説明

太陽電池モジュール

【課題】配線基板と太陽電池との位置合わせを容易にしながら、製造工程の簡略化を図ることを可能とする太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール100では、複数の太陽電池10が配線材20によって電気的に接続される。太陽電池モジュール100は、少なくとも2以上の太陽電池10の主面を覆う配線基板30を備える。複数の太陽電池10のそれぞれは、光電変換部11や電極(第1電極12、第2電極13など)を備える。配線基板30は、電極の少なくとも一部に沿って設けられる溝部(溝部32〜溝部34など)を有する。溝部の底には、導電材(導電材42〜導電材44)が設けられる。溝部の底に設けられた導電材は、電極から配線材20に連なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の太陽電池が配線材によって電気的に接続されてなる太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光を電気に変換するため、新しいエネルギー源として期待されている。また、出力の向上を目的として、複数の太陽電池によって、太陽電池モジュールが構成される。太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池が配線材によって電気的に接続される。
【0003】
太陽電池は、例えば、照射光(例えば、太陽光)の受光に応じてキャリアを生成する光電変換部と、光電変換部からキャリアを収集する電極とを有する。具体的には、光電変換部は、照射光を受光する受光面と、受光面の反対側に設けられた裏面とを有する。電極は、光電変換部の受光面や裏面に設けられる。なお、受光面及び裏面を総称して、光電変換部の主面と称する。
【0004】
ここで、太陽電池モジュールの製造工程を簡略化するために、電極のパターンが形成された配線基板を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−319691号公報
【特許文献2】特開2005−340362号公報
【特許文献3】特開2007−019334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した技術では、配線基板と太陽電池との位置合わせの基準が特に存在していないため、配線基板と太陽電池との位置合わせが難しい。特に、太陽電池モジュールにおいて、複数の太陽電池に跨って配線基板が設けられるケースでは、配線基板と複数の太陽電池との位置合わせがさらに難しい。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、配線基板と太陽電池との位置合わせを容易にしながら、製造工程の簡略化を図ることを可能とする太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る太陽電池モジュール(太陽電池モジュール100)では、複数の太陽電池(太陽電池10)が配線材(配線材20)によって電気的に接続される。太陽電池モジュールは、前記複数の太陽電池のうち、少なくとも2以上の太陽電池の主面を覆う配線基板(配線基板30)を備える。前記複数の太陽電池のそれぞれは、照射光の受光に応じてキャリアを生成する光電変換部(光電変換部11)と、前記光電変換部の主面上に設けられており、前記光電変換部から前記キャリアを収集する電極(第1電極12や第2電極13など)とを備える。前記配線基板は、前記電極の少なくとも一部に沿って設けられる溝部(溝部32〜溝部34など)を有する。前記溝部の底には、導電材(導電材42〜導電材44)が設けられる。前記溝部の底に設けられた前記導電材は、前記電極から前記配線材に連なる。
【0009】
第1の特徴において、太陽電池モジュールは、所定配列方向に沿って前記配線材によって電気的に接続された太陽電池群である帯状の太陽電池ストリング(太陽電池ストリング110)をさらに備える。前記配線基板の幅は、前記太陽電池ストリングの幅よりも小さい。
【0010】
第1の特徴において、前記配線材は、前記溝部に設けられる。
【0011】
第1の特徴において、前記溝部は、前記少なくとも2以上の太陽電池に跨って連続する。前記配線材は、前記溝部に設けられる。
【0012】
第1の特徴において、前記溝部の底と前記導電材との間に、弾性部材(弾性部材52や弾性部材53)が設けられる。
【0013】
第1の特徴において、太陽電池モジュールは、所定配列方向に沿って前記配線材によって電気的に接続された太陽電池群である複数の太陽電池ストリングをさらに備える。前記複数の太陽電池ストリングは、第1太陽電池ストリングと、前記第1太陽電池ストリングに隣接する第2太陽電池ストリングとを含む。前記第1太陽電池ストリングの一端に設けられた第1太陽電池は、前記第2太陽電池ストリングの一端に設けられた第2太陽電池と前記配線材によって電気的に接続される。前記配線基板は、前記第1太陽電池の主面及び前記第2太陽電池の主面を覆う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線基板と太陽電池との位置合わせを容易にしながら、製造工程の簡略化を図ることを可能とする太陽電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュール100の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る太陽電池モジュール100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る太陽電池10の配列を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る配線基板30の構成(1)を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る配線基板30の構成(1)を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図12】第1実施形態に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図13】第1実施形態に係る配線基板30の構成(2)を示す図である。
【図14】第1実施形態に係る配線基板30の構成(2)を示す図である。
【図15】第1実施形態の変更例1に係る配線基板30の構成を示す図である。
【図16】第1実施形態の変更例2に係る太陽電池10の配列を示す図である。
【図17】第1実施形態の変更例2に係る配線基板30の構成を示す図である。
【図18】第1実施形態の変更例2に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図19】第2実施形態に係る太陽電池10の配列を示す図である。
【図20】第2実施形態に係る配線基板30の構成を示す図である。
【図21】第2実施形態に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図22】第2実施形態の変更例1に係る太陽電池10の配列を示す図である。
