太陽電池

【課題】 材料の種類を少なくすることにより、半導体界面の数を少なくするとともに、製造工程の減少を図りながら、光電変換効率の向上を図ることができる太陽電池を提供する。
【解決手段】 表面負電極7と吸収層5との間には、障壁層6が設けられており、障壁層6にはエネルギー選択性コンタクトが設けられている。エネルギー選択性コンタクトは、量子井戸によって形成されている。また、表面負電極7を障壁層6とはショットキー接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のクリーンエネルギーとして記載される太陽電池として、従来、多接合型太陽電池が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。この太陽電池は、GaInP、GaInAs、Geの3材料を組み合わせたものであり、太陽光に含まれる幅広い波長域の光を吸収することができるため、高い光電変換効率を得ることができるというものである。また、光電変換効率をさらに高めるために、4〜6材料を用いた太陽電池の研究も進められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】M.Yamauchi, T.Takamoto, A.Khan, M.Imaizumi, S.Matsuda andN.J.Ekins-Daukes,Prog.Photovolt:Res.Appl.,2005;13:125-132
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記非特許文献1に開示された太陽電池では、光電変換効率を高めるために、多数の材料を組み合わせて用いている。このように、多数の材料を必要とすることから、半導体界面の数が増加してしまい、その分光電変換効率を低くしてしまうという問題がある。また、複数の材料を必要とするため、製造工程が増加するといった問題もある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、材料の種類を少なくすることにより、半導体界面の数を少なくするとともに、製造工程の減少を図りながら、光電変換効率の向上を図ることができる太陽電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明に係る太陽電池は、第1電極と第2電極との間に吸収層が形成され、第1電極と吸収層との間に障壁層が形成されており、障壁層に、エネルギー選択性コンタクトが設けられているものである。
【0007】
いわゆるホットキャリア理論によれば、高エネルギーの電子(ホットキャリア)を抜き出すことにより、光電変換効率を高めることができる。ここで、本発明に係る太陽電池においては、第1電極と吸収層との間に形成された障壁層にエネルギー選択性コンタクトが設けられている。このようなエネルギー選択性コンタクトが設けられていることにより、量子準位が電子平均エネルギーレベルに近いレベルの電子が第1電極に到達するようになる。このため、吸収層におけるホットキャリアを第1電極に到達させることができるので、ホットキャリア理論に基づく光電変換を行うことができることとなる。その結果、材料の種類を少なくすることによって半導体界面の数を少なくするとともに、製造工程の減少を図りながら、光電変換効率の向上を図ることができる
【0008】
ここで、第1電極と障壁層とは、低ショットキーバリアでショットキー接合されている態様とすることができる。
【0009】
このように、第1電極と障壁層とは、低ショットキーバリアでショットキー接合されていることにより、ホットキャリアを確実に選択することができる。その結果、光電変換効率を高いものとすることができる。
【0010】
また、エネルギー選択性コンタクトが量子井戸である態様とすることができる。
【0011】
このように、エネルギー選択性コンタクトが量子井戸であることにより、エネルギー選択性コンタクトを好適に製造することができる。
【0012】
さらに、障壁層は、そのフェルミ準位が不純物準位以下であるライトドープ半導体からなる態様とすることができる。
【0013】
このように、障壁層のフェルミ準位が不純物準位以下であるライトドープ半導体によって障壁層が形成されていることにより、障壁層のフェルミ準位を第1電極のフェルミ準位の近傍に設定することができる。その結果、ホットキャリアのエネルギーロスを軽減することができる。
