説明

外科用器具の再充電可能なエネルギー貯蔵部のためのオートクレーブ滅菌可能な充電装置及び関連する方法

本発明による充電装置は、電磁界を受け取り、交流電圧に変換する受信装置(13)を備え、また受信装置(13)にガルバニック接続された充電電子装置(12)を備え、充電電子装置(12)は交流電圧を充電電圧に変換し、充電装置(12、13、15−2020)は外科用器具(11)のエネルギー貯蔵部(30)にガルバニック接続するための少なくとも1つのガルバニック出力接続(17,18,19,20)を有する。本発明による方法は、充電前に、エネルギー貯蔵部(30)が充電装置(12、13、15−20)の少なくとも1つのガルバニック出力接続(17−20)にガルバニック接続され、外科用器具(11)及び/又はエネルギー貯蔵部(30)がその後オートクレーブ滅菌され、次に、外科用器具(11)及び/又はエネルギー貯蔵部(30)が、電磁界を発生する装置(14)の有効範囲へ移動させられ、電磁界を発生する装置(14)と充電装置(12、13、15−20)の受信装置(13)の間で共振結合が引き起こされ、共振結合は電磁界を発生する装置(14)から受信装置(13)にエネルギーを伝達することを導き、エネルギーの少なくとも一部はエネルギー貯蔵部(30)用に充電電圧を発生するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は外科用器具における再充電可能なエネルギー貯蔵部のための、オートクレーブ滅菌可能な充電装置に関するものである。さらにこの発明は、オートクレーブ滅菌される外科用器具の中に配設された、あるいはオートクレーブ滅菌される外科用器具用の、再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する方法に関する。
【0002】
例えば、内視鏡または腹腔鏡等の外科用器具は、頻繁に複数回使用される。これらの器具は、オートクレーブの中でオートクレーブ滅菌され、複数回の使用が保証され、無菌の外科用器具として提供される。オートクレーブは圧力容器であり、気密に密閉することができ、過度の圧力の範囲で外科用器具を熱処理するのに使用される。オートクレーブ滅菌において、スチームの流入と、次に、例えば3バールの過度の圧力で例えば130度以上の高温蒸気の流入とを交互に行いながら、真空引きを繰り返すことにより、オートクレーブ中の空気を取り除くことができる。あるいは、オートクレーブ中の空気を飽和蒸気と置き換えることもできる。オートクレーブ滅菌するために更なる処理が、オートクレーブ内で実施されて外科用器具は滅菌される。
【0003】
適切なオートクレーブ、及びこのオートクレーブを操作する方法が文献EP1481692 B1に記載されており、この文献では、オートクレーブが特に滅菌器と呼ばれる。オートクレーブ滅菌方法は、例えば、文献EP1482692 B2に(図1a〜3を参照しつつ)記載されている。
【0004】
適用可能な外科用器具は頻繁に、電気アクチュエータあるいは照明手段と電子装置を有し、それらにエネルギー源が設けられる。
そのエネルギー源は一般に外科用器具の外側にあり、外科用器具に接続されるためにケーブルが必要である。この代わりとして、エネルギー源は外科用器具の中に設けられる。エネルギー源、あるいは、例えばバッテリー等の再充電可能なエネルギー源は、外科用器具の外側あるいは内側に交換可能に取り付けられる。
【0005】
これには、以下の問題がある。即ち、充電されたバッテリーがオートクレーブ滅菌の最中に実質的に放電し、その結果、手術中に完全に空になってしまう恐れがあるということである。その場合、手術はもはや継続することができない。このような事態は回避されなければならない。あるいは、オートクレーブ滅菌後に外科用器具のエネルギー貯蔵部を充電することが考えられる。
【0006】
しかしながら、充電を目的とすると、外科用器具の無菌状態は、もはや維持されなくなり、これは望ましいことではない。
オートクレーブ滅菌において、外科用器具は一般的には担持装置中に置かれ、この外科用器具を備えた担持装置は布で包まれる。布が開かれると、もはや無菌状態は維持されない。
【0007】
本発明は、オートクレーブ滅菌される外科用器具中に備えられた再充電可能なエネルギー貯蔵部を、あるいは外科用器具のためにオートクレーブ滅菌された再充電可能なエネルギー貯蔵部を、外科用器具あるいはエネルギー貯蔵部の無菌状態を保ちながら充電可能にすることを目的とする。
【0008】