【図23】第2実施形態の変更例1に係る配線基板30の構成を示す図である。
【図24】第2実施形態の変更例1に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図25】第2実施形態の変更例1に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【図26】第3実施形態に係る太陽電池モジュール100の構成を示す図である。
【図27】第3実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図28】第3実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。
【図29】第3実施形態に係る太陽電池10の接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池が配線材によって電気的に接続される。太陽電池モジュールは、複数の太陽電池のうち、少なくとも2以上の太陽電池の主面を覆う配線基板を備える。複数の太陽電池のそれぞれは、照射光の受光に応じてキャリアを生成する光電変換部と、光電変換部の主面上に設けられており、光電変換部からキャリアを収集する電極とを備える。配線基板は、電極の少なくとも一部に沿って設けられる溝部を有する。溝部の底には、導電材が設けられる。溝部の底に設けられた導電材は、電極から配線材に連なる。
【0019】
実施形態では、配線基板は、電極の少なくとも一部に沿って設けられる溝部を有する。従って、少なくとも2以上の太陽電池と配線基板との位置合わせが容易である。
【0020】
実施形態では、配線基板に設けられた溝部の底に導電材が設けられており、導電材が電極から配線材に連なる。従って、タブなどの配線を簡略化することができる。すなわち、太陽電池モジュールの製造工程が簡略化される。
【0021】
[第1実施形態]
(太陽電池モジュールの構成)
以下において、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの構成について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール100の構成を示す図である。なお、図1は、照射光を受光する受光面の反対側に設けられた裏面側から太陽電池モジュール100を見た図である。図2は、太陽電池モジュール100の断面を示す図である。なお、図1では、裏面側保護材320を省略して示している。
【0022】
太陽電池モジュール100は、図1に示すように、複数の太陽電池ストリング110(太陽電池ストリング110A〜太陽電池ストリング110F)と、端子ボックス200とを有する。
【0023】
複数の太陽電池ストリング110は、配列方向Bに沿って並べられており、各太陽電池ストリング110は、複数の太陽電池10を有する。太陽電池ストリング110において、複数の太陽電池10は、配列方向Aに沿って並べられる。
【0024】
ここで、太陽電池ストリング110内において、複数の太陽電池10は、配線材20Aによって電気的に接続される。また、太陽電池ストリング110間において、複数の太陽電池10は、配線材20Bによって電気的に接続される。なお、以下においては、配線材20A及び配線材20Bを総称して、配線材20と称する。
【0025】
例えば、太陽電池ストリング110Aは、太陽電池10A〜太陽電池10Eを有する。太陽電池10A〜太陽電池10Eは、配線材20Aによって電気的に接続される。
【0026】
また、太陽電池ストリング110Aの一端に設けられた太陽電池10E及び太陽電池ストリング110Bの一端に設けられた太陽電池10Fは、配線材20Bによって電気的に接続される。
【0027】
端子ボックス200は、照射光を受光する受光面の反対側に設けられた裏面側に配置される。端子ボックス200には、配線材20に接続された複数の引出電極120(引出電極120A〜引出電極120D)が接続される。端子ボックス200は、配線材20及び引出電極120を介して取り出された電力を出力ケーブル(不図示)を介して外部に出力する。なお、引出電極120A〜引出電極120Dは、太陽電池ストリング110間において複数の太陽電池10を電気的に接続する配線材20Bに接続される。
【0028】
太陽電池モジュール100は、図2に示すように、受光面側保護材310と、裏面側保護材320と、封止材330とを有する。上述した太陽電池ストリング110は、受光面側保護材310と裏面側保護材320との間において、封止材330によって封止される。
【0029】
受光面側保護材310は、太陽電池10の受光面側に設けられており、太陽電池10の受光面を保護する。受光面側保護材310は、例えば、光透過性及び遮水性を有するガラスやプラスチック等によって構成される。
【0030】
裏面側保護材320は、太陽電池10の裏面側に設けられており、太陽電池10の裏面を保護する。裏面側保護材320は、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)等の樹脂フィルム、Al箔を樹脂フィルムで挟む構造を有する積層フィルムなどである。
【0031】
封止材330は、受光面側保護材310と裏面側保護材320との間に充填される。封止材330は、光透過性の部材によって構成される。封止材330は、例えば、EVA、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の樹脂によって構成される。
【0032】
ここで、複数の太陽電池10の裏面側には、配線基板30が設けられる。配線基板30は、絶縁部材によって構成されており、少なくとも2以上の太陽電池10の裏面を覆う。
【0033】
(太陽電池の構成)
以下において、第1実施形態に係る太陽電池の構成について、図面を参照しながら説明する。図3〜図6は、第1実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。なお、図3は、照射光を受光する受光面の反対側に設けられた裏面側から太陽電池10を見た図である。図4は、照射光を受光する受光面側から太陽電池10を見た図である。図5は、太陽電池10の断面(図3に示すA−A断面)を示す図である。図6は、太陽電池10の断面(図3に示すB−B断面)を示す図である。
【0034】
図3〜図6に示すように、太陽電池10は、光電変換部11と、第1電極12と、第2電極13と、スルーホール電極14と、絶縁部材15とを有する。
【0035】
光電変換部11は、照射光の受光に応じてキャリアを生成する。キャリアは、一対の正孔及び電子である。また、光電変換部11は、照射光を受光する受光面11Mと、受光面11Mの反対側に設けられた裏面11Nとを有する。第1実施形態では、光電変換部11の受光面11Mに第1導電型領域が形成されており、光電変換部11の裏面11Nに第2導電型領域が形成されている。
【0036】
