多層プレースホルダ
【課題】製造しやすく、用途が広く、負荷散逸と人もしくは動物の組織の増殖進入の容易さの点で優れた特性を有するプレースホルダを提供する。
【解決手段】人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダであって、隣接組織の増殖進入のための複数の開口部を持つ外被表面を有する第一の管状本体(4)と、複数の開口部を持つ外被表面を有する少なくとも1つの第二の管状本体(2および/または3)とを備え、前記第二の管状本体は、少なくとも部分的に、前記第一の管状本体の内部に設置されており、少なくとも2個の第二の管状本体(3,3’または3’’)が、相互に隣り合わせて、前記第一の管状本体の内部に収容されているプレースホルダである。
【解決手段】人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダであって、隣接組織の増殖進入のための複数の開口部を持つ外被表面を有する第一の管状本体(4)と、複数の開口部を持つ外被表面を有する少なくとも1つの第二の管状本体(2および/または3)とを備え、前記第二の管状本体は、少なくとも部分的に、前記第一の管状本体の内部に設置されており、少なくとも2個の第二の管状本体(3,3’または3’’)が、相互に隣り合わせて、前記第一の管状本体の内部に収容されているプレースホルダである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダ、特に、脊椎骨または椎間板用のプレースホルダおよびその製造方法およびこのようなプレースホルダのモジュラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレースホルダ、特に脊椎骨または椎間板用のプレースホルダが知られるようになってから久しい。たとえば、ドイツ特許第19504867 C1号は、行と列に配置された複数のひし形またはダイヤモンド形の開口部を持つ円柱管状本体の形状をしたプレースホルダを開示している。この円柱管の両端には、隣接する脊椎骨または隣接する組織と係合するための、ひし形に対応する、突出した鋸刃と陥凹部が設けられている。ダイヤモンド形の開口部があることによって、インプラント内への周辺組織の増殖進入(in-growth)が促進され、インプラントが体とよく生着する。
【0003】
さらに、米国特許出願第2005/0015154号によって、足場材様の構造を有するインプラントが開示されており、このインプラントでは、インプラント全体の上、あるいは全体の中に格子が伸びている。このような一体的な格子構造は、特に股関節、膝関節、肩関節等の関節用代替インプラントに使用されるものである。しかしながら、こうした一体的な格子構造は製造が困難で、個々のケースに適合するよう、個別に調整、製造しなければならない。
【0004】
ドイツ特許第101 38 079 A1号によって開示されている、軸長が調節可能なプレースホルダにおいては、2個のスリーブ様の部品が順次内部に調整可能に、より正確にはスリーブ様の部品が連結されているレバー装置を介して配置されている。この器具は、極めて正確に長さを調節できるものの、レバー装置は複雑で製造しにくい。
【0005】
ドイツ特許第198 04 765 C2号は、2つの脊椎骨の間に挿入するための、軸長が調節可能なプレースホルダを開示している。全体の長さは、外側チューブを内側チューブに関して移動させることによって調整される。この長さ調節は、止め具を用いて段階的に行われる。
【0006】
ドイツ特許第697 19 431 T2号は、長さ方向に調整可能な椎間板用プレースホルダを開示しており、このプレースホルダにおいては、順次内側に入れ子式に配置された2個のスリーブ本体を相互に関して調節し、ねじ装置によってこれをロックできる。しかしながら、この構成では、スリーブ本体が密接して配置されているため、ねじ連結に負荷を均一に分散させず、周囲の組織の増殖進入を有効に行わせない。
【0007】
米国特許出願第2003/007 3 660は、プレースホルダとして使用できるインプラントを開示し、このインプラントは波形のスリーブ様の本体を有する。この波型の本体を、さらに別のスリーブ本体の中に配置してもよい。しかしながら、1つのインプラント部品が波型形状である点もまた、製造が複雑となる要因である。
【0008】
欧州特許公開第09 047 51 A1号は、順次内部に導入される2個のケージを有する脊椎骨用管状支持体を教示しており、これらのケージは、一方のケージの外被表面上の突出する止め金具と、もう一方のケージの被覆に設けられた軸方向の引き込み溝(feed channel)によって相互に連結されている。この配置により、係止の位置を異なる深さにすることが容易にできる。しかしながら、この支持体は、引き込み溝があるため、多様性が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許発明第19504867号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0015154号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10138079号明細書
【特許文献4】独国特許発明第19804765号明細書
【特許文献5】独国特許発明第69719431号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/007 3 660号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0904751号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、製造しやすく、用途が広く、負荷散逸と人もしくは動物の組織の増殖進入の容易さの点で優れた特性を有するインプラントを提供することである。さらに、本発明によるインプラントは、脊柱、つまり椎間板と脊椎骨だけではなく、上肢および下肢の管状骨のためのプレースホルダとして使用するのにも特に適したものとされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、請求項1,4,5,8または9の特徴を有するプレースホルダと、請求項43の特徴を有するモジュラーシステムによって達成される。また、このようなプレースホルダの製造方法は、請求項44に明記されている。有利な各種の実施形態は、従属クレームの対象である。
【0012】
本発明は、ドイツ特許第19504867 C1号によるプレースホルダが原型であり、このプレースホルダは、特に椎間板、脊柱の脊椎骨ならびに上肢および下肢の管状骨のためのプレースホルダとして、実践的にその有用性が証明されている。本発明によれば、このプレースホルダをさらに改良し、いくつかの上記のような管状本体を順次内側に配置して、多重または多層プレースホルダを形成する。
【0013】
本発明の第一の面によれば、いくつかの管状本体、つまり、第一の管状本体と少なくとも1つの第二の管状本体が、少なくとも部分的に順次各々の内側に設置され、好ましい負荷吸収特性を有するだけでなく、隣接する組織の増殖進入を可能にするのにきわめて適した多層プレースホルダが形成される。このプレースホルダの特徴は、第一と第二の本体の、プレースホルダの縦軸を横断する断面における断面形状が異なり、特に第二の本体が単純な幾何学的基本的形状を有する第一の本体の中に配置される点である。単純または基本的幾何学的形状とは、本明細書において、主として、製造しやすい形状を意味し、つまり、特に、ただしこれらに限定されないが、断面が円形、楕円形、長方形もしくは三角形の円柱形または立方体である。このように、第一と第二の本体の単純な幾何学的基本的形状を利用して、本来の用途に適した機械的特性を持たせ、それと同時に製造の簡易性を実現することが可能となる。また、前面において、骨との大きな接触面を実現できる点も有利である。したがって、特に骨粗しょう症の脊椎骨の場合、プレースホルダの沈下を防止でき、あるいは沈下の危険性を大幅に低減させることができる。本発明によるプレースホルダにおいては、順次入れ子状に配置した複数の第二の管状本体を備え、これらをすべて、少なくとも部分的に第一の管状本体の中に配置してもよい。
【0014】
第一の本体の断面形状は円形で、第二の1つ又は複数の本体の断面形状は三角形、四角形、六角形、八角形または多角形全般、楕円形またはインゲンマメ形であることが好ましい。
【0015】
別の好ましい実施形態においては、第一つまり外側の管状本体の断面形状が円形以外、より詳しくは楕円形またはインゲンマメ形とすることができ、この場合、第二の本体は、上述のように、相応に調整された異なる断面形状を有してもよい。
【0016】
単独で、あるいは本発明の他の面との組み合わせによって特許請求の対象となる本発明の第二の面によれば、いくつかの第二の本体が、第一の本体の中で各々平行して配置されてもよい。したがって、この配置もまた、一方で卓越した機械的安定性及び/又は他方で周辺組織のプレースホルダ内への増殖進入のしやすさを実現できる。特に、この方法により、個々の構成部品、つまり管状本体の壁の厚さを小さく保てる。その結果、管状本体の内部、ひいてはインプラント内部への組織の増殖進入が促進される。
【0017】
第一の本体の中にいくつかの第二の本体、より詳しくは2個または3個の第二の本体を設置することにより、個々の管状本体の壁厚を小さくすることができ、その一方で全体的な負荷能力が改善されうる。第一の本体の中に2個、3個またはいくつかの第二の本体を配置することは、ここで開示されている本発明のすべての面に当てはめることがでる。
【0018】
第二の本体は、相互に関して、および/または第一の本体に関して離すことができる。本体同士の間の空隙によって、本体間の生体組織の増殖進入が促進されるからである。さらに、本体間の分離により、受けた負荷をインプラントの断面全体にわたってより均一に分散させることができる。
【0019】
第一の本体の中にいくつかの第二の本体を設置した場合、第二の本体の配置は、その縦軸が第一の本体の管の縦軸に平行に偏位されている状態とすることが好ましい。この結果、特定の機械的負荷を受けた場合に、より大きな安定性が得られうる。たとえば、本体を偏った配置とすることにより、曲げ応力を受けた場合の安定性を増大することができる。
【0020】
全体として、第一および/または第二の本体の断面形状は、さまざまな形状とすることができ、つまり、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形(ひし形)、多角形、六角形、八角形(特に角が丸いもの)、楕円形、インゲンマメ形あるいはどのような自由形状でもよい。しかしながら、その製造しやすさの点から、形状は特定の基本的形状に限定することができる。基本的形状としては、特に円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形、六角形、角の丸いものを含めた角のあるあらゆる形状、楕円形およびインゲンマメ形の形状がある。
【0021】
単独で、あるいは本発明の他の面との組み合わせによって特許請求の対象となる本発明の第三の面によれば、1つまたは複数の第二の本体は、圧入(press fit)または圧力嵌め(force fit)によって第一の本体の中に収容される。圧入または圧力嵌めとは、たとえば、1つ又は複数の第二の本体の外周または圧入または圧力嵌めの接触面近辺の外寸が、第一の本体の内径または、1つ又は複数の第二の本体を圧入または圧力嵌めによって受け入れる固定または連結部品の内径より大きいことを意味する。したがって、圧力嵌めは、1つ又は複数の第二の本体および/または第一の本体および/または対応する連結もしくは固定部品の弾性変形のみによって実現され、また、圧入の場合にはさらに塑性変形が加わる。
【0022】
圧入または圧力嵌めは、したがって、第一の本体と1つ又は複数の第二の本体の間の接触または連結部品の係合によって直接実現されうる。
【0023】
あるいは、本発明のさらに別の面によれば、本体および/または連結部品の間の連結は、摩擦連結、材料連結(material connection)または強制連結(positive connection)(成形嵌合(フォームフィット: form-fit))によっても実現される。
【0024】
特に、連結部品は、固定板および/または連結ピンとすることができる。
【0025】
固定板は、管の長軸を横切って配置され、それ自体が圧入もしくは圧力嵌めまたはねじもしくは鋲連結によって、あるいは一般的に摩擦、材料または強制連結(成形嵌合)によって第一の本体の中に保持されるプレートまたはリングとして形成されることが好ましい。第二の本体もまた、圧入もしくは圧力嵌めまたは、上述のように連結ピンによって、あるいは一般的に摩擦、材料もしくは強制連結によって保持されることが好ましい。
【0026】
これは、たとえば、第二の本体が連結部品と構造単位を形成してもよく、これが全体として、圧入もしくは圧力嵌めによって第一の本体の中に保持されることを意味する。
【0027】
連結ピンは、鋲、ねじおよび/または、たとえば溶接されたバーとして形成することができる。
【0028】
第二の本体を第一の本体の中に配置するためには、少なくとも1つ、好ましくはいくつかの、特に2枚の固定板を設けることができる。固定板は、管状本体の終端に端板として設置するか、あるいは管状本体の長さにわたって、中板として分散させることが好ましい。
【0029】
固定板は、詳しくは受け部のほかに、第二の本体を受け及び保持するための複数の開口部を有することが好ましい。複数の開口部は、上述のように、隣接する組織の増殖進入という目的を実現させる。
【0030】
固定板に加えて、あるいはこれに代わるものとして、連結ピンを使用することができ、これは特に、鋲、ねじおよび/または、たとえば溶接されたバーとして形成される。
【0031】
連結ピンは、複数の本体を相互に離して保持するための停止面を有することが好ましく、たとえば、1つの停止面を対応する鋲またはねじ頭によって設け、第二の停止面は、ねじ山または、鋲の頭と反対の終端の付近に設けることができる。
【0032】
連結ピンは、管状本体の外被表面に隣接組織との癒合のために設けられた開口部または貫通部に配置することができ、あるいは、連結部品を受けるための別の連結用開口部をインプラントの管状本体または、固定板等の他の構成部品に設けてもよい。
【0033】
ねじ連結の場合、第一の外側本体に、ねじのねじ頭が内側に入るようにねじ穴を設けることが好ましい。このように設けることにより、突出部のない平滑な面を管の長軸に平行に簡単に実現できるからである。
