説明

大コア穴あきファイバ

【課題】大きなコア寸法を持つファイバとレーザ及び増幅器としてこのファイバを用いたデバイスとシステムを提供する。
【解決手段】大きなコアの穴あきファイバは、少数の層に配置された大きな穴で形成されたクラッド領域を有する。コアの周りの穴の層或いは列の数は、信号の基本モードと高次モードの漏れ損失を調整するために使用され、漏れで非基本モードが実質上除去されることを可能にする。基本モードの望ましい漏れ損失での望ましい動作をもたらすために、漏れ損失の細かい調整が穴寸法及び或いは穴間隔を調節することで行われる。結果としての穴あきファイバは、シングルモードを伝搬する従来のファイバと通常のファイバと比べるとき、大きな穴寸法と間隔とをもち、大きなコアをもつ。穴あきファイバの選択されたモードの動作に対して、曲げ損失とモード間隔のような他の損失メカニズムが利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照によってここに完全に組み込まれた、2004年1月16日出願の題名が“大コア穴あきファイバ”(代理人包帯IMRAA.024PR)の米国仮出願60/536,914の利益を請求する。
【0002】
本教えは、一般的には光ファイバに関し、特に、大きなコア寸法をもつシングルモード及びマルチモード穴あきファイバと、レーザ及び増幅器としてそのようなファイバを使用するデバイス及びシステムと、に関する。
【背景技術】
【0003】
穴あきファイバは、コアの回りに配置された“穴”の配置によって光ガイドが規定される光ファイバである。そのような穴は、コアより低い屈折率をもち、コアより低い有効屈折率をもつクラッド領域を集合的に形成する。
【0004】
より一般的には、穴あきファイバは、マトリックス中に配置された複数のクラッド造作(feature)、例えば穴、を有するファイバを指すために、ここでは使用され、そのクラッド造作は、そのマトリックスと異なる屈折率をもつこともできる。従って、クラッド造作に入射する光は、それから反射或いは散乱される。
【0005】
フォトニック結晶ファイバ(PCF)は、穴が規則的に配置される穴あきファイバである。一つの配置では、クラッド領域が6角形の隙間無い詰め物の形態に配置された穴で形成され、コアがそのような6角形パターンクラッド領域の中心領域に形成される。中心穴と一つ又はそれ以上の穴の“リング”とが広がったアレーの穴の中に別な方法で位置する中心領域にコアは位置することができる。従って、前述のやり方で形成されたPCFは、コア寸法とクラッド領域厚さとをもつ。
【0006】
従来のファイバでのように、PCFにおけるシングルモードのみ支持された伝播は、多くの応用で望ましい。シングルモード伝播レジームで動作する従来のPCFは、従来の穴のないシングルモードファイバに似ているコア寸法とクラッド領域厚さとをもっている。そのような従来のシングルモードファイバと通常のPCFとの一つの制限は、コア寸法が相対的に小さい値に限定されることである。そのような小さいコアファイバでは、高い光パワーレベルがコアとファイバの特性に非線形性を誘起するピーク強度をもたらす。従って、そのようなファイバの高パワー応用は、現実でないか不可能である。
【発明の開示】
【0007】
ここに記載されたある実施例では、シングル光モードを伝播するための大コアファイバが、レーザと増幅器に使用され、且つその他のシステムのために使用される。例えば、本発明の一実施例は、基本モードを伝播させ、高次モードを抑制する光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、実質上複数の列Nに配列されており、前記複数のクラッド造作は、前記基本モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズをもたらすための十分な平均間隔Λ、(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、及び(iii)前記基本モードの伝播を支持し、前記複数の高次モードの伝播を抑制するのに適した平均列数N、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとは、増加した有効なコアサイズと十分な閉じ込めとをもたらすようにするために、少なくとも約0.35である比d/Λを与える値をそれぞれもち、前記平均列数Nは、シングルモード伝播をもたらすようにするために、約4以下である。
【0008】
本発明の別の実施例は、シングル光モードを伝播させるための光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記基本モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の実質的な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとは、少なくとも約20マイクロメートルの有効コアサイズを与えるために、少なくとも約20マイクロメートルの値をもつ。
【0009】
本発明の別の実施例は、基本モードを伝播させ、高次モードを抑制する光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記マトリックスの一部分に配列された前記複数のクラッド造作は、平均厚さtをもち、前記複数のクラッド造作は、前記基本モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズをもたらすための十分な平均間隔Λ、(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、及び(iii)前記クラッド造作を含む前記マトリックスの前記部分は、前記基本モードの伝播を支持し、前記複数の高次モードの伝播を抑制するために、適当な平均厚さtをもつ、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとは、増加した有効コアサイズと十分な閉じ込めとをもたらすようにするために、少なくとも約0.4である比d/Λを与える値をそれぞれもち、前記平均厚さは、シングルモード伝播をもたらすようにするために、約d+3Λ以下である。
【0010】
本発明の別の実施例は、シングル光モードを伝播させるための光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記基本モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとは、少なくとも約40マイクロメートルの有効コアサイズをもたらす値をそれぞれもつ。
【0011】
本発明の別の実施例は、シングル光モードを伝播させるための光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記シングル光モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdは、前記平均間隔Λに実質上等しい。
【0012】
本発明の別の実施例は、シングルモードを伝播させるための光ファイバを有する。その光ファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記シングルモードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとの間の差が前記平均間隔Λの約50%未満である。
【0013】
本発明の別の実施例は、基本モードプロフィールをもつ基本モードと異なるモードプロフィールをもつ複数の高次モードとを支持する光ファイバを有する光ファイバアッセンブリを備える。その光ファイバアッセンブリは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、前記コア領域に光を結合するために前記コア領域に関して配置された光結合器と、を有し、前記複数のクラッド造作は、光の伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記コア領域は、前記基本光モードと前記複数の高次モードとの伝播を支持するようにするため十分大きく、前記光結合器は、前記基本モードのモードプロフィールに十分にマッチングする光分布をもつ光を出力するべく形成され、それによって前記複数の高次モードより前記ファイバの前記シングルモードに多くの前記光を十分に結合する。
【0014】
本発明の別の実施例は、基本光モードと複数の高次モードとを支持する光ファイバを通して光を伝播させる方法を有する。その基本モードは、空間分布のモードプロフィールをもつ。その方法は、光ファイバのコア領域に光を結合するステップと、前記コア領域に沿って前記光を伝播させるステップと、前記コア領域に沿っての前記光の前記伝播をクラッド領域に形成された複数のクラッド造作でしっかりと閉じ込めるステップと、を有し、クラッド領域で囲まれた前記コア領域は、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含み、十分沢山の前記光が前記複数の高次モードより前記基本モードに結合される。
【0015】
本発明の別の実施例は、光増幅を与える中空コアフォトニックバンドギャップファイバを有する。その中空コアフォトニックバンドギャップファイバは、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれた中空コア領域と、前記中空コア領域を通しての前記光の伝播が利得領域で与えられる利得で増幅されるように前記中空領域に近い方に配置されている光利得をもつ利得領域とを、有し、前記中空コア領域は、その中に形成された中空領域をもち、前記複数のクラッド造作は、前記中空コア領域に光の伝播をしっかりと閉じ込めるためにフォトニックバンドギャップを形成するべく配置されている。
