太陽電池モジュールの設置構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システム
【課題】寄棟や方形等の屋根の上面における太陽電池モジュールの設置面積をより拡大することが可能であって、また各太陽電池モジュールが縦方向および横方向に整列していなくても、太陽電池モジュールの固定部位数を節減することが可能な太陽電池モジュールの設置構造を提供する。
【解決手段】横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュール2A、2Bを横方向X及び縦方向Yに並べ、複数の固定金具6により各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の規定された固定部位を固定支持し、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の規定された固定部位が対峙する場合は、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の対峙する規定された固定部位を共通の固定金具6により固定支持している。
【解決手段】横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュール2A、2Bを横方向X及び縦方向Yに並べ、複数の固定金具6により各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の規定された固定部位を固定支持し、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の規定された固定部位が対峙する場合は、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠の対峙する規定された固定部位を共通の固定金具6により固定支持している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを屋根等の上に設置するための太陽電池モジュールの設置構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように複数の太陽電池モジュールを寄棟や方形等の屋根に並設した太陽光発電システムが利用されている。このような太陽光発電システムにおいては、より大きな太陽光発電電力を得るために、太陽電池モジュールの設置面積を広くすることが好ましい。
【0003】
このため、特許文献1では、屋根の上面において最大の四角形領域を定めて、この四角形領域に複数の建材一体型太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べて設け、この四角形領域と屋根の斜辺間の三角領域に据え置き型太陽電池モジュールを配置して、太陽電池モジュールの設置面積の拡大を図っている。
【0004】
また、太陽電池モジュールを屋根上に設ける場合は、風や積雪荷重等に対しても太陽電池モジュールを強固に支持する必要があり、例えばJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)などの機関により太陽電池モジュールの耐荷重設置基準が設けられている。この基準を満たすため、太陽電池モジュールはモジュールの種類毎に固定支持する位置が規定されることが多い。
【0005】
例えば、特許文献2では、太陽電池モジュールの対向2辺全体を長尺の支持部材及び押さえ部材により押さえ込んだり(特許文献2の図1を参照)、あるいは太陽電池モジュールの対向2辺の両側箇所、つまり4箇所を固定支持したりしている(特許文献2の図5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−69161号公報
【特許文献2】特開2011−26831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、太陽電池モジュールは一般に矩形状であり、この場合、寄棟や方形等の屋根の上面が三角形や台形であるため、複数の太陽電池モジュールを如何なる配置方法で並べても、屋根の上面には各太陽電池モジュールにより覆われない領域が発生し、これが太陽光発電電力を制限する1つの原因となっている。
【0008】
例えば、特許文献1では、建材一体型太陽電池モジュール及び据え置き型太陽電池モジュールが矩形状同一サイズであり、太陽電池モジュールの横方向の配置長さが太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍になることから、横方向の配置長さが屋根の両側斜辺から僅かでもはみ出す場合は、太陽電池モジュール1枚分だけ、横方向の配置長さを短くする必要があり、屋根の斜辺付近に太陽光発電に寄与しない広い空スペースが生じた(特許文献1の図4、図5、図6を参照)。また、特許文献2でも、矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べているため、特許文献1と同様の問題が生じると考えられる。
【0009】
また、太陽電池モジュールを強固に支持する必要があっても、太陽電池モジュールの固定部位が無駄に増大すると、太陽電池モジュールの設置に手間がかかるので、太陽電池モジュールの支持方法の基準を守りながらも、太陽電池モジュールの固定部位の数やサイズを最小限に抑えるのが好ましい。例えば、特許文献2の図5に示すように矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に整列させて並べる場合は、隣接する太陽電池モジュールで固定部位を共通して用いるため、設置に手間がかからない。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、寄棟や方形等の屋根の上面における太陽電池モジュールの設置面積をより拡大することが可能であって、また各太陽電池モジュールが縦方向および横方向に整列していなくても、太陽電池モジュールの固定部位数を節減することが可能な太陽電池モジュールの設置構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池モジュールの設置構造は、複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置した太陽電池モジュールの設置構造であって、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールと、横方向に延びる桟と、前記太陽電池モジュールを前記桟に固定する固定部材とを有し、前記太陽電池モジュールにおける前記固定部材の固定位置の範囲が規定されており、縦方向に隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける前記規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の前記固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定している。
【0012】
このような本発明の設置構造では、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べている。この場合、複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、太陽電池モジュールの横方向の配置長さを多様に設定することができ、横方向の配置長さを屋根の両側斜辺の内側に略調度収まるようにすることができる。これにより、太陽電池モジュールにより覆われない屋根の領域を狭くすることが可能となり、太陽光発電電力の増大を図ることができる。
【0013】
一方、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べる場合は、縦方向に隣り合う各太陽電池モジュールが横方向にずれて、各固定部材により固定支持される各太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲がずれる。この場合でも、太陽電池モジュールの規定された固定位置を固定すべきであるが、仮に各太陽電池モジュールを1枚ずつ個別に固定したならば、太陽電池モジュールの枚数が多くなる程、固定部材の数も多くなり、設置の工数が増加する。
【0014】
ところが、本発明の設置構造では、縦方向に並んで隣り合う各太陽電池モジュールの横枠の規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合は、各太陽電池モジュールの横枠の対峙する規定された固定位置の範囲を共通の固定部材により固定支持しているので、太陽電池モジュールの規定された固定位置を固定しながらも、固定部材を必要最小限の個数に抑えることができ、設置の工数を減少させることが可能となる。
【0015】
これに対して従来は、矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べていたため、各太陽電池モジュールの横方向の配置長さが屋根の斜辺から僅かでもはみ出す場合は、太陽電池モジュール1枚分だけ、横方向の配置長さを短くする必要があり、太陽電池モジュールにより覆われない屋根の領域を狭くすることが困難である。
【0016】
従って、本発明の設置構造では、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根の斜辺の内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような複数種類の太陽電池モジュールの組み合わせを実施したときに生じる固定部材の増大を最小限に抑えることができる。
【0017】
また、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲は、前記太陽電池モジュールの縦方向の端辺からの距離により規定される範囲であることが多い。
【0018】
この場合は、太陽電池モジュールの対向する2本の横枠両端のいずれにおいても、固定位置が横枠端からの距離により規定される範囲にあるため、太陽電池モジュールの4箇所が規定された固定位置の範囲となる。
【0019】
更に、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの短い方の太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍の長さは、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの長い方の太陽電池モジュールの横方向長さと異なる。
【0020】
