説明

多段イオン注入方法及び不純物濃度分布のシミュレーション方法

【課題】異なる加速エネルギーを用いた多段イオン注入工程において、不純物濃度分布の実現方法、ならびに不純物濃度分布シミュレーションに関する方法を提供する。
【解決手段】不純物分布実現は、イオン注入時に半導体結晶表面に非晶質層のある場合には各段の注入エネルギーが次段イオン注入工程における不純物イオンのチャネリングを抑制できるように接近し、注入エネルギーの低い段から順次イオン注入を行い、半導体結晶表面に非晶質層のない場合には打ち込みイオンが該半導体結晶のチャネリング方向に対し7度以上の角度で入射させ、注入エネルギーの高い段から順次イオン注入を行い、不純物濃度分布シミュレーション方法では、デュアルピアソンテーブルデータを用い、初段注入条件に対して不純物濃度分布を決定し、2段目以降では、注入量に対するアモルファス成分量の割合を表すパラメータに、当該イオン注入工程以前の履歴を反映するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多段イオン注入方法及びこれに適用可能な不純物濃度分布のシミュレーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不純物の拡散係数が小さな炭化珪素(SiC)等の半導体結晶を用いた装置では、Si等の半導体結晶で用いられる不純物拡散工程が利用できないことから、加速エネルギーの異なるイオン注入を連続して行う多段イオン注入工程が不可欠である。この際、加速エネルギーの低い方から高い方へ順次注入した方が、加速エネルギーの高い方から低い方へ下げてくるよりも不純物濃度分布が急峻になることが、6H−SiCへのAl多段イオン注入の場合において、ソリッド・ステート・エレクトロニクス第43巻(1999年)第2215頁から第2223頁(Solid−State Electronics Vol.43(1999)pp.2215−2223)に開示されている(非特許文献1)。そして、これは表面近傍にイオン注入に起因した非晶質層が形成された方が、半導体結晶中の原子の隙間をぬってイオンが結晶奥深く進入するチャネリング現象が起こりにくくなるためと説明されている。
一方、イオン注入の結果、得られる不純物分布N(x)(xは半導体結晶表面からの深さ)を短時間で高精度に再現する手法に関しては、デュアルピアソン(Dual Pearson)分布関数を用いた表式
N(x)=Φ(R n(x)+(1−R)n(x))
が知られている。ここで、Φは注入量、n(x)、n(x)はそれぞれアモルファス成分の濃度およびチャネリング成分の濃度を表すピアソン関数、RはΦにアモルファス成分注入量の比である。上記詳細は例えば公開特許公報 特開2004−22965号に開示されている(特許文献1)。ピアソン関数は射影飛程R、飛程標準偏差ΔR、歪度γ、尖度βの4パラメータで表現される。これらの4パラメータはいずれも注入エネルギーのみの関数である。よって、デュアルピアソン関数はRp1、ΔRp1、γ、β、Rp2、ΔRp2、γ、β、Rの9つのパラメータで決定される。ここで、Rのみが注入エネルギーに加え、注入量の関数となる。尚、前記特許文献1の公報では、Si半導体装置の構造対称性を確保するため、同一エネルギー条件で4方向から分割して行う多段イオン注入の場合におけるデュアルピアソンパラメータの補正に関しても示されていた。
【0003】
【非特許文献1】ソリッド・ステート・エレクトロニクス第43巻(1999年)第2215頁から第2223頁(Solid−State Electronics Vol.43(1999)pp.2215−2223)
【特許文献1】特開2004−22965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のSiCへの多段Alイオン注入例では、加速エネルギーの昇降順を考慮することにより濃度分布の急峻性を改善できたものの、濃度分布の急峻性は不十分であった。例えば、図1は4H−SiCへの多段Alイオン注入での深さ方向へのAl濃度の分布を示す図である。この状態は、同図の破線で示すもので、Al濃度が1016cm−3台において依然としてAl濃度の裾引きが認められる。この状態の濃度分布の急峻性では、例えば、1015cm−3台の濃度制御が必要な耐圧2kV以上のSiCパワーデバイス等への適用に不十分であった。尚、同図1での実線の曲線は、本願発明になる特性曲線であり、後述される。また、上記従来例(特許文献1)では、基板表面が(0001)面(3.5度オフ)、注入イオンと基板表面とのなす角度(傾角)が7度、注入時の基板回転角(回転角)が−90度と開示されている。ところが、傾角や回転角が異なる場合、あるいは表面にSiO等の非晶質膜が堆積され、その非晶質膜を介してイオン注入される場合の最適注入順に関しては明らかとなっていなかった。
【0005】
又、前述のSi半導体装置への4方向分割注入に関する従来例(特許文献1)では、加速エネルギーの異なる多段注入における、不純物濃度分布のシミュレーション方法に関しては言及されていない。
【0006】
