説明

多孔質多層体物品及び製造法

多孔質多層体物品及び製造方法が開示されている。多成分ポリマー繊維が形成チャンバに導入され、第1の多孔質基材上に堆積される。次に、多成分繊維が互いに接着されて多孔質凝集性のウェブが形成され、多孔質凝集性のウェブが第1の多孔質基材に接着され、これによって、多孔質多層体物品が形成される。多孔質凝集性のウェブは、ウェブの多成分繊維に接着された粒子を含有する。多孔質凝集性のウェブ内の粒子は、例えば研磨材、吸収剤などであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は米国仮出願第61/253580号(2009年10月21日出願)の権利を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、多孔質多層体物品及び製造法に関する。このような物品は、例えば表面の多機能スクラビングのために頻繁に使用される。例えば、別の多孔質層がふき取り及び/又は吸着機能を実行し得ると同時に、一つの多孔質層がスコーリング(洗浄)及び/又は研磨機能を実行し得る。このような多孔質多層体物品は、2つの多孔質層を形成させて、次に前形成された層を結合させて、更に互いに接合させることによって頻繁に生産されている。
【0003】
しばしば、このような物品の1つ又は双方の多孔質層は、不織布ウェブを備える。このような不織布ウェブは、例えば、高密度から祖の状態まで、硬質から軟質まで、剛性から可撓性までなど、構造及び性質において変動してもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
多孔質多層体物品及び製造法が開示されている。多成分高分子繊維が形成チャンバ内に導入され、並びに第1の多孔質基材上に堆積される。次に、多孔質多層体物品を形成させるために、多成分繊維が互いに接着され多孔質凝集性のウェブが形成されて、並びに多孔質凝集性のウェブが第1の多孔質基材に接着される。多孔質凝集性のウェブは、ウェブの多成分繊維に接着された粒子を含有する。多孔質凝集性ウェブ内の粒子は、例えば研磨材、吸収剤などでもよい。
【0005】
したがって、1つの態様では、本明細書に開示されたのは、多孔質多層体ウェブの製造法であって、この製造法は、不連続多成分ポリマー繊維を形成チャンバ内に導入する工程と、粒子を形成チャンバ内に導入する工程と、多成分繊維及び粒子を、形成チャンバ内で混合する工程と、多孔質、粒子を含有する繊維状マットを第1の多孔質ウェブの上部に形成するように、多成分繊維及び粒子を、第1の多孔質ウェブ上に堆積させる工程と、粒子を含有する凝集性の多孔質ウェブを生成するように、多成分繊維の少なくともいくつかを互いに溶融固着させて、並びに多成分繊維の少なくともいくつかを粒子の少なくともいくつかと溶融固着させるために、多孔質、粒子含有繊維状マットを昇温に曝す工程と、を含み、昇温が、粒子を含有する凝集性の多孔質ウェブ及び第1の多孔質ウェブを互いに溶融固着し、多孔質、多層体ウェブを更に形成する。
【0006】
別の態様では、本明細書には、多孔質多層体物品が開示され、この多孔質多層体物品は、ポリマー繊維と、それに接着された研磨材粒子と、を含む第1の多孔質不織布層と、繊維接触部の少なくともいくつかのポイントにて互いに溶融接着された不連続多成分ポリマー繊維を含み、並びに前記多成分繊維の少なくともいくつかに溶融接着された吸収剤粒子を含む、第2の多孔質不織布層と、を含み、第1及び第2の多孔質不織布層が、互いに溶融接着されている。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。しかし、決して、上記要約は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、手続処理の間補正することができる添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本明細書に開示されたような代表的多層体多孔質物品の断面図。
【図2】図1の物品の1つの多孔質層の一部の分解組立断面図。
【図3】多層体多孔質物品を製造するための代表的工程を示す部分的カッタウェイ内の側面図。
【0009】
上記の図面は、本発明の実施形態を表しているが、説明において述べるように、他の実施形態も企図される。いかなる場合も、本開示は、本発明を、限定するのではなく代表して提示するものである。本発明の範囲及び趣旨の中で、多くの他の修正及び実施形態が、当業者によって考案され得ることを理解されたい。
【0010】
様々な図面における類似参照番号は類似要素を表す。いくつかの要素は、同一又は等価の複数で提示されることが可能であり、つまり1つのみ又はそれ以上の代表的要素が参照番号で示されることが可能な場合であっても、このような参照番号は、そのような同一要素の全てに適用されると理解されたい。特に指定されない限り、本文献における全ての図面及び図は、一定の縮尺ではなく、本発明の異なる実施形態を例示する目的で選択される。特に、様々な構成要素の寸法は、指示のない限り、例示的な用語としてのみ記述され、様々な構成要素の寸法間の関係は、図面から推測されるべきではない。本開示において、「上部」、「下部」、「上流側」、「下流側」、「下」、「上」、「前」、「後ろ」、「外」、「内」、「上へ」及び「下へ」、並びに「第1の」及び「第2の」等の用語が使用され得るが、これらの用語は、特に断りのない限り、それらの相対的な意味においてのみ使用されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
代表的な多孔質多層体物品500が図1に示されている。物品500は、少なくとも第1の多孔質層300と、粒子を含有する第2の多孔質層100とで構成される。物品500は、必要に応じて、第1の多孔質層300と第2の多孔質層100との間に熱活性化可能なウェブ400を備えてもよく、熱活性化可能なウェブは、多孔質層100及び300を一緒に溶融接着するために用いられてもよい。第1の多孔質層300は、本明細書に記載された方法によって、粒子を含有する第2の多孔質層を形成するよう所望された、任意の多孔質基材(例えばウェブ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、多孔質層300は、本明細書中に詳細に記載された任意の粒子から選択され得る粒子335を含んでもよい。特別な実施形態では、多孔質層300は、本明細書中に詳細に記載されたような研磨材粒子を含んでもよい。多孔質層300は、多孔質物品500の構成内の第2の多孔質層100の主要面に、直接的又は間接的のいずれかで接着され得る第1の主要面310を含んでもよく、並びに多孔質多層体物品500の主要外面になり得る第2の主要面320を含んでもよい。
【0012】
多孔質層300は、剛性から可撓性まで、硬質から軟質まで、並びに厚いから薄いまでなどの性質で変動してもよい。いくつかの実施形態では、多孔質層300は、(編物又は織物布、又はミクロフィブリル化布などのような)布材料、プラスチックネット又は網材料、金属網又はスクリーン材料、並びに同類物を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、多孔質層300は、不織布ウェブを含んでもよい。特別な実施形態では、多孔質層300は、凝集性の不織布ウェブ(すなわち、第2の多孔質層100が第1の多孔質層300の上に形成されるような本明細書で後述される工程内に導入されるために、ロール又はシート形状で取り扱われ得るような十分な機械的な一体性を有するウェブ)を含んでもよい。他の実施形態では、多孔質層300は、結合型繊維ウェブである凝集性の不織布ウェブ(すなわち、繊維の少なくともいくつかが、接着剤(結合剤)によって、あるいは溶融接着、又はその他同類物のいずれかによって、繊維間の接触部のポイントにて接着されているようなウェブ)を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、三次元の一体化構造を有するウェブを形成するために、多孔質層300は、その繊維の少なくともいくつかが、繊維が互いに交差及び接触するポイントで結合剤によって一緒に接着され得るような、インターレース形のランダムに配置された可撓性有機熱可塑性繊維から作られた凝集性の結合型繊維不織布ウェブを含んでもよい。