説明

多ヘッド印刷機データ送達速度制御

印刷方法およびシステムにおいて、第一の印刷ジョブの諸セグメントがそれぞれの下流プロセッサに分配され、印刷可能フレームを与えるよう処理され、それらの印刷可能フレームがそれぞれの印刷待ち行列に格納される。各印刷待ち行列がそれぞれ一つまたは複数の印刷ヘッドに供給する。印刷可能フレームは連続搬送される被印刷媒体に逐次的に印刷される。各印刷待ち行列の最大印刷継続時間が、印刷中に定期的に計算される。搬送速度は、最大印刷継続時間を所定のベースラインに向かわせるよう制御される。第二の印刷ジョブを下流プロセッサに送るのは、第一の印刷ジョブの処理が完了されていく間、遅らされる。遅延は前記制御と反対向きであり、前記ベースラインに対して非一様に第一の印刷ジョブの印刷待ち行列を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速印刷システムおよび方法に関し、より詳細には多ヘッド印刷機データ送達速度制御に関する。
【背景技術】
【0002】
超高速の商用デジタル・プレス〔印刷機〕は、可変データを毎分数千ページの速度で印刷する。典型的には、印刷される被印刷媒体(receiver)〔受け手〕は、静止印刷ヘッドを通過して搬送される巻き取りシート(web)の形である。搬送中、巻き取りシートはかなりの慣性をもち、素速いスピード変化をさせるのは容易ではない。巻き取りシートは、一定スピードで、あるいは比較的ゆっくりしたスピード調整をもって、連続的に搬送することが好ましい。
【0003】
被印刷媒体の連続搬送は、印刷可能なフレームの形のデータの連続的な供給をも必要とする。このデータは、必要とされる際に利用可能となるようバッファリングされねばならない。印刷ジョブは最初異なる形で供給されて変換されるので、バッファに印刷可能なフレームを充填するにはかなりの時間が必要とされる。その変換は典型的にはラスタ・イメージ処理の形であり、一つまたは複数の下流プロセッサ(downstream processor)によって実行される。フレームをラスタ・イメージ処理するための時間はきわめてデータ依存性が強い傾向があるので、各下流プロセッサの維持される出力スピードを定義する処理スピードは、一般に、入力データの内容によって制限される。出力用に準備するためにかなりの時間がかかるフレームを定義することが可能である。ラスタ・イメージ処理に影響するもう一つの制限は、下流プロセッサへの入力データの供給である。二次的な源によって供給される可変データは、通信帯域幅またはホスト・コンピュータの処理能力の制限を受けることがある。印刷ジョブがたくさんあると、ジョブの種々の部分が同時に、バッファリングされ、ラスタ・イメージ処理中であり、ラスタ・イメージ・プロセッサにまだ送達されていない。
【0004】
よって、改善されたシステムおよび方法を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高速印刷および超高速印刷では、継続的な問題は、印刷エンジンに十分匹敵する速度でデータを供給することである。この問題を解決する一つのアプローチは、データが利用可能になるまで経路を通じた被印刷媒体の搬送を一時停止することである。このアプローチは、特に巻き取りシートの形で搬送速度が高い被印刷媒体では問題となりうる。もう一つのアプローチは、印刷ジョブが入力される仕方を制約することである。これは、使い物にはなるが、ぎりぎりでの変更を大幅に面倒にする。米国特許第6,762,855号は、文書ごとに搬送スピードを調整するためのバッファ管理論理を使用するシステムを開示している。制御バッファは、非複雑文書をラスタ・イメージ処理することから残された余裕時間(slack time)を蓄積し、次いでその余裕時間を複雑な文書に割り当てることによって、平均ラスタ・イメージ処理時間を印刷エンジンのスピードに関して最適化する。この特許は、後の印刷ジョブが先の未完了の印刷ジョブを害することを防止するために、待ち行列に入れられた複数の印刷ジョブからのデータの送達を制御することを扱うものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項によって定義される本発明は、上記の諸問題を緩和することに向けられる。本発明は、広義の諸側面では、印刷方法およびシステムであって、第一の印刷ジョブの諸セグメントがそれぞれの下流プロセッサに分配され、印刷可能フレームを与えるよう処理され、それらの印刷可能フレームがそれぞれの印刷待ち行列(print queue)に格納される。各印刷待ち行列がそれぞれ一つまたは複数の印刷ヘッドに供給する。印刷可能フレームは連続搬送される被印刷媒体に逐次的に印刷される。各印刷待ち行列の最大印刷継続時間が印刷中に定期的に計算される。搬送速度は、最大印刷継続時間を所定のベースラインに向かわせるよう制御される。第二の印刷ジョブを下流プロセッサに送るのは、第一の印刷ジョブの処理が完了されていく間、遅らされる。遅延は前記制御と反対向きであり、前記ベースラインに対して非一様に第一の印刷ジョブの印刷待ち行列を低減する。
【発明の効果】
【0007】
被印刷媒体の搬送スピードが印刷ジョブ待ち行列形成および高速または超高速搬送を考慮に入れて制御される、改善されたシステムおよび方法が提供されることが本発明の有利な効果である。
【0008】
本発明の上述したおよびその他の特徴および目的ならびにそれらを達成する仕方は、付属の図面と併せて参照される本発明の実施形態の以下の記述を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】システムの実施形態を示す図である。
【図2】データ制御ユニットの主コントローラおよび下流プロセッサを示す、図1の部分の詳細な図である。
【図3】図1のシステムの装置の個別的な実施形態の動作を例示する図である。
【図4】ある個別的な実施形態において修正された、図3の動作の部分を例示する図である。
【図5】図1のシステムの装置のもう一つの個別的な実施形態の動作を例示する図である。
【図6】ジョブ・スタートアップ制御方法のある実施形態を示す図である。
【図7】高速ジョブ停止方法のある実施形態を示す図である。
【図8】データ送達速度制御方法のある実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
高速可変印刷(variable printing)システムは、商業的印刷産業において、短期間のカタログや広告の印刷から請求書や投資報告書といった取引上の印刷物まで幅広い多様な印刷用途の印刷のために使われている。
【0011】
図1を参照すると、システム200は、被印刷媒体214上に印刷するプレス(破線212によって示される)を有する。被印刷媒体(receiver)の用語は、印刷される像を受け入れる媒体を指し、文脈によって示されるところにより単数または複数である。被印刷媒体は複数のカットシート〔単票〕であってもよい。本稿で論じられる個別的な実施形態では、被印刷媒体は細長い連続的な片である巻き取りシート(web)の形である。巻き取りシートの使用により典型的には、プレス(press)(本稿では印刷機(printer)とも称される)が、カットシートのような他の形の被印刷媒体よりも速い搬送スピードを達成するのが許容される。被印刷媒体は典型的には紙であるが、多数ある他の型の印刷媒体のいずれであってもよい。たとえば、被印刷媒体は薄いまたは厚い紙材料(コーティングされたまたはされていない)またはトランスペアレンシー材料であることができる。被印刷媒体は、反対側の第一および第二の表面214a、214bをもち、その一方または両方に印刷されうる。
【0012】
図1における被印刷媒体214は巻き取りシートである。巻き取りシートは搬送部205によって供給部201から取り上げ部203に動かされる。供給部201と取り上げ部203との間で、巻き取り紙はいくつかのローラー216のまわりを縫って送られ、一連の印刷ヘッド218を通過する。印刷ヘッドは、連続的なインクジェット印刷ヘッド、ドロップ・オン・デマンド式(drop on demand)インクジェット印刷ヘッド、電子写真式(electrophotographic)トナー付与ステーション(toning stations)(転写ローラーなどありまたはなし)または可変印刷技術の他の等価なユニットであることができる。簡単のため、ここでの議論では、印刷ヘッドは、すべての印刷ヘッドがシーケンスをなして配列され各印刷ヘッドが被印刷媒体の幅全体にわたって延在する実施形態を用いて一般に論じられる。同様の考察が他の実施形態にも適用されることは理解されるであろう。たとえば、幅全体にわたる印刷ヘッドの代わりに、より幅広い被印刷媒体に印刷するために、一群の印刷ヘッドが並列に(非シーケンス的に)配列されることもできる。
【0013】
異なる印刷ヘッドはそれぞれが印刷可能フレームを印刷する。フレームに対応する画像データの単位は、本稿では「セグメント(segment)」と称される。諸フレームは互いに位置合わせされて(in registry)印刷され、組み合わさって文書を与える。よって、本稿での用法では、「文書(document)」の用語は、通常の用法における用語「ページ(page)」に対応し、両方の面を含む。(「ページ」の用語は当技術分野では時にフレームを指す技術用語としても使われ、そのため本稿では一般に避けられる。)各フレームは、めいっぱいの大きさに対応する画像領域を文書として定義することができ、あるいはその大きさの範囲内のより小さな領域を定義することができる。各フレームは、別個に印刷されるのが便利な文書の一部を表す。たとえば、各フレームはインクの異なる色を使用することができる。インクジェット印刷ヘッドでは、画像を比較的(relatively)離間された投下滴の異なるパターンに分割するために異なるフレームを使用できる。結果として得られる組み合わされた画像は不変だが、異なるパターンは印刷プロセス中の乾燥を改善する。図1には、四つの印刷ヘッド218の組が二つ示されている。本発明は、印刷ヘッドまたは印刷ヘッドの組について特定の数に限定されるものではない。図1では、印刷ヘッド218の一つの組を通過後、被印刷媒体214の第一の側214bの部分的に印刷された画像(図示せず)が第一の加熱ドラム乾燥器220との接触によって乾かされる。巻き取りシートは次いで転回ステーション(turn station)222によってひっくり返されてから印刷ヘッド218の第二の組を通過し、次いで第二の側214aが第二の乾燥器221によって乾かされる。