光電変換部11は、単結晶Si、多結晶Si等の結晶系半導体材料によって構成される半導体基板を含んでいてもよい。光電変換部11は、GaAs、InP等の化合物半導体材料によって構成される半導体基板を含んでいてもよい。
【0037】
光電変換部11は、単結晶Si基板と非晶質Si層との間に、真正な非晶質Siを有する構造(HIT構造)を有していてもよい。HIT構造では、ヘテロ結合界面の特性が改善する。
【0038】
第1電極12は、キャリア(正孔又は電子)を収集する電極である。具体的には、第1電極12は、裏面側第1電極12Aと裏面側第2電極12Bとを有する。
【0039】
裏面側第1電極12Aは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有しており、光電変換部11の裏面11Nに設けられる。複数の裏面側第1電極12Aは、光電変換部11の裏面11Nの略全領域に亘って配置されることが好ましい。
【0040】
裏面側第2電極12Bは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状の部分及び配列方向Bに沿って延びるライン状の形状の部分を有しており、光電変換部11の裏面11Nに設けられる。配列方向Bに沿って延びるライン状の形状の部分は、配列方向Aにおける太陽電池10の端部に設けられる。
【0041】
ここで、裏面側第2電極12Bは、光電変換部11の裏面11Nにおいて、複数の裏面側第1電極12Aと交差し、電気的に接続される。
【0042】
裏面側第1電極12A及び裏面側第2電極12Bは、例えば、AgやCuなどの低抵抗金属によって構成される。
【0043】
第2電極13は、キャリア(電子又は正孔)を収集する電極である。具体的には、第2電極13は、受光面側第1電極13Aと受光面側第2電極13Bとを有する。
【0044】
受光面側第1電極13Aは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有しており、光電変換部11の受光面11Mに設けられる。複数の受光面側第1電極13Aは、光電変換部11の受光面11Mの略全領域に亘って配置されることが好ましい。
【0045】
受光面側第2電極13Bは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状を有しており、光電変換部11の裏面11Nに設けられる。ここで、受光面側第2電極13Bは、光電変換部11の主面(受光面11M又は裏面11N)と略平行な投影面において、複数の受光面側第1電極13Aと交差する。
【0046】
受光面側第1電極13A及び受光面側第2電極13Bは、例えば、AgやCuなどの低抵抗金属によって構成される。
【0047】
なお、受光面側第2電極13Bは、裏面側第2電極12Bと直接接続されていない。
【0048】
スルーホール電極14は、光電変換部11を貫通するスルーホール内に設けられる。スルーホール電極14は、受光面側第1電極13A及び受光面側第2電極13Bを電気的に接続する。スルーホール電極14は、例えば、AgやCuなどの低抵抗金属によって構成される。
【0049】
なお、図3では、スルーホール電極14が受光面側第2電極13Bからはみ出しているが、スルーホール電極14は、受光面側第2電極13Bからはみ出さないように構成されていてもよい。すなわち、スルーホール電極14は、受光面側第2電極13Bによって覆われていてもよい。
【0050】
絶縁部材15は、光電変換部11を貫通するスルーホール内に設けられる。絶縁部材15は、スルーホール電極14の外周を覆っている。絶縁部材15は、スルーホール電極14を光電変換部11から絶縁する。なお、絶縁部材15は、スルーホール電極14を裏面側第1電極12Aから絶縁してもよい。
【0051】
(太陽電池の配列)
以下において、第1実施形態に係る太陽電池の配列について、図面を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る太陽電池10の配列を示す図である。なお、図7は、裏面側から太陽電池10を見た図である。
【0052】
ここでは、複数の太陽電池10のうち、太陽電池10X及び太陽電池10Yを例に挙げて説明する。太陽電池10X及び太陽電池10Yは、太陽電池ストリング110内において、互いに隣接する太陽電池10である。例えば、太陽電池10Xは、太陽電池ストリング110Aに設けられる太陽電池10Aであり、太陽電池10Yは、太陽電池ストリング110Aに設けられる太陽電池10Bである(図1を参照)。
【0053】
第1実施形態では、図7に示すように、太陽電池10X及び太陽電池10Yは同様の構成を有する。また、太陽電池10X及び太陽電池10Yの向きが同じである。
【0054】
(配線基板の構成(1))
以下において、第1実施形態に係る配線基板の構成(1)について、図面を参照しながら説明する。図8及び図9は、第1実施形態に係る配線基板30を示す図である。
【0055】
ここでは、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nを配線基板30が覆うケースについて例示する。図8及び図9は、配線基板30が有する面のうち、裏面11Nと対向する面を示す図である。
【0056】
図8に示すように、配線基板30は、絶縁体31によって構成されており、絶縁体31は、溝部32と、溝部33と、溝部34とを有する。なお、絶縁体31としては、ゴム系樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、多孔質構造の樹脂などを用いることができる。
【0057】
溝部32は、第1電極12の一部、すなわち、裏面側第2電極12Bに沿って設けられる。溝部33は、第2電極13の一部、すなわち、受光面側第2電極13Bに沿って設けられる。溝部34は、裏面側第2電極12Bの一部に沿って設けられる。また、太陽電池10X側の溝部32は、溝部34に連続しており、太陽電池10Y側の溝部33は、溝部34に連続している。
【0058】
図9に示すように、溝部32の底には、導電材42が設けられており、溝部33の底には、導電材43が設けられる。また、溝部34の底には、導電材44及び配線材20Aが設けられる。導電材42、導電材43及び導電材44は、配線材20Aと同様の導電性材料によって構成される。
【0059】
なお、第1実施形態では、説明の便宜上、溝部34の底には、導電材44及び配線材20Aが設けられると説明しているに過ぎない。導電材44及び配線材20Aが同様の導電性材料によって構成されることからも明らかなように、溝部34の底に設けられる導電材44及び配線材20Aを区別しなくてもよい。
【0060】
上述したように、太陽電池10X側の溝部32が溝部34に連続しているため、太陽電池10X側の導電材42は、導電材44を介して配線材20Aに連なる。同様に、太陽電池10Y側の溝部33が溝部34に連続しているため、太陽電池10Y側の導電材43は、配線材20Aに連なる。
【0061】
ここで、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nに配線基板30が設けられると、導電材42は、裏面側第2電極12Bに電気的に接続され、導電材43は、受光面側第2電極13Bに電気的に接続される。