更に、加速エネルギーの異なる多段注入を半導体装置の開発や生産に用いるには不純物分布をシミュレーションする装置が必要となるものの、これまでに加速エネルギーの異なる多段注入における不純物分布シミュレーション装置は示されていなかった。
【0007】
本願発明は、不純物濃度が1015cm−3台においても、不純物濃度分布の裾引きが小さな多段イオン注入方法を提供することを第1の目的とする。
【0008】
更に、本願発明は、各段の加速エネルギーが異なる多段イオン注入工程に対応可能な不純物濃度分布を、短時間で高精度にシミュレーションする方法を提供することを第2の目的とする。更には、本願発明は、各段の加速エネルギーが異なる多段イオン注入工程において、不純物濃度分布を短時間で高精度にシミュレーションする装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の形態は、表面に非晶質膜を有する半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、
前記イオン注入する工程の連続する各段の注入エネルギーが、第1のイオン注入工程に対して次段のイオン注入工程における不純物イオンのチャネリングが抑制できる程度以下に相互に接近し、且つ
前記イオン注入する工程は、全てのイオン注入工程が、注入エネルギーの低い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法である。
【0010】
本願発明の第2の形態は、表面に非晶質膜を有しない半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、全てのイオン注入工程がチャネリング方向に対して特定の角を有するように行なわれ、且つ
注入エネルギーの高い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法である。
【0011】
本願発明の第3の形態は、次のステップを少なくとも有する不純物濃度分布のシミュレーション方法である。
【0012】
即ち、 半導体結晶へ複数のエネルギーに分けてイオン注入した不純物の深さx方向に対する不純物濃度分布を、2つの規格化されたピアソン関数n(x)、n(x)の加算によって、シミュレーションするシミュレーション方法であって、
アモルファス成分とチャネリング成分とを表す前記2つの規格化されたピアソン関数n(x)、n(x)を規定するパラメータと、n(x)、n(x)を加算する際の重み付け係数であるアモルファス成分注入量比Rをデュアルピアソンテーブルデータとして備え、
前記デュアルピアソンテーブルデータが、単一エネルギー注入に対して作成された単一エネルギーテーブルデータと複数エネルギー注入に対して履歴を反映させたR補正テーブルデータとからなり、且つ
複数の注入エネルギーと注入量の組(E、Φ)からなる注入条件を設定するステップ、
初段の注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元に対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R11(x)+(1−R)n21(x))
(尚、ここで、Rは初段のR補正値、又、ピアソン関数n11(x)、n21(x)における第2の添え字は注入の段数(n)を示す。以下、同様の表示である。)
を決定するステップ、
2段目以降のn段目の注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元にn1n(x)、n2n(x)を決定するとともに、前記R補正テーブルデータを元に(n−1)段目の注入条件を反映させたRnを決定し、対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R1n(x)+(1−R)n2n(x))
を決定するステップ、
前記注入条件を元に、(n+1)段目のイオン注入があるか否かを判定するステップ、及び
初段から終段ごとに前記の通り決定した不純物濃度分布を加算して総不純物濃度分布を決定するステップと、
を少なくとも有することを特徴とする不純物濃度分布のシミュレーション方法である。
【発明の効果】
【0013】
本願の第1および第2の形態によれば、不純物分布における裾引きのより小さな多段イオン注入方法が提供される。この結果、半導体結晶への多段イオン打ち込みにおいて、より急峻な不純物濃度分布を実現が可能となる。
【0014】
本願の第3の形態によれば、加速エネルギーの異なる多段イオン注入工程に対し、注入イオン分布を短時間で高精度にシミュレーションする方法および装置が提供される。この結果、多段イオン注入分布を瞬時に決定でき、半導体装置の高精度、短期間設計を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願発明の具体的な実施の形態を説明するに先立って、本願発明第1および第2の形態に関する詳細説明並びに本願発明の根拠となる検討結果を例示する。
【0016】
本願発明の第1の形態は、前述した通り、表面に非晶質膜を有する半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、