この目的は、外科用器具の電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部のためのオートクレーブ滅菌可能な充電装置により解決される。前記充電装置は、電磁界を受け取り、前記電磁界を交流電圧に変換する受信装置と、前記受信装置にガルバニック接続された充電電子装置を備え、前記充電電子装置は交流電圧を充電電圧に変換し、前記充電装置は前記外科用器具のエネルギー貯蔵部にガルバニック接続するための少なくとも1つのガルバニック出力接続を有する。
【0009】
本発明によるそのようなオートクレーブ滅菌可能な充電装置を提供することにより、オートクレーブ滅菌される電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部を、無菌状態を維持しながら充電することができる。
【0010】
従って、エネルギーが少なくなった場合に、その外科用器具の中あるいは外に脱着可能に取り付けられた電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部を手術中に交換することが可能である。その結果、手術は無菌状態を維持しながら行うことができる。
【0011】
前記受信装置は好ましくは第1共振器装置を備える。
更に好ましくは、前記充電電子装置は、特に充電電子装置にガルバニック接続される外科用器具の中に設けられた再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する。
【0012】
本発明によれば、上記の本発明による統合オートクレーブ滅菌可能な充電装置を備えたオートクレーブ滅菌可能な担持装置は、外科用器具の中に配設された電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部、特にアキュムレータのために設けられる。
【0013】
この目的は、外科用器具用のオートクレーブ滅菌可能な充電装置により解決できる。前記担持装置は前記外科用器具の中に配設された電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部用、特にアキュムレータ用の充電装置を備え、前記充電装置は、電磁界を受け取り、前記電磁界を交流電圧に変換する受信装置と、前記受信装置にガルバニック接続された充電電子装置を備え、前記充電電子装置は交流電圧を充電電圧に変換し、前記充電装置は前記外科用器具のエネルギー貯蔵部にガルバニック接続するための少なくとも1つのガルバニック出力接続を有する。
【0014】
このように構成されたオートクレーブ滅菌可能な担持装置は外科用器具がオートクレーブ滅菌された後でも、無菌状態に影響を及ぼすことなく、外科用器具中に配設されたエネルギー貯蔵部を再充電するのに非常に効率がよい。
【0015】
この過程において、再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電するために必要なエネルギーがケーブルなしで伝達されるので、オートクレーブ滅菌可能な担持装置及び外科用器具が包まれたタオルを取り除く必要はない。従って、オートクレーブ滅菌可能な担持装置には、外科用器具を接続することが可能なガルバニックコンセントコネクション以外に、エネルギーを受け取り、電子装置を充電するのに必要な受信装置も備えられている。
【0016】
オートクレーブ滅菌可能な担持装置の上に外科用器具を置く際、外科用器具は、充電電子装置の1つ又は複数のガルバニック出力接続に接続される。次に、滅菌クロスで担持装置と外科用器具が包まれる。その後、オートクレーブ滅菌が行われる。
【0017】
オートクレーブ滅菌後、担持装置、特に受信装置は、具体的には、担持装置に対してセット可能な距離をおいて配設された伝達装置の近くに置かれるか、電磁界を発生する装置の近くに置かれる。そして伝達装置から伝達される対応するエネルギーは、受信装置により吸収され、充電電子装置を使用して充電電圧に変換される。この充電電圧はガルバニコンセントコネクションを介して外科用器具に伝えられる。本発明の範囲内では、用語、伝達装置は、電磁界を発生する装置の代わりにも使用される。ここの文脈では、これらは両方とも同じ装置である。
【0018】
好ましくは、プラグ接続はガルバニック接続用に設けられる。
プラグ接続は1つだけでもよく、また、他の電気接点あるいはガルバニック接点は担持装置及び外科用器具ハウジングの接地経由で生じる。この目的のために、外科用器具のハウジングの少なくとも一部は導電材料から構成されていなければならない。更に、オートクレーブ滅菌可能な担持装置の少なくとも一部も導電材料から構成されていなければならない。
【0019】
