外観検査装置
【課題】略直方体形状の検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査する。
【解決手段】外観検査装置10は、略直方体形状の素体1の外観検査を行う。外観検査装置10は、第2回転テーブルB10と、側面撮像用第1カメラB11と、稜部撮像用カメラB12とを備える。第2回転テーブルB10は、素体1の側面を吸着して素体1を保持する吸着ノズルB10eを有する。側面撮像用第1カメラB11は、吸着ノズルB10eによって保持されていない素体1の側面を撮像する。稜部撮像用カメラB12は、吸着ノズルB10eによって保持されていない側面をその側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する。第2回転テーブルB10は、素体1の姿勢を維持したまま、側面撮像用第1カメラB11から稜部撮像用カメラB12へと素体1を搬送する。
【解決手段】外観検査装置10は、略直方体形状の素体1の外観検査を行う。外観検査装置10は、第2回転テーブルB10と、側面撮像用第1カメラB11と、稜部撮像用カメラB12とを備える。第2回転テーブルB10は、素体1の側面を吸着して素体1を保持する吸着ノズルB10eを有する。側面撮像用第1カメラB11は、吸着ノズルB10eによって保持されていない素体1の側面を撮像する。稜部撮像用カメラB12は、吸着ノズルB10eによって保持されていない側面をその側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する。第2回転テーブルB10は、素体1の姿勢を維持したまま、側面撮像用第1カメラB11から稜部撮像用カメラB12へと素体1を搬送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、チップコンデンサやチップインダクタ等の略直方体形状の電子部品の外観を検査する外観検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この外観検査装置は、第1カメラによる電子部品の第1側面の撮像及び第2カメラによる電子部品の第2側面の撮像が行われる第1搬送機構と、第1搬送機構による搬送方向と直交する向きに電子部品を反転させる反転機構と、第3カメラによる電子部品の第3側面の撮影及び第4カメラによる電子部品の第4側面の撮影が行われる第2搬送機構とを備え、電子部品の主要な4つの側面における傷等の欠陥の有無を画像処理によって判定するように構成されている。
【特許文献1】特開2000−266521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、より品質の高い電子部品が要求されている。特に、外部電極が形成されて電子部品となる前の素体の表面に傷等の欠陥があると、外部電極の形成に代表される後工程においてその欠陥が隠れ、製品として電子部品が完成した後の最終的な外観検査工程や電気特性検査工程において欠陥の存在を検出することができなくなってしまい、製品として電子部品が出荷された後に、電子部品に内在する欠陥が成長して不良の原因となって、電子部品として機能しなくなることがあるので、素体の表面全体における傷等の欠陥を確実に検出することが望まれる。
【0004】
しかしながら、上記した従来の外観検査装置では、側面のみが検査対象となっており、稜部における欠陥の有無を検査することができなかった。そのため、精度の高い外観検査を目指して、電子部品の稜部についても欠陥の有無を検出しようとすると、作業員が目視によって電子部品の稜部を検査せざるを得なかった。従って、作業員の間で検査のばらつきが発生したり、人件費等のコストが増加したり、検査が長時間化するといった問題が生じる虞があった。
【0005】
本発明は、略直方体形状の検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能な外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る外観検査装置は、略直方体形状の検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、検査対象物の少なくとも一つの側面と当接して検査対象物を保持する保持部を有し、当該保持部によって検査対象物を保持しつつ搬送を行う第1搬送手段と、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面を撮像する第1撮像手段と、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面を当該異なる側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する第2撮像手段とを備え、第1搬送手段は、第1撮像手段と第2撮像手段との間において、検査対象物の姿勢を維持したまま検査対象物を搬送することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る外観検査装置では、第1撮像手段によって検査対象物の側面を撮像し、第2撮像手段によって検査対象物の一対の稜部を撮像している。そのため、検査対象物の側面及び稜部について、画像処理による外観検査が行われる。その結果、検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能となっている。また、本発明に係る外観検査装置では、検査対象物の姿勢を維持したまま検査対象物を第1搬送手段によって搬送している。そのため、撮像手段を固定して検査対象物の姿勢を変えることで検査対象物の側面及び稜部を撮像するような場合と比較して、検査対象物を変化させるための複雑な機構が必要なくなっている。その結果、検査対象物の側面及び稜部を検査可能としつつ、外観検査装置を大幅にコンパクト化することが可能となる。さらに、本発明に係る外観検査装置では、検査対象物の一対の稜部を一つの撮像手段によって一度に撮像している。そのため、設置すべき撮像手段の数が減ることとなるので、外観検査装置をよりコンパクト化することが可能となると共に、一対の稜部が一回の画像処理によって検査されるようになるので、検査対象物の外観検査を短時間で行うことが可能となる。
【0008】
また、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面において検査対象物を保持しつつ搬送を行う第2搬送手段を更に備えることが好ましい。このようにすると、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の保持部と当接している側面についても外観検査を行うことが可能となる。
【0009】
また、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の保持部によって保持される側面は、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の搬送方向に平行で且つ第2撮像手段によって撮像される一対の稜部を連結している側面と交差しており、第1搬送手段の保持部は、検査対象物の一対の稜部が保持部よりも第2撮像手段側に位置するように検査対象物を保持することが好ましい。このようにすると、検査対象物の稜部を撮像する際、保持部からの反射光が第2撮像手段に導入されにくくなるので、検査対象物の稜部を良好に撮像することが可能となる。
【0010】
また、第2撮像手段は、検査対象物の一対の稜部の撮像を行う撮像部と、検査対象物の一対の稜部からの反射光を撮像部に導入する導光部とを有し、導光部は、検査対象物の一対の稜部からの反射光がそれぞれ入射する第1開口部及び第2開口部が検査対象物に向かう側面に配置された筐体と、筐体内に配置されると共に第1開口部から入射した反射光を反射する第1反射部材と、筐体内に配置されると共に第2開口部から入射した反射光を反射する第2反射部材と、筐体内に配置されると共に第1反射部材及び第2反射部材によって反射された反射光を共に撮像部に向けて反射する第3反射部材とを含むことが好ましい。このような撮像手段を用いると、検査対象物の一対の稜部を一度に撮像することが可能となる。
【0011】
また、第2撮像手段の撮像部と第2撮像手段の導光部とは、一体化されていることが好ましい。このようにすると、第2撮像手段の撮像部と第2撮像手段の導光部とが別体となっている場合と比較して、第2撮像手段の検査対象物に対する位置決めを容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、導光部は、検査対象物に対して照明を行う第1照明手段、第2照明手段及び第3照明手段を含み、第1照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部と第2開口部との間に位置する第1領域に配置され、第2照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部に対して第1領域とは反対側に位置する第2領域及び第2開口部に対して第1領域とは反対側に位置する第3領域にそれぞれ配置され、第3照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部の周囲で且つ第1領域と第2領域との間に位置する一対の第4領域及び第5領域並びに第2開口部の周囲で且つ第1領域と第3領域との間に位置する一対の第6領域及び第7領域にそれぞれ配置されており、第1照明手段、第3照明手段及び第2照明手段は、この順に輝度が高くなるように設定されていることが好ましい。稜部から撮像部に導入される反射光は側面から撮像部に導入される反射光よりも弱くなりがちであるが、このようにすると、稜部が十分に照明されるようになるので、稜部を跨るような傷等の欠陥を極めて良好に検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、略直方体形状の検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能な外観検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る外観検査装置10の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。外観検査装置10は、チップコンデンサやチップインダクタ等といった電子部品を構成する素体(検査対象物)1の表面における欠陥の有無を検出するものである。
【0015】
(素体の構成)
まず、素体1について、図12を参照して説明する。素体1は、素体1が電子部品となったときにコンデンサとして機能させるための内部電極となる電極パターンや、素体1が電子部品となったときにインダクタとして機能させるための内部導体となる導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して圧着し、所定温度にて所定時間焼成した後、バレル研磨することで形成される。
【0016】
素体1は、略直方体形状を呈している。素体1は、X軸方向(以下、「高さ方向」という)に対向する一対の側面s1,s2と、Y軸方向(以下、「長さ方向」という)に対向する一対の側面s3,s4と、Z軸方向(以下、「幅方向」という)に対向する一対の側面s5,s6とを有している。そのため、側面s1,s2と側面s3,s4とは隣り合うように位置しており、側面s1,s2と側面s5,s6とは隣り合うように位置しており、側面s3,s4と側面s5,s6とは隣り合うように位置している。
【0017】
素体1は、隣り合う側面s1,s3を連結する稜部e1と、隣り合う側面s1,s4を連結する稜部e2と、隣り合う側面s1,s5を連結する稜部e3と、隣り合う側面s1,s6を連結する稜部e4と、隣り合う側面s2,s3を連結する稜部e5と、隣り合う側面s2,s4を連結する稜部e6と、隣り合う側面s2,s5を連結する稜部e7と、隣り合う側面s2,s6を連結する稜部e8と、隣り合う側面s3,s5を連結する稜部e9と、隣り合う側面s3,s6を連結する稜部e10と、隣り合う側面s4,s5を連結する稜部e11と、隣り合う側面s4,s6を連結する稜部e12とを有している。
【0018】
ここで、素体1の高さ方向に並ぶ一対の稜部e1,e5及びe2,e6、素体1の幅方向に並ぶ一対の稜部e3,e4、e7,e8、e9,e10及びe11,e12を、以下、単に「一対の稜部」ということとする。なお、稜部e1〜e12は、素体1を形成する際のバレル研磨工程によって面取りされており、丸みを帯びた状態となっている。
【0019】
(外観検査装置の構成)
続いて、外観検査装置10の全体構成について、図1〜図6を参照して説明する。外観検査装置10は、図1〜図3に示されるように、ステージ12と、素体供給テーブル14と、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10と、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12と、側面撮像用第2カメラB16,D11と、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14と、モニタ16と、制御部18とを備える。
【0020】
ステージ12上には、素体供給テーブル14、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12、側面撮像用第2カメラB16,D11、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14及びモニタ16が設けられている。ステージ12上には、外観検査装置10による検査の結果、良品であると判断された素体1を回収する良品回収トレイ20と、良品の素体1の排出位置から良品回収トレイ20につながるシュート22とが設けられている。
【0021】
ステージ12上には、外観検査装置10による検査の結果、不良品であると判断された素体1が排出される不良品排出口24が設けられている。ステージ12の内部には、不良品排出口24に排出された素体1を回収する不良品回収箱(図示せず)が設けられている。ステージ12の内部には、制御部18が設けられている。
【0022】
素体供給テーブル14は、素体1を続く第1回転テーブル16Aに供給するためのものである。素体供給テーブル14には、特に図1及び図2にて詳しく示されるように、複数の素体1が整列された状態で載置された整列板2(詳しくは後述する)が載置される。素体供給テーブル14は、図示しない駆動機構により、矢印X1方向に整列板2を往復移動させることが可能となっていると共に、矢印X2方向に整列板2を往復移動させることが可能となっている。素体供給テーブル14は、素体1の第1回転テーブルA10への供給が行われる地点P1(図2参照)において、整列板2に整列されている素体1の長さ方向と第1回転テーブルA10の回転方向(矢印X3方向)とが略直交するように、整列板2を移動させる。
【0023】
第1回転テーブルA10は、素体供給テーブル14から供給された素体1を続く第2回転テーブルB10に引き渡すためのものである。第1回転テーブルA10は、特に図4にて詳しく示されるように、回転軸A10aと、テーブルA10bとを有する。回転軸A10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X3方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X4方向に昇降可能となっている。テーブルA10bは、筒部A10c及び筒部A10cの上部を閉塞する底部A10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0024】
筒部A10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では4個)の吸着ノズルA10eが形成されている。底部A10dは、回転軸A10aの先端と接続されている。そのため、第1回転テーブルA10は、吸着ノズルA10eによって素体1を保持しつつ回転軸A10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P1から第2回転テーブルB10への引き渡しが行われる地点P2(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0025】
