多機能かつ構成可能なアッセイ
好ましい実施形態に従って、活性磁性粒子を有する試験溶液と接触するように設計されたクロマトグラフ媒体が提供され、該媒体を横切って該溶液が両側方向に流れる。磁石または電磁石によって生成された磁界が該媒体に選択的に印加され、それによって、磁石の位置によって指定された該媒体上の部位で荷電粒子が概ね結合され、よって捕捉線または捕捉ゾーンが形成される。1つの好ましい実施形態では磁界は、該媒体上の、試験溶液が接触する部位に印加される。本アッセイは、多構成可能で、特定の免疫学的分離手順または適用に適するように修正することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
リガンド・受容体アッセイまたは免疫学的アッセイは、当技術分野ではよく知られている。1971年の導入以降、かかるアッセイは、所与の流体試料内に存在する疑いのある微量のホルモン、薬物、抗体およびその他の物質を検出するために様々な適用で利用されてきた。この点では、酵素、抗体、遺伝子プローブおよびその他の試薬を装備した調査装置によって、種々様々な適用において、ほとんどの関心化合物向けに化学的検出方式を作り出すことが可能となった。これらの適用の中には、医薬および食料品の商業生産、食品安全性、医学的、獣医学的および農学的環境における疾病の診察および治療、環境内における毒素の検出および根絶がある。時宜に適い、信頼できる、費用対効果の大きいやり方で化学的検出を行うという要求事項は、かかる適用のすべてに共通する。
【0002】
一般に、生物学的アッセイ方式は、汎用の計器を装備した検査室で用いるために適した形式で開発され特徴付けられる。これらの形式の例は、試験管、キュベット、マイクロタイター・プレート、カラムおよび電気泳動ゲル内で行われる免疫学的アッセイおよびDNA交雑を含む。これらの形式は通例、複雑な操作手順を含み、濃度の異なる関心検体を含む幾つかのキャリブラントを用いての頻繁な較正を必要とする。結果として、かかる形式に関連する操作のコスト高および複雑さにより、広範な利用は制限される。
【0003】
かかる弱点に対処するために、免疫学的アッセイの開発者およびエンドユーザはますます、試験管、キュベット、マイクロタイター・プレート、カラムおよび電気泳動ゲルを用いる従来型の生物学的アッセイ形式を、試験ストリップとして知られる薄膜クロマトグラフ装置に置き換えていっている。当技術分野では知られている通り、化合物の免疫化学的検出に用いられる試験ストリップの大部分は、いわゆる横方向流れ試験ストリップで、かかるストリップでは、試料および試薬が試験ストリップ平面内を流れる。有利なことに、試験ストリップ形式で構成されたアッセイは、迅速に結果を出すことができ、従来型の形式よりも操作が簡単で、費用対効果が大きい。加えて、かかる試験ストリップアッセイは非熟練労働者でも利用でき、現場で(すなわち検査施設外で)結果を出すことができる。(関連出願の相互参照)
本願は、2002年2月5日出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING MAGNETIC CHROMATOGRAPHY ASSAYS」という標題の係属中の米国特許出願第10/068,040号の一部継続出願であり、かかる特許出願は、2000年9月25日に出願されて現在、2004年3月30日付けの米国特許第6,713,271号として発行済みの米国特許出願第09/668,966号の分割特許出願であり、かかる米国特許は、1999年10月15日に出願されて現在、2000年10月24日発行の米国特許第6,136,549号として発行済みの米国特許出願第09/418,864号の一部継続出願であった。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載:
該当なし
【背景技術】
【0004】
一般にかかるアッセイは、所与の試料内でかかる検体の濃度を突き止めるために、受容体による検体の結合を頼みにしており、通常、競合的または非競合的なものとして特徴付けられる。非競合的なアッセイは一般に、アッセイで突き止めることになる検体の濃度を上回るかなり過剰な受容体を利用する。かかる非競合的な免疫学アッセイの代表例はサンドイッチアッセイを含み、かかるアッセイは、検体に2つの受容体を結合させることにより検体の存在を検出する。かかる配置では、通常は抗体である第一の受容体は、固相に結合され、検体が存在する場合にはそこにかかる検体が付着する。放射性、蛍光性もしくは
酵素性の染料またはその他の検出可能な部分(まとめて追跡子と呼ぶ)を含むことができる標識と共有結合した第二の受容体は、アッセイに導入された結果として、リガンドが存在する範囲まで結合済みリガンドに結合し、その後、かかるリガンドの存在に一致するシグナルを生成する。試料が関心分子を含まない場合、標識付き受容体は無反応のまま、固定化受容体を通り過ぎ、結果として膜には変化が生じない。かかる非競合的な免疫学的アッセイは、主として、蛋白質のような大型分子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)のような多結合部位を有する大型のホルモンまたは分子の検出に役立ち、通常、結合部位が1つだけの小型分子は扱わない。
【0005】
対照的に、競合的なアッセイは一般に、リガンド受容体によって提供される限られた数の結合部位の検出を可能にするために、所与の試料内に存在するリガンドと、追跡子/標識と共有結合したリガンド類縁体との間の競合を伴い、かかる受容体は通常、固相に結合した抗体を含む。かかるアッセイは特に、薬物および薬物代謝産物のような小型分子を検出するために適している。このような状況において、蛋白質に共有結合した薬物類縁体が利用され、その後で、かかる蛋白質が膜上に固定化される。その後、かかる薬物に特異的な抗体が標識付けされ、多孔パッド上に固定化される。所与の検体を含む疑いのある試料が加えられると、かかる試料は、標識付き抗体を溶解して固定化薬物・蛋白質領域に接触させる。試料内に薬物がほとんど無いかまたは全くない場合、大量の標識付き抗体は、固定化薬物・蛋白質領域に結合され、結果として、検出可能なシグナルを生み出す。試料が大量の薬物を含む場合、標識付き抗体は固定化薬物・蛋白質領域に、ほとんどかまたは全く結合されず、よって次には、シグナルをほとんどかまたは全く生み出さない。
【0006】
今日、迅速な免疫学的アッセイは一般に、接着剤で被覆されたプラスチック製の裏板から成り、かかる裏板上に、数枚の多孔パッドおよび1片の蛋白質結合膜が取り付けられる。かかる膜は通常、結合相手(すなわち受容体またはリガンド類縁体)を染み込ませた部分を含む。通常は第二のパッドが設けられ、かかるパッドは、標識付き標的分子または標識付き抗体蛋白質との結合膜を含む。標的リガンドを含む疑いのある試料が免疫学的アッセイに接触すると、かかる試料は、標識付き要素または追跡子を溶解し、その後、蛋白質結合膜の毛管作用によって、溶解した追跡子を含む試料が、染み込んだ結合相手に接触する。この反応が起こると、結合膜の外観に変化が生じ、かかる試料内に存在する疑いのあるリガンドの有無の質的表示を提供する違いが現れる。
【0007】
この形の試験ストリップの代表例は、2本の平行線(捕捉線として知られている)を試験膜上に視覚的に表示するものである。捕捉線は、製造時に試験膜に事前塗布された固定化捕捉試薬または受容体から成る。この点では、事実上すべての先行技術の両アッセイは、競合的なものであろうと非競合的なものであろうと、通常、上記で評価された通り、膜上に固定化された受容体を配置する。代表的な横方向流れ試験ストリップの構造の模式的表現は次の通りである。
試薬パッド//試験膜/捕捉線/試験膜/捕捉線/試験膜//吸収パッド。
ここで、
記号「/」は、単一クロマトグラフ媒体内の相境界を表す。
記号「//」は、2つの別個の媒体(クロマトグラフ媒体またはその他の媒体)が1つに合わさったものを表す。
【0008】
2本の捕捉線のうち1本は、試験ストリップ性能が損なわれていないことの表示として役立つ。この点では、かかる捕捉線は、アッセイの品質保証および完全性を提供することによって、個々の試験ストリップ性能が大いに異なり得る限り必要であると一般に考えられる重要な機能を果たす。かかる捕捉線の2本目は、最低濃度(閾値濃度)を超える量の検体を試料が含む場合にのみ、見えるようになる。かかる先行技術のシステムおよび方法の模範例は、特許文献1および特許文献2を含み、かかる各特許の教示は、参照により本
願中に明確に組み込まれる。
【0009】
残念なことに、代表的な試験ストリップ形式アッセイは、費用対効果の大きさおよび利用の簡単さにもかかわらず、従来型の形式よりも正確さおよび精度が低く、検体の存在に対する感度が低い。かかる弱点の結果として、試験ストリップ形式アッセイの適用は、半定量アッセイまたは定質アッセイに限られてきた。試験ストリップ形式アッセイの不正確さおよび不精密さに寄与する重大な要因の中には、捕捉線の製造および使用が含まれる。広く認められている通り、一貫して均一な捕捉線の製造は、狭い許容差内で動作しなければならない厳正な仕様による複雑な材料制御プロセスおよび製造プロセスを必要とする。その上、適切に機能するためには、ほとんどの試験ストリップ形式は、検出されることになる検体が試験ストリップ上の正確な位置で正確な幾何学的形状で均一に捕捉されなければならず、試験ストリップの製造時に存在する周囲湿度、かかる製造プロセスで利用される膜のタイプ、および捕捉試薬・受容体それ自体のような要因が、アッセイの不正確さおよび誤読み取りに大いに寄与する。免疫学的クロマトグラフアッセイでの蛋白質捕捉試薬の結合に関連する弱点に関する詳細な考察は、非特許文献1に見られ、かかる著作の教示は、参照により本願に明確に組み込まれる。
【0010】
更なる重大な欠点は、事実上すべての試験ストリップ形式アッセイが、一連の概ね直線状の構成を有するように形成されて、かかる構成を横切る必要な横方向流れを促進するという事実である。かかる流体試料が必ず、出発点から試薬パッドを横切って、試験膜を、最終的には、被疑検体の存在を検出するための捕捉線を、横切って移動しなければならないという事実により、標的検体のかなりの部分はしばしば、分散してしまうかまたは別途、捕捉線を形成する結合済み受容体に達することを阻まれる。従って、検出が求められる標的検体のかなりの部分は、完全に見失われる恐れが強く、しばしば、実際にそうであり、そのことは、かかるアッセイにより生成される定量的結果および定質的結果に悪影響を及ぼす恐れが強い。
【0011】
標的検体の存在の検出に不注意に失敗するというかかる恐れは、検出が求められる標的検体を失うことによってであろうと、かかる検体の存在を単に見落とすことによってあろうと、所与の流体試料内で癌細胞の存在を検出しようと試みる場合には特に問題である。例えば、1本の10ml管の血液内には、およそ500億個の細胞が存在し、この細胞母集団中に1個でも癌細胞が存在しようものなら、それだけで十分、微小癌組織の転移の存在を示すことができる。従来のスクリーニング手法を利用して、かかる血液試料は通常、かかる試料内に存在する白血球を単離するために処理され、それによって有利なことに、かかる流体試料の量は、例えば10mlから1.0〜0.5mlに減少し、結果として細胞母集団は、およそ500億個からおよそ1億200万個に減少する。しかしながら、かかる手順は通常、癌細胞の損失を招き、従って、検出が求められる癌細胞を不注意に取り除いてしまう恐れがある。
【0012】
結果として生じたかかる試料はその後、癌細胞のスクリーニングを行うために、サイトスピンのような良く知られている手順により、各スライドに対して細胞およそ100万個の割合で多くの顕微鏡用スライドに分配され塗布される。知られている通り、各スライドの作成は、不注意のよるもう1つの癌細胞の損失を意味する。その後、1つ1つの各スライドを顕微鏡を用いて綿密に走査しなければならない。これに関しては各スライドは通常、1平方ミリメートルの面積から成り立つ400個の拡大視野に分割され、各々見直される。通常、かかる走査プロセスは平均して1スライド当たり30分掛かる。その結果、1つの10ml血液試料内に存在する1億2000万個の白血球の凝縮母集団を完全に検査するためには、結果的に120枚のスライドの検査が必要となり、4万8000枚の画像が生成され、60時間にわたって検査を行わなければならない。従って、検出が求められる標的細胞の標識付けに先行技術のアッセイ手法が効果的である範囲内においてでさえ、
かかる標識付き細胞を最終的に単離し検出する際に用いられるプロセスは、本質的に信頼できず、冗長で時間が掛かる。
【0013】
従って、正確な位置で、好ましくは流体試料が沈殿する出発点または接触点で、検体を捕捉できる代替的な横方向流れ装置を考案することが望ましい。同様に、かかる出発点または接触点で、事前塗布された捕捉線を用いることなく、正確な幾何学的形状で検体を捕捉できる代替的なアッセイを考案することも望ましいはずである。また、先行技術のアッセイおよび方法よりも高い感度および再現精度を有し、かつ、同様に安価で、より労働集約性が低く、相対的に製造が容易で、種々様々な適用に利用できるアッセイに対するニーズも存在する。さらに、特に癌細胞の単離および検出に関しては、作成された細胞標本を顕微鏡用スライド上に直接捕捉して、それから生成する必要のある画像に掛かる時間と画像数とを大幅に削減できるアッセイを求めるニーズも存在する。
【0014】
前述に加えて当技術分野には、特定の適用を行うためのアッセイ能力を大いに高めるように様々な構成で構築することのできる代替的なアッセイを求める相当なニーズも存在する。この点では、かかるアッセイは、分離プラットホームの役割を果たすように機能するアッセイシステム向けに格別に有利なはずであり、かかるプラットホームは、蛋白質および遺伝子の単離に用いられるだけでなく、また、生きた細胞の単離、ソーティング、検索およびその後の伸張または増殖のような機能を果たすためにも用いられる。さらに有利なことに、かかる多構成可能なアッセイは、少量の化合物を取り扱って試料の量を節約し、よって、原材料の消費を保護するように機能し、さらに当てはまる場合には、マイクロタイター・プレート、分離カラム、および同種の他のもののような従来型の補助的分離構成要素を排除するようにも機能するはずであり、既存の多くの画像分析システムにさらに容易に組み込むことができる。さらにまた、相対的に低コストで、製造が容易で、多構成要素構造として用いられるようなシステムであって、よってアッセイを、容易に構築するかまたは特定のタイプの分離手順を最適に行うように形づくることのできるシステムに対するニーズも存在する。
【特許文献1】米国特許第5,658,723号
【特許文献2】米国特許第5,712,170号
【非特許文献1】Jones, Kevin D., “Troubleshooting Protein Binding in Nitrocellulose Membranes”, Part I, IVD Technology, Volume V, NO. II, March−April 1999, pages 32−41 and Part II, IVD Technology, Volume V, NO. III, May−June 1999, pages 26−35
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は特に、上記で特定された当技術分野における不備に対処し、かかる不備を軽減するものである。この点では、本発明は、いくつかの新奇な生物学的アッセイ方法、クロマトグラフ装置、および任意の多モード測光器/分析器に関するものであり、それらは一緒になって、従来型の検査室形式のような正確さおよび精度で生物学的アッセイを行うことができる一方で、試験ストリップ形式のような操作の簡単さ、迅速な分析および費用対効果の大きさを保持する。さらに、本発明のクロマトグラフ装置および新奇な生物学的アッセイ方法は、事前塗布済み捕捉線を組み込んだ試験ストリップの製造に関連する問題を最小限に抑え、さらに、流体試料内での検体の検出を、かかる試料内に存在する検体を効率的に節約して使い単離するやり方で可能にすることができる。その上、本発明の多モード測光器、新奇な試験ストリップ装置および独自の化学的分析方法は、多用途で費用対効果が大きく、簡単で正確なシステムを意味し、先行技術の生物学的アッセイ試験ストリップを介してはこれまで利用できなかった量の試料内に存在する化学物質を定量化すること
ができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第一の側面に従って、反応混合物内に懸濁した活性磁性粒子をクロマトグラフ媒体(例えば試験ストリップまたはクロマトグラフ・プレート)に接触させるステップと、その後、かかる媒体に磁界を印加するステップとから成る新奇な磁気クロマトグラフィー方法が提供される。活性磁性粒子は、かかる媒体平面内を横方向に流れている間に印加磁界に遭遇する。印加磁界は磁性粒子を引き付けて、磁性粒子を選択的に保持する磁気障壁を形成する一方で、そこを横切って反応混合物が横方向に流れ続けることを可能にする。細胞捕捉アッセイを行うために特に役立つ実施形態では、反応混合物は磁性粒子と共にクロマトグラフ媒体の中間部分に接触し、かかる接触点に磁界が印加される。よって反応混合物が、かかる媒体を横切って両側方向に流れるようになり、関心検体と錯体を形成した磁性粒子は、出発点または試料導入点で捕捉され、よって、別の方法であれば反応混合物の流れを通じて失われていたはずの反応混合物内の検体の量が節約される。
【0017】
従ってこのようにして、先行技術の免疫学的アッセイで利用される結合済み受容体によって形成された従来型の捕捉線のみならず、また、かかるアッセイ時に生じる恐れの強い検体損失も排除される。この点では捕捉線は、アッセイの際に、好ましくは最初に、事実上、組み立てられる。有利なことに、本発明の磁気クロマトグラフィーアッセイ方法は、試験ストリップおよび同種の他のものが事前塗布済み捕捉線なしに製造されることを可能にする。しかしながら、本発明の方法はまた、磁気クロマトグラフィー試験ストリップが、事前塗布済み捕捉線と、特定の適用向けに望まれる通りの磁気クロマトグラフィーを用いて生物学的アッセイ時に形成される捕捉線との両方を有することも予期する
さらに本発明の新奇な方法は、多数の分光測光分析を検出するためにクロマトグラフィー試験ストリップ組立品に印加される1つ以上の印加磁界源を配置することもできる。例えば、共通の棒磁石または磁気ストリップを、試験ストリップ裏板の1つ以上の位置に接着剤で取り付けることができる。あるいは、磁気源は、試験ストリップ組立品の外部にあることができ、それによって、試験ストリップのすぐそばに磁気源が選択的に位置付けられる一方で、その内部を磁性粒子が横方向に流れる。本発明の好ましい実施形態では、印加磁界源は、永久磁石または電磁石を含むことができる。
【0018】
さらに本発明は、生物学的アッセイを行うための新奇な磁気クロマトグラフィー試験ストリップを含み、反応混合物が試験ストリップに接触する地点に捕捉線または捕捉ゾーンを形成することにより、反応混合物内での検出が求められる検体の量を節約する。1つの好ましい実施形態に従って、試験ストリップは、第一および第二の端と両端の間に配置された中間部分とを有する細長い裏板を含む。中間部分上には、垂直流れを促進するための第一の垂直網と、横方向流れを促進するための第二の横方向網とがあり、後者は、第一の網のすぐ下に配置される。横方向流れ網の両側上には吸収パッドがあって、使用時、第一および第二の網を最終的に通過した反応混合物が両側方向に流れる。さらに好ましくは、かかるストリップは少なくとも1つの磁石を含み、かかる磁石は垂直流れ網および第二の横方向流れ網のすぐ下に位置付けられる。
【0019】
使用時、反応混合物は順次、垂直流れ網から横方向流れ網へ、最終的には、横方向流れ網の相対する側に配置された第一および第二の吸収パッドへ流れる。好ましくは、かかる反応混合物は、試料ウェルを用いてかかるストリップ上に沈殿する。磁石によって設けられた印加磁界は、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を引き付け、よってかかる粒子が、沈殿部位に選択的に保持される一方で、反応混合物の残りの部分はそこを横切って最終的には各吸収パッドまで流れ続ける。かかる試験ストリップは特に、癌細胞のような細胞、細菌および同種の他のものの検出および単離によく適しており、それらのものは別途、先行技術の方法を通じては識別および単離が困難である。
【0020】
本発明の目的をさらに達成するためだけでなく、また、ゲノミクス、マイクロゲノミクス、プロテオミクス、および標的識別用の細胞単離(例えば細胞小器官ソーティング、蛋白分画または標的確認、例えば蛋白質単離、免疫アッセイ、分子分析)にわたる種々様々な適用において新奇な磁気クロマトグラフィー方法の利用を可能にするためにも、多構成可能なアッセイシステムがさらに提供される。1つの好ましい実施形態に従って、かかる多構成可能なアッセイシステムは、内部を規定するハウジングを含み、ハウジング上に試料ウェルが形成され、かかるウェル内に、磁性粒子を含む反応混合物が、適用される試薬と共に沈殿する。任意に、試料ウェル内に沈殿した反応混合物の両方向流れを強めるために、吸収パッドがハウジング内、試料ウェルの両側上に配置される。ハウジングの真下に永続的にかまたは脱着可能に固定されるように形成できるベースであって、反応混合物を収容するためのベースが設けられる。ベースは、試料ウェルと位置合わせされる標的領域を規定して、概ね全ての反応混合物が単一の座に集中する。ベースから分離するかまたはベースに取り付けることのできる磁気源が設けられ、かかる磁気源は、標的領域および試料ウェルと位置合わせされ、それらに磁界を印加し、よって標的領域で、反応混合物内に存在する磁性粒子を引き付けて保持するように機能する一方で、残りの反応混合物が標的領域を横切って横方向に流れることを可能にする。よって結果として、反応混合物内に存在する磁性粒子であって標的検体(例えば細胞、蛋白質、遺伝子)と錯体を形成した粒子は、導入点で捕捉され保持され、よって、標的検体の潜在的な移動が最適に最小化される。
【0021】
かかるアッセイの改良例ではベース膜は、従来型のスライドを含み、その上に関心検体が捕捉された後は、従来のスライド作成に従って表示、取り扱いおよび保存を行うことができる。あるいはベースは、標的領域上にゲル製剤の沈殿を有するかまたは有さない網であって、細胞培養物の培養の開始、または関心標的検体に選択的に結合する受容体の懸濁手段としての役割のような様々な適用で用いる網を有してもよい。加えて、蛋白質を選択的に開裂させるためかまたは別途、望まれる生化学的反応を促進する役割を果たすために、かかるゲル製剤にその他のタイプの試薬および消化酵素のような酵素を提供することもできる。前述の実施形態に従って、さらにベースに1つ以上の網の層を設け、よって、反応混合物の流れる方向を助長するだけでなく、また、標的領域で捕捉される関心検体の能力を高めることもできる。
【0022】
本発明のアッセイは、その多構成可能な能力のおかげで単離、ソーティングおよび検索の様々な適用のいずれでも利用されるように機能する。かかる適用の模範例には、単一スライド・ペンチ、ベンチ・トップ使用、小バッチ試験、自動バッチ処理および連続高速大量処理スクリーニングが挙げられる。かかる多構成可能なアッセイは、その汎用性のおかげで、細胞、蛋白質および遺伝子のような標的検体を、それが膜結合であっても、傷つきやすくても、または格別に小さいかもしくは大きいサイズでも、機能的かつ構造的に無傷で捕捉して単離するために格別に効果的である。同様に多構成可能なアッセイは、細胞工学および検索、細胞工学および伸張または増殖、細胞抵抗力および検索、並びに細胞ソーティングおよび順次検索の適用にも用いることができる。有利なことに、かかる全ての構成では、本発明のアッセイシステムは閉鎖系のままであり、よって、従来の方法の取り扱いステップの多くを排除するだけでなく、また、標本の迅速かつ容易な取り扱いを可能にして、労働者の材料曝露および処理、もしくは材料曝露または処理されている試料の汚染のリスクを最小限に抑える。
【0023】
さらに本発明の一部として、多モード測光器から成り立つ新奇な分析器が提供され、本発明の試験ストリップ上の単一の焦点で前面の蛍光、冷光および反射率を測定することができる。1つの好ましい実施形態に従って、多モード測光器はベースおよび光キャノピーから成り、それらが一体となって光トンネルを規定し、かかるトンネル内に少なくとも1
つの試験ストリップを配置することができる。かかるチャンバは、磁気源を含むか、または磁気源のすぐ近くに置かれるように設計でき、試験ストリップが、その中を横方向に流れる活性磁性粒子を、試験ストリップ上の単数または複数の特定の部位で概ね結合させることができる。そのように配置されると光源または放射線源は、光学トンネル内に配置された試験ストリップに焦点を合わせることができ、光または放射線を、磁気源および、検体の存在について分析される試験ストリップからの反射光または放射光と位置合わせすることができるようになる。様々な波長の光および放射線を、従来の分光測光分析に従って該当する検体の存在を突き止めるために利用してもよい。さらに、特定の分光測光適用向けに必要であるように、光学フィルタおよび光検出器も配置してもよい。
