説明

多孔質基材上で試料を処理する方法及びシステム

多孔質基材に固定された試料を処理するための方法及びシステムは、一般に、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の1以上の流体分離領域に対応する開口を有する多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口、及び少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を介して流体を受容する流体出口を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、多孔質基材上で試料を処理する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースマトリックス(例えばWhatmanから入手可能な31ETF、FTA及びFTA Eluteカード)のような多孔質基材は、血液のような生物学的試料を貯蔵するのに使用されることが多い。これらのカードの新しい応用分野は製薬産業であり、薬物動態学及び毒物動態学的研究のための乾燥した血液試料を保存するのに使用されている。乾燥した血液スポット内の薬物又は薬物代謝産物の量を分析する時が来たとき、現行の方法ではユーザーが試料をカードから、通常1〜6mmの直径の円として切り出し、その切り出したディスクを抽出流体と共にバイアル又はウェルに入れ、次いで所定の時間震盪/ボルテックス混合する必要がある。その後抽出流体を取り出し、LC−MSのような方法を用いて分析する。
【0003】
製薬産業は1日に多くの試料を処理することを望んでおり、従ってこの処理を自動化する手段を期待している。ディスクを切り出し抽出するという現行のワークフローでは、自動化の難問に直面したとき幾つかの問題が生じる。第一の問題は切り出しステップで生じる。小さい切り出しディスクは静電気又は軽風の影響を極めて受け易い。切り出したディスクは切り出しステップ中又は切り出したディスクの輸送中に失われるという数多くの報告がある。交差汚染が、FTAカードから断片を切り出さなければならないことに伴う別の重要な問題である。すなわち、切り出し中に小さい繊維が放出されることが多いからである。これらの小さい繊維はその後試料間の交差汚染を引き起こす可能性がある。
【0004】
ワークフローを自動化するための以前の試みは、乾燥試料を含むカードの一部分を切り出すことを含んでいる。次いで、切り出したディスクをバイアル/ウェルに入れ、そこに抽出流体を加えた後、所定の時間震盪/ボルテックス混合する。或いは、切り出したディスクを、流体を流して分析物を抽出することが可能になる装置に入れる。これらのアプローチはいずれも切り出しに伴う問題とリスクを蒙る(例えば、試料ディスクの損失、ほぐれた繊維の汚染、切り出しブレードによる汚染)。
【0005】
別のアプローチは、ブランクカードの一部分を予め切り出し、その予め切り出した基材のディスク上に試料を載せた後、ディスク全体を(ボルテックス混合、震盪、又はフロースルーにより)抽出することである。この処理は切り出しに伴うリスクの幾つかに対処するが(例えば、切り出しは試料の添加前に行う)、適用用途が限られており、試料を複数回分析することができない。この方法の使用は、カードに固定された血液の量に対するこの処理の依存性のために限られている。予め切り出したディスクに添加される試料の量が一貫していなければ、薬物又は薬物代謝産物の量も一貫していない。試料収集の正確で一貫した量を達成するのは困難である多くの状況及び環境がある。不一致は、例えば、試料を収集する方法(すなわち、血液採取のために指を突き刺す)又は試料を収集する者の訓練レベルに起因し得る。
【0006】
さらに別のアプローチは、カードを硬い表面上に置き、次いで円形のナイフエッジで押し下げることであり、このナイフエッジはカードを押圧するが切り裂くことはない。次に、抽出緩衝液をナイフエッジによって分離されたカードの表面上に通す。この方法は切り出しを回避するが、流体がカードの深さ全体から確実に抽出することはない(例えば、表面の分析物のみが抽出され得る)。また、ナイフエッジを除去する前にカードの分離された領域から流体を除去する方法も提供されない。このため、ナイフエッジが除去された後、流体は取り囲む領域内に吸い上げられることができよう。これにより、残りの試料が損傷され、カード上の別の位置からの再試料採取が困難又は不可能になるであろう。また、試料の上を流体が流れるとき、繊維が放出されることがある。このアプローチはまた、放出された繊維を除去するためにインラインフリット(frit)を使用する。しかし、これらのフリットは長期間中に詰まることがあり、交差汚染を引き起こす可能性があり、従って清浄化するか又は試料間で交換しなければならず、このためユーザーは追加のステップを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3879127号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法及びシステムは一般に、体液中の薬物及び薬物代謝産物の分析のために多孔質基材(例えば、セルロースカード)上の乾燥試料から分析物を抽出することに関する。