好ましくは、受信装置は第1共振器装置を備える。この共振器装置は好ましくは調整可能である。すなわち、共振振動数は調整することができる。
好ましくは、コイルが共振器装置の中に設けられている。このコイルには強磁性体が設けられていても、いなくてもよい。好ましくは、充電電子装置は、前記電子装置にガルバニック接続される外科用器具中に配設された再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する。アキュムレータを充電するためには、充電電子装置は一般的な充電電子装置でよく、例えば、どこでも入手できるものでよい。しかし、それらは、受信装置により提供される交流電圧の値に適合していなければならない。典型的な充電装置は、例えばDE 33 17 531A1に記載されている。
【0020】
担持装置が少なくとも複数のセクションにおいて互換性がある形を有する受信領域を有し、且つ又は外科用器具の少なくとも1つのセクションに形が適合していることが望ましい。そして、受信エリアは、外科用器具の少なくとも1つのセクションに適合した輪郭を複数のセクションに有する。その結果、確実なガルバニック接続が1つ又は複数の出力接続と外科用器具の間で可能である。担持装置に弾力的に取り付けられるクランプ(外科用器具はその中に留めることができる)も、この目的(確実なガルバニック接続)のために使用してもよい。
【0021】
好ましくは、本発明によるオートクレーブ滅菌可能な充電装置及び/又は本発明によるオートクレーブ滅菌可能な担持装置には、電磁界を伝達又は発生する装置が設けられている。この装置はパス(経路)を介して受信装置に連結されている。本発明の範囲において、配置は特に組み合わせの意味でも解釈される。
【0022】
電磁界を発生する装置は、好ましくは、第2共振器装置を有する。第2共振器装置は好ましくは調整可能で、好ましくはコイルを有する。このコイルには強磁性体が設けられていてもよい。
【0023】
第2共振器装置は第1共振器装置と共振する配置にあることが望ましい。この方法により、エネルギーを特に効率的に非接触で伝達することができる。これは2つの共振器装置の共振連結であることが望ましく、変換する磁石の配設であると好ましくは解釈される。既に述べたように、共振器装置間の確定された距離又は所定のパス(経路)には接触がなく、つまり、ガルバニックコンタクトがなく、空気、滅菌クロス及び担持装置の更なる要素を介して延びている。
【0024】
コードレスのエネルギー伝達は誘導エネルギー伝達でもよい。
しかしながら、第1及び第2共振器装置の共振連結が好ましく、高度の効率で非常に効率的なエネルギーを伝達可能となる。これに関連して、WO2007/008646 A2およびWO2008/118178A1の文献を参照すると、これらには上記方式のワイヤレス非放射エネルギー伝達について記載されている。ここでは第1及び第2共振器装置の共振フィールドの連結を介してエネルギー伝達が生じる。このエネルギー伝達は数センチメートルあるいは数メートルにまでも機能する。本発明の範囲では、第1及び第2の共振器装置間は5cmから20cmであることが好ましい。
【0025】
本発明の範囲内では、電磁界を発生し受け取ることは、第2共振器装置の結合、特にこれら2つの共振器装置の共振結合をも意味する。用語として、電磁界はさらに電磁放射の意味も含む。これにより、電界を発生する装置は電気的放射を伝達する装置でもある。また、これに対応して、受信装置は電磁界を受け取り変換、あるいは電磁放射を受け取り変換することができる。
【0026】
少なくともエネルギーの非接触伝達に関する技術である限り、WO2007/009646A2及びWO2008/118178A1で開示された全ての内容はこの特許出願の中に組み込まれるべきである。
【0027】
上記目的は、オートクレーブ滅菌された外科用器具中の再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する方法により、さらに解決される。この方法では、充電前に、前記外科用器具が本発明による担持装置上に置かれ、前記充電装置の少なくとも1つのガルバニック出力接続にガルバニック接続され、前記外科用器具を備えた前記担持装置がその後、オートクレーブ滅菌され、次に、前記外科用器具を備えた担持装置が電磁界を伝達又は発生する装置の有効範囲へ移動させられ、電磁界を発生する装置と充電装置の受信装置の間で共振結合が引き起こされ、前記共振結合は前記電磁界を発生する前記装置から前記受信装置にエネルギーを伝達することを導き、前記エネルギーは前記エネルギー貯蔵部用に充電電圧を少なくともある程度まで発生するために使用される。
【0028】
