説明

外部モータを有する液体タンクおよび液体ポンプ

液体タンク組立体が、液体が受けられる内部容積を画定する壁が設けられた液体タンクおよび液体ポンプを有する。液体ポンプが、電気駆動モータを含むモータ、モータによって駆動されて回転するポンプ要素、モータとポンプ要素との間に配置されてその間を隔てる分割壁、分割壁を介してモータをポンプ要素に連結されるモータとポンプ要素との間の磁気連結部、を備える。モータが液体タンクの内部容積の外側に位置付けられ、ポンプ要素が液体タンクの内部容積の内側に位置付けされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、液体タンクから液体をポンプで汲むための液体タンクおよびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車用の液体タンクは、全体が液体タンク内に配置された液体ポンプを備える。液体タンクの開口部を介して液体ポンプが液体タンク内に実装され、該開口部は次いで塞がれてシールされる必要がある。通常、液体ポンプには、モータ、該モータに駆動されるポンプ要素、が設けられ、モータおよびポンプ要素が容器内に単体ユニットとして支持されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
液体ポンプに接続するためには、シールが外され液体ポンプ全体が開口部を通してタンクから外されなければならない。これは、液体ポンプの一部の、たとえばモータの点検や交換の場合でも必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
液体タンク組立体が、液体が支持される内容積を画定する壁を有するタンクと、液体ポンプと、を備えても良い。液体ポンプが、電気的に駆動されるモータを含めたモータ、モータに駆動されて回転するポンプ要素、モータとポンプ要素との間に配置され、かつモータとポンプ要素とを分離する分割壁、分割壁を介して作用してモータをポンプ要素に連結するモータとポンプ要素との間の磁気連結部、を備えても良い。モータが液体タンクの内容積の外側に配置され、ポンプ要素が液体タンクの内容積の内側に配置されても良い。
【0005】
液体ポンプが、モータ、ポンプ要素、分割壁、および磁気連結部、を備えても良い。ポンプ要素がモータに駆動されて回転しても良い。分割壁が、モータとポンプ要素との間に配置され、モータとポンプ要素を分離しても良い。また、磁気連結部が、モータとポンプ要素との間に設けられ、分割壁を介して作用しモータをポンプ要素と連結しても良く、モータがポンプ要素から分離して支持されて、モータおよびポンプ要素が、互いに別々に、着脱可能とされても良い。
【0006】
次に、好適の実施形態および最良の実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】液体組立体を有する液体タンクの、1つの実施形態の概略斜視図である。
【図2】液体ポンプ組立体の内部要素を示す図1の液体タンクの部分断面図である。
【図3】図2に類似の、代替の液体ポンプ組立体を示す部分断面図である。
【図4】図2に類似の、液体タンクの底壁に実装された代替の液体ポンプ組立体を示す部分断面図である。
【図5】液体タンクの側壁に実装された液体ポンプ組立体を有する液体タンクの部分断面図である。
【図6】図2において丸囲い部分6の、液体タンクの一部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面をさらに詳細に参照すると、図1は、液体タンク10を図示し、液体タンクは液体装置において液体の供給を支持するのに使用されても良い。このような液体装置が、たとえば、自動車において、エンジンの内燃機関に液体を供給するように使用されても良い。電気モータ駆動ポンプ12が液体タンク10から液体をポンプで汲んでエンジンに供給するように使用されても良い。言うまでもなく、タンク10およびポンプ12が他の液体向けに使用されても良い。
【0009】