このような複数種類の太陽電池モジュールの横方向長さを設定した場合は、複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べて、太陽電池モジュールの横方向の配置長さをより多様に設定することができる。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記屋根上に固定された支持部材を備え、前記支持部材上に前記横桟及び前記固定部材を固定して、前記支持部材上に固定された前記固定部材により前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲とは異なる部位を固定支持している。
【0022】
このように支持部材、横桟、及び固定部材を一体的に組み合わせて、この固定部材により太陽電池モジュールの横枠を固定支持すると、屋根に対して太陽電池モジュールをより強固に固定することができる。また、固定部材により太陽電池モジュールの横枠の規定された固定位置の範囲とは異なる部位を支持するので、支持部材の設置位置の自由度が高くなり、支持部材を屋根の垂木等の位置に合わせて取付けることができる。
【0023】
次に、本発明の太陽電池モジュールの設置方法は、複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置しており、前記各太陽電池モジュールは、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールを含む太陽電池モジュールの設置方法であって、第1行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、第2行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、桟上に配置された太陽電池モジュールを、固定部材を用いて桟に固定するときに、太陽電池モジュールにおける固定部材の固定位置の範囲が規定されており、前記第1行と前記第2行との間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定している。
【0024】
尚、第1行と第2行の関係は、複数行のうちの隣り合う各行の関係のことであり、隣り合う各行の間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することになる。
【0025】
また、本発明の太陽光発電システムは、上記本発明の太陽電池モジュールの設置構造を用いている。
【0026】
このような本発明の太陽電池モジュールの設置方法及び太陽光発電システムにおいても、上記本発明の太陽電池モジュールの設置構造と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根の斜辺の内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような太陽電池モジュールの組み合わせを実施したときに生じる固定部材の増大を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の太陽光発電システムの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの規定の固定部位を示す平面図である。
【図3】太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図4】太陽電池モジュールの枠を拡大して示す断面図である。
【図5】図1の太陽光発電システムにおける支持金具を示す斜視図である。
【図6】図1の太陽光発電システムにおける横桟を示す斜視図である。
【図7】図1の太陽光発電システムにおける固定金具を示す斜視図である。
【図8】図1の太陽光発電システムにおける取付け金具を示す斜視図である。
【図9】固定金具、支持金具、横桟、及び取付け金具の固定構造を示す分解斜視図である。
【図10】図9の固定構造を示す断面図である。
【図11】固定金具を用いて、2枚の太陽電池モジュールを横桟に固定した構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の太陽光発電システムの一実施形態を示す斜視図である。この太陽光発電システム1は、2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3上で横方向X及び縦方向Yに配置して支持したものであり、各太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3の上面の台形状に合わせて概ね台形状に並べて配置し、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置面積(太陽光の受光面積)の拡大を図り、太陽光発電力を増大させている。尚、図1において、縦方向Yは屋根1の水流れ方向Aに沿う方向であり、横方向Xは水流れ方向Aと直交する方向である。
【0031】
太陽電池モジュール2Aと太陽電池モジュール2Bとでは、縦方向Yの長さ(縦幅)ya、ybが同一であるが、横方向Xの長さ(横幅)xa、xbが異なる。例えば、各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybが992mmに共に設定され、太陽電池モジュール2Aの横幅xaが1165mmに設定され、太陽電池モジュール2Bの横幅xbが856mmに設定されている。
【0032】
各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybが同一であるから、各太陽電池モジュール2A、2Bが混在して横方向一列に配置されても、各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横方向に延在する枠が直線状に揃う。
【0033】
また、各太陽電池モジュール2A、2Bの横幅xa、xbが相互に異なり、太陽電池モジュール2Bの横幅xbの整数倍の長さ(856mm、1712mm、……)が太陽電池モジュール2Aの横幅xaの長さ(1165mm)とは異なる。このため、各太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、各太陽電池モジュール2A、2Bの横方向Xの配置長さを様々に設定することができる。更に、横幅xa>横幅xb>(横幅xa/2)に設定されているので、太陽電池モジュール2Bの受光面積が太陽電池モジュール2Aの受光面積と比較して著しく狭くなることはなく、太陽電池モジュール2Bの発電電力が著しく不足したり、各太陽電池モジュール2Bの配置枚数が著しく増大することもない。
【0034】
ここでは、屋根3の上面は、屋根3の勾配に応じた台形状となっている。この屋根3の上面の台形状に合わせて、最下段第1行目では、11枚の各太陽電池モジュール2Aを配置して、横方向Xの配置長さを約12.8mに設定している。また、第2行目では、8枚の各太陽電池モジュール2Aと2枚の各太陽電池モジュール2Bを混在させ配置して、横方向Xの配置長さを約11.0mに設定している。更に、第3行目では、8枚の各太陽電池モジュール2Aを配置して、横方向Xの配置長さを約9.3mに設定している。また、第4行目では、2枚の各太陽電池モジュール2Aと6枚の各太陽電池モジュール2Bを混在させ配置して、横方向Xの配置長さを約7.5mに設定している。
【0035】
このように各太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせることにより、第1〜第4行目まで、概ね1.8mずつ横方向Xの配置長さを短くして、各太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3の上面の台形状に合わせて概ね台形状に並べて配置し、第1〜第4行目の両端を屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収めている。これにより、各太陽電池モジュール2A、2Bにより覆われない屋根3の上面の領域を狭くすることが可能となり、太陽光発電電力の増大を図ることができる。
【0036】
一方、各太陽電池モジュール2A、2Bのいずれについても、図2に拡大して示すように太陽電池モジュール2A、2Bの横方向に延在する2本の横枠12aの両端近傍において、両端(縦方向の端辺)からの距離が50mm〜250mm(150mm±100mm)の範囲を固定部位S(規定された固定位置の範囲)として規定しており、横方向に延在する2本の横枠12aの両端近傍の固定部位S、つまり4箇所の固定部位Sで、各太陽電池モジュール2A、2Bを固定することになっている。
【0037】
太陽電池モジュールの施工に際しては、風や積雪荷重に対して太陽電池モジュールを強固に支持する必要があるため、例えばJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)などの機関により太陽電池モジュールの耐荷重設置基準が設けられている。この基準を満たすために、太陽電池モジュールの固定部位Sは太陽電池モジュールの種類毎に規定され、太陽電池モジュールの設置に際しては、固定部位Sで固定するように設置マニュアルに指示されることが多い。
【0038】
ところが、図1に示すように横方向長さが異なる2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べる場合は、縦方向に隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bが横方向にずれることがあって、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの規定された固定部位Sもずれることがある。このため、上記基準を守って、仮に各太陽電池モジュール2A、2Bを1枚ずつ個別に固定したならば、各太陽電池モジュール2A、2Bの枚数が多くなる程、固定部位Sが比例して増大し、固定部位Sを固定するための固定金具4の数も多くなり、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置に手間がかかる。
【0039】
そこで、本実施形態では、縦方向に並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの規定された固定部位Sの少なくとも一部が対峙する場合は、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの対峙する固定部位Sを共通かつ単一の固定金具4により固定支持し、固定金具4を必要最小限の個数に抑えて、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置の手間を低減している。
【0040】
従って、本発明の設置方法では、横方向長さが異なる2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような2種類の太陽電池モジュール2A、2Bの組み合わせを実施したときに生じる固定金具4の増大を最小限に抑えることができる。
【0041】
