説明

多方切換弁

【課題】大型化を招くことなく、入出ポートと弁室との間の流体の流通を阻害することが無いようにできる多方切換弁を提供する。
【解決手段】回転軸線Oから半径方向外向きに大きく突出する横突出部54aが設けられるとともに、該横突出部54aに連なって該横突出部54aの突出方向とは逆向きに張り出す平面視半円ないし半長円形の基端側張出部54bが設けられ、横突出部54aにおける弁シート部材65側の面を基準面54cとして、前記基端側張出部54bにおいて前記基準面54cから所定厚みTb分が削除され、該削除によって段下げされた切欠部81が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクル(ヒートポンプ)等に用いられる三方切換弁や四方切換弁等の多方切換弁に係り、特に、流路の切り換えをモーター等のアクチュエータで弁体を回動させることにより行うロータリ式の多方切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の多方切換弁として、本願の出願人は、先に、図5に示される如くの多方切換弁を提案している(特許文献1、2等を参照)。以下、図示の多方切換弁を簡単に説明する。
【0003】
図示例の多方切換弁10’は、ヒートポンプ装置に用いられるロータリー式の多方切換弁(四方切換弁)であり、流体として冷媒が用いられるもので、キャン18の内周側に配在されたロータ16とキャン18の外周に外嵌固定されたステータ17とからなる流路切換用アクチュエータとしてのステッピングモータ15と、該ステッピングモータ15により回動せしめられる弁体50と、この弁体50を回動可能に保持する弁ハウジング60と、を備えている。
【0004】
なお、前記モータ15内には、遊星歯車式減速機構40が付設され、モータ15の出力軸(遊星歯車式減速機構40の出力軸45)の回転が前記弁体50に伝達されるようになっている。
【0005】
弁ハウジング60は、3本のボルト93により気密的に締結された上側箱状体(上側分割体)60Aと下側蓋状体(下側分割体)60Bとからなり、これら上側箱状体60Aと下側蓋状体60Bとで円筒状の弁室61が画成されている。
【0006】
上側箱状体60Aは、概略凸状の上側基体部60aと該上側基体部60aの下面外周部から下側に突出する主として弁室61の周壁部を画成する円筒状壁部60bとからなり、上側基体部60aの左右には、横穴と縦穴とからなる断面逆L形状の第1入出ポート12と第2入出ポート13とが設けられ、また、円筒状壁部60bの上部の前面側には、前記弁室61に連なる低圧冷媒導出ポート14が設けられている。
【0007】
一方、下側蓋状体60Bは、上記円筒状壁部60bの下端部が外嵌される段付き厚板状とされ、その中央(回転軸線O上)には、それを貫通して前記弁室61に開口する高圧冷媒導入ポート11が設けられている。なお、軽量化等を図るため、弁ハウジング60(上側箱状体60Aと下側蓋状体60B)の材料にはアルミニウムが使用されている。
【0008】
前記弁室61の天井部には、第1入出ポート12と第2入出ポート13の下端開口部が形成された弁シート部材65が配設(ねじ止め)されている。
【0009】
前記弁体50は、上から順に、モータ15内の遊星歯車式減速機構40の出力軸45に一体回転可能に連結された小径軸部51、上側箱状体60Aに形成された中央孔67及び弁シート部材65の中央に形成された開口69に挿通せしめられた中央軸部52、及び導入ポート11内に挿入された大径円筒軸部53を有するステンレス(SUS)製の弁軸部材50Aと、該弁軸部材50Aの、前記弁室61内に位置する中央軸部52の下端部から大径円筒軸部53の中央肉厚部53a上端に至る段付き部分に外嵌固定された軸外部材54とからなり、弁室61内に位置する部分(中央軸部52の下部、大径円筒軸部53及び軸外部材54)が逆L形ないしクランク状の切換弁体部50Bとなっている。
【0010】
前記弁軸部材50Aの中央軸部52と大径円筒軸部53の下端部は、それぞれスリーブ状の軸受部材86、87により摺動回転自在に支持されている。また、大径円筒軸部53における中央肉厚部53aの下部円錐面部と導入ポート11の内周面との間には、テフロン(登録商標)製のリップシール83が介装されている。
【0011】
前記切換弁体部50B内には、それと相似する逆L形ないしクランク状の弁体内通路55が設けられている。
【0012】
