説明

多孔性アガロースビーズを製造するための方法及び装置

【課題】小型かつ安価なアガロースビーズの製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】アガロース2を適当な液体中で溶解/ゲル化する;疎水性液体と混合しエマルジョン10を形成、そのエマルジョンをアガロースのゲル化点以上の温度で維持する;静的ミキサー12を通過させアガロースの液滴14を生成;疎水性液体の第2浴16で固化させることを含む方法によって上述の課題を解決する。次にビーズを洗浄し、架橋し、多様な官能化を加えて処理する。別の固化方法は連続的に冷却する。アガロースのコーティングをコア上に形成するために、上述の方法を同様な方法を芯を有するビーズのために使用することができる。既存のビーズ上にアガロースの複数の層を加えるために、均質なアガロースビーズまたは芯を有するアガロースビーズとともに同様な処理を使用することができ、前記処理を実施するための装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔性アガロースビーズを製造するための処理及び装置に関する。詳細に述べると、本発明は均質な、または芯(または、コア)を有する多孔性アガロースビーズを製造するための連続的な処理及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アガロースビーズは最も一般的なクロマトグラフィーの媒体のための基本マトリックスである。アガロースはそれの非特異的な吸収作用、親水性、酸、塩基、及び溶媒に対する強い化学的耐性、高い多孔性、並びに、架橋及び官能化のための豊富なOH基等の理由により、基本マトリックスとして理想的である。多くのイオン交換及び親和充填層媒体はアガロースビーズを基材にしている。もう1つのタイプの媒体は外側にアガロースのコーティングを有する粒子である。そのような粒子は粒子の密度が流動的な流れに対する浮揚性に対抗するために制御されなければならない流動床において便利である。
【0003】
アガロースビーズの最も一般的な製造方法は攪拌容器内でアガロース液体及び疎水性液体を接触させることによる製造方法である。このバッチ処理は均質的及び芯を有するビーズの両方の製造に使用することができる。均質なビーズの場合、アガロースの固体は約900℃に加熱された水で溶解される。高温の溶液は次に、攪拌容器の高温の疎水性流体の中に注がれる。疎水性流体はトルエンまたは鉱油等の溶剤であってもよい。これら2つの流体は混ざり合わないので、これら2つの液体は一定の攪拌によってアガロース溶液が疎水性流体中に浮遊する液滴となるエマルジョンになる。通常、液滴が大きな液滴に凝集しないように、液滴を安定化させるための、疎水性流体に溶解可能な表面活性剤が添加される。エマルジョンは次に、アガロースビーズをゲル状にするために冷却される。この固体は次に、洗浄され、使用し易い範囲の寸法に分けるためにふるいにかけられる。
【0004】
特許文献1及び特許文献2は芯を有するビーズを製造するために上述の方法と同様な方法を使用している。これらの特許の唯一の違いは、アガロース溶液を疎水性流体と混合するために、それをコア(または、芯)と混合させることである。攪拌によりコアの凝集体が分解し、より小さい寸法のアガロース溶液となる。約5〜10分の所定の滞留時間の後、溶液はアガロース溶液をゲル状に固化させるために30分程度の時間で徐々に冷却される。この固体は次に、洗浄され、使用し易い範囲の寸法に分けるためにふるいにかけられる。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4971833号明細書
【特許文献2】米国特許第5866006号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
均質なビーズの場合、従来技術のバッチ処理の欠点は処理量にある。アガロースを液滴状に形成するために、疎水性の流体の容量はアガロース溶液に対して少なくとも3対1以上でなければならない。例えば、500lのビーズを製造するために、容器は溶剤及びアガロース溶液に対し2000lの合計容量を有さなければならない。大規模な処理の場合、数万リットルの容量を有する反応器を使用することも珍しくない。これらの大型の容器は加熱及び冷却に対し非常に長い時間を必要とする。また、最適な設定状態の場合であっても、ビーズの寸法の分布は広範囲なものとなり、小さい単一のコア(または、芯)を有するビーズの比率は小さい。さらに、攪拌容器中の混合は本質的に統計的な処理である。各ビーズはそれの独自の行程を有し、異なったせん断の過程を有する。これらの非均一性のために、結果として生ずるビーズは寸法及び(または)コーティングの厚さ等に関し、多様に異なった特性を有してしまう。
【0007】
多くの特許出願は加熱及び冷却等の全ての処理が30分以内で行われるベンチスケール処理を開示している。しかしながら、実際の大量生産の規模において、この処理時間は非常に長いものとなるだろう。また、工程中の多くの時点で、トルエン等の可燃性溶剤が使用されるので、装置や施設に対する防爆処置は莫大な費用を要する。
【0008】
これらの問題点は、芯を有するビーズの製造処理のために上述の処理を使用する場合にも問題となる。混合用容器において、せん断力は非均一である。容器の死積(dead area)において、せん断力はコアを分解するために十分ではないので、複数のコアの大きな凝集体が生ずる。しかしながら、攪拌速度を大きくした場合、インペラ付近のせん断力はアガロース溶液をコアから部分的に及び(または)完全に引き剥がしてしまうだろう。この理由のために、混合用容器は単一の芯を有するビーズに対する処理量が小さい。また、多くのビーズは2つまたはそれ以上のコアを有する。複数の芯を有するビーズは流動床内でそれらの密度を増大させ、それらの動きを制御するために流動床に対する使用に対して有用であるが(米国特許No.6,428,707参照)、拡散経路及び剛性が最終的な目的である充填層クロマトグラフィーに対しては望まれないものである。
【0009】
ビーズの製造に対し、大規模なバッチ処理の代わりに、本質的に連続的な処理を使用することが望まれている。アガロースのバッチ処理は広く研究され、開示されているが、連続的な処理に対する特許または文献はほとんど存在しない。
【0010】
それゆえ、高処理量を有し、単一の芯を有するビーズの高い生産性を有し、連続的であり、防爆機材を必要とせず、製造及び処理が小型かつ安価なアガロースビーズの製造方法及び装置の開発が望まれている。また、これらの方法及び装置にさらなる柔軟性を与えるために、同一の処理を均質な、または芯(または、コア)を有するビーズの両方に対して使用可能であることが望まれている。本発明はそのような処理または装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は均質な、または芯(または、コア)を有するアガロースビーズを形成するための方法及び装置に関する。本発明の方法はアガロースを適当な液体中で溶解/ゲル化すること;それを、エマルジョンを形成するために、油中の水のエマルジョンを安定するために使用されるタイプの乳化剤を含む疎水性液体と混合し、そのエマルジョンをアガロースのゲル化温度以上の温度で維持すること;アガロースの液滴(または、小滴)を生成するためにそれを、1つまたは複数の静的ミキサーを通過させること;及び、アガロースの液滴を疎水性液体の第2浴で固化させることを含む。もう1つのアガロース液滴を固化するための方法は流体の流れが静的ミキサーを出た後に、それを連続的に冷却するために熱交換器を使用することである。ビーズは次に、洗浄された後にその状態で使用されてもよいし、またはアガロースを架橋するために、及び(または)アガロースに多様な官能化を加えるためにさらに処理されてもよい。
【0012】
好まれるものとして、アガロースのコーティングをコア上に形成するために、アガロースが最初に疎水性液体に入れられる前にアガロースにビーズ形状のコアが導入されることを除いて、上述の方法を同様な方法を芯(または、コア)を有するビーズのために使用することができる。
【0013】
既存のビーズ上にアガロースの複数の層を形成するために、(本発明の処理または他の処理によって製造された)均質なアガロースビーズまたは(本発明の処理または他の処理によって製造された)芯を有するアガロースビーズとともに同様な処理を使用することができる。