【0034】
特に、本発明のさらに別の面によれば、少なくとも部分的に順次それぞれの内部に配置された管状本体は、取り外し可能な連結手段または、使用時に直接取付または連結可能な連結手段によって連結し、モジュラーシステムとすることができる。このようなモジュラーシステムにより、必要に応じて個々の調節を簡単に行うことが可能である。したがって、いくつかの管状本体のモジュラーシステムと対応する連結手段を提供し、外科医が使用時に直接個々の必要性に適合するよう対応するプレースホルダを構成するようにすることができる。しかしながら、当然、プレースホルダは既製の状態で供給してもよい。しかしその場合でも、取り外し可能な連結手段であれば、変更が可能である。
【0035】
さらに、これも個別に特許請求の対象となる本発明の別の面によれば、本発明によるプレースホルダは、管状本体の連結が外被表面上の、および/または前面の付近のわずかな箇所でのみ行われ、プレースホルダの長さ全体に沿って見た場合に、プレースホルダ同士の間の広い領域に、組織の増殖進入に利用できる自由な空間が作られることによって特徴付けられる。特に、連結部品は、合計2個から24個、好ましくは2個から12個の部品に制限でき、および/または2個から4個、特に3個の連結部品を外被表面の開口部または貫通部の各行に割り当ててもよい。連結部品は、貫通部そのもの、またはねじ穴等、他の受け部、くぼみもしくは穴と協働することができる。
【0036】
別の実施形態では、管状本体を同心円状に配置し、特に断面形状が同じ場合、平行な壁領域が形成されるようにしてもよい。
【0037】
さらに別の好ましい実施形態において、連結部品を管状本体の外被表面の開口部に変動可能に取り付け、管状本体を相互に関して任意に整合、配置できるようにすることが好ましい。たとえば、本体を、それらが順次各々の内部に完全には入らず、たとえば、長さ方向に突出したままになるように配置できる。これは、プレースホルダの長さまたは高さが調節可能であることを意味する。なぜなら、順次各々の内側に配置された異なる管状のプレースホルダを各々から入れ子式に引っ込め、あるいは逆に、各々の中に押し込み、後にこの位置で固定されるようにすることができるからである。これは特に、連続的または段階的に可能である。さらに、管状本体をまた、各々に対して回転させ、外被表面に設けられた開口部が、たとえば、1つまたは2つの隣接する本体またはすべての本体に関して整合して、または互い違いに配置されるようにしてもよい。
【0038】
好ましくは、管状本体を異なる形状、特に、異なる壁厚としてもよく、たとえば、外側管状本体をごく薄くして、開口部を通じた周辺組織の増殖結合(over-growth)または増殖進入を促進し、他方で1つ又は複数の内側管状本体の壁は厚くし、プレースホルダに必要な安定性を持たせることができる。
【0039】
断面形状に利用できる各種の形状は、管状本体の外被表面における開口部または貫通部にも当てはまり、その外部輪郭もまた、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、六角形、八角形、角が丸い、または丸くない多角形一般、ダイヤモンド形等とすることができる。
【0040】
管状本体は、相互に間隔を空けて配置することが好ましく、この間隔は、管状本体を連結する連結部品および/または別のスペーサによって確保され、この別のスペーサは、特に外被表面の内側および/または外側に、好ましくは外側または内側に向かって直角に突出するバーまたはプレートの形状で設けられてもよい。管状本体を離すことにより、増殖進入する周辺組織のための十分な空間ができる。さらに、管状本体を離して配置することにより、相応に広い接触表面が終端または前面に形成され、その結果、端板等を別に取り付ける必要がなくなる。
【0041】
管状本体は、少なくとも一端に、好ましくは両端に、隣接する脊椎骨またはその他の組織との係合を可能にし、増殖進入を促進する突起および/または陥凹部を有することが好ましい。
【0042】
ピン、ボルト、止め具、ねじ、端板等によって形成できる連結部品は、特に外被表面の開口部または貫通部に、さまざまな態様で収容し、連結部品のためにそれ以外の受け部を別に設ける必要をなくすことができる。これにより、費用が削減され、製造が容易となる。とはいえ、管状本体の外被表面に相応の受け部を設けてもよい。
【0043】
好ましい実施形態において、プレースホルダは、管状本体の前面に、少なくとも1枚、好ましくは2枚の端板を備え、これは同時に連結手段としても機能する。たとえば環状の端板は、この目的で、管状本体の終端の突起が特に強制的および/または非強制的に係合することができる切り欠きおよび/または陥凹部を有する。好ましくは、テンションリングまたはばね荷重リングとしての環状端板に分離用のギャップまたはスリットを設け、管状本体の切り欠きまたは陥凹部に嵌め込まれた突起が、端板による摩擦によって保持されるようにする。
【0044】
同様に、中板または固定板もまた、一般にテンションリングまたはばね荷重リングとして形成してもよい。
【0045】
上記以外に、あるいは上記に加え、端板もしくは固定板と管状本体とを、他の連結手段、特に外被表面の付近に設置されたものにも当てはまるように、溶接、特にレーザ溶接等によって接着(材料)連結させることも当然可能である。
【0046】
管状本体および/または連結部品には、コーティングあるいは表面処理を行うことができる。たとえば、この点で述べられるコーティングは、ハイドロキシアパタイトまたはプラズマ処理であり、たとえばチタンまたはチタン合金が材料として使用される場合はチタンの粗表面を作ることができる。
【0047】
全体として、管状本体や連結部品等、各種の構成部品について、相応の特性を有するあらゆる適当な生体適合性材料を使用できる。生体適合性ポリマーや、チタンもしくはチタン合金あるいは、ニッケルチタン合金であるニチロール等の金属が好ましい。特に、各種の構成部品に異なる材料を使用してもよい。
【0048】
さらに別の面によって、作製されるプレースホルダにおいては、少なくとも2個の異なる管状本体、より正確には、少なくとも直径が異なる2個の管状本体を選択し、これらの本体を、少なくとも部分的に順次内部に配置し、本体を、少なくとも1つの連結部品によって、好ましくは取り外し可能に相互に連結する。この点で、管状本体の相互に関する配置は、連結部品が相応に多くの場所で使用されれば、多様的に選択されるのが好ましい。特に、長軸に沿った管状本体の配置と角度の配置を変えることが可能である。
【0049】
特に以下の実施形態において詳しく説明する本発明の管状本体の構造を通じて、管状本体の長さおよび/または終端の整合を、どこでも、長さに合わせて切断することによって調節することもできる。その結果、用途の多様性がさらに広がる。
【0050】
また、プレースホルダは、組立後に全体としてだけではなく、構成部品の組立前に個々にもコーティングまたは表面処理を行うことができる。したがって、内側に配置された円柱管状本体等、内部の部品の場合でも、組立前に本体にコーティングまたは表面処理を行い、そのコーティングまたは表面処理を完了させてもよい。
【0051】
全体として、本発明は、プレースホルダのための個別使用が可能なモジュラーシステムを提供し、このようなシステムにおいて、プレースホルダは、多くの壁を持ち、複数の管状本体から構成されることから、非常に大きな表面積を有し、したがって、周辺組織の増殖進入および増殖拡張(on-growth)を大きく促進する。さらに、表面積がきわめて大きいにもかかわらず、非常に製造しやすく、特にコーティングまたは表面処理が容易であり、この点は組織の増殖拡張に有利である。特に、個々の構成部品、つまり異なる位置にある各種の円柱管状本体に異なるコーティングを行うことができる。これにより、機械的安定性およびそれと同時に実現される組織の増殖進入のしやすさとにより、椎間板またはプレースホルダに特に適した、整形外科用の最適な融合部品となるインプラントが実現される。
【0052】
本発明の上記以外の利点、特性、特徴は、添付の図面を用いた以下の好ましい実施形態の説明から明らかとなる。図は純粋に略図として描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によるプレースホルダの第一の実施形態を示す図である。
【図2】図1のプレースホルダの平面図である。
【図3】本発明による別のプレースホルダの三次元表示であり、外被表面を詳細に表す図である。
【図4】図3のプレースホルダの平面図である。
【図5】本発明によるプレースホルダの第三の実施形態の三次元表示の図である。
【図6】図5のプレースホルダの平面図である。
【図7】図5のプレースホルダの、端板のない状態の透視図である。
【図8】図7のプレースホルダの平面図である。
【図9】2個の個別の管状本体と組み立てた状態のプレースホルダの透視図および個々の管状本体の平面図である。
【図10】本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図と外被表面の詳細図である。
【図11】本発明によるまた別の実施形態の透視図と外被表面の詳細図である。
【図12】本発明による他の実施形態の透視図と平面図である。
【図13】a)〜c)は、本発明による別のプレースホルダの透視図、側面図、平面図である。
【図14】本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図である。
【図15】図14のプレースホルダの実施形態の短い形態の透視図である。
【図16】図15によるプレースホルダの平面図である。
【図17】本発明によるプレースホルダのまた別の実施形態の透視図である。
【図18】図17のプレースホルダの平面図である。
【図19】本発明のプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図である。
【図20】図19のプレースホルダの平面図である。
【図21】本発明によるプレースホルダの他の実施形態の透視図である。
【図22】図20のプレースホルダの平面図である。
【図23】本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図である。
【図24】図23のプレースホルダの平面図である。
【図25】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図26】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図27】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図28】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図29】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図30】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図31】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図32】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図33】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図34】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図35】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図36】ねじ連結の透視図である。
【図37】図36のねじ連結の断面図である。
【図38】ねじとしての連結ピンの透視図である。
【図39】鋲連結の透視図である。
【図40】図39の鋲連結の断面図である。
【図41】図39,40の鋲の、かしめていない状態の透視図である。
【図42】図41の鋲の、かしめた状態の透視図である。
【図43】本発明によるプレースホルダの第一の使用例の側面略図である。
【図44】本発明によるプレースホルダの別の使用例の側面略図である。
【図45】本発明のための第三の使用例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、本発明によるプレースホルダの第一の実施形態の透視図であり、管状本体2,3,4は部分的に順次各々の内部に配置されている。
【0055】
最も直径の大きな管状本体4は、より小さな直径の管状本体2,3を収容している。次に直径の大きな管状本体3は、最も直径が小さい管状本体2を収容している。
【0056】
管状本体2,3は、管状本体4,3の中に配置され、長軸方向にそれぞれが次に大きな管状本体4,3の終端5,6の上に突出している。
【0057】
管状本体2,3,4は、ピン8によって相互に連結されており、ピン8は圧入により、管状本体4,3,2の切り欠きまたは穴25(図3参照)から取り外し可能に挿入されている。したがって、ピンをはずすと、管状本体2,3,4をプレースホルダ1の長軸に沿って相互に押し付けることにより、プレースホルダ1の長さまたは高さを調節することができる。所望の長さまたは高さで、対応するピン8を穴25に挿入することによって、管状本体2,3,4を相互に取り付け、対応する位置で固定できる。
【0058】
ピン8には、その終端に、フック等の対応する停止および/または止め手段(図示せず)を設け、ピン8が穴25中に確実に固定されるようにしてもよい。さらに、ねじ穴とねじ等、他の連結手段も利用できる。
【0059】
管状本体2,3,4は、その外被表面10に複数の開口部9を有し、この開口部は、図1の実施形態の場合は六角形であり、行と列に均一に配置され、ほぼ蜂の巣構造を形成している。この蜂の巣構造により、周辺組織の容易な増殖進入が促進され、それと同時にプレースホルダの安定性と強度が確保される。さらに、プレースホルダの重量も軽減できる。管状本体2〜4を順次各々の内側に配置した多層構造によって、重なり合った部分において、周辺組織の増殖進入は、安定性と強度が増大しているにもかかわらず、少なくとも妨害されない。
【0060】
図3,4は、本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図(図3)と平面図(図4)であり、2つの図面において、同様または同一の部品には、同じ参照番号が付けられている。
【0061】