研磨材粒子は、ウェブ全体にわたり分散されてもよく、結合剤によってウェブに固着されてもよい。ウェブの繊維間の隙間は、実質的には結合剤又は研磨材で充填されていない。1つの実施形態において、ウェブは、相互に通じる空隙の三次元的に延びる網状組織を備えており、その網状組織は、ウェブが、平均で、少なくとも約75容量%の空隙、少なくとも約85容量%の空隙、少なくとも約90容量%の空隙、又は少なくとも約95容量%の空隙を有するようなものである。ウェブは、柔軟でありかつ容易に圧縮可能であり、又、圧力を解放すると、元の圧縮されていない形に実質的に完全に回復することが可能である。このタイプのウェブは、参照により本明細書に援用する、米国特許第2,958,593号に開示されている。このタイプのウェブは、SCOTCH−BRITEの商品名で、3M Company,St.Paul,MNから入手可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、多孔質層300は、第1及び第2のしわ形成された、ステープルな有機2成分熱可塑性樹脂繊維から作られた凝集性の結合型繊維の不織布ウェブを含んでもよく、その中で、ウェブの第1及び第2繊維の少なくともいくつかは、それらが互いに接触するポイントの少なくとも一部分にて、共に溶融接着されている。不織布ウェブの一方の主要面の第1及び第2の繊維のうちの少なくとも一部分は、そこへ研磨コーティング(例えば、研磨材粒子)が固着されていてもよく、内部領域の第1及び第2の繊維のうちの少なくとも一部分は、そこへ研磨コーティングが固着されていなくてもよい。このタイプのウェブの例は、参照により本明細書に援用する、米国特許第5,685,935号に開示されている。このタイプのウェブは、SCOTCH−BRITEの商品名で、3M Company,St.Paul,MNから入手可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、多孔質層300は、弾力的熱可塑性樹脂ポリマーの互いに係合された連続コイルフィラメント又は三次元の波形のフィラメントから作られた凝集性の結合型繊維の不織布ウェブを含んでもよい。フィラメントの少なくともいくつかは、相互接触部のポイントにて一緒に自己結合されているか、又は取り外し可能に一緒に溶接されて、取扱い可能に一体化構造を形成する。ウェブは、ウェブ全体に分散されかつ結合剤によってフィラメントに固着された研磨材粒体を含んでもよい。このタイプのウェブの例は、参照により本明細書に援用する、米国特許第3,837,988号及び4,227,350号に開示されている。このタイプのウェブは、NOMADの商品名で、3M Company,St.Paul,MNから入手可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、多孔質層300は、不規則に混ぜ合わされかつ不規則に固着された疎水性繊維から作製されたスポンジ様の圧縮可能なウェブである凝集性の結合型繊維の不織布ウェブを含んでもよい。不規則に混ぜ合わせられた繊維は、繊維が交差する不規則に離間した点で、融解によって、又は結合剤を用いて互いに結合することができる。ウェブの繊維は、実質的に、多数の連続気泡の壁を画定しており、この壁によって高度な空隙率をウェブに付与している。このタイプのウェブの例は、それら双方を参照により本明細書に援用する、米国特許第3,537,121号及び米国特許第3,910,284号に開示されている。このタイプのウェブは、BUF−PUFの商品名で、3M Company,St.Paul,MNから入手可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、多孔質層300は、高度に多孔質性で、目の粗い状態の三次元のシート構造で不規則にループ化されかつ混ぜ合わされたフィラメントを含有する凝集性の結合型繊維を含んでもよい。フィラメントは、繊維接触部のポイントにて、互いに対して自己結合されて(例えば、溶融接着されて)いてもよく、及び/又は山と谷との三次元構造を形成してもよい。このタイプのウェブの例は、それらの全てを参照により本明細書に援用する、米国特許第4,212,692号、米国特許第4,252,590号、並びに米国特許第6,272,707号に開示されている。このタイプのウェブは、ENKAMATの商品名で、Colbond Company of St.Denis La Plaine,Franceから入手可能である。
【0019】
多孔質層300は、任意の適当な厚さ、坪量、並びにその多同種類のものを備えてもよい。種々の実施形態では、多孔質層300は、厚さが少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、又は少なくとも約4mmである。他の実施形態では、多孔質層300は、厚さが最大で30mm、最大で約20mm、又は最大で約15mmである。種々の実施形態では、多孔質層300は、少なくとも50gsm(平方メートル当りのグラム)の、少なくとも100gsm、又は少なくとも200gsmの、備えてもよい。他の実施形態では、多孔質層300は、最大で4000gsmの、3000gsmの、又は2000gsmの、坪量を備えてもよい。
【0020】
多成分繊維110及び粒子130を多孔質層300の主要面上部へ堆積させる能力を強化させるために、多孔質層300は空隙を備えてもよく、この空隙は平均で、少なくとも約4mmの、少なくとも約2mmの、又は少なくとも約1mmの、最大サイズ(例えば、直径、又はそのような空隙のほとんどが形状で不規則であり得るがために等価直径)を備える。
【0021】
多孔質層300は、必要に応じて、例えば、本明細書に開示された研磨材粒子のいずれかを含有する研磨材粒子のような粒子を含んでもよい。このような場合は、本明細書に後述するように、多孔質層300は、多孔質多層体物品500のスコーリング(洗浄)層、研摩層、又は研磨層として働くことが特に適切であり得る。
【0022】
所望の場合、多孔質層300は、結合剤を含んでもよい。このような結合剤は、例えば層300の厚さの全体にわたって、存在してもよく、あるいは、例えば多孔質層100の多孔質層300への接着を強化するために、層300の少なくとも主要面310にて又はその上に結合剤コーティングを含んでもよい。結合剤は、樹脂(例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エポキシー、アクリル樹脂、及びポリイソプレン)であってもよい。結合剤は、当該技術分野において周知のように、水溶性であってもよい。
【0023】
本明細書に記載された方法によって形成され得る、粒子を含有する第2の多孔質層100が、図1と図2の分解組立断面図とに示されている。多孔質層100は、多孔質多層体物品500の構成内の第1の多孔質層300の主要面310に直接的又は間接的のいずれかで固着され得る第1の主要面115を含んでもよく、更に多孔質多層体物品500の主要外面になり得る第2の主要面125を含んでもよい。層100は、少なくとも多成分繊維110と粒子130とを含む。多成分繊維110は、第1の融点を備えた少なくとも第1の主要ポリマー部分(成分)112と、部分112の融点よりも高い融点を備えた第2の主要ポリマー部分(成分)114と、を有する繊維として定義される。このような多成分繊維は、2成分繊維であってもよく、又は更に追加の成分を有してもよい。適切な昇温にさらす際に、より高い融点を備えた第2の部分114が概してそのまま残され得る一方で、第1の部分112は少なくとも部分的に融解し得る。融解中に、第1の部分112は、例えば図2に示されたように、繊維が互いに接触する接合ポイントにて集まる傾向にあってもよい。次に、冷却の際には、第1の部分112の材料は再凝固してもよく、このようにして、繊維110の少なくともいくつかが互いに結合し得る(このような工程は、一般的に溶融接着として定義される)。更に、少なくとも部分的に融解した部分112の少なくともいくつかは、粒子130と接触することが可能であり、凝固の際には、粒子の少なくともいくつかが、繊維110の少なくともいくつかと接触した状態を保持するよう作用する(すなわち、粒子を繊維110に溶融接着させるために)ことが可能である。したがって、多成分繊維110の使用は、多孔質層100が結合型繊維の凝集性のウェブ(すなわち、許容できない分離をすることなく取り扱われかつ用いられるために、ウェブが十分な機械的一体性を有するように、その中の十分な数の繊維が互いに対して溶融接着されているようなウェブ)を含むように、繊維110の少なくともいくつかの互いへの溶融接着と、粒子130の少なくともいくつかの繊維110への溶融接着と、を提供する。これらは、追加の樹脂コーティング、結合剤、又は接着剤が、多孔質層100内に存在するべき必要がなく、全て達成させることができる。