【0024】
従って本発明の目的は、先行技術の試験ストリップアッセイよりも高い感度および再現精度を有する試験ストリップ形式を利用する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、試験ストリップ形式を利用するが、受容体を試験膜に結合させることにより、捕捉線を形成する必要を省いた新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、試験ストリップ形式内に配列して、定量分析を提供するために利用することのできる、新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、かかる試験ストリップに反応部材が接触する接触点に捕捉線を形成することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、反応混合物内に存在する検体の量を、かかるアッセイの遂行開始点でかかる検体を識別して単離することにより、倹約することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、多検体の定量分析および定質分析を提供するように適合させることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、利用が簡単で、単純な構造で、安価に製造できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、表面反射率、表面蛍光および表面冷光を含めそれらに限らず、分光測光分析を提供するために利用できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、標的細胞を単離するように、かつ、かかる細胞を検出する能力を促進するように構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、スライド上に細胞を直接捕捉して顕微鏡検査を促進するようになされる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、個別試料分析、バッチ試料分析および線状配列分析を行うように構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的は、多構成可能で、種々様々な適用で利用できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、少数または多数の標本の効率的な取り扱いを可能にすることができ、単一スライド・ベンチ・トップ適用から連続高速大量処理スクリーニング環境まで容易に規模変更できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、特異的な抗原発現のある細胞の部分母集団を迅速に単離してソーティングするように機能し、さらに任意に、細胞伸張/増殖を促進するために役立てることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0035】
本発明の別の目的は、細胞単離、細胞培養物の作成、細胞工学、細胞抵抗力および細胞ソーティング並びに連続検索に関連するアッセイを行うように容易に構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0036】
本発明の別の目的は、マイクロタイター・プレート、分離カラムおよび細胞移転手順を行う必要性への依存を、排除までは行かないにしても相当減らすことができると同時に、細胞捕捉の向上を達成し細胞損失を最小限に抑える新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、従来のアッセイ方法の取り扱いステップの多くを排除し、さらに標本の迅速かつ容易な取り扱いを可能にして、労働者の細菌曝露および処理、もしくは細菌曝露または処理されている試料の汚染のリスクを最小限に抑える新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0038】
本発明の別の目的は、細胞試験、溶解および蛋白質/細胞小器官単離および分離、もしくは細胞試験、溶解または蛋白質/細胞小器官単離および分離を含めそれらに限らず、アッセイ後の評価および操作を行うための構造を提供する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0039】
本発明の別の目的は、かかるアッセイを再利用可能かまたは使い捨て可能に構成することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、単位用量に事前包装された従来型の試薬を収容する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0040】
本発明の別の目的は、検体の定量、半定量および定質免疫学的アッセイ並びにDNA交雑アッセイに用いることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0041】
本発明の別の目的は、表面反射率、表面蛍光および表面冷光を含めそれらに限らず、分光測光分析を行うための多モード測光器から成る光分析器を提供することである。
本発明の別の目的は、単純な構造で簡単に利用でき、個別試料分析、バッチ試料分析および線状配列分析を行うように構成できる多モード測光器から成る分析器を提供することである。
【0042】
本発明の別の目的は、本発明の磁気クロマトグラフィーアッセイと併用した場合、かかるアッセイの向きおよびかかるアッセイで利用される反応混合物の横方向流れに無関係に、試験ストリップアッセイ上の固定位置で所与の検体の量を定量化するために利用できる多モード測光器から成る分析器を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下の詳細な説明および添付の図面は、本発明の目下好ましい実施形態を説明する目的
のためにのみ提供されるものであり、いかなる点でも、請求される発明の範囲を制限するようには意図されない。この点では、先行技術のアッセイシステム、特に試験ストリップアッセイと異なり、所与の液体試料内で検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせの存在を異例の精度および再現精度で定量的かつ定質的に検出できる新奇なアッセイシステムおよび方法が本願では開示される。その上、本発明の新奇なアッセイおよび方法は、従来の試験ストリップアッセイに関連する全ての利点を、かかるニーズが検査施設での遠隔分析を受けず、さらに熟練専門家による取り扱いを必要としない限りにおいて提供する。さらに、多モード測光器を含む新奇な分析器であって、本発明のアッセイおよび方法と併せて分光測光分析を行うために役立つ分析器も提供される。
【0044】
本発明のこれらの特徴に加えてその他の特徴も、以下の図面を参照することにより、より明らかとなる。
図面を、最初は図1a〜1cを参照すると、磁気クロマトグラフィー用の試験ストリップの1つの好ましい実施形態が示されている。試験ストリップは、一方の端に試薬ゾーン2を有し他方の端に吸収パッド3を有する試験膜1から成り立つ。これらの構成要素は、プラスチック、ガラスまたはその他の適した硬さの材料で作られた裏板4に取り付けられる。先行技術の試験ストリップと同様に、かかる試験ストリップは積層により簡単に製造される。
【0045】
本発明の実施で用いる試験ストリップの別の実施形態が、図2aおよび2bに示される。本発明のこの実施形態では各々、一方の端に試薬パッド5が、他方の端に吸収パッド3が設けられる。この点では、吸収パッド5は試験膜1に一部重なり、よって、所定の適用向けに望まれる通りの、より高い飽和度を膜全体にわたって生み出すことが示される。
【0046】
図1a〜1cおよび図2a〜2bに示された試験ストリップ実施形態のいずれにおいても、かかる実施形態が、試薬パッド5から他方の端の吸収パッド3まで延びる横方向流れまたは移動経路を生み出すように設計されていることが、当業者には容易に理解され十分に評価するはずである。従来の試験ストリップアッセイに従って、試験膜1を横切る反応混合物の横方向流れによって、所与の表面積(すなわち試験膜1)にわたって化学分析を行うための基礎が提供される。
【0047】
しかしながら、先行技術の試験ストリップアッセイと異なり、本発明のアッセイおよび方法は、試験膜1の一部に沿って形成された結合済み受容体が形成する捕捉障壁を利用せず、むしろ、かかる捕捉線を生成するために新奇な磁気的アプローチを利用する。この点では、本発明を通じて捕捉線が生成される際に用いられる新奇な方法およびシステムにより、図1および2に示された試験ストリップ構成が本発明の実施では容易に利用できるが、かかる構成の唯一の本質的要素は、試験ストリップまたはクロマトグラフ・プレートのようなクロマトグラフ媒体しか含まないことが認められるはずであり、かかる媒体上では試験試料がそこを横切って横方向に流れることがある。従って、本発明を実施するためには必ずしも、従来の試験ストリップおよび同種の他のものに従って移動経路を形成する必要はないことが理解されるはずである。
(試験膜)
試験膜1は、適切な厚さ、孔径、横方向流速および色を有する利用可能な材料から選択することができる。試験膜は、検体および試験試薬に対する親和性が低い材料から作られることが好ましい。これは、検体および試験試薬、もしくは検体または試験試薬の不特異的な結合を防ぐために試験膜の事前処理を最小限にするかまたは回避するためである。適した試験膜材料の例は、ポリエステルである。
(試薬パッド)
(任意の)試薬パッド5は、アッセイを完了するために必要な試薬の全部または一部をんでもよい。試薬は、所与の試料内で検出されることになる検体の異なる領域に特異的に
結合する捕捉リガンドおよび伝達リガンドを含むことができる。捕捉リガンドは、磁性粒子の表面に共有結合または吸収されることができる。また、捕捉リガンドは、抗IgG抗体、ストレプトアビジン/ビオチンおよびその他のような結合相手を用いて間接的に結合させることもできる。伝達リガンドは、蛍光または冷光を生じさせる染料、粒子、放射性同位体または酵素に共有結合される。また、試薬パッド5は、アッセイ性能を改善する安定剤、緩衝剤、界面活性剤およびその他の薬剤を含んでもよい。試薬パッド5は、試料と、アッセイを行うために用いられる後続のすべての液体試薬とを受け入れる。試薬パッド5もまた、適切な厚さ、孔径および流速を有する利用可能な材料から選択できる。試薬パッドは、検体および試験試薬に対する親和性が低い材料から作られることが好ましい。重ねて、これは、検体および試薬、もしくは検体または試薬の非特異的な結合を防ぐために試薬パッド5の事前処理を最小限にするかまたは避けるためである。適した試薬パッド5材料の例は、ポリエステルおよび多孔ポリエチレンである。試薬パッド5は、全試料容積を受け入れるために十分なサイズおよび空隙容積であるべきである。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、試薬パッド5は、物理的に分離した構成要素ではない場合がある。むしろ、その代わりに試薬は、試験膜1自体の上に形成された試薬ゾーン2内に貯蔵してもよい。本発明の他の実施形態では、試薬パッド5は試薬を含まず、その代わりに液体試薬受けパッドとして用いられる。当業者によって評価される通り、試験膜上に試薬パッドの代わりにかかる試薬ゾーンを形成することにより、試薬パッド構成要素を完全に排除することができる限りにおいて、製造の費用および複雑さは相当軽減される。この点では試験膜の非結合特性が、下記でより十分に考察される通り磁気的に捕捉線を形成する能力と相まって、試験ストリップを設計する必要性を排除し、それに多結合済み抗体によって規定された従来型の捕捉ゾーンに所与の流体試料が試薬と共に完全かつ正確に接触するように、流体試料は必ず順次、一方向に流れざるを得なくなる。
(吸収パッド)
(任意の)吸収パッド3は、試験手順を行う際に用いられるすべての液体容量を含むために十分な吸収能力を有するべきである。適した吸収パッド3材料の例は、綿繊維および吸収紙である。しかしながら上記で考察した通り、本発明の実施時に利用されるクロマトグラフ媒体が単に試験膜またはクロマトグラフ・プレートだけから成ることができる限りにおいて、吸収パッドは任意であり、先行技術のアッセイストリップでは通常必要とされる通りの、所与の試験試料のために流れ方向または移動経路を生成するかまたは発生させるための吸収パッドの使用は、必ずしも必要ではない。
(裏板)
磁気クロマトグラフィー試験ストリップ裏板4は、プラスチック、ガラスまたはその他の適した硬さの材料で作ることができる。裏板の長さは、いくつかの機能を果たすために望まれる通りに、試験膜およびパッドを支持するために必要な長さを超えることがある。例えば、かかる延長裏板長さは、取っ手部分を提供することができるか、または、下記でより十分に考察される通りの、個別試験ストリップおよび多モード測光器の較正を助けることのできるバーコード、蛍光マークおよびカラーマークのような情報を表示することができる。
【0049】
一回の分析で多試料を分析するために、本願ではさらに、かかる機能を果たすための新奇なアッセイストリップが開示される。図5aを参照すると、共通の裏板4上に平行な列の形で配列された多試験ストリップの上面図が示されている。裏板4は、上面および下面を有し、シートまたはロールの形を取ってもよく、好ましくは適切な色、厚さおよび硬さの不透明なプラスチック・シート材料から製造される。各々の試験膜1は、隣接する試験膜1の間の流体接触を避けるために十分に間隔をあけられる。吸収パッド3は好ましくは、試験膜1の一方の端に流体接触するように位置付けられる。図5bは、所定の列のすべての試験膜に流体接触した単一の共通吸収パッド3を用いて製造された試験ストリップの上面図を示す。試験膜1および吸収パッド3の配置は、試験ストリップの多数の平行な列
が有利にも裏板4のシートまたは連続ウェブ上に製造されるようなものである。試験ストリップの各列は、異なる列の個々の試験ストリップが互いに流体接触しないように十分に間隔をあけて位置付けられる。
【0050】
特定の検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせの存在を識別するために、本発明のこれらの新奇な方法は、本発明の試験ストリップの試験膜部分上の特定の部位に磁界を配置する。かかる磁界は、永久磁石または電磁石のような、いずれのタイプの磁気源によっても生成でき、試験膜の一部に印加された場合、所与の試料内に存在する磁性粒子であって試験膜を横切って横方向に流れている粒子が、磁界が印加された特定部位で概ね結合されるように選択的に位置付けられる。この点では印加磁界は、磁性粒子を引き付け磁性障壁を形成し、かかる障壁は、関心検体と錯体を形成し適切な標識と結合された磁性粒子を選択的に保持する一方で、残りの反応混合物がかかる障壁またはゾーンを横切って横方向に流れ続けることを可能にする。図5aおよび5bに示されたストリップに関しては、望まれる捕捉ゾーンまたは捕捉線を生成するために磁気障壁は、裏板4の下面のすぐ近くに張り合わされたかまたは置かれた棒磁石20を用いて形成される。棒磁石または磁化レール20は、各列内で試験膜1に対して垂直に、前記試験膜1の流体受け端と吸収端との間に位置付けられる。試薬ゾーン2は、各試験膜の流体受け端に位置付けられる。
【0051】
試験ストリップの周囲または上に磁界を選択的に印加することにより、試験膜の全域に位置する諸部位のうちの特定の部位に磁性粒子が磁界によって概ね固定化される限りにおいて、かかるストリップ上に捕捉線が磁気的に組み立てられる。よって、磁気的に結合されない残りの反応混合物構成要素は、試験膜内を、通常は移動経路内を吸収パッドに向かって横方向に流れ続ける。有利なことにかかる方法によって、2つ以上の検体、対照、キャリブラントまたはこれらの組み合わせを単一の試験ストリップ上で定量アッセイすることができるようになる。従って、本発明の1つの目的は、アッセイ、例えば生物学的アッセイの遂行に役立つ方法を提供することである。
【0052】
図1a〜1cおよび図2a〜2bに示された試験ストリップには、試薬パッドと吸収パッドとの間に試験膜部分が1つしか配置されていないように示されているが、試験ストリップを用いて単一の試験溶液内で2つ以上の検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせをアッセイする場合、試薬ゾーンまたはパッドのカスケードを第一の印加磁界から下流へ配置できることが、当業者によって認められるはずである。磁気クロマトグラフィーで用いることのできる流れ試験ストリップ組立品のいくつかの模式的な例が以下に示される。
単一アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜//吸収パッド
試薬パッド1//試験膜//吸収パッド
多重アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜/試薬ゾーン2/試験膜//吸収パッド
試薬パッド1//試験膜//試薬パッド2//試験膜//吸収パッド
反対多重アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜//吸収パッド//試験膜/試薬ゾーン2
試薬パッド1//試験膜//吸収パッド//試験膜//試薬パッド2。
ここで、
記号「/」は、単一クロマトグラフ媒体内の相境界を表し、
記号「//」は、2つの別個の媒体(クロマトグラフ媒体またはその他の媒体)が1つに合わさったものを表す。
【0053】
結果として、示された多重アッセイの例は、試験溶液を2つの磁性粒子群に遭遇させる
。試験溶液の流れは、試験ストリップの一方の端の試薬ゾーンまたはパッド1から、試験ストリップの反対の端の吸収パッドまでの一方向的な移動である。各試験膜に磁気障壁が位置付けられる。第一の磁気障壁は試薬ゾーンまたはパッド2の手前に試験膜を横切って位置付けられ、第二の磁気障壁は吸収パッドの手前に試験膜を横切って位置付けられる。試薬ゾーンまたはパッド2から出た試薬は、試験溶液内で追加検体を分析するために用いることができるか、または、較正もしくは品質管理を行うために用いることができる。
【0054】
示された反対多重アッセイの例は、別個の試験溶液からの全く同じ検体のアッセイを可能にする。これは、試験試料と同時にキャリブレータもアッセイしなければならない場合に有利である。試験溶液の流れは、各々の試薬パッドまたはゾーンから単一の共通吸収パッドへ向かうものである。各試験膜を横切って磁気障壁が位置付けられる。また、ロゼット、平行配列およびその他を含め、その他の多重アッセイ試験ストリップ構成で磁気クロマトグラフィーを利用できることも、本発明によって予期される。
【0055】
試験ストリップへの磁界の印加によって形成される捕捉線の幅(すなわち表面積)を操作するためには、磁石の数および試験膜、もしくは磁石の数または試験膜に印加される磁力の程度次第で、かかる捕捉線の幅を選択的に制御できることが予期せず発見された。この点では、捕捉ゾーンを形成することが求められる試験膜の真下に多数の磁石を互いに積み重ねることにより、かかる膜に印加される磁石の数が増すにつれて、それに応じて捕捉線の幅も増すことが発見された。当業者によって評価される通り、利用する磁力の程度を強めると、それによって生じる対応する捕捉線の表面積も増大し、結果としてかかる表面積を、単位面積当たりの濃度を突き止めるために利用することができる。これらの線に沿って、捕捉線または面積が広がるかまたは狭まるように磁界を操作することが極めて有益と判明することが予想される。例えば捕捉線の幅または表面積を操作することにより、そのようにして、顕微鏡を用いて個々の粒子の検査を促進するための手段を提供することもできる。同様に、細胞の母集団から標的細胞を単離して、その後、所定の適用向けに必要である通りにその顕微鏡検査を行うためにも、捕捉ゾーンのかかる選択的な操作を用いることができる。
【0056】
本発明の実施時に利用されること好ましい磁石の寸法に関しては、幅が0.003〜3.0インチで長さが0.010インチ〜100インチの棒磁石および磁化レール、もしくは棒磁石または磁化レールが利用できると現在信じられている。この点ではかかる磁石、特に磁化レールが、望まれる捕捉線を形成するために必要な程度の磁界を生成するようなサイズおよび構成にすることができ、所定の適用向けに当業者によって容易に確定できることが、理解されるはずである。
【0057】
図6aおよび6bを参照すると、本発明のアッセイを行うための試験ストリップの第三の実施形態が示されている。しかしながら、前述の実施形態と異なり、かかる試験ストリップは、磁性粒子を含む反応混合物がかかるストリップに導入される接触点で捕捉線を形成するように特に設計され構成される。この点ではその他の前述の実施形態とは対照的に、図6aおよび6bに示された実施形態に従った試験ストリップは、反応混合物が、吸収パッドから延びる一方向的な経路に従って試験膜を横切り、捕捉線が最終的に生成される際に用いられる磁界上に最終的に流れることを必要としない。
【0058】
先行技術の装置および方法と異なり、非特定的な結合により結合済み受容体の捕捉ゾーンから離れて拡散するかまたは別途、かかる捕捉ゾーンへの到達を抑制されることのできるアッセイを通じて検出が求められる検体の量は、当業者によって認められる通り、試験混合物が試験ストリップに接触する始発接触点に捕捉点を形成することによって有利に節約される。当技術分野では十分に認められている通り、一連の横方向流れのおかげで、従来のアッセイの利用を通じて検出が求められる検体のかなり部分は、検出されないままに
なる恐れが強く、かかる横方向流れは、反応混合物がアッセイに導入された時点から発生して、求められている捕捉線を形成する結合済み受容体にかかる反応混合物が接触する地点まで続かなければならない。
【0059】
初めに図6aを参照すると、かかる実施形態は、相対する第一および第二の端並びに中間部分を有する細長い裏板4を含んでいる。上記の通り、かかる裏板は、ガラス、プラスチックまたはその他の適した硬さの材料で作ることができる。裏板の相対する端の上には第一および第二の吸収パッド3’、3’’が形成され、かかるパッドによって、下記でより十分に考察される通り反応混合物は、試験ストリップに反応混合物が導入された接触点から、最終的に両側方向に流れる。裏板4のすぐ下に細長い磁石30が付けられて、さらなる分析用の捕捉線を生成するために利用される。それに代わって、顕微鏡適用の促進のような複数の利点をもたらすために、裏板4のすぐ下に近接して細長い磁石30を位置付けることもできる。
【0060】
第一の吸収パッド3’と第二の吸収パッド3’’と間の裏板4の中間部分上に形成され、磁石30の上方に中心を合わされた第一の垂直流れ網32および第二の横方向流れ網34が、設けられることが好ましい。図に示された通り、垂直流れ網32は、横方向流れ網34の上部に形成され、後者は、相対する側の第一および第二の吸収パッド3’、3’’に接触する。好ましくは横方向流れ網34の一部は、示された通り、部分的に第一および第二の吸収パッド3’、3’’のすぐ下に位置付けられる。反応混合物を導入するために、さらに好ましくは試料ウェル36が設けられて、反応混合物を第一の垂直流れ網32上に直接導入するように特に設計され構成され、かかる混合物がその後、両方向の流れを介して順次、横方向流れ網34へ、最終的には吸収パッド3’、3’’まで流れる。
【0061】
1つの好ましい実施形態に従って、垂直流れ網32は、ポリエステル、ナイロン、ガラス繊維またはその他の類似材料で形成され、試験溶液内に存在するような大きいごみを濾過して除去するために、かかる網を通過する下向きの流れを促進するような向きにする。横方向流れ網34も同様に、各々の吸収パッド3’、3’’への両方向流れを可能にするためにポリエステル、ナイロン、ガラス繊維またはその他の類似材料から形成される。また、横方向流れ網34は、金属スクリーン、金属化ポリエステルおよび同種の他のもののような、磁性特性を有する材料からも形成することができる。試料ウェル36は好ましくは、反応混合物内に存在する磁性粒子と反応しないように、プラスチック、特にポリ塩化ビニールのような非磁性材料から形成される。
【0062】
上記で考察された第一の網32と第二の網34との組み合わせのような網の配置を設ける代わりに、裏板4、より具体的にはその中間部分が織り表面を有するように形成し、かかる表面を、そこを横切って流れる試料の流れを方向付けるような構成および向きにできることが予想される。これに関しては、特に横方向流れ網34の代わりに、裏板4の中間部分を横切る試験溶液の横方向流れを引き起こすことのできる織り表面が、本発明の実施時に利用できることが予想される。
【0063】