前記イオン注入する工程の連続する各段の注入エネルギーが、第1のイオン注入工程に対して次段のイオン注入工程における不純物イオンのチャネリングが抑制できる程度以下に相互に接近し、且つ
前記イオン注入する工程は、全てのイオン注入工程が、注入エネルギーの低い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法である。
【0017】
前記第1の形態における、代表的な具体的形態は、前記半導体結晶が六方晶系であり、より具体的材料としては、炭化珪素(SiC)をあげることが出来る。この場合、前記半導体結晶表面の非晶質膜は、SiCが代表的な膜である。この非晶質膜は概ね5nmから50nmの膜厚が多用される。打ち込みイオンはAlが代表例である。この場合の前記イオン注入する工程の連続する各段の注入エネルギーの差は、射影飛程の差が0.05μm以上0.1μm以下である。
【0018】
こうした本願発明に至る基礎検討について説明する。基礎検討として、1段注入および2段注入(簡単のため2段目の加速エネルギーは220keVに固定、1段目は160keV以下)によるAl濃度分布を注入量3×1013〜1×1016cm−2の範囲で検討した。用いた基板は表面に厚さ35nmのSiO膜を堆積した4H−SiC(結晶面(0001))である。検討した条件を以下に示す。尚、イオン打ち込み自体の装置及び試料の配置などは、通例のものであるので、ここでは説明を省略する。
(a)35keV/3×1013cm−2×α(α=1、10、100)
(b)110keV/7×1013cm−2×α(α=1、10、100)
(c)160keV/5×1013cm−2×α(α=1、10、100)
(d)220keV/1×1014cm−2×α(α=1、10、100)
(e):(a)に引き続き(d)の条件
(f):(b)に引き続き(d)の条件
(g):(c)に引き続き(d)の条件
(a)から(d)は記載条件でのイオン打ち込み、(e)から(g)は各々2段の打ち込み条件である。
【0019】
尚、ここで、αは3通りの注入量を表す比例係数である。
【0020】
図2は、上記(d)〜(g)の条件における、Alイオン注入での深さ方向へのAl濃度の分布を示す図である。図2には上記(d)〜(g)の条件におけるAl濃度分布の評価結果をα=10の場合について示した。1段目の加速エネルギーが35keV、と110keVの場合には、2段目の加速エネルギー220keVとの射影飛程差が大きいため、Al濃度のピークが2つ観察された。加速エネルギーが35keV、と110keVの場合は、各々図2に◇による曲線及び○による曲線として示されます。図3は、(e)〜(g)の各々からそれぞれ1段目に相当する(a)〜(c)の工程での分布を減じた、2段目の220keVに相当するAl濃度分布である。1段目に160keVの注入を行った場合に、最も急峻な220keVでのAl濃度分布(図3の●による曲線)の得られることが分かった。これは1段目の加速エネルギーが2段目の加速エネルギーに近いほど、2段目に相当する濃度分布の裾引きが小さくなることを意味している。この傾向はα=1、及び100の場合も全く同様であった。
【0021】
図4には、図3の深さ0.6μmにおけるAl濃度を220keV単独注入時の値で除した値を、2段間の射影飛程の差に対してプロットした結果を示した。図4の一点鎖線は射影飛程差0.05μmから0.1μmの範囲の外挿線である。射影飛程の差が0.1μmを超えると、2段注入によるAl濃度分布の裾引き抑制効果が急激に低減することが分かった。図4の上部に、第1段イオン打ち込みでのAl濃度分布と2段目のイオン打ち込みでのAl濃度分布の状態を模式的に示している。左側のモデル図が射影飛程の差が最適範囲の場合、右側のモデル図がこれより射影飛程の差が大きい場合の図である。これらの模式図では左側が結晶の浅い領域、右側が結晶の深い領域を示している。
【0022】
2段注入によるAl濃度分布の裾引き抑制効果が急激に低減する理由は次のように考察される。即ち、図4の上部の模式図に示したように、射影飛程の差が最適範囲より大きい場合、結晶表面から浅い領域に非晶質層(太い斜線の領域)が形成され、チャネルからはずれたイオンが、射影飛程の差が大きいため、非晶質層下の結晶層で再度チャネルに入ってしまう確率が増えたことが原因と考えられる。一方、射影飛程の差を0.05μm未満にするとイオン注入の段数が増え、実施に多大な時間を要してしまう。従って、この条件では実際的ではない。以上より、射影飛程の差は0.05μm以上0.1μm以下に設定することが、急峻なAl濃度分布を半導体装置の量産に適した現実的な時間内で実現する上で不可欠であることを今回、新たに見出した。
【0023】
上記検討を元に、前記第1の課題を解決するための第1の方法として、表面に非晶質膜を有する半導体結晶中への不純物イオン打ち込み条件において、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入おいて、各段の注入エネルギーが次段のイオン注入工程における不純物イオンのチャネリングを抑制できる程度に相互に接近させるとともに、注入エネルギーの低い段から順次イオン注入を行うようにしたものである。