【0062】
言い換えると、太陽電池10Xの裏面側第2電極12Bは、導電材42及び導電材44を介して配線材20Aに電気的に接続される。同様に、太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。
【0063】
すなわち、太陽電池10X及び太陽電池10Yは配線材20Aによって電気的に接続される。
【0064】
第1実施形態では、配列方向Bにおいて、配線基板30の幅Wは、太陽電池10X(又は、太陽電池10Y)の幅Wよりも小さい。言い換えると、配線基板30の幅Wは、太陽電池ストリング110の幅Wよりも小さい。
【0065】
なお、溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)の深さ、導電材(導電材42、導電材43及び導電材44)の厚み、電極(第1電極12及び第2電極13)の関係は、以下に示す通りであることが好ましい。
【0066】
溝部の深さは、10μm〜1000μmの範囲であることが好ましい。導電材の厚みは、1μm〜“溝部の深さ−1”μmであることが好ましい。電極の厚みは、数10μmであることが好ましい。
【0067】
さらには、配線基板(配線基板30)の厚みが100μmである場合に、溝部の深さが60μm、導電材の厚みが20μm以上、電極の厚みが40μm以上であることが好ましい。
【0068】
なお、導電材と電極との接触を良好するために、溝部の深さは、“導電材の厚み”+“電極の厚み”よりも10μm程度小さいことが好ましい。
【0069】
(太陽電池の接続)
以下において、第1実施形態に係る太陽電池の接続について、図面を参照しながら説明する。図10〜図12は、第1実施形態に係る太陽電池10及び配線基板30の断面を示す図である。具体的には、図10は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図9に示すC−C断面)を示す図である。図11は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図9に示すD−D断面)を示す図である。図12は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図9に示すE−E断面)を示す図である。
【0070】
図10に示すように、太陽電池10Xの裏面側第2電極12Bは、導電材42を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Xの裏面側第2電極12Bは、配線基板30(絶縁体31)によって太陽電池10Yの裏面側第2電極12Bから絶縁される。
【0071】
図11に示すように、太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、配線基板30(絶縁体31)によって太陽電池10Xの受光面側第2電極13Bから絶縁される。
【0072】
図12に示すように、太陽電池10Xにおいて、裏面側第2電極12Bは、配線基板30(絶縁体31)によって受光面側第2電極13Bから絶縁される。
【0073】
図10〜図12に示したように、裏面側第2電極12B及び受光面側第2電極13Bは、太陽電池10X(又は、太陽電池10Y)内において、電気的に接続されないように設けられる。一方で、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bが配線材20Aによって電気的に接続される。
【0074】
(配線基板の構成(2))
以下において、第1実施形態に係る配線基板の構成(2)について、図面を参照しながら説明する。図13及び図14は、第1実施形態に係る配線基板30を示す図である。
【0075】
ここでは、複数の太陽電池10のうち、太陽電池10P及び太陽電池10Qを例に挙げて説明する。太陽電池10P及び太陽電池10Qは、太陽電池ストリング110間において、互いに隣接する太陽電池10である。例えば、太陽電池10Pは、太陽電池ストリング110Aの一端に設けられた太陽電池10Eであり、太陽電池10Qは、太陽電池ストリング110Bの一端に設けられた太陽電池10Fである(図1を参照)。
【0076】
また、太陽電池10Pの裏面11N及び太陽電池10Qの裏面11Nを配線基板30が覆うケースについて例示する。なお、図13及び図14は、配線基板30が有する面のうち、裏面11Nと対向する面を示す図である。
【0077】
図13に示すように、配線基板30は、絶縁体31によって構成されており、絶縁体31は、溝部32、溝部33及び溝部34に加えて、溝部35を有する。なお、溝部32、溝部33及び溝部34は、図8に示す溝部32、溝部33及び溝部34と同様である。
【0078】
溝部35は、太陽電池10P及び太陽電池10Qに跨って連続している。詳細には、溝部35は、配列方向Aにおいて、太陽電池10Pの一端部及び太陽電池10Qの一端部に跨って連続している。また、溝部35は、太陽電池10P側の溝部33と連続しており、かつ、太陽電池10Q側の溝部32と連続している。
【0079】
図14に示すように、溝部32の底には、導電材42が設けられており、溝部33の底には、導電材43が設けられる。溝部34の底には、導電材44及び配線材20Aが設けられる。
【0080】
ここで、溝部35の底には、太陽電池ストリング110間において、複数の太陽電池10を接続する配線材20Bが設けられる。上述したように、太陽電池10P側の溝部33が溝部35に連続しているため、太陽電池10P側の導電材43は、配線材20Bに連なる。同様に、太陽電池10Q側の溝部32が溝部35に連続しているため、太陽電池10Q側の導電材42は、配線材20Bに連なる。
【0081】
言い換えると、太陽電池10Pの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Bに電気的に接続される。同様に、太陽電池10Qの裏面側第2電極12Bは、導電材42を介して配線材20Bに電気的に接続される。
【0082】
すなわち、太陽電池10P及び太陽電池10Qは配線材20Bによって電気的に接続される。
【0083】
(作用及び効果)
実施形態では、配線基板30に設けられた溝部32及び溝部33は、裏面側第2電極12B及び受光面側第2電極13Bに沿って設けられる。従って、少なくとも2以上の太陽電池10と配線基板30との位置合わせが容易である。
【0084】
実施形態では、配線基板30に設けられた溝部(溝部32及び溝部33)の底に導電材(導電材42及び導電材43)が設けられており、導電材(導電材42又は導電材43)は、電極(裏面側第2電極12B又は受光面側第2電極13B)から配線材20に連なる。従って、タブなどの配線材の配線を簡略化することができる。すなわち、太陽電池モジュール100の製造工程が簡略化される。
【0085】
詳細には、以下に示す2つのケースが考えられる。ケース(1)は、太陽電池ストリング110内において、互いに隣接する太陽電池10(太陽電池10X及び太陽電池10Y)を電気的に接続するケースである。ケース(2)は、太陽電池ストリング110間において、互いに隣接する太陽電池10(太陽電池10P及び太陽電池10Q)を電気的に接続するケースである。