【0024】
多成分繊維110は、不連続性(本開示の目的のために、8cm未満の長さを意味するとして定義された)であってもよい。種々の実施形態では、繊維110は、約4cm未満、約2cm未満、又は1cm未満の長さであってもよい。更なる実施形態では、多成分繊維110は、少なくとも約2mm、少なくとも約4mm、又は少なくとも約6mmの長さであってもよい。いくつかの実施形態では、多成分繊維110は、より長い繊維とより短い繊維との混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、不連続繊維110は、カット繊維(例えば、より長い長さの繊維及び/又は連続繊維から切断されている)であってもよい。
【0025】
種々の実施形態では、繊維110は、少なくとも1つの、少なくとも2つの、又は少なくとも3つの、デニールを備えてもよい。他の実施形態では、繊維110は、約80未満の、約60未満の、又は約40未満のデニールを備えてもよい。いくつかの実施形態では、多成分繊維110は、より高いデニールの(より長い直径の)繊維と、より低いデニールの(より小さい直径の)繊維との混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、多成分繊維110は、1と5との間のデニールの繊維と、10と20との間のデニールの繊維と、の混合物を含んでもよい。
【0026】
多成分繊維110は、例えば、第1の融点を備えた第1の主要ポリマー部分と、第1の融点よりも高い(例えば、20、40、又は60℃高い又はそれ以上の)第2の融点を備えた第2の主要ポリマー部分と、を備えた2成分繊維のような剛性ポリマー繊維であってもよい。頻繁に、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン又はそれらの共重合体)が第1のより低い融点の成分として用いられ得、ポリエステル類(例えば、PET及びその同類物)が第2のより高い融点の成分として用いられ得る。あるいは、特定のポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン)が第1の成分として用いられてもよく、他のより高い融点のポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン)が第2の成分として用いられてもよい。あるいは、特定のポリエステル類(例えば、ポリブチレンスクシネート)が第1の成分として用いられてもよく、他のポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレートスクシネート)が第2の成分として用いられてもよい。所望の場合、成分の1つ又は双方共に生物分解性であってもよい。
【0027】
例えば2成分繊維である多成分繊維は、同一平面上の並列した形状、同一平面上の同心のシース−コア形状(図2の代表的実施形態で示されたような)、又は同一平面上の楕円形のシース−コア形状を有するように用いられてもよい。他の配置(例えば、層状構造、ローブ構造、セグメント化構造、海中島構造、及びマトリックス−原繊維など)もまた可能である。
【0028】
第1の主要ポリマー部分112及び第2の主要ポリマー部分114に加えて、多成分繊維110は、当業者に既知である任意の添加剤を含んでもよい。このような添加剤は、可塑化剤、加工補助剤、色素、抗酸化剤、安定化剤、親和剤、衝撃抵抗改良剤、着色剤、鉱物充填剤、染色剤、界面活性剤、及び潤滑剤などが挙げられ得る。
【0029】
多成分繊維110として用いられ得る代表的材料は、Bicomponent Fibersの商品名でMinifibers,Inc.of Johnson City,TNから入手可能な材料、商品名CELBOND 254の商品名でKoSa Co.of Wichita,Kansasから入手可能な材料、Bicomponent Fibresの商品名でTrevira GMBH of Bobingen,Germanyから入手可能な材料、MELTYの商品名でUnitika Co.of Osaka,Japanから入手可能な材料、LMFの商品名でHuvis Corporation of Seoul,Koreaから入手可能な材料、T 254及びT 256の商品名でInvista Corp of Wichita,KSから入手可能な材料、Chisso ES,ESC,EAC,EKC,EPC及びETCの商品名でChisso Inc.of Osaka,Japanから入手可能な材料、及びType LMFの商品名でNan Ya Plastic Corporation of Taipei,Taiwanから入手可能な材料を挙げることができる。
【0030】
一般的に、多成分繊維110によって提供される層100の全繊維のパーセンテージが大きくなるにつれて、層100内の粒子130の可能な充填性がより高くなる。種々の実施形態では、多孔質層100の全繊維含量の少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、又は少なくとも40重量%が、多成分繊維110によって供給される。特別な実施形態では、層100の全繊維含量の全てが、多成分繊維110によって供給される。別の実施形態では、任意の詰めもの繊維120が多成分繊維110とブレンドされる。詰めもの繊維120は、多成分繊維以外の任意の種類の繊維である。代表的詰めもの繊維120は、単一成分合成繊維、半合成繊維、金属繊維、天然繊維、及び鉱物繊維などが挙げられる。
【0031】
多成分繊維110及び任意の詰めもの繊維120の性質は、所望の特性を備えた多孔質層100を提供するように選択されてもよい。一般的には、繊維直径が大きくなればなるほど、繊維の長さが長くなればなるほど、並びに繊維内のけん縮の存在によって、より疎でかつかさ高い状態の不織布層を提供し得る。一般的には、繊維の直径が小さくなればなるほど、短くなればなるほど、及び/又はけん縮していないほど、よりコンパクトな不織布物品を生成することが可能である。一般的に、多成分繊維が大量になるにつれて、より強靭な不織布層が生じる。更には、ポリマータイプ(例えば構成)もまた不織布物品の剛性に影響を及ぼし得る。これらの因子が与えられることによって、多孔質層100が、例えば本明細書に記載された能力から選択されたいずれかの能力で機能し得るように、多成分繊維110及び任意の詰めもの繊維120の種々のパラメータが所望に応じて(層100内に含有された粒子130のタイプとの組み合わせで)選択されることが可能である。すなわち、多孔質は、例えばスコーリングのために、例えば比較的剛性の疎の状態の研磨材含有層として、例えばスポンジングのために、比較的可撓性の吸収剤含有層として、並びに例えばダスティングのために、コンパクトなドレープ性ふき取りなどとして機能してもよい(これらの代表的使用の全ては、スクラビングの一般的なカテゴリーに分類され得る)。これらの例は、限定されることを意味するものではなく、多くのバリエーション及び組み合わせが可能であることを、当業者は容易に理解されるであろう。
【0032】
