説明

多相パーソナルケア組成物の製造及び提供方法、並びに商品

多液相組成物であって、該相が視覚的に識別できる多液相組成物。これらの組成物は、パーソナルケア組成物を作成するために複数の相を組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安定で、視覚的に識別される多相液状組成物、そのような組成物を提供する方法およびそのような組成物を含む商品に関する。
【背景技術】
【0002】
時間に追われる日常生活において、人は、身体の衛生的要求に対処するためのより効率の良い方法を求めている。例えば、単一工程で洗浄及びコンディショニングをする2イン1シャンプーは、一般消費者に広く使われている。消費者は、この同じ利便性を、固形石鹸のように洗浄するがまた皮膚をコンディショニングもする皮膚クレンジング製品の形態において求めている。同様に消費者は、皮膚クリーム、ローション、及び消費者が所望する利点を複数提供可能な、その他の当該組成物を求めている。更に、消費者は、少なくとも一つのパーソナルケアの利点を提供するだけでなく、審美的にも楽しませる外観を有して、消費者が製品の使用を一層楽しめる製品を求めている。
【0003】
このような製品を提供する早期の試みでは、例えば、別個のクレンジングおよびコンディショニング製品を含む二重包装容器を使用していた。別個のコンディショニング及びクレンジング組成物は、長期間の貯蔵中に物理的に分かれたまま及び安定なままである。これらの包装は、洗浄及びコンディショニングを同時に達成するために製品を共に分配するように設計されていた。別の実施形態では、洗浄及びコンディショニング製品は、分配直前に混合される。そのような二重容器分配システムは、消費者が求める改良された便宜性を提供するように見えたものの、それはしばしば、このような二重容器システムに内在され得る、異なる液相の不均等な分配のため、一貫した一定の機能を達成できなかった。また、1つの室が空になるずっと前に、もう1つの室を使いきってしまって、未使用の製品が無駄になることも、しばしば、消費者の欲求不満を誘引するに至った。更にこれらの包装システムは、最終製品に相当な支出を加えるとともに、一般家庭の浴槽/シャワーのような区域において場所を取る傾向があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
もうひとつの方法としては、2つの視覚的に識別される相を含む組成物は、両方の相を同時に分配する、(例えばポンプ、ジャー、ボトルのような)通常の上部分配製品包装容器に組み込まれた。これらの製品は、2つの最初に別個で識別される相組成物が、充填ヘッドに注がれて、回転する包装または容器に同時に分配される、特別な処理を必要としていた。包装中に充填ヘッドの中で製品を攪拌することは、充填ヘッドの周囲に配置される複数個のかき混ぜ棒を用いて達成される。使用前には容器内で視覚的に魅力的な「螺旋状」の外観を有するこれらの製品は、一旦製品が用いられると、その魅力を容易に失うことになる。例えば、ボトルがさかさまにされて、ボトルの口から製品を分配するために絞られて、次いで貯蔵のために再び正立されると、製品の当初の魅力的な多相性の外観は、製品がさかさまにされてから正立へと戻るにつれて気泡が製品全体にわたって移動することによって崩壊することになる。これは、製品が急速に所望の美的外観を失うように至らしめ、したがって、消費者の使用経験が減損される。さらにまた、同じパターンの崩壊は製造施設から消費者の購入地点まで製品を出荷する間に発生することがあるため、使用前においてでさえ製品が望ましくない外観を有する結果となる。
【0005】
上記の検討に基づいて、通常の包装から分配されながらも、その望ましい多相の外観を維持する単一の製品を製造することの必要性がまだ残されている。
【0006】
複数液相の包装に関する参照には、米国特許第4,159,028号(バーカー(Barker)ら、1979年6月26日発行)、米国特許第4,335,103号(バーカー(Barker)ら、1982年6月15日発行)、米国特許第6,245,344号(テイビアント(Thibiant)ら、2001年6月12日発行)、米国特許第6,367,519号(テイビアント(Thibiant)ら、2002年4月9日発行)、米国特許第6,516,838号(テイビアント(Thibiant)ら、2003年2月11日発行)がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は相が製品容器において視覚的に安定なままである複数の視覚的に識別される相を含むパーソナルケア組成物に関する。更に本発明は、そのような製品を製造及び提供する方法に関する。
【0008】
1つの実施形態において、安定で、視覚的に識別される、複数の液相組成物を作る方法は、次の工程を含む:
a.複数の液状組成物を別々の容器に入れる工程であって、その容器が該組成物を該容器から移すための少なくとも一つの分配手段を備え、該液状組成物は、互いに物理的に識別され、