【0014】
上述の方法に従ってビーズを製造するための装置は、連続的な処理を生成するために、好まれるものとして一列に並んだ、または好まれるものとして互いに流体の伝達関係にある、アガロースゲル化タンク、第1浴、1つまたは複数の静的ミキサー、及び第2浴を含む。
【0015】
もう1つの装置において、第2浴は静的ミキサーから出てくるアガロースビーズを冷却するための熱交換器によって置き換えられてもよい。代替的な形式において、両方の浴は熱交換器によって置き換えられ、第1熱交換器がエマルジョンを加熱し、アガロースをそれのゲル化点(または、ゲル化温度)以上の温度に維持するために使用され、第2熱交換器がアガロースをゲル状にし、ビーズまたはコアのコーティングを形成するために静的ミキサーによって形成されたアガロースビーズを冷却するために使用されてもよい。もう1つの実施例はアガロース溶液を形成するための第1熱交換器;エマルジョンまたは表面活性剤とともに加熱された第1液体を形成するための第2熱交換器;エマルジョンを形成するために第1及び第2熱交換器の液体を受容するための第1静的ミキサー;エマルジョンを受容し、アガロースの液滴を形成するための第2静的ミキサー;及び、アガロースの液滴を受容し、アガロースが均質なビーズ状に形成される、またはアガロースがビーズ上にコーティングされるように、それらを第2液体中でアガロースのゲル化点(または、ゲル化温度)未満の温度に冷却させるための第3静的ミキサーを使用する。
【0016】
本発明のもう1つの実施例は:アガロース溶液を形成するための第1熱交換器;乳化剤または表面活性剤を含む、加熱された第1液体を形成するための第2熱交換器;エマルジョンを形成するために第1及び第2の熱交換器の液体を受容するための第1静的ミキサー;エマルジョンを受容し、アガロースの液滴を形成するための第2静的ミキサー;及び、アガロースの液滴を受容し、第2液体内でアガロース液滴をアガロースのゲル化点未満に冷却し、アガロースが均質なビーズまたはアガロースでコーティングされたコアを有するビーズを形成することを生じさせる第2熱交換器を使用する。
【0017】
本発明の処理によって製造されたビーズ、特に均質なビーズの1つの用途は充填層クロマトグラフィー媒体である。
【0018】
本発明の処理によって製造された芯を有するビーズの1つの用途は流動床または磁化床(magnetized bed)である。
【0019】
これらの芯を有するビーズのもう1つの用途は充填層媒体に剛性を与え、物質移動経路(mass transfer path)を制御することである。剛性の媒体は高く積み重ねることができ、それによって、高い吸収性または交換性の能力を達成できる。拡散経路を短くすることにより、ゲルは均質なビーズより大幅に高い効率で使用することができる。特定の動作条件において、芯を有するビーズは鋭い溶出ピーク及び少ない緩衝剤の消費を達成することができる。
【0020】
本発明の目的はアガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された第1疎水性液体及び乳化剤に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロースの液滴(または、小滴)を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出すこと;
e.前記アガロース液滴をビーズ状にゲル化させるために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第2疎水性液体中に流し込むこと;及び、
f.前記アガロースビーズを前記疎水性液体から分離することを含む製造方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的はアガロースビーズの製造方法であって:
g.アガロース及び複数の芯を有するビーズを水溶液に添加すること;
h.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
i.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された第1疎水性液体及び乳化剤に前記加熱された水溶液を添加すること;
j.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出すこと;
k.前記アガロース液滴をビーズ状にゲル化させるために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第2疎水性液体中に流し込むこと;及び、
l.前記アガロースビーズを前記疎水性液体から分離することを含む製造方法を提供することである。
【0022】
本発明の目的はアガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体及が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された疎水性液体及び乳化剤を含む第1浴に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出すこと;
e.多孔性アガロースビーズを形成するために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第2浴中に流し込むこと;
f.前記アガロースビーズを前記第2浴の液体から分離すること;
g.ステップfのアガロースビーズを架橋させること;
h.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
i.前記第2溶液にステップgのアガロースビーズを添加すること;
j.ステップgのビーズ及びステップhの溶液を疎水性液体を含む第3浴に添加することであって、前記第3浴は結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、ステップiのビーズ及び第2アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
k.ステップgのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップjの前記エマルジョンを、静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第4浴中に汲み出すこと;及び、
l.ステップkのコーティングされたアガロースビーズを第4浴から分離することを含む製造方法を提供することである。
【0023】
本発明の目的は多孔性アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された疎水性液体及び乳化剤を含む第1浴に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出し、多孔性アガロースビーズを形成するために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第2浴中に流し込むこと;
e.前記アガロースビーズを前記第2浴の液体から分離すること;
f.ステップeのアガロースビーズを架橋させること;
g.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
h.前記第2溶液にステップfのアガロースビーズを添加すること;
i.ステップhのビーズ及び溶液を疎水性液体を含む第3浴に添加することであって、前記第3浴は結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、ステップhのビーズ及び第2アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
j.ステップfのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップiの前記エマルジョンを、静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第4浴中に汲み出すこと;
k.ステップjのコーティングされたアガロースビーズを第4浴から分離すること;及び、
l.複数の層のビーズを形成するためにステップf−kを1回以上繰り返すことを含む製造方法を提供することである。