多孔質層100は、任意の適切な厚さ、坪量、及びその他同類のものを備えてもよい。種々の実施形態では、多孔質層100は、厚さが少なくとも約2mm、少なくとも約5mm、又は少なくとも約10mmである。他の実施形態では、多孔質層100は、厚さが最大で40mm、最大で約30mm、又は最大で約20mmである。種々の実施形態では、多孔質層100は、少なくとも約100gsm(平方メートル当りのグラム)の、少なくとも約200gsmの、少なくとも約400gsmの坪量を備えてもよい。他の実施形態では、多孔質層100は、最大で約4000gsmの、最大で約2000gsmの、又は最大で約1500gsmの坪量を備えてもよい。
【0033】
所望の場合、多孔質層100は、任意の結合剤を含んでもよい。このような結合剤は、例えば、多孔質層100の多孔質層300への固着を強化させるために、例えば層100の厚さ全体にわたって存在してもよく、又は主に層100の主要面115において又はその近辺に存在してもよい(例えば、本明細書で開示された方法によって得られたように)。あるいは、例えば、任意の必要に応じて装着された層の多孔質層100のこの層への固着を強化するために、結合剤は、主に主要面125において又はその近辺に存在してもよい。結合剤は樹脂(例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エポキシー、アクリル樹脂、及びポリイソプレン)であってもよい。当該技術分野において周知のように、結合剤は水溶性であってもよい。
【0034】
層100は、粒子130を含んでもよく、層300は、粒子335を必要に応じて含有してもよい。このような粒子は、層100の粒子130という解釈で本明細書で主に説明されているが、本明細書に記載されたいかなる粒子も、層300内の粒子335として存在し得ると理解される。このような粒子は、室温で固体であるような任意の別個の粒子であり得、これは例えば、クリーニング、スコーリング、研磨、ふき取り、吸収、吸着、又は知覚性の利点を提供するために添加される。種々の実施形態では、このような粒子は、約1cm未満の、約5mm未満の、約2mm未満の、又は約1mm未満の平均直径を備えてもよい。他の実施形態では、このような粒子は、少なくとも約50マイクロメートルの、少なくとも約100マイクロメートルの、又は少なくとも約250マイクロメートルの、平均直径を備えてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は研磨材粒子である。研磨材粒子は、除去することが困難な材料を擦り取りかつ研磨し得るような研磨性多孔質層を提供するために用いられてもよい。研磨材粒子は、鉱物粒子、合成粒子、天然研磨材粒子又はそれらの組み合わせであってもよい。代表的鉱物粒子は、シリコンカーバイド、アルミナジルコニア、ダイヤモンド、セリア、立方晶チッ化ホウ素、ガーネット、フリント、シリカ、パミス、及び炭酸カルシウムはもとより、セラミック酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム及び白色溶融酸化アルミニウムなどの酸化アルミニウムが挙げられる。合成粒子は、ポリエステル、塩化ポリビニル、メタクリレート、メチルメタクリレート、ポリカーボネート、メラミン、及びポリスチレンなどのポリマー材料が挙げられる。天然研磨材粒子は、クルミ殻などのような堅果殻、又は杏、桃、及びアボカドの種子のような果実種子が挙げられる。
【0036】
研磨材粒子の種々のサイズ、硬度、及び量が、非常に強い研磨性から非常に軽度の研磨性に至る研磨性多孔質層を作り出すために用いられ得る。いくつかの実施形態では、研磨材粒子は、直径で1mm以上のサイズを有する。他の実施形態では、研磨材粒子は、直径で1cm未満のサイズを有する。いくつかの実施形態では、粒子サイズと硬度の混合が、引掻きなく強い混合磨耗性を提供するために用いられ得る。特定の実施形態では、研磨材粒子は、軟質粒子と硬質粒子との混合物を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は金属であり、例えば、研磨層を提供するために用いられてもよい。金属粒子は、短繊維又はリボン様セクションの形状でもよく、あるいはグレイン様粒子の形状でもよい。金属粒子は、限定されるものではないが、スチール、ステンレススチール、銅、真鍮、金、銀(抗菌/抗微生物性を有する)、プラチナ、青銅又は種々の金属の1つ又はそれ以上のブレンドのような、金属のいかなるタイプも挙げることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は、界面活性剤及び漂白剤などのような、洗剤組成物で典型的に見られる固体材料である。固体界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。固体界面活性剤の他の例は、McCuthcheon’s部門によって発行された「2008 McCutcheon’s Volume I:Emulsifiers and Detergents(North American Edition)」で見出し得る。固体漂白剤の例は、過ホウ酸ナトリウム1水和物及び4水和物及び過炭酸ナトリウムなどの無機過酸化水素化物塩、有機過酸化塩誘導体及び次亜塩素酸カルシウムが挙げられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は、固体殺生物剤又は抗微生物剤である。固体殺生物剤及び抗微生物剤の例は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物、塩化ベンジルコニウム、ハロゲン化ジアルキルヒダントイン、及びトリクロサンなどのようなハロゲン含有化合物が挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は、マイクロカプセルである。マイクロカプセルは、Matsonに付与された米国特許第3,516,941号に記載されており、粒子130又は335として用い得るマイクロカプセルの例を含む。マイクロカプセルは、固体又は液体芳香剤、香料、オイル、界面活性剤、洗剤、殺生物剤、又は抗微生物剤で充填されてもよい。マイクロカプセルの主要な品質のうちの1つは、それらの内に含有された材料を放出するために、機械的応力によって粒子が崩壊され得ることである。したがって、物品500の使用中に、層100及び/又は300上に及ぼされた圧力のために、マイクロカプセルが崩壊され得、それがマイクロカプセル内に含有された材料を放出し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は、吸着剤又は吸収剤粒子である。例えば、吸着剤粒子は、活性炭、チャコール、重炭酸ナトリウム、及びその他同類物を挙げることができる。特定の実施形態では、粒子130及び/又は任意の粒子335は、吸収剤(すなわち、液状水及び/又は水性組成物、溶液、及び混合物の十分な量を吸収可能)である。例えば、吸収剤粒子は多孔質材料、メラミンのような天然又は合成発泡体、ゴム、ウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、シリコーン、及びセルロースを挙げることができる。吸収剤粒子は、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、又は顆粒状ポリビニルアルコールのような超吸収体粒子を挙げることができる。
【0042】
種々の実施形態では、吸収剤粒子は、平均で、約1cm未満の、約5mm未満の、約2mm未満の、又は約1mm未満の直径(あるいは、形状が非球状又は不規則である場合には等価直径)を有してもよい。他の実施形態では、粒子は、平均で約20マイクロメートル以上の、約50マイクロメートル以上の、約100マイクロメートル以上の、又は約200マイクロメートル以上の直径又は等価直径を有してもよい。
【0043】