図3,4の実施形態と図2,1の実施形態の基本的な違いは、管状本体2〜4が完全に順次各々の内部に収容され、管状本体2,3が管状本体4の上端5から突出していない点である。
【0062】
その結果、管状本体2〜4の端部5,6,7は、たとえば隣接する脊椎骨のための共通の接触面を形成する。3個の管状本体2〜4が順次各々の内部に配置され、相互に離されているために、管状本体が1個の場合と比べ、はるかに大きなリング状の接触面が得られ、端板その他を追加して設置する必要がない。
【0063】
図1〜4の実施形態の管状本体2〜4の終端の各々に、突出バーまたは釘の形態の突起11とくぼみ12が設けられ、全体として波型の端縁5〜7が得られる。突起11とくぼみ12は、管状本体2〜4の構造を長軸に対して垂直に、より正確には一連の開口部9のほぼ中心で、所望の長さに切り取るか切断することによって作られうる。したがって、くぼみ12は、突起11の付近の平行な壁部と平行な壁部を連結する三角形の底部を有する形状となる。
【0064】
突起11とくぼみ12は、脊椎骨または隣接組織等、隣接する体の部位と係合し、対応する組織との増殖結合(over-growth)を可能にする。
【0065】
さらに、図3の詳細図は、管状本体2,3,4を連結するためのピン8のための穴25または受け部を示している。ピン8と穴25の代わりに、ねじとねじ穴も使用できる。
【0066】
図4において、各々、図1〜4の実施形態において円柱として形成された同心円状配置の管状本体2〜4が相互に間隔を空けて、個々の細いバー13によって保持されていることがわかり、バー13は、特定の回転角だけ相互に離れて配置されている。図4に示す実施形態においては、バー13は、回転角120°で相互に離れている。
【0067】
図1,2の実施形態のプレースホルダを使用する手術の最中に直接取り外しおよび/または取り付け可能なピン8と異なり、バー13は、管状本体2〜4とたとえばレーザ溶接等、固体接合接着連結(材料連結)を行い、既製の形のプレースホルダとすることができる。
【0068】
図5〜8は、本発明によるプレースホルダのまた別の実施形態の各種の図であり、このプレースホルダは、図1〜4の実施形態と同様に、特に脊椎骨用プレースホルダとして使用できる。これらの図においても、同一または類似の構成部品には、同じ参照番号を付与した。
【0069】
図5〜8の実施形態では、特に図8に示されているように、2個の管状本体3,4が、完全に順次内部に配置されている。つまり、管状本体3は、完全に管状本体4の中に収容されている。
【0070】
図5〜8の実施形態が図1〜3の実施形態と異なる点は、上端と下端の各々に、環状ディスクの形状の端板14が設置されていることであり、端板14は、スリットまたはギャップ16によって分割されている。さらに、端板14には、いくつかの長方形の切り欠き15が環状に配置されている。したがって、図6の平面図から特に明白なように、切り欠き15の中に、管状本体4,3の突起11が入る。
【0071】
スリット16により、環状の端板14は、テンションリングまたはばね荷重リングとして機能する。たとえば、端板を配置する際、終端17と18を相互に締め付けることによって、ギャップの幅を弾性的に狭めることができる。環状の端板14を管状本体3,4の上に設置し、突起11を切り欠き15の中に挿入すると、環状の端板14の弾性回復力が解除されるため、端板が弛緩し、突起11は切り欠き15の端縁に対して締め付けられ、圧迫される。このように、端板14は、非強制的に、つまり摩擦によって突起11に押し付けられて保持される。
【0072】
この種の支持は、管状本体の終端に配置されず、管状本体の長さに沿って、管状本体の終端の中間の各所に配置されるプレート(中間プレート)を保持する場合にも利用できる。
【0073】
図7,8は、図5,6のプレースホルダ1の、端板14を取り付けていない状態を示す。ここでは、管状本体3,4が端板によってのみ離れた位置に保持され、それ以外の連結部品またはスペーサを必要としないことがわかるであろう。
【0074】
図9は、本発明によるプレースホルダの他の実施形態であり、管状本体3,4がまず個々に示され、右の図において、組み立てられた状態として示されている。透視図のほかに、図9の下の部分は、管状本体3,4の平面図である。ここでも、同一または類似の構成部品には、前の実施形態と同様に、同じ参照番号が付与されている。
【0075】
外側管状本体4は基本的に前の実施形態に対応しているが、内側管状本体3はさらに、プレートの形状のスペーサ19を備え、スペーサ19は管状本体3の外被表面10の上に何本かの行になって外側に垂直に突出する。スペーサ19は、円柱の本体3と一体形成しても、あるいは接着、強制または非強制的連結によって取り付けてもよい。当然、スペーサは外側管状本体の内側または両方の管状本体の上にも同様に設置することができる。
【0076】
個々のスペーサ19は、管状本体3の円周に沿って、特定の角度範囲、より正確には、図9の実施形態において、それぞれ40°の角度で間隔を空けて設置される。当然、円周上または1行に設けるスペーサの数を多くしても、少なくしてもよく、また、行数を増やしても、減らしてもよく、さらに配置する距離を変えてもよい。
【0077】
図の実施形態において、スペーサ19は、同時に、たとえば対応する止め具またはクリップ連結により、管状本体4,3の間の連結部品としても使用されてもよい。これは、たとえば、管状本体4の内側に、スペーサ19が係合する相手となる切り欠きを設けると実現できる。たとえば、管状本体4の内径とスペーサ19を備える管状本体3の外径の寸法は、スペーサ19を備える管状本体3の外径が管状本体4の内径より若干大きくなるように設計し、本体3,4の一方または両方が組立中にそれぞれ弾性的に伸張または圧縮され、スペーサ19が管状本体4の内側の対応する切り欠きまたは陥凹部(図示せず)と係合すると弛緩が発生し、連結部品としても機能するようにすることができる。
【0078】
図10,11は、本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態を示し、たとえば、椎間板の代替物として使用できる。ここでも、同一または類似の部品には、同じ番号が付与されている。
【0079】
図10,11は、特に外被表面10の拡大された詳細図により、順次内側に配置された管状本体3,4の整合の様子が異なっていることを示しており、より正確には、図11に示されるように、一方では開口部9が相互にぴったりと合う、つまり整合している状態にあり、もう一方で、図10に示されるように、開口部9が相互にずらして配置されている。開口部9がずらして配置されている場合、内側管状本体3の外側被覆103のバー状の領域は、外側管状本体4の開口部9の背後に見え、外側管状本体4の外被表面104のバー状の領域は、管状本体3の開口部を部分的に覆っている。
【0080】
これに対し、管状本体3,4の開口部9がぴったりと整合している場合、内側管状本体3の外被表面領域103は外側管状本体4の外被表面領域104の背後に配置され、貫通穴9が外被表面10に作られる。
【0081】
図12は、次に、基本的に前の実施形態に対応する脊椎骨用プレースホルダを示し、したがって、同一または類似の構成部品には同じ参照番号が付されている。
【0082】
図12のプレースホルダ1において、管状本体2〜4は、この例においても、順次個々の内部に挿入されているが、この図の特別な特徴は、管状本体2〜4の壁の強度つまり厚さが異なることであり、これは、図12の右側の平面図において特に明瞭である。したがって、内側と外側の管状本体2,4は、中央の管状本体3より薄い。このように、中央の管状本体3が強度と安定性に最も貢献し、外側および内側の管状本体4,2は、壁の厚さが薄いため、急速な増殖進入および増殖結合を促進する。ピン8またはバー13等のスペーサは、この図においては、他の説明のために示されていない。
【0083】
図13は、a)からc)において、椎間板用プレースホルダ1を透視図(a)、側面図(b)および平面図(c)で示す。ここでも、前の実施形態と同様に、同一もしくは類似の構成部品には同じ参照番号が付与されている。
【0084】
図13の実施形態は図3のプレースホルダ1に対応しているが、相違点は、管状本体が4,3の2個だけである点と、完全に形成された開口部9は1行だけである点である。したがって、図13のプレースホルダ1の高さまたは長さは、図3のプレースホルダ1と比較して大幅に縮小されている。これは、用途が異なるからであり、つまり、一方は脊椎骨用のプレースホルダ(図3)として使用され、もう一方は椎間板用のプレースホルダ(図13)として使用される。
【0085】
図14は、本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図であり、ここでも、前の実施形態と同様に、同一もしくは同様のコンポーネントには同じ参照番号が用いられている。
【0086】
図14のプレースホルダ1は、円柱管状の第一の管状本体4を有し、この管状本体4は、複数のダイヤモンド形の開口部9を有し、これらは行と列に配置されて蜂の巣構造を形成している。ダイヤモンド形の開口部または貫通部は、バー10によって画定され、バー10は、前の実施形態と同様に、円筒管状本体4の両端の上下の端縁において突起11と陥凹部またはくぼみ12を形成する。
【0087】
外側管状本体4には2枚の固定板30が配置され、これらは管状本体4の終端領域に設けられている。固定板30は、管状本体4の中に完全に収容され、そこで圧入または圧力嵌めによって保持される。したがって、固定板30の外径は管状本体4の内径より若干大きく設定され、これらの部品が弾性的に引っ張られるようになっている。固定板の固定には、他の適当な手段も利用できる。
【0088】
円形のディスク型の固定板30は、複数の開口部31を有し、これによって組織の増殖進入と浸透が促進される。
【0089】
さらに、第二の円筒管状本体3’,3’’,3’’’が収容される受け部32が設けられ、これらの第二の管状本体の形状と形態は、外側管状本体4に対応する。しかしながら、第二の管状本体3’,3’’,3’’’は、その寸法において異なり、つまり、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の直径は、外側管状本体4の直径よりずっと小さく設定されている。固定板30の受け部32は、想像上の三角形の頂点に配置され、第二の管状本体3’,3’’,3’’’が、外側管状本体4の内側の空間内に相互に隣り合わせで収容される。第二の管状本体3’,3’’,3’’’の、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の円形断面の中心を通る管の長軸は、したがって、外側管状本体4の中央の管の長軸とは平行に偏位している。
【0090】
第二の管状本体3’,3’’,3’’’はまた、固定板30の受け部32の中に、圧入または圧力嵌めによって収容されている。第二の管状本体3’,3’’,3’’’の外径はしたがって、ここでも、受け部32の直径より若干大きく設定され、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の挿入時に、第二の管状本体3’,3’’,3’’’と固定板30の弾性変形が起こり、これによって管状本体3’,3’’,3’’’は受け部32中に圧入される。
【0091】
図14の実施形態は脊椎骨のプレースホルダとして使用されるのに対し、図15の透視図が示す変形型は、椎間板の代替物として使用されるものである。したがって、前の実施形態と同じく、同一または同類の構成部品に同じ参照番号が付与されている図15のプレースホルダ1は、長さがずっと短く設定されている。したがって、図14の実施形態の2枚の固定板に代わり、固定板30は1枚のみ用いられている。図15の実施形態の固定板30は、プレースホルダの高さのほぼ中央、つまり、管の長軸に沿った長さの中央に配置されている。
【0092】
上記の相違点以外は、図15の実施形態と図14の実施形態との差はないため、これ以上の説明は割愛する。
【0093】
図16は、図15の実施形態の平面図であり、この中で、外側管状本体4と第二の内側管状本体3’,3’’,3’’’の配置が明瞭に示されている。さらに、組織の増殖進入と浸透のために固定板30に設けられた開口部31が示されている。開口部31は、図のように、大きさが異なっていてもよい。
【0094】
全体として、図14〜16の実施形態によれば、設定された圧入または圧力嵌めの配置により、製造しやすく、単純で多様な配置が可能な構成部品によるインプラントまたはプレースホルダが得られる。さらに、管状本体の配置から、外側管状本体4への生体組織の増殖進入のための十分な自由空間が提供される。しかしながら、これと同時に、プレースホルダ1の終端には、負荷を受け、散逸させるための十分に大きな接触面が得られる。
【0095】
図17〜24が示す各種の実施形態においては、固定板を使用せずに、異なる形状のいくつかの、または個別の第二の管状本体3が、やはり圧入または圧力嵌めによって、異なる形状の外側管状本体4の中に収容されている。
【0096】
図17,18において、透視図と平面図で示されている実施形態の場合、外側管状本体4は、管の長軸に対して垂直な、つまり外被表面に対して垂直な断面がインゲンマメ形であり、外側管状本体4の中に収容された第二の管状本体3’,3’’,3’’’の断面は円形である。したがって、第二の管状本体3’,3’’,3’’’はここでも、外側管状本体4の中に相互に隣り合わせで収容されている。
【0097】
図19,20において透視図と平面図で示されるプレースホルダ1の場合、断面が円形の2個の円筒管状本体3’,3’’が、断面が楕円形の外側管状本体4の中に、やはり圧入または圧力嵌めによって配置され、図21,22の実施形態においては、円柱管状、つまり円形の断面を有する3個の第二の本体3’,3’’,3’’’が、円柱管状、つまり円形の断面を有する外側管状本体4の中に配置されている。
【0098】
図23,24には、本発明によるプレースホルダ1のまた別の実施形態が示されており、この実施形態においても、2個だけの管状本体が順次内部に配置されている。図23,24に示す実施形態では、内側管状本体3の管の長軸に垂直に走る断面が三角形であり、一方、外側管状本体4は、円形の断面を有する円柱管状の形状を有する。図23,24の実施形態においては、したがって、1個のみの管状本体3が、管状本体4の中に圧入または圧力嵌めによって収容されている。
【0099】
図17〜24の各種実施形態においては、圧入または圧力嵌めに代わり、第一と第二の管状本体4,3について、ねじ等の連結ピンや溶接等の接着連結等によって接触表面で連結することも可能である。