【0024】
本願発明は、六方晶系の半導体結晶に極めて有用である。代表的な半導体結晶はSiCである。SiCは六方晶系の4H、6H、及び立方晶系の3Cなる結晶系を取りえる。通例、六方晶系では(0001)面を主表面に有している。半導体装置用として、この面を主面に用いることで、装置の耐圧、移動度の面で他の面より優れている為である。尚、半導体装置用としては、前記主表面は4度〜8度程度傾斜させているのが通例である。
【0025】
前記イオン注入の段数は、イオン打ち込みの深さに関連して設定される。その深さは勿論半導体装置の要求設計に依存するが、概ね0.3μm〜1μm程度の深さが多用される。この場合、打ち込み段数としては、5段から7段程度が多用される。
【0026】
各段の注入エネルギーが次段のイオン注入工程における不純物イオンのチャネリングを抑制できる程度の差は、注入エネルギーの射影飛程の差と見なして良い。前述したように、SiCの場合、イオンがAlで0.05μm以上0.1μm以下である。尚、多段のイオン注入におけるエネルギー差は、30keV〜50keV程度が多用される。打ち込みエネルギー自体の範囲は、勿論、半導体装置の要求設計に依存するが、25keV〜450keV程度が多用される。
【0027】
次に、前記第2の課題を解決するために、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程に対するデュアルピアソンテーブルデータを用いた不純物濃度分布のシミュレーション方法において、初段注入条件に対して前記テーブルデータを元に不純物濃度分布を決定後、2段目以降のイオン注入工程に対して、前記テーブルデータにおける、注入量に対するアモルファス成分量の割合を表すパラメータRに、当該イオン注入工程以前のイオン注入工程の履歴を反映した修正を施した後に不純物濃度を決定し、初段から終段ごとに決定した前記不純物濃度分布を加算して総不純物濃度分布を決定するようにしたものである。
【0028】
更に、イオンの打ち込み条件として、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程における各段の加速エネルギーと注入量の組、ならびに該段の時間的順番からなる注入条件入力データを処理するデータ処理部、デュアルピアソンテーブルデータを格納する記憶部、前記注入条件入力データに対応したデュアルピアソンパラメータを生成するパラメータ処理部、前記パラメータ処理部によって生成されたデュアルピアソンパラメータから不純物濃度を算出し、該分布の多段イオン注入工程における総和を求める解析部、及び前記算出された不純物濃度分布を表示する表示部を備えたことを特徴とする不純物濃度分布シミュレーション装置を提供することが出来る。
【0029】
一方、本願発明の第2の形態は、前述した通り、表面に非晶質膜を有しない半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、全てのイオン注入工程がチャネリング方向に対して特定の角を有するように行なわれ、注入エネルギーの高い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法である。
【0030】
前記第2の形態における、代表的な具体的形態も、前記第1の形態同様、前記半導体結晶が六方晶系であり、より具体的材料としては、SiCをあげることが出来る。チャネリング方向は[0001]方向、打ち込みイオンはAlが代表例である。
【0031】
こうした本願発明に至る検討について説明する。4H−SiC(0001)面([11−20]方向に3.5度ならびに7度オフ)へAlを以下の条件で注入した。なお、傾角ならびに回転角の定義は図9に示す通りである。オリエンテーションフラット面は(10−10)面である。
傾角:0度、7度
回転角:0度、−90度
注入エネルギーおよび注入量:
(a)35keV/3×1013cm−2
(b)110keV/7×1013cm−2
(c)160keV/5×1013cm−2
(d)220keV/1×1014cm−2
注入順:
(a)→(b)→(c)→(d)(以下、35→220keVと表記した)または
(d)→(c)→(b)→(a)(220→35keVと表記した)