【0016】
光ファイバを有する本発明の別の実施例は、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域と、前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、少なくとも一つのモードフィルタと、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、実質上複数の列Nに配列されており、前記複数のクラッド造作は、光の伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdと、基本モード及び複数の高次モードの伝播を支持するための平均列数と、をもち、前記モードフィルタは、前記基本モードが優位になり、前記高次モードが抑制されるように、前記基本モードより前記高次モードにしっかりと多くの損失を導入することで高次モードを抑制する。
【0017】
ここに記載された光ファイバは、多くの応用に使用される。そのファイバは、例えば利得ファイバとして使用され、且つファイバレーザとファイバ増幅器を含むレーザと増幅器に用いられる。その他の使用も可能である。
【0018】
例えば、光ファイバ増幅器を有する本発明の別の実施例は、シングルモードを伝播するための光利得ファイバを有し、前記光利得ファイバは、光利得を与え、前記光利得ファイバは、(i)マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域、及び(ii)前記クラッド領域で囲まれたコア領域、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記シングルモードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとの差が前記平均間隔Λの約50%未満である。
【0019】
光ファイバ増幅器を有する本発明の別の実施例は、ポンプ光源と、シングルモードを伝播するための光利得ファイバを有し、前記光利得ファイバは、光利得を与え、前記光利得ファイバは、(i)マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域、及び(ii)前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記シングル光モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdは、前記平均間隔Λに実質上等しい。
【0020】
CWファイバレーザを有する本発明の別の実施例は、少なくとも部分的反射面で形成された共振キャビティと、前記共振キャビティ内の光ファイバと、を有し、前記光ファイバは、光利得を持ち、前記光ファイバは、シングル光モードを伝播し、前記光ファイバは、(i)マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含むクラッド領域、及び(i)前記クラッド領域で囲まれたコア領域、を有し、前記複数のクラッド造作は、平均間隔Λと平均サイズdとをもち、前記複数のクラッド造作は、前記シングル光モードの伝播を前記コア領域にしっかりと閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、(i)増加した有効コアサイズ2ρをもたらすための十分な平均間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均サイズd、をもち、前記平均サイズdと前記平均間隔Λとは、少なくとも約20マイクロメートルの有効コアサイズを与えるために、少なくとも約20マイクロメートルの値をもつ。
その他の実施例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】A及びBは、比較的大きなコアを通してシングルモードのみの伝播を促進する複数の“穴”或いはクラッド造作で区切られたクラッド領域をもつ模範的な穴あきファイバを模式的に示している。
【図2】A及びBは、2次元表示の模範的な単純立方体アレー状に配置された複数の穴或はクラッド造作をもつフォトニック結晶ファイバ(PCF)の一実施例を模式的に示しており、ここで、穴の寸法、穴の間隔、穴の層或いは列の数、及び/或いは穴の組成は、比較的大きなコアのシングルモードのみの伝播を可能にするために、変えられる。
【図3】A及びBは、2次元表示の模範的な6角形近接パックアレー状に配置された複数の穴或いはクラッド造作をもつPCFの一実施例を模式的に示しており、ここで、穴の寸法、穴の間隔、穴の層或いは列の数、及び/或いは穴の組成は、比較的大きなコアのシングルモードのみの伝播を可能にするために、変えられる。
【図4A】図3A及びBの6角形近接パックアレーの様々な実施例を示し、比較的大きなコアの回りにアレー状に配置された様々な数の穴/クラッド造作の“リング”(例えば、列或いは層)を示している。ここで、リングの数は、光信号の様々な光モードの漏れ損失に影響を与えるために使用される。
【図4B】図3A及びBの6角形近接パックアレーの様々な実施例を示し、比較的大きなコアの回りにアレー状に配置された様々な数の穴/クラッド造作の“リング”(例えば、列或いは層)を示している。ここで、リングの数は、光信号の様々な光モードの漏れ損失に影響を与えるために使用される。
【図4C】図3A及びBの6角形近接パックアレーの様々な実施例を示し、比較的大きなコアの回りにアレー状に配置された様々な数の穴/クラッド造作の“リング”(例えば、列或いは層)を示している。ここで、リングの数は、光信号の様々な光モードの漏れ損失に影響を与えるために使用される。
【図5】A−Cは、様々なモードの漏れ損失に影響を与えるために、穴の寸法がどのように変えられるかを模式的に示している。
【図6】A−Cは、様々なモードの漏れ損失に影響を与えるために、穴の間隔がどのように変えられるかを模式的に示している。
【図7】シングル光モードだけの伝播の支持を可能にする比較的大きなコアをもち、且つマルチモード支持のために複数の穴で形成された外側クラッド領域をさらに有するPCFの一実施例を模式的に示している。
【図8】シングルモード伝播を可能にする比較的大きなドープコア領域をもつPCFの一実施例を模式的に示す。
【図9】A−Fは、偏光保持(PM)シングルモード伝播を促進するように比較的大きなコアの回りに配置された対称な穴配列をもつ穴あきファイバの様々な実施例を模式的に示す。
【図10A】異なる数の内側“リング”或いは層を除去することでPCFの有効コア寸法がどのように変えられるかを模式的に示しており、ここで、そのようなコア寸法は、比較的大きなコアを通しての選ばれたモードの伝播を可能にするために使用される。
【図10B】異なる数の内側“リング”或いは層を除去することでPCFの有効コア寸法がどのように変えられるかを模式的に示しており、ここで、そのようなコア寸法は、比較的大きなコアを通しての選ばれたモードの伝播を可能にするために使用される。
【図10C】異なる数の内側“リング”或いは層を除去することでPCFの有効コア寸法がどのように変えられるかを模式的に示しており、ここで、そのようなコア寸法は、比較的大きなコアを通しての選ばれたモードの伝播を可能にするために使用される。
【図10D】異なる数の内側“リング”或いは層を除去することでPCFの有効コア寸法がどのように変えられるかを模式的に示しており、ここで、そのようなコア寸法は、比較的大きなコアを通しての選ばれたモードの伝播を可能にするために使用される。
【図11】コアの中空領域の回りに配置された利得を与えるためのドープリング或いは環状部分をもつPCFの一実施例を模式的に示す。
【図12】基本モードと1次モードに対しての層数に関する損失を示す。
【図13】基本モードと1次モードに対しての曲げ半径の逆数に関する損失を示す。
【図14】基本モードと1次モードに対しての曲げ半径の逆数に関する有効モード屈折率を示す。
【図15】PCFの二つの模範的な穴或いはクラッド造作を模式的に示しており、ここで、量dは、各穴の径を表し、Λは、穴の間隔を表す。
【図16】A−Cは、PCFの動作特性を示す模式的な表示であり、ここで、シングルモードとマルチモードは、λ/Λ対d/Λプロット上で異なる数の層を表す曲線で分けられる。
【図17】異なる形状と寸法をもつ二つの模範的な穴造作を模式的に示す。
【図18】A及びBは、穴あきファイバの動作特性を示す模式的な表示であり、ここで、シングルモードとマルチモードは、λ/Λavg対davg/Λavgプロット上でクラッド領域の異なる有効厚さを表す曲線で分けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本技術の概念と他の概念、優位性、及び新奇な特徴は、以下の詳細な記述と添付図から明らかになる。図中、類似要素は類似引用符号をもつ。
【0023】
本教えは、一般に穴あきファイバ、フォトニック結晶ファイバ、及びフォトニックバンドギャップファイバに関連する。ここに記載のためと、最近使用される技術用語に関して、穴あきファイバは、光導波が規則的或いは不規則的に配置されたクラッド造作(features)或いは“穴”で基本的に規定される光ファイバである。ここで使用されるように、穴は、マトリックス材料中に配置された造作を意味し、マトリックス材料と比べて異なる屈折率のような光学特性をもつ。穴は、オープンで空か、又は空気、ガス、液体で満たされ、或いは例えばガラス、ポリマー、或いは他の物質又は材料のような他の透明或いは不透明材料を有してもよい。フォトトニック結晶ファイバ(FCF)は、実質上規則的に配置された穴をもつ穴あきファイバである。フォトニックバンドギャップファイバ(PBF)は、動作波長でブラッグ条件を満たす穴又はクラッド造作の適当な間隔と配列をもち、フォトニックバンドギャップ効果で光導波を基本的に規定するPCFである。
