太陽電池モジュールの架台及び当該架台を使用した太陽電池システム
【課題】設置面への取付後でも太陽電池モジュールの勾配調整が容易であって、簡易な構成且つ低コストでより早く施工することが可能な太陽電池モジュールの架台及び太陽電池システムを提供する。
【解決手段】
太陽電池モジュール2を設置面200に対して支持する第1支持部材20及び第2支持部材30,0A,30Bを有する。第1支持部材20は、太陽電池モジュール2を設置面200に対して揺動自在に支持する。第2支持部材30,30A,30Bは、上端部が太陽電池モジュール2の上端側に接続され、下端部が設置面200に接続される。第2支持部材30,30A,30Bは、太陽電池モジュール2の設置面200に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸33により長さ調整を行う長さ調整手段4,4A,4B,4C,4D,4E,4Fを含む。
【解決手段】
太陽電池モジュール2を設置面200に対して支持する第1支持部材20及び第2支持部材30,0A,30Bを有する。第1支持部材20は、太陽電池モジュール2を設置面200に対して揺動自在に支持する。第2支持部材30,30A,30Bは、上端部が太陽電池モジュール2の上端側に接続され、下端部が設置面200に接続される。第2支持部材30,30A,30Bは、太陽電池モジュール2の設置面200に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸33により長さ調整を行う長さ調整手段4,4A,4B,4C,4D,4E,4Fを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの勾配調整が可能な太陽電池モジュールの架台及び当該架台を使用した太陽電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電システムの普及が進んでいる。公共施設や工場建物の陸屋根の水平な設置面に対する太陽光発電システムの太陽電池モジュール及びその設置架台の施工は、風圧荷重に耐えるために建物の屋上部と接合されたブロックやコンクリートなどの基礎の上に架台フレームを組み立て、そのフレームに太陽電池モジュールを取り付ける方法で行なわれることが多い(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、置き基礎の上に縦レールを設置し、この縦レールの上に太陽電池パネルを傾斜させて支持する支持部材を設置する支持構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−152619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に開示の構造では、建物の屋上に太陽電池パネルの支持構造を設置するに際して、屋上の仕上げ具合や雨水を流すための雨水勾配傾斜により、設置面が完全な水平でなくむらがある場合や、複数の置き基礎の上面の水平レベルが不揃いである場合、太陽電池パネルの勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなど複数種類のものを多数用意して、これらを架台脚の底面と置き基礎との間に入れて高さ調整を行い、複数の架台脚間で水平を出すための調整を行う必要がある。このため、作業に時間が掛かり、施工時の作業効率が悪くなるとともに、施工コストも嵩む。
【0006】
また、ライナ等が架台脚の底面と置き基礎との間に単に挟みこまれただけの場合には、上部の架台に掛かる風圧力や地震力に対して、長期にわたってその機能を維持することは困難である。そのため、ライナ等を架台脚に溶接で止めることも考えられるが、溶接作業は環境の制限等があり、実行に移すのは困難をともなう。また、地震や経年変化により、架台の高さにずれが生じた場合、このようなずれを修復する作業も難航する。
【0007】
さらに、数十枚の太陽電池パネルを、同じ勾配で正確に敷き詰めるには、その架台が設置面全域にわたって同一の傾斜面を形成せしめる必要がある。架台は、主に主部材と補助部材とからなるが、これら相互の組み合わせを短時間に、且つ、最終目的である設置面全域にわたって同一の傾斜面を正確に形成せしめるようにするには、各部材の構成や作業方法を改善する必要がある。
【0008】
本発明は、設置面への取付後でも太陽電池モジュールの勾配調整が容易であって、簡易な構成且つ低コストでより早く施工することが可能な、取付・傾斜角度調整の作業効率の良い太陽電池モジュールの架台、及び当該架台を使用した太陽電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、太陽電池モジュールの勾配調整が可能な太陽電池モジュールの架台において、設置面に傾斜して設けられる太陽電池モジュールの傾斜面下側の第1端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して揺動自在に支持する第1支持部材と、上端部が前記太陽電池モジュールの前記第1端部よりも傾斜面上側の第2端部に接続され、下端部が前記設置面に設けられた基礎部材に接続され、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して支持する第2支持部材であって、前記太陽電池モジュールの前記設置面に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸により長さ調整を行う長さ調整手段を含む第2支持部材と、前記長さ調整手段による前記第2支持部材の長さ調整で生じる前記太陽電池モジュールの傾斜角度の変化による前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部との第1接続点の移動を許容するための許容手段であって、前記第1接続点における前記第2支持部材と前記太陽電池モジュールとの接続が互いにスライド移動可能及び揺動可能の少なくとも1つの方法での接続である許容手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施形態は、上記構成を有する架台を使用した太陽電池システムにおいて、上記の架台と、前記架台により前記設置面に対して傾斜角度調整可能に支持される前記太陽電池モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、設置面が完全な水平でなくむらがある場合や複数の基礎部材の寸法や上面の水平レベルが不揃いである場合であっても、架台を設置面に取り付け、水平レベルの調整を行わずに架台に太陽電池モジュールを取り付け、その後、後側支持部材の長さを調整することで太陽電池モジュールの勾配調整を行うことができる。したがって、太陽電池モジュールの勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなどを架台の底面と基礎部材との間に入れて高さ調整を行い、複数の架台間で水平を出すための調整を行う作業を行う必要がない。よって、架台及び太陽電池モジュールの取付・傾斜角度調整の作業効率を向上させることができるため、より少人数で、より短い施工期間で、より低コストで架台及び太陽電池システムの設置工事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る、建物の陸屋根設置面に配置した太陽電池システムの全体構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図3】第1実施形態に係る太陽電池システムの背面図である。
【図4】第1実施形態に係る太陽電池システムの前側支持部材まわりの拡大断面図である。
【図5】第1実施形態に係る太陽電池システムの架台の長さ調整手段の拡大断面図であって、図2のV−V線に沿った断面図である。
【図6】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図7】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図8】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図9】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図10】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図11】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図12】第1実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段の拡大図である。
【図13】図12の許容手段を背面から見た拡大断面図であって、図2のXIII−XIII線に沿った断面図である。
【図14】許容手段の変形例の拡大図である。
【図15】許容手段の変形例の拡大図である。
【図16】許容手段の変形例の拡大図である。
【図17】許容手段の変形例の拡大図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図19】第2実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段の斜視図である。
【図20】第2実施形態に係る許容手段の拡大断面図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図22】第3実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段(下側)の拡大断面図であって、図21のXXII−XXII線に沿った断面図である。
【図23】第3実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段(上側)の拡大断面図であって、図21のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。
【図24】本発明の第4実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図25】本発明の第5実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図26】本発明の第6実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図27】補助支持部材の下端部の取付構成の変形例を示す拡大図である。
【図28】補助支持部材の下端部の取付構成の変形例の側面を示す拡大図である。
【図29】図28の変形例の背面を示す拡大図である。
【図30】図28の変形例の平面を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に共通する又は同様の機能を有する構成には同じ符号を付している。
【0014】
[第1実施形態]
図1から図16を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽電池システム1の全体構成を示す斜視図である。
【0015】
本発明の第1実施形態に係る太陽電池システム1は、建物100の陸屋根の略平坦な設置面200に所定数配置される。太陽電池システム1は、太陽光Sに向けて配置されて太陽光Sを受けて電気を発電するための太陽電池モジュール2と、上部に太陽電池モジュールが取り付けられ、下部が設置面200に取り付けられる架台3とからなる。また、太陽電池モジュールで発電した電気は、図示しない配線によって太陽電池モジュールから蓄電装置等に送られるようになっている。
【0016】
太陽電池モジュール2は、太陽光Sを受けて発電する1枚以上の太陽電池パネルからなる。この太陽電池パネルの枚数は、太陽電池モジュール2を支持する架台3の大きさや、設置面200の広さや建物100の耐荷重能力、目標とする発電量等を勘案して任意に決定される。太陽電池モジュール2は、より多くの太陽光Sを吸収し、効率的に発電を行うため、図1及び図2に示すように、太陽光Sに向けて勾配αをもって設置される。
【0017】
架台3は、設置面200に固定されたコンクリートブロック等の前側及び後側基礎部材10、11に載置され、太陽電池モジュール2を設置面200に対して勾配をもって固定支持する。架台3は、太陽電池モジュール2との取付部分と設置面200との間隔を調整可能な構成となっている。また、架台3は、太陽電池モジュール2の設置面200に対する方向や勾配を調整可能な構成となっている。図2及び図3に示すように、架台3は、取付フレーム13、前側支持部材20、後側支持部材30から形成されている。
【0018】
取付フレーム13は、前後一対の横フレーム13a、13aと左右一対の傾斜フレーム13b、13bとで形成された矩形状のフレームであり、ねじ等により太陽電池モジュール2の背面側に固定される。本実施形態では、横フレーム13a、13a及び傾斜フレーム13b、13bの断面形状は、中空の四角形としている。但し、断面形状はこれに限定されず、取付フレーム13が太陽電池モジュール2に固定可能であれば、I型、H型、みぞ型、山型、中空の円形(筒状)などであってもよい。
【0019】
図4に示すように、前側支持部材20は、前側基礎ブラケット21、前側取付ブラケット22、前側アンカーボルト24、前側アンカーボルト固定ナット25、前側ボルト26、前側ナット27を含む。
【0020】
前側アンカーボルト24は、前側基礎部材10に固定されている。例えば、前側基礎部材10がコンクリートブロックの場合、前側アンカーボルト24は、一部がコンクリートブロックに埋め込まれている。
【0021】
前側基礎ブラケット21は、鍔付きの前側ボルト26の胴部が貫通する貫通孔21c、21cが設けられた左右一対の壁部21a、21aとこれらの壁部21a、21aをつなぐ底部21bとから形成されており、略コ字上の断面形状を有する。底部21bに設けられた貫通孔に前側基礎部材10に固定された前側アンカーボルト24を挿通し、底部21bから突出した前側アンカーボルト24のねじ部に前側ボルト固定ナット25をねじ込むことにより、前側基礎ブラケット21が前側基礎部材10に対して固定されるようになっている。本実施形態では、前側基礎ブラケット21を前側基礎部材10にナットにより固定しているが、溶接によって固定してもよく、固定の方法は既存の任意の方法から適宜選択することができる。
【0022】
前側取付ブラケット22は、一対の平板22a、22aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの前側(勾配の下側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。但し、固定の仕方は溶接に限定されず、ボルト等であってもよい。また、前側取付ブラケット22は、前側基礎ブラケット21のような断面コ字状のものであってもよい。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板22a、22aには、側面視(図2の正面視)で互いに同一個所に位置する前側ボルト26の胴部が貫通する貫通孔22b、22bが設けられている。
【0023】