第2回転テーブルB10は、第1回転テーブルA10から受け取った素体1を第3回転テーブルC10に引き渡すためのものである。第2回転テーブルB10は、特に図4にて詳しく示されるように、回転軸B10aと、テーブルB10bとを有する。回転軸B10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X5方向(上方から見て時計回り)に回転可能となっている。テーブルB10bは、筒部B10c及び筒部B10cの下部を閉塞する底部B10dを有する有底円筒状を呈しており、上方に向けて開放されている。
【0026】
筒部B10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では12個)の吸着ノズルB10eが形成されている。底部B10dは、回転軸B10aの先端と接続されている。そのため、第2回転テーブルB10は、吸着ノズルB10eによって素体1を保持しつつ回転軸B10aの回転に伴い回転する。これにより、素体1は、地点P2から第3回転テーブルC10への引渡が行われる地点P3(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0027】
第2回転テーブルB10の周囲には、その回転方向(矢印X5方向)に沿って、側面撮像用第1カメラB11、稜部撮像用カメラB12、稜部撮像用カメラB13、稜部撮像用カメラB14、側面撮像用第1カメラB15及び側面撮像用第1カメラB16がこの順に配置されている。これらの各カメラB11〜B16としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いることができる。
【0028】
側面撮像用第1カメラB11は、筒部B10cの開放側端面の上方であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面に向かうように配置されている。稜部撮像用カメラB12は、筒部B10cの開放側端面の上方であって、後述する導光部B12cにおける一対の開口部B12d,B12eが筒部B10cの開放側端面に向かうと共に第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)に並ぶように配置されている。
【0029】
稜部撮像用カメラB13は、第2回転テーブルB10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうと共に上下方向に並ぶように配置されている。稜部撮像用カメラB14は、第2回転テーブルB10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうと共に第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)に並ぶように配置されている。側面撮像用第1カメラB15は、第2回転テーブルB10の外側であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。側面撮像用第2カメラB16は、第2回転テーブルB10の内側であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。
【0030】
第3回転テーブルC10は、第2回転テーブルB10から受け取った素体1を第4回転テーブルD10に引き渡すためのものである。第3回転テーブルC10は、特に図5にて詳しく示されるように、回転軸C10aと、テーブルC10bとを有する。回転軸C10aは、図示しない天井に下方に向けて突設されており、図示しない駆動機構により矢印X6方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X7方向に昇降可能となっている。テーブルC10bは、筒部C10c及び筒部C10cの上部を閉塞する底部C10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0031】
筒部C10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では8個)の吸着ノズルC10eが形成されている。底部C10dは、回転軸C10aの先端と接続されている。そのため、第3回転テーブルC10は、吸着ノズルC10eによって素体1を保持しつつ回転軸B10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P3から第4回転テーブルD10への引渡が行われる地点P4(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0032】
第3回転テーブルC10の周囲には、その回転方向(矢印X6方向)に沿って、側面撮像用第1カメラC11、稜部撮像用カメラC12、稜部撮像用カメラC13及び稜部撮像用カメラC14がこの順に配置されている。これらの各カメラC11〜C14としては、例えばCCDカメラを用いることができる。
【0033】
側面撮像用第1カメラC11は、筒部C10cの開放側端面の下方であって、その撮像軸が筒部C10cの開放側端面に向かうように配置されている。稜部撮像用カメラC12は、筒部C10cの開放側端面の下方であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面に向かうと共に第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)に並ぶように配置されている。
【0034】
稜部撮像用カメラC13は、第3回転テーブルC10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面のやや下方の空間に向かうと共に上下方向に並ぶように配置されている。稜部撮像用カメラC14は、第3回転テーブルC10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面のやや下方の空間に向かうと共に第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)に並ぶように配置されている。
【0035】
第4回転テーブルD10は、第3回転テーブルC10から受け取った素体1を第5回転テーブルE10に引き渡すためのものである。第4回転テーブルD10は、特に図6にて詳しく示されるように、回転軸D10aと、テーブルD10bとを有する。回転軸D10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X8方向(上方から見て時計回り)に回転可能となっている。テーブルD10bは、筒部D10c及び筒部D10cの下部を閉塞する底部D10dを有する有底円筒状を呈しており、上方に向けて開放されている。
【0036】
筒部D10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では8個)の吸着ノズルD10eが形成されている。底部D10dは、回転軸D10aの先端と接続されている。そのため、第4回転テーブルD10は、吸着ノズルD10eによって素体1を保持しつつ回転軸D10aの回転に伴い回転する。これにより、素体1は、地点P4から第5回転テーブルE10への引渡が行われる地点P5(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0037】
第4回転テーブルD10の周囲には、その回転方向(矢印X8方向)に沿って、側面撮像用第2カメラD11及び側面撮像用第1カメラD12がこの順に配置されている。これらの各カメラD11,D12としては、例えばCCDカメラを用いることができる。
【0038】
側面撮像用第2カメラD11は、第4回転テーブルD10の内側であって、その撮像軸が筒部D10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。側面撮像用第1カメラD12は、第4回転テーブルD10の外側であって、その撮像軸が筒部D10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。
【0039】
第5回転テーブルE10は、第4回転テーブルD10から受け取った素体1のうち、良品であると判断された素体1を良品回収トレイ20へと排出し、不良品であると判断された素体1を不良品排出口24へと排出するためのものである。第5回転テーブルE10は、特に図6にて詳しく示されるように、回転軸E10aと、テーブルE10bとを有する。回転軸E10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X9方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X10方向に昇降可能となっている。テーブルE10bは、筒部E10c及び筒部E10cの上部を閉塞する底部E10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0040】
筒部E10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では4個)の吸着ノズルE10eが形成されている。底部E10dは、回転軸E10aの先端と接続されている。そのため、第5回転テーブルE10は、吸着ノズルE10eによって素体1を保持しつつ回転軸E10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P5から不良品の排出が行われる地点P6又は良品の排出が行われる地点P7(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0041】
モニタ16は、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像の表示や、検査結果の表示を行う。
【0042】
制御部18は、特に図3にて詳しく示されるように、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12、素体供給テーブル14及びモニタ16と接続されている。制御部18は、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10の回転動作及び吸着ノズルA10e,B10e,C10e,D10e,E10eの空気の吸引動作、並びに、第1回転テーブルA10、第3回転テーブルC10及び第5回転テーブルE10の昇降動作を制御する。
【0043】
制御部18は、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12に対して撮像指示を与えると共に、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像データに基づいて画像処理を行い、素体1の傷等の欠陥の有無を検査し、素体1が不良品であるか否かの判断を行う。制御部18は、素体供給テーブル14を制御して、素体供給テーブル14に載置された整列板2を矢印X1方向又は矢印X2方向に往復移動させる。制御部18は、モニタ16に所定の画像を表示させる。
【0044】
(側面撮像用第1カメラの構成)
続いて、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12の構成について、図7を参照して説明する。なお、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12の構成は共通しているので、以下では、側面撮像用第1カメラB11を例にとって説明する。
【0045】
側面撮像用第1カメラB11は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の側面を撮像するためのものである。側面撮像用第1カメラB11は、撮像が行われるカメラ本体B11aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B11bと、リング照明B11c,B11dとを有している。リング照明B11c,B11dは、対象物をその周囲360°方向から照明することのできるリング状(略円環状)の照明器具である。
【0046】
リング照明B11c,B11dは、その内側面に複数のLED光源が配列されている。リング照明B11cは、鏡胴B11bの先端部分に配置されている。リング照明B11dは、リング照明B11cと離間した位置に配置されている。これにより、リング照明B11c,B11dによって素体1の側面が照明され、素体1の側面からの反射光L1が鏡胴B11b及びカメラ本体B11aに導入されて、側面撮像用第1カメラB11によって素体1の側面が撮像されることとなる。
【0047】
(側面撮像用第2カメラの構成)
続いて、側面撮像用第2カメラB16,D11の構成について、図8を参照して説明する。なお、側面撮像用第2カメラB16,D11の構成は共通しているので、以下では、側面撮像用第2カメラB16を例にとって説明する。
【0048】
側面撮像用第2カメラB16は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の側面を撮像するためのものである。側面撮像用第2カメラB16は、撮像が行われるカメラ本体B16aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B16bと、プリズムアダプタB16cと、リング照明B16d,B16eとを有している。プリズムアダプタB16cは、素体1の側面からの反射光が導入される開口部B16fと、開口部B16fから導入された反射光を反射する直角プリズムB16gと、鏡胴B16bの先端と接続されると共に直角プリズムB16gによって反射された反射光を鏡胴B16b及びカメラ本体B16aに向けて導出する開口部B16hとを含んで構成されている。
【0049】
リング照明B16d,B16eは、対象物をその周囲360°方向から照明することのできるリング状(略円環状)の照明器具である。リング照明B16d,B16eは、その内側面に複数のLED光源が配列されている。リング照明B16dは、開口部B16fの先端と接続されている。リング照明B16eは、リング照明B16dと離間した位置に配置されている。これにより、リング照明B16d,B16eによって素体1の側面が照明され、素体1の側面からの反射光L2が直角プリズムB16gによって鏡胴B16b及びカメラ本体B16aに導入されて、側面撮像用第2カメラB16によって素体1の側面が撮像されることとなる。なお、リング照明B16eは、図示しない駆動機構に取り付けられており、撮像対象物である素体1に近接及び離間する方向(矢印X11方向)に移動可能となっている。
【0050】
(稜部撮像用カメラの構成)
続いて、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14の構成について、図9〜11を参照して説明する。なお、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14の構成は共通しているので、以下では、稜部撮像用カメラB12を例にとって説明する。
【0051】
稜部撮像用カメラB12は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の一対の稜部を撮像するためのものである。稜部撮像用カメラB12は、撮像が行われるカメラ本体B12aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B12bと、導光部B12cとを有している。
【0052】
導光部B12cは、特に図9にて詳しく示されるように、略直方体状を呈する筐体B12dと、一対の開口部B12e,B12fと、一対の直角プリズムB12g,B12hと、直角プリズムB12iと、開口部B12jとを含んで構成されている。一対の開口部B12e,B12fは、筐体B12dの素体1に向かう側面Sに設けられており、素体1の一対の稜部からの反射光をそれぞれ導入する。
【0053】
一対の直角プリズムB12g、B12hは、開口部B12e,B12fからそれぞれ導入された素体1の一対の稜部からの反射光を直角プリズムB12iに向けて反射する。直角プリズムB12iは、直角プリズムB12g、B12hによって反射された各反射光を更に反射する。開口部B12jは、鏡胴B12bの先端と接続されると共に直角プリズムB12hによって反射された反射光を鏡胴B12b及びカメラ本体B12aに向けて導出する。なお、導光部B12cの筐体B12dは、開口部B12e,B12fから導入される光以外の光の侵入を防ぐため、内壁及び外壁の少なくとも一方が黒色とされている。
【0054】