【0024】
図1Aは、穴あきファイバ100の一部分を示し、図1Bは、線1B−1Bと交差する穴あきファイバ100の模範的な断面を模式的に示す。その断面が示すように、穴あきファイバ100は、平均内半径ρと平均外半径Rとをもつリング状又は環状領域で区切られるクラッド領域102を有する。そのクラッド領域102は、複数の穴又はクラッド造作110を有する。
【0025】
内半径ρは、穴あきファイバ100のコア106を定める。コア106は、外側領域112及び/或いは穴110の間のスペース(穴が形成されるマトリックス)と同じような材料で作られているか、或いは作られていない。様々な実施例では、コア106、穴110の間のスペース、及び外側領域112は、第1屈折率n1をもつガラスで作られる。
【0026】
ある実施例では、穴110は、真空に限定されないで、ガス、混合ガス、第二タイプのガラス、或いは他の固体又は液体材料を含む、n1より小さい第2屈折率n2をもつ材料で作られる。(対照的に、様々な実施例のフォトニックバンドギャップファイバは、コア106又は回りのマトリックスの屈折率より大きな第2屈折率n2をもつ材料で作られる穴或いはクラッド造作を有する。)図1Bに示すように、穴110は、異なる寸法(寸法diで例示された)をもつこともできる。さらに、穴110の間隔も違ってもよい(間隔Λiで例示された)。さらに、穴110は、丸く描かれているが、他の非円形穴も使用される。
【0027】
本教えの一つの概念は、パラメータの選択的操作或いはクラッド領域の有効厚さ(R−ρ)、平均穴サイズ(d)、平均穴間隔(Λ)、穴構造、のようなパラメータの組み合わせに関係する。上記したように、穴は、異なる材料で作られる。穴は、上記のように限定される必要がなく大きな屈折率をもつことができるが、この記載の部分のためには、コアより小さい屈折率をもつと仮定される。穴あきファイバの前述の特性を操作することで、コアを伝播する異なるモードの光信号の漏れ損失を選択的に制御することができる。例えば、様々な実施例において、一つのモードが十分小さい漏れ損失で伝播し、実質上他の全てのモードが十分大きな漏れ損失で伝播する。
【0028】
ここに使用されたように、シングルモードとマルチモードファイバは、従来の非穴あきファイバで使用された定義と矛盾なく定義される。従来のファイバの場合、シングルモードとマルチモードファイバは、一般的にステップインデックスファイバの場合π(開口数)(コア径)/波長に等しいV値で定められる。非ステップインデックスファイバの場合、開口数とコア径は、ステップインデックスファイバに対する等価値で計算される。(例えば、Martinez, F., Husey, C.D., “(E)ESI determination from mode-field diameter and refractive index profile measurements on single-mode fibers ” IEEE Proceedings V135,pp.202-210,(1988)を参照。)V<2.4の関係を満たすファイバの場合、基本モードのパワーは、次の高次モードのパワーより十分大きい。又、V>2.4のファイバの場合、基本モードの上の少なくとも次のモードは、基本モードに比べ十分大きなパワーをもつことができる。従って、従来のシングルモードとマルチモードファイバは、V<2.4とV>2.4の関係でそれぞれ十分に定められる。V=2.4は、最低次モード以外の任意のモードの伝播に対するカッオフである。
【0029】
穴あきファイバにおいて、開口数は、コアとクラッドの屈折率差で求まる。しかしながら、ステップインデックスファイバに対して等価値であるコア径は、計算が難しい。様々な文献(例えば、(1) Knight et al, “Properties of photonic crystal fiber and the effective index model” J. Opt. Soc., Am. A Vo.15,pp.748-752,(1998)及び(2) Mortensen et al., “Modal cutoff and the V parameter in photonic crystal fibers” Opt. Lett. V.28, pp.1979-1881,(2003)参照)が、コア径が穴のピッチ或いは距離Λに等しくされるなら、シングルモードより大きな任意のモードの伝播のためのカットオフVは、2.5(例えば、Knight et al参照)とπ(例えば、Mortensen et al参照)であると報告している。ここに記載された様々な実施例の場合、Vカットオフが2.405、2.5或いはπであるかどうかは、重大でない。ここに記載された穴あきファイバの様々な実施例は、シングル光モード伝播を支持する従来の光ファイバの可能なコア径より十分大きいコア径をもつ。従って、マルチモードファイバがV>πとして定められ、コア径がピッチ又は平均ピッチに等しくされるこの技術分野に我々は最近の研究を用いることができる。逆に言えば、ここではシングルモードファイバが、V<πとして定められる。
【0030】
上述のように、穴あきファイバは、特定のモードに損失を与えるべくデザインされる。例えば、穴サイズ、間隔、及び穴の数は、V>πのマルチモードファイバ中の高次モードの伝播に損失を与えるべく選定される。穴の数が減少すると、高次モードの光はコアに閉じ込められなくなり、ファイバから逃げ出す。マルチモードファイバ(V>π)に導入されるそのような損失は、例えば、高次モードの伝播に損失を導入するためにファイバを曲げることで与えられるモードフィルタリングを含むπより大きなVナンバーをもつ従来の非穴あきファイバに、類似している。(モードフィルターは、例えば、参照によってここに組み込まれた1998年10月6日にファーマン他に交付された題名が“Single-mode Amplifier and Compressors Based on Multi-mode Fibers”の米国特許5,818,630、に記載されている。)基本モードが曲げマルチモードファイバ中を伝播する唯一のモードであるように、基本モードより高次のモード各々に損失を与えるため十分な曲げが与えられる。同様に、約πより大きなVナンバーをもつマルチモード穴あきファイバは、高次モードが減衰されるように高次モードに損失を導入するデザインをもつ。
【0031】
図2AとB及びその後の図は、様々な輪郭の中で規則的に離間した穴をもつ様々な穴あきファイバを描いている。このように、これら穴あきファイバは、上で明らかにされた定義に従ってPCF(フォトニック結晶ファイバ)と呼ばれる。その他の点で述べたのでない限り、様々なPCFに関して開示された概念は、例えば、非対称はもちろん、図1AとBに関連して上に記載された模範的な穴あきファイバのような非周期的な構造、及び変化する次数をもつ他の構造、にも適用される。さらに、ここでのPCFの穴の様々な幾何学配置は、模範的であり、構成、配置及び造作特性における広い範囲の変化が可能であるので、本教示の目的を制限するべく解釈されない。
【0032】
図2AとBは、2次元表示の単純立方体アレーに配置された複数の穴130をもつ模範的なPCF120を示している。コア126は、単純立方体アレーの中心穴(図2Bで取り去られた)なしで作られる穴無し領域で規定される。従って、コアサイズの大きさは2ρであり、アレーから無くなった中心穴の直径に一致する。模範的な1層クラッド領域122は、例えば内側リング124a(半径ρ)と第1層の穴130を囲む外側リング124b(半径R)との間に位置する。さらなる穴の層が、図2Bに示す第1層の向こうに配置され得る。さらに、コアは、中心穴より多くを取り去ることで作り変えられ得る(この場合、アレー中の列或いは層の数は、その他の点で一つより多い)。
【0033】
模範的なクラッド領域122は、直径2ρが穴径dと穴間隔Λに匹敵するコア126を与える。相対的に大きな穴寸法及びそれによる相対的に大きな穴間隔を選定することで、対応するコア径は相対的に大きくなる。シングル光モードのみの伝播は、d、Λの値及び/或いは層数を選択的に調整することで達成される。
【0034】
図3A及びBは、2次元表示の模範的な6角形近接パックアレー状に配置された複数の穴150をもつ模範的なPCF140を示す。コア146は、図3Bで6角形穴から取り去られた中心穴と重複する領域である。さらに、コアは、中心穴より多くを取り去ることで規定され得る(この場合、アレー中の列或いは層の数は、その他の点で一つより多い)。
【0035】
模範的なクラッド領域142は、直径2ρが穴の大きさdと穴間隔Λに一般的に匹敵するコア146を与える。相対的に大きな穴寸法及びそれによる相対的に大きな穴間隔を選定することで、対応するコア径は相対的に大きくなる。シングルモード伝播、支持された高次モードの伝播を除外してしまうほどのシングル光モードのみの伝播は、d、Λの値及び/或いは層数を選択的に調整することで達成される。
【0036】
図3Bに示された模範的なファイバ及びここに開示された他の穴あきファイバは、例えば、プリフォームにガラス毛細管を積層することで作られる。中心の一つ或いはそれ以上の毛細管は、コアを形成するために一つ/複数のガラスロッドと置き換えられる。後述のような幾つかの実施例では、コア形成ロッドが、利得媒質を与えるために希土類イオンでドープされる。その後そのプリフォームは、従来のファイバ引き延ばしタワーで類似断面をもつファイバに引き延ばされる。なお、穴あきファイバを作る別の方法も用いられる。
【0037】
一実施例において、ここで開示された大きなコアデザインは、特にコア全体及び好ましくはファイバの断面全体(クラッド領域中、穴と穴の間のギャップ領域)で十分均一な屈折率分布をもつ。コア径が約40〜100μm(ここに開示されたような)の範囲であるとき、この均一性は、ファイバのコア内の任意のローカルな導波路作用を十分に除去するためにますます重要になる。