前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aの間に前側取付ブラケット22の平板22a、22aを挟んだ状態で、前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aに設けられた貫通孔21c、21cと、前側取付ブラケット22の一対の平板22a、22aに設けられた貫通孔22b、22bとの位置を合わせ、これらの貫通孔21c、21c、22b、22bに前側ボルト26の胴部を通し、前側ボルト26のねじ部に前側ナット27をねじ込むことにより、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とが互いに回動可能或いは揺動可能に接続する。貫通孔21c、21cの径は、前側ボルト26の鍔部及び前側ナット27の径よりも小さく設定されている。このような構成により、前側基礎ブラケット21、前側取付ブラケット22、取付フレーム13を介して、太陽電池モジュール2が設置面200に対して、勾配角度が変更可能なように支持されるようになっている。本実施形態では、前側取付ブラケット22と前側基礎ブラケット21とを前側ボルト26の鍔部と前側ナット27とで挟む構成としたが、緩み止めのための溝付きのワッシャを間に入れて、前側ボルト26の鍔部と当該ワッシャ、前側ナット27とで挟む構成としてもよい。
【0024】
後側支持部材30は、支柱31、後側ボルト(アンカーボルト)33、1組の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34b、後側取付ブラケット36、スライドボルト37、スライドボルトナット38、ワッシャ39を含む。
【0025】
後側ボルト33は、後側基礎部材11に、そのねじ軸が突出した状態で固定されている。例えば、後側基礎部材11がコンクリートブロックの場合、後側ボルト33は、一部がコンクリートブロックに埋め込まれている。また、後側ボルト33のねじ軸には、上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bが螺合可能となっている。
【0026】
後側取付ブラケット36は、一対の平板36a、36aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの後側(勾配の上側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。但し、固定の仕方は溶接に限定されず、ボルト等であってもよい。また、後側取付ブラケット36は、前側基礎ブラケット21のような断面コ字状のものであってもよい。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板36a、36aには、側面視(図2の正面視)で互いに同一個所に位置する鍔付きのスライドボルト37の胴部が貫通する細長楕円形の長孔36b、36bが設けられている。長孔36b、36bは、図12及び図13に示すように、スライドボルト37の胴部がその内部でスライド移動可能なように形成されている。また、長孔36b、36bの短手方向の径は、スライドボルト37の鍔部、スライドボルトナット38、ワッシャ39の径よりも小さく設定されている。
【0027】
支柱31は、図5に示すように、側壁31aと底壁31bとからなる細長の角形鋼管である。底壁31bには、後側基礎部材11から突出した後側ボルト33のねじ部が貫通するボルト貫通孔31cが形成されている。左右方向の2つの側壁31a、31aの上端部には、スライドボルト37の胴部が貫通するスライドボルト貫通孔31dが形成されている。また、背面側の側壁31aの下端部には、ボルト貫通孔31cを貫通した後側ボルト33のねじ部にねじ込まれた上側高さ調節ナット34aをスパナ等の工具で回転可能なように、開口部31eが形成されている。なお、本実施形態では、支柱31を角形鋼管としたが、材料も形状もこれに限定されない。例えば、形状は、H型鋼やみぞ型鋼、山形鋼であってもよい。これらの形状の場合には、その下端に底壁31bに相当するものを形成しておけばよく、元々開放面で形成されているため、開口部31eを省略することもできる。また、材料は、例えば、鉄やアルミニウム等の金属のほか、木、セラミック、樹脂等を使用してもよく、要求される強度と耐久性を有するものであればよい。
【0028】
上記のような構成を持つ支柱31は、下側高さ調節ナット34bがねじ込まれた後側ボルト33のねじ部を底壁31bのボルト貫通孔31cに通し、その後、底壁31bから突出している後側ボルト33のねじ部に上側高さ調節ナット34aをねじ込んでいくことで、後側基礎部材11に取り付けられる、つまり、設置面200に対して接続され、固定される。すなわち、底壁31bを両側から挟む上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bの後側ボルト33の軸上における位置を変更することにより、支柱31の上下位置を調整することができる。換言すれば、後側支持部材30は、その長さが調整可能となっており、長さ調整手段4として、底壁31b、後側ボルト33、上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34bを含む。
【0029】
上記のような構成を持つ支柱31は、側壁31aを後側取付ブラケット36の一対の平板36a、36aの間に挟んだ状態で、平板36a、36aの長孔36b、36bと左右一対の側壁31a、31aのスライドボルト貫通孔31d、31dにスライドボルト37の胴部を挿通させ、スライドボルト37のねじ部にワッシャ39を嵌めて、スライドボルトナット38をねじ込んでいくことで、支柱31に取り付けられる。スライドボルト37のねじ部は、一対の平板36a、36aの対向幅よりも内側まで形成されており、スライドボルトナット38を内側にねじ込んでいくことにより、スライドボルト37の鍔部とスライドボルトナット38、ワッシャ39とで一対の平板36a、36aを挟むことができるようになっている。これにより、スライドボルト37は、スライドボルトナット38のねじ込みを緩めた状態では、長孔36b内でスライド移動自在となり、スライドボルトナット38を内側に強くねじ込んだ状態では、長孔36b内でその位置が固定される。すなわち、支柱31と傾斜フレーム31bとの接続点を、長孔36bの長手方向に移動可能、且つ、長孔36b内で固定可能な構成となっている。換言すれば、架台3は、後側支持部材30の長さ変化によって生じる支柱31と傾斜フレーム31bとの接続点の位置変化を許容可能な構成となっており、その許容手段5として、長孔36b、スライドボルト37を含む。なお、ワッシャ39は、緩み止めのための溝付きのものを使用してもよいし、省略してもよい。
【0030】
上記のような構成を持つ前側支持部材20及び後側支持部材30がそれぞれ左右一対で形成され、設置面200に対して、太陽電池モジュールが取り付けられる取付フレーム13が4点で支持されるようになっている。
【0031】
次に、上記のように構成された第1実施形態に係る太陽電池システム1の設置面200への設置方法及び勾配調整方法について説明する。
【0032】
前側アンカーボルト24及び後側ボルト33が埋め込まれた前側基礎部材10及び後側基礎部材11を、取付フレーム13を支持する4点の下側に配置されるように、設置面200に形成及び設置する。前側基礎部材10の底部21bに設けられた貫通孔に前側基礎部材10に固定された前側アンカーボルト24を挿通し、底部21bから突出した前側アンカーボルト24のねじ部に前側ボルト固定ナット25をねじ込んで、前側基礎ブラケット21を前側基礎部材10に対して固定する。これを左右両側の前側基礎部材10について行う。一方、後側基礎部材11の上面から突出する後側ボルト33のねじ部に下側高さ調節ナット34bをねじ込み、この後側ボルト33のねじ部に支柱31の底壁31bに形成されたボルト貫通孔31cをはめ込む。その後、開口部31eから上側高さ調節ナット34a及びスパナ等の工具を差し込み、底壁31bから突出している後側ボルト33のねじ部に上側高さ調節ナット34aをねじ込んで、支柱31を後側基礎部材11に対して取り付ける。これを左右両側の後側基礎部材11について行う。このとき、後側ボルト33に対する上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bの位置は、左右の後側基礎部材11について、ほぼ同じ位置に設定しておくとよい。
【0033】
取付フレーム13を、前後一対の横フレーム13a、13aと左右一対の傾斜フレーム13b、13bとで形成し、この矩形フレームをねじ等により太陽電池モジュール2の背面側に固定する。左右一対の傾斜フレーム13b、13bのそれぞれに、前側取付ブラケット22、22及び後側取付ブラケット36、36をボルト等で固定する。これらの作業は、工場で予め行っておき、既に組み立てられた取付フレーム13及び太陽電池モジュール2を現場に搬送するようにしてもよい。このようにした場合には、現場での作業が減り、現場での施工効率が向上する。
【0034】
取付フレーム13の傾斜フレーム31bに取り付けられた前側取付ブラケット22を前側基礎部材10に固定された前側基礎ブラケット21の壁部21a、21a間に差し込み、前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aに設けられた貫通孔21c、21cと前側取付ブラケット22の一対の平板22a、22aに設けられた貫通孔22b、22bとの位置を合わせた状態で、これらの貫通孔21c、21c、22b、22bに前側ボルト26の胴部を通す。その後、前側ボルト26のねじ部に前側ナット27をねじ込んで、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とを互いに回動可能或いは揺動可能に接続する。これを左右両側の前側基礎ブラケット21及び前側取付ブラケット22について行う。
【0035】
一方、取付フレーム13の傾斜フレーム31bに取り付けられた後側取付ブラケット36の平板36a、36aで、後側基礎部材11に接続された支柱31の左右の側壁31a上部を挟み込んだ状態で、平板36a、36aの長孔36b、36bと左右一対の側壁31a、31aのスライドボルト貫通孔31d、31dにスライドボルト37の胴部を挿通させる。その後、スライドボルト37のねじ部にワッシャ39を嵌めて、スライドボルトナット38をねじ込んで、傾斜フレーム31bを支柱31に取り付ける。これを左右両側の傾斜フレーム31b及び支柱31について行う。このとき、長孔36b、36b内におけるスライドボルトナット38の位置は、左右の傾斜フレーム31b、31b及び支柱31、31について、ほぼ同じ位置に設定しておくとよい。
【0036】
上記の状態では、左側の傾斜フレーム31bと左側の支柱31との左側接続点、及び、右側の傾斜フレーム31bと右側の支柱31との右側接続点の設置面200からの高さは、設置面の水平度、後側基礎部材11の寸法精度等に影響されており、必ずしも同位置とは限らず、互いにずれていることが多い。 つまり、上記の状態では、太陽電池モジュール2は歪んでいて、その勾配が、左右で異なっていることが多い。
【0037】
上記の方法で仮止めした状態で、太陽電池モジュール2が所望の勾配を有し、且つその勾配が左右で均一であれば、その状態のまま、スライドボルトナット38の仮止めを本締めする作業を行い、太陽電池システム1の設置面200への設置作業を完了する。
【0038】
上記の方法で仮止めした状態で、太陽電池モジュール2が所望の勾配を有していない場合、或いは、その勾配が左右で均一でなく、修正する必要がある場合には、太陽電池モジュール2の勾配調整を行う。まず、左右両側のスライドボルトナット38に仮止めしていたスライドボルトナット38を緩める。次に、底壁31bを両側から挟んで支柱31の高さを固定している上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bをスパナ等の工具で回転させて、太陽電池モジュール2が所望の勾配や左右均一の勾配となるように、左右両側の支柱31の高さを調整する。支柱31の高さの調整が完了したら、上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bを本締めする。最後に、緩めたスライドボルトナット38を左右両側のスライドボルトナット38に本締めする作業を行い、太陽電池システム1の設置面200への設置及び勾配調整作業を完了する。
【0039】
太陽電池システム1の設置面200への設置後、地震や経年変化により太陽電池モジュール2の勾配にずれが生じた場合も、上記と同様の方法で勾配調整を行う。
【0040】
上記の方法の順序は必ずしもその記載順序に限定されない。同時或いは先後を変えて行うことができる方法も含んでいる。例えば、取付フレーム13を設置面200に対して固定し、その後、取付フレーム13に太陽電池モジュール2を取り付けるようにしてもよい。
【0041】
第1実施形態に係る太陽電池システム1は、以下に記すように、1.施工工期短縮、2.施工コスト削減(施工手間、施工期間、搬送費の削減等による)、3.施工後調整可能、4.勾配調整容易、5.強度を維持しつつ簡素な構成を実現、6.装置自体の低コスト化(材料費削減等による)、7.広範な設置可能対象場所(荷重低減等による)の点で特に有益である。
【0042】
設置面200が完全な水平でなくむらがある場合や複数の後側基礎部材11の寸法や上面の水平レベルが不揃いである場合であっても、架台3を設置面200に取り付け、水平レベルの調整を行わずに架台3に太陽電池モジュール2を取り付け、その後、後側支持部材30の長さを調整することで太陽電池モジュール2の勾配調整を行うことができる。したがって、太陽電池モジュール2の勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなどを架台3の底面と後側基礎部材11との間に入れて高さ調整を行ったり、複数の架台3間で水平を出すための調整を行ったりする作業が不要となる。よって、架台3及び太陽電池モジュール2の取付・傾斜角度調整の作業効率を向上させることができるため、より少人数で、より短い施工期間で、より低コストで架台3及び太陽電池システム1の設置工事を行うことができる。
【0043】
また、設置面200付近に長さ調整手段4を設けているので、低い位置で安全に効率良く太陽電池モジュール2の勾配の調整作業ができる。
【0044】
また、後側支持部材30と設置面200とは、ねじ軸である後側ボルト33を介して強固に固定されているため、上部の架台3や太陽電池モジュール2に掛かる風圧力や地震力に対して、長期にわたってその機能を維持することができる。
【0045】
また、架台3及び太陽電池システム1の施工後、地震や経年変化により架台の高さにずれが生じた場合であっても、容易に架台3及び太陽電池モジュール2の取付・傾斜角度調整を行うことができる。
【0046】
また、必要強度を維持しつつ非常に簡素な構成の装置とすることができる。したがって、材料費を低減し、組み立て作業をより簡易なものとすることができる。また、装置の荷重を低減できるので、設置面200である屋根への荷重負荷を低減することができる。
【0047】