導光部B12cの側面Sには、特に図10にて詳しく示されるように、複数のチップLED(Light Emitting Diode)3によって構成されたチップLED群3A〜3Gが配置されている。チップLED群3A〜3Cは、筐体B12dの側面Sであって、一対の開口部B12e,B12fの間の領域S1に配置されている。チップLED群3A〜3Cは、領域S1において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んでそれぞれ構成されている。
【0055】
チップLED群3Dは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12eに対して領域S1と反対側に位置する領域S2に配置されている。チップLED群3Dは、領域S2において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んで構成されている。チップLED群3Eは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12fに対して領域S1と反対側に位置する領域S3に配置されている。チップLED群3Eは、領域S3において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んで構成されている。
【0056】
チップLED群3Fは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12eの周囲で且つ領域S1,S2の間に位置する一対の領域S4,S5に配置されている。チップLED群3Fは、領域S4において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並ぶと共に、領域S5において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並んで構成されている。
【0057】
チップLED群3Gは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12fの周囲で且つ領域S1,S3の間に位置する一対の領域S6,S7に配置されている。チップLED群3Gは、領域S6において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並ぶと共に、領域S7において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並んで構成されている。すなわち、開口部B12eは、チップLED群3A,3D,3Fによって囲まれ、開口部B12fは、チップLED群3C,3E,3Gによって囲まれている。
【0058】
チップLED群3Aを構成する5つのチップLED3は、図11に示されるように、可変抵抗Rvと共に直列となるように接続されており、他のチップLED群3B〜3Gをそれぞれ構成するチップLED3と並列となるように接続されている(他のチップLED群3B〜3Gについても同様である)。これらの可変抵抗Rvは、電源PWからチップLED群3A〜3Gに供給される電力量を調整するためのボリュームとしてそれぞれ機能する。具体的には、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3は、各可変抵抗Rvによって、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定される。
【0059】
(外観検査装置による外観検査)
続いて、以上の構成を有する外観検査装置10を用いた素体1の外観検査の方法について、図13〜図16を参照して説明する。
【0060】
まず、公知の装置を用いて、整列板2に複数の素体1を整列させる。そして、素体1が整列された整列板2を素体供給テーブル14に載置する。
【0061】
続いて、制御部18が素体供給テーブル14を制御して、供給対象の素体1が第1回転テーブルA10への供給が行われる地点P1に位置するように整列板2を移動させる。供給対象の素体1が地点P1に位置すると(図13(a)参照)、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を下降させると共に第1回転テーブルA10の地点P1に位置する吸着ノズルA10eによって地点P1にある素体1を吸着させる。
【0062】
こうして、地点P1において、素体供給テーブル14から第1回転テーブルA10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P1において素体1の長さ方向が第1回転テーブルA10の回転方向(矢印X3方向)と略直交し、側面s1が吸着ノズルA10eによって吸着され、側面s3が第1回転テーブルA10の外側に向き、側面s4が第1回転テーブルA10の内側に向いた状態で、第1回転テーブルA10に供給される。
【0063】
第1回転テーブルA10の吸着ノズルA10eによって素体1が保持されると、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を上昇させると共に矢印X3方向に回転させる。そして、素体1が地点P2まで搬送されると(図13(b)参照)、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を下降させると共に、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10の地点P2に位置する吸着ノズルB10eによって素体1を吸着させる。
【0064】
こうして、地点P2において、第1回転テーブルA10から第2回転テーブルB10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P2において素体1の長さ方向が第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)と略直交し、側面s2が吸着ノズルB10eによって吸着され、側面s4が第2回転テーブルB10の外側に向き、側面s3が第2回転テーブルB10の内側に向いた状態で、第2回転テーブルB10に供給される。
【0065】
第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって素体1が保持されると、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、地点P2に位置する吸着ノズルA10eによる素体1の吸着を停止させた後、第1回転テーブルA10を上昇させる。そして、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。素体1が地点Q1まで搬送されると(図13(c)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラB11を制御して、側面撮像用第1カメラB11によって素体1の側面s1を撮像させる。
【0066】
素体1の側面s1が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q2まで搬送されると(図13(d)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB12を制御して、稜部撮像用カメラB12によって素体1の一対の稜部e3,e4を撮像させる。
【0067】
素体1の一対の稜部e3,e4が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q3まで搬送されると(図13(e)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB13を制御して、稜部撮像用カメラB13によって素体1の一対の稜部e2,e6を撮像させる。
【0068】
素体1の一対の稜部e2,e6が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q4まで搬送されると(図13(f)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB14を制御して、稜部撮像用カメラB14によって素体1の一対の稜部e11,e12を撮像させる。なお、第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s4が第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラB13,B14側)に位置するように第2回転テーブルB10によって保持されているので、第2回転テーブルB10が稜部撮像用カメラB13,B14による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e11,e12の撮像の妨げにならないようになっている。
【0069】
素体1の一対の稜部e11,e12が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q5まで搬送されると(図14(a)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラB15を制御して、側面撮像用第1カメラB15によって素体1の側面s4を撮像させる。
【0070】
素体1の側面s4が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q6まで搬送されると(図14(b)参照)、制御部18が側面撮像用第2カメラB16を制御して、側面撮像用第2カメラB16によって素体1の側面s3を撮像させる。なお、側面撮像用第2カメラB16による撮像が行われない場合、リング照明B16eは、第2回転テーブルB10から離間した位置に退避している(図16(a)参照)。一方、側面撮像用第2カメラB16による撮像が行われる場合、制御部18がリング照明B16eを制御して、リング照明B16eを第2回転テーブルB10に近接する方向に駆動させる(図16(b)参照)。
【0071】
素体1の側面s3が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点P3まで搬送されると(図14(c)参照)、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を下降させると共に第3回転テーブルC10の地点P3に位置する吸着ノズルC10eによって素体1を吸着させる。
【0072】
こうして、地点P3において、第2回転テーブルB10から第3回転テーブルC10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P3において素体1の長さ方向が第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)と略直交し、側面s1が吸着ノズルC10eによって吸着され、側面s3が第3回転テーブルC10の外側に向き、側面s4が第3回転テーブルC10の内側に向いた状態で、第3回転テーブルC10に供給される。
【0073】
第3回転テーブルC10の吸着ノズルC10eによって素体1が保持されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、地点P3に位置する吸着ノズルB10eによる素体1の吸着を停止させる。そして、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を上昇させると共に矢印X6方向に回転させる。素体1が地点Q7まで搬送されると(図14(d)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラC11を制御して、側面撮像用第1カメラC11によって素体1の側面s2を撮像させる。
【0074】
素体1の側面s2が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q8まで搬送されると(図14(e)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC12を制御して、稜部撮像用カメラC12によって素体1の一対の稜部e7,e8を撮像させる。
【0075】
素体1の一対の稜部e7,e8が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q9まで搬送されると(図14(f)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC13を制御して、稜部撮像用カメラC13によって素体1の一対の稜部e1,e5を撮像させる。
【0076】
素体1の一対の稜部e1,e5が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q10まで搬送されると(図15(a)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC14を制御して、稜部撮像用カメラC14によって素体1の一対の稜部e9,e10を撮像させる。なお、第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s3が第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラC13,C14側)に位置するように第3回転テーブルC10によって保持されているので、第3回転テーブルC10が稜部撮像用カメラC13,C14による素体1の一対の稜部e1,e5及び一対の稜部e9,e10の撮像の妨げにならないようになっている。
【0077】
素体1の一対の稜部e9,e10が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点P4まで搬送されると(図15(b)参照)、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を下降させると共に、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10の地点P4に位置する吸着ノズルD10eによって素体1を吸着させる。
【0078】
こうして、地点P4において、第3回転テーブルC10から第4回転テーブルD10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P4において素体1の幅方向が第4回転テーブルD10の回転方向(矢印X8方向)と略直交し、側面s2が吸着ノズルD10eによって吸着され、側面s5が第4回転テーブルD10の外側に向き、側面s6が第4回転テーブルD10の内側に向いた状態で、第4回転テーブルD10に供給される。
【0079】
第4回転テーブルD10の吸着ノズルD10eによって素体1が保持されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、地点P4に位置する吸着ノズルC10eによる素体1の吸着を停止させた後、第3回転テーブルC10を上昇させる。そして、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。素体1が地点Q11まで搬送されると(図15(c)参照)、制御部18が側面撮像用第2カメラD11を制御して、側面撮像用第2カメラD11によって素体1の側面s6を撮像させる。
【0080】
素体1の側面s6が撮像されると、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。そして、素体1が地点Q12まで搬送されると(図15(d)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラD12を制御して、側面撮像用第1カメラD12によって素体1の側面s5を撮像させる。
【0081】
素体1の側面s5が撮像されると、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。そして、素体1が地点P5まで搬送されると(図15(e)参照)、制御部18が第5回転テーブルE10を下降させると共に第5回転テーブルE10の地点P5に位置する吸着ノズルE10eによって素体1を吸着させる。
【0082】
こうして、地点P5において、第4回転テーブルD10から第5回転テーブルE10に素体1が引き渡されることとなる。そして、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、地点P5に位置する吸着ノズルD10eによる素体1の吸着を停止させると共に、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を上昇させる。その後、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像データに基づいて、素体1が不良品であると制御部18が判断した場合には、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を矢印X9方向に回転させて地点P6まで素体1を搬送し(図15(f)参照)、不良品排出口24に素体1を排出する。一方、素体1が良品であると制御部18が判断した場合には、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を矢印X9方向に回転させて地点P7まで素体1を搬送し(図15(g)参照)、良品回収トレイ20に向けて素体1を排出する。