図6bを参照すると、図6aに示された実施形態を用いてアッセイを行うことができる順序が示されている。最初に、反応混合物が試料ウェル36内に沈殿する。文字Aで示された毛管作用と下向き重力との両方により、反応混合物は順次、垂直流れ網32、横方向流れ網34を通過して最終的には、文字Bで示された横方向流れを介して吸収パッド3’、3’’に達する。しかしながら、関心検体と錯体を形成した磁性粒子は、裏板4のすぐ下に配置された磁石30によって規定された磁気ゾーン内で概ね結合される。従って、ほとんどの従来型の試験ストリップを通じて起こる通りの、反応混合物が最初に導入された地点から離れた地点とは対照的に、アッセイの出発点で磁性粒子が捕捉されることになる。それに代わって、裏板4上に直接形成されたかまたは取り付けられた織り表面の使用を
検討することができる。より具体的には、試験溶液の横方向流れを引き起こすことのできる織り表面を、横方向流れ網34の代わりに利用することができる。
【0064】
有利なことに、検出が求められる検体は節約して使われ、捕捉線の外側に拡散するかまたは別途結合することは可能でない。従って、かかる実施形態は、これまで利用できなかった高感度を提供する。これらの線に沿って、図6aおよび6bに示された実施形態が、癌細胞のような特殊なタイプの細胞およびその他の大型分子並びに生物学的構造の単離用に格別に有利であることが予想される。これに関しては、かかる構造のサイズと相まって、所与の試料内でのかかる構造の限られた数量(例えば、10mlの血液試料内で見つかる通りの500億個の細胞中1個の癌細胞)のために、かかる構造は、かつては単離して検出することが困難であった。この点ではかかる構造は、そのサイズのせいで、その存在を検出するために設けられた捕捉部位または標的部位に達することを物理的に妨げられる。かかる適用では、横方向流れ網34に利用される通りのナイロン網が、捕捉ゾーン(すなわち、磁石30によって生成された磁界)から離れたところでかかる網が反応混合物の横方向流れの速度をかなり増大させ、よって、非標的細胞の洗い流しを増大させることが示される限りにおいて、格別に有利であることが分かる。その結果、標的細胞を、より高い濃度で保持することができ、それ故、先行技術の手法よりも容易に検出できる。
【0065】
細胞の洗い流しを増大させる(すなわち、反応混合物からの標的細胞の分離および単離を促進する)ための、図6aおよび6bに示された試験ストリップ実施形態の能力をさらに高めるために、図7aおよび7bに示された両方向流れ試験ストリップが提供される。初めに図7aを参照すると、図6aおよび6bに示された試験ストリップと同じ構成要素が示されている。特に、相対する端に第一および第二の吸収パッド3’、3’’が形成された裏板4が設けられる。裏板4のすぐ下には、望まれる捕捉線を作り出すために必要な磁界を生成するために設けられた磁石30が配置される。さらに、垂直流れ網32および横方向流れ網34に引き続き試験ストリップに反応混合物を導入するための、試料ウェル36が設けられる。
【0066】
しかしながら、後者の網に関しては、かかる横方向流れ網34は、垂直流れ網32に対して概ね対角方向になるように設計される。当業者によって評価される通り、垂直流れ網32に対して横方向流れ網34を対角方向にすることにより、そこを通過して流れる反応混合物は、相対する吸収パッド3’、3’’へ流れる速度の増大を経験する。この点では反応混合物は、図6aおよび6bに示された実施形態に従って垂直方向に流れざるを得ない状態を回避し、従って、図6aおよび6bに示された実施形態を介した場合には反応混合物が遭遇していたはずの程度のインピーダンスを経験せずに済む。上記で考察した通り、対角方向にされた横方向流れ網34を利用する代わりに、中間部分が、そこを横切って流れる試料の指定経路および指定流速を規定するために機能する織り表面を有するようにしてもよい。
【0067】
図8〜10を、最初は図8を参照すると、性質上、多構成可能で、よって、これまで利用できなかった種々様々な適用で用いられることのできるアッセイシステム100が示されている。この点ではアッセイシステム100は、前述の原理および構造に頼ることにより、流体標本の捕捉および単離並びに節約を向上させるという前述の目的を達成するようにだけでなく、また、少数または多数の標本の効率的な取り扱いを可能にする単純かつ迅速で信頼できるシステムを提供するようにも、選択的に形づくることができる。同様にかかるアッセイシステム100は、下記でより十分に考察される通りの細胞単離、ソーティングおよび検索に関連するアッセイを行うために格別に効率的である。
【0068】
示された通りシステム100は、内部チャンバ104を規定するハウジング102を含む。ハウジング102は、好ましくはプラスチックおよび金属、もしくはプラスチックま
たは金属のような適した硬さの材料から形成され、潜在的に敏感な蛋白質、細胞およびその他の細胞構成要素の光劣化を最小限にするために黒色にされるが、ベース110上に取り付けるように構成される。下記でより十分に考察される通り、ハウジング102は、通常は機械的手段および接着手段、もしくは機械的手段または接着手段により、ベース110に永続的に付けられるように構成されるか、またはかかるベースに脱着可能に固定できるように形成される。
【0069】
ハウジング102の中心上に試料ウェル106が形成され、図に示された通り、概ね逆円錐形の構成で、開口108を規定するために先細になっている。当業者によって認められる通り、試料ウェル106は、関心検体を含む疑いのある反応混合物を沈殿させるための手段を提供し、かかる検体は最終的には、上記で考察した通りに捕捉され単離される。その目的のために、開口108を規定する試料ウェル106は、網の層112によって任意に規定できる標的領域上に、反応混合物を沈殿させ、かかる層は、ベース110上にあることが望ましく、任意にハウジング102とベース110と間に挟まれる。反応混合物の両方向流れを促進するために、ハウジング102の内部104は、吸収部材向けの空間を規定し、かかる部材は、試料ウェル106の両側上に配置されていることが示されている通り芯またはパッド114、116のような材料であってもよい。上記で考察した通り、パッド114、116は、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を含まない反応混合物部分を、横方向流れを介して引き離すために機能する。かかる磁性粒子に関しては、かかる粒子は、磁石118によって生成された磁界と接触するおかげで、標的領域上の沈殿点に保持される。上記で考察した通り、磁界は、当技術分野において知られている様々な手段によって生成することができ、ベース110の一部として組み込むか、ベース110に脱着可能に固定可能であるか、またはベース110から完全に取り外すことができる。これらの線に沿って、その上に関心検体が捕捉される標的領域は、従来型のカバー・スリップに従った4cm2の検査領域に比べ、およそ0.6cm2になることが予想される。
【0070】
図9を参照すると、図7のアッセイシステム100に従って構築されたアッセイの分解図が示されており、かかるアッセイは、考察されることになる理由により強化されたアッセイ機能を果たすように選択的に構築できる。図に示された通り、最も基本的な構成要素においてアッセイはハウジング102を含み、その上に試料ウェル106および開口108が形成される。試料ウェル106の相対する側に配置されハウジング102の内部に閉じ込められた吸収パッド114、116が、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を含まない反応混合物部分を引き出すために設けられる。さらに図に示された通り、網112を設けることができ、そこを横切って反応混合物が両側方向に流れるように、その上に吸収パッド114、116が載せられる。網112の中心上には捕捉領域120が配置され、アッセイを通して配置される試料が、控えめな単離領域で節約して使われ捕捉されるように、開口108の直接真下に来るように位置合わせされる。下記でより十分に考察される通りの捕捉領域120は、様々な形を取ることができ、第二の網の層を含むことができるか、または、図10に関連してより十分に考察される通り、強化された捕捉メカニズムを提供できる新奇な受けゲルを含むことができて、それを様々な生化学的機能を形成するように構成することができる。
【0071】
さらにベース110が設けられ、その他のアッセイ構成要素の構造的支持として役立つだけでなく、アッセイに関連する更なる処理を行うために有用である。これらの線に沿って、ベース110が従来型の標準的な顕微鏡用スライドの形を取り得ることが予想される。その上、細胞を捕捉するための構造としてベース110が利用される適用では、かかるベースを、細胞培養物の形成を開始するために利用することができる。当業者には認められるはずである通り、1ステップのアッセイプロセスによる細胞培養物の識別、単離および最終的な培養は、これまでは利用できず、試料内に存在する微量の細胞を検出して単離することができるという点のみならず、その後、細胞培養物を生成するためにかかる細胞
を直接培養することもできるという点でも、本発明に比べて効率および効果がはるかに低かった。
【0072】
図8および9に関連して考察したアッセイシステム100の構成要素の前述の説明を考慮して、以下では、所定のアッセイ手順を行うために強化された機能を有する特定タイプのアッセイを行うためには様々な構成要素をどのように選択的に選んで相互に接続することができるか、という点に関して考察する。
【0073】
示された実施形態では、アッセイシステム100は、単一スライド・ベンチ・トップ適用から連続高速大量処理スクリーニング環境まで動作可能で容易に規模変更可能である。特にかかるアッセイは、単一スライド・ベンチ・トップ適用、小バッチ試験、自動バッチ処理および連続高速大量処理スクリーニング(HTS)に利用できる。このような適用では、ベース110は、標準的な顕微鏡用スライドの形を取ることができ、ギルソン社およびテカン社のシステムのような既存の流体取り扱いシステムに容易に適合する。この点ではかかるシステムは、大バッチ処理および通路自動化を可能にし、大規模なロボット運搬システムおよびその他の高価な資本設備の必要性を排除する。
【0074】
細胞単離、ソーティングおよび検索を伴う手順向けには、アッセイシステム100を、特定の適用に適するように修正することができる。細胞工学および検索を伴う適用向けには、図8および9に示された基本的なアッセイシステムは好ましくは、ハウジング102、吸収パッド114、116、網112およびベース110から成り立つすべて脱着不可能な部分から形成され、かかるベースは好ましくは、顕微鏡用スライドの形を取る。かかる構成ではアッセイは、好ましくは4〜8mlの試料を取り扱うことができ、さらに、免疫蛍光分析のための試薬の順次添加を可能にする。染色の分析は、手動式またはデジタル式で倒立顕微鏡を通例40倍で用いて行うことができる。
【0075】
細胞工学および伸張適用向けには、アッセイを修正して、ハウジング102および吸収パッド114、116が選択的に除去可能で、よって、網112が所定の位置に残る。かかる構成は、標的細胞の簡単な培養方法および事後精製を可能にする(例えばトランスフェクション、薬物耐性など)。また、かかる構成は、免疫蛍光、FISHなどのような培養後分析用のプラットホームも提供する。培養物染色の分析は、手動式またはデジタル式で倒立顕微鏡を通例40倍で用いて行うことができる。
【0076】
細胞抵抗力および検索を伴う適用向けには、アッセイシステム100は、ハウジング、吸収パッド114、116および網112がベース110から除去可能であるように構成することができる。かかる適用では、ベース110上に標的領域(示されていない)が直接規定され、その上に精製産物がむき出しで残される。かかるアッセイは、マトリゲルのような薬物耐性試験用の改変媒体内に細胞を位置付けるためには理想的なものとなる。その上、かかる構成はさらに、FISH試験向けにも理想的な状況を提供する。その目的のために、かかる構造に従ったアッセイは、倒立型または従来型の手動式またはデジタル式の装置(10倍〜100倍から)を用いて、柔軟性のある顕微鏡評価に対応できることが好ましい。
【0077】
細胞ソーティングおよび順次検索を伴う適用向けには、ハウジング102が除去可能であるようにアッセイを構成することができる。その結果、吸収パッド114、116が取り付けられたままのベース110が残る。網112を選択的に形づくり、ベース110上の部位に残されるかまたはそこから選択的に除去されるように構成することができる。かかる構成は、FISH、免疫蛍光および細胞ベースPCRのようなアッセイのための試薬の順次添加を可能にする。
【0078】
図10に示された一層更なる改良例では、そこで捕捉される標的検体の捕捉、単離および考えられる更なる生化学的処理を促進するために機能するゲル120によって標的領域が規定できることが予想される。かかるゲルは、電気泳動および同種の他のものにおいて利用されるポリアクリルアミド・ゲルのような、当業者にはよく知られている様々な生物適合性ゲルのいずれをも含むことができ、細胞、細胞内構造、蛋白質、遺伝子および同種の他のものを捕捉して単離するための媒体として役立つ。かかるゲル120は、示された通りの網状の裏板112上に形成するかまたは別途、ベース110上に直接形成することができる。また、その他の基材(示されていない)も、標的領域地点でまたはその周囲でゲル120を支持するために利用することができる。細胞、細胞内構造などを捕捉して単離するためのゲル120の能力を高めるために、かかるゲルに、関心標的検体に特異的な受容体122を設けることができることが予想される。この点では、かかる受容体122を懸濁させるか、またはそれに代わって、受容体122を固相に結合させることによって、標的検体の捕捉および単離を向上させるための本発明のアッセイの能力を促進することができる。
【0079】
120として示されたゲルには、かかる受容体122に加えてかまたはそれとは別個に、図10に124として示されたその他の化学的修正子、試薬または酵素を設けることができ、それらは、関心検体のさらなる生化学的処理を提供するために機能することができる。検討される1つの適用は、さらなる単離および識別用に蛋白質を選択的に開裂させるかまたは別途、標的細胞内構成要素を消化するための消化酵素の使用を含む。その目的のために、望まれる試薬、受容体、酵素および同種の他のものを有するかかるゲル組成の形成および処方が、既知の手法を用いて当業者には容易に分かって行い得ることが予想される。さらに検討される適用では、ゲル120は、細胞の培養媒体として役立ち、よって、関心標的細胞の伸張または増殖を可能にし、よって、細胞培養物の形成をもたらすことができる。かかる目的を達成するためにゲル120の一部として、当業者にはよく知られている様々な栄養およびその他の培養媒体を組み込むことができることが予想される。
【0080】
有利なことに本発明のアッセイは、マイクロタイター・プレートよりも優れた柔軟性を提供し、細胞の部分母集団の分析アッセイに効率的に利用できると同時に、異常型のDNA、mRNA転写発現および蛋白質翻訳発現の存在を突き止める(同時FISH/IF)。同様に本発明のアッセイは、1つの自己完結型のユニットとしても細胞、蛋白質または遺伝子の単離およびソーティングに用いることができ、それによって、分離カラムの必要性を排除する。その上、ウェル106を通じた試料、試薬および細胞洗い溶液の直接添加のおかげで、細胞移転ステップを排除し、アッセイ手順を実に速め、細胞捕捉を向上させ、細胞損失を減らし、過誤の機会を最小限に抑える。これらの線に沿って、ハウジング102とベース110との間の相互接続が1つ以上の開口を規定し、かかる開口が通路を規定し、かかる通路を通じて更なるアッセイ後評価および操作を行うことができるように、本発明のアッセイを特に構成できることが更に予想される。例えば、ハウジング102とベース110との間の相互接続が検討され、かかる構造が永続的に付けられたものであろうと、互いに脱着可能であろうと、かかる要素102、110は、1つ以上の通路を規定するために協同することができ、かかる通路を通じて、細胞試験を行うことができるかまたは別途、細胞試験によって試薬が導入されて細胞の溶解/消化を促進し、およびその他の試薬が導入されて、もしくは細胞の溶解/消化を促進し、またはその他の試薬が導入されて標的蛋白質、細胞小器官および同種の他のものの分離および単離を促進することができる。
【0081】
当業者によって評価される通り、本発明のアッセイは、その多機能構成のおかげで、特に薬物発見分野での利用に関して、幾つかの適用において利用できる。その目的のために本発明のアッセイは、効力および潜在的毒性に関して、細胞に対する化合物の影響を突き止めるために格別に効果的である。よく知られている通り、純粋細胞母集団の発現プロフ
ァイルを区別するために利用される現行の手法、先進の分離手法および新奇な遺伝子発現方法は、複雑で費用が掛かり、労働集約的で規模変更が容易でない。本発明のアッセイは、先行技術のかかる欠点を克服するだけでなく、実際に、遥かにより広範な適用を有する。これらの線に沿って本発明のアッセイは、標的識別手順と標的確認手順との両方を形成する点で格別に効果的である。前者の手順に関しては、細胞単離、細胞小器官またはソーティングおよび蛋白分画のような手順が含まれ、後者に関しては、特定的な蛋白質分離、免疫アッセイおよび分子分析を伴う可能性があり、しばしば、機能的かつ構造的に無傷のままの細胞、蛋白質または遺伝子の捕捉および単離が必要とされる。しかしながら時にしばしば、かかる標的は壊れやすいか、膜結合であるか、またはサイズが格別に小さいかもしくは大きい。しかしながら、かかる困難な特性または特徴にもかかわらず、本発明のアッセイは、先行技術よりも優れたやり方でかかる標的の分離および単離を促進するために十分に適している。
【0082】
さらに本発明は、内部に多モード測光器が含まれる新奇な分析器を含み、かかる測光器は、試験ストリップ上の単一の焦点で前面の蛍光(蛍光測定モード)、冷光(冷光測定モード)および反射率(密度測定モード)を測定することができる。単一の焦点での多数の光学的方法の利用は、個別捕捉線の品質および構造に関する情報のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量に関する情報をも提供する。よって、本発明の1つの目的は、2つ以上の光学的方法を用いて重要な試験ストリップ位置を検索することにより、試験ストリップに関連する正確さおよび精度の問題を最小限に抑えることである。
【0083】
図3aに示される通り、多モード測光器は、光学的キャノピー9aおよびベース9bから成り、それらは協同して光トンネル9を形成する。光トンネル9は、光経路を形成するために、光源および光検出器を磁気源および試験膜、クロマトグラフ・プレートなどと位置合わせする。この点ではベース9bは、前述の多様さの試験ストリップを収容するために内部に形成された通路を含む。さらに好ましくはベース9bは磁気源を含み、かかる磁気源はベース9b内に固定されるかまたは通路に対して固定され、よって光トンネル9内の指定された位置に、望まれる捕捉線を生成する。例えば、磁石のような磁気源が光トンネルのベース9bの真下に置かれ、その上方に位置する通路内に試験ストリップがあるようにすることができる。
【0084】
光キャノピー9aは、光源を透過することができる天井と、結果として生じる反射光を外部に放射することができる傾斜側壁とを有するように形成される。当業者によって認められる通り、多モード測光器、より具体的にはそれによって規定される光トンネルは、PVC、ABSまたは陽極酸化アルミニウムを含めそれらに限らず、様々な適した不透明材料のいずれからも押し出し成形、機械加工または型成形することができる。従って、本発明の光トンネル9は、安価な材料から安価に作ることができる。
【0085】
図3bを参照すると、本発明の多モード測光器を用いて試験ストリップを分析するために利用される構成要素が、模式的に示されている。最初に励起経路6が、光源7から、光トンネル9のベース9bにある焦点8まで形成される。容易に理解されるように、所与の試験膜またはクロマトグラフ・プレート上に捕捉線を形成するためにベース9b内に組み込まれた磁気源は、かかる磁気源によって生成された捕捉線に励起経路6が直接向くように、かかる経路6と正確に位置合わせされる。正当に評価されるように、使用できる多くの適した光源の中には発光ダイオード(LED)、レーザ・ダイオード、水銀蒸気灯およびキセノン灯がある。必要な場合には、励起波長6を選択するために光フィルタ10を用いることができる。この励起フィルタ10は、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。ただし、かかるフィルタが、光源と試験ストリップ11との間の励起経路6内にあることを条件とする。試験ストリップ11が光トンネル9内に挿入されると、か
かるストリップは、ベースの所定の位置に保持され、焦点8で励起経路6と交差する。
【0086】
放射経路12が、焦点から、1つ以上の光検出器13まで形成される。開口が、各光検出器13を焦点8と光学的に位置合わせする角度で、キャノピー壁9aに放射状の幾何学的形状を用いて位置付けられる。放射光を光検出器13へ透過するために、光パイプ、光ファイバーおよびその他の導波管を用いることができる。励起光6は、焦点8で、試験ストリップ11上に存在する蛍光体を励起し、かかる蛍光体がその後、より長い波長の光12を放射する。冷光を用いる場合、励起光6は必要なく、冷光測定時には省略することができる。放射フィルタ14が、蛍光または冷光から放射された光の放射波長12を特に選択して励起光6の痕跡を除去するために用いられる。当業者によって評価される通り、かかる放射フィルタ14は、光検出器13と試験ストリップ11との間の反射経路12内にあることを条件として、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。
【0087】
また、反射経路15も、焦点8から、1つ以上の光検出器16まで形成される。かかる反射経路15は、励起光6と放射光12との両方を伝える。必要な場合には、試験ストリップから反射された光の励起波長6を特に選択して放射光12の痕跡を無効にするために、励起フィルタ10を用いることができる。この励起フィルタ10は、光検出器16と試験ストリップ11との間の反射経路15内にあることを条件として、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。
【0088】
フィルタ10および14は、帯域外透過を遮るやり方により当技術分野では干渉フィルタとして知られているタイプのものであってもよい。これに関しては干渉フィルタは、その特徴的な帯域通過外では極めて低い透過しか示さず、従って、望まれる励起波長および放射波長を選択するために非常に効率的である。
【0089】
当業者には更に正当に評価されるはずである通り、光トンネルは、測光測定を同時に行うことができる多焦点を有することができ、有利なことに試験ストリップ上の多数の点を、試料分析および較正、もしくは試料分析または較正に使用できるようにする。かかる適用では、LED、光ダイオードおよび干渉フィルタのような光学的構成要素を、光トンネルに沿って各焦点に集めることができる。
【0090】
図4aおよび4bにあらかじめ示された通り、多スペクトル分析に利用できる通りの2つの光クラスタを装備した光トンネルの異種の図が示されている。光源7(LED7aおよび7bが示されている)は、励起フィルタ10(フィルタ10aおよび10bが示されている)の上方に位置付けられ、かかるフィルタが次には、各励起開口(示されてない)を覆う。図4cの横断面図に示された通り、4つの光ダイオードのうちの2つ、13a、16aがフィルタ10、14と共に、キャノピー9a上に取り付けられる。棒磁石20aが、図4cに示された通りに、光トンネルのベースの各焦点8の真下に位置付けられ、各位置で適切な分光測光分析を行うことができる。
【0091】
前述の考察から明白であると思われるが、本発明の新奇な磁気アッセイおよび方法が多様な適用で利用できるという様々な例を以下に示す。当業者によって評価される通り、以下の例での考察目的のため「試験溶液」という用語は、試験試料、試験キャリブレータまたは試験対照材料を意味することができる。
(実施例1)
試験ストリップは、図1で示された説明に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長される。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他試薬を乾燥形態で含む。
【0092】
試験ストリップ11は、吸収パッド3の端を先にして光トンネル9内に挿入される。試験ストリップ上の指標は、分析器により較正情報として解釈される。例えば分析器は、かかるバーコードが両方の焦点8aおよび8bで読み取られたことを検証し、光検出器13および16の反射率値および蛍光値を記憶する。較正情報および測定値は、個別捕捉線の品質および構造のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量をも検証して各光モジュールの性能を検証するために、分析器により用いられる。
【0093】
別個の容器で操作者は、測定量の試料を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、試料内に存在するHCG分子に協同的に結合するビオチン共役抗HCGβおよび蛍光微小球共役抗HGCαを含む。