この弁体内通路55の出口側端部には、弁シート部材65に気密的に圧接するように、シール材としてのOリング74と角形リング75とが装着されている。Oリング74は、弁体内通路55を流れる高圧流体により半径方向外方に押圧されて断面が円形から楕円状に変化するが、このOリング74の形状変化を利用して角形リング75の一端面を弁シート部材65に押し付けてシール効果を得る構成となっている。
【0013】
なお、前記下側蓋状体60Bの上面中央部に突設された円筒状突壁部60dの外周には、前記弁体内通路55の出口側端部(角形リング75)を弁シート部材65に押し付けるべく、前記弁体50を弁シート65側に付勢するコイルばね92が縮装されている。また、流体の不所望な漏れが生じないようにすべく、各部材の対接面間等の要所、例えば、上側箱状体60Aの円筒状壁部60bの下部内周面と下側蓋状体60Bの上部外周面との間には、Oリング95等のシール材が装着されている。
【0014】
かかる構成を有する多方切換弁(四方切換弁)10’では、図4(A)[弁体50と弁シート部65とを下から見た概略参考図]を参照すればよくわかるように、弁体50がモータ15により回動せしめられて、弁体内通路55の出口側端部(角形リング75)が弁シート部材65の第1入出ポート12(の下端開口部)の真下位置に達すると、導入ポート11と第1入出ポート12とが弁体内通路55を介して連通し、高温高圧の冷媒は、弁体内通路55を介して第1入出ポート12へと流れ、一方、第2入出ポート13からの低温低圧の冷媒は、弁室61を介して導出ポート14へと流れる(以下、この状態を第1流通状態と称す)。
【0015】
上記とは逆に、弁体内通路55の出口側端部(角形リング75)が弁シート部材65の第2入出ポート13(の下端開口部)の真下位置に回動せしめられると、導入ポート11と第2入出ポート13とが弁体内通路55を介して連通し、高温高圧の冷媒は、弁体内通路55を介して第2入出ポート13へと流れ、一方、第1入出ポート12からの低温低圧の冷媒は、弁室61を介して導出ポート14へと流れる(以下、この状態を第2流通状態と称す)。
【0016】
このように図示例の多方切換弁10’は、弁体50を回動させることによって、弁体内通路55及び弁室61を介して第1入出ポート12及び第2入出ポート13のいずれかと導入ポート11及び導出ポート14のいずれかとを選択的に連通させることにより、流路の切り換えを行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特願2010−010309号
【特許文献2】特願2009−203926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
前記した如くのロータリ式四方切換弁10’では、図4(A)に示される如くに、弁体50の回転軸線Oと導入ポート11の中心線C1とが実質的に重なり合っていて、この中心線C1を挟んで左右対称的に第1入出ポート12と第2入出ポート13とが配在されており、導入ポート11の中心線C1と第1入出ポート12の中心線C2及び第2入出ポート13の中心線C3とのオフセット量(ポート中心間距離)は共にLaとなっている。
【0019】
ところで、前記四方切換弁10’の弁体50は、逆L形ないしクランク状の弁体内通路55を形成するための、回転軸線O(導入ポート11の中心線C1)から半径方向外向き(入出ポート12、13の中心線C2、C3側)に大きく突出する横突出部54aを備えているが、その他、該横突出部54aの突出方向とは逆向きに張り出す平面視半円ないし半長円形の、前記横突出部54aと同じ厚みTa(図5参照)を持つ基端側(回転軸線O側)張出部54bが設けられている。かかる基端側張出部54bは、弁体50を弁シート側65に付勢する圧縮コイルばね92のばね受け部分として必要とされる。
【0020】
ところが、前記オフセット量が図4(A)に示される如くに比較的小さいLaであると、図からも分かるように、前記基端側張出部54が、第1流通状態では入出ポート13の一部を塞ぎ(図の格子状ハッチング部分)、また、第2流通状態では第1入出ポート12の一部を塞ぐことになり、それらの入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通を阻害してしまうという問題が発生する(図には第1流通状態が示されているが、第2流通状態でも同様)。
【0021】