次に、本実施形態の太陽光発電システム1の構造を詳しく説明する。この太陽光発電システム1では、図1に示すように屋根3上に複数の支持金具5を配置して固定し、各支持金具5の上に各横桟6を架け渡して固定し、各横桟6に複数の固定金具4を取付けて固定し、各横桟6間に各太陽電池モジュール2A、2Bを架け渡して、各固定金具4により各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横枠を固定支持している。
【0042】
このような構造においては、まず、先に述べたような屋根3の上面の台形状に合った各太陽電池モジュール2A、2Bの横方向X及び縦方向Yの配置を決定し、次に各横桟6の横方向Xの長さ及び各横桟6の横方向X及び縦方向Yの位置を決定する。また、各支持金具5の横方向Xの位置は、屋根3の垂木等の位置に合わせて決定して、各支持金具5を垂木等に固定する。
【0043】
図3は、太陽電池モジュール2A、2Bを示す斜視図である。図3に示すように各太陽電池モジュール2A、2Bは、太陽光を光電変換する太陽電池パネル11と、この太陽電池パネル11を縁取って保持する枠12とで構成されている。
【0044】
太陽電池パネル11は、例えば2枚のガラス板の間に、透明電極膜、光電変換層(半導体層)、及び裏面電極膜を順次積層してなる太陽電池セルを挟み込んで、各ガラス板の端部を封止したものである。枠12は、アルミ材からなり、2本の横枠12aと2本の縦枠12bを組立てたものである。このような枠付きの太陽電池モジュール2A、2Bでは、枠の複数箇所が保持され固定されるように設計されており、横枠12aの両端(縦方向の端辺)からの距離が50mm〜250mm(150mm±100mm)の範囲が固定部位S(規定された固定位置の範囲)として規定されている。
【0045】
図4は、各太陽電池モジュール2A、2Bの枠12を拡大して示す断面図である。図4に示すように枠12は、壁部13と、壁部13の上端に設けられた枠板14と、壁部13の下端から枠12の内側に延在する底板15とを有している。壁部13の内側上部には棚部6が形成され、棚部16と枠板12の間には枠12の内側に向く挿入溝17が形成され、この挿入溝17に太陽電池パネル11の端部が挿入されて支持されている。
【0046】
更に、枠板14の下方で壁部13の外側には、平板状のリブ18が形成され、更にリブ118の下方には、枠12の外側に向かって突出するL字状突起部19が形成され、L字状突起部19の外側端部が上方に向いている。
【0047】
図5は、支持金具5を示す斜視図である。図5に示すように支持金具5は、長矩形の主板5aと、主板5aの両辺で上方に折り曲げられた各側壁5bと、各側壁5bの上辺で内側に折り曲げられた各天板5cと、各天板5cの内側辺で下方に折り曲げられた各ガイド壁5dとを有している。各ガイド壁5d間に隙間が形成され、この隙間が開口溝5eとなっている。また、各側板5bの一端部近傍には、それぞれのストッパー5fが形成されている。
【0048】
このような支持金具5は、周知の方法もしくは構造により屋根3に固定される。例えば、屋根3の瓦を貫通して垂木に接続された金具により支持金具5を固定することができる。
【0049】
図6は、横桟6を示す斜視図である。図6に示すように横桟6は、1枚の鋼板を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、その中央に鋼板を折り返して二枚重ねにしてなる境界壁6aを有している。この境界壁6aの一方側に、断面形状がコの字型のレール部6bが形成され、レール部6bの底部に長形孔6fが形成されている。レール部6bは、固定金具4の奥行きの長さよりも僅かに広い幅を有し、このレール部6bの内側に固定金具4を配置することができる。このレール部6bの側壁6cは、鋼板を内側に折り返して二枚重ねにされており、その側壁6c上端が各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aを載置する第1台座部6eとなっている。
【0050】
また、横桟6の境界壁6aの他方側には、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aを載置する第2台座部6gが形成されている。第2台座部6gは、階段状に形成されたものであり、第1台座部6eと同じ高さに設定されている。境界壁6aは、第2台座部6gの上面に対して垂直に立っている。
【0051】
図7は、固定金具4を示す斜視図である。図7に示すように固定金具4は、底板4aと、底板4aの両側を垂直に折り曲げてなる各側壁4bと、底板4aの一辺を垂直に折り曲げてなる立設板4cとを有している。
【0052】
底板4aには、穿孔4dが形成されている。この底板4aの奥行幅が横桟6のレール部6bの幅よりも僅かに短くされており、この底板4aを横桟6のレール部6bの内側に配置することができるようにされている。
【0053】
各側壁4bの上端には、外側に折り曲げられた各受け部4eが形成されている。各受け部4eの高さは、固定金具4の底板4aを横桟6のレール部6bに載せたときに横桟6の第1及び第2台座部6e、6gと同一高さもしくは僅かに低くなるように設定されている。
【0054】
立設板4cの上端には、底板4a側に折り曲げられた鈎部4fと、鈎部4fとは反対側に折り曲げられた係合部4gとが形成されている。2つの鈎部4fが立設板4cの上端両側に設けられ、また1つの係合部4gが立設板4cの上端中央に設けられ、2つの鈎部4fと1つの係合部4gが交互に配置されている。また、立設板4cの両側で折り曲げられた各当接板4hが設けられている。
【0055】
図8は、固定金具4を支持金具5に取付けるための取付け金具21を示す斜視図である。図8に示すように取付け金具21は、その主板21aにネジ孔21bを形成し、主板21aの両辺を上側に折り曲げてT字型の各支持片21cを形成し、また主板21aの両側を3回折り曲げる(下側、外側、上側に順次折り曲げる)などして、各摺動部21dを形成したものである。
【0056】
各支持片21cの間は、横桟6のレール部6bの底部の幅よりも僅かに長くされており、各支持片21cの間に横桟6のレール部6bの底部を配置することができるようにされている。
【0057】
このような固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21のいずれも、例えば鋼板を打ち抜き、切断、折り曲げ加工して、メッキ処理を施したものである。
【0058】
図9は、固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21の固定構造を示す分解斜視図である。また、図10は、固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21の固定構造を示す断面図である。
【0059】
ここで、先に述べたように支持金具5は、適宜の方法もしくは構造により屋根に固定される。このとき、図9に示すように支持金具5の開口溝5eが水流れ方向Aに沿うように、また支持金具5のストッパー5fが水流れ方向A下流側に位置するように、支持金具5の向きを設定する。そして、取付け金具21の各支持片21cを支持金具5の開口溝5eに差し込んで、各支持片21cのT字型の頭部を各天板5cに引っ掛け、取付け金具21の各摺動部21dを支持金具5の両側の側壁5bとガイド壁5d間に挿入して、取付け金具21を支持金具5に取付ける。これにより、取付け金具21が支持金具5の開口溝5eに沿って移動自在に支持される。また、支持金具5のストッパー5fにより取付け金具21の水流れ方向A下流側への脱落が防止される。
【0060】
この後、図10に示すように支持金具5の各天板5c上に突出した取付け金具21の各支持片21cの頭部間に横桟6のレール部6bの底部を挟み込んで、横桟6を支持金具5の各天板5c上に載せ、固定金具4の底板4aを横桟6のレール部6bの内側に配置する。更に、固定金具4の底板4aの穿孔4dを横桟6のレール部6bの長形孔6fを介して取付け金具21の主板21aのネジ孔21bに重ね合わせ、ボルト22を固定金具4の穿孔4d及び横桟6の長形孔6fを介して取付け金具21のネジ孔21bにねじ込んで、固定金具4及び横桟6を支持金具5上に仮止めする。この仮止めの状態で固定金具4及び横桟6を横方向X及び縦方向Yに移動させて位置決めし、この後にボルト22を締め付けて、固定金具4及び横桟6を支持金具5に固定する。
【0061】
例えば、図1に示すような各太陽電池モジュール2A、2Bを設置する場合には、太陽電池モジュール2A、2Bを組み合わせて配置した行の両端の各固定金具4を設置可能な長さの横桟6を用意し、太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅に合った距離で複数の横桟6を配置する。なお、本実施形態では、太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅さよりも若干広い距離となる。
【0062】
次に、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aの固定部位Sを固定するための複数の固定金具4を各横桟6のレール部6bの内側に配置して、固定部位S別に、固定金具4を固定部位Sの範囲に位置決めし、ボルトを固定金具4の穿孔4d及び横桟6の長形孔6fに通して、ボルトにナットをねじ込んで締め付け、固定金具4を横桟6に固定する。
【0063】
このとき、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sの少なくとも一部が対峙する場合は、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに対して共通かつ単一の固定金具4を割り当て、共通かつ単一の固定金具4を横桟6に固定する。これにより、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sにそれぞれの固定金具4を割り当てることと比較すると、1個の固定金具4を節減することができる。
【0064】
また、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sが対峙し、かつこの対峙する固定部位S間に、図9及び図10に示すように支持金具5上に横桟6と共に固定された固定金具4が既に在る場合は、この既存の固定金具4を縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに割り当てる。この場合は、支持金具5上に固定金具4を割り当て、かつ各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sにそれぞれの固定金具4を割り当てることと比較すると、2個の固定金具4を節減することができる。尚、支持金具5上の固定金具4と、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sを固定する単一又は2個の固定金具4とを別々に設けても構わない。
【0065】