【0014】
使用の際には、印刷データはまず、一つまたは複数の画像データ源から一つまたは複数の入力ユニット226によってデータ・ステーション224に供給される。データ・ステーションは、印刷ヘッドのためにジョブ・データを準備するために必要とされる機能の少なくともいくつかを含み、任意的に、単一のユニット内に該機能のすべてを組み合わせることもできる。データ・ステーションはまた、システム・マネージャおよびユーザー・インターフェースをも提供できる(別個には図示せず)。システム・マネージャは通信ハブならびに他のシステム構成要素のためのシステム・レベルの管理および制御機能を提供する。ユーザー・インターフェースは、システムの動作のためのセットアップおよびステータス情報を提供する。このインターフェースを介して、ユーザーは、印刷ヘッドの関係、システムが印刷できる所望される色および他の情報といった印刷機の物理的な特性をコントローラに入力できる。電源投入またはリセットに際して、データ・ステーションはシステムを準備完了〔レディ〕(ready)状態に初期化する。
【0015】
のちにさらに論じるように、ジョブ・データは単一の印刷ジョブまたは一連の印刷ジョブであることができる。印刷データは、曝される各ピクセルの位置、色および強度を表し、一つまたは複数のデータ・ファイルの形であり、典型的には制御コマンドを含むか制御コマンドが付随する。たとえば、データ・ファイルは、ポストスクリプト(Postscript)またはIPDSまたはIJPDSのようなPDL(page description language[ページ記述言語])フォーマットにおいて供給されることができる。印刷データは、印刷時に組み合わされるよう複数の源から供給されることもできる。ゴーティエ(Gauthier)に発行された米国特許第5,729,665号は、この型の手順の例を開示している。一つの入力ユニット226は典型的には、印刷データを連続ストリームにおいて供給できるローカルに接続されたホスト・コンピュータである。ソフトウェアがホスト・コンピュータからホスト・インターフェースを介してのデータの流れを制御する。データ・ステーションとホスト・コンピュータとの間の接続は一方向性であることができ、あるいはステータス情報などがホスト・コンピュータのユーザー・インターフェース上で呈示されることを許容するよう双方向性であることもできる。この目的のための好適なソフトウェアは当業者にはよく知られている。ホスト・コンピュータの代わりに、またはホスト・コンピュータに加えて他の型の入力ユニットが使用されることもできる。たとえば、印刷データは、CD、DVDのような移送可能な媒体を使うメディア読み取り器によって、あるいはネットワーク接続によって他のコンピュータから供給されることもできる。画像データ源は、画像のあるバージョンを定義するデジタル・データを提供できる装置である。そのような型の装置は数多くあり、コンピュータまたはマイクロコントローラ、コンピュータ・ワークステーション、スキャナおよびデジタル・カメラを含む。複数の装置がネットワーク上で相互接続されることができる。これらの画像データ源はフロントエンドにあり、一般に、出力すべき画像を作成するか見出すために使用されるアプリケーション・プログラムを含む。
【0016】
ジョブ・データはデータ制御ユニット227に送られる。データ制御ユニット227は主コントローラ228、メモリ・セクション229および一組の下流プロセッサ234を含む。ジョブ・データは主コントローラ228に、直接または入力待ち行列メモリを介して送られる。用語「メモリ(memory)」は、半導体メモリまたは磁気メモリなどにおいて提供される物理的なメモリの一つまたは複数の好適なサイズの論理的な単位を指す(メモリ・セクション229によって示される)。メモリ内のある特定の待ち行列は、メモリの論理的な分割または物理的な分割であることができる。論理的な分割なら、その論理的な分割に割り当てられた物理的なメモリは、同じまたは異なる位置にあることができ、論理的な分割に影響することなく使用中に変わることができる。同様に、メモリの物理的単位に設けられる待ち行列は、使用中に印刷待ち行列を変えるために、たとえばポインタを変えることによって、論理的に変更されることができる。メモリは、固体素子、磁気的、光学的または他のデータ記憶デバイスを含む通常のメモリ・デバイスを含むことができ、システム内に固定されていることもできるし、あるいはリムーバブルであることもできる。たとえば、メモリはSDRAMまたはフラッシュEPROMメモリのような内部メモリであることができ、あるいは代替的にリムーバブル・メモリまたは両者の組み合わせであることもできる。リムーバブル・メモリは、ソケットに挿入されてメモリ・インターフェースを介してプロセッサに接続される、コンパクトフラッシュ(CF: Compact Flash)またはセキュア・デジタル(SD: Secure Digital)型のカードなど、いかなる型のものでもよい。利用される他の型の記憶には、限定なしに、PCカード、マルチメディア・カード(MMC: MultiMedia Card)または組み込み式および/またはリムーバブル・ハード・ドライブが含まれる。メモリは、パーソナル・コンピュータ、コンピュータ・ネットワークまたは他のデジタル・システムといったリモート・メモリ・システムをも含む。
【0017】
待ち行列の使用は、本稿では、印刷ジョブを待ち行列に出し入れする動きとの関連で一般に論じられる。場合によって、印刷物を待ち行列から出し入れする動きが、印刷ジョブを別個に移動可能な諸部分に分割することを含むことは理解されるであろう。
【0018】
入力待ち行列は、プレスのスピードによって決定されるサイズをもつ大きなバッファを提供できる。入力待ち行列は、プレスが連続的かつ効率的に運転され続けられるようプレスに十分なデータを供給するために、制御システムによって扱われる。入力待ち行列制御システムは、主コントローラの関数として提供されることができる。
【0019】
図1〜図2を参照すると、主コントローラ228は、ジョブ・データを受け取る監督器(supervisor)230と、ジョブ・データをセグメント分割してそのセグメントを分配するジョブ・レコード・プロセッサ(job record processor)232とを有する。セグメントはそれぞれ適切な下流プロセッサ234に分配され、下流プロセッサ234が次いでそれぞれのセグメント内のデータによって要求される印刷ヘッド218に供給する。信号経路236は下流プロセッサ234とそれぞれの印刷ヘッド218との間を走る。セグメントは、ブロックをなして下流プロセッサに分配されることができる。ブロックは特定のセグメントにサイズにおいて対応していてもいなくてもよい。ジョブ・レコード・プロセッサによって提供されるセグメント分割(segmentation)およびブロック分割(block division)は、印刷データ中の所定のパーティションを識別するような単純なものでもよいし、あるいは大規模な計算を要求することもできる。これらの目的のための好適な手順は当業者にはよく知られている。
【0020】
ジョブ・レコード・プロセッサ232は、それぞれの下流プロセッサおよび印刷ヘッドのために必要なコマンドをも分配する。ある特定の実施形態では、ジョブ・レコード・プロセッサはデータを個々の下流プロセッサにデータ・バス(図3の項目31)を介して分配する。ジョブ・レコード・プロセッサと下流プロセッサとの間でセグメントを記憶するために、プロセッサ・バッファ29が使用されることができる。主コントローラが入力データ中のエラーにも対処できれば便利である。この機能のための好適な特徴は当業者にはよく知られている。セグメントを分配することに加えて、ジョブ・レコード・プロセッサは、ジョブ全体に適用される制御パラメータ(時に「入力レコード」と称される)を処理する。たとえば、ジョブ・レコード・プロセッサはジョブ制御レコードを処理する。ジョブ制御レコードは典型的には最初の入力レコードであり、ジョブ名、下流プロセッサ数などを指定する。
【0021】
下流プロセッサはそれぞれのセグメントを受け取り、コマンドおよびデータを当該プレスと互換な印刷可能フレームに変換する。変換は一般に、ページ記述言語の形の印刷データに適用されるラスタ・イメージ処理(raster image processing)を含む。それによりビットマップ化されたフレームが生成され、そのフレームが次いでさらなる修正なしに印刷される。だが、処理は異なることもでき、印刷可能フレームは印刷前にさらなる処理にかけられることもできる。たとえば、下流プロセッサは、事前にRIPされた(pre-ripped)ビットマップを受け取って単にそれを出力準備ができた最終的な形に変換するのでもよい。各下流プロセッサは一つまたは複数の印刷ヘッドに印刷可能データを供給する。本稿で論じられる他の構成要素と同様、下流プロセッサはそれぞれ、ソフトウェアもしくはハードウェアまたは両者の組み合わせの形で設けられることができる。ある特定の実施形態では、使用される各下流プロセッサに一つまたは複数のマイクロプロセッサを含め、各下流プロセッサが印刷ジョブのセグメントの一つに対応することによって効率が改善される。下流プロセッサへのユーザー・インターフェース(図示せず)が、直接または主コントローラを介して、設けられることができる。ユーザー・インターフェースによって、印刷機の構成設定またはデータの流れがセットアップおよび/またはモニタリングされることができる。