かかる問題を回避すべく、前記オフセット量を図4(B)に示される如くに大きくする(Lbとする)と、弁シート部材65、弁ハウジング60、ひいては当該四方切換弁10’の大型化を招くだけでなく、弁体50にかかるモーメントが増大し、流路切換により大きなトルクが必要となり、モータの大型化等も招いてしまう。
【0022】
本発明は、前記した如くの事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、大型化を招くことなく、入出ポートと弁室との間の流体の流通を阻害することが無いようにできる多方切換弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成すべく、本発明に係る多方切換弁は、基本的には、複数個の入出ポートが形成された弁シート部及び弁室を有する弁ハウジングと、前記弁シート部に接触しながら回動せしめられる弁体と、該弁体を回転駆動するアクチュエータとを備え、前記弁室に導入ポート及び/又は導出ポートが開口せしめられるとともに、前記弁体内に、前記導入ポート又は導出ポートと前記複数個の入出ポートとを選択的に連通させるための通路が形成され、前記アクチュエータにより前記弁体を回動させて、前記導入ポート又は導出ポートと前記複数個の入出ポートのいずれかとを前記弁体内通路を介して選択的に連通させることにより流路の切り換えを行なうようにされ、前記弁体に、前記通路を形成すべくその回転軸線から半径方向外向きに突出する横突出部が設けられるとともに、該横突出部に連なって該横突出部の突出方向とは逆向きに張り出す基端側張出部が設けられ、前記入出ポートと前記弁室との間の流体の流通を阻害しないようにすべく、前記横突出部における厚み及び幅をそれぞれ基準厚み、基準幅として、前記基端側張出部に、その厚み及び/又は幅を前記基準厚み、基準幅より狭めるように切欠部が設けられていることを特徴としている。
【0024】
好ましい具体的な態様では、前記横突出部における前記弁シート部側の面を基準面として、前記基端側張出部において前記基準面から所定厚み分が削除され、該削除によって段下げされた部分が前記切欠部とされる。
【0025】
他の具体的な好ましい態様では、前記切欠部として、前記基端側張出部の前記弁シート部側おける外周面から内側に向けて所定幅分凹むとともに、前記弁シート部側の面からも所定厚み分凹んだ凹部が形成される。
【0026】
他の具体的な好ましい態様では、前記基端側張出部の幅を前記基準幅より狭めるように、その外周両側部から所定幅分が削除され、該削除によって凹んだ部分が前記切欠部とされる。
【0027】
別の好ましい態様では、前記横突出部と前記基端側張出部における前記弁シート部側とは反対側の面が面一とされ、該面一の面が、前記弁体を前記弁シート部側に付勢するコイルばねのばね受け面ととされる。
【0028】
他の好ましい態様では、前記弁体の回転軸線と前記導入ポート又は導出ポートの中心線とが実質的に重なり合うようにされる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る多方切換弁では、弁体の基端側張出部に特定の態様で切欠部が設けられるので、オフセット量を小さくしたたもとでも、言い換えれば、当該多方切換弁の大型化を招くことなく、入出ポートと弁室との間の冷媒の流通を阻害することが無いようにでき、これにより、十分な冷媒流通量を確保することができ、当該多方切換弁が用いられたヒートポンプ装置等の熱効率等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る多方切換弁の第1実施例の主要部(弁体と弁シート部)を示し、(A)は弁体と弁シート部とを横から見た概略図、(B)は弁体と弁シート部とを下から見た概略図。
【図2】本発明に係る多方切換弁の第2実施例の主要部(弁体と弁シート部)を示し、(A)は弁体と弁シート部とを横から見た概略図、(B)は弁体と弁シート部とを下から見た概略図。
【図3】本発明に係る多方切換弁の第3実施例の主要部(弁体と弁シート部)を示し、(A)は弁体と弁シート部とを横から見た概略図、(B)は弁体と弁シート部とを下から見た概略図。
【図4】従来例の多方切換弁の課題の説明に供される図であり、(A)、(B)は共に弁体と弁シート部とを下から見た概略図。