【0038】
ところで、図4A−Cは、6角形配置の穴或いは造作で形成されたクラッド領域をもつPCFの様々な実施例を示す。図4A−Cに示された模範的なPCFにおいて、コア寸法は、穴間隔と穴寸法に匹敵する。従って、相対的に大きな穴サイズと間隔を選定することで、相対的に大きなコア寸法が達成され得る。
【0039】
そのような相対的に大きなコアをデザインする一つの方法は、必要なコア寸法を決めて始めることである。次に、穴径dが穴間隔Λに十分等しいように6角形近接パックアレーの穴或いは造作が、配置される。コアを作るために、中心の穴(及びことによると中心穴の回りのさらなる穴)が、取り去られる。その結果としての“クラッド”領域は、隣接した穴が十分近接又は接触する近接パック穴の一つ或いはそれ以上のリング或いは列を有する。そのような近接パックは、高次モードの漏れを減らすので、例えば、隣接の穴がもはや接触しない又は互いに接近しないように穴寸法を減らすか、穴間隔を増やすか或いはそれらの組み合わせを行うことで、漏れ“パス”が与えられ、漏れが大きくされる。
【0040】
図4Aは、1層又は1列(N=1)の穴170で形成されたクラッド領域162をもつPCF160の一実施例を示す。クラッド領域162の内側部分164aは、一般に半径ρもつコア166をもたらし、クラッド領域162の外側部分164bは、外径Rをもつ。図4Aに示されたPCF160において、穴径dは、穴間隔Λより小さい。N=1のPCFの一実施例において、穴径dは、約75μmであり、穴間隔Λは、約80μmであり、その結果、約85μmであるコア径2ρ(=2Λ−d)をもたらす。
【0041】
図4Bは、2層又は2列(N=2)の穴170で形成されたクラッド領域182をもつPCF180の一実施例を示す。クラッド領域182の内側部分184aは、一般に半径ρもつコア186をもたらし、クラッド領域182の外側部分184bは、外径Rをもつ。図4Bに示されたPCF180において、穴径dは、穴間隔Λより小さい。N=2のPCFの一実施例において、穴径dは、約35μmであり、穴間隔Λは、約40μmであり、その結果、約45μmであるコア径2ρ(=2Λ−d)をもたらす。
【0042】
図4Cは、3層又は3列(N=3)の穴210で形成されたクラッド領域202をもつPCF200の一実施例を示す。クラッド領域202の内側部分204aは、一般に半径ρもつコア206をもたらし、クラッド領域202の外側部分204bは、外径Rをもつ。図4Cに示されたPCF200において、穴径dは、穴間隔Λより小さい。N=3のPCFの一実施例において、穴径dは、約15μmであり、穴間隔Λは、約20μmであり、その結果、約25μmであるコア径2ρ(=2Λ−d)をもたらす。
【0043】
以下に示された表1は、図4A〜4Cに関連して上記されたPCFの様々な特性を、Philip Russell: “Photonic crystal fibers,” Science, vol.299,p.358-62, 2003, Bouwmans et al.: “High-power Er:Yb fiber laser with very high numerical aperture pump-cladding waveguide,” Applied Physics Letters, vol. 83,p.817-18, 2003, Furusawa et al.:“Cladding pumped Ytterbium-doped fiber laser with holey inner and outer cladding,” Optics Express, vol. 9, p. 714-20, 2001,及びWadsworth et al.: “High power air clad photonic crystal fiber laser,” Optics Express, vol. 11, p. 48-53, 2003と比較して要約している。この表において、“モード伝播”は、シングル光モードの伝播のみが支持されるか又はマルチ光モードがファイバを伝播するかを示すシングルモード(SM)又はマルチモード(MM)であり、Nは、リング又は列(層)の数を示し、dは穴径であり、Λは穴間隔、2ρはコアが6角形近接パックアレーの取り除かれた中心穴一つに対応する場合、近似的に2Λ−dに等しいコア径の大きさであり、λは、真空中での動作波長、Δnはモード間隔(測定値と計算値の両方)、NAは開口数(測定値と計算値)、及びVは(2ρ)(NA)π/λと表される規格化された周波数パラメータである。文献〔1〕は、Philip Russell: “Photonic crystal fibers,” Science, vol.299,p.358-62, 2003を示し、文献〔2〕は、Bouwmans et al.:“High-power Er:Yb fiber laser with very high numerical aperture pump-cladding waveguide,” Applied Physics Letters, vol. 83,p.817-18, 2003を、文献〔4〕は、Furusawa et al.:“Cladding pumped Ytterbium-doped fiber laser with holey inner and outer cladding,”Optics Express, vol. 9, p. 714-20, 2001を、文献〔5〕は、Wadsworth et al.:“High power air clad photonic crystal fiber laser,” Optics Express, vol. 11, p. 48-53, 2003を、示し、各文献は、ここに参照によって完全に組み込まれている。
【0044】
表1から、従来のシングルモードPCFは、相対的に小さいコアサイズに対応する相対的に小さな値のd/Λをもつことがわかる。さらに、それらのクラッド領域は、相対的に大きな数の列又は層の穴を含む。従って、シングル光モードを伝播させるこれら従来のPCFのクラッド領域は、非穴あきシングルモードファイバのクラッド(例えば、僅かに低い屈折率をもつ)に似ている。
【0045】
表1は、文献欄に“図4B”と“図4A”と示されるシングル光モードのみを伝播する模範的な大コアPCFの詳細をさらに示している。これら二つのPCFは、ここに記載された様々なデザインと技術を具体化している。後述の幾つかの技術が、これら二つの模範的なPCFの数値シミュレーションを行うために使用された。
【0046】
測定された屈折率差Δnmeasは、ファイバ出力端の測定された開口数(NA)から導出される。そのような測定の正確さは、理想から劣る。この値は、比較のために有効なパラメータであるので、その屈折率差は、各ケースに対して与えられたdとΛから計算された。これらの計算値は、直接測定で得られた値より正確である。
【0047】
【表1】

【0048】
計算したΔncalは、等価クラッドインデックスを最初に計算することで得られ、これは、あらゆる方向に無限に広がるクラッドの基本的な単位セルをもつ構造の有効基本モードインデックスである。この計算は、各々のケースに対して十分な分解能をもつ有限要素モデルで行われた。Δncalの値は、ガラス屈折率と等価クラッド屈折率の差を計算することで決められる。
【0049】
上述のように、2ρは、等価コア径の大きさであり、1個の穴(例えば、ロッドから取り去られた)がコアを形成する場合2Λ−dと見なされる。3つの欠落ロッド或いは3つの穴がコアを形成する場合、コア径の値は、例えば、Mortensen et al:“Improved large-mode-area endlessly single-mode photonic crystal fibers”, Optics Letters, vol.28,pp.393-395,2003から得られる。
【0050】
表1に関連して上述したように、Vパラメータは、(2ρ)(NA)π/λと近似される規格化周波数パラメータ(Vナンバーとも呼ばれる)である。VmeasとVcalは、それぞれ測定V値と計算V値を示す。従来のファイバでは、V<2.405がシングルモードファイバの領域を示す。表1に示すように、シングルモード伝播のみを支持する上から5列内の全てのPCFの場合、計算Vナンバーは、2.405未満(Vcal<2.405)であるか或いは、それに非常に近い。それに対して、ここに記述されたデザインと技術に基づき、シングル光モードのみの伝播が支持されるN=2(図4B)とN=1(図4A)の場合の計算V値は、それぞれ7.8と9.75である。そのような大きなV値は、従来の非穴あきファイバの場合のマルチモードファイバと、従来のPCFでのマルチモード伝播と関係づけられる。
【0051】
表1の最初の5列内にあるシングルモードPCFの全てにおいて、d/Λ<0.6であるのに対して、ここに記載されたデザインと技術に基づくN=2とN=1の実施例のPCFは、d/Λ>0.6をもつ。従って、ここに記載されたこれらPCFの相対的な穴径は、従来のPCFのそれより非常に大きい。幾つかの実施例において、ファイバは、大きなコア径のために大きなΛを有し、λ/Λ<0.3である。その上、そのような興味のある領域における穴サイズdは、波長λ及び穴又は散乱造作間のギャップ(例えば、ガラスマトリックス領域)に比べ非常に大きい。
【0052】
上述のような一つの可能な動作領域では、シングルモード動作(シングル光モードのみが支持され、高次モードが抑制される)が達成される。PCFは、基本モードに対して低い伝送損失を維持しながら、高次モードに対してはデバイスの長さに渡り十分なパワー漏れを可能にするべくデザインされる。穴の層の数(N)を調節することでその漏れ損失を最適化する幾つかの実行可能な方法とその穴の特性とがより詳細に後述される。
