説明

多モード干渉デバイス、1×2光分配器、異偏波間交差素子、2×2光分配器及び2×2光スイッチ

【課題】光分配器、異偏波間交差素子及び光スイッチを偏波無依存化することができる多モード干渉デバイスを提供する。
【解決手段】多モード干渉デバイス10は、幅がWであり、光伝送方向の両端に第一の端部12aと第二の端部12bとを有する。また、多モード干渉デバイス10は、第一の端部の幅方向中央に設けられた第一ポート14と、第一の端部の幅方向の両端の何れか一方からW/4だけ内側に設けられた第二ポート16と、第二の端部の幅方向の両端からぞれぞれW/4だけ内側に設けられた第三ポート18及び第四ポート20とを備え、TE偏波光を第一ポートから入力したときにTE偏波光を第三ポート及び第四ポートに均等に分配し且つTM偏波光を第二ポートから入力したときにTM偏波光を第三ポート及び第四ポートに均等に分配するように光伝送方向の長さLが定められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規構造を持つ多モード干渉デバイスと、これを利用して、TE偏波光及びTM偏波光に依らずに使用できるように偏波無依存化した、1×2光分配器、異偏波間交差素子、2×2光分配器及び2×2光スイッチとに関する。
【背景技術】
【0002】
多モード干渉デバイスは、非特許文献1などに開示されているように、公知の技術であり、例えば、半導体光導波路に基づく1入力N出力の1×N光分配器又はN入力N出力のN×N光分配器や、N×Nスイッチなどを作製するときに用いられる。
【0003】
多モード干渉デバイスによって構成した標準的な1×2光分配器(1入力2出力の光分配器)及び2×2光分配器(2入力2出力の光分配器)がそれぞれ図9及び図10に示されている。図9に示されているように、1×2光分配器では、その幅をWとしたとき、入力ポートが入力側端部の中央(すなわち、W/2の位置)に設けられ、二つの出力ポートが出力側端部の両側端からそれぞれW/4だけ内側(中央に近づく側)の位置に設けられる。また、図10に示されているように、2×2光分配器では、その幅をWとしたとき、二つの入力ポートが入力側端部の両側端からそれぞれW/4だけ内側の位置に設けられ、二つの出力ポートが出力側端部の両側端からそれぞれW/4だけ内側の位置に設けられる。このような多モード干渉デバイスによって構成された2出力の光分配器は、多モード干渉部の長さL(すなわち、入力側端部と出力側端部との距離)を適切に選ぶことによって、二つの出力ポートに光が等分配される3dB光分配器となり、多モード干渉部の長さLは、近似的に、以下の式で与えられることが一般的に知られている。
【数1】

【0004】
ここで、kは非負の整数である。また、Lcは結合長と呼ばれ、β0をゼロ次モードの伝播定数、βを1次モードの伝播係数としたときに、以下の式で定義される。
【数2】

なお、β0、β1は何れも多モード干渉部の厚さ、幅W及び偏波の種類(TE偏波、TM偏波)に依存する定数である。すなわち、多モード干渉部の長さLは、多モード干渉部の厚さ、幅W及び偏波の種類に依存して変化する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】L.B. Soldano, E.C.M. Pennings, "Optical Multi-Mode InterferenceDevices Based on Self-Imaging: Principles and Applications", J. LightwaveTechnology, vol.13, no.4, pp.615-627(1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリコン細線光導波路を用いた光回路は、大規模集積に向けた展望に明るいが、導波路コア断面の縦横比に由来して複屈折をもつことが多く、光回路の特性が偏波依存性を有する。すなわち、光回路の特性が、光回路を伝送される光がTE偏波であるかTM偏波であるかに依存する。しかしながら、光回路は、偏波の種類に依らずに用いることができるようにすることが望まれる。
【0007】
例えば、従来の多モード干渉デバイスや、これを用いて構成された光分配器や光スイッチは、上述したように、多モード干渉部の長さLの選定に用いられる結合長Lcが偏波の種類に依存して変化するので、偏波依存性を有する。このため、多モード干渉デバイスや、多モード干渉デバイスを用いて構成された従来の光分配器や光スイッチは、TE偏波光専用又はTM偏波光専用に設計されており、TE偏波光にもTM偏波光にも利用できるようにすることが望まれる。しかしながら、従来の多モード干渉デバイスやこれを用いて構成された従来の光分配器又は光スイッチには、TE偏波光及びTM偏波光の両方に利用できるように偏波無依存化されたものは存在しなかった。
【0008】