また、架台3を複数設置し、当該複数の架台3に搭載する太陽電池モジュール2のパネルが数十枚等の多枚数となる場合であっても、これら全てのパネルを同じ勾配で正確に敷き詰めることが短時間で容易にできる。
【0048】
また、後側基礎部材11に直接後側ボルト33が固定され、この後側ボルト33に後側支持部材30が接続されているので、架台3の左右の後側支持部材30、30を載置するための比較的重量のあるベースチャネルを左右の後側基礎部材11間に架け渡す必要がない。よって、ベースチャネルを省略でき、設置面200である建物100の屋根への荷重負荷が低減できるため、より多くの場所を太陽電池システム1の設置可能対象とすることができる。また、施工現場や設置面である屋上への搬送費用、手間、ベースチャネル自体の材料費を削減することができ、装置自体の底コスト化、施工工事の低コスト化及び短期間化を図ることが可能となる。
【0049】
上記の長さ調整手段4は、図6乃至図11で示す変形例のような構成であってもよい。
【0050】
図6に示す長さ調整手段4Aは、後側基礎部材11がコンクリートブロックではなく、フランジ及び蓋付きの円筒鋼であり、この後側基礎部材11の上面に形成された貫通孔に後側ボルト33が挿通された状態で溶接により固定されている点が長さ調整手段4と異なる。後側基礎部材11は、設置面200にフランジを介してボルトにより固定されている。
【0051】
図7に示す長さ調整手段4Bは、後側ボルト33が設置面200に直接固定されている、つまり、後側基礎部材11が省略されている点が長さ調整手段4と異なる。
【0052】
図8に示す長さ調整手段4Cは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく支柱31の底壁31bに固定され、後側ボルト33のねじ部が螺合するねじ溝90aを内周面に有する円筒部材90を含み、この部分で高さ調整が行われる点が長さ調整手段4と異なる。円筒部材90は、回動部材92を介して、後側基礎部材11に後側ボルト33の軸まわりに回動自在に接続されている。円筒部材90は、上面が開口面となっており、この開口面から後側ボルト33のねじ部が挿入される。また、円筒部材90の周面部には、後側ボルト33の軸方向に延び、内側から外側に貫通する固定長孔90bが形成されている。さらに、円筒部材90の周面には、円筒部材90を後側ボルト33の軸まわりに回転させるための取っ手93が設けられている。後側ボルト33のねじ部には、複数の固定ねじ孔33aが形成されている。長さ調整手段4Cにおける長さ調整は、取っ手93を持って円筒部材90を回転させて、円筒部材90の上面開口部から後側ボルト33のねじ部をねじ込んでいき、所望の深さだけねじ込みが完了したら、固定長孔90bを介して固定ボルト91を固定ねじ孔33aの1つにねじ込むことにより行われる。したがって、長さ調整手段4Cでは、固定ボルト91により、後側ボルト33の軸回りの回転が阻止されるので、意図せず後側支持部材30の長さが変更されてしまうことを防ぐことができる。
【0053】
図9に示す長さ調整手段4Dは、ねじ溝を有するねじ軸41が支柱31側にも固定されて設けられ、円筒状の高さ調整筒42の内部に、ねじ軸41のねじ部及び後側ボルト33のねじ部が螺合する点が長さ調整手段4と異なる。長さ調整手段4Dでは、高さ調整筒42を回転させるだけで後側基礎部材11と支柱31との離間距離を調整することができる。また、高さ調整筒42の意図しない回転を阻止するために、その両側に、ねじ軸41のねじ部及び後側ボルト33のねじ部に螺合する高さ調整筒42を締め付けるためのボルトを設けてもよい。また、長さ調整手段4Cのように、高さ調整筒42を回転させるための取っ手を設けてよい。
【0054】
図10に示す長さ調整手段4Eは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく支柱31の底壁31bに固定され、後側基礎部材11がみぞ型鋼であり、この後側基礎部材11の上面に開いた貫通孔に後側ボルト33のねじ部が挿通されて両側から上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bで挟まれて固定され、この部分で高さ調整が行われる点が長さ調整手段4と異なる。
【0055】
図11に示す長さ調整手段4Fは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく、レール上のみぞ型鋼44の上部に固定され、このみぞ型鋼44が複数の後側基礎部材11上に載置、固定されている点が調整手段4Cと異なる。このように、図1乃至図5、図9では、後側基礎部材11から直接後側ボルト33を立ち上げる構成としたが、本発明はこれに限定されない。また、前側支持部材30についても、同様にレール状のみぞ型鋼44を複数の前側基礎部材10上に固定して、みぞ型鋼44の上部に前側基礎ブラケット21を固定する構成としてもよい。この場合には、左右一対の前側支持部材20及び左右一対の後側支持部材30のそれぞれの左右方向の離間幅に関係なく、設置面200に前側基礎部材10及び後側基礎部材11の配置を行うことができる。
【0056】
上記の許容手段5は、図14乃至図17で示す変形例のような構成であってもよい。
【0057】
図14に示す許容手段5Aは、後側取付ブラケット36Aの長孔36bの傾斜フレーム31b側(太陽電池モジュール側)に、スライドボルト37の胴部が嵌合して、その長孔36bの長手方向への移動を阻止する係止溝(凹部)36cが、長孔36bの長手方向に沿って複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Aでは、スライドボルト37の胴部を係止溝(凹部)36cに嵌合させた状態で、スライドボルトナット38を本締めする。したがって、本締めの後に、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。許容手段5Aを採用する場合、係止溝(凹部)36cがあっても平板36a、36aを挟み込んで、所望の強さでスライドボルト37の位置を固定できるほどの径を有するワッシャを平板36a、36aの両側に使用することも考えられる。
【0058】
図15に示す許容手段5Bは、許容手段5Aと同様の長孔36b、係止溝(凹部)36cを有するが、許容手段5Aと異なり、後側取付ブラケット36Bの長孔36bに嵌る嵌め材40を含む。嵌め材40は、スライドボルト37の胴部を係止溝(凹部)36cに嵌めた後、長孔36bに嵌められ、スライドボルト37の下側(設置面200側)への移動を阻止する。許容手段5Bでは、強風等により太陽電池モジュールが上方向(勾配が大きくなる方向)の力を受けたとしても、嵌め材40がスライドボルト37の下側への移動を阻止するため、スライドボルト37の胴部が係止溝(凹部)36c内に留まり、長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0059】
図16に示す許容手段5Cは、長孔36bの短手方向両側に、長孔36bの長手方向に沿って、ボルト45が挿入されるボルト孔36dが複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Cでは、後側取付ブラケット36Cに対してスライドボルト37の位置を固定する際、4本のボルト45の頭部がスライドボルト37の頭部に当接するように、4本のボルト45をボルト孔36dに挿入して、後側取付ブラケット36Cにナットにより固定する。これにより、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0060】
図17に示す許容手段5Dは、長孔36bの短手方向片側(本実施形態では上側)に、長孔36bの長手方向に沿って、ボルト45が挿入されるボルト孔36dが複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Dでは、後側取付ブラケット36Dに対してスライドボルト37の位置を固定する際、2本のボルト45の頭部がスライドボルト37の頭部に当接するように、2本のボルト45をボルト孔36dに挿入して、後側取付ブラケット36Dにナットにより固定する。これにより、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0061】
上記の実施形態では、架台3は、所定以上の強度を有した強度材料によって形成される。強度材料としては、例えば、鋼材が挙げられるが、所望の強度を出せる材料であればよい。
【0062】
上記の実施形態では、太陽発電モジュール2を取り付けた取付フレーム13に前側支持部材20及び後側支持部材30を接続する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、取付フレーム13を省略し、前側取付ブラケット22及び後側取付ブラケット36を太陽発電モジュール2に直接ねじ止め等で固定するようにしてもよい。
【0063】
上記の実施形態では、前側支持部材20を、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とにより回動可能な構成としたが、前側基礎ブラケット21及び前側取付ブラケット22の代わりに、蝶番で回動可能に接続された2枚の平板を用いてもよい。また、取付フレーム13を省略し、前記一対の平板のうちの1つを太陽発電モジュール2に直接ねじ止め等で固定するようにしてもよい。
[第2実施形態]
【0064】
図18は、本発明の第2実施形態に係る太陽発電システム1Aの側面図である。第2実施形態に係る太陽発電システム1Aは、許容手段の構成のみ第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0065】
図18乃至図20に示すように、第2実施形態に係る太陽発電システム1Aの許容手段5Dは、蝶番で回動可能に接続された一対の平版である下側平板50及び上側平板51を含む。下側平板50には、支持ボルト53が貫通する貫通孔50aと、勾配調整ボルト55が貫通する貫通孔50bとが形成されている。下側平板50には、支持ボルトナット54が、そのねじ穴を貫通孔50aと合わせた状態で、溶接等により固定されている。また、下側平板50には、勾配調整ボルトナット56が、そのねじ穴を貫通孔50bと合わせた状態で、溶接等により固定されている。上側平板51には、取付ボルト58が貫通して内部でスライド移動及び固定可能な細長楕円形の上側長孔51aが形成されている。
【0066】
後側支持部材30Aの支柱31Aは、上側の構成のみ後側支持部材30の支柱31と異なり、それ以外は同様の構成を有する。支柱31Aの上面は開口した上面開口部31fとなっている。支柱31Aの上面開口部31f付近の背面側の側壁38aには、上側開口部31gが形成されており、スパナ等により、支持ボルト53の頭部を回転させることができるようになっている。
【0067】
次に、上記のような構成を有する許容手段5Dの仮組立の方法を説明する。まず、支柱31の上部と下側平板50とを図示しないボルト等で接合し互いに固定する。そして、支持ボルト53を、下側平板50の貫通孔50a及び支持ボルトナット54のねじ穴に螺合させる。続いて、勾配調整ボルト55を、下側平板50の貫通孔50b及び勾配調整ボルトナット56のねじ穴に螺合させる。このとき、勾配調整ボルト55の胴部先端部を上側平板51の底面に当接するようにしておく。この状態で上側平板51は下側平板50に対して所定の勾配を持って仮止めされている。所定の勾配は、目的とする太陽電池モジュール2の勾配に近いものとしておくのがよい。
【0068】
そして、所定の勾配をもった上側平板51の上面に取付フレーム13の傾斜フレーム13bを載せた状態で、上側平板51に形成された上側長孔51aに取付ワッシャ59とともに取付ボルト58を挿通し、傾斜フレーム13bに設けられたボルト穴に取付ボルト58を螺合させて、上側平板51を傾斜フレーム13bに仮止めする。このとき、取付ボルト58の胴部は上側長孔51a内でスライド移動可能な状態とし、上側平板51と傾斜フレーム13bとが相対移動可能な状態としておく。これを左右の後側支持部材30Aについて行う。これで許容手段5Dの仮組立を完了する。
【0069】
次に、上記の仮組立後の許容手段5Dによる勾配調整方法を説明する。勾配調整ボルト55のねじ込み長さを変更して上側平板51の勾配を調整し、太陽電池モジュール2が所望の勾配となるように調整する。上側平板51の勾配の調整が完了したら、上側平板51が傾斜フレーム13bの取付面に平行に面で接触するように、長さ調整手段4により支柱31A、つまり、下側平板50及び上側平板51の高さを調整する。これを左右の後側支持部材30Aについて行う。このとき、太陽電池モジュール2が所望の勾配となっているかを確認する。太陽電池モジュール2が所望の勾配となっていない場合には、上記の調整を繰り返す。太陽電池モジュール2が所望の勾配となっている場合には、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34b、及び取付ボルト58を本締めして、左右両側の、支柱31及び後側基礎部材11どうし、上側平板51及び傾斜フレーム13bどうしが相対移動しないように固定する。このとき、支持ボルト53の胴部先端部を上側平板51の底面に当接させて、勾配調整ボルト55とともに取付フレーム13及び太陽電池モジュール2の荷重を支持するようにしておく。これで、勾配調整及び取付作業が完了する。
【0070】
第2実施形態に係る太陽電池システム1Aによれば、平板状の上側平板51で傾斜フレーム13bを面で支持するため、太陽電池モジュール2に固定された傾斜フレーム13bをより安定して支えることができる。
【0071】
第2実施形態でも、第1実施形態で述べたのと同様の変形が可能である。例えば、取付フレーム13を省略して、許容手段5Dの上側平板51を太陽電池モジュールに直接取り付けるような構成としてもよい。
[第3実施形態]
【0072】
図21は、本発明の第3実施形態に係る太陽発電システム1Bの側面図である。第3実施形態に係る太陽発電システム1Bは、許容手段の構成のみ第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0073】
図21乃至図23に示すように、第3実施形態に係る太陽発電システム1Bの許容手段5Eは、後側支持部材30Bの両端が回動及び固定可能に構成されており、この点が第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なる。
【0074】
後側支持部材30Bの後側基礎部材11Bには、後側ボルト33の代わりに、前側基礎部材10と同様な、壁部60a、底部60b、貫通孔60cを有する断面略コ字状の後側基礎ブラケット60が固定されている。また、後側ボルト33の下端には、壁部61a、底部61b、貫通孔61cを有する断面略コ字状の後側下部ブラケット61が固定されている。そして、後側基礎ブラケット60と後側下部ブラケット61とは、後側下部ボルト62、後側下部ナット63により、互いに回動及び固定可能に接続されるようになっている。
【0075】
支柱31Bの構成は許容手段5Aのものと同じである。すなわち、支柱31Bの左右方向の2つの側壁31a、31aの上端部には、後側上部ボルト65の胴部が貫通する貫通孔65aが形成されている。
【0076】