b.空の製品容器を供給する工程であって、該空の製品容器はトトルであり、
c.該空の製品容器に該液状組成物を充填して、約0%〜約4%の空隙容量を有する、該パーソナルケア組成物の容器を形成する工程であって、該充填工程が、少なくとも一つの該分配手段によって該液状組成物の予め定められた量を該空の製品容器に移し、及び、
d.任意に、該パーソナルケア組成物を養生する工程であって、該養生工程は、所望の養生レベルに達するまで、それが満たされた該製品容器を同じ方向に維持することを任意に含む方法。
【0009】
一つの実施形態において、製品容器は、製品が分配される同じ端から充填されるボトルである。特定の実施形態では、ボトルが充填される端は製品が分配される端であるだけではなくて、それは、消費者による貯蔵のため、及び/又は、店の棚に展示のために、ボトルがその上で静止する、又は座ることを目的とする端(例えばボトルの基部)(このボトルは、本明細書において、「トトル(tottle)」と称される)でもある。
【0010】
特定の実施形態では、この方法は、最初にノズルを充填される容器の底の近くに入れて、容器が満ちるにつれて、ノズルを持ち上げることを更に含む。更に充填中に、容器は、充填される間にボトルを回転するために回転台上に固定され得る。プラットフォームは、前述の美的利点を提供するために、組成物の適切な模様を提供するための速度で回転され得る。典型的なプラットフォーム速度は、毎分約0回転(rpm)〜83.8rad/s(800rpm)にわたる。所望であれば、回転台は、変速駆動機構によって回転され得る。
【0011】
本方法の一実施形態において、模様は、互いに視覚的に識別される相を含む。相の間の視覚的な識別は、色又は質感によることができる。具体的な模様は、多種多様な模様から選択することができ、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的図形、螺旋、及びこれらの混合が挙げられるがこれらに限定されない。
【0012】
別の態様においては、本発明は、前記組成物を提供する方法を提供する。この方法は、次の工程を含む:
a.複数の液状組成物を別々の容器に入れる工程であって、その容器が該組成物を該容器から移すための少なくとも一つの分配手段を備え、該液状組成物は、互いに物理的に識別され、
b.空の製品容器をを供給する工程であって、該空の製品容器がトトルであり、
c.該空の製品容器に前記液状組成物を充填して、約0%〜約4%の空隙容量を有する、該パーソナルケア組成物の容器を形成する工程であって、該充填工程が、少なくとも一つの該分配手段によって該液状組成物の予め定められた量を該空の製品容器に移し、及び、
d.任意に、該パーソナルケア組成物を養生する工程であって、該養生工程は、所望の養生レベルに達するまで、それが満たされた該製品容器を同じ方向に維持することを任意に含み、
e.該容器を出荷用包装内に入れる工程であって、該容器は、それが充填されたときと同じ方向で該出荷用包装に入れられる。
【0013】
別の態様においては、本発明は、商品を提供する。該商品は、
a.ボトル、及び、
b.該ボトルに含有されたパーソナルケア組成物であって、該パーソナルケア組成物は、少なくとも2つの物理的に識別される相を含み、及び、更に該パーソナルケア組成物は、少なくとも一つの相で約25〜約2000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有する。
【0014】
特定の実施形態では、前記パーソナルケア組成物は、約50〜約1500パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有し、更に別の実施形態では、該パーソナルケア組成物が約75〜約1000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有する。
【0015】
一つの実施形態において、物理的に識別される相は、互いに視覚的に識別される相を含む。相の間の視覚的な識別は、色又は質感によることができる。具体的な模様は、多種多様な模様から選択することができ、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的図形、螺旋、及びこれらの混合が挙げられるがこれらに限定されない。
【0016】
定義