よって、本発明の目的は、従来技術に存する問題を解決して、光分配器、異偏波間交差素子及び光スイッチを偏波無依存化することができる多モード干渉デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的に鑑み、本発明は、光伝送方向の両端に第一の端部と第二の端部とを有する幅Wの多モード干渉デバイスであって、前記第一の端部の幅方向中央に設けられた第一ポートと、前記第一の端部の幅方向の両端の何れか一方からW/4だけ内側に設けられた第二ポートと、前記第二の端部の幅方向の両端からぞれぞれW/4だけ内側に設けられた第三ポート及び第四ポートとを備え、TE偏波光を前記第一ポートから入力したときに該TE偏波光を前記第三ポート及び前記第四ポートに均等に分配し且つTM偏波光を前記第二ポートから入力したときに該TM偏波光を前記第三ポート及び前記第四ポートに均等に分配するように前記光伝送方向の前記多モード干渉デバイスの長さLを定めた多モード干渉デバイスを提供する。
【0010】
上記多モード干渉デバイスでは、TE偏波光を第一ポートに、TM偏波光を第二ポートに入力することによって、TE偏波光とTM偏波光の何れの場合でも、入力光を第三ポート及び第四ポートに均等に分配して出力することができる。
【0011】
上記多モード干渉デバイスでは、TE偏波光に対する前記多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数をLcTE(W)、TM偏波光に対する前記多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数をLcTM(W)としたときに、以下の連立方程式を満たすL及びWをそれぞれ前記多モード干渉デバイスの長さ及び幅とすることが好ましい。
【数3】

【0012】
また、本発明は、入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有し前記入力ポートに光を入力すると前記TE偏波出力ポートからTE偏波光を出力すると共に前記TM偏波出力ポートからTM偏波光を出力する偏波分離素子と、上記のような多モード干渉デバイスとを備え、前記偏波分離素子の前記TE偏波出力ポートを前記第一ポートに接続すると共に、前記偏波分離素子の前記TM偏波出力ポートを前記第二ポートに接続して、偏波無依存化した1×2光分配器を提供する。上記1×2光分配器では、偏波の種類に依らずに入力光が均等に配分されるので、偏波の種類に依存せずに使用することができる。
【0013】
さらに、本発明は、上記のような多モード干渉デバイスを第二の端部同士が対向するように配置して、一方の多モード干渉デバイスの第三ポートと他方の多モード干渉デバイスの第四ポートとを接続すると共に、前記一方の多モード干渉デバイスの第四ポートを前記他方の多モード干渉デバイスの第三ポートとを接続し、前記一方の多モード干渉デバイスの第一ポートに入力されたTE偏波光が前記他方の多モード干渉デバイスの第一ポートから出力され、前記一方の多モード干渉デバイスの第二ポートに入力されたTM偏波光が前記他方の多モード干渉デバイスの第二ポートから出力されるようにした異偏波間交差素子を提供する。上記異偏波間交差素子では、第二の端部側が互いに対向して配置され、一方の多モード干渉デバイスの第三ポート及び第四ポートがそれぞれ他方の多モード干渉デバイスの第四ポート及び第三ポートに接続されているので、一方の多モード干渉デバイスの第二ポートと他方の多モード干渉デバイスの第二ポートの位置が第一ポートを挟んで反対側に配置される。したがって、第一ポートに入力されるTE偏波光と第二ポートに入力されるTM偏波光とが出力されるときに互いに対する相対位置が反転することになり、TE偏波光とTM偏波光を交差させる機能を奏する。
【0014】
上記異偏波交差素子では、前記二つの多モード干渉デバイスを一体的に形成し、幅がW、長さが2Lとなるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明は、各々が入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有する第一の偏波分離素子及び第二の偏波分離素子と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する上記の異偏波間交差素子のような第一の異偏波間交差素子と、各々が二つの入力ポートと二つの出力ポートを有するTE偏波用の2×2光分配器及びTM偏波用の2×2光分配器と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する上記の異偏波間交差素子のような第二の異偏波間交差素子と、各々がTE偏波入力ポートとTM偏波入力ポートと出力ポートとを有する第一の偏波合成素子及び第二の偏波合成素子とを順に備え、前記第一の偏波分離素子のTE偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続すると共に前記第二の偏波分離素子のTM偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続し、前記第一の偏波分離素子のTM偏波出力ポートと前記第一の異偏波間交差素子の出力側第二ポートとを前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記第二の偏波分離素子のTE偏波出力ポートと前記第一の異偏波交差素子の出力側第一ポートとを前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの入力ポートに接続し、前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続し、前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つ出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第一ポートとを前記第一の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第二ポートとを前記第二の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続して、偏波無依存化した2×2光分配器を提供する。