【0024】
本発明の目的は多孔性アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体及が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された疎水性液体及び乳化剤を含む第1浴に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出し、多孔性アガロースビーズを形成するために、前記液滴をアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第2浴中に流し込むこと;
e.前記アガロースビーズを前記第2浴の液体から分離すること;
f.ステップeのアガロースビーズを架橋させること;
g.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
h.前記第2溶液にステップfのアガロースビーズを添加すること;
i.ステップhのビーズ及び第2溶液を疎水性液体及び乳化剤を含む第3浴に添加することであって、前記第3浴は結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、ステップhのビーズ及び第2アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
j.ステップfのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップiの前記エマルジョンを、静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第4浴中に汲み出すこと;及び、
k.ステップjのコーティングされたアガロースビーズを第4浴から分離することを含む製造方法を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的はアガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解するためにアガロースのゲル化点より高い温度に加熱された第1容器;前記水溶液の導入のための前記第1容器の吸入口;アガロースのゲル化点より高い温度で維持された疎水性液体及び乳化剤を含む加熱された第1浴;疎水性液体のための第1浴への第1吸入口、及び前記第1容器の前記溶液のための第1浴への第2吸入口であって、前記第1容器と流体の伝達が可能な第2吸入口;アガロースのゲル化点未満の温度で維持されている疎水性液体を含む第2浴への吸入口と流体の伝達が可能な静的ミキサーの吸入口と流体の伝達が可能な前記第1浴からの排出口;及び、前記第2浴からの排出口を備える装置を提供することである。
【0026】
本発明のもう1つの実施例において、第2疎水性液体(第2浴)は熱交換器によって置き換えられてもよく、第1は静的ミキサーを出た後、液滴及び疎水性液体をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却して、アガロース液滴をアガロースビーズにゲル化するために前記熱交換器を通過してもよい。そして、アガロースビーズは疎水性液体から回収される。
【0027】
本発明のさらなる目的はアガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中でゲル化させるためのタンク;第1疎水性液体及び乳化剤を加熱するための浴;前記タンク及び前記浴から前記液体のエマルジョンを生成するために第1静的ミキサーの吸入口に合流する前記タンクの第1排出口及び前記浴の第2排出口;を備え、前記浴はアガロース溶液のゲル化温度以上であり;さらに、液滴がアガロースビーズにゲル化することを生じさせるためにアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却する能力を有する熱交換器の吸入口に接続された前記第1静的ミキサーの排出口;及び、前記熱交換器の排出口を備える製造装置を提供することである。
【0028】
本発明の付加的な実施例において、前記浴及びタンクはアガロース水溶液及び乳化剤を含む疎水性液体を静的ミキサー内で混合する前にそれらを加熱するための熱交換器によって置き換えられてもよい。
【0029】
本発明のもう1つの目的はアガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解し、溶解されたアガロース溶液を複数のビーズのコアと混ぜ合わせるためにアガロースのゲル化点より高い温度に加熱された第1容器;前記水溶液の導入のための前記第1容器の吸入口;アガロースのゲル化点より高い温度で維持された疎水性液体を含む加熱された第1浴;疎水性液体のための第1浴への第1吸入口、及び前記第1容器の前記溶液のための第1浴への第2吸入口であって、前記第1容器と流体の伝達が可能な第2吸入口;アガロースのゲル化点未満の温度で維持されている疎水性液体を含む第2浴への吸入口と流体の伝達が可能な静的ミキサーの吸入口と流体の伝達が可能な前記第1浴からの排出口;及び、コーティングされたビーズを回収するために前記第2浴からの排出口を備える装置を提供することである。
【0030】
本発明のもう1つの目的はアガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解するためにアガロースのゲル化点以上の温度に維持された第1熱交換器;及び、アガロースのゲル化点以上の温度に位置された疎水性液体及び乳化剤を含む第2熱交換器を備え;前記第1熱交換器の排出口及び前記第2熱交換器の排出口は、第1熱交換器の溶液及び第2熱交換器の液体のエマルジョンを形成するための第1静的ミキサーの吸入口と流体の伝達が可能であり;前記第1静的ミキサーからの排出口は前記エマルジョンの液滴を生成するための第2静的ミキサーと流体の伝達が可能であり;前記第2静的ミキサーからの排出口は、アガロース液滴をゲル化させるためにアガロースのゲル化点未満の温度に維持された疎水性液体を含む第3熱交換器の吸入口と流体の伝達が可能であり;そして、前記第3熱交換器からの排出口をさらに備える装置を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
アガロースビーズ形成の非均質性を最小にし、そのようなビーズの連続的な製造方法を提供するために、本発明はビーズを形成するために攪拌容器の代わりに、静的ミキサーを使用する。好まれるものとして、静的ミキサーは小型の径を有し、小型で、高いせん断力の静的ミキサーである。静的ミキサーは非常に小さな滞流容積(または、残留容積)を有するので、ビーズのせん断過程は攪拌容器よりも大幅に均質である。静的ミキサーにおいて、容器の死積(dead area)はほとんど存在しない。滞流容積は非常に小さいので、せん断領域は非常に均一である。この均一性は、静的ミキサーがホモジナイザー手法に比べ、大幅に小さいせん断比率で動作することを可能にする。均一で小さいせん断比率はビーズの製造に対して、設定された寸法の範囲及びコーティングの厚さとともに優れた制御性を与え、高い確率での単一の芯を有するビーズの産出を可能にする。
【0032】
凝集体(または、塊)を分解し、芯(または、コア)を有するアガロースビーズ及び均質なアガロースビーズの粒子寸法を制御するために十分に高いせん断を生成するために、約50〜600l/時の高い流量が約3.17〜25.4mmの小口径の静的ミキサーを通して注入される(または、汲み出される)。代替的に、または付加的に、凝集体を分解し、ビーズの粒子寸法を制御するために必要な、所望のせん断を生成するために、同等または低い速度で大きなせん断を生成する要素を備えたミキサーが使用されてもよい。適当な静的ミキサーは例えば、Model KMR-SAN-12(0.5インチ(12.7mm)径、12要素)等のケニックス静的ミキサー、及びRoss ISG静的ミキサー(0.5インチ(12.7mm)径、10要素)等を含む。また、他の商業上入手可能な静的ミキサーも本発明とともに使用することができる。
【0033】
均質なビーズは使用されるせん断力、溶液中アガロースの量、及び他の要因によって決定される寸法範囲の変量とともに上述の処理を介して形成される。
【0034】
上述の要因の全ての組み合わせによって、ほとんどの粒子が単一のコア上に実質的に均一にコーティングされた状態の、芯を有する粒子が製造される。最適な動作条件において、単一のコアの産出率は80%程度を達成することができる。従来技術の攪拌容器を使用した場合、最適な産出率は30%である。