液体タンクは、液体を貯蔵する内容積16を画定する1つまたは複数の壁14を備える。液体タンクの壁14が最適な金属材または非金属材で形成されても良い。ある1つの形態では、液体タンク10が高分子材の複数層から形成されても良く、いわゆる「多層」液体タンクであっても良い。図6に示すように、種々の層が、1つまたは複数の構造層を有し、HDPEなどに形成された内外層17、18、1つまたは複数の接着層20、液体タンク10に貯蔵された液体に関連する炭化水素、他の蒸気または液体の浸透に所望の耐性のある1つまたは複数の隔壁層22、を形成しても良い。隔壁層材料の例として、ナイロンおよびEVOH(エチレンビニールアルコール)があるが、他が使用されても良い。別には、タンク10が単一の材料から形成できるし、特にここに記述したものに加えて、またはこれ以外の層を有しても良い。
【0010】
1つの実施形態では、液体タンク10が凹部24または他の領域を有し、ポンプ12がその中またはその上に実装されても良い。図1、2に示す実施形態において、液体タンク10が液体タンク12をそこに受けるに十分な凹部24を有し、液体ポンプ12が液体タンク10の隣接する壁14から極端には(またある場合には全く)外側に突出しない。図2に最良の形態が示されるように、凹部24が円形であって、底壁26を含んで良く、該底壁が、液体タンク10の内容積16からカップ状の凹部24を隔離して離して提供する外周の延長側壁28に延在する。少なくともある実施形態において、立設する囲い30が、底壁26から延在して設けられ、かつ、凹部24の側壁28から径方向に離れても良い。囲い30が環状で、側壁28に平行に延在し、囲いと側壁との間に隙間32を有しても良い。囲い30が少なくとも容器34の一部を画定し、液体ポンプ12の一部が組立てでそこに支持されても良い。少なくともある実施形態において、第2の、独立した囲い36または壁が、凹部24の領域に設けられ、液体タンク10の内容積16内に配置されても良い。図2に示されるように、この第2の囲い36が環状で底壁26から内容積16にまで延在しても良い。この第2の囲い36が第2の容器38の少なくとも一部を構成し、液体ポンプ12の一部が組立てでそこに支持されても良い。
【0011】
少なくとも1つの実施形態において、ポンプ12がタンク壁14に直接連結されても良い収容部40、該収容部40内に支持されて、ポンプ12から液体をポンプで汲み、圧縮、排出するポンプ組立体42、ポンプ組立体42に連結され、ポンプ組立体42を駆動するモータ組立体44を備えても良い。モータ組立体44およびポンプ組立体が分割壁46によって分離されても良い。1つの形態では、分割壁46が液体タンク壁14の一部であっても良く、図2にさらに具体的に示されるように、分割壁46が凹部26の底壁26であっても良い。この形態では、モータ組立体44が第1容器34の中に設けられ、ポンプ組立体が第2容器38の中に設けられ、別には、モータ組立体44から液体タンク壁14に対向する側(凹部24の底壁26など)に支持または位置付けされても良い。したがって、モータ組立体44からの駆動信号や駆動力が、ここでは液体タンク14の一部として示される分割壁46を経由してポンプ組立体42に連通される。このように、ポンプ組立体42が内容積16の液体と直接に連通し、モータ組立体44が内容積16の外側に保たれて液体と直接に連通しなくても良い。
【0012】
モータ組立体44は、モータ50、該モータ50で回転する、または該モータ50によって回転される出力シャフト52、を有する。モータ50が、たとえば、ブラシ式の、およびブラシレスDCモータを、しかしながらこれに限定せずに、含めた何れの適切な構造であっても良い。たとえば、モータ50は、13ボルト、1.6アンペアで、毎分約4,500回転、トルクが約30m―Nmを提供する、香港のJohnson Electric Industrial Manufactry社から使用可能なHCシリーズであっても良い。別の例には、日本のミネベアから、モデル名BLDC36で提供されても良い。モータ50がそれの内部部品を囲うケース54を有して良く、モータケース54は第1の囲い30に密に支持されても良い。第1の囲い30がモータ50を支持し、モータからの振動と騒音を抑えても良い。出力シャフト52が、駆動機能を有するか、または、駆動部材56に連結されても良い。例示の駆動機能または連結は、位置決めねじ(表示しない)、キー溝、相手側の非円形の駆動機能などを有しても良い。ベアリング、および/または、支持58が底壁26にまたは近傍に設けられ、出力シャフト52の端部を支持して底壁26の摩耗を防いでも良い。
【0013】