【0100】
図25〜29に、本発明において使用できる管状本体2,3,4の各種の断面形状を示す。図25に示されるような円形または環状の断面以外に、矩形、特に長方形、好ましくは正方形(図26)、六角形(図27)、楕円形(図28)またはインゲンマメ形(図29)が用いられる。さらに、そのほかにも、八角形の基本形状あるいは、まったくの自由形状等を使用することも可能である。しかしながら、単純な基本形状が好ましい。特に、相互に異なる断面形状を有する円筒管状本体を組み合わせることも可能である。
【0101】
図30〜35は、開口部9の異なる形状と、管状本体2〜4の外被表面10における開口部9の相互の配置を示す。図30のダイヤモンド形(ひし形)のほかに、円形(図31)、矩形、特に正方形と長方形(図32)、六角形(図33)、楕円形(図34)または八角形(図35)が用いられる。さらに、中間に設けられる骨組みの安定性を確保するのと同時に、開口部9の面積を大きくするのに適した他の形状も採用できる。
【0102】
開口部9の相互の配置については、図32,35に示されるように、開口部9は、何行かに配置し、行の中では完全に離して設置するか、あるいは図30,33において特に明らかなように、開口部を隣接する行の対応する凹部の中に入り込むように配置することができる。
【0103】
これはまた、列に配置された開口部9が、相互の直下、あるいは好ましくは、相互からずらして設けられ、軸方向の負荷散逸が特に改善されることも示している。図30〜35からさらにわかるように、開口部9がお互いの下に配置されている列はそれぞれ、開口部の幅の半分だけ、基本的に相互にずれている。
【0104】
図36〜42は、鋲およびねじの連結等、連結ピンによる連結の各種の実施形態を示している。
【0105】
図36は、管状本体3,4の、外被表面または外被表面10を形成するバー10の、ねじ連結が行われている部分を示す。ねじ13は、ねじ頭40を有し、これは、図37の断面図に示されているように、接触面43で管状本体3の内側表面と接触し、一方、ねじ13のシャフト45は、管状本体3の壁の開口部から突出し、頭40の反対のねじ終端41は、外側管状本体4のねじ穴42と係合する。この連結において、ねじ山41を画定する接触面44は、外側管状本体4の内側と接触する。ねじ連結は、好ましくは管状本体4の外側がねじ13のねじ山側の終端と同一平面上にあるように設計される。
【0106】
図38は、ねじ13の透視図である。図示されていないが、ねじ頭は、ドライバ等の工具で係合が行われるように構成されてもよい。
【0107】
図39〜42は、ねじ連結の場合と同様の図で、鋲連結を示す。上記と同様に、鋲連結は、図39の透視図において特によくわかるように、管状本体3,4の間の連結を実現している。鋲50の頭は、図40に示されているように、その接触面56で管状本体3の内側と接触し、鋲50の頭51と反対側の終端部分を画定する接触面57は、外側管状本体4の内側と接触する。管状本体3,4はそれぞれ、1個の貫通穴を有し、ここから鋲50のシャフト52が挿入される。鋲部分53は、円柱形の切り欠き55を有し、管状本体4の貫通穴に鋲50を挿入した後に、端縁54が丸められ、確実な連結が実現し、鋲が管状本体4の貫通穴から脱落するのが防止される。
【0108】
図41,42はそれぞれ、鋲50のかしめられていない状態(図41)と端縁54でかしめられた状態(図42)を示す。
【0109】
図43,44は、本発明によるプレースホルダの使用例の側面または断面略図であり、図43のプレースホルダ1は、椎間板の代替物として、また図44のプレースホルダ1は、脊椎骨の代替物として使用される。
【0110】
図43,44の用途におけるプレースホルダ1は、脊柱固定システムの一部であり、ペディクルスクリュー(pedicle screw)20、特に多軸ねじが脊椎の中に配置され、その間に連結ロッド21を用い、相互に脊柱を整合させ、固定する。
【0111】
脊柱の中に配置することにより、脊柱または椎間板用のプレースホルダ1は、特定の応力、特に動的応力を受ける。本発明によるプレースホルダと、特にその多層構造または多数の構成部品からなる構造は、上記の応力に対処するための解決策となる。
【0112】
さらに、しかしながら、本発明によるプレースホルダは、図45に示すように、たとえば骨折した長骨等、臨床用途にも使用でき、骨22の中央部分の骨折の場合、本発明による対応するプレースホルダ1を配置し、釘23とねじ24で固定することにより、骨構造の再生が可能となる。
【符号の説明】
【0113】
1 プレースホルダ、2,3 内側管状本体、4 外側管状本体、5,6,7 端縁、8 ピン、9 開口部、10 外被表面、11 突起、12 くぼみ、13 バー、14 端板、15 端板の切り欠き、16 端板のスリット、17,18 終端、19 スペーサ、20 ペディクルスクリュー、21 連結ロッド、22 骨、23 釘、24 ねじ、25 穴、30 固定板、31 固定板の開口部、32 受け部、40 ねじ頭、41 ねじ終端、42 ねじ穴、43,44,56,57 接触面、45 ねじのシャフト、50 鋲、51 鋲の頭、52 鋲のシャフト、53 鋲部分、54 端縁、55 切り欠き。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダ、特に、脊椎骨または椎間板用のプレースホルダおよびその製造方法およびこのようなプレースホルダのモジュラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレースホルダ、特に脊椎骨または椎間板用のプレースホルダが知られるようになってから久しい。たとえば、ドイツ特許第19504867 C1号は、行と列に配置された複数のひし形またはダイヤモンド形の開口部を持つ円柱管状本体の形状をしたプレースホルダを開示している。この円柱管の両端には、隣接する脊椎骨または隣接する組織と係合するための、ひし形に対応する、突出した鋸刃と陥凹部が設けられている。ダイヤモンド形の開口部があることによって、インプラント内への周辺組織の増殖進入(in-growth)が促進され、インプラントが体とよく生着する。
【0003】
さらに、米国特許出願第2005/0015154号によって、足場材様の構造を有するインプラントが開示されており、このインプラントでは、インプラント全体の上、あるいは全体の中に格子が伸びている。このような一体的な格子構造は、特に股関節、膝関節、肩関節等の関節用代替インプラントに使用されるものである。しかしながら、こうした一体的な格子構造は製造が困難で、個々のケースに適合するよう、個別に調整、製造しなければならない。
【0004】
ドイツ特許第101 38 079 A1号によって開示されている、軸長が調節可能なプレースホルダにおいては、2個のスリーブ様の部品が順次内部に調整可能に、より正確にはスリーブ様の部品が連結されているレバー装置を介して配置されている。この器具は、極めて正確に長さを調節できるものの、レバー装置は複雑で製造しにくい。
【0005】
ドイツ特許第198 04 765 C2号は、2つの脊椎骨の間に挿入するための、軸長が調節可能なプレースホルダを開示している。全体の長さは、外側チューブを内側チューブに関して移動させることによって調整される。この長さ調節は、止め具を用いて段階的に行われる。
【0006】
ドイツ特許第697 19 431 T2号は、長さ方向に調整可能な椎間板用プレースホルダを開示しており、このプレースホルダにおいては、順次内側に入れ子式に配置された2個のスリーブ本体を相互に関して調節し、ねじ装置によってこれをロックできる。しかしながら、この構成では、スリーブ本体が密接して配置されているため、ねじ連結に負荷を均一に分散させず、周囲の組織の増殖進入を有効に行わせない。
【0007】
米国特許出願第2003/007 3 660は、プレースホルダとして使用できるインプラントを開示し、このインプラントは波形のスリーブ様の本体を有する。この波型の本体を、さらに別のスリーブ本体の中に配置してもよい。しかしながら、1つのインプラント部品が波型形状である点もまた、製造が複雑となる要因である。
【0008】
欧州特許公開第09 047 51 A1号は、順次内部に導入される2個のケージを有する脊椎骨用管状支持体を教示しており、これらのケージは、一方のケージの外被表面上の突出する止め金具と、もう一方のケージの被覆に設けられた軸方向の引き込み溝(feed channel)によって相互に連結されている。この配置により、係止の位置を異なる深さにすることが容易にできる。しかしながら、この支持体は、引き込み溝があるため、多様性が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許発明第19504867号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0015154号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10138079号明細書
【特許文献4】独国特許発明第19804765号明細書
【特許文献5】独国特許発明第69719431号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/007 3 660号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0904751号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、製造しやすく、用途が広く、負荷散逸と人もしくは動物の組織の増殖進入の容易さの点で優れた特性を有するインプラントを提供することである。さらに、本発明によるインプラントは、脊柱、つまり椎間板と脊椎骨だけではなく、上肢および下肢の管状骨のためのプレースホルダとして使用するのにも特に適したものとされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、請求項1,4,5,8または9の特徴を有するプレースホルダと、請求項43の特徴を有するモジュラーシステムによって達成される。また、このようなプレースホルダの製造方法は、請求項44に明記されている。有利な各種の実施形態は、従属クレームの対象である。
【0012】
本発明は、ドイツ特許第19504867 C1号によるプレースホルダが原型であり、このプレースホルダは、特に椎間板、脊柱の脊椎骨ならびに上肢および下肢の管状骨のためのプレースホルダとして、実践的にその有用性が証明されている。本発明によれば、このプレースホルダをさらに改良し、いくつかの上記のような管状本体を順次内側に配置して、多重または多層プレースホルダを形成する。
【0013】
本発明の第一の面によれば、いくつかの管状本体、つまり、第一の管状本体と少なくとも1つの第二の管状本体が、少なくとも部分的に順次各々の内側に設置され、好ましい負荷吸収特性を有するだけでなく、隣接する組織の増殖進入を可能にするのにきわめて適した多層プレースホルダが形成される。このプレースホルダの特徴は、第一と第二の本体の、プレースホルダの縦軸を横断する断面における断面形状が異なり、特に第二の本体が単純な幾何学的基本的形状を有する第一の本体の中に配置される点である。単純または基本的幾何学的形状とは、本明細書において、主として、製造しやすい形状を意味し、つまり、特に、ただしこれらに限定されないが、断面が円形、楕円形、長方形もしくは三角形の円柱形または立方体である。このように、第一と第二の本体の単純な幾何学的基本的形状を利用して、本来の用途に適した機械的特性を持たせ、それと同時に製造の簡易性を実現することが可能となる。また、前面において、骨との大きな接触面を実現できる点も有利である。したがって、特に骨粗しょう症の脊椎骨の場合、プレースホルダの沈下を防止でき、あるいは沈下の危険性を大幅に低減させることができる。本発明によるプレースホルダにおいては、順次入れ子状に配置した複数の第二の管状本体を備え、これらをすべて、少なくとも部分的に第一の管状本体の中に配置してもよい。
【0014】
第一の本体の断面形状は円形で、第二の1つ又は複数の本体の断面形状は三角形、四角形、六角形、八角形または多角形全般、楕円形またはインゲンマメ形であることが好ましい。
【0015】
別の好ましい実施形態においては、第一つまり外側の管状本体の断面形状が円形以外、より詳しくは楕円形またはインゲンマメ形とすることができ、この場合、第二の本体は、上述のように、相応に調整された異なる断面形状を有してもよい。
【0016】
単独で、あるいは本発明の他の面との組み合わせによって特許請求の対象となる本発明の第二の面によれば、いくつかの第二の本体が、第一の本体の中で各々平行して配置されてもよい。したがって、この配置もまた、一方で卓越した機械的安定性及び/又は他方で周辺組織のプレースホルダ内への増殖進入のしやすさを実現できる。特に、この方法により、個々の構成部品、つまり管状本体の壁の厚さを小さく保てる。その結果、管状本体の内部、ひいてはインプラント内部への組織の増殖進入が促進される。
【0017】
第一の本体の中にいくつかの第二の本体、より詳しくは2個または3個の第二の本体を設置することにより、個々の管状本体の壁厚を小さくすることができ、その一方で全体的な負荷能力が改善されうる。第一の本体の中に2個、3個またはいくつかの第二の本体を配置することは、ここで開示されている本発明のすべての面に当てはめることがでる。
【0018】
第二の本体は、相互に関して、および/または第一の本体に関して離すことができる。本体同士の間の空隙によって、本体間の生体組織の増殖進入が促進されるからである。さらに、本体間の分離により、受けた負荷をインプラントの断面全体にわたってより均一に分散させることができる。
【0019】
第一の本体の中にいくつかの第二の本体を設置した場合、第二の本体の配置は、その縦軸が第一の本体の管の縦軸に平行に偏位されている状態とすることが好ましい。この結果、特定の機械的負荷を受けた場合に、より大きな安定性が得られうる。たとえば、本体を偏った配置とすることにより、曲げ応力を受けた場合の安定性を増大することができる。
【0020】
全体として、第一および/または第二の本体の断面形状は、さまざまな形状とすることができ、つまり、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形(ひし形)、多角形、六角形、八角形(特に角が丸いもの)、楕円形、インゲンマメ形あるいはどのような自由形状でもよい。しかしながら、その製造しやすさの点から、形状は特定の基本的形状に限定することができる。基本的形状としては、特に円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形、六角形、角の丸いものを含めた角のあるあらゆる形状、楕円形およびインゲンマメ形の形状がある。
