説明

外断熱構造および外断熱施工方法

【課題】外壁の表面に外断熱材を容易かつ正確に設けることができる外断熱構造を提供することを目的とする。
【解決手段】外断熱構造に係る発明は、外壁1と、この外壁1に固定されている外装材7と、この外装材7と前記外壁1との間に設けられている外断熱材4とを備えた外断熱構造において、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているとともに、この構造材21、22、23に前記ふかし材2a、2bが固定され、前記外壁1の表面および前記ふかし材2a、2bに前記外断熱材4が当接している状態で設けられ、前記ふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって前記外断熱材4が前記外壁1の表面に押え付けられ、前記押え材3a、3bに外装材取付部材6が固定され、この外装材取付部材6に前記外装材7が固定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外断熱構造および外断熱施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物において、外壁からの熱の拡散を防止する目的で設けられる外断熱構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
この外断熱構造に使用される外断熱材は、外壁と、この外壁に胴縁を介して取り付けられる外装材との間に複数設けられるものであり、軟質断熱材と、この軟質断熱材に設けられ、他の軟質断熱材が圧縮されてなる圧縮部材とを備え、前記軟質断熱材に、前記圧縮部材が固定されることにより、前記軟質断熱材と前記圧縮部材とが一体化されてなるものである。
そして、このような外断熱材を使用した外断熱構造では、外断熱材の圧縮部材に、胴縁が圧縮部材に対して略平行となるように取り付けられ、この胴縁に外装材が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−200924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記方法では、前記軟質断熱材と前記圧縮部材との2種類の断熱材を用意する必要があったため、1種類の断熱材を使用する場合に比べコスト高になる傾向があった。
このため、通常の軟質の外断熱材を使用して外壁断熱構造を施工することが望まれる。しかし、通常の軟質の外断熱材を使用する場合、この外断熱材を外壁表面に設けるとともに、この外断熱材の表面に外装材を固定するのは困難であった。すなわち、外断熱材は軟質であり、施工の際に厚さの目安となるものがないので、外断熱材をその厚さをほぼ均一にして外壁表面に設けるのが困難であった。さらに、外断熱材は軟質であるので、その上に直接外装材を固定するのはほぼ不可能であった。
【0005】
本発明は、外壁の表面に外断熱材を容易かつ正確に設けることができるとともに、外装材を容易に取り付けることができる外断熱構造および外断熱施工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、請求項1に記載の外断熱構造に係る発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
外壁1と、この外壁1に固定されている外装材7と、この外装材7と前記外壁1との間に設けられている外断熱材4とを備えた外断熱構造において、
前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材(例えば、縦框材21、横框材22、補強芯材23)に沿って配置されているとともに、この構造材21、22、23に前記ふかし材2a、2bが固定され、前記外壁1の表面に前記外断熱材4が前記ふかし材2a、2bに当接した状態で設けられ、前記ふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって前記外断熱材4が前記外壁1の表面に押え付けられ、前記押え材3a、3bに外装材取付部材6が固定され、この外装材取付部材6に前記外装材7が固定されている
ことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているので、外断熱材を外壁の表面に設ける際に、このふかし材2a、2bを目安として外断熱材の厚さをほぼ均一に揃えることができ、さらに、この外断熱材がふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって外壁の表面に押え付けられているので、外断熱材の厚さをほぼ均一にして外壁の表面に設けることができる。
また、ふかし材2a、2bは構造材に固定されているので、このふかし材に外装材取付部材6を強固に固定でき、この外装材取付部材6に外装材7を容易かつ確実に取り付けることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
前記ふかし材2a、2bは縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは横方向に延設して設けられ、前記外装材取付部材6は縦方向に延設して設けられている
ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記ふかし材2a、2bは縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは横方向に延設して設けられ、前記外装材取付部材6は縦方向に延設して設けられていることにより、所定の大きさの前記外断熱材4をふかし材2a、2bの間に挿入することができ、前記押え材3a、3bにより外断熱材4を抑えることができ、外装材取付部材間に縦方向に通気層を設けることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
前記押え材3a、3bは、その幅が縦方向に広い押え材3aと、その幅が縦方向に狭い押え材3bとが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材3aに前記外装材取付部材6が固定されている
ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記押え材3a、3bは、その幅が縦方向に広い押え材3aと、その幅が縦方向に狭い押え材3bとが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材3aに前記外装材取付部材6が固定されていることにより、前記広い押え材3aに前記外装材取付部材6を確実に固定できるとともに、前記外断熱材4を前記広い押え材3aに加えて狭い押え材3bで確実に前記外壁1側に押えることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
前記外壁1は壁パネル1Aであり、前記ふかし材2a、2bが固定用ビス8aで前記壁パネル1Aの框材に固定されている
ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記外壁1は壁パネル1Aであり、前記ふかし材2a、2bが固定用ビス8aで前記壁パネル1Aの框材に固定されていることにより、前記ふかし材2a、2bを前記壁パネル1Aの框材に強固に固定することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
外壁1と、この外壁1に固定されている外装材7と、この外装材7と前記外壁1との間に設けられている外断熱材4とを備えた外断熱構造の外断熱施工方法において、
前記外壁1の表面にふかし材2a、2bを前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置するとともに、この構造材21、22、23に前記ふかし材2a、2bを固定し、前記外壁1の表面に前記外断熱材4を前記ふかし材2a、2bに当接した状態で設け、次に、押え材3a、3bによって前記外断熱材4を前記外壁1の表面に押え付けるとともに、前記ふかし材2a、2bに前記押え材3a、3bを固定し、次に、前記押え材3a、3bに外装材取付部材6を固定した後、この外装材取付部材6に前記外装材7を固定する
ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているので、外断熱材を外壁の表面に設ける際に、このふかし材2a、2bを目安として外断熱材の厚さをほぼ均一に揃えることができ、さらに、この外断熱材がふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって外壁の表面に押え付けられているので、外断熱材の厚さをほぼ均一にして外壁の表面に設けることができる。
また、ふかし材2a、2bは構造材に固定されているので、このふかし材に外装材取付部材6を強固に固定でき、この外装材取付部材6に外装材7を容易かつ確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているので、外断熱材を外壁の表面に設ける際に、このふかし材2a、2bを目安として外断熱材の厚さをほぼ均一に揃えることができ、さらに、この外断熱材がふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって外壁の表面に押え付けられているので、外断熱材の厚さをほぼ均一にして外壁の表面に設けることができる。また、ふかし材2a、2bは構造材に固定されているので、このふかし材にえ外装材取付部材6を強固に固定でき、この外装材取付部材6に外装材7を容易かつ確実に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る外断熱構造の一例を示す図であり、(a)は外断熱構造を説明するための図であり、(b)はふかし材の一例を示す図である。
【図2】同、(a)切妻屋根の部分断面図、(b)は図1(a)のI−I部分断面図である。
【図3】同、(a)陸屋根の部分断面図、(b)は図1(a)のI−I部分断面図である。
【図4】同、壁パネルの一例を示す斜視図である。
【図5】同、(a)は外壁防水透湿シートの取り付けを説明するための図であり、(b)は図5(a)のII−II断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
<実施の形態>