【0086】
ケース(1)では、太陽電池10Xの裏面側第2電極12Bは、導電材42及び導電材44を介して配線材20Aに電気的に接続される。同様に、太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。これによって、太陽電池10X及び太陽電池10Yは配線材20Aによって電気的に接続される。
【0087】
ケース(1)では、配線基板30に設けられた溝部34に配線材20Aが設けられる。従って、太陽電池ストリング110内において複数の太陽電池10を電気的に接続する配線材の配線を省略することができ、太陽電池モジュール100の製造工程が簡略化される。
【0088】
ケース(2)では、太陽電池10Pの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Bに電気的に接続される。同様に、太陽電池10Qの裏面側第2電極12Bは、導電材42を介して配線材20Bに電気的に接続される。これによって、太陽電池10P及び太陽電池10Qは配線材20Bによって電気的に接続される。
【0089】
ケース(2)では、配線基板30に設けられた溝部35に配線材20Bが設けられる。従って、太陽電池ストリング110間において複数の太陽電池10を電気的に接続する配線材の配線を省略することができ、太陽電池モジュール100の製造工程が簡略化される。
【0090】
実施形態では、上述した(1)のケースにおいて、配線基板30の幅Wは、太陽電池ストリング110の幅Wよりも小さい。従って、太陽電池ストリング110の間隔を狭めることができる。すなわち、太陽電池10の集積率を上げることができる。
【0091】
実施形態では、上述した(2)のケースにおいて、配線材20Bに引出電極120が設けられる(図1を参照)。従って、配列方向Bにおいて、引出電極120が太陽電池ストリング110の外側にはみ出さないため、太陽電池モジュール100のサイズ拡大を抑制することができる。
【0092】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0093】
具体的には、第1実施形態において、配線材20Aは直線形状を有する。これに対して、変更例1では、図15に示すように、配線材20Aはジグザグ形状を有する。
【0094】
なお、変更例1では、配線基板30の溝部34に配線材20Aが設けられる点については、第1実施形態と同様である。すなわち、配線基板30の溝部34はジグザグ形状を有する。
【0095】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0096】
具体的には、変更例2では、第1実施形態と比べて、電極のパターンが異なっている。また、変更例2では、溝部(溝部32及び溝部33)の底と導電材(導電材42及び導電材43)との間に弾性部材が設けられる。
【0097】
(太陽電池の配列)
以下において、変更例2に係る太陽電池の配列について、図面を参照しながら説明する。図16は、変更例2に係る太陽電池10の配列を示す図である。なお、図16は、裏面側から太陽電池10を見た図である。
【0098】
ここでは、複数の太陽電池10のうち、太陽電池10X及び太陽電池10Yを例に挙げて説明する。太陽電池10X及び太陽電池10Yは、太陽電池ストリング110内において、互いに隣接する太陽電池10である。
【0099】
変更例2では、図16に示すように、太陽電池10X及び太陽電池10Yは同様の構成を有する。一方で、太陽電池10Xの向きは、太陽電池10Yの向きと180°異なる。
【0100】
ここで、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、略直線上に配列されることが好ましい。同様に、太陽電池10Xの受光面側第2電極13B及び太陽電池10Yの裏面側第2電極12Bは、略直線上に配列されることが好ましい。
【0101】
(配線基板の構成)
以下において、変更例2に係る配線基板の構成について、図面を参照しながら説明する。図17は、変更例2に係る配線基板30を示す図である。
【0102】
ここでは、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nを配線基板30が覆うケースについて例示する。図17は、配線基板30が有する面のうち、裏面11Nと対向する面を示す図である。
【0103】
図17に示すように、導電材42、導電材43及び配線材20Aは、複数の太陽電池10に跨って設けられる。第2実施形態では、導電材42、導電材43及び配線材20Aは、複数の太陽電池10に跨って略直線上に設けられる。
【0104】
なお、変更例2では、配線基板30の溝部32に導電材42が設けられる点、配線基板30の溝部33に導電材43が設けられる点については、第1実施形態と同様である。同様に、配線基板30の溝部34に配線材20Aが設けられる点については、第1実施形態と同様である。すなわち、配線基板30の溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)は、複数の太陽電池10に跨って略直線上に設けられる。
【0105】
(太陽電池の接続)
以下において、変更例2に係る太陽電池の接続について、図面を参照しながら説明する。図18は、変更例2に係る太陽電池10及び配線基板30の断面を示す図である。具体的には、図18は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図17に示すF−F断面)を示す図である。
【0106】
図18に示すように、太陽電池10Xの裏面側第2電極12Bは、導電材42を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。従って、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bが配線材20Aによって電気的に接続される。
【0107】
また、図18に示すように、溝部32の底と導電材42との間に弾性部材52が設けられる。また、溝部33の底と導電材43との間に弾性部材53が設けられる。弾性部材52及び弾性部材53としては、ゴム系樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、多孔質構造の樹脂などを用いることができる。
【0108】
(作用及び効果)
変更例2では、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bが略直線上に配列される。同様に、太陽電池10Xの受光面側第2電極13B及び太陽電池10Yの裏面側第2電極12Bが略直線上に配列される。
【0109】
従って、配線基板30の溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)が複数の太陽電池10に跨って略直線上に設けられる。すなわち、配線基板30の溝部のパターンが簡易である。