【0035】
以下に、図1Aとともに本発明のビーズの製造方法を説明する。アガロース2は水溶液を含む容器またはタンク4に添加され、水溶液中のアガロースを溶解するためにそれのゲル化点以上の温度に加熱される。(アガロースの種類にも依存するが、この温度は通常、約80℃〜約120℃である。)
【0036】
アガロースのための好まれる溶剤は水であるが、アガロースの溶解性を高めるために、重量比で20%以下の1つまたは複数の共溶媒が加えられてもよい。適当な共溶媒の例はジメチルアセトアミド及び(または)ジメチルスルホキシドである。他の共溶媒は当業者にとって明白であるだろう。
【0037】
溶解したアガロースを含む溶液6は次に、疎水性流体及び(Sigma ChemicalのSpan 80等の)乳化剤を含む第1バッチ8に加えられる。疎水性流体は好まれるものとして鉱油等の油であり、アガロースを溶液状のままで維持するために、それのゲル化点以上の温度に加熱されている。これは、油が連続的な相であり、アガロース溶液が非連続的な相である、連続的相及び非連続的相を有する液体のエマルジョンを形成する。好まれるものとして、バッチ8はエマルジョン10を維持するために攪拌される(図示せず)。溶液及び疎水性液体をバッチ8内に維持しておく時間の長さはエマルジョンの形成の速度、浴の温度、浴に加えられたアガロースの量、浴内の攪拌の量、及び他のパラメーターに依存する。通常、溶液はエマルジョンを形成するのに十分な時間の間だけ浴内に維持される。通常、この時間は約3〜30分である。好まれるものとして、エマルジョンの形成を促進するために攪拌が使用される。攪拌はこの分野で周知の多様なミキサーを使用して実施することができるだろう。浴内の攪拌のために好まれる手段はIKA MODEL P4攪拌器等の吊り下げ式攪拌器の約5分間の使用である。
【0038】
エマルジョン10は次に、望まれるビーズのための適当な寸法のアガロース溶液の液滴14を生成するために静的ミキサー12を通して流される。好まれるものとして、エマルジョン10は静的ミキサー12を通して注入される(または、汲み出される)。液滴14は静的ミキサー12から出て、アガロースのゲル化点未満の温度に維持された、(好まれるものとして、乳化剤を含まない)疎水性液体を含む第2の浴16に入る。これは、アガロース溶液の液滴がゲル化し、概略球形の自己支持型のアガロース構造を形成することを生じさせる。好まれるものとして、第2浴16は約1〜約70℃、さらに好まれるものとして約1〜約25℃、最も好まれるものとして約5〜約10℃の温度に維持される。
【0039】
ビーズは次に、デカンテーションまたは遠心分離等によって回収され、好まれるものとして、水で洗浄され、好まれるものとして、水浴等の濡れた状態で維持される。最適な洗浄ステップは浴から(多孔性ビーズ構造内に混入する可能性がある)疎水性液体を完全に除去するために、約15〜約50℃、好まれるものとして、約20〜50℃の間の温度で実施される。ビーズは次に、その状態で使用されてもよいし、または架橋及び(または)官能化等のさらなる処理が施されてもよい。
【0040】
選択的に、ビーズは架橋の後に、ビーズの外側にアガロースのもう1つの層を生成するために、2回目の上述の処理を実施されてもよい。さらに、その後に付加的な上述の処理が実施されてもよい。そのようなその後の処理において、アガロースは同一のアガロースであってもよいし、(例えば、3%アガロース溶液、6%または4%の溶液等のアガロースの濃度;添加物;その他のパラメーター等において)異なったアガロースであってもよい。
【0041】
上述したように、図1Bに示されている、図1Aの代替的な実施例において第2流体浴16は、液滴を含む第1疎水性流体をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却し、それらがゲル化して自己保持的なアガロース構造を形成することを生じさせる熱交換器17によって置き換えられている。熱交換器17は適当な長さを有し、静的ミキサーを出たアガロースの温度を制御された様式で低下させる能力を有するものであってもよい。それは1つの温度しか与えられないものであってもよいし、必要であれば、液体に温度勾配を与えるために複数に分割されたもの、または複数の熱交換器から構成されたものであってもよい。通常、熱交換器は約1℃〜約70℃の温度、好まれるものとして約1℃〜約50℃の温度、さらに好まれるものとして約15℃〜約45℃の温度のものである。
【0042】
さらに、上述されたように、アガロース溶融タンク4及び(または)第1浴8もまた、必要であれば、(第2浴の代わりに、または第2浴とともに)熱交換器によって置き換えられてもよい。
【0043】
図2には1つの材料による中央のコア3及びそのコアの外部にコーティングされた1つまたは複数のアガロースの層を有する、芯を有するビーズを生成するためい使用することができる、図1の実施例と同様な処理が示されている。コア3は第1ステップにおいて処理(容器4)に導入され、処理中にアガロース2によってコーティングされる。
【0044】
選択的に、このシステムは、一方または両方の浴及び溶剤容器が熱交換器装置によって置き換えられた状態で設計されてもよい。
【0045】
図3に示されているもう1つの実施例において、アガロース2が好まれるものとして、攪拌器5によって示されている攪拌手段を備えた、上述したような、加熱された容器4内で溶解されるのに対し、疎水性流体9は熱交換器11によって別個に加熱される。容器4及び熱交換器11の内容物はエマルジョンを形成し、アガロースの液滴を生成するためにポンプ13A及び13Bを介して静的ミキサー12の吸入口15に注入される。液滴は次に、液滴をゲル化させるために、アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む浴16内に流れ込む。ビーズは次に、油/ビーズ/水分離器17等で分離され、そして、ビーズは選択的に、分別器またはふるい19によって異なった寸法にふるい分けられるか、または分別される。本発明の均質なビーズ及び芯を有するビーズは同様な処理及び装置によって製造することができ、それらの間の唯一の違いは芯を有するビーズを製造するときに、図3に示されているように、コアが容器4に添加されることである。
【0046】
図4は本発明に従ったビーズを製造するためのもう1つの方法及び装置を示している。この実施例において、全ての容器及び浴は配合器、熱交換器、及び(または)静的ミキサーによって置き換えられている。アガロース20(及び、選択的にコア21)及び水溶液22は加熱された配合器24に加えられる。選択的に、水溶液はアガロースのゲル化を促進するために事前に加熱されてもよい。第1熱交換器28で加熱された乳化剤26を含む疎水性液体及び配合器24からの疎水性液体26及びアガロース溶液はアガロース液滴またはアガロース/コア液滴を形成するために第1静的ミキサー30で混ぜ合わされる。第2疎水性液体31は示されているように(例えば、室温または20℃等の)アガロースのゲル化点未満の温度で供給されてもよいし、または第2熱交換器(図示せず)で冷却されてもよい。第2液体31及び第1静的ミキサー30の出力からの流体は液滴をゲル化させるために第2静的ミキサー34を通って流される。第2静的ミキサーからの流体は次に、選択的に、この実施例で示されているように、遠心分離機36を使用して分離され、ビーズはふるい38に向けられ、残りの材料(水溶液、疎水性液体等)は除去されてもよいし、またはリサイクルシステム40に供給されてもよい。
【0047】
図5は本発明に従ったビーズを製造するためのもう1つの方法及び装置を示している。この実施例において、本発明の方法及びシステムは、配合器24がアガロース、水溶液、及び選択的なコアを加熱する熱交換器25によって置き換えられている点を除いて、図4の実施例と実質的に同一である。
【0048】
図6に図示されているように、本発明に従って製造された均質なビーズは極めて規則的である。図7に示されているように、後で説明する実施例2によって製造されたポリスチレンのコアのアガロースのコーティングは非常に均質的である。実際、単分散のポリスチレンのコアを使用したときの、単一の芯を有するゲル粒子の偏差は5%以内であり、それはおそらく、今までに報告されたゲル媒体において最も均一なゲル媒体であるだろう。図8は以下の実施例3の、アルカリ耐性コア上のアガロースコーティングを示している。図9は以下の実施例4に従って作製された、アガロースをコアにしてアガロースでコーティングされたビーズを示している。図10は以下の実施例5に従った複数の層を有するビーズを示している。