図1〜図3は、住宅等の建物の外断熱構造を示す。図1および図2において符号10は建物の基礎を示す。この基礎10の上に換気台輪11が設けられ、換気台輪11の上に床パネル12と半土台13が設けられ、これら床パネル12と半土台13の上に壁パネル1Aが設けられている。ここで、床パネル12と半土台13とは接着剤等で接合されている。
前記壁パネル1Aは、縦框材21,21と横框材22,22とが矩形状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材23が縦横に組まれて枠体が形成され、さらにこの枠体内にグラスウール等の断熱材(図示せず)が充填された状態で枠体の表裏面に合板等の面材25,25が貼設されたものである。
基礎10には、アンカーボルト(図示せず)がその上端部を基礎10から突出させて埋め込まれ、このアンカーボルトが換気台輪11と、床パネル12と半土台13の接合部と、壁パネル1A下部の横框材22を挿通し、ナット(図示せず)と螺合され、ナットがアンカーボルトに締め付けられることにより、壁パネル1Aが基礎10に固定されている。壁パネル1Aの縦框材21、横框材22、補強芯材23は壁パネル1Aを構成する構造材である。
【0020】
ここで、本発明に係る外断熱構造では、複数の壁パネル1Aを横方向に接合してなる外壁1と、この外壁1に固定されている外装材7と、この外装材7と前記外壁1との間に設けられている外断熱材4とを備えた構造において、前記外壁1の表面および半土台13の表面にふかし材2a、2bが前記壁パネル1Aの縦框材21および半土台13に沿って配置されているとともに、この縦框材21および半土台13に前記ふかし材2a、2bが固定用ビス8aで固定されている。図1(a)に示す例では、壁パネル1Aが4枚示されている。立面視において、これら4枚の壁パネル1Aうちの一番右側の壁パネル1Aの右の縦框材21にふかし材1aが固定されている。右から2番目と3番目の壁パネル1Aについては、右と左の縦框材21にふかし材1aが固定されている。一番左の壁パネル1Aについては、左の縦框材21にふかし材1aが固定されている。これは、押え材の長さが壁パネル2枚分の長さ(例えば、1820mm)であるため、これに合わせて、ふかし材の取り付け枚数が決められている。
【0021】
ふかし材2a,2bは長尺な帯板材で形成されており、図1(b)に示すように、ふかし材2a、2bに予め所定間隔でビス孔が複数設けられている。そのため、現場で、ふかし材2a、2bを縦框材21に取付ける際の作業効率が向上する。具体的には、前記ふかし材2a、2bは、長手方向において、互いに向かい合う広い面と、互いに向かい合う狭い面を有し、前記狭い面間にビスが挿通されるビス孔8cが予め設けられ、このビス孔8cに一方の前記狭い面から他方の前記狭い面へ前記ビス8aが挿通され、このビス8aが前記壁パネル1Aおよび半土台13に挿入されることにより、前記壁パネル1Aおよび半土台13に前記ふかし材2a、2bが接合されている。ここで、ふかし材2a、2bの壁からの幅を大きく(広い面の短手を長く)することにより、厚い断熱材を使用することが可能になる。
【0022】
図1〜図3に示す例では、木口隠し9が半土台13に取付けられた後、前記壁パネル1Aの下部の半土台13にふかし材2bが横方向に固定用ビス8aで取付けられている。このふかし材2bの両端の上面にふかし材2aがそれぞれ当接して縦方向に設けられ、前記壁パネル1Aの縦框材21にふかし材2aが縦方向に固定用ビス8aで取付けられている。
【0023】
前記壁パネル1Aの表面に前記外断熱材4が前記ふかし材2a、2bに当接している状態で設けられている。この外断熱材4は、前記ふかし材2aに固定された押え材3a、3bによって、前記壁パネル1Aの表面および半土台13の表面に押え付けられている。また、外断熱材としては、グラスウール、ロックウール等の軟質断熱材を使用することができる。この押え材3a、3bは、固定用ビス8bで前記ふかし材2aに固定されている。押え材3a、3b上に外壁防水透湿シート5aが外断熱材4の全面を覆うように施工される。
【0024】
次に、この外壁防水透湿シート5aを介して前記押え材3a、3bに胴縁6が固定され、この胴縁6に前記外装材7が固定されている。具体的には、前記ふかし材2aは縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは横方向に延設して設けられ、前記胴縁6は縦方向に延設して設けられている。また、前記押え材3a、3bは、その幅が縦方向に広い押え材3a、3bと、その幅が縦方向に狭い押え材3a、3bとが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材3a、3bに前記胴縁6が固定されている。
【0025】
(外断熱施工方法)
次に、壁パネル1Aと、この壁パネル1Aに固定されている外装材7と、この外装材7と前記壁パネル1Aとの間に設けられている外断熱材4とを備えた外断熱構造の外断熱施工方法について、説明する。上述したように、基礎10に壁パネル1Aが取付けられていることを前提に説明する。
【0026】
本実施の形態では、前記壁パネル1Aの表面および半土台13の表面にふかし材2a、2bを前記壁パネル1Aの縦框材21および半土台13に沿って配置するとともに、この縦框材21および半土台13に前記ふかし材2a、2bを固定する。
【0027】