図8は上記条件で作製した試料の二次イオン質量分析結果である。従来例で使用していたオフ角3.5度、傾角7度、回転角度−90度は、回転角0度に換算すると基板表面と(0001)面とのなす角度([11−20]方向)が3.5度と7度の差分、すなわち3.5度となる。それに対し、本実施例では回転角0度において基板表面と(0001)面とのなす角度([11−20]方向)が7度、および3.5度と7度の和、すなわち10.5度と大きくした結果、本願発明の第1の形態と異なり、表面にSiO等の非晶質膜がない状態でのイオン注入では、結晶中のチャネリング方位に対する注入イオンの入射角によって、35→220keVと220→35keVの注入イオン分布差が大きく変化することがわかった。従来例のようにチャネル方位[0001]に垂直な面(0001)面に対する注入イオンの入射角が3.5度と小さく場合、チャネリングしやすい時には、35→220keVの方が220→35keVに比較してわずかながら急峻なAl濃度分布が得られた。これは本願発明の第1の形態と同様、低エネルギーからの注入によって表面の非晶質化が進行し、チャネリングが抑制されたためと考えられる。一方、チャネル方位[0001]に垂直な面(0001)面に対する注入イオンの入射角が7度以上と大きく、チャネリングしにくい時には、220→35keVの方が35→220keVに比較して急峻なAl濃度分布が得られた。これは本願発明の第1の形態において射影飛程差の離れた2段注入に見られるように、35→220keVでは低エネルギーからの注入によって表面の非晶質化が進行した結果、その非晶質化した表面層で散乱されたイオンが再度チャネルに入ってしまうのと同様な現象によるものと考えられる。このため、表面に非晶質膜を有しない4H−SiC(0001)面へのイオン注入において、イオン注射角が[0001]方向から7度以上の場合には、本願発明の第1の形態とは逆に、注入エネルギーの高い順に注入する方がよいことを見出した。また、同様な効果は回転角が0度でなくとも、チャネル方位[0001]に垂直な面(0001)面に対する注入イオンの入射角が7度以上となれば得られることも確認した。
【0032】
上記検討を元に、前記第1の課題を解決する第2の方法として、表面に非晶質膜を有しない半導体結晶中への不純物イオン打ち込み条件において、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入おいて、打ち込みイオンが該半導体結晶のチャネリング方向に対し7度以上の角度で入射させるとともに、注入エネルギーの高い段から順次イオン注入を行うようにしたものである。
【0033】
入射角が大きくなるとパタンを有する半導体基板の場合、非対称性が大きくなり応用によっては好ましくない場合もあるが、非対称性を特に気にしない場合、例えば、ウエハ全面にイオン注入する場合において、30度までその効果を確認できた。
【0034】
高いエネルギーから注入するため、第1の形態と異なり、各段のエネルギー差に制約はないものの、不純物の拡散がほとんど起こらないため、ほぼ均一な濃度分布を実現する上で、100keV以下であることが望ましい。
【0035】
前記イオン注入の段数は、イオン打ち込みの深さに関連して設定される。その深さは勿論半導体装置の要求設計に依存するが、概ね0.3μm〜1μm程度の深さが多用される。この場合、打ち込み段数としては、5段から7段程度が多用される。尚、多段のイオン注入におけるエネルギー差は、30keV〜50keV程度が多用される。打ち込みエネルギー自体の範囲は、勿論、半導体装置の要求設計に依存するが、25keV〜450keV程度が多用される。
【0036】
次に、前記第2の課題を解決するために、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程に対するデュアルピアソンテーブルデータを用いた不純物濃度分布のシミュレーション方法において、初段注入条件に対して前記テーブルデータを元に不純物濃度分布を決定後、2段目以降のイオン注入工程に対して、前記テーブルデータにおける、注入量に対するアモルファス成分量の割合を表すパラメータRに、当該イオン注入工程以前のイオン注入工程の履歴を反映した修正を施した後に不純物濃度を決定し、初段から終段ごとに決定した前記不純物濃度分布を加算して総不純物濃度分布を決定するようにしたものである。
【0037】
更に、イオンの打ち込み条件として、少なくとも2条件を有する半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程における各段の加速エネルギーと注入量の組、ならびに該段の時間的順番からなる注入条件入力データを処理するデータ処理部、デュアルピアソンテーブルデータを格納する記憶部、前記注入条件入力データに対応したデュアルピアソンパラメータを生成するパラメータ処理部、前記パラメータ処理部によって生成されたデュアルピアソンパラメータから不純物濃度を算出し、該分布の多段イオン注入工程における総和を求める解析部、及び前記算出された不純物濃度分布を表示する表示部を備えたことを特徴とする不純物濃度分布シミュレーション装置を提供することが出来る。
【0038】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
<実施例1>
先ず、前述の6H−SiCへのAlイオン注入に適用された同一注入条件を、4H−SiCに対して適用した場合を取り上げる。
【0039】
表面には膜厚35nmのSiOを用いたが、SiN膜やSiN/SiO積層膜といった非晶質材料もであってもよく、それらの膜厚は5nm−50nmの範囲で任意に選択できる。
【0040】
多段イオン注入を行ったAl濃度分布は図1の破線であり、6H−SiC、4H−SiCの差は認められなかった。各段注入条件と射影飛程の差分は以下の通りである。尚、イオン打ち込み自体の方法、装置は通例のものであるので、ここでは詳細説明を省略する。