傾斜フレーム13bには、許容手段5の後側取付ブラケット36同様、一対の平板が取り付けられるが、許容手段5Eでは、長孔でなく、丸穴が形成されている。すなわち、後側取付ブラケット67は、一対の平板67a、67aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの後側(勾配の上側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板67a、67aには、側面視(図21の正面視)で互いに同一個所に位置する鍔付きの後側上部ボルト65の胴部が貫通する貫通孔67b、67bが設けられている。
【0077】
次に、上記のような構成を有する許容手段5Eの仮組立の方法を説明する。後側基礎ブラケット60と後側下部ブラケット61とを、後側下部ボルト62、後側下部ナット63により、互いに回動可能に接続して仮止めする。同様に、支柱31Bの上部と後側取付ブラケット67とを、後側上部ボルト65、後側上部ナット66により、互いに回動可能に接続して仮止めする。これを左右の後側支持部材30Bについて行う。これで許容手段5Eの仮組立を完了する。
【0078】
次に、上記の仮組立後の許容手段5Eによる勾配調整方法を説明する。長さ調整手段4、つまり、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34bにより、支柱31Bの高さを調整して、太陽電池モジュール2が所望の勾配となるように調整する。これを左右の後側支持部材30Bについて行う。太陽電池モジュール2が所望の勾配となったら、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bを本締めして、左右両側の、支柱31B及び後側基礎部材11Bどうしが相対移動しないように固定する。一方、左右の、後側下部ナット63、後側上部ナット66も本締めして外れないようにしおく。これで、勾配調整及び取付作業が完了する。
【0079】
第3実施形態に係る太陽電池システム1Bによれば、一箇所の後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bをスパナ等で回動させるだけで、太陽電池モジュールの勾配調整を行うことができる。したがって、取付及び勾配調整の作業工数を減らすことができ、また、少人数での設置、勾配調整が可能となる。また、簡素な構成で強度のある構成の太陽電池モジュールの勾配調整可能な架台を提供することができる。
【0080】
[第4実施形態]
図24は、本発明の第4実施形態に係る太陽発電システム1Cの側面図である。第4実施形態に係る太陽発電システム1Cは、後側支持部材30とともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0081】
図24に示すように、補助支持部材70は、下端部が後側基礎部材11に補助基礎ブラケット72を介して、ボルト及びナットにより点支承で回動可能に接続される。また、補助支持部材70は、上端部が取付フレーム13に補助取付ブラケット73を介して、ボルト及びナットにより点支承で回動可能に接続される。
【0082】
補助支持部材70は、自身の長さを調整可能な構成となっており、上述の長さ調整手段4と同様の構成を採用してもよい。補助支持部材70の下端部は、第3実施形態の後側下部ブラケット61まわりの構成と同様のものとすることができる。補助支持部材70の上端部及び補助取付ブラケット73は、第3実施形態の支柱31Bの上部及び後側取付ブラケット67まわりの構成と同様のものとすることができる。
【0083】
太陽発電システム1Cの組み立て時には、初めは補助支持部材70を仮止めしておき、太陽電池モジュールの勾配調整を行ってから本締めして固定する。
【0084】
第4実施形態によれば、後側支持部材30及び補助支持部材70の2つの部材で太陽電池モジュール2を支持し、その勾配を維持するので、風圧力等によって生じる太陽電池モジュール2の勾配のずれの発生をより効果的に防止することができる。
【0085】
また、2つの部材で支持するため、後側支持部材30の強度を落すこともでき、後側支持部材30の軽量化、小型化を図ることができる。したがって、1つ1つの部材の大きさ及び重さを抑えることができ、各部材の現場への搬送の容易性、少人数による組み立て作業の容易性が向上する。
【0086】
[第5実施形態]
図25は、本発明の第5実施形態に係る太陽発電システム1Dの側面図である。第5実施形態に係る太陽発電システム1Dは、後側支持部材30Aとともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第2実施形態に係る太陽発電システム1Aと異なり、他の構成は第2実施形態に係る太陽発電システム1Aと同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0087】
また、第5実施形態に係る太陽発電システム1Dの補助支持部材70の構成、組立方法、効果等は、第4実施形態で述べた内容と同じなので、再度の説明は省略する。
【0088】
[第6実施形態]
図26は、本発明の第6実施形態に係る太陽発電システム1Eの側面図である。第6実施形態に係る太陽発電システム1Eは、後側支持部材30とともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第3実施形態に係る太陽発電システム1Bと異なり、他の構成は第3実施形態に係る太陽発電システム1Bと同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0089】
また、第6実施形態に係る太陽発電システム1Eの補助支持部材70の構成、組立方法、効果等は、第4実施形態で述べた内容と同じなので、再度の説明は省略する。
【0090】
図27乃至図30は、補助支持部材70を後側基礎部材11に接続するための構成の変形例を示す図である。図27では、1つの共通ブラケット80に、ボルトやナットにより、後側支持部材30及び補助支持部材70が回動可能に接続される構成となっている。図28乃至図30では、1つの継手板82に、ボルトやナットにより、後側支持部材30及び補助支持部材70が回動可能に接続される構成となっている。継手板82は、後側基礎部材11との離間距離を調整可能に、後側基礎部材11に取り付けられている。つまり、継手板82の高さを調整することにより、後側支持部材30(支柱31)及び補助支持部材70の両方の高さを同時に調整することができる。なお、図29及び図30では、後側支持部材30(支柱31)及び補助支持部材70の記載を省略している。
【0091】
上記の各実施形態で述べた構成は、各実施形態間で適宜組み合わせ可能である。
【0092】
上記の各実施形態では、位置調整装置を陸屋根に取り付ける例で説明したが、本発明はこれに限定されず、上記の位置調整装置を勾配屋根や壁に取り付けてもよい。また、太陽電池モジュール以外の板状の構造物の取り付けにおいても、上記実施形態の架台3を適用することができる。板状の構造物としては、例えば、太陽熱利用装置、太陽光及び太陽熱の複合利用装置、空調用放熱構造や吸熱構造、遮蔽板、反射パネルなどが挙げられる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの勾配調整が可能な太陽電池モジュールの架台及び当該架台を使用した太陽電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電システムの普及が進んでいる。公共施設や工場建物の陸屋根の水平な設置面に対する太陽光発電システムの太陽電池モジュール及びその設置架台の施工は、風圧荷重に耐えるために建物の屋上部と接合されたブロックやコンクリートなどの基礎の上に架台フレームを組み立て、そのフレームに太陽電池モジュールを取り付ける方法で行なわれることが多い(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、置き基礎の上に縦レールを設置し、この縦レールの上に太陽電池パネルを傾斜させて支持する支持部材を設置する支持構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−152619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に開示の構造では、建物の屋上に太陽電池パネルの支持構造を設置するに際して、屋上の仕上げ具合や雨水を流すための雨水勾配傾斜により、設置面が完全な水平でなくむらがある場合や、複数の置き基礎の上面の水平レベルが不揃いである場合、太陽電池パネルの勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなど複数種類のものを多数用意して、これらを架台脚の底面と置き基礎との間に入れて高さ調整を行い、複数の架台脚間で水平を出すための調整を行う必要がある。このため、作業に時間が掛かり、施工時の作業効率が悪くなるとともに、施工コストも嵩む。
【0006】
また、ライナ等が架台脚の底面と置き基礎との間に単に挟みこまれただけの場合には、上部の架台に掛かる風圧力や地震力に対して、長期にわたってその機能を維持することは困難である。そのため、ライナ等を架台脚に溶接で止めることも考えられるが、溶接作業は環境の制限等があり、実行に移すのは困難をともなう。また、地震や経年変化により、架台の高さにずれが生じた場合、このようなずれを修復する作業も難航する。
【0007】
さらに、数十枚の太陽電池パネルを、同じ勾配で正確に敷き詰めるには、その架台が設置面全域にわたって同一の傾斜面を形成せしめる必要がある。架台は、主に主部材と補助部材とからなるが、これら相互の組み合わせを短時間に、且つ、最終目的である設置面全域にわたって同一の傾斜面を正確に形成せしめるようにするには、各部材の構成や作業方法を改善する必要がある。
【0008】
本発明は、設置面への取付後でも太陽電池モジュールの勾配調整が容易であって、簡易な構成且つ低コストでより早く施工することが可能な、取付・傾斜角度調整の作業効率の良い太陽電池モジュールの架台、及び当該架台を使用した太陽電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、太陽電池モジュールの勾配調整が可能な太陽電池モジュールの架台において、設置面に傾斜して設けられる太陽電池モジュールの傾斜面下側の第1端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して揺動自在に支持する第1支持部材と、上端部が前記太陽電池モジュールの前記第1端部よりも傾斜面上側の第2端部に接続され、下端部が前記設置面に設けられた基礎部材に接続され、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して支持する第2支持部材であって、前記太陽電池モジュールの前記設置面に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸により長さ調整を行う長さ調整手段を含む第2支持部材と、前記長さ調整手段による前記第2支持部材の長さ調整で生じる前記太陽電池モジュールの傾斜角度の変化による前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部との第1接続点の移動を許容するための許容手段であって、前記第1接続点における前記第2支持部材と前記太陽電池モジュールとの接続が互いにスライド移動可能及び揺動可能の少なくとも1つの方法での接続である許容手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施形態は、上記構成を有する架台を使用した太陽電池システムにおいて、上記の架台と、前記架台により前記設置面に対して傾斜角度調整可能に支持される前記太陽電池モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、設置面が完全な水平でなくむらがある場合や複数の基礎部材の寸法や上面の水平レベルが不揃いである場合であっても、架台を設置面に取り付け、水平レベルの調整を行わずに架台に太陽電池モジュールを取り付け、その後、後側支持部材の長さを調整することで太陽電池モジュールの勾配調整を行うことができる。したがって、太陽電池モジュールの勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなどを架台の底面と基礎部材との間に入れて高さ調整を行い、複数の架台間で水平を出すための調整を行う作業を行う必要がない。よって、架台及び太陽電池モジュールの取付・傾斜角度調整の作業効率を向上させることができるため、より少人数で、より短い施工期間で、より低コストで架台及び太陽電池システムの設置工事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る、建物の陸屋根設置面に配置した太陽電池システムの全体構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図3】第1実施形態に係る太陽電池システムの背面図である。
【図4】第1実施形態に係る太陽電池システムの前側支持部材まわりの拡大断面図である。
【図5】第1実施形態に係る太陽電池システムの架台の長さ調整手段の拡大断面図であって、図2のV−V線に沿った断面図である。
【図6】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図7】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図8】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図9】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図10】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図11】長さ調整手段の変形例の拡大断面図である。
【図12】第1実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段の拡大図である。
【図13】図12の許容手段を背面から見た拡大断面図であって、図2のXIII−XIII線に沿った断面図である。
【図14】許容手段の変形例の拡大図である。
【図15】許容手段の変形例の拡大図である。
【図16】許容手段の変形例の拡大図である。
【図17】許容手段の変形例の拡大図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図19】第2実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段の斜視図である。
【図20】第2実施形態に係る許容手段の拡大断面図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図22】第3実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段(下側)の拡大断面図であって、図21のXXII−XXII線に沿った断面図である。
【図23】第3実施形態に係る太陽電池システムの架台の許容手段(上側)の拡大断面図であって、図21のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。