【0022】
各下流プロセッサは、印刷データの受領を受け取り確認する。主コントローラは、個々の下流プロセッサと双方向的に通信して、出力を有効または無効にし、印刷ヘッド幅ならびに紙動きエンコーダからのエンコーダ・パルス当たりの紙動き方向におけるピクセル数のような出力パラメータおよび位置合わせ手がかりを付けられた(registration cued)文書についての最大フレーム長のようなRIPパラメータ(ripping parameters)を構成設定する。主コントローラはまた、下流プロセッサに与えられた各フレームのステータスを追跡し、下流プロセッサからのエラーを検出する。
【0023】
ある特定の実施形態では、下流プロセッサの機能は、印刷データを受け取り、印刷ジョブからのヘッダを構文解析してジョブの印刷および仕上げ要求を判別し、PDL(ページ記述言語)を解析してヘッダに記述されていなかったジョブまたはフレーム要求があればそれを判別し、ジョブの要求とマーキング(marking)・エンジン構成設定との間の競合(たとえばラスタ・イメージ処理時間またはミスマッチ解像度(resolution))があればそれを解決し、会計記録およびエラー・ログをつけて要求があればその情報を提供し、画像移送要求をマーキング・エンジンに通信し、データをPDL(ページ記述言語)から印刷用のラスタに変換し、メンテナンスなどのための診断を支援することである。ラスタ・イメージ・プロセッサは、IJPDS、IPDS、ポストスクリプト、PDFまたはPCLのようなページ記述言語(PDL)の形の印刷ジョブを受け入れ、それをラスタまたは線からなるグリッドまたはマーキング・エンジンが受け入れることのできる他の形に変換する。
【0024】
異なる下流プロセッサにおける処理は非同期的である。すなわち、各下流プロセッサはそれぞれのセグメントの処理を、他の下流プロセッサにおける他のセグメントの処理と同期していない仕方で実行する。異なる下流プロセッサにおいて同期して処理することは、通信遅延、エラーの影響などに鑑みて、そして処理時間、特にラスタ・イメージ処理がそれぞれのセグメントの内容に依存するという事実に鑑みて実際的ではない。下流プロセッサにおけるセグメントの処理は、そのセグメントの全部、あるいは代替的には一部を含む一つまたは複数のブロックがその下流プロセッサによって受領されたときに始まる。
【0025】
下流プロセッサにおいて実行される処理の型は、印刷データのストリーム中で与えられる異なる印刷ジョブどうしの間で異なることができる。使用される下流プロセッサの数およびその使用の仕方(ここでは「構成(arrangement)」とも称される)は、特定の印刷ジョブの内容の関数である。たとえば、特定の印刷ジョブは、ある印刷ヘッドを、その印刷ヘッドによって供給されるインクの色を使わないため、使用しないこともありうる。同様に、プレスは一対の四色で文書幅の(document-wide)印刷ヘッドを有することができる。第一のジョブは四色すべてについて両方を使う構成を有していてもよく、第二のジョブは二色について二つの印刷ヘッドの一方を使い、残りに色について他方のヘッドを使う構成を有していてもよい。
【0026】
各下流プロセッサは、メモリ中に、それぞれの処理または入力待ち行列ならびにそれぞれの印刷または出力待ち行列を設けられることができる。処理待ち行列内の印刷データは、それぞれの下流プロセッサに、処理容量が利用可能になるにつれて供給される。本稿で記載される他の待ち行列と同様に、適用されうる時間的制約および利用可能な処理機能の範囲内で、待ち行列サイズ(メモリ中のデータ・ボリューム)を縮小するために圧縮/圧縮解除が使用されることができる。
【0027】
印刷待ち行列は印刷ヘッドに供給する。印刷ヘッドにおけるデータ使用速度は被印刷媒体の搬送スピードとともに変わる。図3に示される個別的な実施形態では、通常印刷の間、下流プロセッサは、ビットマップが印刷されるより速くラスタ・イメージ処理によってビットマップを生成できる。印刷ジョブ24が監督器230に供給され、監督器230はそのデータをジョブ・レコード・プロセッサ232に転送する。主コントローラ228の出力コントロール27は監督器230および下流プロセッサと双方向的に通信し、出力を有効または無効にし、印刷ヘッド幅およびフレーム長のような出力パラメータを構成設定する。
【0028】
図3では、ビットマップ化されたフレームを印刷ヘッドに供給することに関係する構成要素が破線33−nによって示されている。下流プロセッサ35は画像データをビットマップに変換し、ビットマップ化されたフレームを印刷バッファ37に供給し、印刷バッファ37がビットマップ化されたフレームをそれぞれの印刷ヘッドを制御する適切な印刷モジュールに出力39として提供する。図4はこれらのステップをより詳細に示している。下流プロセッサ35はビットマップ化されたフレームを生成し、空いているフレーム記憶41から空のメモリ単位を取り、空のメモリ単位にビットマップ化されたフレームを充填し、充填されたメモリ単位を印刷待ち行列43に割り当てる。印刷ヘッドは印刷待ち行列内のビットマップ化されたフレームを印刷し、次いでそれぞれのメモリ単位が前記空いているフレーム記憶に返される。この空いているメモリ記憶はこの用途専用の実際のメモリあるいは必要とされる際に利用可能にされる仮想メモリであることができる。
【0029】
供給されたビットマップ化されたフレームはプレスの印刷ヘッドによって印刷される。ある個別的な実施形態では、システムは連続インクジェット印刷ヘッドを有し、連続インクジェット印刷ヘッド中の各印刷ヘッドは一列または複数列の開口を定義する。開口は、加圧された流体供給マニホールドから水性インクのような電導性の記録流体を受領し、その流体を平行ストリームにおいて射出する。そのような印刷ヘッドおよび印刷エンジンを使う印刷機は、各ストリーム中の滴を選択的に帯電させて偏向させ、滴の少なくとも一部を印刷物受け手媒体上に投下し、他の滴を滴補足器に当てることによって、グラフィック再現を達成する。本発明は、いかなる特定の画像転写プロセスにも被印刷媒体種別にも限定されず、シート供給されるシステムを含めいかなる高速印刷システムにも適用できる。ある個別的な実施形態では、プレスは単色A4ページから、完全なシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのプロセス・カラーにおける二つの完全横断の(full across)両面A4ページまで、印刷することができる。
【0030】
ビットマップ化されたフレームは、それぞれの印刷待ち行列から印刷モジュールによって受領される。各印刷モジュールは、それぞれのフレームを印刷する前記一つまたは複数の印刷ヘッドを駆動する出力ドライバである。印刷モジュールはプレス内に設けられるのが便利であるが、システムの他の構成要素と同様に、別個に位置されたり、あるいは他の構成要素と組み合わされたりすることもできる。
【0031】
プレスは、被印刷媒体を前記印刷ヘッドを通過する経路に沿って搬送する搬送ユニットを有する。個別的な諸実施形態では、搬送は、印刷データの一つまたは複数の文書を準備し、印刷するさまざまなステップの間、連続的である。印刷ヘッドは搬送経路に対して逐次的に配列されており、それによりそれらの印刷ヘッドは逐次的に被印刷媒体にマークし(mark)、位置合わせされた(in registry)それぞれの印刷可能フレームを加えて一つまたは複数の文書をもつ印刷された出力を与える。
【0032】
搬送ユニットとして使うための好適な装置は当業者にはよく知られている。ある個別的な実施形態では、被印刷媒体は巻き取り紙(paper web)で、搬送ユニットは搬送コントローラ、被印刷媒体供給部、被印刷媒体収集部、駆動部および複数の支持部材を有する。搬送コントローラはプログラム可能な論理コントローラである。被印刷媒体供給部は、巻き取り紙の巻き枠(spool)を保持するコアである。被印刷媒体収集部は駆動部によって駆動される心棒(mandrel)である。支持部材は巻き取り紙を担うよう位置された複数のローラーを含む。ローラーの一つまたは複数の代わりにスキーやバーのような他の型の支持部材を用いることもできる。コアおよび支持部材の一つまたは複数も駆動されることができる。被印刷媒体収集部は、巻き取り紙をロールの形で収集でき、折り器またはカッターのようないかなる好適な印刷後周辺機器を使うこともでき、あるいはより完全な仕上げのためにプロダクション・ラインに給送ことができる。
【0033】
プレスの主コントローラは、印刷ヘッドを用いた像形成および被印刷媒体の搬送を含むプレスの電気機械的な諸側面をモニタリングし制御する印刷マネージャを含む。印刷マネージャは印刷機内に含まれることも、あるいは別個の構成要素の全体または一部として含まれることもできる。システムの種々の側面の状態をチェックするために、機械的、電気的または光学的センサーのような適切なセンサーが利用されることができる。たとえば、そのようなセンサーは被印刷媒体の搬送経路に沿って位置されることができ、印刷ヘッドと関連付けられることができる。そのような信号および好適なプログラムに基づいて、印刷マネージャはプレスの動作を制御できる。この目的のための好適な手順および設備は当業者には知られている。
【0034】
個別的な諸実施形態では、プレスは、位置合わせマークまたは手がかり(cue)の位置を検出する一つまたは複数の位置合わせ手がかりセンサーを有する位置合わせユニット(registration unit)を含む。その際、その位置情報が、一つまたは複数の印刷ヘッドの出力を位置合わせするために使用される。この目的のための好適な技術および設備が、米国特許出願公開第US2003/0234959A1号において開示されている。この文献はここに参照によって組み込まれる。文書の異なるフレーム間での位置合わせ不良、少なくとも同じ文書表面上のものは、非常に目につきやすい。その理由で、いくつかの実施形態では、位置合わせ手がかりが、文書のフレームの一つまたは複数を生成する印刷ヘッドによって印刷され、次いでその文書についてシーケンスのより後で印刷される一つまたは複数のフレームを位置合わせするために使用される。被印刷媒体上の文書の位置を定義する際に使うべく被印刷媒体の位置および送り(travel)を追跡するために、被印刷媒体上またはその他に追加的な位置合わせ特徴が設けられることもできる。