本明細書で使用するとき、用語「周囲条件」は、特に指示がない限り、0.1MPa(1気圧)、50%の相対湿度、及び25℃の周囲条件のことを指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、「安定な」という用語は、特に指示がない限り、周囲条件において振動なしで、少なくとも約30日間、視覚的に識別できる相が物理的に接触した状態を維持する組成物を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」という用語は、特に指示がない限り、本発明の組成物を指し、その際この組成物は、皮膚又は毛髪への局所塗布のための組成物を包含することを意図する。そのようなパーソナルケア組成物には、シャンプー、コンディショナ、ヘアスタイル製品、洗浄剤、石鹸、化粧品、ファウンデーション、発汗抑制剤、デオドラント、ローション、クリーム、軟膏、これらの組み合わせなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用するとき、「相」という用語は、均質でない物理−化学系の中に存在する物質の、均質な、物理的に識別できる、及び機械的に分離可能な部分を指す。幾つかの実施形態では、本明細書の相は異なる色を有する組成物である。幾つかの実施形態では、相は同じ化学組成物を含むが異なる着色剤を有する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「視覚的に識別できる」又は「視覚的に異なる」という用語は、包装の中で又は使用するときに視覚的に異なる相を示す組成物を表す。これらの異なる相は、はっきりと分離しているか、又は多液相組成物が裸眼で見える限りで部分的に混合しているかのいずれかである。
【0021】
本明細書で使用するとき、「ストライプ」という用語は、組成物が貯蔵される包装内部で、組成物中に存在する各相が、別個であり識別できる物理的空間であるが、互いに直接接触している物理的空間を占めることを意味する。本発明の一つの好ましい実施形態において、少なくとも2つの相を含むパーソナルケア組成物が、異なった層又は「ストライプ」として容器内に存在する。ストライプは、パッケージの寸法全域に比較的一様且つ均一であってよい。あるいは、層は不均一、即ち起伏があってもよく、又は寸法が同一でなくてもよい。ストライプは、包装の寸法全体にわたって必ずしも伸びているわけではない。「ストライプ」は、様々な幾何学模様、様々な色、及び又は輝き、若しくは真珠光沢を含むことができるが、ただし該代わりのものの濃度が視覚的に識別できるバンド又は領域を形成するという条件である。
【0022】
本明細書で使用するとき、「大理石模様」という用語は、大理石に類似した脈状の及び/又は斑状の外観を有するストライプ模様のデザインを指す。
【0023】
以下に定義される方法は、本出願の多液相を含む組成物に使用されるストライプ模様及び大理石模様の定量的測定を可能にする:
1.平均のストライプ・サイズ(Average Stripe Size)(AS)を測定する方法
最初に、鉛筆を用いて製品包装の中央に沿って垂線を引く。様々な色を有するすべての製品のストライプを包含する、視覚的に区別できる製品のストライプの数の合計又はNを出す。ミリメートル(mm)で測定される製品包装の高さDをNで割る。平均のストライプ・サイズが次のように算出される:
AS = D/N
本発明の一実施形態の平均ストライプ・サイズ(AS)は、約0.1〜約10mmで、他の実施形態では、約0.5〜約5mm、及び、もう一つの実施形態では約0.5〜約2mmである。
【0024】
2.ストライプ模様/大理石模様の多液相組成物についての色の方法
グレタグマクベス(GretagMacbeth)のカラー−アイ(Color-Eye)70000A分光光度計を用いて、ストライプ模様/大理石模様の多液相組成物の色差を測定する。開口の大きさは3mm×8mm(非常に小さい視野)である。機器は、2°の入射光線に関して反射モードで実行する。最初に、試料の最も明るい区域の周辺で1つの色測定を行う。この読みを、基準色として用いる。第2の色測定を試料の最も暗い区域の周辺で行う。この色の読みを、基準色(明るい点)と比べ、及び色差をΔEとして計算する。
【0025】
本発明のストライプ模様/大理石模様の多液相組成物は、ΔE≧1を有する。(好ましくは、ΔEは2を超える。最も好ましくは、ΔEは4を超える。
【0026】
3.パーソナルケア組成物の粘性
ウェルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・モデルDV−II+(Wells-Brookfield Cone/Plate Model DV-II+)粘度計を用いて、本明細書の液状パーソナルケア組成物の粘度を決定する。測定はそれぞれの円錐と平板における2つの小さなピンの間0.013mmのギャップを有する2.4cm3°円錐測定システムによって25℃にて行われる。測定は、コーンとプレートとの間に分析すべき試料0.5mlを注入し、コーンを0.1rad/s(1rpm)の設定速度に設定して実施される。コーンの回転に対する抵抗が、液状試料の剪断応力に比例したトルクを生み出す。トルクの量は、試料を装填した2分後に読み取られ、コーンの幾何学的定数、回転速度、及びトルク関連応力に基づき、粘度計により絶対センチポアズ単位(mPa*s)に計算される。
【0027】
液状パーソナルクレンジング組成物の平均低せん断速度