【図24】本発明の第4実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図25】本発明の第5実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図26】本発明の第6実施形態に係る太陽電池システムの側面図である。
【図27】補助支持部材の下端部の取付構成の変形例を示す拡大図である。
【図28】補助支持部材の下端部の取付構成の変形例の側面を示す拡大図である。
【図29】図28の変形例の背面を示す拡大図である。
【図30】図28の変形例の平面を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に共通する又は同様の機能を有する構成には同じ符号を付している。
【0014】
[第1実施形態]
図1から図16を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽電池システム1の全体構成を示す斜視図である。
【0015】
本発明の第1実施形態に係る太陽電池システム1は、建物100の陸屋根の略平坦な設置面200に所定数配置される。太陽電池システム1は、太陽光Sに向けて配置されて太陽光Sを受けて電気を発電するための太陽電池モジュール2と、上部に太陽電池モジュールが取り付けられ、下部が設置面200に取り付けられる架台3とからなる。また、太陽電池モジュールで発電した電気は、図示しない配線によって太陽電池モジュールから蓄電装置等に送られるようになっている。
【0016】
太陽電池モジュール2は、太陽光Sを受けて発電する1枚以上の太陽電池パネルからなる。この太陽電池パネルの枚数は、太陽電池モジュール2を支持する架台3の大きさや、設置面200の広さや建物100の耐荷重能力、目標とする発電量等を勘案して任意に決定される。太陽電池モジュール2は、より多くの太陽光Sを吸収し、効率的に発電を行うため、図1及び図2に示すように、太陽光Sに向けて勾配αをもって設置される。
【0017】
架台3は、設置面200に固定されたコンクリートブロック等の前側及び後側基礎部材10、11に載置され、太陽電池モジュール2を設置面200に対して勾配をもって固定支持する。架台3は、太陽電池モジュール2との取付部分と設置面200との間隔を調整可能な構成となっている。また、架台3は、太陽電池モジュール2の設置面200に対する方向や勾配を調整可能な構成となっている。図2及び図3に示すように、架台3は、取付フレーム13、前側支持部材20、後側支持部材30から形成されている。
【0018】
取付フレーム13は、前後一対の横フレーム13a、13aと左右一対の傾斜フレーム13b、13bとで形成された矩形状のフレームであり、ねじ等により太陽電池モジュール2の背面側に固定される。本実施形態では、横フレーム13a、13a及び傾斜フレーム13b、13bの断面形状は、中空の四角形としている。但し、断面形状はこれに限定されず、取付フレーム13が太陽電池モジュール2に固定可能であれば、I型、H型、みぞ型、山型、中空の円形(筒状)などであってもよい。
【0019】
図4に示すように、前側支持部材20は、前側基礎ブラケット21、前側取付ブラケット22、前側アンカーボルト24、前側アンカーボルト固定ナット25、前側ボルト26、前側ナット27を含む。
【0020】
前側アンカーボルト24は、前側基礎部材10に固定されている。例えば、前側基礎部材10がコンクリートブロックの場合、前側アンカーボルト24は、一部がコンクリートブロックに埋め込まれている。
【0021】
前側基礎ブラケット21は、鍔付きの前側ボルト26の胴部が貫通する貫通孔21c、21cが設けられた左右一対の壁部21a、21aとこれらの壁部21a、21aをつなぐ底部21bとから形成されており、略コ字上の断面形状を有する。底部21bに設けられた貫通孔に前側基礎部材10に固定された前側アンカーボルト24を挿通し、底部21bから突出した前側アンカーボルト24のねじ部に前側ボルト固定ナット25をねじ込むことにより、前側基礎ブラケット21が前側基礎部材10に対して固定されるようになっている。本実施形態では、前側基礎ブラケット21を前側基礎部材10にナットにより固定しているが、溶接によって固定してもよく、固定の方法は既存の任意の方法から適宜選択することができる。
【0022】
前側取付ブラケット22は、一対の平板22a、22aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの前側(勾配の下側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。但し、固定の仕方は溶接に限定されず、ボルト等であってもよい。また、前側取付ブラケット22は、前側基礎ブラケット21のような断面コ字状のものであってもよい。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板22a、22aには、側面視(図2の正面視)で互いに同一個所に位置する前側ボルト26の胴部が貫通する貫通孔22b、22bが設けられている。
【0023】
前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aの間に前側取付ブラケット22の平板22a、22aを挟んだ状態で、前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aに設けられた貫通孔21c、21cと、前側取付ブラケット22の一対の平板22a、22aに設けられた貫通孔22b、22bとの位置を合わせ、これらの貫通孔21c、21c、22b、22bに前側ボルト26の胴部を通し、前側ボルト26のねじ部に前側ナット27をねじ込むことにより、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とが互いに回動可能或いは揺動可能に接続する。貫通孔21c、21cの径は、前側ボルト26の鍔部及び前側ナット27の径よりも小さく設定されている。このような構成により、前側基礎ブラケット21、前側取付ブラケット22、取付フレーム13を介して、太陽電池モジュール2が設置面200に対して、勾配角度が変更可能なように支持されるようになっている。本実施形態では、前側取付ブラケット22と前側基礎ブラケット21とを前側ボルト26の鍔部と前側ナット27とで挟む構成としたが、緩み止めのための溝付きのワッシャを間に入れて、前側ボルト26の鍔部と当該ワッシャ、前側ナット27とで挟む構成としてもよい。
【0024】
後側支持部材30は、支柱31、後側ボルト(アンカーボルト)33、1組の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34b、後側取付ブラケット36、スライドボルト37、スライドボルトナット38、ワッシャ39を含む。
【0025】
後側ボルト33は、後側基礎部材11に、そのねじ軸が突出した状態で固定されている。例えば、後側基礎部材11がコンクリートブロックの場合、後側ボルト33は、一部がコンクリートブロックに埋め込まれている。また、後側ボルト33のねじ軸には、上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bが螺合可能となっている。
【0026】
後側取付ブラケット36は、一対の平板36a、36aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの後側(勾配の上側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。但し、固定の仕方は溶接に限定されず、ボルト等であってもよい。また、後側取付ブラケット36は、前側基礎ブラケット21のような断面コ字状のものであってもよい。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板36a、36aには、側面視(図2の正面視)で互いに同一個所に位置する鍔付きのスライドボルト37の胴部が貫通する細長楕円形の長孔36b、36bが設けられている。長孔36b、36bは、図12及び図13に示すように、スライドボルト37の胴部がその内部でスライド移動可能なように形成されている。また、長孔36b、36bの短手方向の径は、スライドボルト37の鍔部、スライドボルトナット38、ワッシャ39の径よりも小さく設定されている。
【0027】
支柱31は、図5に示すように、側壁31aと底壁31bとからなる細長の角形鋼管である。底壁31bには、後側基礎部材11から突出した後側ボルト33のねじ部が貫通するボルト貫通孔31cが形成されている。左右方向の2つの側壁31a、31aの上端部には、スライドボルト37の胴部が貫通するスライドボルト貫通孔31dが形成されている。また、背面側の側壁31aの下端部には、ボルト貫通孔31cを貫通した後側ボルト33のねじ部にねじ込まれた上側高さ調節ナット34aをスパナ等の工具で回転可能なように、開口部31eが形成されている。なお、本実施形態では、支柱31を角形鋼管としたが、材料も形状もこれに限定されない。例えば、形状は、H型鋼やみぞ型鋼、山形鋼であってもよい。これらの形状の場合には、その下端に底壁31bに相当するものを形成しておけばよく、元々開放面で形成されているため、開口部31eを省略することもできる。また、材料は、例えば、鉄やアルミニウム等の金属のほか、木、セラミック、樹脂等を使用してもよく、要求される強度と耐久性を有するものであればよい。
【0028】
上記のような構成を持つ支柱31は、下側高さ調節ナット34bがねじ込まれた後側ボルト33のねじ部を底壁31bのボルト貫通孔31cに通し、その後、底壁31bから突出している後側ボルト33のねじ部に上側高さ調節ナット34aをねじ込んでいくことで、後側基礎部材11に取り付けられる、つまり、設置面200に対して接続され、固定される。すなわち、底壁31bを両側から挟む上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bの後側ボルト33の軸上における位置を変更することにより、支柱31の上下位置を調整することができる。換言すれば、後側支持部材30は、その長さが調整可能となっており、長さ調整手段4として、底壁31b、後側ボルト33、上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34bを含む。
【0029】
上記のような構成を持つ支柱31は、側壁31aを後側取付ブラケット36の一対の平板36a、36aの間に挟んだ状態で、平板36a、36aの長孔36b、36bと左右一対の側壁31a、31aのスライドボルト貫通孔31d、31dにスライドボルト37の胴部を挿通させ、スライドボルト37のねじ部にワッシャ39を嵌めて、スライドボルトナット38をねじ込んでいくことで、支柱31に取り付けられる。スライドボルト37のねじ部は、一対の平板36a、36aの対向幅よりも内側まで形成されており、スライドボルトナット38を内側にねじ込んでいくことにより、スライドボルト37の鍔部とスライドボルトナット38、ワッシャ39とで一対の平板36a、36aを挟むことができるようになっている。これにより、スライドボルト37は、スライドボルトナット38のねじ込みを緩めた状態では、長孔36b内でスライド移動自在となり、スライドボルトナット38を内側に強くねじ込んだ状態では、長孔36b内でその位置が固定される。すなわち、支柱31と傾斜フレーム31bとの接続点を、長孔36bの長手方向に移動可能、且つ、長孔36b内で固定可能な構成となっている。換言すれば、架台3は、後側支持部材30の長さ変化によって生じる支柱31と傾斜フレーム31bとの接続点の位置変化を許容可能な構成となっており、その許容手段5として、長孔36b、スライドボルト37を含む。なお、ワッシャ39は、緩み止めのための溝付きのものを使用してもよいし、省略してもよい。
【0030】
上記のような構成を持つ前側支持部材20及び後側支持部材30がそれぞれ左右一対で形成され、設置面200に対して、太陽電池モジュールが取り付けられる取付フレーム13が4点で支持されるようになっている。
【0031】
次に、上記のように構成された第1実施形態に係る太陽電池システム1の設置面200への設置方法及び勾配調整方法について説明する。
【0032】
前側アンカーボルト24及び後側ボルト33が埋め込まれた前側基礎部材10及び後側基礎部材11を、取付フレーム13を支持する4点の下側に配置されるように、設置面200に形成及び設置する。前側基礎部材10の底部21bに設けられた貫通孔に前側基礎部材10に固定された前側アンカーボルト24を挿通し、底部21bから突出した前側アンカーボルト24のねじ部に前側ボルト固定ナット25をねじ込んで、前側基礎ブラケット21を前側基礎部材10に対して固定する。これを左右両側の前側基礎部材10について行う。一方、後側基礎部材11の上面から突出する後側ボルト33のねじ部に下側高さ調節ナット34bをねじ込み、この後側ボルト33のねじ部に支柱31の底壁31bに形成されたボルト貫通孔31cをはめ込む。その後、開口部31eから上側高さ調節ナット34a及びスパナ等の工具を差し込み、底壁31bから突出している後側ボルト33のねじ部に上側高さ調節ナット34aをねじ込んで、支柱31を後側基礎部材11に対して取り付ける。これを左右両側の後側基礎部材11について行う。このとき、後側ボルト33に対する上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bの位置は、左右の後側基礎部材11について、ほぼ同じ位置に設定しておくとよい。
【0033】
取付フレーム13を、前後一対の横フレーム13a、13aと左右一対の傾斜フレーム13b、13bとで形成し、この矩形フレームをねじ等により太陽電池モジュール2の背面側に固定する。左右一対の傾斜フレーム13b、13bのそれぞれに、前側取付ブラケット22、22及び後側取付ブラケット36、36をボルト等で固定する。これらの作業は、工場で予め行っておき、既に組み立てられた取付フレーム13及び太陽電池モジュール2を現場に搬送するようにしてもよい。このようにした場合には、現場での作業が減り、現場での施工効率が向上する。
【0034】
取付フレーム13の傾斜フレーム31bに取り付けられた前側取付ブラケット22を前側基礎部材10に固定された前側基礎ブラケット21の壁部21a、21a間に差し込み、前側基礎ブラケット21の壁部21a、21aに設けられた貫通孔21c、21cと前側取付ブラケット22の一対の平板22a、22aに設けられた貫通孔22b、22bとの位置を合わせた状態で、これらの貫通孔21c、21c、22b、22bに前側ボルト26の胴部を通す。その後、前側ボルト26のねじ部に前側ナット27をねじ込んで、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とを互いに回動可能或いは揺動可能に接続する。これを左右両側の前側基礎ブラケット21及び前側取付ブラケット22について行う。
【0035】