多孔質層100に関する特別な実施形態では、粒子130は、切断されたセルロース系スポンジ粒子又は切断されたウレタンスポンジ粒子、又はそれらの混合物を含んでもよい。このような粒子は、例えば従来の一体構造のセルロース系スポンジ又はウレタンスポンジの生産から使い残された廃棄スポンジ材料の切断によって好適に提供され得る。例えば、内部に結合されたセルロース系スポンジ粒子130を備えた多孔質層100は、高度に親水性かつ水吸収性であることが確認されている。更には、例えば内部に結合されたセルロース系スポンジ粒子を備えた層100は、乾燥の後でも、可撓性及びドレープ性を維持し得る(典型的には、一体構造のセルロース系スポンジは、乾燥の際に、堅くなり、可撓性が劣る)。更に、このようなスポンジ粒子は、多成分繊維110の部分112を含む材料(それは、しばしばポリオレフィンのような非常に疎水性の材料である)とは全く異なる(例えば、親水性)材料から通常構成されているが、このようなスポンジ粒子は層100の多成分繊維110に良好に固着することが可能であり、相当量の水を吸収後でさえも固着した状態を維持し得ることが認められている。
【0044】
上記の粒子130の1つ又はそれ以上の任意の混合が、多孔質層100内及び/又は多孔質層300内で用いられ得ることを、当業者は理解されるであろう。例えば、多孔質層100及び/又は多孔質層300は、水吸収性粒子及び/又は洗剤粒子及び/又は研磨材粒子及び/又は殺生物粒子及び/又はマイクロカプセルを、その考え得るあらゆる又は全ての組合せで含有し得る。
【0045】
特に粒子130に関しては、多孔質層100の所望の特性に依存して、多成分繊維110(更に含まれるならば詰めもの繊維120)に対する粒子130の種々の充填物が用いられてもよい。種々の実施形態では、粒子130は、約90未満の、約80未満の、又は約70未満の多孔質層100の全重量に対する重量%を備えてもよい。他の実施形態では、粒子130は、少なくとも10の、少なくとも20の、又は少なくとも30の多孔質層100の全重量に対する重量%を備えてもよい。
【0046】
図3は、多孔質多層体物品500を製造する代表的な工程を示す側面図(カッタウェイでのチャンバ220を備えた)である。繊維投入流210は、繊維(すなわち、多成分繊維110を含む)を形成チャンバ220内に投入し、そこで繊維が混合され、ブレンドされ、更に最終的に第1の多孔質基材(例えばウェブ)300上に堆積される(これが最終的には、完成した多孔質多層体物品500の第1の多孔質層300になる)。形成チャンバ220に入る前に、特に多成分繊維110及び詰めもの繊維120のブレンドが含有される場合には、投入される繊維を広げ、すき取り、及び/又はブレンドするためのオープナー(図示なし)が含まれてもよい。例えば、粒子投入流212経由で、粒子130もまた形成チャンバ220に導入される。繊維投入流210及び/又は粒子投入流212は、形成チャンバ220の上部に向かって一般的に好都合に配置されているが、これらのいずれか又は双方共に、形成チャンバ220の他の部分に配置されることは可能であると考えられる。例えば、粒子投入流212は、形成チャンバ220の中間部又は底部にて導入され得る。
【0047】
形成チャンバ220は、開示を参照により本明細書に援用する、「Fiber distribution device for dry forming a fibrous product and method」と題された、米国特許出願公開第2005/0098910号に示されかつ記載されているような、ドライ−レイイング繊維処理装置のタイプである。繊維を混合して相互に係合させて、マットを形成させるよう強力な空気流を使用する(Rando Machine Corporation,Macedon,NYから入手可能な、「RandoWebber」ウェブ形成機などを使用して)代わりに、移動する継目なしベルト224を通して、重力が繊維を落下させることを可能にして、最終的に繊維が多孔質基材300上に堆積されて、例えば未接着の繊維から構成される繊維状マットを形成することを可能にする一方で、繊維を機械的にブレンドかつ混合するためのスパイクローラー222を形成チャンバ220が有する。このデザインでは、混合された繊維及び粒子130の双方が、形成チャンバ220の底部に向かって共に落下して(重力落下され)、基材300の上部にマット230を形成する。一般的には、多成分繊維110及び粒子130は、多成分繊維110のいずれかの部分(例えば、第1の部分112)の融点よりも極めて低い温度(例えば、少なくとも30℃低い)で、チャンバ220内で処理される。
【0048】
本明細書に説明したような、並びに参照により本明細書に援用する、Nonwoven Material Containing Benefiting Particles and Method of Makingと題され、2008年10月14日に出願された米国特許出願番号第12/251048号に更に記載されたようなこの方法で、種々の繊維及び粒子が添加され得る。
【0049】
多孔質基材300を、形成チャンバ220の下部を通過させるか、あるいは形成チャンバ220の底部内のオープニングの下部を通過させるかのいずれでもよく、これによって、繊維及び粒子が基材上に堆積され得る。多孔質基材300は、自立型、自己支持型層として通過されてもよく、あるいはエアレイイング装置内で頻繁に使用されるタイプの継目のない繊維回収ベルトの一部の上に配置されても又はそれによって運ばれてもよい。
【0050】
少なくとも部分的真空が、多孔質基材300の底面(例えば、主要面320)に適用されてもよく、これによって、圧力差が基材300の厚さを通して加えられ得、多孔質基材300上への繊維及び粒子の堆積における補助が行われる。支持ベルト又はスクリーンが使用される場合(例えば、多孔質基材300の下で、下部からそれを少なくとも部分的に支持しているような場合)は、真空がそれらを通して加えられ得るように、このようなベルト又はスクリーンは多孔質であってもよい。
【0051】
次に、繊維状マット230をその上に備えた多孔質基材300は、昇温露出が実行されるオーブンのような加熱ユニット240へと進む。この昇温は、本明細書に記載したように、繊維状マット230の多成分繊維110の第1の部分112を少なくとも部分的に融解させ得、繊維110の少なくともいくつかと互いに接着させ得、並びに粒子130の少なくともいくつかを繊維110に接着させ得、繊維状マット230を凝集性のウェブ100へと変換させ得るような温度に繊維状マット230を曝すための第1番目の目的を提供する(もちろん、この溶融接着工程は、繊維110の第1の部分112が再凝固するように、昇温露出に続いて材料が冷却されるまで完全に終了し得ない)。昇温露出は、マット230/凝集性のウェブ100の多孔質基材300への溶融接着の第2番目の目的をまた提供して、これによって、図3に示されたように、このように形成された多孔質多層体ウェブがその厚さを貫通して切り離され(例えば切断され)て多孔質多層体物品500を形成し得るように、多孔質層100は、多孔質層300に十分に良好に固着される。多孔質基材300の上部の凝集性のウェブのこの形成及び特に多孔質、多層体構造を形成するための多孔質基材300への多孔質層(凝集性のウェブ)の接着は、繊維状マットの継目なし繊維回収ベルト上への従来の一時的堆積、及びそれに続く、そのように形成されたウェブの継目なしベルトからの除去と対比されるべきである。
【0052】