【0035】
被印刷媒体が印刷ヘッドから印刷ヘッドへと直列に搬送されるにつれて各印刷ヘッドにおいて文書のそれぞれのフレームを受け取り、それぞれのセグメントが位置合わせされた関係において被印刷媒体に転写される。印刷ヘッドは並列に動作する。すなわち、異なる印刷ヘッドが同時に印刷する。印刷ヘッドは、二つ以上の異なる印刷ヘッドが同じ文書、すなわち同じ複合ページを同時に印刷するよう、あるいはすべての印刷ヘッドが異なる文書を同時に印刷できるよう、位置されることができる。被印刷媒体への印刷のタイミングは、画像の適正な転写がなされてそれぞれの画像が位置合わせされて、期待されるとおりに転写されるようなものであることは理解されるであろう。搬送スピードの調節は連続的な傾斜(ramp)または階段状の傾斜においてできる。
【0036】
〈ジョブ・スタートアップ制御(Job Startup Control)〉
ここで図1を参照すると、プレスには、最初の印刷ヘッドと最後の印刷ヘッドとの間の搬送経路に沿って測られるかなりの距離がある。結果として、最初の印刷ヘッドは、多数の文書のフレームの印刷を、最初のそのような文書が最後の印刷ヘッドに到着する前に行える。最後の印刷ヘッドは、フレームの一つを文書の第二の側に印刷する。同様に、印刷ジョブの終わりにおいて、印刷ヘッドが印刷を止めるのは、印刷ヘッドよりずっと前である。これは、印刷データが、異なる数および配置の印刷ヘッドを使うことができる複数の印刷ジョブを含むときはより複雑になる。相続く印刷ジョブが異なる印刷ヘッド配位をもつ場合、問題が生じることがある。印刷ヘッドは巻き取りシートに沿って散らばっているので、任意の所与の時点において、印刷ヘッドは同じ文書を印刷していたりいなかったりしうる。通常、あるフレームのための全データは同時に主コントローラに来る。結果として、より後に印刷する印刷ヘッドはより多くのデータをバッファリングされる必要がある。より複雑な文書では、一つまたは複数の印刷可能フレームがまだ処理されていない一方、同じ文書の他のフレームはそれぞれの印刷待ち行列から印刷のために送達されつつあることがありうる。印刷データが複数の印刷ジョブのストリームであるとき、ストリーム中の次のジョブは、下流プロセッサおよび関連付けられた印刷待ち行列が利用可能になったときに開始できる。このアプローチは問題となることがある。
【0037】
最初の下流プロセッサだけが準備完了であるときに次の印刷ジョブを処理することは、未完了の印刷ジョブに対する害を防止するための施策を必要とする。最初のジョブについての印刷待ち行列および下流プロセッサにおける処理は、二つの印刷ジョブが混ざる(run together)ことを防止するために、第二のジョブから孤立させられる必要があるであろう。印刷ジョブでの使用のために膨大な数のフォントが利用可能である。他方、たいていの印刷ジョブは少数のフォントしか使用しない。システムにおいて、フォントは、個々の文書またはフレームではなく、印刷ジョブと関連付けられる。主コントローラは印刷ジョブを受け取ると、要求されるフォントをメモリ中のフォント記憶にロードする。フォント記憶は下流プロセッサのすべてによってアクセス可能であり、フォントはラスタ・イメージ処理などの際に使用される。フォントは、もはや必要でなくなったときに、アンロードされることができる。各印刷ジョブについて共通のフォントを使うことによりフォントのために必要とされるメモリ・スペースは大幅に軽減されるが、最初の下流プロセッサだけが準備完了であるときに次の印刷ジョブを処理することに問題が生じる。第二の印刷ジョブが異なるフォントをもつ場合、最初の印刷ジョブのために使用されるフォントが、最初の印刷ジョブのラスタ・イメージ処理のためにまだ必要とされている間に変更または削除されてしまう危険性がある。
【0038】
図6は、これらの問題を解決するためのジョブ・スタートアップ制御を提供する、本稿で記載される方法のある実施形態を示している。印刷ジョブのストリームが主コントローラにおいて受領される(600)。印刷ジョブはセグメント分割される(602)。これは必要とされるにつれて一つずつ、あるいは他の仕方で適宜行われることができる。印刷ジョブのストリームのある印刷ジョブの諸セグメントが複数の下流プロセッサに分配される(604)。それらの下流プロセッサは、印刷ジョブの内容に依存して、利用可能な下流プロセッサの全部であってもなくてもよい。それらの下流プロセッサのそれぞれは、それらのセグメントの一つを受け取り、印刷ヘッドのそれぞれの一つまたは複数に供給する。ストリームの残りの印刷ジョブは、隔離される(sequestered)(606)、すなわち、残りの印刷ジョブは保留され(set aside)、保留されている間は下流プロセッサによって処理されない。
【0039】
分配されたセグメントは下流プロセッサにおいて処理されて(608)それぞれの印刷可能フレームを与える。それらの印刷可能フレームはそれぞれの印刷モジュールに送られ、関連付けられた印刷ヘッドで印刷される(612)。異なる下流プロセッサにおける処理は非同期的であり、それぞれのセグメントの内容に依存する。各下流プロセッサは、セグメントを処理した直後に、フレーム完了信号を主コントローラに送信する。主コントローラが、フレーム完了信号がその印刷ジョブによって使用される複数の下流プロセッサ全部によって送信されたと判定したとき、ストリームの次の印刷ジョブの隔離が解除される(614)。このプロセスは、ストリーム中の各ジョブについて繰り返される(616)。セグメントの数および下流プロセッサの数は各反復工程において異なってもよい。
【0040】
ある個別的な実施形態では、ある印刷ジョブの印刷は、その印刷ジョブのフレーム完了信号の送信とは独立である。これは、印刷待ち行列における待ち行列形成を単純化するという利点がある。
【0041】
隔離は、主コントローラによって実行される諸動作の前、途中または後に、あるいは何らかの組み合わせにおいて、行われることができる。たとえば、隔離された印刷ジョブは、セグメントの形であってもよいし、セグメント分割されていない(unsegmented)こともできる。前者の場合、入力待ち行列はセグメントの分配に先行または後続することができる。後者の場合、隔離された印刷ジョブはセグメント分割されておらず、まだ分配されていない。中間的なアプローチも可能である。隔離された印刷ジョブは入力待ち行列内に保持される。入力待ち行列は、メモリの物理的な単位として、あるいは必要とされるときに隔離された印刷ジョブを利用可能にする論理構造として設けられることができる。
【0042】
ある個別的な実施形態では、主コントローラは必要なフォントを、印刷ジョブのセグメントを分配することの一部としてロードする。主コントローラは、他のフォントをアンロードする。隔離はまた、隔離された印刷ジョブに先行する印刷ジョブのロードされたフォントのアンロードを遮断〔ブロック〕もする。解除は、ロードされたフォントのアンロードを許容する。フォントのアンロードが遮断されているとき、オペレーターに対して、その遮断を示しオペレーターが遮断をオーバーライドすることを許容するメッセージを与えることができる。フォントのアンロードは、プレスとオンラインになっている仕上げ設備内のセンサーの出力状態のような他のパラメータに基づいて遮断または許容されることもできる。
【0043】
異なる印刷ヘッドによる印刷は同期されることができるが、たいていの場合、印刷ヘッドの一部または全部の印刷は時間的非同期にあることが期待される。換言すれば、そのような印刷ヘッドによる異なるフレームの印刷は同期されない。これは、異なる印刷ヘッドによって印刷される内容の違いから帰結するが、他の要因の寄与もありうる。場合によっては、被印刷媒体が、各印刷ヘッドによる印刷のために文書の位置付け(positioning)を自動的に同期させるような異なる印刷ヘッドに対する一定の関係をもたない。たとえば、本稿の他所で論じられるように、巻き取りシート被印刷媒体(web receiver)は、印刷中、伸張を受けることがありうる。カットシート被印刷媒体(cut-sheet receiver)では、一つまたは複数のシートが搬送中に遅延されることがありうる。たとえば、通常、単一回転の間シートを担持するドラムを含む搬送経路は、シートを複数回転の間そのドラム上に担持するよう修正されることができる。同じ効果は、一時蓄積ビン(temporary storage bin)にシートを出し入れすることによって提供されることもできる。
【0044】
図5は、ジョブ・スタートアップ制御を提供するシステムの実装の特定の実施形態を示している。印刷データのストリームは主コントローラの監督器によって受領される。監督器において、待ち行列制御ユニット141は、ポート147に供給される準備完了または準備未完了信号に応答して、ストリームの印刷ジョブ24を一次ユニット123に渡すか、印刷ジョブを入力待ち行列143に転送する。準備完了または準備未完了信号は、下流プロセッサがまだ前の印刷ジョブを処理しているか、次の印刷ジョブに対して準備完了であるかを示す。一次ユニット123は、第二の印刷ジョブの開始を示すジョブ開始文(start of job statement)に遭遇するまで待ち行列制御ユニット141から印刷ジョブ・データを受け入れる。ジョブ開始文が出てきた時点で、一次ユニット123は論理レベル低信号をANDゲート149に出力し、その出力ポート147を低(low)に駆動する。これにより、待ち行列制御ユニット141は、第一の印刷ジョブの終わりにおいて印刷データの転送を止める。一次ユニット123は第一の印刷ジョブをジョブ・レコード・プロセッサ125に転送する。