【0110】
変更例2では、溝部32の底と導電材42との間に弾性部材52が設けられ、溝部33の底と導電材43との間に弾性部材53が設けられる。従って、配線基板30を光電変換部11に接着する際に生じる応力が、弾性部材52及び弾性部材53によって緩和される。
【0111】
[第2実施形態]
以下において、第1実施形態の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0112】
具体的には、第1実施形態では、受光面11M及び裏面11Nの双方に電極が設けられる。これに対して、第2実施形態では、裏面11Nに電極が集約される。
【0113】
(太陽電池の配列)
以下において、第2実施形態に係る太陽電池の配列について、図面を参照しながら説明する。図19は、第2実施形態に係る太陽電池10の配列を示す図である。なお、図19は、裏面側から太陽電池10を見た図である。
【0114】
ここでは、複数の太陽電池10のうち、太陽電池10X及び太陽電池10Yを例に挙げて説明する。太陽電池10X及び太陽電池10Yは、太陽電池ストリング110内において、互いに隣接する太陽電池10である。
【0115】
第2実施形態では、太陽電池10は、裏面側第1電極12A及び裏面側第2電極12Bに代えて、第1導電型第1電極12C及び第1導電型第2電極12Dを有する。同様に、太陽電池10は、受光面側第1電極13A及び受光面側第2電極13Bに代えて、第2導電型第1電極13C及び第2導電型第2電極13Dを有する。
【0116】
第1導電型第1電極12C及び第1導電型第2電極12Dは、キャリア(正孔又は電子)を収集する第1電極12を構成する。第1導電型第1電極12C及び第1導電型第2電極12Dは、光電変換部11の裏面11Nに設けられており、例えば、AgやCuなどの低抵抗金属によって構成される。
【0117】
具体的には、第1導電型第1電極12Cは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有する。第1導電型第2電極12Dは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状を有する。第1導電型第2電極12Dは、配列方向Bにおける太陽電池10の端部に設けられる。
【0118】
複数の第1導電型第1電極12Cは、光電変換部11の裏面11Nの略全領域に亘って設けられることが好ましい。第1導電型第2電極12Dは、光電変換部11の裏面11Nにおいて、複数の第1導電型第1電極12Cと交差し、電気的に接続される。
【0119】
第2導電型第1電極13C及び第2導電型第2電極13Dは、キャリア(電子又は正孔)を収集する第2電極13を構成する。第2導電型第1電極13C及び第2導電型第2電極13Dは、光電変換部11の裏面11Nに設けられており、例えば、AgやCuなどの低抵抗金属によって構成される。
【0120】
具体的には、第2導電型第1電極13Cは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有する。第2導電型第2電極13Dは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状を有する。第2導電型第2電極13Dは、配列方向Bにおける太陽電池10の端部に設けられる。
【0121】
複数の第2導電型第1電極13Cは、光電変換部11の裏面11Nの略全領域に亘って設けられることが好ましい。第2導電型第2電極13Dは、光電変換部11の裏面11Nにおいて、複数の第2導電型第1電極13Cと交差し、電気的に接続される。
【0122】
ここで、第1導電型第1電極12C及び第1導電型第2電極12Dは、第2導電型第1電極13C及び第2導電型第2電極13Dに電気的に接続されないように設けられることに留意すべきである。
【0123】
なお、第2実施形態では、光電変換部11の裏面11Nに第1導電型領域及び第2導電型領域がそれぞれ部分的に形成されている。第1導電型第1電極12C及び第1導電型第2電極12Dは、光電変換部11の裏面11Nに部分的に形成された第1導電型領域上に形成されており、第2導電型第1電極13C及び第2導電型第2電極13Dは、光電変換部11の裏面11Nに部分的に形成された第2導電型領域上に形成されている。
【0124】
第2実施形態では、図19に示すように、太陽電池10X及び太陽電池10Yは同様の構成を有する。一方で、太陽電池10Xの向きは、太陽電池10Yの向きと180°異なる。
【0125】
ここで、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12D及び太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dは、略直線上に配列される。同様に、太陽電池10Xの第2導電型第2電極13D及び太陽電池10Yの第1導電型第2電極12Dは、略直線上に配列される。
【0126】
(配線基板の構成)
以下において、第2実施形態に係る配線基板の構成について、図面を参照しながら説明する。図20は、第2実施形態に係る配線基板30を示す図である。
【0127】
ここでは、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nを配線基板30が覆うケースについて例示する。図20は、配線基板30が有する面のうち、裏面11Nと対向する面を示す図である。
【0128】
図20に示すように、導電材42、導電材43及び配線材20Aは、複数の太陽電池10に跨って略直線上に設けられる。
【0129】
なお、第2実施形態では、配線基板30の溝部32に導電材42が設けられる点、配線基板30の溝部33に導電材43が設けられる点については、第1実施形態と同様である。同様に、配線基板30の溝部34に配線材20Aが設けられる点については、第1実施形態と同様である。すなわち、配線基板30の溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)は、複数の太陽電池10に跨って略直線上に設けられる。
【0130】
また、第2実施形態では、溝部32は、裏面側第2電極12Bに代えて、第1導電型第2電極12Dに沿って設けられる。同様に、溝部33は、受光面側第2電極13Bに代えて、第2導電型第2電極13Dに沿って設けられる。
【0131】
(太陽電池の接続)
以下において、第2実施形態に係る太陽電池の接続について、図面を参照しながら説明する。図21は、第2実施形態に係る太陽電池10及び配線基板30の断面を示す図である。具体的には、図21は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図20に示すG−G断面)を示す図である。
【0132】