図11は、固定金具4を用いて、横桟6を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bを横桟6に固定した構造を示す断面図である。
【0066】
図11に示すように一方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aは、横桟6の第1台座部6eに載せられて、固定金具4の各当接板4hに当接しており、横枠12aのL字状突起部19の外側端部が固定金具4の各鈎部4fの下側に押し込められて、横枠12aのL字状突起部19が固定金具4の各鈎部4fに引っ掛かり係止されている。
【0067】
また、他方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aは、横桟6の第2台座部6gに載せられて、横桟6の境界壁6aに当接しており、横枠12aのL字状突起部19の外側端部が固定金具4の係合部4gの下側に押し込められて、横枠12aのL字状突起部19が固定金具4の係合部4gに引っ掛かり係止されている。
【0068】
従って、横桟6の第1台座部6eに一方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aが載せられて、一方の太陽電池モジュールの横枠12aが固定金具4の各鈎部4fに係止され、横桟6の第2台座部6gに他方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aが載せられて、他方の太陽電池モジュールの横枠12aが固定金具4の係合部4gに係止され、各太陽電池モジュールの横枠12aが横桟6を挟んで固定されている。
【0069】
図1においては、各横桟6に複数の固定金具4を配置して固定し、各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横枠12aの各固定部位Sを4個の固定金具4により固定支持している。
【0070】
次に、本実施形態の太陽光発電システム1の設置手順を説明する。
【0071】
まず、図1に示すような台形状の屋根3の上面において、各太陽電池モジュール2A、2Bの行数(縦方向の配置枚数)を決め、各行毎に、横方向Xに並ぶ各太陽電池モジュール2A、2Bの行の配置長さが屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収ような各太陽電池モジュール2A、2Bの枚数の組み合わせを求めて設定し、各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序を決定する。
【0072】
そして、第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bを架け渡して支持するための第1及び第2番目の横桟6の長さを第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第3番目の横桟6の長さを第2行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第4番目の横桟6の長さを第3行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第5番目の横桟6の長さを第4行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定する。
【0073】
この後、屋根3の上面において、第1〜第5番目の横桟6が配置されるそれぞれの仮想直線上で、複数の支持金具5の配置位置を決める。例えば、各支持金具5の間隔を、屋根3の各垂木の間隔に合わせて設定する。そして、それらの配置位置にそれぞれの支持金具5を仮想直線と直交するように配置し、各支持金具5を屋根3に固定する。
【0074】
引き続いて、第1〜第5番目の横桟6及び複数の固定金具4を各支持金具5上に載せて固定支持する。このとき、第1番目の横桟6を固定し、第2番目〜第5番目の横桟6を仮止めする。
【0075】
更に、第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第1及び第2番目の横桟6上に載せて固定する。同様に、第2行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第2及び第3番目の横桟6上に載せて固定し、また第3行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第3及び第4番目の横桟6上に載せて固定し、更に第4行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第4及び第5番目の横桟6上に載せて固定する。
【0076】
このとき、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位S少なくとも一部が対峙する場合は、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに対して共通かつ単一の固定金具4を割り当てる。
【0077】
その際、縦方向Yに隣り合う太陽電池モジュール2Aもしくは2Bにおいて、固定部位Sの少なくとも一部が対峙するかどうかを知るために、予め太陽電池モジュール2Aおよび2Bの配置や設置のための部材配置を検討するレイアウトソフト等を用いてもよい。さらにレイアウトソフトで固定金具4の固定部位を定めると、設置の作業性がさらに向上する。
【0078】
また、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sが対峙し、かつこの対峙する固定部位S間に、支持金具5上に横桟6と共に固定された固定金具4が既に在る場合は、この既存の固定金具4を縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに割り当てる。こうして各固定金具4の配置位置を決め、各横桟6上に各固定金具4を固定する。
【0079】
次に、仮止めされた第2番目の横桟6を縦方向Yに移動させて、既に固定された第1番目の横桟6と第2番目の横桟6との間の距離を各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybよりも僅かに広げて、第1番目の横桟6の第2台座部6gと第2番目の横桟6の第1台座部6eとに第1行目の各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを載せ、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向A上流側の横枠12aを押して、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向下流側の横枠12aを第1番目の横桟6の固定金具4の各鈎部4fに係止させ、引き続いて仮止めされた第2番目の横桟6を水流れ方向Aに移動させて、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向上流側の横枠12aを第2番目の固定金具4の係合部4gに係止させる。そして、仮止めされた第2番目の横桟6を各支持金具5上に固定する。
【0080】
以降同様に、仮止めされた第n(n=3、4、5)番目の横桟6を縦方向Yに移動させて、既に固定された第(n−1)番目の横桟6と第n番目の横桟6との間の距離を各太陽電池モジュール2AもしくはBの縦幅ya、ybよりも僅かに広げて、第(n−1)番目の横桟6の第2台座部6gと第n番目の横桟6の第1台座部6eとに第k(k=2、3、4)行目の各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを載せ、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを第(n−1)番目の横桟6の固定金具4の各鈎部4f及び第n番目の固定金具4の係合部4gに係止させる。そして、仮止めされた第n番目の横桟6を各支持金具5上に固定する。
【0081】
尚、第1行目と第2行目の関係、及び第k行目と第(k+1)行目の関係は、隣り合う各行(第1行と第2行ともいう)の関係のことであり、隣り合う各行の間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することになる。
【0082】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0083】
1 太陽光発電システム
2A、2B 太陽電池モジュール
3 屋根
4 固定金具
5 支持金具
6 横桟
11 太陽電池パネル
12 枠
21 取付け金具
22 ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを屋根等の上に設置するための太陽電池モジュールの設置構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように複数の太陽電池モジュールを寄棟や方形等の屋根に並設した太陽光発電システムが利用されている。このような太陽光発電システムにおいては、より大きな太陽光発電電力を得るために、太陽電池モジュールの設置面積を広くすることが好ましい。
【0003】
このため、特許文献1では、屋根の上面において最大の四角形領域を定めて、この四角形領域に複数の建材一体型太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べて設け、この四角形領域と屋根の斜辺間の三角領域に据え置き型太陽電池モジュールを配置して、太陽電池モジュールの設置面積の拡大を図っている。
【0004】
また、太陽電池モジュールを屋根上に設ける場合は、風や積雪荷重等に対しても太陽電池モジュールを強固に支持する必要があり、例えばJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)などの機関により太陽電池モジュールの耐荷重設置基準が設けられている。この基準を満たすため、太陽電池モジュールはモジュールの種類毎に固定支持する位置が規定されることが多い。
【0005】
例えば、特許文献2では、太陽電池モジュールの対向2辺全体を長尺の支持部材及び押さえ部材により押さえ込んだり(特許文献2の図1を参照)、あるいは太陽電池モジュールの対向2辺の両側箇所、つまり4箇所を固定支持したりしている(特許文献2の図5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−69161号公報
【特許文献2】特開2011−26831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、太陽電池モジュールは一般に矩形状であり、この場合、寄棟や方形等の屋根の上面が三角形や台形であるため、複数の太陽電池モジュールを如何なる配置方法で並べても、屋根の上面には各太陽電池モジュールにより覆われない領域が発生し、これが太陽光発電電力を制限する1つの原因となっている。