【0014】
また、エネルギー選択性コンタクトの量子準位が、第1電極のフェルミ準位よりも熱エネルギー程度以上大きくされている態様とすることができる。
【0015】
このように、エネルギー選択性コンタクトの量子準位が、第1電極のフェルミ準位よりも熱エネルギー程度以上大きくされていることにより、ホットキャリアのエネルギーロスを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る太陽電池によれば、材料の種類を少なくすることにより、半導体界面の数を少なくするとともに、製造工程の減少を図りながら、光電変換効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の変形例に係る太陽電池の斜視図である。
【図3】本実施形態に係る太陽電池におけるバンド構造を示す図である。
【図4】キャリアがエネルギーを失う際のバンド構造を示す図である。
【図5】(a)は吸収層と電子障壁層とが接合する前の状態を示す側面図、(b)は吸収層と電子障壁層とが接合した後の状態を示す側面図である。
【図6】さらなる変形例に係る太陽電池におけるバンド構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。本実施形態に係る太陽電池1は、いわゆるホットキャリア型の太陽電池であり、高エネルギーを持った電子またはホール(以下「キャリア」という)を電力に変換し、高い光電変換効率を実現するものである。
【0020】
図1に示すように、太陽電池1は、裏面正電極2、基板3、電子障壁層4、吸収層5、障壁層6、および表面負電極7を備えている。また、障壁層6は、下方障壁層11、量子井戸12および上方障壁層13を備えている。さらに、表面負電極7には、負電極8が取り付けられている。また、表面負電極7の表面が、太陽光などの光が入射する入射面となる。
【0021】
裏面正電極2は、本発明の第2電極を構成し、太陽電池1の裏面側に配置されている。裏面正電極2は、板状を呈しており、太陽電池1の最下層に配置されている。裏面正電極2は、金属製であり、起電力を取り出すための正電極(+電極)として機能するものである。
【0022】
基板3は、P型GaAsからなる。この基板3上に、電子障壁層4が形成されている。電子障壁層4は、P+型ALGaAsを20nm程度の薄い層に成長させて形成されたものである。電子障壁層4としては、強いP型のALGaAsを用いていることにより、バンドギャップが曲がり、ホールに対しては障壁がなく、電子のみブロックする障壁層とされている。
【0023】
電子障壁層4の表面には、吸収層5が形成されている。吸収層5は、P−のGaAsからなり、1000nm程度の厚さの層として形成されている。吸収層5の表面には、障壁層6が形成されている。
【0024】
障壁層6は、ライトドープのn−のAlGaAs/GaAs/AlGaAsを数nmずつ成長させて形成されており、そのフェルミ準位が不純物準位以下であるライトドープ半導体とされている。このうち、下層のAlGaAs層が下方障壁層11、その上層のGaAsが量子井戸12、さらにその上層のAlGaAs層が上方障壁層13を形成する。また、量子井戸12は、エネルギー選択性コンタクトとして機能している。エネルギー選択性コンタクトとしては、量子井戸12に限らず、図2に示すように、障壁層6にGaAs等の量子ドット20を設ける態様とすることもできる。これらの量子井戸12やドットを形成することにより、ホットキャリア型の太陽電池を実現することができる。
【0025】
障壁層6の表面には、本発明の第1電極を構成する表面負電極7が形成されている。障壁層6と表面負電極7とは、直接接触し、低ショットバリアでショットキー接合されている。表面負電極7は、光が透過できる程度に極薄く形成された薄膜透明の金属の膜からなる。表面負電極7に用いられる金属としては、金、プラチナ、タングステン等を挙げることができる。これらの金、プラチナ、タングステン等の金属を用いることにより、表面負電極7は、0.5eV程度のショットキーバリアを生じる。
【0026】
表面負電極7の表面には、負電極8が設けられている。負電極8は、くし型に厚い金属電極であり、表面負電極7で十分に取り出すことができない電流を取り出すことができるようにしている。
【0027】