駆動部材56には、出力シャフト52に連結された収容部60、該収容部60に支持された、シャフト52の周方向に設けられた磁石62などの磁界生成部材、が設けられても良い。収容部60が種々のプラスティックを含めた適切な材料で形成されても良い。収容部60がポンプ側の液体に露出しないために、収容部60が液体に不浸透性の材料、または、液体に接して使用されて相容性のある材料で、形成される必要はない。収容部60が、出力シャフト52に連結された、たとえば、圧入またはバネクリップなどのワッシャクリップによって出力シャフト52に担架または支持されても良い。例示のように、磁石62が支持される1つまたは複数のポケット66を収容部60が有しても良い。ポケット66が、収容部60を磁石62の上に覆い被せるなどで、磁石62を完全にシールしても良いし、または、ポケット66が1面で開口し、磁石66がポケット66内に設けられたときに、磁石の1面が収容部の1面に沿って露出しても良い。この配置において、収容部60の面が凹部24の底壁26に隣接して設けられても良い。一般に、磁石62が底壁26上および貫通して磁界を提供する。もちろん、磁石62が、たとえば、輪状磁石、フラットディスク磁石を含む、しかしながらこれに限定されない、シャフト軸52の周りに離れて配置される磁石切片や断片何れの所望の形状、形態または配置で設けられても良い。駆動部材56がステンレス製の、またはフェノール、プリフェニレン硫化物(PPS)樹脂で覆い被せられた収容部に支持された1つまたは複数の希土類磁石で形成、構成されても良い。磁石62が、たとえば、ネオジム、鉄、ボロン(Nd2Fe14B)で構成されても良い。別の例では、駆動部材56が、マサチューセッツ州、オクスフォードのMagnetic Techonologies社から商用的に使用可能なものであっても良い。例示の連結が0.2Nmのスリップトルクを有するMTD―0.2ASSYであり、アルミニウム収容部60および6個の磁石62で構成される。電力がモータ50に供給されると、収容部60および磁石62が出力シャフト52と共に回転する。
【0014】
ポンプ組立体42が、ポンプ収容部40、収容部40内に設けられた被駆動部材70、および被駆動部材70に連結され、かつ、駆動されるポンプ要素72、を備えている。被駆動部材70が、収容部74、駆動部材56の磁石62から供給される磁界に駆動されても良い、1つまたは複数の磁石76、または駆動部材56の磁界に応答する他の部材、を備えている。収容部74が駆動部材収容部60に実質的に類似して構成され、磁石76が同様に同じ構造、材料でも良い。被駆動部材収容部74がポンプ要素72に連結される1つまたは複数のフィンガー78を有して、該フィンガーが共通の回転のために被駆動部材70とポンプ要素72とを連結する。収容部74が、さらに、シャフト82が支持される中央通路80を有する。また、収容部74がポンプで汲まれている液体に露出されるので、駆動部材収容部60とは異なる材料、望ましくは、また具体的には、液体がポンプで汲まれるのに使用される相応しい材料で形成されても良い。特殊な用途に必要とされ、または要求される場合、磁石76が収容部74内にやはりシールされて液体から隔離されても良い。シャフト82が固定されて、かつ、ポンプ組立体42の収容部74および他の構成要素の位置を支持、支持しても良い。ベアリング84が収容部74とシャフト82との間に設けられて、シャフト82に対する収容部74の回転を潤滑にする。ポンプ収容部40が、カールされるか、ロールされるか、または円形に形成され、または収容部74を支持するようにされても良い。
【0015】
ポンプ要素72が、当技術分野で知られる内側および外側回転部、またはギアや、羽根車付きのタービン形式、ポンプ要素に適切な他のもの、でも良い。図2に示される実施形態においては、ポンプ要素には、複数の羽を有する羽根車が備えられ、羽根車には、液体がそこを通してポンプで汲まれる1つまたは複数のポンプ手段88が設けられている。羽根車72には、シャフト82が貫通しても良い中央開口部90、被駆動部材70のフィンガー78が支持される1つまたは複数の第2開口部92が設けられ、被駆動部材と共通に回転するために羽根車72が被駆動部材70に連結される。
【0016】