【0083】
以上のように、本実施形態においては、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12及び側面撮像用第2カメラB16,D11によって素体1の側面を撮像し、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14によって素体1の一対の稜部を撮像している。そのため、素体1の側面及び稜部について、画像処理による外観検査が行われるようになる。その結果、素体1の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能となっている。
【0084】
また、本実施形態においては、第2及び第4回転テーブルB10,D10の吸着ノズルB10e,D10eによって素体1の側面s2を吸着し、第3回転テーブルC10の吸着ノズルC10eによって素体1の側面s1を吸着している。そのため、吸着ノズルB10e,D10eによって吸着されていた素体1の側面s2については第3回転テーブルC10による搬送時に側面撮像用第1カメラC11によって撮像が行われ、吸着ノズルC10eによって吸着されていた素体1の側面s1については第2回転テーブルB10による搬送時に側面撮像用第1カメラB11によって撮像が行われるようになっている。その結果、素体1の全ての側面及び稜部について外観検査を行うことが可能となる。
【0085】
また、本実施形態においては、第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s4が第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラB13,B14側)に位置するように第2回転テーブルB10によって保持されている。そのため、第2回転テーブルB10が稜部撮像用カメラB13,B14による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e11,e12の撮像の妨げにならないようになっている。
【0086】
また、本実施形態においては、第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s3が第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラC13,C14側)に位置するように第3回転テーブルC10によって保持されている。そのため、第3回転テーブルC10が稜部撮像用カメラC13による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e9,e10の撮像の妨げにならないようになっている。
【0087】
ところで、上述のように、素体1の稜部e1〜e12は、素体1を形成する際のバレル研磨工程によって面取りされており、丸みを帯びた状態となっている。そのため、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11によって撮像された素体1の側面s1〜s6の撮像画像に基づいて素体1の稜部e1〜e12の外観検査を行おうとすると、稜部e1〜e12からの反射光が側面s1〜s6からの反射光よりも暗くなり、稜部e1〜e12と側面s1〜s6との間でのコントラストが大きくなってしまう。このような状態では、稜部e1〜e12を跨るような傷等の欠陥を外観検査によって検出することが困難となる。
【0088】
そこで、(1)側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11を素体1の稜部e1〜e12に向けて設置するといった対策が考えられる。しかしながら、この場合には、素体1の側面s1〜s6用の6台のカメラに加え、素体1の稜部e1〜e12用のカメラが12台必要となり、外観検査装置の大型化を招くこととなる。また、(2)素体1の姿勢を変化させて、素体1の稜部e1〜e12を側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11に向けるようにするといった対策も考えられる。しかしながら、この場合にも、素体1の姿勢を変化させるために搬送装置の大型化・複雑化を招くので、外観検査装置の大型化・複雑化が避けられない
【0089】
ところが、本実施形態においては、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12による素体1の撮像の際、第2〜第4回転テーブルB10によって素体1を搬送している。そして、素体1の稜部e1〜e12を撮像するために稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14を用いている。そのため、素体1の一つの稜部について一つのカメラを用いる必要がなくなっていると共に、カメラを固定して素体1の姿勢を変えることで素体1の側面及び稜部を撮像するような場合と比較して、素体1の姿勢を変化させるための複雑な機構が必要なくなっている。その結果、素体1の側面及び稜部を検査可能としつつ、外観検査装置10を大幅にコンパクト化することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態においては、一対の直角プリズムB12g、B12hによって、一対の開口部B12e,B12fからそれぞれ導入された素体1の一対の稜部からの反射光を直角プリズムB12iに向けてそれぞれ反射させ、直角プリズムB12iによって、直角プリズムB12g、B12hから反射された各反射光を更に鏡胴B12b及びカメラ本体B12aに向けて反射させることで、素体1の一対の稜部を稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14を用いて一度に撮像している。側面と稜部とを同時に撮像する場合には、素体1の稜部のみを撮像した場合と比較して素体1の稜部の撮像画像が相対的に小さくなり、分解能が低下してしまい、欠陥の検出精度が低下してしまうといった問題が発生しうるが、このようにすることで、素体1の一対の稜部のみを高倍率で撮像することが可能となる。また、素体1の一対の稜部を一つの稜部撮像用カメラにて撮像しているので、素体1の各稜部に対してそれぞれカメラを設置するような場合と比較して、カメラの数を減らすことができ、外観検査装置10をよりコンパクト化することが可能となる。さらに、素体1の一対の稜部を一度に撮像しているので、一対の稜部が一回の画像処理によって検査されることとなり、素体1の外観検査を短時間で行うことが可能となる。
【0091】
また、本実施形態において、稜部撮像用カメラB12の開口部B12jが鏡胴B12bの先端と接続されており、カメラ本体B12a及び鏡胴B12bと導光部B12cとが一体化されている。欠陥の検出精度を向上させるために高倍率のレンズを用いると、被写体深度が極めて狭くなるので、稜部撮像用カメラB12の設置の際に極めて高精度の位置決めが要求されるが、このようにカメラ本体B12a及び鏡胴B12bと導光部B12cとを一体化することで、位置決めや位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0092】
また、本実施形態において、導光部B12cの側面Sに、素体1の側面及び稜部を照明するための複数のチップLED3が配置されている。導光部B12cの側面Sに素体1の稜部に向けて斜めとなるように光源を配置した場合には、ワークディスタンス(作動距離)が長くなってしまい、このときにワークディスタンスが長くなる前と同じ倍率で素体1の稜部を撮像しようとすると、レンズや直角プリズムの大きさを大きくする必要が生じるので、稜部撮像用カメラB12が大きくなってしまうという問題が発生するが、このようにチップLED3を用いているので、ワークディスタンスを短くすることが可能となっている。
【0093】
そして、本実施形態において、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3が、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定されている。そのため、単に導光部B12cの側面SにチップLED3を設けただけでは、稜部から撮像部に導入される反射光は側面から撮像部に導入される反射光よりも弱くなりがちとなるが、このようにチップLED群3A〜3G毎にチップLED3の輝度を調整することで、素体1の一対の稜部が十分に照明されるようになるので、稜部e1〜e12を跨るような傷等の欠陥を極めて良好に検出することが可能となる。
【0094】
ここで、稜部撮像用カメラB12によって素体1の一対の稜部e3,e4を撮像する場合について、図17を参照して説明する。図17に示されるように、稜部撮像用カメラB12は、一対の開口部B12e,B12fが一対の稜部e4,e3に対応するように配置されている。そのため、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3は、主として素体1の側面s1を照射し、チップLED群3Dを構成するチップLED3は主として素体1の稜部e4を照射し、チップLED群3Eを構成するチップLED3は主として素体1の稜部e3を照射し、チップLED群3Fを構成するチップLED3のうち領域S4に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s3,s6によって構成される角部を照射し、チップLED群3Fを構成するチップLED3のうち領域S5に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s4,s6によって構成される角部を照射し、チップLED群3Gを構成するチップLED3のうち領域S6に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s3,s5によって構成される角部を照射し、チップLED群3Gを構成するチップLED3のうち領域S7に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s4,s5によって構成される角部を照射する。
【0095】
このとき、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3は、各可変抵抗Rvによって、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定されている。そのため、図18に示されるように、素体1の稜部e3,e4を極めて良好に撮像できるものとなっている。
【0096】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では素体1を第1〜第5回転テーブルによって搬送したが、素体1の姿勢を変化させずに素体1を搬送することができれば、他の搬送手段を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態に係る外観検査装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る外観検査装置の全体を示す上面図である。
【図3】本実施形態に係る外観検査装置を示すブロック図である。
【図4】第1回転テーブル及び第2回転テーブルを示す斜視図である。
【図5】第3回転テーブルを下方から見た状態で示す斜視図である。
【図6】第4回転テーブル及び第5回転テーブルを示す斜視図である。
【図7】側面撮像用第1カメラを一部破断して示す正面図である。
【図8】側面撮像用第2カメラを一部破断して示す正面図である。
【図9】稜部撮像用カメラを一部破断して示す正面図である。
【図10】導光部の側面におけるチップLEDの配列の様子を示す図である。
【図11】チップLEDの駆動回路図である。
【図12】本実施形態に係る外観検査装置の検査対象物である素体を示す斜視図である。
【図13】素体の外観検査の各工程を説明するための図である。
【図14】図13の後続の工程を説明するための図である。
【図15】図14の後続の工程を説明するための図である。
【図16】側面撮像用第2カメラの動作を示す図である。
【図17】チップLEDによって素体を照射する様子を模式的に示す図である。
【図18】一対の稜部の撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1…素体(検査対象物)、s1〜s6…側面、e1〜e12…稜部、10…外観検査装置、B10…第2回転テーブル(第1搬送手段)、B10e…吸着ノズル(保持部)、C10…第3回転テーブル(第2搬送手段)、B11…側面撮像用第1カメラ(第1撮像手段)、B12…稜部撮像用カメラ(第2撮像手段)、B12a…カメラ本体(撮像部)、B12b…鏡胴(撮像部)、B12c…導光部、B12e…開口部(第1開口部)、B12d…筐体、B12f…開口部(第2開口部)、B12g…直角プリズム(第1反射部材)、B12h…直角プリズム(第2反射部材)、B12i…直角プリズム(第3反射部材)、3A〜3C…チップLED群(第1照明手段)、3D,3E…チップLED群(第2照明手段)、3F,3G…チップLED群(第3照明手段)、S1…領域(第1領域)、S2…領域(第2領域)、S3…領域(第3領域)、S4…領域(第4領域)、S5…領域(第5領域)、S6…領域(第6領域)、S7…領域(第7領域)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、チップコンデンサやチップインダクタ等の略直方体形状の電子部品の外観を検査する外観検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この外観検査装置は、第1カメラによる電子部品の第1側面の撮像及び第2カメラによる電子部品の第2側面の撮像が行われる第1搬送機構と、第1搬送機構による搬送方向と直交する向きに電子部品を反転させる反転機構と、第3カメラによる電子部品の第3側面の撮影及び第4カメラによる電子部品の第4側面の撮影が行われる第2搬送機構とを備え、電子部品の主要な4つの側面における傷等の欠陥の有無を画像処理によって判定するように構成されている。
【特許文献1】特開2000−266521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、より品質の高い電子部品が要求されている。特に、外部電極が形成されて電子部品となる前の素体の表面に傷等の欠陥があると、外部電極の形成に代表される後工程においてその欠陥が隠れ、製品として電子部品が完成した後の最終的な外観検査工程や電気特性検査工程において欠陥の存在を検出することができなくなってしまい、製品として電子部品が出荷された後に、電子部品に内在する欠陥が成長して不良の原因となって、電子部品として機能しなくなることがあるので、素体の表面全体における傷等の欠陥を確実に検出することが望まれる。
【0004】
しかしながら、上記した従来の外観検査装置では、側面のみが検査対象となっており、稜部における欠陥の有無を検査することができなかった。そのため、精度の高い外観検査を目指して、電子部品の稜部についても欠陥の有無を検出しようとすると、作業員が目視によって電子部品の稜部を検査せざるを得なかった。従って、作業員の間で検査のばらつきが発生したり、人件費等のコストが増加したり、検査が長時間化するといった問題が生じる虞があった。
【0005】