以上の構成を有する本実施形態に係る太陽電池1により、電子のみを高エネルギーで取り出すことができる構成のホットキャリア型太陽電池を実現することができる。ホットキャリア型太陽電池を実現するためには、量子トンネル効果を利用して特定エネルギーのキャリアのみを抜き出すエネルギー選択性コンタクトが必要となる。
【0028】
このようなエネルギー選択性コンタクトを得るために本発明者らは、バンド構造について種々の考察を加えた。その結果、以下の構造とすることにより、エネルギー選択性コンタクトを得ることができることを知見した。
【0029】
その1つは、電子(ホール)を取り出すエネルギー選択性コンタクトを備える障壁層6を、フェルミ準位がバンドギャップ内の中央よりやや上(または下)の位置にあるライトnドープ(またはpドープ)の半導体とし、金属電極に直接接触することである。
【0030】
また、他の1つは、金属電極として、障壁層6に対して0.5eV程度の低いショットキーバリアを生じる材料を選択することである。
【0031】
さらに他の1つは、エネルギー選択性コンタクト量子準位が障壁層のフェルミ準位よりわずかに高い位置に構造とすることである。
【0032】
キャリアには、負電荷である電子と正電荷であるホールとがあり、どのキャリアを高エネルギー状態で取り出すかで3通りの構成が考えられる。ここで、本実施形態に係る太陽電池1におけるバンド構造を図3に示す。太陽電池1では、電子を高エネルギー状態で取り出す。図3において、横軸には太陽電池の厚み方向の位置を示し、縦軸にはエネルギーの大きさを示す。図3中、実線で囲まれる白抜きの領域はキャリアが存在しえないバンドキャップを示している。また、図3中に、吸収層5のフェルミ準位となる吸収層フェルミ準位AFP、障壁層6のフェルミ準位となる障壁層フェルミ準位WFP、エネルギー選択性コンタクトである量子井戸12の量子準位であるESC量子準位EQPを示す。さらには、障壁層6と表面負電極7との間におけるショットキーバリアSKBをも示す。
【0033】
ここで、障壁層フェルミ準位WFPは、吸収層フェルミ準位AFPよりも高くなっているが障壁層6には、ESC量子準位EQPが存在する。また、ESC量子準位EQPと表面負電極7のフェルミ準位(=障壁層フェルミ準位WFP)との間には、わずかな段差(
0.03〜0.1eVの段差がある。この段差によって、表面負電極7から障壁層6へのキャリアの逆流が防止されている。
【0034】
入射面から入射した太陽光などの光は、吸収層5において吸収されキャリアを生じる。吸収層5は、キャリアのエネルギーが失われ難いGaAsによって構成されており、電子は光で励起されてホットキャリアとなっている。図3に示すように、ホットキャリアのエネルギー準位HCPは、高いエネルギーを保っている。ここで、図3中には1つのホットキャリアのエネルギー準位HCPのみを示しているが、太陽電池1における吸収層5には、多数のホットキャリアが存在している。これらの多数のホットキャリアには互いに相互作用が働いており、ホットキャリアのエネルギーレベルは常に変動している。
【0035】
吸収層5におけるホットキャリアは、電子障壁層4に阻まれて裏面正電極2には到達することができない。また、障壁層6には量子井戸12からなるエネルギー選択性コンタクトが設けられている。このエネルギー選択性コンタクトは、電子平均エネルギーレベルに近いレベルの量子準位をもっている。また、量子井戸12に接する下方障壁層11および上方障壁層13はいずれも薄膜(数nm)とされている。このため、量子準位が量子井戸12の量子準位に近いホットキャリアは、トンネル効果によって量子井戸12を出入りすることができるので、ホットキャリアは表面負電極7に到達することができる。
【0036】
その一方、吸収層5におけるホールは、ホットキャリアとは逆に、障壁層6を乗り越えることができないため、表面負電極7に到達することはできない。また、裏面正電極2側には壁がないので、裏面正電極2に到達することができる。
【0037】
一般に、電子に比べてホールのエネルギーは分布の広がりが小さくなっている。このため、電子のみを高エネルギーのホットキャリアとして取り出す構成としてもホットキャリア型太陽電池としての性能を十分に発揮できると考えられる。
【0038】