【0016】
また、本発明は、各々が入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有する第一の偏波分離素子及び第二の偏波分離素子と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する上記の異偏波交差素子のような第一の異偏波間交差素子と、各々が二つの入力ポートと二つの出力ポートを有するTE偏波用の2×2光スイッチ及びTM偏波用の2×2光スイッチと、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する上記の異偏波交差素子のような第二の異偏波間交差素子と、各々がTE偏波入力ポートとTM偏波入力ポートと出力ポートとを有する第一の偏波合成素子及び第二の偏波合成素子とを順に備え、前記第一の偏波分離素子のTE偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続すると共に前記第二の偏波分離素子のTM偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続し、前記第一の偏波分離素子のTM偏波出力ポートと前記第一の異偏波間交差素子の出力側第二ポートとを前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記第二の偏波分離素子のTE偏波出力ポートと前記第一の異偏波交差素子の出力側第一ポートとを前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの入力ポートに接続し、前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続し、前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第一ポートとを前記第一の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第二ポートとを前記第二の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続して、偏波無依存化した2×2光スイッチを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の多モード干渉デバイスによれば、TE偏波光専用の入力ポート及びTM偏波光専用の入力ポートが設けられ、入力光がTE偏波光の場合でも、TM偏波光の場合でも入力光を二つのポートに均等に配分することができるようになる。また、上記多モード干渉デバイスを用いれば、1×2光分配器を偏波無依存化することができる。さらに、上記多モード干渉デバイスを用いればTE偏波光とTM偏波光とを交差させる機能を果たす異偏波間交差素子を提供することができ、これを用いることによって偏波無依存化された2×2光分配器及び2×2光スイッチが提供される。このような偏波無依存化された1×2光分配器、2×2光分配器及び2×2光スイッチは、光クロスコネクトなど光ノード装置に要素素子として組み込まれる素子として特に有用となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による多モード干渉デバイスの全体構成を示す平面図である。
【図2】入力側の中央の第一ポートから入力されたTE偏波が出力側の第三ポート及び第四ポートに分配されるために満たされるべき多モード干渉部の長さLと幅Wとの関係を表す曲線と、第一ポートから偏倚した位置に設けられた入力側の第二ポートから入力されたTM偏波が出力側の第三ポート及び第四ポートに分配されるために満たされるべき多モード干渉部の長さLと幅Wとの関係を表す曲線とを示すグラフである。
【図3】有限差分時間領域法を用いて行った、入力側の第一ポートから入力されたTE偏波と入力側の第二ポートから入力されたTM偏波が多モード干渉部を伝播する様子の演算の結果を示している。
【図4】図1に示されている多モード干渉デバイスを用いて偏波無依存化した1×2光分配器の全体構成を示す平面図である。
【図5】図1に示されている多モード干渉デバイスを用いて偏波無依存化した異偏波間交差素子の全体構成を示す平面図である。
【図6】図5に示される異偏波間交差素子の変形例を示す平面図である。
【図7】図6に示されている異偏波間交差素子を用いて偏波無依存化した2×2光分配器の全体構成を示す平面図である。
【図8】図6に示されている異偏波間交差素子を用いて偏波無依存化した2×2光スイッチの全体構成を示す平面図である。
【図9】多モード干渉デバイスを用いて構成された従来の1×2光分配器の全体構成をを示す平面図である。