【0049】
本発明の大きな注入速度(または、汲み出し速度)を有するので製造の処理量は実質的に無制限である。各静的ミキサーは最高で150l/時のビーズを製造することができる。このミキサーの寸法は概略的に鉛筆程度であるので、これらのミキサーを並列に多数並べることにより、非常に均一なビーズを安価に大量生産することができる。本発明の方法及び装置はビーズを生成するために、1つまたは複数のポンプ及び複数の安価な静的ミキサーしか必要としない。この構成により、図面に図示されているように、本質的に連続的なビーズ製造システムを生成することが可能となる。本発明のシステムのもう1つの長所は同一のシステムを芯を有するビーズまたは均質なビーズのどちらの製造に対しても使用することができるということである。しかしながら、均質なビーズの場合、ビーズの最終的な寸法を制御するためのコアが存在しないので、寸法の分布が大きくなるだろう。
【0050】
多様なアガロースを本発明において使用することができる。1つの適当なアガロースはHispanagarのD-5である。アガロースは通常、水溶液に対する重量比で約1〜25%の濃度で使用される。
【0051】
本発明のコーティングされたアガロースのコアはクロマトグラフィーで使用可能な多様な材料から作製されてもよい。例えば、コアは(本発明に従って、または他の処理によって作製された)架橋されたアガロースビーズ、プラスチック、金属、ガラス、またはセラミックであってもよい。好まれるものとして、作製されるビーズが高い剛性を有することが望まれる場合、コアは本発明の処理で使用される温度で溶融せず、自己支持型の材料から選択されてもよい。(制限ではないが)適当な材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド、多層化されたポリエチレン/ポリプロピレンビーズ、アクリル樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、PVDF、またはPTFE等のプラスチック;ホウ珪酸ガラス、アルカリ耐性ガラス、及び制御多孔ガラス(controlled pore glass)等のガラス;ステンレススチール、ニッケル、チタン、パラジウム、コバルト、多様な鉄、鉄を含む磁性材料、または他の磁化された金属合金及びそれらの合金等の金属;及び、珪酸塩材料、ジルコニア、及び多様なセラミックのブレンド等のセラミックを含む。
【0052】
コアは好まれるものとして、概略球形、または不規則な粒子形状を有する。それらの径はビーズの寸法に依存し、好まれるものとして、約30〜150マイクロメートルの径を有する。
【0053】
アガロースビーズの製造において一般的なように、製造を向上させるため、またはビーズに特定の特性を与えるために多様な添加物を使用することができる。
【0054】
添加物の1つのクラスは溶液に対して混和性の揮発性有機体を含む。それらの例はメタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコールである。これらは溶液が僅かに濁る程度の濃度以下で使用することができる。これらのアルコールの量が多すぎるとアガロースの析出が起こる可能性がある。アセトン等の混和性のケトンを使用することもできるが、ケトン−水混合物に対するアガロースの可溶性は小さいので注意が必要である。また、これらの材料の2つまたはそれ以上の混合物が使用されてもよい。
【0055】
添加物の他のクラスは非揮発性の混和性有機体を含む。(制限ではないが)これらの例はグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、メチル、エチル、エチレンエチレングリコールのグリコールのn−ブチルアルコール、エチレングリコールのジメチルエーテルアセテートエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、n−メチルモルホリン、n−エチルモルホリン、及び同等の物質を含む。低分子量のポリエチエングリコールもまた、このクラスの材料の例である。また、これらの材料の2つまたはそれ以上の混合物も本発明にて使用することができる。
【0056】
添加物のもう1つのクラスは、例として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、デキストランを含む水溶性ポリマー、及びポリジメチルアクリルアミド等の置換ポリアクリルアミドと含む水溶性ポリアクリルアミドを含む。これらのポリマー添加物は最初の溶解ステップにおいてアガロースとのブレンドとして使用されてもよいし、またはアガロースの添加及び溶解の後に溶液中に溶解されてもよい。これらの処理において、溶液の凝固が発生しないように、ポリマーの過剰な添加に対する注意を払う必要がある。アガロースに対するポリマーの比は約0.1〜10であってもよい。好まれるポリマーはポリビニルアルコール、デキストラン、及びポリアクリルアミドである。
【0057】
付加的に、溶液に1つまたは複数の乳化剤または表面活性剤が添加されてもよい。溶液の各タイプの組み合わせは最適なタイプ及び乳化剤または表面活性剤の量を決定するために複数回の実験を必要とするだろう。これらは溶液の全重量に対して約0.001%〜約10%、好まれるものとして約0.01%〜約5%の濃度で使用されてもよい。乳化剤は水溶性ではなく、油に添加される。
【0058】
アガロースは次に、所望であれば、多糖類ビーズ等の複数の水酸基を含む材料を架橋するためにこの産業分野で一般的に使用される化学薬品によって架橋されてもよく、(制限ではないが)これらの化学薬品はエピクロルヒドリンまたは他の多官能エポキシ化合物、多様なブロミル化合物または他の多官能ハロゲン化物;ホルムアルデヒド、グルテラルデヒド及び他の多官能アルデヒド、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、ジメチルジクロロ、ジメチロールエチレン尿素、ジイソシアナートまたはポリイソシアネート及びそれらの類似物であってもよい。
【0059】
それはまた、蛋白質Aまたは蛋白質G等の配位子、天然のまたは再結合によって得られた蛋白質Aまたは蛋白質G、焼灼安定性を与えるために変性された蛋白質Aまたは蛋白質G及び類似物、2−アミノベンゾイミダゾール(ABI)、アミノメチルベンゾイミダゾール(AMBI)、メルカプトエチルピリジン(MEP)、またはメルカプトベンゾイミダゾール(MBI)等の多様な化学的配位子、または媒体形成の分野で周知であるような、アガロースをカチオン性、アニオン性、親和性、非親和性、または帯電性にるする多様な化学薬品を含む、それに適用される1つまたは複数の官能性を有してもよい。
【0060】
(制限ではないが)本発明に適用可能な液体クロマトグラフィーで使用される官能基はイオン交換、生体親和性、疎水性等の基、共有結合クロマトグラフィー、親チオ性相互作用基、キレートまたはキレート化に利用可能な基、目的とする化合物とのピピ相互作用、水素結合、親水性等を有する基を含む基を含む。
【0061】
これらの基はアガロースビーズが形成され、架橋された後に添加されてもよいし、あるいはら、それらは初期の溶液に添加され、初期の溶液がそれによって変更(例えば、pHが下げられたりまたは上げられたり等)されてもよく、それによって官能基をアガロースに結合するための反応が架橋反応と同時に生じてもよい。
【0062】
均質なアガロースビーズの1つの用途は充填層液体クロマトグラフィーでの使用である。これの1つの例はゲル濾過クロマトグラフィーであり、そこにおいて、サンプル成分はそれらの寸法によって分離される。もう1つの例はイオン交換クロマトグラフィーであり、そこにおいて、帯電した基はアガロースのマトリックスに付着し、サンプルの成分の分離はイオン相互作用によって達成される。均質なアガロースビーズの用途のもう1つの例は親和クロマトグラフィーである。親和配位子は共有結合的にアガロース媒体に付着し、サンプル成分に対して高い選択能力を有する分離ルートを与えることができる。
【0063】