図21に示すように、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12Dは、導電材42を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。従って、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12D及び太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dが配線材20Aによって電気的に接続される。
【0133】
(作用及び効果)
第2実施形態によれば、電極が裏面側に集約された太陽電池モジュール100において、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0134】
[変更例1]
以下において、第2実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0135】
具体的には、変更例1では、第2実施形態と比べて、電極のパターンが異なっている。変更例1では、溝部(溝部32及び溝部33)の底と導電材(導電材42及び導電材43)との間に弾性部材が設けられる。
【0136】
(太陽電池の配列)
以下において、変更例1に係る太陽電池の配列について、図面を参照しながら説明する。図22は、変更例1に係る太陽電池10の配列を示す図である。なお、図22は、裏面側から太陽電池10を見た図である。
【0137】
ここでは、複数の太陽電池10のうち、太陽電池10X及び太陽電池10Yを例に挙げて説明する。太陽電池10X及び太陽電池10Yは、太陽電池ストリング110内において、互いに隣接する太陽電池10である。
【0138】
変更例1では、図22に示すように、太陽電池10X及び太陽電池10Yは同様の構成を有する。また、太陽電池10Xの向きは、太陽電池10Yの向きと同じである。
【0139】
ここで、第1導電型第1電極12Cは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状を有する。第1導電型第2電極12Dは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有する。第1導電型第2電極12Dは、配列方向Aにおける太陽電池10の端部に設けられる。
【0140】
また、第2導電型第1電極13Cは、配列方向Aに沿って延びるライン状の形状を有する。第2導電型第2電極13Dは、配列方向Bに沿って延びるライン状の形状を有する。第2導電型第2電極13Dは、配列方向Aにおける太陽電池10の端部に設けられる。
【0141】
変更例1では、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、太陽電池10Xと太陽電池10Yとの境界において、配列方向Bに沿って設けられる。
【0142】
(配線基板の構成)
以下において、変更例1に係る配線基板の構成について、図面を参照しながら説明する。図23は、変更例1に係る配線基板30を示す図である。
【0143】
ここでは、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nを配線基板30が覆うケースについて例示する。図23は、配線基板30が有する面のうち、裏面11Nと対向する面を示す図である。
【0144】
図23に示すように、導電材42、導電材43及び配線材20Aは、太陽電池10Xと太陽電池10Yとの境界において、配列方向Bに沿って延びる形状を有する。
【0145】
なお、変更例1では、配線基板30の溝部32に導電材42が設けられる点、配線基板30の溝部33に導電材43が設けられる点については、第1実施形態と同様である。同様に、配線基板30の溝部34に配線材20Aが設けられる点については、第1実施形態と同様である。すなわち、配線基板30の溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)は、太陽電池10Xと太陽電池10Yとの境界において、配列方向Bに沿って延びる形状を有する。
【0146】
(太陽電池の接続)
以下において、変更例1に係る太陽電池の接続について、図面を参照しながら説明する。図24及び図25は、変更例1に係る太陽電池10及び配線基板30の断面を示す図である。具体的には、図24は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図23に示すH−H断面)を示す図である。図25は、太陽電池10及び配線基板30の断面(図23に示すI−I断面)を示す図である。
【0147】
図24に示すように、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12Dは、導電材42を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12Dは、配線基板30(絶縁体31)によって太陽電池10Yの第1導電型第2電極12Dから絶縁される。
【0148】
図25に示すように、太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dは、配線基板30(絶縁体31)によって太陽電池10Xの第2導電型第2電極13Dから絶縁される。
【0149】
このように、太陽電池10Xの第1導電型第2電極12D及び太陽電池10Yの第2導電型第2電極13Dが配線材20Aによって電気的に接続される。
【0150】
また、図24及び図25に示すように、溝部32の底と導電材42との間に弾性部材52が設けられる。また、溝部33の底と導電材43との間に弾性部材53が設けられる。弾性部材52及び弾性部材53としては、ゴム系樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、多孔質構造の樹脂などを用いることができる。
【0151】
(作用及び効果)
変更例1では、太陽電池10Xの裏面側第2電極12B及び太陽電池10Yの受光面側第2電極13Bは、太陽電池10Xと太陽電池10Yとの境界において、配列方向Bに沿って設けられる。
【0152】
従って、配線基板30の溝部(溝部32、溝部33及び溝部34)は、複数の太陽電池10の境界において、1つ溝部に集約される。すなわち、配線基板30の溝部のパターンが簡易である。
【0153】
変更例1では、溝部32の底と導電材42との間に弾性部材52が設けられ、溝部33の底と導電材43との間に弾性部材53が設けられる。従って、配線基板30を光電変換部11に接着する際に生じる応力が、弾性部材52及び弾性部材53によって緩和される。
【0154】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0155】
具体的には、第1実施形態では、受光面側第1電極13Aが光電変換部11の受光面11Mに設けられており、受光面側第2電極13Bが光電変換部11の裏面11Nに設けられる。これに対して、第3実施形態では、受光面側第1電極13A及び受光面側第2電極13Bの双方が光電変換部11の受光面11Mに設けられる。
【0156】
(太陽電池モジュールの構成)
以下において、第3実施形態に係る太陽電池モジュールの構成について、図面を参照しながら説明する。図26は、第3実施形態に係る太陽電池モジュール100の構成を示す図である。なお、図26は、太陽電池モジュール100の断面を示す図である。