(i) 25keV/9.0×1013cm−2 射影飛程の差分
(ii) 60keV/1.9×1014cm−2(i)−(ii) 0.030μm
(iii)115keV/2.8×1014cm−2(ii)−(iii)0.055μm
(iv) 190keV/3.9×1014cm−2(iii)−(iv)0.084μm
(v) 300keV/8.0×1014cm−2(iv)−(v) 0.138μm
この場合、(iv)−(v)の射影飛程の差分が0.1μmを超えてしまっている。このことが、加速エネルギーを低い方から高い方へ上げながらも、濃度分布の裾引きが依然とし大きかった原因と考えられる。そこで、本実施例では、この2段を以下の3段に置き換えた。
(iv’) 190keV/1.9x1014cm−2 射影飛程の差分
(v’) 250keV/2.0x1014cm−2(iv’)−(v’)0.074μm
(vi’) 300keV/8.0x1014cm−2(v’)−(vi’)0.065μm
上記置き換えにより得られたAl濃度分布が、図1の実線であり、破線に比較して顕著な急峻性の改善が得られた。本実施例によれば、射影飛程の差分を0.1μm以下に設定することにより、注入段間のチャネリング抑制効果が働き、Al濃度の1015cm−3台においても裾引きの少ない急峻なAl濃度分布を実現できる。注入段間のチャネリング抑制効果の観点からは、射影飛程の差分を0.1μm以下更に、下げることも可能であるが、0.05μm以下では、製造時間の関係から現実的でないことは、前述した通りである。
【0041】
尚、上述のごとき急峻なAl濃度分布は、エネルギー自体の範囲が25keV〜450keVにおいて、又、多段のイオン注入におけるエネルギー差を30keV〜50keVの範囲に設定した場合にも、同様の特性が得られた。
<実施例2>
表面に非晶質膜を有しない4H−SiC(0001)面([11−20]方向に3.5度ないし7度オフ、傾角0度ないし7度、回転角0度ないし−90度へAlを以下の条件で注入した。なお、傾角ならびに回転角の定義は図9に示す通りである。尚、イオン打ち込み自体の方法、装置は通例のものであるので、ここでは詳細説明を省略する。
注入エネルギーおよび注入量:
(a)35keV/3×1013cm−2
(b)110keV/7×1013cm−2
(c)160keV/5×1013cm−2
(d)220keV/1×1014cm−2
注入順:
(a)→(b)→(c)→(d)(以下、35→220keVと表記した)または
(d)→(c)→(b)→(a)(220→35keVと表記した)
図8に示す二次イオン質量分析結果から明らかなように、4H−SiC(0001)面から[11−20]方向へのオフ角度が7度あるいは10.5度の場合に、注入順が35→220keVの場合に比較して急峻なAl濃度分布を実現することができた。
【0042】
尚、上述のごとき急峻なAl濃度分布は、エネルギー自体の範囲が25keV〜450keVにおいて、又、4H−SiCのチャネル方向である[0001]方向に対して7度以上の角度を持ってイオンを入射させる多段のイオン注入の場合にも、同様の特性が得られた。尚、前記角度は7度から30度の範囲まで本願の効果を確認することができた。又、打ち込みエネルギーが25keVから450keVの範囲で実施することができた。
【0043】
<実施例3>
第2の実施例として、不純物濃度分布のシミュレーション方法を例示する。図5は本発明のシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【0044】
本発明の骨子は、半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程に対するデュアルピアソンテーブルデータを用いた不純物濃度分布のシミュレーション方法において、はじめに初段注入条件に対して前記テーブルデータを元に不純物濃度分布を決定する。
【0045】
2段目以降のn段目のイオン注入工程に対しては、前記単一エネルギーテーブルデータを元にn1n(x)、n2n(x)を決定するとともに、前記R補正テーブルデータを元に(n−1)段目の注入条件を反映させたRnを決定し、対応する不純物濃度分布を決定する。
【0046】
そして、修正パラメータを用いて不純物濃度を決定し、初段から終段ごとに決定した前記不純物濃度分布を加算する。
【0047】
要するに、n段目のイオン注入工程において、ピアソン型関数のアモルファス成分とチャネリング成分を加算する場合、(n−1)段目の注入条件を反映させたRnの値を用いるのが、その骨子である。即ち、本願のシミュレーション方法は、半導体結晶へ複数のエネルギーに分けてイオン注入した不純物の深さx方向に対する分布を、アモルファス成分とチャネリング成分とを表す2つの規格化されたピアソン関数n(x)、n(x)を規定するパラメータと、n(x)、n(x)を加算する際の重み付け係数であるアモルファス成分注入量比Rをデュアルピアソンテーブルデータとして備えた不純物濃度分布のシミュレーション方法における方法である。尚、デュアルピアソンテーブルデータと用いた不純物濃度分布のシミュレーション方法の基本は、既に知られているので、本願の特徴部分を中心に説明する。