【0053】
ここに記載のデザインと技術を具体化する大コアシングルモードPCFの場合、好ましい動作領域は、N≦3でd/Λ≧0.35である。より一層好ましくは、d/Λ≧0.75である。コアサイズは、約20から300マイクロメートルの間或いは、より好ましくは約30から150マイクロメートルの間である。穴あきファイバ又はPCFの幾つかの模範的な実施例において、d/Λ>0.6、N≦4及びλ/Λ<0.3である。穴あきファイバ又はPCFの他の実施例では、例えば、d/Λ>0.75、N≦2及びλ/Λ<0.3である。しかしながら、異なるファイバデザインの範囲は、広い変更が可能であるので、これらのパラメータに限定されない。
【0054】
次に、与えられた数の穴の層に対して、穴の大きさと穴の間隔を調節することで、漏れ損失がどのように変えられるかを図5と6は示している。図5と6を描くためにN=2形状が使用されているが、その概念は、他のN形状に当てはまることがわかる。
【0055】
図5A−Cは、実質的に一定の穴間隔Λをもつ三つの模範的なPCF240、250、260を示す。図5Aに示すように、第1の模範的なクラッド領域244は、穴間隔Λで配置された第1の径d1をもつ2層の穴242を有する。そのような形状は、第1コア径2ρ1をもつ第1コア246及び第1ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ−d1をもたらす。
【0056】
図5Bに示すように、第2の模範的なクラッド領域254は、穴間隔Λで配置された第2の径d2をもつ2層の穴252を有する。そのような形状は、第2コア径2ρ2をもつ第2コア256及び第2ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ−d2をもたらす。
【0057】
図5Cに示すように、第3の模範的なクラッド領域264は、穴間隔Λで配置された第3の径d3をもつ2層の穴262を有する。そのような形状は、第3コア径2ρ3をもつ第3コア266及び第3ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ−d3 をもたらす。
【0058】
図5A−Cから、穴径が減少する(d1>d2>d3)と、穴間のギャップが増大し(Λ−d1<Λ−d2<Λ−d3)、それにより一層大きな漏れ損失を可能にすることがわかる。また、穴径が増大すると、コアサイズが増大する(ρ1<ρ2<ρ3)ことがわかる。従って、穴間隔が与えられる場合、穴サイズを選定することで、所望のギャップ(及びことによるとその対応するコアサイズ)を選定することができる。
【0059】
図6A−Cは、実質的に一定の穴寸法dをもつ三つの模範的なPCF270、280、290を示す。図6Aに示すように、第1の模範的なクラッド領域274は、第1穴間隔Λ1で配置された径dをもつ2層の穴272を有する。そのような形状は、第1コア径2ρ1をもつ第1コア276及び第1ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ1−dをもたらす。
【0060】
図6Bに示すように、第2の模範的なクラッド領域284は、第2穴間隔Λ2で配置された径dをもつ2層の穴282を有する。そのような形状は、第2コア径2ρ2をもつ第2コア286及び第2ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ2−dをもたらす。
【0061】
図6Cに示すように、第3の模範的なクラッド領域294は、第3穴間隔Λ3で配置された径dをもつ2層の穴292を有する。そのような形状は、第3コア径2ρ3をもつ第3コア296及び第3ギャップ寸法(二つの隣接する穴の間の)Λ3−dをもたらす。
【0062】
図6A−Cから、穴間隔が増大する(Λ1<Λ2<Λ3)と、穴間のギャップも増大し(Λ−d1<Λ−d2<Λ−d3)、それにより一層大きな漏れ損失を可能にすることがわかる。また、穴間隔が増大すると、コアサイズが増大する(ρ1<ρ2<ρ3)ことがわかる。従って、穴寸法が与えられる場合、穴間隔を選定することで、所望のギャップ(及びことによるとその対応するコアサイズ)を選定することができる。
【0063】
図5と6に関して上述した漏れ調節は、穴サイズと穴間隔を独立に調節することでなされる。望ましい漏れ特性を達成するために、穴サイズと穴間隔をいくらか組み合わせて調節することで漏れを調節することもできる。さらに、望ましい結果をどうしても達成するためには、穴サイズと間隔が層から層に変わることもできる。
【0064】
図7−9は、比較的大きなコアを組み入れ、シングルモード伝播が可能な様々な実施例のPCFを示している。ここでは、シングルモードのみが伝播し、高次モードの伝播は抑制される。図7は、比較的大きなコア304のシングルモード伝播を可能にするクラッド領域302をもつ模範的なPCF300を示している。そのPCF300は、PCF300の外側部分312に配置された外側クラッド306をさらに有する。模範的な外側クラッド306は、6角形に配置された複数の穴310を有する。一実施例では、その外側クラッド306の6角形は、クラッド領域302の6角形と実質的に中心を共有している。
【0065】
そのような“二重クラッド”ファイバは、例えば、ファイバ増幅器、レーザ、CWまたはパルス光源、或いはファイバがポンプされるその他デバイス及びシステムに使用され得る。穴によって形成された外側クラッドは、従来の二重クラッドファイバを凌ぐ多数の優位な特性をもたらすことができる。一つの可能な優位性は、従来の二重クラッドファイバの低屈折率ポリマーコーティングが削除されることである。低屈折率ポリマーコーティングは、熱と高い光パワーで比較的容易に損傷されるので、高パワー応用に信頼性と安定性の問題を潜在的に生じさせる。別の可能な優位性は、従来の二重クラッドファイバと比べると、比較的高い開口数が達成され得ることである。この特性は、より小さいポンプ導波路を可能にし、従ってより短いデバイス長をもたらすかも知れない、改善されたポンプとレーザ光とのオーバラップを可能にする。より短いデバイスは、よりコンパクトで経済的であることに加えて、レーザと増幅器のピークパワーを制限する非線形効果を減らす。
【0066】
図8は、比較的大きなコア領域を通してのシングルモード伝播を可能にするクラッド領域322をもつ模範的なPCF320を示している。そのPCF320は、コア領域に配置されたドープコア324をさらに有する。そのようなドープコアPCFは、クラッド領域322の周りの外側領域326に配置された複数の穴で形成された外側クラッドを含むことができる。一実施例では、PCF320をファイバレーザまたはファイバ増幅器のような利得媒質として使用されるようにするため、そのドープコア324は、希土類ドープコアを有する。
【0067】
図9A−Dは、比較的大きなコア領域のシングルモード伝播を可能にするクラッド領域をもつ様々な実施例のPCFを示している。そのクラッド領域は、それぞれのコアを通して伝播するシングルモード偏光光信号の偏光保持を容易にする非対称性を含む。
【0068】
図9Aは、比較的大きなコア領域を通してのシングルモード伝播を可能にするクラッド領域332をもつ模範的なPCF330を示している。その模範的なPCF330において、コア領域は、利得媒質を与えるためにドープコア340で満たされている。クラッド領域332は、一つまたはそれ以上の層を形成する複数の第一穴334を有する。クラッド領域332は、第一穴334と異なる第二穴336で導入された非対称性を含む。一実施例において、第二穴336は、第一穴334より小さく、コア領域の反対側に配置され、それによって光信号電場の優先的な方位合わせを可能にする。
【0069】
図9Bは、比較的大きなコア領域360を通してのシングルモード伝播を可能にするクラッド領域332(図9Aに類似の)をもつ模範的なPCF350を示している。クラッド領域332とそこの非対称性とがコア360を通しての偏光保持シングルモード伝播を可能にする。
【0070】
図9Cは、比較的大きなコア領域を通してのシングルモード伝播を可能にするクラッド領域372をもつ模範的なPCF370を示している。図9AのPCF330に類似して、模範的なPCF370は、利得媒質を与えるためにドープコア380をもつ。クラッド領域372の非対称性は、コア380の周りに配置された小さな穴376(穴374より小さい)で達成され、それによって光信号電場の優先的な方位合わせを可能にする。
【0071】
図9Dは、比較的大きなコア領域400を通してのシングルモード伝播を可能にするクラッド領域372(図9Cに類似の)をもつ模範的なPCF390を示している。クラッド領域372とそこの非対称性とがコア400を通しての偏光保持シングルモード伝播を可能にする。
【0072】
図9Eと9Fに示すように、第一の大きな穴334の組の位置と第二の小さな穴334の組の位置とは、大きな穴334の間隔(s1)が小さな穴336の間隔(s2)に近似的に等しくなる(s1≒s2)ように選定される。(これら間隔s1、s2と穴334、336の普遍的な位置とは、例えば、穴334、336の中心から測定される。)この形状は、多くの応用に望ましいより一層円形の基本モードを与える。様々な好ましい実施例において、これらの穴334、336の位置は、上述したような平均間隔Λをもつ格子(例えば、一般的な6角形格子)に一致する格子点に設定される。或いは、小さい穴336がより近づけられる(図9Eの幻影の穴参照)か或いは大きな穴334(図9Fの幻影の穴参照)が遠ざけられる。図9Eは、格子位置に関して特にファイバの中心方向にシフトされた小さい穴336を示している。反対に、図9Fは、格子位置に関して特にファイバの中心から遠ざかる方向にシフトされた大きな穴334を示している。他の形状も可能である。
【0073】