本実施形態に係る太陽電池1では、吸収層5にはキャリアを高エネルギーに保つ特別な工夫がされてない。このため、キャリアのエネルギーは低下するが、その一方で、吸収層5のバンドギャップより高い開放電圧を発生させることを期待することができる。また、吸収層5に量子構造を導入する等の方法によってキャリアのエネルギー低下を抑制することができ、光を集光してキャリア密度を増すことによって光電変換効率が向上し、実用的な性能を実現することができる。
【0039】
このように、表面負電極7には、ホットキャリアが到達し、裏面正電極2にはホールが到達する。よって、ホットキャリア理論の条件を満たすことになるので、光電変換効率を高いものとすることができる。また、太陽電池1に用いる材料を少なくすることができるので、半導体界面の数を少なくするとともに、製造工程の減少を図ることもできる。
【0040】
ここで、従来、吸収層5からエネルギー選択性コンタクトによって狭いエネルギー範囲のキャリアを取り出すことで光電変換効率を高めることができること、量子ドット等を用いることによってエネルギー選択性コンタクトを実現すること、は知られていた。しかしながら、エネルギー選択性コンタクトを通過したキャリアのエネルギーを失わせることなく、そのキャリアを電極に到達させることはできなかった。
【0041】
エネルギー選択性コンタクトを実現するためには、バンドキャップの広い材料でできた障壁層の内部に、バンドギャップの狭い材料による量子ドット等を埋め込めばよい。ところが、エネルギー選択性コンタクトの量子準位が電極のフェルミ準位よりもはるかに高い位置にある場合は、キャリアは電極内でエネルギーを失って熱に転換してしまうため、光電変換効率の向上を望むことはできなかった。
【0042】
逆に、エネルギー選択性コンタクトの量子準位が電極のフェルミ準位よりもはるかに低い位置にある場合には、電極から吸収層にキャリアが逆流してしまい、やはり光電変換効率の向上に寄与することができなくなる。さらに、エネルギー選択性コンタクトのみの部分を作成し、ダイオードとして評価した事例があるが、この事例では、障壁層に半導体を介して金属電極を接合した構成であった。このため、エネルギー選択性コンタクトの量子準位が電極のフェルミ準位よりもはるかに高い位置にある構成となり、光電変換効率の向上に寄与するものではない。
【0043】
吸収層から取り出したキャリアのエネルギーを失うことなく維持するためには、トンネル効果によってESC量子準位から障壁層に抜け出るキャリアを直接電極で受けとめればよい。本実施形態に係る太陽電池1では、障壁層6と表面負電極7とが接合していることにより、キャリアが障壁層6と表面負電極7との間で互いに移動し、両者のフェルミ準位が一致する状態で平衡に達するようになる。ここで、障壁層6をライトドープとし、障壁層6のフェルミ準位をバンドギャップの中央よりやや上側に位置させている。このため、この状態で障壁層6が電子側とホール側との両方に十分な高さの障壁を有するようにすることができる。
【0044】
また、障壁層6は、電子側にも適切な高さ、たとえば0.5eV程度の障壁としてショットキーバリアを有することが必要となる。ここで、本実施形態に係る太陽電池1では、ショットキーバリアを生じる材料、たとえば金、プラチナ、タングステンを表面負電極7に用いている。このため、ショットキーバリアを好適に設けることができる。
【0045】
さらに、表面負電極7のフェルミ準位が障壁層6のESC量子準位よりも低いか、両準位がほぼ同じである場合、キャリアが移動せず、表面負電極7のフェルミ準位がESC量子準位よりも大きい場合、図4に示すようにキャリアがエネルギーを失ってエネルギーロスが生じる。このとき、キャリアのエネルギーロスを最小限に抑制し、キャリアのエネルギーを高く保つとともに、表面負電極7から障壁層6へのキャリアの逆流を防ぐためには、ESC量子準位EQPが表面負電極7のフェルミ準位(=障壁層フェルミ準位WFP)よりもわずか、具体的には熱エネルギーよりも大きい程度であり、具体的には0.03〜0.1eVに高い位置にくるのが最良となる。
【0046】
他方、キャリアのエネルギーを高く保つためには、特殊な工夫が必要である。たとえば、InNのような物質を使ってそれを可能とする方法は従来知られている。そのほか、エネルギーを失ったキャリアは、他の高いエネルギーキャリアのエネルギーを低下させる原因となるため、低エネルギーのキャリアを取り除く構成として、エネルギーの減少を抑制することもできる。低エネルギーのキャリアを取り除く方法として、微量の金を障壁層6に混入することができる。こうして、低エネルギーキャリアを再結合させて除去することができる。