【0094】
測定量のこの反応混合物が、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布される。それによって、懸濁型の磁性粒子のみならず試薬ゾーン2上で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物が形成される。磁性粒子は、HCGと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン共役、および抗HCGα共役に結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0095】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20を用いて印加された磁界に遭遇する。印加磁界は、磁性粒子を引き付けて磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子を焦点8に選択的に保持する一方で、反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0096】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された蛍光微小球の量が減少する。
【0097】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が磁石20によって保持されるにつれて低下する。焦点8bの反射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果との間の差を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。これによって分析器は、焦点8aで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断して、溶血しているかまたはビリルビンのような発色団を大量に含む試料を拒絶することができるようになる。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は無効と判断され、結果は報告されない。
【0098】
また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8bの放射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果と間の差、非特異的な結合を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。分析器は、焦点8bでのブランク放射測定値と焦点8aでの試験放射測定値とを比較し、HCG濃度を計算する。
(実施例2)
実施例2は、次のような違いを除き、実施例1に倣う。
【0099】
試薬ゾーン2は、試料内に存在するHCG分子に協同的に結合するストレプトアビジン共役磁性粒子、ビオチン共役抗HCGβおよび蛍光微小球共役抗HCGαを含め、単位用量乾燥形態に事前包装されたすべての試験試薬を含む。また、試薬ゾーン2は、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試料も乾燥形態で含む。
【0100】
操作者は、試薬ゾーン2に直接、測定量の試験溶液を加える。
(実施例3)
実施例3は、次のような違いを除き、実施例2に倣う。
【0101】
抗HCGαは、蛍光微小球の代わりにアルカリ・ホスファターゼを用いて共役される。
測定量の洗い溶液の添加後、試薬ゾーン2に測定量の蛍光基材を加える。
(実施例4)
実施例4は、次のような違いを除き、上記のすべての実施例に倣う。
【0102】
実施例4は、上記の各実施例の試薬ゾーン2を試験パッド5と置き換える。
(実施例5)
試験ストリップは、図1に示された指示に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長する。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬を乾燥形態で含む。
【0103】
別個の容器で操作者は、測定量の試験溶液(細胞、細胞溶解物、全RNAを含む)を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、クラミジアに特異的なビオチン化オリゴ(dT)プローブおよび5’蛍光染料標識付きDNA交雑プローブを含む。
【0104】
測定量のこの反応混合物を、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布する。反応混合物は、試薬ゾーン2に接触するにつれて、懸濁型の磁性粒子のみならず試薬ゾーン2内で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物を形成する。ビオチン化オリゴ(dT)プローブは特に、試験溶液内に存在する全てのmRNAの3’ポリ(A)領域と交雑する。結果として全てのmRNAが、ビオチン/ストレプトアビジン結合を介して磁性粒子に結合される。対照的に標識付き交雑プローブは、標的mRNAにのみ結合する。磁性粒子は、クラミジアmRNAと協同的な錯体(ハイブリッド)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン化オリゴ(dT)プローブ、およびクラミジアに特異的な蛍光染料標識付きDNA交雑プローブに結合する。よって蛍光染料は、反応混合物内に存在するクラミジアmRNAの量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0105】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20を用いて印加された磁界に遭遇する。印加磁界は、磁性粒子を引き付けて磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子を焦点8に選択的に保持する一方で、反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0106】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された標識付きDNAプローブの量が減少する。
【0107】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が磁石20によって保持されるにつれて低下する。焦点8bの反射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果との間の差を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。これによって分析器は、焦点8aで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断して、溶血しているかまたはビリルビンのような発色団を大量に含む試料を拒絶することができる。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は
無効と判断され、結果は報告されない。また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8bの放射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果と間の差、非特異的な結合を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。分析器は、焦点8bでのブランク放射測定値と焦点8aでの試験放射測定値とを比較し、クラミジア濃度を計算するか、または単に、試験溶液内にクラミジアが存在するか否かを判断する。
(実施例6)
磁気クロマトグラフィーとその他の検出方法とを併用することができる。この実施例ではX線フィルムが、トランスフェクション済み細胞の母集団内で標的DNAの存在を検出するために用いられる。各試験溶液内に存在するCDNAのPCR増幅は、P32標識付きヌクレオチドを用いて達成される。増幅されたDNAは、ストレプトアビジン共役磁性粒子を含む試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布された反応混合物を形成する5’ビオチンDNA交雑プローブを用いて交雑される。
【0108】
図5bに示された寄せ集めの試験ストリップを利用して、反応混合物の塗布後の試薬ゾーン2に洗浄液が塗布される。
X線フィルムのシートが、前記試験ストリップ配列の上部に置かれ、適した長さの時間、曝露される。
【0109】
標的DNAに対する陽性を試験された試料に位置的に対応する可視帯が、現像されたX線フィルム上に見られる。
(実施例7)
実施例7は、次のような違いを除き、実施例6に倣う。
【0110】
前記PCR増幅は、5’蛍光染料標識付きプライマーを用いて達成される。
前記試験ストリップ配列は、蛍光走査器内に位置付けられる。
前記蛍光走査器が、標的DNAに対する陽性を試験される試料に位置的に対応する蛍光帯を検出する。
(実施例8)
実施例8は、次のような違いを除き、実施例1に倣う。
【0111】
前記裏板4は顕微鏡用スライドである。
前記磁石が20は、前記試験膜1の上方に、磁石20が試験膜1に接触しないように位置付けられる。
【0112】
蛍光顕微鏡が、磁性粒子に結合した個々の蛍光微小球を計数するために用いられる。
(実施例9)
試験ストリップは、図1に示された説明に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長される。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役0.86ミクロン磁性粒子、抗マウスIgG共役150nm磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬を乾燥形態で含む。
【0113】
試験ストリップ11は、吸収パッド3の端を先にして光トンネル9内に挿入される。試験ストリップ上の指標は、分析器により較正情報として解釈される。例えば、分析器は、かかるバーコードが両方の焦点8aおよび8bで読み取られたことを検証し、光検出器13および16の反射率値および蛍光値を記憶する。較正情報および測定値は、個別捕捉線の品質および構造のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量をも検証して各光モジュールの性能を検証するために、分析器に対して用いられる。
【0114】
別個の容器で操作者は、測定量の試料を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、試料内に存在するFSH分子に協同的に結合するビオチン共役ヤギ抗FSHβおよび蛍光微小球共役ヤギ抗FSHαを含む。また、試験試薬は、試料内に存在するFSH分子に協同的に結合するマウス抗LHβおよび蛍光微小球共役ヤギ抗LHαも含む。
【0115】
測定量のこの反応混合物が、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布される。反応混合物は、試薬ゾーン2に接触するにつれて、懸濁型の0.86ミクロンおよび150nmの磁性粒子のみならず試薬ゾーン2上で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物を形成する。0.86ミクロン磁性粒子は、FSHと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン共役、および抗FSH共役αに結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。150nm磁性粒子は、LHと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのマウス抗βLH共役、およびヤギ抗αLH共役に結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0116】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20aを用いて印加された第一の磁界に遭遇する。かかる印加磁界は、磁気障壁を生み出すために十分な強さであり、かかる障壁は、0.86ミクロン磁性粒子を焦点8aに選択的に保持する一方で、懸濁型の150nm磁性粒子を含む反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0117】
反応混合物内に懸濁した150nm磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20b(示されていない)を用いて印加された第二の磁界に遭遇する。第二の印加磁界は、前記第一の印加磁界よりもかなり強い。この第二の印加磁界は磁気障壁を生み出し、かかる障壁は、150nm磁性粒子を焦点8bに選択的に保持する一方で、反応混合物がこの第二の磁気障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0118】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された蛍光微小球の量が減少する。
【0119】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が第一の磁石20aおよび第二の磁石(示されていない)によって保持されるにつれて低下する。焦点8aおよび8bの反射光強度は、焦点8aおよび8bで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断するために用いられる測定値である。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は無効と判断され、結果は報告されない。
【0120】
また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8aおよび8bの放射光強度はそれぞれ、FSH濃度およびLH濃度を計算するために用いられる。分析器は、かかるパラメータに基づき、これらの放射光強度を、既知の濃度のFSHおよびLHを含む試験溶液の放射光強度と比較し、FSH濃度およびLH濃度を計算する。本発明において意図された精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して様々な追加、削除、修正および変更を行い得ることが、さらに理解されるべきである。この点では、本願において形成される磁気発生的な捕捉線に加えて追加的な捕捉線が、試験膜上に形成された結合済み受容体の
使用を組み込んだ従来の試験ストリップアッセイに従って形成できることが、明確に認められるべきである。
(実施例10)
試験ストリップは、図7aおよび7bに示された説明に従って製造される。裏板4は顕微鏡用スライドから形成される。横方向流れ網34(クロマトグラフ媒体または固定相)は、ナイロン繊維織物から構築された孔径105ミクロンの網から成る。各々の網32、34の端は、適した粘着テープを用いて顕微鏡用スライド裏板4に接着される。これによって、接着剤の付いていないゾーンが生じ、顕微鏡用スライド裏板4に横方向流れ網34が直接接触することを可能にする。ウェル36は、試験溶液の両方向流れBを妨げない適した接着テープまたはその他の機械的手段を用いて、各々の網32、34に同軸的に取り付けられる。吸収パッド3’、3’’は、ほぼ等しい寸法で、液体試薬、試験溶液、洗い溶液および同種の他のものの合算容積よりも大きい総吸収能力を有する。図7aおよび7bに示された通り、両方の吸収パッド3’、3’’は横方向流れ網34に流体接触する。
【0121】
別個の容器で操作者は、測定量の試料(例えば、癌細胞を含む疑いのある末梢血または骨髄)を測定量の試験試薬に加えることができ、反応混合物(移動相)を形成するためにそれらを混ぜ合わせる。必要に応じて、試験試薬と混ぜ合わせる前に試験溶液から赤血球を除去するために、一般的な検査室手順を用いることができる。試験試薬は、少なくとも1つのヒト癌細胞タイプに特異的な抗体を用いて共役された磁性粒子を含むことができる。これらの抗体は、標的癌細胞タイプに結合してそれらを磁性体にする。その後、かかる癌細胞タイプに特異的な蛍光染料標識付き抗体の測定量が、かかる反応混合物に加えられる。これらの抗体は、かかる癌細胞タイプ上の残りの利用可能部位に結合してかかる部位を蛍光体にすることができる。従って反応混合物は、磁気と蛍光性との両方を付与された癌細胞タイプを含む。
【0122】
戦略的に試験ストリップは、ウェル36の下部の開口が棒磁石30の上方に位置するように棒磁石30の上方に位置付けられる。本発明の1つの実施形態では、ウェル36の下部の開口は、棒磁石30によって完全に囲まれる。反応混合物がウェル36内に沈殿する。その後、重力により、反応混合物はウェル36を通過し、垂直網32に接触するまで方向Aに沿って下降する。垂直網32に接触すると反応混合物は、毛管作用と重力との組み合わせにより、垂直網32内の孔を通過することを余儀なくされる。次いで反応混合物は横方向流れ網34に接触することが可能で、かかる網によって、流体の反応混合物は毛管作用により両側方向B’、B’’に運ばれ、ついには前記反応混合物は吸収パッド3’、3’’に吸収されるに至る。
【0123】
反応混合物内の磁性粒子および磁気標識付き細胞は、ウェル36から横方向流れ網34まで流れている間に、棒磁石30によって印加された磁界に遭遇する。印加磁界は磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子および磁気標識付き癌細胞の大部分を狭い捕捉ゾーン内に選択的に保持する。残りの非磁性反応混合物は、この障壁を横切って吸収パッド3’、3’’まで両側方向Bに流れ続けることができる。
【0124】
反応混合物の添加後、ある量の洗い溶液をウェル36内に沈殿させることができる一方で、試験ストリップは、棒磁石30の上方の所定の位置に留まる。磁気標識付き標的細胞および磁性粒子は、磁気障壁によって保持されたままであるが、非標的細胞および非結合蛍光抗体は捕捉ゾーンから洗い流される。
【0125】
上記の方法を利用することにより、1億を超える数の細胞を単一の顕微鏡用スライドに適用することができる。かかる方法によって、生成し検査しなければならない画像の数が48,000から40未満に減少する。先行技術の細胞検査手法の決定的な欠陥であることが知られている転送ステップの際に細胞が失われることがないように、スライド上に細
胞を直接捕捉することの利点を当業者は直ちに認めるはずである。
(実施例11)
実施例11は、次のような違いを除き、実施例10に倣う。
【0126】
試験ストリップは、図7に示された説明に従って製造される。裏板4は、ポリカーボネートまたはアクリルのような光学的に透明なプラスチックを用いて作られた顕微鏡用スライドから形成される。クロマトグラフ媒体または固定相34は、製造プロセス(例えば射出成形、ホット・スタンピングまたは鋳造)の際に顕微鏡用スライドの上面に直接形成されたテクスチャから成る。かかるテクスチャは、毛管力による試験溶液および試薬の横方向流れを実現するために適した形を取ることができる。
【0127】
本発明において意図された精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して様々な追加、削除、修正および変更を行い得ることが理解され正当に評価されるべきである。これに関しては、本発明の様々な好ましい実施形態が特に磁気発生的な捕捉線および手法に関して特定の実施例を用いて説明されてきたものの、決して本発明がそれらに限定されると見なしてはならないことが理解されるべきである。それに応じて、すべての追加、削除、修正および変更が以下の請求の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1a】本発明の方法の実施法を用いるアッセイ試験ストリップの斜視図(試験ストリップは、第一の好ましい実施形態に従って構築される)。
【図1b】図1aに示されたアッセイ試験ストリップを成す構成要素の分解図。
【図1c】図1aに示されたアッセイの側面図。
【図2a】本発明の第二の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの分解斜視図。
【図2b】図2aに示されたアッセイ試験ストリップの側面図。
【図3a】本発明の方法の実施で利用される通りの、1つの好ましい実施形態に従って構築された多モード測光器の横断面図。
【図3b】図3aに示された多モード測光器の横断面図およびブロック線図。
【図4a】図3に示された多モード測光器の斜視図。
【図4b】図3に示された多モード測光器の上面図。
【図4c】図3に示された多モード測光器を成す構成要素の分解横断面図。
【図5a】複数の試料から1つ以上の検体の存在および数量を検出する際に用いる、共通の裏板上に平行な列の形で配列された多試験ストリップの上面図。
【図5b】多試験膜と流体接触した単一の共通吸収パッドを利用する、概ね直線状に配置されている、多試験ストリップの上面図。
【図6a】本発明の第三の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの上面図。
【図6b】図6aに示された試験ストリップの側面図。
【図7a】本発明の第四の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの上面図。
【図7b】図7aに示されたアッセイ試験ストリップの側面図。
【図8】本発明の1つの好ましい実施形態に従って構築された多構成可能なアッセイシステムの分解斜視透視図。
【図9】図8に示されたアッセイの原理に従って構築されたアッセイの分解図。
【図10】図9に示されたアッセイの網上に沈殿したゲル層であって、そこに存在する標的検体の捕捉、単離およびさらなる生化学的処理の促進に用いる層の分解図。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【技術分野】
【0001】
リガンド・受容体アッセイまたは免疫学的アッセイは、当技術分野ではよく知られている。1971年の導入以降、かかるアッセイは、所与の流体試料内に存在する疑いのある微量のホルモン、薬物、抗体およびその他の物質を検出するために様々な適用で利用されてきた。この点では、酵素、抗体、遺伝子プローブおよびその他の試薬を装備した調査装置によって、種々様々な適用において、ほとんどの関心化合物向けに化学的検出方式を作り出すことが可能となった。これらの適用の中には、医薬および食料品の商業生産、食品安全性、医学的、獣医学的および農学的環境における疾病の診察および治療、環境内における毒素の検出および根絶がある。時宜に適い、信頼できる、費用対効果の大きいやり方で化学的検出を行うという要求事項は、かかる適用のすべてに共通する。
【0002】
一般に、生物学的アッセイ方式は、汎用の計器を装備した検査室で用いるために適した形式で開発され特徴付けられる。これらの形式の例は、試験管、キュベット、マイクロタイター・プレート、カラムおよび電気泳動ゲル内で行われる免疫学的アッセイおよびDNA交雑を含む。これらの形式は通例、複雑な操作手順を含み、濃度の異なる関心検体を含む幾つかのキャリブラントを用いての頻繁な較正を必要とする。結果として、かかる形式に関連する操作のコスト高および複雑さにより、広範な利用は制限される。
【0003】
かかる弱点に対処するために、免疫学的アッセイの開発者およびエンドユーザはますます、試験管、キュベット、マイクロタイター・プレート、カラムおよび電気泳動ゲルを用いる従来型の生物学的アッセイ形式を、試験ストリップとして知られる薄膜クロマトグラフ装置に置き換えていっている。当技術分野では知られている通り、化合物の免疫化学的検出に用いられる試験ストリップの大部分は、いわゆる横方向流れ試験ストリップで、かかるストリップでは、試料および試薬が試験ストリップ平面内を流れる。有利なことに、試験ストリップ形式で構成されたアッセイは、迅速に結果を出すことができ、従来型の形式よりも操作が簡単で、費用対効果が大きい。加えて、かかる試験ストリップアッセイは非熟練労働者でも利用でき、現場で(すなわち検査施設外で)結果を出すことができる。(関連出願の相互参照)
本願は、2002年2月5日出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING MAGNETIC CHROMATOGRAPHY ASSAYS」という標題の係属中の米国特許出願第10/068,040号の一部継続出願であり、かかる特許出願は、2000年9月25日に出願されて現在、2004年3月30日付けの米国特許第6,713,271号として発行済みの米国特許出願第09/668,966号の分割特許出願であり、かかる米国特許は、1999年10月15日に出願されて現在、2000年10月24日発行の米国特許第6,136,549号として発行済みの米国特許出願第09/418,864号の一部継続出願であった。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載:
該当なし
【背景技術】
【0004】
一般にかかるアッセイは、所与の試料内でかかる検体の濃度を突き止めるために、受容体による検体の結合を頼みにしており、通常、競合的または非競合的なものとして特徴付けられる。非競合的なアッセイは一般に、アッセイで突き止めることになる検体の濃度を上回るかなり過剰な受容体を利用する。かかる非競合的な免疫学アッセイの代表例はサンドイッチアッセイを含み、かかるアッセイは、検体に2つの受容体を結合させることにより検体の存在を検出する。かかる配置では、通常は抗体である第一の受容体は、固相に結合され、検体が存在する場合にはそこにかかる検体が付着する。放射性、蛍光性もしくは
酵素性の染料またはその他の検出可能な部分(まとめて追跡子と呼ぶ)を含むことができる標識と共有結合した第二の受容体は、アッセイに導入された結果として、リガンドが存在する範囲まで結合済みリガンドに結合し、その後、かかるリガンドの存在に一致するシグナルを生成する。試料が関心分子を含まない場合、標識付き受容体は無反応のまま、固定化受容体を通り過ぎ、結果として膜には変化が生じない。かかる非競合的な免疫学的アッセイは、主として、蛋白質のような大型分子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)のような多結合部位を有する大型のホルモンまたは分子の検出に役立ち、通常、結合部位が1つだけの小型分子は扱わない。
【0005】
対照的に、競合的なアッセイは一般に、リガンド受容体によって提供される限られた数の結合部位の検出を可能にするために、所与の試料内に存在するリガンドと、追跡子/標識と共有結合したリガンド類縁体との間の競合を伴い、かかる受容体は通常、固相に結合した抗体を含む。かかるアッセイは特に、薬物および薬物代謝産物のような小型分子を検出するために適している。このような状況において、蛋白質に共有結合した薬物類縁体が利用され、その後で、かかる蛋白質が膜上に固定化される。その後、かかる薬物に特異的な抗体が標識付けされ、多孔パッド上に固定化される。所与の検体を含む疑いのある試料が加えられると、かかる試料は、標識付き抗体を溶解して固定化薬物・蛋白質領域に接触させる。試料内に薬物がほとんど無いかまたは全くない場合、大量の標識付き抗体は、固定化薬物・蛋白質領域に結合され、結果として、検出可能なシグナルを生み出す。試料が大量の薬物を含む場合、標識付き抗体は固定化薬物・蛋白質領域に、ほとんどかまたは全く結合されず、よって次には、シグナルをほとんどかまたは全く生み出さない。
【0006】
今日、迅速な免疫学的アッセイは一般に、接着剤で被覆されたプラスチック製の裏板から成り、かかる裏板上に、数枚の多孔パッドおよび1片の蛋白質結合膜が取り付けられる。かかる膜は通常、結合相手(すなわち受容体またはリガンド類縁体)を染み込ませた部分を含む。通常は第二のパッドが設けられ、かかるパッドは、標識付き標的分子または標識付き抗体蛋白質との結合膜を含む。標的リガンドを含む疑いのある試料が免疫学的アッセイに接触すると、かかる試料は、標識付き要素または追跡子を溶解し、その後、蛋白質結合膜の毛管作用によって、溶解した追跡子を含む試料が、染み込んだ結合相手に接触する。この反応が起こると、結合膜の外観に変化が生じ、かかる試料内に存在する疑いのあるリガンドの有無の質的表示を提供する違いが現れる。
【0007】
この形の試験ストリップの代表例は、2本の平行線(捕捉線として知られている)を試験膜上に視覚的に表示するものである。捕捉線は、製造時に試験膜に事前塗布された固定化捕捉試薬または受容体から成る。この点では、事実上すべての先行技術の両アッセイは、競合的なものであろうと非競合的なものであろうと、通常、上記で評価された通り、膜上に固定化された受容体を配置する。代表的な横方向流れ試験ストリップの構造の模式的表現は次の通りである。
試薬パッド//試験膜/捕捉線/試験膜/捕捉線/試験膜//吸収パッド。
ここで、
記号「/」は、単一クロマトグラフ媒体内の相境界を表す。
記号「//」は、2つの別個の媒体(クロマトグラフ媒体またはその他の媒体)が1つに合わさったものを表す。
【0008】
2本の捕捉線のうち1本は、試験ストリップ性能が損なわれていないことの表示として役立つ。この点では、かかる捕捉線は、アッセイの品質保証および完全性を提供することによって、個々の試験ストリップ性能が大いに異なり得る限り必要であると一般に考えられる重要な機能を果たす。かかる捕捉線の2本目は、最低濃度(閾値濃度)を超える量の検体を試料が含む場合にのみ、見えるようになる。かかる先行技術のシステムおよび方法の模範例は、特許文献1および特許文献2を含み、かかる各特許の教示は、参照により本
願中に明確に組み込まれる。
【0009】
残念なことに、代表的な試験ストリップ形式アッセイは、費用対効果の大きさおよび利用の簡単さにもかかわらず、従来型の形式よりも正確さおよび精度が低く、検体の存在に対する感度が低い。かかる弱点の結果として、試験ストリップ形式アッセイの適用は、半定量アッセイまたは定質アッセイに限られてきた。試験ストリップ形式アッセイの不正確さおよび不精密さに寄与する重大な要因の中には、捕捉線の製造および使用が含まれる。広く認められている通り、一貫して均一な捕捉線の製造は、狭い許容差内で動作しなければならない厳正な仕様による複雑な材料制御プロセスおよび製造プロセスを必要とする。その上、適切に機能するためには、ほとんどの試験ストリップ形式は、検出されることになる検体が試験ストリップ上の正確な位置で正確な幾何学的形状で均一に捕捉されなければならず、試験ストリップの製造時に存在する周囲湿度、かかる製造プロセスで利用される膜のタイプ、および捕捉試薬・受容体それ自体のような要因が、アッセイの不正確さおよび誤読み取りに大いに寄与する。免疫学的クロマトグラフアッセイでの蛋白質捕捉試薬の結合に関連する弱点に関する詳細な考察は、非特許文献1に見られ、かかる著作の教示は、参照により本願に明確に組み込まれる。
【0010】
更なる重大な欠点は、事実上すべての試験ストリップ形式アッセイが、一連の概ね直線状の構成を有するように形成されて、かかる構成を横切る必要な横方向流れを促進するという事実である。かかる流体試料が必ず、出発点から試薬パッドを横切って、試験膜を、最終的には、被疑検体の存在を検出するための捕捉線を、横切って移動しなければならないという事実により、標的検体のかなりの部分はしばしば、分散してしまうかまたは別途、捕捉線を形成する結合済み受容体に達することを阻まれる。従って、検出が求められる標的検体のかなりの部分は、完全に見失われる恐れが強く、しばしば、実際にそうであり、そのことは、かかるアッセイにより生成される定量的結果および定質的結果に悪影響を及ぼす恐れが強い。
【0011】
標的検体の存在の検出に不注意に失敗するというかかる恐れは、検出が求められる標的検体を失うことによってであろうと、かかる検体の存在を単に見落とすことによってあろうと、所与の流体試料内で癌細胞の存在を検出しようと試みる場合には特に問題である。例えば、1本の10ml管の血液内には、およそ500億個の細胞が存在し、この細胞母集団中に1個でも癌細胞が存在しようものなら、それだけで十分、微小癌組織の転移の存在を示すことができる。従来のスクリーニング手法を利用して、かかる血液試料は通常、かかる試料内に存在する白血球を単離するために処理され、それによって有利なことに、かかる流体試料の量は、例えば10mlから1.0〜0.5mlに減少し、結果として細胞母集団は、およそ500億個からおよそ1億200万個に減少する。しかしながら、かかる手順は通常、癌細胞の損失を招き、従って、検出が求められる癌細胞を不注意に取り除いてしまう恐れがある。
【0012】
結果として生じたかかる試料はその後、癌細胞のスクリーニングを行うために、サイトスピンのような良く知られている手順により、各スライドに対して細胞およそ100万個の割合で多くの顕微鏡用スライドに分配され塗布される。知られている通り、各スライドの作成は、不注意のよるもう1つの癌細胞の損失を意味する。その後、1つ1つの各スライドを顕微鏡を用いて綿密に走査しなければならない。これに関しては各スライドは通常、1平方ミリメートルの面積から成り立つ400個の拡大視野に分割され、各々見直される。通常、かかる走査プロセスは平均して1スライド当たり30分掛かる。その結果、1つの10ml血液試料内に存在する1億2000万個の白血球の凝縮母集団を完全に検査するためには、結果的に120枚のスライドの検査が必要となり、4万8000枚の画像が生成され、60時間にわたって検査を行わなければならない。従って、検出が求められる標的細胞の標識付けに先行技術のアッセイ手法が効果的である範囲内においてでさえ、
かかる標識付き細胞を最終的に単離し検出する際に用いられるプロセスは、本質的に信頼できず、冗長で時間が掛かる。
【0013】
従って、正確な位置で、好ましくは流体試料が沈殿する出発点または接触点で、検体を捕捉できる代替的な横方向流れ装置を考案することが望ましい。同様に、かかる出発点または接触点で、事前塗布された捕捉線を用いることなく、正確な幾何学的形状で検体を捕捉できる代替的なアッセイを考案することも望ましいはずである。また、先行技術のアッセイおよび方法よりも高い感度および再現精度を有し、かつ、同様に安価で、より労働集約性が低く、相対的に製造が容易で、種々様々な適用に利用できるアッセイに対するニーズも存在する。さらに、特に癌細胞の単離および検出に関しては、作成された細胞標本を顕微鏡用スライド上に直接捕捉して、それから生成する必要のある画像に掛かる時間と画像数とを大幅に削減できるアッセイを求めるニーズも存在する。
【0014】
前述に加えて当技術分野には、特定の適用を行うためのアッセイ能力を大いに高めるように様々な構成で構築することのできる代替的なアッセイを求める相当なニーズも存在する。この点では、かかるアッセイは、分離プラットホームの役割を果たすように機能するアッセイシステム向けに格別に有利なはずであり、かかるプラットホームは、蛋白質および遺伝子の単離に用いられるだけでなく、また、生きた細胞の単離、ソーティング、検索およびその後の伸張または増殖のような機能を果たすためにも用いられる。さらに有利なことに、かかる多構成可能なアッセイは、少量の化合物を取り扱って試料の量を節約し、よって、原材料の消費を保護するように機能し、さらに当てはまる場合には、マイクロタイター・プレート、分離カラム、および同種の他のもののような従来型の補助的分離構成要素を排除するようにも機能するはずであり、既存の多くの画像分析システムにさらに容易に組み込むことができる。さらにまた、相対的に低コストで、製造が容易で、多構成要素構造として用いられるようなシステムであって、よってアッセイを、容易に構築するかまたは特定のタイプの分離手順を最適に行うように形づくることのできるシステムに対するニーズも存在する。
【特許文献1】米国特許第5,658,723号
【特許文献2】米国特許第5,712,170号
【非特許文献1】Jones, Kevin D., “Troubleshooting Protein Binding in Nitrocellulose Membranes”, Part I, IVD Technology, Volume V, NO. II, March−April 1999, pages 32−41 and Part II, IVD Technology, Volume V, NO. III, May−June 1999, pages 26−35
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は特に、上記で特定された当技術分野における不備に対処し、かかる不備を軽減するものである。この点では、本発明は、いくつかの新奇な生物学的アッセイ方法、クロマトグラフ装置、および任意の多モード測光器/分析器に関するものであり、それらは一緒になって、従来型の検査室形式のような正確さおよび精度で生物学的アッセイを行うことができる一方で、試験ストリップ形式のような操作の簡単さ、迅速な分析および費用対効果の大きさを保持する。さらに、本発明のクロマトグラフ装置および新奇な生物学的アッセイ方法は、事前塗布済み捕捉線を組み込んだ試験ストリップの製造に関連する問題を最小限に抑え、さらに、流体試料内での検体の検出を、かかる試料内に存在する検体を効率的に節約して使い単離するやり方で可能にすることができる。その上、本発明の多モード測光器、新奇な試験ストリップ装置および独自の化学的分析方法は、多用途で費用対効果が大きく、簡単で正確なシステムを意味し、先行技術の生物学的アッセイ試験ストリップを介してはこれまで利用できなかった量の試料内に存在する化学物質を定量化すること
ができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第一の側面に従って、反応混合物内に懸濁した活性磁性粒子をクロマトグラフ媒体(例えば試験ストリップまたはクロマトグラフ・プレート)に接触させるステップと、その後、かかる媒体に磁界を印加するステップとから成る新奇な磁気クロマトグラフィー方法が提供される。活性磁性粒子は、かかる媒体平面内を横方向に流れている間に印加磁界に遭遇する。印加磁界は磁性粒子を引き付けて、磁性粒子を選択的に保持する磁気障壁を形成する一方で、そこを横切って反応混合物が横方向に流れ続けることを可能にする。細胞捕捉アッセイを行うために特に役立つ実施形態では、反応混合物は磁性粒子と共にクロマトグラフ媒体の中間部分に接触し、かかる接触点に磁界が印加される。よって反応混合物が、かかる媒体を横切って両側方向に流れるようになり、関心検体と錯体を形成した磁性粒子は、出発点または試料導入点で捕捉され、よって、別の方法であれば反応混合物の流れを通じて失われていたはずの反応混合物内の検体の量が節約される。
【0017】
従ってこのようにして、先行技術の免疫学的アッセイで利用される結合済み受容体によって形成された従来型の捕捉線のみならず、また、かかるアッセイ時に生じる恐れの強い検体損失も排除される。この点では捕捉線は、アッセイの際に、好ましくは最初に、事実上、組み立てられる。有利なことに、本発明の磁気クロマトグラフィーアッセイ方法は、試験ストリップおよび同種の他のものが事前塗布済み捕捉線なしに製造されることを可能にする。しかしながら、本発明の方法はまた、磁気クロマトグラフィー試験ストリップが、事前塗布済み捕捉線と、特定の適用向けに望まれる通りの磁気クロマトグラフィーを用いて生物学的アッセイ時に形成される捕捉線との両方を有することも予期する
さらに本発明の新奇な方法は、多数の分光測光分析を検出するためにクロマトグラフィー試験ストリップ組立品に印加される1つ以上の印加磁界源を配置することもできる。例えば、共通の棒磁石または磁気ストリップを、試験ストリップ裏板の1つ以上の位置に接着剤で取り付けることができる。あるいは、磁気源は、試験ストリップ組立品の外部にあることができ、それによって、試験ストリップのすぐそばに磁気源が選択的に位置付けられる一方で、その内部を磁性粒子が横方向に流れる。本発明の好ましい実施形態では、印加磁界源は、永久磁石または電磁石を含むことができる。
【0018】
さらに本発明は、生物学的アッセイを行うための新奇な磁気クロマトグラフィー試験ストリップを含み、反応混合物が試験ストリップに接触する地点に捕捉線または捕捉ゾーンを形成することにより、反応混合物内での検出が求められる検体の量を節約する。1つの好ましい実施形態に従って、試験ストリップは、第一および第二の端と両端の間に配置された中間部分とを有する細長い裏板を含む。中間部分上には、垂直流れを促進するための第一の垂直網と、横方向流れを促進するための第二の横方向網とがあり、後者は、第一の網のすぐ下に配置される。横方向流れ網の両側上には吸収パッドがあって、使用時、第一および第二の網を最終的に通過した反応混合物が両側方向に流れる。さらに好ましくは、かかるストリップは少なくとも1つの磁石を含み、かかる磁石は垂直流れ網および第二の横方向流れ網のすぐ下に位置付けられる。
【0019】
使用時、反応混合物は順次、垂直流れ網から横方向流れ網へ、最終的には、横方向流れ網の相対する側に配置された第一および第二の吸収パッドへ流れる。好ましくは、かかる反応混合物は、試料ウェルを用いてかかるストリップ上に沈殿する。磁石によって設けられた印加磁界は、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を引き付け、よってかかる粒子が、沈殿部位に選択的に保持される一方で、反応混合物の残りの部分はそこを横切って最終的には各吸収パッドまで流れ続ける。かかる試験ストリップは特に、癌細胞のような細胞、細菌および同種の他のものの検出および単離によく適しており、それらのものは別途、先行技術の方法を通じては識別および単離が困難である。
【0020】
本発明の目的をさらに達成するためだけでなく、また、ゲノミクス、マイクロゲノミクス、プロテオミクス、および標的識別用の細胞単離(例えば細胞小器官ソーティング、蛋白分画または標的確認、例えば蛋白質単離、免疫アッセイ、分子分析)にわたる種々様々な適用において新奇な磁気クロマトグラフィー方法の利用を可能にするためにも、多構成可能なアッセイシステムがさらに提供される。1つの好ましい実施形態に従って、かかる多構成可能なアッセイシステムは、内部を規定するハウジングを含み、ハウジング上に試料ウェルが形成され、かかるウェル内に、磁性粒子を含む反応混合物が、適用される試薬と共に沈殿する。任意に、試料ウェル内に沈殿した反応混合物の両方向流れを強めるために、吸収パッドがハウジング内、試料ウェルの両側上に配置される。ハウジングの真下に永続的にかまたは脱着可能に固定されるように形成できるベースであって、反応混合物を収容するためのベースが設けられる。ベースは、試料ウェルと位置合わせされる標的領域を規定して、概ね全ての反応混合物が単一の座に集中する。ベースから分離するかまたはベースに取り付けることのできる磁気源が設けられ、かかる磁気源は、標的領域および試料ウェルと位置合わせされ、それらに磁界を印加し、よって標的領域で、反応混合物内に存在する磁性粒子を引き付けて保持するように機能する一方で、残りの反応混合物が標的領域を横切って横方向に流れることを可能にする。よって結果として、反応混合物内に存在する磁性粒子であって標的検体(例えば細胞、蛋白質、遺伝子)と錯体を形成した粒子は、導入点で捕捉され保持され、よって、標的検体の潜在的な移動が最適に最小化される。
【0021】
かかるアッセイの改良例ではベース膜は、従来型のスライドを含み、その上に関心検体が捕捉された後は、従来のスライド作成に従って表示、取り扱いおよび保存を行うことができる。あるいはベースは、標的領域上にゲル製剤の沈殿を有するかまたは有さない網であって、細胞培養物の培養の開始、または関心標的検体に選択的に結合する受容体の懸濁手段としての役割のような様々な適用で用いる網を有してもよい。加えて、蛋白質を選択的に開裂させるためかまたは別途、望まれる生化学的反応を促進する役割を果たすために、かかるゲル製剤にその他のタイプの試薬および消化酵素のような酵素を提供することもできる。前述の実施形態に従って、さらにベースに1つ以上の網の層を設け、よって、反応混合物の流れる方向を助長するだけでなく、また、標的領域で捕捉される関心検体の能力を高めることもできる。
【0022】
本発明のアッセイは、その多構成可能な能力のおかげで単離、ソーティングおよび検索の様々な適用のいずれでも利用されるように機能する。かかる適用の模範例には、単一スライド・ペンチ、ベンチ・トップ使用、小バッチ試験、自動バッチ処理および連続高速大量処理スクリーニングが挙げられる。かかる多構成可能なアッセイは、その汎用性のおかげで、細胞、蛋白質および遺伝子のような標的検体を、それが膜結合であっても、傷つきやすくても、または格別に小さいかもしくは大きいサイズでも、機能的かつ構造的に無傷で捕捉して単離するために格別に効果的である。同様に多構成可能なアッセイは、細胞工学および検索、細胞工学および伸張または増殖、細胞抵抗力および検索、並びに細胞ソーティングおよび順次検索の適用にも用いることができる。有利なことに、かかる全ての構成では、本発明のアッセイシステムは閉鎖系のままであり、よって、従来の方法の取り扱いステップの多くを排除するだけでなく、また、標本の迅速かつ容易な取り扱いを可能にして、労働者の材料曝露および処理、もしくは材料曝露または処理されている試料の汚染のリスクを最小限に抑える。
【0023】
さらに本発明の一部として、多モード測光器から成り立つ新奇な分析器が提供され、本発明の試験ストリップ上の単一の焦点で前面の蛍光、冷光および反射率を測定することができる。1つの好ましい実施形態に従って、多モード測光器はベースおよび光キャノピーから成り、それらが一体となって光トンネルを規定し、かかるトンネル内に少なくとも1
つの試験ストリップを配置することができる。かかるチャンバは、磁気源を含むか、または磁気源のすぐ近くに置かれるように設計でき、試験ストリップが、その中を横方向に流れる活性磁性粒子を、試験ストリップ上の単数または複数の特定の部位で概ね結合させることができる。そのように配置されると光源または放射線源は、光学トンネル内に配置された試験ストリップに焦点を合わせることができ、光または放射線を、磁気源および、検体の存在について分析される試験ストリップからの反射光または放射光と位置合わせすることができるようになる。様々な波長の光および放射線を、従来の分光測光分析に従って該当する検体の存在を突き止めるために利用してもよい。さらに、特定の分光測光適用向けに必要であるように、光学フィルタおよび光検出器も配置してもよい。
【0024】
従って本発明の目的は、先行技術の試験ストリップアッセイよりも高い感度および再現精度を有する試験ストリップ形式を利用する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、試験ストリップ形式を利用するが、受容体を試験膜に結合させることにより、捕捉線を形成する必要を省いた新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、試験ストリップ形式内に配列して、定量分析を提供するために利用することのできる、新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、かかる試験ストリップに反応部材が接触する接触点に捕捉線を形成することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、反応混合物内に存在する検体の量を、かかるアッセイの遂行開始点でかかる検体を識別して単離することにより、倹約することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、多検体の定量分析および定質分析を提供するように適合させることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、利用が簡単で、単純な構造で、安価に製造できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、表面反射率、表面蛍光および表面冷光を含めそれらに限らず、分光測光分析を提供するために利用できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、標的細胞を単離するように、かつ、かかる細胞を検出する能力を促進するように構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、スライド上に細胞を直接捕捉して顕微鏡検査を促進するようになされる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、個別試料分析、バッチ試料分析および線状配列分析を行うように構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的は、多構成可能で、種々様々な適用で利用できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、少数または多数の標本の効率的な取り扱いを可能にすることができ、単一スライド・ベンチ・トップ適用から連続高速大量処理スクリーニング環境まで容易に規模変更できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、特異的な抗原発現のある細胞の部分母集団を迅速に単離してソーティングするように機能し、さらに任意に、細胞伸張/増殖を促進するために役立てることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0035】
本発明の別の目的は、細胞単離、細胞培養物の作成、細胞工学、細胞抵抗力および細胞ソーティング並びに連続検索に関連するアッセイを行うように容易に構成できる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0036】