本方法は一般に圧迫を使用して、その後カードの表面に対して垂直に抽出緩衝液が貫通して流れるカードの領域を分離する。この方法は、残りの抽出緩衝液をカード及びシステムから除去するためにクリアリングステップを含み得る。この方法は、抽出前にペーパーを切り出すことに伴うリスク及び問題を克服する。圧迫シール内でペーパーに対して垂直に流体を流すことにより、分離された領域全体で均一な抽出が確保される。これらの方法では、血液スポット上の異なる位置から追加の抽出を行うことも可能である。例えば、クリアリングステップにより、圧迫力が取り除かれたとき分離された領域の試料の完全性が確実に維持される。
【0009】
また、本方法及びシステムでは、流体がセルロース基材を通って流れるときに放出される繊維を除去するために使い捨て可能な膜の容易な組み込みも可能になる。この膜は、追加のステップなしでユーザーが加え、取り替えることができ、このシステムを質量分析計のような分析系に直接接続するのが容易になる。
【0010】
本発明の方法及びシステムにより、FTA及びFTA Eluteのようなセルロースマトリックスカードの使用を自動化する際の難問の幾つかが克服される。本方法及びシステムでは、切り出しする必要なく多孔質基材の確定された領域から抽出することが可能になる。これにより、切り出したディスクを失ったり、又は別の試料を汚染する可能性があるほぐれた繊維を切り出し中に作り出すリスクが排除される。また、カード上の試料全体だけでなく、圧迫により分離された試料の一部分に対しても、一回より多くの試験を行うことが可能になる。本方法及びシステムによって、試料の確定された領域が効果的に分離されるので、一貫した量の試料が試験される。例えば、ペーパー上に収集される血液の量が変化しても、本方法では常に同じ領域の乾燥した血液が抽出/分析される。試料が均一に吸い上げられるWhatmanカードのような製品の場合、同じ領域を分析することは、同じ体積の元の試料材料を分析することと同等である。セルロースカードの取扱いのために利用可能な自動化溶液(automation solution)の改良は、ハイスループットの分析を必要とする製薬産業のような分野におけるこれらの材料の発展を支えている。
【0011】
多孔質基材に固定された試料を処理するための本発明のシステムの一例の実施形態は、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に対して押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき、圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を通して流体を受容するための流体出口を含んでいる。このシステムはさらに、繊維を除去するために圧縮可能な膜又はフィルターを含み得る。この膜又はフィルターは、多孔質基材から出る流体が流体出口に入る前に膜又はフィルターを通って進むように、多孔質基材と圧迫機との間に設置される。
【0012】
圧迫機は頂部シールプラグ及び底部シールプラグを含み得、これらの一方又は両方がアクチュエーターによって多孔質基材に押し付けられる。ここで、底部シールプラグは支持体内の開口と流体連通した開口及び流体出口と流体連通した開口を有している。頂部シールプラグは流体入口と流体連通した開口を有し得る。このシステムはさらに、複数のウェル及び/又はバイアルを有するプレートからなる受容器を含み得る。また、このシステムは、質量分析計のような分析系に直接接続してもよい。
【0013】
多孔質基材に固定された試料を処理するシステムの別の実施形態は、各々が、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を通して流体を受容する流体出口を含む複数の試料処理サブシステムと、試料処理サブシステムの流体入口と流体連通したマニフォルドと、複数の多孔質基材を収容するためのカセットと、1以上の流体受容器を試料処理サブシステムに輸送するための受容器シャトルサブシステムと、多孔質基材をカセットから試料処理サブシステムへ輸送するための自動アセンブリと、試料処理サブシステムと自動アセンブリを調和させるコントローラーとを含んでなる。このシステムはさらに、基材を画像化して、多孔質基材上の試料の位置を特定するための画像化サブシステムを含み得る。自動アセンブリはロボットサブアセンブリと、ロボットサブアセンブリがカセットと試料処理システムとの間を移動する際に沿うガイドとを含み得る。また、自動アセンブリは多孔質基材を画像化サブシステムへ輸送する。
【0014】