一方、取付フレーム13の傾斜フレーム31bに取り付けられた後側取付ブラケット36の平板36a、36aで、後側基礎部材11に接続された支柱31の左右の側壁31a上部を挟み込んだ状態で、平板36a、36aの長孔36b、36bと左右一対の側壁31a、31aのスライドボルト貫通孔31d、31dにスライドボルト37の胴部を挿通させる。その後、スライドボルト37のねじ部にワッシャ39を嵌めて、スライドボルトナット38をねじ込んで、傾斜フレーム31bを支柱31に取り付ける。これを左右両側の傾斜フレーム31b及び支柱31について行う。このとき、長孔36b、36b内におけるスライドボルトナット38の位置は、左右の傾斜フレーム31b、31b及び支柱31、31について、ほぼ同じ位置に設定しておくとよい。
【0036】
上記の状態では、左側の傾斜フレーム31bと左側の支柱31との左側接続点、及び、右側の傾斜フレーム31bと右側の支柱31との右側接続点の設置面200からの高さは、設置面の水平度、後側基礎部材11の寸法精度等に影響されており、必ずしも同位置とは限らず、互いにずれていることが多い。 つまり、上記の状態では、太陽電池モジュール2は歪んでいて、その勾配が、左右で異なっていることが多い。
【0037】
上記の方法で仮止めした状態で、太陽電池モジュール2が所望の勾配を有し、且つその勾配が左右で均一であれば、その状態のまま、スライドボルトナット38の仮止めを本締めする作業を行い、太陽電池システム1の設置面200への設置作業を完了する。
【0038】
上記の方法で仮止めした状態で、太陽電池モジュール2が所望の勾配を有していない場合、或いは、その勾配が左右で均一でなく、修正する必要がある場合には、太陽電池モジュール2の勾配調整を行う。まず、左右両側のスライドボルトナット38に仮止めしていたスライドボルトナット38を緩める。次に、底壁31bを両側から挟んで支柱31の高さを固定している上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bをスパナ等の工具で回転させて、太陽電池モジュール2が所望の勾配や左右均一の勾配となるように、左右両側の支柱31の高さを調整する。支柱31の高さの調整が完了したら、上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bを本締めする。最後に、緩めたスライドボルトナット38を左右両側のスライドボルトナット38に本締めする作業を行い、太陽電池システム1の設置面200への設置及び勾配調整作業を完了する。
【0039】
太陽電池システム1の設置面200への設置後、地震や経年変化により太陽電池モジュール2の勾配にずれが生じた場合も、上記と同様の方法で勾配調整を行う。
【0040】
上記の方法の順序は必ずしもその記載順序に限定されない。同時或いは先後を変えて行うことができる方法も含んでいる。例えば、取付フレーム13を設置面200に対して固定し、その後、取付フレーム13に太陽電池モジュール2を取り付けるようにしてもよい。
【0041】
第1実施形態に係る太陽電池システム1は、以下に記すように、1.施工工期短縮、2.施工コスト削減(施工手間、施工期間、搬送費の削減等による)、3.施工後調整可能、4.勾配調整容易、5.強度を維持しつつ簡素な構成を実現、6.装置自体の低コスト化(材料費削減等による)、7.広範な設置可能対象場所(荷重低減等による)の点で特に有益である。
【0042】
設置面200が完全な水平でなくむらがある場合や複数の後側基礎部材11の寸法や上面の水平レベルが不揃いである場合であっても、架台3を設置面200に取り付け、水平レベルの調整を行わずに架台3に太陽電池モジュール2を取り付け、その後、後側支持部材30の長さを調整することで太陽電池モジュール2の勾配調整を行うことができる。したがって、太陽電池モジュール2の勾配を一定化させるために、ライナやシムやスペーサなどを架台3の底面と後側基礎部材11との間に入れて高さ調整を行ったり、複数の架台3間で水平を出すための調整を行ったりする作業が不要となる。よって、架台3及び太陽電池モジュール2の取付・傾斜角度調整の作業効率を向上させることができるため、より少人数で、より短い施工期間で、より低コストで架台3及び太陽電池システム1の設置工事を行うことができる。
【0043】
また、設置面200付近に長さ調整手段4を設けているので、低い位置で安全に効率良く太陽電池モジュール2の勾配の調整作業ができる。
【0044】
また、後側支持部材30と設置面200とは、ねじ軸である後側ボルト33を介して強固に固定されているため、上部の架台3や太陽電池モジュール2に掛かる風圧力や地震力に対して、長期にわたってその機能を維持することができる。
【0045】
また、架台3及び太陽電池システム1の施工後、地震や経年変化により架台の高さにずれが生じた場合であっても、容易に架台3及び太陽電池モジュール2の取付・傾斜角度調整を行うことができる。
【0046】
また、必要強度を維持しつつ非常に簡素な構成の装置とすることができる。したがって、材料費を低減し、組み立て作業をより簡易なものとすることができる。また、装置の荷重を低減できるので、設置面200である屋根への荷重負荷を低減することができる。
【0047】
また、架台3を複数設置し、当該複数の架台3に搭載する太陽電池モジュール2のパネルが数十枚等の多枚数となる場合であっても、これら全てのパネルを同じ勾配で正確に敷き詰めることが短時間で容易にできる。
【0048】
また、後側基礎部材11に直接後側ボルト33が固定され、この後側ボルト33に後側支持部材30が接続されているので、架台3の左右の後側支持部材30、30を載置するための比較的重量のあるベースチャネルを左右の後側基礎部材11間に架け渡す必要がない。よって、ベースチャネルを省略でき、設置面200である建物100の屋根への荷重負荷が低減できるため、より多くの場所を太陽電池システム1の設置可能対象とすることができる。また、施工現場や設置面である屋上への搬送費用、手間、ベースチャネル自体の材料費を削減することができ、装置自体の底コスト化、施工工事の低コスト化及び短期間化を図ることが可能となる。
【0049】
上記の長さ調整手段4は、図6乃至図11で示す変形例のような構成であってもよい。
【0050】
図6に示す長さ調整手段4Aは、後側基礎部材11がコンクリートブロックではなく、フランジ及び蓋付きの円筒鋼であり、この後側基礎部材11の上面に形成された貫通孔に後側ボルト33が挿通された状態で溶接により固定されている点が長さ調整手段4と異なる。後側基礎部材11は、設置面200にフランジを介してボルトにより固定されている。
【0051】
図7に示す長さ調整手段4Bは、後側ボルト33が設置面200に直接固定されている、つまり、後側基礎部材11が省略されている点が長さ調整手段4と異なる。
【0052】
図8に示す長さ調整手段4Cは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく支柱31の底壁31bに固定され、後側ボルト33のねじ部が螺合するねじ溝90aを内周面に有する円筒部材90を含み、この部分で高さ調整が行われる点が長さ調整手段4と異なる。円筒部材90は、回動部材92を介して、後側基礎部材11に後側ボルト33の軸まわりに回動自在に接続されている。円筒部材90は、上面が開口面となっており、この開口面から後側ボルト33のねじ部が挿入される。また、円筒部材90の周面部には、後側ボルト33の軸方向に延び、内側から外側に貫通する固定長孔90bが形成されている。さらに、円筒部材90の周面には、円筒部材90を後側ボルト33の軸まわりに回転させるための取っ手93が設けられている。後側ボルト33のねじ部には、複数の固定ねじ孔33aが形成されている。長さ調整手段4Cにおける長さ調整は、取っ手93を持って円筒部材90を回転させて、円筒部材90の上面開口部から後側ボルト33のねじ部をねじ込んでいき、所望の深さだけねじ込みが完了したら、固定長孔90bを介して固定ボルト91を固定ねじ孔33aの1つにねじ込むことにより行われる。したがって、長さ調整手段4Cでは、固定ボルト91により、後側ボルト33の軸回りの回転が阻止されるので、意図せず後側支持部材30の長さが変更されてしまうことを防ぐことができる。
【0053】
図9に示す長さ調整手段4Dは、ねじ溝を有するねじ軸41が支柱31側にも固定されて設けられ、円筒状の高さ調整筒42の内部に、ねじ軸41のねじ部及び後側ボルト33のねじ部が螺合する点が長さ調整手段4と異なる。長さ調整手段4Dでは、高さ調整筒42を回転させるだけで後側基礎部材11と支柱31との離間距離を調整することができる。また、高さ調整筒42の意図しない回転を阻止するために、その両側に、ねじ軸41のねじ部及び後側ボルト33のねじ部に螺合する高さ調整筒42を締め付けるためのボルトを設けてもよい。また、長さ調整手段4Cのように、高さ調整筒42を回転させるための取っ手を設けてよい。
【0054】
図10に示す長さ調整手段4Eは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく支柱31の底壁31bに固定され、後側基礎部材11がみぞ型鋼であり、この後側基礎部材11の上面に開いた貫通孔に後側ボルト33のねじ部が挿通されて両側から上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bで挟まれて固定され、この部分で高さ調整が行われる点が長さ調整手段4と異なる。
【0055】
図11に示す長さ調整手段4Fは、後側ボルト33が後側基礎部材11でなく、レール上のみぞ型鋼44の上部に固定され、このみぞ型鋼44が複数の後側基礎部材11上に載置、固定されている点が調整手段4Cと異なる。このように、図1乃至図5、図9では、後側基礎部材11から直接後側ボルト33を立ち上げる構成としたが、本発明はこれに限定されない。また、前側支持部材30についても、同様にレール状のみぞ型鋼44を複数の前側基礎部材10上に固定して、みぞ型鋼44の上部に前側基礎ブラケット21を固定する構成としてもよい。この場合には、左右一対の前側支持部材20及び左右一対の後側支持部材30のそれぞれの左右方向の離間幅に関係なく、設置面200に前側基礎部材10及び後側基礎部材11の配置を行うことができる。
【0056】
上記の許容手段5は、図14乃至図17で示す変形例のような構成であってもよい。
【0057】
図14に示す許容手段5Aは、後側取付ブラケット36Aの長孔36bの傾斜フレーム31b側(太陽電池モジュール側)に、スライドボルト37の胴部が嵌合して、その長孔36bの長手方向への移動を阻止する係止溝(凹部)36cが、長孔36bの長手方向に沿って複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Aでは、スライドボルト37の胴部を係止溝(凹部)36cに嵌合させた状態で、スライドボルトナット38を本締めする。したがって、本締めの後に、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。許容手段5Aを採用する場合、係止溝(凹部)36cがあっても平板36a、36aを挟み込んで、所望の強さでスライドボルト37の位置を固定できるほどの径を有するワッシャを平板36a、36aの両側に使用することも考えられる。
【0058】
図15に示す許容手段5Bは、許容手段5Aと同様の長孔36b、係止溝(凹部)36cを有するが、許容手段5Aと異なり、後側取付ブラケット36Bの長孔36bに嵌る嵌め材40を含む。嵌め材40は、スライドボルト37の胴部を係止溝(凹部)36cに嵌めた後、長孔36bに嵌められ、スライドボルト37の下側(設置面200側)への移動を阻止する。許容手段5Bでは、強風等により太陽電池モジュールが上方向(勾配が大きくなる方向)の力を受けたとしても、嵌め材40がスライドボルト37の下側への移動を阻止するため、スライドボルト37の胴部が係止溝(凹部)36c内に留まり、長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0059】
図16に示す許容手段5Cは、長孔36bの短手方向両側に、長孔36bの長手方向に沿って、ボルト45が挿入されるボルト孔36dが複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Cでは、後側取付ブラケット36Cに対してスライドボルト37の位置を固定する際、4本のボルト45の頭部がスライドボルト37の頭部に当接するように、4本のボルト45をボルト孔36dに挿入して、後側取付ブラケット36Cにナットにより固定する。これにより、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0060】
図17に示す許容手段5Dは、長孔36bの短手方向片側(本実施形態では上側)に、長孔36bの長手方向に沿って、ボルト45が挿入されるボルト孔36dが複数形成されている。この点が許容手段5と異なる。許容手段5Dでは、後側取付ブラケット36Dに対してスライドボルト37の位置を固定する際、2本のボルト45の頭部がスライドボルト37の頭部に当接するように、2本のボルト45をボルト孔36dに挿入して、後側取付ブラケット36Dにナットにより固定する。これにより、スライドボルト37の胴部が長孔36b内でその長手方向に沿って移動してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0061】
上記の実施形態では、架台3は、所定以上の強度を有した強度材料によって形成される。強度材料としては、例えば、鋼材が挙げられるが、所望の強度を出せる材料であればよい。
【0062】
上記の実施形態では、太陽発電モジュール2を取り付けた取付フレーム13に前側支持部材20及び後側支持部材30を接続する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、取付フレーム13を省略し、前側取付ブラケット22及び後側取付ブラケット36を太陽発電モジュール2に直接ねじ止め等で固定するようにしてもよい。
【0063】
上記の実施形態では、前側支持部材20を、前側基礎ブラケット21と前側取付ブラケット22とにより回動可能な構成としたが、前側基礎ブラケット21及び前側取付ブラケット22の代わりに、蝶番で回動可能に接続された2枚の平板を用いてもよい。また、取付フレーム13を省略し、前記一対の平板のうちの1つを太陽発電モジュール2に直接ねじ止め等で固定するようにしてもよい。
[第2実施形態]
【0064】
図18は、本発明の第2実施形態に係る太陽発電システム1Aの側面図である。第2実施形態に係る太陽発電システム1Aは、許容手段の構成のみ第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0065】
図18乃至図20に示すように、第2実施形態に係る太陽発電システム1Aの許容手段5Dは、蝶番で回動可能に接続された一対の平版である下側平板50及び上側平板51を含む。下側平板50には、支持ボルト53が貫通する貫通孔50aと、勾配調整ボルト55が貫通する貫通孔50bとが形成されている。下側平板50には、支持ボルトナット54が、そのねじ穴を貫通孔50aと合わせた状態で、溶接等により固定されている。また、下側平板50には、勾配調整ボルトナット56が、そのねじ穴を貫通孔50bと合わせた状態で、溶接等により固定されている。上側平板51には、取付ボルト58が貫通して内部でスライド移動及び固定可能な細長楕円形の上側長孔51aが形成されている。