ポンプ手段88が、羽根車72の両端に設けられた、第1プレート94、および第2プレート96で構成されても良い。第1プレート94が被駆動部材70およびシャフト82が貫通して延びる中央通路98を含んでも良い。第2プレート96がシャフト82の端部を受けて支持する隠し孔100を含んでも良い。ガイドリング102が羽根車72の周り、およびプレート94、96との間に設けられても良い。ガイドリング102が、プレート94、96との間に適正な隙間を確保し、その結果、羽根車72がプレートの間で自由に相対回転できる。ガイドリング102の代わりに、1つまたは両方のプレート94、96が1部材のフランジを含み、プレート間に羽根車72が支持される適正な隙間を画定しても良い。すなわち、ガイドリングまたはスペーサは別々の構成要素として提供されるよりも1部材またはプレート94、96で形成できる。液体がポンプ組立体42に貫流する入口104および液体がポンプ組立体42から圧力を受けて排出される出口106が1つまたは2つのプレート94、96に形成される。入口104が1つのプレートに形成されたポートで良く、入口ポートがアダプタ110、すなわち、伸長部や導管を経由してフィルタ108に連結されても良い。出口ポート106が、加圧された液体が出力ニップル112と連通して、そこに、要求のとおりに配索されるホースや他の導管が連結されても良い。図2に示す実施形態において、入口ポートおよび出口ポートが第2プレート96に形成されるが、他の配置が使用されることでも良い。
【0017】
支持されるか、曲げられるか、ロールされた第1および第2プレートを、ポンプ収容部40が、ポンプ組立体42と一緒に支持して、ポンプ12からの液体漏れを防ぐか減少させるように、形成されても良い。ポンプ組立体40が被駆動部材70の周りを比較的緩く支持して被駆動部材70の回転との干渉を防いでも良い。これに関し、クリップがシャフト82に結合されて(スラストワッシャなど)、ポンプ収容部40と係合または干渉の原因となる被駆動部材70の軸方向の運動を制限または抑制する。ポンプ収容部40の一部が、圧入および/またはクリップ、ファスナ、他の支持機能などによって、第2囲い36で受けられて支持されても良い。
【0018】
動作中、モータ50が電力により活性化されて、出力シャフト52および該シャフト52に連結された駆動部材56が回転する。駆動部材56が回転すると、その間の磁力によって、被駆動部材70が固定シャフト82の周りおよびポンプ収容部40の中で回転する。被駆動部材70が回転すると、その間の機械的な接続のため、羽根車72が回転する。したがって、モータ50が動作すると、ポンプ組立体42がその間に設けられた壁46を介して動作する。
【0019】
モータ組立体44およびポンプ組立体42との間に設けられた壁46を介してポンプ12が動作する場合、モータ組立体44がポンプで汲まれている液体から隔離される。保守や交換のために、モータ組立体44をタンク10から外すことができ、タンク10の何れのシールを剥がしてさらに何れの開口部およびフランジを再度シールしなければならない、タンク10の内容積16に接続する必要がなくなる。さらに、ポンプ組立体42がタンク10に必要な別体の開口部がなくてもタンク10内に設けることができる。たとえば、別の構成要素(たとえば、液体がタンクに追加されるベントバルブやフィルパイプ)用に設けられた開口部を経由してタンク10にポンプ組立体42を設置することができる。別の例では、一緒に溶接されるかシールされる2つの半分から形成されたタンク10に、2つの半分が一緒に接続される前にタンクの1つの半分に実装されても良い。また別の例では、ポンプ組立体の位置を位置付けて支持する支持構造でブロー成型(または他の成形)されるタンク10の周りの該支持構造上にポンプ組立体42を実装することもできる。液体タンク10を貫通するポンプ12用の開口部を別に設けないので、タンク10越しの蒸気の浸透やタンクからの液体漏れに類することを削減できる。タンク10に形成される開口部の数を減らせるので、タンク10の構造的な完全性の欠如がやはり抑えられる。
【0020】
ポンプ12が貫通して動作するタンク壁14または分割壁46が非磁気材料または著しく磁気的に影響を受けることのない材料で、磁気がそこを貫通できるように構成されても良い。例として、ポンプ12が貫通して動作する壁が、何れの好適なポリマー材料、たとえば、ポリイミドや、NYLON6/6、十分に非磁気または十分に磁気的に透過されるステンレスなどの金属、たとえば、オーステナイトまたはニッケル含有ステンレス鋼で構成さえても良い。少なくともある実施形態では、分割壁(以前に説明のようにタンク壁の部分でも良い)が総厚で約5mmまでで良く、ある実施形態では、分割壁が総厚で約2〜4mmの範囲でも良い。