本発明は、略直方体形状の検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能な外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る外観検査装置は、略直方体形状の検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、検査対象物の少なくとも一つの側面と当接して検査対象物を保持する保持部を有し、当該保持部によって検査対象物を保持しつつ搬送を行う第1搬送手段と、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面を撮像する第1撮像手段と、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面を当該異なる側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する第2撮像手段とを備え、第1搬送手段は、第1撮像手段と第2撮像手段との間において、検査対象物の姿勢を維持したまま検査対象物を搬送することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る外観検査装置では、第1撮像手段によって検査対象物の側面を撮像し、第2撮像手段によって検査対象物の一対の稜部を撮像している。そのため、検査対象物の側面及び稜部について、画像処理による外観検査が行われる。その結果、検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能となっている。また、本発明に係る外観検査装置では、検査対象物の姿勢を維持したまま検査対象物を第1搬送手段によって搬送している。そのため、撮像手段を固定して検査対象物の姿勢を変えることで検査対象物の側面及び稜部を撮像するような場合と比較して、検査対象物を変化させるための複雑な機構が必要なくなっている。その結果、検査対象物の側面及び稜部を検査可能としつつ、外観検査装置を大幅にコンパクト化することが可能となる。さらに、本発明に係る外観検査装置では、検査対象物の一対の稜部を一つの撮像手段によって一度に撮像している。そのため、設置すべき撮像手段の数が減ることとなるので、外観検査装置をよりコンパクト化することが可能となると共に、一対の稜部が一回の画像処理によって検査されるようになるので、検査対象物の外観検査を短時間で行うことが可能となる。
【0008】
また、検査対象物の側面のうち保持部と当接している側面とは異なる側面において検査対象物を保持しつつ搬送を行う第2搬送手段を更に備えることが好ましい。このようにすると、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の保持部と当接している側面についても外観検査を行うことが可能となる。
【0009】
また、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の保持部によって保持される側面は、検査対象物の側面のうち第1搬送手段の搬送方向に平行で且つ第2撮像手段によって撮像される一対の稜部を連結している側面と交差しており、第1搬送手段の保持部は、検査対象物の一対の稜部が保持部よりも第2撮像手段側に位置するように検査対象物を保持することが好ましい。このようにすると、検査対象物の稜部を撮像する際、保持部からの反射光が第2撮像手段に導入されにくくなるので、検査対象物の稜部を良好に撮像することが可能となる。
【0010】
また、第2撮像手段は、検査対象物の一対の稜部の撮像を行う撮像部と、検査対象物の一対の稜部からの反射光を撮像部に導入する導光部とを有し、導光部は、検査対象物の一対の稜部からの反射光がそれぞれ入射する第1開口部及び第2開口部が検査対象物に向かう側面に配置された筐体と、筐体内に配置されると共に第1開口部から入射した反射光を反射する第1反射部材と、筐体内に配置されると共に第2開口部から入射した反射光を反射する第2反射部材と、筐体内に配置されると共に第1反射部材及び第2反射部材によって反射された反射光を共に撮像部に向けて反射する第3反射部材とを含むことが好ましい。このような撮像手段を用いると、検査対象物の一対の稜部を一度に撮像することが可能となる。
【0011】
また、第2撮像手段の撮像部と第2撮像手段の導光部とは、一体化されていることが好ましい。このようにすると、第2撮像手段の撮像部と第2撮像手段の導光部とが別体となっている場合と比較して、第2撮像手段の検査対象物に対する位置決めを容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、導光部は、検査対象物に対して照明を行う第1照明手段、第2照明手段及び第3照明手段を含み、第1照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部と第2開口部との間に位置する第1領域に配置され、第2照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部に対して第1領域とは反対側に位置する第2領域及び第2開口部に対して第1領域とは反対側に位置する第3領域にそれぞれ配置され、第3照明手段は、筐体の検査対象物に向かう側面であって、第1開口部の周囲で且つ第1領域と第2領域との間に位置する一対の第4領域及び第5領域並びに第2開口部の周囲で且つ第1領域と第3領域との間に位置する一対の第6領域及び第7領域にそれぞれ配置されており、第1照明手段、第3照明手段及び第2照明手段は、この順に輝度が高くなるように設定されていることが好ましい。稜部から撮像部に導入される反射光は側面から撮像部に導入される反射光よりも弱くなりがちであるが、このようにすると、稜部が十分に照明されるようになるので、稜部を跨るような傷等の欠陥を極めて良好に検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、略直方体形状の検査対象物の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能な外観検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る外観検査装置10の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。外観検査装置10は、チップコンデンサやチップインダクタ等といった電子部品を構成する素体(検査対象物)1の表面における欠陥の有無を検出するものである。
【0015】
(素体の構成)
まず、素体1について、図12を参照して説明する。素体1は、素体1が電子部品となったときにコンデンサとして機能させるための内部電極となる電極パターンや、素体1が電子部品となったときにインダクタとして機能させるための内部導体となる導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して圧着し、所定温度にて所定時間焼成した後、バレル研磨することで形成される。
【0016】
素体1は、略直方体形状を呈している。素体1は、X軸方向(以下、「高さ方向」という)に対向する一対の側面s1,s2と、Y軸方向(以下、「長さ方向」という)に対向する一対の側面s3,s4と、Z軸方向(以下、「幅方向」という)に対向する一対の側面s5,s6とを有している。そのため、側面s1,s2と側面s3,s4とは隣り合うように位置しており、側面s1,s2と側面s5,s6とは隣り合うように位置しており、側面s3,s4と側面s5,s6とは隣り合うように位置している。
【0017】
素体1は、隣り合う側面s1,s3を連結する稜部e1と、隣り合う側面s1,s4を連結する稜部e2と、隣り合う側面s1,s5を連結する稜部e3と、隣り合う側面s1,s6を連結する稜部e4と、隣り合う側面s2,s3を連結する稜部e5と、隣り合う側面s2,s4を連結する稜部e6と、隣り合う側面s2,s5を連結する稜部e7と、隣り合う側面s2,s6を連結する稜部e8と、隣り合う側面s3,s5を連結する稜部e9と、隣り合う側面s3,s6を連結する稜部e10と、隣り合う側面s4,s5を連結する稜部e11と、隣り合う側面s4,s6を連結する稜部e12とを有している。
【0018】
ここで、素体1の高さ方向に並ぶ一対の稜部e1,e5及びe2,e6、素体1の幅方向に並ぶ一対の稜部e3,e4、e7,e8、e9,e10及びe11,e12を、以下、単に「一対の稜部」ということとする。なお、稜部e1〜e12は、素体1を形成する際のバレル研磨工程によって面取りされており、丸みを帯びた状態となっている。
【0019】
(外観検査装置の構成)
続いて、外観検査装置10の全体構成について、図1〜図6を参照して説明する。外観検査装置10は、図1〜図3に示されるように、ステージ12と、素体供給テーブル14と、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10と、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12と、側面撮像用第2カメラB16,D11と、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14と、モニタ16と、制御部18とを備える。
【0020】
ステージ12上には、素体供給テーブル14、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12、側面撮像用第2カメラB16,D11、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14及びモニタ16が設けられている。ステージ12上には、外観検査装置10による検査の結果、良品であると判断された素体1を回収する良品回収トレイ20と、良品の素体1の排出位置から良品回収トレイ20につながるシュート22とが設けられている。
【0021】
ステージ12上には、外観検査装置10による検査の結果、不良品であると判断された素体1が排出される不良品排出口24が設けられている。ステージ12の内部には、不良品排出口24に排出された素体1を回収する不良品回収箱(図示せず)が設けられている。ステージ12の内部には、制御部18が設けられている。
【0022】
素体供給テーブル14は、素体1を続く第1回転テーブル16Aに供給するためのものである。素体供給テーブル14には、特に図1及び図2にて詳しく示されるように、複数の素体1が整列された状態で載置された整列板2(詳しくは後述する)が載置される。素体供給テーブル14は、図示しない駆動機構により、矢印X1方向に整列板2を往復移動させることが可能となっていると共に、矢印X2方向に整列板2を往復移動させることが可能となっている。素体供給テーブル14は、素体1の第1回転テーブルA10への供給が行われる地点P1(図2参照)において、整列板2に整列されている素体1の長さ方向と第1回転テーブルA10の回転方向(矢印X3方向)とが略直交するように、整列板2を移動させる。
【0023】
第1回転テーブルA10は、素体供給テーブル14から供給された素体1を続く第2回転テーブルB10に引き渡すためのものである。第1回転テーブルA10は、特に図4にて詳しく示されるように、回転軸A10aと、テーブルA10bとを有する。回転軸A10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X3方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X4方向に昇降可能となっている。テーブルA10bは、筒部A10c及び筒部A10cの上部を閉塞する底部A10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0024】
筒部A10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では4個)の吸着ノズルA10eが形成されている。底部A10dは、回転軸A10aの先端と接続されている。そのため、第1回転テーブルA10は、吸着ノズルA10eによって素体1を保持しつつ回転軸A10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P1から第2回転テーブルB10への引き渡しが行われる地点P2(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0025】
第2回転テーブルB10は、第1回転テーブルA10から受け取った素体1を第3回転テーブルC10に引き渡すためのものである。第2回転テーブルB10は、特に図4にて詳しく示されるように、回転軸B10aと、テーブルB10bとを有する。回転軸B10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X5方向(上方から見て時計回り)に回転可能となっている。テーブルB10bは、筒部B10c及び筒部B10cの下部を閉塞する底部B10dを有する有底円筒状を呈しており、上方に向けて開放されている。
【0026】
筒部B10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では12個)の吸着ノズルB10eが形成されている。底部B10dは、回転軸B10aの先端と接続されている。そのため、第2回転テーブルB10は、吸着ノズルB10eによって素体1を保持しつつ回転軸B10aの回転に伴い回転する。これにより、素体1は、地点P2から第3回転テーブルC10への引渡が行われる地点P3(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0027】
第2回転テーブルB10の周囲には、その回転方向(矢印X5方向)に沿って、側面撮像用第1カメラB11、稜部撮像用カメラB12、稜部撮像用カメラB13、稜部撮像用カメラB14、側面撮像用第1カメラB15及び側面撮像用第1カメラB16がこの順に配置されている。これらの各カメラB11〜B16としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いることができる。
【0028】
側面撮像用第1カメラB11は、筒部B10cの開放側端面の上方であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面に向かうように配置されている。稜部撮像用カメラB12は、筒部B10cの開放側端面の上方であって、後述する導光部B12cにおける一対の開口部B12d,B12eが筒部B10cの開放側端面に向かうと共に第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)に並ぶように配置されている。
【0029】
稜部撮像用カメラB13は、第2回転テーブルB10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうと共に上下方向に並ぶように配置されている。稜部撮像用カメラB14は、第2回転テーブルB10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうと共に第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)に並ぶように配置されている。側面撮像用第1カメラB15は、第2回転テーブルB10の外側であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。側面撮像用第2カメラB16は、第2回転テーブルB10の内側であって、その撮像軸が筒部B10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。
【0030】
第3回転テーブルC10は、第2回転テーブルB10から受け取った素体1を第4回転テーブルD10に引き渡すためのものである。第3回転テーブルC10は、特に図5にて詳しく示されるように、回転軸C10aと、テーブルC10bとを有する。回転軸C10aは、図示しない天井に下方に向けて突設されており、図示しない駆動機構により矢印X6方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X7方向に昇降可能となっている。テーブルC10bは、筒部C10c及び筒部C10cの上部を閉塞する底部C10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0031】
筒部C10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では8個)の吸着ノズルC10eが形成されている。底部C10dは、回転軸C10aの先端と接続されている。そのため、第3回転テーブルC10は、吸着ノズルC10eによって素体1を保持しつつ回転軸B10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P3から第4回転テーブルD10への引渡が行われる地点P4(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0032】
第3回転テーブルC10の周囲には、その回転方向(矢印X6方向)に沿って、側面撮像用第1カメラC11、稜部撮像用カメラC12、稜部撮像用カメラC13及び稜部撮像用カメラC14がこの順に配置されている。これらの各カメラC11〜C14としては、例えばCCDカメラを用いることができる。
