット28および下部引張キャリッジ32が単一の一体化した下部乗り場アッセンブリ12を形成するように、下部トラックセット18に対し整列するとともに下部支持ブラケット28に固定されている。
【0008】
図4を参照すると、下部支持ブラケット28は、第1の下部フレーム34を形成するように配置され得る。第1の下部フレーム34は、下部乗り場アッセンブリ12において実質的に水平な面に配置されている。また、第1の下部フレーム34は、下部乗り場アッセンブリ12に固定され、かつ該下部乗り場アッセンブリ12を横切る2つの下部支持ブラケット28と、該2つの下部支持ブラケット28に固定され、かつこれらの下部支持ブラケット28の間に延びる2つの側部支持部36とを備えており、したがって、これらの構成要素は、第1の下部フレーム34を形成している。この構造体は、任意の適切な手段、例えば、溶接や螺条締結具によって共に固定され得る。図5を参照すると、下部乗り場アッセンブリ12は、2つの第2の下部フレーム38も備え得る。各第2の下部フレーム38は、実質的に垂直な面に位置決めされる。また、各第2の下部フレーム38は、溶接および螺条締結具等によって第2の下部フレーム38へと組み立てられる1つまたは複数の第2の下部フレーム部材40を備えている。第1の下部フレーム34は、第2の下部フレーム38の間に延びる。
【0009】
そして、図6に示したように、下部乗り場アッセンブリ12は、ユニットとして、下部トラスアッセンブリ42へと設置される。下部トラスアッセンブリ42は、下部乗り場アッセンブリ12の側部22,24に沿って延びる下部トラス部材44からなる列を備えている。モジュール式のユニットとして下部トラスアッセンブリ42に下部乗り場アッセンブリ12を組み立てることにより、下部トラスアッセンブリ42へ構成要素を直接にそれぞれ設置する従来の方法と比べて、下部乗り場アッセンブリの現場での組立時間が減少する。下部支持ブラケット28へ下部外形トラック20および下部引張キャリッジ32を取り付けるために、溶接よりもむしろボルトが用いられるので、下部外形トラック28の位置により調整性が向上し、これにより、エスカレータシステム10の性能を向上させることができる。
【0010】
図7に示したように、同様の組立方法が、上部乗り場アッセンブリ14に適用される。上部乗り場アッセンブリ14は、複数の個々の上部外形トラック48で形成される上部トラックセット46を備えている。上部外形トラック48は、例えば、ボルトのような螺条の機械的締結具によって1つまたは複数の上部支持ブラケット50に固定されている。上部支持ブラケット50は、上部トラックセット46の双方が上部支持ブラケット50に固定され、互いに厳密に位置決めされるように、第1の側部22から第2の側部24へとまたがっている。図8を参照すると、上部乗り場アッセンブリ14は、エスカレータ10を駆動する主駆動部52をさらに備えている。主駆動部52は、主駆動旋回部54によって上部トラックセット46に固定されている。さらに、ある実施例においては、手すり駆動部56が、上部乗り場アッセンブリ14の上部トラックセット46に固定されている。上部トラックセット46、主駆動部52および手すり駆動部56は、上部トラックセット46、上部支持ブラケット50、主駆動部52および手すり駆動部56が単一の一体化した上部乗り場アッセンブリ14を形成するように上部支持ブラケット50に固定されている。
【0011】
図9を参照すると、上部支持ブラケット50が、第1の上部フレーム58を形成するように配置され得る。第1の上部フレーム58は、上部乗り場アッセンブリ14において実質的に水平な平面に配置されている。第1の上部フレーム58は、上部乗り場アッセンブリ14を横切る2つの上部支持ブラケット50と、該2つの上部支持ブラケット50に固定され、かつこれらの上部支持ブラケット50の間に延びる2つ上部側面側支持部60とを備えており、したがって、これらの構成要素は、第1の上部フレーム58を形成している。この構造体は、任意の適切な手段、例えば、溶接や螺条締結具によって共に固定され得る。図10を参照すると、上部乗り場アッセンブリ14は、2つの第2の上部フレーム62を備え得る。各第2の上部フレーム62は、実質的に垂直な平面に位置決めされ得る。また、各第2の上部フレーム62は、溶接および螺条締結具等によって第2の上部フレーム62に組み立てられる1つまたは複数の第2の上部フレーム部材64を備えている。第2の上部フレーム62は、実質的に垂直方向に位置決めされており、第1の上部フレーム58(図10には図示せず)は、第2の上部フレーム62の間に延びる。
【0012】
ある実施例においては、手すり駆動プレート66が、第2の上部フレーム62をまたぐように設けられており、手すり駆動部56が、手すり駆動プレート66に固定される。ある実施例においては、手すり駆動プレート66の取付穴(図示せず)が、手すり駆動部56の位置決めの調整を許容するようにスロット状に形成されている。
【0013】
そして、図11に示したように、上部乗り場アッセンブリ14は、ユニットとして、上部トラスアッセンブリ68へ設置される。上部トラスアッセンブリ68は、上部乗り場アッセンブリ14の側部22,24に沿って延びる上部トラス部材70からなる列を備えている。モジュール式のユニットとして上部トラスアッセンブリ68に上部乗り場アッセンブリ14を組み立てることにより、上部トラスアッセンブリ68へ構成要素を直接にそれぞれ設置する従来の方法と比べて、上部乗り場アッセンブリ14の現場での組立時間が減少する。さらに、上部支持ブラケット50へ上部外形トラック48を設置するために、溶接よりもむしろボルトが用いられるので、上部外形トラック48の位置により調整性が向上し、これにより、エスカレータシステム10の性能を向上させることができる。
【0014】
限定された数の実施例のみと組み合わせて本発明を詳細に説明してきたが、本発明が上記の開示した実施例に限定されないことを容易に理解されたい。むしろ、本発明の真意および範囲に対応するが、本明細書において説明されていない、任意の数の変更、代案、代替物、または同等の構成を組み込むように本発明を修正することができる。さらに、本発明の種々の実施例を説明してきたが、本発明の特徴は、上記の実施例のいくつかのみを含み得る。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されるように理解すべきものではなく、付記の特許請求の範囲によって限定されるのみである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータシステムの駆動装置を組み立てる方法であって、
前記エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材に、エスカレータの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを固定するステップと、
駆動部材が前記1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されるように、前記1つまたは複数の支持部材に前記駆動部材を固定するステップと、
ユニットとして、前記エスカレータシステムへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記1つまたは複数の支持部材に前記1つまたは複数のトラックセットを固定することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記エスカレータシステムへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エスカレータシステムの支持トラスアッセンブリへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記駆動部材は、下部引張キャリッジであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記駆動部材は、エスカレータの主駆動部であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記駆動部材は、エスカレータの手すり駆動部であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