【0045】
ジョブ・レコード・プロセッサ125は、その印刷ジョブを処理するためにどの下流プロセッサ133−1ないし133−xが使用されることになるかを同定する。ジョブ・レコード・プロセッサはその印刷ジョブについて利用される下流プロセッサの追跡記録(tally)を追跡記録メモリ151に記憶する。ジョブ・レコード・プロセッサ125は次いで印刷ジョブをセグメント分割し、諸セグメントを各下流プロセッサ133にデータ・バス131を介して分配する。印刷ジョブのセグメントが分配されたら、ジョブ・レコード・プロセッサは主コントローラの分配完了信号を完了判別ユニット149に送る。望むなら、一次ユニット123も完了信号を送ることもできる。この信号は分配完了信号と冗長であるが、エラーを単離する際に有用となりうる。完了判別ユニット149はANDゲートとして図示され、記述される。これらおよびその他の特徴を実装するのに使われる特定の論理は当業者にはよく知られているように修正できることは理解されるであろう。
【0046】
プロセッサ・バッファ129は、レコード・プロセッサ125と下流プロセッサ135との間で、分配されたセグメントを必要とされるまで記憶することができる。各下流プロセッサ133において、それぞれのセグメントはラスタ・イメージ処理され、印刷データがビットマップ化されたフレームに変換される。印刷バッファ137は、それぞれのビットマップ化されたフレームを、それらのフレームが出力され(139)それぞれの印刷モジュールに転送されることができるようになるまで、保持する。
【0047】
各下流プロセッサ133は、その下流プロセッサが印刷ジョブを処理しているか処理を完了したかを示すために、ジョブ完了信号153を生成することができる。ジョブ完了信号151−1ないし151−xはリンク157および159を介して主コントローラ内のジョブ完了試験器161に供給される。ジョブ完了試験器161は、諸下流プロセッサからのジョブ完了信号を追跡記録メモリ151に記憶されている追跡記録と比較する。ジョブ完了試験器は、追跡記録にある下流プロセッサのそれぞれからジョブ完了信号が受信されたときに論理レベル高を出力し、そうでないときに論理レベル低を出力する。図5は、ジョブ完了信号153を判断ブロック155によって導出されるものとして示している。ジョブ完了信号153を導出できる数多くの方法があることは認識されるであろう。それには、これに限られないが、if-then条件試験またはデータ・ストリーム中のジョブ終了参照(end of job reference)に遭遇する際に呼ばれるサブルーチンが含まれる。
【0048】
ジョブ完了試験器161が論理レベル高を出力する時点までには、主コントローラ123およびジョブ・レコード・プロセッサ125はすでに印刷ジョブの処理を完了していることになり、ANDゲート149へのその出力信号を高に変えていることになる。ANDゲート149へのすべての入力が論理レベル高にあれば、ANDゲート149は論理レベル高を出力し、それにより、次の印刷ジョブの処理を開始するために、待ち行列コントロール120は、次の印刷ジョブについての入力待ち行列122から一次ユニット123へのデータの転送を開始することができるようになる。
【0049】
〈高速ジョブ停止(Fast Job Halt)〉
ここで図1を参照すると、プレスには、最初の印刷ヘッドと最後の印刷ヘッドとの間の搬送経路に沿って測られるかなりの距離がある。結果として、最初の印刷ヘッドは、多数の文書の印刷を、最初のそのような文書が最後の印刷ヘッドに到着する前に行える。最後の印刷ヘッドは、文書の第二の側に印刷する。同様に、印刷ジョブの終わりにおいて、最初の印刷ヘッドが印刷を止めるのは、最後の印刷ヘッドが印刷を止めるよりずっと前である。高速印刷では、印刷待ち行列は大きい必要がある。これは、高速巻き取りシート供給プレスについて特に当てはまる。というのも、巻き取りシートを高印刷スピードでプレスを通すことには大きな慣性が付随するからである。このようなプレスは、被印刷媒体の動きを迅速に停止し、再開することはできない。たとえば、いくつかのプレスでは、巻き取りシートを制御された仕方で300m/secから60m/secまで減速するのに30秒かかることがある。これは、データ処理スピードが非常に高速であることを要求し、データ処理において瞬間的な遅延があった場合に備えて、何らかの量のデータがバッファ内に記憶されて印刷のために準備完了になっていることを必須とする。
【0050】
印刷ジョブを次から次へと印刷機を止めることなく印刷するために複数の印刷ジョブが待ち行列に入れられることを許容するデータ・システムにおいては、バッファに印刷準備完了データを記憶しておく必要性は増す。これは、データ・システムに対するいくつかの制約条件に起因する。印刷データが下流プロセッサによって処理できるようになる前に、いくつかの印刷ジョブの開始において完了されるべきオーバーヘッド・タスクがある。ある印刷ジョブは、先行する印刷ジョブと同じフォントを使っていないことがありうる。その印刷ジョブがラスタ・イメージ処理できる前に、フォントがロードされる必要がある。これは、以前のロードされているフォントをアンロードすることを必要とすることがありうる。オーバーヘッド・タスクは所要時間を追加し、よって印刷待ち行列サイズを増加させる。上記のジョブ・スタートアップ制御が使われる場合には、追加的な制約条件が課される。その場合、主コントローラが第二の印刷ジョブを処理することを開始できるようになる前に、第一のジョブがすべての下流プロセッサによって完全にビットマップ化されなければならず、ビットマップ化されたフレームが、印刷ヘッドに出力すべく準備完了となって印刷待ち行列に記憶されねばならない。最初と最後の印刷ヘッド間の巻き取りシート・プレスの搬送経路が約60フィート(約18メートル)の長さであれば、約1000ft/min(約300m/min)の高速での印刷時には、最初の印刷ヘッドでの印刷と最後の印刷ヘッドでの印刷の間には約3.6秒の遅延がある。従って、最初の印刷ヘッドについての印刷待ち行列は、データ切れを防ぐには、少なくとも60フィートの印刷のためのデータをもつ必要がある。
【0051】
これらのさまざまな要件のため、第二の印刷ジョブのためのビットマップ化されたデータが利用可能になる前にプレスのビットマップ化されたデータがなくなるのを防止するために、かなりの量のビットマップ化されたデータが印刷待ち行列に記憶されねばならない。ある個別的な実施形態では、印刷待ち行列は、システム内の8つの印刷ヘッドのそれぞれのために200フィートの印刷のための十分なビットマップ化されたフレームを保持する。これは約12GBのメモリを必要とする。印刷スピード、使用される印刷ヘッド数、印刷ヘッドの幅または印刷ヘッドの解像度が増すにつれ、印刷待ち行列のサイズはさらに増す。
【0052】
印刷バッファのために要求される大量のバッファ・メモリの管理が問題になることがある。ある特定の問題は、現在の印刷ジョブを停止して、迅速に別の印刷ジョブの印刷の準備をするまたは現在のジョブを異なる条件のもとで再印刷することである。図7は、この問題を解決することに向けられた、本稿で記載された方法のある実施形態の実装である。この実施形態では、ジョブ・データのストリームが主コントローラにおいて受領され(図示せず)、ストリーム中の第一の印刷ジョブがセグメント分割されて(図示せず)先に述べたように複数の下流プロセッサに分配される(700)。セグメントは処理され(702)、結果として得られる印刷可能フレームがそれぞれの印刷待ち行列に記憶される(704)。第一の印刷ジョブの印刷が開始される(706)。その印刷の完了に先立って、主コントローラにおいてジョブ停止要求が受領される(708)。ジョブ停止要求は、ユーザーによってユーザー・インターフェースを介して入力されることができ、あるいは主コントローラとは独立なシステムのコンポーネントによって生成されることができる。たとえば、第一の印刷ジョブのために要求される特殊インクの貯留部が空だったときに、センサーがジョブ停止要求を生成することができる。
【0053】
主コントローラは、ジョブ停止要求に応答して無効化(disable)コマンドを下流プロセッサに送信する(710)。下流プロセッサはそれぞれ無効化コマンドを受信し、処理を止め、それぞれの無効化コマンドの受け取り確認(acknowledgement)を主コントローラに送る(712)。無効化コマンドは、一つまたは複数のグループにおいて送信されることも、あるいは個々に送信されることもできる。
【0054】
ある個別的な実施形態では、無効コマンドの送信および受け取り確認の送付は逐次的である。第一の無効化コマンドが下流プロセッサのうち第一のものに対して出力され、その第一の下流プロセッサがそのセグメントの処理を止めて受け取り確認を返す。その受け取り確認の受信後、主コントローラは応答して無効化コマンドを次の下流プロセッサに送り、該次の下流プロセッサが処理を止めて受け取り確認を送る。この過程は残りの下流プロセッサについて逐次反復される。
【0055】
無効化コマンドは現在の印刷ジョブの処理において使われている複数の下流プロセッサにのみ送られることが現在のところ好ましい。無効化コマンドは現在の印刷ジョブで使われていない下流プロセッサにも送られることができるが、そのようなコマンドおよび対応する受け取り確認は、たとえば利用可能な下流プロセッサの計数を提供することにおける利便を除けば、余分である。
【0056】