米国、デラウエア州、ニューキャッスルのTAインストルメンツ(TA Instruments of New Castle, Delaware, USANew Castle、Delaware、USA)から入手可能なAR2000流量計が、液状パーソナルクレンジング組成物の平均低せん断速度粘性を決定するために用いられる。本明細書の目的のために、平均低せん断速度粘性は、0.0005L/s〜0.005L/sの範囲にわたる粘性の平均を計算することによって決定される。決定は、53ミクロンのギャップがセットされた4cm、2°のコーン(53ミクロンに切り詰めた)測定システムにおいて25Cで実行される。この測定は、4分間隔の対数せん断応力(典型的には、約0.05〜約500パスカル)のプログラム化された適用により実施される。
【0028】
パーソナルケア組成物の空隙容量
充填及びキャッピング操作完了後に包装内に残される、空隙容量は以下のように決定される:
1.代表的な包装容器と栓のサンプルを取って、(必要ならば手で)オーバフロー位置まで25Cの水で充填して、栓で蓋をしてこぼれた水を全て乾燥除去する。平均重量を記録する。
2.同じ包装容器と栓について、空で乾燥した包装容器と栓の平均重量を得る。
3.代表的な数の包装容器を目的の組成物で充填し、好ましくは脱気して、栓で蓋をする。平均重量を得る。
4.空隙容量を算出する(これは、ほとんどの場合、包装容器が元の充填方向から逆向きにされたときに、包装容器内を移動する気泡に対応する):
【0029】
【表1】

注:各重量測定には同じ重量単位を使用すること、sp.gr.=比重。
【0030】
全ての百分率、部および比率は、本明細書で用いるとき、別段の指定がない限り、全組成物の重量を基準とする。このようなすべての重量は、記載した成分に関する限り活性物質レベルに基づくものであり、そのため特に指定されない限り市販材料に包含される可能性のある溶媒もしくは副産物を含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
上記のように、本発明は、複数の液相を有する組成物を製造する方法、提供する方法及び商品に関する。
【0032】
構成成分の物理特性、即ち色、レオロジー、質感、密度などについて多くの変化が可能であるが、色の変化が広く求められている。組み合わせ製品中に達成される具体的なデザイン又は模様(即ち、ストライプ又は大理石模様などの幅、長さ)は、相のレオロジー特性、分配手段の直径、充填中の容器の回転の有無、回転速度及び不変性が挙げられるがこれらに限定されない多数の要因を変えることにより変えることができる。
【0033】
これらの多液相製品の充填中の分配手段の設置は、追加的なプロセスの一変形である。一つの実施形態では、本方法は、最初に、充填される容器の底近くにノズルを入れ、容器が満ちるにしたがって分配手段が上がっていくことを伴う。他の変形では、容器自体が分配手段上に立てられるか、又は容器は上部から充填され得る。1つの可能性のある変形では、容器は逆さまで充填され得、及び充填に続いて底が容器に付着される。
【0034】
起泡性相と組合わせて非起泡性(脂質)相が使用される実施形態については、起泡性相は加熱すること、及び組み合わせ/充填処理を開始する前に冷却のために熱交換器を通過することを必要としてもよい。
【0035】
本発明の一つの実施形態では、組成物を手で圧搾されるか又は逆さにして重力供給する際に、組成物が容器から分配される。一つの実施形態では、本方法は、界面活性剤、水、及び任意の従来のパーソナルクレンジング成分を含有する起泡性相を含む第1のストライプ、並びに別個の非起泡性相を含む少なくとも1つの追加のストライプを有する、らせん状にストライプ模様のパーソナルクレンジング組成物を製造するために用いられる。
【0036】
一つの実施形態では、1以上の相が安定な着色剤を含むことができ、パーソナルクレンジング組成物が内容物の見える容器中に包装される場合に、目に見える模様を結果としてもたらす可能性がある。
【0037】
これらの複数の液相パーソナルケア組成物は、2つの別個の相が物理的に接触しているが、安定に保持されるように処理される。これらの組成物は、使用の間及びその後に、視覚的に異なった(例えば、ストライプの)外観によって、改良された美観を更に提供する。
【0038】
a.液組成物
本明細書における本発明の実践において、いかなる適切な液組成物も、使用することができる。例えば、適切な液組成物には、シャンプー、コンディショナー、ファンデーション、洗浄液、石鹸、などが挙げられる。本明細書においてパーソナルケア組成物の製造に使用される液組成物は、好ましくは、実質的に同じ密度及び/またはレオロジーを有する。本明細書において用いることができる好適な組成物の例としては、上記の「背景技術」において開示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