【図10】多モード干渉デバイスを用いて構成された従来の2×2光分配器の全体構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による多モード干渉デバイスの実施の形態を説明する。
【0020】
最初に、図1を参照して、本発明による多モード干渉デバイス10の全体構成を説明する。多モード干渉デバイス10は、シリコン薄板によって形成された多モード干渉部12と、多モード干渉部12の長さ方向の一端部(第一の端部12a)に形成された第一ポート14及び第二ポート16と、多モード干渉部12の長さ方向の他端部(第二の端部12b)に形成された第三ポート18及び第四ポート20とを備え、各ポート14,16,18,20には、例えばSiO2(二酸化ケイ素)で周囲を囲まれた入出力導波路(図示せず)が接続される。以下では、多モード干渉部12の第一の端部12aと第二の端部12bの間の距離を長さL、長さLと垂直な方向を幅W、長さ方向と幅方向に垂直な方向を厚さDと記載する。
【0021】
第一ポート14は、第一の端部12aの幅方向の中央、すなわち第一の端部12aの側端から幅方向中央へ向かってW/2だけ内側の位置に設けられ、第二ポート16は、第一の端部12aの側端の両側端の何れか一方から幅方向中央へ向かってW/4だけ内側の位置に中心が設けられる。図1では、第二ポート16は、第一の端部12aの右側端から幅方向中央へ向かってW/4だけ内側の位置に中心が設けられているが、図1に破線で描かれているように、第一の端部12aの左側端から幅方向中央へ向かってW/4だけ内側の位置に中心が設けられていてもよい。
【0022】
第一ポート14にはTE偏波光が入力され、第一ポート14に入力されたTE偏波光は、3dBの損失で第三ポート18及び第四ポート20に均等に配分されて出力されるようになっている。また、第二ポート16にはTM偏波光が入力され、第二ポート16に入力されたTM偏波光は、3dBの損失で第三ポート18及び第四ポート20に均等に配分されて出力されるようになっている。
【0023】
多モード干渉デバイス10では、第一ポート14に入力されたTE偏波光及び第二ポート16に入力されたTM偏波光が共に第三ポート18及び第四ポート20に出力されるようにするために、多モード干渉部の幅W及び長さLが以下の連立方程式(1)を満たすように定められる。
【数4】

ここで、LcTE(W)はTE偏波光に対する多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数、LcTM(W)はTM偏波光に対する多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数である。
【0024】
上記式は以下のようにして求められる。
第一ポート14に入力された光が第三ポート18及び第四ポート20に分配されて出力されるためには、結合長を表す関数をLc(W)としたとき、1×2分配器の場合と同様に、多モード干渉部12の幅W及び長さLは以下の式を満たさなくてはならない。
【数5】

【0025】
また、第二ポート16に入力された光が第三ポート18及び第四ポート20に分配されて出力されるためには、結合長を表す関数をLc(W)としたとき、2×2分配器の場合と同様に、多モード干渉部12の幅W及び長さLは以下の式を満たさなくてはならない。
【数6】

【0026】
よって、式(2)によって表される曲線と式(3)によって表される曲線の交点に対応する幅W及び長さLをそれぞれ多モード干渉部の寸法とすれば、第一ポート14から入力されるTE偏波光に対しても、第二ポート16から入力されるTM偏波光に対しても、第三ポート18及び第四ポート20から2分岐出力が得られるようになる。
【0027】
本願発明者は、第一ポート14にTE偏波光を入力すると共に第二ポート16にTM偏波光を入力し、式(2)においてk=1、式(3)においてk=0としたときに、図4に示すように、式(2)を満たすLとWの関係を表す曲線22と式(3)を満たすLとWの関係を表す曲線24とが交点を生じ、式(2)及び式(3)を同時に満たすL及びWが存在することを見出し、これに基づいて、式(1)を得た。
【0028】
実例として、図3は、厚さDが220nm、入出力導波路のコアの幅が450nm、幅Wが7.4μmとしたときのTE偏波光(図3(a))及びTM偏波光(図3(b))の伝播状態を有限差分時間領域法によって2次元演算したときのシミュレーション結果を示している。同条件で連立方程式(1)を解くと、多モード干渉部12の長さLは153μmとなる。シミュレーション結果からも、入力側端部(図1における第一の端部12a)から153μmだけ離れた位置において、TE偏波光及びTM偏波光が二つの共通する箇所に伝播していることが確認できる。したがって、これら二つの共通する箇所に第三ポート18及び第四ポート20を設ければ、第一ポート14に入力されたTE偏波光及び第二ポート16に入力されたTM偏波光の両方が第三ポート18及び第四ポート20から2分岐されて均等に出力されるようになることが分かる。
【0029】
このように、本発明の多モード干渉デバイス10では、TE偏波光を第一ポート14に入力し、TM偏波光を第二ポート16に入力すれば、TE偏波光に対しても、TM偏波光に対しても、第三ポート18及び第四ポート20から3dBの損失で2分岐出力が得られる。
【0030】