本発明の別の目的は、マイクロタイター・プレート、分離カラムおよび細胞移転手順を行う必要性への依存を、排除までは行かないにしても相当減らすことができると同時に、細胞捕捉の向上を達成し細胞損失を最小限に抑える新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、従来のアッセイ方法の取り扱いステップの多くを排除し、さらに標本の迅速かつ容易な取り扱いを可能にして、労働者の細菌曝露および処理、もしくは細菌曝露または処理されている試料の汚染のリスクを最小限に抑える新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0038】
本発明の別の目的は、細胞試験、溶解および蛋白質/細胞小器官単離および分離、もしくは細胞試験、溶解または蛋白質/細胞小器官単離および分離を含めそれらに限らず、アッセイ後の評価および操作を行うための構造を提供する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイシステムを提供することである。
【0039】
本発明の別の目的は、かかるアッセイを再利用可能かまたは使い捨て可能に構成することのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、単位用量に事前包装された従来型の試薬を収容する新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0040】
本発明の別の目的は、検体の定量、半定量および定質免疫学的アッセイ並びにDNA交雑アッセイに用いることのできる新奇な磁気クロマトグラフィーアッセイおよび方法を提供することである。
【0041】
本発明の別の目的は、表面反射率、表面蛍光および表面冷光を含めそれらに限らず、分光測光分析を行うための多モード測光器から成る光分析器を提供することである。
本発明の別の目的は、単純な構造で簡単に利用でき、個別試料分析、バッチ試料分析および線状配列分析を行うように構成できる多モード測光器から成る分析器を提供することである。
【0042】
本発明の別の目的は、本発明の磁気クロマトグラフィーアッセイと併用した場合、かかるアッセイの向きおよびかかるアッセイで利用される反応混合物の横方向流れに無関係に、試験ストリップアッセイ上の固定位置で所与の検体の量を定量化するために利用できる多モード測光器から成る分析器を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下の詳細な説明および添付の図面は、本発明の目下好ましい実施形態を説明する目的
のためにのみ提供されるものであり、いかなる点でも、請求される発明の範囲を制限するようには意図されない。この点では、先行技術のアッセイシステム、特に試験ストリップアッセイと異なり、所与の液体試料内で検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせの存在を異例の精度および再現精度で定量的かつ定質的に検出できる新奇なアッセイシステムおよび方法が本願では開示される。その上、本発明の新奇なアッセイおよび方法は、従来の試験ストリップアッセイに関連する全ての利点を、かかるニーズが検査施設での遠隔分析を受けず、さらに熟練専門家による取り扱いを必要としない限りにおいて提供する。さらに、多モード測光器を含む新奇な分析器であって、本発明のアッセイおよび方法と併せて分光測光分析を行うために役立つ分析器も提供される。
【0044】
本発明のこれらの特徴に加えてその他の特徴も、以下の図面を参照することにより、より明らかとなる。
図面を、最初は図1a〜1cを参照すると、磁気クロマトグラフィー用の試験ストリップの1つの好ましい実施形態が示されている。試験ストリップは、一方の端に試薬ゾーン2を有し他方の端に吸収パッド3を有する試験膜1から成り立つ。これらの構成要素は、プラスチック、ガラスまたはその他の適した硬さの材料で作られた裏板4に取り付けられる。先行技術の試験ストリップと同様に、かかる試験ストリップは積層により簡単に製造される。
【0045】
本発明の実施で用いる試験ストリップの別の実施形態が、図2aおよび2bに示される。本発明のこの実施形態では各々、一方の端に試薬パッド5が、他方の端に吸収パッド3が設けられる。この点では、吸収パッド5は試験膜1に一部重なり、よって、所定の適用向けに望まれる通りの、より高い飽和度を膜全体にわたって生み出すことが示される。
【0046】
図1a〜1cおよび図2a〜2bに示された試験ストリップ実施形態のいずれにおいても、かかる実施形態が、試薬パッド5から他方の端の吸収パッド3まで延びる横方向流れまたは移動経路を生み出すように設計されていることが、当業者には容易に理解され十分に評価するはずである。従来の試験ストリップアッセイに従って、試験膜1を横切る反応混合物の横方向流れによって、所与の表面積(すなわち試験膜1)にわたって化学分析を行うための基礎が提供される。
【0047】
しかしながら、先行技術の試験ストリップアッセイと異なり、本発明のアッセイおよび方法は、試験膜1の一部に沿って形成された結合済み受容体が形成する捕捉障壁を利用せず、むしろ、かかる捕捉線を生成するために新奇な磁気的アプローチを利用する。この点では、本発明を通じて捕捉線が生成される際に用いられる新奇な方法およびシステムにより、図1および2に示された試験ストリップ構成が本発明の実施では容易に利用できるが、かかる構成の唯一の本質的要素は、試験ストリップまたはクロマトグラフ・プレートのようなクロマトグラフ媒体しか含まないことが認められるはずであり、かかる媒体上では試験試料がそこを横切って横方向に流れることがある。従って、本発明を実施するためには必ずしも、従来の試験ストリップおよび同種の他のものに従って移動経路を形成する必要はないことが理解されるはずである。
(試験膜)
試験膜1は、適切な厚さ、孔径、横方向流速および色を有する利用可能な材料から選択することができる。試験膜は、検体および試験試薬に対する親和性が低い材料から作られることが好ましい。これは、検体および試験試薬、もしくは検体または試験試薬の不特異的な結合を防ぐために試験膜の事前処理を最小限にするかまたは回避するためである。適した試験膜材料の例は、ポリエステルである。
(試薬パッド)
(任意の)試薬パッド5は、アッセイを完了するために必要な試薬の全部または一部をんでもよい。試薬は、所与の試料内で検出されることになる検体の異なる領域に特異的に
結合する捕捉リガンドおよび伝達リガンドを含むことができる。捕捉リガンドは、磁性粒子の表面に共有結合または吸収されることができる。また、捕捉リガンドは、抗IgG抗体、ストレプトアビジン/ビオチンおよびその他のような結合相手を用いて間接的に結合させることもできる。伝達リガンドは、蛍光または冷光を生じさせる染料、粒子、放射性同位体または酵素に共有結合される。また、試薬パッド5は、アッセイ性能を改善する安定剤、緩衝剤、界面活性剤およびその他の薬剤を含んでもよい。試薬パッド5は、試料と、アッセイを行うために用いられる後続のすべての液体試薬とを受け入れる。試薬パッド5もまた、適切な厚さ、孔径および流速を有する利用可能な材料から選択できる。試薬パッドは、検体および試験試薬に対する親和性が低い材料から作られることが好ましい。重ねて、これは、検体および試薬、もしくは検体または試薬の非特異的な結合を防ぐために試薬パッド5の事前処理を最小限にするかまたは避けるためである。適した試薬パッド5材料の例は、ポリエステルおよび多孔ポリエチレンである。試薬パッド5は、全試料容積を受け入れるために十分なサイズおよび空隙容積であるべきである。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、試薬パッド5は、物理的に分離した構成要素ではない場合がある。むしろ、その代わりに試薬は、試験膜1自体の上に形成された試薬ゾーン2内に貯蔵してもよい。本発明の他の実施形態では、試薬パッド5は試薬を含まず、その代わりに液体試薬受けパッドとして用いられる。当業者によって評価される通り、試験膜上に試薬パッドの代わりにかかる試薬ゾーンを形成することにより、試薬パッド構成要素を完全に排除することができる限りにおいて、製造の費用および複雑さは相当軽減される。この点では試験膜の非結合特性が、下記でより十分に考察される通り磁気的に捕捉線を形成する能力と相まって、試験ストリップを設計する必要性を排除し、それに多結合済み抗体によって規定された従来型の捕捉ゾーンに所与の流体試料が試薬と共に完全かつ正確に接触するように、流体試料は必ず順次、一方向に流れざるを得なくなる。
(吸収パッド)
(任意の)吸収パッド3は、試験手順を行う際に用いられるすべての液体容量を含むために十分な吸収能力を有するべきである。適した吸収パッド3材料の例は、綿繊維および吸収紙である。しかしながら上記で考察した通り、本発明の実施時に利用されるクロマトグラフ媒体が単に試験膜またはクロマトグラフ・プレートだけから成ることができる限りにおいて、吸収パッドは任意であり、先行技術のアッセイストリップでは通常必要とされる通りの、所与の試験試料のために流れ方向または移動経路を生成するかまたは発生させるための吸収パッドの使用は、必ずしも必要ではない。
(裏板)
磁気クロマトグラフィー試験ストリップ裏板4は、プラスチック、ガラスまたはその他の適した硬さの材料で作ることができる。裏板の長さは、いくつかの機能を果たすために望まれる通りに、試験膜およびパッドを支持するために必要な長さを超えることがある。例えば、かかる延長裏板長さは、取っ手部分を提供することができるか、または、下記でより十分に考察される通りの、個別試験ストリップおよび多モード測光器の較正を助けることのできるバーコード、蛍光マークおよびカラーマークのような情報を表示することができる。
【0049】
一回の分析で多試料を分析するために、本願ではさらに、かかる機能を果たすための新奇なアッセイストリップが開示される。図5aを参照すると、共通の裏板4上に平行な列の形で配列された多試験ストリップの上面図が示されている。裏板4は、上面および下面を有し、シートまたはロールの形を取ってもよく、好ましくは適切な色、厚さおよび硬さの不透明なプラスチック・シート材料から製造される。各々の試験膜1は、隣接する試験膜1の間の流体接触を避けるために十分に間隔をあけられる。吸収パッド3は好ましくは、試験膜1の一方の端に流体接触するように位置付けられる。図5bは、所定の列のすべての試験膜に流体接触した単一の共通吸収パッド3を用いて製造された試験ストリップの上面図を示す。試験膜1および吸収パッド3の配置は、試験ストリップの多数の平行な列
が有利にも裏板4のシートまたは連続ウェブ上に製造されるようなものである。試験ストリップの各列は、異なる列の個々の試験ストリップが互いに流体接触しないように十分に間隔をあけて位置付けられる。
【0050】
特定の検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせの存在を識別するために、本発明のこれらの新奇な方法は、本発明の試験ストリップの試験膜部分上の特定の部位に磁界を配置する。かかる磁界は、永久磁石または電磁石のような、いずれのタイプの磁気源によっても生成でき、試験膜の一部に印加された場合、所与の試料内に存在する磁性粒子であって試験膜を横切って横方向に流れている粒子が、磁界が印加された特定部位で概ね結合されるように選択的に位置付けられる。この点では印加磁界は、磁性粒子を引き付け磁性障壁を形成し、かかる障壁は、関心検体と錯体を形成し適切な標識と結合された磁性粒子を選択的に保持する一方で、残りの反応混合物がかかる障壁またはゾーンを横切って横方向に流れ続けることを可能にする。図5aおよび5bに示されたストリップに関しては、望まれる捕捉ゾーンまたは捕捉線を生成するために磁気障壁は、裏板4の下面のすぐ近くに張り合わされたかまたは置かれた棒磁石20を用いて形成される。棒磁石または磁化レール20は、各列内で試験膜1に対して垂直に、前記試験膜1の流体受け端と吸収端との間に位置付けられる。試薬ゾーン2は、各試験膜の流体受け端に位置付けられる。
【0051】
試験ストリップの周囲または上に磁界を選択的に印加することにより、試験膜の全域に位置する諸部位のうちの特定の部位に磁性粒子が磁界によって概ね固定化される限りにおいて、かかるストリップ上に捕捉線が磁気的に組み立てられる。よって、磁気的に結合されない残りの反応混合物構成要素は、試験膜内を、通常は移動経路内を吸収パッドに向かって横方向に流れ続ける。有利なことにかかる方法によって、2つ以上の検体、対照、キャリブラントまたはこれらの組み合わせを単一の試験ストリップ上で定量アッセイすることができるようになる。従って、本発明の1つの目的は、アッセイ、例えば生物学的アッセイの遂行に役立つ方法を提供することである。
【0052】
図1a〜1cおよび図2a〜2bに示された試験ストリップには、試薬パッドと吸収パッドとの間に試験膜部分が1つしか配置されていないように示されているが、試験ストリップを用いて単一の試験溶液内で2つ以上の検体、対照、キャリブレータまたはそれらの組み合わせをアッセイする場合、試薬ゾーンまたはパッドのカスケードを第一の印加磁界から下流へ配置できることが、当業者によって認められるはずである。磁気クロマトグラフィーで用いることのできる流れ試験ストリップ組立品のいくつかの模式的な例が以下に示される。
単一アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜//吸収パッド
試薬パッド1//試験膜//吸収パッド
多重アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜/試薬ゾーン2/試験膜//吸収パッド
試薬パッド1//試験膜//試薬パッド2//試験膜//吸収パッド
反対多重アッセイ
試薬ゾーン1/試験膜//吸収パッド//試験膜/試薬ゾーン2
試薬パッド1//試験膜//吸収パッド//試験膜//試薬パッド2。
ここで、
記号「/」は、単一クロマトグラフ媒体内の相境界を表し、
記号「//」は、2つの別個の媒体(クロマトグラフ媒体またはその他の媒体)が1つに合わさったものを表す。
【0053】
結果として、示された多重アッセイの例は、試験溶液を2つの磁性粒子群に遭遇させる
。試験溶液の流れは、試験ストリップの一方の端の試薬ゾーンまたはパッド1から、試験ストリップの反対の端の吸収パッドまでの一方向的な移動である。各試験膜に磁気障壁が位置付けられる。第一の磁気障壁は試薬ゾーンまたはパッド2の手前に試験膜を横切って位置付けられ、第二の磁気障壁は吸収パッドの手前に試験膜を横切って位置付けられる。試薬ゾーンまたはパッド2から出た試薬は、試験溶液内で追加検体を分析するために用いることができるか、または、較正もしくは品質管理を行うために用いることができる。
【0054】
示された反対多重アッセイの例は、別個の試験溶液からの全く同じ検体のアッセイを可能にする。これは、試験試料と同時にキャリブレータもアッセイしなければならない場合に有利である。試験溶液の流れは、各々の試薬パッドまたはゾーンから単一の共通吸収パッドへ向かうものである。各試験膜を横切って磁気障壁が位置付けられる。また、ロゼット、平行配列およびその他を含め、その他の多重アッセイ試験ストリップ構成で磁気クロマトグラフィーを利用できることも、本発明によって予期される。
【0055】
試験ストリップへの磁界の印加によって形成される捕捉線の幅(すなわち表面積)を操作するためには、磁石の数および試験膜、もしくは磁石の数または試験膜に印加される磁力の程度次第で、かかる捕捉線の幅を選択的に制御できることが予期せず発見された。この点では、捕捉ゾーンを形成することが求められる試験膜の真下に多数の磁石を互いに積み重ねることにより、かかる膜に印加される磁石の数が増すにつれて、それに応じて捕捉線の幅も増すことが発見された。当業者によって評価される通り、利用する磁力の程度を強めると、それによって生じる対応する捕捉線の表面積も増大し、結果としてかかる表面積を、単位面積当たりの濃度を突き止めるために利用することができる。これらの線に沿って、捕捉線または面積が広がるかまたは狭まるように磁界を操作することが極めて有益と判明することが予想される。例えば捕捉線の幅または表面積を操作することにより、そのようにして、顕微鏡を用いて個々の粒子の検査を促進するための手段を提供することもできる。同様に、細胞の母集団から標的細胞を単離して、その後、所定の適用向けに必要である通りにその顕微鏡検査を行うためにも、捕捉ゾーンのかかる選択的な操作を用いることができる。
【0056】
本発明の実施時に利用されること好ましい磁石の寸法に関しては、幅が0.003〜3.0インチで長さが0.010インチ〜100インチの棒磁石および磁化レール、もしくは棒磁石または磁化レールが利用できると現在信じられている。この点ではかかる磁石、特に磁化レールが、望まれる捕捉線を形成するために必要な程度の磁界を生成するようなサイズおよび構成にすることができ、所定の適用向けに当業者によって容易に確定できることが、理解されるはずである。
【0057】
図6aおよび6bを参照すると、本発明のアッセイを行うための試験ストリップの第三の実施形態が示されている。しかしながら、前述の実施形態と異なり、かかる試験ストリップは、磁性粒子を含む反応混合物がかかるストリップに導入される接触点で捕捉線を形成するように特に設計され構成される。この点ではその他の前述の実施形態とは対照的に、図6aおよび6bに示された実施形態に従った試験ストリップは、反応混合物が、吸収パッドから延びる一方向的な経路に従って試験膜を横切り、捕捉線が最終的に生成される際に用いられる磁界上に最終的に流れることを必要としない。
【0058】
先行技術の装置および方法と異なり、非特定的な結合により結合済み受容体の捕捉ゾーンから離れて拡散するかまたは別途、かかる捕捉ゾーンへの到達を抑制されることのできるアッセイを通じて検出が求められる検体の量は、当業者によって認められる通り、試験混合物が試験ストリップに接触する始発接触点に捕捉点を形成することによって有利に節約される。当技術分野では十分に認められている通り、一連の横方向流れのおかげで、従来のアッセイの利用を通じて検出が求められる検体のかなり部分は、検出されないままに
なる恐れが強く、かかる横方向流れは、反応混合物がアッセイに導入された時点から発生して、求められている捕捉線を形成する結合済み受容体にかかる反応混合物が接触する地点まで続かなければならない。
【0059】
初めに図6aを参照すると、かかる実施形態は、相対する第一および第二の端並びに中間部分を有する細長い裏板4を含んでいる。上記の通り、かかる裏板は、ガラス、プラスチックまたはその他の適した硬さの材料で作ることができる。裏板の相対する端の上には第一および第二の吸収パッド3’、3’’が形成され、かかるパッドによって、下記でより十分に考察される通り反応混合物は、試験ストリップに反応混合物が導入された接触点から、最終的に両側方向に流れる。裏板4のすぐ下に細長い磁石30が付けられて、さらなる分析用の捕捉線を生成するために利用される。それに代わって、顕微鏡適用の促進のような複数の利点をもたらすために、裏板4のすぐ下に近接して細長い磁石30を位置付けることもできる。
【0060】
第一の吸収パッド3’と第二の吸収パッド3’’と間の裏板4の中間部分上に形成され、磁石30の上方に中心を合わされた第一の垂直流れ網32および第二の横方向流れ網34が、設けられることが好ましい。図に示された通り、垂直流れ網32は、横方向流れ網34の上部に形成され、後者は、相対する側の第一および第二の吸収パッド3’、3’’に接触する。好ましくは横方向流れ網34の一部は、示された通り、部分的に第一および第二の吸収パッド3’、3’’のすぐ下に位置付けられる。反応混合物を導入するために、さらに好ましくは試料ウェル36が設けられて、反応混合物を第一の垂直流れ網32上に直接導入するように特に設計され構成され、かかる混合物がその後、両方向の流れを介して順次、横方向流れ網34へ、最終的には吸収パッド3’、3’’まで流れる。
【0061】
1つの好ましい実施形態に従って、垂直流れ網32は、ポリエステル、ナイロン、ガラス繊維またはその他の類似材料で形成され、試験溶液内に存在するような大きいごみを濾過して除去するために、かかる網を通過する下向きの流れを促進するような向きにする。横方向流れ網34も同様に、各々の吸収パッド3’、3’’への両方向流れを可能にするためにポリエステル、ナイロン、ガラス繊維またはその他の類似材料から形成される。また、横方向流れ網34は、金属スクリーン、金属化ポリエステルおよび同種の他のもののような、磁性特性を有する材料からも形成することができる。試料ウェル36は好ましくは、反応混合物内に存在する磁性粒子と反応しないように、プラスチック、特にポリ塩化ビニールのような非磁性材料から形成される。
【0062】
上記で考察された第一の網32と第二の網34との組み合わせのような網の配置を設ける代わりに、裏板4、より具体的にはその中間部分が織り表面を有するように形成し、かかる表面を、そこを横切って流れる試料の流れを方向付けるような構成および向きにできることが予想される。これに関しては、特に横方向流れ網34の代わりに、裏板4の中間部分を横切る試験溶液の横方向流れを引き起こすことのできる織り表面が、本発明の実施時に利用できることが予想される。
【0063】
図6bを参照すると、図6aに示された実施形態を用いてアッセイを行うことができる順序が示されている。最初に、反応混合物が試料ウェル36内に沈殿する。文字Aで示された毛管作用と下向き重力との両方により、反応混合物は順次、垂直流れ網32、横方向流れ網34を通過して最終的には、文字Bで示された横方向流れを介して吸収パッド3’、3’’に達する。しかしながら、関心検体と錯体を形成した磁性粒子は、裏板4のすぐ下に配置された磁石30によって規定された磁気ゾーン内で概ね結合される。従って、ほとんどの従来型の試験ストリップを通じて起こる通りの、反応混合物が最初に導入された地点から離れた地点とは対照的に、アッセイの出発点で磁性粒子が捕捉されることになる。それに代わって、裏板4上に直接形成されたかまたは取り付けられた織り表面の使用を
検討することができる。より具体的には、試験溶液の横方向流れを引き起こすことのできる織り表面を、横方向流れ網34の代わりに利用することができる。
【0064】
有利なことに、検出が求められる検体は節約して使われ、捕捉線の外側に拡散するかまたは別途結合することは可能でない。従って、かかる実施形態は、これまで利用できなかった高感度を提供する。これらの線に沿って、図6aおよび6bに示された実施形態が、癌細胞のような特殊なタイプの細胞およびその他の大型分子並びに生物学的構造の単離用に格別に有利であることが予想される。これに関しては、かかる構造のサイズと相まって、所与の試料内でのかかる構造の限られた数量(例えば、10mlの血液試料内で見つかる通りの500億個の細胞中1個の癌細胞)のために、かかる構造は、かつては単離して検出することが困難であった。この点ではかかる構造は、そのサイズのせいで、その存在を検出するために設けられた捕捉部位または標的部位に達することを物理的に妨げられる。かかる適用では、横方向流れ網34に利用される通りのナイロン網が、捕捉ゾーン(すなわち、磁石30によって生成された磁界)から離れたところでかかる網が反応混合物の横方向流れの速度をかなり増大させ、よって、非標的細胞の洗い流しを増大させることが示される限りにおいて、格別に有利であることが分かる。その結果、標的細胞を、より高い濃度で保持することができ、それ故、先行技術の手法よりも容易に検出できる。
【0065】
細胞の洗い流しを増大させる(すなわち、反応混合物からの標的細胞の分離および単離を促進する)ための、図6aおよび6bに示された試験ストリップ実施形態の能力をさらに高めるために、図7aおよび7bに示された両方向流れ試験ストリップが提供される。初めに図7aを参照すると、図6aおよび6bに示された試験ストリップと同じ構成要素が示されている。特に、相対する端に第一および第二の吸収パッド3’、3’’が形成された裏板4が設けられる。裏板4のすぐ下には、望まれる捕捉線を作り出すために必要な磁界を生成するために設けられた磁石30が配置される。さらに、垂直流れ網32および横方向流れ網34に引き続き試験ストリップに反応混合物を導入するための、試料ウェル36が設けられる。
【0066】
しかしながら、後者の網に関しては、かかる横方向流れ網34は、垂直流れ網32に対して概ね対角方向になるように設計される。当業者によって評価される通り、垂直流れ網32に対して横方向流れ網34を対角方向にすることにより、そこを通過して流れる反応混合物は、相対する吸収パッド3’、3’’へ流れる速度の増大を経験する。この点では反応混合物は、図6aおよび6bに示された実施形態に従って垂直方向に流れざるを得ない状態を回避し、従って、図6aおよび6bに示された実施形態を介した場合には反応混合物が遭遇していたはずの程度のインピーダンスを経験せずに済む。上記で考察した通り、対角方向にされた横方向流れ網34を利用する代わりに、中間部分が、そこを横切って流れる試料の指定経路および指定流速を規定するために機能する織り表面を有するようにしてもよい。
【0067】
図8〜10を、最初は図8を参照すると、性質上、多構成可能で、よって、これまで利用できなかった種々様々な適用で用いられることのできるアッセイシステム100が示されている。この点ではアッセイシステム100は、前述の原理および構造に頼ることにより、流体標本の捕捉および単離並びに節約を向上させるという前述の目的を達成するようにだけでなく、また、少数または多数の標本の効率的な取り扱いを可能にする単純かつ迅速で信頼できるシステムを提供するようにも、選択的に形づくることができる。同様にかかるアッセイシステム100は、下記でより十分に考察される通りの細胞単離、ソーティングおよび検索に関連するアッセイを行うために格別に効率的である。