多孔質基材に固定された試料を処理するためのシステムのさらに別の実施形態は、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を通して流体を受容する流体出口、及び、支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上を清浄化するクリアリング要素を含んでいる。クリアリング要素は、例えば、支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上を通してガスを強制的に流すことによって清浄化し得る。
【0015】
支持体上の多孔質基材に固定された試料を処理する方法の一例は、多孔質基材上に圧迫シールを創成して、試料の一部分がその内部に分離される分離ゾーンを形成し、分離されたゾーンを通して流体を流すことにより、分離ゾーン内に分離された試料に流体を適用し、流体が分離ゾーンを通って流れた後流体の少なくとも一部分を収集し、分離されたゾーンを通してガスを流すことにより分離ゾーンから流体を除き、圧迫シールを剥ぎ取り、収集した流体及び分離ゾーン内の試料の一部分の一方又は両方を分析することを含み得る。この方法はさらに、圧迫シールを創成する前に多孔質基材上の試料を画像化するか、及び/又は流体を収集した後に試料を画像化することを含み得る。圧迫シールを創成するステップはまた、圧迫可能な膜又はフィルターを多孔質基材と共に圧迫することも含み得る。分析するステップは収集した流体内の1以上の物質の量を定量化することを含み得る。試料が血液又はその他様々なタイプの生物学的材料からなる方法において、分析するステップは試料の1以上の成分を同定することを含み得る。圧迫シールを創成するステップは多孔質基材上に複数の分離ゾーンを形成することを含み得る。複数の流体を同時又は連続的に試料に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の上記及びその他の特徴、局面、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことで、より良く理解されるであろう。図面中、類似の符号は類似の部分を表す。
【図1】図1は、多孔質基材上で試料を処理するための本発明の圧迫機の実施形態の透視図である。
【図2】図2は、図1に示す圧迫機の実施形態の断面図である。
【図3】図3は、図1に示す圧迫機を使用する本発明の方法の一例の概略図である。
【図4A】図4Aは、本発明の圧迫機を使用しない多孔質基材上の流体の吸い上げを示す画像である。
【図4B】図4Bは、本発明の圧迫機を使用した分離領域内の流体の分離を示す画像である。
【図5】図5A及び5Bは、それぞれ、本発明の圧迫機を使用して分離された試料上の領域を示す多孔質基材上の試料の頂部及び底部の画像である。
【図6】図6は、種々の量のHyamineを添加した(スパイクした)乾燥血液スポットから抽出されたHyamineの量を示すプロットである。
【図7】図7は、多孔質基材上で試料を処理するための本発明の圧迫機ユニット及び流体ユニットの実施形態の透視図である。
【図8】図8は、多孔質基材上で試料を処理するための本発明のハイスループットシステムの実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の方法、装置及びシステムは、一般に、セルロースカードのような多孔質基材のある領域を圧迫して、生物学的試料が前もって配置されている基材の一部分を分離し、その後基材の分離された一部分に、基材の平面に対して垂直に、抽出緩衝液を通して、生物学的試料の少なくとも一部分をカードから抽出する。
【0018】
多孔質基材に固定された試料を処理するためのシステムの別の実施形態は、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき、圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を通して流体を受容する流体出口、及び、支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上を清浄化するクリアリング要素を含んでいる。このクリアリング要素は、例えば、支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上を通して気体又は液体を強制的に流すことにより、清浄化し得る。
【0019】
以下は、多孔質基材上で試料を処理するための方法及びシステムの様々な例及び実施形態を例示するために用いられる非限定例である。
【0020】