(1)[図5の工程11]
該テーブルデータが単一エネルギー注入に対して作成された単一エネルギーテーブルデータと複数エネルギー注入に対して履歴を反映させたR補正テーブルデータからなり、
複数の注入エネルギーと注入量の組からなる注入条件を入力するステップ。
【0048】
ここで、前記テーブルデータ(図5の符号17)は、注入エネルギーに対し、飛程Rp1、偏差ΔRp1、歪みγ、とがりβ、飛程Rp2、偏差ΔRp2、歪みγ、とがりβ、係数Rの9つのパラメータをテーブル化した単一エネルギーテーブルデータと、複数エネルギー注入に対して履歴を反映させたR補正テーブルデータからなる。飛程R、偏差ΔR、歪みγ、とがりβの4種類は、ピアソン型関数のモーメントパラメータである。尚、数字の添え字は、先の注入の及びそれに続く注入の場合で、いわゆるアモルファス成分とチャネリング成分を現している。これらデータは、予め、複数のドーズ値のイオン注入プロファイルデータから求められる。そして、これらは通例の方法で十分である。
【0049】
次に、後者のR補正テーブルデータを図6に例示する。図6は、Alイオンの打ち込みエネルギーが220keVの場合である。即ち、図では、或るイオン注入工程の直前のイオン注入工程における注入エネルギーに対して、その注入エネルギーで注入された注入量の各値に対して、係数Rが示されている。これらデータも、予め、複数のドーズ値のイオン注入プロファイルデータから求められる。220keVを例示したように、注入エネルギーごとのシートで構成され、イオン注入量に対し、直前の注入エネルギーごとに補正後のRをテーブル化したものである。当然、注入エネルギーの範囲25keV〜450keVについて、同様の補正後のRをテーブルが準備される。
(2)[図5の工程12]
初段注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元に対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R11(x)+(1−R)n21(x))
を決定するステップ。
(3)[図5の工程13]
2段目以降のn段目の注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元にn1n(x)、n2n(x)を決定するとともに、前記R補正テーブルデータを元に(n−1)段目の注入条件を反映させたRnを決定し、対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R1n(x)+(1−R)n2n(x))
を決定するステップ。
(4)[図5の工程14]
前記注入条件を元に、(n+1)段目のイオン注入があるか否かを判定するステップ。
(5)[図5の工程15]
初段から終段ごとに前記の通り決定した不純物濃度分布を加算して総不純物濃度分布を決定するステップ。
【0050】
本実施例では、実施例1に示した改良多段イオン注入に対し、図6に示す補正テーブルデータが補間により適用され、図1の実線に一致するAl濃度分布が得られた。
【0051】
本実施例によれば、各段の加速エネルギーが異なる多段イオン注入工程における不純物濃度分布のシミュレーション方法において、一段または同一エネルギーの分割多段のイオン注入において実績のあるデュアルピアソン分布関数を用いた手法ができる結果、不純物濃度分布を短時間で高精度にシミュレーションできる効果がある。
【0052】
図7は、こうしたシミュレーションを実行するシミュレーション装置の構成例である。
【0053】
シミュレーション装置20は、コンピュータ装置で構成され、これに入力部21、表示部22が接続されている。コンピュータ装置内には、半導体結晶中への不純物の多段イオン注入工程における各段の加速エネルギーと注入量の組、ならびに当該段の時間的順番からなる注入条件入力データを処理するデータ処理部23、デュアルピアソンテーブルデータを格納する記憶部27、前記注入条件入力データに対応したデュアルピアソンパラメータを生成するパラメータ処理部24、前記パラメータ処理部によって生成されたデュアルピアソンパラメータから不純物濃度を算出し、当該分布の多段イオン注入工程における総和を求める解析部25を有し、前記算出された不純物濃度分布を表示する表示部22に接続されている。基本的なプログラムやデータの格納、実行対象のプログラムやデータの格納などは通例のコンピュータ装置におけるそれとして装備すればいいので、その詳細は省略する。
【0054】
本例の装置によって、これまでに開示のなかった各段の加速エネルギーが異なる多段イオン注入工程における不純物濃度分布のシミュレーション装置が実現でき、不純物濃度分布を短時間で高精度にシミュレーションできる。
【0055】