エスカレータシステムの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットと、
前記1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続された駆動部材と、
前記エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材であって、前記1つまたは複数のトラックセット、この1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材がユニットとして前記エスカレータシステムへ設置可能となるように、前記1つまたは複数のトラックセットおよび/または前記駆動部材に固定される、1つまたは複数の支持部材と、
を備えたエスカレータ駆動装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数のトラックセットは、1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記1つまたは複数の支持部材に固定されることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記駆動部材および前記1つまたは複数の支持部材は、ユニットとして、前記エスカレータシステムの支持トラスアッセンブリへ設置可能であることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項14】
前記駆動部材は、下部引張キャリッジであることを特徴とする請求項13に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項16】
前記駆動部材は、エスカレータの主駆動部であることを特徴とする請求項15に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項17】
前記駆動部材は、エスカレータの手すり駆動部であることを特徴とする請求項15に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項1】
エスカレータシステムの駆動装置を組み立てる方法であって、
前記エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材に、エスカレータの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットを固定するステップと、
駆動部材が前記1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続されるように、前記1つまたは複数の支持部材に前記駆動部材を固定するステップと、
ユニットとして、前記エスカレータシステムへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記1つまたは複数の支持部材に前記1つまたは複数のトラックセットを固定することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記エスカレータシステムへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エスカレータシステムの支持トラスアッセンブリへ前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材を設置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記駆動部材は、下部引張キャリッジであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記駆動部材は、エスカレータの主駆動部であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記駆動部材は、エスカレータの手すり駆動部であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
エスカレータシステムの経路に沿って延びる1つまたは複数のトラックセットと、
前記1つまたは複数のトラックセットに作用的に接続された駆動部材と、
前記エスカレータシステムの幅にわたって少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の支持部材であって、前記1つまたは複数のトラックセット、この1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材がユニットとして前記エスカレータシステムへ設置可能となるように、前記1つまたは複数のトラックセットおよび/または前記駆動部材に固定される、1つまたは複数の支持部材と、
を備えたエスカレータ駆動装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数のトラックセットは、1つまたは複数の機械的締結具を用いて、前記1つまたは複数の支持部材に固定されることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記駆動部材および前記1つまたは複数の支持部材は、ユニットとして、前記エスカレータシステムの支持トラスアッセンブリへ設置可能であることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの下部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項14】
前記駆動部材は、下部引張キャリッジであることを特徴とする請求項13に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数のトラックセット、前記1つまたは複数の支持部材および前記駆動部材は、前記エスカレータシステムの上部乗り場アッセンブリを備えることを特徴とする請求項10に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項16】
前記駆動部材は、エスカレータの主駆動部であることを特徴とする請求項15に記載のエスカレータ駆動装置。
【請求項17】
前記駆動部材は、エスカレータの手すり駆動部であることを特徴とする請求項15に記載のエスカレータ駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−515658(P2013−515658A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546228(P2012−546228)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/061986
【国際公開番号】WO2011/079256
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/061986
【国際公開番号】WO2011/079256
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】
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