図1〜図3に示すように、全体を装置10として示す本発明の圧迫装置の一実施形態は、例えば頂部シールプラグ14及び底部シールプラグ18を含み得る圧迫機を含んでおり、これら頂部及び底部プラグは、それぞれ、分離領域を画成する開口を有し、流体の通過を可能にする流体入口及び流体出口、又はチャンネル15及び19を有する。この例のプラグのチャンネルはサイズが適合しており、頂部及び底部プラグが互いに接触していればこれら2つの部分を通って妨害なく流体が流れるように並んでいる。この非限定的実施形態では、チャンネルを通る流れは2つの部分の分割線、すなわち分離領域において直径3mmの円形の断面を有する。チャンネルは、例えば図2に示すように、2つの部分の分割線の上方及び下方で断面が狭くなり得る。中空のプラグは分割線のところで、この非限定例の場合、0.0139in2(9mm2)のシール面42を有していて、直径3mmの断面を有する分離領域46を形成している。この例では、フランジレスチュービングナット22(フェルールは図に示してない)を用いて、外径1/16”及び内径1mmを有するチュービングを支持しており、緩衝液のような流体を流体入口26及び出口28を介して輸送する。分離領域46は3mm(矢印C)又は円形の断面に限定されない。分離領域の大きさと形状は装置の所定の応用又は用途に応じて変化し得る。
【0021】
頂部シールプラグは、圧迫アクチュエーター又はアクチュエーターサブアセンブリに直接取り付けられる別の、場合により使い捨て可能な構成要素であり得る。底部シールプラグは、ベースの支持構造体により正確に位置付けられる別の、恐らくは使い捨て可能な構成要素であり得る。或いは、底部シールプラグはベースの支持構造体の一体部分であることができよう。
【0022】
この装置を使用するには、多孔質基材24、例えばセルロース基材を、頂部シールプラグ14と底部シールプラグ18の間のスロット16内に挿入する。頂部シールプラグは、この例では垂直方向に、又は一般にセルロース基材の表面に対して垂直に移動する頂部プッシャー12のようなアクチュエーターと協同する。アクチュエーターは底部シールプラグに向かって頂部シールプラグにシール力(矢印Aで示す)をかける。この力が、2つの部分の、本明細書では分離領域46を画成するシール面42と称される分割線で共有される領域により確定される領域に対して確定された圧力を創成する。装置の構成要素は支持ベース20内に収まっている。大きな圧力がシール面にかかると、セルロース基材の繊維が圧迫され、基材上の平行な流れ(吸い上げ)を分離領域46内にはっきりと限定し、従ってあらゆる流体の流れが、(矢印Bで示すように)ペーパーを通して、一般にペーパーに対して垂直に、効果的に方向付けられる。
【0023】
頂部及び底部シールプラグは多孔質基材(例えばセルロースカード)を効果的に押圧して、吸い上げを防ぐ圧迫された繊維のバリヤーを作り出す。圧迫された繊維のバリヤーがないと、流体の大部分がペーパーに対して垂直に流れるよりはむしろペーパー表面に沿って外へ吸い上げられるであろう。圧迫により形成される分離領域によって、このシステムは、試料が固定された基材の断片を切り出して捕捉する必要なく、確定された領域から試料を採取することが可能になる。例えば、試料の一部分が固定された多孔質基材の断片(例えばディスク)を切り出しするステップ、及びその後の切り出した断片をウェルのような受容器に捕捉するステップの必要がなくなる。流体通路を分離することにより、本発明の方法及びシステムは、切り出した断片の損失、並びに切り出し中及び切り出した断片の捕捉中にほぐれた繊維によって起こされる交差汚染に関連する問題を排除する。試料間の汚染をさらに避けるために、本方法及びシステムは、分析物抽出間に洗浄ステップを含んでもよいし、又は(例えば、使い捨て可能なピペット先端を使用する自動化方法及びシステムと同様に)試料間で取り替えられる使い捨て可能なカバーを使用してもよい。
【0024】
図4A及び4Bは、それぞれ、圧迫がないとき及び圧迫があるときに多孔質基材に緩衝液を適用した場合の差を示している。具体的には、4Aに示す例においては、50μLの水(食品着色料を加えた)を使用して、プッシャーヘッドに圧迫力をかけることなく31 Etクロマトグラフィーペーパー30に通して流した。図にスポット32で示すように、流体はペーパーに沿って外へ吸い上げられるだけであり、ペーパーを通って流れない。対照的に、4Bに示す例では、50μLの水(食品着色料を加えた)を使用し、プッシャーヘッドに200lbfの圧迫力をかけて31 Etクロマトグラフィーペーパー34に通して流した。図に示すように、流体は分離領域36から外へ吸い上げられなかった。代わりに、流体はペーパーを通り、これに対して垂直に、しかも分離領域の境界内で流れた。
【0025】
図5A及び5Bは、試料を分離するのに圧迫を使用することの効果を示しており、それぞれ、基材上の乾燥した血液試料に本方法の一例を適用した後の多孔質基材48(例えばFTAカード)の上面図及び底面図である。この例では、乾燥した血液スポットの、一般に圧迫領域47の形状と大きさによって決定される3mmの分離領域49に通して水を流した。図で分離領域49の白色の丸い領域で示すように、水はスポットからヘモグロビンを除去した。抽出の領域は多孔質基材の頂部(図5A)又は底部(図5B)から見て均一である。
【0026】