マット230/凝集性ウェブ100の多孔質基材300への溶融接着は、種々の方法で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、多孔質層100の多成分繊維110の組成成分及び多孔質層300の材料(例えば、不織布繊維)が好適に選択されるのであれば、繊維110は、多孔質基材300の表面310上に直接的に堆積されてもよく、次に繊維110の少なくともいくつかが多孔質基材300の繊維に直接的に溶融接着されることも可能であり、このようにして、多孔質層100及び多孔質層300は、直接的に互いに溶融接着される。多孔質基材300の表面上への繊維110の堆積(存在する場合は、任意の繊維120も同時に)では、このような繊維の何本かは、多孔質基材300の内部へと部分的に貫通し得ることを、当業者は理解するであろう。このことは、多孔質基材300の構造の多孔質性及び開放性、繊維の直径及び長さなどに依存し得る。しかしながら、このような貫通は、一般的にほんのわずかであり得る(例えば、繊維110による多孔質基材300への貫通は、多孔質基材300の厚さのわずか10%の深さまでである)。多孔質基材内部に埋め込まれたウェブを形成するように、多成分繊維で多孔質基材の内部を顕著に及び/又は実質的に充填するために用いられる方法及び装置は、本出願人による同日出願で、かつ参照により本明細書に援用する、3M文書番号第65832US002の「Porous Supprted Articles and Methods of Making」と題された、係属中で共通に譲渡された米国特許出願番号第_____号に、詳細に開示されている。
【0053】
他の実施形態では、別個の熱活性化可能なウェブ400が用いられてもよく(例えば、図3に示したような)、これは、多孔質基材300の近辺又は上に配置されている(例えば、ウェブ400の主要面410が多孔質基材300の主要面310に隣接して、かつ多孔質基材300の主要面310と重なりある関係で)。多孔質300及びそれに隣接する熱活性化可能なウェブ400が、形成チャンバ220を通過又はその下を通るにつれて、チャンバ220内の繊維及び粒子が、熱活性化可能なウェブ400の主要面420上に堆積され得る。(このような実施形態では、上記の繊維及び粒子の多孔質基材300上への堆積は、そのような繊維及び粒子の多孔質基材300に隣接する又は接触するウェブ400上への堆積を具体的には包含することが、当業者は理解されるであろう)。堆積を補助するために真空が用いられる場合は、堆積工程に適切な補助を提供するために、多孔質基材300の主要面320に加えられた真空が、多孔質基材300及び多孔質ウェブ400の厚さを貫通して十分な圧力差を生じ得るように、ウェブ400は十分に多孔質であるべきである。
【0054】
このような実施形態では、マット230を凝集性ウェブ100へと変換させるために、マット230の十分な数の繊維110の上述したように互いの接着を実行するために十分であり、並びに繊維状マット230(凝集性ウェブ100)が多孔質基材300に溶融接着することをウェブ400に可能にさせるように、熱活性化可能なウェブ400の少なくともいくつかの繊維の適切な融解を生じるのにもまた十分であるような昇温に、ウェブ400をその上に備えた多孔質基材300及びその上の繊維状マット230が曝される。すなわち、特に図1を参照すると、ウェブ400の主要面420が、多孔質層100の主要面115に接着されてもよく、ウェブ400の主要面410が、多孔質層300の主要面320に接着されてもよく、これによって、層100,300及び400は、その厚さを貫通して完全に切断されて、個々の多孔質多層体物品500を提供し得るような多層体構造層へと互いに接着される。
【0055】
熱活性化可能なウェブ400は、適切な昇温に曝されることによって活性化され得るような任意の好適な材料を含んでもよい。特に、繊維及び/又は粒子の堆積を補助するために真空が用いられるような実施形態では、既述したように、ウェブ400が多孔質性であることが好都合である。ウェブ400は、所望により、一成分繊維、多成分繊維などを含んでもよい。ウェブ400の繊維の少なくともいくつかの構成成分が、繊維110の部分112の融点と類似した融点(例えば、約25度以内で高い又は低い)を備えるように選択されるのが特に好都合であリ得る。このことが、本明細書に前述したように、同一の昇温露出が繊維110の互いの溶融接着を提供し得、本明細書に前述したように、粒子130の繊維110への溶融接着を提供し得、並びに熱活性化可能なウェブ400が繊維状マット230(凝集性のウェブ100)を多孔質基材300へと溶融接着させることを提供し得る。種々の実施形態では、このような熱活性化可能なウェブは、少なくとも5gsmの、少なくとも10gsmの、又は少なくとも20gsmの、坪量を有し得る。他の実施形態では、このような熱活性化可能なウェブは、最大で100gsmの、最大で70gsmの、又は最大で50gsmの、坪量を有し得る。
【0056】
好適であり得る熱活性化可能な多孔質ウェブは、例えば、Texironの商品名で、Pro Technics(Cernay,France)から入手可能な製品である。
【0057】
他の実施形態では、繊維状マット230(凝集性のウェブ100)の多孔質基材300への固着を補助するために、別個に添加された結合剤を用いることが好都合であり得る(形成チャンバ220内に粒子の形状で添加されてもよく、又は多孔質基材300の表面310上に(例えば、その上にあらかじめコーティングされて)及び/又は多孔質基材300の厚さのいくらか又は全ての内に存在する結合剤の形状で添加されてもよい)。多孔質基材300の上部又は内部に存在するこのような結合剤は、本明細書で前述した結合剤のタイプを含んでもよい。特別な結合剤が形成チャンバ内に添加されるべきであれば、多孔質基材300の性質は、適切に選択される(例えば、結合剤粒子が、許容できないほど多孔質基材を貫通してしまうよりは、多孔質基材300の表面310に又はその近くに優先的に集まるように)必要があり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された工程は、マット230の厚さにわたって(例えば、マット230の厚さ全体にわたって全体的に均一に)、粒子130がマットに230に組み込まれる(更に、そこから形成された多孔質層100内に最終的に常駐する)ように操作され得る。いくつかの場合に、このことは、水溶液のような液体溶液214をチャンバ220内へと必要に応じて導入することによって強化され得る。液体溶液214は、粒子130が繊維の表面に粘着するように、繊維の少なくともいくつかを湿らせることが可能で、このことがマット230の厚さにわたって全体的に粒子130を分散させることを強化し得る。(マット230が加熱ユニット240へと進む際には、液体溶液214は蒸発し得、処理中にはもはや何の役割も果たさない)。他の実施形態では、粒子130は、ウェブ100の主要面125上又はその近くに優先的に常駐し得る。このことは、例えば、粒子130がマット230の最上面上又はその近くに優先的に留まるように、マット230が、小さなオープニングを備えた比較的厚いウェブである時にもたらされ得る。
【0059】
昇温露出は、例えば、1つ又はそれ以上のオーブンのような適切な加熱ユニット又はユニット240を用いることによって達成され得る。特別な実施形態では、加熱ユニット240は、いわゆるスルー−エアー接着機を含んでもよく、その中では、温度露出の均一性を強化し、かつ均一な固着を促進するように、正圧下の加熱された空気が、マット230及び多孔質基材300の(存在す場合は、多孔質ウェブ400も)厚さ全体に推し進められる。他の実施形態では、このようなオーブン露出及び/又はスルー−エアー接着の代わりに又はそれに加えてのいずれかで、例えば、マット230及び多孔質基材300(存在する場合は、ウェブ400も)を加熱されたカレンダーロールのセットを備える1つ又はそれ以上の加熱ユニット240を通過させることによって、圧力の適用による昇温露出が生じてもよい。いくつかの実施形態では、しかしながら(このようなカレンダー加工工程が実行されても)、接着の工程で、マット230は大幅には圧縮されない(例えば、このような実施形態では、多孔質層100の厚さは、多孔質層が形成された元のマット230の厚さの少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%であり得る)。
【0060】
種々の工程、例えば図3の処理後ユニット250によって実行されるような例えば処理後工程が、完成した物品500に強度及びテクスチャーを加えるために実行されてもよい。例えば、層の一体性を強化するために、又は層の互いの接着を強化するために、多孔質層100及び多孔質層300のいずれか又は双方共に(存在する場合、ウェブ400も)ニードルパンチされ、カレンダー加工され、及び水流交絡などが施されてもよい。多孔質層100又は300の1つ又はそれ以上が、所望に応じて、圧印加工されてもよく、追加の層に積層されてもよく、それらの上に堆積された結合剤コーティング、及び同種類のものを有してもよい。