【0021】
単独で、あるいは本発明の他の面との組み合わせによって特許請求の対象となる本発明の第三の面によれば、1つまたは複数の第二の本体は、圧入(press fit)または圧力嵌め(force fit)によって第一の本体の中に収容される。圧入または圧力嵌めとは、たとえば、1つ又は複数の第二の本体の外周または圧入または圧力嵌めの接触面近辺の外寸が、第一の本体の内径または、1つ又は複数の第二の本体を圧入または圧力嵌めによって受け入れる固定または連結部品の内径より大きいことを意味する。したがって、圧力嵌めは、1つ又は複数の第二の本体および/または第一の本体および/または対応する連結もしくは固定部品の弾性変形のみによって実現され、また、圧入の場合にはさらに塑性変形が加わる。
【0022】
圧入または圧力嵌めは、したがって、第一の本体と1つ又は複数の第二の本体の間の接触または連結部品の係合によって直接実現されうる。
【0023】
あるいは、本発明のさらに別の面によれば、本体および/または連結部品の間の連結は、摩擦連結、材料連結(material connection)または強制連結(positive connection)(成形嵌合(フォームフィット: form-fit))によっても実現される。
【0024】
特に、連結部品は、固定板および/または連結ピンとすることができる。
【0025】
固定板は、管の長軸を横切って配置され、それ自体が圧入もしくは圧力嵌めまたはねじもしくは鋲連結によって、あるいは一般的に摩擦、材料または強制連結(成形嵌合)によって第一の本体の中に保持されるプレートまたはリングとして形成されることが好ましい。第二の本体もまた、圧入もしくは圧力嵌めまたは、上述のように連結ピンによって、あるいは一般的に摩擦、材料もしくは強制連結によって保持されることが好ましい。
【0026】
これは、たとえば、第二の本体が連結部品と構造単位を形成してもよく、これが全体として、圧入もしくは圧力嵌めによって第一の本体の中に保持されることを意味する。
【0027】
連結ピンは、鋲、ねじおよび/または、たとえば溶接されたバーとして形成することができる。
【0028】
第二の本体を第一の本体の中に配置するためには、少なくとも1つ、好ましくはいくつかの、特に2枚の固定板を設けることができる。固定板は、管状本体の終端に端板として設置するか、あるいは管状本体の長さにわたって、中板として分散させることが好ましい。
【0029】
固定板は、詳しくは受け部のほかに、第二の本体を受け及び保持するための複数の開口部を有することが好ましい。複数の開口部は、上述のように、隣接する組織の増殖進入という目的を実現させる。
【0030】
固定板に加えて、あるいはこれに代わるものとして、連結ピンを使用することができ、これは特に、鋲、ねじおよび/または、たとえば溶接されたバーとして形成される。
【0031】
連結ピンは、複数の本体を相互に離して保持するための停止面を有することが好ましく、たとえば、1つの停止面を対応する鋲またはねじ頭によって設け、第二の停止面は、ねじ山または、鋲の頭と反対の終端の付近に設けることができる。
【0032】
連結ピンは、管状本体の外被表面に隣接組織との癒合のために設けられた開口部または貫通部に配置することができ、あるいは、連結部品を受けるための別の連結用開口部をインプラントの管状本体または、固定板等の他の構成部品に設けてもよい。
【0033】
ねじ連結の場合、第一の外側本体に、ねじのねじ頭が内側に入るようにねじ穴を設けることが好ましい。このように設けることにより、突出部のない平滑な面を管の長軸に平行に簡単に実現できるからである。
【0034】
特に、本発明のさらに別の面によれば、少なくとも部分的に順次それぞれの内部に配置された管状本体は、取り外し可能な連結手段または、使用時に直接取付または連結可能な連結手段によって連結し、モジュラーシステムとすることができる。このようなモジュラーシステムにより、必要に応じて個々の調節を簡単に行うことが可能である。したがって、いくつかの管状本体のモジュラーシステムと対応する連結手段を提供し、外科医が使用時に直接個々の必要性に適合するよう対応するプレースホルダを構成するようにすることができる。しかしながら、当然、プレースホルダは既製の状態で供給してもよい。しかしその場合でも、取り外し可能な連結手段であれば、変更が可能である。
【0035】
さらに、これも個別に特許請求の対象となる本発明の別の面によれば、本発明によるプレースホルダは、管状本体の連結が外被表面上の、および/または前面の付近のわずかな箇所でのみ行われ、プレースホルダの長さ全体に沿って見た場合に、プレースホルダ同士の間の広い領域に、組織の増殖進入に利用できる自由な空間が作られることによって特徴付けられる。特に、連結部品は、合計2個から24個、好ましくは2個から12個の部品に制限でき、および/または2個から4個、特に3個の連結部品を外被表面の開口部または貫通部の各行に割り当ててもよい。連結部品は、貫通部そのもの、またはねじ穴等、他の受け部、くぼみもしくは穴と協働することができる。
【0036】
別の実施形態では、管状本体を同心円状に配置し、特に断面形状が同じ場合、平行な壁領域が形成されるようにしてもよい。
【0037】
さらに別の好ましい実施形態において、連結部品を管状本体の外被表面の開口部に変動可能に取り付け、管状本体を相互に関して任意に整合、配置できるようにすることが好ましい。たとえば、本体を、それらが順次各々の内部に完全には入らず、たとえば、長さ方向に突出したままになるように配置できる。これは、プレースホルダの長さまたは高さが調節可能であることを意味する。なぜなら、順次各々の内側に配置された異なる管状のプレースホルダを各々から入れ子式に引っ込め、あるいは逆に、各々の中に押し込み、後にこの位置で固定されるようにすることができるからである。これは特に、連続的または段階的に可能である。さらに、管状本体をまた、各々に対して回転させ、外被表面に設けられた開口部が、たとえば、1つまたは2つの隣接する本体またはすべての本体に関して整合して、または互い違いに配置されるようにしてもよい。
【0038】
好ましくは、管状本体を異なる形状、特に、異なる壁厚としてもよく、たとえば、外側管状本体をごく薄くして、開口部を通じた周辺組織の増殖結合(over-growth)または増殖進入を促進し、他方で1つ又は複数の内側管状本体の壁は厚くし、プレースホルダに必要な安定性を持たせることができる。
【0039】
断面形状に利用できる各種の形状は、管状本体の外被表面における開口部または貫通部にも当てはまり、その外部輪郭もまた、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、六角形、八角形、角が丸い、または丸くない多角形一般、ダイヤモンド形等とすることができる。
【0040】
管状本体は、相互に間隔を空けて配置することが好ましく、この間隔は、管状本体を連結する連結部品および/または別のスペーサによって確保され、この別のスペーサは、特に外被表面の内側および/または外側に、好ましくは外側または内側に向かって直角に突出するバーまたはプレートの形状で設けられてもよい。管状本体を離すことにより、増殖進入する周辺組織のための十分な空間ができる。さらに、管状本体を離して配置することにより、相応に広い接触表面が終端または前面に形成され、その結果、端板等を別に取り付ける必要がなくなる。
【0041】
管状本体は、少なくとも一端に、好ましくは両端に、隣接する脊椎骨またはその他の組織との係合を可能にし、増殖進入を促進する突起および/または陥凹部を有することが好ましい。
【0042】
ピン、ボルト、止め具、ねじ、端板等によって形成できる連結部品は、特に外被表面の開口部または貫通部に、さまざまな態様で収容し、連結部品のためにそれ以外の受け部を別に設ける必要をなくすことができる。これにより、費用が削減され、製造が容易となる。とはいえ、管状本体の外被表面に相応の受け部を設けてもよい。
【0043】
好ましい実施形態において、プレースホルダは、管状本体の前面に、少なくとも1枚、好ましくは2枚の端板を備え、これは同時に連結手段としても機能する。たとえば環状の端板は、この目的で、管状本体の終端の突起が特に強制的および/または非強制的に係合することができる切り欠きおよび/または陥凹部を有する。好ましくは、テンションリングまたはばね荷重リングとしての環状端板に分離用のギャップまたはスリットを設け、管状本体の切り欠きまたは陥凹部に嵌め込まれた突起が、端板による摩擦によって保持されるようにする。
【0044】
同様に、中板または固定板もまた、一般にテンションリングまたはばね荷重リングとして形成してもよい。
【0045】
上記以外に、あるいは上記に加え、端板もしくは固定板と管状本体とを、他の連結手段、特に外被表面の付近に設置されたものにも当てはまるように、溶接、特にレーザ溶接等によって接着(材料)連結させることも当然可能である。
【0046】
管状本体および/または連結部品には、コーティングあるいは表面処理を行うことができる。たとえば、この点で述べられるコーティングは、ハイドロキシアパタイトまたはプラズマ処理であり、たとえばチタンまたはチタン合金が材料として使用される場合はチタンの粗表面を作ることができる。
【0047】
全体として、管状本体や連結部品等、各種の構成部品について、相応の特性を有するあらゆる適当な生体適合性材料を使用できる。生体適合性ポリマーや、チタンもしくはチタン合金あるいは、ニッケルチタン合金であるニチロール等の金属が好ましい。特に、各種の構成部品に異なる材料を使用してもよい。
【0048】
さらに別の面によって、作製されるプレースホルダにおいては、少なくとも2個の異なる管状本体、より正確には、少なくとも直径が異なる2個の管状本体を選択し、これらの本体を、少なくとも部分的に順次内部に配置し、本体を、少なくとも1つの連結部品によって、好ましくは取り外し可能に相互に連結する。この点で、管状本体の相互に関する配置は、連結部品が相応に多くの場所で使用されれば、多様的に選択されるのが好ましい。特に、長軸に沿った管状本体の配置と角度の配置を変えることが可能である。
【0049】
特に以下の実施形態において詳しく説明する本発明の管状本体の構造を通じて、管状本体の長さおよび/または終端の整合を、どこでも、長さに合わせて切断することによって調節することもできる。その結果、用途の多様性がさらに広がる。
【0050】
また、プレースホルダは、組立後に全体としてだけではなく、構成部品の組立前に個々にもコーティングまたは表面処理を行うことができる。したがって、内側に配置された円柱管状本体等、内部の部品の場合でも、組立前に本体にコーティングまたは表面処理を行い、そのコーティングまたは表面処理を完了させてもよい。
【0051】
全体として、本発明は、プレースホルダのための個別使用が可能なモジュラーシステムを提供し、このようなシステムにおいて、プレースホルダは、多くの壁を持ち、複数の管状本体から構成されることから、非常に大きな表面積を有し、したがって、周辺組織の増殖進入および増殖拡張(on-growth)を大きく促進する。さらに、表面積がきわめて大きいにもかかわらず、非常に製造しやすく、特にコーティングまたは表面処理が容易であり、この点は組織の増殖拡張に有利である。特に、個々の構成部品、つまり異なる位置にある各種の円柱管状本体に異なるコーティングを行うことができる。これにより、機械的安定性およびそれと同時に実現される組織の増殖進入のしやすさとにより、椎間板またはプレースホルダに特に適した、整形外科用の最適な融合部品となるインプラントが実現される。
【0052】
本発明の上記以外の利点、特性、特徴は、添付の図面を用いた以下の好ましい実施形態の説明から明らかとなる。図は純粋に略図として描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によるプレースホルダの第一の実施形態を示す図である。
【図2】図1のプレースホルダの平面図である。
【図3】本発明による別のプレースホルダの三次元表示であり、外被表面を詳細に表す図である。
【図4】図3のプレースホルダの平面図である。
【図5】本発明によるプレースホルダの第三の実施形態の三次元表示の図である。
【図6】図5のプレースホルダの平面図である。
【図7】図5のプレースホルダの、端板のない状態の透視図である。
【図8】図7のプレースホルダの平面図である。
【図9】2個の個別の管状本体と組み立てた状態のプレースホルダの透視図および個々の管状本体の平面図である。
【図10】本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図と外被表面の詳細図である。
【図11】本発明によるまた別の実施形態の透視図と外被表面の詳細図である。
【図12】本発明による他の実施形態の透視図と平面図である。
【図13】a)〜c)は、本発明による別のプレースホルダの透視図、側面図、平面図である。
【図14】本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図である。
【図15】図14のプレースホルダの実施形態の短い形態の透視図である。
【図16】図15によるプレースホルダの平面図である。
【図17】本発明によるプレースホルダのまた別の実施形態の透視図である。
【図18】図17のプレースホルダの平面図である。
【図19】本発明のプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図である。
【図20】図19のプレースホルダの平面図である。
【図21】本発明によるプレースホルダの他の実施形態の透視図である。
【図22】図20のプレースホルダの平面図である。
【図23】本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図である。
【図24】図23のプレースホルダの平面図である。
【図25】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図26】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図27】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図28】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図29】本発明のための管状本体の断面形状を示す図である。