このような本発明による多モード干渉デバイス10を用いることにより、偏波無依存化された様々な要素素子を構成することができる。以下に、図4から図8を参照して、本発明による多モード干渉デバイス10を用いて構成される様々な偏波無依存の要素素子を説明する。
【0031】
図4は、図1に示されている多モード干渉デバイス10を用いて構成された偏波無依存の1×2光分配器26を示している。図4に示されている1×2光分配器26は、図1に示されている多モード干渉デバイス10と、多モード干渉デバイス10の前段に設けられた偏波分離素子28とを備える。偏波分離素子28は、入力ポート30と、TE偏波出力ポート32と、TM偏波出力ポート34とを有し、偏波分離素子28のTE偏波出力ポート32は光導波路により多モード干渉デバイス10の第一ポート14に接続され、偏波分離素子28のTM偏波出力ポート34は光導波路により多モード干渉デバイス10の第二ポート16に接続されている。偏波分離素子28としては、例えば方向性結合器を用いることができる。このような構成の1×2光分配器26によれば、一つの入力光がTE偏波光かTM偏波光かに依らずに二つに均等に分配されるようになり、偏波無依存化される。
【0032】
図5は、図1に示されているような多モード干渉デバイス42,44を二つ用いて構成された要素素子40である。図5に示されている要素素子40は、図1に示されている多モード干渉デバイス10と同様の構成を有し縦列に配置された第一の多モード干渉デバイス42及び第二の多モード干渉デバイス44を備える。第一の多モード干渉デバイス42は第一の端部に設けられた第一ポート46及び第二ポート48と第二の端部に設けられた第三ポート50及び第四ポート52とを有し、同様に、第二の多モード干渉デバイス44も第一の端部に設けた第一ポート54及び第二ポート56と第二の端部に設けられた第三ポート58及び第四ポート59とを有する。第一の多モード干渉デバイス42と第二の多モード干渉デバイス44とは、第二の端部側(第三ポート50,58及び第四ポート52,59が設けられている側)を互いに対向させて配置され、第一の多モード干渉デバイス42の第三ポート50を第二の多モード干渉デバイス44の第四ポート59に接続し且つ第一の多モード干渉デバイス42の第四ポート52を第二の多モード干渉デバイス44の第三ポート58に接続するように、光導波路によって接続されている。
【0033】
このように構成された要素素子40では、第一の多モード干渉デバイス42の第一ポート46(図5における下方左側のポート)から入力されたTE偏波光は多モード干渉デバイス44の第一ポート54(図5における上方右側のポート)から出力され、第一の多モード干渉デバイス42の第二ポート48(図5における下方右側のポート)から入力されたTM偏波光は第二の多モード干渉デバイス44の第二ポート56(図5における上方左側のポート)から出力される。すなわち、図5に示されている要素素子は、幅方向におけるTE偏波光とTM偏波光の並び順を入れ替えて出力し、TE偏波光とTM偏波光とを交差させる異偏波間交差素子40として機能する。
【0034】
図5に示されている異偏波間交差素子40の交差機能は、図6に示されている変形形態の異偏波交差素子40´のように、光導波路を用いずに、第一の多モード干渉デバイス42と第二の多モード干渉デバイス44との間を接続し、一体的に形成しても、維持することができる。したがって、図1に示されている多モード干渉デバイス10の長さLを2倍にし、第三ポート18を第一の端部12aの第二ポート16に近い側端と反対側の第二の端部12bの側端(例えば図1では、多モード干渉デバイス10の第二ポート16が第一の端部の右側端に近い側に設けられているので、第二の端部の左側端)からW/4だけ第二の端部の中央側に設け、第四ポート20を第二の端部の中央に設ければ、図6に示されている異偏波間交差素子40´となる。
【0035】
また、図5又は図6に示されている異偏波間交差素子40又は40´のTE偏波光とTM偏波光とを交差させる機能を利用すれば、2×2光分配器や2×2光スイッチの偏波無依存化を図ることが可能となる。
【0036】
図7は、図5又は図6に示されている異偏波間交差素子40´を用いて偏波無依存化した2×2光分配器(2入力2出力の光分配器)60を示す。図7に示されている実施形態では、図6に示されている異偏波間交差素子40´が使用されているが、異偏波間交差素子40´に代えて、異偏波間交差素子40を使用してもよいことはもちろんである。
【0037】
図7に示されている2×2光分配器60は、第一の偏波分離素子62及第二の偏波分離素子64と、第一の異偏波間交差素子66と、TE偏波用の2×2光分配器68及びTM偏波用の2×2光分配器70と、第二の異偏波間交差素子72と、第一の偏波合成素子74及び第二の偏波合成素子76とを順に備える。
【0038】
第一の偏波分離素子62は、入力ポート62aとTE偏波出力ポート62bとTM偏波出力ポート62cとを有する。同様に、第二の偏波分離素子64は、入力ポート64aとTE偏波出力ポート64bとTM偏波出力ポート64cとを有する。第一の偏波分離素子62及び第二の偏波分離素子64としては、入力光をTE偏波光とTM偏波光とに分離できるものであれば任意の種類の偏波分離素子を使用することができる。
【0039】