【0021】
タンク200およびポンプ202の別の実施形態が図3に示される。この実施形態において、タンク200が、ポンプ202が隣接して実装されるタンク壁206を貫通する開口部204を有する。この実施形態において、モータ50、駆動部材56、被駆動部材70、シャフト52、82、ポンプ要素72、関連するプレート94、96、ガイドリング102、収容部40が、第1の実施形態のポンプ12の対応する構成要素と同様にまたは同一に、構成され、そのため、これら構成要素および相互関係の詳細は再び説明するに及ばない。要望があれば、ポンプ12がタンク206内に設けられた凹部24に、部分的にまたは完全に設けられる。
【0022】
タンク200に対してポンプ構成要素を支持しつつ回転させ、かつ、開口部204を閉じてシールするために、フランジ収容部210が設けられても良い。フランジ収容部210には、開口部204を囲むタンク壁206の一部と重なってそこにシールされる径方向外側に延在する実装用フランジ212が含まれても良い。シールが、たとえば留め具装置の1つまたは複数の留め具によって一時的なものでも良いし、たとえば溶接でフランジをタンク壁206に形成させるなどして恒久的なものでも良い。フランジ収容部210には、モータ50および駆動部材56が支持される第1の容器を構成する囲い214と、被駆動部材70、羽根車72、関連の構成要素が支持される第2の容器を構成する第2の囲い216と、が設けられても良い。この実施形態では、第1の囲い30または第2の囲い36がタンク200に形成されなくても良いので、タンク200の製造が容易になる。フランジ収容部210には、駆動部材56と被駆動部材70との間に延在して隔離する分割壁46がさらに設けられても良い。したがって、この実施形態のポンプ202において、分割壁46が、タンク壁206ではなく、フランジ収容部210によって構成される。分割壁46が、開口部204の領域、またはタンク202の内容積16の内側もしくは外側に設けられても良く、これによって、タンク壁200に対して所望の位置または方向にポンプ202を配置する能力が格段に向上する。フランジ収容部210が、駆動部材56と被駆動部材70との間の磁気的な連結に適切な材料で、かつ、たとえばタンク200が形成されるのと同じ材料を含む、タンクに収められる特殊な液体用に形成されても良い。フランジ収容部210が、一部材として形成されて、蒸発や液漏れの通り道を減少せるか無くし、かつ、構造的な完全性を向上させても良い。さらに、分割壁46がタンク200の部分ではなく、かつ、駆動部材56および被駆動部材70がタンク200から分離されるので、タンク200が磁気連結用途に適切な材料で形成される必要がなくなる。
【0023】
図4に示されるように、タンク壁204の開口部204がタンク200の下部または底の壁に形成されて、フランジ収容部210およびポンプ202が、タンク200の上壁ではなく底壁に配置されても良い。同様に、図5に示されるように、フランジ収容部210およびポンプ202が、タンク200の側壁または他の位置の開口部204に配置されても良い。言うまでもなく、図1、2に示すポンプは、やはり、タンクの何れの壁に実装されて良く、タンクの対応する部分が駆動部材56および被駆動部材70の間の分割壁46を構成している。これに関し、タンクおよびポンプが、数多くの用途向けに使い勝手と利用のしやすい種々の方法に変形できる。
【0024】
したがって、ポンプ12、202が、タンク10、200に対して広い範囲の位置および方向に設けられる。モータ50および駆動部材56が、タンク10、200の内容積16に通じることなく、またはタンクのシールを外すことなく、タンク10、200から外される。また、モータ50および駆動部材56が、ポンプ組立体42を移動したり、外したり、阻害することなく、保守、交換できる。これにより、ポンプ12、202およびタンク10、200の稼働寿命が大幅に向上し、ポンプおよびタンクの交換および保守費用が大幅に削減される。
【0025】