【図30】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図31】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図32】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図33】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図34】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図35】本発明によるプレースホルダまたは管状本体の外被表面における貫通部もしくは開口部の形状を示す図である。
【図36】ねじ連結の透視図である。
【図37】図36のねじ連結の断面図である。
【図38】ねじとしての連結ピンの透視図である。
【図39】鋲連結の透視図である。
【図40】図39の鋲連結の断面図である。
【図41】図39,40の鋲の、かしめていない状態の透視図である。
【図42】図41の鋲の、かしめた状態の透視図である。
【図43】本発明によるプレースホルダの第一の使用例の側面略図である。
【図44】本発明によるプレースホルダの別の使用例の側面略図である。
【図45】本発明のための第三の使用例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、本発明によるプレースホルダの第一の実施形態の透視図であり、管状本体2,3,4は部分的に順次各々の内部に配置されている。
【0055】
最も直径の大きな管状本体4は、より小さな直径の管状本体2,3を収容している。次に直径の大きな管状本体3は、最も直径が小さい管状本体2を収容している。
【0056】
管状本体2,3は、管状本体4,3の中に配置され、長軸方向にそれぞれが次に大きな管状本体4,3の終端5,6の上に突出している。
【0057】
管状本体2,3,4は、ピン8によって相互に連結されており、ピン8は圧入により、管状本体4,3,2の切り欠きまたは穴25(図3参照)から取り外し可能に挿入されている。したがって、ピンをはずすと、管状本体2,3,4をプレースホルダ1の長軸に沿って相互に押し付けることにより、プレースホルダ1の長さまたは高さを調節することができる。所望の長さまたは高さで、対応するピン8を穴25に挿入することによって、管状本体2,3,4を相互に取り付け、対応する位置で固定できる。
【0058】
ピン8には、その終端に、フック等の対応する停止および/または止め手段(図示せず)を設け、ピン8が穴25中に確実に固定されるようにしてもよい。さらに、ねじ穴とねじ等、他の連結手段も利用できる。
【0059】
管状本体2,3,4は、その外被表面10に複数の開口部9を有し、この開口部は、図1の実施形態の場合は六角形であり、行と列に均一に配置され、ほぼ蜂の巣構造を形成している。この蜂の巣構造により、周辺組織の容易な増殖進入が促進され、それと同時にプレースホルダの安定性と強度が確保される。さらに、プレースホルダの重量も軽減できる。管状本体2〜4を順次各々の内側に配置した多層構造によって、重なり合った部分において、周辺組織の増殖進入は、安定性と強度が増大しているにもかかわらず、少なくとも妨害されない。
【0060】
図3,4は、本発明によるプレースホルダの別の実施形態の透視図(図3)と平面図(図4)であり、2つの図面において、同様または同一の部品には、同じ参照番号が付けられている。
【0061】
図3,4の実施形態と図2,1の実施形態の基本的な違いは、管状本体2〜4が完全に順次各々の内部に収容され、管状本体2,3が管状本体4の上端5から突出していない点である。
【0062】
その結果、管状本体2〜4の端部5,6,7は、たとえば隣接する脊椎骨のための共通の接触面を形成する。3個の管状本体2〜4が順次各々の内部に配置され、相互に離されているために、管状本体が1個の場合と比べ、はるかに大きなリング状の接触面が得られ、端板その他を追加して設置する必要がない。
【0063】
図1〜4の実施形態の管状本体2〜4の終端の各々に、突出バーまたは釘の形態の突起11とくぼみ12が設けられ、全体として波型の端縁5〜7が得られる。突起11とくぼみ12は、管状本体2〜4の構造を長軸に対して垂直に、より正確には一連の開口部9のほぼ中心で、所望の長さに切り取るか切断することによって作られうる。したがって、くぼみ12は、突起11の付近の平行な壁部と平行な壁部を連結する三角形の底部を有する形状となる。
【0064】
突起11とくぼみ12は、脊椎骨または隣接組織等、隣接する体の部位と係合し、対応する組織との増殖結合(over-growth)を可能にする。
【0065】
さらに、図3の詳細図は、管状本体2,3,4を連結するためのピン8のための穴25または受け部を示している。ピン8と穴25の代わりに、ねじとねじ穴も使用できる。
【0066】
図4において、各々、図1〜4の実施形態において円柱として形成された同心円状配置の管状本体2〜4が相互に間隔を空けて、個々の細いバー13によって保持されていることがわかり、バー13は、特定の回転角だけ相互に離れて配置されている。図4に示す実施形態においては、バー13は、回転角120°で相互に離れている。
【0067】
図1,2の実施形態のプレースホルダを使用する手術の最中に直接取り外しおよび/または取り付け可能なピン8と異なり、バー13は、管状本体2〜4とたとえばレーザ溶接等、固体接合接着連結(材料連結)を行い、既製の形のプレースホルダとすることができる。
【0068】
図5〜8は、本発明によるプレースホルダのまた別の実施形態の各種の図であり、このプレースホルダは、図1〜4の実施形態と同様に、特に脊椎骨用プレースホルダとして使用できる。これらの図においても、同一または類似の構成部品には、同じ参照番号を付与した。
【0069】
図5〜8の実施形態では、特に図8に示されているように、2個の管状本体3,4が、完全に順次内部に配置されている。つまり、管状本体3は、完全に管状本体4の中に収容されている。
【0070】
図5〜8の実施形態が図1〜3の実施形態と異なる点は、上端と下端の各々に、環状ディスクの形状の端板14が設置されていることであり、端板14は、スリットまたはギャップ16によって分割されている。さらに、端板14には、いくつかの長方形の切り欠き15が環状に配置されている。したがって、図6の平面図から特に明白なように、切り欠き15の中に、管状本体4,3の突起11が入る。
【0071】
スリット16により、環状の端板14は、テンションリングまたはばね荷重リングとして機能する。たとえば、端板を配置する際、終端17と18を相互に締め付けることによって、ギャップの幅を弾性的に狭めることができる。環状の端板14を管状本体3,4の上に設置し、突起11を切り欠き15の中に挿入すると、環状の端板14の弾性回復力が解除されるため、端板が弛緩し、突起11は切り欠き15の端縁に対して締め付けられ、圧迫される。このように、端板14は、非強制的に、つまり摩擦によって突起11に押し付けられて保持される。
【0072】
この種の支持は、管状本体の終端に配置されず、管状本体の長さに沿って、管状本体の終端の中間の各所に配置されるプレート(中間プレート)を保持する場合にも利用できる。
【0073】
図7,8は、図5,6のプレースホルダ1の、端板14を取り付けていない状態を示す。ここでは、管状本体3,4が端板によってのみ離れた位置に保持され、それ以外の連結部品またはスペーサを必要としないことがわかるであろう。
【0074】
図9は、本発明によるプレースホルダの他の実施形態であり、管状本体3,4がまず個々に示され、右の図において、組み立てられた状態として示されている。透視図のほかに、図9の下の部分は、管状本体3,4の平面図である。ここでも、同一または類似の構成部品には、前の実施形態と同様に、同じ参照番号が付与されている。
【0075】
外側管状本体4は基本的に前の実施形態に対応しているが、内側管状本体3はさらに、プレートの形状のスペーサ19を備え、スペーサ19は管状本体3の外被表面10の上に何本かの行になって外側に垂直に突出する。スペーサ19は、円柱の本体3と一体形成しても、あるいは接着、強制または非強制的連結によって取り付けてもよい。当然、スペーサは外側管状本体の内側または両方の管状本体の上にも同様に設置することができる。
【0076】
個々のスペーサ19は、管状本体3の円周に沿って、特定の角度範囲、より正確には、図9の実施形態において、それぞれ40°の角度で間隔を空けて設置される。当然、円周上または1行に設けるスペーサの数を多くしても、少なくしてもよく、また、行数を増やしても、減らしてもよく、さらに配置する距離を変えてもよい。
【0077】
図の実施形態において、スペーサ19は、同時に、たとえば対応する止め具またはクリップ連結により、管状本体4,3の間の連結部品としても使用されてもよい。これは、たとえば、管状本体4の内側に、スペーサ19が係合する相手となる切り欠きを設けると実現できる。たとえば、管状本体4の内径とスペーサ19を備える管状本体3の外径の寸法は、スペーサ19を備える管状本体3の外径が管状本体4の内径より若干大きくなるように設計し、本体3,4の一方または両方が組立中にそれぞれ弾性的に伸張または圧縮され、スペーサ19が管状本体4の内側の対応する切り欠きまたは陥凹部(図示せず)と係合すると弛緩が発生し、連結部品としても機能するようにすることができる。
【0078】
図10,11は、本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態を示し、たとえば、椎間板の代替物として使用できる。ここでも、同一または類似の部品には、同じ番号が付与されている。
【0079】
図10,11は、特に外被表面10の拡大された詳細図により、順次内側に配置された管状本体3,4の整合の様子が異なっていることを示しており、より正確には、図11に示されるように、一方では開口部9が相互にぴったりと合う、つまり整合している状態にあり、もう一方で、図10に示されるように、開口部9が相互にずらして配置されている。開口部9がずらして配置されている場合、内側管状本体3の外側被覆103のバー状の領域は、外側管状本体4の開口部9の背後に見え、外側管状本体4の外被表面104のバー状の領域は、管状本体3の開口部を部分的に覆っている。
【0080】
これに対し、管状本体3,4の開口部9がぴったりと整合している場合、内側管状本体3の外被表面領域103は外側管状本体4の外被表面領域104の背後に配置され、貫通穴9が外被表面10に作られる。
【0081】
図12は、次に、基本的に前の実施形態に対応する脊椎骨用プレースホルダを示し、したがって、同一または類似の構成部品には同じ参照番号が付されている。
【0082】
図12のプレースホルダ1において、管状本体2〜4は、この例においても、順次個々の内部に挿入されているが、この図の特別な特徴は、管状本体2〜4の壁の強度つまり厚さが異なることであり、これは、図12の右側の平面図において特に明瞭である。したがって、内側と外側の管状本体2,4は、中央の管状本体3より薄い。このように、中央の管状本体3が強度と安定性に最も貢献し、外側および内側の管状本体4,2は、壁の厚さが薄いため、急速な増殖進入および増殖結合を促進する。ピン8またはバー13等のスペーサは、この図においては、他の説明のために示されていない。
【0083】
図13は、a)からc)において、椎間板用プレースホルダ1を透視図(a)、側面図(b)および平面図(c)で示す。ここでも、前の実施形態と同様に、同一もしくは類似の構成部品には同じ参照番号が付与されている。
【0084】
図13の実施形態は図3のプレースホルダ1に対応しているが、相違点は、管状本体が4,3の2個だけである点と、完全に形成された開口部9は1行だけである点である。したがって、図13のプレースホルダ1の高さまたは長さは、図3のプレースホルダ1と比較して大幅に縮小されている。これは、用途が異なるからであり、つまり、一方は脊椎骨用のプレースホルダ(図3)として使用され、もう一方は椎間板用のプレースホルダ(図13)として使用される。
【0085】
図14は、本発明によるプレースホルダのさらに別の実施形態の透視図であり、ここでも、前の実施形態と同様に、同一もしくは同様のコンポーネントには同じ参照番号が用いられている。
【0086】
図14のプレースホルダ1は、円柱管状の第一の管状本体4を有し、この管状本体4は、複数のダイヤモンド形の開口部9を有し、これらは行と列に配置されて蜂の巣構造を形成している。ダイヤモンド形の開口部または貫通部は、バー10によって画定され、バー10は、前の実施形態と同様に、円筒管状本体4の両端の上下の端縁において突起11と陥凹部またはくぼみ12を形成する。
【0087】
外側管状本体4には2枚の固定板30が配置され、これらは管状本体4の終端領域に設けられている。固定板30は、管状本体4の中に完全に収容され、そこで圧入または圧力嵌めによって保持される。したがって、固定板30の外径は管状本体4の内径より若干大きく設定され、これらの部品が弾性的に引っ張られるようになっている。固定板の固定には、他の適当な手段も利用できる。
【0088】
円形のディスク型の固定板30は、複数の開口部31を有し、これによって組織の増殖進入と浸透が促進される。
【0089】
さらに、第二の円筒管状本体3’,3’’,3’’’が収容される受け部32が設けられ、これらの第二の管状本体の形状と形態は、外側管状本体4に対応する。しかしながら、第二の管状本体3’,3’’,3’’’は、その寸法において異なり、つまり、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の直径は、外側管状本体4の直径よりずっと小さく設定されている。固定板30の受け部32は、想像上の三角形の頂点に配置され、第二の管状本体3’,3’’,3’’’が、外側管状本体4の内側の空間内に相互に隣り合わせで収容される。第二の管状本体3’,3’’,3’’’の、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の円形断面の中心を通る管の長軸は、したがって、外側管状本体4の中央の管の長軸とは平行に偏位している。
【0090】
第二の管状本体3’,3’’,3’’’はまた、固定板30の受け部32の中に、圧入または圧力嵌めによって収容されている。第二の管状本体3’,3’’,3’’’の外径はしたがって、ここでも、受け部32の直径より若干大きく設定され、第二の管状本体3’,3’’,3’’’の挿入時に、第二の管状本体3’,3’’,3’’’と固定板30の弾性変形が起こり、これによって管状本体3’,3’’,3’’’は受け部32中に圧入される。