第一の偏波合成素子74は、TE偏波入力ポート74aとTM偏波入力ポート74bと出力ポート74cとを有する。同様に、第二の偏波合成素子76は、TE偏波入力ポート76aとTM偏波入力ポート76bと出力ポート76cとを有する。第一の偏波合成素子74及び第二の偏波合成素子76としては、TE偏波光とTM偏波光とを合成して出力することができるものであれば、任意の種類の偏波合成素子を使用することができる。
【0040】
TE偏波用の2×2光分配器68はTE偏波専用の二つの入力ポート68a,68bと二つの出力ポート68c,68dとを有し、TM偏波用の2×2光分配器70も同様にTM偏波専用の二つの入力ポート70a,70bと二つの出力ポート70c,70dとを有する。TE偏波用の2×2光分配器68及びTM偏波用2×2光分配器70としては、二つの入力ポートと二つの出力ポートとを有し且つTE偏波光又はTM偏波光の何れか一方のみについて二つの入力ポートに入力された光を二つの出力ポートに均等に分配できれば任意の種類の2×2光分配器を使用することができる。例えば、TE偏波用の2×2光分配器68及びTM偏波用の2×2光分配器70として、TE偏波専用又はTM偏波専用の2×2MMI(多モード干渉光導波路)を使用することができる。
【0041】
第一の異偏波間交差素子66は入力側第一ポート66a及び入力側第二ポート66bと出力側第一ポート66c及び出力側第二ポート66dとを有し、同様に、第二の異偏波間交差素子72は入力側第一ポート72a及び入力側第二ポート72bと出力側第一ポート72c及び出力側第二ポート72dとを有する。第一の異偏波間交差素子66及び第二の異偏波間交差素子72としては、図5又は図6に示されているような異偏波間交差素子40,40´が使用される。
【0042】
第一の偏波分離素子62のTE偏波出力ポート62bは、光導波路によって、第一の異偏波間交差素子66の入力側第一ポート66aに接続され、第一の偏波分離素子62のTM偏波出力ポート62cは、光導波路によって、TM偏波用の2×2光分配器70の二つの入力ポート70a,70bの一方70bに接続される。また、第二の偏波分離素子64のTE偏波出力ポート64bは、光導波路によって、第一の異偏波間交差素子66の入力側第二ポート66bに接続され、第二の偏波分離素子64のTM偏波出力ポート64cは、光導波路によって、TE偏波用の2×2光分配器68の二つの入力ポート68a,68bの一方68bに接続される。さらに、第一の異偏波間交差素子66の出力側第一ポート66cは、光導波路によって、TE偏波用の2×2光分配器68の二つの入力ポート68a,68bの他方68aに接続され、第一の異偏波間交差素子66の出力側第二ポート66dは、光導波路によって、TM偏波用の2×2光分配器70の二つの入力ポート70a,70bの他方70aに接続される。
【0043】
TE偏波用の2×2光分配器68の二つの出力ポート68c,68dの一方68cは、光導波路によって、第二の異偏波間交差素子72の入力側第一ポート72aに接続され、TE偏波用の2×2光分配器68の二つの出力ポート68c,68dの他方68dは、光導波路によって、第二の偏波合成素子76のTE偏波入力ポート76aに接続される。また、TM偏波用の2×2光分配器70の二つの出力ポート70c,70dの一方70cは、光導波路によって、第二の異偏波間交差素子72の入力側第二ポート72bに接続され、TM偏波用の2×2光分配器70の二つの出力ポート70c,70dの他方70dは、光導波路によって、第一の偏波合成素子74のTM偏波入力ポート74bに接続される。さらに、第二の異偏波間交差素子72の出力側第一ポート72cは、光導波路によって、第一の偏波合成素子のTE偏波入力ポート74aに接続され、第二の異偏波間交差素子72の出力側第二ポート72dは、光導波路によって、第二の偏波合成素子76のTM偏波入力ポート76bに接続される。
【0044】
このような構成にすることにより、二つの入力光が第一の偏波分離素子62及び第二の偏波分離素子64によってTE偏波光とTM偏波光とに分離されて第一の異偏波間交差素子66によって位置を入れ替えられた後、偏波光ごとの2入力がそれぞれの偏波光専用に設計された2×2光分配器68,70に接続されて、2×2光分配器68,70の出力が第二の異偏波間交差素子72によって再び位置を入れ替えられ、さらに、第一の偏波合成素子74及び第二の偏波合成素子76によってTE偏波とTM偏波が合成して二つの出力とされるようになる。したがって、偏波光の種類に依存せずに機能する偏波無依存の2×2光分配器60が実現される。
【0045】
同様に、図8に示されているように、図7のTE偏波専用の2×2光分配器68とTM偏波専用の2×2光分配器70とに代えて、それぞれ、二つの入力ポート78a,78bと二つの出力ポート78c,78dとを有するTE偏波専用の2×2光スイッチ78と、二つの入力ポート80a,80bと二つの出力ポート80c,80dとを有するTM偏波専用の2×2光スイッチ80とを用いることによって、偏波の種類に依存せずに機能する偏波無依存の2×2光スイッチ60´が実現される。その動作は、2×2光分配器60と同様であるので、ここでは詳しく説明しない。なお、TE偏波専用又はTM偏波専用の2×2光スイッチ78,80は、例えば二つの一般的な2×2光分配器と位相シフタによって構成することができることは公知である。
【0046】