多孔質基材上で試料を処理する本発明の1つの方法の一例は、多孔質基材(乾燥した分析物を含有している)を装置のスロット内に入れて、シールプラグのヘッドが所望の抽出領域と並ぶようにした後、(プッシャーを介して)シールプラグに力をかけることを含んでいる。シールプラグのヘッドがペーパーを圧迫して、流体入口を介して分離領域に導入される抽出緩衝液のような液体が、基材に緩衝液が適用される最初の点から外へ吸い上げられるのを防ぐシールを形成する。緩衝液は、この例では、第1のプッシャーに同心に配置された中空のボア内に設置された入口管を介して基材に適用される。この緩衝液は、ペーパーを貫通して、分離領域の外へ吸い上げられることなく流れ、次にこの例では底部、すなわち第2のプッシャー内に同心に設置された中空のボア内に設置された出口管を通って、ウェルプレート又はバイアルのような受容器内へ流れる。一方又は両方のプッシャー(シールプラグ)が他方に向かって移動し得るか、又は一方が静止していて他方のプッシャーのみがその静止プッシャーに向かって移動し得る。この例において流体はペーパーに対して垂直な方向に流れる。1以上の抽出の後、試料及び/又は抽出流体と接触する装置の表面を、清浄化又はその他の方法で物質を除いて、交差汚染を低減又は抑制し得る。例えば、空気を装置又はシステム中に導入し強制的に通して、圧迫力をかけたままで流体通路内のあらゆる残りの液体又は異物を除去し得る。また、空気を導入して試料領域から過剰の流体を除去して、その位置を乾燥すると共に圧迫力が解放された後の流体の吸い上げを防ぐこともできる。その後、シールプラグから圧迫力を解放し、ペーパーをスロットから取り出す。また、クリアリングステップはペーパーを取り出し、圧迫力を再度かけて流体通路を装置又はシステムの様々な構成要素に再度接続した後に行うか、又は繰り返してもよい。
【0027】
より具体的な非限定例として、血液試料を種々の量のHyamineで処理した後、15μLの血液試料をFTAカードに適用した。血液試料の一部分の回りを圧迫することにより血液スポットの一部分を分離した。次に、300μLの70%THFを流体入口を介して導入し、圧迫領域(例えば内径3mm)で区切られた分離領域内の血液スポットに60μL/minで流した。70%THFを出口から出た後バイアルに収集し、次いで液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を用いて分析し、校正標準を用いてピーク強度の読みを濃度データに変換する。図6は、各々の血液スポットから抽出されたHyamineの濃度のプロットを示す。血液中に添加した薬物の量と抽出された量との間には直線状の関係がある。
【0028】
本発明の方法及びシステムは、多くの異なる目的のために、限定されることはないが、免疫検定(例えば、ある成分の存否を同定するため)、UV検出による液体クロマトグラフィー(例えば、成分を特性決定し定量化するため)、及び液体クロマトグラフィーと質量分析(例えば、成分を特定し及び/又は定量化するため)のような多様な分析系を使用して、試料及び試料から抽出される物質を分析し得る。
【0029】
さらに別のより具体的な非限定例として、Proguanilを50μg/mLで血液試料に添加し、血液の15μLの部分試料をFTAカードに適用した。圧縮可能な膜(Pall Life Sciences Supor−200膜フィルター、0.2μm空隙)を、乾燥試料を付けたFTAカード24と底部シールプラグ18との間に配置した。分離された領域を出て行く流体は、出口を通り抜ける前に膜を貫通しなければならない。膜の空隙サイズは、放出され得るいかなる繊維よりも小さい。このカードと膜を両方とも装置内で圧迫する。抽出は、圧迫システムと100μLの70%THFを用いて行った。70%THFを出口から出た後バイアルに収集し、次いで液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を用いて分析し、校正標準を用いてピーク強度の読みを濃度データに変換する。これを二回繰り返す。以下の表に、膜を用いた場合と用いない場合の抽出緩衝液中に検出された薬物の量を示す。膜を加えても、分離完全性又は抽出効率は低下しなかった。
【0030】
【表1】

本方法及びシステムはハイスループット用途に適合させ得る。図7は、多孔質基材70上で試料を処理するためのハイスループット圧迫装置50の一例の実施形態である。この実施形態の装置は、圧迫ユニット52、プッシャー54、及び複数のバイアル68が配置されているバイアルストリップ66を含んでいる。このシステムはさらに、流体通路60を介して圧迫ユニット52と流体連通している、抽出緩衝液のような流体材料を導入するための流体ユニット56を含んでいる。この流体装置は、シリンジポンプ62、マルチポートバルブ64及び溶媒マニフォルド58を含んでいる。この装置は独立した装置であってもよいし、又は図8に示すようにより大きい処理システム内の幾つかのかかる装置の1つであってもよい。
【0031】