【0091】
図14の実施形態は脊椎骨のプレースホルダとして使用されるのに対し、図15の透視図が示す変形型は、椎間板の代替物として使用されるものである。したがって、前の実施形態と同じく、同一または同類の構成部品に同じ参照番号が付与されている図15のプレースホルダ1は、長さがずっと短く設定されている。したがって、図14の実施形態の2枚の固定板に代わり、固定板30は1枚のみ用いられている。図15の実施形態の固定板30は、プレースホルダの高さのほぼ中央、つまり、管の長軸に沿った長さの中央に配置されている。
【0092】
上記の相違点以外は、図15の実施形態と図14の実施形態との差はないため、これ以上の説明は割愛する。
【0093】
図16は、図15の実施形態の平面図であり、この中で、外側管状本体4と第二の内側管状本体3’,3’’,3’’’の配置が明瞭に示されている。さらに、組織の増殖進入と浸透のために固定板30に設けられた開口部31が示されている。開口部31は、図のように、大きさが異なっていてもよい。
【0094】
全体として、図14〜16の実施形態によれば、設定された圧入または圧力嵌めの配置により、製造しやすく、単純で多様な配置が可能な構成部品によるインプラントまたはプレースホルダが得られる。さらに、管状本体の配置から、外側管状本体4への生体組織の増殖進入のための十分な自由空間が提供される。しかしながら、これと同時に、プレースホルダ1の終端には、負荷を受け、散逸させるための十分に大きな接触面が得られる。
【0095】
図17〜24が示す各種の実施形態においては、固定板を使用せずに、異なる形状のいくつかの、または個別の第二の管状本体3が、やはり圧入または圧力嵌めによって、異なる形状の外側管状本体4の中に収容されている。
【0096】
図17,18において、透視図と平面図で示されている実施形態の場合、外側管状本体4は、管の長軸に対して垂直な、つまり外被表面に対して垂直な断面がインゲンマメ形であり、外側管状本体4の中に収容された第二の管状本体3’,3’’,3’’’の断面は円形である。したがって、第二の管状本体3’,3’’,3’’’はここでも、外側管状本体4の中に相互に隣り合わせで収容されている。
【0097】
図19,20において透視図と平面図で示されるプレースホルダ1の場合、断面が円形の2個の円筒管状本体3’,3’’が、断面が楕円形の外側管状本体4の中に、やはり圧入または圧力嵌めによって配置され、図21,22の実施形態においては、円柱管状、つまり円形の断面を有する3個の第二の本体3’,3’’,3’’’が、円柱管状、つまり円形の断面を有する外側管状本体4の中に配置されている。
【0098】
図23,24には、本発明によるプレースホルダ1のまた別の実施形態が示されており、この実施形態においても、2個だけの管状本体が順次内部に配置されている。図23,24に示す実施形態では、内側管状本体3の管の長軸に垂直に走る断面が三角形であり、一方、外側管状本体4は、円形の断面を有する円柱管状の形状を有する。図23,24の実施形態においては、したがって、1個のみの管状本体3が、管状本体4の中に圧入または圧力嵌めによって収容されている。
【0099】
図17〜24の各種実施形態においては、圧入または圧力嵌めに代わり、第一と第二の管状本体4,3について、ねじ等の連結ピンや溶接等の接着連結等によって接触表面で連結することも可能である。
【0100】
図25〜29に、本発明において使用できる管状本体2,3,4の各種の断面形状を示す。図25に示されるような円形または環状の断面以外に、矩形、特に長方形、好ましくは正方形(図26)、六角形(図27)、楕円形(図28)またはインゲンマメ形(図29)が用いられる。さらに、そのほかにも、八角形の基本形状あるいは、まったくの自由形状等を使用することも可能である。しかしながら、単純な基本形状が好ましい。特に、相互に異なる断面形状を有する円筒管状本体を組み合わせることも可能である。
【0101】
図30〜35は、開口部9の異なる形状と、管状本体2〜4の外被表面10における開口部9の相互の配置を示す。図30のダイヤモンド形(ひし形)のほかに、円形(図31)、矩形、特に正方形と長方形(図32)、六角形(図33)、楕円形(図34)または八角形(図35)が用いられる。さらに、中間に設けられる骨組みの安定性を確保するのと同時に、開口部9の面積を大きくするのに適した他の形状も採用できる。
【0102】
開口部9の相互の配置については、図32,35に示されるように、開口部9は、何行かに配置し、行の中では完全に離して設置するか、あるいは図30,33において特に明らかなように、開口部を隣接する行の対応する凹部の中に入り込むように配置することができる。
【0103】
これはまた、列に配置された開口部9が、相互の直下、あるいは好ましくは、相互からずらして設けられ、軸方向の負荷散逸が特に改善されることも示している。図30〜35からさらにわかるように、開口部9がお互いの下に配置されている列はそれぞれ、開口部の幅の半分だけ、基本的に相互にずれている。
【0104】
図36〜42は、鋲およびねじの連結等、連結ピンによる連結の各種の実施形態を示している。
【0105】
図36は、管状本体3,4の、外被表面または外被表面10を形成するバー10の、ねじ連結が行われている部分を示す。ねじ13は、ねじ頭40を有し、これは、図37の断面図に示されているように、接触面43で管状本体3の内側表面と接触し、一方、ねじ13のシャフト45は、管状本体3の壁の開口部から突出し、頭40の反対のねじ終端41は、外側管状本体4のねじ穴42と係合する。この連結において、ねじ山41を画定する接触面44は、外側管状本体4の内側と接触する。ねじ連結は、好ましくは管状本体4の外側がねじ13のねじ山側の終端と同一平面上にあるように設計される。
【0106】
図38は、ねじ13の透視図である。図示されていないが、ねじ頭は、ドライバ等の工具で係合が行われるように構成されてもよい。
【0107】
図39〜42は、ねじ連結の場合と同様の図で、鋲連結を示す。上記と同様に、鋲連結は、図39の透視図において特によくわかるように、管状本体3,4の間の連結を実現している。鋲50の頭は、図40に示されているように、その接触面56で管状本体3の内側と接触し、鋲50の頭51と反対側の終端部分を画定する接触面57は、外側管状本体4の内側と接触する。管状本体3,4はそれぞれ、1個の貫通穴を有し、ここから鋲50のシャフト52が挿入される。鋲部分53は、円柱形の切り欠き55を有し、管状本体4の貫通穴に鋲50を挿入した後に、端縁54が丸められ、確実な連結が実現し、鋲が管状本体4の貫通穴から脱落するのが防止される。
【0108】
図41,42はそれぞれ、鋲50のかしめられていない状態(図41)と端縁54でかしめられた状態(図42)を示す。
【0109】
図43,44は、本発明によるプレースホルダの使用例の側面または断面略図であり、図43のプレースホルダ1は、椎間板の代替物として、また図44のプレースホルダ1は、脊椎骨の代替物として使用される。
【0110】
図43,44の用途におけるプレースホルダ1は、脊柱固定システムの一部であり、ペディクルスクリュー(pedicle screw)20、特に多軸ねじが脊椎の中に配置され、その間に連結ロッド21を用い、相互に脊柱を整合させ、固定する。
【0111】
脊柱の中に配置することにより、脊柱または椎間板用のプレースホルダ1は、特定の応力、特に動的応力を受ける。本発明によるプレースホルダと、特にその多層構造または多数の構成部品からなる構造は、上記の応力に対処するための解決策となる。
【0112】
さらに、しかしながら、本発明によるプレースホルダは、図45に示すように、たとえば骨折した長骨等、臨床用途にも使用でき、骨22の中央部分の骨折の場合、本発明による対応するプレースホルダ1を配置し、釘23とねじ24で固定することにより、骨構造の再生が可能となる。
【符号の説明】
【0113】
1 プレースホルダ、2,3 内側管状本体、4 外側管状本体、5,6,7 端縁、8 ピン、9 開口部、10 外被表面、11 突起、12 くぼみ、13 バー、14 端板、15 端板の切り欠き、16 端板のスリット、17,18 終端、19 スペーサ、20 ペディクルスクリュー、21 連結ロッド、22 骨、23 釘、24 ねじ、25 穴、30 固定板、31 固定板の開口部、32 受け部、40 ねじ頭、41 ねじ終端、42 ねじ穴、43,44,56,57 接触面、45 ねじのシャフト、50 鋲、51 鋲の頭、52 鋲のシャフト、53 鋲部分、54 端縁、55 切り欠き。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダであって、
隣接組織の増殖進入のための複数の開口部を持つ外被表面を有する第一の管状本体(4)と、
複数の開口部を持つ外被表面を有する少なくとも1つの第二の管状本体(2および/または3)とを備え、前記第二の管状本体は、少なくとも部分的に、前記第一の管状本体の内部に設置されており、
少なくとも2個の第二の管状本体(3,3’または3’’)が、相互に隣り合わせて、前記第一の管状本体の内部に収容されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体の、管の長軸を横断する断面における断面形状は、前記第一の管状本体の断面形状とは異なることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体(2,3,4)は、壁の厚さが異なり、および/または、前記第一および第二の管状本体の断面形状は、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形、ひし形、六角形、多角形、八角形、角が丸い多角形、楕円形、インゲンマメ形もしくはあらゆる自由形状であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一の管状本体の断面形状は円形であり、前記第二の管状本体の断面形状は三角形、矩形、六角形、八角形、楕円形もしくはインゲンマメ形であり、または、前記第一の管状本体の断面形状は、楕円形もしくはインゲンマメ形であり、前記第二の管状本体の断面形状は、三角形、矩形、六角形、八角形、多角形、楕円形もしくはインゲンマメ形であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、前記第一の管状本体からある距離だけ離れている、および/または、前記第二の管状本体は、相互に離れていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、スペーサ(19)を備えることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項7】
請求項6に記載のプレースホルダであって、
前記スペーサは、外被表面の内側および/または外側に、外側または内側に向かって垂直に突出するバーもしくはプレートの形状で備えられることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項8】
請求項6または7に記載のプレースホルダであって、
少なくとも1つの前記スペーサは、前記第一の管状本体を前記少なくとも1つの第二の管状本体に連結するよう構成された連結部品であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
3個またはそれ以上の第二の管状本体(2,3,3’または3’’)が前記第一の管状本体の中に収容されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、その管の長軸が前記第一の管状本体の管の長軸と平行に偏位していることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、同心円状に配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、前記第一の管状本体の中に完全に収容されているか、あるいはそれが長さ方向に突出するように配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記プレースホルダは、前記第一および第二の管状本体を連結するための連結部品を備え、前記連結部品は、ピン(8)、ボルト、ねじ、固定具、陥凹部、穴(25)、ねじ穴、切り欠き、ロック部品、または端板(14)を含むことを特徴とするプレースホルダ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、溶接または取り外し可能な連結部品によって相互に連結され、および/または、前記第二の管状本体は、圧入もしくは圧力嵌めによって、前記第一の管状本体の中に直接あるいは1つまたは複数の連結部品を介して配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
合計2から24個の連結部品が前記第一および第二の管状本体の前面の領域に備えられ、および/または、2から4個の連結部品がそれぞれ、開口部(9)もしくは貫通部の各列に割り当てられていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項16】
請求項8または14に記載のプレースホルダであって、
前記連結部品は、固定板(30)、および/または前記管の長軸を横切って配置された連結ピンによって形成されることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
少なくとも1つの固定板(30)が設けられ、前記固定板は、圧入もしくは圧力嵌めによって、少なくとも1つの第二の管状本体を収容し、あるいは保持する受け部(32)を備えることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項18】
請求項16または17に記載のプレースホルダであって、
前記固定板は、前記第一の管状本体の端板として、前記第一の管状本体の前記前面の領域に、もしくはその中に配置されるか、もしくは前記第一の管状本体の長さに沿って中板として分散され、および/または、前記固定板は、複数の開口部(31)を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記固定板は、前記第一の管状本体の中に、非強制、摩擦、接着、材料、強制もしくは形成嵌合連結によって支持され、および/または、前記固定板は、前記第一の管状本体の中にねじもしくは鋲連結によって圧入もしくは圧力嵌めにより支持されることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項20】