ここで、図1(b)に示すように、ふかし材2a、2bに予め所定間隔でビス孔が複数設けられているため、現場で、縦框材21および半土台13にふかし材2a、2bを取付ける際の作業効率が向上する。具体的には、前記ふかし材2a、2bは、長手方向において、互いに向かい合う広い面と、互いに向かい合う狭い面を有し、前記狭い面間にビスが挿通されるビス孔8cが予め設けられ、このビス孔8cに一方の前記狭い面から他方の前記狭い面へ前記ビス8aを挿通し、このビス8aを前記壁パネル1Aおよび半土台13に挿入することにより、前記壁パネル1Aおよび半土台13に前記ふかし材2a、2bを固定する。
【0028】
図1〜図3に示す例では、木口隠し9を半土台13に取付けた後、前記壁パネル1Aの下部の半土台13にふかし材2bを横方向に固定用ビス8aで取付ける。このふかし材2bの両端にふかし材2aを縦方向に設け、前記壁パネル1Aの縦框材21にふかし材2aを縦方向に固定用ビス8aで固定する。
【0029】
前記壁パネル1Aの表面に前記外断熱材4をおよび前記ふかし材2a、2bに当接した状態で設ける。この外断熱材4を、前記ふかし材2aに固定した押え材3a、3bによって、前記壁パネル1Aの表面および半土台13の表面に押え付ける。この押え材3a、3bは、固定用ビス8bで前記ふかし材2aに固定されている。その後、押え材3a、3b上に外壁防水透湿シート5aを外断熱材4の全面を覆うように施工する。
【0030】
次に、この外壁防水透湿シート5aを介して前記押え材3a、3bに胴縁6を固定した後、この胴縁6に前記外装材7を固定する。具体的には、前記ふかし材2aを縦方向に延設して横方向に所定間隔で設け、前記押え材3a、3bを横方向に延設して設け、前記胴縁6を縦方向に延設して設ける。また、前記押え材3a、3bについては、その幅が縦方向に広い押え材3a、3bと、その幅が縦方向に狭い押え材3a、3bとを交互に縦方向に離間し設け、前記広い押え材3a、3bに前記胴縁6を固定する。
【0031】
(屋根との納まり)
図2(a)および図3(a)に示すように、外断熱構造を採用した場合には、屋根との納まり部分においても、ふかし材2a、2bが複数の壁パネル1Aからなる外壁1の構造材に沿って配置されているとともに、この構造材に前記ふかし材2a、2bが固定され、前記外壁1aの表面および前記ふかし材2a、2bに前記外断熱材4が当接している状態で設けられ、前記ふかし材2aに固定された押え材3a、3bによって前記外断熱材4が前記外壁1の表面に押え付けられ、前記押え材3a、3bに胴縁6が固定され、この胴縁6に前記外装材7が固定されている。
【0032】
本実施の形態によれば、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているので、外断熱材を外壁の表面に設ける際に、このふかし材2a、2bを目安として外断熱材の厚さをほぼ均一に揃えることができ、さらに、この外断熱材がふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって外壁の表面に押え付けられているので、外断熱材の厚さをほぼ均一にして外壁の表面に設けることができる。
また、ふかし材2a、2bは構造材に固定されているので、このふかし材に胴縁を強固に固定でき、この胴縁に外装材7を容易かつ確実に取り付けることができる。
【0033】
また、前記ふかし材2a、2bは縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは横方向に延設して設けられ、前記胴縁6は縦方向に延設して設けられていることにより、所定の大きさの前記外断熱材4をふかし材2a、2bの間に挿入することができ、前記押え材3a、3bにより外断熱材4を抑えることができ、縦方向に通気層を設けることができる。
【0034】
また、前記押え材3a、3bは、その幅が縦方向に広い押え材3aと、その幅が縦方向に狭い押え材3bとが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材3aに前記胴縁6が固定されていることにより、前記広い押え材3aに前記胴縁6を確実に固定できるとともに、前記外断熱材4を前記広い押え材3aに加えて狭い押え材3bで確実に前記外壁1側に押えることができる。
【0035】
また、前記外壁1は壁パネル1Aであり、前記ふかし材2a、2bが固定用ビス8a、8bで前記壁パネル1Aの框材21に固定されていることにより、前記ふかし材2aが前記壁パネル1Aの框材に強固に固定することができる。
【0036】
また、前記外壁1の表面にふかし材2a、2bが前記外壁1の構造材21、22、23に沿って配置されているので、外断熱材を外壁の表面に設ける際に、このふかし材2a、2bを目安として外断熱材の厚さをほぼ均一に揃えることができ、さらに、この外断熱材がふかし材2a、2bに固定された押え材3a、3bによって外壁の表面に押え付けられているので、外断熱材の厚さをほぼ均一にして外壁の表面に設けることができる。
また、ふかし材2a、2bは構造材に固定されているので、このふかし材に胴縁を強固に固定でき、この胴縁に外装材7を容易かつ確実に取り付けることができる。
【0037】
(変形例)