【0066】
後側支持部材30Aの支柱31Aは、上側の構成のみ後側支持部材30の支柱31と異なり、それ以外は同様の構成を有する。支柱31Aの上面は開口した上面開口部31fとなっている。支柱31Aの上面開口部31f付近の背面側の側壁38aには、上側開口部31gが形成されており、スパナ等により、支持ボルト53の頭部を回転させることができるようになっている。
【0067】
次に、上記のような構成を有する許容手段5Dの仮組立の方法を説明する。まず、支柱31の上部と下側平板50とを図示しないボルト等で接合し互いに固定する。そして、支持ボルト53を、下側平板50の貫通孔50a及び支持ボルトナット54のねじ穴に螺合させる。続いて、勾配調整ボルト55を、下側平板50の貫通孔50b及び勾配調整ボルトナット56のねじ穴に螺合させる。このとき、勾配調整ボルト55の胴部先端部を上側平板51の底面に当接するようにしておく。この状態で上側平板51は下側平板50に対して所定の勾配を持って仮止めされている。所定の勾配は、目的とする太陽電池モジュール2の勾配に近いものとしておくのがよい。
【0068】
そして、所定の勾配をもった上側平板51の上面に取付フレーム13の傾斜フレーム13bを載せた状態で、上側平板51に形成された上側長孔51aに取付ワッシャ59とともに取付ボルト58を挿通し、傾斜フレーム13bに設けられたボルト穴に取付ボルト58を螺合させて、上側平板51を傾斜フレーム13bに仮止めする。このとき、取付ボルト58の胴部は上側長孔51a内でスライド移動可能な状態とし、上側平板51と傾斜フレーム13bとが相対移動可能な状態としておく。これを左右の後側支持部材30Aについて行う。これで許容手段5Dの仮組立を完了する。
【0069】
次に、上記の仮組立後の許容手段5Dによる勾配調整方法を説明する。勾配調整ボルト55のねじ込み長さを変更して上側平板51の勾配を調整し、太陽電池モジュール2が所望の勾配となるように調整する。上側平板51の勾配の調整が完了したら、上側平板51が傾斜フレーム13bの取付面に平行に面で接触するように、長さ調整手段4により支柱31A、つまり、下側平板50及び上側平板51の高さを調整する。これを左右の後側支持部材30Aについて行う。このとき、太陽電池モジュール2が所望の勾配となっているかを確認する。太陽電池モジュール2が所望の勾配となっていない場合には、上記の調整を繰り返す。太陽電池モジュール2が所望の勾配となっている場合には、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34b、及び取付ボルト58を本締めして、左右両側の、支柱31及び後側基礎部材11どうし、上側平板51及び傾斜フレーム13bどうしが相対移動しないように固定する。このとき、支持ボルト53の胴部先端部を上側平板51の底面に当接させて、勾配調整ボルト55とともに取付フレーム13及び太陽電池モジュール2の荷重を支持するようにしておく。これで、勾配調整及び取付作業が完了する。
【0070】
第2実施形態に係る太陽電池システム1Aによれば、平板状の上側平板51で傾斜フレーム13bを面で支持するため、太陽電池モジュール2に固定された傾斜フレーム13bをより安定して支えることができる。
【0071】
第2実施形態でも、第1実施形態で述べたのと同様の変形が可能である。例えば、取付フレーム13を省略して、許容手段5Dの上側平板51を太陽電池モジュールに直接取り付けるような構成としてもよい。
[第3実施形態]
【0072】
図21は、本発明の第3実施形態に係る太陽発電システム1Bの側面図である。第3実施形態に係る太陽発電システム1Bは、許容手段の構成のみ第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0073】
図21乃至図23に示すように、第3実施形態に係る太陽発電システム1Bの許容手段5Eは、後側支持部材30Bの両端が回動及び固定可能に構成されており、この点が第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なる。
【0074】
後側支持部材30Bの後側基礎部材11Bには、後側ボルト33の代わりに、前側基礎部材10と同様な、壁部60a、底部60b、貫通孔60cを有する断面略コ字状の後側基礎ブラケット60が固定されている。また、後側ボルト33の下端には、壁部61a、底部61b、貫通孔61cを有する断面略コ字状の後側下部ブラケット61が固定されている。そして、後側基礎ブラケット60と後側下部ブラケット61とは、後側下部ボルト62、後側下部ナット63により、互いに回動及び固定可能に接続されるようになっている。
【0075】
支柱31Bの構成は許容手段5Aのものと同じである。すなわち、支柱31Bの左右方向の2つの側壁31a、31aの上端部には、後側上部ボルト65の胴部が貫通する貫通孔65aが形成されている。
【0076】
傾斜フレーム13bには、許容手段5の後側取付ブラケット36同様、一対の平板が取り付けられるが、許容手段5Eでは、長孔でなく、丸穴が形成されている。すなわち、後側取付ブラケット67は、一対の平板67a、67aからなり、太陽電池モジュール2とは反対側に突出するように、傾斜フレーム13bの後側(勾配の上側)に傾斜フレーム13bを挟むようにして溶接により固定されている。傾斜フレーム13bを挟んで対向するように配置された一対の平板67a、67aには、側面視(図21の正面視)で互いに同一個所に位置する鍔付きの後側上部ボルト65の胴部が貫通する貫通孔67b、67bが設けられている。
【0077】
次に、上記のような構成を有する許容手段5Eの仮組立の方法を説明する。後側基礎ブラケット60と後側下部ブラケット61とを、後側下部ボルト62、後側下部ナット63により、互いに回動可能に接続して仮止めする。同様に、支柱31Bの上部と後側取付ブラケット67とを、後側上部ボルト65、後側上部ナット66により、互いに回動可能に接続して仮止めする。これを左右の後側支持部材30Bについて行う。これで許容手段5Eの仮組立を完了する。
【0078】
次に、上記の仮組立後の許容手段5Eによる勾配調整方法を説明する。長さ調整手段4、つまり、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a、下側高さ調節ナット34bにより、支柱31Bの高さを調整して、太陽電池モジュール2が所望の勾配となるように調整する。これを左右の後側支持部材30Bについて行う。太陽電池モジュール2が所望の勾配となったら、後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bを本締めして、左右両側の、支柱31B及び後側基礎部材11Bどうしが相対移動しないように固定する。一方、左右の、後側下部ナット63、後側上部ナット66も本締めして外れないようにしおく。これで、勾配調整及び取付作業が完了する。
【0079】
第3実施形態に係る太陽電池システム1Bによれば、一箇所の後側ボルト33の上側高さ調節ナット34a及び下側高さ調節ナット34bをスパナ等で回動させるだけで、太陽電池モジュールの勾配調整を行うことができる。したがって、取付及び勾配調整の作業工数を減らすことができ、また、少人数での設置、勾配調整が可能となる。また、簡素な構成で強度のある構成の太陽電池モジュールの勾配調整可能な架台を提供することができる。
【0080】
[第4実施形態]
図24は、本発明の第4実施形態に係る太陽発電システム1Cの側面図である。第4実施形態に係る太陽発電システム1Cは、後側支持部材30とともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第1実施形態に係る太陽発電システム1と異なり、他の構成は第1実施形態に係る太陽発電システム1と同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0081】
図24に示すように、補助支持部材70は、下端部が後側基礎部材11に補助基礎ブラケット72を介して、ボルト及びナットにより点支承で回動可能に接続される。また、補助支持部材70は、上端部が取付フレーム13に補助取付ブラケット73を介して、ボルト及びナットにより点支承で回動可能に接続される。
【0082】
補助支持部材70は、自身の長さを調整可能な構成となっており、上述の長さ調整手段4と同様の構成を採用してもよい。補助支持部材70の下端部は、第3実施形態の後側下部ブラケット61まわりの構成と同様のものとすることができる。補助支持部材70の上端部及び補助取付ブラケット73は、第3実施形態の支柱31Bの上部及び後側取付ブラケット67まわりの構成と同様のものとすることができる。
【0083】
太陽発電システム1Cの組み立て時には、初めは補助支持部材70を仮止めしておき、太陽電池モジュールの勾配調整を行ってから本締めして固定する。
【0084】
第4実施形態によれば、後側支持部材30及び補助支持部材70の2つの部材で太陽電池モジュール2を支持し、その勾配を維持するので、風圧力等によって生じる太陽電池モジュール2の勾配のずれの発生をより効果的に防止することができる。
【0085】
また、2つの部材で支持するため、後側支持部材30の強度を落すこともでき、後側支持部材30の軽量化、小型化を図ることができる。したがって、1つ1つの部材の大きさ及び重さを抑えることができ、各部材の現場への搬送の容易性、少人数による組み立て作業の容易性が向上する。
【0086】
[第5実施形態]
図25は、本発明の第5実施形態に係る太陽発電システム1Dの側面図である。第5実施形態に係る太陽発電システム1Dは、後側支持部材30Aとともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第2実施形態に係る太陽発電システム1Aと異なり、他の構成は第2実施形態に係る太陽発電システム1Aと同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0087】
また、第5実施形態に係る太陽発電システム1Dの補助支持部材70の構成、組立方法、効果等は、第4実施形態で述べた内容と同じなので、再度の説明は省略する。
【0088】
[第6実施形態]
図26は、本発明の第6実施形態に係る太陽発電システム1Eの側面図である。第6実施形態に係る太陽発電システム1Eは、後側支持部材30とともに太陽電池モジュール2を支持する補助支持部材70をさらに備えている点のみ、第3実施形態に係る太陽発電システム1Bと異なり、他の構成は第3実施形態に係る太陽発電システム1Bと同じであるので、同様の構成についての説明は省略する。
【0089】
また、第6実施形態に係る太陽発電システム1Eの補助支持部材70の構成、組立方法、効果等は、第4実施形態で述べた内容と同じなので、再度の説明は省略する。
【0090】
図27乃至図30は、補助支持部材70を後側基礎部材11に接続するための構成の変形例を示す図である。図27では、1つの共通ブラケット80に、ボルトやナットにより、後側支持部材30及び補助支持部材70が回動可能に接続される構成となっている。図28乃至図30では、1つの継手板82に、ボルトやナットにより、後側支持部材30及び補助支持部材70が回動可能に接続される構成となっている。継手板82は、後側基礎部材11との離間距離を調整可能に、後側基礎部材11に取り付けられている。つまり、継手板82の高さを調整することにより、後側支持部材30(支柱31)及び補助支持部材70の両方の高さを同時に調整することができる。なお、図29及び図30では、後側支持部材30(支柱31)及び補助支持部材70の記載を省略している。
【0091】
上記の各実施形態で述べた構成は、各実施形態間で適宜組み合わせ可能である。
【0092】
上記の各実施形態では、位置調整装置を陸屋根に取り付ける例で説明したが、本発明はこれに限定されず、上記の位置調整装置を勾配屋根や壁に取り付けてもよい。また、太陽電池モジュール以外の板状の構造物の取り付けにおいても、上記実施形態の架台3を適用することができる。板状の構造物としては、例えば、太陽熱利用装置、太陽光及び太陽熱の複合利用装置、空調用放熱構造や吸熱構造、遮蔽板、反射パネルなどが挙げられる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に傾斜して設けられる太陽電池モジュールの傾斜面下側の第1端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して揺動自在に支持する第1支持部材と、
上端部が前記太陽電池モジュールの前記第1端部よりも傾斜面上側の第2端部に接続され、下端部が前記設置面に設けられた基礎部材に接続され、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して支持する第2支持部材であって、前記太陽電池モジュールの前記設置面に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸により長さ調整を行う長さ調整手段を含む第2支持部材と、
前記長さ調整手段による前記第2支持部材の長さ調整で生じる前記太陽電池モジュールの傾斜角度の変化による前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部との第1接続点の移動を許容するための許容手段であって、前記第1接続点における前記第2支持部材と前記太陽電池モジュールとの接続が互いにスライド移動可能及び揺動可能の少なくとも1つの方法での接続である許容手段と、
を備えた太陽電池モジュールの架台。
【請求項2】
前記長さ調整手段は、
前記ねじ軸が固定される、前記第2支持部材の第1支持部と、
前記ねじ軸が貫通するねじ軸貫通孔を有する、前記第2支持部材の第2支持部と、
前記第2支持部に対する前記ねじ軸の軸方向位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項3】
前記締付手段は、円筒形状の前記第2支持部の内周面に形成された前記ねじ軸に螺合可能なねじ溝を含む
請求項2に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項4】
前記締付手段は、前記第2支持部を前記ねじ軸周りに回動可能とする結合部を含む
請求項2または3に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項5】
前記締付手段は、
前記第2支持部の円筒部に形成され前記ねじ軸の軸方向に延びる固定長孔と、
前記ねじ軸に形成された複数の固定ねじ孔と、
前記固定長孔に挿通され、前記複数の固定ねじ孔の1つにねじ込みされて、前記ねじ軸の前記第2支持部に対する前記ねじ軸周りの回動を阻止する固定ボルトと、を含む
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項6】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記第2支持部を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項2に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項7】
