大電流薄型電気化学セルおよびその製造方法
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池が、その製造方法とともに提供される。一例では、電気化学セルは、第1の基板上に設けられ、アノードおよび複数のカソードを含む。前記アノードの少なくとも一部分は、前記複数のカソードのうちの隣接する2つのカソード間に位置する。1つの例示的な製造方法では、電気化学セルは、印刷機プロセスを介して作製される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年12月19日出願の米国仮特許出願第61/014,826号の利益を主張する。同出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本出願は、一般に電気化学セルまたは電池に関する。より詳細には、ピクチャ・フレームのフィーチャを利用する平坦な薄型電気化学セル、および印刷方法を含むその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、積層された2つのフィルム層間に2つ以上の電極、セパレータ、電解質、およびセル・フレームを含む印刷可能な薄型セル、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この100年またはそれぐらいの間、科学者らは、様々な用途のために、炭素/亜鉛の携帯型電源を作製してきた。携帯型電源の初期には、これらの電源は、現在の標準と比較すると非常に大きかった。たとえば、広く普及したEveready製の「イグナイタ・セル(Ignitor Cell)」は、直径が約3in、高さが約9inであり、無線、ブザー、クリスマスの照明など多くの用途に使用された。いくつかの適用分野では、これらの大型のセル、ならびにEveready社の著名な#6(およそ直径2in×高さ6in)および当時の最小ユニット・セル#950(Dサイズ)などのいくつかのより小さなバージョンは、通常、いくつかの用途では電圧が40ボルトを超える電池パックとして作製された。これらはサイズが同様であり、現在の自動車用電池よりさらに大きく、照明装置、無線、および自動車点火システムに使用された。1900年代中ごろには、トランジスタなどの先進電子機器の出現により、携帯型電源に対する電気的要件は大幅に低減された。その結果として、セルのサイズも縮小され、C、AAおよびAAAおよび小さいボタン・セルさえ含まれた。この電力低減は21世紀に入っても続いており、スマート・ラベル、スマート・クレジット・カード、センサや、データ・ロガー、ノベルティ・デバイス(グリーティング・カード、バッジ等)などの用途では、現在、必要とする最大電流は数ミリアンペアであり、多くの用途では、約1.5〜3.0ボルトでわずか数マイクロアンペアしか必要としない。これらの用途では、低プロファイルおよび携帯性を維持するために、電源が平坦でかつ非常に薄いことも要求される。
【0004】
この25年間、多数の科学者らおよび企業によって、薄くて平坦なセルおよび電池を作製する様々な手法が試みられた。これらには、Polaroidによって開発され、広く知られているインスタント・フィルム用電池パックが含まれる。この電池パックは、Polaroidのインスタント・フィルムの各パッケージ内で使用された。これにより、Polaroidでは、ユーザが新しいフィルムパックをカメラ内に装着するごとに、カメラに未使用電池を装填させることができた。複数の層および金属箔積層パッケージを有するこの高価な電池は、高電圧、大電流の電池であり、たとえばフラッシュ・バルブに点火してモータに電力供給することができる。この電池は、必要とされている薄型かつ低コストの新たな電池の現実的な競合品ではない。Polaroidに加えて、他社も、様々な電気化学システム内の薄型電池の開発に挑戦してきた。
【0005】
2005年4月20日出願の同時係属の米国特許出願第11/110,202号および2006年3月17日出願の同第11/378,520号は、平坦なセルおよび電池の新しい設計および製造方法について論じている。同出願を、参照により本明細書に組み込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低コストで低容量の平坦な薄型セルが市場でますます必要とされている。このため、用途が広くかつ大量生産するのに安価である平坦で印刷可能な薄型可撓性セルを作製すると有益であろう。低電力でかつ生産量の高い用途によく適した印刷可能な使い捨ての薄型セルは、十分な電圧、十分な容量、および低コストの解決策を提供する場合は特に有用であろう。従来の低プロファイル電池では通常、これらの特性は、もしある場合でも非常に少ない。
【0007】
さらに、近年、能動RFIDタグ、RFIDタグ付きセンサ、イオントフォレーシスまたは他の電気的機能を発揮する皮膚パッチなどの様々な電子デバイスがますます必要とされている。これらの様々な電子デバイスは、様々な電気装荷特性(electrical loading characteristics)を有することができる。したがって、比較的高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源を提供できると有益である。一例では、平坦な薄型電源を別個に製造し、後に様々な電子デバイスに電気的に結合させることができる。他の例では、平坦な薄型電源の製造を電気的構成要素の所望の回路の製造に統合して、これらの構成要素に電力供給することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明のいくつかの態様について基本的に理解してもらうために、本発明の簡略化した概要を提示する。この概要は、本発明についての広範囲にわたる概説ではない。この概要は、本発明の主要なもしくは重大な要素を特定するものでも、本発明の範囲を線引きするものでもない。この概要の唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明への前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0009】
本発明の一態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法が提供される。この方法は、第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップを含む。この方法は、前記第1の基板の前記第1の側に複数のカソード層を提供するステップと、前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、前記誘電体層上にアノード層を提供するステップとをさらに含む。前記アノード層の少なくとも一部分は、複数のカソード層のうちの隣接する2つのカソード層間に位置する。この方法は、前記カソード層に接触し、また前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、前記第1の基板の前記第1の側に中間スペーサ層としてフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記カソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップとをさらに含む。この方法は、中間スペーサ層を介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記カソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップをさらに含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法が提供される。この方法は、第1の基板および第2の基板を提供するステップを含み、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方は、複数の層を有するウェブを含み、前記第1の基板は第1の側を含む。この方法は、前記第1の基板の前記第1の側にカソード・コレクタ層を印刷するステップと、前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、前記カソード・コレクタ層上に複数のカソード層を印刷するステップと、前記誘電体層上にアノード層を積層するステップとをさらに含む。この方法は、前記複数のカソード層に接触し、また前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、前記第1の基板の前記第1の側にフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップとをさらに含む。この方法は、スペーサとして利用される第3のウェブを介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記複数のカソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップをさらに含む。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池が提供される。この電池は、複数の積層を含み、かつ第1の側および第2の側を画定する第1の基板と、第2の基板と含む。このデバイスは、前記第1の基板の前記第1の側に設けられるカソード・コレクタ層と、前記カソード・コレクタ層上に設けられる複数のカソード層と、前記カソード・コレクタ層上で、複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる誘電体層と、前記誘電体層上に設けられるアノード層とをさらに含み、前記アノード層が、前記誘電体層によって前記カソード・コレクタ層から絶縁される。このデバイスは、前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層と、前記第1の基板および前記第2の基板間に介在して前記第1の基板を前記第2の基板に接続して封止し、前記電解質を収容する内側空間を形成するフレームとをさらに含む。このフレームはまた、前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分を収容し、前記アノード層および前記複数のカソード層のうちの少なくとも一方は、硬化または乾燥させたインクを含む。
【0012】
本発明の前述および他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下の説明を読めば、本発明が関連する当該技術分野における当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のユニット・セル600の平面図である。
【図2】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線2−2に沿って電極領域を切り取った図である。
【図3】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線3−3に沿って第1の電極の長さ全体を切り取った図である。
【図4】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線4−4に沿って第2の電極の長さ全体を切り取った図である。
【図5】例示的な薄型大電流電気化学セルの上面部分詳細図である。
【図6】図5の線6−6に沿って切り取った電気化学セルの断面図である。
【図7】別の例示的な薄型大電流電気化学セルの上面部分詳細図である。
【図8】例示的な薄型大電流電気化学セルに対するセル電圧と放電時間を関係づける例示的な連続放電曲線を、従来技術のセルと比較して示す図である。
【図9】図8に類似しているが、セルが異なる負荷で放電される図である。
【図10】図8に類似しているが、セルが他の異なる負荷で放電される図である。
【図11】2秒間のパルスに対する閉回路電圧(CCV)を、ミリアンペア単位の複数の電流とともに示す図である。
【図12】例示的な薄型大電流電気化学セルの1製造方法を示す1つの例示的なフローチャートである。
【図13】図12の方法における複数の例示的なステップを示す図である。
【図14】図12の方法における別の複数の例示的なステップを示す図である。
【図15】図12の方法におけるさらに別の複数の例示的なステップを示す図である。
【図16】概して連続するウェブを利用する例示的な製造プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に、本出願は、共平面構造(co-planar structure)の薄型大電流電気化学セルおよび前記電気化学セルを製造する方法に関する。一例では、電気化学セル(すなわち、電池)は通常、連続する可撓性基板ウェブ上に印刷および/または積層されており、ロールなどの形に形成することができる。このロールから個々の電池を、一度に例えば1つずつ取り外すことができる。たとえば、ロールから電池を切断することができ、および/または容易に引き裂けるように、可撓性基板ロールに穿孔することができる。さらに、電池は、たとえばアンテナおよび/または処理装置などの1つまたは複数の電気的構成要素をさらに含むことができる。本出願の複数の側面は、前述の総合パッケージで使用することができ、および/または個々に、もしくは任意の組合せで使用することができる。
【0015】
他に明示的に示されていない限り、本明細書では、すべてのパーセントは重量パーセントである。本明細書において、たとえば「5〜25」(または「約5〜25」)などと範囲が与えられた場合、これは、少なくとも1つの実施形態に対して少なくとも約5、および別個にかつ独立して約25以下を意味する。別段の指示がない限り、範囲は厳密に解釈されるべきではなく、許容できる例として与えられる。また本明細書では、記載された値または好ましい値に続いて挿入的に示された範囲は、本出願の追加の実施形態によるその値に対するより広い範囲を示す。
【0016】
本出願は、印刷された薄型電気化学セルおよび/または複数のそのようなセルを含む電池に関する。そのようなセルはそれぞれ通常、少なくとも、第1の電気化学層を含む第1の電極(たとえば、カソード)と、第2の電気化学層を含む第2の電極(たとえば、アノード)と、電極と相互に作用して電流を生成する電解質とを含む。第1および第2の電極ならびに電解質はすべて通常、何らかの構造内に収容され、この構造は、何らかのデバイスに電流を供給するために、電極への外部からの電気的アクセスを備える。
【0017】
そのようなセルを大量生産する1つの方法は、たとえば積層ポリマー・フィルム層などの特殊な基板上に水性および/または非水性の溶剤インクおよび/または他の被覆剤をあるパターンで堆積させるステップを含む。特に要求される量が非常に多い場合は、堆積はたとえば、1つまたは複数の高速ウェブ回転スクリーン印刷機上で、電気化学インクを印刷すること、および/またはたとえば亜鉛箔などの金属箔を積層することによって行うことができる。量が比較的少ない場合、たとえばわずか約数百万またはそれより少ないだけの量である場合には、フラット・ベッド・スクリーンを用いたウェブ印刷などの比較的遅い方法が適切であろう。数百または数千など、量がさらに少ない場合、たとえば、シート・フィード式のフラット・ベッド印刷機を利用することができる。さらに、様々な所望の量に対して様々な印刷方法を用いることができる。
【0018】
インクが印刷された後、および/または固体物が正しく配置された後、セルを完成させることができる(たとえば、封止、ダイ・カット、積重ねおよび/または穿孔、ならびにロール状に巻取り、または印刷機上でシートが使用される場合は積重ね)。このセル製造プロセスを利用して、1つもしくは複数の個々のセルを実際のエレクトロニクスの用途に統合し、または直列もしくは並列に接続された複数のセルを含む電池に統合し、またはこれら2つの何らかの組合せを行うこともできる。そのようなデバイスの例および対応するプロセスについては後述するが、多くの追加の実施形態も企図される。
【0019】
上述したように、電池は、印刷された可撓性の薄型電気化学セルとして説明することができる。そのようなセルは、たとえば、特別な特徴を有した特殊なポリマー積層を利用できる下部フィルム基板を含むことができる。この下部フィルム基板は、場合によっては、たとえば高湿度バリア層をその中心に含み、このバリア層が、両側のポリマー・フィルムによって取り囲まれる。さらに、一方または両方の外側表面は、望みに応じて、情報、ロゴ、命令、識別、通し番号、図形、または他の情報もしくは画像を印刷するために印刷受容性を有することができる。
【0020】
この電池のどの構造が使用されるかに応じて、基板の内層は熱封止層を特徴として有することができ、この熱封止層は、バリア被覆剤の反対側で共押出することができる。
【0021】
さらに、少なくともいくつかの実施形態におけるセルの下部基板層の内側表面の一部分は、フィルム基板の一部分に印刷もしくは被覆され、または他の方法で塗布された、たとえば炭素などのカソード電流コレクタを利用することができる。望ましい場合、アプリケーション接続に対する導電性を改善するために、このコレクタの外側コンタクト領域にもまた、たとえば銀、ニッケル、またはスズなどの比較的導電性が高いインク層を印刷することができる。しかし、比較的電流要件が低い電池用途の場合、一方または両方の電極に対して、導電性がより高い層材料、またさらには電流コレクタを利用することはできない。
【0022】
少なくともいくつかの実施形態では、水性インク電気化学層がカソードとして印刷される。そのようなカソード層は、たとえば、二酸化マンガン(MnO2)、炭素、およびポリマー結合剤を含むことができる。これらの材料の有無にかかわらず、カソード層に対して他の調合物を利用することもできる。カソード・コレクタ層が使用される場合、カソード層の一部分を形成するか否かにかかわらず、カソード電気化学層は、カソード電流コレクタの少なくとも一部分上に印刷され、これはまず、基板に印刷され、または他の方法で塗布される。
【0023】
アノードに関しては、オフライン動作では、場合によっては剥離ライナを使用する乾燥したフィルム接着剤層を亜鉛箔に塗布することができる。次いでこの亜鉛箔をベース基板に積層することができる。
【0024】
任意選択で、アノードとカソードの一方または両方を覆って、澱粉インクまたは類似の材料が印刷される。澱粉インクは、水性の電解液がセルに塗布された後に電極を「濡れた」まま維持する電解質吸収体として働くことができる。この澱粉インクはまた、セル反応に使用される電解質塩および水を含むこともできる。印刷された澱粉の代わりに、アノードおよびカソードを覆って紙層を使用することもできる。
【0025】
いくつかの実施形態では、2つの電極を定位置に置いた後、澱粉層(複数可)の有無にかかわらず、セル「ピクチャ・フレーム」を追加することができる。これは、複数の異なる方法を使用して行うことができる。1つの方法は、たとえば、このセル・ピクチャ・フレームを誘電体インクで印刷することである。別の方法は、接着剤層を含むポリマー・シートまたは積層ポリマー・シートを利用することであり、このシートは、スタンピング、ダイ・カット、レーザ切断、または類似の方法で、各ユニット・セルの材料を収容するため、ならびにデバイスを接続するように電気コンタクトを露出させるための適切な「ポケット」(1つまたは複数の内側空間)を形成する。
【0026】
基板に対するピクチャ・フレームの良好な封止を確保するため、そしてコンタクト・フィードスルー(セル内側からセル外部への電気経路を提供する)の良好な封止を提供するため、たとえばフレームを印刷する前、またはポリマー・シートを挿入する前に、たとえばセル・フレームと同じパターンなどで、封止またはコーキング接着剤を基板上に印刷することができる。
【0027】
この封止またはコーキング材料は、たとえばAcheson ColloidのPM040のように、たとえば感圧性および/または感熱性を有することができ、または両面への封止を容易にする任意の他のタイプの材料とすることができる。
【0028】
誘電体ピクチャ・フレームを印刷および乾燥し、および/または硬化させた後、フレームの上に感熱封止接着剤を印刷して、上部基板とセル・フレームの良好な封止を可能にすることができる。このセル・ピクチャ・フレームはまた、事前に打ち抜き、次いで前述の事前に印刷したコーキング接着剤層に整合するように位置合わせして積層した厚さ約0.015in(約0.003in〜0.050inの範囲)のポリマー・フィルムまたは積層フィルムを含むことができる。
【0029】
少なくともいくつかの実施形態では、塩化亜鉛(ZnCl2)は、たとえば約18重量%〜45重量%の濃度範囲で電解質として選択することができる。一例では、約27%が好ましいであろう。この電解質を、たとえば開放セルに追加することができる。ライン上での処理を容易にするために、この電解質または異なる電解質を、たとえば約0.6重量%(約0.05重量%〜1.0重量%の範囲)のレベル程度のCMCで厚くすることができる。
【0030】
たとえば、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化亜鉛(ZnCl2)と塩化アンモニウム(NH4Cl)の混合物、酢酸亜鉛(Zn(C2H2O2))、臭化亜鉛(ZnBr2)、フッ化亜鉛(ZnF2)、酒石酸亜鉛(ZnC4H4O6.H2O)、過塩素酸亜鉛Zn(ClO4)2.6H2O)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または有機物などの他の有用な電解質調合物を使用することもできる。
【0031】
塩化亜鉛は好まれる電解質であり、普段遭遇する通常の環境条件に対して優れた電気性能を提供することができる。同様に、とりわけ前述の代替電解質はいずれも、たとえば約18重量%〜45重量%の範囲内の濃度で使用することができ、少なくともいくつかの他の実施形態では、約25重量%〜35重量%の範囲が使用される。そのような組成はまた、通常の環境条件下で許容できる性能を提供することができる。
【0032】
いくつかの異なる環境条件下では、塩化亜鉛以外の電解質を使用すると、改善されたセル/電池の電気性能を提供することができる。たとえば、約32重量%の酢酸亜鉛(F.P.(凝固点)約28℃)は、約32重量%の塩化亜鉛(F.P.約−23℃)より低い凝固点を示す。これらの溶液はどちらも、約27重量%の塩化亜鉛(F.P.約−18℃)より低い凝固点を示す。他の酢酸亜鉛濃度、たとえば約18〜45重量%または約25〜35重%もまた、低減された凝固点を示す。
【0033】
そのような電解質調合物を塩化亜鉛の代わりに、またはセル内で使用される様々な混合物内で使用すると、低温での性能を改善することができる。たとえば、約32重量%の酢酸亜鉛の電解質を使用すると、ボルタ電池の低温(すなわち、約−20℃未満)性能を実質上改善することが見出された。低温でのこのタイプの電気化学セルの性能改善は、低温環境で使用できる、たとえば電池補助式RFIDタグ、および/または他の過渡的(可搬式)電動デバイス(たとえばスマート能動ラベル、温度タグなど)の成長ビジネスで利用することができる。