【0008】
例えば、特許文献1では、建材一体型太陽電池モジュール及び据え置き型太陽電池モジュールが矩形状同一サイズであり、太陽電池モジュールの横方向の配置長さが太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍になることから、横方向の配置長さが屋根の両側斜辺から僅かでもはみ出す場合は、太陽電池モジュール1枚分だけ、横方向の配置長さを短くする必要があり、屋根の斜辺付近に太陽光発電に寄与しない広い空スペースが生じた(特許文献1の図4、図5、図6を参照)。また、特許文献2でも、矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べているため、特許文献1と同様の問題が生じると考えられる。
【0009】
また、太陽電池モジュールを強固に支持する必要があっても、太陽電池モジュールの固定部位が無駄に増大すると、太陽電池モジュールの設置に手間がかかるので、太陽電池モジュールの支持方法の基準を守りながらも、太陽電池モジュールの固定部位の数やサイズを最小限に抑えるのが好ましい。例えば、特許文献2の図5に示すように矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に整列させて並べる場合は、隣接する太陽電池モジュールで固定部位を共通して用いるため、設置に手間がかからない。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、寄棟や方形等の屋根の上面における太陽電池モジュールの設置面積をより拡大することが可能であって、また各太陽電池モジュールが縦方向および横方向に整列していなくても、太陽電池モジュールの固定部位数を節減することが可能な太陽電池モジュールの設置構造、太陽電池モジュールの設置方法、及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池モジュールの設置構造は、複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置した太陽電池モジュールの設置構造であって、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールと、横方向に延びる桟と、前記太陽電池モジュールを前記桟に固定する固定部材とを有し、前記太陽電池モジュールにおける前記固定部材の固定位置の範囲が規定されており、縦方向に隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける前記規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の前記固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定している。
【0012】
このような本発明の設置構造では、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べている。この場合、複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、太陽電池モジュールの横方向の配置長さを多様に設定することができ、横方向の配置長さを屋根の両側斜辺の内側に略調度収まるようにすることができる。これにより、太陽電池モジュールにより覆われない屋根の領域を狭くすることが可能となり、太陽光発電電力の増大を図ることができる。
【0013】
一方、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べる場合は、縦方向に隣り合う各太陽電池モジュールが横方向にずれて、各固定部材により固定支持される各太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲がずれる。この場合でも、太陽電池モジュールの規定された固定位置を固定すべきであるが、仮に各太陽電池モジュールを1枚ずつ個別に固定したならば、太陽電池モジュールの枚数が多くなる程、固定部材の数も多くなり、設置の工数が増加する。
【0014】
ところが、本発明の設置構造では、縦方向に並んで隣り合う各太陽電池モジュールの横枠の規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合は、各太陽電池モジュールの横枠の対峙する規定された固定位置の範囲を共通の固定部材により固定支持しているので、太陽電池モジュールの規定された固定位置を固定しながらも、固定部材を必要最小限の個数に抑えることができ、設置の工数を減少させることが可能となる。
【0015】
これに対して従来は、矩形状同一サイズの太陽電池モジュールを横方向及び縦方向に並べていたため、各太陽電池モジュールの横方向の配置長さが屋根の斜辺から僅かでもはみ出す場合は、太陽電池モジュール1枚分だけ、横方向の配置長さを短くする必要があり、太陽電池モジュールにより覆われない屋根の領域を狭くすることが困難である。
【0016】
従って、本発明の設置構造では、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根の斜辺の内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような複数種類の太陽電池モジュールの組み合わせを実施したときに生じる固定部材の増大を最小限に抑えることができる。
【0017】
また、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲は、前記太陽電池モジュールの縦方向の端辺からの距離により規定される範囲であることが多い。
【0018】
この場合は、太陽電池モジュールの対向する2本の横枠両端のいずれにおいても、固定位置が横枠端からの距離により規定される範囲にあるため、太陽電池モジュールの4箇所が規定された固定位置の範囲となる。
【0019】
更に、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの短い方の太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍の長さは、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの長い方の太陽電池モジュールの横方向長さと異なる。
【0020】
このような複数種類の太陽電池モジュールの横方向長さを設定した場合は、複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べて、太陽電池モジュールの横方向の配置長さをより多様に設定することができる。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの設置構造においては、前記屋根上に固定された支持部材を備え、前記支持部材上に前記横桟及び前記固定部材を固定して、前記支持部材上に固定された前記固定部材により前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲とは異なる部位を固定支持している。
【0022】
このように支持部材、横桟、及び固定部材を一体的に組み合わせて、この固定部材により太陽電池モジュールの横枠を固定支持すると、屋根に対して太陽電池モジュールをより強固に固定することができる。また、固定部材により太陽電池モジュールの横枠の規定された固定位置の範囲とは異なる部位を支持するので、支持部材の設置位置の自由度が高くなり、支持部材を屋根の垂木等の位置に合わせて取付けることができる。
【0023】
次に、本発明の太陽電池モジュールの設置方法は、複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置しており、前記各太陽電池モジュールは、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールを含む太陽電池モジュールの設置方法であって、第1行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、第2行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、桟上に配置された太陽電池モジュールを、固定部材を用いて桟に固定するときに、太陽電池モジュールにおける固定部材の固定位置の範囲が規定されており、前記第1行と前記第2行との間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定している。
【0024】
尚、第1行と第2行の関係は、複数行のうちの隣り合う各行の関係のことであり、隣り合う各行の間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することになる。
【0025】
また、本発明の太陽光発電システムは、上記本発明の太陽電池モジュールの設置構造を用いている。
【0026】
このような本発明の太陽電池モジュールの設置方法及び太陽光発電システムにおいても、上記本発明の太陽電池モジュールの設置構造と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、横方向長さが異なる複数種類の太陽電池モジュールを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根の斜辺の内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような太陽電池モジュールの組み合わせを実施したときに生じる固定部材の増大を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の太陽光発電システムの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの規定の固定部位を示す平面図である。
【図3】太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図4】太陽電池モジュールの枠を拡大して示す断面図である。
【図5】図1の太陽光発電システムにおける支持金具を示す斜視図である。
【図6】図1の太陽光発電システムにおける横桟を示す斜視図である。
【図7】図1の太陽光発電システムにおける固定金具を示す斜視図である。
【図8】図1の太陽光発電システムにおける取付け金具を示す斜視図である。
【図9】固定金具、支持金具、横桟、及び取付け金具の固定構造を示す分解斜視図である。
【図10】図9の固定構造を示す断面図である。