図2−9に関連して上述された様々なPCFは、それぞれの中心穴がもしそうでなかったら配置される領域を占めるコアをもつ。比較的大きなコアは、その上、他の領域の面積を含むことができる。一例として、第1層の二つの近接する穴は、6角形状クラッド領域の幾何学的中心から僅かに外れる三角形状コアを産出するために取り除かれる。別の例では、寸法が第1層の外周に近似する大きなコアを産出するように第1層のすべてが取り除かれる。
【0074】
与えられた長さのPCFの場合、そのような拡大されたコアは、基本モードの損失に関しての非基本(高次)モードの大きな漏れ損失に依存するシングルモード伝播を支持できるか或いはできない。上述の穴あきクラッドの様々な特性(穴サイズ、穴間隔、層数、穴構造、他)は、その拡大されたコアを通してのシングルモード伝播を達成するために調節される。また、穴あきクラッドの様々な特性は、数個の選択されたモードの光信号の伝播を可能にするために選定される。
【0075】
ここで使用されたように、“光信号”は、伝播される光エネルギまたはパワーを広く意味し、音声、データまたは情報のための光キャリアに限定されない。例えば、光信号は、光ファイバ増幅器を伝播する光またはファイバ光学レーザ或いは光源の出力に対応する。
【0076】
本教えの一面は、マルチモードを支持するファイバを通してのシングルモード信号伝播に関する。穴あきファイバでの“モード選択”が異なるモードの相対的な漏れ損失に依存するので、穴あきファイバは、幾つかの非基本モードの伝播を可能にするべく形成され、これら高次モードを“含む”(すなわち、漏れで十分な損失を与えない)べくクラッド領域を形成する。マルチモード(例えば、約20モードまたはそれ以上)または“数”モード伝播のためのそのような穴あきファイバは、例えば、図10AとBに示されたように、一つまたはそれ以上の内側層を取り除くことで作られる。
【0077】
図10Aで、模範的なPCF410は、6角形アレー穴414で形成されたクラッド領域412を有する。一実施例で、コア240は、中心穴と第1層穴とがもしそうでなかったら形成される領域に形成される。その模範的なPCF410は、外側領域416に配置された外側クラッドをさらに含むことができる。
【0078】
図10Bで、模範的なPCF430は、6角形アレー穴434で形成されたクラッド領域432を有する。一実施例で、コア440は、第2層の穴をさらに取り除くことで形成される。その模範的なPCF430は、外側領域416に配置された外側クラッドをさらに含むことができる。従って、もたらされるコア440(及び図10Aのコア420)は、比較的大きく、動作を損なう光非線形効果を引き起こす過剰な強度レベルに達すること無く高パワー光信号を処理することができる。
【0079】
図10CとDは、数個の光モードを支持する与えられた長さのPCFを通してシングルモード信号が如何にして伝播するかを示している。図10Cにおいて、“数”モードを支持する一実施例のPCF450は、比較的大きなコア460の周りのクラッド領域を形成する2(模範的)層の穴454a、454bを有する。外側クラッド456が図10Cに示されているが、そのような造作(feature)は、幾つかの実施例では必要でない。
【0080】
図10Cに示すように、高次モードなしのシングルモード信号が信号光源462からPCF450のコア460に入射される。シングルモード信号466は、長さLのPCF450を十分生き延びシングルモード信号466として出現するように示されている。シングルモード信号の生き残りは、比較的大きなモード間隔のPCFによって促進される。マルチ光モードを支持するPCFは、大きなコア(潜在的に数百ミクロンの直径をもつ)をもちながら、約0.001より大きい、基本モードと次の高次モードとの間の大きなモード間隔をもつようにデザインされる。大きなモード間隔は、相互モード結合を減少させる。従って、マルチモードの伝播を支持するPCFに入射された基本モード信号(図10Cの464)は、与えられた長さのPCFを通して強固にシングルモード導波されると期待される。
【0081】
マルチ光モードを支持するファイバにシングルモードを入射させるために、様々な技術が用いられる。例えば、コア領域に光を結合するために、光結合器がコア領域に関して配置される。光結合器は、基本モードのモードプロファイルに十分マッチングする光分布をもつ光を出力するべく形成される。それによってより多くの光が高次モードよりファイバの信号モードに十分結合される。光結合器は、例えばレンズまたは適当な特性(例えば、光パワー、開口数、他)をもつその他の光学系を有し、基本モードのモードプロファイルのサイズに十分合致するサイズに光を集光するためにコア領域に関して配置される。また、光結合器は、基本モードのモードプロファイルに十分合致する分布をもつ光を出力する導波路を有する。他の技術も同様に用いられる。
【0082】
図10Dは、例えば20またはそれより多い光モードをもつ高パワーマルチモード信号をシングルモード信号486に減少させる模範的な光信号伝播システム470のブロック図を示している。図10A−Cと関連して上述したような“数”個の光モードを支持する一つまたはそれ以上のセグメントのPCFが用いられる。多数のモードをもつ模範的な信号472は、数個の光モードを支持する第1長さL1をもつ第1PCF474に入射されように示されている。第1長さL1を通過した後、多数のモード信号472は、数モード信号476に減らされる。何故なら、数モード以外のモードが漏れによって失われるからである。その“数”モード信号476は、数モード信号476から非基本モードを濾過して取り除くフィルタ480をその後通過するように示されている。フィルタ480は、基本モードを通過させ、高次モードのパワーを十分除去するように形成されている。そのようなモードフィルタリングは、テーパー、曲げ、高次モードを漏れモードに結合するための長周期格子のような格子、及び利得/損失プロフィール、のようなデバイス及び/或いは技術で実施される。モードフィルタは、1998年10月6日にFermann他に交付された題名が“Single-mode Amplifier and Compressors Based on Multi-mode Fibers”(代理人包帯IM-59)で、参照によってここに組み込まれた米国特許5,818,630に記載されている。図10Dに示されるように、シングルモード信号482は、フィルタ480から出る。そのシングルモード信号482は、次に、出力のシングルモード信号486をもたらすために、数モード伝播を支持する第2PCF(長さL2)を通して導波される。
【0083】
本教えの別の面は、与えられた信号波長に対するブラッグ条件を満たすアレーまたは格子に配置された複数の穴をもつPCFに関する。上記した通り、そのようなPCFは、PBF(フォトニックバンドギャップファイバ)と呼ばれる。図11は、ファイバ材料476に配置された穴494のアレー492をもつ模範的なPBF490を示している。アレー492は、信号が伝播するコア領域500の境界を定める。
【0084】
PBFは、平均屈折率差よりブラッグ反射または散乱に依存するので、コアは、低屈折率をもつことができる。従って、コアは、空にされるかまたは空気或いは他のガス或いは非常に低い非線形効果を持つ媒質で満たされ得る。そのような優位性は、非線形効果の著しい減少をもたらすことができ、非常に高い光パワーが非線形歪みを被ることなくこれらPBF中を伝播することができる。
【0085】
一実施例において、コア500は、コアの中心の周りに配置されたリング形状または環状ドープ領域502をさらに有する。図11はファイバの断面図であるので、ドープ領域502は、中空光円筒形状をもつドープ部分を有する。従って、ドープリング502の空の内側領域504は、PBFの非線形効果を減らすために空気または他のガスで満たされる。様々な他の形状が可能である。例えば、ドープ領域は、直線で囲まれており、図11に示された観点から見たとき、正方形または長方形断面をもつ。また、ドープ領域の断面図は、3角形、5角形、6角形、8角形であるか、或いは任意の広い様々な規則的または不規則的形状をもつこともできる。この領域は、また連続する必要がなく、丸い突出部或いは分割部を有することもできる。例えば、ドープ領域は、中空コアに関し反対側に位置する二つ或いはそれ以上の部分を有することもできる。なお、他の変形が可能である。しかしながら、様々な実施例において、PBFのドープ領域502は、レーザと増幅器に対して利得を与えることができ、そのようなレーザと増幅器は非常に高い出力をもつことができる。
【0086】
図12−14は、穴あきファイバの様々な特性と基本及び1次モードを特徴づけるコンピュータシミュレーションの結果とを示す。図12は、基本及び1次モードに対する損失プロフィール510を層数の関数として示す。このシミュレーションの場合、穴寸法と穴間隔は、それぞれd=35μm及びL=40μmであった(従って、約45μmのコア径をもつ)。N=2のデータ点は、図4Bと関連して上述されたクラッド領域形状に対応し、N=1のデータ点は、第2層が取り除かれたクラッド領域に対応する。
【0087】
漏れ損失が層数に強く依存することがわかる。予想されたように、Nの減少(N=2からN=1への)は、両モードに対してパワー漏れの増加をもたらす。基本モードの場合、Nの減少(2から1への)は、3桁より大きな漏れ増加を引き起こす。1次モードの場合、Nの同じ減少は、約2桁の漏れ増加を引き起こす。
【0088】
そのような強いN依存性の故に、特定の応用に対するPCFをデザインするための一つのアプローチは、層或いは列の数Nの選定で漏れ損失を最初荒く調節することである。漏れ損失が望ましい一般的な或いは広い範囲に入ったら、漏れ損失の微調節は、穴サイズを変えることで実施される。予想されたように、且つ図5A−Cと関連して上述されたように、より小さいな穴は、一般的により高いパワー漏れをもたらす。