【0034】
たとえば、食品、薬、血液などの現在出荷される多くの製品は、低温での保管・出荷条件、またさらには低温動作を必要とすることがある。そのような商品の安全な出荷を確保するために、これらの品目を能動RFIDタグおよび/またはセンサで追跡することができる。これらのタグおよび/またはラベルでは、電気化学セルおよび/または電池が、約−23℃、約−27℃、またさらには約−30℃以下など、−20℃またさらにはそれ未満の温度で効果的に動作することを要求されることがある。
【0035】
低温での用途のために改善された低温性能を実現するために酢酸亜鉛が使用されるとき、約31〜33重量%の範囲の酢酸亜鉛濃度を許容できることが多いが、約30〜34重量%、約28〜36重量%、約26〜38重量%、およびさらには約25〜40重量%の範囲を利用することもできる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、印刷された澱粉層に水性電解質を加えた構造は、たとえば、各電極の少なくとも一部分を効果的に覆う印刷可能な粘性液(ゲルまたは何らかの他の粘性材料を含むことができる)に置き換えることができる。そのような印刷可能なゲルの一例が、2003年9月4日公開の米国特許出願公開第2003/0165744A1号に記載されている。同出願を、参照により本明細書に組み込む。これらの粘性調合物は、たとえば、前述した電解質の調合および濃度を利用することができる。
【0037】
セル・パッケージの上部基板は、特殊な積層ポリマー・フィルムを利用することができ、この積層ポリマー・フィルムは、内部のセル/電池構成要素を越えてセル・フレーム上に延びる縁部を有する。上部層は、感圧接着剤(PSA)によって、および/または事前に印刷された感熱封止接着剤によって、セル・フレームの縁部の周囲で封止され、したがって内部構成要素をセル・フレーム内に閉じ込める。
【0038】
前述の構造は湿式のセル構造とすることができるが、類似のセル構造を使用して、この電池を予備セル構造にすることもできる。予備セル構造には、液体の塗布前の保存寿命を延ばすという利益がある。印刷可能な可撓性塩化亜鉛薄型セルは、環境に優しいものとすることができる。そのような構造は、たとえば水銀またはカドミウムなどの有害な成分の使用を要しない構造を利用することができる。したがって、この設計を有する、古いおよび/または使い切ったセルは、通常の廃棄物除去手順を用いて廃棄することができる。
【0039】
この技術を使用できるデバイスは広範囲にわたる。比較的低い電力または限られた寿命(1年から3年、場合によってはそれ以上)を利用するデバイスは、本明細書に記載するタイプの薄型セル/電池を利用して機能することができる。このセルは、上記段落および以下に説明するように、安価に大量生産できることが多く、したがって、たとえば使い捨て製品の内部で使用することができる。低コストが、以前は費用効果が悪かった用途への適用を可能とする。
【0040】
本出願による電気化学セル/電池は、以下の利点の1つまたは複数を有することができる。
・比較的薄型。
・平坦で、厚さが比較的均一であり、縁部は中心とほぼ同じ厚さである。
・可撓性がある。
・多くの幾何形状が可能である。
・容器が封止される。
・構造がシンプルである。
・高速かつ大量生産用に設計されている。
・低コストである。
・多くの温度で信頼できる性能を有する。
・低温性能が良好である。
・使い捨てで、環境に優しい。
・両方のセル・コンタクトが同一表面上にある。
・アプリケーション中に容易に組み込むことができる。
・応用例の電子機器の作製と同時に、連続プロセス中で容易に統合することができる。
【0041】
上記は、本出願のいくつかの実施形態による様々なセル構造についての一般的な説明であった。さらなる詳細については、図面を利用して以下に示す。セル印刷および組立てのためのセルおよび電池生産プロセスについても、同様に説明する。
【0042】
一例では、毎分50リニア・フィートまたは別の比較的速い速度などの比較的高速で高出力の製造が企図される場合などは、複数のウェブを使用することができる。複数のウェブは概して連続することができ、また公知のウェブ製造機器で利用することができることを理解されたい。第1のウェブは、約0.002〜0.010in、また好ましくは約0.003〜0.006inのように比較的薄く、可撓性ベース基板は、多層積層構造または単層材料を含む。一例では、多層構造は、5つの層を含むことができる。別法として、単層材料は、カプトンまたはポリエステルなどの様々な材料を含むことができる。第2のウェブは、厚さ約0.005〜0.030in、また好ましくは厚さ約0.010〜0.015inであるPVCまたはポリエステル・フィルムを含む比較的厚い積層構造とすることができる。第2のウェブは、厚さ約1〜5ミルの感圧接着剤層を片側に有することができる。第2のウェブのこの積層構造が完成した後、これを第1のウェブに貼り付けることができる。追加で、または別法として、セルの活物質用の空洞、ならびにセル/電池コンタクト用の任意の空洞を形成するために、任意のタイプの機械的手段を使用して第2のウェブをパターン切断することができる。第3のウェブは、第1のウェブと同じおよび/または第1のウェブに類似の比較的薄い積層構造とすることができる。完成した3つのウェブの構造は、個々のデバイス・アセンブリをラベルとして適用できるように、いずれかの側に感圧接着剤を有することができる。セル/電池は、2005年4月20日出願の同時係属の米国特許出願第11/110,202号に開示のような薄型セル・タイプのもの、および/または2006年3月17日出願の同時係属の米国特許出願第11/378,520号に開示のセルとすることができる。これらの出願を、参照により本明細書に組み込む。
【0043】
本明細書に記載の様々な導電性インクは、炭素、銀、ニッケル、銀で被覆された銅、銅、塩化銀、亜鉛、および/またはこれらの混合物などの多くのタイプの導電性材料をベースにすることができる。たとえば、導電性および可撓性の点で有用な特性を示す1つのそのような材料は、Acheson Colloids(ミシガン州ポートヒューロン)のPM046である。さらに、印刷回路の一部となりうる様々な回路、電気的経路、アンテナなどは、カプトン基板などのポリマー上に積層されたアルミニウム、銅、または類似のタイプの金属箔をエッチングすることによって作製することができる。これは、エッチングされているか、それとも印刷されているかにかかわらず、多くのタイプ(寸法および周波数)の経路および/またはアンテナで行うことができる。
【0044】
次に図1〜4を参照すると、従来技術は通常、たとえば、封止された「ピクチャ・フレーム」構造を使用する、印刷された可撓性の薄型電気化学セルを含んだ。この構造は、印刷されたカソード・コレクタ(たとえば、導電性の高い炭素カソード・コレクタ)上に配置した印刷されたカソードを含み、印刷されたまたは箔ストリップのアノードがカソードに隣接して配置される。このタイプの電気化学セル/電池は、米国特許出願第11/378520号に記載されている。同出願の開示を、参照により本明細書に組み込む。電気化学セル/電池はまた、アノードおよびカソードのすべてまたは一部を覆うセパレータ上に分注された粘性またはゲル化電解質を含み、次いでピクチャ・フレーム上に上部積層を封止することができる。このタイプの電気化学セルは、印刷によって(たとえば、印刷機の使用によって)容易に作製されるように設計されており、たとえば、セル/電池を応用例の電子機器に直接統合することができる。
【0045】
本明細書では標準的な構造とも呼ぶ従来技術の電気化学セルを、図1〜4でさらに説明する。図1〜4は、完成したユニット・セル600の一実施形態を平面図または断面図で示したものである。セル600は、上部積層フィルム基板(層)112と、下部積層フィルム基板(層)111と、銀で印刷された正コンタクト140および負コンタクト650を有する延長領域180とを含む。さらに、セル600は、カソード層130およびアノード層116を含む。カソード層130およびアノード層116はそれぞれ、電解質を通って相互作用し電流を生成することができる異なる組成の電気化学層から構成される。より明瞭にするために、図1のセル600には上部積層112を示さない。
【0046】
カソード層130を塗布する前に、導電性の高い炭素からなるカソード・コレクタ131が下部積層基板111上に印刷される。少なくとも1つの実施形態では、カソード・コレクタ131の大きな面積の部分上に、二酸化マンガン、たとえば炭素(たとえば、黒鉛)などの導体、結合剤、および水を含むインクを使用して、カソード層130が印刷される。アノード層116は、導電性の亜鉛インクとして印刷することができ、または図に示すように、亜鉛箔(116)とPSA(660)の積層として提供することができる。これらはどちらも、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(0.001in〜0.010in)とすることができる。電極層(アノード層116およびカソード層130)が定位置に置かれた後、電極の周りに「ピクチャ・フレーム」113が配置される。ピクチャ・フレーム113は、ポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などのダイ・カット・ポリマー積層シートを含むことができ、また2つの感圧接着剤層(上部表面上の118および底部表面上の117)をさらに備えることができる。上部感圧接着剤(PSA)層118は、上部積層基板112をピクチャ・フレーム113に対して封止し、また底部PSA層117を使用して、底部積層基板111をピクチャ・フレーム113に対して封止することができる。
【0047】
ピクチャ・フレーム・アセンブリの全体的な厚さ(ライナの厚さを除く)は、約0.015in(約0.005in〜0.50in)である。ピクチャ・フレームは、電極がフレーム内で中心に位置決めされるように、底部剥離ライナを除去した後に下部積層基板111上に配置することができる。場合によっては、漏れのない構造を確保するために、ピクチャ・フレーム113の領域内で、アノード116の上およびカソード・コレクタ層131の上に、封止および/またはコーキング接着剤、感熱封止剤、および/または両面PSAテープ653を配置および/または印刷することができる。封止接着剤653はまた、ピクチャ・フレーム113の他の箇所に提供することもできる。
【0048】
電解質がゲル化被覆の一部ではない場合、両方の電極を覆うまたは部分的に覆う「紙セパレータ」126(明瞭性のために図1には図示せず、図2参照)などの吸収体材料にセル電解質120が提供される。この電解質は、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液とすることができ、この水溶液はまた、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)または他の類似の材料などの増粘剤を含有することもできる。セルは、PSAを使用して、および/または熱封止を用いて、上部積層112をピクチャ・フレームを覆うように塗布して封止することによって完成される。
【0049】
前述の従来技術の電池は、共平面構造を有する。共平面構造は、製造が容易であり、かつ一貫した高信頼性性能を提供するいう点で、いくつかの利点を提供した。しかし、これらの電池は主に、比較的低いレベルの電流を供給する電源として設計される。したがって、標準的な共平面電気化学セル構造によって提供される電流よりも高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源がますます必要とされている。
【0050】
より高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源が必要とされたため、初期の共平面セル/電池と同じ利点を有するが、より高い電流も送出できる構造が求められた。図5〜6に、より高い電流を送出できる新しい共平面構造の上面図および断面図を示す。この構造を、本明細書では高ドレイン(「HD」)設計と呼ぶ。HD設計には、いくつかの顕著な性能上の利点がある。これらは通常、カソード・コレクタ抵抗がより低いこと、セル内部抵抗がより低く、その結果、同じ負荷でパルス電圧がより高いこと、電流がより高くなるとパルス電圧改善がより大きくなること、および/またはより高いドレイン試験で高電圧カットオフまでの動作時間が増大することなどのうちの1つまたは複数を含む。HD設計の電気化学セルはまた、印刷によって(たとえば、印刷機を使用して)容易に作製されるように設計され、たとえば、セル/電池を応用例の電子機器に直接統合することができる。
【0051】
次に図5〜6に、完成したHDユニット・セル/電池1000の平面図および断面図を示す。HDセル1000は通常、下部積層フィルム基板(単層または多層)1002と、上部積層フィルム基板(単層または多層)1004と、少なくとも1つの正コンタクト1008および少なくとも1つの負コンタクト1010を有する延長領域1006とを含む。さらに、HDセル1000は、複数のカソード層1012A、1012Bと、少なくとも1つのアノード層1014とを含む。カソード層は、電解質を通って相互作用して電流を生成することができるアノード層とは異なる組成の電気化学層から構成することができる。カソード層1012A、1012Bとアノード層1014はそれぞれ、下部基板1002の第1の側に提供することができる。より明瞭性を高めるために、図5のHDセル1000には上部積層1004を示さない。
【0052】
複数のカソード層1012A、1012Bを塗布する前に、導電性の高い炭素からなるカソード・コレクタ1016を下部積層基板1002上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、カソード・コレクタ1016の大きな面積の部分上に、二酸化マンガン、たとえば炭素(たとえば、黒鉛)などの導体、結合剤、および水を含むインクを使用して、それぞれのカソード層1012A、1012Bが印刷される。様々な数のカソード層を利用することができる。アノード層1014は、導電性の亜鉛インクとして印刷することができ、または図に示すように、亜鉛箔(1014)とPSA(1019)の積層として提供することができる。これらはどちらも、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(0.001in〜0.010in)とすることができる。ZnCl2の電解質を含むことができる水性のゲル化被覆層(図示せず)を、アノード層(図1および2には図示せず)を覆って、ならびにアノード層1014をそれぞれのカソード層1012A、1012Bから分離する間隙内に印刷することができる。セル1000内の短絡を回避するために、アノード層1014が上を覆うカソード・コレクタ1016上に、誘電体層1018を印刷または積層などで提供することができる。したがって、前記誘電体層1018によって、アノード層1014を前記カソード・コレクタ層1016から絶縁することができる。カソード・コレクタ1016上に提供される絶縁誘電体層1018上に、アノード層1014を印刷または積層することができる。絶縁層1018は、様々な誘電体または電気的に中性の材料(ポリ塩化ビニル、ポリエステルなど)および/または様々な接着剤(感熱封止剤、UV硬化封止剤など)、および/または両面PSAテープを含むことができる。
【0053】
図5に示すように、誘電体層1018およびアノード層1014は、複数のカソード層1012A、1012Bのうちの少なくとも隣接する2つの間に配置することができる。一例では、誘電体層1018およびアノード層1014は、アノード層1014とカソード層の一方1012Aの間の導電性経路がアノード層1014とカソード層の他方1012Bの間の導電性経路に概して等しくなるように、前記2つの隣接するカソード層1012A、1012Bから概して等距離に配置することができる。さらに、アノード層1014がカソード層1012A、1012Bのうちの1つにより近くなるように、複数のカソード層1012A、1012Bのうちの隣接する2つから非等距離でアノード層1014を配置することもできる。他の例では、一対の隣接するカソード層1012A、1012B間にアノード層1014を配置し、追加の他のカソード層(図示せず)から距離を空けることができる。さらなる他の例では、複数のアノード層(図示せず)を備え、複数のカソード層間にまたは複数のカソード層付近に様々な形で配置することができる。
【0054】
アノード層1014を定位置に置いた後、最終的には電極の境界を示す領域の周りに「ピクチャ・フレーム」1020を配置することができる。本明細書に記載のように、カソード層1012A、1012Bは、ピクチャ・フレームが印刷される場合はピクチャ・フレーム1020を提供した後に印刷することができるが、ピクチャ・フレームがダイ・カット・ポリマー積層である場合はピクチャ・フレーム1020を提供する前に印刷することができる。ピクチャ・フレーム1020は通常、上部から見るとHD電気化学セル1000の周辺部に沿って提供されるスペーサとすることができる。ピクチャ・フレーム1020は、ポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などのダイ・カット・ポリマー積層シートを含むことができ、また2つの感圧接着剤層(すなわち、上部表面上の1022および底部表面上の1024)をさらに備えることができる。上部感圧接着剤(PSA)層1022を使用して、上部積層基板1004をピクチャ・フレーム1020に対して封止することができ、また底部PSA層1024を使用して、底部積層基板1002をピクチャ・フレーム1020に対して封止することができる。
【0055】
ピクチャ・フレーム・アセンブリの全体的な厚さ(PSA剥離ライナの厚さを除く)は、約0.015in(約0.005in〜0.50in)とすることができる。ピクチャ・フレームは、電極がフレーム内で中心に位置決めされるように、底部剥離ライナを除去した後に下部積層基板1002上に配置することができる。場合によっては、漏れのない構造を確保するために、概してピクチャ・フレーム1020の下に入る領域内で、誘電体層1018、アノード1014、および/またはカソード・コレクタ層1016のいずれかの上に、封止および/またはコーキング接着剤、感熱封止剤、および/または両面PSAテープ(図示せず)を配置および/または印刷することができる。封止接着剤(図示せず)はまた、ピクチャ・フレーム1020の他の箇所に提供することもできる。HDセル1000の全体的な厚さは概して均一にすることができ、またはHDセル1000内に収容される様々な要素の相対的な厚さに応じて変動させることもできる。PVCがスペーサ材料として使用される場合、片側または両側にPSA層を使用することなく熱封止することができる。
【0056】
電解質がアノードおよび/またはカソードの上のゲル化被覆の一部ではない場合、両方の電極を覆うまたは部分的に覆う紙セパレータ1028などの吸収体材料または別のタイプの吸込み材料にセル電解質1026を提供することができる。この電解質は、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液とすることができ、この水溶液はまた、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)または他の類似の材料などの増粘剤を含有することもできる。別法として、ピクチャ・フレームの内側にあるアノードおよびカソードを覆って、「澱粉インク」または電解質を流し込み、または印刷することもできる。HDセル1000は、PSAを使用して、および/または熱封止を用いて、上部積層1004をピクチャ・フレーム1020を覆うように塗布して封止することによって完成される。
【0057】
通常、本明細書に記載の大電流の薄型電気化学セルの1つは、約1.5ボルトを提供することができる。しかし、より高電圧および/または高容量が望ましい場合、複数のセルを電気的にともに結合することができる。たとえば、1.5ボルトのユニット・セルを直列に2つ接続することによって3ボルトの電池が得られる。但し、異なる電圧を有するユニット・セルを使用することによって、および/または異なる数のセルをともに直列および/または並列に組み合わせることによって、他の電圧および/または電流を得ることができる。したがって、より高電圧を使用する用途では、ユニット・セルを直列に接続することができ、より大きな電流および/またはより高容量を必要とする用途では、ユニット・セルを並列に接続することができ、また高電圧かつ、大電流および/または高容量の用途では、直列に接続しさらに並列に接続した様々なセル群を利用することができる。したがって、様々なユニット・セルおよび/または電池構成を使用して、異なる電圧および電流を使用する様々な用途に対応することができる。
【0058】
さらに、図7のHD設計セル(2000)は、医療用用途などのいくつかの独自の用途で必要に応じて、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、他の多角形の形状、不規則なものなどの非直線の幾何形状を使用して構築することができる。一例では、図7に示すような概して円形の形状はより容易に作製することができ、アノードとカソードの間のピクチャ・フレームの内側の領域をより良好に利用することができる。より明瞭性を高めるために、図7のHDセル2000には上部積層を示さない。理解できるように、誘電体(2018)上で概して2つの隣接するカソード2012A、2012B間にアノード2010を配置することによって、相対的に増大したHDセルの性能特性を様々な幾何形状で実現することができる。図5の要素と同一、類似の要素を示すために、2000番台の類似の参照番号(すなわち、2000、2002など)を使用する。さらに、様々な他の要素をある程度使用することもできる。従来技術の標準的な構造では、非直線の設計を使用し、また連続するアノード・ストリップを含むセルは、アノード・ストリップをあまり効率的に使用しておらず、アノード・ストリップの上により多くの封止領域を必要とすることが多かった。この領域は封止するのが困難なことがあるので、従来技術の標準的な構造では、封止故障が発生して電気性能が乏しくなる可能性がより大きい。
【0059】