主コントローラは下流プロセッサが処理を止めて利用可能になるにつれてそれらの下流プロセッサを一つまたは複数のグループにグループ化する(714)。現在の印刷ジョブにおいて使用されていない下流プロセッサもグループ化される。各グループは、グループ化された下流プロセッサに関連付けられた印刷待ち行列のうちの一つまたは複数を空にしていくタスクを負わされる。下流プロセッサは、それらの印刷待ち行列を空にしていく(716)ためにマルチタスク動作する。利用可能性に応じて、二つ以上の下流プロセッサが同じ印刷待ち行列を空にしていく。印刷待ち行列は、一つずつ空にされていくこともでき、あるいは複数の印刷待ち行列が同時に空にされていくこともできる。各受け取り確認が受信されると、印刷待ち行列を空にしていくのに使うためにもう一つの下流プロセッサが利用可能となり、もう一つの印刷待ち行列が空にしていくために利用可能となる。空にしていく処理を行っている下流プロセッサの数は、より多くの受け取り確認が受信されるにつれて増えていく。下流プロセッサは一つずつ印刷待ち行列を空にしていく単一のグループに割り当てられることもでき、あるいは複数の印刷待ち行列を並行して空にしていくために複数のグループが生成されることもできる。下流プロセッサは、利用可能性に応じて、かつ必要に応じて、優先度に基づいてグループ間で割り当てられ、再割り当てされることができる。
【0057】
ひとたびそれらの印刷待ち行列が空になったら、主コントローラは次の印刷ジョブのセグメントを分配し、該次の印刷ジョブは先述したように印刷される。被印刷媒体が巻き取りシートである実施形態では、巻き取りシートの搬送はジョブ停止要求および無効化要求とは独立であり、本方法の諸段階の間に中断されることはない。
【0058】
ある個別的な実施形態では、下流プロセッサ33−nが主コントローラから無効化コマンドを受信すると、図5に示されるように、その下流プロセッサはすぐ、それ以上ビットマップ化されたデータを生成しそれ以上のデータを出力するのを止める。下流プロセッサはヘルパー・タスク45の生成を要求する。ヘルパー・タスク45において、利用可能な下流プロセッサ47は印刷待ち行列43のメモリ・ユニット49をクリアし、クリアされたメモリ・ユニット51を利用可能メモリの記憶に入れる。
【0059】
〈多ヘッド・プレス・データ送達速度制御(Multi-head Press Data Delivery Rate Control)〉
高速印刷および超高速印刷では、継続的な問題は、印刷エンジンに十分匹敵する速度でデータを供給することである。通信帯域幅が制限要因となることもあるが、最大の制約条件は、一つまたは複数の下流プロセッサにおけるラスタ・イメージ処理のような処理である傾向がある。この処理は一般にデータ・ストリームの内容によって制限される。この問題を解決する一つのアプローチは、データが利用可能になるまで経路を通じた被印刷媒体の搬送を一時停止することである。このアプローチは、カットシートの形の被印刷媒体を使ういくつかのプレスでは実用的となりうるが、特に巻き取りシートの形の、より特定的には搬送速度が高い被印刷媒体をもつプレスでは問題である。もう一つのアプローチは、印刷ジョブが入力される仕方を制約することによって、フレームを印刷システムの最高スピードで印刷可能なビットマップに変換できることをデータ・レンダリング工程が保証できるようにすることである。たとえば、事前にラスタ・イメージ処理された(pre-ripped)画像を下流プロセッサに提供することを要求することができる。これは、使い物にはなるが、ぎりぎりでの変更をするのを大幅に面倒にする。参照によって本稿に組み込まれる米国特許第6,762,855号は、文書ごとに搬送スピードを調整するためのバッファ管理論理を使用するシステムを開示している。制御バッファは、非複雑文書をラスタ・イメージ処理することから残された余裕時間(slack time)を蓄積し、次いでその余裕時間を複雑な文書に割り当てることによって、平均ラスタ・イメージ処理時間を印刷エンジンのスピードに関して最適化する。この特許は、後の印刷ジョブが先の未完了の印刷ジョブを害することを防止するために、待ち行列に入れられた複数の印刷ジョブからのデータの送達を制御することを扱うものではない。
【0060】
ある個別的な実施形態は、待ち行列に入れられた複数の印刷ジョブについてのデータ送達管理のこの問題を扱う。ここで図8を参照すると、ある個別的な実施形態では、複数の印刷ジョブのストリームが受領され(図示せず)、ストリーム中の第一の印刷ジョブの諸セグメントが複数の下流プロセッサのそれぞれに分配され(800)、処理されて(802)それぞれの印刷可能フレームを与える。その印刷可能フレームが個別の印刷待ち行列に記憶される(804)。それらの印刷可能フレームはそれらの印刷待ち行列から逐次的に、巻き取りシートのような連続搬送される(808)被印刷媒体上に印刷される(806)。これらの特徴のより詳細な諸側面は先に論じている。
【0061】
この実施形態では、第一の印刷ジョブの印刷中に諸印刷待ち行列(print queues)の最大印刷継続時間(maximum printing duration)が定期的に計算され(810)、最大印刷継続時間を所定のベースラインに向けて傾向付けるよう被印刷媒体の搬送スピードが調整される(812)。第一の印刷ジョブのそれぞれのセグメントの処理が下流プロセッサによって完了されていく間は、ストリーム中の第二の印刷ジョブのセグメントを下流プロセッサに送るのは遅らされる(814)。この遅延は前記調整と反対である。この遅延は第一の印刷ジョブの諸印刷待ち行列をベースラインに対して(relative to the baseline)非一様に(non-uniformly)縮小する(reduce)からである。
【0062】
最大印刷継続時間はそれぞれ、まず各印刷待ち行列の印刷継続時間(printing duration)を推定することによって計算される。各印刷継続時間はそれぞれの印刷フレームを処理および/または印刷するために必要とされる時間期間を表す。搬送スピードを増減(ramp)させ始めるために時間が得られるよう、印刷継続時間が先読みする(look ahead)ことが好ましい。印刷継続時間は印刷可能フレームのある単位について推定される。単位は文書、いくつかの印刷可能フレームまたはある印刷待ち行列の内容であることができる。
【0063】
印刷継続時間のそれぞれは、印刷可能フレームのそれぞれの単位の印刷を完了するための必要な時間を表す使用時間(usage time)を含む。諸印刷継続時間の少なくとも一つは余裕時間(slack time)を含む。これは、二つ以上の単位の間の使用時間の差である。印刷継続時間が推定されたのち、一つまたは複数の印刷継続時間の余裕時間が単位どうしの間で割り当て直され、次いで諸印刷継続時間のうちの最大が見きわめられる。余裕時間の推定および割り当て直しのために、諸単位は、対にされることができ、あるいはその他任意の便利な仕方で考慮されることができる。たとえば、最高の印刷継続時間が最低のものと対にされ、次いで二番目に大きいものが二番目に低いものと対にされる、などとできる。
【0064】
割り当て直し(reallocating)は、個々の印刷待ち行列内であることも、一つまたは複数の印刷待ち行列の間でも、あるいは両方でもよい。印刷待ち行列間の割り当て直しにおいて、資源も割り振り直される。ある個別的な実施形態では、一つまたは複数のマイクロプロセッサが、割り当て直された余裕時間をもって、個々の下流プロセッサの間で割り振り直される。
【0065】
搬送スピードは、計算された最大印刷継続時間と特定の印刷システムについてあらかじめ決められているベースラインとの間の差に基づいて調整される。ベースラインは、最大待ち行列容量の一定割合であってもよいし、あるいはより複雑であってもよい。たとえば、ベースラインは、諸構成要素のスタートアップを考慮するために変動することができる。搬送スピードの変化は、最大印刷継続時間の計算のたびに指定されることができる。個別的な諸実施形態では、各変化は、ベースラインに近づく傾向をもつようなスピードの傾斜を指定する。割り当て直しのため、傾斜で増減するのに費やされる時間を減らすことによって、印刷ジョブの平均搬送スピードが増加させられる可能性が高い。
【0066】
第二の印刷ジョブを送るのを遅らせる結果として、個々の印刷待ち行列は、シーケンス順および搬送経路に沿ったそれぞれの印刷ヘッドの相対位置ならびにそれぞれの印刷待ち行列の間の印刷継続時間の他の任意の変動に基づく順序で一つずつ空にされていく。印刷待ち行列を空にしていくこと(emptying)は、印刷継続時間の点で、すなわちベースラインに対して非一様である。印刷待ち行列は、印刷可能フレームが印刷されるにつれて空にされていくが、それらのフレームは印刷継続時間において大いに変動がありうる。遅延は搬送スピードの前記調整の効果を低下させる。それは、印刷可能フレームを保持する印刷待ち行列が少なくなるにつれて(as less print queues hold printable frames)起こりうる割り当ても少なくなる(less allocating can occur)からである。
【0067】
ある個別的な実施形態では、第二の印刷ジョブの処理は、第二の印刷ジョブのためのフォントのロードおよび必要な限りにおいて第一の印刷ジョブからのフォントのアンロードによっても遅らされる。フォントをロードおよびアンロードするために費やされる時間および資源は、第二の印刷ジョブをロードするために利用可能ではない。
【0068】
搬送機のスピードに対して前記遅延がもちうる影響に加えて、主コントローラはまた、印刷ジョブの完了状態を追跡し、必要であればさらに、第一の印刷ジョブが完了に近づき達する際、被印刷媒体搬送の速度を遅くする。より遅い速度は第二の印刷ジョブが開始されるときに印刷待ち行列を再充填するのに必要な時間を与える。
【0069】
印刷継続時間は、印刷待ち行列のサイズに基づくことができるが、これは好ましくない。画像内容の変化から帰結する印刷時間の変化を考慮に入れていないからである。プレスに依存して、スティッチング(stitching)および位置合わせ欠陥といったエラーを防止するためには印刷可能なフレームの内容を考慮することが必要であることがありうる。必要とされる印刷時間を変える、印刷可能な内容に直接関係しない他の印刷ジョブ要件もありうる。スピード制限を課す動作パラメータなどである。たとえば、仕上げ装置におけるソータの使用は、追加的な制御シーケンスを要求することがありうる。欧州特許出願EP0863003および米国特許第6,318,833号はインクジェット印刷を制御する動作パラメータのいくつかを論じた。