【0068】
示された通りシステム100は、内部チャンバ104を規定するハウジング102を含む。ハウジング102は、好ましくはプラスチックおよび金属、もしくはプラスチックま
たは金属のような適した硬さの材料から形成され、潜在的に敏感な蛋白質、細胞およびその他の細胞構成要素の光劣化を最小限にするために黒色にされるが、ベース110上に取り付けるように構成される。下記でより十分に考察される通り、ハウジング102は、通常は機械的手段および接着手段、もしくは機械的手段または接着手段により、ベース110に永続的に付けられるように構成されるか、またはかかるベースに脱着可能に固定できるように形成される。
【0069】
ハウジング102の中心上に試料ウェル106が形成され、図に示された通り、概ね逆円錐形の構成で、開口108を規定するために先細になっている。当業者によって認められる通り、試料ウェル106は、関心検体を含む疑いのある反応混合物を沈殿させるための手段を提供し、かかる検体は最終的には、上記で考察した通りに捕捉され単離される。その目的のために、開口108を規定する試料ウェル106は、網の層112によって任意に規定できる標的領域上に、反応混合物を沈殿させ、かかる層は、ベース110上にあることが望ましく、任意にハウジング102とベース110と間に挟まれる。反応混合物の両方向流れを促進するために、ハウジング102の内部104は、吸収部材向けの空間を規定し、かかる部材は、試料ウェル106の両側上に配置されていることが示されている通り芯またはパッド114、116のような材料であってもよい。上記で考察した通り、パッド114、116は、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を含まない反応混合物部分を、横方向流れを介して引き離すために機能する。かかる磁性粒子に関しては、かかる粒子は、磁石118によって生成された磁界と接触するおかげで、標的領域上の沈殿点に保持される。上記で考察した通り、磁界は、当技術分野において知られている様々な手段によって生成することができ、ベース110の一部として組み込むか、ベース110に脱着可能に固定可能であるか、またはベース110から完全に取り外すことができる。これらの線に沿って、その上に関心検体が捕捉される標的領域は、従来型のカバー・スリップに従った4cm2の検査領域に比べ、およそ0.6cm2になることが予想される。
【0070】
図9を参照すると、図7のアッセイシステム100に従って構築されたアッセイの分解図が示されており、かかるアッセイは、考察されることになる理由により強化されたアッセイ機能を果たすように選択的に構築できる。図に示された通り、最も基本的な構成要素においてアッセイはハウジング102を含み、その上に試料ウェル106および開口108が形成される。試料ウェル106の相対する側に配置されハウジング102の内部に閉じ込められた吸収パッド114、116が、関心検体と錯体を形成した磁性粒子を含まない反応混合物部分を引き出すために設けられる。さらに図に示された通り、網112を設けることができ、そこを横切って反応混合物が両側方向に流れるように、その上に吸収パッド114、116が載せられる。網112の中心上には捕捉領域120が配置され、アッセイを通して配置される試料が、控えめな単離領域で節約して使われ捕捉されるように、開口108の直接真下に来るように位置合わせされる。下記でより十分に考察される通りの捕捉領域120は、様々な形を取ることができ、第二の網の層を含むことができるか、または、図10に関連してより十分に考察される通り、強化された捕捉メカニズムを提供できる新奇な受けゲルを含むことができて、それを様々な生化学的機能を形成するように構成することができる。
【0071】
さらにベース110が設けられ、その他のアッセイ構成要素の構造的支持として役立つだけでなく、アッセイに関連する更なる処理を行うために有用である。これらの線に沿って、ベース110が従来型の標準的な顕微鏡用スライドの形を取り得ることが予想される。その上、細胞を捕捉するための構造としてベース110が利用される適用では、かかるベースを、細胞培養物の形成を開始するために利用することができる。当業者には認められるはずである通り、1ステップのアッセイプロセスによる細胞培養物の識別、単離および最終的な培養は、これまでは利用できず、試料内に存在する微量の細胞を検出して単離することができるという点のみならず、その後、細胞培養物を生成するためにかかる細胞
を直接培養することもできるという点でも、本発明に比べて効率および効果がはるかに低かった。
【0072】
図8および9に関連して考察したアッセイシステム100の構成要素の前述の説明を考慮して、以下では、所定のアッセイ手順を行うために強化された機能を有する特定タイプのアッセイを行うためには様々な構成要素をどのように選択的に選んで相互に接続することができるか、という点に関して考察する。
【0073】
示された実施形態では、アッセイシステム100は、単一スライド・ベンチ・トップ適用から連続高速大量処理スクリーニング環境まで動作可能で容易に規模変更可能である。特にかかるアッセイは、単一スライド・ベンチ・トップ適用、小バッチ試験、自動バッチ処理および連続高速大量処理スクリーニング(HTS)に利用できる。このような適用では、ベース110は、標準的な顕微鏡用スライドの形を取ることができ、ギルソン社およびテカン社のシステムのような既存の流体取り扱いシステムに容易に適合する。この点ではかかるシステムは、大バッチ処理および通路自動化を可能にし、大規模なロボット運搬システムおよびその他の高価な資本設備の必要性を排除する。
【0074】
細胞単離、ソーティングおよび検索を伴う手順向けには、アッセイシステム100を、特定の適用に適するように修正することができる。細胞工学および検索を伴う適用向けには、図8および9に示された基本的なアッセイシステムは好ましくは、ハウジング102、吸収パッド114、116、網112およびベース110から成り立つすべて脱着不可能な部分から形成され、かかるベースは好ましくは、顕微鏡用スライドの形を取る。かかる構成ではアッセイは、好ましくは4〜8mlの試料を取り扱うことができ、さらに、免疫蛍光分析のための試薬の順次添加を可能にする。染色の分析は、手動式またはデジタル式で倒立顕微鏡を通例40倍で用いて行うことができる。
【0075】
細胞工学および伸張適用向けには、アッセイを修正して、ハウジング102および吸収パッド114、116が選択的に除去可能で、よって、網112が所定の位置に残る。かかる構成は、標的細胞の簡単な培養方法および事後精製を可能にする(例えばトランスフェクション、薬物耐性など)。また、かかる構成は、免疫蛍光、FISHなどのような培養後分析用のプラットホームも提供する。培養物染色の分析は、手動式またはデジタル式で倒立顕微鏡を通例40倍で用いて行うことができる。
【0076】
細胞抵抗力および検索を伴う適用向けには、アッセイシステム100は、ハウジング、吸収パッド114、116および網112がベース110から除去可能であるように構成することができる。かかる適用では、ベース110上に標的領域(示されていない)が直接規定され、その上に精製産物がむき出しで残される。かかるアッセイは、マトリゲルのような薬物耐性試験用の改変媒体内に細胞を位置付けるためには理想的なものとなる。その上、かかる構成はさらに、FISH試験向けにも理想的な状況を提供する。その目的のために、かかる構造に従ったアッセイは、倒立型または従来型の手動式またはデジタル式の装置(10倍〜100倍から)を用いて、柔軟性のある顕微鏡評価に対応できることが好ましい。
【0077】
細胞ソーティングおよび順次検索を伴う適用向けには、ハウジング102が除去可能であるようにアッセイを構成することができる。その結果、吸収パッド114、116が取り付けられたままのベース110が残る。網112を選択的に形づくり、ベース110上の部位に残されるかまたはそこから選択的に除去されるように構成することができる。かかる構成は、FISH、免疫蛍光および細胞ベースPCRのようなアッセイのための試薬の順次添加を可能にする。
【0078】
図10に示された一層更なる改良例では、そこで捕捉される標的検体の捕捉、単離および考えられる更なる生化学的処理を促進するために機能するゲル120によって標的領域が規定できることが予想される。かかるゲルは、電気泳動および同種の他のものにおいて利用されるポリアクリルアミド・ゲルのような、当業者にはよく知られている様々な生物適合性ゲルのいずれをも含むことができ、細胞、細胞内構造、蛋白質、遺伝子および同種の他のものを捕捉して単離するための媒体として役立つ。かかるゲル120は、示された通りの網状の裏板112上に形成するかまたは別途、ベース110上に直接形成することができる。また、その他の基材(示されていない)も、標的領域地点でまたはその周囲でゲル120を支持するために利用することができる。細胞、細胞内構造などを捕捉して単離するためのゲル120の能力を高めるために、かかるゲルに、関心標的検体に特異的な受容体122を設けることができることが予想される。この点では、かかる受容体122を懸濁させるか、またはそれに代わって、受容体122を固相に結合させることによって、標的検体の捕捉および単離を向上させるための本発明のアッセイの能力を促進することができる。
【0079】
120として示されたゲルには、かかる受容体122に加えてかまたはそれとは別個に、図10に124として示されたその他の化学的修正子、試薬または酵素を設けることができ、それらは、関心検体のさらなる生化学的処理を提供するために機能することができる。検討される1つの適用は、さらなる単離および識別用に蛋白質を選択的に開裂させるかまたは別途、標的細胞内構成要素を消化するための消化酵素の使用を含む。その目的のために、望まれる試薬、受容体、酵素および同種の他のものを有するかかるゲル組成の形成および処方が、既知の手法を用いて当業者には容易に分かって行い得ることが予想される。さらに検討される適用では、ゲル120は、細胞の培養媒体として役立ち、よって、関心標的細胞の伸張または増殖を可能にし、よって、細胞培養物の形成をもたらすことができる。かかる目的を達成するためにゲル120の一部として、当業者にはよく知られている様々な栄養およびその他の培養媒体を組み込むことができることが予想される。
【0080】
有利なことに本発明のアッセイは、マイクロタイター・プレートよりも優れた柔軟性を提供し、細胞の部分母集団の分析アッセイに効率的に利用できると同時に、異常型のDNA、mRNA転写発現および蛋白質翻訳発現の存在を突き止める(同時FISH/IF)。同様に本発明のアッセイは、1つの自己完結型のユニットとしても細胞、蛋白質または遺伝子の単離およびソーティングに用いることができ、それによって、分離カラムの必要性を排除する。その上、ウェル106を通じた試料、試薬および細胞洗い溶液の直接添加のおかげで、細胞移転ステップを排除し、アッセイ手順を実に速め、細胞捕捉を向上させ、細胞損失を減らし、過誤の機会を最小限に抑える。これらの線に沿って、ハウジング102とベース110との間の相互接続が1つ以上の開口を規定し、かかる開口が通路を規定し、かかる通路を通じて更なるアッセイ後評価および操作を行うことができるように、本発明のアッセイを特に構成できることが更に予想される。例えば、ハウジング102とベース110との間の相互接続が検討され、かかる構造が永続的に付けられたものであろうと、互いに脱着可能であろうと、かかる要素102、110は、1つ以上の通路を規定するために協同することができ、かかる通路を通じて、細胞試験を行うことができるかまたは別途、細胞試験によって試薬が導入されて細胞の溶解/消化を促進し、およびその他の試薬が導入されて、もしくは細胞の溶解/消化を促進し、またはその他の試薬が導入されて標的蛋白質、細胞小器官および同種の他のものの分離および単離を促進することができる。
【0081】
当業者によって評価される通り、本発明のアッセイは、その多機能構成のおかげで、特に薬物発見分野での利用に関して、幾つかの適用において利用できる。その目的のために本発明のアッセイは、効力および潜在的毒性に関して、細胞に対する化合物の影響を突き止めるために格別に効果的である。よく知られている通り、純粋細胞母集団の発現プロフ
ァイルを区別するために利用される現行の手法、先進の分離手法および新奇な遺伝子発現方法は、複雑で費用が掛かり、労働集約的で規模変更が容易でない。本発明のアッセイは、先行技術のかかる欠点を克服するだけでなく、実際に、遥かにより広範な適用を有する。これらの線に沿って本発明のアッセイは、標的識別手順と標的確認手順との両方を形成する点で格別に効果的である。前者の手順に関しては、細胞単離、細胞小器官またはソーティングおよび蛋白分画のような手順が含まれ、後者に関しては、特定的な蛋白質分離、免疫アッセイおよび分子分析を伴う可能性があり、しばしば、機能的かつ構造的に無傷のままの細胞、蛋白質または遺伝子の捕捉および単離が必要とされる。しかしながら時にしばしば、かかる標的は壊れやすいか、膜結合であるか、またはサイズが格別に小さいかもしくは大きい。しかしながら、かかる困難な特性または特徴にもかかわらず、本発明のアッセイは、先行技術よりも優れたやり方でかかる標的の分離および単離を促進するために十分に適している。
【0082】
さらに本発明は、内部に多モード測光器が含まれる新奇な分析器を含み、かかる測光器は、試験ストリップ上の単一の焦点で前面の蛍光(蛍光測定モード)、冷光(冷光測定モード)および反射率(密度測定モード)を測定することができる。単一の焦点での多数の光学的方法の利用は、個別捕捉線の品質および構造に関する情報のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量に関する情報をも提供する。よって、本発明の1つの目的は、2つ以上の光学的方法を用いて重要な試験ストリップ位置を検索することにより、試験ストリップに関連する正確さおよび精度の問題を最小限に抑えることである。
【0083】
図3aに示される通り、多モード測光器は、光学的キャノピー9aおよびベース9bから成り、それらは協同して光トンネル9を形成する。光トンネル9は、光経路を形成するために、光源および光検出器を磁気源および試験膜、クロマトグラフ・プレートなどと位置合わせする。この点ではベース9bは、前述の多様さの試験ストリップを収容するために内部に形成された通路を含む。さらに好ましくはベース9bは磁気源を含み、かかる磁気源はベース9b内に固定されるかまたは通路に対して固定され、よって光トンネル9内の指定された位置に、望まれる捕捉線を生成する。例えば、磁石のような磁気源が光トンネルのベース9bの真下に置かれ、その上方に位置する通路内に試験ストリップがあるようにすることができる。
【0084】
光キャノピー9aは、光源を透過することができる天井と、結果として生じる反射光を外部に放射することができる傾斜側壁とを有するように形成される。当業者によって認められる通り、多モード測光器、より具体的にはそれによって規定される光トンネルは、PVC、ABSまたは陽極酸化アルミニウムを含めそれらに限らず、様々な適した不透明材料のいずれからも押し出し成形、機械加工または型成形することができる。従って、本発明の光トンネル9は、安価な材料から安価に作ることができる。
【0085】
図3bを参照すると、本発明の多モード測光器を用いて試験ストリップを分析するために利用される構成要素が、模式的に示されている。最初に励起経路6が、光源7から、光トンネル9のベース9bにある焦点8まで形成される。容易に理解されるように、所与の試験膜またはクロマトグラフ・プレート上に捕捉線を形成するためにベース9b内に組み込まれた磁気源は、かかる磁気源によって生成された捕捉線に励起経路6が直接向くように、かかる経路6と正確に位置合わせされる。正当に評価されるように、使用できる多くの適した光源の中には発光ダイオード(LED)、レーザ・ダイオード、水銀蒸気灯およびキセノン灯がある。必要な場合には、励起波長6を選択するために光フィルタ10を用いることができる。この励起フィルタ10は、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。ただし、かかるフィルタが、光源と試験ストリップ11との間の励起経路6内にあることを条件とする。試験ストリップ11が光トンネル9内に挿入されると、か
かるストリップは、ベースの所定の位置に保持され、焦点8で励起経路6と交差する。
【0086】
放射経路12が、焦点から、1つ以上の光検出器13まで形成される。開口が、各光検出器13を焦点8と光学的に位置合わせする角度で、キャノピー壁9aに放射状の幾何学的形状を用いて位置付けられる。放射光を光検出器13へ透過するために、光パイプ、光ファイバーおよびその他の導波管を用いることができる。励起光6は、焦点8で、試験ストリップ11上に存在する蛍光体を励起し、かかる蛍光体がその後、より長い波長の光12を放射する。冷光を用いる場合、励起光6は必要なく、冷光測定時には省略することができる。放射フィルタ14が、蛍光または冷光から放射された光の放射波長12を特に選択して励起光6の痕跡を除去するために用いられる。当業者によって評価される通り、かかる放射フィルタ14は、光検出器13と試験ストリップ11との間の反射経路12内にあることを条件として、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。
【0087】
また、反射経路15も、焦点8から、1つ以上の光検出器16まで形成される。かかる反射経路15は、励起光6と放射光12との両方を伝える。必要な場合には、試験ストリップから反射された光の励起波長6を特に選択して放射光12の痕跡を無効にするために、励起フィルタ10を用いることができる。この励起フィルタ10は、光検出器16と試験ストリップ11との間の反射経路15内にあることを条件として、キャノピー壁9aのいずれの側上にも置くことができる。
【0088】
フィルタ10および14は、帯域外透過を遮るやり方により当技術分野では干渉フィルタとして知られているタイプのものであってもよい。これに関しては干渉フィルタは、その特徴的な帯域通過外では極めて低い透過しか示さず、従って、望まれる励起波長および放射波長を選択するために非常に効率的である。
【0089】
当業者には更に正当に評価されるはずである通り、光トンネルは、測光測定を同時に行うことができる多焦点を有することができ、有利なことに試験ストリップ上の多数の点を、試料分析および較正、もしくは試料分析または較正に使用できるようにする。かかる適用では、LED、光ダイオードおよび干渉フィルタのような光学的構成要素を、光トンネルに沿って各焦点に集めることができる。
【0090】
図4aおよび4bにあらかじめ示された通り、多スペクトル分析に利用できる通りの2つの光クラスタを装備した光トンネルの異種の図が示されている。光源7(LED7aおよび7bが示されている)は、励起フィルタ10(フィルタ10aおよび10bが示されている)の上方に位置付けられ、かかるフィルタが次には、各励起開口(示されてない)を覆う。図4cの横断面図に示された通り、4つの光ダイオードのうちの2つ、13a、16aがフィルタ10、14と共に、キャノピー9a上に取り付けられる。棒磁石20aが、図4cに示された通りに、光トンネルのベースの各焦点8の真下に位置付けられ、各位置で適切な分光測光分析を行うことができる。
【0091】
前述の考察から明白であると思われるが、本発明の新奇な磁気アッセイおよび方法が多様な適用で利用できるという様々な例を以下に示す。当業者によって評価される通り、以下の例での考察目的のため「試験溶液」という用語は、試験試料、試験キャリブレータまたは試験対照材料を意味することができる。
(実施例1)
試験ストリップは、図1で示された説明に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長される。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他試薬を乾燥形態で含む。
【0092】
試験ストリップ11は、吸収パッド3の端を先にして光トンネル9内に挿入される。試験ストリップ上の指標は、分析器により較正情報として解釈される。例えば分析器は、かかるバーコードが両方の焦点8aおよび8bで読み取られたことを検証し、光検出器13および16の反射率値および蛍光値を記憶する。較正情報および測定値は、個別捕捉線の品質および構造のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量をも検証して各光モジュールの性能を検証するために、分析器により用いられる。
【0093】
別個の容器で操作者は、測定量の試料を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、試料内に存在するHCG分子に協同的に結合するビオチン共役抗HCGβおよび蛍光微小球共役抗HGCαを含む。
【0094】
測定量のこの反応混合物が、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布される。それによって、懸濁型の磁性粒子のみならず試薬ゾーン2上で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物が形成される。磁性粒子は、HCGと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン共役、および抗HCGα共役に結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0095】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20を用いて印加された磁界に遭遇する。印加磁界は、磁性粒子を引き付けて磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子を焦点8に選択的に保持する一方で、反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0096】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された蛍光微小球の量が減少する。
【0097】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が磁石20によって保持されるにつれて低下する。焦点8bの反射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果との間の差を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。これによって分析器は、焦点8aで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断して、溶血しているかまたはビリルビンのような発色団を大量に含む試料を拒絶することができるようになる。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は無効と判断され、結果は報告されない。
【0098】
また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8bの放射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果と間の差、非特異的な結合を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。分析器は、焦点8bでのブランク放射測定値と焦点8aでの試験放射測定値とを比較し、HCG濃度を計算する。
(実施例2)
実施例2は、次のような違いを除き、実施例1に倣う。
【0099】
試薬ゾーン2は、試料内に存在するHCG分子に協同的に結合するストレプトアビジン共役磁性粒子、ビオチン共役抗HCGβおよび蛍光微小球共役抗HCGαを含め、単位用量乾燥形態に事前包装されたすべての試験試薬を含む。また、試薬ゾーン2は、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試料も乾燥形態で含む。
【0100】
操作者は、試薬ゾーン2に直接、測定量の試験溶液を加える。
(実施例3)
実施例3は、次のような違いを除き、実施例2に倣う。
【0101】
抗HCGαは、蛍光微小球の代わりにアルカリ・ホスファターゼを用いて共役される。
測定量の洗い溶液の添加後、試薬ゾーン2に測定量の蛍光基材を加える。
(実施例4)
実施例4は、次のような違いを除き、上記のすべての実施例に倣う。
【0102】
実施例4は、上記の各実施例の試薬ゾーン2を試験パッド5と置き換える。
(実施例5)
試験ストリップは、図1に示された指示に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長する。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬を乾燥形態で含む。