前記長さ調整手段は、
前記第2支持部材の前記下端部に設けられたねじ軸貫通孔と、
前記基礎部材に固定され、前記ねじ軸貫通孔を貫通する前記ねじ軸を含む締付手段であって、前記ねじ軸の軸方向における前記基礎部材に対する前記第2支持部材の前記下端部の位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項8】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記第2支持部の前記下端部を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項7に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項9】
前記許容手段は、
前記太陽電池モジュールの前記第2端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びるスライド長孔を有するフランジと、
前記第2支持部材の前記上端部に設けられ、前記スライド長孔内でスライド移動可能なスライド軸と、を含む
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項10】
前記許容手段は、前記スライド長孔に対する前記スライド軸の移動を阻止する締付部材をさらに含む
請求項9に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項11】
前記スライド長孔は、前記スライド軸が係合する、前記長孔の長手方向に設けられた複数の凹部を有する
請求項9又は10に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項12】
前記許容手段は、
前記第2支持部材の前記上端部に固定され、板厚方向斜めに貫通する第1貫通孔を有する板形状の第1板部材と、
前記第1板部材に揺動自在に接続され、前記太陽電池モジュールを面接触で支持し、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びるスライド長孔を有する第2板部材と、
前記スライド長孔を介して前記太陽電池モジュールと前記第2板部材とを接合する取付ボルトと
前記第1貫通孔を貫通して前記第2板部材に当接し、前記第2板部材の傾斜角度を調整する角度調整ボルトと、を含む
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項13】
前記第1板部材は、板厚方向垂直に貫通する第2貫通孔をさらに有し、
前記許容手段は、前記第2貫通孔を貫通して前記第2板部材に当接し、前記第2板部材の前記第1板部材に対する揺動を阻止する支持ボルトをさらに含む
請求項12に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項14】
前記許容手段は、
前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部とを互いに揺動自在に接続する第1回動部と、
前記第2支持部材の前記下端部と前記基礎部材とを互いに回動自在に接続する第2回動部と、を含む
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項15】
前記第1回動部は、
前記太陽電池モジュールの前記第2端部に取り付けられ、第1回動貫通孔を有する第1フランジと、
前記第2支持部材の前記上端部に設けられた第2回動貫通孔と、
前記第1回動貫通孔及び前記第2回動貫通孔を貫通する第1回動ボルトと、
前記第1回動ボルトに螺合するナットと、を含み、
前記第2回動部は、
前記基礎部材に取り付けられ、第3回動貫通孔を有する第2フランジと、
前記第2支持部材の前記下端部に設けられた第4回動貫通孔と、
前記第3回動貫通孔及び前記第4回動貫通孔を貫通する第2回動ボルトと、
前記第2回動ボルトに螺合するナットと、を含む
請求項14に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項16】
前記太陽電池モジュールの前記第1端部と前記第2端部との間に取り付けられ、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びる補助スライド長孔を有する補助フランジと、
上端部が前記補助フランジにスライド移動可能に接続され、下端部が前記基礎部材に揺動自在に接続されて、前記第2支持部材とともに前記太陽電池モジュールを支持する補助支持部材と、
前記補助支持部材の前記上端部に設けられ、前記補助スライド長孔内でスライド移動可能な補助スライド軸と、をさらに備えた
請求項1乃至13の何れかに記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項17】
前記長さ調整手段は、
前記第2支持部材の前記下端部及び前記補助部材の前記下端部とそれぞれ揺動可能に接続され、前記ねじ軸が貫通するねじ軸貫通孔を有する継手板と、
前記基礎部材に固定され、前記ねじ軸貫通孔を貫通する前記ねじ軸を含む締付手段であって、前記ねじ軸の軸方向における前記基礎部材に対する前記継手板の位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項18】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記継手板を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項17に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の太陽電池モジュールの架台と、
前記太陽電池モジュールの架台の前記第1支持部材に取り付けられて、前記架台により前記設置面に対して傾斜角度調整可能に支持される太陽電池モジュールと、
を備えた太陽電池システム。
【請求項1】
設置面に傾斜して設けられる太陽電池モジュールの傾斜面下側の第1端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して揺動自在に支持する第1支持部材と、
上端部が前記太陽電池モジュールの前記第1端部よりも傾斜面上側の第2端部に接続され、下端部が前記設置面に設けられた基礎部材に接続され、前記太陽電池モジュールを前記設置面に対して支持する第2支持部材であって、前記太陽電池モジュールの前記設置面に対する傾斜角度を変化させるためにねじ軸により長さ調整を行う長さ調整手段を含む第2支持部材と、
前記長さ調整手段による前記第2支持部材の長さ調整で生じる前記太陽電池モジュールの傾斜角度の変化による前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部との第1接続点の移動を許容するための許容手段であって、前記第1接続点における前記第2支持部材と前記太陽電池モジュールとの接続が互いにスライド移動可能及び揺動可能の少なくとも1つの方法での接続である許容手段と、
を備えた太陽電池モジュールの架台。
【請求項2】
前記長さ調整手段は、
前記ねじ軸が固定される、前記第2支持部材の第1支持部と、
前記ねじ軸が貫通するねじ軸貫通孔を有する、前記第2支持部材の第2支持部と、
前記第2支持部に対する前記ねじ軸の軸方向位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項3】
前記締付手段は、円筒形状の前記第2支持部の内周面に形成された前記ねじ軸に螺合可能なねじ溝を含む
請求項2に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項4】
前記締付手段は、前記第2支持部を前記ねじ軸周りに回動可能とする結合部を含む
請求項2または3に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項5】
前記締付手段は、
前記第2支持部の円筒部に形成され前記ねじ軸の軸方向に延びる固定長孔と、
前記ねじ軸に形成された複数の固定ねじ孔と、
前記固定長孔に挿通され、前記複数の固定ねじ孔の1つにねじ込みされて、前記ねじ軸の前記第2支持部に対する前記ねじ軸周りの回動を阻止する固定ボルトと、を含む
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項6】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記第2支持部を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項2に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項7】
前記長さ調整手段は、
前記第2支持部材の前記下端部に設けられたねじ軸貫通孔と、
前記基礎部材に固定され、前記ねじ軸貫通孔を貫通する前記ねじ軸を含む締付手段であって、前記ねじ軸の軸方向における前記基礎部材に対する前記第2支持部材の前記下端部の位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項8】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記第2支持部の前記下端部を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項7に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項9】
前記許容手段は、
前記太陽電池モジュールの前記第2端部に取り付けられ、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びるスライド長孔を有するフランジと、
前記第2支持部材の前記上端部に設けられ、前記スライド長孔内でスライド移動可能なスライド軸と、を含む
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項10】
前記許容手段は、前記スライド長孔に対する前記スライド軸の移動を阻止する締付部材をさらに含む
請求項9に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項11】
前記スライド長孔は、前記スライド軸が係合する、前記長孔の長手方向に設けられた複数の凹部を有する
請求項9又は10に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項12】
前記許容手段は、
前記第2支持部材の前記上端部に固定され、板厚方向斜めに貫通する第1貫通孔を有する板形状の第1板部材と、
前記第1板部材に揺動自在に接続され、前記太陽電池モジュールを面接触で支持し、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びるスライド長孔を有する第2板部材と、
前記スライド長孔を介して前記太陽電池モジュールと前記第2板部材とを接合する取付ボルトと
前記第1貫通孔を貫通して前記第2板部材に当接し、前記第2板部材の傾斜角度を調整する角度調整ボルトと、を含む
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項13】
前記第1板部材は、板厚方向垂直に貫通する第2貫通孔をさらに有し、
前記許容手段は、前記第2貫通孔を貫通して前記第2板部材に当接し、前記第2板部材の前記第1板部材に対する揺動を阻止する支持ボルトをさらに含む
請求項12に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項14】
前記許容手段は、
前記太陽電池モジュールと前記第2支持部材の前記上端部とを互いに揺動自在に接続する第1回動部と、
前記第2支持部材の前記下端部と前記基礎部材とを互いに回動自在に接続する第2回動部と、を含む
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項15】
前記第1回動部は、
前記太陽電池モジュールの前記第2端部に取り付けられ、第1回動貫通孔を有する第1フランジと、
前記第2支持部材の前記上端部に設けられた第2回動貫通孔と、
前記第1回動貫通孔及び前記第2回動貫通孔を貫通する第1回動ボルトと、
前記第1回動ボルトに螺合するナットと、を含み、
前記第2回動部は、
前記基礎部材に取り付けられ、第3回動貫通孔を有する第2フランジと、
前記第2支持部材の前記下端部に設けられた第4回動貫通孔と、
前記第3回動貫通孔及び前記第4回動貫通孔を貫通する第2回動ボルトと、
前記第2回動ボルトに螺合するナットと、を含む
請求項14に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項16】
前記太陽電池モジュールの前記第1端部と前記第2端部との間に取り付けられ、前記太陽電池モジュールの傾斜方向に延びる補助スライド長孔を有する補助フランジと、
上端部が前記補助フランジにスライド移動可能に接続され、下端部が前記基礎部材に揺動自在に接続されて、前記第2支持部材とともに前記太陽電池モジュールを支持する補助支持部材と、
前記補助支持部材の前記上端部に設けられ、前記補助スライド長孔内でスライド移動可能な補助スライド軸と、をさらに備えた
請求項1乃至13の何れかに記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項17】
前記長さ調整手段は、
前記第2支持部材の前記下端部及び前記補助部材の前記下端部とそれぞれ揺動可能に接続され、前記ねじ軸が貫通するねじ軸貫通孔を有する継手板と、
前記基礎部材に固定され、前記ねじ軸貫通孔を貫通する前記ねじ軸を含む締付手段であって、前記ねじ軸の軸方向における前記基礎部材に対する前記継手板の位置を調整及び固定可能な締付手段と、を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項18】
前記締付手段は、前記ねじ軸に螺合可能であって、前記継手板を前記ねじ軸貫通孔の両側から締付する2つのナットを含む
請求項17に記載の太陽電池モジュールの架台。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の太陽電池モジュールの架台と、
前記太陽電池モジュールの架台の前記第1支持部材に取り付けられて、前記架台により前記設置面に対して傾斜角度調整可能に支持される太陽電池モジュールと、
を備えた太陽電池システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−202030(P2012−202030A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64748(P2011−64748)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(511074578)フリージアハウス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(511074578)フリージアハウス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]