【0061】
一般的には、多孔質層300とそれに固着された粒子を含有する多孔質層100(存在する場合は、ウェブ400を)とを含む上述の多層体ウェブは、図3に示されたような個々の多孔質多層体物品500を形成するために、ウェブ全体の厚さを貫通して引き離されてもよい(例えば、切断される)。2つの層を別個に形成して、続いてそれらを一緒に積層するような従来の手法とは対照的に、本明細書に記載された堆積/接着工程で多孔質層300の上部に多孔質層100を形成させることによって物品500を生産することの利点を、当業者は理解するであろう。
【0062】
種々の製品が、それらのリストされた成分及び性質の任意の好適な混合を伴って、上述の多孔質層100及び300から作り出し得ることを理解されるであろう。したがって、種々の実施形態では、粒子を含有する多孔質層100は、吸収性層(吸収剤粒子を含有してもよく、水又は水性混合物を少なくとも部分的に吸収するように働いてもよい)、又はふき取り層(遊離した小さい粒子、塵及び同類物を少なくとも部分的に受け取るよう働いてもよい)、又はスコーリング層(研磨材粒子を含有してもよく、表面から材料を取り除くように働く)などを含んでもよい。同様に、多孔質層300は、吸収性層、又はふき取り層、又はスコーリング層などを含んでもよい。上記の列記した多孔質層100のタイプ及び多孔質層300のタイプの任意の混合は、本開示の範囲内であり、これらが層100及び層300が異なるタイプの機能性を備えるような混合、及び層100及び層300が同一の機能性を備えるような混合(例えば、層100及び層300が双方共にスコーリング層であるが、サイズ及び/又は硬度において異なる研磨材粒子を含有するような)を含むことを言及する。所望の場合、別の多孔質層100が、前記の多孔質層100から多孔質層300の反対側に提供されてもよい(このような追加の多孔質層100は、前述の多孔質層100と比較して同一又は異なる厚さ及び/又は構成成分であってもよい)。上記実施形態の全ては、例えば、家庭用、住宅用、業務用、及びその他同種類用としてのスクラビング(例えば、表面の)のカテゴリーに一般的に入リ得る。
【0063】
特定の実施形態では、粒子含有の多孔質層100は、吸収剤粒子130(切断されたウレタン又はセルロース系スポンジ粒子)を含有する少なくとも吸収性層として働いてもよく、多孔質層300は、研磨材粒子を含む少なくともスコーリング層として働いてもよい。このタイプの特別な実施形態では、多孔質層300は、研磨材粒子を含む凝集性の結合型繊維の不織布ウェブを含んでもよく、このウェブは、本明細書に記載されたこれらの研磨材を含有する不織布のスコーリング製品に一般的に相当するタイプであり、SCOTCH−BRITEの商品名で3M Companyから商業的に入手可能である。
【0064】
種々の物品500は、本明細書に記載された構造、構成成分及び性質の任意の好適な混合を伴って、本明細書の開示に基づいて製造可能であることを、当業者は理解されるであろう。このような物品の多くは、スクラビング用途(例えば、表面のスクラビング)で用いられ得、このようなスクラビングが手によって行われても又は機械類の運転によって行われても(例えば、床洗浄機などのようなもの)用いられ得る。本明細書に記載されたような物品500は、物品500が洗浄される表面に対して移動されるような状況(例えば、床洗浄パッド、表面仕上げ加工パッド、スコーリングパッド、又はそれらの構成要素として)で用いられ得、これと同時に、物品500が静止した状態に保持され、洗浄される表面が物品500に対して移動されるような、スクラビング用途でも用いられ得ることを、当業者は理解されるであろう。スクラビング以外の用途もまた想定可能である。
【0065】
本明細書に開示される特定の代表的な構造、特徴、詳細、構成等は、多くの実施形態において変更され得る及び/又は組み合され得ることは、当業者には明らかであろう。そのような変例及び組み合わせは全て、本発明者により、本考案の発明の範囲内にあるものとして考えられる。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の例示された構造に限定されるべきではなく、むしろ「特許請求の範囲」の言語によって記載された構造及びこれら構造の等価物によるべきである。参照により本明細書に援用するいかなる文書内に本仕様書と開示との間に不一致又は矛盾点があるという点で、本仕様書は制御されるであろう。
【実施例】
【0066】
多孔質多層体物品が、図3に示された装置及び工程と一般的に同様な装置及び工程の使用を経て生成された。3デニールで、平均長さが約10mmのシース−コア2成分繊維(シースはポリブチレンスクシネートからなり、コアはポリエチレンテレフタレートスクシネートからなる)が、Minifibers,Inc(Johnson City,TN)から入手された。15.5デニールで、平均長さが約20mmの追加のシース−コア2成分繊維(シースは共重合体(Co−PET)からなり、コアはポリエステル(PET)からなる)が、Huvis Corporation(Seoul,Corea)から入手された。2mm未満の推定された平均サイズ(粒子は形状が多少不規則で、かなり広い粒度分布を含むと推測された)の切断されたセルロース系スポンジ粒子が、3M Companyから入手された。繊維及び粒子が、重量で20:20:60の3デニール繊維:15.5デニール繊維:スポンジ粒子の基準比率を提供するような供給速度で、形成チャンバ内に導入された。
【0067】
多孔質、研磨材不織布ウェブ(供給業者によってラベル貼付されたスコーリングパッド)が、SCOTCH−BRITEの商品名で、3M Companyから入手された。ウェブは色が赤色で、厚さが約7mmであった。多孔質、熱活性化可能なウェブは、Texiron D38−30(30gsm)の商品名で、ProTechnics(Cernay,France)から入手された。この熱活性化可能なウェブは、ポリエチレンを含有する少なくともいくつかの繊維を含み、140〜160℃の乾燥熱活性化温度を有することが、製造者によって表示されていた。
【0068】
形成チャンバが適切な定常状態の操作状態に保持され、その中で、繊維及び粒子がスパイクローラー及び継目なしベルトスクリーンによって処理されて、次に形成チャンバの底部に向かって、形成チャンバの底部の下に水平に走る継目なし繊維回収ベルト(多孔質、メッシュスクリーン)上に重力落下された。上記のSCOTCH−BRITEウェブの長さが、継目なし繊維回収ベルト上に配置された。Texiron D38の整合長さが、SCOTCH−BRITEの長さの上部に積み重ねられた。SCOTCH−BRITE/Texiron D38スタックが、約1メートル毎分の速度で、形成チャンバの下部を通過した。この速度は、約1000gsmの全坪量の堆積された繊維状マットを生成するために、形成チャンバへと投入される多成分繊維及びセルロース系スポンジ粒子の供給速度と組み合わせて計算された。繊維及び粒子が、全体的に均一にSCOTCH−BRITE/Texiron D 38スタック上に堆積された。堆積を補助するために、(部分的)真空が多孔質の継目なしベルトの下側に加えられた。
【0069】
次に、その上に粒子含有繊維状マットを備えたSCOTCH−BRITE/Texiron D38スタックが、連続する2つの加熱ユニットを通過した(使用可能なユニットの比較的小さなサイズと加熱能力のために、2つのユニットが用いられた)。第1の加熱ユニットは、約160℃の温度にての流動空気を含有するオーブンであった。スタックの第1の加熱ユニット内の滞留時間は約5分であった。第2の加熱ユニットは、約170℃の温度の流動空気を含有するオーブンであった。第2のオーブンは、継目なしベルト(網状物品からなる)を更に含有し、それを経て粒子含有繊維状マットを備えたSCOTCH−BRITE/Texiron D38スタックを、連続して2回通過させた。それぞれの通過中に、わずかな圧力がスタックに加えられるように、ベルト間のギャップが、初回通過で約15mm、並びに2次通過で約13mmにセットされた。第2の加熱ユニットを通るそれぞれの通過でのスタックの滞留時間は、約1から2分であった。