図8に示すハイスループットシステム80の実施形態は、一般に、1以上の流体装置56と流体連通した、例えば図7に示す圧迫ユニット52を含む複数(例えば2以上)の圧迫装置81を含む。溶媒マニフォルド82は、図示したように、溶媒タンク86から流体装置にコネクター84を介して並列に溶媒を供給する単一のマニフォルドであってもよいし、又は、各々が1以上の流体装置と協同し、及び/又は異なる材料を流体装置に供給する複数のマニフォルドからなっていてもよい。このシステムは、直線状のスライド又はコンベヤ90に沿って、矢印Dで示す方向に、ウェルプレート積み重ね装置104から複数の圧迫装置81へバイアルストリップを輸送するためのウェルプレートシャトル88を含み得る。各々の圧迫装置は、矢印E及びFで示すように、バイアルストリップをウェルプレートシャトル88から所定の圧迫装置の流体抽出通路中に出し入れ操作するためにバイアルストリップシャトル92及び垂直作動の直線状スライド93を含み得る。バイアルストリップのバイアルは、試料スポットから抽出された物質をバイアル中へ移すための穴開け可能なキャップを含み得る。穴開け可能なキャップはバイアル内の物質の完全性を維持するために穴開け後自己修復する材料から作成し得る。
【0032】
図8に示すハイスループットシステムの実施形態で、システムは、複数のFTAカードを支持し、及び/又は取り扱うのに使われるマガジンカセット94からFTAカードを圧迫装置へ送る操作をする、グリッパー100を備えた多軸(例えば、矢印G、H及びJで示す三軸)のCartesianロボット98を含む非同期式平行処理システムである。ロボットはまた、画像化装置96(例えばデジタルカメラ)と協同する1以上の画像化配置/位置へFTAカードを送り、FTAカード上の1以上の試料から1以上の物質が抽出された後(及び/又は前)FTAカードの画像を撮ることができるようにも操作し得る。その後、画像を処理し、検出系(図に示してない)を使用してFTAカード上の画像化試料スポットを分析し得る。コントローラー102をプログラミングして、システム80の様々なサブシステム及び装置を調和させることができ、例えば複数の試料処理サブシステムを調和させられるが、これらは各々が、この例示の実施形態の場合、1以上の流体分離領域を画成する圧迫機、圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域に対するアクセス通路を有する流体入口、少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を介して流体を受容する流体出口からなる。コントローラーはまた、試料処理サブシステム81の流体入口と流体連通したマニフォルド82を介した抽出緩衝液のような流体のタイミングと導入、多孔質基材をカセット94から試料処理サブシステム81へ輸送するための自動アセンブリ(例えばロボット98)の動き、シャトル88上に輸送された1以上の流体受容器(例えばバイアル又はウェルプレート)を直線状のスライド90に沿って試料処理サブシステムに輸送するための受容器シャトルサブシステムの動き、及びストリップシャトル93上の各受容器の各試料処理サブシステム81の流体通路への位置決めも調和させ得る。
【0033】

例えば図8に示すシステムのようなシステムと関連して使用されるプロセスの非限定例は、種々様々に以下の作動を含み得る。ウェルプレートがプレート積み重ね機から移される。バイアルストリップがウェルプレートシャトルから取り出され、バイアルストリップ上のバイアルが試料処理サブシステム(例えば81)の流体通路内に配置される。自動アセンブリ(例えば98)がマガジンカセットからFTAカードを取り出し、そのFTAカードをカメラの画像化領域内に移動する。画像化システムがFTAカード上の1以上の試料の位置を決定する。次に、自動アセンブリがFTAカードを圧迫装置の分離領域及び流体流通路内に配置する。圧迫装置のアクチュエーターが伸びてFTAペーパーを圧迫する。バイアルの1つを上昇させてバイアルのカバーに穴を開ける。次に、溶媒がポンプにより、マニフォルドから圧迫装置の流体入口を介して流され、FTAカード上の試料の分離領域を通り、試料から抽出された物質と共に受容器バイアル中に入る。同一のシステム内に複数の自動化アセンブリがあってもよい。
【0034】
バイアルを下げるか又はその他の方法で受容器シャトル上のその位置に戻す。廃棄ラインを流体出口通路内に配置する。ポンプで空気をFTAペーパーに通してラインを清浄化する。圧迫ラムを引っ込め、FTAカードを貫流装置から取り出しマガジンカセットに戻す。このFTAカードはカセット内に設置する前に画像化システムにより画像化し得る。
【0035】