本発明の範囲において、用語として、電磁界を発生する装置は、電磁界を伝達する装置も含む。
オートクレーブ滅菌するために、外科用器具と担持装置は、殺菌することができる布で包まれる。再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する本発明による方法は、外科用器具のオートクレーブ滅菌後も担持装置と外科用器具が布で包まれている状態で好ましくは実施される。
【0029】
上記目的は、オートクレーブ滅菌された外科用器具中の再充電可能なエネルギー貯蔵部、あるいはオートクレーブ滅菌された外科用器具のための再充電可能なエネルギー貯蔵部を充電する方法によりさらに解決される。この方法においては、充電前に前記エネルギー貯蔵部がクレーム1から3のうちの1つに記載された充電装置の少なくとも1つのガルバニック出力接続にガルバニック接続され、その後、特に前記充電装置とともに、前記外科用装置及び/又はエネルギー貯蔵部がオートクレーブ滅菌され、その後、特に充電装置とともに、前記外科用装置及び/又は前記エネルギー貯蔵部が、電磁界を伝達する装置の有効範囲へ移動させられ、共振結合が電磁界を発生する前記装置と前記充電装置の受信装置の間で引き起こされ、前記共振結合は前記電磁界を発生する前記装置から前記受信装置にエネルギーを伝達することを導き、前記エネルギーは前記エネルギー貯蔵部用に充電電圧を少なくともある程度まで発生するために使用される。
【0030】
前記充電前に、前記外科用器具は本発明による担持装置上に好ましくは置かれ、前記エネルギー貯蔵部を有する前記外科用器具が、充電装置の少なくとも1つのガルバニック出力接続にガルバニック接続され、前記担持装置がその後、前記外科用器具でオートクレーブ滅菌され、前記外科用器具を備えた前記担持装置が前記電磁界を伝達する前記装置の有効範囲へその後、移動させられる。
【0031】
本発明の一般的な思想を制限することなく、図面を参照しつつ例示的実施例を用いて、本発明を以下に記載する。それにより、明細書中では説明しきれない本発明に関する全ての詳細な開示が図面を参照することにより明らかになる。
【0032】
図1は本発明によるオートクレーブ滅菌可能な担持装置の概略上面図である。
図2は本発明による配置の一部を示す概略代表図である。
以下の図において、同一又は類似する要素あるいは対応する部品には同一の参照番号を付し重複した説明は省略する。
【0033】
図1は本発明による担持装置10の概略上面図であり、担持装置10の4辺にそれぞれ平行に設けられた2本の線で概略的に示された壁と境界を成している。第1共振装置13は担持装置10に配設され、詳細には担持装置10上に脱着可能に固定される。第1共振装置13は、充電電子装置12に対する2つのガルバニック又は電気接続部15及び16を備え、これら接続部はアキュムレータ30を特に充電可能に設計されている。2つの電気接続部17及び18は、充電電子装置12から、外科用器具11中のアキュムレータ30を有するガルバニック接続に夫々プラグ・コンタクト19及び20を介して延びている。更に、アキュムレータ30は、フォトチップあるいはカメラに電圧を供給し、あるいは光源に電圧を供給するために使用することができる。
【0034】
図1は更に、担持装置10を隔てて配設された第2共振装置14を示す。
第2共振装置14から第1共振装置13まで効率的なエネルギー伝達を生じさせるように、第2共振装置14は、第1共振器装置13と共振する電磁界を発生する。その結果、交流充電電圧は電気接続部15及び16を介して、充電電子装置12に対して利用可能になる。この交流充電電圧はその後、電気接続部17及び18を介して、プラグコンタクト19及び20において利用可能な充電電圧に変換される。第1共振装置13の構成要素、電気接続部15、16の構成要素、充電電子装置12の構成要素、電気接続部17及び18の構成要素、またプラグ19及び20の構成要素は、好ましくは、担持装置10に堅固に接続され、または脱着できるように接続可能である。これに対応して、コードレス方式であっても、外科用器具11は担持装置から取り外して、その後使用することができる。
【0035】
図2はこの発明による概略的な配置の一部を示す。第2共振装置14はコイル21及び強磁性体23を備える。エネルギーを受け取る装置としての第1共振器装置13は、第2共振器装置14に対して距離Dを隔てて配設される。
【0036】
第1共振器装置13は担持装置(不図示)上に配設される。
第1共振器装置13もコイル22及び強磁性体24を備える。ここでは、強磁性体24は必ずしも不可欠なものではない。キャパシタ25を第1共振器装置13に備えつけてもよい。