【0070】
粒子を含有する繊維状マットを、研磨材粒子がその内部に結合された凝集性のウェブに溶融接着させるために、並びに凝集性ウェブをSCOTCH−BRITEに接着させるために、昇温露出が提供された。
【0071】
このタイプの多数の実験が行われた。いくつかの実験が、上記と同様であるが、約50gsmの坪量を有することでD38−30とは異なるTexiron D38−50を用いて行われた。
【0072】
この方法で製造された多孔質多層体物品は、厚さ約7mmのSCOTCH−BRITE不織布層(研磨材粒子を含む)に堅く付着された、厚さ約13mmの吸収性不織布層(切断されたセルロース系スポンジ吸収剤粒子を含有する)を含んだ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質多層体ウェブの製造方法であって、
不連続多成分ポリマー繊維を形成チャンバ内に導入する工程と、
粒子を前記形成チャンバ内に導入する工程と、
前記多成分繊維及び粒子を、前記形成チャンバ内で混合する工程と、
多孔質、粒子を含有する繊維状マットを第1の多孔質ウェブの上部に形成するように、前記多成分繊維及び粒子を、第1の多孔質ウェブ上に堆積させる工程と、
粒子を含有する凝集性の多孔質ウェブを生成するように、前記多成分繊維の少なくともいくつかを互いに溶融固着させて、並びに前記多成分繊維の少なくともいくつかを前記粒子の少なくともいくつかと溶融固着させるために、前記多孔質、粒子含有繊維状マットを昇温に曝す工程と、
を含み、
前記昇温が、前記粒子を含有する凝集性の多孔質ウェブ及び前記第1の多孔質ウェブを互いに溶融固着し、多孔質、多層体ウェブを更に形成する製造方法。
【請求項2】
前記多成分繊維及び粒子を前記第1の多孔質ウェブの上部に前記堆積させることが、前記第1の多孔質ウェブを前記形成チャンバを通過させることによって又は前記形成チャンバの下部を通過させることによって、並びに前記多成分繊維及び粒子を前記第1の多孔質ウェブ上に重力落下させることによって実行されて、前記昇温露出が、前記繊維状マットを備えた前記第1の多孔質ウェブを、前記形成チャンバから離れた加熱ユニットを通過させることによって達成される、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
前記多孔質ウェブの少なくとも一部と重なり合う関係で少なくとも第1の主要面と第2の主要面とを有する熱活性化可能な多孔質ウェブを提供する工程と、前記多成分繊維及び粒子を前記熱活性化可能な多孔質ウェブの前記第1の主要面上に堆積する工程と、前記熱活性化可能な多孔質ウェブの前記第2の主要面を前記第1の多孔質ウェブと接触させるようにする工程と、を含み、前記昇温が、前記熱活性化可能な多孔質ウェブを活性化し、前記第1及び第2の多孔質ウェブを互いに溶融接着して、多孔質多層体ウェブを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱活性化可能なウェブが、前記多成分不連続ポリマー繊維の第1の低温溶融部分の融点の約25℃以内である融点を、少なくとも一部分が示すような繊維を含むポリマー不織布ウェブである、請求項3に記載の工程。
【請求項5】
前記繊維の前記熱活性化可能なウェブを前記第1の主要面上へ前記堆積させる工程を補助するために、圧力差が前記第1の多孔質ウェブを介して及び前記熱活性化可能なウェブを介して存在するように、前記第1の多孔質ウェブの主要面に少なくとも部分的な真空を適用することを更に含む、請求項3に記載の工程。
【請求項6】
前記粒子が、研磨材粒子、金属粒子、洗剤粒子、界面活性剤粒子、殺生物剤粒子、吸着剤粒子、吸収剤粒子、マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の工程。
【請求項7】
前記粒子が、切断されたセルロース系スポンジ粒子及び切断されたポリウレタンスポンジ粒子、及びこれらの混合物からなる群から選択される吸収剤粒子である、請求項1に記載の工程。
【請求項8】
前記不連続繊維がカット繊維である、請求項1に記載の工程。
【請求項9】
詰めもの繊維を前記形成チャンバに導入することと、それらを前記多成分繊維と混合することと、それらを前記第1の多孔質ウェブ上に堆積すること、とを更に含む、請求項1に記載の工程。
【請求項10】
前記第1の多孔質ウェブが、前記第1の多孔質ウェブ上に堆積された前記粒子とは異なる粒子を含有する、請求項1に記載の工程。
【請求項11】
前記第1の多孔質ウェブが、不織布ウェブ、織物ウェブ、編物ウェブ、ミクロフィブリル化布、及びプラスチックネットからなる群から選択されるポリマー繊維ウェブである、請求項1に記載の工程。
【請求項12】
前記第1の多孔質ウェブが、結合剤又は溶融接着によって、繊維接触部の少なくともいくつかの点にて互いに接着された熱可塑性樹脂繊維又はフィラメントを含む高度に多孔質性の不織布からなるスコーリングパッドであり、前記繊維又はフィラメントの少なくともいくつかに固着された研磨材粒子を更に含む、請求項11に記載の工程。
【請求項13】
前記昇温露出が、前記第1の多孔質ウェブ及びその上の前記多孔質、粒子を含有する繊維状マットにスルー−エアー接着機を通過させることを含む、請求項1に記載の工程。
【請求項14】
前記繊維及び粒子が、複数の回転するスパイクローラーによって、前記成形チャンバ内で混合される、請求項1に記載の工程。
【請求項15】
前記多孔質多層体ウェブを複数の多孔質多層体物品へと切り離すように、前記多孔質多層体ウェブを前記第1の多孔質ウェブ及び前記粒子を含有する凝集性の多孔質ウェブの前記厚さを完全に貫通するように切断することを更に含む、請求項1に記載の工程。
【請求項16】
多孔質多層体物品であって、
ポリマー繊維と、それに接着された研磨材粒子と、を含む第1の多孔質不織布層と、
繊維接触部の少なくともいくつかのポイントにて互いに溶融接着された不連続多成分ポリマー繊維を含み、並びに前記多成分繊維の少なくともいくつかに溶融接着された吸収剤粒子を含む、第2の多孔質不織布層と、を含み、
前記第1及び第2の多孔質不織布層が、互いに溶融接着されている、多孔質多層体物品。
【請求項17】
前記第2の多孔質不織布層の前記多成分繊維の少なくともいくつかが、前記第1の多孔質不織布層の少なくともいくつかに接着されることによって、前記第1及び第2の多孔質不織布層が互いに直接的に接着されている、請求項16の物品。
【請求項18】
前記第1の不織布層と第2の不織布層との間に配置されて、前記第1の不織布層及び前記第2の不織布層に溶融接着されている、熱活性化可能な多孔質不織布層によって、前記第1及び第2の不織布層が互いに直接的に接着されている、請求項16の物品。
【請求項19】
前記第1の多孔質不織布層が、結合剤又は溶融接着によって、繊維接触部の少なくともいくつかのポイントにて互いに接着された熱可塑性樹脂繊維又はフィラメントを含むスコーリングパッドであり、前記繊維又はフィラメントの少なくともいくつかに接着された研磨材粒子を更に含む、請求項16の物品。
【請求項20】
前記吸収剤粒子が、切断されたセルロース系スポンジ粒子、切断されたポリウレタンスポンジ粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−508197(P2013−508197A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535258(P2012−535258)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052877
【国際公開番号】WO2011/049831
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】