【0047】
続いて、電子障壁層4の必要厚さについて言及する。電子障壁層4は、濃いドープのP型であることから、電子障壁層4に注入されたキャリアはほとんど基板3と吸収層5とに拡散している。このため、電子障壁層4における電荷分布は、ドープ濃度そのものに近くなり、電位Vを記述するポアソン方程式は、下記(1)式に示すようになる。
【0048】
V/dx≒eN/ε ・・・(1)
ここで、e:電子の電荷
:ドープ濃度
ε:誘電率
x:厚さ方向の座標
【0049】
障壁の曲がりは−Vと平行であるので、電子障壁層4の障壁がホールに対してなくなるためには、イントリンシックなAlGaAsとGaAs間における障壁高さをΔVとすると、電子障壁層4の厚さdは、下記(2)式の厚さとすることが必要となる。
【0050】
d=2(2εΔV/eN1/2 ・・・(2)
【0051】
上記(2)式で表される厚さdが、電子障壁層4としての必要厚さの最小値となる。この場合、図5(a)に示すように、吸収層5と電子障壁層4とを接合すると、図5(b)に示すように、バンド構造が曲がることになるので電子障壁層4からなるホール側の障壁は薄くなり、薄くなった障壁をホールがトンネル効果ですり抜けられるようにしたいので、障壁を薄く、たとえば1nm以下の薄壁にするためには、ドープを濃くすることによって対応することができる。ここで、仮に薄壁の厚さを電子障壁層4の厚さの1/4とすると、必要なドープ濃度Nは、下記(3)式に示すようになる。
【0052】
=εΔV/2e・b ・・・(3)
【0053】
なお、図5(a)中には、ドープによるキャリアCを示し、図5(b)中には、電子障壁層4に拡散したキャリアCを示す。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記各実施形態では、表面負電極7として金属を用いているが、金属以外の材料を用いることもできる。表面負電極としては、たとえば、nドープの半導体AlGa(1−x)As(x=0.1〜0.6程度)を用いることができる。このような半導体を用いることもできる。この電極に用いる伝導帯下端と障壁層との間のエネルギー高さの関係は、図6に示すようなバンド構造の太陽電池とすることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、表面側に負電極を設け、裏面側に正電極を設けているが、表面側に正電極を設け、裏面側に負電極を設ける態様とすることもできる。さらに、上記実施形態ではいわゆるPN接合された太陽電池を例としているが、いわゆるPIN接合された太陽電池とすることもできる。
【符号の説明】
【0056】
1…太陽電池、2…裏面正電極、3…基板、4…電子障壁層、5…吸収層、6…障壁層、7…表面負電極、8…負電極、11…下方障壁層、12…量子井戸、13…上方障壁層、20…量子ドット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極との間に吸収層が形成され、前記第1電極と前記吸収層との間に障壁層が形成されており、
前記障壁層に、エネルギー選択性コンタクトが設けられていることを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1電極と前記障壁層とは、低ショットキーバリアでショットキー接合されている請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記エネルギー選択性コンタクトが量子井戸である請求項1または請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記障壁層は、フェルミ準位が不純物準位以下であるライトドープ半導体からなる請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記エネルギー選択性コンタクトの量子準位が、前記第1電極のフェルミ準位よりも熱エネルギー程度以上大きくされている請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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