上記実施の形態においては、前記ふかし材2a、2bは縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは横方向に延設して設けられ、前記胴縁6は縦方向に延設して設けられていることについて説明したが、これに限られない。前記ふかし材2a、2bは横方向に延設して縦方向に所定間隔で設けられ、前記押え材3a、3bは縦方向に延設して設けられ、前記胴縁6は横方向に延設して設けられているようにしてもよい。
また、前記押え材3a、3bは、その幅が縦方向に広い押え材3a、3bと、その幅が縦方向に狭い押え材3a、3bとが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材3a、3bに前記胴縁6が固定されていることについて説明したが、これに限られない。前記押え材3a、3bは、その幅が横方向に広い押え材3a、3bと、その幅が横方向に狭い押え材3a、3bとが交互に横方向に離間し設けられ、前記広い押え材3a、3bに前記胴縁6が固定されているようにしてもよい。
また、胴縁6の代わりに、外装材取付部材として、固定金物を押え材3aに取付けて、この固定金物に外装材7を取付けるようにしてもよい。
また、ふかし材2aを縦框材21に固定する例について説明したが、これに限られず、補強芯材23にふかし材2aを固定し、前記外壁の表面に外断熱材をふかし材2aに当接した状態で設けるようにしてもよい。また、ふかし材2bを半土台13に固定する例について説明したが、これに限られず、外断熱材の縦方向の長さを短くしてふかし材2bを横框材22に固定し、前記外壁の表面外断熱材をふかし材2bに当接した状態で設けるようにしてもよい。
また、図1に示すように、外断熱材4の全面を覆うような大きな外壁防水透湿シート5aを設ける例について図示したが、これに限られない。図5に示すように、所定幅(例えば、1010mm)の外壁防水透湿シート5bを横方向に延設して設けてもよい。このとき、複数の押え材3aは、外壁防水透湿シート5bの所定幅に従って、上下に離間して横方向に延設して設けられている。例えば、ある押え材3aの上面の高さに外壁防水透湿シート5bの上端を合わせて、外壁防水透湿シート5bを押え材3aに取り付けた場合、この外壁防水透湿シート5bの下端が他の押え材3aの下面の高さと同じになるように、複数の押え材3aが離間して設けられている。この場合、ある押え材3aの上面の高さと他の押え材3aの下面の高さとの差が1010mmとなる。そして、外壁防水透湿シート5bを下から順に上方向に取り付けると、押え材3aの幅分重なった状態で、複数の外壁防水透湿シート5bを取り付けることができる。押え材3aの幅は、防水に必要な重なり長さとなる。
なお、変形例においては、上記実施の形態と同じ部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【符号の説明】
【0038】
1 外壁
1A 壁パネル
2a、2b ふかし材
3a、3b 押え材
4 外断熱材
5 外壁防水透湿シート
6 胴縁
7 外装材
8a、8b 固定用ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁と、この外壁に固定されている外装材と、この外装材と前記外壁との間に設けられている外断熱材とを備えた外断熱構造において、
前記外壁の表面にふかし材が前記外壁の構造材に沿って配置されているとともに、この構造材に前記ふかし材が固定され、前記外壁の表面に前記外断熱材が前記ふかし材に当接した状態で設けられ、前記ふかし材に固定された押え材によって前記外断熱材が前記外壁の表面に押え付けられ、前記押え材に外装材取付部材が固定され、この外装材取付部材に前記外装材が固定されている
ことを特徴とする外断熱構造。
【請求項2】
請求項1に記載の外断熱構造において、
前記ふかし材は縦方向に延設して横方向に所定間隔で設けられ、前記押え材は横方向に延設して設けられ、前記外装材取付部材は縦方向に延設して設けられている
ことを特徴とする外断熱構造。
【請求項3】
請求項2に記載の外断熱構造において、
前記押え材は、その幅が縦方向に広い押え材と、その幅が縦方向に狭い押え材とが交互に縦方向に離間し設けられ、前記広い押え材に前記外装材取付部材が固定されている
ことを特徴とする外断熱構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の外断熱構造において、
前記外壁は壁パネルであり、前記ふかし材が固定用ビスで前記壁パネルの框材に固定されている
ことを特徴とする外断熱構造。
【請求項5】
外壁と、この外壁に固定されている外装材と、この外装材と前記外壁との間に設けられている外断熱材とを備えた外断熱構造の外断熱施工方法において、
前記外壁の表面にふかし材を前記外壁の構造材に沿って配置するとともに、この構造材に前記ふかし材を固定し、前記外壁の表面に前記外断熱材をふかし材に当接した状態で設け、次に、押え材によって前記外断熱材を前記外壁の表面に押え付けるとともに、前記ふかし材に前記押え材を固定し、次に、前記押え材に外装材取付部材を固定した後、この外装材取付部材に前記外装材を固定する
ことを特徴とする外断熱施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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