【0089】
より高次モード場合、一般的にパワー漏れの増加は、より小さい穴の場合も、異なる値のNの場合も十分に大きい。従って、シングル光モードだけを伝播させるPCFをデザインするためには、与えられた長さに渡って第1次モードを十分除去するためのNの値と穴サイズとを選定することが、より高次モードも十分除去されるということを保証する。
【0090】
ファイバレーザ、増幅器及びデリバリファイバのようなPCFのある応用において、ファイバ長は、数メートルのオーダ或いはそれ未満である。そのような応用において、d/Λ>0.6の場合、N≦3がシングルモード動作を達成する。好ましくは、d/Λ≧0.75。
【0091】
図13は、d=35μm、Λ=40μm(したがって、約45μmのコア径)を備える2層の空気封入穴をもつ模範的なPCFの曲げの関数としての損失プロフィール520を示す。基本モードは、空気/穴境界で大きく閉じ込められる。この特性は有益な低い曲げ損失をもたらし、曲げ領域でのモードがその空気−穴境界の強い制限の結果として十分減らされるという事実から起こる。非常に小さい曲げ半径、すなわち約25mm(曲げ半径の逆数が約0.04mm−1)での基本モードの曲げ損失は大きいが、1次モードの曲げ損失は以下に記述されるモード減少効果で十分減らされる。
【0092】
曲げ損失は、曲げを通しての伝播と関連させて伝播損失と通常呼ばれる。図13に示す結果を得るために、直線ファイバモードから曲げファイバモードへのモード遷移損失は、モデルで説明されなかった。そのような遷移損失は、遷移の特徴に依存し、遅い断熱遷移では無視できる。
【0093】
PCFの曲げ量は、基本モードと1次モードのどのぐらいのパワーが曲げで失われるかを決めるために使われることがわかる。曲げ誘起損失のデザインを手助けするために、以下に記載するPCFでの曲げ損失の幾つかの特性が有益である。
【0094】
このようなタイプのファイバ(たとえば、大きな穴のPCF)の曲げ感度は、非常に低い。この結果は、モード領域が曲げ径の減少と共に漸進的に減らされるという事実による。これは、大きな近くの空気穴にモード場がしみ出すことが制限されるという事実から生じる。この特性は、曲げによる非常に少ないレベルの場の歪でモード場が中心から退去させられる従来のファイバ及び通常のPCFと大きく異なる。したがって、従来の非穴あきファイバ及び通常のPCFでは、モード場がコア−クラッド境界を越えて移動し、大きな曲げ損失を生成する。従来のファイバ及び通常のPCFでの大きなコアデザインでは、この影響が特に正しい。
【0095】
図14は、図13の模範的な大きなコアのPCF(2層の穴、N=2、d=35μm、Λ=40μmの)の場合、基本モードと1次モードの有効モードインデックスが曲げ半径の逆数の関数としてどのように変化するかを示している。基本モード曲線と1次モード曲線との差は、基本モードと1次モードとの間のモード間隔に相当する。モード間隔は、測定された範囲の曲げの至る所で約0.005より大きいことがわかる。そのようなモード間隔(0.005)は、通常のPCFと従来のファイバのそれより非常に大きい。その高いモード間隔は、非常に低い相互モード結合を示し、ロバストなシングルモード動作の指標でもある。高いモード間隔(約0.005)の結果として、たとえば、模範的なN=2のPCF場合、事実上の相互モード結合を許すべく十分な位相整合のためにはサブミリメートル周期の摂動が必要である。
【0096】
高いモード間隔は、より大きなコア径までにも達する。(図4AのN=1の大きなコアPCFのような)コア径が約100μmのオーダであるファイバの場合、次の高次モードに対する基本モードの間隔は、従来の非穴あきファイバと通常のPCFのそれより未だ十分大きい。また、この特性は、比較的低い相互モード結合を生成する。
【0097】
コアサイズがさらに増大すると、モード間隔は一般的に減少する。この傾向は、増大する曲げ損失と共に、ついには最大コア径の上限を定める。それにもかかわらず、シングルモード伝播を支持する最も大きな従来のPCF(たとえば、コア径28μmをもつ表1の文献[4]を参照)より1桁大きいコア径の増大が、ここに記載された技術とデザインで可能になる。
【0098】
図15−16は、大きなコアをもつ様々なPCFをシングルモードだけを伝播するように特徴付ける方法を示している。図15は、穴或いはクラッド造作550の模範的な対を示し、穴径dと穴間隔Λを示している。上述のような6角形に配置された穴は、図16A−Cに示されたように、λ/Λとd/Λの間の様々な関係をもたらす。他の形状も可能である。
【0099】
図16Aは、PCFに対するλ/Λ対d/Λのプロットにおいて、マルチ光モードが伝播するマルチモード(MM)伝播レジームからシングル光モードが伝播するシングルモード(SM)伝播レジームを分離する曲線562を示している。SM伝播レジームで動作する従来のPCFは、比較的小さいコアサイズと比較的大きな数の穴の層(N≧4)とをもち、全断面プロフィールは一般的に従来のファイバに類似している。そのようなファイバの場合、d/Λの値はλ/Λがゼロに近いとき限界で、約0.35である。したがって、d/Λ≧0.4である図16Aの曲線562の右領域(すなわち、間隔に関係する穴サイズが増加するd/Λ)は、PCFをMMファイバにし、それによってSM動作のための動作可能なコアサイズを制限する。
【0100】
図16Bは、図4B及び表1と関連して上述されたN=2の実施例の場合の曲線582を示している。その実施例において、λ/Λが約0.1に等しいとき、(d/Λ)2の値は、約0.88である(10メートルのファイバの場合、しかしこの値はより長いファイバの場合より大きい)。したがって、利用できるSM伝播レジームは、矢印584で示すように、曲線562から曲線582に都合よく拡張される。間隔に関係する一層大きな穴サイズが、SM動作を維持しながら使用される。大きな穴サイズを選ぶことで、対応する穴間隔は、表1に関連して上で見たように、同様に大きなコアサイズをもたらす。
【0101】
図16Cは、図4A及び表1と関連して上述されたN=1の実施例の場合の曲線592を示している。その実施例において、λ/Λが約0.1に等しいとき、(d/Λ)1の値は、約0.94である(10メートルのファイバの場合、しかしこの値はより長いファイバの場合より大きい)。したがって、利用できるSM伝播レジームは、矢印594で示すように、曲線562から曲線592に都合よく拡張され、それによってSM動作のためにより一層大きなコアサイズを与える。
【0102】
図17−18は、穴あきファイバの状況における図15−16で上述されたSM伝播レジーム拡張の一般化された概念を示している。図17に示し、図1AとBとに関連して上述したように、SMで動作できる都合よく大きなコアをもつ穴あきファイバは、少なくとも部分的に不規則な或いは乱れた配列の穴を持つことができる。さらに、その穴は、均一なサイズ或いは形状でなければならない必要がない。そのような非均一な穴が図17に描かれており、そこでは、二つの模範的な穴600と602とは、それぞれ円形と矩形である。さらに、円形穴600は、diの大きさを持つべく示され、矩形穴602は、djの大きさを持つべく示されている。二つの模範的な穴600と602の間の模範的な間隔は、Λkと表示されている。
【0103】
クラッド領域がそのような非均一穴で形成される穴あきファイバの場合、穴間隔パラメータと穴寸法パラメータとは、平均値davgとΛavgと表される。そのような平均パラメータを使うと、類似のλ/Λ対d/Λの関係(図16の関係のような)が示される。図18Aは、λ/Λavg−davg/Λavg空間において、MM伝播レジームからSM伝播レジームを分離する曲線612を示している。値(davg/Λavg)minは、λ/Λavgがゼロに近づくと限界のdavg/Λavgの値を意味する。従来のPCFの場合、約0.35であるd/Λの閾値に類似し、(davg/Λavg)minは、相対的に小さい平均寸法をもつコアの周りに相対的に厚い平均厚さをもつクラッド領域をもつ従来の穴あきファイバの場合の閾値を意味する。
【0104】
図18Bは、図16B−Cに関連して上述されたやり方に類似のやり方でSM伝播レジームを拡張する概念を示している。利用できるSM伝播レジームは、矢印624で示すように、曲線612から曲線622に都合よく拡張され、それによってSM動作のためにより一層大きな平均コアサイズを与える。大きな平均穴サイズを選ぶことで、対応する平均穴間隔は、同様に大きな平均コアサイズをもたらす。
【0105】
ここに開示された様々なファイバは、例えば、利得ファイバ、増幅器、ファイバ増幅器とファイバレーザのようなレーザ、及びその他のシステムにも使用される。例えば、これらのファイバは、高パワーパルス及びCWレーザシステム或いは光源を製作するために用いられる。ここに開示された様々なファイバは、高パワーパルス及びCWレーザシステム或いは光源を製作するために用いられる。これらのシステムは、ポンプと、利得媒質を与えるための1本のファイバと、共振器を形成するためのファイバの2つの端部の一対のミラーとを有する。単一偏光モードのみが伝播する単一偏光モード動作を達成するために、偏光素子が加えられる。共振器内分散制御のために分散素子も加えられる。ここに開示されたファイバは、1つまたはそれ以上のポンプと、ポンプ結合器と、できる限りのアイソレータとを備えるパルス及びCW光増幅器の利得媒質を構成することもできる。ここに開示されたファイバは、ファイバデリバリシステムの一部を形成するために使用される。デリバリシステムでは、レーザの出力が集光素子或いはスプライスを通してファイバに入射され、ファイバの出力が付加的な光学系でターゲットに向けられる。その他の形状及び使用が可能である。
【0106】