【図5】従来の多方切換弁(四方切換弁)の一例を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の多方切換弁の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1、図2、図3は、それぞれ本発明に係る多方切換弁としての四方切換弁の第1実施例、第2実施例、第3実施例の主要部(弁体と弁シート部)を示し、(A)は弁体と弁シート部とを横から見た概略図、(B)は弁体と弁シート部とを下から見た概略図である。各実施例の四方切換弁10A、10B、10Cは、前述した図5及び図4(A)に示される四方切換弁10’における弁体50の形状が異なるだけで、他の部分は基本的には同じであるので、以下においては、相違点である弁体の形状を重点的に説明する。
【0033】
図1に示される第1実施例の四方切換弁10Aにおける弁体50は、通路55を形成すべくその回転軸線Oから半径方向外向きに大きく突出する横突出部54aが設けられるとともに、該横突出部54aに連なって該横突出部54aの突出方向とは逆向きに張り出す平面視半円ないし半長円形の基端側張出部54bが設けられ、入出ポート12、13と弁室61との間の流体の流通を阻害しないようにすべく、前記横突出部54aにおける厚みを基準厚みTaとして、前記基端側張出部54bに、その厚みを前記基準厚みTaより狭めるように切欠部81が設けられている。
【0034】
より具体的には、横突出部54aにおける弁シート部材65側の面を基準面54cとして、前記基端側張出部54bにおいて前記基準面54cから所定厚みTb分(図1(A)において砂地状パターンが施されている部分)が削除され、該削除によって段下げされた部分が前記切欠部81となっている。
【0035】
なお、本実施例においても、前述した従来例のものと同様に、オフセット量はLaであり、また、横突出部54aと基端側張出部54bにおける弁シート部材65側とは反対側の面54dは面一とされ、該面一の面54dが、弁体50を弁シート部材65側に付勢するコイルばね92のばね受け面となっている。
【0036】
このように本第1実施例の四方切換弁10Aでは、弁体50の基端側張出部54bに、基準面54cから段下げされた切欠部81が設けられているので、基端側張出部54bにおける弁シート部材65側の面54c’(切欠部81)と入出ポート12、13(弁シート部材65)との離隔距離が従来例のものより相当大きくなり、そのため、第1及び第2流通状態のいずれでも、入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通はほとんど阻害されなくなる。
【0037】
図2に示される第2実施例の四方切換弁10Bにおける弁体50は、入出ポート12、13と弁室61との間の流体の流通を阻害しないようにすべく、前記横突出部54aにおける厚み及び幅を基準厚みTa、基準幅Daとして、前記基端側張出部54bにおける弁シート部材65側の左右両側部分に、その厚み及び幅を前記基準厚みTa、基準幅Daより狭めるように切欠部82、82が設けられている。
【0038】
より具体的には、前記切欠部82、82として、基端側張出部54bにおける弁シート部材65側の左右両側部分に内側に向けて所定幅Db分凹むとともに、弁シート部材65側の面(基準面54c)からも所定厚みTb分凹んだ平面視概略く字状の壁面を有する凹部が左右2箇所に設けられている。
【0039】
このように本第2実施例の四方切換弁10Bでは、弁体50の基端側張出部54bに、平面視概略く字状の壁面を有する凹部からなる切欠部82、82が設けられているので、第1実施例と同様に、第1及び第2流通状態のいずれでも、基端側張出部54bによって入出ポート12、13が塞がれしまうことは無くなり、そのため、入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通はほとんど阻害されなくなる。
【0040】
図3に示される第3実施例の四方切換弁10Cにおける弁体50は、基端側張出部54bに、入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通を阻害しないように切欠部83、83が設けられている。
【0041】
より具体的には、前記基端側張出部54bの幅を前記基準幅Daより狭めるように、その外周両側部から所定幅Db分が削除され、該削除によって凹んだ平面視く字状部分(左右2箇所)が前記切欠部83、83となっている。
【0042】
このように本第3実施例の四方切換弁10Cでは、弁体50の基端側張出部54bに、平面視く字状部分からなる切欠部83、83が設けられているので、第2実施例と同様に、第1及び第2流通状態のいずれでも、基端側張出部54bによって入出ポート12、13が塞がれしまうことは無くなり、そのため、入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通はほとんど阻害されなくなる。