【0157】
図26に示すように、太陽電池モジュール100は、受光面側保護材310と、裏面側保護材320と、封止材330とを有する。受光面側保護材310、裏面側保護材320及び封止材330の構成は、第1実施形態と同様である。
【0158】
第3実施形態では、複数の太陽電池10の裏面側には、配線基板30Aが設けられる。また、複数の太陽電池10の裏面側には、配線基板30Bが設けられる。
【0159】
(太陽電池の構成)
以下において、第3実施形態に係る太陽電池の構成について、図面を参照しながら説明する。図27及び図28は、第3実施形態に係る太陽電池10の構成を示す図である。なお、図27は、照射光を受光する受光面の反対側に設けられた裏面側から太陽電池10を見た図である。図28は、照射光を受光する受光面側から太陽電池10を見た図である。
【0160】
図27に示すように、光電変換部11の裏面11Nには、裏面側第1電極12A及び裏面側第2電極12Bが設けられる。複数の裏面側第1電極12Aは、所定間隔で設けられる。裏面側第2電極12Bは、光電変換部11の裏面11Nにおいて、複数の裏面側第1電極12Aと交差する。
【0161】
図28に示すように、光電変換部11の受光面11Mには、受光面側第1電極13A及び受光面側第2電極13Bが設けられる。複数の受光面側第1電極13Aは、所定間隔で設けられる。受光面側第2電極13Bは、光電変換部11の受光面11Mにおいて、複数の受光面側第1電極13Aと交差する。
【0162】
なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、光電変換部11の受光面11Mに第1導電型領域が形成されており、光電変換部11の裏面11Nに第2導電型領域が形成されている。
【0163】
(太陽電池の接続)
以下において、第3実施形態に係る太陽電池の接続について、図面を参照しながら説明する。図29は、第3実施形態に係る太陽電池10、配線基板30A及び配線基板30Bの断面を示す図である。ここでは、太陽電池10Xの裏面11N及び太陽電池10Yの裏面11Nを配線基板30A及び配線基板30Bが覆うケースについて例示する。
【0164】
図29に示すように、太陽電池10Xの受光面側第2電極13Bは、導電材43を介して配線材20Aに電気的に接続される。一方で、太陽電池10Yの裏面側第2電極12Bは、導電材42を介して配線材20Aに電気的に接続される。従って、太陽電池10Xの受光面側第2電極13B及び太陽電池10Yの裏面側第2電極12Bが配線材20Aによって電気的に接続される。
【0165】
ここで、第3実施形態では、配線基板30Aに溝部32が設けられており、配線基板30Bに溝部33が設けられている。なお、裏面側第2電極12Bに沿って溝部32が設けられる点、受光面側第2電極13Bに沿って溝部33が設けられる点については、第1実施形態と同様である。また、溝部32に導電材42が設けられる点、溝部33に導電材43が設けられる点についても、第1実施形態と同様である。
【0166】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0167】
実施形態では、配線基板30が2つの太陽電池10の主面(受光面又は裏面)を覆うケースを例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、配線基板30が3つ以上の太陽電池10の主面(受光面又は裏面)を覆ってもよい。なお、配線基板30は、太陽電池ストリング110内及び太陽電池ストリング110間の双方において、2つ以上の太陽電池10を覆ってもよい。
【0168】
実施形態では特に触れていないが、配線基板30が配置される総領域は、太陽電池10が配置される総領域の内側であることが好ましい。これによって、太陽電池モジュール100のサイズ拡大を抑制することができる。
【0169】
第1実施形態の変更例1又は第2実施形態の変更例2で示した弾性部材(弾性部材52及び弾性部材53)は、他の実施形態や変更例に適用できることは勿論である。
【0170】
第1実施形態で示したように、太陽電池ストリング110間に跨る配線基板30は、他の実施形態や変更例に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0171】
10…太陽電池、11…光電変換部、12…第1電極、13…第2電極、14…スルーホール電極、15…絶縁部材、20…配線材、30…配線基板、32〜35…溝部、42〜44…導電材、52〜53…弾性部材、100…太陽電池モジュール、110…太陽電池ストリング、120…引出電極、200…制御ボックス、310…受光面側保護材、320…裏面側保護材、330…封止材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池が配線材によって電気的に接続された太陽電池モジュールであって、
前記複数の太陽電池のうち、少なくとも2以上の太陽電池の主面を覆う配線基板を備え、
前記複数の太陽電池のそれぞれは、
照射光の受光に応じてキャリアを生成する光電変換部と、
前記光電変換部の主面上に設けられており、前記光電変換部から前記キャリアを収集する電極とを備えており、
前記配線基板は、前記電極の少なくとも一部に沿って設けられる溝部を有しており、
前記溝部の底には、導電材が設けられており、
前記溝部の底に設けられた前記導電材は、前記電極から前記配線材に連なることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
所定配列方向に沿って前記配線材によって電気的に接続された太陽電池群である帯状の太陽電池ストリングをさらに備え、
前記配線基板の幅は、前記太陽電池ストリングの幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記配線材は、前記溝部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記溝部は、前記少なくとも2以上の太陽電池に跨って連続しており、
前記配線材は、前記溝部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記溝部の底と前記導電材との間に、弾性部材が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
所定配列方向に沿って前記配線材によって電気的に接続された太陽電池群である複数の太陽電池ストリングをさらに備え、
前記複数の太陽電池ストリングは、第1太陽電池ストリングと、前記第1太陽電池ストリングに隣接する第2太陽電池ストリングとを含み、
前記第1太陽電池ストリングの一端に設けられた第1太陽電池は、前記第2太陽電池ストリングの一端に設けられた第2太陽電池と前記配線材によって電気的に接続されており、
前記配線基板は、前記第1太陽電池の主面及び前記第2太陽電池の主面を覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate