説明

多孔性及び引っ張り強度を改善させたコラーゲン性皮膚代用物及び機械的な刺激システムを利用したその培養方法

本発明は、機械的な刺激システムを用いて、多孔性および引っ張り強度の優れたコラーゲンマトリックスの調製方法に関する。特に、本発明において、細胞生息ゲルは、物理的な刺激が周期的又は非連続的にマトリックスを動かすように付加される条件下で培養される。得られたコラーゲンマトリックスは、人工皮膚又は人工臓器に調製に使用される。なお、コラーゲンマトリックスは美容又は治療目的でフィラーを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的な刺激システムを利用し多孔性及び引っ張り強度(tensile strength)の優れたコラーゲンマトリックスの培養方法に関するものである。本発明では特に、細胞が含まれたゲルを、コラーゲンゲルの底面に対して周期的に及び非連続的に物理的な力を加える条件にて刺激する。物理的力は、コラーゲンゲルを横切るように加え(transversely loaded)、これにより、細胞とコラーゲンマトリックスに同時に異なる力を加える。加えられた力は、細胞に複合的なシグナルを伝達し、その結果、コラーゲンの生成及び同化(digestion)を制御して、多孔性及び引っ張り強度を改善したコラーゲンマトリックスを生成する。改善されたコラーゲンマトリックスは、フィラーや基材などの真皮代用物や人工臓器の調整のために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
特に、コラーゲンのような生物材料は、製薬分野において益々用いられ、損傷した連結組織の再生や遺伝子治療に適用されている。コラーゲンマトリックスは、多用な細胞生成に好適であり、マトリックス、ゲル又は膜などの形態で再生された組織を生成するために広く用いることができる。しかしながら、コラーゲン溶液のゲル化により調製されたコラーゲンマトリックスは、人工皮膚、軟骨組織や骨などのような人工臓器の培養には適当ではなかった。上記問題を解決するために、ナイロンを含むポリマーやコラーゲンメッシュ及びコラーゲンとキトサンとの混合物などを利用する多くの技術が開発されているが、得られた生成物は、十分なものではなかった。この点で、よりコンパクトなコラーゲンマトリックスを作製する方法が、組織工学目的のために急がれ、また重要である。
【0003】
生物は、呼吸し、運動し、外部の環境と常に相互作用を続けながら生活している。実験条件において、細胞は、外界の刺激なしでコントロールされた条件下で反応機内で培養される。言い換えると、大気、温度、湿度などの培養条件は、細胞の自然の条件から大きく乖離している。したがって、培養システムにおいて、物理的な刺激が、より生体内の(in−vivo)刺激に類似した刺激を提供するために使用され始めている。
【0004】
異なる機械的な刺激は、異なる組織の応答を引き起こすことが報告されている。骨細胞において、剪断力は、コネキシン(connexin)43のトランスロケーション(translocation)を膜表面にて誘発し、機械的な引っ張りに応じてプロスタグランジンE2(PEG2)の遊離のために新規なポータルとして、コネキシン43によって形成された閉じたままの半チャネルを供給する(Cherian PP et al, Mol Biol Cell, 16(7):3100−6, 2005)。さらに、長期に亘る断続的な圧縮刺激は、コラーゲンの合成を促進し、組織−形成された軟骨組織の機械的な特性を向上させるということが報告されている(Waldman SD et al, Tissue Eng. Sep−Oct; 10(9−10): 1323−31, 2004)。これらの結果に基づき、機械的な刺激は、引っ張る方法を含み(Wang JG et al, Ann Biomed Eng, 33(3): 337−42, 2005; Katsumi A et al, J Biol Chem, 280(17): 16546−9, 2005)、また細胞培養溶液中に、流体静力学における流体圧力(hydrostatic fluid pressure:HRP)を加える方法(Mizuno et al, J Cell Physiol, 193(3):319−7, 2002)も含み、機械的な刺激は、骨や軟骨組織の培養のために用いられてきた。
【0005】
【非特許文献1】Cherian PP et al, Mol Biol Cell, 16(7):3100−6, 2005
【非特許文献2】Waldman SD et al, Tissue Eng. Sep−Oct; 10(9−10): 1323−31, 2004
【非特許文献3】Wang JG et al, Ann Biomed Eng, 33(3): 337−42, 2005
【非特許文献4】Katsumi A et al, J Biol Chem, 280(17): 16546−9, 2005
【非特許文献5】Mizuno et al, J Cell Physiol, 193(3):319−7, 2002
【非特許文献5】Sarasa−Renedo A, et al., Scand J Med Sci Sports, Aug;15(4):223−230, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、機械的刺激が線維芽細胞にどのような効果をもたらすかについてはあまり研究がなされていない。文献上、機械的刺激は、線維芽細胞の細胞外のマトリックス遺伝子発現を規制することができる。機械的な刺激の作用メカニズムは知られていないが、筋肉の収縮又は重力が細胞外のマトリックスを介して細胞骨格に伝達され、細胞内の信号に片合に変換されると推測される(Sarasa−Renedo A, et al., Scand J Med Sci Sports, Aug;15(4):223−230, 2005)
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、本発明者は、発明者が良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを培養することができる方法を確立するよう試みられた。組織再生技術のために、良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスが早急に必要とされている。本発明では、発明者は、コラーゲンマトリックスの培養(culture)のために『横断刺激負荷』(transverse impulse loading)を用い、『横断刺激負荷』がコラーゲン合成とコラーゲンマトリックスの再構築を劇的に増進させることを発見した。その結果、『横断刺激負荷』は、良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを生成することができる。
【0008】
第1の態様において、本発明は、哺乳類の細胞を含むコラーゲンマトリックスを調製する方法を提供し、この方法は、a)コラーゲン、線維素(フィブリン)及びこれらの混合物を含む群から選択された物質を含む溶液と哺乳類の細胞とを混合し哺乳類細胞を含むゲルを調製する工程と、b)良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを作製するために、コラーゲンゲルに物理的な力を周期的に及び非連続的に負荷される条件下でゲルを刺激する工程とを有する。前記物理的な力は、哺乳類の製造によってコラーゲン生成を増進するためにゲルの底面から負荷される。また、前記物理的な力は、コラーゲンゲルの水平面の1個所又はそれ以上に対する横断刺激負荷である。前記ゲルは、ゲルの周囲側面において固定され、コラーゲンゲルの中央部分を含むコラーゲンゲルの底面の少なくとも1個所に物理的な力が負荷される。刺激は、独立的にコラーゲンゲルの底面の少なくとも2個所に負荷される。刺激の強さは、1×10−7N/mから1×10−1N/mであり、刺激の頻度は、1分間当たり0.01回から500回である。刺激は、1分間当たり0.01回から500回の速度で回転するカム−シャフト(cam−shaft)に装着された少なくとも1つのカムにより生成される。
【0009】
b)工程では、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーやシリコ−ン(silicon)から成る弾性体により製造された培養容器において、細胞を含むゲルを刺激することにより行われる。
【0010】
細胞は、1mlの溶液当たり1×10細胞から1×10細胞の濃度で混合される。コラーゲンは、I型コラーゲン、III型コラーゲン及びIV型コラーゲンからなる群から選択された1種以上のコラーゲンである。
【0011】
他の態様において、本発明は、上述した製造方法により調製された多孔性及び引っ張り強度が増進したコラーゲンマトリックスを提供する。本発明は、0.1μmから100μmの径で、気孔率が10%から90%である気孔を有し、引っ張り強度が1N/cmから200N/cmであるコラーゲンマトリックスを提供する。
【0012】
第3の態様において、本発明は、本発明の方法にしたがって調製されたコラーゲンマトリックスを有する人工皮膚又は人工臓器を培養(culture)するために足場(scaffold)を用いてなる人工皮膚又は人工臓器を提供する。本発明の他の目的は、改善されたコラーゲンマトリックスを用いて人工皮膚又は人工臓器を培養する方法である。本発明は、本発明の方法にしたがって調製されたコラーゲンマトリックスを含む人工皮膚又は人工臓器を培養するために用いるコラーゲン足場を提供する。
【0013】
第4の態様において、本発明は、本発明の方法にしたがって調製されたコラーゲンマトリックスを含む美容又は治療目的のフィラーを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
コラーゲンは、線維芽細胞から生成される主要な細胞外マトリックス蛋白質である。コラーゲンは、生体の総蛋白質の30%を占め、強固な3重らせん構造からなっている。コラーゲンは、細胞支持のための足場(scaffold)を供給するための重要な役目を果たし、これにより、細胞の付着、移動、増殖、分化および生存に影響を与える。
【0015】