【0037】
これに対応して、第2共振器装置14にキャパシタを備えていてもよい(不図示)。共振器装置の中で使用されるワイヤーは既にキャパシタンスを有するので、さらなるキャパシタは必ずしも必要ではない。しかしながら、キャパシタの追加により、それぞれの共振器装置の同調性が簡素化される。コイル21及び22は、好ましくは、それらのインダクタンスにより調整して、変更してもよい。
【0038】
図2では、第1共振器装置13に電気的に接続される充電電子装置12は非常に簡略化された形でのみ示されている。すなわち、利用可能な交流電圧からの直流電圧の一種を発生する4つのダイオード26〜29から充電電子装置12は構成されている。
【0039】
従って、本発明は、共振振動数を介して連結される、例えば、2つの電気コイルによる、コードレスでのエネルギー伝達に関するものである。その結果、従来のエネルギーの誘導(インダクション)伝達と比較して、効率が著しく高まる。これにより、多くのエネルギーを送ることができ、その結果アキュムレータを短時間で高いキャパシティに充電できる。これにより、エネルギー供給を必要とするコードレス内視鏡あるいは他の外科用器具を使用することが可能である。本発明により、そのような外科用器具を無菌状態に維持しながら充電することが可能になる。同様に、アキュムレータで駆動される光源も充電することができる。充電電子装置を外科用器具とは別々に設けることは小型かつ軽量な外科用器具を構成するのに特に有利である。
【0040】
従って、本発明による解決はエネルギー伝達に使用される装置と、オートクレーブ可能な担持装置に充電電圧を提供する装置とを統合することにあり、これは滅菌トレイとも呼ばれる。大規模コイルと、さらなる充電電子装置を収容する対応するスペースとを一体化するために十分な構成スペースが設けられている。
【0041】
伝達されたエネルギーは充電電流又は充電電圧に変換され、担持装置上に置かれた外科用器具を充電することができる。担持装置上に置かれた外科用器具はその後、担持装置中の充電装置にガルバニック接続を介して充電される。
【0042】
このように、滅菌パッケージから外科用器具を取り除く必要をなくすことができる。従って、外科用器具は無菌状態を維持する。
適用されるケースに応じて、フェライト磁心と共に、あるいはフェライト磁心無しでコイルは使用してもよい。共振回路は好ましくはメガヘルツ範囲で振動する。従って、典型的な振動数は、例えば、5MHzと400MHzの間で提供されてもよい。使用される振動数は、手術室と互換性をもつ周波数範囲にあることが望ましい。
【0043】
あるいは、図中では示されないが、まずオートクレーブ滅菌し、その後、オートクレーブ滅菌可能な充電装置中のアキュムレータ等の交換可能で再充電可能なエネルギー貯蔵庫を適切に充電し、これらを手術中に交換用のアキュムレータとして使用することが可能である。そして、適切に滅菌された又はオートクレーブ滅菌されたこのアキュムレータを、オートクレーブ滅菌された外科用器具に接続することを滅菌したオペレータ(人又は装置)に、手術開始前行わせることが可能である。これはその後、このように滅菌された又はオートクレーブ滅菌されたアキュムレータを通じてこの外科用器具にエネルギーを提供するためである。
【0044】
全ての明確に記載された特徴、及び個々の特徴(それらは他の特徴と組み合わせて開示される)は、図面から単独で取り上げた特徴を含み、個別且つ組み合わせにおいて本発明に不可欠なものとして考慮される。本発明による実施例は個々の特徴あるいは複数の特徴の組み合わせにより実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 担持装置
11 外科用器具
12 充電電子装置
13 第1共振装置
14 第2共振装置
15 電気接続部
17 電気接続部
18 電気接続部
19 プラグコンタクト
20 プラグコンタクト
21 コイル
22 コイル
23 強磁性体
24 強磁性体
25 キャパシタ
26 ダイオード
27 ダイオード
28 ダイオード
29 ダイオード
30 アキュムレータ
D 距離
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具(11)の電気的且つ再充電可能なエネルギー貯蔵部(30)用のオートクレーブ滅菌可能な充電装置(12、13、15、16、17、18、19、20)であって、充電装置(12、13、15から20)は、電磁界を受け取り、前記電磁界を交流電圧に変換する受信装置(13)と、受信装置(13)にガルバニック接続された充電電子装置(12)とを含み、充電電子装置(12)は交流電圧を充電電圧に変換し、充電装置(12、13、15−20)は外科用器具(11)のエネルギー貯蔵部(30)にガルバニック接続するための少なくとも1つのガルバニック出力接続を有することを特徴とするオートクレーブ滅菌可能な充電装置。