【0033】
側面撮像用第1カメラC11は、筒部C10cの開放側端面の下方であって、その撮像軸が筒部C10cの開放側端面に向かうように配置されている。稜部撮像用カメラC12は、筒部C10cの開放側端面の下方であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面に向かうと共に第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)に並ぶように配置されている。
【0034】
稜部撮像用カメラC13は、第3回転テーブルC10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面のやや下方の空間に向かうと共に上下方向に並ぶように配置されている。稜部撮像用カメラC14は、第3回転テーブルC10の外側であって、導光部における一対の開口部が筒部C10cの開放側端面のやや下方の空間に向かうと共に第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)に並ぶように配置されている。
【0035】
第4回転テーブルD10は、第3回転テーブルC10から受け取った素体1を第5回転テーブルE10に引き渡すためのものである。第4回転テーブルD10は、特に図6にて詳しく示されるように、回転軸D10aと、テーブルD10bとを有する。回転軸D10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X8方向(上方から見て時計回り)に回転可能となっている。テーブルD10bは、筒部D10c及び筒部D10cの下部を閉塞する底部D10dを有する有底円筒状を呈しており、上方に向けて開放されている。
【0036】
筒部D10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では8個)の吸着ノズルD10eが形成されている。底部D10dは、回転軸D10aの先端と接続されている。そのため、第4回転テーブルD10は、吸着ノズルD10eによって素体1を保持しつつ回転軸D10aの回転に伴い回転する。これにより、素体1は、地点P4から第5回転テーブルE10への引渡が行われる地点P5(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0037】
第4回転テーブルD10の周囲には、その回転方向(矢印X8方向)に沿って、側面撮像用第2カメラD11及び側面撮像用第1カメラD12がこの順に配置されている。これらの各カメラD11,D12としては、例えばCCDカメラを用いることができる。
【0038】
側面撮像用第2カメラD11は、第4回転テーブルD10の内側であって、その撮像軸が筒部D10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。側面撮像用第1カメラD12は、第4回転テーブルD10の外側であって、その撮像軸が筒部D10cの開放側端面のやや上方の空間に向かうように配置されている。
【0039】
第5回転テーブルE10は、第4回転テーブルD10から受け取った素体1のうち、良品であると判断された素体1を良品回収トレイ20へと排出し、不良品であると判断された素体1を不良品排出口24へと排出するためのものである。第5回転テーブルE10は、特に図6にて詳しく示されるように、回転軸E10aと、テーブルE10bとを有する。回転軸E10aは、ステージ12上において上方に延びるように設けられており、図示しない駆動機構により矢印X9方向(上方から見て反時計回り)に回転可能となっていると共に、図示しない駆動機構により矢印X10方向に昇降可能となっている。テーブルE10bは、筒部E10c及び筒部E10cの上部を閉塞する底部E10dを有する有底円筒状を呈しており、下方に向けて開放されている。
【0040】
筒部E10cの開放側端面には、空気の吸引によって生じる負圧を利用して素体1を吸着するための複数(本実施形態では4個)の吸着ノズルE10eが形成されている。底部E10dは、回転軸E10aの先端と接続されている。そのため、第5回転テーブルE10は、吸着ノズルE10eによって素体1を保持しつつ回転軸E10aの回転又は昇降に伴い回転又は昇降する。これにより、素体1は、地点P5から不良品の排出が行われる地点P6又は良品の排出が行われる地点P7(図2参照)まで、所定の姿勢を維持したまま搬送されることとなる。
【0041】
モニタ16は、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像の表示や、検査結果の表示を行う。
【0042】
制御部18は、特に図3にて詳しく示されるように、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12、素体供給テーブル14及びモニタ16と接続されている。制御部18は、第1〜第5回転テーブルA10,B10,C10,D10,E10の回転動作及び吸着ノズルA10e,B10e,C10e,D10e,E10eの空気の吸引動作、並びに、第1回転テーブルA10、第3回転テーブルC10及び第5回転テーブルE10の昇降動作を制御する。
【0043】
制御部18は、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12に対して撮像指示を与えると共に、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像データに基づいて画像処理を行い、素体1の傷等の欠陥の有無を検査し、素体1が不良品であるか否かの判断を行う。制御部18は、素体供給テーブル14を制御して、素体供給テーブル14に載置された整列板2を矢印X1方向又は矢印X2方向に往復移動させる。制御部18は、モニタ16に所定の画像を表示させる。
【0044】
(側面撮像用第1カメラの構成)
続いて、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12の構成について、図7を参照して説明する。なお、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12の構成は共通しているので、以下では、側面撮像用第1カメラB11を例にとって説明する。
【0045】
側面撮像用第1カメラB11は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の側面を撮像するためのものである。側面撮像用第1カメラB11は、撮像が行われるカメラ本体B11aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B11bと、リング照明B11c,B11dとを有している。リング照明B11c,B11dは、対象物をその周囲360°方向から照明することのできるリング状(略円環状)の照明器具である。
【0046】
リング照明B11c,B11dは、その内側面に複数のLED光源が配列されている。リング照明B11cは、鏡胴B11bの先端部分に配置されている。リング照明B11dは、リング照明B11cと離間した位置に配置されている。これにより、リング照明B11c,B11dによって素体1の側面が照明され、素体1の側面からの反射光L1が鏡胴B11b及びカメラ本体B11aに導入されて、側面撮像用第1カメラB11によって素体1の側面が撮像されることとなる。
【0047】
(側面撮像用第2カメラの構成)
続いて、側面撮像用第2カメラB16,D11の構成について、図8を参照して説明する。なお、側面撮像用第2カメラB16,D11の構成は共通しているので、以下では、側面撮像用第2カメラB16を例にとって説明する。
【0048】
側面撮像用第2カメラB16は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の側面を撮像するためのものである。側面撮像用第2カメラB16は、撮像が行われるカメラ本体B16aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B16bと、プリズムアダプタB16cと、リング照明B16d,B16eとを有している。プリズムアダプタB16cは、素体1の側面からの反射光が導入される開口部B16fと、開口部B16fから導入された反射光を反射する直角プリズムB16gと、鏡胴B16bの先端と接続されると共に直角プリズムB16gによって反射された反射光を鏡胴B16b及びカメラ本体B16aに向けて導出する開口部B16hとを含んで構成されている。
【0049】
リング照明B16d,B16eは、対象物をその周囲360°方向から照明することのできるリング状(略円環状)の照明器具である。リング照明B16d,B16eは、その内側面に複数のLED光源が配列されている。リング照明B16dは、開口部B16fの先端と接続されている。リング照明B16eは、リング照明B16dと離間した位置に配置されている。これにより、リング照明B16d,B16eによって素体1の側面が照明され、素体1の側面からの反射光L2が直角プリズムB16gによって鏡胴B16b及びカメラ本体B16aに導入されて、側面撮像用第2カメラB16によって素体1の側面が撮像されることとなる。なお、リング照明B16eは、図示しない駆動機構に取り付けられており、撮像対象物である素体1に近接及び離間する方向(矢印X11方向)に移動可能となっている。
【0050】
(稜部撮像用カメラの構成)
続いて、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14の構成について、図9〜11を参照して説明する。なお、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14の構成は共通しているので、以下では、稜部撮像用カメラB12を例にとって説明する。
【0051】
稜部撮像用カメラB12は、第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって保持されている素体1の一対の稜部を撮像するためのものである。稜部撮像用カメラB12は、撮像が行われるカメラ本体B12aと、図示しないレンズを収容する鏡胴B12bと、導光部B12cとを有している。
【0052】
導光部B12cは、特に図9にて詳しく示されるように、略直方体状を呈する筐体B12dと、一対の開口部B12e,B12fと、一対の直角プリズムB12g,B12hと、直角プリズムB12iと、開口部B12jとを含んで構成されている。一対の開口部B12e,B12fは、筐体B12dの素体1に向かう側面Sに設けられており、素体1の一対の稜部からの反射光をそれぞれ導入する。
【0053】
一対の直角プリズムB12g、B12hは、開口部B12e,B12fからそれぞれ導入された素体1の一対の稜部からの反射光を直角プリズムB12iに向けて反射する。直角プリズムB12iは、直角プリズムB12g、B12hによって反射された各反射光を更に反射する。開口部B12jは、鏡胴B12bの先端と接続されると共に直角プリズムB12hによって反射された反射光を鏡胴B12b及びカメラ本体B12aに向けて導出する。なお、導光部B12cの筐体B12dは、開口部B12e,B12fから導入される光以外の光の侵入を防ぐため、内壁及び外壁の少なくとも一方が黒色とされている。
【0054】
導光部B12cの側面Sには、特に図10にて詳しく示されるように、複数のチップLED(Light Emitting Diode)3によって構成されたチップLED群3A〜3Gが配置されている。チップLED群3A〜3Cは、筐体B12dの側面Sであって、一対の開口部B12e,B12fの間の領域S1に配置されている。チップLED群3A〜3Cは、領域S1において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んでそれぞれ構成されている。
【0055】
チップLED群3Dは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12eに対して領域S1と反対側に位置する領域S2に配置されている。チップLED群3Dは、領域S2において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んで構成されている。チップLED群3Eは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12fに対して領域S1と反対側に位置する領域S3に配置されている。チップLED群3Eは、領域S3において、5つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向と交差する方向に一列に並んで構成されている。
【0056】
チップLED群3Fは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12eの周囲で且つ領域S1,S2の間に位置する一対の領域S4,S5に配置されている。チップLED群3Fは、領域S4において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並ぶと共に、領域S5において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並んで構成されている。
【0057】
チップLED群3Gは、筐体B12dの側面Sであって、開口部B12fの周囲で且つ領域S1,S3の間に位置する一対の領域S6,S7に配置されている。チップLED群3Gは、領域S6において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並ぶと共に、領域S7において、3つのチップLED3が一対の開口部B12e,B12fが並ぶ方向に一列に並んで構成されている。すなわち、開口部B12eは、チップLED群3A,3D,3Fによって囲まれ、開口部B12fは、チップLED群3C,3E,3Gによって囲まれている。
【0058】
チップLED群3Aを構成する5つのチップLED3は、図11に示されるように、可変抵抗Rvと共に直列となるように接続されており、他のチップLED群3B〜3Gをそれぞれ構成するチップLED3と並列となるように接続されている(他のチップLED群3B〜3Gについても同様である)。これらの可変抵抗Rvは、電源PWからチップLED群3A〜3Gに供給される電力量を調整するためのボリュームとしてそれぞれ機能する。具体的には、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3は、各可変抵抗Rvによって、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定される。
【0059】
(外観検査装置による外観検査)
続いて、以上の構成を有する外観検査装置10を用いた素体1の外観検査の方法について、図13〜図16を参照して説明する。
【0060】
まず、公知の装置を用いて、整列板2に複数の素体1を整列させる。そして、素体1が整列された整列板2を素体供給テーブル14に載置する。
【0061】
続いて、制御部18が素体供給テーブル14を制御して、供給対象の素体1が第1回転テーブルA10への供給が行われる地点P1に位置するように整列板2を移動させる。供給対象の素体1が地点P1に位置すると(図13(a)参照)、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を下降させると共に第1回転テーブルA10の地点P1に位置する吸着ノズルA10eによって地点P1にある素体1を吸着させる。
【0062】
こうして、地点P1において、素体供給テーブル14から第1回転テーブルA10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P1において素体1の長さ方向が第1回転テーブルA10の回転方向(矢印X3方向)と略直交し、側面s1が吸着ノズルA10eによって吸着され、側面s3が第1回転テーブルA10の外側に向き、側面s4が第1回転テーブルA10の内側に向いた状態で、第1回転テーブルA10に供給される。
【0063】
第1回転テーブルA10の吸着ノズルA10eによって素体1が保持されると、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を上昇させると共に矢印X3方向に回転させる。そして、素体1が地点P2まで搬送されると(図13(b)参照)、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、第1回転テーブルA10を下降させると共に、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10の地点P2に位置する吸着ノズルB10eによって素体1を吸着させる。