芯を有するビーズの1つの用途は充填層媒体に剛性を与え、物質移動経路を制御することである。剛性の媒体は高く積み重ねることができ、それによって、高い吸収性または交換性の能力を達成できる。拡散経路を短くすることにより、ゲルは均質なビーズより大幅に高い効率で使用することができる。特定の動作条件において、芯を有するビーズは鋭い溶出ピーク及び少ない緩衝剤の消費を達成することができる。
【0064】
芯を有するビーズのもう1つの用途は流動床クロマトグラフィーまたは磁気クロマトグラフィーでの使用であり、そこにおいて、コアは(流動床ビーズに対して)必要な密度、または(磁気クロマトグラフィーに対して)磁気特性を与える。
【0065】
実施例1 均質なビーズ
油相が連続的であるエマルジョンを得るために、1000mlの6%アガロース溶液(HispanagarのD-5)を一定の攪拌状態にある80℃の第1油浴内の120mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形ケニックス静的ミキサー(KMR-SAN-12)を介して3l/分の流量で5℃の鉱油の第2浴に汲み出された。この処理により、最大で200μmの粒子径を有する球形の均質なアガロースビーズが得られた。
【0066】
実施例2 ポリスチレンコアを有するビーズ
スラリーを得るために、300mlの80μm径を有する、単一寸法のポリスチレン球体(MicrobeadsのDynoseeds TS-80-13)を900mlの4%アガロース溶液(HispanagarのD-5)に混ぜ合わせた。油相が連続的であるエマルジョンを得るために、アガロース−コア混合物を一定の攪拌状態にある80℃の油浴内の120mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形ケニックス静的ミキサー(KMR-SAN-12)を介して9l/分の流量で5℃の鉱油に汲み出された。結果として生じた芯を有するビーズは推定10μmのコーティングの厚さを有し、ビーズは大部分(>50%の容量)が単一コアであった。
【0067】
実施例3 アルカリ耐性ガラスコアビーズ
スラリーを得るために、200mlの平均100μm径を有する、アルカリ耐性ガラス球体(Mo-Sci Corporation)を200mlの6%アガロース溶液(HispanagarのD-5)に混ぜ合わせた。油相が連続的であるエマルジョンを得るために、アガロース−コア混合物を90℃で一定の攪拌状態にある、120mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形Ross ISG静的ミキサーを介して3l/分の流量で5℃の鉱油に汲み出された。結果として生じた芯を有するビーズは推定10μmのコーティングの厚さを有し、ビーズは大部分(>50%)が単一コアであった。
【0068】
実施例4 芯を有するアガロースビーズ
油相が連続的であるエマルジョンを得るために、900mlの15%アガロース溶液(HispanagarのD-5)を一定の攪拌状態にある80℃の第1油浴内の120mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形ケニックス静的ミキサー(KMR-SAN-12)を介して3l/分の流量で5℃の鉱油の第2浴に汲み出された。この処理により、最大で200μmの粒子径を有する球形の均質なアガロースビーズが得られた。ビーズは次に、エピクロルヒドリンを使用してPorath[1]で説明された処理によって架橋された。スラリーを得るために、平均で100μm径を有する75mlの15%の架橋されたアガロース球形(コア)を100mlの4%アガロース溶液(HispanagarのD-5)に混ぜ合わせた。油相が連続的であるエマルジョンを得るために、アガロース−コア混合物を80℃で一定の攪拌状態にある、40mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ径の6インチ長形Ross ISG静的ミキサーを介して3l/分の流量で5℃の鉱油に汲み出された。結果として生じた芯を有するビーズは推定10μmのコーティングの厚さを有し、ビーズは大部分(>50%)が単一コアであった。
【0069】
実施例5 複数のコーティングを有するビーズ
スラリーを得るために、300mlの63−75μm径のホウ珪酸塩ガラス球形(Mo-Sci CorporationのGL0179)を90mlの6%アガロース溶液(HispanagarのD-5)に混ぜ合わせた。油相が連続的であるエマルジョンを得るために、アガロース−コア混合物を90℃で一定の攪拌状態にある、120mlのSpan 80乳化剤を含む2000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形Ross ISG静的ミキサーを介して9l/分の流量で5℃の鉱油に汲み出された。結果として生じた芯を有するビーズは推定10μmのコーティングの厚さを有し、ビーズは大部分(>50%の容量)が単一コアであった。アガロースのコーティングは次に、Porath [1]に従って架橋され、アニオン交換の目的のために官能化された。次に、スラリーを得るために、25mlのビーズを150mlの3%アガロース溶液(HispanagarのD-5)に混ぜ合わせた。油相が連続的であるエマルジョンを得るために、アガロースビーズ混合物を一定の攪拌状態にある90℃の1000mlの鉱油に加えた。エマルジョンは次に、0.5インチ(12.7mm)径の6インチ(152.4mm)長形ケニックス静的ミキサー(KMR-SAN-12)を介して3l/分の流量で5℃の鉱油に汲み出された。結果として生じた、複式のコーティングを有するコアビーズは推定10μmの第2コーティングの厚さを有し、ビーズは大部分(>50%の容量)が単一コアであった。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明に従った処理の実施例のブロック図である。
【図1B】本発明に従った図1Aの処理の代替的な実施例のブロック図である。
【図2】本発明に従った処理の第2の実施例のブロック図である。
【図3】本発明に従った処理の第3の実施例のブロック図である。
【図4】本発明に従った処理の第4の実施例のブロック図である。
【図5】本発明に従った処理の第5の実施例のブロック図である。
【図6】本発明の1つの実施例によって形成された粒子を示している。
【図7】本発明の1つの実施例によって形成された粒子を示している。
【図8】本発明の1つの実施例によって形成された粒子を示している。
【図9】本発明の1つの実施例によって形成された粒子を示している。
【図10】本発明の1つの実施例によって形成された粒子を示している。
【符号の説明】
【0071】
2 アガロース
3 コア
4 タンク
6 アガロース溶液
8 第1バッチ
10 エマルジョン
11 熱交換器
12 静的ミキサー
13 ポンプ
14 アガロースの液滴
15 静的ミキサーの吸入口
16 第2バッチ
17 油/ビーズ/水分離器
19 ふるい
20 アガロース
21 コア
22 水溶液
24 配合器
25 熱交換器
26 乳化剤
28 熱交換器
30 静的ミキサー
31 疎水性液体
34 静的ミキサー
36 遠心分離機
38 ふるい
40 リサイクルシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された、乳化剤を含む第1疎水性液体に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して流すこと;
e.前記アガロース液滴をビーズ状にゲル化させるために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第2疎水性液体中に加えること;及び、
f.前記アガロースビーズを前記第2液体から回収することを含む製造方法。
【請求項2】
前記第1浴が約80℃〜約120℃であり、前記第2浴が約1℃〜約70℃である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ステップdの前記エマルジョンが約1〜約10l/分の比率で前記静的ミキサーを通して流される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記静的ミキサーを通る流れが約50〜約600l/時である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