様々な要素のさらなる詳細について、次に説明する。第1の基板1002および/または第2の基板1004は、5つの層などの様々な層を含むことができる。たとえば、第1の基板1002の様々な層は、3層のフィルムと、2つのUV硬化ウレタン積層接着剤層とを含むことができる。2つのUV硬化ウレタン積層接着剤層は、厚さ約0.2ミルなど、約0.1〜0.5ミルの範囲内で比較的薄くすることができる。一例では、この積層構造は、ウィスコンシン州オシュコシュのCurwood Inc.、Bemis Corporation Companyによって提供されるものとすることができる。上部フィルム層は、DuPont(OLシリーズ)によって提供されるような熱封止可能層とすることができる。この層は、セルの内側に位置し、また例示的な厚さ約0.00048in(たとえば、約0.0002in〜0.002in)を有することができる。中間フィルム層は、日本のToppanによって供給されるGLフィルムなどの高湿度バリアポリマー層とすることができる。通常、このポリエステル・フィルムは、積層構造の内側に酸化物または金属化被覆を有することができる。この被覆の水分透過値は、真空蒸着させた酸化物または金属の種類および量に応じて変動させることができる。完成したセルの外側に置くことができる第3のフィルム層は、構造層として働くことができるポリエステル層とすることができる。5層構造のこの構造層は、配向ポリエステル(OPET)とすることができ、約0.002in(たとえば、約0.0005in〜0.010in)の厚さを有することができる。この層はまた、たとえば、厚さ約0.2ミルのウレタン接着剤を用いて他の層に積層することができる。この「構造層」は、DuPontのポリエステル配向(OPET)フィルム、たとえばMelinexブランドのものとすることができる。使用できる別の材料は、日本のToyobo Co.Ltd.からのものであり、白色ミクロボイド配向ポリエステル(WMVOPET)と呼ばれるポリエステル・ベースの合成紙である。
【0060】
セル構造、セル応用例、および/またはセル環境に応じて、基板に対して異なるバリア特性を付与することができると有利である。広い範囲の蒸気透過率が利用可能であるため、望みに応じて、それぞれの特有の用途および構造に対してバリア層を選択することができる。たとえばセルがより高いガス処理率および短寿命を意図的に有するときには、セル膨張を最小限にするように、透過率のより高いフィルムを使用してより大量のガスを逃がすことができると適切でありかつ望ましい場合がある。別の例は、砂漠などの高温で乾燥した環境下での用途または何らかの特殊な工業向けの用途になるはずである。そのような場合、電池からの過度の水分損失を防止するために、透過率の低いバリアフィルムを有することができると望ましい。
【0061】
ポリマー厚さの一部またはすべてを増大させることによってより厚い基板を使用すると、いくつかの利点があることがある。これには、以下の一方または両方が含まれることがある。
・より厚い基板は温度の影響を受けにくいので、セルが印刷機上でより良好に処理される。
・セル・パッケージが、より硬くかつより強固になる。
【0062】
上記の仕様に加えて、外層と内層はどちらも、インクが印刷されうる表面を含むことができる。機能性インク(コレクタ層および/または電気化学層など)には内層が使用され、一方望ましい場合、グラフィカル・インクには外層を使用することができる。封止されたシステムを有する平坦なセル構造は、金属化フィルムおよび/または1つもしくは複数の非常に薄い金属箔を水分バリアとして含む積層構造を利用することができる。金属層を使用するそのような構造は、前述の実施形態のいくつかに使用される構造より良好な水分バリア特性を有することができるが、この構造にはいくつかの欠点が存在することもある。これには、以下の1つまたは複数が含まれることがある。
・金属バリア(薄い金属箔または真空金属化層)を有する積層構造は、より高価になりうる。
・金属層を有する積層構造は、内部短絡を引き起こす可能性がある。
・金属バリアを含む積層構造は、応用例の電子機器、たとえばRFIDアンテナの機能と干渉する恐れがある。
【0063】
本明細書に記載の様々な基板は、バリア層(金属または他の材料を含む)の有無にかかわらず、ポリマー・フィルムの多数のバリエーションから構成することができ、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの単層または多層フィルムを利用することができる。ポリエステルは、利用するのに良好な材料である。その理由としては、高温乾燥条件下で改善された強度を提供し、したがってより薄いゲージ・フィルムの使用を可能にし、また通常、マルチステーション印刷機で使用したときに容易に伸びないことが挙げられる。ビニル、セロハン、およびさらには紙もまた、フィルム層として、または積層構造内の1つもしくは複数の層として使用することができる。非常に長い保存寿命が望ましい場合、および/または環境条件が非常に厳しい場合、多層積層を修正して、酸化物被覆の代わりにアルミニウムの真空蒸着によって得られるような金属化層を含むことができる。
【0064】
別法として、フィルム層の構造内に、またさらには異なる位置に、非常に薄いアルミニウム箔を積層させることができる。そのような修正により、既に低い水損失を事実上ゼロまで低減させることができる。他方では、保存寿命および/または動作寿命が比較的短い用途の場合、より高価なバリア層を、より低コストだが依然としてセルが所望の寿命だけ機能することが可能な、効率がより低い層と置き換えることができる。
【0065】
極端に短い寿命だけが必要である用途の場合、セル・パッケージは、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの低コストのポリマー基板からなるフィルム層を代わりに使用することができる。様々な基板をともに結合および/または封止するための感圧接着剤を、積層上の熱封止システムに置き換えることが可能である。たとえば、非結晶質ポリエステル(APETもしくはPETG)、半結晶質ポリエステル(CPET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリオレフィン・ポリマーなどの熱封止被覆などを、ポリエステルなどのポリマー・フィルム上で使用することができる。そのような例示的な材料の1つは、DuPont製のオーブナブル・リディング(OL)フィルムであり、OL、OL2、またはOL13などのOLシリーズと呼ばれる。
【0066】
様々な他の基板をスペーサ・フレームとして利用することもできる。たとえば、第3の基板は、厚さ約0.0005in〜0.030in、また好ましくは約0.005in〜0.015inのPVCまたはPETフィルムなどの様々な材料から構成することができる。第3の基板は、厚さ約0.003in(0.001in〜0.005in)の2つの感圧接着剤(PSA)層間に挟まれ(すなわち、間に介在する)、また剥離ライナを含む。さらに、スペーサは、硬化させた誘電体で、または何らかの他の硬化および/または乾燥方法で印刷することができる。この材料、たとえばAcheson ColloidsのPM030は感圧接着剤とすることもでき、したがって場合によっては、追加の接着剤層を印刷する必要をなくす。
【0067】
アノード1014のアセンブリは、厚さ約0.0015in〜0.005in、また好ましくは約0.002inの亜鉛箔などの様々な材料を含むことができる。アノード1014のアセンブリは、厚さ約0.002in(0.001in〜0.005in)の感圧接着剤(PSA)1019に積層され、また剥離ライナを含む。PSA層1019は、アノード1014と誘電体1018の間に配置されるはずである。
【0068】
したがって、図5〜6に示すように、HD設計の電気化学セル1000は、少なくとも絶縁体1018によって、また場合によってはPSA層1019によってカソード・コレクタ1016から分離される、ほぼ中央のアノード1014を備える。アノード1014のそれぞれの側には、カソード1012A、1012Bが提供され、これらはどちらもカソード・コレクタ1016上に位置する。HD電気化学セル1000は、元の構造と比較するとそのセル抵抗がより低いため、より大きな電流を生成することが可能である。これは、中央のアノード1014と2つの隣接するカソード1012A、1012Bの間の導電長さを低減させること、および/またはカソード・コレクタ1016の抵抗を低減させることによって実現される。理解されるように、様々なタイプのセル幾何形状を利用できるが、概して対称のセル幾何形状は、アノード1014を概して2つの隣接するカソード1012A、1012B間に配置し、それによってこれらの間の距離を低減させるのに有益となりうる。
【0069】
電流が表面全体にわたって流れるための、単位長さ当たりの直流電圧降下と幅当たりの表面電流の比。実際、表面抵抗率は、正方形の2つの対向する側間の抵抗であり、正方形の寸法またはその寸法単位とは無関係である。「シート抵抗」とも呼ばれる表面抵抗率をオーム・パー・スクエアで表す。シート抵抗は、概して均一の厚さを有する薄いフィルムの抵抗を評価する基準である。シート抵抗は、薄いフィルムを2次元の実体と見なす2次元システムに適用することができる。これは、3次元システムで使用される抵抗率に類似している。シート抵抗という用語を使用するとき、電流はシートの平面に垂直ではなく、シートの平面に沿って流れていなければならない。
【0070】
導電長さは、電流がカソード領域とアノード領域間で進まなくてはならない距離である。アノード1014をカソード1012A、1012Bの中間に本質的に配置することによって、従来技術に対して、導電長さが実質上低減され、したがってその結果、セルの内部抵抗がより低くなる。さらに、カソード・コレクタ1016の抵抗が比較的低いので、電流をより大きくすることができる。正方形の数が低減されるので、この抵抗はより低くなる。正コンタクト1008を含むカソード・コレクタ1016のその底部から上部までの抵抗は、カソード・コレクタ1016内の正方形の数を計算することによって決定することができる。正方形の数は、幅が最も狭いところのコレクタ長さをコレクタ領域の最も狭い幅で割ることによって決定される。HD設計を使用する正方形の数は、標準的な構造を使用する同様の寸法のセル内に存在する正方形の数の約2分の1である。たとえば、本出願の正方形の数は、概して3以下とすることができる。別の例では、例示的なカソード・コレクタ1016の形状が正方形、または概して正方形の形状に近づくので、本出願の正方形の数は概して1に等しく、または少なくとも1に近づく。したがって、たとえば、所与の寸法の標準的な構造のセルは通常、約50〜70オームのコレクタ抵抗を示すのに対し、新しい設計を使用する同じ寸法のHDセルは、約20〜40オームの低減されたコレクタ抵抗を示すはずである。
【0071】
HD設計の動作についてさらに説明するために、抵抗のサンプル計算を提供する。元の設計(図1〜4参照)では、カソード・コレクタ131は厚さ約0.001inおよび高さ約1.8inであり、またその最も狭い幅は0.54inであり、したがって正方形の数は1.8/0.54=3.3である。炭素インクが厚さ1ミルで約20オーム/スクエアの抵抗率を有するものとすると、その理論上の抵抗は約66オームである。HD設計では、厚さ約〜0.001inのコレクタ1016は、長さ1.8inであり、またその幅は1.2inであり、したがって正方形の数は1.5(すなわち、1.8/1.2=1.5)に等しい。これらの正方形に1ミルで約〜20オーム/スクエアのインク抵抗率を掛けると、理論上の抵抗は約30オームになる。したがって、理解できるように、コレクタ1016の幅を増大させて実質上長さに等しくすることによって、理論上の抵抗をさらに低減させることができる。たとえば、コレクタ1016の幅を1.2inから約1.8inまで増大させると、正方形の数は概して1(すなわち、1.8/1.8=1)に等しくなる。この正方形に1ミルで約〜20オーム/スクエアのインク抵抗率を掛けると、理論上の抵抗は約20オームになるはずである。
【0072】
カソード・コレクタ1016が概して非直線の幾何形状を有するような別の例では、幅が最も狭いところのコレクタ長さをコレクタ領域の最も狭い幅で割ることによって、理論上の抵抗を同様に決定することができる。しかし、概して非直線の幾何形状が使用される場合、長さおよび幅は、それぞれ実効的な長さおよび実効的な幅によって決定することができる。たとえば、実効的な長さまたは幅を平均長さもしくは幅とすることができ、または概して直線の幾何形状の長さおよび幅の寸法に近似できる他の数学的に調整された長さおよび幅とすることができる。したがって、非直線コレクタの理論上の抵抗は、正方形の数が一例では概して3以下になるように、または別の例では概して1になるように、もしくは1に近づくように、実効的な長さおよび実効的な幅を調整することによって低減させることができる。
【0073】
次に図8〜11では、HD設計を使用する薄型電気化学セルの性能上の利点をさらに実証する4つのグラフが提供される。図8〜10の3つのグラフは、室温での平均連続放電曲線を示す。従来技術の電気化学セル(すなわち、「control」)の室温での平均連続放電曲線を、HD設計の薄型電気化学セル(すなわち、「HD設計」)と比較して示す。なお、図8〜10のグラフは、試験当たり3つのセル平均に基づく。各グラフは、様々な例示的な負荷(すなわち、475オーム、880オーム、および2200オーム)に対する平均連続放電を示す。グラフによって実証されるように、HD設計は、放電曲線の早い部分全体にわたって比較的高い初期閉回路電圧(CCV)を提供し、より高い電圧カットオフに対してより多くの放電時間を可能にする。これは、標準的な共平面セルが、カソード領域がより大きいためHDセルより約15%〜20%多い容量を有することができるにもかかわらず発生する(すなわち、図8〜9参照)。この利点は、放電電流がより大きくなるにつれて、HD構造にとってより大きくなる。図11の第4のグラフは、試験当たり5つのセルの平均CCV(2秒間の長さのパルス上のボルト単位)を、平均パルス電流(ミリアンペア単位)と比較して示す。どちらも、HD設計の電気化学セルでは電流がより大きくなるにつれてパルス電圧の改善がより大きくなることを実証し、裏付ける。これらのグラフはHD設計の例示的な性能のみを示すこと、そしてHD設計セルは様々な他の性能特性、値などを有することができることを理解されたい。
【0074】
HD共平面設計の性能特性は、大電流用途の標準的な共平面構造のものより良好な可能性がある。さらに、HD設計は、共面構造の性能レベルに近づく性能を提供することができ、一方、その製造性は標準的な共平面構造の製造性に類似したものとすることができる。さらに、HD設計は、既存の方法および機器を使用して作製することができる。
【0075】
セル/電池の製造プロセスをより効率的なものとし、および/またはさらなる規模の経済性を実現するには、高速で低コストの生産を提供するために、オープンリール式(reel−to−reel)の印刷プロセスで概して連続するウェブを使用してセル/電池を製造することができる。例示的な製造手順を図12のフローチャートに示し、以下の段落で説明する。この例示的な手順では、セル/電池は、ロールトゥーロール(roll−to−roll)機構を動作する高速印刷機に適合している多数のステーションの中を進む。本明細書ではさらに説明しないが、この処理および組立てを、電子構成要素(たとえば、電池またはセルによって電力供給されるもの)の製造に統合することができる。
【0076】
利用可能な印刷機によれば、たとえば所与の印刷機上の1回の通過で、または複数の通過で、セルを作製することができる。様々な図面は、一例として、ウェブ上に2列の個々のセルを示すが、列の数は、ユニット・セルの寸法および印刷機が処理できる最大ウェブ幅にのみ制限される。多数のステップが存在することがあり、それによって長くかつ複雑な印刷機を利用できる可能性が高いので、これらのステップの一部ならびに材料の一部を修正することができ、および/または1つもしくは複数の印刷機の複数の通過を使用することができる。いくつかの修正されたプロセスの概要を、最初の議論が完了した後に示す。さらに、印刷ステップのいくつかまたはすべては、フラット・ベッド・スクリーンまたさらには回転スクリーン・ステーションなどのスクリーン印刷によって実行することができる。さらに、11個以上のステーションを有する1つの印刷機を見出し、および/または動作するのは困難なことがあり、したがってプロセスについての以下の議論は、1つもしくは複数の印刷機、またさらには1つの印刷機の複数の通過に関して生じうることが当業者には理解されるであろう。
【0077】
但し、図12に示すようにセル/電池を処理する前に、様々な任意選択の動作を行っても行わなくてもよい。たとえば、任意選択の動作は、ウェブの熱安定化とグラフィック印刷(ロゴ、コンタクト極性、印刷コード、およびウェブの外側表面上の位置合わせマークの追加を含むことができる)の一方または両方を含むことができる。これらの任意選択の印刷動作がウェブ上で行われる場合、ウェブをひっくり返して、機能性インクを内側表面(すなわち、熱封止層)に印刷することができる。
【0078】
多くの方法、材料、および動作シーケンスを使用できること、そして類似しているか、それとも異なるかにかかわらず、ある程度の数のステーションも利用できることが当業者には理解されるであろう。さらに、以下のプロセス800を様々な他の統合された電子デバイスの製造にも利用できることを理解されたい。また、明瞭性のために、2列の電池についてのみ説明および図示するが、そのような説明は同様に他の列にも当てはまることを理解されたい。さらに、以下の要素のいくつかまたはすべては、本明細書全体にわたって記載の様々な材料、化学組成などのいずれかを含むことができることを理解されたい。さらに、図12のプロセス800に示す様々なステップは単に例示的なステップであり、これらのステップは、本明細書に記載の様々な他のステップ、代替ステップなどを含むことができることを理解されたい。これらのステップのいずれかまたはすべては、図12に示すこれらの例示的なステップとは異なることがある。
【0079】
図12に示すように、統合プロセス800は、熱安定させた第1の基板1002から始めることができ、その上に、図13〜15に示す以下の例示的なプロセスに従って、セル/電池を構築することができる。第1の基板1002は、裸のままとすることができ、または複数の完成したもしくは部分的に完成した電気構成要素をその上に有することができる。以下のステップについて、第1の基板1002が遭遇する様々な「ステーション」を参照して論じるが、これらの「ステーション」は、個別のステーションおよび/またはステップを必要としてもしなくてもよいこと、そして1つもしくは複数の機械によって、および/またさらには手動で、「ステーション」および/またはステップのいずれかまたはすべてを実行できることを理解されたい。さらに、様々な「ステーション」および/またはステップのいずれかまたはすべてを組み合わせること、および/またさらには同時に実行することもできる。
【0080】
図13に移ると、プロセス800は、第1の基板(熱封止表面)1002の第1の側に導電性の高い炭素インクでカソード・コレクタ1016を印刷する第1の印刷ステーション3001での第1のステップ802を含む。図示のように、アノードが最終的にはコンタクト端部で通過する領域は印刷されない。
【0081】
カソード・コレクタ1016は、ミシガン州ポートヒューロンのAcheson Colloids製のような導電性の高い炭素インク(たとえば、PM024)などの様々な材料を含むことができる。カソード・コレクタ1016は、スクリーン印刷などの民生用の手段によって、たとえば約1ミル(それぞれ約0.8〜1.2ミル)の乾燥蒸着を可能にするように約61メッシュ(いくつかの実施形態では約20〜100メッシュ)の非常に粗いスクリーンを使用して、下部積層1002上に印刷することができる。したがって、本明細書で前に論じたように、寸法約2in×2inのセルは約20〜40オームの抵抗を有するはずである。
【0082】
次に、第2のステーション3002でのステップ804では、カソード・コレクタ1016の一部分上に銀の電池コンタクト1008を印刷することができる。たとえば、コンタクト1008の位置は、後のステップで最終的に提供されたときスペーサ1020の外側になるように、負コンタクト1010(図5参照)の片側または両側の延長領域1006内に位置決めすることができる。高ドレインの応用例では、銀製の電池正コンタクト1008を利用して、完成したHDセル1000と電力供給すべき電子デバイスとを電気的に結合することができる。さらに、カソード・コレクタ1016上に様々な他のコンタクト(図示せず)を備え、様々な他の電気的接続点を提供することもできる。この例示的な構造で使用される材料は、ミシガン州ポートヒューロンのAcheson Colloids製の、スクリーン印刷できる銀で充填された導電性インク(SS479)である。許容できる実施形態では、他の材料とともに、金、スズ、銅、ニッケル、および/または2つ以上の導電性材料の混合物などの他の使用可能な導電性コンタクト材料を使用することもできる。これらの導電性インクのいずれかを、たとえば回転スクリーン、フレキソ印刷、およびグラビア印刷などの印刷方法を用いて、ならびにたとえばインク・ジェット印刷技法で塗布することができる。さらに、インク・カソード・コレクタを印刷する代わりに、黒鉛および/または導電性樹脂、電気化学親和性金属、および黒鉛の1つもしくは複数を含む混合物からなる製造された箔を挿入および使用することができる。非常に低い電流だけが使用される応用例では、導電性の高い正コンタクトを利用しないことがあり、および/または多少大きな電流が望ましい場合には、導電性の高いコンタクトとして炭素回路コンタクトを代わりに使用することができる。
【0083】
次に、第3のステーション3003のステップ806では、アノード層1014が最終的にはその上を覆うカソード・コレクタ1016上で、第1の基板1002の第1の側に誘電体材料1018のストリップが印刷される。カソード・コレクタ1016からのアノード1014の完全な絶縁を容易にするために、誘電体材料1018は、両端でコレクタ1016を越えて延びるべきである。印刷されるものとして説明したが、誘電体層1018はまた、適切な材料を有する積層連続ストリップとすることもできる。絶縁層1018は、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどの様々な誘電体または電気的に中性の材料、および/または感熱封止剤、UV硬化封止剤などの様々な接着剤、および/または両面PSAテープを含むことができる。
【0084】
次に、図13に示す第4のステーション3004でのステップ808で、亜鉛箔/PSA積層1014の連続ストリップが誘電体層1018上に積層される。厚さ約0.002inの亜鉛箔および厚さ約0.002inのPSAフィルムから構成されるアセンブリなどの様々な材料を使用することができる。アノード積層1014を誘電体層1018に積層する直前に、剥離ライナを除去することができる。したがって、前記誘電体層1018によって、ならびにPSA層によって、アノード層1014を前記カソード・コレクタ層1016から絶縁することができる。さらに、PSA層が使用されないこともあることを理解されたい。別法として、亜鉛アノードを誘電体上に印刷することもできる。
【0085】