【0064】
こうして、地点P2において、第1回転テーブルA10から第2回転テーブルB10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P2において素体1の長さ方向が第2回転テーブルB10の回転方向(矢印X5方向)と略直交し、側面s2が吸着ノズルB10eによって吸着され、側面s4が第2回転テーブルB10の外側に向き、側面s3が第2回転テーブルB10の内側に向いた状態で、第2回転テーブルB10に供給される。
【0065】
第2回転テーブルB10の吸着ノズルB10eによって素体1が保持されると、制御部18が第1回転テーブルA10を制御して、地点P2に位置する吸着ノズルA10eによる素体1の吸着を停止させた後、第1回転テーブルA10を上昇させる。そして、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。素体1が地点Q1まで搬送されると(図13(c)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラB11を制御して、側面撮像用第1カメラB11によって素体1の側面s1を撮像させる。
【0066】
素体1の側面s1が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q2まで搬送されると(図13(d)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB12を制御して、稜部撮像用カメラB12によって素体1の一対の稜部e3,e4を撮像させる。
【0067】
素体1の一対の稜部e3,e4が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q3まで搬送されると(図13(e)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB13を制御して、稜部撮像用カメラB13によって素体1の一対の稜部e2,e6を撮像させる。
【0068】
素体1の一対の稜部e2,e6が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q4まで搬送されると(図13(f)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラB14を制御して、稜部撮像用カメラB14によって素体1の一対の稜部e11,e12を撮像させる。なお、第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s4が第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラB13,B14側)に位置するように第2回転テーブルB10によって保持されているので、第2回転テーブルB10が稜部撮像用カメラB13,B14による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e11,e12の撮像の妨げにならないようになっている。
【0069】
素体1の一対の稜部e11,e12が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q5まで搬送されると(図14(a)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラB15を制御して、側面撮像用第1カメラB15によって素体1の側面s4を撮像させる。
【0070】
素体1の側面s4が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点Q6まで搬送されると(図14(b)参照)、制御部18が側面撮像用第2カメラB16を制御して、側面撮像用第2カメラB16によって素体1の側面s3を撮像させる。なお、側面撮像用第2カメラB16による撮像が行われない場合、リング照明B16eは、第2回転テーブルB10から離間した位置に退避している(図16(a)参照)。一方、側面撮像用第2カメラB16による撮像が行われる場合、制御部18がリング照明B16eを制御して、リング照明B16eを第2回転テーブルB10に近接する方向に駆動させる(図16(b)参照)。
【0071】
素体1の側面s3が撮像されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、第2回転テーブルB10を矢印X5方向に回転させる。そして、素体1が地点P3まで搬送されると(図14(c)参照)、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を下降させると共に第3回転テーブルC10の地点P3に位置する吸着ノズルC10eによって素体1を吸着させる。
【0072】
こうして、地点P3において、第2回転テーブルB10から第3回転テーブルC10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P3において素体1の長さ方向が第3回転テーブルC10の回転方向(矢印X6方向)と略直交し、側面s1が吸着ノズルC10eによって吸着され、側面s3が第3回転テーブルC10の外側に向き、側面s4が第3回転テーブルC10の内側に向いた状態で、第3回転テーブルC10に供給される。
【0073】
第3回転テーブルC10の吸着ノズルC10eによって素体1が保持されると、制御部18が第2回転テーブルB10を制御して、地点P3に位置する吸着ノズルB10eによる素体1の吸着を停止させる。そして、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を上昇させると共に矢印X6方向に回転させる。素体1が地点Q7まで搬送されると(図14(d)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラC11を制御して、側面撮像用第1カメラC11によって素体1の側面s2を撮像させる。
【0074】
素体1の側面s2が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q8まで搬送されると(図14(e)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC12を制御して、稜部撮像用カメラC12によって素体1の一対の稜部e7,e8を撮像させる。
【0075】
素体1の一対の稜部e7,e8が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q9まで搬送されると(図14(f)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC13を制御して、稜部撮像用カメラC13によって素体1の一対の稜部e1,e5を撮像させる。
【0076】
素体1の一対の稜部e1,e5が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点Q10まで搬送されると(図15(a)参照)、制御部18が稜部撮像用カメラC14を制御して、稜部撮像用カメラC14によって素体1の一対の稜部e9,e10を撮像させる。なお、第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s3が第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラC13,C14側)に位置するように第3回転テーブルC10によって保持されているので、第3回転テーブルC10が稜部撮像用カメラC13,C14による素体1の一対の稜部e1,e5及び一対の稜部e9,e10の撮像の妨げにならないようになっている。
【0077】
素体1の一対の稜部e9,e10が撮像されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を矢印X6方向に回転させる。そして、素体1が地点P4まで搬送されると(図15(b)参照)、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、第3回転テーブルC10を下降させると共に、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10の地点P4に位置する吸着ノズルD10eによって素体1を吸着させる。
【0078】
こうして、地点P4において、第3回転テーブルC10から第4回転テーブルD10に素体1が引き渡されることとなる。このとき、素体1は、地点P4において素体1の幅方向が第4回転テーブルD10の回転方向(矢印X8方向)と略直交し、側面s2が吸着ノズルD10eによって吸着され、側面s5が第4回転テーブルD10の外側に向き、側面s6が第4回転テーブルD10の内側に向いた状態で、第4回転テーブルD10に供給される。
【0079】
第4回転テーブルD10の吸着ノズルD10eによって素体1が保持されると、制御部18が第3回転テーブルC10を制御して、地点P4に位置する吸着ノズルC10eによる素体1の吸着を停止させた後、第3回転テーブルC10を上昇させる。そして、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。素体1が地点Q11まで搬送されると(図15(c)参照)、制御部18が側面撮像用第2カメラD11を制御して、側面撮像用第2カメラD11によって素体1の側面s6を撮像させる。
【0080】
素体1の側面s6が撮像されると、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。そして、素体1が地点Q12まで搬送されると(図15(d)参照)、制御部18が側面撮像用第1カメラD12を制御して、側面撮像用第1カメラD12によって素体1の側面s5を撮像させる。
【0081】
素体1の側面s5が撮像されると、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、第4回転テーブルD10を矢印X8方向に回転させる。そして、素体1が地点P5まで搬送されると(図15(e)参照)、制御部18が第5回転テーブルE10を下降させると共に第5回転テーブルE10の地点P5に位置する吸着ノズルE10eによって素体1を吸着させる。
【0082】
こうして、地点P5において、第4回転テーブルD10から第5回転テーブルE10に素体1が引き渡されることとなる。そして、制御部18が第4回転テーブルD10を制御して、地点P5に位置する吸着ノズルD10eによる素体1の吸着を停止させると共に、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を上昇させる。その後、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12によって撮像された素体1の側面s1〜s6又は稜部e1〜e12の撮像画像データに基づいて、素体1が不良品であると制御部18が判断した場合には、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を矢印X9方向に回転させて地点P6まで素体1を搬送し(図15(f)参照)、不良品排出口24に素体1を排出する。一方、素体1が良品であると制御部18が判断した場合には、制御部18が第5回転テーブルE10を制御して、第5回転テーブルE10を矢印X9方向に回転させて地点P7まで素体1を搬送し(図15(g)参照)、良品回収トレイ20に向けて素体1を排出する。
【0083】
以上のように、本実施形態においては、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12及び側面撮像用第2カメラB16,D11によって素体1の側面を撮像し、稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14によって素体1の一対の稜部を撮像している。そのため、素体1の側面及び稜部について、画像処理による外観検査が行われるようになる。その結果、素体1の側面のみならず稜部についても精度よく外観を検査することが可能となっている。
【0084】
また、本実施形態においては、第2及び第4回転テーブルB10,D10の吸着ノズルB10e,D10eによって素体1の側面s2を吸着し、第3回転テーブルC10の吸着ノズルC10eによって素体1の側面s1を吸着している。そのため、吸着ノズルB10e,D10eによって吸着されていた素体1の側面s2については第3回転テーブルC10による搬送時に側面撮像用第1カメラC11によって撮像が行われ、吸着ノズルC10eによって吸着されていた素体1の側面s1については第2回転テーブルB10による搬送時に側面撮像用第1カメラB11によって撮像が行われるようになっている。その結果、素体1の全ての側面及び稜部について外観検査を行うことが可能となる。
【0085】
また、本実施形態においては、第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s4が第2回転テーブルB10における筒部B10aの吸着ノズルB10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラB13,B14側)に位置するように第2回転テーブルB10によって保持されている。そのため、第2回転テーブルB10が稜部撮像用カメラB13,B14による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e11,e12の撮像の妨げにならないようになっている。
【0086】
また、本実施形態においては、第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分における肉厚は、素体1の長さ方向における大きさよりも小さくなっており、素体1は、その側面s3が第3回転テーブルC10における筒部C10aの吸着ノズルC10e部分よりも外側(稜部撮像用カメラC13,C14側)に位置するように第3回転テーブルC10によって保持されている。そのため、第3回転テーブルC10が稜部撮像用カメラC13による素体1の一対の稜部e2,e6及び一対の稜部e9,e10の撮像の妨げにならないようになっている。
【0087】
ところで、上述のように、素体1の稜部e1〜e12は、素体1を形成する際のバレル研磨工程によって面取りされており、丸みを帯びた状態となっている。そのため、側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11によって撮像された素体1の側面s1〜s6の撮像画像に基づいて素体1の稜部e1〜e12の外観検査を行おうとすると、稜部e1〜e12からの反射光が側面s1〜s6からの反射光よりも暗くなり、稜部e1〜e12と側面s1〜s6との間でのコントラストが大きくなってしまう。このような状態では、稜部e1〜e12を跨るような傷等の欠陥を外観検査によって検出することが困難となる。
【0088】
そこで、(1)側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11を素体1の稜部e1〜e12に向けて設置するといった対策が考えられる。しかしながら、この場合には、素体1の側面s1〜s6用の6台のカメラに加え、素体1の稜部e1〜e12用のカメラが12台必要となり、外観検査装置の大型化を招くこととなる。また、(2)素体1の姿勢を変化させて、素体1の稜部e1〜e12を側面撮像用第1カメラB11,B15,C11,D12や側面撮像用第2カメラB16,D11に向けるようにするといった対策も考えられる。しかしながら、この場合にも、素体1の姿勢を変化させるために搬送装置の大型化・複雑化を招くので、外観検査装置の大型化・複雑化が避けられない
【0089】