ここに開示されたファイバは、短い引っ張りデータ(haul data)電送用にMM通信ファイバを交換するために、通信応用にも利用される。ファイバのシングルモード特性は、伝送システムのバンド幅を改善すると同時に、大きなコアサイズは、低コストとロバストなコネクターを可能にする。そのような応用では、第2ガラスが穴の代わりに使用され得る。なおその他の応用が可能である。
【0107】
上に開示した本発明の実施例は、上で開示した実施例に応用したような発明の基本的な新しい特徴を、示し、記述し、且つ指摘したが、示されたデバイス、システム、及び/または方法の詳細な形態における、様々な脱落、代用、変更が本発明の目的から逸脱することなく当業技術者によって行われる。従って、発明の目的は前述に制限されないが、添えられたクレームで規定されるべきである。
【0108】
この明細書で述べられた全ての公開文献と特許文献は、この発明が属する技術の当業者の技術レベルを示している。まるで各個々の公開文献或いは特許文献が参照によって組み込まれていることを明確にそれぞれ示すように、全ての公開文献と特許文献は、ある程度ここに参照によって組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングル光モードを伝播させるための光ファイバであって、前記光ファイバは、
マトリックス内に配置された複数の穴状のクラッド造作を含むクラッド領域、前記複数のクラッド造作は、平均中心間間隔Λと平均径dとをもち及び前記クラッド領域で囲まれたコア領域とを有し、
前記複数のクラッド造作は、前記シングル光モードの伝播を前記コア領域に閉じ込めるよう、(i)増加した有効コア径2ρをもたらすための十分な平均中心間間隔Λ、及び(ii)前記コア領域内への光の十分な閉じ込めをもたらすための十分な平均径d、をもち、
前記平均径dと前記平均中心間間隔Λのそれぞれは、20ミクロン以上の有効コア径をもたらすよう20ミクロン以上である光ファイバ。
【請求項2】
前記平均径dと前記平均中心間間隔Λは30ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】
前記平均径dと前記平均中心間間隔Λは40ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項4】
前記有効コア径は30ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項5】
前記有効コア径は40ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項6】
前記有効コア径は60ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項7】
前記有効コア径は80ミクロン以上である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項8】
前記コア領域は中空である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項9】
前記クラッド領域は穴状のクラッド造作の第1と第2の組みを含み、前記クラッド造作の第1の組はシングルモードの伝播を支持するよう構成され、前記クラッド造作の第2の組はポンピング伝播のための多重モードの伝播を支持するよう構成されている、請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項10】
前記第2の組のクラッド造作は前記第1の組のクラッド造作よりその径が大きい請求項9に記載の光ファイバ。
【請求項11】
前記クラッド造作は、前記コア領域を伝播する光の偏光を維持するよう2つ折り対称である請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項12】
V値は2.4より大きい請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項13】
利得を与えるドーパントを含む請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項14】
基本モードプロフィールをもつ基本モードと、異なるモードプロフィールをもつ複数の高次モードとを支持する光ファイバを有する光ファイバアッセンブリであって、前記光ファイバアッセンブリは、
マトリックス内に配置された複数の穴状のクラッド造作を含むクラッド領域と、
前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、
前記コア領域に光を結合するために前記コア領域に関して配置された光結合器とを有し、
前記複数のクラッド造作は、光の伝播を前記コア領域に閉じ込め、前記コア領域は前記基本光モードと前記複数の高次モードとの伝播を支持するに十分大きく、前記光結合器は前記基本モードのモードプロフィールにマッチングする光分布をもつ光を出力するべく形成され、それによって前記複数の高次モードより前記ファイバの前記シングルモードに多くの前記光を結合するファイバアッセンブリ。
【請求項15】
前記光ファイバは、穴あきファイバを含む請求項14の光ファイバアッセンブリ。
【請求項16】
前記光ファイバは、フォトニック結晶ファイバを含む請求項14の光ファイバアッセンブリ。
【請求項17】
前記光ファイバは、フォトニックバンドギャップファイバを含む請求項14の光ファイバアッセンブリ。
【請求項18】
前記クラッド領域と前記コア領域とは、前記基本モードと高次モードの各々に対して有効屈折率をもたらし、前記基本モードの前記有効屈折率と前記高次モードの前記有効屈折率とは、前記基本モードと前記高次モードとの間の結合が十分減らされるような0.001より大きな差をもつ請求項14の光ファイバアッセンブリ。
【請求項19】
前記光結合器は、光パワーをもち、前記基本モードの前記モードプロフィールのサイズにマッチするサイズに集光するべく前記コア領域に関して配置されたレンズを備える請求項14の光ファイバアッセンブリ。
【請求項20】
基本光モードと複数の高次モードとを支持する光ファイバを通して光を伝播させる方法であって、前記基本モードは、空間分布のモードプロフィールをもち、前記方法は、
光ファイバのコア領域に光を結合するステップ、
前記コア領域に沿って前記光を伝播させるステップ、そして
前記コア領域に沿っての前記光の前記伝播をクラッド領域に形成された複数の穴状のクラッド
造作でしっかりと閉じ込めるステップとを有し、
クラッド領域で囲まれた前記コア領域は、マトリックスに配置された複数のクラッド造作を含み、前記光が前記複数の高次モードよりも前記基本モードにその多くを結合している方法。
【請求項21】
前記光が前記基本モードの前記モードプロフィールに十分マッチする強度分布をもつように前記光ファイバの前記コア領域に前記光を集光するステップをさらに有する請求項20の方法。
【請求項22】
光増幅を与える中空コアフォトニックバンドギャップファイバであって、前記中空コア
フォトニックバンドギャップファイバは、
マトリックス内に配置された複数の穴状のクラッド造作を含むクラッド領域と、
前記クラッド領域で囲まれた中空コア領域と、
前記中空コア領域を通しての前記光の伝播が利得領域で与えられる利得で増幅されるように前記中空領域に近い方に配置されている光利得をもつ利得領域とを有し、
前記中空コア領域は、その中に形成された中空領域をもち、前記複数のクラッド造作は、前記中空コア領域に光の伝播を閉じ込めるためにフォトニックバンドギャップを形成するべく配置されている中空コアフォトニックバンドギャップファイバ。
【請求項23】
前記利得領域は、利得を与える材料でドープされる請求項22の中空コアフォトニックバンドギャップファイバ。
【請求項24】
前記利得領域は、前記中空コア領域を囲む環状領域を含む請求項22の中空コアフォトニックバンドギャップファイバ。
【請求項25】
マトリックス内に配置された複数の穴状のクラッド造作を含むクラッド領域と、
前記クラッド領域で囲まれたコア領域と、
少なくとも一つのモードフィルタとを有し、
前記複数のクラッド造作は、平均中心間間隔Λと平均径dとをもち、前記複数のクラッド造作は、複数の列Nに配列されており、前記複数のクラッド造作は、光の伝播を前記コア領域に閉じ込め、前記複数のクラッド造作は、基本モード及び複数の高次モードの伝播を支持するための平均中心間間隔Λと平均径dと平均列数とをもち、前記モードフィルタは、前記基本モードが優位になり、前記高次モードが抑制されるように、前記基本モードより前記高次モードに多くの損失を導入することで高次モードを抑制している光ファイバ。
【請求項26】
前記モードフィルタは、とびとびのモードフィルタを含む請求項25の光ファイバ。
【請求項27】
前記モードフィルタは、連続のモードフィルタを含む請求項25の光ファイバ。
【請求項28】
前記モードフィルタは、曲がった光ファイバ、利得プロフィールをもつ光ファイバ、損失プロフィールをもつ光ファイバ、テーパファイバ、及び長周期格子の群から選ばれるフィルタを含む請求項25の光ファイバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−138143(P2011−138143A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14254(P2011−14254)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【分割の表示】特願2006−549554(P2006−549554)の分割
【原出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(593185670)イムラ アメリカ インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】