【0070】
ある個別的な実施形態では、印刷継続時間および結果として得られる搬送スピードは、印刷可能なフレームの予測される蓄積(図8で破線矢印816によって示される)および印刷可能なフレームの印刷要件(図8で破線矢印818によって示される)の両方の考慮に基づく。この場合、各セグメントの印刷要件が、印刷継続時間の推定に先立ってまたは印刷継続時間の推定時に見きわめられる。各印刷待ち行列内の印刷可能フレームの蓄積も予測される。定期的な推定は両方の要因を考慮する。予測された蓄積は、それぞれの処理待ち行列のような上流の待ち行列の内容および文書がまだ主コントローラによって受信されている途中かどうかといった上流の要因を考慮するために「先読みする(look ahead)」。
【0071】
印刷要件は、それぞれのフレームの印刷可能内容および非画像要件の両方を含む。印刷可能内容は各フレーム上に印刷されるべき画像である。印刷されるべき画像は多様な仕方で搬送スピードに影響しうる。たとえば、インクジェット・ヘッドでは、被印刷媒体への吸収および/または部分的もしくは完全な乾燥のための時間は、全面的に印刷される文書と印刷要素のわずかな割合にのみ印刷される文書とでは異なる仕方で搬送スピードを制限しうる。
【0072】
非画像要件は、内容がどのように印刷されるか、および文書の物理的な寸法に関係する。(これは典型的には送り方向における文書間および/または印刷ジョブの間での変動であるが、その次元に限定されるものではない。)非画像要件の特定的な例は、使用される印刷ヘッドの数、印刷ヘッドの使用配位(usage configuration)および印刷ヘッドの解像度を含む。印刷ヘッドの使用配位は、使用される印刷ヘッドの配置およびそれらの印刷ヘッド内でのマーキング(marking)要素(たとえばインクジェット印刷ヘッドにおけるインク・ノズル)の配置を含む。文書の物理的な長さは被印刷媒体搬送の関数であってもよく、あるいは二つ以上の位置合わせ手がかり(registration cue)の間隔によって定義されることもできる。後者の場合、プレスが位置合わせ手がかりを認識して位置合わせするために要求される時間が搬送スピードに制限を課すことができる。
【0073】
異なる印刷ジョブは、異なる内容を、よって異なる内容関係印刷要件をもつ傾向がある。印刷ジョブのストリーム中の異なる印刷ジョブおよびそれら各印刷ジョブのうちの異なる文書は異なる非画像要件をもつことができる。搬送経路に沿った印刷ヘッドの離間が大きいと、印刷待ち行列のうちの二つ以上がその印刷ジョブの、あるいは異なる印刷ジョブからの異なる文書の印刷可能フレームを含むことがありうる。そうした場合、周期的に決定される推定最大印刷継続時間はそれぞれ、同じ文書の異なる印刷可能フレームを表すのではなく、複数の文書にまたがる。推定を逐次反復するための好適な周期は、類似のジョブでの印刷実験に基づいて発見法的に決定できる。印刷ジョブ全体を予測する単一の推定は望ましくないであろう。というのも、印刷中の印刷待ち行列内の異なる文書または異なるジョブの可変の重なりがそのような予測を複雑にするからである。単一の推定はまた、位置合わせ手がかりを認識して適用するための時間といった工程中の時間要件の実際の変動を取り入れることができないであろう。
【0074】
本発明は、本稿に記載される実施形態の組み合わせを含むものである。「ある個別的な実施形態」などの言及は、本発明の少なくとも一つの実施形態において存在する特徴を指す。「ある実施形態」または「個別的な諸実施形態」などの別個の言及は必ずしも単数または複数の同じ実施形態を指すのではない。そのような実施形態は、そう示されているかそうであることが当業者に明白なのでない限り、互いに排反ではない。「方法」または「諸方法」などへの言及における単数および/または複数の使用は限定するものではない。
【0075】
以下の記述では、いくつかの特徴が「ソフトウェア」または「ソフトウェア・プログラム」として記述される。当業者は、そのようなソフトウェアの等価物がハードウェアにおいても容易に構築できることを認識するであろう。画像操作アルゴリズムおよびシステムはよく知られているので、本記載は本方法の一部をなす、あるいは本方法とより直接的に協働するアルゴリズムおよび特徴を強調する。本稿で論じられる電算化されたシステムのさまざまな型の一般的な特徴はよく知られており、本記載は概して本発明の方法に直接的に関係する諸側面に限定されている。そのようなアルゴリズムおよび装置ならびにそれに関わる画像信号を生成または他の形で処理するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアの他の側面であって特定的に図示または本稿で記述されていないものは、当技術分野において知られているそのようなシステム、アルゴリズム、コンポーネントおよび要素から選択されうる。本稿に記載される記述を与えられれば、さらなるすべてのソフトウェア/ハードウェア実装は従来通りであり、当業者の通常の技量の範囲内である。
【0076】
本発明がソフトウェアおよび/またはハードウェアの組み合わせにおいて実装されることができ、物理的に接続されているおよび/または同じ物理的位置内に位置される装置に限定されないことも注意しておくべきであろう。図面に示されている構成要素の一つまたは複数はリモートに位置されていることができ、ネットワークを介して接続されることができる。それらの構成要素の一つまたは複数は、無線周波数リンクによるなどして、直接的にまたはネットワークを介して、無線で接続されることができる。
【0077】
図示および記述された回路が当業者にはよく知られている多様な仕方で修正できることは理解されるであろう。物理的な回路として本稿で記述されているさまざまな特徴が代替的にファームウェアまたはソフトウェア機能または両者の組み合わせとして提供されることができることも理解されるであろう。同様に、本稿で別個のユニットとして示されている構成要素が便利に組み合わされ、あるいは共有されてもよい。複数の構成要素が分散された位置に設けられることができる。
【0078】
各コンテキストにおいて、本発明はスタンドアローンでもよいし、あるいはより大きなシステム・ソリューションのコンポーネントであってもよい。さらに、人間インターフェース、たとえばスキャンもしくは入力、デジタル処理、ユーザーに対する表示、ユーザー要求もしくは処理命令の入力(必要であれば)、出力は、それぞれ、同じまたは異なる装置上にあることができ、装置および位置間の通信は公共もしくは私的なネットワーク接続または媒体ベースの通信を介してであることができる。本発明の開示と整合するところでは、本発明の方法は全自動であることができ、ユーザー入力(完全にまたは部分的に手動)をもってもよく、結果を受け入れ/拒否するためのユーザーまたはオペレーターの閲覧をもってもよく、あるいは他所で論じられているものに加えてメタデータによって支援されてもよい(そのようなメタデータはユーザーから供給されても、測定装置から供給されても、あるいはアルゴリズムによって決定されてもよい)。さらに、諸方法は多様な作業フロー・ユーザー・インターフェース方式とインターフェースをもちうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機の一連の印刷ヘッドへの印刷ジョブのストリームの送達を制御する印刷方法であって:
前記ストリーム中の第一の印刷ジョブの諸セグメントを複数の下流プロセッサのそれぞれに分配する段階と;
前記各下流プロセッサにおいてそれぞれの前記セグメントを処理する段階であって、それぞれの印刷可能フレームを与える、段階と;
前記各下流プロセッサからの前記印刷可能フレームを、複数の印刷待ち行列のそれぞれのものに記憶する段階であって、前記各印刷待ち行列は前記印刷ヘッドのうちのそれぞれの一つまたは複数に供給するものである、段階と;
被印刷媒体を前記一連の印刷ヘッドを通過して連続的に搬送する段階と;
前記印刷待ち行列からの前記印刷可能フレームを、それぞれの前記印刷ヘッドを使って前記搬送される被印刷媒体に逐次的に印刷する段階と;
前記印刷中に定期的に、前記複数の印刷待ち行列の最大印刷継続時間を計算する段階と;
前記最大印刷継続時間を所定のベースラインに向けて傾向付けるよう、前記搬送のスピードを調整する段階と;
前記第一の印刷ジョブのそれぞれのセグメントの前記処理が前記下流プロセッサによって完了されていく間は前記ストリーム中の第二の印刷ジョブの諸セグメントを前記下流プロセッサに送るのを遅延させる段階であって、前記遅延は前記調整と逆方向であり前記遅延は前記第一の印刷ジョブの前記印刷待ち行列を前記ベースラインに対して非一様に縮小する、段階とを含む、
方法。
【請求項2】
前記計算する段階がさらに:
前記複数の印刷待ち行列のそれぞれの印刷継続時間を推定する段階であって、前記印刷継続時間の少なくとも一つは余裕時間を含む、段階と;
前記印刷継続時間を修正するよう、前記印刷継続時間の一つまたは複数の前記余裕時間を割り当て直す段階と;
前記割り当て直す段階後に前記印刷継続時間の前記最大を判別する段階とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記割り当て直すことが、個々の前記印刷待ち行列内である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記割り当て直すことが、前記印刷待ち行列の二つ以上の間である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、前記決定する段階がさらに、前記割り当て直された余裕時間とともにそれぞれの前記下流プロセッサの間で一つまたは複数のマイクロプロセッサを割り振り直すことを含む、方法。
【請求項6】