【図11】固定金具を用いて、2枚の太陽電池モジュールを横桟に固定した構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の太陽光発電システムの一実施形態を示す斜視図である。この太陽光発電システム1は、2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3上で横方向X及び縦方向Yに配置して支持したものであり、各太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3の上面の台形状に合わせて概ね台形状に並べて配置し、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置面積(太陽光の受光面積)の拡大を図り、太陽光発電力を増大させている。尚、図1において、縦方向Yは屋根1の水流れ方向Aに沿う方向であり、横方向Xは水流れ方向Aと直交する方向である。
【0031】
太陽電池モジュール2Aと太陽電池モジュール2Bとでは、縦方向Yの長さ(縦幅)ya、ybが同一であるが、横方向Xの長さ(横幅)xa、xbが異なる。例えば、各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybが992mmに共に設定され、太陽電池モジュール2Aの横幅xaが1165mmに設定され、太陽電池モジュール2Bの横幅xbが856mmに設定されている。
【0032】
各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybが同一であるから、各太陽電池モジュール2A、2Bが混在して横方向一列に配置されても、各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横方向に延在する枠が直線状に揃う。
【0033】
また、各太陽電池モジュール2A、2Bの横幅xa、xbが相互に異なり、太陽電池モジュール2Bの横幅xbの整数倍の長さ(856mm、1712mm、……)が太陽電池モジュール2Aの横幅xaの長さ(1165mm)とは異なる。このため、各太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、各太陽電池モジュール2A、2Bの横方向Xの配置長さを様々に設定することができる。更に、横幅xa>横幅xb>(横幅xa/2)に設定されているので、太陽電池モジュール2Bの受光面積が太陽電池モジュール2Aの受光面積と比較して著しく狭くなることはなく、太陽電池モジュール2Bの発電電力が著しく不足したり、各太陽電池モジュール2Bの配置枚数が著しく増大することもない。
【0034】
ここでは、屋根3の上面は、屋根3の勾配に応じた台形状となっている。この屋根3の上面の台形状に合わせて、最下段第1行目では、11枚の各太陽電池モジュール2Aを配置して、横方向Xの配置長さを約12.8mに設定している。また、第2行目では、8枚の各太陽電池モジュール2Aと2枚の各太陽電池モジュール2Bを混在させ配置して、横方向Xの配置長さを約11.0mに設定している。更に、第3行目では、8枚の各太陽電池モジュール2Aを配置して、横方向Xの配置長さを約9.3mに設定している。また、第4行目では、2枚の各太陽電池モジュール2Aと6枚の各太陽電池モジュール2Bを混在させ配置して、横方向Xの配置長さを約7.5mに設定している。
【0035】
このように各太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせることにより、第1〜第4行目まで、概ね1.8mずつ横方向Xの配置長さを短くして、各太陽電池モジュール2A、2Bを屋根3の上面の台形状に合わせて概ね台形状に並べて配置し、第1〜第4行目の両端を屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収めている。これにより、各太陽電池モジュール2A、2Bにより覆われない屋根3の上面の領域を狭くすることが可能となり、太陽光発電電力の増大を図ることができる。
【0036】
一方、各太陽電池モジュール2A、2Bのいずれについても、図2に拡大して示すように太陽電池モジュール2A、2Bの横方向に延在する2本の横枠12aの両端近傍において、両端(縦方向の端辺)からの距離が50mm〜250mm(150mm±100mm)の範囲を固定部位S(規定された固定位置の範囲)として規定しており、横方向に延在する2本の横枠12aの両端近傍の固定部位S、つまり4箇所の固定部位Sで、各太陽電池モジュール2A、2Bを固定することになっている。
【0037】
太陽電池モジュールの施工に際しては、風や積雪荷重に対して太陽電池モジュールを強固に支持する必要があるため、例えばJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)などの機関により太陽電池モジュールの耐荷重設置基準が設けられている。この基準を満たすために、太陽電池モジュールの固定部位Sは太陽電池モジュールの種類毎に規定され、太陽電池モジュールの設置に際しては、固定部位Sで固定するように設置マニュアルに指示されることが多い。
【0038】
ところが、図1に示すように横方向長さが異なる2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べる場合は、縦方向に隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bが横方向にずれることがあって、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの規定された固定部位Sもずれることがある。このため、上記基準を守って、仮に各太陽電池モジュール2A、2Bを1枚ずつ個別に固定したならば、各太陽電池モジュール2A、2Bの枚数が多くなる程、固定部位Sが比例して増大し、固定部位Sを固定するための固定金具4の数も多くなり、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置に手間がかかる。
【0039】
そこで、本実施形態では、縦方向に並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの規定された固定部位Sの少なくとも一部が対峙する場合は、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの対峙する固定部位Sを共通かつ単一の固定金具4により固定支持し、固定金具4を必要最小限の個数に抑えて、各太陽電池モジュール2A、2Bの設置の手間を低減している。
【0040】
従って、本発明の設置方法では、横方向長さが異なる2種類の太陽電池モジュール2A、2Bを適宜の枚数ずつ組み合わせて横方向に並べることにより、横方向の配置長さを屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収めて、太陽光発電電力の増大を図りながらも、そのような2種類の太陽電池モジュール2A、2Bの組み合わせを実施したときに生じる固定金具4の増大を最小限に抑えることができる。
【0041】
次に、本実施形態の太陽光発電システム1の構造を詳しく説明する。この太陽光発電システム1では、図1に示すように屋根3上に複数の支持金具5を配置して固定し、各支持金具5の上に各横桟6を架け渡して固定し、各横桟6に複数の固定金具4を取付けて固定し、各横桟6間に各太陽電池モジュール2A、2Bを架け渡して、各固定金具4により各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横枠を固定支持している。
【0042】
このような構造においては、まず、先に述べたような屋根3の上面の台形状に合った各太陽電池モジュール2A、2Bの横方向X及び縦方向Yの配置を決定し、次に各横桟6の横方向Xの長さ及び各横桟6の横方向X及び縦方向Yの位置を決定する。また、各支持金具5の横方向Xの位置は、屋根3の垂木等の位置に合わせて決定して、各支持金具5を垂木等に固定する。
【0043】
図3は、太陽電池モジュール2A、2Bを示す斜視図である。図3に示すように各太陽電池モジュール2A、2Bは、太陽光を光電変換する太陽電池パネル11と、この太陽電池パネル11を縁取って保持する枠12とで構成されている。
【0044】
太陽電池パネル11は、例えば2枚のガラス板の間に、透明電極膜、光電変換層(半導体層)、及び裏面電極膜を順次積層してなる太陽電池セルを挟み込んで、各ガラス板の端部を封止したものである。枠12は、アルミ材からなり、2本の横枠12aと2本の縦枠12bを組立てたものである。このような枠付きの太陽電池モジュール2A、2Bでは、枠の複数箇所が保持され固定されるように設計されており、横枠12aの両端(縦方向の端辺)からの距離が50mm〜250mm(150mm±100mm)の範囲が固定部位S(規定された固定位置の範囲)として規定されている。
【0045】
図4は、各太陽電池モジュール2A、2Bの枠12を拡大して示す断面図である。図4に示すように枠12は、壁部13と、壁部13の上端に設けられた枠板14と、壁部13の下端から枠12の内側に延在する底板15とを有している。壁部13の内側上部には棚部6が形成され、棚部16と枠板12の間には枠12の内側に向く挿入溝17が形成され、この挿入溝17に太陽電池パネル11の端部が挿入されて支持されている。
【0046】
更に、枠板14の下方で壁部13の外側には、平板状のリブ18が形成され、更にリブ118の下方には、枠12の外側に向かって突出するL字状突起部19が形成され、L字状突起部19の外側端部が上方に向いている。
【0047】
図5は、支持金具5を示す斜視図である。図5に示すように支持金具5は、長矩形の主板5aと、主板5aの両辺で上方に折り曲げられた各側壁5bと、各側壁5bの上辺で内側に折り曲げられた各天板5cと、各天板5cの内側辺で下方に折り曲げられた各ガイド壁5dとを有している。各ガイド壁5d間に隙間が形成され、この隙間が開口溝5eとなっている。また、各側板5bの一端部近傍には、それぞれのストッパー5fが形成されている。
【0048】
このような支持金具5は、周知の方法もしくは構造により屋根3に固定される。例えば、屋根3の瓦を貫通して垂木に接続された金具により支持金具5を固定することができる。
【0049】
図6は、横桟6を示す斜視図である。図6に示すように横桟6は、1枚の鋼板を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、その中央に鋼板を折り返して二枚重ねにしてなる境界壁6aを有している。この境界壁6aの一方側に、断面形状がコの字型のレール部6bが形成され、レール部6bの底部に長形孔6fが形成されている。レール部6bは、固定金具4の奥行きの長さよりも僅かに広い幅を有し、このレール部6bの内側に固定金具4を配置することができる。このレール部6bの側壁6cは、鋼板を内側に折り返して二枚重ねにされており、その側壁6c上端が各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aを載置する第1台座部6eとなっている。
【0050】