文献では、細胞を含むコラーゲンやフィブリンゲルが直接刺激されることについて方向されていない。なお、物理的な力が周期的にコラーゲンゲルやフィブリンゲルの底面に負荷されることについて研究されていない。本発明の実施の形態において、ゲルの底面には、機械的な刺激を用いコラーゲンゲルに対して、本願発明者により立案された『横断刺激負荷』(transverse impulse loading)の形態の物理的な力が負荷される。本願発明者は、コラーゲンの合成と引っ張り強度が周期的に細胞を含むゲルに物理的な力を負荷することによって劇的に増大することを見出し、これにより本発明を完成させた。
【0016】
『横断刺激負荷』は下方からコラーゲンゲルに負荷されるので、コラーゲンゲルは、刺激サイクル毎に上下運動をする。例えば、刺激は打撃と短い休息期とから構成されている。各刺激は、カム−シャフトに連結された2つのカムを有する機械的刺激器を回転することによって達成される2つの打撃を有し、以下に示すように各々の刺激サイクルは2回の打撃と短い休息期とからなり、コラーゲンマトリックスは上下運動する。『横断刺激負荷』の特徴により、コラーゲンマトリックスは3次元的に複合的な力の組み合わせが加えられることになる。
【0017】
刺激が加えられる部位としてコラーゲンの全ての部位が可能ではある。好ましくは、ゲルはその縁にて固定され、少なくとも中央部を含む部位は、ゲル全体に刺激を伝達するように刺激される。さらに、コラーゲンゲルが大きい場合には、同時又は時差で少なくとも2個所以上で刺激することが好ましい。
【0018】
本発明における1つの実施の形態において、周期的な機械的刺激は、様々な方法により負荷することができる。例えば、刺激は、1分間当たり0.01rpmから500rpmの速度、またより好ましくは1分間当たり50rpmから100rpmの速度で回転する機械的刺激器によって負荷される。刺激の頻度が過度に低い場合には、刺激はコラーゲンマトリックスの多孔性及び引っ張り強度に影響を与えない。極めて高い頻度はコラーゲンマトリックスを変形させることがある。
【0019】
刺激の強さは、1×10−7N/mから1×10−1N/mであり、より好ましくは1.0×10−4N/mから2.0×10−2N/mである。刺激の強さが1×10−7N/m未満の場合には、その刺激は多孔性及び引っ張り強度を示すには十分ではない。また刺激の強さが1×10−1N/mを超える場合には、過度な刺激によりコラーゲンマトリックスが培養容器から分離してしまう。
【0020】
好ましくは、本発明で用いられるコラーゲンは、I型コラーゲン、III型コラーゲン及びIV型コラーゲンを含み、より好ましくはI型コラーゲンである。
【0021】
本発明の細胞は、線維芽細胞、真皮毛包細胞(dermal sheath cell)、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell)、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell、EPC)、角質形成細胞、メラニン細胞、毛髪細胞、血液から由来するランゲルハンス細胞、血液から由来する内皮細胞、血液細胞、マクロファージ、リンパ球、脂肪細胞、皮脂腺細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞および血液から由来する上皮性触覚細胞に至る細胞群から選択することができる。好ましくは、細胞は、特に若者の細胞が望ましい。前記細胞は、正常細胞、遺伝的に改良された細胞あるいは悪性の生体細胞を含んでいる。各組織から得た細胞達は当分野において公知の一般な方法により培養される。
【0022】
細胞は、1mlのコラーゲン溶液当たり1×10細胞から1×10細胞の濃度、より好ましくは1×10細胞から1×10細胞の濃度、さらに好ましくは3×10細胞から8×10細胞の濃度で混合される。コラーゲン溶液中に細胞が1×10細胞未満の場合には、マトリックス蛋白質の合成が不十分になる。細胞濃度が1×10細胞を超える場合には、コラーゲンマトリックスの収縮が生じてしまう。混合されたコラーゲン溶液は、従来公知の方法にしたがって調製することができる。I型コラーゲンは、マウスの尾由来の組織から抽出することができる。細胞−埋め込み型コラーゲンゲルは、培養された細胞をコラーゲン溶液に懸濁させことにより調製される。また、前記コラーゲン溶液は、10×の濃縮されたDMEMの1容量と中性緩衝液の1容量とにI型コラーゲン溶液を8容量混合することにより調製される。
【0023】
本発明の実施の形態では、皮膚由来の線維芽細胞コラーゲンゲルと混合され、弾性膜から形成された培養容器において生体外で(invitro)で培養される。培養容器の材質は、弾性を有し、動物細胞を培養するために使用できるものである。培養容器の形状は、例えば円形、長方形、プレート状またはチューブ状などであるが、これに限るものではない。培養容器は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのコポリマー、シリコーン(silicone)およびこれらの混合物からなる群から選択される材料から形成されているが、これに限るものではない。
【0024】
本発明におけるコラーゲンマトリックスの培養方法は、周期的に刺激を負荷することによりコラーゲンマトリックスの引っ張り強度を増進させる方法である。本発明において、刺激方法は、簡単であって高価な機械や試薬を必要としない。したがって、本発明の培養方法は、コスト的に有効(経済的)であり、高い多孔性及び高い引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを生成することができる。
【0025】
本発明における他の実施の形態は、上述の方法により調製された多孔性及び引っ張り強度が改善されたコラーゲンマトリックスに関係する。コラーゲンマトリックスは、0.1μmから100μmの径で、気孔率が20%から70%である気孔を有し、引っ張り強度が5N/cmから200N/cm、好ましくは7N/cmから100N/cmである。
【0026】
気孔率の測定は、通常、対象を水で飽和させたのち、総容積(乾燥物質(dry material))に対する孔容積(水容積)の比により算出される。しかし、コラーゲンマトリックスの親水性のために、気孔率は、2次元的電子顕微鏡写真から得られる総面積に対する気孔の面積の百分率非で規定した。
【0027】
本発明において、引っ張り強度は、コラーゲンマトリックスから残留した培養液を除去した後、水を含む飽和状態で測定した。コラーゲンマトリックスの引っ張り強度は機械的な刺激により増加する結果が得られた。
【0028】
これらの知見のメカニズムを理解するために、多様な分子量の発現レベルを分析した。予期していたように、I型プロコラーゲンとフィブロネクチンのm−RNAの発現レベルが増加し、MMP−1の発現レベルの増加も観察された。膜に結合したMMP群に属するMMP−1は、I型プロコラーゲンとフィブロネクチンのような細胞外マトリックス蛋白質を分解することができる。MMP−1活性は、メタロプロティナーゼ−1(metalloproteinase−1、TIMP−1)やTIMP−2の組織阻害物質によって抑制される。本発明において、I型プロコラーゲンの増加レベルが観察された。したがって、TIMP−1及びTIMP−2の増加レベルによって均衡が保たれたMMP−1の発現増加は、コラーゲンマトリックスを改造する(remodel)と言える。
【0029】
得られた多孔性及び引っ張り強度が改善されたコラーゲンマトリックスは、人工皮膚や人工臓器の培養に用いることができる。本発明の実施の形態において、表皮細胞、好ましくは角質形成細胞(keratinocyte)を培養する。コラーゲンマトリックスは、皮膚基材であって、皮膚のための機械的な足場(scaffold)を提供する。好ましくは、本発明の皮膚基材は、上記周期的な機械的な刺激によって培養して調製されたコラーゲンマトリックスである。
【0030】
本発明のさらに他の実施の形態では、a)上述した本発明の方法により細胞を含むコラーゲンマトリックスを調製する工程と、b)前記コラーゲンマトリックスに対して2×10細胞/cmから2×10細胞/cmの濃度で角質形成細胞を植え付け培養する工程と、を有し、前記a)工程では、上述した本発明のコラーゲンマトリックスを培養する方法を実行して、人工皮膚を調製する方法が提供される。
【0031】
本発明は、細胞を含むコラーゲン及び/又はフィブリンゲルを刺激することによってコラーゲンマトリックスを提供する。機械的な刺激を用いることにより、本発明は、ヒト組織のコラーゲンマトリックスと類似した良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを提供することができる。
【0032】
以下に本発明の望ましい実施例を記載する。しかしながら、下記の実施例は本発明の望ましい実施例であるのみで本発明がこの実施例に限られているわけではないことを付記する。
【実施例】
【0033】
実施例1.多孔性及び引っ張り強度が回線されたコラーゲンマトリックスの調製:
1−1:機械的な刺激;
図1A及び図1Bに示すように、機械的な刺激器は、カム−シャフトに連結された2つの楕円形カムを有する。前記カム−シャフトは、ゴム板に対応する位置に配置され、ゴム板に接触することによってゴム板に対し上方に力を負荷する。ゴム板は、ハウジングボックスの上部に配置され、培養容器の底面と同じ大きさを有する。カム−シャフトが回転する間、2つのカムが培養容器の底面に存在するゴム板の中央部に対して上向きの物理的な力を負荷する。
【0034】
これにより、培養容器に付着したコラーゲンゲルは周期的に動く。培養容器がゴム板にぴったりと固定され付着することにより、特に培養容器の底面の縁が固定される。培養容器の底面に加えられる刺激のサイクルは、72rpm(0.8356秒/サイクル、1.2Hz)である。図2に示すように、物理的な力は、『横断刺激負荷』として記載することができる。
【0035】
さらに、刺激パターンの限定要件分析は、培養容器の底面に加えられた実験負荷に対して、Window2003(アメリカ合衆国カリフォルニアのMSCソフトウェアコーポレーション(MSC Software Corporation))のための「MSC.Nastran」(登録商標)を用いて実施された。その結果、最大負荷力は1.7×10−3N/cmであり、刺激の頻度は1分間当たり60rpmであった。
【0036】
1−2:細胞と細胞を含有するマトリックスの培養;
ヒトの角質形成細胞と皮膚の線維芽細胞は、包茎手術(circumcision)の際に採取されたヒトの包皮から単離した。皮膚の検体は、加熱分解器(thermolysin)(ミズーリー州、セントルイスのSigma Chemical Co.,)を使用する我々の研究室にて改造されたRheinward及びGreenの方法にしたがい処理された。角質形成細胞は、角質形成細胞成長培地(KGM、カリフォルニア州サンディエゴのClonetics)で培養され、Dulbeccoの改良Eagle培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium、DMEM)内の線維芽細胞は、10%のウシ胎児の血清(FBS)に添加された。I型コラーゲンは、4℃で48時間1/1000氷酢酸において撹拌することにより、マウスの尾の腱から単離された。細胞含有コラーゲンマトリックスは、10×の濃縮されたDMEMの1容量と中性緩衝液(0.05N NaOH, 0.26mM NaHCOおよび200mM HEPES)の1容量とにI型コラーゲン溶液を8容量混合し、各ミリセル(millicell)当たり線維芽細胞が5×10個になるよう添加して作製された。次いで、30mmポリカーボネートフィルタチェンバ(3.0cm Millicell;マサチューセッツ州ベッドフォードのMillipore)内に前記混合液の3mlを注入し、37℃でゲル化した後培地を加えた。次に、細胞含有コラーゲンマトリックスは、実施例1−1に記載された方法を用いて刺激された。
【0037】
実施例2:引っ張り強度が増加した人工皮膚の培養;
SEsを再構築するために、角質形成細胞は、DMEMとハムズ栄養混合物F12(Ham’sF12)(混合比=3:1)の混合物に付加され植え付けられ、5%FBS、0.4μg/mlハイドロコルチゾン、1μMイソプレテレノール、5μg/mlインシュリン、10ng/ml表皮成長因子(epidermal growth factor、カリフォルニア州、カールバドのInvirogen Co.,)、及び1ng/mlのbFGF(アメリカ合衆国、セントルイスのSigma Chemical Co.,)、及び25μg/mlアスコルビン酸を加えた。SEsは、1日培地に沈殿させ、さらに12日間空気及び液体(air−liquid)に露出して培養した。培養後、SEsは、パラフィンブロックに生成するように固定し、ヘマトキシリンおよびエオシン染色を行った。
【0038】
実験例1:コラーゲンマトリックスの乾燥重量;
サンプル(1cm×1cm)の乾燥重量は、凍結乾燥後測定した。乾燥重量は、乾燥前の総重量に対する百分率で測定して計算した。
【0039】
図4に示すように、刺激グループの乾燥重量%は、7.1±0.9%[31.3±5.7mgの乾燥重量(1回目26mg,2回目30.1mg,3回目37.3mg)、442.8±72.2mgの乾燥前の総重量(1回目360.4mg,2回目495.3mg,3回目472.6mg)]であった。刺激を加えなかったグループの乾燥重量%は、5.1±0.2%[28.8±4.6mgの乾燥重量(1回目25.6mg,2回目26.4mg,3回目33.9mg)と559.5±114.4mgの乾燥前の総重量(1回目481.4mg,2回目506.2mg,3回目690.8mg)]であった。この結果は、機械的な調製により乾燥重量%が増加したことを示す(5.1±0.2%から7.1±0.9%に増加)。
【0040】
実験例2:多孔性の分析;
機械的な刺激の効果を検証するために、コラーゲンマトリックスの多孔性を評価した。特に、断面は操作電子顕微鏡を用いて観察した(図5)。気孔率の測定は、通常、対象を水で飽和させたのち、総容積(乾燥物質(dry material))に対する孔容積(水容積)の比により算出される。しかし、コラーゲンマトリックスの親水性のために、気孔率は、2次元的電子顕微鏡写真から得られる総面積に対する気孔の面積の百分率比で規定した。
【0041】
実施例1−2にて得られたコラーゲンマトリックスは、平均59.1±4.7%(実験の1回目62.9%,2回目58.7%,3回目53.4%,4回目64.5%,5回目55.9%)であり、対象群の気孔率の平均34.3±3.0%(実験の1回目29.8%,2回目35.6%,3回目37.3%,4回目36.1%,5回目32.8%)より高かった。気孔のサイズは、様々ではあるが、刺激グループでは一般に小型であった。図5に示すように、新たに合成されたと見られる多数の線維束(bundles)が刺激されたグループにて観察され、刺激されたグループは刺激がなかったグループに比べより小さい気孔が観察された。
【0042】
実験例3:引っ張り強度の測定;
コラーゲンマトリックスの引っ張り強度は、テクスチャーアナライザー(イギリス、ゴッダルミング(Godalming)、Stable Micro SystemsのTA−XT2i Texture Analyser)を用いることによって測定される。図6に示すように、刺激されたグループのコラーゲンマトリックスは、刺激をしなかったグループのコラーゲンマトリックスに比べ伸ばすのにより大きな力が必要であった。
【0043】
この実験において、引っ張り強度は、コラーゲンマトリックスから残留培養液を除去した後水で飽和された状態で測定した。対照グループと刺激されたグループとの引っ張り係数(tensile modules)は、それぞれ12.3±3.4N/cm(実験の1回目8.2N/cm,2回目9.0N/cm,3回目15.7N/cm,4回目11.3N/cm,5回目17.1 N/cm),23.5±4.8N/cm(実験の1回目18.4N/cm,2回目17.6N/cm,3回目28.1N/cm,4回目22.5N/cm,5回目23.5N/cm)であった。これらの実験において、刺激されたグループの引っ張り係数は、対照グループの引っ張り係数の約2倍であった。
【0044】
実験例4:細胞外マトリックスタンパクの発現;
コラーゲン合成における周期的な刺激の効果及び細胞外間トリイクス蛋白質の発現を調べるため、実施例1−2で得たコラーゲンマトリックス500mgと対照サンプルのコラーゲンマトリックス500mgを用意し、TRIzol(Cat.No.15596−026,Gibco BRL/Invtrogen)試薬を使用してRNAを用意した。少量のRNAは、凝固させた後短時間で得られた対照コラーゲンゲルから抽出された。20μgのRNAは実施例1−2から得られたコラーゲンマトリックスから抽出された。抽出されたRNAは、RT−PCR(reverse−transcription polymerase chain reaction)により増幅され、結果は図7Aに示されている。特に、総RNAは、TRIzol試薬(ニューヨーク州グランドアイランドのGibco)を用いて分離され、2μgのRNAは製造元の指示にしたがい、プロメガ(Promega)(ウイスコンシン州マディソン)から提供される逆転写システムを用いて逆転写した。得られたcDNAは以下のプイマーを用いて増幅された。
【0045】
I型プロコラーゲン;
フォーワードプライマー(forward primer):5‘-CTCGAGGTGGACACCACCCT-3’
リバースプライマー(reverse primer):5‘-CAGCTGGATGGCCACATCGG-3’
MMP−1;
フォーワードプライマー(forward primer):5‘-ATTCTACTGATATCGGGGCTTTGA-3’
リバースプライマー(reverse primer):5‘-ATGTCCTTGGGGTATCCGTGTAG-3’
*フィブロネクチン;
フォーワードプライマー(forward primer):5‘-AGGTTCGGGAAGAGGTTGTT-3’
リバースプライマー(reverse primer):5‘-TGGCACCGAGATATTCCTTC-3’
【0046】
PCR生成物は、エチジウムブロミド染色と1.5%アガロースゲル上での電気泳動によって視覚化される。得られたcDNAも、以下に示すようにGAPDHのための特定のプライマーを用いて増幅される。
【0047】
フォーワードプライマー(Forward primer):5‘-CCACCCATGGCAAATTCCATGGCA-3’
リバースプライマー(Reverse primer):5‘-TCTAGACGGCAGGTCAGGTCCACC-3’
【0048】
図7Aには、I型プロコラーゲンのm−RNAレベルとフィブロネクチンが対照グループに比べ刺激されたグループより増加することが示されている。
【0049】
蛋白質発現レベルは、ウエスタンブロッティング方法によって分析された。培養された皮膚基材は、緩衝液[62.5mMのTris−HCl(pH6.8)、2%のSDS、5%のβ−メルカプトエタノール、2mMのフェニルメチルスルホニルフロライド、プロテアーゼ阻害剤(ドイツ、ミューヘン、RocheのCompleteTM)、1mMのNaVO、50mMのNaF、10mMのEDTA]に溶解させる。1レーン当たり20μgの蛋白質は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離され、0.4%のトリス−緩衝生理的食塩水中に5%乾燥ミルクを飽和させたニトロセルロール膜にブロットされた。ブロットは、1:1000の希釈に適当な初期抗体をインキュベートし、その後、さらにホースラデイッシュ・ペルオキシダーゼ接合第2抗体をインキュベートした。結合した抗体は、増強された化学発光パルスキット(イギリス、リトルカルフォントのAmersham International)を用いて検出された。以下の抗体を用いた:I型プロコラーゲンに対するモノクローン系の抗体(SP1.D8,Yale University school of MedicineのDr.Heinz Furthmayrによって供給された)、MMP−1(カリフォルニア州ラジョラのOncogene,IM35L)、TIMP−1(カリフォルニア州サンタクルーズのSanta Cruz Biotechology,Inc.,sc−6832)、TIMP−2(Santa Cruz Biotechology,Inc.,sc−21735)及びアクチンに対するゴースト抗体(Santa Cruz Biotechology,Inc.,sc−1616)。
【0050】
結果として、物理的な刺激は、対照サンプルに比べ劇的にI型プロコラーゲンのレベルを増大させた。なお、MMP−1活性を抑制するTIMP−1とTIMP−2のレベルは、対照サンプルに比べ増加した。これらの知見は、MMP−1のm−RNAレベルは刺激されたグループより高かったが、MMP−1のレベルは刺激されたグループと対照グループとでは同等であることを説明している。したがって、I型プロコラーゲン蛋白質の生成を増加させ、より微細な気孔とより強い引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスから生成されたMMP−1タンパク質によって消化(digestion)が制御されたと言える。
【0051】
本発明は、好ましい実施の形態を引用して詳細に記載したが、当業者であれば本願の請求の範囲に記載されている発明の精神及び範囲から外れることなく様々な改良及び代替を行うことができるものと認められる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】刺激システムの概要図である。
【図1B】刺激システムの概要図である。
【図2】実施例1−1における物理的な調整の後における代表的な変位のサイクルを示す図である。
【図3】実施例2における対照モデルと刺激モデルのマトリックス上に培養した人工皮膚の写真である。
【図4】実験例1における機械的な刺激によって培養されたマトリックスゲルの乾燥重量の増加を示した図である。
【図5】実験例2における機械的な刺激によって培養されたマトリックスゲルの多孔性の増加を示した図である。
【図6】実験例3における機械的な刺激によって培養されたマトリックスゲルの引っ張り強さの増加を示した図である。
【図7A】機械的な刺激のもとで培養されたコラーゲンゲルにおけるI型コラーゲン、MMP−1、線維結合素(fibronectin)のmRNA発現の増加を示す図である。
【図7B】実験例4における機械的な刺激により培養されたコラーゲンゲルにおけるI型コラーゲン、TIMP−1、TIMP−2の蛋白質レベルの増加を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)コラーゲン、線維素及びこれらの混合物を含む群から選択された物質を含む溶液と哺乳類の細胞とを混合し哺乳類細胞を含むゲルを調製する工程と、
b)良好な多孔性及び引っ張り強度を有するコラーゲンマトリックスを作製するために、コラーゲンゲルに物理的な力を周期的に及び非連続的に負荷される条件下でゲルを刺激する工程と、
を有する哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
であって、
【請求項2】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
哺乳類の細胞によりコラーゲンの生成を増加させるために、ゲルの底面に物理的な力を加えることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項3】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記コラーゲンは、I型コラーゲン、III型コラーゲン及びIV型コラーゲンから成る群から選択される1種以上の物質であることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項4】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記物理的力は、コラーゲンのプレートの1個所以上にコラーゲンのプレートを横切るように加えられことを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項5】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記コラーゲンマトリックスは、0.1μmから100μmの径で気孔率が10%から90%である気孔を有し、引っ張り強度が1N/cmから200N/cmであることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項6】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記刺激の強さは、1×10−7N/mから1×10−1N/mであることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項7】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記刺激の頻度は、1分間当たり0.01回から500回であることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項8】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記b)工程は、弾性体により製造された培養容器において、細胞を含むゲルを刺激することにより行われることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項9】
請求項8に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記弾性体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーやシリコ−ンから成ることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項10】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記ゲルは、ゲルの周囲側面において固定され、コラーゲンゲルの中央部分を含むコラーゲンゲルの底面の1個所以上に物理的な力が負荷されることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項11】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記刺激は、独立的にコラーゲンゲルの底面の2個所以上に負荷されることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項12】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記刺激は、カム−シャフトに装着された少なくとも1つのカムにより生成される、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項13】
請求項12に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記カム−シャフトは、1分間当たり0.01回から500回の速度で回転することを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項14】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記細胞は、1mlの溶液当たり1×10細胞から1×10細胞の濃度で混合されることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項15】
請求項1に記載の哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法において、
前記細胞は、線維芽細胞、真皮毛包細胞(dermal sheath cell)、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell)、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell、EPC)、角質形成細胞、メラニン細胞、毛髪細胞、血液から由来するランゲルハンス細胞、血液から由来する内皮細胞、血液細胞、マクロファージ、リンパ球、脂肪細胞、皮脂腺細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞および血液から由来する上皮性触覚細胞に至る細胞群から選択されることを特徴とする、哺乳動物の細胞を含むコラーゲンマトリックスの調製方法。
【請求項16】
0.1μmから100μmの径で気孔率が10%から90%である気孔を有し、引っ張り強度が1N/cmから200N/cmであるコラーゲンマトリックス。
【請求項17】
請求項16に記載のコラーゲンマトリックスにおいて、
前記コラーゲンマトリックスは、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法により調製された哺乳類の細胞を含むコラーゲンマトリックスであることを特徴とする、コラーゲンマトリックス。
【請求項18】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法により調製されたコラーゲンマトリックスを含む、人工皮膚又は人工臓器の培養に使用するコラーゲン足場(collagen scaffold)。
【請求項19】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法により調製されたコラーゲンマトリックスを含む、美容又は治療用フィラー。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公表番号】特表2009−514546(P2009−514546A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539923(P2008−539923)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004604
【国際公開番号】WO2007/052980
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(506198861)ウェルスキン カンパニー リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】WELSKIN CO., LTD.
【Fターム(参考)】