図5に示す電池の例示的な実施形態では、積層とすることができる(またたとえば、可能な寸法が約1.75in×0.20in×0.002inの)事前に切断したアノード・ストリップ箔が、下部基板上に、カソード・コレクタ/カソードのアセンブリに隣接して、このアセンブリから約0.050in(約0.010in〜0.100in)の間隙で挿入される。挿入前に、この厚さ2ミルの電池グレードの亜鉛箔を、オハイオ州ストウのMorgan Adhesive Co.製の#2180、IB1190、またはIB2130などの剥離ライナを有する乾燥フィルム接着剤に積層することができる。この積層が完成した後、たとえば広い亜鉛ロール(たとえば、幅約3〜12in)上でこの積層構造を細長く切り、約1平方インチのカソード・セルに対して幅約0.200in(約0.170in〜0.230in)の狭いロールにすることができる。他の寸法のカソードを有するセルは、アノード積層に対して異なるスリット幅を利用することができる。別の構造では、たとえば、亜鉛箔ストリップを塗布する前に、印刷された接着剤を誘電体上に積層することができる。さらに、他の例では、印刷プロセスによってアノードを提供することができる。たとえば、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(約0.0003〜0.005in)のアノードを印刷することができるが、様々な他の幅および厚さも企図される。さらに、印刷されたアノードの導電性をさらに高めるために、アノードの下に、導電性パターンなどのアノード・コレクタ(図示せず)を印刷することができる。
【0086】
次に、第5のステーション3005でのステップ810では、フレーム封止剤を、「ピクチャ・フレーム1090」の形状でセルの周囲に印刷することができる。フレーム封止剤は、Acheson ColloidsのPM040などの接着剤とすることができる。フレーム封止剤は、亜鉛アノード1014の上に、封止領域内のカソード・コレクタ1016に隣接して、またさらにはカソード・コレクタ1016を覆って提供することができる。フレーム封止剤は通常、電池セルの内部体積を画定する内側空間の境界を示すことができる。
【0087】
次に、第6のステーション3006でのステップ812では、カソード・コレクタ1016の一部を覆って、複数のカソード層1012A、1012Bをスクリーン印刷することができる。例示的な実施形態では、カソード層1012A、1012Bは、事前に印刷して乾燥させたカソード・コレクタ層1016の一部分上に水性インクで印刷することができる。水性インクは、たとえば、電池グレード二酸化マンガン約43.4%(約20%〜60%)、KS−6黒鉛約14.4%(約2%〜25%)、約6.5%(約0.5%〜15%)のポリビニルピロリドン(PVP)水溶液約29.5%(約20%〜60%)、および脱イオンまたは蒸留水約9.65%(約0.1%〜20%)からなる湿潤組成を有する。そのようなインクは、約0.10グラム/平方インチ(約0.03〜0.25g/平方インチ)の公称乾燥規定重量を可能にするように、約46メッシュ(約10〜65メッシュ)のファイバガラス・スクリーンで印刷することができる。乾燥印刷の量は通常、所望のセル容量によって、たとえばより大きな容量が望ましい場合はより多くの材料を使用することによって決まるはずである。より細かいメッシュ・スクリーンを複数回使用する代わりに、非常に粗いメッシュ・スクリーンを利用するこの従来とは異なる印刷方法を使用することによって、印刷ステーションの数を低減させることができ、またセル性能を増大させることができる。
【0088】
この例示的な構造で使用されるカソード層(1012A、1012B)材料は、たとえば、高純度電池グレードの電解二酸化マンガンを含む。本実施形態用の材料の粒径のレンジは、たとえば約1〜100ミクロンであり、平均粒径は約40ミクロンである。コレクタへの塗布を容易にするために材料がさらに微細であることが望ましい場合、材料を粉砕して約1〜20ミクロンの粒径のレンジを実現することができ、望ましい場合、平均約4ミクロンとすることができる。対象の構造内で亜鉛アノードと一緒に使用できる他の使用可能な電気活性カソード材料は、たとえば、酸化銀Ag2Oおよび/またはAgO、酸化水銀HgO、酸化ニッケルNiOOH、酸素O2(たとえば、空気セルの形と同様)、ならびに酸化バナジウムVO2である。異なるアノード材料とともに使用できるカソード材料は、たとえば、「CdとNiOOH」、「AB2およびAB3タイプの金属水素化物とNiOOH」、ならびに「FeおよびFES2とNiOOH」の1つまたは複数を含む。
【0089】
例示的な実施形態のカソード層で使用される結合剤は、約950,000グラム/モルを超える分子重量の大きな結合剤の種類を含む。使用できる1つのそのようなポリマーは、約K85〜95または約K120(分子重量がより大きい)のポリビニルピロリドンである。使用できる他の種類の材料は、以下の1つまたは複数を含む;ポリビニルアルコール、米、ジャガイモ、トウモロコシ、および豆類を含む澱粉および加工澱粉の種類、エチルおよびヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリアミド、ならびにこれらの材料の混合物。望ましい場合、テフロン溶液もしくは混合プロセス中にフィブリル化したテフロンを使用することから、またさらにはDow QP100MHなどのヒドロキシエチルセルロース(HEC)溶液から、追加のまたは代替の結合を導出することもできる。
【0090】
次に、第7のステーション3007でのステップ814で、基板1002よりわずかに狭くすることができる第3の基板ウェブ1020が、第1の基板1002を覆って位置合わせして積層され、電池セル用の内側空間空胴、ならびにセル・コンタクト用の開口を形成するためのフレームを提供する。第3の基板1020は、電極の周囲に配置された「ピクチャ・フレーム」を形成し、「ピクチャ・フレーム」は通常、HD電気化学セル1000の周辺部および事前に塗布された接着フレーム1090に沿って提供されたスペーサとすることができる。第3の基板ウェブ1020は、第1の基板1020を覆って積層することができ、ピクチャ・フレーム切取り1021はセルの活性成分の周囲で行われ、また切取り1032はセル・コンタクトに対して行われる。剥離ライナ(図示せず)を除去した後、第1の基板1020の第1の側に、第3の基板ウェブ1020の接着剤層1024を塗布することができる。さらに、ウェブとして示すが、第3の基板1020はまた、個別のシートなどの個別の要素として提供することもできる。
【0091】
追加で、または別法として、フレーム封止剤をPSA層などの接着剤層とすることができる。第3の基板ウェブ1020を、前述のフレーム封止剤とともに、または独立して使用できることを理解されたい。したがって、接着フレーム1090および/または第3の基板ウェブ1020の一方または両方を使用して、電極の周りに別個のまたさらには同じ「ピクチャ・フレーム」を形成できることを理解されたい。実際には、接着フレーム1090および/または第3の基板ウェブ1020の一方または両方は、中間スペーサ層を形成することができる。通常、第3の基板ウェブ1020は、概してフレーム封止剤より比較的厚いので、スペーサとして利用することができる。
【0092】
次に、第8のステーション3008でのステップ816で、アノードおよびカソードの上に「紙セパレータ」1028または別のタイプの吸込み材料を挿入することができる。別法として、ピクチャ・フレームの内側にあるアノードおよびカソードを覆って、「澱粉インク」または電解質を流し込み、または印刷することもできる。図14では、第7のステーション3007および第8のステーション3008を同じステーションで示すが、ステップ814および816を同時に、または様々な順序で順次実行できることを理解されたい。
【0093】
次に、第9のステーション3009でのステップ818で、紙セパレータが使用されるとき、カソード1012A、1012Bおよび亜鉛アノード1014を覆って配置された紙セパレータ1028の上に、水性ZnCl2電解質1026などの電解質が追加される。
【0094】
ステップ818において紙セパレータが使用されないとき、代替の第9のステーション(図示せず)は代替の電解質構成を提供することができる。たとえば、電解質は、各ユニット・セルの内側領域上に追加される粘性液(流動性ゲルなど)の形で提供することができる。その流動性のため、電解質は通常均一に広がって、アノードおよびカソードを覆う。上記で参照した出願の液状電解質および紙セパレータの代わりに、印刷された電解質(たとえば、インクまたは流動性ゲルを使用)を使用することができる。
【0095】
次に図15を参照すると、第10のステーション3010でのステップ820で、ピクチャ・フレーム(すなわち、第3の基板1020)の上に「上部カバー」として第2の基板1004が追加される。このステーションでは、セルの構造をより明瞭にするために、3つのウェブがすべて同時に見られるように、スペーサ1020および上部カバー1004を部分切欠図で示す。上部カバー1004を塗布する前に、セル・コンタクトに対する開口1041がダイ・カットされ、したがって、この層を積層すると、基板1002上の印刷されたセル/電池に位置合わせされ、またスペーサ1020によって、セル・コンタクトを見て回路接続できるようになる。この第2の基板1004は、各セルを封止する。第2の基板1004の封止は、スペーサ・ウェブ1020上の感圧接着剤層(すなわち、層1022)、および/または本願で前述した両面接着構成などの第2の基板1004の底部側の熱封止層によって提供することができる。セルは、圧力および/または熱が加えられた後、セルの周囲で完全に封止される。この封止は、電池封止を形成する。
【0096】
次に、第11のステーション3011でのステップ822でまた、1つの電池の後縁部の線500および電池コンタクト1008、1010の上縁部の線501に沿って横方向に、ウェブ1002、1020、および1004からなる完成した積層アセンブリに穿孔することができる。回転ダイなどの様々な方法を使用して、一方または両方の穿孔を実行することができる。
【0097】
次に、第12のステーション3012でのステップ824で、各セルの2つの外側縁部で、3つのウェブ・アセンブリ(1002、1020、および1004)に切込み502を入れ、こうして完成したHD電池1000のロール400を形成する。ロール400の数は、ウェブ幅および各デバイスの幅などの様々な要因に応じて変動させることができることを理解されたい。ステップ3011で行われる穿孔のため、それぞれの回路に取り付けたとき、ロールに対して正しい寸法のセルを容易に取り出すことができる。
【0098】
次に、最終のステップ826で(第12のステーションとなりうるが図示せず)、保管、輸送などのため、完成したHD電池1000をロール400上に巻き取ることができる。さらに、HD電池1000を様々な他の方法で保管することができる。HDセル1000のエンド・ユーザに利用可能な別の選択肢(図示せず)は、ステーション3010からの完成したセルのロールからセルをダイ・カットし、よく使用されるマガジン形式などのアセンブリ向けに包装することである。
【0099】
次に図16を参照すると、概して連続するウェブ5004を利用して、図12〜15に示す様々なステップの例示的な製造プロセス5000の概略図を示す。本明細書で論じたように、基板1002、1004、1020のいずれかまたはすべてを、「オープンリール」式の製造プロセスで処理できる概して連続するウェブとして提供することができる。たとえば、第1の基板1002は、ソース・ステーション5002から概して連続するウェブ5004として提供することができる。ソース・ステーション5002は、ソース・ロール(source roll)などとすることができる。次いで、たとえば、前記カソード層を提供するステップ、前記アノード層を提供するステップなどの様々な処理ステップのいくつかまたはすべてを、概して連続するウェブ5004に印刷ステーション5008を通過させることによって実行することができる。単一の印刷ステーション5008だけを示すが、複数の印刷ステーションを利用できることを理解されたい。追加で、または別法として、図示しないが、プロセス5000は、ウェブ5004に印刷ステーション5008を複数回通過させるように適合することができる。最後に、概して連続するウェブ5004上の完成したHD電池1000を、巻取りステーション5010で収集することができる。巻取りステーション5010は、本願で前述したロール400などの収集ロールを含むことができる。
【0100】
製造プロセス5000は、様々な他の段、ステップなどを含むことができる。たとえば、印刷ステーション5008の前に、ウェブ5004は、様々な電子構成要素を備えた補助ステーション5006を通過することができる。さらに、様々な層、基板などのいずれかまたはすべてを、プロセスに沿って予備ロールによって提供することができる。たとえば、第3の基板1020(すなわち、スペーサ層)は、第1の予備ロール5012によって、予備ウェブ5014を介して提供することができる。別の例では、第3の基板1020も同様に、第2の予備ロール5016によって、別の予備ウェブ5018を介して提供することができる。印刷ステーション5008の先頭付近に図示したが、予備ウェブ5014、5018のいずれかまたは両者を、製造プロセス5000に沿って様々な位置に提供できることを理解されたい。追加で、または別法として、剥離層などの廃棄物を廃棄物ウェブ5020として除去し、廃棄物ロール5022によって巻き取ることができる。様々な他の前処理および/または後処理ステーション、ステップなどを含むこともできる。記載したプロセス5000の様々なステーション、ロールなどは様々な順序で利用でき、また追加の機器(たとえば、アイドラ・ローラ、張力ローラ、ターンバー、切込み、または穿孔器など)をさらに提供して「オープンリール」式のプロセスを容易にできることを理解されたい。
【0101】
様々な他の追加のステップ(図示せず)を利用して、完成したHD電池セル1000に追加の構造、特徴などを提供することができる。一例では、第2の基板1004の「上部カバー」などのデバイス1000の外側部分に、HD電池セル1000を別の物体、表面などに取り付ける方法を提供することができる。たとえば、第2の基板1004は、感圧接着剤、別の接着層、マジックテープ式の留め具、液状または熱溶融接着剤などを含むことができる。別の例では、第2の基板1004の「上部カバー」などのHD電池セル1000の外側部分に、印刷された印またさらにはラベルなどを提供することができる。
【0102】
印刷された可撓性薄型電池には多くの潜在的な用途があり、例として、以下の一般的な範疇の1つまたは複数を含むことができる。
1.RFIDアセンブリ
2.広告および販売促進
3.玩具、ノベルティ商品、書籍、グリーティング・カード、およびゲーム
4.在庫追跡および制御(スマートRFIDタグなど)
5.セキュリティ・タグ
6.温度、湿度などの状態表示器
7.薬物送達、創傷治癒、疼痛管理、および/または化粧品を目的としてイオン導入または他の電気的機能を適用する皮膚パッチ、ならびに
8.スマートオムツ、失禁用製品などの健康管理用品
【0103】
具体的な実施例および実施形態を使用して、本発明を上述したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替形態を使用でき、また本明細書に記載の要素および/またはステップを均等物に置き換えることができることは、当業者に理解されるはずである。本発明を特定の状況に、または特定の要求に適合させるために、本発明の範囲から逸脱しない範囲で修正を行ってもよい。本発明は、本明細書に記載の具体的な実装形態および実施形態に限定されるものではなく、文言上または均等上(均等物の開示の有無を問わず)の観点からすべての実施形態をカバーするように特許請求の範囲には最も広い解釈が与えられるものとする。
【符号の説明】
【0104】
1000・・・セル、HDセル、電気化学セル、電池、HD電池
1002・・・第1の基板、下部積層フィルム基板、下部基板
1004・・・第2の基板、上部積層フィルム基板
1012A、1012B・・・カソード層、カソード
1014・・・アノード層、アノード
1016・・・カソード・コレクタ、カソード・コレクタ層
1018・・・誘電体層、絶縁誘電体層、絶縁層、絶縁体
1019・・・感圧接着剤、PSA層
1020・・・ピクチャ・フレーム、フレーム、第3の基板、スペーサ層
2000・・・セル、HDセル
2010・・・アノード
2012A、2012B・・・カソード
2018・・・誘電体
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年12月19日出願の米国仮特許出願第61/014,826号の利益を主張する。同出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本出願は、一般に電気化学セルまたは電池に関する。より詳細には、ピクチャ・フレームのフィーチャを利用する平坦な薄型電気化学セル、および印刷方法を含むその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、積層された2つのフィルム層間に2つ以上の電極、セパレータ、電解質、およびセル・フレームを含む印刷可能な薄型セル、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この100年またはそれぐらいの間、科学者らは、様々な用途のために、炭素/亜鉛の携帯型電源を作製してきた。携帯型電源の初期には、これらの電源は、現在の標準と比較すると非常に大きかった。たとえば、広く普及したEveready製の「イグナイタ・セル(Ignitor Cell)」は、直径が約3in、高さが約9inであり、無線、ブザー、クリスマスの照明など多くの用途に使用された。いくつかの適用分野では、これらの大型のセル、ならびにEveready社の著名な#6(およそ直径2in×高さ6in)および当時の最小ユニット・セル#950(Dサイズ)などのいくつかのより小さなバージョンは、通常、いくつかの用途では電圧が40ボルトを超える電池パックとして作製された。これらはサイズが同様であり、現在の自動車用電池よりさらに大きく、照明装置、無線、および自動車点火システムに使用された。1900年代中ごろには、トランジスタなどの先進電子機器の出現により、携帯型電源に対する電気的要件は大幅に低減された。その結果として、セルのサイズも縮小され、C、AAおよびAAAおよび小さいボタン・セルさえ含まれた。この電力低減は21世紀に入っても続いており、スマート・ラベル、スマート・クレジット・カード、センサや、データ・ロガー、ノベルティ・デバイス(グリーティング・カード、バッジ等)などの用途では、現在、必要とする最大電流は数ミリアンペアであり、多くの用途では、約1.5〜3.0ボルトでわずか数マイクロアンペアしか必要としない。これらの用途では、低プロファイルおよび携帯性を維持するために、電源が平坦でかつ非常に薄いことも要求される。
【0004】
この25年間、多数の科学者らおよび企業によって、薄くて平坦なセルおよび電池を作製する様々な手法が試みられた。これらには、Polaroidによって開発され、広く知られているインスタント・フィルム用電池パックが含まれる。この電池パックは、Polaroidのインスタント・フィルムの各パッケージ内で使用された。これにより、Polaroidでは、ユーザが新しいフィルムパックをカメラ内に装着するごとに、カメラに未使用電池を装填させることができた。複数の層および金属箔積層パッケージを有するこの高価な電池は、高電圧、大電流の電池であり、たとえばフラッシュ・バルブに点火してモータに電力供給することができる。この電池は、必要とされている薄型かつ低コストの新たな電池の現実的な競合品ではない。Polaroidに加えて、他社も、様々な電気化学システム内の薄型電池の開発に挑戦してきた。
【0005】
2005年4月20日出願の同時係属の米国特許出願第11/110,202号および2006年3月17日出願の同第11/378,520号は、平坦なセルおよび電池の新しい設計および製造方法について論じている。同出願を、参照により本明細書に組み込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低コストで低容量の平坦な薄型セルが市場でますます必要とされている。このため、用途が広くかつ大量生産するのに安価である平坦で印刷可能な薄型可撓性セルを作製すると有益であろう。低電力でかつ生産量の高い用途によく適した印刷可能な使い捨ての薄型セルは、十分な電圧、十分な容量、および低コストの解決策を提供する場合は特に有用であろう。従来の低プロファイル電池では通常、これらの特性は、もしある場合でも非常に少ない。
【0007】
さらに、近年、能動RFIDタグ、RFIDタグ付きセンサ、イオントフォレーシスまたは他の電気的機能を発揮する皮膚パッチなどの様々な電子デバイスがますます必要とされている。これらの様々な電子デバイスは、様々な電気装荷特性(electrical loading characteristics)を有することができる。したがって、比較的高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源を提供できると有益である。一例では、平坦な薄型電源を別個に製造し、後に様々な電子デバイスに電気的に結合させることができる。他の例では、平坦な薄型電源の製造を電気的構成要素の所望の回路の製造に統合して、これらの構成要素に電力供給することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明のいくつかの態様について基本的に理解してもらうために、本発明の簡略化した概要を提示する。この概要は、本発明についての広範囲にわたる概説ではない。この概要は、本発明の主要なもしくは重大な要素を特定するものでも、本発明の範囲を線引きするものでもない。この概要の唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明への前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0009】