その後、清浄なFTAカード(又は既に試料を採取したカードの清浄な部分)を貫流装置の分離領域及び流体流路内に配置してシステムを清浄化することができる。ラムを伸ばしてFTAペーパーを圧迫し、溶媒をポンプで清浄なペーパーに通す一方で圧力を調節して制御された吸い上げ/平行な表面清浄化を可能にする。再び空気をポンプでライン及びペーパーに通してラインを清浄化する。圧迫ラムを引っ込め、清浄なペーパーカードを貫流装置から取り出す。このプロセスは、システムの能力に応じて必要であれば繰り返し得る。例えば、このプロセスはバイアルストリップ(これはその後ストリップシャトルに戻される)上の一定の数の試料(例えば12の試料)に基づいて繰り返され、又はウェルプレート(例えば96試料、これはその後プレート積み重ね機に戻される)上の一定の数の試料に基づいて繰り返される。
【0036】
本明細書では、本発明の幾つかの特徴のみを例示し説明して来たが、多くの修正及び変更が当業者には自明である。従って、添付の特許請求の範囲は、かかる修正の全てを本発明の真の思想の範囲内に入るものとして包含するものであると了解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質基材(24;48;70)に固定された試料を処理するためのシステムであって、
1以上の流体分離領域(46;49)を画成する圧迫機、
圧迫機の1以上の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、
圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター(12;54)、
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口(26)、及び
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき、圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を介して流体を受容する流体出口(28)
を含んでなる、システム。
【請求項2】
圧迫機が頂部シールプラグ(14)及び底部シールプラグ(18)を含んでおり、アクチュエーターがその一方又は両方を多孔質基材に押し付ける、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
底部シールプラグが、支持体内の開口と流体連通した開口及び流体出口と流体連通した開口を有する、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
頂部シールプラグが流体入口と流体連通した開口を有する、請求項2又は請求項3記載のシステム。
【請求項5】
さらに、複数のウェルを有するプレートを含む受容器を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
さらに、1以上のバイアル(68)を含む受容器を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
さらに、分析系を含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
分析系が液体クロマトグラフィーシステムを含む、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
分析系が質量分析系を含む、請求項7又は請求項8記載のシステム。
【請求項10】
多孔質基材(24;48;70)に固定された試料を処理するシステムであって、
各々が、
1以上の流体分離領域(46;49)を画成する圧迫機、
圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、
圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター(12;54)、
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口(26)、及び
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき、圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を介して流体を受容する流体出口(28)
を含む複数の試料処理サブシステムと、
試料処理サブシステムの流体入口と流体連通したマニフォルド(58;82)と、
複数の多孔質基材を収容するためのカセット(94)と、
1以上の流体受容器を試料処理サブシステムに輸送するための受容器シャトルサブシステムと、
多孔質基材をカセットから試料処理サブシステムに輸送するための自動アセンブリと、
試料処理サブシステム及び自動アセンブリを調和させるコントローラー(102)と
を含んでなる、システム。
【請求項11】
さらに、多孔質基材上の試料を画像化するための画像化サブシステムを含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
自動アセンブリがロボットサブアセンブリ(98)及び、ロボットサブアセンブリがそれに沿ってカセットと試料処理システムとの間を移動するガイドを含む、請求項10又は請求項11記載のシステム。
【請求項13】