請求項2記載の方法であって、前記推定する段階がさらに:
前記各セグメントの印刷要件の組を判別する段階と;
前記印刷の対応する期間中の、前記各印刷待ち行列における前記印刷可能フレームの蓄積を予測する段階と;
それぞれの前記印刷要件およびそれぞれの前記予測された蓄積から前記印刷継続時間を決定する段階とを含む、
方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、前記第一の印刷ジョブおよび前記第二の印刷ジョブの前記印刷要件が:利用される前記印刷ヘッドの数、前記印刷ヘッドの使用配位、前記印刷ヘッドの一つまたは複数の解像度および位置合わせ手がかり間隔のうちの一つまたは複数を含み、異なっている、方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法であって、前記第一の印刷ジョブおよび前記第二の印刷ジョブのうちの一方のみが両面である印刷要件をもつ、方法。
【請求項9】
請求項6記載の方法であって、前記印刷する段階がさらに、前記被印刷媒体上に位置合わせ手がかりを印刷することを含み、前記決定する段階がさらに前記位置合わせ手がかりを位置特定することを含み、前記印刷可能フレームの一つまたは複数の前記印刷要件が前記位置特定された位置合わせ手がかりとの位置合わせを含む、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記印刷する段階がさらに、前記位置特定することの前に、前記被印刷媒体をマーキング材料で濡らし、次いで前記被印刷媒体を乾かすことを含む、方法。
【請求項11】
請求項6記載の方法であって、前記予測する段階がさらに、前記各印刷待ち行列における前記印刷可能フレームと前記印刷可能フレームのうち位置合わせ手がかり要求フレームとの両方の計数を維持することを含んでおり、前記決定する段階において前記計数を利用することを含む、方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法であって、前記遅延させる段階がさらに、前記第一の印刷ジョブの前記セグメントすべての前記処理の完了を判別することを含み;当該方法はさらに、前記分配する段階、処理する段階、記憶する段階、搬送する段階、印刷する段階、計算する段階、調節する段階および遅延させる段階を前記第二の印刷ジョブおよび前記ストリームの前記印刷ジョブのうち残っているものについて逐次反復することを含む、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、さらに:
印刷ジョブの前記ストリームを受領する段階と;
前記印刷ジョブのそれぞれを個別の前記セグメントにセグメント分割する段階とを含み、
前記印刷ジョブのそれぞれの前記印刷は、一つまたは複数の文書(document)をもつ印刷された出力を与え、前記各文書の前記印刷は、それぞれの前記印刷可能フレームを位置合わせされた状態で加える、方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法であって、前記遅延させる段階がさらに:
前記第二の印刷ジョブおよび前記ストリームの前記印刷ジョブのうち残っているものを隔離する段階と;
前記下流プロセッサのそれぞれから、それぞれの前記処理後すぐ、フレーム完了信号を送信する段階と;
前記複数の下流プロセッサのすべてからの前記フレーム完了信号の送信後、該送信に応答して、前記第二の印刷ジョブの前記隔離を解除する段階とを含む、
方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって:
前記分配する段階がさらに、複数のフォントのうちの一つをロードすることを含み、前記ロードされたフォントは前記処理する段階の間に前記下流プロセッサによって使用され、
前記隔離する段階はさらに、前記ロードされたフォントのアンロードを妨げることを含み、
前記解除する段階はさらに、前記ロードされたフォントのアンロードを許容することを含む、
方法。
【請求項16】
印刷機の一連の印刷ヘッドへの印刷ジョブのストリームの送達を制御する印刷方法であって:
前記ストリーム中の第一の印刷ジョブの諸セグメントを複数の下流プロセッサのそれぞれに分配する段階と;
前記各下流プロセッサにおいてそれぞれの前記セグメントをラスタ・イメージ処理する段階であって、それぞれの印刷可能フレームを与える、段階と;
前記各下流プロセッサからの前記印刷可能フレームを、複数の印刷待ち行列のそれぞれのものに記憶する段階であって、前記各印刷待ち行列は前記印刷ヘッドのうちのそれぞれの一つまたは複数に供給するものである、段階と;
巻き取りシートを前記一連の印刷ヘッドを通過して連続的に搬送する段階と;
前記印刷待ち行列からの前記印刷可能フレームを、それぞれの前記印刷ヘッドを使って前記搬送される被印刷媒体に逐次的に印刷する段階であって、一つまたは複数の文書をもつ印刷された出力を与え、前記各文書の前記印刷はそれぞれの前記印刷可能フレームを位置合わせされた状態で加え合わせる、段階と;
前記複数の印刷待ち行列のそれぞれの印刷継続時間を推定する段階であって、前記印刷継続時間の少なくとも一つは余裕時間を含む、段階と;
それぞれの推定された前記印刷継続時間を修正するよう、前記印刷継続時間の一つまたは複数の前記余裕時間を割り当て直す段階と;
前記割り当て直す段階後に前記印刷継続時間の最大を判別する段階と;
前記複数の印刷待ち行列の最大印刷継続時間を計算する段階と;
前記推定する段階、割り当て直す段階および判別する段階を前記印刷中に定期的に繰り返す段階と;
前記最大印刷継続時間を所定のベースラインに向けて傾向付けるよう、前記搬送のスピードを調整する段階と;
前記第一の印刷ジョブのそれぞれのセグメントの前記ラスタ・イメージ処理が前記下流プロセッサによって完了されていく間は前記ストリーム中の第二の印刷ジョブの諸セグメントを前記下流プロセッサに送るのを遅延させる段階であって、前記遅延は前記調整と逆方向であり前記遅延は前記第一の印刷ジョブの前記印刷待ち行列を前記ベースラインに対して非一様に縮小する、段階とを含む、
方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、前記割り当て直すことが、前記印刷待ち行列の二つ以上の間であり、前記決定する段階がさらに、前記割り当て直された余裕時間とともにそれぞれの前記下流プロセッサの間で一つまたは複数のマイクロプロセッサを割り振り直すことを含む、方法。
【請求項18】
印刷システムであって:
ジョブ・データの諸セグメントを分配する主コントローラと;
それぞれの前記セグメントを受け取り、処理して、それぞれの印刷可能フレームを与える複数の下流プロセッサと;
前記各下流プロセッサからの前記印刷可能フレームを、複数の印刷待ち行列のそれぞれのものに記憶するメモリと;
それぞれの前記印刷待ち行列によって供給を受ける複数の印刷ヘッドを有し、被印刷媒体を前記複数の印刷ヘッドを通過する経路に沿って連続的に搬送する搬送ユニットを有するプレスであって、前記印刷ヘッドは前記印刷待ち行列からの前記印刷可能フレームを、前記供給を受ける印刷ヘッドを使って前記被印刷媒体上に印刷し、一つまたは複数の文書をもつ印刷された出力を与え、前記各文書の前記印刷はそれぞれの前記印刷可能フレームを位置合わせされた状態で加え合わせる、プレスとを有しており、
前記主コントローラは、定期的に、前記各印刷待ち行列内のそれぞれの前記印刷可能フレームの印刷継続時間を推定し、前記搬送のスピードについて、前記印刷継続時間のすべてを受け入れる(accommodate)よう、前記印刷継続時間の一つまたは複数の余裕時間を割り当て直す最適化をし、前記第一の印刷ジョブの前記諸セグメント全部の前記処理が完了されていく間は前記ストリーム中の第二の印刷ジョブの諸セグメントを前記下流プロセッサに送るのを遅延させ、前記遅延は前記最適化の間、前記第一の印刷ジョブの前記印刷待ち行列を非一様に縮小する、
システム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムであって、前記各下流プロセッサが、それぞれの前記処理後すぐ、フレーム完了信号を前記主コントローラに送信し;前記主コントローラは、前記第二の印刷ジョブおよび前記ストリームの前記印刷ジョブのうち残っているものを隔離し、前記複数の下流プロセッサのすべてからの前記フレーム完了信号の送信後、該送信に応答して、前記第二の印刷ジョブの前記隔離を解除する、システム。
【請求項20】
請求項18記載のシステムであって:
前記分配がさらに、複数のフォントのうちの一つをロードすることを含み、前記ロードされたフォントは前記処理の間に前記下流プロセッサによって使用され;
前記隔離はさらに、前記ロードされたフォントのアンロードを妨げることを含み;
前記解除はさらに、前記ロードされたフォントのアンロードを許容することを含み、
前記推定がさらに:
前記各セグメントの印刷要件の組を判別し;
前記印刷中に、前記各印刷待ち行列における前記印刷可能フレームの蓄積を予測し;
それぞれの前記印刷要件およびそれぞれの前記予測された蓄積から前記印刷継続時間を決定することを含む、
システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−534152(P2010−534152A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518201(P2010−518201)
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/008845
【国際公開番号】WO2009/014670
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
2.COMPACTFLASH
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】