【0103】
別個の容器で操作者は、測定量の試験溶液(細胞、細胞溶解物、全RNAを含む)を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、クラミジアに特異的なビオチン化オリゴ(dT)プローブおよび5’蛍光染料標識付きDNA交雑プローブを含む。
【0104】
測定量のこの反応混合物を、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布する。反応混合物は、試薬ゾーン2に接触するにつれて、懸濁型の磁性粒子のみならず試薬ゾーン2内で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物を形成する。ビオチン化オリゴ(dT)プローブは特に、試験溶液内に存在する全てのmRNAの3’ポリ(A)領域と交雑する。結果として全てのmRNAが、ビオチン/ストレプトアビジン結合を介して磁性粒子に結合される。対照的に標識付き交雑プローブは、標的mRNAにのみ結合する。磁性粒子は、クラミジアmRNAと協同的な錯体(ハイブリッド)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン化オリゴ(dT)プローブ、およびクラミジアに特異的な蛍光染料標識付きDNA交雑プローブに結合する。よって蛍光染料は、反応混合物内に存在するクラミジアmRNAの量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0105】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20を用いて印加された磁界に遭遇する。印加磁界は、磁性粒子を引き付けて磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子を焦点8に選択的に保持する一方で、反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0106】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された標識付きDNAプローブの量が減少する。
【0107】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が磁石20によって保持されるにつれて低下する。焦点8bの反射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果との間の差を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。これによって分析器は、焦点8aで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断して、溶血しているかまたはビリルビンのような発色団を大量に含む試料を拒絶することができる。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は
無効と判断され、結果は報告されない。また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8bの放射光強度は、個別試験ストリップと試料マトリックス効果と間の差、非特異的な結合を補正するために用いられるバックグランド(ブランク)測定値である。分析器は、焦点8bでのブランク放射測定値と焦点8aでの試験放射測定値とを比較し、クラミジア濃度を計算するか、または単に、試験溶液内にクラミジアが存在するか否かを判断する。
(実施例6)
磁気クロマトグラフィーとその他の検出方法とを併用することができる。この実施例ではX線フィルムが、トランスフェクション済み細胞の母集団内で標的DNAの存在を検出するために用いられる。各試験溶液内に存在するCDNAのPCR増幅は、P32標識付きヌクレオチドを用いて達成される。増幅されたDNAは、ストレプトアビジン共役磁性粒子を含む試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布された反応混合物を形成する5’ビオチンDNA交雑プローブを用いて交雑される。
【0108】
図5bに示された寄せ集めの試験ストリップを利用して、反応混合物の塗布後の試薬ゾーン2に洗浄液が塗布される。
X線フィルムのシートが、前記試験ストリップ配列の上部に置かれ、適した長さの時間、曝露される。
【0109】
標的DNAに対する陽性を試験された試料に位置的に対応する可視帯が、現像されたX線フィルム上に見られる。
(実施例7)
実施例7は、次のような違いを除き、実施例6に倣う。
【0110】
前記PCR増幅は、5’蛍光染料標識付きプライマーを用いて達成される。
前記試験ストリップ配列は、蛍光走査器内に位置付けられる。
前記蛍光走査器が、標的DNAに対する陽性を試験される試料に位置的に対応する蛍光帯を検出する。
(実施例8)
実施例8は、次のような違いを除き、実施例1に倣う。
【0111】
前記裏板4は顕微鏡用スライドである。
前記磁石が20は、前記試験膜1の上方に、磁石20が試験膜1に接触しないように位置付けられる。
【0112】
蛍光顕微鏡が、磁性粒子に結合した個々の蛍光微小球を計数するために用いられる。
(実施例9)
試験ストリップは、図1に示された説明に従って製造される。裏板4は、裏板4へのバーコード、蛍光マークおよびその他の指標の適用を可能にするために、吸収パッド3の端を超える長さに延長される。試薬ゾーン2は、ストレプトアビジン共役0.86ミクロン磁性粒子、抗マウスIgG共役150nm磁性粒子、緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬を乾燥形態で含む。
【0113】
試験ストリップ11は、吸収パッド3の端を先にして光トンネル9内に挿入される。試験ストリップ上の指標は、分析器により較正情報として解釈される。例えば、分析器は、かかるバーコードが両方の焦点8aおよび8bで読み取られたことを検証し、光検出器13および16の反射率値および蛍光値を記憶する。較正情報および測定値は、個別捕捉線の品質および構造のみならず、かかる捕捉線に存在する検体、対照またはキャリブレータの量をも検証して各光モジュールの性能を検証するために、分析器に対して用いられる。
【0114】
別個の容器で操作者は、測定量の試料を測定量の試験試薬に加え、反応混合物を形成するために混ぜ合わせる。試験試薬は、試料内に存在するFSH分子に協同的に結合するビオチン共役ヤギ抗FSHβおよび蛍光微小球共役ヤギ抗FSHαを含む。また、試験試薬は、試料内に存在するFSH分子に協同的に結合するマウス抗LHβおよび蛍光微小球共役ヤギ抗LHαも含む。
【0115】
測定量のこの反応混合物が、試験ストリップ試薬ゾーン2に塗布される。反応混合物は、試薬ゾーン2に接触するにつれて、懸濁型の0.86ミクロンおよび150nmの磁性粒子のみならず試薬ゾーン2上で事前乾燥された緩衝剤、安定剤、界面活性剤およびその他の試薬をも含む新たな反応混合物を形成する。0.86ミクロン磁性粒子は、FSHと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのビオチン共役、および抗FSH共役αに結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。150nm磁性粒子は、LHと協同的な錯体(サンドイッチアッセイ)を形成したものを含め、錯体型の全てのマウス抗βLH共役、およびヤギ抗αLH共役に結合する。よって蛍光微小球は、反応混合物内に存在する検体の量に比例して磁性粒子に間接的に結合される。
【0116】
反応混合物内に懸濁した磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20aを用いて印加された第一の磁界に遭遇する。かかる印加磁界は、磁気障壁を生み出すために十分な強さであり、かかる障壁は、0.86ミクロン磁性粒子を焦点8aに選択的に保持する一方で、懸濁型の150nm磁性粒子を含む反応混合物がこの障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0117】
反応混合物内に懸濁した150nm磁性粒子は、試験ストリップ11平面内を横方向に流れている間に、光トンネル9のベース9bに取り付けられた棒磁石20b(示されていない)を用いて印加された第二の磁界に遭遇する。第二の印加磁界は、前記第一の印加磁界よりもかなり強い。この第二の印加磁界は磁気障壁を生み出し、かかる障壁は、150nm磁性粒子を焦点8bに選択的に保持する一方で、反応混合物がこの第二の磁気障壁を横切って吸収パッド3に向かって横方向に流れ続けることを可能にする。
【0118】
また、測定量の洗い溶液も、反応混合物の添加後に加えることができる。これによって、非特異的な結合により試験膜1および磁性粒子によって保持された蛍光微小球の量が減少する。
【0119】
分析器は、焦点8aおよび8bでの反射率を測定する光検出器16aおよび16bを監視して比較する。焦点8aの反射光強度は、磁性粒子が第一の磁石20aおよび第二の磁石(示されていない)によって保持されるにつれて低下する。焦点8aおよび8bの反射光強度は、焦点8aおよび8bで磁性粒子が適切に捕捉されたか否かを判断するために用いられる測定値である。事前定義された経過時間中に焦点8aおよび8bの反射光強度が仕様範囲内にない場合、試験は無効と判断され、結果は報告されない。
【0120】
また、分析器は、光検出器16aおよび16bに代えて、蛍光を測定する光検出器13aおよび13bを監視して比較する。焦点8aおよび8bの放射光強度はそれぞれ、FSH濃度およびLH濃度を計算するために用いられる。分析器は、かかるパラメータに基づき、これらの放射光強度を、既知の濃度のFSHおよびLHを含む試験溶液の放射光強度と比較し、FSH濃度およびLH濃度を計算する。本発明において意図された精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して様々な追加、削除、修正および変更を行い得ることが、さらに理解されるべきである。この点では、本願において形成される磁気発生的な捕捉線に加えて追加的な捕捉線が、試験膜上に形成された結合済み受容体の
使用を組み込んだ従来の試験ストリップアッセイに従って形成できることが、明確に認められるべきである。
(実施例10)
試験ストリップは、図7aおよび7bに示された説明に従って製造される。裏板4は顕微鏡用スライドから形成される。横方向流れ網34(クロマトグラフ媒体または固定相)は、ナイロン繊維織物から構築された孔径105ミクロンの網から成る。各々の網32、34の端は、適した粘着テープを用いて顕微鏡用スライド裏板4に接着される。これによって、接着剤の付いていないゾーンが生じ、顕微鏡用スライド裏板4に横方向流れ網34が直接接触することを可能にする。ウェル36は、試験溶液の両方向流れBを妨げない適した接着テープまたはその他の機械的手段を用いて、各々の網32、34に同軸的に取り付けられる。吸収パッド3’、3’’は、ほぼ等しい寸法で、液体試薬、試験溶液、洗い溶液および同種の他のものの合算容積よりも大きい総吸収能力を有する。図7aおよび7bに示された通り、両方の吸収パッド3’、3’’は横方向流れ網34に流体接触する。
【0121】
別個の容器で操作者は、測定量の試料(例えば、癌細胞を含む疑いのある末梢血または骨髄)を測定量の試験試薬に加えることができ、反応混合物(移動相)を形成するためにそれらを混ぜ合わせる。必要に応じて、試験試薬と混ぜ合わせる前に試験溶液から赤血球を除去するために、一般的な検査室手順を用いることができる。試験試薬は、少なくとも1つのヒト癌細胞タイプに特異的な抗体を用いて共役された磁性粒子を含むことができる。これらの抗体は、標的癌細胞タイプに結合してそれらを磁性体にする。その後、かかる癌細胞タイプに特異的な蛍光染料標識付き抗体の測定量が、かかる反応混合物に加えられる。これらの抗体は、かかる癌細胞タイプ上の残りの利用可能部位に結合してかかる部位を蛍光体にすることができる。従って反応混合物は、磁気と蛍光性との両方を付与された癌細胞タイプを含む。
【0122】
戦略的に試験ストリップは、ウェル36の下部の開口が棒磁石30の上方に位置するように棒磁石30の上方に位置付けられる。本発明の1つの実施形態では、ウェル36の下部の開口は、棒磁石30によって完全に囲まれる。反応混合物がウェル36内に沈殿する。その後、重力により、反応混合物はウェル36を通過し、垂直網32に接触するまで方向Aに沿って下降する。垂直網32に接触すると反応混合物は、毛管作用と重力との組み合わせにより、垂直網32内の孔を通過することを余儀なくされる。次いで反応混合物は横方向流れ網34に接触することが可能で、かかる網によって、流体の反応混合物は毛管作用により両側方向B’、B’’に運ばれ、ついには前記反応混合物は吸収パッド3’、3’’に吸収されるに至る。
【0123】
反応混合物内の磁性粒子および磁気標識付き細胞は、ウェル36から横方向流れ網34まで流れている間に、棒磁石30によって印加された磁界に遭遇する。印加磁界は磁気障壁を形成し、かかる障壁は、磁性粒子および磁気標識付き癌細胞の大部分を狭い捕捉ゾーン内に選択的に保持する。残りの非磁性反応混合物は、この障壁を横切って吸収パッド3’、3’’まで両側方向Bに流れ続けることができる。
【0124】
反応混合物の添加後、ある量の洗い溶液をウェル36内に沈殿させることができる一方で、試験ストリップは、棒磁石30の上方の所定の位置に留まる。磁気標識付き標的細胞および磁性粒子は、磁気障壁によって保持されたままであるが、非標的細胞および非結合蛍光抗体は捕捉ゾーンから洗い流される。
【0125】
上記の方法を利用することにより、1億を超える数の細胞を単一の顕微鏡用スライドに適用することができる。かかる方法によって、生成し検査しなければならない画像の数が48,000から40未満に減少する。先行技術の細胞検査手法の決定的な欠陥であることが知られている転送ステップの際に細胞が失われることがないように、スライド上に細
胞を直接捕捉することの利点を当業者は直ちに認めるはずである。
(実施例11)
実施例11は、次のような違いを除き、実施例10に倣う。
【0126】
試験ストリップは、図7に示された説明に従って製造される。裏板4は、ポリカーボネートまたはアクリルのような光学的に透明なプラスチックを用いて作られた顕微鏡用スライドから形成される。クロマトグラフ媒体または固定相34は、製造プロセス(例えば射出成形、ホット・スタンピングまたは鋳造)の際に顕微鏡用スライドの上面に直接形成されたテクスチャから成る。かかるテクスチャは、毛管力による試験溶液および試薬の横方向流れを実現するために適した形を取ることができる。
【0127】
本発明において意図された精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して様々な追加、削除、修正および変更を行い得ることが理解され正当に評価されるべきである。これに関しては、本発明の様々な好ましい実施形態が特に磁気発生的な捕捉線および手法に関して特定の実施例を用いて説明されてきたものの、決して本発明がそれらに限定されると見なしてはならないことが理解されるべきである。それに応じて、すべての追加、削除、修正および変更が以下の請求の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1a】本発明の方法の実施法を用いるアッセイ試験ストリップの斜視図(試験ストリップは、第一の好ましい実施形態に従って構築される)。
【図1b】図1aに示されたアッセイ試験ストリップを成す構成要素の分解図。
【図1c】図1aに示されたアッセイの側面図。
【図2a】本発明の第二の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの分解斜視図。
【図2b】図2aに示されたアッセイ試験ストリップの側面図。
【図3a】本発明の方法の実施で利用される通りの、1つの好ましい実施形態に従って構築された多モード測光器の横断面図。
【図3b】図3aに示された多モード測光器の横断面図およびブロック線図。
【図4a】図3に示された多モード測光器の斜視図。
【図4b】図3に示された多モード測光器の上面図。
【図4c】図3に示された多モード測光器を成す構成要素の分解横断面図。
【図5a】複数の試料から1つ以上の検体の存在および数量を検出する際に用いる、共通の裏板上に平行な列の形で配列された多試験ストリップの上面図。
【図5b】多試験膜と流体接触した単一の共通吸収パッドを利用する、概ね直線状に配置されている、多試験ストリップの上面図。
【図6a】本発明の第三の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの上面図。
【図6b】図6aに示された試験ストリップの側面図。
【図7a】本発明の第四の好ましい実施形態に従って構築されたアッセイ試験ストリップの上面図。
【図7b】図7aに示されたアッセイ試験ストリップの側面図。
【図8】本発明の1つの好ましい実施形態に従って構築された多構成可能なアッセイシステムの分解斜視透視図。
【図9】図8に示されたアッセイの原理に従って構築されたアッセイの分解図。
【図10】図9に示されたアッセイの網上に沈殿したゲル層であって、そこに存在する標的検体の捕捉、単離およびさらなる生化学的処理の促進に用いる層の分解図。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気クロマトグラフィー方法で用いる多構成可能なアッセイシステムであって、前記アッセイが、
(a)ベースと、
(b)前記ベース上に位置付け可能なハウジングであって、前記ハウジングが、大量の磁性粒子が懸濁した反応混合物を収容するために該ハウジング上に形成された試料ウェルを有する、ハウジングと、
(c)前記試料ウェル内に沈殿した前記反応混合物の、前記磁性粒子を含まない部分を吸収するために、前記ハウジング内に前記試料ウェルに隣接して位置付け可能な少なくとも1つの吸収部材とを備える、アッセイシステム。
【請求項2】
前記ハウジングが、上部プラットホーム表面を規定する概ねブロック状の構造を含み、前記試料ウェルが、前記上部プラットホーム表面のほぼ中間部分に形成され、前記ハウジングがさらに、前記試料ウェルの相対する側に第一および第二の空隙を規定し、前記システムがさらに、第一および第二の吸収パッドを含み、前記第一および第二の吸収パッドが、前記試料ウェルの相対する側の前記空隙の専用の一方に収容される、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項3】
前記ハウジングが、プラスチックおよび金属から成る群から選択された硬質黒色材料からなる、請求項2に記載のアッセイ。
【請求項4】
前記ベースが顕微鏡用スライドを備える、請求項3に記載のアッセイ。
【請求項5】
前記アッセイがさらに、前記ベース上に形成された網の層を備え、前記網の層が、前記試料ウェルを通して沈殿する前記反応混合物を受け入れる標的領域を画成する、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項6】
前記アッセイがさらに、前記ベース上に形成されたゲル層であって前記試料ウェル上に形成された前記開口と位置合わせされた層を備え、前記ゲル層が、前記試料ウェルを通して沈殿した前記反応混合物を受け入れて該混合物に接触するよう機能する、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項7】
前記ゲルが、前記反応混合物の前記磁性粒子の少なくとも1つと結合するよう機能する少なくとも1つの受容体を含む、請求項6に記載のアッセイ。
【請求項8】
前記ゲルが、前記反応混合物内に存在する蛋白質と反応するよう機能する少なくとも1つの消化酵素を含む、請求項6に記載のアッセイ。
【請求項9】
前記アッセイがさらに、前記反応混合物が前記ゲルに接触し、かつ、前記試料ウェルを通じて沈殿するように、前記試料ウェルと位置合わせ可能な前記網上に形成されたゲル層を含む、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項10】
前記ハウジングが前記吸収パッド、前記網および前記ベースから脱着可能である、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項11】
前記ハウジングおよび前記吸収パッドが前記網および前記ベースから除去可能である、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項12】
前記網が前記ベースから除去可能である、請求項11に記載のアッセイ。
【請求項1】
磁気クロマトグラフィー方法で用いる多構成可能なアッセイシステムであって、前記アッセイが、
(a)ベースと、
(b)前記ベース上に位置付け可能なハウジングであって、前記ハウジングが、大量の磁性粒子が懸濁した反応混合物を収容するために該ハウジング上に形成された試料ウェルを有する、ハウジングと、
(c)前記試料ウェル内に沈殿した前記反応混合物の、前記磁性粒子を含まない部分を吸収するために、前記ハウジング内に前記試料ウェルに隣接して位置付け可能な少なくとも1つの吸収部材とを備える、アッセイシステム。
【請求項2】
前記ハウジングが、上部プラットホーム表面を規定する概ねブロック状の構造を含み、前記試料ウェルが、前記上部プラットホーム表面のほぼ中間部分に形成され、前記ハウジングがさらに、前記試料ウェルの相対する側に第一および第二の空隙を規定し、前記システムがさらに、第一および第二の吸収パッドを含み、前記第一および第二の吸収パッドが、前記試料ウェルの相対する側の前記空隙の専用の一方に収容される、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項3】
前記ハウジングが、プラスチックおよび金属から成る群から選択された硬質黒色材料からなる、請求項2に記載のアッセイ。
【請求項4】
前記ベースが顕微鏡用スライドを備える、請求項3に記載のアッセイ。
【請求項5】
前記アッセイがさらに、前記ベース上に形成された網の層を備え、前記網の層が、前記試料ウェルを通して沈殿する前記反応混合物を受け入れる標的領域を画成する、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項6】
前記アッセイがさらに、前記ベース上に形成されたゲル層であって前記試料ウェル上に形成された前記開口と位置合わせされた層を備え、前記ゲル層が、前記試料ウェルを通して沈殿した前記反応混合物を受け入れて該混合物に接触するよう機能する、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項7】
前記ゲルが、前記反応混合物の前記磁性粒子の少なくとも1つと結合するよう機能する少なくとも1つの受容体を含む、請求項6に記載のアッセイ。
【請求項8】
前記ゲルが、前記反応混合物内に存在する蛋白質と反応するよう機能する少なくとも1つの消化酵素を含む、請求項6に記載のアッセイ。
【請求項9】
前記アッセイがさらに、前記反応混合物が前記ゲルに接触し、かつ、前記試料ウェルを通じて沈殿するように、前記試料ウェルと位置合わせ可能な前記網上に形成されたゲル層を含む、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項10】
前記ハウジングが前記吸収パッド、前記網および前記ベースから脱着可能である、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項11】
前記ハウジングおよび前記吸収パッドが前記網および前記ベースから除去可能である、請求項5に記載のアッセイ。
【請求項12】
前記網が前記ベースから除去可能である、請求項11に記載のアッセイ。
【図3b】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−537119(P2008−537119A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506720(P2008−506720)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/014002
【国際公開番号】WO2007/027210
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507339766)
【氏名又は名称原語表記】FEISTEL,Christopher
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/014002
【国際公開番号】WO2007/027210
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507339766)
【氏名又は名称原語表記】FEISTEL,Christopher
【Fターム(参考)】
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