また、横桟6の境界壁6aの他方側には、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aを載置する第2台座部6gが形成されている。第2台座部6gは、階段状に形成されたものであり、第1台座部6eと同じ高さに設定されている。境界壁6aは、第2台座部6gの上面に対して垂直に立っている。
【0051】
図7は、固定金具4を示す斜視図である。図7に示すように固定金具4は、底板4aと、底板4aの両側を垂直に折り曲げてなる各側壁4bと、底板4aの一辺を垂直に折り曲げてなる立設板4cとを有している。
【0052】
底板4aには、穿孔4dが形成されている。この底板4aの奥行幅が横桟6のレール部6bの幅よりも僅かに短くされており、この底板4aを横桟6のレール部6bの内側に配置することができるようにされている。
【0053】
各側壁4bの上端には、外側に折り曲げられた各受け部4eが形成されている。各受け部4eの高さは、固定金具4の底板4aを横桟6のレール部6bに載せたときに横桟6の第1及び第2台座部6e、6gと同一高さもしくは僅かに低くなるように設定されている。
【0054】
立設板4cの上端には、底板4a側に折り曲げられた鈎部4fと、鈎部4fとは反対側に折り曲げられた係合部4gとが形成されている。2つの鈎部4fが立設板4cの上端両側に設けられ、また1つの係合部4gが立設板4cの上端中央に設けられ、2つの鈎部4fと1つの係合部4gが交互に配置されている。また、立設板4cの両側で折り曲げられた各当接板4hが設けられている。
【0055】
図8は、固定金具4を支持金具5に取付けるための取付け金具21を示す斜視図である。図8に示すように取付け金具21は、その主板21aにネジ孔21bを形成し、主板21aの両辺を上側に折り曲げてT字型の各支持片21cを形成し、また主板21aの両側を3回折り曲げる(下側、外側、上側に順次折り曲げる)などして、各摺動部21dを形成したものである。
【0056】
各支持片21cの間は、横桟6のレール部6bの底部の幅よりも僅かに長くされており、各支持片21cの間に横桟6のレール部6bの底部を配置することができるようにされている。
【0057】
このような固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21のいずれも、例えば鋼板を打ち抜き、切断、折り曲げ加工して、メッキ処理を施したものである。
【0058】
図9は、固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21の固定構造を示す分解斜視図である。また、図10は、固定金具4、支持金具5、横桟6、及び取付け金具21の固定構造を示す断面図である。
【0059】
ここで、先に述べたように支持金具5は、適宜の方法もしくは構造により屋根に固定される。このとき、図9に示すように支持金具5の開口溝5eが水流れ方向Aに沿うように、また支持金具5のストッパー5fが水流れ方向A下流側に位置するように、支持金具5の向きを設定する。そして、取付け金具21の各支持片21cを支持金具5の開口溝5eに差し込んで、各支持片21cのT字型の頭部を各天板5cに引っ掛け、取付け金具21の各摺動部21dを支持金具5の両側の側壁5bとガイド壁5d間に挿入して、取付け金具21を支持金具5に取付ける。これにより、取付け金具21が支持金具5の開口溝5eに沿って移動自在に支持される。また、支持金具5のストッパー5fにより取付け金具21の水流れ方向A下流側への脱落が防止される。
【0060】
この後、図10に示すように支持金具5の各天板5c上に突出した取付け金具21の各支持片21cの頭部間に横桟6のレール部6bの底部を挟み込んで、横桟6を支持金具5の各天板5c上に載せ、固定金具4の底板4aを横桟6のレール部6bの内側に配置する。更に、固定金具4の底板4aの穿孔4dを横桟6のレール部6bの長形孔6fを介して取付け金具21の主板21aのネジ孔21bに重ね合わせ、ボルト22を固定金具4の穿孔4d及び横桟6の長形孔6fを介して取付け金具21のネジ孔21bにねじ込んで、固定金具4及び横桟6を支持金具5上に仮止めする。この仮止めの状態で固定金具4及び横桟6を横方向X及び縦方向Yに移動させて位置決めし、この後にボルト22を締め付けて、固定金具4及び横桟6を支持金具5に固定する。
【0061】
例えば、図1に示すような各太陽電池モジュール2A、2Bを設置する場合には、太陽電池モジュール2A、2Bを組み合わせて配置した行の両端の各固定金具4を設置可能な長さの横桟6を用意し、太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅に合った距離で複数の横桟6を配置する。なお、本実施形態では、太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅さよりも若干広い距離となる。
【0062】
次に、各太陽電池モジュール2A、2Bの横枠12aの固定部位Sを固定するための複数の固定金具4を各横桟6のレール部6bの内側に配置して、固定部位S別に、固定金具4を固定部位Sの範囲に位置決めし、ボルトを固定金具4の穿孔4d及び横桟6の長形孔6fに通して、ボルトにナットをねじ込んで締め付け、固定金具4を横桟6に固定する。
【0063】
このとき、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sの少なくとも一部が対峙する場合は、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに対して共通かつ単一の固定金具4を割り当て、共通かつ単一の固定金具4を横桟6に固定する。これにより、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sにそれぞれの固定金具4を割り当てることと比較すると、1個の固定金具4を節減することができる。
【0064】
また、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sが対峙し、かつこの対峙する固定部位S間に、図9及び図10に示すように支持金具5上に横桟6と共に固定された固定金具4が既に在る場合は、この既存の固定金具4を縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに割り当てる。この場合は、支持金具5上に固定金具4を割り当て、かつ各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sにそれぞれの固定金具4を割り当てることと比較すると、2個の固定金具4を節減することができる。尚、支持金具5上の固定金具4と、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sを固定する単一又は2個の固定金具4とを別々に設けても構わない。
【0065】
図11は、固定金具4を用いて、横桟6を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bを横桟6に固定した構造を示す断面図である。
【0066】
図11に示すように一方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aは、横桟6の第1台座部6eに載せられて、固定金具4の各当接板4hに当接しており、横枠12aのL字状突起部19の外側端部が固定金具4の各鈎部4fの下側に押し込められて、横枠12aのL字状突起部19が固定金具4の各鈎部4fに引っ掛かり係止されている。
【0067】
また、他方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aは、横桟6の第2台座部6gに載せられて、横桟6の境界壁6aに当接しており、横枠12aのL字状突起部19の外側端部が固定金具4の係合部4gの下側に押し込められて、横枠12aのL字状突起部19が固定金具4の係合部4gに引っ掛かり係止されている。
【0068】
従って、横桟6の第1台座部6eに一方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aが載せられて、一方の太陽電池モジュールの横枠12aが固定金具4の各鈎部4fに係止され、横桟6の第2台座部6gに他方の太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aが載せられて、他方の太陽電池モジュールの横枠12aが固定金具4の係合部4gに係止され、各太陽電池モジュールの横枠12aが横桟6を挟んで固定されている。
【0069】
図1においては、各横桟6に複数の固定金具4を配置して固定し、各太陽電池モジュール2A、2Bの上下の横枠12aの各固定部位Sを4個の固定金具4により固定支持している。
【0070】
次に、本実施形態の太陽光発電システム1の設置手順を説明する。
【0071】
まず、図1に示すような台形状の屋根3の上面において、各太陽電池モジュール2A、2Bの行数(縦方向の配置枚数)を決め、各行毎に、横方向Xに並ぶ各太陽電池モジュール2A、2Bの行の配置長さが屋根3の両側斜辺3aの内側に略調度収ような各太陽電池モジュール2A、2Bの枚数の組み合わせを求めて設定し、各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序を決定する。
【0072】
そして、第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bを架け渡して支持するための第1及び第2番目の横桟6の長さを第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第3番目の横桟6の長さを第2行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第4番目の横桟6の長さを第3行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定し、第5番目の横桟6の長さを第4行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置長さと略同一に設定する。
【0073】
この後、屋根3の上面において、第1〜第5番目の横桟6が配置されるそれぞれの仮想直線上で、複数の支持金具5の配置位置を決める。例えば、各支持金具5の間隔を、屋根3の各垂木の間隔に合わせて設定する。そして、それらの配置位置にそれぞれの支持金具5を仮想直線と直交するように配置し、各支持金具5を屋根3に固定する。
【0074】
引き続いて、第1〜第5番目の横桟6及び複数の固定金具4を各支持金具5上に載せて固定支持する。このとき、第1番目の横桟6を固定し、第2番目〜第5番目の横桟6を仮止めする。
【0075】