本発明の一態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法が提供される。この方法は、第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップを含む。この方法は、前記第1の基板の前記第1の側に複数のカソード層を提供するステップと、前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、前記誘電体層上にアノード層を提供するステップとをさらに含む。前記アノード層の少なくとも一部分は、複数のカソード層のうちの隣接する2つのカソード層間に位置する。この方法は、前記カソード層に接触し、また前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、前記第1の基板の前記第1の側に中間スペーサ層としてフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記カソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップとをさらに含む。この方法は、中間スペーサ層を介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記カソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップをさらに含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法が提供される。この方法は、第1の基板および第2の基板を提供するステップを含み、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方は、複数の層を有するウェブを含み、前記第1の基板は第1の側を含む。この方法は、前記第1の基板の前記第1の側にカソード・コレクタ層を印刷するステップと、前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、前記カソード・コレクタ層上に複数のカソード層を印刷するステップと、前記誘電体層上にアノード層を積層するステップとをさらに含む。この方法は、前記複数のカソード層に接触し、また前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、前記第1の基板の前記第1の側にフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップとをさらに含む。この方法は、スペーサとして利用される第3のウェブを介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記複数のカソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップをさらに含む。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池が提供される。この電池は、複数の積層を含み、かつ第1の側および第2の側を画定する第1の基板と、第2の基板と含む。このデバイスは、前記第1の基板の前記第1の側に設けられるカソード・コレクタ層と、前記カソード・コレクタ層上に設けられる複数のカソード層と、前記カソード・コレクタ層上で、複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる誘電体層と、前記誘電体層上に設けられるアノード層とをさらに含み、前記アノード層が、前記誘電体層によって前記カソード・コレクタ層から絶縁される。このデバイスは、前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層と、前記第1の基板および前記第2の基板間に介在して前記第1の基板を前記第2の基板に接続して封止し、前記電解質を収容する内側空間を形成するフレームとをさらに含む。このフレームはまた、前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分を収容し、前記アノード層および前記複数のカソード層のうちの少なくとも一方は、硬化または乾燥させたインクを含む。
【0012】
本発明の前述および他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下の説明を読めば、本発明が関連する当該技術分野における当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のユニット・セル600の平面図である。
【図2】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線2−2に沿って電極領域を切り取った図である。
【図3】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線3−3に沿って第1の電極の長さ全体を切り取った図である。
【図4】従来技術のユニット・セル600の断面図であり、図1の線4−4に沿って第2の電極の長さ全体を切り取った図である。
【図5】例示的な薄型大電流電気化学セルの上面部分詳細図である。
【図6】図5の線6−6に沿って切り取った電気化学セルの断面図である。
【図7】別の例示的な薄型大電流電気化学セルの上面部分詳細図である。
【図8】例示的な薄型大電流電気化学セルに対するセル電圧と放電時間を関係づける例示的な連続放電曲線を、従来技術のセルと比較して示す図である。
【図9】図8に類似しているが、セルが異なる負荷で放電される図である。
【図10】図8に類似しているが、セルが他の異なる負荷で放電される図である。
【図11】2秒間のパルスに対する閉回路電圧(CCV)を、ミリアンペア単位の複数の電流とともに示す図である。
【図12】例示的な薄型大電流電気化学セルの1製造方法を示す1つの例示的なフローチャートである。
【図13】図12の方法における複数の例示的なステップを示す図である。
【図14】図12の方法における別の複数の例示的なステップを示す図である。
【図15】図12の方法におけるさらに別の複数の例示的なステップを示す図である。
【図16】概して連続するウェブを利用する例示的な製造プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に、本出願は、共平面構造(co-planar structure)の薄型大電流電気化学セルおよび前記電気化学セルを製造する方法に関する。一例では、電気化学セル(すなわち、電池)は通常、連続する可撓性基板ウェブ上に印刷および/または積層されており、ロールなどの形に形成することができる。このロールから個々の電池を、一度に例えば1つずつ取り外すことができる。たとえば、ロールから電池を切断することができ、および/または容易に引き裂けるように、可撓性基板ロールに穿孔することができる。さらに、電池は、たとえばアンテナおよび/または処理装置などの1つまたは複数の電気的構成要素をさらに含むことができる。本出願の複数の側面は、前述の総合パッケージで使用することができ、および/または個々に、もしくは任意の組合せで使用することができる。
【0015】
他に明示的に示されていない限り、本明細書では、すべてのパーセントは重量パーセントである。本明細書において、たとえば「5〜25」(または「約5〜25」)などと範囲が与えられた場合、これは、少なくとも1つの実施形態に対して少なくとも約5、および別個にかつ独立して約25以下を意味する。別段の指示がない限り、範囲は厳密に解釈されるべきではなく、許容できる例として与えられる。また本明細書では、記載された値または好ましい値に続いて挿入的に示された範囲は、本出願の追加の実施形態によるその値に対するより広い範囲を示す。
【0016】
本出願は、印刷された薄型電気化学セルおよび/または複数のそのようなセルを含む電池に関する。そのようなセルはそれぞれ通常、少なくとも、第1の電気化学層を含む第1の電極(たとえば、カソード)と、第2の電気化学層を含む第2の電極(たとえば、アノード)と、電極と相互に作用して電流を生成する電解質とを含む。第1および第2の電極ならびに電解質はすべて通常、何らかの構造内に収容され、この構造は、何らかのデバイスに電流を供給するために、電極への外部からの電気的アクセスを備える。
【0017】
そのようなセルを大量生産する1つの方法は、たとえば積層ポリマー・フィルム層などの特殊な基板上に水性および/または非水性の溶剤インクおよび/または他の被覆剤をあるパターンで堆積させるステップを含む。特に要求される量が非常に多い場合は、堆積はたとえば、1つまたは複数の高速ウェブ回転スクリーン印刷機上で、電気化学インクを印刷すること、および/またはたとえば亜鉛箔などの金属箔を積層することによって行うことができる。量が比較的少ない場合、たとえばわずか約数百万またはそれより少ないだけの量である場合には、フラット・ベッド・スクリーンを用いたウェブ印刷などの比較的遅い方法が適切であろう。数百または数千など、量がさらに少ない場合、たとえば、シート・フィード式のフラット・ベッド印刷機を利用することができる。さらに、様々な所望の量に対して様々な印刷方法を用いることができる。
【0018】
インクが印刷された後、および/または固体物が正しく配置された後、セルを完成させることができる(たとえば、封止、ダイ・カット、積重ねおよび/または穿孔、ならびにロール状に巻取り、または印刷機上でシートが使用される場合は積重ね)。このセル製造プロセスを利用して、1つもしくは複数の個々のセルを実際のエレクトロニクスの用途に統合し、または直列もしくは並列に接続された複数のセルを含む電池に統合し、またはこれら2つの何らかの組合せを行うこともできる。そのようなデバイスの例および対応するプロセスについては後述するが、多くの追加の実施形態も企図される。
【0019】
上述したように、電池は、印刷された可撓性の薄型電気化学セルとして説明することができる。そのようなセルは、たとえば、特別な特徴を有した特殊なポリマー積層を利用できる下部フィルム基板を含むことができる。この下部フィルム基板は、場合によっては、たとえば高湿度バリア層をその中心に含み、このバリア層が、両側のポリマー・フィルムによって取り囲まれる。さらに、一方または両方の外側表面は、望みに応じて、情報、ロゴ、命令、識別、通し番号、図形、または他の情報もしくは画像を印刷するために印刷受容性を有することができる。
【0020】
この電池のどの構造が使用されるかに応じて、基板の内層は熱封止層を特徴として有することができ、この熱封止層は、バリア被覆剤の反対側で共押出することができる。
【0021】
さらに、少なくともいくつかの実施形態におけるセルの下部基板層の内側表面の一部分は、フィルム基板の一部分に印刷もしくは被覆され、または他の方法で塗布された、たとえば炭素などのカソード電流コレクタを利用することができる。望ましい場合、アプリケーション接続に対する導電性を改善するために、このコレクタの外側コンタクト領域にもまた、たとえば銀、ニッケル、またはスズなどの比較的導電性が高いインク層を印刷することができる。しかし、比較的電流要件が低い電池用途の場合、一方または両方の電極に対して、導電性がより高い層材料、またさらには電流コレクタを利用することはできない。
【0022】
少なくともいくつかの実施形態では、水性インク電気化学層がカソードとして印刷される。そのようなカソード層は、たとえば、二酸化マンガン(MnO2)、炭素、およびポリマー結合剤を含むことができる。これらの材料の有無にかかわらず、カソード層に対して他の調合物を利用することもできる。カソード・コレクタ層が使用される場合、カソード層の一部分を形成するか否かにかかわらず、カソード電気化学層は、カソード電流コレクタの少なくとも一部分上に印刷され、これはまず、基板に印刷され、または他の方法で塗布される。
【0023】
アノードに関しては、オフライン動作では、場合によっては剥離ライナを使用する乾燥したフィルム接着剤層を亜鉛箔に塗布することができる。次いでこの亜鉛箔をベース基板に積層することができる。
【0024】
任意選択で、アノードとカソードの一方または両方を覆って、澱粉インクまたは類似の材料が印刷される。澱粉インクは、水性の電解液がセルに塗布された後に電極を「濡れた」まま維持する電解質吸収体として働くことができる。この澱粉インクはまた、セル反応に使用される電解質塩および水を含むこともできる。印刷された澱粉の代わりに、アノードおよびカソードを覆って紙層を使用することもできる。
【0025】
いくつかの実施形態では、2つの電極を定位置に置いた後、澱粉層(複数可)の有無にかかわらず、セル「ピクチャ・フレーム」を追加することができる。これは、複数の異なる方法を使用して行うことができる。1つの方法は、たとえば、このセル・ピクチャ・フレームを誘電体インクで印刷することである。別の方法は、接着剤層を含むポリマー・シートまたは積層ポリマー・シートを利用することであり、このシートは、スタンピング、ダイ・カット、レーザ切断、または類似の方法で、各ユニット・セルの材料を収容するため、ならびにデバイスを接続するように電気コンタクトを露出させるための適切な「ポケット」(1つまたは複数の内側空間)を形成する。
【0026】
基板に対するピクチャ・フレームの良好な封止を確保するため、そしてコンタクト・フィードスルー(セル内側からセル外部への電気経路を提供する)の良好な封止を提供するため、たとえばフレームを印刷する前、またはポリマー・シートを挿入する前に、たとえばセル・フレームと同じパターンなどで、封止またはコーキング接着剤を基板上に印刷することができる。
【0027】
この封止またはコーキング材料は、たとえばAcheson ColloidのPM040のように、たとえば感圧性および/または感熱性を有することができ、または両面への封止を容易にする任意の他のタイプの材料とすることができる。
【0028】
誘電体ピクチャ・フレームを印刷および乾燥し、および/または硬化させた後、フレームの上に感熱封止接着剤を印刷して、上部基板とセル・フレームの良好な封止を可能にすることができる。このセル・ピクチャ・フレームはまた、事前に打ち抜き、次いで前述の事前に印刷したコーキング接着剤層に整合するように位置合わせして積層した厚さ約0.015in(約0.003in〜0.050inの範囲)のポリマー・フィルムまたは積層フィルムを含むことができる。
【0029】
少なくともいくつかの実施形態では、塩化亜鉛(ZnCl2)は、たとえば約18重量%〜45重量%の濃度範囲で電解質として選択することができる。一例では、約27%が好ましいであろう。この電解質を、たとえば開放セルに追加することができる。ライン上での処理を容易にするために、この電解質または異なる電解質を、たとえば約0.6重量%(約0.05重量%〜1.0重量%の範囲)のレベル程度のCMCで厚くすることができる。
【0030】
たとえば、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化亜鉛(ZnCl2)と塩化アンモニウム(NH4Cl)の混合物、酢酸亜鉛(Zn(C2H2O2))、臭化亜鉛(ZnBr2)、フッ化亜鉛(ZnF2)、酒石酸亜鉛(ZnC4H4O6.H2O)、過塩素酸亜鉛Zn(ClO4)2.6H2O)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または有機物などの他の有用な電解質調合物を使用することもできる。
【0031】
塩化亜鉛は好まれる電解質であり、普段遭遇する通常の環境条件に対して優れた電気性能を提供することができる。同様に、とりわけ前述の代替電解質はいずれも、たとえば約18重量%〜45重量%の範囲内の濃度で使用することができ、少なくともいくつかの他の実施形態では、約25重量%〜35重量%の範囲が使用される。そのような組成はまた、通常の環境条件下で許容できる性能を提供することができる。
【0032】
いくつかの異なる環境条件下では、塩化亜鉛以外の電解質を使用すると、改善されたセル/電池の電気性能を提供することができる。たとえば、約32重量%の酢酸亜鉛(F.P.(凝固点)約28℃)は、約32重量%の塩化亜鉛(F.P.約−23℃)より低い凝固点を示す。これらの溶液はどちらも、約27重量%の塩化亜鉛(F.P.約−18℃)より低い凝固点を示す。他の酢酸亜鉛濃度、たとえば約18〜45重量%または約25〜35重%もまた、低減された凝固点を示す。
【0033】
そのような電解質調合物を塩化亜鉛の代わりに、またはセル内で使用される様々な混合物内で使用すると、低温での性能を改善することができる。たとえば、約32重量%の酢酸亜鉛の電解質を使用すると、ボルタ電池の低温(すなわち、約−20℃未満)性能を実質上改善することが見出された。低温でのこのタイプの電気化学セルの性能改善は、低温環境で使用できる、たとえば電池補助式RFIDタグ、および/または他の過渡的(可搬式)電動デバイス(たとえばスマート能動ラベル、温度タグなど)の成長ビジネスで利用することができる。
【0034】
たとえば、食品、薬、血液などの現在出荷される多くの製品は、低温での保管・出荷条件、またさらには低温動作を必要とすることがある。そのような商品の安全な出荷を確保するために、これらの品目を能動RFIDタグおよび/またはセンサで追跡することができる。これらのタグおよび/またはラベルでは、電気化学セルおよび/または電池が、約−23℃、約−27℃、またさらには約−30℃以下など、−20℃またさらにはそれ未満の温度で効果的に動作することを要求されることがある。
【0035】
低温での用途のために改善された低温性能を実現するために酢酸亜鉛が使用されるとき、約31〜33重量%の範囲の酢酸亜鉛濃度を許容できることが多いが、約30〜34重量%、約28〜36重量%、約26〜38重量%、およびさらには約25〜40重量%の範囲を利用することもできる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、印刷された澱粉層に水性電解質を加えた構造は、たとえば、各電極の少なくとも一部分を効果的に覆う印刷可能な粘性液(ゲルまたは何らかの他の粘性材料を含むことができる)に置き換えることができる。そのような印刷可能なゲルの一例が、2003年9月4日公開の米国特許出願公開第2003/0165744A1号に記載されている。同出願を、参照により本明細書に組み込む。これらの粘性調合物は、たとえば、前述した電解質の調合および濃度を利用することができる。
【0037】
セル・パッケージの上部基板は、特殊な積層ポリマー・フィルムを利用することができ、この積層ポリマー・フィルムは、内部のセル/電池構成要素を越えてセル・フレーム上に延びる縁部を有する。上部層は、感圧接着剤(PSA)によって、および/または事前に印刷された感熱封止接着剤によって、セル・フレームの縁部の周囲で封止され、したがって内部構成要素をセル・フレーム内に閉じ込める。
【0038】
前述の構造は湿式のセル構造とすることができるが、類似のセル構造を使用して、この電池を予備セル構造にすることもできる。予備セル構造には、液体の塗布前の保存寿命を延ばすという利益がある。印刷可能な可撓性塩化亜鉛薄型セルは、環境に優しいものとすることができる。そのような構造は、たとえば水銀またはカドミウムなどの有害な成分の使用を要しない構造を利用することができる。したがって、この設計を有する、古いおよび/または使い切ったセルは、通常の廃棄物除去手順を用いて廃棄することができる。
【0039】
この技術を使用できるデバイスは広範囲にわたる。比較的低い電力または限られた寿命(1年から3年、場合によってはそれ以上)を利用するデバイスは、本明細書に記載するタイプの薄型セル/電池を利用して機能することができる。このセルは、上記段落および以下に説明するように、安価に大量生産できることが多く、したがって、たとえば使い捨て製品の内部で使用することができる。低コストが、以前は費用効果が悪かった用途への適用を可能とする。
【0040】
本出願による電気化学セル/電池は、以下の利点の1つまたは複数を有することができる。
・比較的薄型。
・平坦で、厚さが比較的均一であり、縁部は中心とほぼ同じ厚さである。
・可撓性がある。
・多くの幾何形状が可能である。
・容器が封止される。
・構造がシンプルである。
・高速かつ大量生産用に設計されている。
・低コストである。
・多くの温度で信頼できる性能を有する。
・低温性能が良好である。
・使い捨てで、環境に優しい。
・両方のセル・コンタクトが同一表面上にある。
・アプリケーション中に容易に組み込むことができる。
・応用例の電子機器の作製と同時に、連続プロセス中で容易に統合することができる。
【0041】
上記は、本出願のいくつかの実施形態による様々なセル構造についての一般的な説明であった。さらなる詳細については、図面を利用して以下に示す。セル印刷および組立てのためのセルおよび電池生産プロセスについても、同様に説明する。
【0042】
一例では、毎分50リニア・フィートまたは別の比較的速い速度などの比較的高速で高出力の製造が企図される場合などは、複数のウェブを使用することができる。複数のウェブは概して連続することができ、また公知のウェブ製造機器で利用することができることを理解されたい。第1のウェブは、約0.002〜0.010in、また好ましくは約0.003〜0.006inのように比較的薄く、可撓性ベース基板は、多層積層構造または単層材料を含む。一例では、多層構造は、5つの層を含むことができる。別法として、単層材料は、カプトンまたはポリエステルなどの様々な材料を含むことができる。第2のウェブは、厚さ約0.005〜0.030in、また好ましくは厚さ約0.010〜0.015inであるPVCまたはポリエステル・フィルムを含む比較的厚い積層構造とすることができる。第2のウェブは、厚さ約1〜5ミルの感圧接着剤層を片側に有することができる。第2のウェブのこの積層構造が完成した後、これを第1のウェブに貼り付けることができる。追加で、または別法として、セルの活物質用の空洞、ならびにセル/電池コンタクト用の任意の空洞を形成するために、任意のタイプの機械的手段を使用して第2のウェブをパターン切断することができる。第3のウェブは、第1のウェブと同じおよび/または第1のウェブに類似の比較的薄い積層構造とすることができる。完成した3つのウェブの構造は、個々のデバイス・アセンブリをラベルとして適用できるように、いずれかの側に感圧接着剤を有することができる。セル/電池は、2005年4月20日出願の同時係属の米国特許出願第11/110,202号に開示のような薄型セル・タイプのもの、および/または2006年3月17日出願の同時係属の米国特許出願第11/378,520号に開示のセルとすることができる。これらの出願を、参照により本明細書に組み込む。
【0043】
本明細書に記載の様々な導電性インクは、炭素、銀、ニッケル、銀で被覆された銅、銅、塩化銀、亜鉛、および/またはこれらの混合物などの多くのタイプの導電性材料をベースにすることができる。たとえば、導電性および可撓性の点で有用な特性を示す1つのそのような材料は、Acheson Colloids(ミシガン州ポートヒューロン)のPM046である。さらに、印刷回路の一部となりうる様々な回路、電気的経路、アンテナなどは、カプトン基板などのポリマー上に積層されたアルミニウム、銅、または類似のタイプの金属箔をエッチングすることによって作製することができる。これは、エッチングされているか、それとも印刷されているかにかかわらず、多くのタイプ(寸法および周波数)の経路および/またはアンテナで行うことができる。
【0044】
次に図1〜4を参照すると、従来技術は通常、たとえば、封止された「ピクチャ・フレーム」構造を使用する、印刷された可撓性の薄型電気化学セルを含んだ。この構造は、印刷されたカソード・コレクタ(たとえば、導電性の高い炭素カソード・コレクタ)上に配置した印刷されたカソードを含み、印刷されたまたは箔ストリップのアノードがカソードに隣接して配置される。このタイプの電気化学セル/電池は、米国特許出願第11/378520号に記載されている。同出願の開示を、参照により本明細書に組み込む。電気化学セル/電池はまた、アノードおよびカソードのすべてまたは一部を覆うセパレータ上に分注された粘性またはゲル化電解質を含み、次いでピクチャ・フレーム上に上部積層を封止することができる。このタイプの電気化学セルは、印刷によって(たとえば、印刷機の使用によって)容易に作製されるように設計されており、たとえば、セル/電池を応用例の電子機器に直接統合することができる。
【0045】
本明細書では標準的な構造とも呼ぶ従来技術の電気化学セルを、図1〜4でさらに説明する。図1〜4は、完成したユニット・セル600の一実施形態を平面図または断面図で示したものである。セル600は、上部積層フィルム基板(層)112と、下部積層フィルム基板(層)111と、銀で印刷された正コンタクト140および負コンタクト650を有する延長領域180とを含む。さらに、セル600は、カソード層130およびアノード層116を含む。カソード層130およびアノード層116はそれぞれ、電解質を通って相互作用し電流を生成することができる異なる組成の電気化学層から構成される。より明瞭にするために、図1のセル600には上部積層112を示さない。
【0046】
カソード層130を塗布する前に、導電性の高い炭素からなるカソード・コレクタ131が下部積層基板111上に印刷される。少なくとも1つの実施形態では、カソード・コレクタ131の大きな面積の部分上に、二酸化マンガン、たとえば炭素(たとえば、黒鉛)などの導体、結合剤、および水を含むインクを使用して、カソード層130が印刷される。アノード層116は、導電性の亜鉛インクとして印刷することができ、または図に示すように、亜鉛箔(116)とPSA(660)の積層として提供することができる。これらはどちらも、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(0.001in〜0.010in)とすることができる。電極層(アノード層116およびカソード層130)が定位置に置かれた後、電極の周りに「ピクチャ・フレーム」113が配置される。ピクチャ・フレーム113は、ポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などのダイ・カット・ポリマー積層シートを含むことができ、また2つの感圧接着剤層(上部表面上の118および底部表面上の117)をさらに備えることができる。上部感圧接着剤(PSA)層118は、上部積層基板112をピクチャ・フレーム113に対して封止し、また底部PSA層117を使用して、底部積層基板111をピクチャ・フレーム113に対して封止することができる。
【0047】
ピクチャ・フレーム・アセンブリの全体的な厚さ(ライナの厚さを除く)は、約0.015in(約0.005in〜0.50in)である。ピクチャ・フレームは、電極がフレーム内で中心に位置決めされるように、底部剥離ライナを除去した後に下部積層基板111上に配置することができる。場合によっては、漏れのない構造を確保するために、ピクチャ・フレーム113の領域内で、アノード116の上およびカソード・コレクタ層131の上に、封止および/またはコーキング接着剤、感熱封止剤、および/または両面PSAテープ653を配置および/または印刷することができる。封止接着剤653はまた、ピクチャ・フレーム113の他の箇所に提供することもできる。
【0048】
電解質がゲル化被覆の一部ではない場合、両方の電極を覆うまたは部分的に覆う「紙セパレータ」126(明瞭性のために図1には図示せず、図2参照)などの吸収体材料にセル電解質120が提供される。この電解質は、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液とすることができ、この水溶液はまた、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)または他の類似の材料などの増粘剤を含有することもできる。セルは、PSAを使用して、および/または熱封止を用いて、上部積層112をピクチャ・フレームを覆うように塗布して封止することによって完成される。
【0049】
前述の従来技術の電池は、共平面構造を有する。共平面構造は、製造が容易であり、かつ一貫した高信頼性性能を提供するいう点で、いくつかの利点を提供した。しかし、これらの電池は主に、比較的低いレベルの電流を供給する電源として設計される。したがって、標準的な共平面電気化学セル構造によって提供される電流よりも高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源がますます必要とされている。
【0050】
より高い電流を確実に送出できる平坦な薄型電源が必要とされたため、初期の共平面セル/電池と同じ利点を有するが、より高い電流も送出できる構造が求められた。図5〜6に、より高い電流を送出できる新しい共平面構造の上面図および断面図を示す。この構造を、本明細書では高ドレイン(「HD」)設計と呼ぶ。HD設計には、いくつかの顕著な性能上の利点がある。これらは通常、カソード・コレクタ抵抗がより低いこと、セル内部抵抗がより低く、その結果、同じ負荷でパルス電圧がより高いこと、電流がより高くなるとパルス電圧改善がより大きくなること、および/またはより高いドレイン試験で高電圧カットオフまでの動作時間が増大することなどのうちの1つまたは複数を含む。HD設計の電気化学セルはまた、印刷によって(たとえば、印刷機を使用して)容易に作製されるように設計され、たとえば、セル/電池を応用例の電子機器に直接統合することができる。
【0051】
次に図5〜6に、完成したHDユニット・セル/電池1000の平面図および断面図を示す。HDセル1000は通常、下部積層フィルム基板(単層または多層)1002と、上部積層フィルム基板(単層または多層)1004と、少なくとも1つの正コンタクト1008および少なくとも1つの負コンタクト1010を有する延長領域1006とを含む。さらに、HDセル1000は、複数のカソード層1012A、1012Bと、少なくとも1つのアノード層1014とを含む。カソード層は、電解質を通って相互作用して電流を生成することができるアノード層とは異なる組成の電気化学層から構成することができる。カソード層1012A、1012Bとアノード層1014はそれぞれ、下部基板1002の第1の側に提供することができる。より明瞭性を高めるために、図5のHDセル1000には上部積層1004を示さない。
【0052】
複数のカソード層1012A、1012Bを塗布する前に、導電性の高い炭素からなるカソード・コレクタ1016を下部積層基板1002上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、カソード・コレクタ1016の大きな面積の部分上に、二酸化マンガン、たとえば炭素(たとえば、黒鉛)などの導体、結合剤、および水を含むインクを使用して、それぞれのカソード層1012A、1012Bが印刷される。様々な数のカソード層を利用することができる。アノード層1014は、導電性の亜鉛インクとして印刷することができ、または図に示すように、亜鉛箔(1014)とPSA(1019)の積層として提供することができる。これらはどちらも、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(0.001in〜0.010in)とすることができる。ZnCl2の電解質を含むことができる水性のゲル化被覆層(図示せず)を、アノード層(図1および2には図示せず)を覆って、ならびにアノード層1014をそれぞれのカソード層1012A、1012Bから分離する間隙内に印刷することができる。セル1000内の短絡を回避するために、アノード層1014が上を覆うカソード・コレクタ1016上に、誘電体層1018を印刷または積層などで提供することができる。したがって、前記誘電体層1018によって、アノード層1014を前記カソード・コレクタ層1016から絶縁することができる。カソード・コレクタ1016上に提供される絶縁誘電体層1018上に、アノード層1014を印刷または積層することができる。絶縁層1018は、様々な誘電体または電気的に中性の材料(ポリ塩化ビニル、ポリエステルなど)および/または様々な接着剤(感熱封止剤、UV硬化封止剤など)、および/または両面PSAテープを含むことができる。
【0053】
図5に示すように、誘電体層1018およびアノード層1014は、複数のカソード層1012A、1012Bのうちの少なくとも隣接する2つの間に配置することができる。一例では、誘電体層1018およびアノード層1014は、アノード層1014とカソード層の一方1012Aの間の導電性経路がアノード層1014とカソード層の他方1012Bの間の導電性経路に概して等しくなるように、前記2つの隣接するカソード層1012A、1012Bから概して等距離に配置することができる。さらに、アノード層1014がカソード層1012A、1012Bのうちの1つにより近くなるように、複数のカソード層1012A、1012Bのうちの隣接する2つから非等距離でアノード層1014を配置することもできる。他の例では、一対の隣接するカソード層1012A、1012B間にアノード層1014を配置し、追加の他のカソード層(図示せず)から距離を空けることができる。さらなる他の例では、複数のアノード層(図示せず)を備え、複数のカソード層間にまたは複数のカソード層付近に様々な形で配置することができる。
【0054】
アノード層1014を定位置に置いた後、最終的には電極の境界を示す領域の周りに「ピクチャ・フレーム」1020を配置することができる。本明細書に記載のように、カソード層1012A、1012Bは、ピクチャ・フレームが印刷される場合はピクチャ・フレーム1020を提供した後に印刷することができるが、ピクチャ・フレームがダイ・カット・ポリマー積層である場合はピクチャ・フレーム1020を提供する前に印刷することができる。ピクチャ・フレーム1020は通常、上部から見るとHD電気化学セル1000の周辺部に沿って提供されるスペーサとすることができる。ピクチャ・フレーム1020は、ポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などのダイ・カット・ポリマー積層シートを含むことができ、また2つの感圧接着剤層(すなわち、上部表面上の1022および底部表面上の1024)をさらに備えることができる。上部感圧接着剤(PSA)層1022を使用して、上部積層基板1004をピクチャ・フレーム1020に対して封止することができ、また底部PSA層1024を使用して、底部積層基板1002をピクチャ・フレーム1020に対して封止することができる。
【0055】
ピクチャ・フレーム・アセンブリの全体的な厚さ(PSA剥離ライナの厚さを除く)は、約0.015in(約0.005in〜0.50in)とすることができる。ピクチャ・フレームは、電極がフレーム内で中心に位置決めされるように、底部剥離ライナを除去した後に下部積層基板1002上に配置することができる。場合によっては、漏れのない構造を確保するために、概してピクチャ・フレーム1020の下に入る領域内で、誘電体層1018、アノード1014、および/またはカソード・コレクタ層1016のいずれかの上に、封止および/またはコーキング接着剤、感熱封止剤、および/または両面PSAテープ(図示せず)を配置および/または印刷することができる。封止接着剤(図示せず)はまた、ピクチャ・フレーム1020の他の箇所に提供することもできる。HDセル1000の全体的な厚さは概して均一にすることができ、またはHDセル1000内に収容される様々な要素の相対的な厚さに応じて変動させることもできる。PVCがスペーサ材料として使用される場合、片側または両側にPSA層を使用することなく熱封止することができる。
【0056】
電解質がアノードおよび/またはカソードの上のゲル化被覆の一部ではない場合、両方の電極を覆うまたは部分的に覆う紙セパレータ1028などの吸収体材料または別のタイプの吸込み材料にセル電解質1026を提供することができる。この電解質は、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液とすることができ、この水溶液はまた、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)または他の類似の材料などの増粘剤を含有することもできる。別法として、ピクチャ・フレームの内側にあるアノードおよびカソードを覆って、「澱粉インク」または電解質を流し込み、または印刷することもできる。HDセル1000は、PSAを使用して、および/または熱封止を用いて、上部積層1004をピクチャ・フレーム1020を覆うように塗布して封止することによって完成される。
【0057】
通常、本明細書に記載の大電流の薄型電気化学セルの1つは、約1.5ボルトを提供することができる。しかし、より高電圧および/または高容量が望ましい場合、複数のセルを電気的にともに結合することができる。たとえば、1.5ボルトのユニット・セルを直列に2つ接続することによって3ボルトの電池が得られる。但し、異なる電圧を有するユニット・セルを使用することによって、および/または異なる数のセルをともに直列および/または並列に組み合わせることによって、他の電圧および/または電流を得ることができる。したがって、より高電圧を使用する用途では、ユニット・セルを直列に接続することができ、より大きな電流および/またはより高容量を必要とする用途では、ユニット・セルを並列に接続することができ、また高電圧かつ、大電流および/または高容量の用途では、直列に接続しさらに並列に接続した様々なセル群を利用することができる。したがって、様々なユニット・セルおよび/または電池構成を使用して、異なる電圧および電流を使用する様々な用途に対応することができる。
【0058】
さらに、図7のHD設計セル(2000)は、医療用用途などのいくつかの独自の用途で必要に応じて、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、他の多角形の形状、不規則なものなどの非直線の幾何形状を使用して構築することができる。一例では、図7に示すような概して円形の形状はより容易に作製することができ、アノードとカソードの間のピクチャ・フレームの内側の領域をより良好に利用することができる。より明瞭性を高めるために、図7のHDセル2000には上部積層を示さない。理解できるように、誘電体(2018)上で概して2つの隣接するカソード2012A、2012B間にアノード2010を配置することによって、相対的に増大したHDセルの性能特性を様々な幾何形状で実現することができる。図5の要素と同一、類似の要素を示すために、2000番台の類似の参照番号(すなわち、2000、2002など)を使用する。さらに、様々な他の要素をある程度使用することもできる。従来技術の標準的な構造では、非直線の設計を使用し、また連続するアノード・ストリップを含むセルは、アノード・ストリップをあまり効率的に使用しておらず、アノード・ストリップの上により多くの封止領域を必要とすることが多かった。この領域は封止するのが困難なことがあるので、従来技術の標準的な構造では、封止故障が発生して電気性能が乏しくなる可能性がより大きい。
【0059】
様々な要素のさらなる詳細について、次に説明する。第1の基板1002および/または第2の基板1004は、5つの層などの様々な層を含むことができる。たとえば、第1の基板1002の様々な層は、3層のフィルムと、2つのUV硬化ウレタン積層接着剤層とを含むことができる。2つのUV硬化ウレタン積層接着剤層は、厚さ約0.2ミルなど、約0.1〜0.5ミルの範囲内で比較的薄くすることができる。一例では、この積層構造は、ウィスコンシン州オシュコシュのCurwood Inc.、Bemis Corporation Companyによって提供されるものとすることができる。上部フィルム層は、DuPont(OLシリーズ)によって提供されるような熱封止可能層とすることができる。この層は、セルの内側に位置し、また例示的な厚さ約0.00048in(たとえば、約0.0002in〜0.002in)を有することができる。中間フィルム層は、日本のToppanによって供給されるGLフィルムなどの高湿度バリアポリマー層とすることができる。通常、このポリエステル・フィルムは、積層構造の内側に酸化物または金属化被覆を有することができる。この被覆の水分透過値は、真空蒸着させた酸化物または金属の種類および量に応じて変動させることができる。完成したセルの外側に置くことができる第3のフィルム層は、構造層として働くことができるポリエステル層とすることができる。5層構造のこの構造層は、配向ポリエステル(OPET)とすることができ、約0.002in(たとえば、約0.0005in〜0.010in)の厚さを有することができる。この層はまた、たとえば、厚さ約0.2ミルのウレタン接着剤を用いて他の層に積層することができる。この「構造層」は、DuPontのポリエステル配向(OPET)フィルム、たとえばMelinexブランドのものとすることができる。使用できる別の材料は、日本のToyobo Co.Ltd.からのものであり、白色ミクロボイド配向ポリエステル(WMVOPET)と呼ばれるポリエステル・ベースの合成紙である。
【0060】
セル構造、セル応用例、および/またはセル環境に応じて、基板に対して異なるバリア特性を付与することができると有利である。広い範囲の蒸気透過率が利用可能であるため、望みに応じて、それぞれの特有の用途および構造に対してバリア層を選択することができる。たとえばセルがより高いガス処理率および短寿命を意図的に有するときには、セル膨張を最小限にするように、透過率のより高いフィルムを使用してより大量のガスを逃がすことができると適切でありかつ望ましい場合がある。別の例は、砂漠などの高温で乾燥した環境下での用途または何らかの特殊な工業向けの用途になるはずである。そのような場合、電池からの過度の水分損失を防止するために、透過率の低いバリアフィルムを有することができると望ましい。
【0061】
ポリマー厚さの一部またはすべてを増大させることによってより厚い基板を使用すると、いくつかの利点があることがある。これには、以下の一方または両方が含まれることがある。
・より厚い基板は温度の影響を受けにくいので、セルが印刷機上でより良好に処理される。
・セル・パッケージが、より硬くかつより強固になる。
【0062】
上記の仕様に加えて、外層と内層はどちらも、インクが印刷されうる表面を含むことができる。機能性インク(コレクタ層および/または電気化学層など)には内層が使用され、一方望ましい場合、グラフィカル・インクには外層を使用することができる。封止されたシステムを有する平坦なセル構造は、金属化フィルムおよび/または1つもしくは複数の非常に薄い金属箔を水分バリアとして含む積層構造を利用することができる。金属層を使用するそのような構造は、前述の実施形態のいくつかに使用される構造より良好な水分バリア特性を有することができるが、この構造にはいくつかの欠点が存在することもある。これには、以下の1つまたは複数が含まれることがある。
・金属バリア(薄い金属箔または真空金属化層)を有する積層構造は、より高価になりうる。
・金属層を有する積層構造は、内部短絡を引き起こす可能性がある。
・金属バリアを含む積層構造は、応用例の電子機器、たとえばRFIDアンテナの機能と干渉する恐れがある。
【0063】
本明細書に記載の様々な基板は、バリア層(金属または他の材料を含む)の有無にかかわらず、ポリマー・フィルムの多数のバリエーションから構成することができ、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの単層または多層フィルムを利用することができる。ポリエステルは、利用するのに良好な材料である。その理由としては、高温乾燥条件下で改善された強度を提供し、したがってより薄いゲージ・フィルムの使用を可能にし、また通常、マルチステーション印刷機で使用したときに容易に伸びないことが挙げられる。ビニル、セロハン、およびさらには紙もまた、フィルム層として、または積層構造内の1つもしくは複数の層として使用することができる。非常に長い保存寿命が望ましい場合、および/または環境条件が非常に厳しい場合、多層積層を修正して、酸化物被覆の代わりにアルミニウムの真空蒸着によって得られるような金属化層を含むことができる。
【0064】
別法として、フィルム層の構造内に、またさらには異なる位置に、非常に薄いアルミニウム箔を積層させることができる。そのような修正により、既に低い水損失を事実上ゼロまで低減させることができる。他方では、保存寿命および/または動作寿命が比較的短い用途の場合、より高価なバリア層を、より低コストだが依然としてセルが所望の寿命だけ機能することが可能な、効率がより低い層と置き換えることができる。
【0065】
極端に短い寿命だけが必要である用途の場合、セル・パッケージは、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの低コストのポリマー基板からなるフィルム層を代わりに使用することができる。様々な基板をともに結合および/または封止するための感圧接着剤を、積層上の熱封止システムに置き換えることが可能である。たとえば、非結晶質ポリエステル(APETもしくはPETG)、半結晶質ポリエステル(CPET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリオレフィン・ポリマーなどの熱封止被覆などを、ポリエステルなどのポリマー・フィルム上で使用することができる。そのような例示的な材料の1つは、DuPont製のオーブナブル・リディング(OL)フィルムであり、OL、OL2、またはOL13などのOLシリーズと呼ばれる。
【0066】
様々な他の基板をスペーサ・フレームとして利用することもできる。たとえば、第3の基板は、厚さ約0.0005in〜0.030in、また好ましくは約0.005in〜0.015inのPVCまたはPETフィルムなどの様々な材料から構成することができる。第3の基板は、厚さ約0.003in(0.001in〜0.005in)の2つの感圧接着剤(PSA)層間に挟まれ(すなわち、間に介在する)、また剥離ライナを含む。さらに、スペーサは、硬化させた誘電体で、または何らかの他の硬化および/または乾燥方法で印刷することができる。この材料、たとえばAcheson ColloidsのPM030は感圧接着剤とすることもでき、したがって場合によっては、追加の接着剤層を印刷する必要をなくす。
【0067】
アノード1014のアセンブリは、厚さ約0.0015in〜0.005in、また好ましくは約0.002inの亜鉛箔などの様々な材料を含むことができる。アノード1014のアセンブリは、厚さ約0.002in(0.001in〜0.005in)の感圧接着剤(PSA)1019に積層され、また剥離ライナを含む。PSA層1019は、アノード1014と誘電体1018の間に配置されるはずである。
【0068】