アガロースが水溶液の重量に対して約1〜約25%である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1液体に攪拌を適用することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップeのアガロースビーズを洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
ステップeのアガロースビーズを架橋することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
ステップeのアガロースビーズを水で洗浄し、その後に前記ビーズを架橋することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
g.ステップfのアガロースビーズを架橋させること;
h.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
i.前記第2溶液にステップgのアガロースビーズを添加すること;
j.ステップiのビーズ及び溶液を乳化剤を含む疎水性液体に添加することであって、前記第3液体は結果として生ずるエマルジョンが第2アガロース水溶液のゲル化温度以上となり、第3疎水性液体が連続的相であり、ステップiのビーズ及び第2溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
k.ステップgのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップjの前記エマルジョンを、第2静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第4疎水性液体に汲み出すこと;及び、
l.ステップkのコーティングされたアガロースビーズを第4液体から回収することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
g.ステップfのアガロースビーズを架橋させること;
h.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
i.前記第2溶液にステップgのアガロースビーズを添加すること;
j.ステップiのビーズ及び溶液を乳化剤を含む疎水性液体に添加することであって、前記第3液体は結果として生ずるエマルジョンが第2アガロース水溶液のゲル化温度以上となり、第3疎水性液体が連続的相であり、ステップiのビーズ及び第2溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
k.ステップgのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップjの前記エマルジョンを、第2静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第4疎水性液体に汲み出すこと;
l.ステップkのコーティングされたアガロースビーズを第4液体から回収すること;及び、
m.ステップiのコーティングされたビーズに対してステップg〜ステップiを1回または複数回繰り返すことをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.結果として生ずるエマルジョンがアガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱された疎水性液体及び乳化剤を含む第1浴に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を形成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出すこと;
e.多孔性アガロースビーズを形成するために、前記液滴をアガロースの融点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第2浴中に流し込むこと;
f.前記アガロースビーズを前記第2浴の液体から分離すること;
g.ステップfのアガロースビーズを架橋させること;
h.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースの融点より高い温度に加熱すること;
i.前記第2溶液にステップgのアガロースビーズを添加すること;
j.ステップiのビーズ及び第2溶液を疎水性液体を含む第3浴に添加することであって、前記第3浴は結果として生ずるエマルジョンが第2アガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体が連続的相であり、ステップiのビーズ及び第2アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
k.ステップgのアガロースビーズ上に前記第2アガロースのコーティングを形成するために、ステップjの前記エマルジョンを、静的ミキサーを通して、第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された疎水性液体を含む第4浴中に汲み出すこと;及び、
l.ステップkのコーティングされたアガロースビーズを第4浴から分離することを含む製造方法。
【請求項13】
コーティングされたアガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロース及び複数の固体ビーズを添加すること;
b.ステップaの水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、アガロース溶液及び固体ビーズが非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するエマルジョンを形成するために、ステップbの水溶液の温度以上に加熱された、第1疎水性液体及び乳化剤にステップbの加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴及び固体ビーズを生成するために、ステップcのエマルジョンを静的ミキサーを通して流すこと;
e.前記固体ビーズ上のゲル状コーティングを形成するために、ステップdの液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第2疎水性液体中に流し込むこと;及び、
f.コーティングされたビーズを前記第2液体から回収することを含む製造方法。
【請求項14】
コーティングされたアガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロース及び複数の固体ビーズを添加すること;
b.ステップaの水溶液をアガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
c.疎水性液体が連続的相であり、アガロース溶液及び固体ビーズが非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するエマルジョンを形成するために、ステップbの水溶液の温度以上または以下に加熱された、乳化剤を含む第1疎水性液体にステップbの加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴及びビーズを生成するために、ステップcのエマルジョンを静的ミキサーを通して汲み出すこと;
e.前記固体ビーズ上のゲル状コーティングを形成するために、前記液滴をアガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第2疎水性液体中に流し込むこと;
f.コーティングされたビーズを前記第2液体から回収すること;
g.ステップfのビーズのアガロースコーティングを架橋すること;
h.第2水溶液中に第2のアガロースを形成し、前記第2溶液を第2アガロースのゲル化点より高い温度に加熱すること;
i.前記第2溶液にステップgの架橋されたアガロースでコーティングされたビーズを添加すること;