【0043】
以上のように、本発明実施例の四方切換弁10A、10B、10Cでは、基端側張出部54bに特定の態様で切欠部81、82、82、83、83が設けられるので、オフセット量を小さいLaとしたもとでも、言い換えれば、当該四方切換弁の大型化を招くことなく、入出ポート12、13と弁室61との間の冷媒の流通を阻害しないようにすることができる。これにより、十分な冷媒流通量を確保することができ、当該四方切換弁が用いられたヒートポンプ装置等の熱効率等を向上させることができる。
【0044】
なお、本発明は、上述したような四方切換弁のみに限定されるものではなく、三方切換弁あるいは五方以上の切換弁にも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
10 多方切換弁(四方切換弁)
11 導入ポート
12 第1入出ポート
13 第2入出ポート
14 導出ポート
15 モータ(アクチュエータ)
50 弁体
54a 横突出部
54b 基端側張出部
55 弁体内通路
60 弁ハウジング
60A 上部体
60B 底蓋状体
60C 円筒状体
61 弁室
65 弁シート部材
81、82、83 切欠部
92 コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の入出ポートが形成された弁シート部及び弁室を有する弁ハウジングと、前記弁シート部に接触しながら回動せしめられる弁体と、該弁体を回転駆動するアクチュエータとを備え、前記弁室に導入ポート及び/又は導出ポートが開口せしめられるとともに、前記弁体内に、前記導入ポート又は導出ポートと前記複数個の入出ポートとを選択的に連通させるための通路が形成され、前記アクチュエータにより前記弁体を回動させて、前記導入ポート又は導出ポートと前記複数個の入出ポートのいずれかとを前記弁体内通路を介して選択的に連通させることにより流路の切り換えを行なうようにされた多方切換弁であって、
前記弁体に、前記通路を形成すべくその回転軸線から半径方向外向きに突出する横突出部が設けられるとともに、該横突出部に連なって該横突出部の突出方向とは逆向きに張り出す基端側張出部が設けられ、前記入出ポートと前記弁室との間の流体の流通を阻害しないようにすべく、前記横突出部における厚み及び幅をそれぞれ基準厚み、基準幅として、前記基端側張出部に、その厚み及び/又は幅を前記基準厚み、基準幅より狭めるように切欠部が設けられていることを特徴とする多方切換弁。
【請求項2】
前記横突出部における前記弁シート部側の面を基準面として、前記基端側張出部において前記基準面から所定厚み分が削除され、該削除によって段下げされた部分が前記切欠部となっていることを特徴とする請求項1に記載の多方切換弁。
【請求項3】
前記切欠部として、前記基端側張出部の前記弁シート部側における外周面から内側に向けて所定幅分凹むとともに、前記弁シート部側の面からも所定厚み分凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多方切換弁。
【請求項4】
前記基端側張出部の幅を前記基準幅より狭めるように、その外周両側部から所定幅分が削除され、該削除によって凹んだ部分が前記切欠部となっていることを特徴とする請求項1に記載の多方切換弁。
【請求項5】
前記横突出部と前記基端側張出部における前記弁シート部側とは反対側の面が面一とされ、該面一の面が、前記弁体を前記弁シート部側に付勢するコイルばねのばね受け面となっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の多方切換弁。
【請求項6】
前記弁体の回転軸線と前記導入ポート又は導出ポートの中心線とが実質的に重なり合っていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の多方切換弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−236997(P2011−236997A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110285(P2010−110285)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)
【Fターム(参考)】