請求項13または18に記載のプレースホルダであって、
前記端板は、前記端板をテンションリングもしくはばね荷重リングとして使用できるように、スリットを有するリングとして形成され、および/または、各プレースホルダについて2枚の端板が設けられ、前記端板は、強制および/または摩擦連結によって前記第一および第二の管状本体の終端の突起と係合する陥凹部および/または切り欠き(15)を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
少なくとも部分的に設けられた前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部(9)は、隣接する、もしくはすべての第一および第二の管状本体に関して、ぴったりと一致する、もしくは偏位した関係に配列され、および/または、前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部は、行、ラインおよび/または列に、規則的に配置され、および/または、前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部は、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、六角形、八角形、多角形、丸い角の多角形、楕円形、ダイヤモンド形、もしくはひし形の外側輪郭を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、少なくとも一端において、突起(11)および/または陥凹部を有し、および/または、前記第一および第二の管状本体および/または連結部品は、コーティングもしくは表面処理されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを形成するために設計された、外被表面(10)に異なる寸法で複数の開口部(9)または貫通部を持ち、少なくとも2つの異なる管状本体は互いに離れて内部に配置される複数の第一および第二の管状本体と、
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを形成するために設計された前記第一および第二の管状本体を接続するための連結部品(8,13または14)と、
を含むことを特徴とするモジュラーシステム。
【請求項24】
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを製造する方法であって、
少なくとも2つの異なる第一および第二の管状本体を選択し、
前記第一および第二の管状本体を少なくとも互いに離れて配置し、
少なくとも2つの前記第一および第二の管状本体を互いに接続することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載のプレースホルダを製造する方法であって、
前記第一および第二の管状本体の長さおよび/または終端の整合を、ユーザが決めたサイドで切断することにより適合することを特徴とする方法。
【請求項1】
人もしくは動物の体内に埋入するためのプレースホルダであって、
隣接組織の増殖進入のための複数の開口部を持つ外被表面を有する第一の管状本体(4)と、
複数の開口部を持つ外被表面を有する少なくとも1つの第二の管状本体(2および/または3)とを備え、前記第二の管状本体は、少なくとも部分的に、前記第一の管状本体の内部に設置されており、
少なくとも2個の第二の管状本体(3,3’または3’’)が、相互に隣り合わせて、前記第一の管状本体の内部に収容されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体の、管の長軸を横断する断面における断面形状は、前記第一の管状本体の断面形状とは異なることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体(2,3,4)は、壁の厚さが異なり、および/または、前記第一および第二の管状本体の断面形状は、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、ダイヤモンド形、ひし形、六角形、多角形、八角形、角が丸い多角形、楕円形、インゲンマメ形もしくはあらゆる自由形状であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一の管状本体の断面形状は円形であり、前記第二の管状本体の断面形状は三角形、矩形、六角形、八角形、楕円形もしくはインゲンマメ形であり、または、前記第一の管状本体の断面形状は、楕円形もしくはインゲンマメ形であり、前記第二の管状本体の断面形状は、三角形、矩形、六角形、八角形、多角形、楕円形もしくはインゲンマメ形であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、前記第一の管状本体からある距離だけ離れている、および/または、前記第二の管状本体は、相互に離れていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、スペーサ(19)を備えることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項7】
請求項6に記載のプレースホルダであって、
前記スペーサは、外被表面の内側および/または外側に、外側または内側に向かって垂直に突出するバーもしくはプレートの形状で備えられることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項8】
請求項6または7に記載のプレースホルダであって、
少なくとも1つの前記スペーサは、前記第一の管状本体を前記少なくとも1つの第二の管状本体に連結するよう構成された連結部品であることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
3個またはそれ以上の第二の管状本体(2,3,3’または3’’)が前記第一の管状本体の中に収容されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、その管の長軸が前記第一の管状本体の管の長軸と平行に偏位していることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、同心円状に配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第二の管状本体は、前記第一の管状本体の中に完全に収容されているか、あるいはそれが長さ方向に突出するように配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記プレースホルダは、前記第一および第二の管状本体を連結するための連結部品を備え、前記連結部品は、ピン(8)、ボルト、ねじ、固定具、陥凹部、穴(25)、ねじ穴、切り欠き、ロック部品、または端板(14)を含むことを特徴とするプレースホルダ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、溶接または取り外し可能な連結部品によって相互に連結され、および/または、前記第二の管状本体は、圧入もしくは圧力嵌めによって、前記第一の管状本体の中に直接あるいは1つまたは複数の連結部品を介して配置されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
合計2から24個の連結部品が前記第一および第二の管状本体の前面の領域に備えられ、および/または、2から4個の連結部品がそれぞれ、開口部(9)もしくは貫通部の各列に割り当てられていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項16】
請求項8または14に記載のプレースホルダであって、
前記連結部品は、固定板(30)、および/または前記管の長軸を横切って配置された連結ピンによって形成されることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
少なくとも1つの固定板(30)が設けられ、前記固定板は、圧入もしくは圧力嵌めによって、少なくとも1つの第二の管状本体を収容し、あるいは保持する受け部(32)を備えることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項18】
請求項16または17に記載のプレースホルダであって、
前記固定板は、前記第一の管状本体の端板として、前記第一の管状本体の前記前面の領域に、もしくはその中に配置されるか、もしくは前記第一の管状本体の長さに沿って中板として分散され、および/または、前記固定板は、複数の開口部(31)を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記固定板は、前記第一の管状本体の中に、非強制、摩擦、接着、材料、強制もしくは形成嵌合連結によって支持され、および/または、前記固定板は、前記第一の管状本体の中にねじもしくは鋲連結によって圧入もしくは圧力嵌めにより支持されることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項20】
請求項13または18に記載のプレースホルダであって、
前記端板は、前記端板をテンションリングもしくはばね荷重リングとして使用できるように、スリットを有するリングとして形成され、および/または、各プレースホルダについて2枚の端板が設けられ、前記端板は、強制および/または摩擦連結によって前記第一および第二の管状本体の終端の突起と係合する陥凹部および/または切り欠き(15)を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
少なくとも部分的に設けられた前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部(9)は、隣接する、もしくはすべての第一および第二の管状本体に関して、ぴったりと一致する、もしくは偏位した関係に配列され、および/または、前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部は、行、ラインおよび/または列に、規則的に配置され、および/または、前記第一および第二の管状本体の貫通部もしくは開口部は、円形、三角形、矩形、長方形、正方形、六角形、八角形、多角形、丸い角の多角形、楕円形、ダイヤモンド形、もしくはひし形の外側輪郭を有することを特徴とするプレースホルダ。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載のプレースホルダであって、
前記第一および第二の管状本体は、少なくとも一端において、突起(11)および/または陥凹部を有し、および/または、前記第一および第二の管状本体および/または連結部品は、コーティングもしくは表面処理されていることを特徴とするプレースホルダ。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを形成するために設計された、外被表面(10)に異なる寸法で複数の開口部(9)または貫通部を持ち、少なくとも2つの異なる管状本体は互いに離れて内部に配置される複数の第一および第二の管状本体と、
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを形成するために設計された前記第一および第二の管状本体を接続するための連結部品(8,13または14)と、
を含むことを特徴とするモジュラーシステム。
【請求項24】
請求項1から22のいずれか1項に記載のプレースホルダを製造する方法であって、
少なくとも2つの異なる第一および第二の管状本体を選択し、
前記第一および第二の管状本体を少なくとも互いに離れて配置し、
少なくとも2つの前記第一および第二の管状本体を互いに接続することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載のプレースホルダを製造する方法であって、
前記第一および第二の管状本体の長さおよび/または終端の整合を、ユーザが決めたサイドで切断することにより適合することを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
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【図5】
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【図10】
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【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
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【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2012−96118(P2012−96118A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38221(P2012−38221)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2006−345652(P2006−345652)の分割
【原出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(505166823)ヴィーダーマン モテッヒ ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2006−345652(P2006−345652)の分割
【原出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(505166823)ヴィーダーマン モテッヒ ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (9)
【Fターム(参考)】
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