本明細書に開示される発明の形態が目下の好適な実施形態を構成する一方、他の種々の形態も可能である。本発明の可能な等価な形態または分岐をすべて記述するものではない。本明細書で使用する言葉は、限定するよりも単に説明用であること、および、発明の請求の範囲から逸脱しないで種々の変更が可能であることは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体タンクと、液体ポンプと、を備えた液体タンク組立体において、
前記液体タンクには、液体が受けられる内部容積を画定する壁が設けられ、
前記液体ポンプには、電気的に駆動されるモータと、前記モータに駆動されて回転するポンプ要素と、前記モータおよび前記ポンプ要素間に配されてその間を隔てる分割壁と、前記分割壁を介して前記モータを前記ポンプ要素に連結する前記モータおよび前記ポンプ要素間の磁気連結部と、が設けられ、かつ、
前記モータが前記液体タンクの内部容積の外側に配されると共に、前記ポンプ要素が前記液体タンクの内部容積の内側に配されている
ことを特徴とする液体タンク組立体。
【請求項2】
前記分割壁が、前記内部容積を画定する壁の一部とされることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項3】
前記分割壁が、前記液体タンクの内部容積を画定する前記壁と共に、1部材で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体タンク組立体。
【請求項4】
前記分割壁が前記液体タンク壁から分離された構造とされ、かつ、前記分割壁が前記液体タンク壁に対してシールされていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項5】
前記分離壁が、前記液体タンク壁に対して恒久的にシールされていることを特徴とする請求項4に記載の液体タンク組立体。
【請求項6】
前記分離壁が前記液体タンク壁に対して溶接されていることを特徴とする請求項5に記載の液体タンク組立体。
【請求項7】
前記分離壁が、前記モータおよび前記ポンプ要素の少なくとも1つを支持する収容部の一部分とされていることを特徴とする請求項4に記載の液体タンク組立体。
【請求項8】
前記モータが、前記収容部によって支持されると共に、前記液体タンクに対して前記収容部がシールされている状態で、前記モータが前記収容部から取り外し可能とされていることを特徴とする請求項7に記載の液体タンク組立体。
【請求項9】
前記磁気連結部が、前記モータに連結されて該モータに駆動される駆動部材と、前記駆動部材に駆動されると共に前記ポンプ要素に連結されている被駆動部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項10】
前記駆動部材および前記被駆動部材の少なくとも一方が、希土類磁石を有し、前記駆動部材および前記被駆動部材の他方が、前記分割壁を介して前記希土類磁石による磁場に反応する材料を有することを特徴とする請求項9に記載の液体タンク組立体。
【請求項11】
前記駆動部材および前記被駆動部材の両方が、少なくとも1つの希土類磁石を有することを特徴とする請求項10に記載の液体タンク組立体。
【請求項12】
前記モータが、ポンプ側の液体から前記分割壁によって完全に分離、隔離されていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項13】
前記液体タンク壁が、異なる材料で多層に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体タンク組立体。
【請求項14】
前記液体タンク壁が、少なくとも1つの防湿層を含んでなることを特徴とする請求項13に記載の液体タンク組立体。
【請求項15】
前記液体タンク壁が、側壁および底壁を有する凹部を含み、少なくとも前記底壁の一部が、前記分割壁を構成していることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項16】
前記液体タンク壁には前記分割壁から隔てて開口部が設けられ、そこを通って前記ポンプ要素が前記液体タンクの内部容積に挿入されていることを特徴とする請求項3に記載の液体タンク組立体。
【請求項17】
前記液体タンク壁が5ミリメートル以下の厚さとされていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項18】