したがって、図5〜6に示すように、HD設計の電気化学セル1000は、少なくとも絶縁体1018によって、また場合によってはPSA層1019によってカソード・コレクタ1016から分離される、ほぼ中央のアノード1014を備える。アノード1014のそれぞれの側には、カソード1012A、1012Bが提供され、これらはどちらもカソード・コレクタ1016上に位置する。HD電気化学セル1000は、元の構造と比較するとそのセル抵抗がより低いため、より大きな電流を生成することが可能である。これは、中央のアノード1014と2つの隣接するカソード1012A、1012Bの間の導電長さを低減させること、および/またはカソード・コレクタ1016の抵抗を低減させることによって実現される。理解されるように、様々なタイプのセル幾何形状を利用できるが、概して対称のセル幾何形状は、アノード1014を概して2つの隣接するカソード1012A、1012B間に配置し、それによってこれらの間の距離を低減させるのに有益となりうる。
【0069】
電流が表面全体にわたって流れるための、単位長さ当たりの直流電圧降下と幅当たりの表面電流の比。実際、表面抵抗率は、正方形の2つの対向する側間の抵抗であり、正方形の寸法またはその寸法単位とは無関係である。「シート抵抗」とも呼ばれる表面抵抗率をオーム・パー・スクエアで表す。シート抵抗は、概して均一の厚さを有する薄いフィルムの抵抗を評価する基準である。シート抵抗は、薄いフィルムを2次元の実体と見なす2次元システムに適用することができる。これは、3次元システムで使用される抵抗率に類似している。シート抵抗という用語を使用するとき、電流はシートの平面に垂直ではなく、シートの平面に沿って流れていなければならない。
【0070】
導電長さは、電流がカソード領域とアノード領域間で進まなくてはならない距離である。アノード1014をカソード1012A、1012Bの中間に本質的に配置することによって、従来技術に対して、導電長さが実質上低減され、したがってその結果、セルの内部抵抗がより低くなる。さらに、カソード・コレクタ1016の抵抗が比較的低いので、電流をより大きくすることができる。正方形の数が低減されるので、この抵抗はより低くなる。正コンタクト1008を含むカソード・コレクタ1016のその底部から上部までの抵抗は、カソード・コレクタ1016内の正方形の数を計算することによって決定することができる。正方形の数は、幅が最も狭いところのコレクタ長さをコレクタ領域の最も狭い幅で割ることによって決定される。HD設計を使用する正方形の数は、標準的な構造を使用する同様の寸法のセル内に存在する正方形の数の約2分の1である。たとえば、本出願の正方形の数は、概して3以下とすることができる。別の例では、例示的なカソード・コレクタ1016の形状が正方形、または概して正方形の形状に近づくので、本出願の正方形の数は概して1に等しく、または少なくとも1に近づく。したがって、たとえば、所与の寸法の標準的な構造のセルは通常、約50〜70オームのコレクタ抵抗を示すのに対し、新しい設計を使用する同じ寸法のHDセルは、約20〜40オームの低減されたコレクタ抵抗を示すはずである。
【0071】
HD設計の動作についてさらに説明するために、抵抗のサンプル計算を提供する。元の設計(図1〜4参照)では、カソード・コレクタ131は厚さ約0.001inおよび高さ約1.8inであり、またその最も狭い幅は0.54inであり、したがって正方形の数は1.8/0.54=3.3である。炭素インクが厚さ1ミルで約20オーム/スクエアの抵抗率を有するものとすると、その理論上の抵抗は約66オームである。HD設計では、厚さ約〜0.001inのコレクタ1016は、長さ1.8inであり、またその幅は1.2inであり、したがって正方形の数は1.5(すなわち、1.8/1.2=1.5)に等しい。これらの正方形に1ミルで約〜20オーム/スクエアのインク抵抗率を掛けると、理論上の抵抗は約30オームになる。したがって、理解できるように、コレクタ1016の幅を増大させて実質上長さに等しくすることによって、理論上の抵抗をさらに低減させることができる。たとえば、コレクタ1016の幅を1.2inから約1.8inまで増大させると、正方形の数は概して1(すなわち、1.8/1.8=1)に等しくなる。この正方形に1ミルで約〜20オーム/スクエアのインク抵抗率を掛けると、理論上の抵抗は約20オームになるはずである。
【0072】
カソード・コレクタ1016が概して非直線の幾何形状を有するような別の例では、幅が最も狭いところのコレクタ長さをコレクタ領域の最も狭い幅で割ることによって、理論上の抵抗を同様に決定することができる。しかし、概して非直線の幾何形状が使用される場合、長さおよび幅は、それぞれ実効的な長さおよび実効的な幅によって決定することができる。たとえば、実効的な長さまたは幅を平均長さもしくは幅とすることができ、または概して直線の幾何形状の長さおよび幅の寸法に近似できる他の数学的に調整された長さおよび幅とすることができる。したがって、非直線コレクタの理論上の抵抗は、正方形の数が一例では概して3以下になるように、または別の例では概して1になるように、もしくは1に近づくように、実効的な長さおよび実効的な幅を調整することによって低減させることができる。
【0073】
次に図8〜11では、HD設計を使用する薄型電気化学セルの性能上の利点をさらに実証する4つのグラフが提供される。図8〜10の3つのグラフは、室温での平均連続放電曲線を示す。従来技術の電気化学セル(すなわち、「control」)の室温での平均連続放電曲線を、HD設計の薄型電気化学セル(すなわち、「HD設計」)と比較して示す。なお、図8〜10のグラフは、試験当たり3つのセル平均に基づく。各グラフは、様々な例示的な負荷(すなわち、475オーム、880オーム、および2200オーム)に対する平均連続放電を示す。グラフによって実証されるように、HD設計は、放電曲線の早い部分全体にわたって比較的高い初期閉回路電圧(CCV)を提供し、より高い電圧カットオフに対してより多くの放電時間を可能にする。これは、標準的な共平面セルが、カソード領域がより大きいためHDセルより約15%〜20%多い容量を有することができるにもかかわらず発生する(すなわち、図8〜9参照)。この利点は、放電電流がより大きくなるにつれて、HD構造にとってより大きくなる。図11の第4のグラフは、試験当たり5つのセルの平均CCV(2秒間の長さのパルス上のボルト単位)を、平均パルス電流(ミリアンペア単位)と比較して示す。どちらも、HD設計の電気化学セルでは電流がより大きくなるにつれてパルス電圧の改善がより大きくなることを実証し、裏付ける。これらのグラフはHD設計の例示的な性能のみを示すこと、そしてHD設計セルは様々な他の性能特性、値などを有することができることを理解されたい。
【0074】
HD共平面設計の性能特性は、大電流用途の標準的な共平面構造のものより良好な可能性がある。さらに、HD設計は、共面構造の性能レベルに近づく性能を提供することができ、一方、その製造性は標準的な共平面構造の製造性に類似したものとすることができる。さらに、HD設計は、既存の方法および機器を使用して作製することができる。
【0075】
セル/電池の製造プロセスをより効率的なものとし、および/またはさらなる規模の経済性を実現するには、高速で低コストの生産を提供するために、オープンリール式(reel−to−reel)の印刷プロセスで概して連続するウェブを使用してセル/電池を製造することができる。例示的な製造手順を図12のフローチャートに示し、以下の段落で説明する。この例示的な手順では、セル/電池は、ロールトゥーロール(roll−to−roll)機構を動作する高速印刷機に適合している多数のステーションの中を進む。本明細書ではさらに説明しないが、この処理および組立てを、電子構成要素(たとえば、電池またはセルによって電力供給されるもの)の製造に統合することができる。
【0076】
利用可能な印刷機によれば、たとえば所与の印刷機上の1回の通過で、または複数の通過で、セルを作製することができる。様々な図面は、一例として、ウェブ上に2列の個々のセルを示すが、列の数は、ユニット・セルの寸法および印刷機が処理できる最大ウェブ幅にのみ制限される。多数のステップが存在することがあり、それによって長くかつ複雑な印刷機を利用できる可能性が高いので、これらのステップの一部ならびに材料の一部を修正することができ、および/または1つもしくは複数の印刷機の複数の通過を使用することができる。いくつかの修正されたプロセスの概要を、最初の議論が完了した後に示す。さらに、印刷ステップのいくつかまたはすべては、フラット・ベッド・スクリーンまたさらには回転スクリーン・ステーションなどのスクリーン印刷によって実行することができる。さらに、11個以上のステーションを有する1つの印刷機を見出し、および/または動作するのは困難なことがあり、したがってプロセスについての以下の議論は、1つもしくは複数の印刷機、またさらには1つの印刷機の複数の通過に関して生じうることが当業者には理解されるであろう。
【0077】
但し、図12に示すようにセル/電池を処理する前に、様々な任意選択の動作を行っても行わなくてもよい。たとえば、任意選択の動作は、ウェブの熱安定化とグラフィック印刷(ロゴ、コンタクト極性、印刷コード、およびウェブの外側表面上の位置合わせマークの追加を含むことができる)の一方または両方を含むことができる。これらの任意選択の印刷動作がウェブ上で行われる場合、ウェブをひっくり返して、機能性インクを内側表面(すなわち、熱封止層)に印刷することができる。
【0078】
多くの方法、材料、および動作シーケンスを使用できること、そして類似しているか、それとも異なるかにかかわらず、ある程度の数のステーションも利用できることが当業者には理解されるであろう。さらに、以下のプロセス800を様々な他の統合された電子デバイスの製造にも利用できることを理解されたい。また、明瞭性のために、2列の電池についてのみ説明および図示するが、そのような説明は同様に他の列にも当てはまることを理解されたい。さらに、以下の要素のいくつかまたはすべては、本明細書全体にわたって記載の様々な材料、化学組成などのいずれかを含むことができることを理解されたい。さらに、図12のプロセス800に示す様々なステップは単に例示的なステップであり、これらのステップは、本明細書に記載の様々な他のステップ、代替ステップなどを含むことができることを理解されたい。これらのステップのいずれかまたはすべては、図12に示すこれらの例示的なステップとは異なることがある。
【0079】
図12に示すように、統合プロセス800は、熱安定させた第1の基板1002から始めることができ、その上に、図13〜15に示す以下の例示的なプロセスに従って、セル/電池を構築することができる。第1の基板1002は、裸のままとすることができ、または複数の完成したもしくは部分的に完成した電気構成要素をその上に有することができる。以下のステップについて、第1の基板1002が遭遇する様々な「ステーション」を参照して論じるが、これらの「ステーション」は、個別のステーションおよび/またはステップを必要としてもしなくてもよいこと、そして1つもしくは複数の機械によって、および/またさらには手動で、「ステーション」および/またはステップのいずれかまたはすべてを実行できることを理解されたい。さらに、様々な「ステーション」および/またはステップのいずれかまたはすべてを組み合わせること、および/またさらには同時に実行することもできる。
【0080】
図13に移ると、プロセス800は、第1の基板(熱封止表面)1002の第1の側に導電性の高い炭素インクでカソード・コレクタ1016を印刷する第1の印刷ステーション3001での第1のステップ802を含む。図示のように、アノードが最終的にはコンタクト端部で通過する領域は印刷されない。
【0081】
カソード・コレクタ1016は、ミシガン州ポートヒューロンのAcheson Colloids製のような導電性の高い炭素インク(たとえば、PM024)などの様々な材料を含むことができる。カソード・コレクタ1016は、スクリーン印刷などの民生用の手段によって、たとえば約1ミル(それぞれ約0.8〜1.2ミル)の乾燥蒸着を可能にするように約61メッシュ(いくつかの実施形態では約20〜100メッシュ)の非常に粗いスクリーンを使用して、下部積層1002上に印刷することができる。したがって、本明細書で前に論じたように、寸法約2in×2inのセルは約20〜40オームの抵抗を有するはずである。
【0082】
次に、第2のステーション3002でのステップ804では、カソード・コレクタ1016の一部分上に銀の電池コンタクト1008を印刷することができる。たとえば、コンタクト1008の位置は、後のステップで最終的に提供されたときスペーサ1020の外側になるように、負コンタクト1010(図5参照)の片側または両側の延長領域1006内に位置決めすることができる。高ドレインの応用例では、銀製の電池正コンタクト1008を利用して、完成したHDセル1000と電力供給すべき電子デバイスとを電気的に結合することができる。さらに、カソード・コレクタ1016上に様々な他のコンタクト(図示せず)を備え、様々な他の電気的接続点を提供することもできる。この例示的な構造で使用される材料は、ミシガン州ポートヒューロンのAcheson Colloids製の、スクリーン印刷できる銀で充填された導電性インク(SS479)である。許容できる実施形態では、他の材料とともに、金、スズ、銅、ニッケル、および/または2つ以上の導電性材料の混合物などの他の使用可能な導電性コンタクト材料を使用することもできる。これらの導電性インクのいずれかを、たとえば回転スクリーン、フレキソ印刷、およびグラビア印刷などの印刷方法を用いて、ならびにたとえばインク・ジェット印刷技法で塗布することができる。さらに、インク・カソード・コレクタを印刷する代わりに、黒鉛および/または導電性樹脂、電気化学親和性金属、および黒鉛の1つもしくは複数を含む混合物からなる製造された箔を挿入および使用することができる。非常に低い電流だけが使用される応用例では、導電性の高い正コンタクトを利用しないことがあり、および/または多少大きな電流が望ましい場合には、導電性の高いコンタクトとして炭素回路コンタクトを代わりに使用することができる。
【0083】
次に、第3のステーション3003のステップ806では、アノード層1014が最終的にはその上を覆うカソード・コレクタ1016上で、第1の基板1002の第1の側に誘電体材料1018のストリップが印刷される。カソード・コレクタ1016からのアノード1014の完全な絶縁を容易にするために、誘電体材料1018は、両端でコレクタ1016を越えて延びるべきである。印刷されるものとして説明したが、誘電体層1018はまた、適切な材料を有する積層連続ストリップとすることもできる。絶縁層1018は、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどの様々な誘電体または電気的に中性の材料、および/または感熱封止剤、UV硬化封止剤などの様々な接着剤、および/または両面PSAテープを含むことができる。
【0084】
次に、図13に示す第4のステーション3004でのステップ808で、亜鉛箔/PSA積層1014の連続ストリップが誘電体層1018上に積層される。厚さ約0.002inの亜鉛箔および厚さ約0.002inのPSAフィルムから構成されるアセンブリなどの様々な材料を使用することができる。アノード積層1014を誘電体層1018に積層する直前に、剥離ライナを除去することができる。したがって、前記誘電体層1018によって、ならびにPSA層によって、アノード層1014を前記カソード・コレクタ層1016から絶縁することができる。さらに、PSA層が使用されないこともあることを理解されたい。別法として、亜鉛アノードを誘電体上に印刷することもできる。
【0085】
図5に示す電池の例示的な実施形態では、積層とすることができる(またたとえば、可能な寸法が約1.75in×0.20in×0.002inの)事前に切断したアノード・ストリップ箔が、下部基板上に、カソード・コレクタ/カソードのアセンブリに隣接して、このアセンブリから約0.050in(約0.010in〜0.100in)の間隙で挿入される。挿入前に、この厚さ2ミルの電池グレードの亜鉛箔を、オハイオ州ストウのMorgan Adhesive Co.製の#2180、IB1190、またはIB2130などの剥離ライナを有する乾燥フィルム接着剤に積層することができる。この積層が完成した後、たとえば広い亜鉛ロール(たとえば、幅約3〜12in)上でこの積層構造を細長く切り、約1平方インチのカソード・セルに対して幅約0.200in(約0.170in〜0.230in)の狭いロールにすることができる。他の寸法のカソードを有するセルは、アノード積層に対して異なるスリット幅を利用することができる。別の構造では、たとえば、亜鉛箔ストリップを塗布する前に、印刷された接着剤を誘電体上に積層することができる。さらに、他の例では、印刷プロセスによってアノードを提供することができる。たとえば、幅約0.20inおよび厚さ約0.002in(約0.0003〜0.005in)のアノードを印刷することができるが、様々な他の幅および厚さも企図される。さらに、印刷されたアノードの導電性をさらに高めるために、アノードの下に、導電性パターンなどのアノード・コレクタ(図示せず)を印刷することができる。
【0086】
次に、第5のステーション3005でのステップ810では、フレーム封止剤を、「ピクチャ・フレーム1090」の形状でセルの周囲に印刷することができる。フレーム封止剤は、Acheson ColloidsのPM040などの接着剤とすることができる。フレーム封止剤は、亜鉛アノード1014の上に、封止領域内のカソード・コレクタ1016に隣接して、またさらにはカソード・コレクタ1016を覆って提供することができる。フレーム封止剤は通常、電池セルの内部体積を画定する内側空間の境界を示すことができる。
【0087】
次に、第6のステーション3006でのステップ812では、カソード・コレクタ1016の一部を覆って、複数のカソード層1012A、1012Bをスクリーン印刷することができる。例示的な実施形態では、カソード層1012A、1012Bは、事前に印刷して乾燥させたカソード・コレクタ層1016の一部分上に水性インクで印刷することができる。水性インクは、たとえば、電池グレード二酸化マンガン約43.4%(約20%〜60%)、KS−6黒鉛約14.4%(約2%〜25%)、約6.5%(約0.5%〜15%)のポリビニルピロリドン(PVP)水溶液約29.5%(約20%〜60%)、および脱イオンまたは蒸留水約9.65%(約0.1%〜20%)からなる湿潤組成を有する。そのようなインクは、約0.10グラム/平方インチ(約0.03〜0.25g/平方インチ)の公称乾燥規定重量を可能にするように、約46メッシュ(約10〜65メッシュ)のファイバガラス・スクリーンで印刷することができる。乾燥印刷の量は通常、所望のセル容量によって、たとえばより大きな容量が望ましい場合はより多くの材料を使用することによって決まるはずである。より細かいメッシュ・スクリーンを複数回使用する代わりに、非常に粗いメッシュ・スクリーンを利用するこの従来とは異なる印刷方法を使用することによって、印刷ステーションの数を低減させることができ、またセル性能を増大させることができる。
【0088】
この例示的な構造で使用されるカソード層(1012A、1012B)材料は、たとえば、高純度電池グレードの電解二酸化マンガンを含む。本実施形態用の材料の粒径のレンジは、たとえば約1〜100ミクロンであり、平均粒径は約40ミクロンである。コレクタへの塗布を容易にするために材料がさらに微細であることが望ましい場合、材料を粉砕して約1〜20ミクロンの粒径のレンジを実現することができ、望ましい場合、平均約4ミクロンとすることができる。対象の構造内で亜鉛アノードと一緒に使用できる他の使用可能な電気活性カソード材料は、たとえば、酸化銀Ag2Oおよび/またはAgO、酸化水銀HgO、酸化ニッケルNiOOH、酸素O2(たとえば、空気セルの形と同様)、ならびに酸化バナジウムVO2である。異なるアノード材料とともに使用できるカソード材料は、たとえば、「CdとNiOOH」、「AB2およびAB3タイプの金属水素化物とNiOOH」、ならびに「FeおよびFES2とNiOOH」の1つまたは複数を含む。
【0089】
例示的な実施形態のカソード層で使用される結合剤は、約950,000グラム/モルを超える分子重量の大きな結合剤の種類を含む。使用できる1つのそのようなポリマーは、約K85〜95または約K120(分子重量がより大きい)のポリビニルピロリドンである。使用できる他の種類の材料は、以下の1つまたは複数を含む;ポリビニルアルコール、米、ジャガイモ、トウモロコシ、および豆類を含む澱粉および加工澱粉の種類、エチルおよびヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリアミド、ならびにこれらの材料の混合物。望ましい場合、テフロン溶液もしくは混合プロセス中にフィブリル化したテフロンを使用することから、またさらにはDow QP100MHなどのヒドロキシエチルセルロース(HEC)溶液から、追加のまたは代替の結合を導出することもできる。
【0090】
次に、第7のステーション3007でのステップ814で、基板1002よりわずかに狭くすることができる第3の基板ウェブ1020が、第1の基板1002を覆って位置合わせして積層され、電池セル用の内側空間空胴、ならびにセル・コンタクト用の開口を形成するためのフレームを提供する。第3の基板1020は、電極の周囲に配置された「ピクチャ・フレーム」を形成し、「ピクチャ・フレーム」は通常、HD電気化学セル1000の周辺部および事前に塗布された接着フレーム1090に沿って提供されたスペーサとすることができる。第3の基板ウェブ1020は、第1の基板1020を覆って積層することができ、ピクチャ・フレーム切取り1021はセルの活性成分の周囲で行われ、また切取り1032はセル・コンタクトに対して行われる。剥離ライナ(図示せず)を除去した後、第1の基板1020の第1の側に、第3の基板ウェブ1020の接着剤層1024を塗布することができる。さらに、ウェブとして示すが、第3の基板1020はまた、個別のシートなどの個別の要素として提供することもできる。
【0091】
追加で、または別法として、フレーム封止剤をPSA層などの接着剤層とすることができる。第3の基板ウェブ1020を、前述のフレーム封止剤とともに、または独立して使用できることを理解されたい。したがって、接着フレーム1090および/または第3の基板ウェブ1020の一方または両方を使用して、電極の周りに別個のまたさらには同じ「ピクチャ・フレーム」を形成できることを理解されたい。実際には、接着フレーム1090および/または第3の基板ウェブ1020の一方または両方は、中間スペーサ層を形成することができる。通常、第3の基板ウェブ1020は、概してフレーム封止剤より比較的厚いので、スペーサとして利用することができる。
【0092】