このように本発明による多モード干渉デバイス10を用いれば、1×2光分配器26、異偏波間交差素子40,40´、2×2光分配器60、2×2光スイッチ60´などを偏波無依存化することができる。このような偏波無依存化された素子は、光クロスコネクトなど光ノード装置に要素素子として組み込むことができる。
【0047】
以上、図示される実施形態を参照して、本発明による多モード干渉デバイス10及びこれを用いた各種デバイス又は素子26,40,40´,60,60´を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、図1に示されている多モード干渉デバイス10では、第二ポート16が第一ポート14に対して図中右側に設けられているが、第一ポート14に対して図中左側に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 多モード干渉デバイス
12 多モード干渉部
12a 第一の端部
12b 第二の端部
14 第一ポート
16 第二ポート
18 第三ポート
20 第四ポート
26 1×2光分配器
28 偏波分離素子
30 入力ポート
32 TE偏波出力ポート
34 TM偏波出力ポート
40 異偏波間交差素子
40´ 異偏波間交差素子
42 第一の多モード干渉デバイス
44 第二の多モード干渉デバイス
46 第一ポート
48 第二ポート
50 第三ポート
52 第四ポート
54 第一ポート
56 第二ポート
58 第三ポート
59 第四ポート
60 2×2光分配器
62 第一の偏波分離素子
62a 入力ポート
62b TE偏波出力ポート
62c TM偏波出力ポート
64 第二の偏波分離素子
64a 入力ポート
64b TE偏波出力ポート
64c TM偏波出力ポート
66 第一の異偏波間交差素子
66a 入力側第一ポート
66b 入力側第二ポート
66c 出力側第一ポート
66d 出力側第二ポート
68 2×2光分配器
68a,68b 入力ポート
68c,68d 出力ポート
70 2×2光分配器
70a,70b 入力ポート
70c,70d 出力ポート
72 第二の異偏波間交差素子
72a 入力側第一ポート
72b 入力側第二ポート
72c 出力側第一ポート
72d 出力側第二ポート
74 第一の偏波合成素子
74a TE偏波入力ポート
74b TM偏波入力ポート
74c 出力ポート
76 第二の偏波合成素子
76a TE偏波入力ポート
76b TM偏波入力ポート
76c 出力ポート
78 2×2光スイッチ
78a,78b 入力ポート
78c,78d 出力ポート
80 2×2光スイッチ
80a,80b 入力ポート
80c,80d 出力ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送方向の両端に第一の端部と第二の端部とを有する幅Wの多モード干渉デバイスであって、
前記第一の端部の幅方向中央に設けられた第一ポートと、前記第一の端部の幅方向の両端の何れか一方からW/4だけ内側に設けられた第二ポートと、前記第二の端部の幅方向の両端からぞれぞれW/4だけ内側に設けられた第三ポート及び第四ポートとを備え、TE偏波光を前記第一ポートから入力したときに該TE偏波光を前記第三ポート及び前記第四ポートに均等に分配し且つTM偏波光を前記第二ポートから入力したときに該TM偏波光を前記第三ポート及び前記第四ポートに均等に分配するように前記光伝送方向の前記多モード干渉デバイスの長さLを定めたことを特徴とする多モード干渉デバイス。
【請求項2】
TE偏波光に対する前記多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数をLcTE(W)、TM偏波光に対する前記多モード干渉デバイスの結合長を表す幅Wの関数をLcTM(W)としたときに、以下の連立方程式を満たすL及びWをそれぞれ前記多モード干渉デバイスの長さ及び幅とした、請求項1に記載の多モード干渉デバイス。
【数7】

【請求項3】
入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有し入力ポートに光を入力すると前記TE偏波出力ポートからTE偏波光を出力すると共に前記TM偏波出力ポートからTM偏波光を出力する偏波分離素子と、請求項1又は請求項2に記載の多モード干渉デバイスとを備え、前記偏波分離素子の前記TE偏波出力ポートを前記第一ポートに接続すると共に、前記偏波分離素子の前記TM偏波出力ポートを前記第二ポートに接続して、偏波無依存化したことを特徴とする1×2光分配器。
【請求項4】
二つの請求項1又は請求項2に記載の多モード干渉デバイスを第二の端部同士が対向するように配置して、一方の多モード干渉デバイスの第三ポートと他方の多モード干渉デバイスの第四ポートとを接続すると共に、前記一方の多モード干渉デバイスの第四ポートを前記他方の多モード干渉デバイスの第三ポートとを接続し、前記一方の多モード干渉デバイスの第一ポートに入力されたTE偏波光が前記他方の多モード干渉デバイスの第一ポートから出力され、前記一方の多モード干渉デバイスの第二ポートに入力されたTM偏波光が前記他方の多モード干渉デバイスの第二ポートから出力されるようにしたことを特徴とする異偏波間交差素子。
【請求項5】
前記二つの多モード干渉デバイスを一体的に形成し、幅がW、長さが2Lとなるようにした、請求項4に記載の異偏波間交差素子。