以上、本願発明によれば、不純物分布における裾引きのより小さな多段イオン注入方法が提供される。結果、半導体結晶に対して急峻な不純物濃度分布を実現できる。又、加速エネルギーの異なる多段イオン注入工程に対し、注入イオン分布を短時間で高精度にシミュレーションする方法および装置が提供される結果、多段イオン注入分布を瞬時に決定でき、半導体装置の高精度、短期間設計を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施例および従来例による4H−SiCにおけるAl濃度分布を示す測定結果である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す測定結果である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す測定結果である。
【図4】本発明の第1の実施例を示す解析結果である。
【図5】本発明の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1および第3の実施例に使用するテーブルデータである。
【図7】本発明の第4の実施例を示す構成図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す測定結果である。
【図9】本発明の第2の実施例における角度の定義を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に非晶質膜を有する半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、
前記イオン注入する工程の連続する各段の注入エネルギーが、第1のイオン注入工程に対して次段のイオン注入工程における不純物イオンのチャネリングが抑制できる程度以下に相互に接近し、且つ
前記イオン注入する工程は、全てのイオン注入工程が、注入エネルギーの低い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法。
【請求項2】
請求項1記載の多段イオン注入方法において、
前記半導体結晶が六方晶系であり、打ち込みイオンがAlであり、前記イオン注入する工程の連続する各段の注入エネルギーの差は、射影飛程の差が0.05μm以上0.1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多段イオン注入方法。
【請求項3】
表面に非晶質膜を有しない半導体結晶中へ不純物を少なくとも2つのイオンエネルギーにてイオン注入する工程を有する多段イオン注入方法であって、打ち込みイオンが該半導体結晶のチャネリング方向に対し7度以上の角度で入射し、且つ
前記イオン注入する工程は、全てのイオン注入工程が、注入エネルギーの高い段から順次イオン注入が行なわれることを特徴とする多段イオン注入方法。
【請求項4】
請求項3記載の多段イオン注入方法において、
前記該半導体結晶が六方晶系、前記チャネリング方向が[0001]方向であり、且つ
該打ち込みイオンがAlであることを特徴とする多段イオン注入方法。
【請求項5】
半導体結晶へ複数のエネルギーに分けてイオン注入した不純物の深さx方向に対する不純物濃度分布を、2つの規格化されたピアソン関数n(x)、n(x)の加算によって、シミュレーションするシミュレーション方法であって、
アモルファス成分とチャネリング成分とを表す前記2つの規格化されたピアソン関数n(x)、n(x)を規定するパラメータと、前記n(x)、n(x)を加算する際の重み付け係数であるアモルファス成分注入量比Rをデュアルピアソンテーブルデータとして備え、
前記デュアルピアソンテーブルデータが、単一エネルギー注入に対して作成された単一エネルギーテーブルデータと複数エネルギー注入に対して履歴を反映させたR補正テーブルデータとからなり、且つ
複数の注入エネルギーと注入量の組(E、Φ)からなる注入条件を設定するステップ、
初段の注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元に対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R11(x)+(1−R)n21(x))
(尚、ここで、Rは初段のR補正値、又、ピアソン関数n11(x)、n21(x)における第2の添え字は注入の段数(n)を示す。以下、同様の表示である。)
を決定するステップ、
2段目以降のn段目の注入条件(E、Φ)に対して、前記単一エネルギーテーブルデータを元にn1n(x)、n2n(x)を決定するとともに、前記R補正テーブルデータを元に(n−1)段目の注入条件を反映させたRnを決定し、対応する不純物濃度分布
(x)=Φ(R1n(x)+(1−R)n2n(x))
を決定するステップ、
前記注入条件を元に、(n+1)段目のイオン注入があるか否かを判定するステップ、及び
初段から終段ごとに前記の通り決定した不純物濃度分布を加算して総不純物濃度分布を決定するステップと、
を少なくとも有することを特徴とする不純物濃度分布のシミュレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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