次に、第8のステーション3008でのステップ816で、アノードおよびカソードの上に「紙セパレータ」1028または別のタイプの吸込み材料を挿入することができる。別法として、ピクチャ・フレームの内側にあるアノードおよびカソードを覆って、「澱粉インク」または電解質を流し込み、または印刷することもできる。図14では、第7のステーション3007および第8のステーション3008を同じステーションで示すが、ステップ814および816を同時に、または様々な順序で順次実行できることを理解されたい。
【0093】
次に、第9のステーション3009でのステップ818で、紙セパレータが使用されるとき、カソード1012A、1012Bおよび亜鉛アノード1014を覆って配置された紙セパレータ1028の上に、水性ZnCl2電解質1026などの電解質が追加される。
【0094】
ステップ818において紙セパレータが使用されないとき、代替の第9のステーション(図示せず)は代替の電解質構成を提供することができる。たとえば、電解質は、各ユニット・セルの内側領域上に追加される粘性液(流動性ゲルなど)の形で提供することができる。その流動性のため、電解質は通常均一に広がって、アノードおよびカソードを覆う。上記で参照した出願の液状電解質および紙セパレータの代わりに、印刷された電解質(たとえば、インクまたは流動性ゲルを使用)を使用することができる。
【0095】
次に図15を参照すると、第10のステーション3010でのステップ820で、ピクチャ・フレーム(すなわち、第3の基板1020)の上に「上部カバー」として第2の基板1004が追加される。このステーションでは、セルの構造をより明瞭にするために、3つのウェブがすべて同時に見られるように、スペーサ1020および上部カバー1004を部分切欠図で示す。上部カバー1004を塗布する前に、セル・コンタクトに対する開口1041がダイ・カットされ、したがって、この層を積層すると、基板1002上の印刷されたセル/電池に位置合わせされ、またスペーサ1020によって、セル・コンタクトを見て回路接続できるようになる。この第2の基板1004は、各セルを封止する。第2の基板1004の封止は、スペーサ・ウェブ1020上の感圧接着剤層(すなわち、層1022)、および/または本願で前述した両面接着構成などの第2の基板1004の底部側の熱封止層によって提供することができる。セルは、圧力および/または熱が加えられた後、セルの周囲で完全に封止される。この封止は、電池封止を形成する。
【0096】
次に、第11のステーション3011でのステップ822でまた、1つの電池の後縁部の線500および電池コンタクト1008、1010の上縁部の線501に沿って横方向に、ウェブ1002、1020、および1004からなる完成した積層アセンブリに穿孔することができる。回転ダイなどの様々な方法を使用して、一方または両方の穿孔を実行することができる。
【0097】
次に、第12のステーション3012でのステップ824で、各セルの2つの外側縁部で、3つのウェブ・アセンブリ(1002、1020、および1004)に切込み502を入れ、こうして完成したHD電池1000のロール400を形成する。ロール400の数は、ウェブ幅および各デバイスの幅などの様々な要因に応じて変動させることができることを理解されたい。ステップ3011で行われる穿孔のため、それぞれの回路に取り付けたとき、ロールに対して正しい寸法のセルを容易に取り出すことができる。
【0098】
次に、最終のステップ826で(第12のステーションとなりうるが図示せず)、保管、輸送などのため、完成したHD電池1000をロール400上に巻き取ることができる。さらに、HD電池1000を様々な他の方法で保管することができる。HDセル1000のエンド・ユーザに利用可能な別の選択肢(図示せず)は、ステーション3010からの完成したセルのロールからセルをダイ・カットし、よく使用されるマガジン形式などのアセンブリ向けに包装することである。
【0099】
次に図16を参照すると、概して連続するウェブ5004を利用して、図12〜15に示す様々なステップの例示的な製造プロセス5000の概略図を示す。本明細書で論じたように、基板1002、1004、1020のいずれかまたはすべてを、「オープンリール」式の製造プロセスで処理できる概して連続するウェブとして提供することができる。たとえば、第1の基板1002は、ソース・ステーション5002から概して連続するウェブ5004として提供することができる。ソース・ステーション5002は、ソース・ロール(source roll)などとすることができる。次いで、たとえば、前記カソード層を提供するステップ、前記アノード層を提供するステップなどの様々な処理ステップのいくつかまたはすべてを、概して連続するウェブ5004に印刷ステーション5008を通過させることによって実行することができる。単一の印刷ステーション5008だけを示すが、複数の印刷ステーションを利用できることを理解されたい。追加で、または別法として、図示しないが、プロセス5000は、ウェブ5004に印刷ステーション5008を複数回通過させるように適合することができる。最後に、概して連続するウェブ5004上の完成したHD電池1000を、巻取りステーション5010で収集することができる。巻取りステーション5010は、本願で前述したロール400などの収集ロールを含むことができる。
【0100】
製造プロセス5000は、様々な他の段、ステップなどを含むことができる。たとえば、印刷ステーション5008の前に、ウェブ5004は、様々な電子構成要素を備えた補助ステーション5006を通過することができる。さらに、様々な層、基板などのいずれかまたはすべてを、プロセスに沿って予備ロールによって提供することができる。たとえば、第3の基板1020(すなわち、スペーサ層)は、第1の予備ロール5012によって、予備ウェブ5014を介して提供することができる。別の例では、第3の基板1020も同様に、第2の予備ロール5016によって、別の予備ウェブ5018を介して提供することができる。印刷ステーション5008の先頭付近に図示したが、予備ウェブ5014、5018のいずれかまたは両者を、製造プロセス5000に沿って様々な位置に提供できることを理解されたい。追加で、または別法として、剥離層などの廃棄物を廃棄物ウェブ5020として除去し、廃棄物ロール5022によって巻き取ることができる。様々な他の前処理および/または後処理ステーション、ステップなどを含むこともできる。記載したプロセス5000の様々なステーション、ロールなどは様々な順序で利用でき、また追加の機器(たとえば、アイドラ・ローラ、張力ローラ、ターンバー、切込み、または穿孔器など)をさらに提供して「オープンリール」式のプロセスを容易にできることを理解されたい。
【0101】
様々な他の追加のステップ(図示せず)を利用して、完成したHD電池セル1000に追加の構造、特徴などを提供することができる。一例では、第2の基板1004の「上部カバー」などのデバイス1000の外側部分に、HD電池セル1000を別の物体、表面などに取り付ける方法を提供することができる。たとえば、第2の基板1004は、感圧接着剤、別の接着層、マジックテープ式の留め具、液状または熱溶融接着剤などを含むことができる。別の例では、第2の基板1004の「上部カバー」などのHD電池セル1000の外側部分に、印刷された印またさらにはラベルなどを提供することができる。
【0102】
印刷された可撓性薄型電池には多くの潜在的な用途があり、例として、以下の一般的な範疇の1つまたは複数を含むことができる。
1.RFIDアセンブリ
2.広告および販売促進
3.玩具、ノベルティ商品、書籍、グリーティング・カード、およびゲーム
4.在庫追跡および制御(スマートRFIDタグなど)
5.セキュリティ・タグ
6.温度、湿度などの状態表示器
7.薬物送達、創傷治癒、疼痛管理、および/または化粧品を目的としてイオン導入または他の電気的機能を適用する皮膚パッチ、ならびに
8.スマートオムツ、失禁用製品などの健康管理用品
【0103】
具体的な実施例および実施形態を使用して、本発明を上述したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替形態を使用でき、また本明細書に記載の要素および/またはステップを均等物に置き換えることができることは、当業者に理解されるはずである。本発明を特定の状況に、または特定の要求に適合させるために、本発明の範囲から逸脱しない範囲で修正を行ってもよい。本発明は、本明細書に記載の具体的な実装形態および実施形態に限定されるものではなく、文言上または均等上(均等物の開示の有無を問わず)の観点からすべての実施形態をカバーするように特許請求の範囲には最も広い解釈が与えられるものとする。
【符号の説明】
【0104】
1000・・・セル、HDセル、電気化学セル、電池、HD電池
1002・・・第1の基板、下部積層フィルム基板、下部基板
1004・・・第2の基板、上部積層フィルム基板
1012A、1012B・・・カソード層、カソード
1014・・・アノード層、アノード
1016・・・カソード・コレクタ、カソード・コレクタ層
1018・・・誘電体層、絶縁誘電体層、絶縁層、絶縁体
1019・・・感圧接着剤、PSA層
1020・・・ピクチャ・フレーム、フレーム、第3の基板、スペーサ層
2000・・・セル、HDセル
2010・・・アノード
2012A、2012B・・・カソード
2018・・・誘電体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法であって、
第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側に複数のカソード層を提供するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、
その少なくとも一部分が前記複数のカソード層のうちの隣接する2つのカソード層間に位置するアノード層を前記誘電体層上に提供するステップと、
前記カソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側に中間スペーサ層としてフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、かつ前記内側空間内に前記カソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップと、
前記中間スペーサ層を介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記カソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方が、複数の層を有するウェブを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体層が、前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記カソード層が、ヒドロキシエチルセルロースを含む結合剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームを、複数の積層を有するウェブを含む第3の基板として提供するステップをさらに含み、前記積層の少なくとも1つが感圧接着剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して1になりまたは1に近づくような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の基板上に配置され、前記内側空間の周囲の境界を概して示すフレーム封止剤を提供するステップをさらに含み、前記フレーム封止剤が前記第1の基板と前記フレームの間に介在する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(1)前記複数のカソード層と前記第1の基板の間のカソード・コレクタ層、および(2)前記アノード層と前記第1の基板の間のアノード・コレクタ層の一方または両方を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法であって、
第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップであって、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方が、複数の層を有するウェブを含むステップと、
前記第1の基板の前記第1の側にカソード・コレクタ層を印刷するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に複数のカソード層を印刷するステップと、
前記誘電体層上にアノード層を積層するステップと、
前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側にフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、かつ前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップと、
スペーサとして利用される第3のウェブを介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記複数のカソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記誘電体層が、前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第3のウェブを、複数の積層を含む第3の基板として提供するステップをさらに含み、前記積層の少なくとも1つが感圧接着剤である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池であって、
複数の積層を含み、かつ第1の側および第2の側を画定する第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板の前記第1の側に設けられるカソード・コレクタ層と、
前記カソード・コレクタ層上に設けられる複数のカソード層と、
前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる誘電体層と、
前記誘電体層上に設けられ、前記誘電体層およびアノード・アセンブリ接着剤によって前記カソード・コレクタ層から絶縁されるアノード層と、
前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層と、
前記第1の基板および前記第2の基板間に介在して、前記第1の基板を前記第2の基板に接続して封止し、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分を収容するフレームとを含み、前記アノード層および前記複数のカソード層のうちの少なくとも一方が、硬化または乾燥させたインクを含む、電池。
【請求項17】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記アノード層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項16に記載の電池。
【請求項20】
前記複数のカソード層および前記アノード層のうちの一方だけが、乾燥または硬化させたインクから構成され、前記複数のカソード層および前記アノード層のうちの他方が、材料のストリップから構成される、請求項16に記載の電池。
【請求項1】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法であって、
第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側に複数のカソード層を提供するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、
その少なくとも一部分が前記複数のカソード層のうちの隣接する2つのカソード層間に位置するアノード層を前記誘電体層上に提供するステップと、
前記カソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側に中間スペーサ層としてフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、かつ前記内側空間内に前記カソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップと、
前記中間スペーサ層を介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記カソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方が、複数の層を有するウェブを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体層が、前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記カソード層が、ヒドロキシエチルセルロースを含む結合剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームを、複数の積層を有するウェブを含む第3の基板として提供するステップをさらに含み、前記積層の少なくとも1つが感圧接着剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して1になりまたは1に近づくような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の基板上に配置され、前記内側空間の周囲の境界を概して示すフレーム封止剤を提供するステップをさらに含み、前記フレーム封止剤が前記第1の基板と前記フレームの間に介在する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(1)前記複数のカソード層と前記第1の基板の間のカソード・コレクタ層、および(2)前記アノード層と前記第1の基板の間のアノード・コレクタ層の一方または両方を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池を製造する方法であって、
第1の側を含む第1の基板、および第2の基板を提供するステップであって、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方が、複数の層を有するウェブを含むステップと、
前記第1の基板の前記第1の側にカソード・コレクタ層を印刷するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に誘電体層を提供するステップと、
前記カソード・コレクタ層上に複数のカソード層を印刷するステップと、
前記誘電体層上にアノード層を積層するステップと、
前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層を提供するステップと、
前記第1の基板の前記第1の側にフレームを提供して、前記電解質を収容する内側空間を形成し、かつ前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分も収容するステップと、
スペーサとして利用される第3のウェブを介して前記第2の基板を前記第1の基板に接続し、前記複数のカソード層、前記アノード層、および前記電解質層を収容する前記内側空間を実質上封止するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記誘電体層が、前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第3のウェブを、複数の積層を含む第3の基板として提供するステップをさらに含み、前記積層の少なくとも1つが感圧接着剤である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
電流を生成する少なくとも1つの電気化学セルを含む電池であって、
複数の積層を含み、かつ第1の側および第2の側を画定する第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板の前記第1の側に設けられるカソード・コレクタ層と、
前記カソード・コレクタ層上に設けられる複数のカソード層と、
前記カソード・コレクタ層上で、前記複数のカソード層のうちの少なくとも隣接する2つのカソード層間に設けられる誘電体層と、
前記誘電体層上に設けられ、前記誘電体層およびアノード・アセンブリ接着剤によって前記カソード・コレクタ層から絶縁されるアノード層と、
前記複数のカソード層に接触し、かつ前記アノード層にも接触する粘性液を含む電解質層と、
前記第1の基板および前記第2の基板間に介在して、前記第1の基板を前記第2の基板に接続して封止し、前記電解質を収容する内側空間を形成し、また前記内側空間内に前記複数のカソード層の少なくとも主要な部分および前記アノード層の少なくとも主要な部分を収容するフレームとを含み、前記アノード層および前記複数のカソード層のうちの少なくとも一方が、硬化または乾燥させたインクを含む、電池。
【請求項17】
前記誘電体層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記アノード層が、前記2つの隣接するカソード層から等距離に位置する、請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記カソード・コレクタ層が、正方形の数が概して3以下になるような長さおよび幅を有する幾何形状を含む、請求項16に記載の電池。
【請求項20】
前記複数のカソード層および前記アノード層のうちの一方だけが、乾燥または硬化させたインクから構成され、前記複数のカソード層および前記アノード層のうちの他方が、材料のストリップから構成される、請求項16に記載の電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2011−508384(P2011−508384A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539800(P2010−539800)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087424
【国際公開番号】WO2009/085950
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510170729)ブルー スパーク テクノロジーズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087424
【国際公開番号】WO2009/085950
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510170729)ブルー スパーク テクノロジーズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
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