j.ステップiのコーティングされたビーズ及び第2溶液を、乳化剤を含む第3疎水性液体に添加することであって、前記第3液体は結果として生ずるエマルジョンが第2アガロース水溶液のゲル化温度以上となり、疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、コーティングされたビーズ及びステップhの第2アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するような温度に加熱されていること;
k.ステップgのビーズ上にコーティングされた第2アガロースの液滴を生成するためにステップjのエマルジョンを静的ミキサーを通して流すこと;
l.ステップgのコーティングされたビーズ上に前記第2アガロースの第2コーティングを形成するために、ステップkの前記液滴を第2アガロースのゲル化点未満の温度に冷却された第4疎水性液体に流し込むこと;及び、
m.ステップkのコーティングされたビーズを第4液体から回収することを含む製造方法。
【請求項15】
アガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解するためにアガロースのゲル化点より高い温度に加熱された第1容器;前記水溶液の導入のための前記第1容器の吸入口;アガロースのゲル化点以上または以下の温度で維持された疎水性液体及び乳化剤を含む加熱された第1浴;疎水性液体のための第1浴への第1吸入口、及び前記第1容器の前記溶液のための第1浴への第2吸入口であって、前記第1容器と流体の伝達が可能な第2吸入口;アガロースのゲル化点未満の温度で維持されている疎水性液体を含む第2浴への吸入口と流体の伝達が可能な静的ミキサーの吸入口と流体の伝達が可能な前記第1浴からの排出口;及び、前記第2浴からの排出口を備える装置。
【請求項16】
アガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解し、溶解されたアガロース溶液を複数のビーズのコアと混ぜ合わせるためにアガロースのゲル化点より高い温度に加熱された第1容器;前記水溶液の導入のための前記第1容器の吸入口;アガロースのゲル化点以上または以下の温度で維持された疎水性液体及び乳化剤を含む加熱された第1浴;疎水性液体のための第1浴への第1吸入口、及び前記第1容器の前記溶液のための第1浴への第2吸入口であって、前記第1容器と流体の伝達が可能な第2吸入口;アガロースのゲル化点未満の温度で維持されている疎水性液体を含む第2浴への吸入口と流体の伝達が可能な静的ミキサーの吸入口と流体の伝達が可能な前記第1浴からの排出口;及び、コーティングされたビーズを回収するために前記第2浴からの排出口を備える装置。
【請求項17】
アガロースでコーティングされたビーズを製造するための装置であって:水溶液中でアガロースを溶解し、複数のビーズコアを溶解したアガロースと混ぜ合わせるためにアガロースのゲル化点以上の温度の第1熱交換器;及び、第1疎水性液体及び乳化剤を含む、アガロースのゲル化点以上の温度の第2熱交換器を備え;前記第1熱交換器からの前記溶液及び前記第2熱交換器の第1液体のエマルジョンを生成するために、前記第1熱交換器からの第1排出口及び前記第2熱交換器からの第2排出口が第1静的ミキサーの吸入口で合流しており;1つまたは複数のビーズコア及びアガロースコーティングを有するアガロースの液滴を生成するために、前記第1静的ミキサーからの排出口が第2静的ミキサーの吸入口に接続されており;前記第2静的ミキサーの排出口が、アガロースをゲル化させるためにアガロースのゲル化点未満の温度まで冷却することが可能な第3熱交換器の吸入口に接続されており;そして、前記第3熱交換器の排出口をさらに備える装置。
【請求項18】
アガロースビーズを製造するための装置であって:水溶液中でアガロースを溶解するためにアガロースのゲル化点以上の温度の第1熱交換器;及び、第1疎水性液体及び乳化剤を含む、アガロースのゲル化点以上または以下の温度の第2熱交換器を備え;前記第1熱交換器からの前記溶液及び前記第2熱交換器の第1液体のエマルジョンを生成するために、前記第1熱交換器からの第1排出口及び前記第2熱交換器からの第2排出口が第1静的ミキサーの吸入口で合流しており;アガロースの液滴を生成するために、前記第1静的ミキサーからの排出口が第2静的ミキサーの吸入口に接続されており;前記第2静的ミキサーの排出口が、前記液滴をアガロースビーズにゲル化させるためにアガロースのゲル化点未満の温度まで冷却することが可能な第3熱交換器の吸入口に接続されており;そして、前記第3熱交換器の排出口をさらに備える装置。
【請求項19】
アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースの融点より高い温度に加熱すること;
c.乳化剤を含む疎水性液体であって、疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するエマルジョンを形成するために前記水溶液の温度以上または温度以下の温度に加熱された前記疎水性液体に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して流すこと;
e.前記アガロース液滴をビーズ状にゲル化させるために、前記液滴及び疎水性液体をアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却すること;及び、
f.前記アガロースビーズを前記疎水性液体から回収することを含む製造方法。
【請求項20】
前記疎水性液体及び液滴が熱交換器を介して冷却される、請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
アガロースビーズの製造方法であって:
a.水溶液にアガロースを添加すること;
b.前記水溶液をアガロースの融点より高い温度に加熱すること;
c.乳化剤を含む疎水性液体であって、疎水性液体及び乳化剤が連続的相であり、アガロース溶液が非連続的相である連続的相及び非連続的相を有するエマルジョンを形成するために前記水溶液の温度以上または温度以下の温度に加熱された前記疎水性液体に前記加熱された水溶液を添加すること;
d.アガロース液滴を生成するために、前記エマルジョンを静的ミキサーを通して流すこと;
e.前記液滴及び疎水性液体をアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却して前記アガロース液滴をビーズ状にゲル化させるために、前記液滴及び疎水性液体を熱交換器に通過させること;及び、
f.前記アガロースビーズを前記疎水性液体から回収することを含む製造方法。
【請求項22】
アガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中でゲル化させるためのタンク;第1疎水性液体及び乳化剤をアガロースのゲル化温度以上または以下の温度に加熱するための浴;前記タンク及び前記浴から前記液体のエマルジョンを生成するために第1静的ミキサーの吸入口に合流する前記タンクの第1排出口及び前記浴の第2排出口;液滴がアガロースビーズにゲル化することを生じさせるためにアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却する能力を有する熱交換器の吸入口に接続された前記第1静的ミキサーの排出口;及び、前記熱交換器の排出口を備える製造装置。
【請求項23】
アガロースビーズを製造するための装置であって:アガロースを水溶液中で溶解するためにアガロースのゲル化温度以上の温度の第1熱交換器;第1疎水性液体及び乳化剤をアガロースのゲル化温度以上または以下の温度に加熱するための第2熱交換器;前記第1熱交換器からの水溶液及び前記第2熱交換器からの第1液体のエマルジョンを生成するために第1静的ミキサーの吸入口に合流する前記第1熱交換器の第1排出口及び前記第2熱交換器の第2排出口;液滴がアガロースビーズにゲル化することを生じさせるためにアガロースのゲル化温度未満の温度に冷却する能力を有する第3熱交換器の吸入口に接続された前記第1静的ミキサーの排出口;及び、前記第3熱交換器の排出口を備える製造装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−77397(P2007−77397A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246868(P2006−246868)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】