好ましい実施形態においては、物理的に異なり、好ましくは視覚的に異なる、少なくとも2つの液組成物が、使われる。特定の実施形態では、視覚的に異なる相は、異なる色を持つ。例えば、一つ又はそれ以上の相は、染料、色素、真珠光沢剤、レーキ、着色剤またはそれらの混合物を含むことができる。本発明に有用であり得る着色剤は、例えば、レッド30ローアイアン(Low Iron)、FD&Cレッド40ALレーキ、レーキ27及びレーキ30のD&Cレッドレーキブレンド、FD&Cイエロー5Alレーキ、FD&Cイエロー6ALレーキ、FD&Cイエロー5レーキ、FD&Cブルー#1ALレーキ、コエット二酸化チタン(Kowet Titanium Dioxide)、D&Cレッド30タルクレーキ、D&Cレッド6バリウムレーキ、D&Cレッド7カルシウムレーキ、D&Cレッド34カルシウムレーキ、D&Cレッド30ALレーキ、D&Cレッド27ALレーキ、D&Cイエロー10ALレーキ、D&Cレッド21ALレーキ、黄酸化鉄(Yellow Iron Oxide)、D&Cレッド30レーキ、オクトサー(Octocir)イエロー6ALレーキ、オクトサー(Octocir)イエロー5ALレーキ、D&Cレッド28レーキ、D&Cオレンジ5ジルク(Zirc)Alレーキ、コスレッドオキシド(Cos Red Oxide)BC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)レッドBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラックBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエロー、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラウン、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエローBC、ユーロオキシド・レッド・アンステリル(Euroxide Red Unsteril)、ユーロオキシド・ブラック・アンステリル(Euroxide Black Unsteril)、ユーロオキシド・イエロー・ステリル(Euroxide Yellow Steril)、ユーロオキシド・ブラック・ステリル(Euroxide Black Steril)、ユーロオキシド・レッド(Euroxide Red)、ユーロオキシド・ブラック(Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・ブラック(Hydrophobic Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・イエロー(Hydrophobic Euroxide Yellow)、疎水性ユーロオキシド・レッド(Hydrophobic Euroxide Red)、D&Cイエロー6レーキ、D&Cイエロー5Zrレーキ、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0040】
一つの実施形態において、パーソナルケア組成物は少なくとも2つの物理的に異なる相を含み、少なくとも一つの相は約25〜約2000パスカル秒、他の実施形態では約50〜約1500パスカル秒、及び、更にもう一つの実施形態では約75〜約1000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有する。
【0041】
b.製品容器
本明細書では、任意の適切な製品容器が使用可能である。一つの実施形態において、容器は、ボトルである。他の実施形態では、容器は、平坦なキャップを有するボトルである。さらに他の実施形態では、容器は、トトルである。
【0042】
特定の実施形態において、透明又は不透明なボトルが使われる。例えば、特定の実施形態において、例としてボトルは、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、エチレン、ビニルおよびアセテートのような線形低密度、低密度、高密度のコポリマー)、ポリエチレン・テレフタル酸塩並びにコポリマーなどのポリオレフィン、及びナイロンから作られ得る。
【0043】
一つの実施形態において、製品容器は、製品が分配される同じ端から充填されるボトルである。特定の実施形態では、ボトルが充填される端は製品が分配される端であるだけではなくて、それは、消費者による貯蔵のため、及び/又は、店の棚に展示するために、ボトルがその上で静止する、又は座る(例えばボトルの基部)ことを目的とする端(このボトルは、本明細書において、「トトル(tottle)」と称される)でもある。通常、トトルは貯蔵されるとき栓の上に立つように、トトルの栓は平坦又は凹である。特定の実施形態では、栓は、例えば、キャップ、引上げ蓋、ねじ式、ねじ式引上げ蓋のキャップ、ロッカーキャップ、その他である。
【0044】
特定の実施形態では、トトルは、好適な容器であり得る。トトルが使われる場合、パーソナルケア組成物はそれが充填された端が下向きになるように貯蔵され得る。これは消費者が各使用の度に製品を分配するためにボトルをひっくり返す必要を回避させ、それによって、消費者の各使用の度に気泡が包装容器内を製品長を通じて移動することを排除する。視覚的に異なった相を有する製品の魅力的な外観を崩壊させる可能性があることから、製品の長さに渡る気泡の移動は美的観点から望ましくない。製品の魅力がこうして損われることは、消費者の製品の享受を無用に損なうことになる。