ところが、本実施形態においては、各カメラB11〜B16,C11〜C14,D11,D12による素体1の撮像の際、第2〜第4回転テーブルB10によって素体1を搬送している。そして、素体1の稜部e1〜e12を撮像するために稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14を用いている。そのため、素体1の一つの稜部について一つのカメラを用いる必要がなくなっていると共に、カメラを固定して素体1の姿勢を変えることで素体1の側面及び稜部を撮像するような場合と比較して、素体1の姿勢を変化させるための複雑な機構が必要なくなっている。その結果、素体1の側面及び稜部を検査可能としつつ、外観検査装置10を大幅にコンパクト化することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態においては、一対の直角プリズムB12g、B12hによって、一対の開口部B12e,B12fからそれぞれ導入された素体1の一対の稜部からの反射光を直角プリズムB12iに向けてそれぞれ反射させ、直角プリズムB12iによって、直角プリズムB12g、B12hから反射された各反射光を更に鏡胴B12b及びカメラ本体B12aに向けて反射させることで、素体1の一対の稜部を稜部撮像用カメラB12〜B14,C12〜C14を用いて一度に撮像している。側面と稜部とを同時に撮像する場合には、素体1の稜部のみを撮像した場合と比較して素体1の稜部の撮像画像が相対的に小さくなり、分解能が低下してしまい、欠陥の検出精度が低下してしまうといった問題が発生しうるが、このようにすることで、素体1の一対の稜部のみを高倍率で撮像することが可能となる。また、素体1の一対の稜部を一つの稜部撮像用カメラにて撮像しているので、素体1の各稜部に対してそれぞれカメラを設置するような場合と比較して、カメラの数を減らすことができ、外観検査装置10をよりコンパクト化することが可能となる。さらに、素体1の一対の稜部を一度に撮像しているので、一対の稜部が一回の画像処理によって検査されることとなり、素体1の外観検査を短時間で行うことが可能となる。
【0091】
また、本実施形態において、稜部撮像用カメラB12の開口部B12jが鏡胴B12bの先端と接続されており、カメラ本体B12a及び鏡胴B12bと導光部B12cとが一体化されている。欠陥の検出精度を向上させるために高倍率のレンズを用いると、被写体深度が極めて狭くなるので、稜部撮像用カメラB12の設置の際に極めて高精度の位置決めが要求されるが、このようにカメラ本体B12a及び鏡胴B12bと導光部B12cとを一体化することで、位置決めや位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0092】
また、本実施形態において、導光部B12cの側面Sに、素体1の側面及び稜部を照明するための複数のチップLED3が配置されている。導光部B12cの側面Sに素体1の稜部に向けて斜めとなるように光源を配置した場合には、ワークディスタンス(作動距離)が長くなってしまい、このときにワークディスタンスが長くなる前と同じ倍率で素体1の稜部を撮像しようとすると、レンズや直角プリズムの大きさを大きくする必要が生じるので、稜部撮像用カメラB12が大きくなってしまうという問題が発生するが、このようにチップLED3を用いているので、ワークディスタンスを短くすることが可能となっている。
【0093】
そして、本実施形態において、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3が、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定されている。そのため、単に導光部B12cの側面SにチップLED3を設けただけでは、稜部から撮像部に導入される反射光は側面から撮像部に導入される反射光よりも弱くなりがちとなるが、このようにチップLED群3A〜3G毎にチップLED3の輝度を調整することで、素体1の一対の稜部が十分に照明されるようになるので、稜部e1〜e12を跨るような傷等の欠陥を極めて良好に検出することが可能となる。
【0094】
ここで、稜部撮像用カメラB12によって素体1の一対の稜部e3,e4を撮像する場合について、図17を参照して説明する。図17に示されるように、稜部撮像用カメラB12は、一対の開口部B12e,B12fが一対の稜部e4,e3に対応するように配置されている。そのため、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3は、主として素体1の側面s1を照射し、チップLED群3Dを構成するチップLED3は主として素体1の稜部e4を照射し、チップLED群3Eを構成するチップLED3は主として素体1の稜部e3を照射し、チップLED群3Fを構成するチップLED3のうち領域S4に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s3,s6によって構成される角部を照射し、チップLED群3Fを構成するチップLED3のうち領域S5に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s4,s6によって構成される角部を照射し、チップLED群3Gを構成するチップLED3のうち領域S6に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s3,s5によって構成される角部を照射し、チップLED群3Gを構成するチップLED3のうち領域S7に配置されているチップLED3は主として素体1の3つの側面s1,s4,s5によって構成される角部を照射する。
【0095】
このとき、チップLED群3A〜3Gを構成するチップLED3は、各可変抵抗Rvによって、チップLED群3A〜3Cを構成するチップLED3、チップLED群3F,3Gを構成するチップLED3、チップLED群3D,3Eを構成するチップLED3の順に輝度が高くなるように設定されている。そのため、図18に示されるように、素体1の稜部e3,e4を極めて良好に撮像できるものとなっている。
【0096】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では素体1を第1〜第5回転テーブルによって搬送したが、素体1の姿勢を変化させずに素体1を搬送することができれば、他の搬送手段を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態に係る外観検査装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る外観検査装置の全体を示す上面図である。
【図3】本実施形態に係る外観検査装置を示すブロック図である。
【図4】第1回転テーブル及び第2回転テーブルを示す斜視図である。
【図5】第3回転テーブルを下方から見た状態で示す斜視図である。
【図6】第4回転テーブル及び第5回転テーブルを示す斜視図である。
【図7】側面撮像用第1カメラを一部破断して示す正面図である。
【図8】側面撮像用第2カメラを一部破断して示す正面図である。
【図9】稜部撮像用カメラを一部破断して示す正面図である。
【図10】導光部の側面におけるチップLEDの配列の様子を示す図である。
【図11】チップLEDの駆動回路図である。
【図12】本実施形態に係る外観検査装置の検査対象物である素体を示す斜視図である。
【図13】素体の外観検査の各工程を説明するための図である。
【図14】図13の後続の工程を説明するための図である。
【図15】図14の後続の工程を説明するための図である。
【図16】側面撮像用第2カメラの動作を示す図である。
【図17】チップLEDによって素体を照射する様子を模式的に示す図である。
【図18】一対の稜部の撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1…素体(検査対象物)、s1〜s6…側面、e1〜e12…稜部、10…外観検査装置、B10…第2回転テーブル(第1搬送手段)、B10e…吸着ノズル(保持部)、C10…第3回転テーブル(第2搬送手段)、B11…側面撮像用第1カメラ(第1撮像手段)、B12…稜部撮像用カメラ(第2撮像手段)、B12a…カメラ本体(撮像部)、B12b…鏡胴(撮像部)、B12c…導光部、B12e…開口部(第1開口部)、B12d…筐体、B12f…開口部(第2開口部)、B12g…直角プリズム(第1反射部材)、B12h…直角プリズム(第2反射部材)、B12i…直角プリズム(第3反射部材)、3A〜3C…チップLED群(第1照明手段)、3D,3E…チップLED群(第2照明手段)、3F,3G…チップLED群(第3照明手段)、S1…領域(第1領域)、S2…領域(第2領域)、S3…領域(第3領域)、S4…領域(第4領域)、S5…領域(第5領域)、S6…領域(第6領域)、S7…領域(第7領域)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状の検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、
前記検査対象物の少なくとも一つの側面と当接して前記検査対象物を保持する保持部を有し、当該保持部によって前記検査対象物を保持しつつ搬送を行う第1搬送手段と、
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面を撮像する第1撮像手段と、
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面を当該異なる側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する第2撮像手段とを備え、
前記第1搬送手段は、前記第1撮像手段と前記第2撮像手段との間において、前記検査対象物の姿勢を維持したまま前記検査対象物を搬送することを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面において前記検査対象物を保持しつつ搬送を行う第2搬送手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項3】
前記検査対象物の側面のうち前記第1搬送手段の前記保持部によって保持される側面は、前記検査対象物の側面のうち前記第1搬送手段の搬送方向に平行で且つ前記第2撮像手段によって撮像される前記一対の稜部を連結している側面と交差しており、
前記第1搬送手段の前記保持部は、前記検査対象物の前記一対の稜部が前記保持部よりも前記第2撮像手段側に位置するように前記検査対象物を保持することを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項4】
前記第2撮像手段は、
前記検査対象物の前記一対の稜部の撮像を行う撮像部と、
前記検査対象物の前記一対の稜部からの反射光を前記撮像部に導入する導光部とを有し、
前記導光部は、
前記検査対象物の前記一対の稜部からの反射光がそれぞれ入射する第1開口部及び第2開口部が前記検査対象物に向かう側面に配置された筐体と、
前記筐体内に配置されると共に前記第1開口部から入射した反射光を反射する第1反射部材と、
前記筐体内に配置されると共に前記第2開口部から入射した反射光を反射する第2反射部材と、
前記筐体内に配置されると共に前記第1反射部材及び前記第2反射部材によって反射された反射光を共に前記撮像部に向けて反射する第3反射部材とを含むことを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項5】
前記第2撮像手段の前記撮像部と前記第2撮像手段の前記導光部とは、一体化されていることを特徴とする請求項4に記載された外観検査装置。
【請求項6】
前記導光部は、前記検査対象物に対して照明を行う第1照明手段、第2照明手段及び第3照明手段を含み、
前記第1照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部と前記第2開口部との間に位置する第1領域に配置され、
前記第2照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部に対して前記第1領域とは反対側に位置する第2領域及び前記第2開口部に対して前記第1領域とは反対側に位置する第3領域にそれぞれ配置され、
前記第3照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部の周囲で且つ前記第1領域と前記第2領域との間に位置する一対の第4領域及び第5領域並びに前記第2開口部の周囲で且つ前記第1領域と前記第3領域との間に位置する一対の第6領域及び第7領域にそれぞれ配置されており、
前記第1照明手段、前記第3照明手段及び前記第2照明手段は、この順に輝度が高くなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載された外観検査装置。
【請求項1】
略直方体形状の検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、
前記検査対象物の少なくとも一つの側面と当接して前記検査対象物を保持する保持部を有し、当該保持部によって前記検査対象物を保持しつつ搬送を行う第1搬送手段と、
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面を撮像する第1撮像手段と、
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面を当該異なる側面と隣り合うと共に互いに対向する一対の側面とそれぞれ連結させる一対の稜部を撮像する第2撮像手段とを備え、
前記第1搬送手段は、前記第1撮像手段と前記第2撮像手段との間において、前記検査対象物の姿勢を維持したまま前記検査対象物を搬送することを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記検査対象物の側面のうち前記保持部と当接している側面とは異なる側面において前記検査対象物を保持しつつ搬送を行う第2搬送手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項3】
前記検査対象物の側面のうち前記第1搬送手段の前記保持部によって保持される側面は、前記検査対象物の側面のうち前記第1搬送手段の搬送方向に平行で且つ前記第2撮像手段によって撮像される前記一対の稜部を連結している側面と交差しており、
前記第1搬送手段の前記保持部は、前記検査対象物の前記一対の稜部が前記保持部よりも前記第2撮像手段側に位置するように前記検査対象物を保持することを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項4】
前記第2撮像手段は、
前記検査対象物の前記一対の稜部の撮像を行う撮像部と、
前記検査対象物の前記一対の稜部からの反射光を前記撮像部に導入する導光部とを有し、
前記導光部は、
前記検査対象物の前記一対の稜部からの反射光がそれぞれ入射する第1開口部及び第2開口部が前記検査対象物に向かう側面に配置された筐体と、
前記筐体内に配置されると共に前記第1開口部から入射した反射光を反射する第1反射部材と、
前記筐体内に配置されると共に前記第2開口部から入射した反射光を反射する第2反射部材と、
前記筐体内に配置されると共に前記第1反射部材及び前記第2反射部材によって反射された反射光を共に前記撮像部に向けて反射する第3反射部材とを含むことを特徴とする請求項1に記載された外観検査装置。
【請求項5】
前記第2撮像手段の前記撮像部と前記第2撮像手段の前記導光部とは、一体化されていることを特徴とする請求項4に記載された外観検査装置。
【請求項6】
前記導光部は、前記検査対象物に対して照明を行う第1照明手段、第2照明手段及び第3照明手段を含み、
前記第1照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部と前記第2開口部との間に位置する第1領域に配置され、
前記第2照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部に対して前記第1領域とは反対側に位置する第2領域及び前記第2開口部に対して前記第1領域とは反対側に位置する第3領域にそれぞれ配置され、
前記第3照明手段は、前記筐体の前記検査対象物に向かう側面であって、前記第1開口部の周囲で且つ前記第1領域と前記第2領域との間に位置する一対の第4領域及び第5領域並びに前記第2開口部の周囲で且つ前記第1領域と前記第3領域との間に位置する一対の第6領域及び第7領域にそれぞれ配置されており、
前記第1照明手段、前記第3照明手段及び前記第2照明手段は、この順に輝度が高くなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載された外観検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−241342(P2008−241342A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79490(P2007−79490)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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