【請求項6】
各々が入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有する第一の偏波分離素子及び第二の偏波分離素子と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する請求項3又は請求項4に記載の第一の異偏波間交差素子と、各々が二つの入力ポートと二つの出力ポートを有するTE偏波用の2×2光分配器及びTM偏波用の2×2光分配器と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する請求項3又は請求項4に記載の第二の異偏波間交差素子と、各々がTE偏波入力ポートとTM偏波入力ポートと出力ポートとを有する第一の偏波合成素子及び第二の偏波合成素子とを順に備え、
前記第一の偏波分離素子のTE偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続すると共に前記第二の偏波分離素子のTM偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続し、
前記第一の偏波分離素子のTM偏波出力ポートと前記第一の異偏波間交差素子の出力側第二ポートとを前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記第二の偏波分離素子のTE偏波出力ポートと前記第一の異偏波交差素子の出力側第一ポートとを前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの入力ポートに接続し、
前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続し、
前記TM偏波用の2×2光分配器の前記二つ出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第一ポートとを前記第一の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光分配器の前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第二ポートとを前記第二の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続して、偏波無依存化したことを特徴とする2×2光分配器。
【請求項7】
各々が入力ポートとTE偏波出力ポートとTM偏波出力ポートとを有する第一の偏波分離素子及び第二の偏波分離素子と、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する請求項3又は請求項4に記載の第一の異偏波間交差素子と、各々が二つの入力ポートと二つの出力ポートを有するTE偏波用の2×2光スイッチ及びTM偏波用の2×2光スイッチと、入力側第一ポート及び入力側第二ポートと出力側第一ポート及び出力側第二ポートとを有する請求項3又は請求項4に記載の第二の異偏波間交差素子と、各々がTE偏波入力ポートとTM偏波入力ポートと出力ポートとを有する第一の偏波合成素子及び第二の偏波合成素子とを順に備え、
前記第一の偏波分離素子のTE偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続すると共に前記第二の偏波分離素子のTM偏波出力ポートを前記第一の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続し、
前記第一の偏波分離素子のTM偏波出力ポートと前記第一の異偏波間交差素子の出力側第二ポートとを前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記第二の偏波分離素子のTE偏波出力ポートと前記第一の異偏波交差素子の出力側第一ポートとを前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの入力ポートに接続し、
前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第二ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの一方を前記第二の異偏波間交差素子の前記入力側第一ポートに接続し、
前記TM偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第一ポートとを前記第一の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続すると共に、前記TE偏波用の2×2光スイッチの前記二つの出力ポートの他方と前記第二の異偏波間交差素子の前記出力側第二ポートとを前記第二の偏波合成素子の前記二つの入力ポートに接続して、偏波無依存化したことを特徴とする2×2光スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−24981(P2013−24981A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158030(P2011−158030)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】