更に、第1行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第1及び第2番目の横桟6上に載せて固定する。同様に、第2行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第2及び第3番目の横桟6上に載せて固定し、また第3行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第3及び第4番目の横桟6上に載せて固定し、更に第4行目の各太陽電池モジュール2A、2Bの配置順序に基づき、各横桟6上で各太陽電池モジュール2A、2Bの固定部位Sに対応する範囲を求め、これらの範囲に入るようにそれぞれの固定金具4を第4及び第5番目の横桟6上に載せて固定する。
【0076】
このとき、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位S少なくとも一部が対峙する場合は、これらの太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに対して共通かつ単一の固定金具4を割り当てる。
【0077】
その際、縦方向Yに隣り合う太陽電池モジュール2Aもしくは2Bにおいて、固定部位Sの少なくとも一部が対峙するかどうかを知るために、予め太陽電池モジュール2Aおよび2Bの配置や設置のための部材配置を検討するレイアウトソフト等を用いてもよい。さらにレイアウトソフトで固定金具4の固定部位を定めると、設置の作業性がさらに向上する。
【0078】
また、縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sが対峙し、かつこの対峙する固定部位S間に、支持金具5上に横桟6と共に固定された固定金具4が既に在る場合は、この既存の固定金具4を縦方向Yに並んで隣り合う各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの横枠12aの固定部位Sに割り当てる。こうして各固定金具4の配置位置を決め、各横桟6上に各固定金具4を固定する。
【0079】
次に、仮止めされた第2番目の横桟6を縦方向Yに移動させて、既に固定された第1番目の横桟6と第2番目の横桟6との間の距離を各太陽電池モジュール2A、2Bの縦幅ya、ybよりも僅かに広げて、第1番目の横桟6の第2台座部6gと第2番目の横桟6の第1台座部6eとに第1行目の各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを載せ、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向A上流側の横枠12aを押して、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向下流側の横枠12aを第1番目の横桟6の固定金具4の各鈎部4fに係止させ、引き続いて仮止めされた第2番目の横桟6を水流れ方向Aに移動させて、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの水流れ方向上流側の横枠12aを第2番目の固定金具4の係合部4gに係止させる。そして、仮止めされた第2番目の横桟6を各支持金具5上に固定する。
【0080】
以降同様に、仮止めされた第n(n=3、4、5)番目の横桟6を縦方向Yに移動させて、既に固定された第(n−1)番目の横桟6と第n番目の横桟6との間の距離を各太陽電池モジュール2AもしくはBの縦幅ya、ybよりも僅かに広げて、第(n−1)番目の横桟6の第2台座部6gと第n番目の横桟6の第1台座部6eとに第k(k=2、3、4)行目の各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを載せ、各太陽電池モジュール2Aもしくは2Bの上下の横枠12aを第(n−1)番目の横桟6の固定金具4の各鈎部4f及び第n番目の固定金具4の係合部4gに係止させる。そして、仮止めされた第n番目の横桟6を各支持金具5上に固定する。
【0081】
尚、第1行目と第2行目の関係、及び第k行目と第(k+1)行目の関係は、隣り合う各行(第1行と第2行ともいう)の関係のことであり、隣り合う各行の間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することになる。
【0082】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0083】
1 太陽光発電システム
2A、2B 太陽電池モジュール
3 屋根
4 固定金具
5 支持金具
6 横桟
11 太陽電池パネル
12 枠
21 取付け金具
22 ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置した太陽電池モジュールの設置構造であって、
横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールと、
横方向に延びる桟と、
前記太陽電池モジュールを前記桟に固定する固定部材とを有し、
前記太陽電池モジュールにおける前記固定部材の固定位置の範囲が規定されており、
縦方向に隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける前記規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の前記固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲は、前記太陽電池モジュールの縦方向の端辺からの距離により規定される範囲であることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの短い方の太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍の長さは、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの長い方の太陽電池モジュールの横方向長さと異なることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項4】
請求項3に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記屋根上に固定された支持部材を備え、
前記支持部材上に前記横桟及び前記固定部材を固定して、前記支持部材上に固定された前記固定部材により前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲とは異なる部位を固定支持したことを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項5】
複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置しており、前記各太陽電池モジュールは、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールを含む太陽電池モジュールの設置方法であって、
第1行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、
第2行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、
桟上に配置された太陽電池モジュールを、固定部材を用いて桟に固定するときに、太陽電池モジュールにおける固定部材の固定位置の範囲が規定されており、前記第1行と前記第2行との間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの設置構造を用いた太陽光発電システム。
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置した太陽電池モジュールの設置構造であって、
横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールと、
横方向に延びる桟と、
前記太陽電池モジュールを前記桟に固定する固定部材とを有し、
前記太陽電池モジュールにおける前記固定部材の固定位置の範囲が規定されており、
縦方向に隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける前記規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の前記固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲は、前記太陽電池モジュールの縦方向の端辺からの距離により規定される範囲であることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの短い方の太陽電池モジュールの横方向長さの整数倍の長さは、前記2種類以上の太陽電池モジュールのうちの長い方の太陽電池モジュールの横方向長さと異なることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項4】
請求項3に記載の太陽電池モジュールの設置構造であって、
前記屋根上に固定された支持部材を備え、
前記支持部材上に前記横桟及び前記固定部材を固定して、前記支持部材上に固定された前記固定部材により前記太陽電池モジュールの規定された固定位置の範囲とは異なる部位を固定支持したことを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項5】
複数の太陽電池モジュールを横方向に並べた行を縦方向に複数並べて、前記各太陽電池モジュールを設置しており、前記各太陽電池モジュールは、横方向の長さが異なる2種類以上の太陽電池モジュールを含む太陽電池モジュールの設置方法であって、
第1行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、
第2行として桟上に複数の太陽電池モジュールを横方向に配置し、
桟上に配置された太陽電池モジュールを、固定部材を用いて桟に固定するときに、太陽電池モジュールにおける固定部材の固定位置の範囲が規定されており、前記第1行と前記第2行との間において隣り合う少なくとも2つの太陽電池モジュールの縦方向の端辺が揃っておらず、これら2つの太陽電池モジュールにおける規定された固定位置の範囲の少なくとも一部が対峙する場合に、共通の固定部材を用いてこれら2つの太陽電池モジュールを固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの設置構造を用いた太陽光発電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−23926(P2013−23926A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160245(P2011−160245)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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