【0045】
さらに別の実施形態では、容器は、いずれの端でも直立に立てられるボトルである。
【0046】
c.約0%〜約4%の空隙容量を有するパーソナルケア組成物のコンテナを形成する空の製品容器を充填すること。
【0047】
一つの実施形態において、空の製品容器は、液状組成物を充填されて、約0%〜約4%、他の実施形態においては約0%〜約2%、及び更にもう一つの実施形態においては、約0%〜約2%の空隙容量を有する、パーソナルケア組成物の容器を形成する。そのような充填は、複数の液状組成物の予め定められた量を少なくとも一つの分配手段によって、空の製品容器へ移すことを含み得る。
【0048】
好ましくは、最小の空隙容量が、パーソナルケア組成物の完成された容器に保持される。空隙容量の最小化は、いかなる適切な手段によっても達成できる。そのような方法は、次のような公知技術の充填方法を含み得るが、これに限定されるものではない。(1)容器を過剰充填して、溢れをふき取ること、(2)仕上げ(例えば、副次充填器、手動充填、その他)、(3)少なくとも空隙域の一部を置き換える容器栓を使用すること(例えば少なくとも空隙域の一部を占める変形可能なプラグ)、(4)空隙(例えば気泡)が流出できる排気栓を使用すること、及び、(5)慎重に容器を充填すること。
【0049】
いかなる適切な方法も、容器を充填するために用いることができる。例えば、上記の「背景技術」部に記載された方法を用いることができる。
【0050】
d.養生
充填の後、組成は養生工程を任意に経過できる。養生工程の間、組成物は、出荷の前に安定させることができる。例えば、組成物は、消費者の購入のための出荷前に、冷却させ、結晶させることなどができる。
【0051】
e.提供
本明細書における本発明は、また、安定で、視覚的に識別される、複数の液相組成物を提供する方法を提供する。この方法は、容器を出荷用梱包に入れる工程であって、該容器はそれが充填されたときと同じ方向で該出荷用梱包内に入れられる。例えば、該容器が正立した位置において充填された場合、それは正立した位置で出荷用梱包内に入れられる。これは、製品の視覚的に異なった模様を崩壊させ得る、製品全体にわたる気泡の移動を防止することができるため、多相パーソナルケア製品の望ましい美的外観を維持するのを助けることができる。更に、それは、栓の開口部からの漏出の発生を減らすことができる。
【0052】
本明細書においては、いかなる適切な出荷用梱包を用いてもよい。例えば、出荷用梱包は、箱または容器であり得る。一つの実施形態において、梱包は、消費者の購入先に出荷するための複数の完成品包装を含むための複数の空間を含む箱である。
【0053】
f.貯蔵用の任意の回転
一つの実施形態において、パーソナルケア組成物は、店の棚上及び/または消費者によって、充填時と反対の方向で貯蔵される。
【0054】
g.商品
別の態様において、本発明は、容器及びパーソナルケア組成物を提供する商品を提供する。特定の組成物において、商品は、以下を含む:
a.ボトル、及び、
b.該ボトルに含有されたパーソナルケア組成物であって、該パーソナルケア組成物は少なくとも2つの物理的に異なった相を含み、及び、更に、該パーソナルケア組成物は、少なくとも一つの相で約25〜約2000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有する。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明および実証する。以下の実施例は、説明の目的のためのみに提示されており、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。特に指示のない限り、例示される量は全て、全組成物の重量を基準とした濃度、すなわち、重量/重量百分率である。
【0056】
例示される各組成物は、調製された各組成物から送達される皮膚コンディショニング剤又は任意成分の、改良された付着又は効果をもたらす。
【0057】
表1に記載の以下の実施例は、本明細書のパーソナル洗浄組成物の非限定的な例である。
【0058】
【表2−1】

【0059】
【表2−2】

【0060】
クレンジング相組成物:
適切な容器に蒸留水を加え、適切な大きさの撹拌ブレードを使用して適切な速度(100〜200ppm)で撹拌する。必要に応じて、アニオン性ポリマー(カーボポール・アクア(Carbopol Aqua)SF−1)、カチオン性ポリマー(ポリクアテルニウム(Polyquaternium)−10、ポリケア(Polycare)133)を添加し、軽く撹拌してポリマーを徐々に湿潤及び分散させる。撹拌を続けながら、必要に応じて、溶液が透明になるまで、クエン酸溶液(50%)を混合容器に滴下し、pHを下げる。混合物に界面活性剤(AS、AES、及びCAPB)を添加する。混合物を60℃に加熱し、撹拌しながら混合物にCMEA、EGDS、及びセチルアルコールを添加する。均質になるまで混合する。溶液を撹拌しながら室温まで冷却し、ジメチコン、EDTA、マックスタット(Mackstat)DM−C、医薬品及び化粧品用色素、及び香料を添加する。最後に、製品のpHを約5.5〜約6.5の特定の好ましい範囲に調整する。