【請求項2】
受信装置(13)は第1共振器装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のオートクレーブ滅菌可能な充電装置(12、13、15−20)。
【請求項3】
充電電子装置(12)は、当該充電電子装置(12)にガルバニック接続される、特に外科用器具(11)の中に設けられた再充電可能なエネルギー貯蔵部(30)を充電することを特徴とする請求項1又は2に記載のオートクレーブ滅菌可能な充電装置(12、13、15−20)。
【請求項4】
外科用器具(12)の中に配設された、電気的再充電可能なエネルギー貯蔵部(30)、特にアキュムレータ用の、請求項1〜3のうちの1項に記載された、統合されたオートクレーブ滅菌可能な充電装置(12、13、15−20)を備えたオートクレーブ滅菌可能な担持装置(10)。
【請求項5】
担持装置(10)が少なくとも複数のセクションにおいて互換性がある形を有する受信領域を有し、且つ又は外科用器具(11)の少なくとも1つのセクションに形が適合していることを特徴とする請求項4に記載のオートクレーブ滅菌可能な担持装置(10)。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載されたオートクレーブ滅菌可能な充電装置(12、13、15から20)及び又は電磁界を発生する装置(14)が設けられた請求項4又は5に記載されたオートクレーブ滅菌可能な担持装置(10)の配置であって、これに対して装置(14)は所定のパス(経路)(D)を介して受信装置(13)に結合されている、配置。
【請求項7】
前記電磁界を発生する装置(14)は第2共振器装置を有することを特徴とする請求項6に記載の配置。
【請求項8】
第2共振器装置(14)が第1共振器装置(13)と共振することを特徴とする請求項7に記載の配置。
【請求項9】
オートクレーブ滅菌された外科用器具(11)中の再充電可能なエネルギー貯蔵部(30)あるいはオートクレーブ滅菌された外科用器具(11)用の再充電可能なエネルギー貯蔵部(30)を充電する方法であって、充電前に、エネルギー貯蔵部(30)が請求項1〜3の1項に記載された充電装置(12、13、15−20)の少なくとも1つのガルバニック出力接続(17−20)にガルバニック接続され、外科用器具(11)及び/又はエネルギー貯蔵部(30)がその後オートクレーブ滅菌され、次に外科用器具(11)、充電装置(12、13、15−20)及び/又はエネルギー貯蔵部(30)が、電磁界を発生する装置(14)の有効範囲へ移動させられ、電磁界を発生する装置(14)と充電装置(12、13、15−20)の受信装置(13)の間で共振結合が引き起こされ、前記共振結合は前記電磁界を発生する装置(14)から受信装置(13)にエネルギーを伝達することを導き、前記エネルギーの少なくとも一部はエネルギー貯蔵部(30)用に充電電圧を発生するために使用される、方法。
【請求項10】
充電前に外科用器具(11)は請求項4又は5に記載の担持装置(10)上に配設され、エネルギー貯蔵部(30)を有する前記外科用器具は充電装置(12、13、15−20)の少なくとも1つのガルバニック出力接続(17−20)にガルバニック接続され、その後、外科用器具(11)と共に担持装置(10)はオートクレーブ滅菌され、外科用器具(11)と共に担持装置(10)は次に前記電磁界を伝達する装置(14)の有効範囲へ移動させられる、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2012−520656(P2012−520656A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500094(P2012−500094)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000699
【国際公開番号】WO2010/127729
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(591228476)オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハー (17)
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】