前記液体タンク壁が2〜4ミリメートルの厚さとされていることを特徴とする請求項17に記載の液体タンク組立体。
【請求項19】
少なくとも前記モータの一部を支持する第1容器と、少なくとも前記ポンプ要素の一部を支持する第2容器と、が設けられ、前記分割壁により前記第1容器と前記第2容器とが分離されていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項20】
前記分割壁によって前記液体タンクの底壁の一部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項21】
前記分割壁によって前記液体タンクの側壁の一部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項22】
前記分割壁によって前記液体タンクの上部壁の一部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク組立体。
【請求項23】
モータと、
前記モータによって駆動されて回転するポンプ要素と、
前記モータおよび前記ポンプ要素間に配されてその間を隔てる分割壁と、
前記分割壁を介して前記モータを前記ポンプ要素に連結する前記モータおよび前記ポンプ要素間の磁気連結部と、を備えた液体ポンプであって、
前記モータが前記ポンプ要素から分離して支持されることによって、前記モータおよび前記ポンプ要素が、互いに別々に着脱可能とされている
ことを特徴とする液体ポンプ。
【請求項24】
前記磁気連結部が、前記モータと連結されて前記モータに駆動される駆動部材と、前記駆動部材に駆動されると共に前記ポンプ要素に連結されている被駆動部材と、を有することを特徴とする請求項23に記載の液体ポンプ。
【請求項25】
前記分割壁が、液体タンクの一部として1部材で一体に形成され、かつ、前記モータが、前記液体タンクの内部容積の外側に配され、前記ポンプ要素が、前記液体タンクの内部容積と連通して配されていることを特徴とする請求項23に記載の液体ポンプ。
【請求項26】
前記分離壁が、タンクによって支持される収容部の一部とされると共に、前記モータが、前記収容部によって着脱可能に支持されていることを特徴とする請求項23に記載の液体ポンプ。
【請求項27】
前記モータが、ポンプ側の液体から前記分割壁によって完全に分離、隔離されていることを特徴とする請求項23に記載の液体ポンプ。
【請求項28】
前記駆動部材および前記被駆動部材の少なくとも一方が、希土類磁石を有し、前記駆動部材および前記被駆動部材の他方が、前記分割壁を介して前記希土類磁石による磁界に反応する材料を有することを特徴とする請求項24に記載の液体ポンプ。
【請求項29】
前記駆動部材および前記被駆動部材の両方が、少なくとも1つの希土類磁石を有することを特徴とする請求項28に記載の液体ポンプ。
【請求項30】
前記モータに対向する前記分割壁に隣接して配されると共に、前記ポンプ要素を有する液体ポンプ組立体と、前記モータの回転出力に応答する前記ポンプ要素に連結される被駆動部材と、をさらに備えていることを特徴とする請求項23に記載の液体ポンプ。
【請求項31】
前記ポンプ要素が、羽根車とされていることを特徴とする請求項30に記載の液体ポンプ。
【請求項32】
前記ポンプ要素が、噛合い歯車とされていることを特徴とする請求項30に記載の液体ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532283(P2012−532283A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519593(P2012−519593)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/040727
【国際公開番号】WO2011/002970
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(502429154)ティーアイ グループ オートモーティヴ システムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー (39)
【Fターム(参考)】