【0061】
本明細書で引用されるすべての文献は、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【0062】
本発明の特定の実施形態が例示および説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定で、物理的に識別できる多液相パーソナルケア組成物を製造するための方法であって、
a.複数の液体組成物を別々の容器に入れる工程であって、その容器が該組成物を該容器から移すための少なくとも一つの分配手段を備え、該液状組成物は、互いに物理的に識別され、
b.空の製品容器を供給する工程であって、該空の製品容器がトトルであり、
c.該空の製品容器に該液状組成物を充填して、0%〜4%、好ましくは0%〜2%、及び、より好ましくは、0%〜1%の空隙容量を有する、該パーソナルケア組成物の容器を形成する工程であって、充填工程が、少なくとも一つの該分配手段によって該液状組成物の予め定められた量を該空の製品容器に移し、及び、
d.任意に、該パーソナルケア組成物を養生する工程であって、該養生工程は、所望の養生レベルに達するまで、それが満たされた該製品容器を同じ方向に維持することを含む、安定で、物理的に識別できる多液相パーソナルケア組成物を製造するための方法。
【請求項2】
安定かつ物理的に識別できる多液相パーソナルケア組成物を提供するための方法であって、該方法は、
a.複数の液状組成物を別々の容器に入れる工程であって、その容器が該組成物を該容器から移すための少なくとも一つの分配手段を備え、該液状組成物は、互いに物理的に識別され、
b.空の製品容器を供給する工程であって、該空の製品容器がトトルであり、
c.該空の製品容器に該液状組成物を充填して、0%〜4%、好ましくは0%〜2%、及び、より好ましくは、0%〜1%の空隙容量を有する、前記パーソナルケア組成物の容器を形成する工程であって、充填工程が、少なくとも一つの該分配手段によって該液状組成物の予め定められた量を該空の製品容器に移し、
d.任意に該パーソナルケア組成物を任意に養生させる工程であって、該養生工程は、所望の養生レベルに達するまで、それが満たされた該製品容器を同じ方向に維持し、及び、
e.該容器を出荷用包装内に入れる工程であって、該容器は、それが充填されたときと同じ方向で該出荷用包装に入れられる工程を含む方法。
【請求項3】
a.ボトル、及び、
b.該ボトルに含有されたパーソナルケア組成物であって、該パーソナルケア組成物は少なくとも2つの物理的に識別される相を含み、及び、更に、該パーソナルケア組成物は、少なくとも一つの相で25〜2000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有する、を含む商品。
【請求項4】
前記商品は、0%〜4%、好ましくは0%〜2%、及び、より好ましくは、0%〜1%の空隙容量を有する請求項3に記載の商品。
【請求項5】
前記ボトルがトトルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の商品。
【請求項6】
前記パーソナルケア組成物は、模様化された外観を有し、好ましくは該模様化された外観が縞模様及び大理石模様からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の商品。
【請求項7】
前記パーソナルケア組成物が界面活性剤を含む洗浄組成物を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品。
【請求項8】
前記パーソナルケア組成物が、少なくとも一つの相で50〜1500パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有し、好ましくは少なくとも一つの相で75〜1000パスカル秒の平均低せん断速度粘性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の商品。
【請求項9】
前記パーソナルケア組成物が界面活性剤を含む洗浄組成物を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の商品。

【公表番号】特表2008−531401(P2008−531401A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555388(P2007−555388)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006202
【国際公開番号】WO2006/093742
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】