自動アセンブリがまた多孔質基材を画像化サブシステムに輸送する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
支持体上の多孔質基材(24;48;70)に固定された試料を処理するための方法であって、
多孔質基材上に圧迫シール(42)を創成して、分離ゾーン(46;49)を形成することにより、その内部に試料の一部分を分離し、
分離ゾーン内に分離された試料に流体を適用して、試料表面に対して実質的に垂直な方向に試料を通って流体を移動させ、
分離ゾーンに適用された後流体の少なくとも一部分を収集し、
収集された流体及び分離ゾーン内の試料の一部分の一方又は両方を分析する
ことを含んでなる、方法。
【請求項15】
さらに、分離ゾーンと接触して残留する流体を除くことを含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
さらに、圧迫シールを創成する前の多孔質基材上の試料を画像化することを含む、請求項14又は請求項15記載の方法。
【請求項17】
さらに、流体を収集した後に試料を画像化することを含む、請求項14乃至請求項16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
分析するステップが、収集された流体内の1以上の物質の量を定量化することを含む、請求項14乃至請求項17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
試料が血液からなり、分析するステップが試料中の1種以上の薬物化合物又は薬物代謝産物を特定することを含む、請求項14乃至請求項18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
試料が生物学的材料からなり、分析するステップが生物学的材料の1以上の特性を決定することを含む、請求項14乃至請求項19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
圧迫シールを創成することが多孔質基材上に複数の分離ゾーンを形成することを含む、請求項14乃至請求項20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
複数の流体を試料に適用する、請求項14乃至請求項21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
複数の流体を同時又は連続的に適用する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
圧縮可能な膜又はフィルターを多孔質基材と流体出口との間に設置する、請求項14乃至請求項23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
膜又はフィルターが、試料から放出され得るいかなる繊維よりも小さい有効空隙サイズを有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
多孔質基材(24;48;70)上に固定された試料を処理するためのシステムであって、
1以上の流体分離領域(46;49)を画成する圧迫機、
圧迫機の流体分離領域に対応する開口を有する、多孔質基材のための支持体、
圧迫機の少なくとも一部分を多孔質基材に押し付けるアクチュエーター(12;54)、
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき流体分離領域へのアクセス通路を有する流体入口(26)、
少なくとも圧迫機が多孔質基材を押圧しているとき、圧迫機の流体分離領域に対応する支持体内の開口を介して流体を受容する流体出口(28)、及び
支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上を清浄化するクリアリング要素
を含んでなる、システム。
【請求項27】
クリアリング要素が、支持体内の開口、流体入口又は流体出口の1以上に気体又は液体を強制的に通すことにより清浄化する、請求項26記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513097(P2013−513097A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541451(P2012−541451)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068457
【国際公開番号】WO2011/067221
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(500055533)ワットマン・インターナショナル・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Whatman lnternational Limited
【Fターム(参考)】